JP3816137B2 - ポリカーボネートシートの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学用途に使用するポリカーボネートシートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリカーボネート樹脂は、透明性、耐衝撃性、耐熱性、寸法安定性、更に加工性に優れることから、光学分野に広く使用されている。例えば、レーザー光を使用するディスク、光カード等がある。これら、光ディスク等に用いるポリカーボネート基板は、主に射出成形法によって生産されているが、この射出成形法は量産性に優れているが、一般の射出成形グレードの流動性では流れ難くいため光学歪みが残りやすく、複屈折は150nm以上と高く実用的でない。
【0003】
つまり、一般の射出成形グレードに比べて低分子量の樹脂を高温成形する必要があるために、ポリカーボネート樹脂の特徴である耐衝撃性が大幅に低下し、さらにアルミ蒸着膜その他記録部分の保護膜形成工程での洗浄、塗装時に溶媒によるクラックが発生しやすくなると云う欠点がある。また、光ディスク等に用いる基板としては、複屈折は通常50nm以下にする必要がある。
【0004】
これら射出成形品の欠点を改良するために押出シートに着目し過去にいくつかの研究がされているが問題があった。例えば、特開昭62−140817号公報には鏡面ロールにてシートを成形した後、ステンレンス板に挟み込み熱処理することが記載されているが、この方法は装置の大幅な改良が必要とすることやステンレス板に挟み込むことによる二次的歪みが残留しやすい。又、特開平4−166319号公報に記載されている方法は粘度平均分子量14,000〜19,000のポリカーボネート樹脂を使用するが、分子量が低く耐衝撃性、耐溶剤性に劣る。
【0005】
又、特公平5−71026号公報には最終鏡面ロールを剥離後300mm走行した点のシートの表面温度を熱変形温度±6℃と規定し、引取速度を特定の範囲にすることを提案しているが、最終鏡面ロール剥離後300mm走行した時点のシートの表面温度は、該公報の実施例記載の速度から考えて最終鏡面ロールを剥離した直後の表面温度と大差なく、鏡面ロール表面に接触し円周方向の曲げ応力が加わっている間に、該公報記載の表面温度の測定面である最終鏡面ロール接触面は冷却固化しており応力のため残留歪みが残り複屈折は大きくなる、又該公報記載の特定の引取速度の範囲に含まれる条件として引取ロール速度に比べ最終鏡面ロール速度が極端に早い場合も含まれるためこの方法で成形した場合最終鏡面ロールを出た後シートにたるみが発生し連続的にシートが成形できない。
【0006】
又、特開平7−276471号公報には最終の鏡面ロールと最初の移送ロール間で、溶融シートをたるませ、たるませる間に溶融シート温度をガラス転移温度以上からガラス転移温度以下にし、溶融シートに外力を加えない様にして残留応力が残らない方法が記載されているが、この方法では最後の鏡面ロールからシートが剥離する際の剥離マークがつき易く優れた外観にするのが難しい。
【0007】
【本発明が解決しようとしている課題】
本発明は耐衝撃性、耐溶剤性、低複屈折率、剥離マークが発生しないといった技術的問題を同時に解決するものであり、即ち光ディスク用基板に使用する複屈折が40nm以下で、機械強度、耐久性に優れたポリカーボネートシートを製造する方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ポリカーボネートシート成形時のシートの表面温度を特定にし、更に、最終鏡面賦形ロール(以下鏡面ロールと省略)と引取速度を特定の条件にすることにより、上記技術的課題を解決しうることを見い出し本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち本発明は、複数個の鏡面ロールを用いてポリカーボネート樹脂を圧延シーティングするにあたり、最終の鏡面ロールを剥離したシートが最終鏡面ロールの半径長さを走行した直後の該シートのロール側の表面温度が該樹脂のガラス転移温度−10〜+30℃であり、且つ最終鏡面ロールと引取ロールの速度比が1:0.95〜1.05の範囲で成形することを特徴とするポリカーボネートシートの製造方法である。
