以下に添付図面を参照して、この発明にかかるぱちんこ遊技機の好適な実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態)
(ぱちんこ遊技機の基本構成)
まず、本発明の実施の形態にかかるぱちんこ遊技機の基本構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態にかかるぱちんこ遊技機の一例を示す正面図である。図1に示すように、本実施の形態のぱちんこ遊技機100は、遊技盤101を備えている。遊技盤101の下部位置には、発射部(図2中符号292参照)が配置されている。発射部の駆動によって発射された遊技球は、レール102a,102b間を上昇して遊技盤101の上部位置に達した後、遊技領域103内を落下する。遊技領域103には、複数の釘(不図示)が設けられており、この釘によって遊技球は不特定な方向に向けて落下する。また、遊技領域103において遊技球の落下途中となる位置には、遊技球の落下方向を変化させる風車や各種入賞口(始動口や大入賞口など)が配設されている。
遊技盤101の略中央部分には、画像表示部104が配置されている。画像表示部104としては液晶表示器(LCD)などが用いられる。画像表示部104の下方には、第1始動口105と、第2始動口106とが配設されている。第1始動口105、第2始動口106は、始動入賞させるための入賞口である。なお、第1始動口105に複数の遊技球が入賞した保留球状態において、第2始動口106に遊技球が入賞すると、第1始動口105への入賞による保留球よりも優先して、第2始動口106への入賞による保留球の図柄変動がおこなわれるようになっている。
第2始動口106の近傍には、電動チューリップ107が設けられている。電動チューリップ107は、遊技球を第2始動口106へ入賞しにくくさせる閉状態(閉口された状態)と、閉状態よりも入賞しやすくさせる開状態(開放された状態)とを有する。これらの状態の制御は、電動チューリップ107が備えるソレノイド(図2中符号231参照)によっておこなわれる。
電動チューリップ107は、画像表示部104の左側に配設されたゲート108を遊技球が通過したことによりおこなわれる普通図柄抽選の抽選結果に基づいて開放される。ゲート108は、画像表示部104の左側(図示の位置)に限らず、遊技領域103内の任意の位置に配設してよい。
第2始動口106の下方には、大入賞口109が設けられている。大入賞口109は、大当たり遊技状態となったときに開放され、遊技球の入賞により所定個数(たとえば15個)の賞球を払い出すための入賞口である。
画像表示部104の側部や下方などには普通入賞口110が配設されている。普通入賞口110は、遊技球の入賞により所定個数(たとえば10個)の賞球を払い出すための入賞口である。普通入賞口110は、図示の位置に限らず、遊技領域103内の任意の位置に配設してよい。遊技領域103の最下部には、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を回収する回収口111が設けられている。
遊技盤101の右下部分には、特別図柄が表示される特別図柄表示部112が配置されている。特別図柄表示部112は、第1特別図柄(以下「特図1」という)が表示される第1特別図柄表示部(図2中符号112a参照)と、第2特別図柄(以下「特図2」という)が表示される第2特別図柄表示部(図2中符号112b参照)とを有する。
ここで、特図1は、遊技球が第1始動口105へ入賞することによりおこなう第1大当たり抽選の抽選結果をあらわす図柄である。特図2は、遊技球が第2始動口106へ入賞することによりおこなう第2大当たり抽選の抽選結果をあらわす図柄である。第1大当たり抽選および第2大当たり抽選は、遊技状態を大当たり遊技状態とするか否かの抽選である。
また、遊技盤101の右下部分には、普通図柄が表示される普通図柄表示部113が配置されている。ここで、普通図柄は、普通図柄抽選の抽選結果をあらわす図柄である。普通図柄抽選は、前述のように電動チューリップ107を開状態とするか否かの抽選である。たとえば、特別図柄表示部112および普通図柄表示部113としては7セグメントディスプレイが用いられる。
特別図柄表示部112および普通図柄表示部113の左側には、特別図柄または普通図柄に対する保留数を表示する保留球表示部114が配置されている。保留球は、特別図柄または普通図柄の変動中に入賞した遊技球を保留状態として保持したものである。保留球表示部114としては、たとえばLEDが用いられる。この保留球表示部114としてのLEDは複数配置され、点灯/消灯によって保留数をあらわす。たとえば、保留球表示部114を構成するLEDのうちの、上段のLEDが2個点灯している場合には、普通図柄に対する保留数は2であることをあらわす。また、保留球の告知は、画像表示部104からの表示によってもおこなわれる。
遊技盤101の遊技領域103の外周部分には、枠部材115が設けられている。枠部材115において遊技領域103の上側および下側となる2辺には、演出ライト部(枠ランプ)116が設けられている。演出ライト部116は、それぞれ複数のランプを有する。各ランプは、ぱちんこ遊技機100の正面にいる遊技者を照射し、その照射位置が遊技者の頭上から腹部に沿って移動するように、光の照射方向を上下方向に変更可能になっている。各ランプは、演出ライト部116に設けられた不図示のモータによって、光の照射方向を上下方向に変更するように駆動される。
枠部材115の下部位置には、操作ハンドル117が配置されている。操作ハンドル117は、上記の発射部を駆動させて遊技球を発射させる発射指示部材118を備えている。発射指示部材118は、操作ハンドル117の外周部において、遊技者から見て右回りに回転可能に設けられている。発射部は、発射指示部材118が遊技者によって直接操作されている場合に、遊技球を発射させる。
枠部材115において、遊技領域103の下側となる辺には、遊技者による操作を受け付ける演出ボタン(チャンスボタン)119が設けられている。また、枠部材115において、演出ボタン119の隣には、十字キー120が設けられている。これら演出ボタン119および十字キー120は、ぱちんこ遊技機100において遊技者からの操作を受け付ける操作部を構成している。また、枠部材115には、音声を出力するスピーカ(図2中符号254参照)が組み込まれている。
また、図示は省略するが、遊技領域103内の所定位置(たとえば画像表示部104の周囲)には演出用の役物(以下「演出役物」という。図2中符号265参照)が設けられている。この演出役物は、不図示のソレノイドやモータを備えており、このソレノイドやモータの駆動によって駆動される。
(ぱちんこ遊技機の制御部の内部構成)
