以下、図面に基づき、本発明を代表する実施の形態を説明する。
図1〜図15は、本発明の実施の形態に係る遊技機1を示している。
本実施の形態に係る遊技機1は、遊技盤2の正面側に形成された遊技領域3に遊技球を発射してゲームを行うパチンコ機である。なお、遊技機1には、有価価値カードの挿入により遊技球を貸し出すためのカードユニット(CR球貸機)101(図2参照)が付設されている。
先ず、遊技機1全体の概要を説明する。
図1は、遊技機1全体を示す正面図である。本遊技機1は、発射された遊技球が落下しゲームを進行させる各種部品が取り付けられた遊技盤2と、遊技盤2の正面を覆うガラス板を固定するガラス枠4等を有している。なお、遊技盤2やガラス枠4には、装飾装置であるランプ・LED等が組み付けられている。
前記ガラス枠4の下方には、遊技球である貸球や賞球を貯留する上受け皿5と、上受け皿5から溢れた遊技球を貯留する下受け皿6と、遊技球の発射操作を遊技者が行うためのハンドル7等が設けられている。なお、各受け皿5,6には、それぞれ貯留した遊技球を抜き出すための球抜きレバーが設けられている。
遊技盤2の正面には、発射された遊技球を遊技領域3の上部へ導くための誘導レール11が設けられており、遊技領域3には、落下する遊技球の経路に変化を与えるための遊技釘や風車(共に図示せず)、各種の入賞口、普通図柄作動ゲート25、特別図柄表示を行う特別図柄表示装置301、特別図柄表示に対応させる変動表示を実行する変動表示装置310、普通図柄表示を行う普通図柄表示装置320等が設けられている。
また、変動表示装置310を縁取るセンターケース400には、変動表示に連動した演出動作を行う可動式の演出装置401や、変動表示装置310の表示領域の一部を拡大するレンズ部材402が設けられている。さらに、センターケース400には、その下辺部に配され遊技球が転動可能で、該遊技球を次述する始動入賞口21に誘導可能な遊技球転動部403の他、遊技領域3を流下する遊技球を受け入れて、前記遊技球転動部403に流出させるワープ通路等が適宜設けられている。
各種の入賞口としては、始動入賞口21、上袖入賞口22a、下袖入賞口22b、右落とし入賞口23a、左落とし入賞口23b、それに大入賞口24等がある。各種の入賞口に遊技球が入賞すると、それぞれに付設されているスイッチにより検出される。各スイッチは、例えば、光センサ、近接センサ、あるいは磁気センサ等の各種センサにより構成すれば良い。
図2、図3に示すように、各スイッチとして入賞口毎に、始動入賞口スイッチ121、上袖入賞口スイッチ122a、下袖入賞口スイッチ122b、右落とし入賞口スイッチ123a、左落とし入賞口スイッチ123bが、それぞれ設置されている。また、大入賞口24の内部にはカウントスイッチ124が設置され、さらに、普通図柄作動ゲート25の内部にはゲートスイッチ125が設置されている。
前記各スイッチによって遊技球が検出されると、検出される度に入賞口毎に割り当てられた所定数の賞球が払い出される。本実施の形態では、始動入賞口21には5個、上袖入賞口22a、下袖入賞口22b、右落とし入賞口23a、左落とし入賞口23bにはそれぞれ8個、大入賞口24には15個と、賞球数が割り当てられている。ただし、普通図柄作動ゲート25は通過口であり、遊技球が通過しても賞球の払い出しはない。なお、遊技盤2の最下部には、遊技領域3内の何れの入賞口にも入らずに落下した遊技球を、外部に排出するアウト口26が設けられている。
次に、遊技盤2上の主要な構成要素について、さらに詳細に説明する。
始動入賞口21は、一般に始動チャッカーと称されるものであり、該始動入賞口21の左右両端に一対の可動片が揺動可能に設けられている。各可動片は、普通電動役物ソレノイド135によって拡縮動作する。始動入賞口21は、各可動片の拡縮動作により、遊技球が入賞し難い縮状態と入賞し易い拡状態とに作動する普通電動役物として構成されている。
始動入賞口21の各可動片は、普通図柄表示装置320における普通図柄表示の表示結果に基づき作動する。普通図柄表示装置320は、上下に設けた2つのLEDの点灯によって普通図柄表示を行い、例えば、上側のLEDの点灯が「当り」、下側のLEDの点灯が「外れ」と割り当てられている。普通図柄表示の結果が「当り」に相当すると、前記始動入賞口21の各可動片が、通常の縮状態から拡状態に所定時間の経過または所定個数の遊技球が入賞するまで作動する。なお、前記2つのLEDの点灯以外にも普通図柄表示として、7セグメント表示器を使用したり、変動表示装置310の表示領域の一部に表示しても良い。
普通図柄表示装置320では、ゲートスイッチ125により遊技球の通過が検出されると、普通図柄表示の権利が獲得され、該権利に基づいて普通図柄表示が行われる。普通図柄表示装置320の上下のLEDの交互点滅によって普通図柄表示は開始され、所定時間が経過して停止すると上下何れか一方の点灯表示となり、遊技者は表示結果を目視により確認することができる。
普通図柄表示装置320における普通図柄表示の実行中に、ゲートスイッチ125によって遊技球の通過が検出された場合は、普通図柄表示装置320における普通図柄表示の権利を獲得するが保留とされ、現在進行中の普通図柄表示が終了した後、保留にされた権利が順次消化される。普通図柄表示の保留数は例えば上限値4個であり、普通図柄表示装置320の周囲にある普通図柄保留LEDの点灯によって報知される。
始動入賞口21に遊技球が入賞することが、次述する変動表示装置310で変動表示が実行されるための「始動条件」として設定されている。始動入賞口21の内部にある始動入賞口スイッチ121によって遊技球の入賞が検出されると、変動表示装置310において変動表示を実行するための始動記憶が記憶され、該始動記憶に基づき変動表示が順次実行される。
変動表示装置310は、液晶ユニットを有して成り、該液晶ユニットの表示部311には、変動表示の表示結果に係る複数の識別情報(装飾図柄)、複数の始動記憶表示領域313a〜313dを有する始動記憶表示部312、一連の表示上の演出である連続演出等に係る各種画像を表示することができる。なお、変動表示装置310は、液晶ユニット以外にも、各種画像を表示可能なものであれば、他に例えば、CRT(陰極線管)表示器、有機ELディスプレー表示器等により構成しても良い。
図5に示すように変動表示は、始動条件の成立に基づき開始されると、表示部311に基本的には横一列に左側の装飾図柄、右側の装飾図柄、中央の装飾図柄と3つの識別情報が並ぶように表示され、各列毎に識別情報はスクロール変動する。変動開始から所定時間が経過すると、各列毎に1つずつ任意の識別情報が停止確定する。変動表示の実行中には、識別情報の変動表示に合わせて、キャラクタ画像や背景画像等も表示部311に適宜表示される。なお、変動表示する識別情報の数は横3列に限られるものではなく、他に例えば、縦横に複数ずつ並べてマトリックス状に変動表示させても良い。
前記変動表示に関して、その開始から表示結果が導出されるまでの表示態様には、変動時間や表示内容がそれぞれ異なる複数種類の変動パターンが予め用意されている。この変動パターンには、前記変動表示の開始から表示結果を導出するまでの間に、擬似的に前記3つの識別情報(装飾図柄)を停止表示ないし変動開始を繰り返すことで、1の始動記憶に対して複数回の擬似変動表示を実行するための特定変動パターンが含まれている。