【0010】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられるポリカーボネート樹脂はビスフェノールAに代表される二価のフェノール系化合物から誘導される重合体で、ホスゲン法、エステル交換法、あるいは固相重合法のいずれかにより製造されたものでよい。これら従来からあるポリカーボネート樹脂の他に、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとのエステル交換法で重合した特殊なポリカーボネート樹脂も使用することもできる。なお、芳香族ジヒドロキシ化合物とは、HO−Ar−OHで示される化合物であり、式中、Arは2価の芳香族基を表し、例えば下記一般式で示される有機基である。
【0011】
【化1】
Figure 0003816137
(式中、R1 、R2 は、各々独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、環構成炭素数5〜10のシクロアルキル基またはフェニル基であって、m及びnは1〜4の整数で、mが2〜4の場合には各R1 はそれぞれ同一でも異なるものであっても良いし、nが2〜4の場合には各R2 はそれぞれ同一でも異なるものであっても良い)。
【0012】
また芳香族基Arは、例えば、−Ar1 −Y−Ar2 −で示される2価の芳香族基である(式中、Ar1 及びAr2 は、各々単独にそれぞれ炭素数5〜70を有する2価の炭素環式又は複素環式芳香族を表し、Yは炭素数1〜30を有する2価のアルカン基を表す)。
2価の芳香族基Ar1 、Ar2 において、1つ以上の水素原子が、反応に悪影響を及ぼさない他の置換基、例えば、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、ビニル基、シアノ基、エステル基、アミド基、ニトロ基などによって置換されたものであっても良い。
【0013】
複素環式芳香族基の好ましい具体例としては、1ないし複数の環形成窒素原子、酸素原子又は、硫黄原子を有する芳香族基を挙げることができる。
2価の芳香族基Ar1 、Ar2 は、例えば、置換又は非置換のフェニレン、置換又は非置換のビフェニレン、置換又は非置換のピリジレンなどの基を表す。ここでの置換基は前述のとおりである。
2価のアルカン基Yは、例えば、下記一般式で示される有機基である。
【0014】
【化2】
Figure 0003816137
(式中、R3 、R4 、R5 、R6 は、各々独立に水素、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコシキ基、環構成炭素数5〜10のシクロアルキル基、環構成炭素数5〜10の炭素環式芳香族基、炭素数6〜10の炭素環式アラルキル基を表す。kは3〜11の整数を表し、R7 及びR8 は、各Xについて個々に選択され、お互いに独立に、水素又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、Xは炭素数を表す。また、R3 、R4 、R5 、R6 、R7 、R8 において、1つ以上の水素原子が反応に悪影響を及ぼさない範囲で他の置換基、例えばハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、ビニル基、シアノ基、エステル基、アミド基、ニトロ基などによって置換されたものであって良い。)
このような2価の芳香族基Arとしては、例えば、下記一般式で示されるものが挙げられる。
【0015】
【化3】
Figure 0003816137
(式中、R1 、R2 、m及びnは前述のとおりである。)
さらに、2価の芳香族基Arは、−Ar1 −Z−Ar2 −で示されるものであっても良い。
(式中、Ar1 、Ar2 、は前述の通りで、Zは単結合又は−O−、−CO−、−S−、−SO2 −、−SO−、−COO−、−CON(R1 )−などの2価の基を表す。ただし、R1 は前述の通りである。)
このような2価の芳香族基Arとしては、例えば、下記一般式で示されるものが挙げられる。
【0016】
【化4】
Figure 0003816137
(式中、R1 、R2 、m及びnは前述のとおりである。)