次に、図2を用いて、本発明の実施の形態にかかるぱちんこ遊技機100の制御部の内部構成について説明する。図2は、本発明の実施の形態にかかるぱちんこ遊技機100の制御部の内部構成を示すブロック図である。図2に示すように、ぱちんこ遊技機100の制御部200は、遊技の進行を制御する主制御部201と、演出内容を制御する演出制御部202と、賞球の払い出しを制御する賞球制御部203とを備えている。以下にそれぞれの制御部の構成について詳細に説明する。
(1.主制御部)
主制御部201は、CPU(Central Processing Unit)211と、ROM(Read Only Memory)212と、RAM(Random Access Memory)213と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。
主制御部201は、CPU211がRAM213をワークエリアとして使用しながら、ROM212に記憶された各種プログラムを実行することによって、ぱちんこ遊技機100の遊技の進行を制御するように機能する。具体的には、主制御部201は、大当たり抽選(第1大当たり抽選、第2大当たり抽選)、普通図柄抽選、遊技状態の制御などをおこない、遊技の進行を制御する。主制御部201は、主制御基板によって実現される。
CPU211は、予めROM212に記憶された各種プログラムに基づき、遊技内容の進行に伴う基本処理を実行する。ROM212には、大当たり抽選プログラム、普通図柄抽選プログラム、電動チューリップ制御プログラム、大入賞口制御プログラム、遊技状態設定プログラムなどが記憶されている。
大当たり抽選プログラムは、第1始動口SW221または第2始動口SW222によって遊技球が検出されることにより、大当たり抽選、特別図柄抽選、特別図柄の変動パターン抽選などをおこない、抽選結果をコマンドとして演出制御部202に送信するプログラムである。
普通図柄抽選プログラムは、ゲート108への遊技球の通過を検出すると、電動チューリップ107を、当たり(開放)、または、ハズレ(閉状態を保持)とする普通図柄抽選をおこなうプログラムである。電動チューリップ制御プログラムは、通常時では電動チューリップ107を閉状態としておく一方、普通図柄抽選の抽選結果に基づいて、所定期間、電動チューリップ107を開放状態にするプログラムである。大入賞口制御プログラムは、大当たり時に、所定ラウンド数、大入賞口109を開放させるプログラムである。
遊技状態設定プログラムは、大当たり抽選プログラムを実行することによって判定された大当たり図柄に基づいて、大当たり後の遊技状態を、確変遊技状態としての高確率遊技状態、または通常遊技状態としての低確率遊技状態を設定するプログラムである。なお、大当たり後の遊技状態を低確率遊技状態に設定した場合、たとえば、変動回数100回の時短遊技状態に設定させる。確変遊技状態または時短遊技状態においては、普通図柄抽選における当たり(開放)とする確率を高くする普通図柄抽選プログラムが実行されるとともに、電動チューリップの開放時間を長くする電動チューリップ制御プログラムが実行される。
主制御部201には、遊技球を検出する各種スイッチ(SW)、大入賞口109などの電動役物を開閉動作させるためのソレノイド、上記の第1特別図柄表示部112a、第2特別図柄表示部112b、普通図柄表示部113、保留球表示部114などが接続される。
具体的に、上記の各種SWとしては、第1始動口105へ入賞した遊技球を検出する第1始動口SW221と、第2始動口106へ入賞した遊技球を検出する第2始動口SW222と、ゲート108を通過した遊技球を検出するゲートSW223と、大入賞口109へ入賞した遊技球を検出する大入賞口SW224と、普通入賞口110へ入賞した遊技球を検出する普通入賞口SW225とが主制御部201に接続される。
それぞれのSW(221〜225)による検出結果は主制御部201へ入力される。これらのSWには、近接スイッチなどが用いられる。なお、普通入賞口SW225は、普通入賞口110の配置位置別に複数個設けてもよい。
また、上記のソレノイドとしては、電動チューリップ107を開閉動作させる電動チューリップソレノイド231と、大入賞口109を開閉動作させる大入賞口ソレノイド232とが主制御部201に接続される。主制御部201は、それぞれのソレノイド(231,232)に対する駆動を制御する。たとえば、主制御部201は、普通図柄抽選の抽選結果に基づいて電動チューリップソレノイド231の駆動を制御する。また、主制御部201は、大当たり抽選の抽選結果に基づいて大入賞口ソレノイド232の駆動を制御する。
主制御部201は、大当たり抽選(第1大当たり抽選、第2大当たり抽選)、普通図柄抽選の抽選結果に基づいて、第1特別図柄表示部112a、第2特別図柄表示部112b、普通図柄表示部113の表示内容を制御する。たとえば、主制御部201は、第1大当たり抽選をおこなうと第1特別図柄表示部112aの特図1を変動表示させる。そして、所定期間経過後に、第1大当たり抽選の抽選結果を示す図柄にて特図1を停止表示させる。
同様に、主制御部201は、第2大当たり抽選をおこなうと第2特別図柄表示部112bの特図2を変動/停止表示させ、普通図柄抽選をおこなうと普通図柄表示部113の普通図柄を、変動/停止表示させる。
さらに、主制御部201は、演出制御部202および賞球制御部203にも接続され、それぞれの制御部に対して各種コマンドを出力する。たとえば、主制御部201は、演出制御部202に対しては変動開始コマンド、大当たり開始コマンドなどを出力する。また、主制御部201は、賞球制御部203に対しては賞球コマンドを出力する。ここで、賞球コマンドには、払い出させる賞球の個数を示す情報などが含まれている。
(2.演出制御部)
演出制御部202は、演出統括部202aと、画像・音声制御部202bと、ランプ制御部202cとによって構成され、ぱちんこ遊技機100の演出内容を制御する機能を有する。なお、演出制御基板は、演出制御部202によって実現される。ここで、演出統括部202aは、主制御部201から受信した各種コマンドに基づいて演出制御部202全体を統括する機能を有している。画像・音声制御部202bは、演出統括部202aからの指示内容に基づいて画像および音声の制御をおこなう機能を有している。また、ランプ制御部202cは、遊技盤101および枠部材115などに設けられたランプの点灯を制御する機能を有している。
(2−1.演出統括部)
まず、演出統括部202aの構成について説明する。演出統括部202aは、CPU241と、ROM242と、RAM243と、リアルタイムクロック(以下「RTC」という)244と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。
