JP4949850B2 - 微細構造スクリーン用組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、一般に、背面投写型スクリーンの製造に使用される組成物、およびその結果得られたスクリーンに関し、より詳細には、スクリーンを透過した光を分散させるための全内部反射構造が組み込まれた背面投写型スクリーンに関する。
一般に、背面投写型スクリーンは、スクリーンの背面上に投射された画像が鑑賞空間まで透過するように設計されている。この投射システムの鑑賞空間は、比較的広い場合もあるし(たとえば、背面投射型テレビ)、比較的狭い場合もある(たとえば、背面投射型データモニター)。背面投写型スクリーンの性能は、スクリーンの種々の特性に基づいて説明することができる。スクリーン性能の説明に使用される典型的なスクリーン特性としては、利得、視野角、解像度、コントラスト、色およびスペックルなどの望ましくないアーティファクトの存在などが挙げられる。
一般に、高解像度、高コントラスト、および高利得を有する背面投写型スクリーンが望まれている。スクリーンによって光が広い鑑賞空間に及ぶようになることも望ましい。残念ながら、スクリーン特性の1つが改善されると、1つ以上の他のスクリーン特性が低下する場合が多い。たとえば、スクリーンに対して種々の位置にいる観察者に適応させるために、水平視野角を変化させることができる。しかし、水平視野角が増加すると、個々の用途に必要な値を超えて垂直視野角も増加する場合があり、そのため全体のスクリーン利得が減少する。その結果、個々の背面投射型ディスプレイ用途において許容される全体性能を有するスクリーンを製造するために、スクリーンの特性および性能においてある種の妥協が必要となる。
米国特許第6,417,966号明細書において、モシュレフザデー(Moshrefzadeh)らは、透過した光を少なくとも1つの分散面に向けて反射するために配置された反射面を有するスクリーンを開示している。これによって、このスクリーンは、背面投射型システムに画像光を非対称に分散させることができ、光を観察者に選択的に向けることができる。モシュレフザデー(Moshrefzadeh)らは、キャスティングおよび硬化方法、コーティング技術、平坦化方法、ならびにオーバーコーティング材料の除去を使用するステップの組み合わせを含むこのスクリーンの製造方法も教示している。
本発明は、少なくとも約10パーセントのアクリル酸パーフルオロアルキルスルホンアミドエチルと、少なくとも約5パーセントの脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマーと、少なくとも約1パーセントのアクリレートモノマーと、約84パーセント未満の他の反応性および非反応性の成分とを有する組成物に関する。この組成物は、吸光性顔料を添加すると、スクリーンを透過した光を分散させるための全内部反射構造が組み込まれた背面投写型スクリーンなどの光学素子中の吸光性接着剤として特に有用となる。
以下に図面を参照しながら本発明をさらに説明するが、いくつかの図面にわたって類似の構造は類似の番号で表されている。
これらの図面では本発明のいくつかの実施態様を説明しているが、他の実施態様も考慮される。本開示では、限定するためではなく説明のために本発明の説明的実施態様を提示している。当業者は、本発明の原理の意図の範囲内にある多数の他の修正および実施態様を考案することができる。図面は縮尺通りには描かれていない。
さらに、一部の実施態様は「第1」、「第2」、「第3」などの名称で示しているが、これらの説明は参照しやすくするためのものであり、好ましい順序を示すものではないことを理解されたい。これらの説明は単に、明確にするため、異なる実施態様の間で区別するために使用されている。
図1は、マイクロリブスクリーン構造の側面図である。説明される種々の実施態様は、前面投射およびその他のスクリーン用途に利用することができるが、本開示の目的のため背面投写型スクリーン用途に関して主として説明を行う。マイクロリブ構造20は、透光性ベース基体22と、微細構造拡散リブ24とを含む。用語「微細構造」は、マイクロメートル(μm)またはより小さな単位の固有の寸法を有する特徴を含む。一般に、微細構造の特徴は、0.01μm未満から100μmを超えるまでの固有寸法を有することができる。1つの特徴の固有寸法を構成するものは特徴の種類に依存する。例としては、表面内の溝状の特徴の幅、表面上の柱状突出部の高さ、ならびに表面上のとがった突出部またはくぼみの先端における曲率半径が挙げられる。したがって、サブマイクロメートルの許容誤差を有する寸法を、特徴の固有寸法が有する場合には、巨視的な特徴でさえも微細構造であると言うことができる。第1の実施態様においては、ベース基体22は、ポリマーなどの材料の透光性フィルムである。
代表的な一実施態様においては、直線状のリブまたはマイクロリブ24は、樹脂などの光学グレードホスト材料で形成され、特に、リブ24がバルク拡散体として機能するようにビーズなどの光散乱粒子をこの樹脂が含む。マイクロリブ構造20中の全内部反射(TIR)を誘導するため、リブの形状に関しては十分高いアスペクト比が選択される。図1に示される実施態様においては、光拡散リブ24は、V字型の空隙または溝26で分離されている。代表的実施態様においては、ベース基体22の実質的幅全体にわたって延在するリブとして光拡散構造24が説明されているが、別の実施態様においては、互い違い、または「チェッカーボード」のパターンなどでベース基体22上に配列可能な不連続なピークを構造24が形成することも考慮される。代表的な一実施態様においては、各構造24は底部23および複数の壁25を有し、壁25が底部23から延在するにつれて構造24が狭くなっていく。
高屈折率(RI)を有する樹枝などの材料が、一般に拡散リブ24に対して選択される。この用途においては、リブ24のRIとは、母材のRIを意味する。光拡散リブ24に好適な母材の例としては、改質アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリプロピレン、および他の光学ポリマーなどの約1.50以上の屈折率を有することが好ましいポリマーが挙げられる。
図2は、吸光材料28を充填した図1の構造の側面図である。埋め込み微細構造フィルム27は充填材料28を含む。材料28は典型的には、周辺光を吸収し、最終スクリーン構造のコントラストを改善するために黒色顔料または染料が混入される。光学材料28は低屈折率を有するので、吸光材料28と光拡散リブ24を構成する材料との間に比較的大きな屈折率差が生じる。少なくとも約0.06の屈折率差が望ましい。このような差によって、効率的な内部反射が誘導され、高いスクリーン性能が得られる。光拡散リブ24と吸光材料28との間の界面に内部反射面29が形成される。代表的な一実施態様においては、埋め込み微細構造フィルム27の前面30は平滑であるか、比較的つや消し面かであり、リブ上面31上のランドは最小限となる。全体的に内部反射面29は、前面30の光透過領域31を介して光を拡散させる。前面30は、好ましくは、透過する光の散乱を促進するつや消し表面仕上を有する。
第1の実施態様においては、吸光材料28は、約20%〜約50%(好ましくは約39%)のサートマー・カンパニー(Sartomer Company)製プロポキシル化ネオペンチルグリコールジアクリレートと;約50%〜約80%(好ましくは約58%)のゴールドシュミット・ケミカル(Goldschmidt Chemical)製で商標を有するRC−709アクリル化シリコーンと;約1%〜約3%(好ましくは約2%)の2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン光開始剤と;約1%のランプブラック分散体(このランプブラック分散体は、約67.5%のサートマー・カンパニー(Sartomer Company)製アクリル酸テトラヒドロフルフリルと、約25%のエレメンティス・ピグメンツ(Elementis Pigments)製LB 1011ランプブラックカーボンブラックと、約7.5%のルブリゾール(Lubrizol)製EFKA 4046(乾燥)とを含有する)とを含む。
プロポキシル化ネオペンチルグリコールジアクリレートは、接着剤64(図5参照)に対する接着性を増加させ、望ましい靱性、可撓性、および低収縮性を有するが、しかし、プロポキシル化ネオペンチルグリコールジアクリレートが多すぎると吸光材料28のRIが増加し、これは望ましくない。ゴールドシュミット・ケミカル(Goldschmidt Chemical)のRC−709アクリル化シリコーンは適宜RIを減少させるが、その量が多すぎると接着剤64に対する接着性が低下する。ランプブラック分散体のパーセント値は、全配合物中に望ましいカーボンブラックの全濃度で示され、この場合、約3,000ppm(百万分率)である。ランプブラック分散体中へのEFKA 4046の使用は、材料28の配合物中でのカーボンブラック粒子の分散を長期間維持するために重要である。本来カーボンブラックはアクリル化シリコーンに対して親和性ではなく、分散剤を使用せずにアクリル化シリコーンと混合すると凝集して沈降する。
