(実施の形態)
以下に、添付図面を参照して、本発明にかかる遊技機、演出制御方法、および演出制御プログラムの好適な実施の形態を詳細に説明する。
(ぱちんこ遊技機の基本構成)
まず、実施の形態にかかるぱちんこ遊技機の基本構成について説明する。図1は、実施の形態にかかるぱちんこ遊技機の一例を示す正面図である。図1に示すように、実施の形態のぱちんこ遊技機100は、遊技盤101を備えている。遊技盤101の下部位置には、発射部(図3中符号382参照)が配置されている。発射部の駆動によって発射された遊技球は、レール102a,102b間を上昇して遊技盤101の上部位置に達した後、遊技領域103内を落下する。
遊技領域103には、複数の釘(不図示)が設けられており、この釘によって遊技球は不特定な方向に向けて落下する。また、遊技領域103において遊技球の落下途中となる位置には、遊技球の落下方向を変化させる風車や各種入賞口(始動口や大入賞口など)が配設されている。
遊技盤101の略中央部分には、画像表示部104が配置されている。画像表示部104としては液晶表示器(LCD)などが用いられる。画像表示部104の下方には、第1始動口105と、第2始動口106とが配設されている。第1始動口105、第2始動口106は、始動入賞させるための入賞口である。
第2始動口106の近傍には、電動役物としての電動チューリップ107が設けられている。電動チューリップ107は、遊技球を第2始動口106へ入賞し難くさせる閉状態(閉口された状態)と、閉状態よりも入賞し易くさせる開状態(開放された状態)とを有する。これらの状態の制御は、電動チューリップ107が備えるソレノイド(図3中符号331参照)によっておこなわれる。
電動チューリップ107は、画像表示部104の左側に配設されたゲート108を遊技球が通過したことによりおこなわれる普通図柄抽選の抽選結果に基づいて開放される。なお、ゲート108は、画像表示部104の左側(図示の位置)に限らず、遊技領域103内の任意の位置に配設してもよい。
第2始動口106の下方には、大入賞口109が設けられている。大入賞口109は、大当たり状態となったときに開放して、遊技球が入賞することにより所定個数(たとえば15個)の賞球を払い出すための入賞口である。
画像表示部104の側部や下方などには普通入賞口110が配設されている。普通入賞口110は、遊技球の入賞により所定個数(たとえば10個)の賞球を払い出すための入賞口である。普通入賞口110は、図示の位置に限らず、遊技領域103内の任意の位置に配設してもよい。遊技領域103の最下部には、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を回収する回収口111が設けられている。
遊技盤101の右下部分には、特別図柄が表示される特別図柄表示部112が配置されている。特別図柄表示部112は、第1特別図柄(以下「特図1」という)が表示される第1特別図柄表示部(図3中符号112a参照)と、第2特別図柄(以下「特図2」という)が表示される第2特別図柄表示部(図3中符号112b参照)とを有する。
ここで、特図1は、遊技球が第1始動口105へ入賞することによりおこなう第1大当たり抽選の抽選結果をあらわす図柄である。特図2は、遊技球が第2始動口106へ入賞することによりおこなう第2大当たり抽選の抽選結果をあらわす図柄である。第1大当たり抽選および第2大当たり抽選は、遊技状態を大当たり状態とするか否かの抽選である。
また、遊技盤101の右下部分には、普通図柄が表示される普通図柄表示部113が配置されている。ここで、普通図柄は、普通図柄抽選の抽選結果をあらわすものである。普通図柄抽選は、前述のように電動チューリップ107を開状態(長開放または短開放)とするか否かの抽選である。普通図柄表示部113は、たとえば、7セグメントディスプレイからなる。
特別図柄表示部112および普通図柄表示部113の左側には、特別図柄または普通図柄に対する保留数を表示する保留球表示部114が配置されている。たとえば、保留球表示部114としてはLEDが用いられる。この保留球表示部114としてのLEDは複数配置され、点灯/消灯によって保留数をあらわす。たとえば、保留球表示部114を構成するLEDのうちの、上段のLEDが2個点灯している場合には、普通図柄に対する保留数は2であることをあらわす。
遊技盤101の遊技領域103の外周部分には、枠部材115が設けられている。枠部材115において遊技領域103の上側および下側となる2辺には、演出ライト部(枠ランプ)116が設けられている。演出ライト部116は、それぞれ複数のランプを有する。各ランプは、ぱちんこ遊技機100の正面にいる遊技者を照射し、その照射位置が遊技者の頭上から腹部に沿って移動するように、光の照射方向を上下方向に変更することができる。各ランプは、演出ライト部116に設けられた不図示のモータによって、光の照射方向を上下方向に変更するように駆動される。
枠部材115の下部位置には、操作ハンドル117が配置されている。操作ハンドル117は、上記の発射部を駆動させて遊技球を発射させる発射指示部材118を備えている。発射指示部材118は、操作ハンドル117の外周部において、遊技者から見て右回りに回転可能に設けられている。発射部は、発射指示部材118が遊技者によって直接操作されている場合に、遊技球を発射させる。
枠部材115において、遊技領域103の下側となる辺には、遊技者による操作を受け付ける演出ボタン(チャンスボタン)119が設けられている。また、枠部材115において、演出ボタン119の隣には、十字キー120が設けられている。これら演出ボタン119および十字キー120は、ぱちんこ遊技機100において遊技者からの操作を受け付ける操作部を構成している。また、枠部材115には、音声を出力するスピーカ(図3中符号354参照)が組み込まれている。
画像表示部104の側部には、可動演出役物130が配設されている。可動演出役物130は、駆動モータを有し、遊技盤101上において、盤面に沿って移動可能になっており、発光および移動することによって、演出をおこなう。なお、図示を省略するが、遊技領域103内の所定位置(たとえば画像表示部104の周囲)には演出用の他の役物が設けられている。
(可動演出役物の構成)
次に、図2を用いて、本実施の形態にかかるぱちんこ遊技機100の可動演出役物130の構成について説明する。図2は、可動演出役物130の分解斜視図である。図2において、可動演出役物130は、駆動系200と、演出系210とからなる。
駆動系200は、駆動モータ201と、駆動伝達軸202と、駆動ギア203と、従動ギア204とからなる。駆動モータ201は、電気エネルギーを機械エネルギーに変換し、駆動伝達軸202を回転させる。駆動ギア203は、駆動モータ201から駆動伝達軸202を介して伝達された回転力によって駆動回転する。従動ギア204は、駆動ギア203と歯合連結し、駆動ギア203の回転力によって従動回転する。なお、駆動ギア203は、筒状の被検知部205に接合している。なお、駆動モータ201は、本発明の駆動手段に相当する。
演出系210は、可動演出役物130からなる。可動演出役物130は、従動ギア204の回転により、従動ギア204につながる連結部211を支点として回動する。また、可動演出役物130は、駆動モータ201が正転した場合には、駆動モータ201の正転に相当する移動量を移動する。また、可動演出役物130は、駆動モータ201の逆転により、これに相当する分、戻る。可動演出役物130は、所定の演出時に、回動するとともに、複数のランプが発光するような構成であってもよい。また、可動演出役物130は、たとえば異なる大きさを有する他の演出役物と連動して動作する構成であってもよい。
(ぱちんこ遊技機の制御部の内部構成)
次に、図3を用いて、実施の形態にかかるぱちんこ遊技機100の制御部の内部構成について説明する。図3は、実施の形態にかかるぱちんこ遊技機100の制御部の内部構成を示すブロック図である。図3に示すように、ぱちんこ遊技機100の制御部300は、遊技の進行を制御する主制御部301と、演出内容を制御する演出制御部302と、賞球の払い出しを制御する賞球制御部303とを備えている。以下にそれぞれの制御部の構成について詳細に説明する。
(1.主制御部)
主制御部301は、CPU(Central Processing Unit)311と、ROM(Read Only Memory)312と、RAM(Random Access Memory)313と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。
主制御部301は、CPU311がRAM313をワークエリアとして使用しながら、ROM312に記憶された各種プログラムを実行することによって、ぱちんこ遊技機100の遊技の進行を制御するように機能する。具体的には、主制御部301は、大当たり抽選(第1大当たり抽選、第2大当たり抽選)、普通図柄抽選、遊技状態の制御などをおこない、遊技の進行を制御する。たとえば、主制御部301は、主制御基板によって実現される。
CPU311は、予めROM312に記憶された各種プログラムに基づき、遊技内容の進行に伴う基本処理を実行する。ROM312には、大当たり抽選プログラム、普通図柄抽選プログラム、電動チューリップ制御プログラム、大入賞口制御プログラム、などが記憶されている。
大当たり抽選プログラムは、第1始動口SW321または第2始動口SW322によって遊技球が検出されることにより、大当たり抽選をおこなうプログラムである。普通図柄抽選プログラムは、ゲート108への遊技球の通過を検出すると、電動チューリップ107を、当たり(開放)、または、ハズレ(閉状態を保持)とする普通図柄抽選をおこなうプログラムである。電動チューリップ制御プログラムは、通常時では電動チューリップ107を閉状態としておく一方、普通図柄抽選の抽選結果に基づいて、所定期間、電動チューリップ107を開放状態にするプログラムである。大入賞口制御プログラムは、大当たり時に、所定ラウンド数、大入賞口109を開放させるプログラムである。