CPU241は、実行する演出を選択する演出パターン選択処理などを実行する。ROM242には、CPU241が上記の処理を実行するために必要となる各種プログラムなどが記憶されている。RAM243は、CPU241のワークエリアとして機能する。CPU241が各種プログラムを実行することによりRAM243にセットされたデータは、所定のタイミングで画像・音声制御部202bおよびランプ制御部202cに対して出力される。
すなわち、演出統括部202aは、CPU241がRAM243をワークエリアとして使用しながら、ROM242に記憶された各種プログラムを実行することによって、演出制御部202全体を統括するように機能する。たとえば、ROM242には、変動開始コマンドに基づいて、特別図柄の変動表示に合わせて実行する演出内容を決定し、画像・音声制御部202b、ランプ制御部202cに所定の処理を実行するように指示出力する演出制御プログラムが記憶されている。演出制御部202は、この演出制御プログラムを実行することにより、演出統括部202a全体を統括制御する。
演出制御プログラムは、ROM242に記憶されている、特別図柄の各変動時間に対応する複数のリーチ演出データのうち、一つを選択して、リーチ演出の開始タイミングを異ならせたリーチ演出をおこなうプログラムを含む。
RTC244は、実時間を計時出力する。RTC244は、ぱちんこ遊技機100の電源が遮断されているときもバックアップ電源(不図示)により計時動作を継続する。なお、RTC244は、演出統括部202aなど演出制御部202内に配置する例に限らず、主制御部201に配置してもよい。また、RTC244は、単独で配置してもよい。
また、演出統括部202aには、演出ボタン119が接続されている。たとえば、演出ボタン119は、遊技者から操作を受け付けると、対応するデータを演出統括部202aへ入力する。また、図2において図示は省略するが、十字キー120も演出統括部202aに接続されている。十字キー120は、遊技者によって選択されたキーに対応するデータを演出統括部202aへ入力する。
(2−2.画像・音声制御部)
次に、画像・音声制御部202bの構成について説明する。画像・音声制御部202bは、CPU251と、ROM252と、RAM253と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。
CPU251は、画像および音声の生成および出力処理を実行する。ROM252には、画像および音声の生成および出力処理のためのプログラム、当該処理に必要となる背景画像・図柄画像・キャラクタ画像など各種画像データや各種音声データなどが記憶されている。RAM253は、CPU251のワークエリアとして機能し、画像表示部104に表示させる画像データやスピーカ254から出力させる音声データが一時的に格納される。
すなわち、画像・音声制御部202bは、CPU251がRAM253をワークエリアとして使用しながら、ROM252に記憶された各種プログラムを実行することによって、演出統括部202aからの指示に基づいて画像および音声の制御をおこなうように機能する。
たとえば、CPU251は、演出統括部202aから指示された指示内容に基づいて、背景画像表示処理、演出図柄変動/停止表示処理、キャラクタ画像表示処理など各種画像処理と音声処理を実行する。このときには、CPU251は、処理に必要な画像データおよび音声データをROM252から読み出してRAM253に書き込む。
RAM253に書き込まれた背景画像や演出図柄画像などの画像データは、画像・音声制御部202bに接続された画像表示部104に対して出力され、画像表示部104の表示画面上において重畳表示される。すなわち、演出図柄画像は、背景画像よりも手前に見えるように表示される。なお、同一位置に背景画像と図柄画像が重なる場合などには、Zバッファ法など周知の陰面消去法により各画像データのZバッファのZ値を参照することで、図柄画像を優先してRAM253に記憶させる。
また、RAM253に書き込まれた音声データは、画像・音声制御部202bに接続されたスピーカ254に対して出力され、音声データに基づく音声がスピーカ254から出力される。
(2−3.ランプ制御部)
次に、ランプ制御部202cの構成について説明する。ランプ制御部202cは、CPU261と、ROM262と、RAM263と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。CPU261は、ランプを点灯させる処理などを実行する。ROM262には、上記の処理を実行するために必要となる各種プログラム、当該処理に必要となるランプ点灯に用いる制御データなどが記憶されている。RAM263は、CPU261のワークエリアとして機能する。
ランプ制御部202cは、演出ライト部(枠ランプ)116と、盤ランプ264と演出役物265と接続され、点灯制御するデータや動作制御するデータを出力する。これにより、ランプ制御部202cは、遊技盤101および枠部材115などに設けられたランプの点灯、演出役物265の動作を制御するように機能する。
本実施の形態では、演出制御部202は、演出統括部202aと画像・音声制御部202bとランプ制御部202cとがそれぞれ異なる基板機能として設けられるが、これらは同じプリント基板上に組み込んで構成してもよい。ただし、同じプリント基板上に組み込まれた場合であってもそれぞれの機能は独立しているものとする。
(3.賞球制御部)
次に、賞球制御部203の構成について説明する。賞球制御部203は、CPU281と、ROM282と、RAM283と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。CPU281は、払い出す賞球を制御する賞球制御処理を実行する。ROM282には、当該処理に必要となるプログラムなどが記憶されている。RAM283は、CPU281のワークエリアとして機能する。
また、賞球制御部203は、払出部(払出駆動モータ)291と、発射部292と、定位置検出SW293と、払出球検出SW294と、球有り検出SW295と、満タン検出SW296と接続される。
賞球制御部203は、払出部291に対して入賞時の賞球数を払い出す制御をおこなう。払出部291は、遊技球の貯留部から所定数を払い出すためのモータからなる。具体的には、賞球制御部203は、払出部291に対して各入賞口(第1始動口105、第2始動口106、大入賞口109、普通入賞口110)に入賞した遊技球に対応した賞球数を払い出す制御をおこなう。
また、賞球制御部203は、発射部292に対する遊技球の発射の操作を検出して遊技球の発射を制御する。発射部292は、遊技のための遊技球を発射するものであり、遊技者による遊技操作を検出するセンサと、遊技球を発射させるソレノイド等を備える。賞球制御部203は、発射部292のセンサにより遊技操作を検出すると、検出された遊技操作に対応してソレノイド等を駆動させて遊技球を間欠的に発射させ、遊技盤101の遊技領域103に遊技球を送り出す。