何れの変動パターンに関しても、変動表示の表示結果として、停止確定した識別情報が、予め定めた特定の組み合わせ(例えば「333」等と全て同一種類に揃った状態)となった場合が「特別表示結果(大当り)」と定められている。また、特別表示結果が確定する前に、特別表示結果となる識別情報の組み合わせのうち、1つの識別情報を除く他の識別情報が特別表示結果となる組み合わせとなり、前記1つの識別情報が未確定である状態が「リーチ表示」に相当する。
図9に示すように、具体的な変動パターンとしては、リーチ表示が出現しない「通常変動(変動番号1)」の他、基本的なリーチ表示を含む「ノーマルリーチ(変動番号2,3)」と、該ノーマルリーチよりも特別表示結果となる信頼度が高く設定された「リーチA(変動番号4,5)」が用意されている。また、前記特定変動パターンに相当するものとして、「リーチA/トリプル(変動番号6,8)」および「リーチA/フォース(変動番号7,9)」が用意されている。リーチ表示を含む各変動パターンには、それぞれの変動パターン毎に、特別表示結果となる「当り」と、特別表示結果とならない「外れ」が用意されている。
ここで「特定変動パターン」は、本来の変動表示の開始から表示結果を導出するまでの間に、擬似的に3つの識別情報(装飾図柄)を停止表示ないし変動開始を繰り返すことで、1の始動記憶に対して複数回の擬似変動表示を実行するものであり、「リーチA/トリプル(変動番号6,8)」では3回の擬似変動表示が繰り返され、「リーチA/フォース(変動番号7,9)」では4回の擬似変動表示が繰り返されるように設定されている。特定変動パターンの具体的な表示内容について詳しくは後述する。
前記変動表示の実行中あるいは後述する特別遊技状態の発生中に、前記始動入賞口21に遊技球が入賞した場合には、記憶された始動記憶は一旦保留され、現在進行中の変動表示等が終了した後、保留されていた始動記憶が順次消化されるようになっている。始動記憶が記憶される上限値は例えば4個と設定されており、記憶されている各始動記憶は、遊技者が目視できるように始動記憶表示部312によって表示される。
図5に示すように、始動記憶表示部312は、表示部311の片隅に表示されるものであり、記憶されている各始動記憶を個別に表示するための複数の始動記憶表示領域313a〜313dを有する。始動記憶表示領域313a〜313dの個数は、始動記憶が記憶される上限値と一致しており、本実施の形態では4個設けられている。なお、始動記憶表示部312を表示部311上に表示するのではなく、変動表示装置310とは別の表示装置として独立させて構成しても良い。
始動記憶表示部312では、図5中で左側から始動記憶表示領域313a→始動記憶表示領域313b→始動記憶表示領域313c→始動記憶表示領域313dの順番で、累積的に記憶された始動記憶の数に応じて点灯するように表示される。点灯の表示制御において、左端の始動記憶表示領域313aの点灯は、常に最先(最も古い)に記憶された始動記憶に対応し、始動記憶が増える度に、図5中で右側へ向かって各始動記憶表示領域313a〜dが順に点灯する。一方、変動表示の実行に基づき、最先の始動記憶から順に消化され、これに伴って、右側の最も新しい始動記憶に相当する始動記憶表示領域313a〜dから左側に向かって順に消灯するように表示制御される。
また、前記変動表示の開始に際して、前記変動パターンとして特定変動パターンが決定されていると共に、未消化の始動記憶が所定数以上記憶されていることを条件に、複数回の擬似変動表示に亘り、一連の表示上の演出である連続演出が実行可能となっている。図9に示すように、特定変動パターン(変動番号6〜9)毎に、始動記憶数に応じて、連続演出(図中では「疑似連続予告」)を実行する確率は異なるように予め定められている。
連続演出は、複数回の擬似変動表示毎に、記憶順番の新しい始動記憶を表示する始動記憶表示領域313a〜dから記憶順番の古い始動記憶を表示する始動記憶表示領域313a〜dに向けて順に、各始動記憶表示領域313a〜dを特定可能な表示態様で表示されるものであり、具体的には例えば図5に示すように、各始動記憶表示領域313a〜dの位置を特定する演出用アイテム314から成る。
詳しくは後述するが、各始動記憶表示領域313a〜dの位置を特定する演出用アイテム314を、始動記憶表示領域313a〜dとは別に表示することにより、前記連続演出は実行される。また、演出用アイテム314の表示位置は、前記擬似変動表示の停止中に、記憶順番の古い始動記憶を表示する始動記憶表示領域313a〜dに向けて移動表示される。従って、演出用アイテム314の表示位置によって、擬似変動表示が実行される回数を示唆することができるようになっている。
また、演出用アイテム314の表示内容は、図5に示すように、基本的には六角形の枠の中に「大当り(またはリーチ)」の文字が入っているものである。演出用アイテム314の表示内容によって、前記変動表示の表示結果として特別表示結果が導出される可能性の高さが示唆されるようになっている。すなわち、本実施の形態では、演出用アイテム314のうち「大当り」の文字を含む方が、「リーチ」の文字を含む方よりも、特別表示結果が導出される可能性が高いように設定されている。
さらに、演出用アイテム314の表示内容は、該演出用アイテム314の表示位置の変更に伴って別の種類に変化し得る。すなわち、擬似変動表示の停止中に、「リーチ」から「大当り」の文字に変化する場合がある。このような表示内容の変化は、図10に示すように「途中昇格」と称され、変化するか否か、および変化する場合には何回目の擬似変動表示の停止中に変化するかの確率は、特定変動パターンの種類(変動番号6〜9)毎に予め定められている。
前記変動表示の表示結果が最終的に特別表示結果に確定すると、次述する大入賞口24が所定回数を限度に繰り返し開閉する特別遊技状態が発生するように設定されている。一方、変動表示の表示結果が、最終的に特別表示結果に確定しなかった場合は、「外れ表示結果(外れ)」に該当し、特別遊技状態は発生しない。なお、変動表示に用いる識別情報は、0〜9の数字や記号等の単純な装飾図柄に限定されるものではなく、例えば特定のキャラクタを模した装飾図柄を用いても良い。
また、前記変動表示の表示結果が、識別情報のうち確変図柄(例えば奇数図柄「1」、「3」、「5」、「7」、「9」)の何れかで全て同一種類に揃う特別表示結果(確変大当り)に確定した場合には、高確率状態を伴う特別遊技状態が発生することになる。すなわち、確変図柄で揃った特別表示結果(確率変動大当り)が確定すると、これに基づき発生した特別遊技状態が終了した後、次回の特別遊技状態が発生するまで、変動表示の表示結果が特別表示結果に確定する大当り確率が高確率に変化する。
このように、通常の遊技状態(低確率状態)に比べて、特別表示結果に確定する大当り確率が高まった遊技状態が、特別遊技状態としての高確率状態(または「確変状態」、「確変モード」とも言う。)である。また、高確率状態中には、変動表示装置310における変動表示の変動時間が短縮される時間短縮状態(または「時短状態」、「時短モード」とも言う。)も併せて発生するように設定しても良い。さらに、時間短縮状態では、前記普通図柄表示装置320における普通図柄表示の変動時間も短縮されるように設定しても良い。
一方、前記変動表示の表示結果が、識別情報のうち非確変図柄(例えば偶数図柄「0」、「2」、「4」、「6」、「8」)の何れかで全て同一種類に揃う特別表示結果(非確率変動大当り)に確定した場合には、高確率状態を伴わない特別遊技状態が発生することになる。ここで、非確変図柄で揃った特別表示結果(非確変大当り)が確定すると、これに基づき発生した特別遊技状態が終了した後、所定回数(例えば100回)を限度に、次回以降の変動表示および普通図柄表示における変動時間が短縮されるように設定しても良い。