主制御部301には、遊技球を検出する各種スイッチ(SW)、電動チューリップ107や、大入賞口109などの電動役物を開閉動作させるためのソレノイド、上記の第1特別図柄表示部112a、第2特別図柄表示部112b、普通図柄表示部113、保留球表示部114などが接続される。
具体的に、上記の各種SWとしては、第1始動口105へ入賞した遊技球を検出する第1始動口SW321と、第2始動口106へ入賞した遊技球を検出する第2始動口SW322と、ゲート108を通過した遊技球を検出するゲートSW323と、大入賞口109へ入賞した遊技球を検出する大入賞口SW324と、普通入賞口110へ入賞した遊技球を検出する普通入賞口SW325とが主制御部301に接続される。
それぞれのSW(321〜325)による検出結果は主制御部301へ入力される。これらのSWには、近接スイッチなどを用いることができる。なお、普通入賞口SW325は、普通入賞口110の配置位置別に複数個設けてもよい。
また、上記のソレノイドとしては、電動チューリップ107を開閉動作させる電動チューリップソレノイド331と、大入賞口109を開閉動作させる大入賞口ソレノイド332とが主制御部301に接続される。主制御部301は、それぞれのソレノイド(331,332)に対する駆動を制御する。たとえば、主制御部301は、普通図柄抽選の抽選結果に基づいて電動チューリップソレノイド331の駆動を制御する。また、主制御部301は、大当たり抽選の抽選結果に基づいて大入賞口ソレノイド332の駆動を制御する。
主制御部301は、大当たり抽選(第1大当たり抽選、第2大当たり抽選)、普通図柄抽選の抽選結果に基づいて、第1特別図柄表示部112a、第2特別図柄表示部112b、普通図柄表示部113の表示内容を制御する。たとえば、主制御部301は、第1大当たり抽選をおこなうと第1特別図柄表示部112aの特図1を変動表示させる。そして、所定期間経過後に、第1大当たり抽選の抽選結果を示す図柄にて特図1を停止表示させる。
同様に、主制御部301は、第2大当たり抽選をおこなうと第2特別図柄表示部112bの特図2を変動/停止表示させ、また、普通図柄抽選をおこなうと普通図柄表示部113の普通図柄を、変動/停止表示させる。
さらに、主制御部301は、演出制御部302および賞球制御部303にも接続され、それぞれの制御部に対して各種コマンドを出力する。たとえば、主制御部301は、演出制御部302に対しては変動開始コマンド、大当たり開始コマンドなどを出力する。ここで、変動開始コマンドは、遊技状態を示す情報や特別図柄を変動表示させる時間(以下「変動時間」という)を示す情報などを含む。また、主制御部301は、賞球制御部303に対しては賞球コマンドを出力する。ここで、賞球コマンドには、払い出させる賞球の個数を示す情報などが含まれている。
主制御部301は、実行中の遊技状態を示す情報を演出制御部302にコマンド出力する。この場合、演出制御部302によって、実行中の遊技状態に応じた演出(たとえば図柄変動や可動役物の制御)がなされる。また、主制御部301は、第1始動口105または第2始動口106に対する1回の入賞があると、1回の図柄変動にかける変動時間を示す情報を演出制御部302に対してコマンド出力する。
(2.演出制御部)
演出制御部302は、演出統括部302aと、画像・音声制御部302bと、ランプ制御部302cとによって構成され、ぱちんこ遊技機100の演出内容を制御する機能を有する。
演出統括部302aは、主制御部301から受信した各種コマンド(たとえば変動開始コマンド)に基づいて演出制御部302全体を統括する機能を有している。画像・音声制御部302bは、演出統括部302aからの指示内容に基づいて画像および音声の制御をおこなう機能を有している。また、ランプ制御部302cは、枠部材115などに設けられたランプの点灯、遊技盤101に設けられた可動演出役物130のランプ(不図示)の点灯や、可動演出役物130の動作などを制御する機能を有している。
(2−1.演出統括部)
まず、演出統括部302aの構成について説明する。演出統括部302aは、CPU341と、ROM342と、RAM343と、リアルタイムクロック(以下「RTC」という)344と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。
CPU341は、実行する演出を選択する演出パターン選択処理などを実行する。ROM342には、CPU341が上記の処理を実行するために必要となる各種プログラムなどが記憶されている。RAM343は、CPU341のワークエリアとして機能する。CPU341が各種プログラムを実行することによりRAM343にセットされたデータは、所定のタイミングで画像・音声制御部302bおよびランプ制御部302cに対して出力される。
CPU341は、予めROM342に記憶された各種プログラムに基づき、演出内容に関する処理を実行する。ROM342には、演出統括プログラム、状態報知プログラム、演出制御プログラム、などが記憶されている。演出統括プログラムは、変動開始コマンドに基づいて、特別図柄の変動表示に合わせて実行する演出内容を決定し、画像・音声制御部302b、ランプ制御部302cに所定の処理を実行するように指示出力して、演出制御部302全体を統括するプログラムである。
状態報知プログラムは、ランプ制御部302cを制御することにより、駆動モータ201に初期運転をおこなわせるとともに、当該初期運転時における、可動演出役物130に関する状態を報知させるプログラムである。
演出制御プログラムは、画像・音声制御部302bによる画面演出と、ランプ制御部302cによる可動演出役物130のランプ演出や動作演出とを同期させた役物併用演出データを用いて演出をおこなうプログラムである。また、演出制御プログラムは、可動演出役物130を動作させるための制御信号を生成するプログラムや、駆動モータ201の駆動を停止させるプログラムを含む。
RTC344は、実時間を計時出力する。RTC344は、ぱちんこ遊技機100の電源が遮断されているときもバックアップ電源(不図示)により計時動作を継続する。なお、RTC344は、演出統括部302aなど演出制御部302内に配置する例に限らず、主制御部301に配置してもよい。また、RTC344は、単独で配置してもよい。
また、演出統括部302aには、演出ボタン119が接続されている。たとえば、演出ボタン119は、遊技者から操作を受け付けると、対応するデータを演出統括部302aへ入力する。また、図3において図示は省略するが、十字キー120も演出統括部302aに接続されている。十字キー120は、遊技者によって選択されたキーに対応するデータを演出統括部302aへ入力する。
さらに、演出統括部302aには、開閉扉SW345が接続されている。開閉扉SW345は、遊技盤101前面の開閉扉の開放状態を検出するスイッチであり、開閉扉が開放された際にONになる。開閉扉SW345がONになると、演出統括部302aは、画像・音声制御部302bに対し、スピーカ354から扉が開いている旨の報知をおこなわせる。
(2−2.画像・音声制御部)
次に、画像・音声制御部302bの構成について説明する。画像・音声制御部302bは、CPU351と、ROM352と、RAM353と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。
CPU351は、画像および音声の生成および出力処理を実行する。ROM352には、画像および音声の生成および出力処理のためのプログラム、当該処理に必要となる背景画像・図柄画像・キャラクタ画像など各種画像データや各種音声データなどが記憶されている。RAM353は、CPU351のワークエリアとして機能し、画像表示部104に表示させる画像データやスピーカ354から出力させる音声データが一時的に格納される。
すなわち、画像・音声制御部302bは、CPU351がRAM353をワークエリアとして使用しながら、ROM352に記憶された各種プログラムを実行することによって、演出統括部302aからの指示に基づいて画像および音声の制御をおこなうように機能する。
たとえば、CPU351は、演出統括部302aから指示された指示内容に基づいて、背景画像表示処理、演出図柄変動/停止表示処理、キャラクタ画像表示処理など各種画像処理と音声処理を実行する。このときには、CPU351は、処理に必要な画像データおよび音声データをROM352から読み出してRAM353に書き込む。
RAM353に書き込まれた背景画像や演出図柄画像などの画像データは、画像・音声制御部302bに接続された画像表示部104に対して出力され、画像表示部104の表示画面上において重畳表示される。すなわち、演出図柄画像は、背景画像よりも手前に見えるように表示される。なお、同一位置に背景画像と図柄画像が重なる場合などには、Zバッファ法など周知の陰面消去法により各画像データのZバッファのZ値を参照することで、図柄画像を優先してRAM353に記憶させる。
また、RAM353に書き込まれた音声データは、画像・音声制御部302bに接続されたスピーカ354に対して出力され、音声データに基づく音声がスピーカ354から出力される。
(2−3.ランプ制御部)
次に、ランプ制御部302cの構成について説明する。ランプ制御部302cは、CPU361と、ROM362と、RAM363と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。CPU361は、ランプを点灯させる処理などを実行する。ROM362には、上記の処理を実行するために必要となる各種プログラム、当該処理に必要となるランプ点灯に用いる制御データなどが記憶されている。RAM363は、CPU361のワークエリアとして機能する。
ランプ制御部302cは、演出ライト部(枠ランプ)116と、盤ランプ364と演出役物ランプ365と接続され、点灯制御するデータを出力する。これにより、ランプ制御部302cは、遊技盤101および枠部材115などに設けられたランプの点灯や、演出役物ランプ365の点灯や動作を制御するように機能する。