また、この賞球制御部203には、払い出す遊技球の状態を検出する各所の検出部が接続され、賞球のための払い出し状態を検出する。これらの検出部としては、定位置検出SW293、払出球検出SW294、球有り検出SW295、満タン検出SW296等がある。たとえば、賞球制御部203は、賞球制御基板によってその機能を実現する。
また、主制御部201には、盤用外部情報端子基板297が接続されており、主制御部201が実行処理した各種情報を外部に出力することができる。賞球制御部203についても、枠用外部情報端子基板298が接続されており、賞球制御部203が実行処理した各種情報を外部に出力することができる。
上記構成の主制御部201と、演出制御部202と、賞球制御部203は、それぞれ異なるプリント基板(主制御基板、演出制御基板、賞球制御基板)に設けられるが、これに限らず、たとえば、賞球制御部203は、主制御部201と同一のプリント基板上に設けることもできる。
(ぱちんこ遊技機の基本動作)
上記構成によるぱちんこ遊技機100の基本動作の一例を説明する。主制御部201のCPU211により遊技中の制御がおこなわれ、各入賞口に対する遊技球の入賞状況を賞球制御部203に出力する。そして、賞球制御部203は、入賞状況に対応した賞球数の払い出しをおこなう。
また、主制御部201は、始動口105,106に遊技球が入賞する毎に、対応する制御信号(コマンド)を演出制御部202に出力し、演出制御部202は、主制御部201からのコマンドに基づいて、画像表示部104に演出図柄を変動表示させ、停止させることを繰り返す。大当たりが確定したときには、対応するコマンドに基づいて、演出制御部202は所定の演出図柄を揃えて停止させる。そして、主制御部201は、大当たり遊技状態として、大入賞口109を開放する制御をおこなう。
演出制御部202は、当選したイベントに対応する各種演出をおこなう。ここで、イベントには、たとえば、大当たり(15ラウンド確変大当たり(いわゆる、確変大当たり)、15ラウンド通常大当たり(いわゆる、通常大当たり)、2ラウンド時短無し確変大当たり(いわゆる、潜確大当たり)、2ラウンド時短付き確変大当たり(いわゆる、突確大当たり)、2ラウンド時短付き通常大当たり(いわゆる、突時大当たり))や、小当たり、などが含まれる。ここで、小当たりとは、ハズレの一つであるが、潜確大当たり後のモード演出内容と同様の振る舞い(演出)を実行させるイベントである。なお、突確遊技大当たり後のモード演出内容と、突時大当たり後のモード演出内容とは、同様の演出内容である。
たとえば、演出制御部202は、大当たり中、および大当たり発生までのリーチ時や、リーチ予告時等には、画像表示部104に対して、演出図柄の変動表示に加えて各種の演出表示をおこなう。このほか、各種役物に対して特定の駆動をおこなったり、演出ライト部116や盤ランプ264の点灯状態を変更したりする演出をおこなう。
そして、たとえば、確変大当たりや通常大当たりの発生時には、大入賞口109が15回開放される。具体的には、1回の開放を1ラウンドとして、15回のラウンドが繰り返し実行される。1ラウンドの期間は、遊技球がたとえば10個入賞したとき、または所定期間(たとえば30秒)としている。
この際に、賞球制御部203は、大入賞口109に対する遊技球1個の入賞あたり、たとえば15個の賞球数で払い出しをおこなう。大当たり終了後は、大当たり遊技状態が解除され、15ラウンド確変大当たりであった場合には高確率遊技状態の遊技状態へ移行し、15ラウンド通常大当たりであった場合には低確率遊技状態の遊技状態へ移行する。なお、高確率遊技状態においては、高確率時用の乱数判定テーブルを用いた大当たり判定がおこなわれる。高確率時用の乱数判定テーブルは、低確率遊技状態において用いられる低確率時用の乱数判定テーブルに比べて、大当たりの発生確率がたとえば10倍程度高く設定されている。
(演出制御部の機能的構成)
次に、図3を用いて、演出制御部202の機能的構成について説明する。図3は、演出制御部202の機能的構成を示す説明図である。図3において、演出制御部202は、記憶部301と、受信部302と、選択部303と、実行部304とを備えている。
記憶部301は、リーチ演出データを記憶する。このリーチ演出データは、リーチ演出を開始するタイミングが異なっており、特別図柄の各変動時間に対応して、複数記憶されている。リーチ演出データは、詳細については図4を用いて後述するが、リーチが確定する前段階の演出図柄の変動を示した通常変動演出データと、リーチが確定した後のリーチ演出パターンのデータとからなる。なお、記憶部301は、ROM242によって実現される。
受信部302は、主制御部201から特別図柄の変動時間の情報を受信する。特別図柄の変動時間の情報は、変動開始コマンドに含まれる変動パターンに相当する。具体的には、特別図柄の変動時間の情報は、リーチ無しの場合、通常変動演出のみの時間の情報であり、リーチ有りの場合、通常変動演出の時間とリーチ演出の時間とを併せた時間の情報である。
選択部303は、受信部302によって受信された変動時間の情報に基づいて、記憶部301からリーチ演出データを選択する。選択部303は、具体的には、変動時間がリーチをおこなう時間である場合、受信した変動時間に相当するリーチ演出データを、抽選により記憶部301から選択する。
実行部304は、選択部303によって選択されたリーチ演出データを用いて、リーチ演出の開始タイミングを異ならせた演出を実行する。
特に、本実施の形態において、選択部303は、受信部302によって受信された変動時間の情報に基づいて、記憶部301から変動時間よりも短いリーチ演出パターンを選択する。この場合、実行部304は、変動時間から、選択されたリーチ演出パターンを用いた演出実行時間を除いた時間に、リーチ演出移行前の通常変動演出を実行する。すなわち、実行部304は、通常変動演出の実行時間を可変調整する。
また、本実施の形態において、記憶部301は、大当たりの期待度が高いほどリーチ演出パターンの演出実行時間が長くなるように、大当たりの期待度とリーチ演出パターンとを対応付けたテーブルを記憶する。このテーブルについては、図12〜図14を用いて後述する。この場合、選択部303は、受信部302によって受信された変動時間の情報に基づいて、テーブルを用いて、大当たりの期待度に応じたリーチ演出パターンを選択する。
(リーチ演出データの詳細)
次に、図4−1および図4−2を用いて、リーチ演出データの詳細について説明する。図4−1は、同一の変動時間におけるリーチ演出データの一例を示した説明図である。図4−1において、リーチ演出データ410,420,430は、通常変動演出のデータと、リーチ演出パターンに相当するリーチデータとからなる。リーチデータは、たとえば実写板の動画データなどを用いた演出時間の長いリーチ(スペシャルリーチ)のデータである。