安定な材料28の樹脂を得るために、成分の混合順序が重要となる。一実施態様においては、最初に約4:1の比率でヘプタンまたはヘキサンをEFKA 4046(供給元でEFKA 4046は酢酸エチル中に溶解されている)に加えることによって、乾燥EFKA 4046を得る。このEFKA 4046は溶液から析出し、容器底部に沈降する。この液体はデカンテーションして廃棄する。濡れた固形分を、1.27cm(0.5インチ)未満の厚さの皿に広げる。この皿を約65.6E C(150E F)のオーブンに約24〜約36時間入れる。次に、乾燥させた固形分を、使用のために小さな破片に分割した。乾燥EFKA 4046をアクリル酸テトラヒドロフルフリル中に溶解し、ボールミル中でこの溶液にカーボンブラックを加え、約1時間混合することによって、ランプブラック分散体の調製行う。高剪断ローターステーター混合機を使用して、このランプブラック分散体をプロポキシル化ネオペンチルグリコールジアクリレートと混合して、カーボンブラック粒子を濡らす。次に、アクリル化シリコーンおよび光開始剤を加える。
コロナ放電(窒素または空気コロナ処理など)、プラズマ、プライマー処理、または結合層の使用などの処理により前面30を改質することによって、吸光材料28と接着剤64との間の接着性を向上させることができる。一実施態様においては、非シリコーンの硬化アクリレートの透明な結合層を使用することで、接着剤64に対する結合面が設けられる。
図3は、図1の構造を製造する方法の一実施態様の図である。図2のスクリーン構造27の一製造方法は、ベース基体22上に拡散リブ24を形成する微細複製プロセス32と、マイクロリブ構造20上に吸光材料28をコーティングして埋め込み微細構造フィルム27を形成する平坦化プロセス34とを含む。用語「微細複製」は、マスターまたは型から物品上に微細構造の特徴を付与する方法を含む。このマスターは、ダイヤモンド旋盤、レーザーアブレーション、またはフォトリソグラフィなどのマイクロマシニング技術などによって微細構造が設けられる。微細構造を有するマスターの1つ以上の表面を硬化性材料で覆うこともでき、それによって、その材料が硬化すると、所望の微細構造化特徴の特徴のネガティブレプリカを有する物品が形成される。微細複製は、ロール、ベルト、および当技術分野で公知の他の装置を使用して実施することができる。微細複製は、限定するものではないが、押出成形、エンボス加工、放射線硬化、および射出成形などの技術によって実施することができる。微細複製プロセス32は、基体巻き出しステーション36、樹脂コーティングステーション38、精密ニップロール40、微細構造円筒42、紫外線ランプ44、および精密ニップロール46を使用する。平坦化プロセス34は、樹脂コーティングステーション48、精密ニップロール50、平滑、つや消し、または微細構造の円筒52、紫外線ランプ54、精密ニップロール56、および埋め込み微細構造フィルム巻き戻し機58を使用する。
一実施態様においては、微細複製プロセス32と平坦化プロセス34とが連続して実施される。最初にベース基体22が基体巻き出しステーション36から巻き出される。ベース基体22は、微細複製プロセス32の樹脂コーティングステーション38を通過するように案内され、ここでこのベースに、光散乱粒子を含む高屈折率樹脂がコーティングされる。ベース基体22および光拡散材料のコーティングは、精密ニップロール40によって微細構造円筒42に押し付けられて、リブ構造が光拡散材料に付与される。次に、このキャスト構造が紫外線ランプ44からの光によって硬化し、マイクロリブ構造20が精密ニップロール46から出現し、その結果図1に示されるモノリシック構造が得られる。
引き続きマイクロリブ構造20は樹脂コーティングステーション48まで移動し、ここで吸光材料28がオーバーコートされる。この複合構造は精密ニップロール50によって円筒52に押し付けられる。最終的に得られる図2に示す埋め込み平面微細構造フィルム27の前面30に所望のテクスチャーを付与するために、円筒52は、平滑の場合も、つや消しの場合も、または微細構造を有する場合もある。吸光材料28がマイクロリブ構造20上にキャストされた後、そのフィルムはさらに進行して、紫外線ランプ54からの光によって硬化される。完成した埋め込み微細構造フィルム27が精密ニップロール56から出現し、埋め込み微細構造フィルム巻き戻し機58の上に巻き取られる。図4は、追加層を有する図2の構造を示しており、シールドスクリーン60は、裏面62を有する埋め込み微細構造フィルム27と、透光性シールド66を取り付けるための前面30上の接着剤64とを含む。シールド66は、保護層であり、これはアクリル、ポリカーボネート、またはガラスなどの透明材料でできたフィルムまたはシートであってよい。シールド66は、コーティングされた微細構造フィルム27が接触によって損傷しないようにするための保護要素として機能する。シールド66は場合により使用される構成要素であるが、ほとんどの用途においてはこの保護が非常に有益となる。コーティング、表面テクスチャー、またはその他の手段によって、シールド66を、ぎらつき防止(つや消し)性、反射防止性、帯電防止性、耐擦傷性、または防汚性などにすることができる。一実施態様においては、シールド66は、ぎらつきのないつや消しの外部表面を有するサイロ・インダストリーズ(Cyro Industries)製の厚さ3ミリメートルのアクリルパネルである。
ベースフィルム22の厚さは、個々の特定の用途の必要条件に適合するように選択することができる。たとえば、厚さ約0.127mm(5ミル)〜約0.254mm(10ミル)の薄いベースフィルムは、製造を容易にするため選択することができ、一方、厚さ約0.508mm(20ミル)〜約1.016mm(40ミル)の厚いフィルムは製品の剛性を増すために選択することができる。好適な材料としては、たとえば、ポリカーボネート、ポリエステル、アクリル、ポリオレフィン、ポリプロピレン、およびビニルのフィルムが挙げられる。代表的な一実施態様においては、ベース基体22の裏面92は、画像系に戻る正反射を軽減するためのつや消し仕上を有する。
シールド66は、異なる機能を付与するために変化させることもできる。シールド66は、薄い(約0.508mm(20ミル)未満)から、半剛性(約0.508mm(20ミル)〜約1.016mm(40ミル))、から剛性(約1.016mm(40ミル)を超える)までの厚さの範囲にすることができる。ベース基体22および保護シールド66の厚さは、多種多様の製品が得られるように選択することができ、これらの選択肢は、全体の材料比、光学的機能、全体構造の剛性、および加工しやすさに影響する。
図5は、図4の構造を製造する方法の一実施態様を示す図である。一実施態様においては、1つの組立プロセスにおいて、平坦化プロセス34のすぐ後に積層プロセス68が行われる。積層プロセス68では、接着剤巻き出し機70、積層ニップアセンブリ72、および積層ニップアセンブリ74を使用する。積層ニップセンブリ72または74のそれぞれは、従動ホイールでも、独立駆動ホイールでもよいし、あるいはプロセス68を通過する部品を前進させるために他の駆動機構を使用することができる。接着剤巻き出し機70上にある接着材料は、典型的には、2つのライナー層の間に挟まれた感圧接着剤層である。接着剤巻き出し機70から接着材料が巻き出されるときに、上部ライナー76が接着材料から分離されて、上部ライナー巻き戻し機78上に巻き取られる。残った接着材料80は、フィルム巻き出し機58から巻き出された埋め込み微細構造フィルム27と接触する。埋め込み微細構造フィルム27および接着材料80は、積層ニップ72を通過することで互いに押し付けられる。
その後、接着複合材料80の底部ライナー82が除去され、底部ライナー巻き戻し機84上に巻き取られる。横に移動する供給ウェブまたは他の好適な機構によってシールド66が導入され、露出した接着剤64の上に配置される。次に、この構造が積層ニップ74を通過し、ここでシールド66が微細構造フィルム27上に押し付けられ、接着剤64によって接着される。埋め込み微細構造フィルム27は、個々のシールド66の間で切断して、個別のシールドスクリーン60を形成することができる。しかし、積層プロセスでは、遅いライン速度、生産費の増加、および材料利用度のために製品全体の費用がかなり増加しうる。たとえば、光学品質の感圧接着剤64の使用は非常に費用がかさみ、上部ライナー76および底部ライナー82の形態の廃棄物が生じる。