また、ランプ制御部302cは、駆動モータ201に接続され、演出統括部302aから受け取る可動演出役物130の演出要求に基づいて、駆動モータ201に動作を制御するデータを出力する。具体的には、ランプ制御部302cは、演出統括部302aから受け取る可動演出役物130の演出要求に基づいた回転数の制御信号を生成し、駆動モータ201に出力する。なお、詳細については後述する。
本実施の形態では、演出制御部302は、演出統括部302aと画像・音声制御部302bとランプ制御部302cとがそれぞれ異なる基板機能として設けられるが、これらは同じプリント基板上に組み込んで構成してもよい。ただし、同じプリント基板上に組み込まれた場合であってもそれぞれの機能は独立しているものとする。
(3.賞球制御部)
次に、賞球制御部303の構成について説明する。賞球制御部303は、CPU371と、ROM372と、RAM373と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。CPU371は、払い出す賞球を制御する賞球制御処理を実行する。ROM372には、当該処理に必要となる賞球プログラムなどが記憶されている。RAM373は、CPU371のワークエリアとして機能する。
また、賞球制御部303は、払出部(払出駆動モータ)381と、発射部382と、定位置検出SW383と、払出球検出SW384と、球有り検出SW385と、満タン検出SW386と接続される。
賞球制御部303は、払出部381に対して入賞時の賞球数を払い出す制御をおこなう。払出部381は、遊技球の貯留部から所定数を払い出すためのモータからなる。具体的には、賞球制御部303は、払出部381に対して各入賞口(第1始動口105、第2始動口106、大入賞口109、普通入賞口110)に入賞した遊技球に対応した賞球数を払い出す制御をおこなう。
また、賞球制御部303は、発射部382に対する遊技球の発射の操作を検出して遊技球の発射を制御する。発射部382は、遊技のための遊技球を発射するものであり、遊技者による遊技操作を検出するセンサと、遊技球を発射させるソレノイド等を備える。賞球制御部303は、発射部382のセンサにより遊技操作を検出すると、検出された遊技操作に対応してソレノイド等を駆動させて遊技球を間欠的に発射させ、遊技盤101の遊技領域103に遊技球を送り出す。
また、この賞球制御部303には、払い出す遊技球の状態を検出する各所の検出部が接続され、賞球のための払い出し状態を検出する。これらの検出部としては、定位置検出SW383、払出球検出SW384、球有り検出SW385、満タン検出SW386等がある。たとえば、賞球制御部303は、賞球制御基板によってその機能を実現する。
また、主制御部301には、盤用外部情報端子基板387が接続されており、主制御部301が実行処理した各種情報を外部に出力することができる。賞球制御部303についても、枠用外部情報端子基板388が接続されており、賞球制御部303が実行処理した各種情報を外部に出力することができる。
上記構成の主制御部301と、演出制御部302と、賞球制御部303は、それぞれ異なるプリント基板(主制御基板、演出制御基板、賞球制御基板)に設けられるが、これに限らず、たとえば、賞球制御部303は、主制御部301と同一のプリント基板上に設けることもできる。
(ぱちんこ遊技機の基本動作)
本実施の形態にかかるぱちんこ遊技機100の基本動作の一例を説明する。主制御部301のCPU311により遊技中の制御がおこなわれ、各入賞口に対する遊技球の入賞状況を賞球制御部303に出力する。そして、賞球制御部303は、入賞状況に対応した賞球数の払い出しをおこなう。
また、始動口105,106に遊技球が入賞するごとに、対応する制御信号を演出制御部302に出力し、演出制御部302は、画像表示部104の図柄を変動表示させ、停止させることを繰り返す。大当たり発生が決定しているときには、対応する制御信号を演出制御部302に出力し、演出制御部302は、所定の図柄で揃えて停止させる。このときには、さらに、大入賞口109を開放する制御をおこなう。
演出制御部302は、当選したイベントに対応する各種演出をおこなう。ここで、イベントには、たとえば、大当たり(15ラウンド確変大当たり(いわゆる、確変大当たり)、15ラウンド通常大当たり(いわゆる、通常大当たり)、2ラウンド時短付き確変大当たり(いわゆる、突確)、2ラウンド時短無し確変大当たり(いわゆる、潜確)、2ラウンド時短付き通常大当たり(いわゆる、突時))や、小当たりなどが含まれる。ここで、小当たりとは、ハズレの一つであるが、2ラウンド時短無し確変大当たりと同様の振る舞い(演出)を実行させるイベントである。
たとえば、演出制御部302は、大当たり発生期間中、および大当たり発生までの間のリーチ時や、リーチ予告時等には、画像表示部104に対して、演出図柄の変動表示に加えて各種の演出表示をおこなう。このほか、可動演出役物130に対して特定の駆動をおこなったり、演出ライト部116、盤ランプ364、可動演出役物130の点灯状態を変更したりする演出をおこなう。
そして、たとえば、大当たり(15ラウンド確変/通常大当たり)発生時には、大入賞口109が複数回開放される。1回の開放を1ラウンドとして、15回のラウンドが繰り返し実行される。1ラウンドの期間は、遊技球がたとえば9個入賞したとき、あるいは所定期間(たとえば30秒)とされている。
この際に、賞球制御部303は、大入賞口109に対する遊技球1個の入賞あたり、たとえば15個の賞球数で払い出しをおこなう。大当たり終了後は、大当たり状態が解除され、15ラウンド確変大当たりであった場合には高確率状態の遊技状態へ復帰し、15ラウンド通常大当たりであった場合には低確率状態の遊技状態へ復帰する。
(ぱちんこ遊技機の機能的構成)
次に、図4を用いて、本実施の形態にかかるぱちんこ遊技機100の機能的構成について説明する。図4は、本実施の形態にかかるぱちんこ遊技機100の機能的構成を示した説明図である。
図4において、ぱちんこ遊技機100は、可動演出役物130と、駆動モータ201と、駆動制御部400とを備えて構成されている。可動演出役物130は、遊技盤101上に移動可能に設けられ、発光したり、移動したりすることにより所定の演出をおこなう。また、可動演出役物130は、駆動モータ201の回転速度によって異なる速度で回動する。つまり、可動演出役物130は、駆動モータ201に出力される制御信号の回転数が変更されることによって、制御信号の回転数に対応する異なる速度で回動する。
駆動モータ201は、可動演出役物130を回動させるために回転駆動する。また、駆動モータ201は、基準回転数の制御信号の1周期分の出力(1ステップ)に対応する固有の角度(以下、ステップ角度とする)で回転する。具体的には、駆動モータ201は、図示省略する複数の固定子(ステータ)と、図示省略する回転子(ロータ)とを備えて構成されている。駆動モータ201は、たとえば外部より出力される制御信号によって固定子の励磁が順次変更され、回転子が引き付けられて回転することによって、回転駆動する。より具体的には、駆動モータ201として、たとえばステッピングモータを用いてもよい。
駆動制御部400は、入力部401と、制御信号供給部402と、発振器403と、出力部404と、データ格納部410とを備えて構成されている。入力部401は、演出統括部302aから、可動演出役物130を動作させる演出要求に基づく回転数の要求を、コマンド等で受信する。このコマンドは、制御信号供給部402に出力される。ここで、回転数の要求とは、可動演出役物130を動作させる演出要求に基づいて可動演出役物130を回動させるために、駆動モータ201に出力する必要のある回転数を制御信号として駆動モータ201に出力させる要求である。
制御信号供給部402は、発振器403から発振される単一の基準回転数の制御信号を、要求された回転数に基づく所定の頻度で更新された励磁パターンで、出力部404に供給する。制御信号供給部402が励磁パターンを更新する頻度(以下、励磁更新頻度とする)は、回転数ごとに予め設定されている。
また、制御信号供給部402は、励磁パターンを更新するタイミングを計数する機能を備えている。具体的には、制御信号供給部402は、出力部404に供給する制御信号の励磁更新頻度に基づいて励磁パターンを更新する。ここで、励磁パターンとは、駆動モータ201の所定の固定子を励磁させるための制御信号の出力パターンである。励磁パターンは、回転数の要求を受信した時点において要求された回転数に合わせて生成されてもよいし、予め設定されていてもよい。また、励磁パターンの更新とは、制御信号の出力パターンを切り替える処理である。励磁パターンを更新するタイミングの詳細については後述する。
出力部404は、制御信号供給部402から供給された基準回転数の制御信号に基づいて、要求された回転数の制御信号を生成して駆動モータ201に出力する。具体的には、出力部404は、励磁更新頻度に基づいた励磁パターンで、発振器403から単一の基準回転数の制御信号を供給される。そして、出力部404は、励磁更新頻度に対応する回転数を制御信号として駆動モータ201に出力する。
より具体的には、要求された回転数が基準回転数を整数1で割って得ることができる、つまり要求された回転数が基準回転数と同じ場合、制御信号供給部402は、発振器403から単一の基準回転数の制御信号が発振されるごとに、予め定めされた順番で励磁パターンを更新し、出力部404に制御信号を供給する。この場合、出力部404は、基準回転数を制御信号として駆動モータ201に出力する。この制御信号は、本発明の第1の制御信号に相当する。ここで、予め定められた順番とは、たとえば時計回りや反時計回りなど予め定められた回転方向に駆動モータ201を回すことができるような順番で固定子を励磁することができる励磁パターンの順番である。