具体的には、リーチ演出データ410は、通常変動演出のデータと、リーチデータ1とからなる。リーチ演出データ420およびリーチ演出データ430についても同様にそれぞれ、通常変動演出のデータと、リーチデータ2,3とからなる。リーチデータ1,2,3は、それぞれ演出時間が異なる。また、各リーチ演出データ410,420,430は、それぞれ同一の変動時間t0であるため、リーチ演出開始タイミングT1,T2,T3がそれぞれ異なっている。
本実施の形態では、同一の変動時間t0の演出において、リーチ演出の演出時間が長いほど、期待度の高い演出内容になっており、すなわち、リーチ演出開始タイミングTが早いもの(リーチ演出データ410)ほど、期待度の高い演出内容になっている。このように、本実施の形態では、主制御部201にて決定される変動時間t0に対して、リーチ演出開始タイミングT1,T2,T3が異なり、さらに、リーチデータ1,2,3を用いた異なるリーチ演出をおこなうことが可能になっている。
リーチ演出データ410,420,430は、通常変動演出のデータとリーチデータ1,2,3とを予め組み合わせたデータとして予め記憶しておいてもよいが、本実施の形態では、変動時間t0の情報を基に、当該変動時間t0よりも短いリーチデータ1,2,3を選択するとともに、通常変動演出をおこなう時間を調整することが可能になっている。
図4−2は、異なる変動時間におけるリーチ演出データの一例を示した説明図である。図4−2において、リーチ演出データ440,450は、通常変動演出のデータと、リーチ演出パターンに相当するリーチデータとからなる。なお、ここでは、図4−1に示したリーチ演出データ420のリーチデータ2を例に挙げ、リーチ演出データ440,450が、リーチデータ2を含む場合について説明する。
リーチ演出データ440,450において、それぞれリーチデータ2の演出時間は同一である。また、リーチ演出データ440,450は、それぞれ異なる変動時間t1,t2であるため、リーチ演出開始タイミングT4,T5がそれぞれ異なっている。
このように、本実施の形態では、主制御部201にて決定される異なる変動時間t1,t2に対して、リーチ演出開始タイミングT4,T5が異なり、さらに、同一のリーチデータ2を用いた演出をおこなうことが可能になっている。
リーチ演出データ440,450は、通常変動演出とリーチデータ2とを予め組み合わせたデータとして予め記憶しておいてもよいが、本実施の形態では、変動時間t1の情報を基に、当該変動時間t1よりも短いリーチデータ2を選択するとともに、通常変動演出をおこなう時間を調整することが可能なものとなっている。
(従来のリーチ演出データの詳細)
ここで、図5−1および図5−2を用いて、従来のリーチ演出データの詳細について説明する。図5−1は、同位置の変動時間における従来のリーチ演出データの一例を示した説明図である。図5−1において、リーチ演出データ510,520,530は、通常変動演出のデータと、リーチ演出パターンに相当するリーチデータとからなる。
具体的には、リーチ演出データ510は、通常変動演出のデータと、リーチデータ11のデータとからなる。リーチ演出データ520およびリーチ演出データ530についても同様にそれぞれ、通常変動演出のデータと、リーチデータ12,13とからなる。一般に、従来のリーチ演出データ510,520,530では、リーチデータ11、リーチデータ12、リーチデータ13の演出時間が、それぞれ同一である。
すなわち、各リーチ演出データ510,520,530はそれぞれ同一の変動時間t3であるため、リーチ演出開始タイミングT6はそれぞれ同じタイミングとなっている。このように従来のリーチ演出データ510,520,530では、同一の変動時間t3に対して、リーチ演出開始タイミングT6が同一となっており、本実施の形態のようにリーチ開始タイミングを異ならせることができないようになっている。また、各リーチ演出データ510,520,530は、通常変動演出のデータとリーチデータ11,12,13を予め組み合わせたデータとして記憶しているため、リーチ開始タイミングT6を変動毎に異ならせることができないようになっている。
図5−2は、異なる変動時間における従来のリーチ演出データの一例を示した説明図である。図5−2において、リーチ演出データ540,550,560は、通常変動演出のデータと、リーチ演出パターンに相当するリーチデータとからなる。
リーチ演出データ540,550,560において、それぞれリーチデータ1,2,3の演出時間は異なる。また、リーチ演出データ540,550,560は、それぞれ異なる変動時間t4,t5,t6である。リーチ演出開始タイミングT6は、それぞれ同じタイミングである。
このように、従来のものでは、主制御部201にて決定される異なる変動時間t4,t5,t6に対して、リーチ演出開始タイミングT6が同一であり、本実施の形態のようにリーチ開始タイミングを異ならせることができないようになっている。さらに、従来のものでは、たとえば変動時間t5の情報を受信しない限り、リーチデータ2を用いたリーチ演出をおこなうことができないようになっている。すなわち、従来のものでは、図4−2に示した本実施の形態のように、変動時間にかかわらずリーチデータ2を用いたリーチ演出をおこなうといったことができないようになっている。また、各リーチ演出データ540,550,560は、通常変動演出とリーチデータ1,2,3を予め組み合わせたデータとして記憶しているため、リーチ開始タイミングT6を変動毎に異ならせることができないようになっている。
(主制御部の処理手順)
次に、図6を用いて、主制御部201の処理手順の内容について説明する。図6は、主制御部201が実行するタイマ割込処理の処理内容を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、電源供給期間中、所定期間(たとえば4ms)毎に主制御部201が実行する主制御処理に割り込み動作する。まず、乱数更新処理をおこない(ステップS601)、始動口入賞時のスイッチ処理をおこなう(ステップS602)。この後、図柄処理をおこない(ステップS603)、ぱちんこ遊技機100が備える各種の電動役物(たとえば電動チューリップ、大入賞口、可動役物)の動作を制御する電動役物制御処理をおこない(ステップS604)、賞球処理をおこない(ステップS605)、これらの出力処理をおこなう(ステップS606)。
ステップS602のスイッチ処理では、第1始動口105、第2始動口106に設けられた第1始動口SW221、第2始動口SW222が遊技球を検出する毎に、所定の保留数(たとえば4球)を上限として保留数毎に乱数を取得する第1始動口SW処理または第2始動口SW処理をおこなう。また、ステップS602のスイッチ処理では、ゲート108に設けられたゲートSW223が遊技球を検出する毎に、所定の保留数(たとえば4球)を上限として保留数毎に乱数を取得するゲートSW処理をおこなう。また、ステップS603においては、図7を用いて後述する特別図柄処理、および普通図柄の当たり判定をおこなう普通図柄処理をおこなう。