本発明で用いられる芳香族ジヒドロキシ化合物は、単1種類でも2種類以上でもかまわない。芳香族ジヒドロキシ化合物の代表的な例としてはビスフェノールAが挙げられる。また、これらの芳香族ジヒドロキシ化合物は、塩素原子とアルカリ又はアルカリ土類金属の含有量が少ない方が好ましく、できれば実質的に含有していないことが好ましい。
【0017】
本発明で用いられるジアリールカーボネートは、下記一般式で表される。
【0018】
【化5】
Figure 0003816137
(式中、Ar3 、Ar4 はそれぞれ1価の芳香族基を表す。)
Ar3 及びAr4 は、1価の炭素環式又は複素環式芳香族基を表すが、このAr3 、Ar4 において、1つ以上の水素原子が、反応に悪影響を及ぼさない他の置換基、例えば、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、ビニル基、シアノ基、エステル基、アミド基、ニトロ基などによって置換されたものであっても良い。Ar3 、Ar4 は同じものであっても良いし、異なるものであっても良い。
1価の芳香族基Ar3 及びAr4 の代表例としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ピリジン基を挙げることができる。これらは、上述の1種以上の置換基で置換されたものでも良い。
好ましいAr3 及びAr4 としては、それぞれ例えば、下記一般式などが挙げられる。
【0019】
【化6】
Figure 0003816137
ジアリールカーボネートの代表例としては、下記一般式で示される置換又は非置換基のジフェニルカーボネート類を挙げることができる。
【0020】
【化7】
Figure 0003816137
(式中、R9 及びR10は、各々独立に水素原子、炭素原子1〜10を有するアルキル基、炭素数1〜10を有するアルコキシ基、環構成炭素数5〜10のシクロアルキル基又はフェニル基を示し、p及びqは1〜5の整数で、pが2以上の場合には各R9 はそれぞれ異なるものであっても良いし、qが2以上の場合には各R10はそれぞれ異なるものであっても良い。)
【0021】
このジフェニルカーボネート類の中でも、非置換のジフェニルカーボーネートや、ジトリルカーボネート、ジ−t−ブチルフェニルカーボネートのような低級アルキル置換ジフェニルカーボネートなどの対称型ジアリールカーボネートが好ましいが、特に最も簡単な構造のジアリールカーボネートであるジフェニルカーボネートが好適である。
これらジアリールカーボネート類は単独で用いても良いし、2種類以上を組み合わせて用いても良い。また、これらジアリールカーボネートは、塩素原子とアルカリ又はアルカリ土類金属の含有量が少ない方が好ましく、できれば実質的に含有していないことが好ましい。
【0022】
芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボネートとの使用割合(仕込比率)は、用いられる芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボネートの種類や、重合温度その他の重合条件及び得ようとするポリカーボネートの分子量や末端比率によって異なるが、ジアリールカーボネートは芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して、通常0.9〜2.5モル、好ましくは0.95から2.0モル、より好ましくは0.98から1.5モルの割合で用いられる。
これらのポリカーボネート樹脂は一種、又は二種以上用いてもよく共重合体あるいは混合体であっても良い。
【0023】
又、これらポリカーボネート樹脂には必要に応じて紫外線吸収剤、酸化防止剤帯電防止剤、熱安定剤、光安定剤、難燃剤、離型剤、界面活性剤、分散剤、滑剤、アンチブロッキング剤、光拡散剤、着色剤、無機フィーラ、ガラス繊維、架橋剤、発泡剤、可塑剤、有機架橋剤等の添加剤等を含有させることもできる。
【0024】
本発明で使用する装置は、ポリカーボネート樹脂を可塑化し、Tダイよりシート状に押出す装置と、複数個の平滑度の高い表面を備えた鏡面ロールと、鏡面ロールにより賦形されたシートを引取る引取ロールからなりったており、図1にその一例を示す。図1において1は押出機、2はTダイ、3(下ロール)、4(中ロール)、5(上ロール)は鏡面ロール(5は最終鏡面ロール)、6は加熱ヒーター、7は移送ロール、8は引取ロールである。