また、要求された回転数が基準回転数を整数2以上で割って得ることができる場合、制御信号供給部402は、発振器403から発振される単一の基準回転数の制御信号が整数分発振されるごとに1回、予め定めされた順番で励磁パターンを更新し、出力部404に制御信号を供給する。たとえば、要求された回転数が基準回転数を整数2で割って得た回転数である場合には、制御信号供給部402は、発振器403から単一の基準回転数の制御信号が発振される2回に1回、予め定めされた順番で励磁パターンを更新し、出力部404に制御信号を供給する。この場合、出力部404は、基準回転数を整数2で割って得た回転数を制御信号として駆動モータ201に出力する。この制御信号は、本発明の第2の制御信号に相当する。
また、要求された回転数が基準回転数を整数で割って得ることができない場合、制御信号供給部402は、第1の制御信号に対応する励磁パターンの更新と、第2の制御信号に対応する励磁パターンの更新とを所定の順序で組み合わせておこない、要求された回転数に対応する擬似的な励磁パターンで出力部404に制御信号を供給する。たとえば、要求された回転数が、基準回転数と、基準回転数を整数2で割って得た回転数との間の回転数である場合には、たとえば、まず、制御信号供給部402は、上述したように第1の制御信号に対応する励磁パターンの更新をおこない、予め定めされた順番で励磁パターンを更新し、出力部404に制御信号を供給する。そして、制御信号供給部402は、上述したように第2の制御信号に対応する励磁パターンの更新をおこない、予め定めされた順番で励磁パターンを更新し、出力部404に制御信号を供給する。
また、可動演出役物130を動作させる演出要求に基づく回転数が要求されていないときは、制御信号供給部402は、たとえば、発振器403から発振された単一の基準回転数の制御信号を、励磁パターンの更新をおこなわないまま、出力部404に制御信号を供給し続けてもよい。駆動モータ201には同じ励磁パターンの制御信号が出力され続けるため、駆動モータ201を停止している状態で保つことができる。
このように、出力部404は、第1の制御信号と、第2の制御信号とを所定の順序で組み合わせて駆動モータ201に出力し、要求された回転数を制御信号として駆動モータ201に擬似的に出力する。この制御信号は、本発明の第3の制御信号に相当する。なお、第1の制御信号〜第3の制御信号の詳細については後述する。また、励磁パターンを更新する順番の詳細については後述する。
また、データ格納部410は、テーブル411を備えて構成されている。テーブル411は、たとえば、回転数ごとの励磁更新頻度を格納する。また、テーブル411は、たとえば励磁パターンを回転数ごとに予め設定し格納するものであってもよいし、励磁パターンを更新するために必要なデータを格納するものであってもよい。この場合、制御信号供給部402は、テーブル411に格納された励磁パターンデータを参照して、励磁パターンの更新をおこなう。
なお、駆動制御部400は、ランプ制御部302cのCPU361によって実現される。すなわち、演出統括部302aのCPU341が演出制御プログラムを実行し、CPU361が回転数の要求を受信することにより、駆動制御部400の機能を実現する。
また、別の一例として、入力部401は、所望の回転数に応じて予め計算されている駆動モータ201のステップ数を受信するものであってもよい。この場合、制御信号供給部402は、ステップ数に基づいて励磁更新頻度を算出するものであってもよい。
(主制御部が実行するメイン処理)
次に、図5を用いて、主制御部301が実行するメイン処理について説明する。図5は、主制御部301が実行するメイン処理の処理内容を示すフローチャートである。たとえば、このメイン処理は、主制御部301に電源が投入されると開始され、主制御部301の起動中継続的に実行される。
図5に示すように、メイン処理において主制御部301は、まず、1000ms待機し(ステップS501)、その後、RAM313へのアクセスを許可する(ステップS502)。RAM313へのアクセスを許可すると、主制御部301は、RAMクリアスイッチがONであるかを判定する(ステップS503)。
RAMクリアスイッチがONであれば(ステップS503:Yes)、主制御部301は、RAMクリアをおこなう(ステップS504)。ここで、RAMクリアとは、公知の技術のため詳細な説明は省略するが、RAM313に蓄積されている各種情報(たとえば遊技状態を示す情報)を所定の初期状態とすることである。
RAMクリアをおこなうと、主制御部301は、クリア時の作業領域を設定し(ステップS505)、周辺部の初期設定をおこなう(ステップS506)。ここで、周辺部とは、演出制御部302、賞球制御部303などである。周辺部の初期設定は、それぞれの制御部に対して、初期設定の実行を指示する初期設定コマンドを送信することによりおこなわれる。
一方、RAMクリアスイッチがONでなければ(ステップS503:No)、主制御部301は、バックアップフラグがONであるかを判定する(ステップS507)。バックアップフラグがONであれば(ステップS507:Yes)、主制御部301は、チェックサムが正常であるかを判定する(ステップS508)。
チェックサムが正常であれば(ステップS508:Yes)、主制御部301は、復旧処理を実行する(ステップS509)。また、バックアップフラグがONでなければ(ステップS507:No)、またはチェックサムが正常でなければ(ステップS508:No)、ステップS504へ移行してRAMクリアをおこなう。
次に、主制御部301は、内蔵されているRTC(タイマカウンタ)の周期(たとえば4ms)を設定する(ステップS510)。なお、主制御部301は、ここで設定された周期を用いてタイマ割込処理を実行する。ステップS510においてRTCの周期を設定すると、主制御部301は、電源遮断を監視する電源遮断監視処理を実行する(ステップS511)。
電源遮断監視処理を実行すると、主制御部301は、変動パターン乱数を更新し(ステップS512)、タイマ割込処理の割込禁止設定をおこなう(ステップS513)。そして、主制御部301は、初期値乱数を更新し(ステップS514)、タイマ割込処理の割込許可設定をおこない(ステップS515)、ステップS511へ移行する。以降、主制御部301は、ステップS511からステップS515の処理を繰り返し実行する。
次に、本実施の形態にかかるぱちんこ遊技機100の通常の遊技時における処理内容について説明する。まず、ぱちんこ遊技機100のタイマ割込処理について説明する。
(タイマ割込処理)
図6は、主制御部301が実行するタイマ割込処理の処理内容を示すフローチャートである。たとえば、タイマ割込処理は、図5のステップS510のRTC周期設定において設定された周期にて、メイン処理に割り込み実行される。図6に示すように、タイマ割込処理において主制御部301は、まず、乱数更新処理を実行する(ステップS601)。公知の技術のため詳細な説明および図示は省略するが、たとえば、乱数更新処理では、第1大当たり抽選や第2大当たり抽選に用いる大当たり乱数などの更新をおこなう。
次に、主制御部301は、スイッチ処理を実行する(ステップS602)。公知の技術のため詳細な説明および図示は省略するが、たとえば、スイッチ処理では、第1始動口105、第2始動口106への遊技球の入賞を検出して、入賞時の乱数を取得する。また、大入賞口109、普通入賞口110への遊技球の入賞を検出して、入賞した入賞口に対応する賞球コマンドをセットする。
次に、主制御部301は、図柄処理を実行する(ステップS603)。ここで、図柄処理は、特別図柄に関する特別図柄処理と、普通図柄に関する普通図柄処理とからなる。特別図柄処理では特別図柄を変動/停止表示させるとともに、大当たり抽選をおこなう(図7参照)。普通図柄処理では普通図柄を変動/停止表示させるとともに、普通図柄抽選をおこなう(詳細な説明は省略する)。
図柄処理を実行すると、主制御部301は、電動役物処理を実行する(ステップS604)。公知の技術のため詳細な説明および図示は省略するが、電動役物処理では、可動演出役物130、電動チューリップソレノイド331、大入賞口ソレノイド332などの主制御部301に接続された各種電動役物の動作制御をおこなう。
次に、主制御部301は、賞球に関する賞球処理を実行して(ステップS605)、上記の処理によりRAM313にセットされたコマンドを演出制御部302などに対して出力する出力処理を実行し(ステップS606)、タイマ割込処理を終了する。タイマ割込処理を終了すると、主制御部301は、メイン処理へ戻る。
(特別図柄処理)
図7は、特別図柄処理の処理内容を示すフローチャートである。この特別図柄処理は、図6のステップS603に含まれる処理内容である。特別図柄処理は、大当たり状態であれば(ステップS701:Yes)、特別図柄を変動させず処理を終了する。大当たり状態でなければ(ステップS701:No)、特別図柄の変動中であるか判定し(ステップS702)、変動中でなければ(ステップS702:No)、第2始動口106に入賞した遊技球の保留数U2が最低1個はあるか判定する(ステップS703)。
保留数U2が1個以上あれば(ステップS703:Yes)、保留数U2を1個分減算したものを新たな保留数とし(ステップS704)、第2大当たり判定処理をおこなう(ステップS705)。この第2大当たり判定処理は、第2始動口SW処理にて取得した乱数を基に、大当たりか否か、および大当たりの場合には確変大当たりか否かが選択される。
一方、ステップS703において、保留数U2がなければ(U2=0)(ステップS703:No)、第1始動口105に入賞した遊技球の保留数U1が最低1個はあるか判定する(ステップS706)。保留数U1がなければ(U1=0)(ステップS706:No)、図柄変動させず終了する。
保留数U1が1個以上あれば(ステップS706:Yes)、保留数U1を1個分減算したものを新たな保留数とし(ステップS707)、第1大当たり判定処理をおこなう(ステップS708)。この第1大当たり判定処理は、第1始動口SW処理にて取得した乱数を基に、大当たりか否か、および大当たりの場合には確変大当たりか否かが選択される。なお、ステップS703〜ステップS708に示したように、第1始動口105への入賞よりも、第2始動口106への入賞が優先して消化されるようになっている。