前記特別図柄表示装置301は、前記変動表示装置310で実行される変動表示の表示結果の基となる大当り判定結果、および確率変動大当りまたは非確率変動大当りの区別が可能な特別図柄を変動表示した後、停止確定させるものである。特別図柄表示装置301は、具体的には例えば、7セグメントLED等を利用して構成されている。特別図柄表示装置301における特別図柄表示の実行に併せて、前記変動表示装置310における変動表示が実行されることになる。
大入賞口24は、一般にアタッカーと称され、大入賞口ソレノイド134の作動により、遊技球の入賞し易い開状態と、遊技球の入賞が不可能な通常の閉状態とに変化するように構成されている。大入賞口24の入賞口を開閉する扉は、その下端を揺動中心として前方に傾倒することで開くようになっている。大入賞口24は、前記変動表示の表示結果として前述した特別表示結果が導出された場合に、特別遊技状態を形成すべく大入賞口ソレノイド134によって開閉制御される。
特別遊技状態は、大入賞口24の扉が開いて遊技球が入賞し易い開状態となり、所定時間(例えば25秒)の経過または遊技球の所定個数(例えば9個)の入賞により扉が閉鎖されて入賞し難い閉状態となる動作を、所定の回数(例えば15ラウンド)を上限に繰り返す状態である。
次に、遊技機1の制御に用いられる各種制御基板について説明する。
図2は、遊技機1の制御に用いられる各種制御基板および関連する構成要素を示すブロック図である。図2に示すように、本実施の形態では制御基板として、主基板1100、演出制御基板1200、払出制御基板1300、発射制御基板1400、電源基板1500等を有している。
主基板1100は、遊技機1全体の制御を掌る制御基板であり、演出制御基板1200は、変動表示装置310の表示制御、LED・ランプの点灯制御、音声の出力制御をそれぞれ統括して行う制御基板である。主基板1100は、本発明の根幹に関わる機能として、始動記憶手段を備えている。始動記憶手段は、始動条件が成立する度に、変動表示を実行するための始動記憶を1ずつ上限値まで記憶すると共に、変動表示の開始に基づき、始動記憶を1ずつ消去する機能である。
演出制御基板1200は、本発明の根幹に関わる機能として、連続演出実行手段を備えている。連続演出実行手段は、変動表示の開始に際して、変動パターンとして特定変動パターンが決定されていると共に、前記始動記憶手段に未消化の始動記憶が所定数として3以上記憶されていることを条件に、複数回の擬似変動表示に亘り連続演出を実行可能な機能である。
図3は、主基板1100の詳細を示している。主基板1100は、主基板1100内部のクロック回路1110が生成するクロックを基準に動作する。また、クロック回路1110が生成したクロックを内部タイマー1107で分周して得た一定時間間隔の割り込み信号をCPU1102に入力することで、一定時間毎に該CPU1102でタイマー割り込み処理を実行する。CPU1102は、タイマー設定時間の間隔よりも短い時間で終了するように分割した処理を割り込み毎に実行することで一連の動作を遂行する。
始動入賞口スイッチ121、上袖入賞口スイッチ122a、下袖入賞口スイッチ122b、右落とし入賞口スイッチ123a、左落とし入賞口スイッチ123b、カウントスイッチ124、ゲートスイッチ125は、それぞれ遊技球の入賞を検出するためのスイッチであり、これらのスイッチからの入力信号は、入力インターフェイス回路1115aに入力される。シュート球切れスイッチ131、ガラス枠開放検出スイッチ132、オーバーフロースイッチ133からの各入力信号は、入力インターフェイス回路1115bに入力される。
入力インターフェイス回路1115a、1115bのアドレスは、CPU1102のアドレス空間にメモリマップドI/O方式で設定されている。CPU1102が出力するアドレス信号およびリード/ライトの制御信号を、CPU1102が出力するシステムクロックに従って、アドレスデコード回路1113でデコードすることによりチップセレクト信号を生成する。
前記チップセレクト信号にて、入力インターフェイス回路1115a,1115bがセレクトされると、始動入賞口スイッチ121等からの各入力信号が各入力インターフェイス回路1115a,1115bを通じてデータバスに出力される。データバス上の各入力信号は、一定時間毎に発生する割り込み信号によって、次の割り込み処理が実行されるまでの間に複数回検出されてチャタリング防止処理が行われた後、入力信号毎に指定されたRAM領域(RAM1104)に記憶される。
始動入賞口スイッチ121からの入力信号は5個賞球の賞球信号として、また上袖入賞口スイッチ122a、下袖入賞口スイッチ122b、右落とし入賞口スイッチ123a、左落とし入賞口スイッチ123bからの入力信号はそれぞれ8個賞球の賞球信号として、さらに、カウントスイッチ124からの入力信号は15個賞球の賞球信号として扱われ、それぞれのスイッチで検出された入賞個数が指定された各RAM領域に記憶される。またこれと同時に、賞球総数がCPU1102で演算処理され、指定のRAM領域に記憶される。なお、各入賞口に設けられたスイッチの賞球払い出し数は、固定となっているが、遊技機の仕様により払い出し個数を変更することができる。
その他、始動入賞口スイッチ121、ゲートスイッチ125からの入力信号に対してそれぞれ乱数値を取得し、これらの値がRAM領域の各乱数値記憶領域に記憶され、このデータを基にして、遊技機1の遊技状態や遊技演出等が設定され、各制御基板に遊技状態や遊技演出等のデータが順次出力される。各制御基板への出力データは、データバスの途中に設けたバッファ1114を通り、さらに出力データバスを通してラッチ回路1116a〜1116eに出力される。出力用のラッチ回路1116a〜1116eとCPU1102とを結ぶデータバスの途中に、バッファ1114を配置することでバス信号が一方向の流れになり、不正防止の対策となる。
始動入賞口スイッチ5個賞球RAM領域、上下袖入賞口スイッチ、左右落とし入賞口スイッチ8個賞球RAM領域、カウントスイッチ15個賞球RAM領域にデータがあることにより、CPU1102は、各賞球数に設定された8ビット賞球データを順次、データバス、出力データバスを通じてラッチ回路1116aに出力する。これと同調するように払出制御基板1300に対する割り込み信号、ストローブ信号の制御信号をデータバス、出力データバスを通じてラッチ回路1116cに出力する。
メモリマップドI/Oで制御されたアドレスデコード回路1113でデコードして得たチップセレクト信号がラッチ回路1116a、ラッチ回路1116cに順次出力されると、8ビット賞球データがラッチ回路1116aに、割り込み信号、ストローブ信号の制御信号がラッチ回路1116cにそれぞれラッチされ、8ビットパラレル賞球出力信号と割り込み信号、ストローブ信号の2ビットの制御信号で構成された出力信号が、払出制御基板1300に賞球データとして出力される。
賞球データが入力された払出制御基板1300は、球排出機構を制御して、入力された賞球データに対応した数の賞球排出を行う。実際に払い出された賞球総数はCPU1102で演算処理され、その値がRAM領域(RAM1104)の記憶データから減算処理され、リアルタイムに賞球総数のデータが更新される。また、排出賞球数の設定数毎に出力信号がラッチ回路1116dに出力され、アドレスデコード回路1113のチップセレクト信号に同期して外部へパルス出力され、枠用外部出力端子板1600を介して管理用コンピュータ(図示せず)等に出力される。