図6は、図3および5の方法で使用した種々のステップおよび材料が不要になる、シールドスクリーン60の別の形成方法を示している。図6は、第2の方法の1ステップの側面図である。一実施態様においては、マイクロリブ構造20は、図3に関して前述した微細複製プロセス32によって、ベース構造22上にV字型溝26を有する光拡散リブ24を設けることによって形成される。図6に示される代替法では、吸光材料28および接着剤64の両方の代わりに本発明の吸光性接着剤86を導入することによって、図3に示される平坦化プロセス34と、図5に示される2段階積層プロセスとが不要になっている。吸光性と接着剤の機能とを1つの材料が兼ね備えることによって、材料および製造ステップが節約される。シールド66の裏面87上に吸光性接着剤86が配置される。吸光性接着剤86が上に配置されたシールド66を、マイクロリブ構造20と接合させる。矢印89で示されるように、たとえば、シールド66およびマイクロリブ構造20が互いに積層される。
シールドスクリーン60は比較的剛性であることが典型的には望ましい(図5参照)。典型的にはより薄い基体22が使用されるので、剛性のシールドスクリーン60を得るために剛性のシールド66が通常選択される。しかし、剛性材料は、あらかじめシート状にして、図5に示される積層プロセス68に送り、このプロセス68を半連続的に実施して、より遅いプロセス速度にする必要がある。図6に示されるプロセスは、より厚いが可撓性である基体22およびシールド66を使用することができる。このように可撓性の基体22と吸光性接着剤86を有する可撓性のシールド66とを積層して剛性シールドスクリーンを得るには、20フィート/分を超える連続プロセスにおいて実施することができる。積層後、積層製品を個々の剛性シールドスクリーンに切断するためにインライン切断機を使用することができる。
一例として、図6の方法により作製され、0.508mm(20ミル)の基体22、吸光性接着剤86を充填した0.254mm(10ミル)の拡散リブ24の層、および0.508mm(20ミル)シールド66を有する1.27mm(50ミル)の複合シールドスクリーンは、1.524mm(60ミル)の多層トッパン(Toppan)スクリーン以上の剛性を有し、1.27mm(50ミル)のDNP単層スクリーンよりもはるかに剛性が高い。この剛性の増加は、吸光性接着剤86の接着特性に起因する。
代表的な一実施態様においては、吸光性接着剤86は、光拡散リブ24とシールド66との両方に接着する光重合性で低屈折率の材料である。代表的な一実施態様においては、光拡散リブ24の屈折率と、吸光性接着剤86の屈折率とには、これらの間の界面において透過よりも全反射が起こるのに十分な差がある。代表的な一実施態様においては、光拡散リブ24のマイクロリブ材料の屈折率は、単純なアクリレート材料の場合の1.49から、芳香族ポリカーボネートなどの材料の場合の1.58以上まで変動する。したがって、溝充填材料86に要求される屈折率は、マイクロリブ24の材料光学的性質(屈折率など)に依存する。ポリカーボネートなどの高屈折率のマイクロリブ材料の場合、市販の光積層(photolaminating)接着剤が適切となる場合がある。代表的な接着剤86は約1.50未満のRIを有する。特に好適な接着剤86は約1.45未満のRIを有する。
ある実施態様においては、接着剤86は、次の成分:ウレタンアクリレートオリゴマー;置換アクリレート、ジアクリレート、およびトリアクリレートのモノマー;アクリル酸パーフルオロアルキルスルホンアミドアルキルなどのフッ素化アクリレート;フッ素化アクリルアミド;アクリル化シリコーン;アクリル化シリコーンポリ尿素、ならびにUV活性化または可視光活性化光開始剤の1種類以上の着色混合物である。アクリル酸パーフルオロアルキルスルホンアミドアルキルが、低RIであり良好な機械的性質を有するため、特に有用である。好適な成分は、米国特許出願公開第2003/0139549号明細書および米国特許出願公開第2003/0139550号明細書に記載されており;どちらもパトリシア(Patricia)M.サブ(Savu)らによるものであり、どちらも表題は「フルオロケミカルスルホンアミド界面活性剤(Fluorochemical Sulfonamide Surfactants)」であり、それぞれ2002年10月4日および2002年12月5日に出願され、どちらも2003年7月24日に公開されている。
溝充填剤86の粘度が低すぎると、溝充填プロセス中に流動が起こる。このため、材料が無駄になることがあり、厚さが不均一になることがあり、プロセス設備を汚染することがある。この粘度が高すぎると、溝24の充填に時間がかかる場合があり、複雑なプロセスとなり気泡(光学的欠陥)を取り込む可能性が大きく増加しうる。光積層は約150センチポアズまでの低粘度の流体で実施することができるのに対し、多くの方法では重合前に少なくとも約400センチポアズの粘度で有益となりうる。重合前で約5,000センチポアズ程度の粘度で使用することができるが、適度なプロセス速度および気泡のないコーティングのためには、重合前で約1,500センチポアズ以下の粘度が特に好適となる。
基体とコーティングとの間の接着性の標準的な尺度は、これらを分離するのに必要な力の大きさであり、剥離力と呼ばれている。層の間の界面において優れた界面接着を示す系の剥離力は非常に大きい。拡散リブ24と吸光性接着剤86との間では少なくとも約35.7kg/m(2ポンド/インチ)の剥離力強度が適切であると思われるが、少なくとも約71.4kg/m(4ポンド/インチ)の剥離力強度を有することがより望ましい。この高い剥離力が、高温多湿の環境試験条件下で維持されるべきである。コロナ放電(窒素または空気コロナ処理など)、プラズマ、プライマー処理、または結合層の使用などの処理により基体表面を改質することによって十分な接着性を実現することができる。しかし、表面改質を必要とせずに、接着剤86が光拡散リブ24およびシールド66(使用する場合)に接着することが好ましい。
吸光性接着剤86の好適な一実施態様は、撹拌可能となるのに十分な粘度まで下げるため、以下の樹脂成分を約70EC(158EF)まで暖めることによって構成される:16.0gの脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー、19.0gのアクリル酸エトキシエトキシエチル、5.5gのヘキサンジオールジアクリレート、5.0gのアクリル酸テトラヒドロフルフリル、44.5gのアクリル酸N−メチル−パーフルオロブチルスルホンアミドエチル、10.0gのアクリロイルオキシエトキシパーフルオロブタン、および1.0gのフェニルビス(2,4,6トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド光開始剤。
次に、透明な溶液が得られるまで、これらの成分を振盪する。得られた溶液を、次に光を吸収するように着色する。好適な顔料の1つはカーボンブラックであり、一実施態様においては、約50ppm〜約20,000ppmの間の濃度でこの顔料が使用され、代表的な一実施態様においては、約1000ppmを超え約9000ppm未満となる濃度でこの顔料が使用される。カーボンブラック材料の樹脂材料に対する質量比を基準にして約3000ppmの濃度が特に好適である。一実施態様においては、ナイフコーティングなどの従来方法によってこの配合物をシールド66上に配置する。コーティングされたシールドは次に、図6に示されるマイクロリブ構造20の上に押し付けて、溝26をたとえば部分的または完全に充填する。過剰の接着剤86が存在する場合は、この構造体の上でゴムローラーを移動させることで除去する。この構造体を、11.81W/mm(300ワット/インチ)のフュージョン・システムDランプ(Fusion Systems D lamp)の下に、約6.1m(20フィート)/分で1回以上通す。別の方法においては、マイクロリブ構造20の上に上記配合物を直接コーティングし、次に、すでに接着剤86が上に配置されたマイクロリブ構造20にシールド66を接着する。その後の過剰の接着剤86を除去するステップ、および構造体を硬化させるステップを上記と同様である。
図7Aは、図6の方法で作製したスクリーンの一実施態様の側面図である。図6のステップによって、図7Aに示される完全に充填された構造を得ることができる。代表的な一実施態様においては、吸光性接着剤86は、リブ24内部で効率的なTIRを引き起こすために低屈折率を有する。拡散リブ24がシールド66に対して効果的に接着するように吸光性接着剤86が配合される。吸光性接着剤86は、許容できる外見で積層が行われるように低収縮特性を有することができる。さらに、加工に好都合となり迅速に硬化するようにするため、吸光性接着剤86が紫外光によって硬化可能であると特に好適である。
