以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機等のその他の遊技機であってもよく、遊技媒体を用いて所定の遊技を行なうことが可能な遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。パチンコ遊技機1は、遊技媒体としての遊技球を遊技領域7に打込むことにより、以下に説明するような所定の遊技が行なわれる。パチンコ遊技機1は、外枠と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられているガラス扉枠2を有する。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4、および、打球を発射する打球操作ハンドル5等が設けられている。パチンコ遊技機1の内部には、打球操作ハンドル5の操作に応じて遊技領域7に遊技球を打込む打球発射装置が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、操作手段として、プッシュボタン120が設けられている。
遊技領域7の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄を変動表示(可変表示ともいう)可能な演出表示装置9が設けられている。遊技領域7における演出表示装置9の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器8bとが設けられている。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、数字および文字を変動表示可能な表示器(たとえば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置9は、液晶表示装置(LCD)で構成されており、表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示等の各種画像を表示する表示領域が設けられる。このような表示領域には、たとえば「左」,「中」,「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示領域が形成される。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、第1始動口スイッチ13aによって検出される。また、第1始動入賞口13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口14に入賞した遊技球は、第2始動口スイッチ14aによって検出される。
可変入賞球装置15は、左右一対の可動片を備え、遊技者にとって有利(遊技球が進入可能)な開状態(第1状態)と、遊技者にとって不利(遊技球が進入不可能)な閉状態(第2状態)とに変化可能な電動チューリップ(電チューとも呼ばれる)型の入賞手段であり、ソレノイド16によって駆動される。可変入賞球装置15が開状態のときには、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になる(始動入賞し易くなる)。可変入賞球装置15が閉状態のときには、遊技球が第2始動入賞口14に入賞不可能になる。なお、可変入賞球装置15は、閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(遊技球が入賞しにくい)ように構成されてもよい。
可変入賞球装置15が閉状態のときには、可変入賞球装置15が遊技球を受入可能な領域がなくなるので、遊技球が第2始動入賞口14よりも第1始動入賞口13に入賞しやすい。一方、可変入賞球装置15が開状態のときには、第1始動入賞口13よりも、可変入賞球装置15が遊技球を受入可能な領域が広くなるので、第1始動入賞口13よりも第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
演出表示装置9の左方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、0〜9の数字を変動表示可能な表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の変動表示が開始される。普通図柄表示器10における変動表示結果による停止図柄が所定の図柄(当り図柄。)となったときに、可変入賞球装置15が所定回数および所定時間だけ開状態に制御される。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄の変動表示が保留記憶され、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。このような普通図柄の保留記憶に基づいて普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、普通図柄の保留記憶が消化され、点灯するLEDを1減らす。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、遊技球が、始動入賞領域としての第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に進入(通過、入賞を含む)して第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aで検出されることにより変動表示の実行条件である第1始動条件(第1実行条件)または第2始動条件(第2実行条件)が成立する。その後、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態となる変動表示の開始条件が成立したことに基づいて開始される。第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示時間(変動時間)が経過すると、当該変動表示の表示結果(停止図柄)が導出表示されて終了する。また、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のような始動入賞領域に遊技球が進入したにもかかわらず未だ開始条件が成立していない変動表示について、所定の上限数の範囲内で情報を記憶することが保留記憶と呼ばれる。第1始動入賞口13への遊技球の進入による保留記憶は、第1保留記憶と呼ばれる。第2始動入賞口14への遊技球の進入による保留記憶は、第2保留記憶と呼ばれる。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bの上方には、第1保留記憶の保留記憶数を表示する第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2保留記憶の保留記憶数を表示する第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bのそれぞれは、対応する有効な始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やし、対応する特別図柄表示器での変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときには、その変動表示に対応して演出表示装置9で演出図柄の変動表示等の演出表示が実行される。第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときには、その変動表示に対応して演出表示装置9で演出図柄の変動表示等の演出表示が実行される。
特別図柄および演出図柄の変動表示が実行され、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、または、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときには、演出表示装置9においても、特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄の組合せ)が導出表示される。このように変動表示結果として特定表示結果が表示されたときには、遊技者にとって有利な価値が付与される有利状態としての特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(たとえば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これら状態をリーチ状態という。)で行なわれる演出をリーチ演出という。