ステップS705における第2大当たり判定処理、またはステップS708における第1大当たり判定処理をおこなった後、変動パターン選択処理をおこなう(ステップS709)。この変動パターン選択処理は、大当たり判定処理の判定結果に応じて、大当たりやリーチ等の各変動パターンを選択する処理である。次に、変動開始コマンドをRAM313にセットし(ステップS710)、特別図柄の変動表示を開始させる(ステップS711)。そして、特別図柄が変動している変動時間を計測開始して終了する(ステップS712)。
ステップS702において、特別図柄の変動中の場合(ステップS702:Yes)、変動時間が経過したか否かを判定する(ステップS713)。変動時間が経過していなければ(ステップS713:No)、処理を終了する。変動時間が経過していれば(ステップS713:Yes)、特別図柄の変動停止コマンドをセットし(ステップS714)、特別図柄の変動を停止させる(ステップS715)。この際、特別図柄の変動時間をリセットし(ステップS716)、所定の停止中処理をおこない(ステップS717)、終了する。
(演出制御部の処理手順)
次に、図8を用いて、演出制御部302が実行する演出処理の処理内容について説明する。演出処理は、演出制御部302の演出統括部302aが、演出制御部302の起動中継続的に実行される主演出処理(詳細な説明は省略する)に対して、所定間隔(たとえば4ms)ごとに割り込み実行する処理である。図8は、演出統括部302aがおこなう演出処理の処理手順を示すフローチャートである。
演出処理では、まず、演出図柄を可変表示させる演出中であるか判断し(ステップS801)、演出中でなければ(ステップS801:No)、主制御部301から変動開始コマンドを受信したか判断する(ステップS802)。変動開始コマンドを受信していないときには(ステップS802:No)、そのまま処理を終了する。変動開始コマンドを受信したときには(ステップS802:Yes)、停止させる図柄の選択をおこなう停止図柄選択処理をおこなう(ステップS803)。なお、停止図柄選択処理は、大当たり判定処理(図7のステップS705およびステップS708参照)の抽選結果である確変大当たり、通常大当たり、ハズレごとに、それぞれ停止させる演出図柄の抽選をおこなう処理である。
この後、変動開始コマンドに基づき、実行する演出の種別を選択する演出パターン選択処理を実行する(ステップS804)。なお、演出パターン選択処理は、予め用意された複数種類の演出の中から一つを選択する処理である。具体的には、変動開始コマンドには特別図柄の変動時間を示す情報が含まれており、演出パターン選択処理では、この変動時間と同一の再生時間を有する演出を選択する。これにより、特別図柄の変動表示に合わせて演出図柄を変動表示することができ、特別図柄の停止表示に合わせて演出図柄を停止表示することができる。また、特別図柄の変動表示に合わせて可動演出役物130を動作させることができ、特別図柄の変動表示に合わせて可動演出役物130を停止させることができる。
演出パターン選択処理の実行後、図柄の背景となる背景選択処理を実行する(ステップS805)。ステップS805において背景選択処理を実行した後、演出制御部302は、ステップS804で選択された演出パターンと、ステップS805で選択された背景画像とを用いて演出を開始する(ステップS806)。具体的には、演出統括部302aが、選択された演出パターンを示す情報と選択された背景画像を示す情報とを画像・音声制御部302bに対して指示出力して演出を開始する。また、演出統括部302aが、選択された演出パターンを示す情報をランプ制御部302cに対して指示出力して演出を開始する。ステップS806において演出を開始させた後に、処理を終了する。
ステップS801にて演出中であれば(ステップS801:Yes)、主制御部301から変動停止コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS807)。変動停止コマンドを受信したときには(ステップS807:Yes)、演出を終了する(ステップS808)。具体的には、演出統括部302aが、演出開始前に選択された演出図柄の組み合わせを停止表示させるように画像・音声制御部302bに対して指示出力して演出を終了する。この後、大当たりである場合には(ステップS809:Yes)、大当たり演出を開始する(ステップS810)。
ステップS807において、変動停止コマンドを受信しないときには(ステップS807:No)、そのまま処理を終了する。また、ステップS809において、大当たりではない場合には(ステップS809:No)、そのまま処理を終了する。
(演出用データの一例)
次に、図9を用いて、演出統括部302aのRAM343に記憶される演出用データの一例について説明する。図9は、演出統括部302aのRAM343に記憶される演出用データの一例を示した説明図である。演出データは、図8のステップS804に示した処理において用いられるデータである。
図9において、演出統括部302aが実行する演出処理をおこなう場合、役物併用演出データ900と、通常演出データ910とからなる演出データを用いる。役物併用演出データ900は、画像表示部104による画面演出用の演出画面データ901と、可動演出役物130による動作演出用の役物動作データ902とからなる。通常演出データ910は、画像表示部104による画面演出用の演出画面データ901からなる。なお、役物併用演出データ900、通常演出データ910には、それぞれ、可動演出役物130の点灯や盤ランプ364の点灯によるランプ演出をおこなうための点灯データなども含まれる。
(駆動制御部の処理手順)
図10は、駆動制御部400が実行する駆動制御処理の処理内容を示すフローチャートである。駆動制御処理とは、要求された回転数の制御信号を生成し、この制御信号を駆動モータ201に出力する処理である。駆動制御処理は、図8のステップS806に含まれる処理内容である。
駆動制御処理では、まず、駆動制御部400は、演出統括部302aからの可動演出役物130を動作させる演出要求に基づく回転数の要求を受信する(ステップS1001)。次に、駆動制御部400は、要求された回転数に基づく情報を取得する(ステップS1002)。要求された回転数に基づく情報とは、要求された回転数の制御信号を生成するために必要となる情報である。駆動制御部400は、たとえば発振器403から発振される制御信号の基準回転数を取得してもよい。
次に、駆動制御部400は、要求された回転数が基準回転数を整数で割って得ることができる回転数であるか否かを判断する(ステップS1003)。具体的には、駆動制御部400は、たとえば基準回転数を、要求された回転数で割った余りがあるか否かを判断してもよいし、ステップS1003の処理における判断後の内容をステップS1002の処理において予め取得してもよいし、基準回転数を整数1から順次割っていくことで算出してもよい。また、これ限らず種々変更可能であり、要求された回転数が基準回転数を整数で割って得ることができる回転数であるか否かを判断することができれば、他の判断方法であってもよい。
ステップS1003において、要求された回転数が基準回転数を整数で割って得ることができる回転数である場合(ステップS1003:Yes)、駆動制御部400は、基準回転数を整数で割って得ることができる回転数を生成する(ステップS1004)。次に、駆動制御部400は、要求された回転数を駆動モータ201に出力する(ステップS1005)。ステップS1005において、駆動制御部400は、要求された回転数を制御信号として駆動モータ201に出力してもよい。ここで、駆動モータ201に出力される制御信号は、第1の制御信号または第2の制御信号である。
一方、ステップS1003において、要求された回転数が基準回転数を整数で割って得ることができない回転数である場合(ステップS1003:No)、駆動制御部400は、第1の制御信号の回転数および第2の制御信号の回転数を組み合わせて、擬似的に要求された回転数を生成し(ステップS1006)、ステップS1005に進む。このとき、ステップS1005において、駆動モータ201に出力される制御信号は、第3の制御信号である。
(駆動制御部の処理手順の一例)
次に、図11および図12を用いて、駆動モータ201に出力される制御信号を生成する処理(以下、制御信号生成処理とする)の処理内容を説明する。図11および図12は、駆動制御部400が実行する制御信号生成処理の処理内容の一例を示すフローチャートである。この制御信号生成処理は、図10のステップS1004,S1005に含まれる処理内容である。また、図11に示す処理では、第1の制御信号または第2の制御信号が生成される。また、図12に示す処理では、第3の制御信号が生成される。なお、駆動モータ201として一般的なステッピングモータを用いる。
図11に示す制御信号生成処理では、まず、駆動制御部400は、たとえばテーブル411に格納されたデータから、モータ励磁更新カウンタ数を取得する(ステップS1101)。次に、駆動制御部400は、モータ励磁更新カウンタ数を1減らし(ステップS1102)、モータ励磁更新カウンタ数がゼロであるか否かを判断する(ステップS1103)。モータ励磁更新カウンタ数とは、励磁パターンの更新をおこなうタイミングであるか否かを判断するために用いる変数である。
具体的には、要求された回転数が基準回転数と同じ値である場合、モータ励磁更新カウンタ数の初期値をたとえば1とする。また、要求された回転数が基準回転数を整数2以上で割って得ることができる場合、モータ励磁更新カウンタ数の初期値をたとえば整数2以上とする。このように、モータ励磁更新カウンタ数の初期値を、駆動制御部400が励磁パターンを更新する頻度(励磁更新頻度)としてもよい。この場合、駆動制御部400は、モータ励磁更新カウンタ数を1ずつ減算することによって、励磁パターンを更新するタイミングを計数する。
