JP4949943B2 - レゾルバ - Google Patents
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Description
特に、自動車においては、コギングがドライバビリティを悪くするため、コギングを減少させることが要望されているため、通電切替を正確に行いたいという要望が強い。
この種のレゾルバとしては、可変リラクタンス型レゾルバ(VR型レゾルバ)が使用されている。VR型レゾルバとは、磁路中に設けたギャップの変動によりトランスの効率が変化することを利用したレゾルバである。ギャップが回転角に対して周期的に変化するようにロータの形状を設定することにより、回転子側の巻線無しで角度出力を検出することができる。
励磁コイルに印加する正弦波の周波数を高くすれば、巻線数を少なくできるのであるが、周波数を高くすると、回転角を読取処理する電気回路が複雑となり、検出精度の安定性が低下する問題がある。
この問題を解決するために、特許文献1の技術では、ある時間における検出信号の振幅の比に基づいて、回転角度を検出する方法が提案されている。この振幅変化方式のレゾルバは、任意のタイミングで回転角度を正確に把握できるため、ハイブリッド自動車で使用されるレゾルバに採用されている。
(A)振幅変化方式のレゾルバはコストが高くなる。
特許文献1に記載された、振幅比方式のレゾルバは、ある時間における検出信号の振幅の比を算出するにあたり、回路の簡素化を狙ったものであるが、高速A/D変換器が必要となったり、フーリエ変換演算が必要なったりするなど、ハード面、ソフト面での負担が大きくなる。そして、センサシステムトータルでのコストは依然として比較的高いという課題があった。
一方、励磁信号と検出信号との位相差に基づいて回転角度を検出する方法には、以下の二つの問題がある。
第1には、励磁信号の周波数には誤差があるため、励磁信号と検出信号の位相差時間を正確なカウンタで計測しても誤差が発生し、検出した回転角度の精度が悪くなる問題があった。
また、第2には、レゾルバの温度が高くなったときに、レゾルバ本体の抵抗とリアクタンスが変化し、その結果、位相が変化して角度検出精度が悪くなる問題があった。車両に搭載する場合には、当然ながら温度上昇があり、レゾルバもそれに伴い温度が上がる。よって、温度が上がるほど角度検出精度も悪化してしまう。
位相差方式のレゾルバを車載する場合には、このような2つの問題の解決が課題となっている。
(1)正弦波と余弦波とを励磁信号として発生させる励磁信号発生器と、前記励磁信号を受け取るロータと、前記ロータの出力信号を検知する検知回路とを有し、前記ロータの角度情報を検出するレゾルバにおいて、
前記検知回路が検知した前記出力信号のゼロクロス点における前記角度情報を出力するレゾルバ/デジタルコンバータを有することを特徴とする。
前記ロータの回転方向を、前記ロータ出力信号の位相が、前記励磁信号の位相に対して進み側にすることを特徴とする。
前記ゼロクロス点と次のゼロクロス点との間に前記角度情報を要求された場合、要求時刻における前記角度情報を、直前の前記ロータの角度変化に基づいて推定計算することを特徴とする。
前記レゾルバ/デジタルコンバータとして、CPUのフリーランニングカウンタ機能と、インプットキャプチャ機能とを使用することを特徴とする。
前記励磁信号発生器が、CPUの基準クロックに同期させて、前記正弦波と前記余弦波とを発生させることを特徴とする。
前記ロータ出力信号と前記励磁信号との位相差と、前記励磁信号の周期との比に基づいて、前記角度情報を算出することを特徴とする。
前記角度情報が、前記励磁信号のゼロクロス点と、検知回路が検知した前記出力信号のゼロクロス点との時間差から求められることを特徴とする。
まず、(1)に記載の発明は、正弦波と余弦波とを励磁信号として発生させる励磁信号発生器と、励磁信号を受け取るロータと、ロータの出力信号を検知する検知回路とを有し、ロータの角度情報を検出するレゾルバにおいて、検知回路が検知した出力信号のゼロクロス点における角度情報を出力するレゾルバ/デジタルコンバータを有するので、出力信号のゼロクロス点における瞬間の角度情報を出力することで、励磁信号のゼロクロス点における瞬間の角度情報のように、時間的なズレが生じず、精度を高くすることができる。
また、複雑な回路を用意することなく、ロータの角度検出が可能であるので、コストダウンに貢献する。
同時に、車両後進時のロータ回転方向は、出力信号の位相が励磁信号の位相に対して遅れ側になるため、後進時ゼロクロスインターバルは停止時のインターバルと比較して長くなってしまう。