始動入賞口スイッチ121、ゲートスイッチ125の入力信号に対応した乱数値が格納されているRAM領域(RAM1104)に乱数値が記憶されている場合は、普通図柄表示装置320、変動表示装置310における表示の開始直前に前述した変動パターンコマンド等が決定され、該決定された変動パターンコマンド等を演出制御基板1200に送信すると共に、決定された情報をRAM領域(RAM1104)に記憶する。
普通図柄に係わる乱数値が記憶されている場合は、普通図柄表示装置320の普通図柄表示を実行するための表示制御データが生成され、表示制御データがCPU1102からデータバスを通じてラッチ回路1116eに出力される。そして、アドレスデコード回路1113からチップセレクト信号が出力される毎に、前記普通図柄表示装置320において普通図柄表示が一定時間行われる。
普通図柄表示装置320の表示結果が当りの場合には、前記始動入賞口21の各可動片を拡開動作させる普通電動役物ソレノイド135の制動データが、CPU1102からラッチ回路1116eに出力されると共に、アドレスデコード回路1113からのチップセレクト信号に応じて、ラッチ回路1116eから一定時間出力されて普通電動役物ソレノイド135が制御される。それにより、始動入賞口21が拡状態となり、遊技球が入賞し易い状態が発生する。
始動入賞口21に係わる乱数値(始動記憶)が記憶されている場合は、変動表示装置310の変動表示を行わせるため演出制御基板1200に、前記変動パターンコマンドとこれに対応して停止図柄を定める各停止図柄等に関するデータが、時系列にラッチ回路1116bを介して、演出制御基板1200へ演出出力データとして順次出力され、演出制御基板1200を制御する。また、LED・ランプの点灯演出や音声演出も同調して実行されるようになっている。
特別遊技状態が発生する場合、大入賞口ソレノイド134の制御データがラッチ回路1116eに出力され、かつアドレスデコード回路1113からのチップセレクト信号がラッチ回路1116eに入力される。これによりラッチ回路1116eから大入賞口ソレノイド134の制御データが出力されて、大入賞口ソレノイド134が駆動され、大入賞口24が開閉状態となって遊技球を大入賞口24内に誘導可能となる。
大入賞口24内に配置されたカウントスイッチ124により、入賞した遊技球が計数される。カウントスイッチ124で計数されたデータの総合計数が所定の数量に到達すると、ラッチ回路1116eの出力データが変更され、大入賞口ソレノイド134が非能動状態になり、1回のラウンドが終了する。その後、未だ上限ラウンド回数に到達していない場合には、大当りラウンドがさらに継続することになる。
遊技機1に電源が供給されると、電源基板1500よりリセット信号が供給され、主基板1100の各デバイスはリセット状態になる。その後システムリセット信号が非能動状態となり、各デバイスは能動状態に遷移する。システムリセット信号が非能動状態に信号変化すると、クロック同期・遅延回路1111による遅延処理により一定時間の経過後にワンチップマイコン1101へのリセット信号が非能動となる。これによりワンチップマイコン1101が稼動状態になり、主基板1100の動作状態が保たれる。その後、ワンチップマイコン1101の初期設定が行われる。
遊技機外部供給の電源が不安定な場合には、電源基板1500から停電検出信号がワンチップマイコン1101のNMI(ノンマスカブルインターラプト)1105に供給され、ワンチップマイコン1101において各記憶領域の退避動作が行われる。具体的には、一定時間に亘って賞球検出データの検出を行った後、RAM1104に停電処理判定のデータを保存し、RAM1104の保護を行う。すなわち、電源電圧が低下することで、電源基板1500からRAM1104にバックアップ電源DC5VBBが供給され、RAM1104の記憶状態が保持される。
電源が次に供給された時、停電処理判定のデータの有無に基づき停電処理のあったことを認識すると、ワンチップマイコン1101は停電復旧処理を行う。初期設定の時、RAM初期化信号が能動状態であれば、CPU1102はI/Oポート1106のデータを検出してRAM1104の初期化を行う。シュート球切れスイッチ131で球切れを検出した信号、およびオーバーフロースイッチ133で遊技機1の下受け皿6にて賞球の球詰まりを検出した信号は、入力インターフェイス回路1115bおよびデータバスを通じてワンチップマイコン1101に取り込まれる。
次に、図4に示す演出制御基板1200について説明する。
演出制御基板1200は、遊技領域3内に配設された変動表示装置310における変動表示や、遊技盤2やガラス枠4に設置された各種LED・ランプの点滅、スピーカ510での音声、効果音、遊技機1の異常状態を知らせるための警告音等に関する制御を行うものである。
演出制御基板1200は、マイクロコンピュータ1201を動作させるクロック発信器1216と、演出制御を実行することで取得した情報を一時記憶するための制御用RAM1211と、演出出力データに基づき演出制御を実行するための制御プログラムが記憶された制御用ROM1210を有し、主基板1100からの制御情報を入力する入力インターフェイス1214を通して制御情報を取得し、取得した情報に基づき遊技演出を実行する。
マイクロコンピュータ1201は、クロック発信器1216が生成するクロックを基準に動作し、主基板1100からの制御情報が入力インターフェイス1214を通して、マイクロコンピュータ1201内のPIOa1206a、PIOj1206jに入力され、入力情報に基づき変動表示装置310での演出、各種ランプ・LEDでの光による演出、音による演出等を制御用ROM1210に記憶されたプログラムの手順で実行する。
電源基板1500からのリセット信号は、遊技機1に電源が投入されると、電源基板1500からマイクロコンピュータ1201に入力されて、制御ROM1210に記憶されている制御手順に従って、マイクロコンピュータ1201のリセットを行うと共に、演出制御基板1200の初期化を行うように設定されている。
演出制御基板1200は、画像処理部と、ランプ・LED駆動回路部と、音声制御部とを有し、マイクロコンピュータ1201は、それぞれを主基板1100からの制御信号に基づいて制御する。先ず、画像処理部は、変動表示装置310上での演出を行う部位であり、前記マイクロコンピュータ1201は、各制御信号に基づいて画像制御IC1201へ具体的な指示を行う。画像制御IC1201は、クロック発信器1216のクロック信号を基準に動作する。
画像制御IC1201は、マイクロコンピュータ1201からの制御情報に従って、画像データROM1222の画像データを入手し、具体的な映像信号を生成し、変動表示装置310へ出力する。図4では、画像制御IC1201が生成した画像データやパレット(色)情報等を一時的に記憶する領域であるVRAMが図示されていないが、画像制御IC1201の内部にVRAMを内蔵した画像制御ICで構成してある。なお、前記変動パターン毎の表示内容に関する画像データは、画像データROM1222に記憶されている。