一実施態様においては、図3の微細複製プロセス32に示されるように、高屈折率の拡散性樹脂を使用して成形型から光拡散リブ24が複製される。他に明記しない限り、本出願におけるすべてのパーセント値は質量を基準としている。好適な樹脂の1つは、約79%の脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー、約19%のアクリル酸2−フェノキシエチル、および約2%の2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン光開始剤である。別の好適な樹脂は、約69%の脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー、約29%のアクリル酸2−(1−ナフチルオキシ)−エチル、および約2%の2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン光開始剤である。リブ24を形成する樹脂は、樹脂コーティングステーション38から基体またはベース構造22の上にコーティングされる。樹脂を上に有するベース構造22は、微細構造円筒42によって成形され、紫外(UV)ランプまたは電子ビーム44によって硬化される。典型的なUV硬化条件では、23.62W/mm(600ワット/インチ)のフュージョン・システムD電球システム(Fusion Systems D bulb system)を使用して、1分当たり約3.05m(10フィート)〜約6.10m(20フィート)の速度で操作され、UV電球の下を1回以上通される。形成されたマイクロリブ構造20は、微細複製プロセス32から取り出されて、自立構造が得られる。
次に、着色され、典型的には黒色である吸光性接着剤86が、シールド66などの第2の基体に適用される。好適な吸光性接着剤86の1つは、約30%の「配合物A」(「配合物A」は、約38.5%の脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー、約26.9%のアクリル酸エトキシエトキシエチル、約28.8%のアクリル酸イソボルニル、約5.8%のヘキサンジオールジアクリレート、および約1%のα,α−ジエトキシアセトフェノン(DEAP)光開始剤を有する)、約10%の脂肪族ウレタンジアクリレート、約30%のアクリル酸トリフルオロエチル、および約30%のアクリル酸N−メチル−パーフルオロブチルスルホンアミドエチルを有する樹脂から形成される。別の好適な吸光材料86は、約50%の上述の「配合物A」、および約50%のアクリル酸N−メチル−パーフルオロブチルスルホンアミドエチルを有する樹脂から形成される。代表的な一実施態様においては、吸光性接着剤86はカーボンブラックなどの顔料を含有する。一実施態様においては、約50ppm(百万分率)〜約20,000ppmの間の濃度でこの顔料が使用される。代表的な一実施態様においては、約1,000ppmを超え約9,000ppm未満となる濃度でこの顔料が使用される。カーボンブラック材料の樹脂材料に対する質量比を基準にして約3000ppmの濃度が特に好適である。
図6に示される積層方法において、拡散リブ24を完全に充填し、確実に完全に充填するためにわずかに過剰となるのに十分な量で吸光性接着剤86をシールド66などの第2の基体に適用することができる。積層時、過剰の接着剤は、完全に充填された構造88から押し出される。次に、微細複製プロセス32に関して前述した条件と類似の条件で、完全に充填された構造88を放射線に曝露する。この重合によって、たとえば、材料が部分的または完全に重合させることができる。少なくとも部分的に重合させた後、吸光性接着剤86は、その成分のコポリマーとなる。
図7Bは、図6の方法で製造された別の実施態様のスクリーンの側面図である。図6に示されるステップにおいて薄い厚さすなわち少量の吸光性接着剤86が使用されると、部分的に充填された構造90が得られる。部分的に充填された構造90において、V字型溝26内に空隙94が残る。空隙94の利点は、低屈折率の空気がリブの溝26を満たし、溝26と光拡散リブ24との間の屈折率差が大きくなり、「TIR効率」がさらに向上することである。空気の屈折率は1.0であるので、空隙94と光拡散リブ24との屈折率差は通常約0.5を超える。空隙94が拡散リブ界面の大部分を占めるため、構造88においてリブが完全に充填される場合ほどは低い屈折率を吸光性接着剤86が有する必要がない。これによって、低収縮率および高剥離強度の接着などの他の重要な性質を最適化するために接着剤86を選択することができる。吸光性接着剤86と拡散リブ24との間の接着剤接触領域が小さくなるため、完全に充填された構造88よりも、部分的に充填された構造90の方が、吸光性接着剤86は高い接着性を有する場合がある。
完全に充填された構造88および部分的に充填された構造90の両方において、吸光性接着剤86中に使用される吸光材料の量は、希望する程度のコントラストの向上および周辺光の吸収に基づいて選択される。代表的な一実施態様における吸光材料はカーボンブラックなどの黒色顔料である。完全に充填された構造88においては、吸光性接着剤86の層が厚いため、黒色顔料濃度を比較的低くしても、許容できる全体的に一定の吸光度または光学濃度値を得ることができる。一実施態様において、完全に充填された構造88における、カーボンブラックなどの顔料の好適な充填濃度は約50ppm(百万分率)〜約20,000ppmの間である。代表的な一実施態様においては、この濃度は約1000ppmを超え約9000ppm未満となる。カーボンブラック材料の接着材料に対する質量比を基準にして約3000ppmの濃度が特に好適である。しかし、部分的に充填された構造90においては、コーティング厚さが小さいため、同じ光学濃度を得るためには黒色顔料濃度を増加させる必要がある。後者の場合、単位コーティング厚さにおいて、周辺光の吸収が前者の場合よりも多くなる。一実施態様において、部分的に充填された構造90における、カーボンブラックなどの顔料の好適な充填濃度は約50ppm〜約20,000ppmの間である。代表的な一実施態様においては、この濃度は、カーボンブラック材料の接着材料に対する質量比を基準にして約5,000ppmを超え約10,000ppm未満となる。
完全に充填された構造88および部分的に充填された構造90の両方における問題の1つは、積層中に拡散リブ24の前面30から過剰の接着剤86を除去することである。積層中に拡散リブ24の前面30からすべての吸光性接着剤86が除去されないと、TIR透過中に吸収されることで画像光の一部が失われる場合がある。顔料がより多い接着剤86を有する部分的に充填された構造90においては、同じ残留黒色層厚さでも、より多くの画像層が失われる可能性がある。
図8は、種々の黒色接着剤配合物に基づくスクリーン性能を示すグラフである。スクリーン性能の評価方法の1つは、視野角の関数として水平方向の利得の曲線をプロットすることである。プロットされた曲線は、スクリーンの中央から離れて観察者が横方向に移動するときに観察者が感知するスクリーンの輝度を示している。「TIR効率」は、全内部反射が起こる入射光範囲と関連しており、この範囲が大きくなるほど、この効率が高くなる。吸光性接着剤86と拡散リブ24との間の屈折率差が増加すると、TIR効率が高くなる。リブ24側面からの反射によって、図示されるように利得曲線に極大値が発生しうる。TIR効率およびRI差の両方が増加すると、利得曲線中の二次ピーク(30°付近の水平視野角)が増大しうる。極大値の影響は、たとえば、投射スクリーン中に光拡散を導入することによって軽減または解消することができる。たとえばリブ24は、あらゆる入射光を散乱することによって極大値を小さくする粒子を含むことができる。
曲線96は、図4に示される構造のベンチマーク標準スクリーンを表している。このベンチマーク標準スクリーンは、約80%の脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマーと約20%のアクリル酸2−フェノキシエチルとを有する樹脂から形成された光拡散リブ24を有する。光拡散リブ24は約1.51の屈折率を有する。吸光材料28は、約60%のゴールドシュミット・コーポレーション(Goldschmidt Corp.)製で商標を有するRC709シリコーンアクリレートと、約39%のプロポキシル化ネオペンチルグリコールジアクリレートと、約1%のダロキュア(Darocur)4265(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノンとジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−ホスフィンオキシドとの1:1混合物)光開始剤とを有する樹脂と、約3,000ppmの濃度のカーボンブラック顔料とから形成される。吸光材料28は約1.45の屈折率を有する。吸光材料28と光拡散リブ24との間のRIの差は約0.06である。この吸光材料28の配合物は、低収縮特性、黒色顔料の均一な分散、低価格、および広範囲の利用可能性を有する。