しかし、車両においては、後進時は高速運転することがほとんどないので、前進時のインターバルを短くして回転角検出精度を向上させたときに、後進時の回転角度検出精度が若干悪化することは問題とならない。
このとき、直前の角度変化に基づいて、その瞬間における角度を推定しているので、角度の検出精度も高いレベルを維持することができる。
車両にレゾルバを搭載する場合には、高速で回転する車両駆動用のモータの角度を任意の時間に得たいというニーズは高く、メリットがある。
例えば、CPUの基準クロックが温度ドリフトによりズレが生じた場合でも、レゾルバ/デジタルコンバータとして同じCPU内の基準クロックを用いてカウントすることになるので、温度ドリフト等の影響を受けずに精度良く角度情報を検出することが可能になる。
そして、出力信号のゼロクロス点での角度情報を算出するため、角度情報の出力にタイムラグが少なく、角度情報の精度を上げることが可能となる。
[第1実施形態]
まず、第1実施形態の構成を説明する。
図1に、第1実施形態のレゾルバ100の概念図を示す。また、図2に、レゾルバ100のモータ軸15周りの断面図を示す。
レゾルバ100は、励磁信号発生器10、励磁コイル20、ロータ30、ロータリートランス40及び第1コンパレータ51、第2コンパレータ52からなる。
励磁信号発生器10として、第1励磁信号発生器11と第2励磁信号発生器12を備える。第1励磁信号発生器11は、aSinωtという正弦波を出力することができる。第2励磁信号発生器12は、aCosωtという余弦波を出力することができる。
モータ軸15は、図示しない車両の駆動軸そのものか、同期して回転するシャフトである。モータ軸15は、図2に示すようにモータ16に接続されている。モータ軸15にはロータ30が固定されて、モータ軸15と同期して回転する。
励磁コイル20は、図2に示されるように、プリント基板上にパターンが形成されている。
ロータ30は一対のロータリートランス40に電気的に接続され、ロータリートランス40と第2コンパレータ52は電気的に接続されている。ロータリートランス40は、図2に示されるように、一方がロータ30とは別の板に円環状のプリント基板上に形成されている。また、他方がハウジング側に設けられたブラケットの内周面のプリント基板上に形成されている。また、第1コンパレータ51は、第1励磁信号発生器11と電気的に接続されている。
制御用コントローラ60は、車両制御用のCPUであるが、別に専用のCPUを用意しても良い。制御用コントローラ60に限らず汎用のCPU、フリーランニングカウンタ及びインプットキャプチャ機能が備えられているので、これらの機能を用いれば、レゾルバ100に専用のレゾルバ/デジタルコンバータを用いることなく、レゾルバ100の角度情報を得ることができる。
図3に、レゾルバ100のモータ軸15が回転していない状態の波形をグラフで示す。また、図4に、図3から対応する矩形波を検出している様子の波形をグラフで示す。
X軸は時間軸であり、Y軸は振幅を示している。図3には励磁信号W1と出力信号W2を示している。
これら励磁信号W1及び出力信号W2は以下のように生成される。
まず、図1に示す第1励磁信号発生器11では、正弦波aSinωtが作られ、第1励磁コイル21及び第1コンパレータ51に正弦波aSinωtが与えられる。この正弦波aSinωtは励磁信号W1となる。
ロータ30で発生した誘起電圧は、ロータ30を介して第2コンパレータ52に供給される。
このように得た励磁信号W1及び出力信号W2を用いて、時刻t0を求める。
図3に示される時間T1は位相差の時間であり、時間T2は励磁信号W1の一周期の時間である。原理的には、角度θ0は、θ0=(T1/T2)×360という数式で求められる。
角度θ0は、時刻t0の時点でのロータ30の角度であり、この角度情報を制御用コントローラ60による車両制御に利用している。
第2コンパレータ52は、前述したようにロータリートランス40から供給された誘起電圧の波形からゼロクロス点を検出する。
すなわち、図4に示すように、出力信号W2がX軸に交差する出力信号第1ゼロクロス点P21と、出力信号第2ゼロクロス点P22、及び出力信号第3ゼロクロス点P23で、信号の極性が逆転する。よって、第2コンパレータ52により、出力信号W2の立ち上がり、又は立ち下がりを検出することが可能である。
このゼロクロス点のタイミングから生成した第2矩形波R2の信号を、制御用コントローラ60に渡す。
すなわち、図4に示すように、励磁信号W1がX軸に交差する励磁信号第1ゼロクロス点P11、励磁信号第2ゼロクロス点P12、及び励磁信号第3ゼロクロス点P13で、信号の極性が逆転する。よって、第1コンパレータ51により、励磁信号W1の立ち上がり、又は立ち下がりを検出することが可能である。