【0025】
鏡面ロール3、4、5の表面は、シートの外観を決める上で重要である。一般的に表面粗度0.1〜0.005μmの平滑性が求められる。ロール内部に水、油等の熱媒体を循環できるようになっており、ロールの温度を調整できる構造になっている。6は加熱ヒーターで成形中のシートの過冷却を防ぐためのもので、7はシートを走行ガイドする金属ロールである。8はゴムで出来ておりシートを引取るロールである。
【0026】
可塑化溶融したポリカーボネート樹脂は2のTダイよりシート状に押出され鏡面ロール3、4、5により圧延、賦形されロールに密着した状態で走行する。最終の鏡面ロール5を剥離したシートは、7の移送ロールにガイドされ8の引取ロールにて引取られる。引取りされたシートは、目的とする大きさに裁断されるか、またはそのまま巻取られる。シート厚みは該光学用途の場合0.1〜3.0mmである。
【0027】
本発明は、複数個の鏡面ロールの最終の鏡面ロールをシートが剥離した後に、走行シートがロールの半径長さを走行した直後のロール剥離面のシートの表面温度をポリカーボネート樹脂のガラス転移温度−10〜+30℃に調整し、更に、シートにかかる配向を極力抑えるために最終の鏡面ロールと引取ロール速度比を1:0.95〜1.05の範囲にすることにより、複屈折が優れた実用上問題のない光学用シートが得られる事を見いだしたものである。
【0028】
本発明は、シートが最終鏡面ロールを剥離した後、シートの剥離面がロールの半径長さを通過した直後の温度、つまり、実質的に測定可能な最も剥離点に近いシート面の温度を測定するものである。具体的に示すとロール径が200mmφの場合は、シートがロールから離れ100mm走行し更に測定機をセットし測定できる長さである40mmを加えた長さ、つまりシートがロールから剥離し140mm走行した点がシートの表面温度測定点である。ロール径が300mmφの場合は190mmが測定点にあたる。
【0029】
特公平5−71026号公報に記載のシート表面測定点は、最終鏡面ロール剥離後300mm走行した点であるが、一般的な大きさのロール径250mmφ〜400程度の範囲で計算すれば本発明のシート表面測定点は特公平5−71026号公報に記載の方法に比べシートのロール剥離点に近くなり、走行速度が遅い場合は、厳密に走行シートの高い温度を測定できる測定点である。
【0030】
前記測定点を走行するポリカーボネート樹脂シート表面温度を該樹脂のガラス転移温度−10〜+30℃に調整する必要がある。好ましくは、ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度−5〜+20℃である。特公平5−71026号公報に記載の方法では最終鏡面ロールをでた後のシートの表面温度を熱変形温度±6℃に定めているが、特公平5−71026号公報に記載している熱変形温度はガラス転移温度より約20℃低くポリカーボネート樹脂が固化した状態の温度を示したものである。複屈折は成形品に残留する歪みに関係するもので歪みが大きければ複屈折も大きくなる。成形品に歪みが残留する温度温度条件は該ポリカーボネートが溶融した状態から固化する段階でなんらかの応力が加わっているかにより決まってくる。シート成形のシートの温度について考えると最終鏡面ロールを出てシートが変形から開放されたときに溶融状態を維持すること、つまりガラス転移温度以上に維持することが重要である。
【0031】
本発明におけるシート表面温度の好適な範囲はガラス転移温度−10℃〜+30℃であり、ガラス転移温度未満をその範囲に含むものであるが、これは最終鏡面ロールを出たシートの温度測定面は最終鏡面ロールに接触して走行してきており、シートの厚み方向を考えた場合最も低い温度を示しているのあるが、シートが測定点を過ぎて走行中に最も低い温度を示しているシート温度測定面は、該樹脂が保有している熱容量の影響を受けてガラス転移温度以上に上昇するので、実質的に優れた複屈折を維持する範囲である。ガラス転移温度−10℃未満では、シートの巾方向の複屈折のバラツキが大きくなり、又、ガラス転移温度+30℃を越える場合は、最終鏡面ロールとシートの剥離にムラが生じ適正な外観が得られない。