曲線98は、図6および7Aに示される方法で形成されたスクリーンを表しており、拡散リブ24と吸光性接着剤86との間のRIの差が約0.01未満である場合の利得が示されている。曲線98に対応するスクリーンは、約80%の脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマーと約20%のアクリル酸2−フェノキシエチルとを有する樹脂から形成された光拡散リブ24を有する。光拡散リブ24は約1.51の屈折率を有する。吸光材料28は、約38.5%の脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマーと、約26.9%のアクリル酸エトキシエトキシエチルと、約28.8%のアクリル酸イソボルニルと、約5.8%のヘキサンジオールジアクリレートと、約1%未満のα,α−ジエトキシアセトフェノン(DEAP)光開始剤とを有する「配合物A」樹脂から形成される。吸光材料28は約1.50の屈折率を有する。
曲線100は、図6および7Aに示される方法で形成されたスクリーンを示しており、比較的低いRIを有する吸光性接着剤86を使用した場合に「TIR効率」の増加が見られる。曲線100に対応するスクリーンは、約80%の脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマーと約20%のアクリル酸2−フェノキシエチルとを有する樹脂から形成された光拡散リブ24を有する。光拡散リブ24は約1.51の屈折率を有する。吸光材料28は、約30%の上述の「配合物A」と、約10%の脂肪族ウレタンジアクリレートと、約30%のアクリル酸トリフルオロエチルと、約30%のアクリル酸N−メチル−パーフルオロブチルスルホンアミドエチルと、約1%のα,α−ジエトキシアセトフェノン(DEAP)光開始剤とを有する樹脂から形成される。吸光材料28は約1.44の屈折率を有する。
最後に、曲線102は、図6および7Aに示される方法で形成されたスクリーンを示しており、吸光性接着剤86と光拡散リブ24との間のRIの差が約0.08である場合にTIR効率が増加している。曲線102に対応するスクリーンは、約70%の脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマーと約30%のアクリル酸2−(1−ナフチルオキシ)−エチルとを有する樹脂から形成された光拡散リブ24を有する。光拡散リブ24は約1.53の屈折率を有する。吸光材料28は、約50%の上述の「配合物A」と、約50%のアクリル酸N−メチル−パーフルオロブチルスルホンアミドエチルと、約1%のα,α−ジエトキシアセトフェノン(DEAP)光開始剤とを有する樹脂から形成される。吸光材料28は約1.45の屈折率を有する。
図8に示されるように、光拡散リブ24の配合物を基準とした吸光性接着剤86の配合物は、所望のスクリーン性能特性が得られるように選択することができる。通常、これらの配合物は、吸光性接着剤86と光拡散リブ24との間のRIの差が最大となるように選択される。吸光性接着剤86に望ましいことは、光拡散リブ24および保護シールド66に対して強い接着性を示すこと、比較的低いRIを有すること、硬化後に高い機械的強度を示すこと、ならびに適切な粘度および紫外光硬化可能などの加工特性を有することである。好適な吸光材料86の成分は脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマーである。ある実施態様においては、吸光性接着剤86は少なくとも約5パーセントの脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマーを含有する。代表的な一実施態様においては、吸光性接着剤86は少なくとも約10パーセントの脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマーを含有する。ある実施態様においては、吸光性接着剤86は約50パーセント未満の脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマーを含有する。代表的な一実施態様においては、吸光性接着剤86は約40パーセント未満の脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマーを含有する。脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマーの濃度が低すぎると、吸光性接着剤86が十分粘稠とならない場合があり、この濃度が高すぎると、吸光性接着剤86が粘稠となりすぎる場合があり、屈折率が高くなりすぎる場合がある。
別の好適な吸光材料86の成分は、アクリル酸エトキシエトキシエチルなどの低RIに適合したアクリレートモノマーである。ある実施態様においては、吸光性接着剤86は少なくとも約1パーセントのアクリレートモノマーを含有する。代表的な一実施態様においては、吸光性接着剤86は少なくとも約8パーセントのアクリレートモノマーを含有する。ある実施態様においては、吸光性接着剤86は約30パーセント未満のアクリレートモノマーを含有する。代表的な一実施態様においては、吸光性接着剤86は約20パーセント未満のアクリレートモノマーを含有する。代表的な一実施態様においては、このアクリレートモノマーは、比較的低いRIを有し、吸光性接着剤86の他の成分の相溶性を向上させる溶媒として機能する。他の好適なアクリレートモノマーとしては、たとえば、アクリル酸トリフルオロエチル、アクリル酸パーフルオロアルカノアミドアルキル、およびアクリル酸パーフルオロブチルアミドエチルなどのフッ素化アクリレートが挙げられる。
別の好適な吸光材料86の成分は、ヘキサンジオールジアクリレートなどの強度を付与する多官能性アクリレートモノマーである。ある実施態様においては、吸光性接着剤86は少なくとも約0.1パーセントの多官能性アクリレートモノマーを含有する。代表的な一実施態様においては、吸光性接着剤86は少なくとも約1.0パーセントの多官能性アクリレートモノマーを含有する。ある実施態様においては、吸光性接着剤86は約10パーセント未満の多官能性アクリレートモノマーを含有する。代表的な一実施態様においては、吸光性接着剤86は約6パーセント未満の多官能性アクリレートモノマーを含有する。多官能性アクリレートモノマーの官能性が高くなるほど、必要な濃度が低くなる。
曲線98で説明した「配合物A」の吸光性接着剤86を有するスクリーンは、RIが高すぎるため効率的なTIRが得られない。吸光性接着剤86のRIを減少させる相溶性成分の1つは、アクリル酸N−メチル−パーフルオロブチルスルホンアミドエチルなどのアクリル酸パーフルオロアルキルスルホンアミドエチルである。ある実施態様においては、吸光性接着剤86は少なくとも約1パーセントのアクリル酸パーフルオロアルキルスルホンアミドエチルを含有する。代表的な一実施態様においては、吸光性接着剤86は少なくとも約10パーセントのアクリル酸パーフルオロアルキルスルホンアミドエチルを含有する。ある実施態様においては、吸光性接着剤86は約70パーセント未満のアクリル酸パーフルオロアルキルスルホンアミドエチルを含有する。代表的な一実施態様においては、吸光性接着剤86は約50パーセント未満のアクリル酸パーフルオロアルキルスルホンアミドエチルを含有する。
吸光材料86が光重合される場合、好適な光開始剤が含まれ、フェニルビス(2,4,6トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド光開始剤およびα,α−ジエトキシアセトフェノン(DEAP)光開始剤が好適なフリーラジカル光開始剤の例である。ある実施態様においては、吸光性接着剤86は少なくとも約0.5パーセントの光開始剤を含有する。代表的な一実施態様においては、吸光性接着剤86は約1.0パーセントの光開始剤を含有する。ある実施態様においては、吸光性接着剤86は約5パーセント未満の光開始剤を含有する。別の実施態様においては、熱重合開始剤またはレドックス開始剤が選択される。
さらに別の実施態様においては、吸光性接着剤86は、メタクリル酸イソシアナトエチルと反応させた約54.4%のアミン末端シリコーンポリ尿素(分子量5,000g/モル)、約44.6%のアクリル酸イソボルニル、および約1.0%のフェニルビス(2,4,6トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド光開始剤を含有する。この配合物を硬化させたアクリレート拡散リブ24の一方の面上にコーティングし、その反対側の面を、デュポン(Dupont)617プライマーポリエステルフィルムのシールド66に積層する。これらの層を23.62W/mm(600W/インチ)のフュージョン・システムズDランプ(Fusion Systems D lamp)の下に15.24m/分(50フィート/分)で4回通す。インストルメンターズ・インコーポレイテッド(Instrumentors,Inc.)によるモデル3M90滑り/剥離試験機によって剥離速度127mm/分(5インチ/分)で測定した180°剥離力は約73.2kg/m(4.1ポンド/インチ)である。重合させたこの吸光性接着剤配合物86の屈折率は約1.45である。