ここで、リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動が継続している表示状態(たとえば、左演出図柄が停止されている状態において右演出図柄が停止されて左演出図柄と同じ図柄が停止されたときの状態)、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。なお、リーチ状態は、演出図柄による所定の変動表示状態に限らず、たとえば、後述するリーチ演出が開始されてからの状態であってもよい。
また、演出表示装置9の表示領域中における下端部には、発生した保留記憶情報を表示する画像(以下、保留画像または保留表示と呼ぶ)が保留記憶情報の数に対応して表示される保留表示エリアが形成される(図示省略)。
可変入賞球装置15の下方には、ソレノイド21によって駆動される開閉板を備え、遊技者にとって有利(遊技球が進入可能)な開状態(第1状態)と、遊技者にとって不利(遊技球が進入不可能)な閉状態(第2状態)とに変化可能な入賞手段として、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は、大当り遊技状態において開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に進入した遊技球は、カウントスイッチ23により入賞球として検出される。なお、特別可変入賞球装置20は、所定領域に遊技球が進入可能となる第1状態と、所定領域に遊技球が進入不可能または進入困難な第2状態とに変化可能となる可変入賞手段により構成されていればよい。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。ラウンドにおいて繰返し継続制御により特別可変入賞球装置20が開放される遊技は、ラウンド遊技と呼ばれる。あるラウンド遊技が終了してから次のラウンド遊技が開始されるまでの間には、所定期間(たとえば数秒間)に亘り特別可変入賞球装置20が閉鎖状態とされるインターバル期間が設けられている。大当り遊技状態において、ラウンド遊技は、インターバル期間を介して複数回繰返し継続制御されることとなる。大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定の上限個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる最終ラウンド(たとえば第15ラウンド等)に達するまで繰返される。
大当りについては、複数の種別が設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。「大当り」の種別のうち、大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。特別遊技状態としては、確変状態に付随し、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される場合がある。特別遊技状態としては、確変状態とは独立して時短状態に制御される場合があるようにしてもよい。
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
特別遊技状態としては、確変状態または時短状態に付随して、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される場合がある。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側には、効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。図2には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1における遊技の進行等を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板(図示省略)において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
演出制御基板80は、演出制御用マイクロコンピュータ100、ROM102、RAM103、VDP109、および、I/Oポート部105等を搭載している。ROM102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM103は、ワークメモリとして使用される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御用CPU101を含む。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なう。演出制御用CPU101は、プッシュセンサ124の検出信号が、入力ポート106を介して入力される。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出表示装置9等の各種演出装置の演出内容を指示する演出制御コマンドを、主基板31から演出制御基板80の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板77を介して送信する。演出制御用マイクロコンピュータ100では、演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の変動表示制御を行なう他、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行なったり、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なったりすることで、各種の演出制御を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ560では、遊技制御用の予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。第1特別図柄と第2特別図柄とのような特別図柄の変動表示、および、大当り遊技制御等の特定の遊技制御が、タイマ割込処理が実行されるときに付随して実行される遊技制御プロセス処理により、所定のプロセスにしたがって実行される。
遊技制御用マイクロコンピュータ560では、始動入賞が発生したときに各種のランダムカウンタ(後述するランダム2、ランダム3を含む)からデータを抽出し、その抽出データを用いて、大当り判定、大当り種類判定、変動パターン種別判定、変動パターン判定、普通当り判定、および、ラウンダムカウンタの初期値決定等を行なう。遊技制御用マイクロコンピュータ560では、このような各種判定に基づいて、大当り遊技制御、第1特別図柄の変動表示、第2特別図柄の変動表示、および、普通図柄の変動表示等の各種遊技制御を実行する。なお、各種のランダムカウンタは、所定時間(たとえば2ms,4ms等)毎に定期的にタイマ割込がかかり実行されるタイマ割込処理や、タイマ割込み処理の余り時間などにおいて更新される。
遊技制御用マイクロコンピュータ560では、このような各種判定に基づいて、大当りの判定結果、大当り種類の判定結果、変動パターン種別の判定結果、および、変動パターンの判定結果等の予め定められた制御情報を、演出制御指示用のコマンドである演出制御コマンドとして、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。演出制御用マイクロコンピュータ100では、受信した演出制御コマンドに基づいて、第1特別図柄の変動表示、第2特別図柄の変動表示、および、大当り制御等の遊技制御に合せた演出を実行する。