励磁信号W1の場合も同様に、励磁信号第1ゼロクロス点P11が立ち上がりであれば、励磁信号第2ゼロクロス点P12は立ち下がり、励磁信号第3ゼロクロス点P13は立ち上がりで、1波長分となる。よって、第1コンパレータ51が検出する信号の間隔から第1矩形波R1を生成可能である。
このゼロクロス点のタイミングから生成した第1矩形波R1の信号を、制御用コントローラ60に渡す。
図5に、レゾルバ100内部で発生する信号の波形をグラフで示す。図5は、図3及び図4と異なり、ロータ30が回転している状態である。つまり、θがtの関数となるので、θ=αtという式で表される。よって、励磁信号W1と出力信号W2の位相差は時間と共に変化していく。
出力信号W2のα>0であれば、図5に示すように出力信号W2は励磁信号W1に比べて波長が短くなる。この場合でも、同様にして角度θを求めることが可能である。
角度θの算出は、図5に示すように、出力信号W2の1波長分の時間T3と励磁信号W1の1波長分の時間T2、及び時間T2から時間T3を引いた時間T1によって求めることができる。すなわちθ0=(T1/T2)×360となる。
θ0=((T2―T3)/T2)×360という数式で角度θ0を求めることが可能である。
すなわち、時間T3を計測時終えた瞬間にθ0を求めることができ、時刻t0におけるθ0を検出することができる。
角度θは、図6に示されるように、出力信号W2のゼロクロス点において求めることが可能である。例えば、時刻t4における角度θは、θ4=((T2−T7)/T2)×360として求めることが可能である。この他、角度θ1、θ2、θ3、θ5もそれぞれ計算することが可能である。
こうして、第2矩形波R2のゼロクロス点での角度θを求めることが可能となる。
図7に、制御用コントローラ60の内部の処理について簡単に説明したフローを示す。図7では、図5についての制御用コントローラ60内部での処理を示している。
S1では、第1矩形波R1の立ち上がりを検出したかどうかをチェックする。第1矩形波R1の立ち上がりを検出していれば(S1:Yes)、S2に移行する。立ち上がりを検出していなければ(S1:No)、S5に移行する。
S2では、基準クロックより立ち上がり時刻を取得する。図5の場合、制御用コントローラ60内部の基準クロックと比較して第1矩形波R1の立ち上がりの時刻を調べる。そしてS3に移行する。
S3では、前回時刻と比較して時間T2を取得する。第1矩形波R1の立ち上がりの時刻は分かっているので、前回の時刻との差分から、時間T2を取得する。図5の場合は、開始時刻からの差分となる。そしてS4に移行する。
S5では、第2矩形波R2の立ち上がりを検出したかについてチェックする。第2矩形波R2の立ち上がりを検出していれば(S5:Yes)、S6に移行する。そうでなければ(S5:No)、S1に移行する。
S6では、基準クロックより立ち上がり時刻を取得する。図5の場合、制御用コントローラ60内部の基準クロックと比較して第2矩形波R2の立ち上がりの時刻である時刻t0を調べる。そしてS7に移行する。
S7では、前回時刻と比較してT3を取得する。第2矩形波R2の立ち上がり時刻t0は分かっているので、前回の時刻との差分から、時間T3を取得する。図5の場合は、開始時刻からの差分となる。そしてS8に移行する。
S9では、時間T2及び時間T3より角度を求める。角度θ0は、((T2―T3)/T2)×360という数式で求められる。
このようなフローで制御用コントローラ60での内部処理が行われ、角度情報を得ることができる。
しかし、制御上はそれ以外のタイミングでも角度情報を得たい場合がある。例えば、図6に示したような時刻txで角度検出要求があった場合、上述の方法では時刻t2まで情報の出力を待つ必要がある。
ただし、前々回の角度情報と時刻情報を記憶していれば、これを用いて時刻txの角度情報を推定することができる。
すなわち、図6の時刻txに角度検出要求があった場合、時刻t0の角度θ0と、時刻t1の角度θ1とを用い、事前の変化率を用いて角度θxを推定することが可能である。
つまり、θx=θ1+(θ1―θ0)×((tx―t1)/(t1―t0))という数式で計算される。
第1の効果として、レゾルバ100の角度情報の精度が向上する点が挙げられる。
すなわち、正弦波aSinωtと余弦波aCosωtとを励磁信号W1として発生させる励磁信号発生器10と、励磁信号W1を受け取るロータ30と、ロータ30の出力信号W2を検知するロータリートランス40とを有し、ロータ30の角度情報を検出するレゾルバ100において、ロータリートランス40が検知した出力信号W2のゼロクロス点における角度情報を出力する制御用コントローラ60を有するので、出力信号W2のゼロクロス点における瞬間の角度情報を出力することで、励磁信号W1のゼロクロス点における瞬間の角度情報のように、時間的なズレが生じず、精度を高くすることができる。