図9は、スクリーンを製造することができるさらに別の方法を示している。図9は、図3に関して議論した微細複製プロセス32の代わりにマイクロリブ構造20を製造することができる同時押出方法の一例を示している。図9に示される代表的な一実施態様においては、同時押出ダイ104は、2層フィルムの同時押出のための高温高圧ダイである。一実施態様においては、ダイ104は、約44.4mm(1.75インチ)〜約50.8mm(2インチ)の押出機オリフィス径105を有する。この2層フィルムは、ベース基体22を形成するための材料106と、光拡散リブ24を形成するための材料108とで構成される。一実施態様においては、材料106および108は約66℃(150°F)に加熱され、約293℃(560°F)の温度を有するダイ104から押し出される。それぞれの材料106および108は、ダイ104から押し出されるまでは互いに分離されている。押出後、材料106および108が互いに接触し、ここで少なくとも材料108はなお溶融状態にある。
図9に示される3本ロール押出−エンボス技術では、第1のロール110、パターン形成された第2のロール112、および第3のロール114が使用される。一実施態様においては、それぞれのロール110、112、および114は直径が約0.43m(17インチ)である。第1のロール110および第3のロール114は、ロール表面からの材料の剥離を促進するために、使用される材料に応じて加熱または冷却することができる。材料106および108は、ダイ104からパターン形成されたロール112の上に同時押出される。図示される実施態様においては、材料106はニップロール110の近くに押し出され、材料108はパターン形成されたキャストロール112の近くに押し出される。一実施態様においては、第1のロールすなわちニップロール110は、ロール110の内部111を通過する加熱油によって約52℃(125°F)以上まで加熱され、この油は外部熱源によって加熱される。代表的な一実施態様においては、ニップロール110はシリコーンゴムなどの材料で形成される。キャストロール112は、材料108上に所望の構造を付与して光拡散リブ24を得るために、外面117上にパターンが形成される。代表的な一実施態様においては、キャストロール112は、クロム、ニッケル、チタンなどの金属、またはそれらの合金で形成される。一実施態様においては、キャストロール112は、ロール112の内部113を通過する加熱油によって約204℃(400°F)以上、特に約252℃(485°F)〜約282℃(540°F)の間に加熱され、この油は外部熱源によって加熱される。第3のロールすなわちキャリアロール114は、マイクロリブ構造20をキャストロール112から剥離しやすくするため、一般に、ロール114の内部115を通過する油または水によって加熱または冷却される。一実施態様においては、キャリアロール114は、ロール114の内部115を通過する油によって約66℃(150°F)以上に加熱され、この油は外部熱源によって加熱される。代表的な一実施態様においては、キャリアロール114は平滑な外面119を有し、クロム、ニッケル、チタンなどの金属、またはそれらの合金で形成される。
一実施態様においては、ベース構造22を形成するための材料106は、たとえばポリカーボネート、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリプロピレン、アクリル、またはビニルなどの透明ポリマーなどの透光性材料である。一実施態様においては、拡散リブ24の材料108は、改質アクリル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリプロピレン、またはその他の光学ポリマーなどの高屈折率ポリマーである。材料108は約1.50以上の屈折率を有すると特に好適である。RIが1.59であるポリカーボネートは、高Tg、透明性、および機械的性質のため特に有用である。一実施態様においては、材料106および材料108は相溶性であり、そのため、これらの界面で物理的に結合し、一体となってモノリシック構造を形成する。このことは、代表的な一実施態様において、材料106および108が同じポリマー材料であり、光拡散粒子がポリマー中に混入されていることが材料108の相違点であるポリマー材料を使用することによって実現される。別の実施態様においては、材料106および材料108が異なる組成を有することができるが、これらは類似の加工特性を有し、これらの界面において互いに結合する。
一実施態様においては、材料106および108をキャストロール112に対して高圧で押し付けるために、ニップロール100およびキャストロール112は密接に接触している。このことは、ダイ104から排出されてからほとんど直後に固化するポリカーボネートなどの高Tg材料の場合に特に重要である。キャリアロール114はキャストロール112と密接に接触している必要はなく、キャリアロールまたは引張ロール114の目的は、単に、形成されたマイクロリブ構造20をキャストロール112から引き離すことである。一実施態様においては、ロール110、112、および114のそれぞれは約3.6m(12フィート)/分で回転し、隣接するロールは互いに反対側に回転する。
一実施態様においては、エアバー126は、構造20のキャストロール112からの剥離を促進する。エアバー126は、構造20がキャストロール112から分離する場所の直前で構造20上に冷風を放出する孔あき円筒である。一実施態様においては、空気は620kPa(90psi)および周囲温度で供給される。材料106および108は固化して構造20となる。一実施態様においては、移動する構造20に適切な張力を与えるためにテンションロールアセンブリ128が使用される。構造20を所望の幅に切断するためにスリッター130が設けられている。巻き取りロール132は、保管のためまたは後に取り出すために構造20を巻き取る。
たとえば、他のキャスト−エンボス方法および押出−エンボス方法を使用することもできる。得られたマイクロリブ構造20は、次に、図6、7A、および7Bを参照しながら説明してきた方法で使用することができる。別の実施態様においては、単層押出を使用して、光拡散リブ24を形成するための材料108を、あらかじめ形成した基体22の上に押し出すことができる。この実施態様においては投入によって基体22が供給され、それによってその上に溶融状態の材料108が押し出され、両方の材料がニップロール10によって互いに押し付けられ、材料108がキャストロール112によってパターン形成される。基体22および材料108は、冷却段階中は密接に接触した状態で維持される。図6に戻ると、シールド66および吸光性接着剤86の二重層を押し出すために同時押出を使用することもできる。吸光性接着剤86に好適な材料としては、たとえば図8に関して説明した材料が挙げられる。別の代表的な一実施態様においては、マイクロリブ構造20には、黒色に着色した高メルトフローのPMMA吸光材料28が充填される(図2参照)。代表的な一実施態様においては、シールド66は透明のPMMAである。この構成では、吸光材料28とリブ24との間に約0.08〜0.09の望ましい高屈折率差が得られる。
図10A〜10Cは、第3の方法におけるスクリーン製造のステップを示している。この実施態様においては、微細複製プロセスまたは同時押出によって、シールド66の上に吸光性リブ116が形成される(図3および9ならびに関連する説明を参照)。代表的な一実施態様においては、リブ116の間に複数の空隙が形成される。代表的な一実施態様においては、各116は、底部121および複数の壁123を有し、リブ116は、底部121から壁123に延在するにつれて狭まっている。次に、リブ116の間の構造118の空隙を高屈折率の材料で充填して、拡散リブ24を形成することができる。代表的な一実施態様においては、この高屈折率材料は図1に関して説明したものである。次に、ベース基体22を、充填した構造の上に置いて、背面投写型スクリーン要素を形成することができる。
図10Dは、背面投写型スクリーン要素を製造する方法の別のステップを示している。コーティングまたは同時押出などの方法によって、ベース基体22と隣接して高屈折率材料層120が設けられる。この複合層を図10Aの構造118に積層することで、高屈折率材料層120によって吸光性リブ116の間の間隙が満たされ、光拡散リブ24が形成され、最終的には図10Cに示される製品が得られる。
図10A〜10Dに示される方法の利点として、ベース構造22の強度はこの方法において重要ではないので、より薄いベース小僧22を使用できることが挙げられる。より薄いベース構造22は、光学効果がより少なくなり、使用する材料を減少させることができる。