演出制御用マイクロコンピュータ560では、演出制御用の予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms,4ms等)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の演出制御が実行可能となる。演出図柄の変動表示に関する演出、および、大当り遊技状態に関する演出等の特定の演出制御が、タイマ割込処理が実行されるときに付随して実行される演出制御プロセス処理により、所定のプロセスにしたがって実行される。
次に、図3を用いて、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、特別図柄および演出図柄の変動表示を開始するときに、当該変動表示における変動パターンを選択決定するために用いる変動パターンテーブルについて説明する。なお、変動パターンは、たとえば先読み予告を行うために、始動入賞して乱数を抽出したときに選択決定されるようにしてもよい。図3は、変動パターンを決定するために用いる変動パターンテーブルを表形式で示す図である。
図3には、(a)に通常状態はずれ時判定テーブル、(b)に時短状態はずれ時判定テーブル、(c)に通常大当り時判定テーブル、(d)に確変大当り時判定テーブルが示されている。図3(a)〜(d)の各判定テーブルは、ROM54に記憶されており、遊技状態に応じて選択され、変動パターン種別および変動パターンを判定(決定)するために用いられる。
図3に示す判定テーブルは、ランダム2と変動パターン種別との関係を示す変動パターン種別判定テーブルと、各変動パターン種別についてランダム3と各種別に属する変動パターンとの関係を示す変動パターン判定テーブルとを含む。なお、図3の各テーブルでの「変動パターン種別」または「変動パターン」の欄において、「通常」または「通常変動」は、リーチとならない通常変動パターンを示している。また、図3の各テーブルでの「ノーマルリーチ」は、リーチ状態となったときに特に派手な演出を実行するものではなく最終停止図柄(たとえば中図柄)をゆっくり変動表示させるリーチ演出を実行するノーマルリーチの変動パターンを示している。「スーパーリーチ」は、リーチ状態となったときにノーマルリーチと同じリーチ演出を実行した後に特別な演出画像を表示するリーチ演出を行なう変動パターンを示している。なお、リーチ状態とは、演出図柄による所定の変動表示状態に限らず、たとえば、左・右において同じ演出図柄が停止された後、リーチ演出が開始されてからの状態であってもよい。
また、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて大当りとなるときに選択される割合が高く、大当りとなる信頼度が高い変動パターンである。さらに、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて変動時間が長い(たとえば、ノーマルリーチ10秒、スーパーリーチ15秒)変動パターンである。
また、パチンコ遊技機1においては、識別情報としての演出図柄、および、第1,第2特別図柄のそれぞれの変動表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまで、演出表示装置9において、所定の演出態様としての擬似連と呼ばれる演出(以下、擬似連演出と称する)が実行される場合がある。擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものを、複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。また、擬似連とは、1の始動入賞に対して、あたかも複数回の図柄の変動表示(可変表示)が実行されたかのように見せるために、1の始動入賞に対して決定された変動時間内にて、複数の図柄列(たとえば、左,中,右)のうちの少なくとも1の図柄列(たとえば、左,右)について仮停止と、再変動とを所定回数実行する(繰り返す)特殊な変動パターン(変動表示パターンともいう)のことを指す。たとえば、再変動の繰返し実行回数(初回変動およびその後の再変動を含む合計の変動回数であり、擬似連変動回数ともいう)が多い程、大当りとなる信頼度(大当りとなるときとはずれとなるときとを含むすべての選択割合に対して大当りとなるときに選択される割合の度合い、大当りとなる割合の程度、すなわち、大当りとなる信頼性の度合い)が高くなる。より具体的には、大当りと決定されたときに選択される割合が高くなることで、大当り遊技状態となるか否かを擬似連演出により示唆する。擬似連の変動パターンでは、演出表示装置9において通常的に変動表示(基本的に変動表示)する演出図柄に含まれない擬似連図柄(たとえば、所定の文字またはキャラクタなどが付された図柄(数字が付されていない図柄、擬似連専用図柄とも称する))が仮停止する。なお、擬似連においては、通常的に変動表示(基本的に変動表示)する演出図柄(本実施形態では数字図柄)が仮停止してもよい。演出表示装置9において仮停止される図柄の組合せが、仮停止図柄の組合せと呼ばれる。仮停止図柄の組合せは、大当り図柄の組合せ以外の図柄の組合せよりなる複数種類のチャンス目(以下、擬似連出目(擬似連チャンス目)という)のうちからいずれかの擬似連チャンス目に決定されるようにすればよい。
擬似連において仮停止させる対象としては、本実施の形態では左,中,右のすべてである例について説明するが、これに限らず、たとえば、左のみ、右のみ、左と右の両方、左と中の両方、右と中の両方など、どのように定められているものであってもよい。また、擬似連において仮停止させる対象は、特殊な変動パターンの種類によって異なるように定められているものであってもよく、仮停止毎に仮停止させる対象を決定するようにしてもよい。
また、擬似連において仮停止させた図柄を再変動させる対象としては、本実施の形態では左,中,右のすべてである例について説明するが、仮停止させた図柄の少なくとも一部を含むものであればこれに限らず、たとえば、左のみ、右のみ、左と右の両方、左と中の両方など、どのように定められているものであってもよい。また、擬似連において仮停止させて図柄を再変動させる対象は、特殊な変動パターンの種類によって異なるように定められているものであってもよく、再変動毎に再変動させる対象を決定するようにしてもよい。
本実施の形態では、複数種類設けられたスーパーリーチの変動パターンのうちの第3〜第6スーパーリーチにおいて、擬似連の変動表示が実行される(擬似連の変動表示が実行される変動時間を有している)。たとえば、第3スーパーリーチでは、擬似連の変動表示が1回実行された後に、再変動させて表示結果を停止させる。また、第4スーパーリーチでは、擬似連の変動表示が2回実行された後に、再変動させて表示結果を停止させる。また、第2スーパーリーチにおいては、擬似連煽りのみの変動パターンが実行される。具体的に、擬似連煽りのみとなる変動パターンでは、擬似連の初回変動(擬似連1回目)で中の図柄表示エリアにおいて擬似連専用図柄が出現した後、仮停止するような演出が行なわれた後、擬似連専用図柄が滑る演出が行なわれる。ここで、滑りとは、変動表示において図柄の停止直前に図柄を停止予測位置から滑らせる演出表示をいう。第2スーパーリーチにおいては、その後、左右の図柄表示エリアにおいてはずれ出目(はずれ図柄の組合せ)で仮停止していた2つの演出図柄のうち一方が滑った後停止することによりリーチ出目(リーチ図柄の組合せ)を形成し、リーチ演出が実行されるような演出である。
また、本実施の形態では、変動表示を一旦仮停止させた後に再変動表示を開始する擬似連演出の一種である特定擬似連演出が実行される。特定擬似連演出は、擬似連演出のうち、変動表示の仮停止までにリーチ状態を発生させた後に再変動させる演出である。特定擬似連演出を実行するか否かなどに関する決定は、図4〜図12などを参照して後述するように、演出制御用マイクロコンピュータ100により実行される。
なお、はずれ時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「はずれ」の表示結果となる変動パターンである。通常大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「通常大当り」の表示結果となる変動パターンである。確変大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「確変大当り」の表示結果となる変動パターンである。