画像補正IC1221は、画像制御IC1201からの入力画像信号(アナログR,G,B信号、水平、垂直同期信号)を変動表示装置310用に補正して出力する。電源生成回路1224a〜1224fは、電源基板1500からの電源に基づいてDC13V,23V,−5V,3.3V,2.5Vの各電圧を画像処理部へと供給することにより、画像制御IC1201、画像補正IC1221を駆動する。
また、前記ランプ・LED駆動回路部は、光による演出制御を行う部位であり、遊技機1および遊技盤2上に設置されたランプ・LEDによる具体的な演出を行わせる、LED駆動回路1340a〜1340cと、駆動回路1341を通し実行される。CPU1202の制御に従いPIOb1206b〜PIOe1206e(パラレルI/O)を通し、LED駆動回路a1340a、LED駆動回路b1340b、LED駆動回路c1340cと、駆動回路1341に制御信号を出力して、各駆動回路がランプ・LEDを動作させる。
さらに、前記音声制御部は、音による演出を行う部位であり、前記マイクロコンピュータ1201は、遊技機1に設置されたスピーカ510に具体的な演出を行わせるため、音声制御IC1350に制御情報を出力する。音声制御IC1350は、クロック発信器1216のクロック信号を分周器1217で分周し、音声制御IC1350の動作クロックとして使用する。また、マイクロコンピュータ1201の制御情報に従い、音声データROM1351の音声データを入手し、具体的な音声信号を生成し、スピーカ510へと出力する。
前記CPU1202は、パラレルI/OであるPIOf1206f、PIOg1206gを通して、音声制御IC1350に音による制御情報を出力する。PIOf1206fは、データを出力し、PIOg1206gは、制御信号(チップセレクト、リード、ライト等)を出力する。音声制御IC1350は、マイクロコンピュータ1201からの制御情報に基づき、音声データROM1351のデータを入手し音声信号に変換する。
また、擬音や効果音等は、音声制御IC1350に内蔵された発信器で作られ出力される。音声制御IC1350からの音声信号は、フィルター1352で出力電圧調整を行い音声以外のノイズ成分を除去してアンプ1353へと出力され、アンプ1353によりスピーカ駆動可能な電圧レベルに増幅され、スピーカ510から音として出力される。
以下に、本実施の形態に係る遊技機1の作用について説明する。
先ず、図12に示すフローチャートに沿って、主基板1100により実行される通常処理について説明する。遊技が開始されて、遊技領域3に発射された遊技球が始動入賞口21に入賞すると(ステップS101;Y)、始動入賞口スイッチ121によって検出され、主基板1100に検出信号が出力される。この検出信号に基づき、現在記憶されている始動記憶数が上限値(例えば4)未満であるか否かを判定する(ステップS102)。
始動記憶数が上限値未満でなければ(ステップS102;N)、始動記憶手段は、今回の始動条件の成立に基づく始動記憶の記憶は行わずに処理を終了するが、始動記憶数が上限値未満であれば(ステップS102;Y)、始動記憶数のインクリメントを行い(ステップS103)、始動記憶数データを演出制御基板1200に送信する(ステップS104)。なお、演出制御基板1200が始動記憶数データを受信すると、始動記憶表示部312の始動記憶表示領域313a〜dが1つ点灯し、また変動表示の開始に伴い1つ消灯する。
そして、大当り判定用乱数を取得して(ステップS105)、大当り図柄乱数も取得する(ステップS106)。続いて、大当りフラグがONであるか否かを判定する(ステップS107)。後述するが、大当り判定用乱数が所定の大当り乱数の何れかと一致すれば、大当りと判定されて大当りフラグがONにセットされる。大当りフラグがONであれば(ステップS107;Y)、そのまま処理を終了し、大当りフラグがONでなければ(ステップS107;N)、変動表示の実行中であるか否かを判定する(ステップS108)。
変動表示の実行中でなければ(ステップS108;N)、停止図柄表示時間中であるか否かを判定する(ステップS109)。ここで停止図柄表示時間とは、予め定められた変動時間だけ実行する変動表示の終了時から特別遊技状態の開始時までに、変動表示装置310に装飾図柄を停止表示している時間を意味する。変動表示の実行中であれば(ステップS108;Y)、変動時間が経過したか否かを判定し(ステップS121)、変動時間が経過してなければ(ステップS121;N)、そのまま処理を終了する。変動時間が経過していれば(ステップS121;Y)、停止図柄表示時間を設定する(ステップS122)。
また、前記停止図柄表示時間中であるか否かの判定において、停止図柄表示時間中であれば(ステップS109;Y)、停止図柄表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS123)。ここで停止図柄表示時間が経過してなければ(ステップS123;N)、そのまま処理を終了し、停止図柄表示時間が経過していれば(ステップS123;Y)、大当り判定用乱数が大当り乱数であるか否かを判定する(ステップS124)。
大当り判定用乱数が大当り乱数に相当していなければ(ステップS124;N)、そのまま処理を終了し、大当り判定用乱数が大当り乱数に相当していれば(ステップS124;Y)、大当りフラグをONにセットし(ステップS125)、図13に示す大当り処理へ移行する。
また、前記停止図柄表示時間中であるか否かの判定において、停止図柄表示時間中でなければ(ステップS109;N)、現時点における始動記憶数の有無を判定する(ステップS110)。ここで始動記憶数が「0」でなければ(ステップS110;Y)、大当り判定用乱数が大当り乱数であるか否かを判定し(ステップS111)、始動記憶数が「0」であれば(ステップS110;N)、そのまま処理を終了する。
大当り判定用乱数が大当り乱数に相当すれば(ステップS111;Y)、大当り図柄乱数に基づいて大当り用停止図柄を記憶する(ステップS112)。一方、大当り判定用乱数が大当り乱数に相当しなければ(ステップS111;N)、外れ用停止図柄を記憶する(ステップS113)。なお、大当り判定用乱数が大当り乱数であるか否かの判定時に、高確率状態中であれば、高い確率で大当り判定用乱数が大当り乱数に相当し、通常の低確率状態中であれば、低い確率で大当り判定用乱数が大当り乱数に相当することになる。
続いて、変動パターン乱数を取得する(ステップS114)。ここで、先に取得した大当り判定用乱数が大当り乱数に相当していれば(ステップS115;Y)、大当りに対応した変動パターンを判定して(ステップS116)、今回の変動表示における変動パターンを決定する(ステップS118)。一方、大当り判定用乱数が大当り乱数でなければ(ステップS115;N)、外れに対応した変動パターンを判定して(ステップS117)、今回の変動表示における変動パターンを決定する(ステップS118)。さらに、変動パターンに対応付けられた変動時間を設定して(ステップS119)、変動開始時データとして停止図柄データと変動パターンデータを演出制御基板1200に送信して(ステップS120)、通常処理を終了する。
このように主基板1100により決定された変動パターンデータには、前述した図9に示すように、変動表示の表示態様をそれぞれ定める複数種類が用意されており、特定変動パターンとして、「リーチA/トリプル(変動番号6,8)」および「リーチA/フォース(変動番号7,9)」が含まれている。