ステップS604の電動役物制御処理では、取得した乱数が大当たりに相当する数値であるときに、大入賞口109に設けられた大入賞口ソレノイド232を所定回数開放させる大入賞口処理をおこなう。また、ステップS604の電動役物制御処理には、大入賞口処理のほか、第2始動口106を開閉する電動チューリップ処理がある。
(特別図柄処理)
図7は、特別図柄処理の処理内容を示すフローチャートである。この特別図柄処理は、図6に示したステップS603の図柄処理に含まれる処理内容である。特別図柄処理は、まず、大当たり遊技状態であるか否かを判定し(ステップS701)、大当たり遊技状態であれば(ステップS701:Yes)、特別図柄を変動させず処理を終了する。大当たり遊技状態でなければ(ステップS701:No)、特別図柄の変動表示中であるか否かを判定し(ステップS702)、変動表示中でなければ(ステップS702:No)、第2始動口106に入賞した遊技球の保留数U2が最低1個あるか否かを判定する(ステップS703)。
保留数U2が1個以上あれば(ステップS703:Yes)、保留数U2を1個分減算したものを新たな保留数とし(ステップS704)、第2大当たり判定処理をおこなう(ステップS705)。この第2大当たり判定処理は、第2始動口SW処理にて取得した乱数を基に、大当たりか否か、および大当たりの場合には、確変大当たり、通常大当たり、潜確大当たり、突確大当たり、突時大当たり、小当たりなどを選択する処理である。
一方、ステップS703において、保留数U2がなければ(U2=0)(ステップS703:No)、第1始動口105に入賞した遊技球の保留数U1が最低1個あるか判定する(ステップS706)。保留数U1がなければ(U1=0)(ステップS706:No)、図柄変動させず終了する。
保留数U1が1個以上あれば(ステップS706:Yes)、保留数U1を1個分減算したものを新たな保留数とし(ステップS707)、第1大当たり判定処理をおこなう(ステップS708)。この第1大当たり判定処理は、第1始動口SW処理にて取得した乱数を基に、大当たりか否か、および大当たりの場合には、確変大当たり、通常大当たり、潜確大当たり、突確大当たり、突時大当たり、小当たりなどを選択する処理である。ステップS703〜ステップS708に示したように、第1始動口105への入賞よりも、第2始動口106への入賞が優先して消化されるようになっている。
ステップS705における第2大当たり判定処理、またはステップS708における第1大当たり判定処理をおこなった後、変動パターン選択処理をおこなう(ステップS709)。この変動パターン選択処理については、図8を用いて後述するが、大当たり判定処理の判定結果に応じて、大当たりやリーチ等の各変動パターンを選択する処理である。次に、変動開始コマンドをRAM213にセットし(ステップS710)、特別図柄の変動表示を開始させる(ステップS711)。そして特別図柄が変動している変動時間を計測開始して終了する(ステップS712)。
ステップS702において、特別図柄の変動表示中の場合(ステップS702:Yes)、変動時間が経過したか否かを判定する(ステップS713)。変動時間が経過していなければ(ステップS713:No)、処理を終了する。変動時間が経過していれば(ステップS713:Yes)、特別図柄の変動停止コマンドをセットし(ステップS714)、特別図柄の変動を停止させる(ステップS715)。
この際、特別図柄の変動時間をリセットし(ステップS716)、停止中処理をおこない(ステップS717)、終了する。なお、停止中処理は、たとえば時短遊技状態における時短遊技回数のカウントをおこなうとともに、カウントした時短遊技回数が規定回数に達した場合には、時短遊技状態から通常遊技状態に移行させる処理である。
(変動パターン選択処理)
図8は、変動パターン選択処理の処理内容を示すフローチャートである。この変動パターン選択処理は、図7のステップS709に示した処理である。変動パターン選択処理は、まず、大当たり判定の判定結果が大当たりであるか否かを判定し(ステップS801)、大当たりであると判定した場合(ステップS801:Yes)、大当たり用テーブルをセットする(ステップS802)。
なお、大当たり用テーブルは、大当たり時における変動パターンを選択するためのテーブルであり、乱数値と、特別図柄の変動パターンとを対応付けたものである。ステップS801において、大当たりではないと判定した場合(ステップS801:No)、大当たり判定処理の結果が小当たりであるか否かを判定する(ステップS803)。
小当たりであると判定した場合(ステップS803:Yes)、小当たり用テーブルをセットする(ステップS804)。なお、小当たり用テーブルは、小当たり時における変動パターンを選択するためのテーブルであり、乱数値と、特別図柄の変動パターンとを対応付けたものである。
ステップS803において、小当たりではないと判定した場合(ステップS803:No)、リーチ用テーブルを用いて、リーチの有無を判定するリーチ乱数判定をおこない(ステップS805)、リーチ有りの場合(ステップS806:Yes)、リーチ用テーブルをセットする(ステップS807)。
なお、リーチ用テーブルは、リーチ時における変動パターンを選択するためのテーブルであり、乱数値と、特別図柄の変動パターンとを対応付けたものである。ステップS806において、リーチ無しの場合(ステップS806:No)、ハズレ用テーブルをセットする(ステップS808)。なお、ハズレ用テーブルは、乱数値と、特別図柄の変動パターンとを対応付けたものである。
各テーブルをセットした後、たとえば、「0」〜「250」の251個の乱数のうち、一つを無作為に抽出することによって、変動乱数を取得する(ステップS809)。そして、取得した変動乱数を用いて、セットしたテーブルから変動乱数の判定をおこなう(ステップS810)。判定の結果、決定した変動パターンをセットし(ステップS811)、処理を終了する。
(演出制御部が実行するメイン処理)
次に、図9を用いて、演出制御部202が実行するメイン処理の処理内容について説明する。図9は、演出制御部202が実行するメイン処理を示したフローチャートである。
図9において、メイン処理は、演出制御部202の演出統括部202aが、起動中継続的に実行する処理であり、主制御部201からコマンドを受信するコマンド受信処理を実行するとともに(ステップS901)、画像・音声制御部202bまたはランプ制御部202cに対してコマンドを送信するコマンド送信処理を実行し(ステップS902)、処理を終了する。
(コマンド受信処理)