これらの情報に基づいて、たとえば、図3(a)の「変動パターン」の欄に示された「第4スーパーリーチ (擬似連2回:60秒)」という変動パターンは、「はずれ表示結果となる変動時間が60秒で、擬似連としての変動表示が2回実行された後に、再変動させて今回変動表示における表示結果を停止させる変動パターン」であることが示される。
図3のテーブルで「ランダム2範囲」および「変動パターン種別」という記載がされた欄は、「ランダム2範囲」と「変動パターン種別」との関係を示す変動パターン種別判定テーブル部としての機能を示す欄である。たとえば、図3(a)を例にとれば、「通常」、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」というような複数の変動パターン種別のそれぞれに、ランダム2(1〜251)のすべての値が複数の数値範囲のいずれかに分けて割振られている。
また、図3のテーブルで「ランダム3範囲」および「変動パターン」という記載がされた欄は、「ランダム3範囲」と「変動パターン」との関係を示す変動パターン判定テーブル部としての機能を示す欄である。変動パターン種別判定テーブルの各種別に対応して示されている変動パターンが、各種別に属する変動パターンである。たとえば、図3(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の種別に属する変動パターンは、「第1スーパーリーチ」、「第2スーパーリーチ」、「第3スーパーリーチ」、「第4スーパーリーチ」、「第5スーパーリーチ」、および、「第6スーパーリーチ」である。
各変動パターン種別に対応する複数の変動パターンのそれぞれに、ランダム3(1〜220)のすべての値が、複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図3(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の変動パターン種別とすることが決定されたときに、所定のタイミングで抽出したランダム3が1〜220の乱数値のうち、1〜70に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、変動パターンとして、「第1スーパーリーチ(擬似連無:15秒)」の変動パターンとすることが決定される。
第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果がはずれとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。非時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図3(a)の通常状態はずれ時判定テーブルを選択する。一方、時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図3(b)の時短状態はずれ時判定テーブルを選択する。なお、図3(a),図3(b)の判定テーブルを用いることで、保留数に関わらず、通常状態はずれ時、時短状態はずれ時でスーパーリーチとなる割合を一定にしている。
また、時短状態であるか否かにかかわらず第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果が大当りとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。変動表示結果が通常大当りとなるときには、図3(c)の通常大当り時判定テーブルを選択する。時短状態であるか否かにかかわらず変動表示結果が確変大当りとなるときには、図3(d)の確変大当り時判定テーブルを選択する。
図3(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図3(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、通常変動の変動時間が短く設定されている。そして、図3(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図3(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、リーチ変動(ノーマルリーチ変動およびスーパーリーチ変動を含む)よりも変動時間が短い通常変動(非リーチはずれ変動(リーチとならずにはずれ表示結果となる変動))に決定される割合が高く、通常変動よりも変動時間が長いリーチ変動に決定される割合が低くなるように、データが設定されている。
これにより、非時短状態(通常状態)のときと比べて、時短状態のときの方が、変動時間が短い変動パターンが選択される割合が高いので、時短状態のときの方が、非時短状態のときよりも平均的に短い変動時間で変動表示が行なわれることとなる。このように判定テーブルを選択することにより時短状態を実現することができる。また、通常変動を非時短状態よりも時短状態ときの方が変動時間が短くなるように設定することで、時短状態中の保留消化を短縮することができる。
また、はずれとなるときに選択される図3(a)および図3(b)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ>スーパーリーチとなるような高低関係で選択されるようにデータが設定されている。一方、大当りとなるときに選択される図3(c)および図3(d)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ<スーパーリーチというような割合の高低関係で選択されるようにデータが設定されている。これにより、大当りとなるときには、はずれとなるときと比べて、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれることにより、遊技者の期待感を高めることができる。
また、大当りのうち確変大当りとなるときに選択される図3(d)の判定テーブルでは、大当りのうち通常大当りとなるときに選択される図3(c)の判定テーブルと比べて、ノーマルリーチに対してスーパーリーチ演出の種別が選択される割合が高くなるようにデータが設定されている。これにより、確変大当りとなるときには、通常大当りとなるときと比べて、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれることにより、遊技者の確変大当りへの期待感を高めることができる。
さらに、第1スーパーリーチ<第2スーパーリーチ<第3スーパーリーチ<第4スーパーリーチ<第5スーパーリーチ<第6スーパーリーチとなるような関係で大当り期待度(大当りとなる可能性)が高くなるように、データが設定されている。また、擬似連変動回数は、第3スーパーリーチ<第4スーパーリーチ<第5スーパーリーチ<第6スーパーリーチとなるように定められている。これにより、通常大当りや確変大当りとなるときには、たとえば、第3スーパーリーチとなるときと比べて、第4〜第6スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合が高くなるので、より期待度が高くかつ擬似連変動回数が多いスーパーリーチのリーチ演出が行なわれることにより、遊技者の大当りへの期待感を高めることができる。
なお、このような変動パターンは、変動表示をする第1特別図柄および第2特別図柄の合算保留記憶数(合計値)が所定数以上であるとき(たとえば、合算保留記憶数が3以上)と、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、合算保留記憶数が所定数以上であるときには、合算保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。ただし、保留数短縮制御が実行される条件下でも(たとえば、合算保留記憶数が3以上)リーチ(ノーマルリーチ、スーパーリーチ含む)の割合を一定にすることで、リーチに対する期待感が保たれる。また、リーチの中でもスーパーリーチのみ変動時間が短縮されないようにして、保留数時短制御を実行するようにしてもよい。さらに、保留数時短制御は変動時間が短い通常変動が高い割合で選択されるようにすることで実行可能としてもよく、各変動パターン自体の変動時間を短くすることで実行可能としてもよいし、その組合せでもよい。