ステップS1101において、取得したモータ励磁更新カウンタ数がNull(ヌル)値またはゼロである場合、駆動制御部400は、モータ励磁更新カウンタ数に、要求された回転数に対応するモータ励磁更新カウンタ数の初期値を入力する。モータ励磁更新カウンタ数がNull値である場合とは、モータ励磁更新カウンタ数の格納先をたとえばDRAM(Dynamic Random−Access Memory)などの揮発性メモリとしたとき、電源オフ時にDRAM内のデータが初期化されてしまう場合などである。
次に、ステップS1103において、モータ励磁更新カウンタ数がゼロである場合(ステップS1103:Yes)、駆動制御部400は、励磁パターンを更新し(ステップS1104)、ステップ数を1増やす(ステップS1105)。このとき、駆動制御部400は、ステップS1104,S1105の処理によって、駆動モータ201の励磁更新を、ステップ数が1増えるたびにおこなうことができる。そして、駆動制御部400は、モータ励磁更新カウンタ数に、要求された回転数に対応するモータ励磁更新カウンタ数の初期値を入力する(ステップS1106)。次に、駆動制御部400は、モータ励磁更新カウンタ数をたとえばテーブル411に格納し(ステップS1107)、駆動モータ201に制御信号を出力して(ステップS1108)、処理を終了する。
ステップS1103:Yesの処理により励磁パターンが更新されることで、駆動制御部400は、予め定められた順序で更新された励磁パターンで駆動モータ201に制御信号を出力する。このとき、励磁パターンの更新回数(以下、励磁更新回数とする)が1増えるとともに、駆動制御部400は、ステップ数を1増やす。このように、励磁パターンの更新はステップ数が増えるときにおこなわれ、このとき、駆動モータ201は、基準回転数における1ステップに対応するステップ角度だけ回転する。励磁更新回数とステップ数との相関関係に関する詳細については後述する。
一方、ステップS1103において、モータ励磁更新カウンタ数がゼロではない場合(ステップS1103:No)、ステップS1107に進む。ステップS1103:Noの処理により、駆動制御部400は、励磁パターンを更新することなく、かつステップ数を増やすことなく、ステップS1107以降の処理をおこなう。このため、駆動制御部400は、図11に示す制御信号生成処理を繰り返しおこない、ステップS1103:Yesの処理において励磁パターンが更新されてステップ数が1増えるまで、前回出力された制御信号の励磁パターンと同じ励磁パターンで、駆動モータ201に制御信号を繰り返し出力する。つまり、駆動制御部400は、要求された回転数が基準回転数を整数2以上で割って得ることができる場合、図11に示す制御信号生成処理を整数回分繰り返して、駆動モータ201を1ステップに対応するステップ角度だけ回転させる。
また、上述した図11に示す制御信号生成処理により、第1の制御信号は、次に示すように生成される。たとえば、基準回転数を1000ppsとし、要求された回転数を基準回転数と同じ1000ppsとする場合、ステップS1011の処理により、モータ励磁更新カウンタ数の初期値は1となる。このため、駆動制御部400は、ステップS1101〜ステップS1108の処理を経て、基準回転数の制御信号を駆動モータ201に出力する。
また、上述した一連の処理が繰り返される間、ステップS1106,S1107の処理により、ステップS1101において取得されるモータ励磁更新カウンタ数は常に1となる。このため、駆動制御部400は、図11に示す制御信号生成処理が繰り返されるごとに予め定められた順序で励磁パターンを更新し(ステップS1104,S1105)、基準回転数の制御信号を駆動モータ201に出力する(ステップS1108)。これにより、駆動制御部400は、基準回転数と同じ1000ppsの第1の制御信号を生成し、駆動モータ201に出力することができる。
また、上述した図11に示す制御信号生成処理により、第2の制御信号は、次に示すように生成される。たとえば、基準回転数を1000ppsとし、要求された回転数を500ppsとする一例について説明する。500ppsの回転数は、基準回転数を整数2で割って得ることができる回転数であるため、ステップS1011の処理により、モータ励磁更新カウンタ数の初期値は2となる。この場合、図11に示す制御信号生成処理を2回繰り返すことで、第2の制御信号が出力される。
まず、1回目の処理では、駆動制御部400は、ステップS1101〜S1103,S1107,S1108の処理を経て、励磁パターンを更新せずに、基準回転数の制御信号を駆動モータ201に出力する。つまり、駆動制御部400は、ステップS1104〜ステップS1106の処理をおこなわない。このため、モータ励磁更新カウンタ数は1となり(ステップS1102)、テーブル411に格納される(ステップS1107)。また、1回目の処理では、ステップ数は増えない。これにより、1回目の処理が終了する。
続けて2回目の処理では、駆動制御部400は、1回目の制御信号生成処理でテーブル411に格納されたモータ励磁更新カウンタ数を1として取得する(ステップS1101)。その後、駆動制御部400は、ステップS1102〜ステップS1108の処理を経て、励磁パターンを更新し(ステップS1104)、ステップ数を1増やした後に(ステップS1105)、基準回転数の制御信号を駆動モータ201に出力する(ステップS1108)。
これにより、2回目の処理が終了し、駆動制御部400は、上述した2回分の処理を1ステップとして、基準回転数と異なる500ppsの第2の制御信号を生成し、駆動モータ201に出力する。このため、駆動制御部400は、第1の制御信号を出力したときの駆動モータ201が2ステップ進む時間で、駆動モータ201を1ステップ進ませることができる。つまり、駆動制御部400は、第2の制御信号の出力によって、第1の制御信号の2倍の時間で駆動モータ201を1ステップ進める。このように、駆動制御部400は、基準回転数1000ppsの制御信号を用いて、基準回転数と異なる500ppsの第2の制御信号を生成することができる。
また、ステップS1106,S1107の処理により、モータ励磁更新カウンタ数は2としてテーブル411に格納される。これにより、続けて3回目の処理をおこなう場合に、ステップS1101において取得されるモータ励磁更新カウンタ数が2となるため、駆動制御部400は、上述した2回分の処理を1ステップとする第2の制御信号を繰り返し生成し、駆動モータ201に出力することができる。
図11では、モータ励磁更新カウンタ数の初期値を、励磁更新頻度とした例について説明しているが、これに限らず、所定の励磁更新頻度で励磁パターンを更新することができれば他の値を設定してもよい。また、モータ励磁更新カウンタ数の初期値は、たとえば回転数の要求を受信した時(図10のステップS1001)に算出されてもよいし、テーブル411に予め格納されていてもよい。
次に、図12に示す制御信号生成処理について説明する。図12に示す処理では、第1の制御信号と、第2の制御信号とを生成し、これらを組み合わせることによって第3の制御信号を生成する。
図12に示す制御信号生成処理では、まず、駆動制御部400は、励磁更新頻度を取得し(ステップS1201)、モータ励磁更新カウンタ数を取得する(ステップS1202)。ここで、駆動制御部400は、たとえばテーブル411に格納されたデータから、励磁更新頻度およびモータ励磁更新カウンタ数の初期値を取得する。ステップS1201において取得した励磁更新頻度が1である場合、駆動制御部400は、第1の制御信号を生成する処理をおこなう。また、取得した励磁更新頻度が整数2以上である場合、駆動制御部400は、第2の制御信号を生成する処理をおこなう。モータ励磁更新カウンタ数の初期値は、励磁更新頻度と同じ値である。
次に、駆動制御部400は、モータ励磁更新カウンタ数を1減らし(ステップS1203)、モータ励磁更新カウンタ数がゼロであるか否かを判断する(ステップS1204)。ステップS1204において、モータ励磁更新カウンタ数がゼロである場合(ステップS1204:Yes)、励磁パターンを更新し(ステップS1205)、ステップ数を1増やす(ステップS1206)。このとき、駆動制御部400は、ステップS1205,S1206の処理によって、発振器403から発振される単一の基準回転数の制御信号の励磁パターンを予め定めされた順番で更新し、ステップ数を1増やすことができる。
次に、駆動制御部400は、励磁更新頻度を1増やし(ステップS1207)、励磁更新頻度が2より大きいか否かを判断する(ステップS1208)。ステップS1208において、励磁更新頻度が2より大きい場合(ステップS1208:Yes)、励磁更新頻度を1にする(ステップS1209)。そして、駆動制御部400は、モータ励磁更新カウンタ数に励磁更新頻度を入力し(ステップS1210)、モータ励磁更新カウンタ数および励磁更新頻度をたとえばテーブル411に格納する(ステップS1211)。そして、駆動制御部400は、駆動モータ201に制御信号を出力し(ステップS1212)、処理を終了する。
ステップS1207,ステップS1208:Yes,ステップS1209,ステップS1210の処理により、図12に示す制御信号生成処理を、第2の制御信号を生成する処理から、第1の制御信号を生成する処理に切り替えることができる。
また、ステップS1208において、励磁更新頻度が2以下である場合(ステップS1208:No)、ステップS1210に進む。ステップS1208:Noの処理により、図12に示す制御信号生成処理を、第1の制御信号を生成する処理から、第2の制御信号を生成する処理に切り替えることができる。