特定変動パターン(変動番号6〜9)は疑似変動表示を指示するものであり、この特定変動パターンがステップS118で抽出された場合、図14に基づき後述するが演出制御基板1200は、変動表示の開始直前に、ステップS104で主基板1100から送信された始動記憶数データを参照して始動記憶数を判定し、始動記憶が所定数(3つ)以上記憶されていることを条件に、連続演出を実行するか否かを抽選により決定することになる。
次に、図13に示すフローチャートに沿って、主基板1100により実行される大当り処理について説明する。最初に大当りフラグがONであるか否かを判定して(ステップS201)、大当りフラグがONであった場合は(ステップS201;Y)、続いて、連続作動回数(ラウンド数)が上限値未満であるか否かを判定する(ステップS202)。大当りフラグがONでなかった場合は(ステップS201;N)、そのまま処理を終了する。
連続作動回数(ラウンド数)が上限値未満であれば(ステップS202;Y)、大当り中処理を行って(ステップS203)、再び連続作動回数(ラウンド数)が上限値未満であるか否かを判定する(ステップS202)。一方、連続作動回数(ラウンド数)が上限値に達した場合には(ステップS202;N)、大当りフラグをOFFにして(ステップS204)、大当り処理を終了する。
次に、図14に示すフローチャートに沿って、演出制御基板1200により実行される変動開始処理1について説明する。変動開始処理1では、先ず主基板1100から送信された変動開始時データを受信しているか否かを判定する(ステップS301)。ここで変動開始時データを受信していなければ(ステップS301;N)、そのまま処理を終了し、受信していれば(ステップS301;Y)、変動開始時データが特定変動パターンに対応する変動パターン番号であるか否かを判定する(ステップS302)。
特定変動パターンに対応する変動パターン番号であった場合には(ステップS302;Y)、続いて始動記憶数が2つ以下であるか否かを判定する(ステップS303)。一方、特定変動パターンに対応する変動パターン番号でなかった場合には(ステップS302;N)、擬似変動表示以外の表示態様に相当する変動表示を変動表示装置310で開始する(ステップS312)。特定変動パターンに対応する変動パターン番号は、図9に示すように、変動番号6〜9が該当する。
始動記憶数の判定において、2つ以下であった場合には(ステップS303;Y)、前記連続演出実行手段による判定において、未消化の始動記憶が所定数(3つ)以上記憶されているという条件を満たさないので、連続演出の実行を伴わない擬似変動表示を変動表示装置310で開始する(ステップS311)。一方、始動記憶数が2つ以下でない、すなわち3つ以上と判定された場合には(ステップS303;N)、続いて始動記憶数が所定数3つであるか否かを判定する(ステップS304)。
始動記憶数が所定数3つであった場合には(ステップS304;Y)、始動記憶3個用の選択確率で疑似連続予告としての連続演出を実行するか否かを決定する(ステップS305)。また、始動記憶数が所定数3つでない、すなわち4つであった場合には(ステップS304;N)、始動記憶4個用の選択確率で疑似連続予告としての連続演出を実行するか否かを決定する(ステップS306)。
図9に示すように、特定変動パターンの種類(変動番号6〜9)毎に、所定数(3つ)以上の始動記憶数に応じて、連続演出(図中では「疑似連続予告」)を実行する確率は予め定められている。具体的には例えば、図9に示した「リーチA外れ/トリプル(変動番号6)」の場合、始動記憶数が3つであれば、連続演出を実行する確率は256分の128であり、始動記憶数が4つであれば、連続演出を実行する確率は256分の64と定められている。
このように、変動表示の開始に際して、特定変動パターンが決定されていると共に、未消化の始動記憶が所定数(3つ)以上記憶されている条件を満たしても、連続演出実行手段は、必ずしも連続演出を実行するわけではない。疑似連続予告の実行が決定されなかった場合には(ステップS307;N)、前記条件を満たさなかった場合と同様に、連続演出の実行を伴わない擬似変動表示を変動表示装置310で開始する(ステップS310)。
なお、前記条件を満たした場合には、擬似変動表示に伴って必ず連続演出を実行するように設定してもかまわない。また、本実施の形態では、始動記憶の数に応じて、連続演出が実行され易かったり、あるいは実行され難かったりと、始動記憶の数と連続演出の選択確率とに偏りのある相関関係を持たせたことで、より変化に富んだ表示上の演出を実現することができる。
そして、疑似連続予告の実行が決定された場合は(ステップS307;Y)、擬似変動表示における繰り返し変動回数に応じて疑似連続予告情報を設定し(ステップS308)、連続演出の実行を伴う擬似変動表示を変動表示装置310で開始する(ステップS309)。ここで疑似連続予告情報の設定とは、図10に示すように、疑似連続予告をなす演出用アイテム314の表示内容の種類、および該表示内容の種類が途中で別の種類に変化するか否か、さらに途中で変化する場合には、どのタイミングで変化するかに関する情報の設定である。
図10に示すように、前述したが演出用アイテム314の表示内容としては、「リーチ」と「大当り」の2種類がある。変動パターンとして「リーチA当り/フォース(変動番号9)」が選択されている場合に、表示内容が途中で変化せず(図10中では「途中昇格(リーチ→大当り)無し」)、演出用アイテム314が「リーチ」となる確率は256分の128であり、「大当り」となる確率は256分の64と定められている。
また、同じく変動パターンとして「リーチA当り/フォース(変動番号9)」が選択されている場合において、表示内容が途中で変化し(図10中では「途中昇格(リーチ→大当り)有り」)、1回目の擬似変動表示後に変化する確率は256分の8であり、2回目の擬似変動表示後に変化する確率は256分の24であり、3回目の擬似変動表示後に変化する確率は256分の32と定められている。
図6は、変動パターンが「リーチA外れ/トリプル(変動番号6)」であり、連続演出(擬似連続予告)の実行が決定され、かつ連続演出の表示内容が途中で変化しない(途中昇格(リーチ→大当り)無し)場合の変動表示全体の流れを示すタイミングチャートである。図6においては、変動表示の開始の際、その直前のタイミングAで、変動表示が実行中でなく、未消化の始動記憶があることを条件に、最も古い始動記憶の大当り判定と、変動パターンの抽出と、連続演出を実行するか否か等を、主基板1100が決定する。
図6中では、変動表示の開始直前のタイミングAで、始動記憶が4つ記憶されており、このうち最も古い始動記憶の消化に基づいて変動表示が開始される。始動記憶の消化に伴って、最も古い始動記憶に相当する始動記憶表示領域313aが消えるが、同時に各始動記憶表示領域313a〜dの点灯が左側に1つずつずれるため、結果として右端の始動記憶表示領域313dが消灯する。始動記憶の消化と同時に変動表示は開始され、当該開始時Bに、特別図柄表示装置301では特別図柄(図中では「本特図」)の表示が開始され、この特別図柄表示は、変動表示時間の終了時点Gまで継続する。
変動表示装置310では、特別図柄表示の開始Bから終了Gまでの間に、3回の疑似変動表示が繰り返し表示される。先ず1回目の疑似変動表示として、変動表示の開始時点Bから、3つの装飾図柄(左)、装飾図柄(中)、装飾図柄(右)が同時に変動を開始し、所定時間の経過後に装飾図柄(左)、装飾図柄(中)、装飾図柄(右)の順番で変動表示が停止する。最後の装飾図柄(右)が停止した時点Cが、1回目の疑似変動表示の終了時である。