本実施の形態におけるパチンコ遊技機1においては、変動表示を開始する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560側において大当り判定を行い、当該大当り判定の結果に応じたテーブル(図3参照)を参照して、当該変動表示に用いる変動パターンを決定し、当該変動パターンを特定可能なコマンドを送信する。演出制御用マイクロコンピュータ100は、当該コマンドなどに基づいて、変動パターンに応じた演出(演出図柄の変動表示パターン、停止させる演出図柄、大当り予告演出など)を実行するための処理を実行する。
図4は、リーチ変動時の停止パターン決定処理を説明するためのフローチャートである。リーチ変動時の停止パターン決定処理は、演出制御用マイクロコンピュータ100がリーチ状態を発生させる変動パターンを特定するためのコマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100が受信して演出図柄の変動表示を開始するときに実行する処理である。リーチ変動時の停止パターン決定処理においては、リーチ状態を発生させる変動パターンに基づく演出図柄の変動表示において、停止あるいは仮停止させる演出図柄や停止タイミングあるいは仮停止タイミングなどの停止パターンが決定される。
S01においては、今回のリーチ変動が擬似連を発生させる第3〜第6スーパーリーチであるか否かが判定される。S01において擬似連を発生させる変動パターンでないと判定されたときには、S09へ移行して、左演出図柄を停止させた後、右演出図柄を停止させてリーチ状態を発生させるタイミングを抽選で決定し、S10においてリーチ状態を構成する図柄を含む停止図柄を決定する。
一方、擬似連を発生させる第3〜第6スーパーリーチであると判定されたときには、S02においてnの値に「1」をセットし、S03へ移行する。なお、nの値は、決定対象が何回目の擬似連であるかを特定するための値であり、たとえば「1」であれば1回目の擬似連であることを特定可能となる値である。
S03においては、n回目の擬似連中においてリーチ状態を発生させるか否か、つまり特定擬似連演出を実行するか否かを抽選する。図5は、S03の抽選で参照されるリーチ発生抽選用テーブルを説明するための図である。
リーチ発生抽選用テーブルは、図5(a)および図5(b)に示すように、擬似連を発生させる第3〜第6スーパーリーチに決定されて当該スーパーリーチに基づき今から開始しようとする変動表示(以下では、今回変動表示ともいう)中であってn回目の擬似連以前の擬似連においてリーチ状態が非発生時と、n回目の擬似連以前の擬似連においてリーチ状態が発生済時とで、n回目の擬似連においてリーチ状態を発生させる旨が決定される割合が異なるように定められている。さらに、リーチ発生抽選用テーブルは、今回変動パターンがいずれの種類であるかによって、n回目の擬似連においてリーチ状態を発生させる旨が決定される割合が異なるように定められている。
たとえば、今回変動パターンが第3スーパーリーチであるときであって、リーチ状態が非発生時には20%の割合でリーチ状態を発生させると決定され、リーチ状態が発生済時であるときには30%の割合でリーチ状態を発生させると決定される。図5(a)および図5(b)に示されるリーチ発生抽選用テーブルを参照してリーチ発生抽選が行われることにより、リーチ状態が非発生時よりもリーチ状態が発生済時であるときの方が高い割合でリーチ状態を発生させ、かつ、擬似連変動回数が多いスーパーリーチであるときの方が高い割合でリーチ状態を発生させることができる。これにより、擬似連において早い段階でリーチ状態が発生した場合には、擬似連変動回数が多いスーパーリーチに決定されており、その結果大当りとなることに対する期待感を高めることができる。
図4に戻り、S04においては、n回目の擬似連中において左演出図柄を仮停止させた後、右演出図柄を仮停止させるタイミングを抽選する。リーチ状態を発生させるときには、リーチ状態を発生させるタイミングを抽選することになる。左演出図柄は、演出図柄の変動(擬似連中における再変動を含む)が開始されてから3秒経過したときに仮停止するように定められている。一方、右演出図柄は、演出図柄の変動が開始されてから5秒経過した第1タイミングか、演出図柄の変動が開始されてから10秒経過した第2タイミングのいずれかで仮停止するように定められている。なお、右演出図柄が仮停止するタイミングに限らず、左演出図柄が仮停止するタイミングについても同様に複数のタイミングから決定されるようにしてもよい。この場合において、たとえば、擬似連において早い段階で左演出図柄が仮停止した場合には、擬似連変動回数が多いスーパーリーチに決定されており、その結果大当りとなることに対する期待感を高めることができるように、左演出図柄を仮停止するタイミングを決定するようにしてもよい。
図6は、S04の抽選で参照される右演出図柄仮停止タイミング抽選用テーブルを説明するための図である。右演出図柄仮停止タイミング抽選用テーブルは、図6(a)および図6(b)に示すように、n回目の擬似連においてリーチ状態非発生に決定された非発生決定時と、n回目の擬似連においてリーチ状態発生に決定された発生決定時とで、異なる割合でn回目の擬似連中において右演出図柄を仮停止させるタイミングが決定されるように定められている。さらに、右演出図柄仮停止タイミング抽選用テーブルは、今回変動パターンがいずれの種類であるかによって、異なる割合でn回目の擬似連中において右演出図柄を仮停止させるタイミングが決定されるように定められている。
たとえば、今回変動パターンが第4スーパーリーチであるときであって、リーチ状態非発生決定時には55%の割合で第1タイミングに決定され、45%の割合で第2タイミングに決定され、リーチ状態発生決定時には30%の割合で第1タイミングに決定され、70%の割合で第2タイミングに決定される。図6(a)および図6(b)に示される右演出図柄仮停止タイミング抽選用テーブルを参照して右演出図柄を仮停止させるタイミング抽選が行われることにより、リーチ状態非発生決定時よりもリーチ状態発生決定時であるときの方が高い割合で第2タイミングに決定されやすく、かつ、擬似連変動回数が多いスーパーリーチであるときの方が高い割合で第2タイミングに決定されやすい。これにより、擬似連において第1タイミングでリーチ状態が発生した場合よりも第2タイミングでリーチ状態が発生した場合の方が、擬似連変動回数が多いスーパーリーチに決定されており、その結果大当りとなることに対する期待感を高めることができる。
図4に戻り、S05においては、n回目の擬似連中において仮停止させる演出図柄を決定する。図7は、S05の決定で参照される仮停止図柄決定用テーブルを説明するための図である。仮停止図柄決定用テーブルは、図7(a)および図7(b)に示すように、n回目の擬似連においてリーチ状態非発生に決定された非発生決定時と、n回目の擬似連においてリーチ状態発生に決定された発生決定時とで、異なる割合で異なる仮停止図柄が決定されるように定められている。リーチ状態非発生決定時には、図7(a)に示す仮停止図柄のうちから、図7(a)に示す割合で仮停止図柄が決定される。リーチ状態非発生時には、左演出図柄が仮停止され、当該図柄と1つ違いの図柄が右演出図柄として仮停止された後に、中図柄として左演出図柄と同じ図柄が仮停止されることになる。
一方、リーチ状態発生決定時には、図7(b)に示す仮停止図柄のうちから、今回変動パターンがいずれの種類であるかによって異なる割合で決定されるように定められている。リーチ状態発生時には、図7(b)に示されるように、左演出図柄が仮停止され、当該図柄と同じ図柄が右演出図柄として仮停止されてリーチ状態となった後に、中図柄として擬似連専用図柄としての星印の図柄が仮停止されることになる。なお、リーチ状態非発生時において仮停止させる図柄は、図7(a)で示したものに限らず、たとえば、中図柄としてリーチ状態発生時と同様に擬似連専用図柄としての星印の図柄が定められているもの(たとえば、「1★2」など)であってもよい。これにより、リーチ状態が発生するか否かにかかわらず、中図柄から擬似連であることをわかりやすく報知できる。