また、ステップS1208の処理では、励磁更新頻度が2より大きいか否かを判断しているが、これは、たとえば、基準回転数を1000ppsとし、1000ppsの第1の制御信号と、500ppsの第2の制御信号とを組み合わせて第3の制御信号を生成する場合の判断基準である。ここで、ステップS1208の処理において、励磁更新頻度の大きさを判断する整数を整数3以上としてもよい。励磁更新頻度の大きさの判断基準を整数3以上とした場合、ステップS1207の処理において、励磁更新頻度に加算する値を2以上とする。たとえば、ステップS1208の処理において励磁更新頻度が4より大きいか否かを判断してする第3の制御信号を生成する場合、ステップS1207の処理では、励磁更新頻度に3を加算する。これにより、基準回転数を1000ppsとしたとき、250ppsの第2の制御信号と、1000ppsの第1の制御信号とを組み合わせて400ppsの第3の制御信号を生成することができる。
一方、ステップS1204において、モータ励磁更新カウンタ数がゼロではない場合(ステップS1204:No)、ステップS1211に進む。ステップS1204:Noの処理により、駆動制御部400は、励磁パターンを更新することなく、かつステップ数を増やすことなく、ステップS1211以降の処理をおこなう。このため、駆動制御部400は、図12に示す制御信号生成処理を繰り返しおこない、ステップS1204:Yesの処理において励磁パターンが更新されてステップ数が1増えるまで、前回出力された制御信号の励磁パターンと同じ励磁パターンで、駆動モータ201に制御信号を繰り返し出力する。つまり、励磁パターンを更新した後、図12に示す制御信号生成処理を繰り返しおこない、予め定めされた順番で次に励磁パターンを更新したときに、駆動モータ201を所定のステップ角度で回転させる。
具体的には、上述した図12に示す制御信号生成処理により、第3の制御信号は、次に示すように生成される。たとえば、基準回転数を1000ppsとし、要求された回転数を666ppsとする一例について説明する。666ppsの回転数は、基準回転数を整数で割って得ることができない回転数であるため基準回転数と同じ1000ppsの第1の制御信号と、500ppsの第2の制御信号とを組み合わせて生成する。この場合、図12に示す制御信号生成処理を3回繰り返すことで、第3の制御信号が出力される。ここでは、たとえば第1の制御信号から生成し始めるとして説明するが、第2の制御信号から生成し始めてもよい。
まず、1回目の処理では、1000ppsの第1の制御信号から生成するために、駆動制御部400は、テーブル411から、第1の制御信号に対応する励磁更新頻度およびモータ励磁更新カウンタ数を取得する(ステップS1201,S1202)。これにより、励磁更新頻度およびモータ励磁更新カウンタ数ともに1となる。そして、駆動制御部400は、ステップS1203、ステップS1204:Yes、ステップS1205〜S1207、ステップS1208:NoおよびステップS1210〜ステップS1212の処理を経て、1000ppsの第1の制御信号を出力する。
この場合、ステップS1208:No,ステップS1210およびステップS1211の処理により、駆動制御部400は、励磁更新頻度およびモータ励磁更新カウンタ数をともに2とし、次におこなわれる2回目の制御信号生成処理において第2の制御信号を生成するための設定をおこなう。これにより、1回目の処理が終了し、駆動制御部400は、駆動モータ201を1ステップ進ませる。
続けて2回目の処理では、駆動制御部400は、1回目の処理のステップS1211において格納された励磁更新頻度およびモータ励磁更新カウンタ数を取得する(ステップS1201,S1202)。これにより、励磁更新頻度およびモータ励磁更新カウンタ数ともに2となる。そして、駆動制御部400は、ステップS1203、ステップS1204:No、ステップS1211およびステップS1212の処理を経て、励磁パターンを更新せずに、基準回転数の制御信号を駆動モータ201に出力する。
この場合、駆動制御部400は、ステップS1205〜ステップS1210の処理をおこなわない。このため、励磁更新頻度は2のまま変わらず、モータ励磁更新カウンタ数は1となり(ステップS1203)、テーブル411に格納される(ステップS1211)。また、2回目の処理では、ステップ数は増えない。これにより、2回目の処理が終了する。
さらに続けて3回目の処理では、駆動制御部400は、2回目の処理のステップS1211において格納された励磁更新頻度およびモータ励磁更新カウンタ数を取得する(ステップS1201,S1202)。これにより、励磁更新頻度は2となり、モータ励磁更新カウンタ数は1となる。そして、駆動制御部400は、ステップS1203、ステップS1204:Yes、ステップS1205〜S1207、ステップS1208:YesおよびステップS1209〜S1212の処理を経て、励磁パターンを更新し(ステップS1205)、ステップ数を1増やした後に(ステップS1206)、基準回転数の制御信号を駆動モータ201に出力する(ステップS1212)。
これにより、3回目の処理が終了し、駆動制御部400は、2回目と3回目の処理を合わせた2回分の処理を1ステップとして、基準回転数と異なる500ppsの第2の制御信号を生成し、駆動モータ201に出力する。2回目と3回目の処理により、駆動制御部400は、第1の制御信号に比べて2倍の時間で、駆動モータ201を1ステップ進ませる。
また、ステップS1209,S1210の処理により、励磁更新頻度およびモータ励磁更新カウンタ数ともに1としてテーブル411に格納され、次におこなわれる4回目の制御信号生成処理において第1の制御信号を生成するための設定がおこなわれる。これにより、続けて4回目の処理をおこなう場合に、ステップS1201,S1202において取得される励磁更新頻度およびモータ励磁更新カウンタ数がともに1となるため、駆動制御部400は、上述した3回分の処理を1ステップとする第3の制御信号を繰り返し生成し、駆動モータ201に出力することができる。
このように、駆動制御部400は、上述した3回分の処理を繰り返し、1000ppsの第1の制御信号と500ppsの第2の制御信号を組み合わせて、666ppsの第3の制御信号を擬似的に出力する。
具体的には、駆動制御部400は、第1の制御信号により、駆動モータ201を1ステップ進ませる。そして、駆動制御部400は、第2の制御信号により、第1の制御信号を出力したときの駆動モータ201が2ステップ進む時間で、駆動モータ201を1ステップ進ませる。このため、駆動制御部400は、第1の制御信号を出力したときの駆動モータ201が3ステップ進む時間で、駆動モータ201を2ステップ進ませることができる。つまり、駆動制御部400は、第1の制御信号の1.5倍の時間で、擬似的に駆動モータ201を1ステップ進めることができる。このように、駆動制御部400は、1000ppsの第1の制御信号と500ppsの第2の制御信号を交互に出力し、666ppsの第3の制御信号を擬似的に出力する。
次に、第1の制御信号〜第3の制御信号による励磁パターンの更新タイミングについて説明する。図13〜図15は、励磁パターンの更新タイミングを示すタイミングチャートである。ここでは、2相励磁方式のパルス信号を出力する場合を例に説明する(以下、図14、図15、および図19において同様)。2相励磁方式とは、公知の技術のため詳細な説明は省略するが、2つの励磁コイルを用いて、X相、−X(図中、Xの上にバーを付した表記)相、Y相および−Y(図中、Yの上にバーを付した表記)相の4相が互いに重なる形で励磁を切り換える方式である。なお、信号の極性が反転している相の表記において、相の前に“−”を付けることで信号の極性が反転している相であることを表している。ここで、基準回転数は1000ppsとする。
図13に示すタイミングチャートは、第1の制御信号を出力するためのタイミングチャートである。図13に示すタイミングチャートでは、発振器403から単一の基準回転数の制御信号が発振されるごとに励磁パターンが更新されている。これにより、第1の制御信号は、基準回転数と同様の回転数である1000ppsの回転数となる。駆動制御部400は、たとえば図11に示す制御信号生成処理をおこなう際に、図13に示すタイミングチャートを参照して励磁パターンを更新する。
図14に示すタイミングチャートは、第2の制御信号を出力するためのタイミングチャートである。図14に示すタイミングチャートは、図11に示す制御信号生成処理をおこなう際に、駆動制御部400によって参照される。図14に示すタイミングチャートでは、発振器403から単一の基準回転数の制御信号が発振される2回に1回しか励磁パターンを更新しないため、同一時間内では、励磁パターンの更新回数(以下、励磁更新回数とする)およびステップ数ともに、図13に示すタイミングチャートの1/2倍となっている。つまり、第2の制御信号は、駆動モータ201を1ステップ進ませるのに、1000ppsの第1の制御信号の2倍の時間が必要となる。このため、第2の制御信号は、第1の制御信号の半分の回転数となる。このように、駆動制御部400は、図14に示すタイミングチャートを参照して励磁パターンを更新することで、500ppsの第2の制御信号を出力する。
図15に示すタイミングチャートは、第3の制御信号を出力するためのタイミングチャートである。図15に示すタイミングチャートは、図12に示す制御信号生成処理をおこなう際に、駆動制御部400によって参照される。図15に示すタイミングチャートでは、図13に示すような1000ppsの第1の制御信号と、図14に示すような500ppsの第2の制御信号とを交互に出力している。このため、図15に示すタイミングチャートでは、発振器403から単一の基準回転数の制御信号が発振される3回に1回しか励磁パターンを更新しないため、同一時間内では、励磁更新回数およびステップ数ともに、図13に示すタイミングチャートの2/3倍となっている。つまり、第3の制御信号は、駆動モータ201を1ステップ進ませるのに、1000ppsの第1の制御信号の3倍の時間が必要となる。このため、第3の制御信号は、第1の制御信号の2/3倍の回転数となる。このように、駆動制御部400は、図15に示すタイミングチャートを参照して励磁パターンを更新することで、666ppsの第3の制御信号を擬似的に出力する。