図11は、背面投写型スクリーンの第3の実施態様を示している。一実施態様においては、オーバーコート層122は、低屈折率成分とハードコートとの機能を果たす多機能性材料でできている。この方法では、「TIR効率」は維持される、オーバーコート層22の材料が本来硬質であるために耐擦傷性であるので、保護シールドに積層する必要性が解消される。1つの材料がこれらの機能を兼ね備えることで、材料の使用量および費用もさらに削減される。オーバーコート層122に好適な材料としては、カーボンブラックなどの顔料が混合されたハードコート材料が挙げられる。一実施態様においては、この顔料は約50ppm(百万分率)〜約20,000ppmの間の濃度で使用される。代表的な一実施態様においては、この濃度は約1,000ppmを超え9,000ppm未満となる。カーボンブラック材料のハードコート材料に対する質量比を基準にして約3,000ppmの濃度が特に好適である。
好適なハードコート材料の1つが、ビルカディ(Bilkadi)に付与された米国特許第5,104,929号明細書に開示されている。ビルカディ(Bilkadi)は、プロトン性基で置換されているエチレン性不飽和脂肪族および/または脂環式のモノマー中に分散したコロイド状二酸化ケイ素粒子を含む光硬化性で耐摩耗性のコーティングを教示している。特に、硬化して耐摩耗性および耐候性のコーティングとなるコーティング組成物は、プロトン性基で置換されたアクリル酸またはメタクリル酸のエステルまたはアミド中の約100ナノメートル未満の直径のコロイド状二酸化ケイ素粒子の分散液を含む。
別の好適なハードコート材料が、ビルカディ(Bilkadi)に付与された米国特許第5,633,049号明細書に開示されている。ビルカディ(Bilkadi)は、アクリル酸の多官能性エチレン性不飽和エステル、メタクリル酸の多官能性エチレン性不飽和エステル、またはそれらの組み合わせと、アクリルアミドとを含むシリカを含有しない保護コーティング前駆体組成物から調製される耐酸性および耐摩耗性のコーティングを教示している。
他のハードコート材料としては、たとえば、官能化シランモノマーから誘導される室温硬化性シリコーン樹脂;加水分解性シランから誘導されるコーティング;アクリロキシ官能性シランと多官能性アクリレートモノマーとの組み合わせから誘導されるポリマー;コロイダルシリカを含有するアクリルなどのポリマー;ならびにモノマー、オリゴマー、または樹脂の上で重合したアクリレートまたはメタクリレート官能基が挙げられる。
図12は、背面投写型スクリーンの別の実施態様の側面図である。埋め込み微細構造フィルム27には、擦傷およびその他の損傷からフィルムを保護するためのハードコート124が設けられている。ハードコート124は、たとえば吹き付け、浸漬、またはロールコーティングによって適用することができる。この方法では、図5に示される独立した保護シールド66および積層プロセスが不要となる。
代表的実施態様を参照しながら本発明を説明してきたが、本発明の意図および範囲から逸脱せずに形態および詳細を変更できることが当業者には理解できるであろう。たとえば、光拡散および吸光の構造に関して特定の形状が示されているが、追加または異なる面または角度、追加の端部、および曲面を含む異なる形状で構造を形成できることも意図している。特定の基体上の光拡散構造が、たとえばすべて同じ高さまたは形状である必要はないことにさらに注意されたい。同様に、特定の基体上の吸光性構造が、たとえばすべて同じ高さまたは形状である必要はない。さらに、記載される材料の成分および方法は、多数の方法で組み合わせることができ、例として可能性の一部のみを具体的に説明しているが、そのすべてが本発明の範囲内にあると見なされる。
たとえば、第1の実施態様においては、光拡散リブ24は、アクリル化脂肪族ウレタンオリゴマー樹脂に、約0.1pph(100部当たりの部数)〜約10pphの2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン光開始剤を加えたものから形成され、代表的な一実施態様においては、約2pphの光開始剤が使用される。第2の実施態様においては、光拡散リブ24は、エトキシル化ビスフェノールAジアクリレート樹脂に約0.1pph〜約10pphの2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン光開始剤を加えたものから形成され、代表的な一実施態様においては、約2pphの光開始剤が使用される。
第3の実施態様においては、光拡散リブ24は、約90%〜約95%のアクリル化脂肪族ウレタンオリゴマーと、約5%〜約10%のエトキシル化ビスフェノールAジアクリレートとを含有する樹脂に、約0.1pph〜約10pphの2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン光開始剤を加えたものから形成され、代表的な一実施態様においては、約2pphの光開始剤が使用される。このアクリル化脂肪族ウレタンオリゴマーは高強度特性を有し、一方、エトキシル化ビスフェノールAジアクリレートは望ましい粘度およびRI特性を有する。
第4の実施態様においては、光拡散リブ24は、約20%〜約95%(より好ましくは約50%〜約90%)のエトキシル化ビスフェノールAジアクリレートと、約5%〜約80%(より好ましくは約10%〜約50%)のアクリル化エポキシオリゴマーとを含有する樹脂に、約0.1pph〜約10pphの2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン光開始剤を加えたものから形成され、代表的な一実施態様においては、約2pphの光開始剤が使用される。このアクリル化エポキシオリゴマーは望ましい粘度およびRI特性を有する。
第5の実施態様においては、光拡散リブ24は、約10%〜約90%(より好ましくは約25%〜約75%)のアクリル化脂肪族ウレタンオリゴマーと、約10%〜約90%(より好ましくは約25%〜約75%)のアクリル化エポキシオリゴマーとを含有する樹脂に、約0.1pph〜約10pphの2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン光開始剤光開始剤を加えたものから形成され、代表的な一実施態様においては、約2pphの光開始剤が使用される。
第6の実施態様においては、光拡散リブ24は、約10%〜約80%(より好ましくは約20%〜約70%)のアクリル化脂肪族ウレタンオリゴマーと、約10%〜約70%(より好ましくは約20%〜約60%)のエトキシル化ビスフェノールAジアクリレートと、約5%〜約65%(より好ましくは約10%〜約50%)のアクリル化エポキシオリゴマーとを含有する樹脂に、約0.1pph〜約10pphの2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン光開始剤を加えたものから形成され、代表的な一実施態様においては、約2pphの光開始剤が使用される。
第7の実施態様においては、光拡散リブ24は、約30%〜約70%(より好ましくは約50%)のアクリル化脂肪族ウレタンオリゴマーと、約30%〜約70%(より好ましくは約50%)のアクリル化芳香族ウレタンオリゴマーとを含有する樹脂に、約0.1pph〜約10pphの2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン光開始剤を加えたものから形成され、代表的な一実施態様においては、約2pphの光開始剤が使用される。このアクリル化芳香族ウレタンオリゴマーは望ましい粘度およびRI特性を有する。
第8の実施態様においては、光拡散リブ24は、約30%〜約90%(より好ましくは約50%〜約75%)のアクリル化脂肪族ウレタンオリゴマーと、約10%〜約70%(より好ましくは約25%〜約50%)のアクリル酸2−(1−ナフチルオキシ)−エチルとを含有する樹脂に、約0.1pph〜約10pphの2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン光開始剤を加えたものから形成され、代表的な一実施態様においては、約2pphの光開始剤が使用される。
第9の実施態様においては、光拡散リブ24は、約40%〜約80%(より好ましくは約60%)のアクリル化脂肪族ウレタンオリゴマーと、約10%〜約30%(より好ましくは約20%)のエトキシル化ビスフェノールAジアクリレートと、約10%〜約30%(より好ましくは約20%)のアクリル酸2−(1−ナフチルオキシ)−エチルとを含有する樹脂に、約0.1pph〜約10pphの2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン光開始剤を加えたものから形成され、代表的な一実施態様においては、約2pphの光開始剤が使用される。
第10の実施態様においては、光拡散リブ24は、約30%〜約70%(より好ましくは約50%)のアクリル化脂肪族ウレタンオリゴマーと、約10%〜約40%(より好ましくは約25%)のアクリル化エポキシオリゴマーと、約10%〜約40%(より好ましくは約25%)のアクリル酸2−(1−ナフチルオキシ)−エチルとを含有する樹脂に、約0.1pph〜約10pphの2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン光開始剤を加えたものから形成され、代表的な一実施態様においては、約2pphの光開始剤が使用される。