図7(b)に示すテーブルは、今回変動パターンがいずれの種類であるかによっても、異なる割合でリーチ状態を構成する演出図柄の組合せが決定されるように定められているが、いずれの種類であっても、リーチ状態を構成する演出図柄として「1」〜「5」の方が「6」〜「9」よりも高い割合で決定されるように定められている。また、リーチ状態を構成する演出図柄として「1」〜「5」に決定される割合は、擬似連変動回数が多いスーパーリーチであるときの方がより高くなるように定められている。なお、本実施の形態おける「割合(比率、確率)」とは、0%および100%を含まない値に限るものではなく、たとえば0%〜100%の範囲内の値のうち、0%を含む値や、100%を含む値であってもよい。たとえば、第6スーパーリーチに決定されているときには、必ずリーチ状態を構成する演出図柄として「1」〜「5」に決定されるように振分率が定められている例について説明したが、これに限らず、スーパーリーチの種類にかかわらず、擬似連において発生するリーチ状態を構成する演出図柄は、必ず、「1」〜「5」に決定されるように振分率が定められているようにしてもよい。これにより、左演出図柄として「1」〜「5」のいずれかが停止したときに、リーチ状態が発生して再変動することに対する期待感を抱かせることができる。
図4に戻り、S06においては、中演出図柄を仮停止させるタイミングであって、S05で決定した仮停止図柄が仮停止されることにより再変動することが確定する再変動確定タイミングを決定する。再変動確定タイミングである中演出図柄の仮停止タイミングとしては、演出図柄の変動が開始されてから12秒経過した第3タイミングか、演出図柄の変動が開始されてから18秒経過した第4タイミングのいずれかとなるように定められている。図8は、S06の決定で参照される再変動確定タイミング決定用テーブルを説明するための図である。
再変動確定タイミング決定用テーブルは、今回変動パターンがいずれの種類であるかによって、異なる割合で再変動確定タイミングが決定されるように定められている。たとえば、今回変動パターンが第6スーパーリーチであるときには、35%の割合で第3タイミングに決定され、65%の割合で第4タイミングに決定される。図8に示される再変動確定タイミング決定用テーブルを参照して再変動確定タイミング抽選が行われることにより、擬似連変動回数が多いスーパーリーチであるときの方が高い割合で第4タイミングに決定されやすい。
図4に戻り、S07においては、現在のnの値が今回変動パターンの擬似連変動回数であるか否かが判定される。たとえば、変動パターンが第4スーパーリーチであるときには、擬似連変動回数が2であるため、nの値が2であるときに擬似連変動回数であると判定される。S07において現在のnの値が今回変動パターンの擬似連変動回数でないと判定されたときには、S08において現在のnの値に1加算し、S03へ移行する。これにより、次回の擬似連についてS03〜S06の処理が実行される。
S07において現在のnの値が今回変動パターンの擬似連変動回数であると判定されたときには、S09に移行して、擬似連を変動パターンに対応する回数分実行した後の再変動表示(以下では、最終変動表示ともいう)において、左演出図柄を停止させた後、右演出図柄を停止させてリーチ状態を発生させるタイミングを抽選で決定し、S10において最終変動表示におけるリーチ状態を構成する図柄を含む停止図柄を決定する。なお、S09においても、リーチ状態を発生させるタイミングとして、擬似連中のリーチ状態発生タイミングと同じ第1タイミングおよび第2タイミングから決定される。図9は、S09の抽選で参照される最終変動表示における右演出図柄停止タイミング抽選用テーブルを説明するための図である。
右演出図柄停止タイミング抽選用テーブルは、図9に示すように、今回変動パターンがいずれの種類であるかによって、異なる割合で右演出図柄を停止させるタイミングが決定されるように定められている。たとえば、擬似連を発生させないノーマルリーチであるときには、80%の割合で第1タイミングに決定され、20%の割合で第2タイミングに決定される。図9に示される右演出図柄停止タイミング抽選用テーブルを参照して右演出図柄を停止させるタイミング抽選が行われることにより、擬似連が行われるときの方が擬似連が行われないときよりも高い割合で第2タイミングに決定されやすく、かつ、擬似連変動回数が多いスーパーリーチであるときの方が高い割合で第2タイミングに決定されやすい。
図10は、S10の決定で参照される最終変動表示においてリーチ状態を構成する演出図柄を決定するためのリーチ図柄決定用テーブルを説明するための図である。リーチ図柄決定用テーブルは、図10に示すように、今回変動の大当り判定の結果が、はずれ、非確変大当り、確変大当りのうちのいずれかで、異なる割合でリーチ状態を構成する演出図柄の組合せが決定されるように定められているが、いずれの大当り判定の結果であっても、リーチ状態を構成する演出図柄として「6」〜「9」の方が「1」〜「5」よりも高い割合で決定されるように定められている。一方、リーチ状態を発生させた後に再変動させる場合には、図7(b)で示したように、リーチ状態を構成する演出図柄として「1」〜「5」の方が「6」〜「9」よりも高い割合で決定される。このため、リーチ状態を構成する演出図柄から、擬似連変動であるか最終変動表示であるかを推測することができる。なお、中演出図柄は、リーチ図柄との関係で大当り判定の結果に応じた図柄に決定される。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、リーチ変動表示を行うときには、リーチ変動時の停止パターン決定処理における決定結果に基づいて、所定タイミングにおいて擬似連演出やリーチ状態を発生させる特定擬似連演出を実行する。
図11および図12は、スーパーリーチが発生したときのタイミングチャートの一例を説明するための図である。図11および図12では、各々、上から特別図柄の変動状態、左演出図柄の変動状態、右演出図柄の変動状態、および、中演出図柄の変動状態が示されており、立ち上がっているときに変動表示中であることを示している。
図11は、第1スーパーリーチに決定されたときのリーチ発生タイミングを示している。第1スーパーリーチであるときには、擬似連が発生しないが、図4のS09で示したようにリーチ状態を発生させるタイミングが決定される。図11(a)は、第1タイミングに決定されたときのタイミングチャートを例示している。変動表示が開始された後、まず左演出図柄が停止し、変動表示が開始されてから5秒経過したときに右演出図柄が停止してリーチ状態が発生し、15秒経過したときに中演出図柄が停止して、1回の変動表示が終了する。
図11(b)は、第2タイミングに決定されたときのタイミングチャートを例示している。変動表示が開始された後、まず左演出図柄が停止し、変動表示が開始されてから10秒経過したときに右演出図柄が停止してリーチ状態が発生し、15秒経過したときに中演出図柄が停止して、1回の変動表示が終了する。なお、リーチ発生タイミングにかかわらず、リーチ発生後から中演出図柄が停止するまでにノーマルリーチと同じ演出を実行した後にスーパーリーチ演出を実行する。
なお、変動パターンが第1スーパーリーチや第2スーパーリーチであるときには、演出制御用マイクロコンピュータ100により、リーチ発生後の演出としてノーマルリーチのみを実行するかあるいはノーマルリーチ後にスーパーリーチを実行するかを決定するようにしてもよい。つまり、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1スーパーリーチや第2スーパーリーチの変動パターンを受信したときには、ノーマルリーチ後にスーパーリーチを実行するか、ノーマルリーチのみを実行するかを決定するようにしてもよい。この場合、たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、リーチ発生タイミングが第2タイミングに決定されたときには第1タイミングに決定されたときよりも高い割合で、リーチ発生後から中演出図柄が停止するまでにノーマルリーチのみを実行するように決定されるようにしてもよい。この場合には、スーパーリーチのときでもノーマルリーチのみが実行される場合があるため、当該変動表示がノーマルリーチであるかスーパーリーチであるかを特定し難くすることができ、かつ変動表示の残り時間に応じたリーチ演出を実行することができる。