【0032】
更に、本発明を構成するもう一つの要因として引取速度がある。最終の鏡面ロールと引取ロール速度比は、1:0.95〜1.05に調整する必要がある、好ましくは、1:0.94〜1.04である。シートが最終鏡面ロール出て常温近くになる引取ロールまで走行する間にシートの樹脂温度は大幅に降下するシート走行方向を考えた場合該樹脂は熱収縮が生じ、最終鏡面ロール速度より引取速度が遅い場合であってもシートのたるみ現象は発生しない。
【0033】
引取速度が最終鏡面ロールより速い場合は一般に引取方向に張力が加わりシートに内部歪みが残るが、本発明の場合最終鏡面ロールを出て走行するシート温度をガラス転移温度以上に保つことにより残留歪みを抑制するものである。速度比が1.05を越えるとシートに残留歪みが残り易くなり複屈折は大きくなる。又、0.95未満では、鏡面ロールと引取機の引取バランスが取れず、最終鏡面ロールからシートが剥離する際にムラが生じ外観が悪くなる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下に実施例、比較例で本発明の実施の形態を具体的に説明する。尚、各実施例、比較例で用いた評価、試験方法は以下の通りである。
(1)シート表面温度
走行シートが最終鏡面ロールを剥離しシートの剥離面がロールの半径長さを走行した直後をミノルタ(株)の非接触式放射温度計505を用いて巾方向に5点測定し平均値を求めた。
(2)ガラス転移温度
パーキンエルマー社の示差走査熱量計DSC−7を用い、サンプル重量5mg、昇温速度10℃/minの条件で測定した。
【0035】
(3)複屈折
シートの巾方向に均等に5点サンプリングしオリンパス光学(株)の複屈折測定装置BHS−323(波長780nm)を用いて測定し平均値で表した。
(4)衝撃強度
デュポン式衝撃試験器を用いて先端R=1/4インチの撃ち型に1Kgの加重をセットし1mの高さより落下させ割れの有無をみた。
(5)耐溶剤性
耐久性の一つの指標として割れ安さを見るために、割れ促進液としてシリコーンハードコート液を塗布し表面状態の変化を観察した。
【0036】
【実施例】
実施例1〜3、比較例1〜4
図1に示すような鏡面ロール3本のシート成形装置を用いて実施した、押出機は東芝SE−90DVBとリップ巾1,200mmのTダイを用いた、ダイ温度分布はほぼ均一であった、押出量は240Kg/hに設定し、シート厚み、ダイ温度、鏡面ロール温度、速度は表1に記載した。又、ポリカーボネート樹脂はビスフェノールAを重合した粘度平均分子量24,500、ガラス転移温度153℃の樹脂を用いた。
上記条件でシートを形成し、複屈折、衝撃強度、耐溶剤性を測定した。結果を表1に示す。
【0037】
参考例1
ビスフェノールAを重合した粘度平均分子量15,000のポリカーボネート樹脂を用い射出成形法にて直径120mmφの円盤を300℃で成形した物性表を表1に併記した。
【0038】
【表1】
Figure 0003816137
【0039】
【発明の効果】
本発明によって光学用途として複屈折が40nm以下で、機械強度、耐久性に優れたポリカーボネートシートを成形することを可能にした。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するために適したシートの一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 押出機
2 Tダイ
3 鏡面ロール(下ロール)
4 鏡面ロール(中ロール)
5 鏡面ロール(上ロール)
6 加熱ヒーター
7 移送ロール
8 引取ロール

Claims (1)

  1. 複数個の鏡面賦形ロールを用いてポリカーボネート樹脂を圧延シーティングするにあたり、最終の鏡面賦形ロールを剥離したシートが最終鏡面賦形ロールの半径長さを走行した直後の該シートのロール側の表面温度が該樹脂のガラス転移温度−10〜+30℃であり、且つ最終賦形鏡面ロールと引取ロールの速度比が1:0.95〜1.05の範囲で成形することを特徴とするポリカーボネートシートの製造方法。
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