しかし、励磁信号W1のゼロクロス点と、出力信号W2のゼロクロス点とが異なるので、励磁信号W1のゼロクロス点でロータ30の角度θを得た場合、ロータ30が高速回転していると、その時点ではロータ30は進角しており、正確な角度情報をレゾルバ100から出力できなかった。
また、ロータ30の回転速度が変化するため、正確にその角度情報を補正することも困難であった。
そこで、出力信号W2のゼロクロス点でロータ30の角度情報を得るようすることで、リアルタイムに角度情報をレゾルバ100から得ることができるようになった。
つまり、上述した図5及び図6に示されるように、励磁信号W1に比べて出力信号W2の周期は短くすることができる。これは、レゾルバ100のロータ30の回転による効果である。
図8に、レゾルバ100内部で発生する、ロータ30反転時のグラフを示す。
ロータ30反転時、すなわち車両がバックする際にモータ軸15が反転する状態では、α<0となり、励磁信号W1に比べて出力信号W2の波長は長くなっている。
例えば励磁信号W1の周波数を10kHzとすると、出力信号W2の周期は100μs以下となる。
すなわち、車両前進時にはモータ軸15が高速回転することで出力信号W2の周期は励磁信号W1よりも短くなり、得られる角度情報も多く、より正確な情報が得られる。
一方、車両後退時にはモータ軸15が逆転することで出力信号W2の周期は励磁信号W1よりも長くなる。しかしながら、一般的に車両を高速でバックさせることは少ない。よって、出力信号W2の周期の冗長化は殆ど問題とならない。また、前進の頻度に比べて後退の頻度は少なく、よりシビアな制御を必要とするのは前進時である。よって、図7に示すようなS2の周期が長くなり、モータ軸15の角度検出精度が悪化するとしても殆ど問題とはならない。
レゾルバ/デジタルコンバータとして、制御用コントローラ60のフリーランニングカウンタ機能と、インプットキャプチャ機能とを使用するので、専用のレゾルバ/デジタルコンバータを使用せずに、汎用のCPUを代用することが可能である。
汎用のCPUは価格低下が進んでおり、またレゾルバ100を車両に搭載する場合には車両制御用のCPUを使用するなどの運用も考えられるため、レゾルバ100を低コストで提供することが可能となる。
特許文献1に示される振幅変化方式を用いた場合、前述したように高速A/D変換器が必要となったり、フーリエ変換演算が必要となったりするなど、ハード面、ソフト面両方での負担が大きく、トータルコストも高い。一方、第1実施形態によれば、図1に示す通りに、第1コンパレータ51及び第2コンパレータ52を用意するだけで良いため、大幅にコストダウンを図ることが可能である。
例えば、制御用コントローラ60の基準クロックが温度ドリフトによりズレが生じた場合でも、レゾルバ/デジタルコンバータとして同じCPU内の基準クロックを用いてカウントすることになるので、内部温度の上昇の影響をキャンセルすることができる。よって精度良くレゾルバ100の角度情報を検出することが可能になる。
このとき、直前の角度変化に基づいて、その瞬間における角度を推定しているので、角度の検出精度も高いレベルを維持することができる。
車両にレゾルバを搭載する場合には、車両をきめ細かく制御するために高速で回転する車両駆動用のモータの角度を任意の時間に得たいというニーズは高い。
しかし、例えば検出インターバルである時間T2が100μsで、1Xのレゾルバ100の場合、10000rpm/sの角加速度で加速しているとして、上記計算方法での角度θxの最大誤差0.0006度程度である。
車両制御において、この程度の推定誤差は殆ど問題とならない。
よって、任意の角度情報要求の時刻txに角度情報を得られることにはメリットがある。
次に、第2実施形態の構成について説明を行う。
図9は、第2実施形態のレゾルバ100の概念図を示す。
第2実施形態のレゾルバ100は、第1実施形態のレゾルバ100の構成と同じである。ただし、第1励磁信号発生器11及び第2励磁信号発生器12において、制御用コントローラ60の基準クロックを用いている。
このように、第1励磁信号発生器11及び第2励磁信号発生器12に制御用コントローラ60の基準クロックを用いて、正弦波aSinωt及び余弦波aCosωtを生成させれば、正弦波aSinωt及び余弦波aCosωtは制御用コントローラ60の基準クロックと同期して生成させることができる。