以上のように、擬似連が発生しないときであっても、第1タイミングか第2タイミングでリーチ状態となるため、リーチ状態の発生タイミングから擬似連が発生しないことを特定できないようにすることができる。また、図4のS09やS10などで説明したとおり、擬似連が発生しないときには、擬似連が発生するときと比較してリーチ状態の発生タイミングとして第1タイミングに決定されやすく、かつリーチ状態を構成する図柄として「5」〜「9」のいずれかに決定されやすいため、リーチ状態の発生タイミングやリーチ状態を構成する図柄の種類から擬似連が発生するか否かをある程度推測できるといった面白さを提供できる。
図12は、第4スーパーリーチに決定されたときのリーチ発生タイミングおよび再変動確定タイミングを示している。第4スーパーリーチであるときにおいて発生する2回の擬似連各々については、図4のS03〜S06の処理が行われ、最終変動表示については図4のS09で示したようにリーチ状態を発生させるタイミングが決定される。図12(a)は、2回の擬似連のいずれについても、リーチ状態を第1タイミングで発生させると決定されるとともに、再変動確定タイミングが第3タイミングに決定され、最終変動表示についてもリーチ状態発生タイミングが第1タイミングに決定されたときのタイミングチャートを例示している。
変動表示が開始された後、まず左演出図柄が仮停止し、変動表示が開始されてから5秒経過したときに右演出図柄が仮停止してリーチ状態が発生し、ノーマルリーチと同じ演出を実行して、12秒経過したときに中演出図柄として星印の演出図柄が仮停止して擬似連であったことが報知される。変動表示が開始されてから20秒が経過したときに2回目の擬似連による再変動が開始されて、20秒間にわたって1回目と同じ態様で仮停止する。最終変動表示では、当該最終変動表示が開始されてから5秒経過したときに右演出図柄が停止してリーチ状態が発生し、リーチ発生後から中演出図柄が停止するまでにノーマルリーチと同じ演出を実行した後にスーパーリーチ演出を実行して、当該最終変動表示開始から20秒経過したときに中演出図柄が停止して、一連の変動表示が終了する。
図12(b)は、2回の擬似連のいずれについても、リーチ状態を第2タイミングで発生させると決定されるとともに、再変動確定タイミングが第4タイミングに決定され、最終変動表示についてもリーチ状態発生タイミングが第2タイミングに決定されたときのタイミングチャートを例示している。擬似連においては、変動表示が開始されてから10秒経過したときに右演出図柄が仮停止してリーチ状態が発生し、ノーマルリーチと同じ演出を実行して、18秒経過したときに中演出図柄として星印の演出図柄が仮停止して擬似連であったことが報知される。変動表示が開始されてから20秒が経過したときに2回目の擬似連による再変動が開始されて、20秒間にわたって1回目と同じ態様で仮停止する。最終変動表示では、当該最終変動表示が開始されてから10秒経過したときに右演出図柄が停止してリーチ状態が発生し、リーチ発生後から中演出図柄が停止するまでにノーマルリーチと同じ演出を実行した後にスーパーリーチ演出を実行して、当該最終変動表示開始から20秒経過したときに中演出図柄が停止して、一連の変動表示が終了する。
以上のように、擬似連が発生するときであっても、第1タイミングか第2タイミングでリーチ状態となるため、リーチ状態の発生タイミングから擬似連が発生することを特定し難くすることができる。また、図4のS09やS10などで説明したとおり、擬似連が発生するときには、擬似連が発生しないときと比較してリーチ状態の発生タイミングとして第2タイミングに決定されやすく、かつリーチ状態を構成する図柄として「1」〜「5」のいずれかに決定されやすいため、リーチ状態の発生タイミングやリーチ状態を構成する図柄の種類から擬似連が発生するか否かをある程度推測できるといった面白さを提供できる。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図3に示すように、大当りとなるときの方がはずれとなるときよりも高い割合で、特定擬似連演出を含む擬似連演出を実行する第3〜第6スーパーリーチのいずれかに決定され、かつ、擬似連変動回数が多いリーチに決定される。また、図6(b)と図9とから、リーチ状態が第2タイミングで発生したときの方が第1タイミングで発生したときよりも高い割合で、特定擬似連演出となり、かつ、擬似連変動回数が多いリーチとなる。このため、リーチ状態となるまでの遊技の興趣を向上させることができる。
(2) 図7(b)と図10とから、リーチ状態を構成する演出図柄が「1」〜「5」のいずれかであるときの方が、「6」〜「9」のいずれかであるときよりも高い割合で、特定擬似連演出となる。また、図7(b)に示すように、リーチ状態を構成する演出図柄が、「1」〜「5」のうち「1」「3」「5」のいずれかであるときの方が、「2」または「4」であるときよりも高い割合で、擬似連変動回数が多いリーチにとなる。擬似連変動回数が多いリーチに決定される。このため、リーチ状態を構成する演出図柄に遊技者を注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(3) 図5に示すように、今回変動表示中においてリーチ発生済時であるときの方が、リーチ非発生時であるときよりも高い割合でリーチ発生に決定されるため、変動表示中において特定擬似連演出が実行された後は、特定擬似連演出が実行される前よりも高い割合で特定擬似連演出を実行させることができる。このため、遊技の興趣を向上させることができる。
(4) 図8に示すように、再変動確定タイミングとして第3タイミングと第4タイミングとが設けられている。このため、遊技の興趣を向上させることができる。また、擬似連変動回数が多い程、高い割合で第4タイミングに決定されるため、再変動確定タイミングに遊技者を注目させることができる。
以下に、パチンコ遊技機1で実行される各種制御の変形例を説明する。
[特定擬似連演出の決定主体について]
前述した実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560により擬似連を実行するか否かを決定し、擬似連を実行すると決定されたときには、演出制御用マイクロコンピュータ100により特定擬似連演出を実行するか否かを決定する例について説明したが、これに限らず、特定擬似連演出を実行するか否かについても遊技制御用マイクロコンピュータ560により決定されるようにしてもよい。たとえば、複数種類の変動パターンに、特定擬似連演出を実行するように定められている特定変動パターンを設け、遊技制御用マイクロコンピュータ560が変動パターンを決定することにより特定擬似連演出を実行するか否かを決定するようにしてもよい。また、特定変動パターンは、擬似連変動回数、擬似連のうち特定擬似連演出を実行する回数、何回目の擬似連として特定擬似連演出を実行するかその実行タイミング、および、特定擬似連演出としてリーチ状態を発生させるタイミングなどのうち、いずれかが異なる複数種類の特定変動パターンを設けて、遊技制御用マイクロコンピュータ560により決定するようにしてもよい。この場合であっても、たとえば、特定擬似連演出としてリーチ状態を発生させる演出図柄については、演出制御用マイクロコンピュータ100により決定するようにしてもよい。これにより、処理負担を分散させることができる。
[特定擬似連演出について]
前述した実施の形態における特定擬似連演出では、リーチ状態となった後、中演出図柄が仮停止されて、左〜右において演出図柄が仮停止されることにより再変動させる例について説明したが、一部の演出図柄が仮停止されることにより再変動させるようにしてもよい。たとえば、左右の演出図柄が仮停止されてリーチ状態が発生した後に、中演出図柄については仮停止させることなく、左右の演出図柄を再変動させるようにしてもよい。