このような1回目の疑似変動表示中に、一連の表示上の演出である連続演出(図中では「疑似連続予告」)が実行される。先ず連続演出として、六角形の枠の中に「リーチ」の文字が入った演出用アイテム314が、その時点で2番目に古い始動記憶に相当する始動記憶表示領域313bを特定するように表示される。演出用アイテム314は、始動記憶表示領域313a〜dとは別の表示により、各始動記憶表示領域313a〜dの位置を特定するので、始動記憶表示領域313a〜dに表示された始動記憶自体の表示態様が変化することがないので、始動記憶が消化されているような誤解が生じることがない。
1回目の疑似変動表示の停止時Cから2回目の疑似変動表示の開始時Dまでの擬似変動表示の停止中に、演出用アイテム314の表示位置は、記憶順番の古い始動記憶を表示する始動記憶表示領域313aに向かって移動する。これにより、演出用アイテム314は、最も古い始動記憶に相当する始動記憶表示領域313aを特定するように表示される。従って、2回目の疑似変動表示の停止時Eから3回目(最後)の疑似変動表示の開始時Fまでの擬似変動表示の停止中に、再び演出用アイテム314の表示位置が、記憶順番の古い始動記憶を特定するように移動することはない。
連続演出を実行する場合には、複数回の擬似変動表示毎に、記憶順番の新しい始動記憶を表示する始動記憶表示領域313a〜dから記憶順番の古い始動記憶を表示する始動記憶表示領域313a〜dに向けて順に、演出用アイテム314によって各始動記憶表示領域313a〜dを特定可能な表示態様となる。従って、未消化の始動記憶数に合わせて、擬似変動表示回数を厳密に対応させる必要がなく、所定数(例えば3)以上の複数回の擬似変動表示を行うための特定変動パターンが決定され、かつ、未消化の始動記憶が所定数以上であることを、連続演出の実行条件とすることが可能になり、各始動記憶数に対応して特定変動パターンのテーブルを持つ必要がなく、演出制御基板1200の負荷を軽減することが可能となる。
しかも、連続演出の実行中は、擬似変動表示毎に始動記憶を減算表示せずに、各始動記憶表示領域313a〜dを特定可能な表示態様で連続演出を実行するので、変動しているにも関わらず始動記憶が変化しないことへの違和感を解消しつつ、始動記憶表示に対する不信感を遊技者に与えることを防止することができる。なお、演出用アイテム314は、必ずしも、最も新しい始動記憶を表示する始動記憶表示領域(図6中では“313c”)から連続演出を開始する必要はない。
また、擬似変動表示の停止中に、演出用アイテム314の表示位置は、記憶順番の古い始動記憶を表示する始動記憶表示領域313a〜dに向けて移動する。これにより、擬似変動表示毎に、記憶順番の新しい始動記憶を表示する始動記憶表示領域313bから記憶順番の古い始動記憶を表示する始動記憶表示領域313aに演出用アイテム314の位置が変化していることを、遊技者が見逃し難い態様で連続演出を行うことができる。
疑似変動表示における詳しい変動時間は、各特定変動パターン(変動番号)毎のテーブルに基づき定められる。図11には、「リーチA外れ/トリプル(変動番号6)」に対応したテーブルを示している。かかるテーブル中のデータに基づき、リーチA外れ/トリプルの疑似変動表示においては、1回目の疑似変動表示(変動1)の変動時間は12秒間であり、停止1の時間値が13.5秒であることから、1回目の疑似変動表示後の停止時間は1.5秒間(=13.5−12秒)となる。
続いて、2回目の疑似変動表示(変動2)の時間値が23.5秒であることから、2回目の疑似変動表示の変動時間は10秒間(=23.5−13.5秒)であり、停止2の時間値が25秒であることから、2回目の疑似変動表示後の停止時間は1.5秒間(=25−23.5秒)となる。さらに、3回目の疑似変動表示(変動3)の時間値が35秒であることから、3回目の疑似変動表示の変動時間は10秒間(=35−25秒)となる。
図7は、変動パターンが「リーチA当り/フォース(変動番号9)」であり、連続演出(擬似連続予告)の実行が決定され、かつ連続演出の表示内容が途中で変化する(途中昇格(リーチ→大当り)有り)場合の変動表示全体の流れを示すタイミングチャートである。図7においては、変動表示の開始の際その直前のタイミングAで、変動表示が実行中でなく、未消化の始動記憶があることを条件に、最も古い始動記憶の大当り判定と、変動パターンの抽出と、連続演出を実行するか否か等を、主基板1100が決定する。
図7中では、変動表示の開始直前のタイミングAで、始動記憶が4つ記憶されており、このうち最も古い始動記憶の消化に基づいて変動表示が開始される。始動記憶の消化に伴って、最も古い始動記憶に相当する始動記憶表示領域313aが消えるが、同時に各始動記憶表示領域313a〜dの点灯が左側に1つずつずれるため、結果として右端の始動記憶表示領域313dが消灯する。始動記憶の消化と同時に変動表示は開始され、当該開始時Bに、特別図柄表示装置301では特別図柄(図中では「本特図」)の表示が開始され、この特別図柄表示は、変動表示時間の終了時点Iまで継続する。
変動表示装置310では、特別図柄表示の開始Bから終了Iまでの間に、4回の疑似変動表示が繰り返し変動表示される。先ず1回目の疑似変動表示として、変動表示の開始時点Bから、3つの装飾図柄(左)、装飾図柄(中)、装飾図柄(右)が同時に変動を開始し、所定時間の経過後に装飾図柄(左)、装飾図柄(中)、装飾図柄(右)の順で変動が停止する。最後の装飾図柄(右)が停止した時点Cが、1回目の疑似変動表示の終了時である。
このような1回目の疑似変動表示中に、一連の表示上の演出である連続演出(図中では「疑似連続予告」)が実行される。先ず連続演出として、六角形の枠の中に「リーチ」の文字が入った演出用アイテム314が、その時点で最も新しい始動記憶に相当する始動記憶表示領域313cを特定するように表示される。1回目の疑似変動表示の停止時Cから2回目の疑似変動表示の開始時Dまでの擬似変動表示の停止中に、演出用アイテム314の表示位置は、記憶順番の古い始動記憶を表示する始動記憶表示領域313bに向かって移動する。
続いて、2回目の疑似変動表示が開始され、その間に演出用アイテム314は始動記憶表示領域313bを特定するように表示されているが、2回目の疑似変動表示の停止時Eから3回目の疑似変動表示の開始時Fまでの擬似変動表示の停止中に、演出用アイテム314の表示位置は、さらに記憶順番の古い始動記憶を表示する始動記憶表示領域313aに向かって移動する。
この時、演出用アイテム314の表示位置の変更(移動表示中を含む。)に伴って、演出用アイテム314の表示内容は、六角形の枠の中に「リーチ」の文字が入ったものから「大当り」の文字が入ったものに変化する。これにより、連続演出の表示内容がバリエーションに富むものとなり、表示上の興趣を高めることができる。
その後、3回目の疑似変動表示が開始され、所定時間の経過後に停止して、さらに、4回目の疑似変動表示が開始されるが、3回目の疑似変動表示の停止時Gから4回目の疑似変動表示の開始時Hまでの擬似変動表示の停止中には、既に最も古い始動記憶に相当する始動記憶表示領域313aを特定している演出用アイテム314の表示位置が移動することはない。