S11では、第2矩形波R2の立ち上がりを検出する。第2矩形波R2の立ち上がりを検出すれば(S11:Yes)、S12に移行する。検出しなければ(S11:No)、第2矩形波R2の立ち上がりを検出するまで待機する。
S12では、基準クロックより立ち上がり時刻を取得する。そしてS13に移行する。
S13では、前回時刻と比較し時間T3を取得する。そしてS14に移行する。
S14では、時間T2及び時間T3より角度を求める。θ0は、((T2―T3)/T2)×360で求められる。
このようにして、モータ軸15の角度情報を得ることができる。
第2実施形態の図10は、時間T2を計測する必要がないため、第1実施形態の図7のS1乃至S4とS8を必要としない。したがって図7のS1乃至S4とS8を省いたものが図10であり、動作もほぼ同じである。
レゾルバ100の励磁信号発生器10が、制御用コントローラ60の基準クロックに同期させて、正弦波aSinωtと余弦波aCosωtとを発生させるので、出力信号W2のゼロクロス点の時間を制御用コントローラ60が精度良く検出することができる。
例えば、制御用コントローラ60の基準クロックが温度ドリフトによりズレが生じた場合でも、レゾルバ/デジタルコンバータとして同じ制御用コントローラ60内の基準クロックを用いてカウントすることになる。よって、同じ基準クロックを用いて角度θを求めるので、温度ドリフトの影響をキャンセルすることができ、精度良く角度情報を検出することが可能になる。
従来のレゾルバ100であればレゾルバ/デジタルコンバータを別途用意していたので、制御用コントローラ60が計算を行う必要はなかった。しかし、第1実施形態及び第2実施形態では、制御用コントローラ60を用いて角度情報を得ているために、ある程度は制御用コントローラ60に計算負荷がかかる。このような負荷は軽いことが望ましい。
時間T2を検出しないことで、図7と図10を比較すると分かるように、ステップ数は半分程度に短縮され、制御用コントローラ60に求められる計算負荷も軽減される。したがって、制御用コントローラ60のスペックを高くしてコストアップを招くような事態にならず、従来の位相差方式のレゾルバのように、専用のレゾルバ/デジタルコンバータも必要としないので、コストダウンを図ることができる。
例えば、第1実施形態に示したレゾルバ100の構成図では、ロータ30やロータリートランス40をプリント基板に生成したパターンとして記載しているが、特にこれに制限されず、別の方式を用いることを妨げない。
また、2つの実施形態において、それぞれ制御用コントローラ60を用いて計算するとしているが、制御用コントローラ60の負荷を下げるために、別途安価な市販のCPUを用いることを妨げない。
11 第1励磁信号発生器
12 第2励磁信号発生器
15 モータ軸
16 モータ
20 励磁コイル
21 第1励磁コイル
22 第2励磁コイル
30 ロータ
40 ロータリートランス
51 第1コンパレータ
52 第2コンパレータ
60 制御用コントローラ
100 レゾルバ
Claims (5)
- 正弦波と余弦波とを励磁信号として発生させる励磁信号発生器と、前記励磁信号を受け取るロータと、前記ロータの出力信号を検知する検知回路とを有し、前記ロータの角度情報を検出するレゾルバにおいて、
前記検知回路が検知した前記出力信号のゼロクロス点における前記角度情報を出力するレゾルバ/デジタルコンバータを有すること、
車両前進時の前記ロータの回転方向を、前記ロータの出力信号位相が、前記励磁信号の位相に対して進み側にすることにより、車両前進時のゼロクロス点のインターバルが車両停止時及び車両後退時のゼロクロス点のインターバルと比較して短いこと、
を特徴とするレゾルバ。 - 請求項1に記載するレゾルバにおいて、
前記ゼロクロス点と次のゼロクロス点との間に前記角度情報を要求された場合、
要求時刻における前記角度情報を、直前の前記ロータの角度変化に基づいて推定計算することを特徴とするレゾルバ。 - 請求項1又は請求項2に記載するレゾルバにおいて、
前記レゾルバ/デジタルコンバータとして、CPUのフリーランニングカウンタ機能と、インプットキャプチャ機能とを使用することを特徴とするレゾルバ。 - 請求項3に記載するレゾルバにおいて、
前記励磁信号発生器が、CPUの基準クロックに同期させて、前記正弦波と前記余弦波とを発生させることを特徴とするレゾルバ。 - 請求項1に記載するレゾルバにおいて、
前記ロータの出力信号と前記励磁信号との位相差と、前記励磁信号の周期との比に基づいて、前記角度情報を算出することを特徴とするレゾルバ。
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