次に、図10を用いて、図9のステップS901に示したコマンド受信処理の詳細について説明する。図10は、コマンド受信処理を示したフローチャートである。図10において、演出統括部202aのCPU241は、主制御部201から演出図柄の変動を開始するための変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1001)。なお、変動開始コマンドは、主制御部201の特別図柄変動処理においてセットされたコマンドである(図7のステップS710参照)。
変動開始コマンドを受信した場合(ステップS1001:Yes)、演出選択処理を実行する(ステップS1002)。なお、演出選択処理の詳細については、図11を用いて後述する。この後、演出図柄を停止させるための変動停止コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1003)。なお、変動停止コマンドは、主制御部201の特別図柄変動処理においてセットされたコマンドである(図7のステップS714参照)。
変動停止コマンドを受信した場合(ステップS1003:Yes)、演出終了コマンドをセットし(ステップS1004)、処理を終了する。一方、ステップS1001において、変動開始コマンドを受信しない場合(ステップS1001:No)、ステップS1003に移行する。また、ステップS1003において、変動停止コマンドを受信しない場合(ステップS1003:No)、そのまま処理を終了する。
(演出選択処理)
次に、図11を用いて、図10のステップS1002に示した演出選択処理の詳細について説明する。図11は、演出選択処理を示したフローチャートである。演出選択処理では、変動開始コマンドの解析をおこなう(ステップS1101)。変動開始コマンドの解析では、変動開始コマンドに含まれる変動パターンの情報が用いられる。なお、この変動パターンは、図8のステップS811においてセットされたコマンドである。ステップS1101おける解析の結果、今回の変動がリーチか否かを判定する(ステップS1102)。なお、リーチであるとは、具体的には、大当たりであること、またはリーチハズレであることである。
リーチである場合(ステップS1102:Yes)、さらに、スーパーリーチか否かを判定する(ステップS1103)。スーパーリーチは、たとえば実写版の動画データなどを用いた通常のリーチよりも演出時間の長いリーチである。スーパーリーチである場合(ステップS1103:Yes)、リーチ演出テーブルを選択し(ステップS1104)、さらに、選択したリーチ演出テーブルの中からリーチ演出パターンを選択する(ステップS1105)。なお、リーチ演出テーブルは、乱数値と、リーチ演出パターンとを対応付けたものであり、詳細については図12〜図14を用いて後述する。
この後、通常変動演出の実行時間を調整する(ステップS1106)。通常変動演出の実行時間の調整は、具体的には、特別図柄の変動時間から、実行するリーチ演出パターンの演出時間を除くことにより、通常変動演出の演出時間を導出し、導出した演出時間の通常変動演出がおこなえるように、各種パラメータを設定することである。これによりリーチ演出データが作成される。
この後、演出図柄選択処理を実行する(ステップS1107)。なお、演出図柄選択処理は、停止させる演出図柄の選択をおこなう処理である。そして、リーチ演出データおよび演出図柄の情報を含む変動演出開始コマンドをセットし(ステップS1108)、処理を終了する。
ステップS1102において、リーチではない場合(ステップS1102:No)、通常通り演出パターンを選択し(ステップS1109)、具体的には、ハズレ演出パターンを選択し、ステップS1107に移行する。ステップS1103において、スーパーリーチではない場合(ステップS1103:No)、通常通り演出パターンを選択し(ステップS1109)、すなわち、ノーマルリーチの演出パターンを選択し、ステップS1107に移行する。なお、希に、スーパーリーチではない場合で(ステップS1103:No)、大当たりの場合が生じ得るが、この場合においても、ノーマルリーチの演出パターンを選択する。
なお、ステップS1104〜ステップS1106においては、リーチ演出テーブルを用いて、リーチ演出パターンを選択するとともに、通常変動演出の実行時間を調整するようにしているが、テーブルとして、乱数値とリーチ演出データとを対応付けたテーブルを用いた場合、ステップS1105の処理を不要とすることも可能である。
(リーチ演出テーブルの一例)
次に、図12〜図14を用いて、リーチ演出テーブルの一例について説明する。図12は、変動パターン1に対応するリーチ演出テーブルの一例を示した説明図である。図12において、リーチ演出テーブル1200は、60秒の特別図柄の変動パターン1に対応するものであり、リーチ演出パターン1201と乱数値1202とからなる。リーチ演出パターン1201は、リーチ発生以降のリーチデータである。具体的には、リーチデータ1は57秒のリーチ演出時間を有し、リーチデータ2は54秒のリーチ演出時間を有し、リーチデータ3は52秒のリーチ演出時間を有する。
乱数値1202は、大当たりの場合とハズレの場合とでそれぞれ異なる。大当たりの場合、乱数値1202のうち括弧に示す個数は、総計13個のうち、リーチデータ1に対応して乱数値「0〜5」の6個、リーチデータ2に対応して乱数値「6〜9」の4個、リーチデータ3に対応して乱数値「10〜12」の3個になっている。演出制御部202は、主制御部201から変動パターン1の情報を受信したタイミングにて、0〜12のうちいずれか一つの乱数を取得し、取得した乱数とリーチ演出テーブル1200とを用いて、リーチ演出パターン1201を選択する。
これにより、大当たりの場合、リーチ演出パターン1201は、リーチ演出時間の長いものほど選択されやすいことを示している。このように、リーチ発生のタイミングを期待度に応じて早めることにより、遊技者に期待感を与えることができるようになっている。なお、リーチ演出テーブル1200では、大当たりの場合ほど、リーチ演出時間の長いものが選択されやすくしているが、乱数の設定を変更することにより、逆に、大当たりの場合ほど、リーチ演出時間の短いものが選択されやすくすることも可能である。
一方、ハズレの場合、乱数値1202のうち括弧に示す個数は、リーチデータ1に対応して乱数値「0,1」の2個、リーチデータ2に対応して乱数値「2〜5」の4個、リーチデータ3に対応して乱数値「6〜12」の7個になっている。すなわち、ハズレの場合、リーチ演出パターン1201は、リーチ演出時間の長いものほど選択されにくいことを示している。
符号1203に示すリーチ演出開始までの時間は、通常変動演出の時間に相当し、リーチデータ1,2,3を用いた演出の場合、それぞれ、3,6,8秒になっている。すなわち、大当たりの可能性が高いほど、通常変動演出の時間が短く、リーチ演出の時間が長くなっている。このように、リーチ発生のタイミングを期待度に応じて早めることにより、遊技者に期待感を与えることができるようになっている。