また、リーチ状態を発生させてから中演出図柄を仮停止させるまでの間においては、ノーマルリーチと同じリーチ演出のみを実行し、スーパーリーチ特有のリーチ演出を実行しない例について説明した。これにより、最終変動表示以前の擬似連における演出が複雑になることを防止できる。しかし、これに限らず、スーパーリーチ特有のリーチ演出を実行するようにしてもよい。たとえば、リーチ発生タイミングが第1タイミングでかつ再変動確定タイミングが第4タイミングであるときには、スーパーリーチ特有のリーチ演出を実行し、それ以外のときにはノーマルリーチと同じ演出のみを実行するようにしてもよい。これにより、最終変動表示であるか擬似連であるかを特定不能にすることができる。
前述した実施の形態における擬似連1回の変動表示時間は、図12に示すように、20秒に固定されている例について説明したが、これに限らず、変化するようにしてもよい。たとえば、再変動確定タイミングに応じて変化させ、中演出図柄が停止して一定時間(たとえば、0.5秒)経過したときに再変動させてもよい。この場合、最終変動表示が開始されるタイミングは、それ以前に実行される擬似連の再変動確定タイミングに応じて変化するが、最終変動表示の変動時間を調整して、変動パターンに応じた変動時間が経過するときに最終変動表示の表示結果が導出されるようにしてもよい。
前述した実施の形態における擬似連を発生させる変動表示中においては、リーチ状態を発生させない通常擬似連演出と、特定擬似連演出とのいずれもが実行可能な例について説明したが、これに限らず、擬似連を発生させる変動表示中においては、特定擬似連演出のみを実行するようにしてもよい。
[各種テーブルについて]
図4のS03および図5に関連してリーチ発生させる旨が決定される割合、図4のS04および図6に関連して第2タイミングに決定される割合、図4のS05および図7に関連して仮停止図柄を決定する割合、図4のS06および図8に関連して再変動確定タイミングを決定する割合、および、図4のS09および図9に関連してリーチ発生タイミングを決定する割合のうちいずれについても、たとえば、変動表示の表示結果が大当りとなるか否かに応じて異なるように定められているものであってもよい。これにより、リーチ発生や、リーチ発生タイミング、仮停止図柄などに応じて、大当りに対する期待感をより直接的に異ならせることができる。
特定擬似連演出におけるリーチ状態を構成する演出図柄は、特定擬似連演出毎に決定する例について説明したが、これに限らず、1の変動表示毎に決定するようにしてもよい。たとえば、1の変動表示中の特定擬似連演出においては、共通の図柄によりリーチ状態を構成させるようにしてもよい。これにより、処理負担を軽減できる。
また、特定擬似連演出におけるリーチ状態を構成する演出図柄は、最終変動表示において発生するリーチ状態を構成する演出図柄とは別個に決定される例について説明したが、これに限らず、特定擬似連演出におけるリーチ状態を構成する演出図柄は、最終変動表示において発生するリーチ状態を構成する演出図柄と同じになるようにしてもよい。これにより、最終変動表示におけるリーチ図柄を事前に示唆できるため、わかり易くすることができる。
[リーチ予告]
前述した遊技機において、リーチ状態が発生することを予告するリーチ予告演出(たとえば、「リーチかも」といったメッセージを表示する演出など)を実行するようにしてもよい。リーチ予告演出は、リーチ状態が発生するときにはリーチ状態が発生しないときよりも高い割合で実行される。これと同様に、リーチ予告演出は、第3〜第6スーパーリーチの擬似連においてリーチ状態が発生するときにはリーチ状態が発生しないときよりも高い割合で実行されるようにしてもよい。また、リーチ予告演出は、第3〜第6スーパーリーチ以外の変動表示中であるときよりも、第3〜第6スーパーリーチの変動表示中(つまり擬似連を発生させる変動表示中)であるときの方が高い割合で実行されるようにしてもよい。さらに、リーチ予告演出は、第3〜第6スーパーリーチの変動表示中において、リーチ状態発生後の擬似連が発生するときには、リーチ状態発生後の擬似連が発生しないときよりも高い割合で実行されるようにしてもよい。これにより、リーチ予告演出が実行されることによりリーチ状態が発生することに対する期待感を抱かせつつ、擬似連やリーチ後擬似連になるという意外性を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
[その他]
前述した実施の形態では、最終変動表示においてスーパーリーチが発生する変動パターンにおいてのみ擬似連演出が実行される例について説明したが、これに限らず、最終変動表示においてノーマルリーチとなる変動パターンであっても擬似連演出が実行されるようにしてもよい。これにより、擬似連演出が実行されたとしても、最終変動表示がスーパーリーチとなるかノーマルリーチとなるかを特定不能にすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、リーチが発生しない変動パターンであっても擬似連演出が実行されるよういしてもよい。これにより、擬似連演出が実行されたとしても、最終変動表示がリーチとなるか否かを特定不能にすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
前述した実施の形態における第1〜第6スーパーリーチでは、最終変動表示において共通のリーチ演出が実行される。しかし、これに限らず、スーパーリーチ毎に異なるリーチ演出(出現させるキャラクタが異なるなど)が実行されるものであってもよい。
[その他の変形例]
本実施の形態では、「割合(比率、確率)」を例示したが、「割合(比率、確率)」は、これに限るものではなく、たとえば0%〜100%の範囲内の値のうち、0%を含む値や、100%を含む値、0%および100%を含まない値であってもよい。
前述した実施の形態では、変動表示の表示結果を確変大当りとすることが決定されたときの変動表示結果が導出表示された後、大当り遊技状態の終了後に、無条件で確変状態に制御される確変状態制御例を示した。しかし、これに限らず、特別可変入賞球装置における大入賞口内に設けられた特定領域を遊技球が通過したことが検出手段により検出されたときに、確変状態に制御される、確変判定装置タイプの確変状態制御が実行されるようにしてもよい。
上記実施の形態では、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号、あるいは数字や記号に限定されない各セグメントの点灯パターン等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。しかし、第1特別図柄表示器や第2特別図柄表示器において表示される可変表示結果や可変表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されない。例えば、特別図柄の可変表示中の点灯パターンには、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよく、全て消灯したパターンと少なくとも一部のLEDを点灯させた1つのパターン(例えば、ハズレ図柄)とを交互に繰り返すものも特別図柄の可変表示に含まれる(この場合、前記1つのパターン(例えばハズレ図柄)が点滅して見える)。また、可変表示中に表示される特別図柄と、可変表示結果として表示される特別図柄とは、異なるものであってもよい。特別図柄の可変表示として、例えば「−」を点滅させる表示を行ない、可変表示結果として、それ以外の特別図柄(「大当り」であれば「7」、「ハズレ」であれば「1」など)を表示することも特別図柄の可変表示に含まれる。また、一種類の飾り図柄を点滅表示又はスクロール表示することなども飾り図柄の可変表示に含まれる。普通図柄の可変表示中の点灯パターンには、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよく、全て消灯したパターンと少なくとも一部のLEDを点灯させた1つのパターン(例えば、ハズレ図柄)とを交互に繰り返すことなども普通図柄の可変表示に含まれる。また、可変表示中に表示される飾り図柄や普通図柄と、可変表示結果として表示される飾り図柄や普通図柄とは、異なるものであってもよい。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。