第11の実施態様においては、光拡散リブ24は、約30%〜約70%(より好ましくは約50%〜約60%)のアクリル化脂肪族ウレタンオリゴマーと、約5%〜約30%(より好ましくは約6%〜約15%)のエトキシル化ビスフェノールAジアクリレートと、約5%〜約40%(より好ましくは約15%〜約30%)のアクリル化エポキシオリゴマーと、約5%〜約45%(より好ましくは約15%〜約35%)のアクリル酸2−(1−ナフチルオキシ)−エチルとを含有する樹脂に、約0.1pph〜約10pphの2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン光開始剤を加えたものから形成され、代表的な一実施態様においては、約2pphの光開始剤が使用される。
第12の実施態様においては、光拡散リブ24は、約30%〜約90%(より好ましくは約50%〜約80%)のアクリル化脂肪族ウレタンオリゴマーと、約5%〜約25%(より好ましくは約6.7%〜約16.7%)のエトキシル化ビスフェノールAジアクリレートと、約5%〜約45%(より好ましくは約10%〜約33.3%)のアクリル酸2(2,4,6−トリブロモフェノキシ)エチルとを含有する樹脂に、約0.1pph〜約10pphの2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン光開始剤を加えたものから形成され、代表的な一実施態様においては、約2pphの光開始剤が使用される。アクリル酸2(2,4,6−トリブロモフェノキシ)エチルは樹脂のRIを増加させる。
第13の実施態様においては、光拡散リブ24は、約30%〜約90%(より好ましくは約50%〜約70%)のアクリル化脂肪族ウレタンオリゴマーと、約5%〜約20%(より好ましくは約6%〜約13.3%)のエトキシル化ビスフェノールAジアクリレートと、約5%〜約35%(より好ましくは約10%〜約25%)のアクリル酸2−(1−ナフチルオキシ)−エチルと、約5%〜約35%(より好ましくは約10%〜約26.7%)のアクリル酸2(2,4,6−トリブロモフェノキシ)エチルとを含有する樹脂に、約0.1pph〜約10pphの2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン光開始剤を加えたものから形成され、代表的な一実施態様においては、約2pphの光開始剤が使用される。
第14の実施態様においては、光拡散リブ24は、約30%〜約70%(より好ましくは約50%)のアクリル化脂肪族ウレタンオリゴマーと、約5%〜約35%(より好ましくは約16.7%〜約25%)のエトキシル化ビスフェノールAジアクリレートと、約10%〜約45%(より好ましくは約25%〜約33.3%)の他のRI調整材料(たとえば、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4(アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル)プロパン、アクリル酸2,4−ジブロモ−6−sec−ブチル−フェニル、アクリル酸2−(ナフタレン−2−イルスルホニル)−エチル、およびポリスチレンマクロマーなど)とを含有する樹脂に、約0.1pph〜約10pphの2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン光開始剤を加えたものから形成され、代表的な一実施態様においては、約2pphの光開始剤が使用される。
第15の実施態様においては、光拡散リブ24は、約30%〜約70%(より好ましくは約40%〜約50%)のアクリル化脂肪族ウレタンオリゴマーと、約15%〜約45%(より好ましくは約25%〜約33.3%)のアクリル酸2−(1−ナフチルオキシ)−エチルと、および約5%〜約45%(より好ましくは約16.7%〜約30%)の他のRI調整材料とを含有する樹脂に、約0.1pph〜約10pphの2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン光開始剤を加えたものから形成され、代表的な一実施態様においては、約2pphの光開始剤が使用される。
第16の実施態様においては、光拡散リブ24は、約40%〜約75%(より好ましくは約60%)のアクリル化脂肪族ウレタンオリゴマーと、約5%〜約15%(より好ましくは約6.7%)エトキシル化ビスフェノールAジアクリレートと、約10%〜約30%(より好ましくは約20%)のアクリル酸2−(1−ナフチルオキシ)−エチルと、約5%〜約30%(より好ましくは約13.3%)の他のRI調整材料とを含有する樹脂に、約0.1pph〜約10pphの2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン光開始剤を加えたものから形成され、代表的な一実施態様においては、約2pphの光開始剤が使用される。
第17の実施態様においては、光拡散リブ24は、約40%〜約75%(より好ましくは約60%)のアクリル化脂肪族ウレタンオリゴマーと、約5%〜約15%(より好ましくは約5.5%〜約6.7%)のエトキシル化ビスフェノールAジアクリレートと、約5%〜約25%(より好ましくは約13.3%〜約15%)のアクリル酸2(2,4,6−トリブロモフェノキシ)エチルと、約10%〜約30%(より好ましくは約20%)の他のRI調整材料とを含有する樹脂に、約0.1pph〜約10pphの2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン光開始剤を加えたものから形成され、代表的な一実施態様においては、約2pphの光開始剤が使用される。
スクリーンの利得および視野角などの光学的性質を制御するために、光拡散リブ24を形成するための樹脂中への光散乱粒子の充填が選択される。代表的な一実施態様においては、光散乱粒子は、樹脂中に約0.5%〜約30%の濃度、より好ましくは約2%〜約20%の濃度、さらにより好ましくは約4%〜約15%の濃度で充填される。代表的な一実施態様においては、光散乱粒子は好ましくは、粒子が分散される樹脂よりも高いRIを有する。一般に、樹脂のRIが増加すると、所与のピーク利得値を得るために光散乱粒子の充填量も増加させる必要がある。さらに、ベース基体22の裏面の表面テクスチャーのつや消しの程度が低くなっても、所与のピーク利得値を得るために、一般に光散乱粒子の充填量を増加させる必要がある。光散乱粒子に好適な材料としては、たとえば、メタクリル酸エチルとポリスチレンとのコポリマー、メタクリル酸メチルとポリスチレンとのコポリマー、およびポリスチレンが挙げられる。
マイクロリブスクリーン構造の側面図である。 吸光材料を充填した図1の構造の側面図である。 図1の構造を製造する方法の一実施態様を示す図である。 追加層を有する図2の構造を示している。 図4の構造を製造する方法の一実施態様を示す図である。 本発明の組成物を使用して構造を製造する方法の1ステップの側面図である。 図6の方法によって製造したスクリーンの一実施態様の側面図である。 図6の方法によって製造したスクリーンの第2の実施態様の側面図である。 本発明の黒色接着剤配合物の種々の処方に基づくスクリーン性能を示すグラフである。 スクリーンを製造することができるさらに別の方法を示している。 別の方法においてスクリーンを製造するためのステップを示している。 別の方法においてスクリーンを製造するためのステップを示している。 別の方法においてスクリーンを製造するためのステップを示している。 背面投写型スクリーン要素を製造する方法における別のステップを示している。 背面投写型スクリーンの第3の実施態様を示している。 背面投写型スクリーンの第4の実施態様の側面図である。

Claims (2)

  1. 透光性基体と、
    前記基体上にある複数のリブ、またはチェッカーボード型に配置された柱状突出部からなる構造であって、前記の個々のリブまたは柱状突出部の間に空隙を画定している構造と、
    その構造の上に設けられるシールドとを含み、
    前記空隙を少なくとも部分的に充填されると共に前記構造と前記シールドとを接着する、接着充填剤であって、アクリル酸パーフルオロアルキルスルホンアミドアルキルと、脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマーと、アクリレートモノマーとのコポリマーを含む接着充填剤とを含むフィルム。
  2. 前記複数の構造が第1の屈折率を有し、前記接着剤が第2の屈折率を有し、前記第2の屈折率が前記第1の屈折率よりも小さくて、前記第1の屈折率と前記第2の屈折率との差が少なくとも0.06である、請求項1に記載のフィルム。
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