図13は、変動パターン2に対応するリーチ演出テーブルの一例を示した説明図である。図14は、変動パターン3に対応するリーチ演出テーブルの一例を示した説明図である。なお、図13および図14において、図12にて説明したものについては同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
図13に示すリーチ演出テーブル1300は、62秒の特別図柄の変動パターン2に対応するものである。リーチ演出パターン1201のうち、リーチデータ21は59秒のリーチ演出時間を有し、リーチデータ22は56秒のリーチ演出時間を有し、リーチデータ23は54秒のリーチ演出時間を有する。
図14に示すリーチ演出テーブル1400は、64秒の特別図柄の変動パターン3に対応するものである。リーチ演出パターン1201のうち、リーチデータ31は61秒のリーチ演出時間を有し、リーチデータ32は58秒のリーチ演出時間を有し、リーチデータ33は56秒のリーチ演出時間を有する。
また、リーチ演出テーブル1300およびリーチ演出テーブル1400において、乱数値1202は、図12に示したリーチ演出テーブル1200と同様、大当たりの場合、リーチ演出時間の長いものほど個数が多くなっており、ハズレの場合、リーチ演出時間の長いものほど個数が少なくなっている。すなわち、大当たりの場合、リーチ演出パターン1201は、リーチ演出時間の長いものほど選択されやすく、ハズレの場合、リーチ演出時間の長いものほど選択されにくくなっている。
符号1203に示すリーチ演出開始までの時間は、通常変動演出の時間に相当し、リーチデータ21,22,23(図13参照)またはリーチデータ31,32,33(図14参照)を用いた演出の場合、それぞれ、3,6,8秒になっている。すなわち、大当たりの可能性が高いほど、通常変動演出の時間が短く、リーチ演出の時間が長くなっている。このように、リーチ発生のタイミングを期待度に応じて早めることにより、遊技者に期待感を与えることができるようになっている。
なお、リーチ演出テーブル1300やリーチ演出テーブル1400のリーチ演出パターン1201に、リーチ演出テーブル1200(図12参照)に示したリーチデータ1,2,3を含めることも可能である。すなわち、リーチ演出パターン1201は、変動パターンの時間よりも短いものであれば、多数設定することが可能である。
ただし、この場合においても、大当たりの場合にリーチ演出時間の長いものほど選択されやすく、ハズレの場合にリーチ演出時間の長いものほど選択されにくくなるよう、乱数値1202の値を設定することが望ましい。これにより、変動時間が異なる場合であっても、データ容量の多い動画データなどを使い回すことができ、全体としてのデータ容量を抑制しながら、リーチ演出の多様化を図ることができる。
また、本実施の形態において、リーチ演出開始までの時間1203は、リーチ演出テーブル1200,1300,1400から選択されたリーチ演出パターン1201を用いて調整されるものとして説明したが、予め記憶されるものとしてもよい。すなわち、この場合、リーチ演出パターン1201のデータおよび通常変動演出のデータからなるリーチ演出データと、乱数値とを対応付けたテーブルを予め記憶しておけばよい。
なお、このようなテーブルを作成するにあたっても、通常変動演出を演算によりリーチ演出パターン1201に応じた任意の時間に設定することができるため、リーチ演出パターン1201と通常変動演出のデータとを併せ込む際の多少の誤差を許容することができる。詳細には、通常、このようなテーブルを作成する際には、各変動時間に対応させて画像表示部104を同期させる必要があるが、変動時間が同一のリーチ演出内容であれば、リーチ演出内容毎にこのような同期させる作業を要することはなく、作業負担を軽減させることができる。
また、リーチ演出テーブル1200,1300,1400において、一度選択されたリーチデータについては、次回選択されないようにフラグ処理をおこなってもよい。これにより、リーチ演出に偏りをなくし、多彩な演出をおこなうことが可能になる。さらに、時間帯毎に、リーチデータの選択される割合を異ならせるようにしてもよい。具体的には、リーチ演出テーブル1200を例に挙げると、ある時間帯において、ハズレの場合、リーチデータ1が選択される割合を0にし、リーチデータ2が選択される割合を低く(たとえば0〜12の乱数値の場合2/13など)する。これにより、ある時間帯において、リーチ演出開始タイミングTが早くなった場合に大当たりへの期待度をより高めることが可能になる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、同一の変動時間の情報に基づいて、リーチ演出の開始タイミングを異ならせた演出をおこなうようにしたので、演出内容の多様性を図るとともに、主制御基板の処理負担を軽減することができる。特に、リーチ発生のタイミングを期待度に応じて早めるようにしたので、遊技者に期待感を与えることができる。
また、変動時間の情報に基づいて、リーチ演出テーブル1200,1300,1400において、変動時間よりも短いリーチ演出パターン1201を選択し、変動時間から選択されたリーチ演出パターン1201の演出実行時間を除いた時間に、通常変動演出を実行するようにした。したがって、記憶されるリーチ演出パターン1201のデータ量を増大させることなく、通常変動演出を調整することにより、リーチ開始タイミングの異なる多様な演出をおこなうことができる。これにより、演出内容の多様性を図るとともに、主制御基板の処理負担を軽減することができる。
また、本実施の形態では、大当たりの期待度が高いほどリーチ演出パターン1201の演出実行時間が長くなるように、大当たりの期待度とリーチ演出パターン1201とを対応付けたリーチ演出テーブル1200,1300,1400を用い、変動時間の情報に基づいて、大当たりの期待度に応じたリーチ演出パターン1201を選択するようにした。したがって、信頼度が高いほど、リーチ演出の開始タイミングを早めることができ、リーチ期間中の演出時間を相対的に長くすることができる。これにより、リーチ演出に対する期待感を高めさせることができ、遊技の興趣性を高めることができる。
なお、実施の形態で説明した演出制御方法は、予め用意された演出制御プログラムを演出制御部202に設けたCPU241などのコンピュータで実行することにより実現することができる。この演出制御プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また、このプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な媒体であってもよい。