具体的には、図13〜図15に示すタイミングチャートにより、駆動制御部400は、次に示すようなタイミングで励磁パターンを更新する。図16は、駆動制御部400が励磁パターンを更新するタイミングを示す概念図である。ここで、基準回転数は1000ppsとし、発振器403から発振される単一の基準回転数の制御信号は1msecごとに発振されることとする。
駆動モータ201として、たとえば一般的なユニポーラ型ステッピングモータを用いる。ユニポーラ型ステッピングモータは、異なる4種類の励磁パターン(以下、励磁パターンA〜励磁パターンDとする)で出力された制御信号によって制御されている。ユニポーラ型ステッピングモータとは、公知の技術のため詳細な説明は省略するが、位相がずれた4相のパルス信号によって制御されるモータである。
図13に示すタイミングチャートにより、駆動制御部400は、励磁パターンA,B,C,D,A・・・と、発振器403から単一の基準回転数の制御信号が発振されるごとに励磁パターンを更新する。つまり、図13に示すタイミングチャートでは、1msecで1ステップ進む。このように励磁パターンを更新することにより、駆動制御部400は、基準回転数と同じ1000ppsの第1の制御信号を生成する。
また、図14に示すタイミングチャートにより、駆動制御部400は、励磁パターンA,A,B,B,C,C,D,D,A,A・・・と、発振器403から単一の基準回転数の制御信号が発振される2回に1回、励磁パターンを更新する。つまり、図13に示すタイミングチャートが8msecの間に8ステップ進むのに対して、図14に示すタイミングチャートは8msecの間に4ステップだけ進む。このように励磁パターンを更新することにより、駆動制御部400は、基準回転数の制御信号を用いて、500ppsの第2の制御信号を生成する。
また、図15に示すタイミングチャートにより、駆動制御部400は、励磁パターンA,B,B,C,D,D,A・・・と、発振器403から単一の基準回転数の制御信号が発振される3回に1回、同じ励磁パターンを出力する。つまり、第1の制御信号に対応する励磁パターン区分1601と、第2の制御信号に対応する励磁パターン区分1602とが交互に組み合わされた励磁パターンで、励磁パターンを更新する。このため、図13に示すタイミングチャートが9msecの間に9ステップ進むのに対して、図15に示すタイミングチャートは9msecの間に6ステップだけ進む。このように励磁パターンを更新することにより、駆動制御部400は、基準回転数の制御信号を用いて、666ppsの第3の制御信号を生成する。
上述した図13〜15に示すタイミングチャートは、予め定めされた順番で励磁パターンが配列されておいる。このような励磁パターンデータは、たとえばテーブル411などに格納されている。このような励磁パターンデータを参照することで、駆動制御部400は、所望の回転数で所望の回転方向に駆動モータを回転させることができる。
図15に示すタイミングチャートにより、駆動制御部400は、第1の制御信号と第2の制御信号を交互に出力し、第3の制御信号を生成しているが、これに限らず、第1の制御信号と第2の制御信号との出力回数が同じであればよい。具体的には、第1の制御信号と第2の制御信号との出力回数をそれぞれ2回とする場合、駆動制御部400は、第1の制御信号と第2の制御信号とを交互に出力することを2回繰り返し出力してもよいし、第1の制御信号を2回出力した後に第2の制御信号を2回出力してもよい。第1の制御信号と第2の制御信号とを交互に出力することによって、同じ回転数の制御信号を続けて出力するよりも、安定して第3の制御信号を生成することができる。
また、上述した説明では、1000ppsの第1の制御信号と500ppsの第2の制御信号を組み合わせて、666ppsの第3の制御信号を生成しているが、これに限らず、第1の制御信号と第2の制御信号の回転数を種々変更することで、さまざまな値の回転数を有する第3の制御信号を生成してもよい。また、3つ以上の制御信号を組み合わせて、第3の制御信号を生成してもよい。この場合、組み合わせる制御信号の差は小さいほうがよい。具体的には、第1の制御信号と第2の制御信号の回転数の差は小さいほうがよい。これにより、第3の制御信号を安定して生成することができる。
上述したタイミングチャートでは、2相励磁方式を用いて励磁パターンを更新するタイミングを説明しているが、駆動モータ201を低速度で動かす場合などには、1相励磁方式を用いた励磁パターンの更新をおこなってもよい。1相励磁方式を用いることによって、消費電力を抑えることができる。
次に、図17および図18を用いて、第3の制御信号として666ppsの回転数を出力するための別の一例について説明する。図17および図18は、駆動モータに出力される制御信号の励磁パターンデータの一例を示す説明図である。図17に示す励磁パターンデータS1は、1000ppsの第1の制御信号を生成するための励磁パターンデータである。図17に示す励磁パターンデータS1は、基準回転数の制御信号の1ステップごとに、異なる励磁パターンが配列された構成となっている。駆動制御部400は、たとえばテーブル411に格納された励磁パターンデータS1を第1の制御信号として駆動モータ201に出力することができる。このように所定の励磁パターンで予め配列することで、駆動制御部400は、励磁パターンデータS1を参照することで、所望の回転数でたとえば時計回りに駆動モータを回転させることができる。
また、図18に示す励磁パターンデータS2は、666ppsの第3の制御信号を生成するための励磁パターンデータである。図18に示す励磁パターンデータS2は、2ステップ目において2回連続して励磁パターンBが配列され、4ステップ目において2回連続して励磁パターンDが配列された構成となっている。このように、励磁パターンデータS2は、発振器403から単一の基準回転数の制御信号が発振される3回に1回のタイミングで、同じ励磁パターンデータが駆動モータ201に出力されるように配列された励磁パターンデータとなっている。駆動制御部400は、たとえばテーブル411に格納された励磁パターンデータS2を第3の制御信号として駆動モータ201に出力することができる。
図18に示す励磁パターンデータS2では、1ステップ目および3ステップ目における励磁パターンデータが、第1の制御信号として駆動モータ201に出力される。また、2ステップ目および4ステップ目における励磁パターンデータが、第2の制御信号として駆動モータ201に出力される。このため、駆動モータ201は、図12に示す制御信号生成処理における駆動モータ201の同様に動作する。
また、図18に示す励磁パターンデータS2を駆動モータ201に出力したときの、励磁パターンの更新タイミングは、図19に示すとおりである。図19は、励磁パターンの更新タイミングの別の一例を示すタイミングチャートである。図19に示すタイミングチャートでは、図13に示すタイミングチャートと同様のタイミングで、励磁パターンが更新されている。その理由は、励磁パターンデータを出力するごとに励磁パターンが更新されているからである。また、図19に示すタイミングチャートでは、図15に示すタイミングチャートと同様のタイミングで、ステップ数が増えている。その理由は、発振器403から単一の基準回転数の制御信号が発振される3回に1回のタイミングで、同じ励磁パターンデータを出力しているからである。
このように、駆動制御部400は、励磁パターンデータを出力するごとに励磁パターンを更新したとしても、3回に1回のタイミングで、連続して同じ励磁パターンデータが出力されることにより、図15に示すようなタイミングチャートと同様に666ppsの第3の制御信号を駆動モータ201に出力することができる。
以上説明したように、本実施の形態では、単一の基準回転数の制御信号に基づいて、要求された回転数を擬似的に供給し、供給された回転数で可動演出役物を駆動させることができる。特に、簡単な処理で必要な回転数を供給することができ、この必要な回転数で可動演出役物を駆動させることができる。
また、本実施の形態によれば、1つの駆動手段を複数の回転数で駆動させることができ、駆動手段の動作をより繊細に制御することができる。特に、遊技機を制御するCPUの処理能力が低い場合でも、可動演出役物の重さに応じて、駆動手段の高速度を維持しながら高い回転量を得ることができる回転数を供給し、駆動手段に出力することができる。
また、本実施の形態によれば、可動演出役物を移動させる際に、単一の基準回転数の制御信号に基づいて、要求された回転数を擬似的に供給し、供給された回転数を制御信号として駆動手段に出力することができる。
また、本実施の形態によれば、第1の制御信号の回転数と、前記第2の制御信号の回転数との平均の回転数を、駆動手段に出力することができる。
また、本実施の形態によれば、駆動手段の回転動作の安定性を向上させることができる。また、駆動手段の回転量を、1相励磁方式を用いたパルス信号を出力する場合に比べて増大させることができる。
また、本実施の形態によれば、要求された回転数を擬似的に駆動手段に出力するに際し、異なる回転数の制御信号を並べる順序の組み合わせを予め設定することができる。
なお、本実施の形態においては、ぱちんこ遊技機100によって本発明の遊技機を実現した場合について説明したが、盤面上を可動にして所定の演出をおこなう可動演出役物130を備えたものであれば、回動式遊技機によっても本発明の遊技機を実現することが可能である。また、ぱちんこ遊技機100は、可動演出役物130を備えたものであれば、いわゆる、第一種、第二種などの種別を問わない。
なお、実施の形態で説明した演出制御方法は、予め用意された演出制御プログラムを演出制御部に設けたCPUなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。この演出制御プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また、この演出制御プログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な媒体であってもよい。