ところで、演出用アイテム314の表示位置によって、前記擬似変動表示が実行される回数が示唆される。例えば、図6に示す例では、1回目の疑似変動表示中に演出用アイテム314は左から2番目の始動記憶表示領域313bを特定表示しており、この時点で後2回の擬似変動表示が表示されることが示唆され、2回目の疑似変動表示中に演出用アイテム314は左から1番目の始動記憶に相当する始動記憶表示領域313aを特定表示しており、この時点で後1回の擬似変動表示が表示されることが示唆される。
図7に示す例では、1回目の疑似変動表示中に演出用アイテム314は左から3番目の始動記憶表示領域313cを特定しており、この時点で後3回の擬似変動表示が表示されることが示唆され、2回目の疑似変動表示中に演出用アイテム314は左から2番目の始動記憶表示領域313bを特定しており、この時点で後2回の擬似変動表示が表示されることが示唆され、3回目の疑似変動表示中に演出用アイテム314は左から1番目の始動記憶表示領域313aを特定しており、この時点で後1回の擬似変動表示が表示されることが示唆される。
このように、連続演出により特定されている始動記憶表示領域313a〜dから最も古い始動記憶を表示する始動記憶表示領域313aまでの数により、あと何回の擬似変動表示を実行したら表示結果が導出されるかを知らせるための残り擬似変動表示回数報知手段としての機能を付加することで、表示上の興趣を高めることができる。なお、演出用アイテム314の表示位置は、演出制御基板1200の連続演出実行手段によって制御される。
さらに、演出用アイテム314の表示内容によって、前記変動表示の表示結果として特別表示結果が導出される可能性の高さが示唆される。例えば、図10に示す例では、変動パターンとして「リーチA外れ/トリプル(変動番号6)」や「リーチA外れ/フォース(変動番号7)」が選択されている場合には、演出用アイテム314の表示内容は必ず「リーチ」となり、「大当り」となることはない。
一方、変動パターンとして「リーチA当り/トリプル(変動番号8)」や「リーチA当り/フォース(変動番号9)」が選択されている場合には、演出用アイテム314の表示内容が「リーチ」となる確率は256分の128であり、最初から「大当り」となる確率は256分の64である。また、最初は「リーチ」で途中から「大当り」に変化する確率は、「リーチA当り/トリプル(変動番号8)」の場合は256分の64(=16+48)であり、「リーチA当り/フォース(変動番号9)」の場合も256分の64(=8+24+32)となる。
このように、演出用アイテム314の表示内容によって、変動表示の表示結果として特別表示結果が導出される可能性の高さを示唆することにより、複数回の擬似変動表示の終了後における表示結果が特別表示結果(大当り)となる可能性を連続的に予告することになり、遊技者の期待感を高めることができる。なお、演出用アイテム314の表示内容は、演出制御基板1200の連続演出実行手段によって制御される。
以上に説明した実施の形態では、連続演出実行手段は、前記変動表示の開始の際、変動パターンとして特定変動パターンが決定されているか否かと、未消化の始動記憶が所定数(3つ)以上記憶されているか否かを判定して、両方の条件を具備した場合にのみ、複数回の擬似変動表示に亘り連続演出を実行可能とするが、他の実施の形態として、前記変動表示の開始に際して、判定された未消化の始動記憶が所定数(3つ)よりも少なかった場合でも、予め定められた回数の擬似変動表示を実行した後に再度、未消化の始動記憶が所定数以上記憶されているか否かを判定するように制御しても良い。
かかる制御の場合には、前記連続演出実行手段は、再度の判定により未消化の始動記憶が所定数(3つ)以上記憶されていると判定されたことを条件に、前記予め定められた回数の擬似変動表示の次の回の擬似変動表示から連続演出を実行するように設定すると良い。このように、変動表示の開始後にも始動記憶数を判定することにより、連続演出の出現確率を高くすることができると共に、変動表示の開始後にも、始動条件を成立させる意義が生じることにより、遊技者による遊技の中断をなくすことができる。
以下、図15に示すフローチャートに沿って、演出制御基板1200により実行される別の実施の形態に係る変動開始処理2について説明する。図15中で破線で囲まれた部分が、前述した図14に示すフローチャートとは異なる内容となっている。変動開始処理2では、先ず変動開始時データを受信しているか否かを判定する(ステップS401)。変動開始時データを受信していなければ(ステップS401;N)、そのまま処理を終了し、受信していれば(ステップS401;Y)、変動開始時データが特定変動パターンに対応する変動パターン番号であるか否かを判定する(ステップS402)。
特定変動パターンに対応する変動パターン番号であった場合には(ステップS402;Y)、続いて始動記憶数が2つ以下であるか否かを判定する(ステップS403)。一方、特定変動パターンに対応する変動パターン番号でなかった場合には(ステップS402;N)、擬似変動表示以外の表示態様に相当する変動表示を変動表示装置310で開始する(ステップS411)。
変動表示の開始時の始動記憶数の判定において、始動記憶数が2つ以下でない、すなわち所定数である3つ以上と判定された場合には(ステップS403;N)、続いて始動記憶数が所定数3つであるか否かを判定する(ステップS404)。ここで、始動記憶数が所定数3つであった場合には(ステップS404;Y)、始動記憶3個用の選択確率で連続演出を実行するか否かを決定する(ステップS405)。一方、始動記憶数が所定数3つでない、すなわち4つであった場合には(ステップS304;N)、始動記憶4個用の選択確率で連続演出を実行するか否かを決定する(ステップS406)。
連続演出である疑似連続予告の実行が決定されなかった場合には(ステップS407;N)、連続演出の実行を伴わない擬似変動表示を変動表示装置310で開始する(ステップS410)。一方、疑似連続予告の実行が決定された場合は(ステップS407;Y)、擬似変動表示における繰り返し変動回数に応じて疑似連続予告情報を設定し(ステップS408)、連続演出の実行を伴う擬似変動表示を変動表示装置310で開始する(ステップS409)。
ところで、変動表示の開始時の始動記憶数の判定において、未消化の始動記憶数が2つ以下であった場合には(ステップS403;Y)、始動記憶が所定数(3つ)以上記憶されているという条件を満たさないが、この時、擬似変動表示における1回目の疑似変動表示に係る変動時間と、1回目の疑似変動表示後における停止時間を設定してから(ステップS412)、連続演出の実行を伴わない擬似変動表示を変動表示装置310で開始する(ステップS413)。なお、疑似変動表示の変動時間や停止時間は、前述した図11に一例を示したテーブルを参照して設定される。
そして、1回目の疑似変動表示に係る変動時間が経過した後(ステップS414;Y)、再び始動記憶数が2つ以下であるか否かを判定する(ステップS415)。ここで、2つ以下であった場合には(ステップS415;Y)、そのまま処理を終了する。一方、始動記憶数が2つ以下でない、すなわち所定数である3つ以上と判定された場合には(ステップS415;N)、続いて始動記憶数が所定数3つであるか否かを判定する(ステップS416)。ここで、始動記憶数が所定数3つであった場合には(ステップS416;Y)、始動記憶3個用の選択確率で連続演出を実行するか否かを決定する(ステップS417)。一方、始動記憶数が所定数3つでない、すなわち4つであった場合には(ステップS416;N)、始動記憶4個用の選択確率で連続演出を実行するか否かを決定する(ステップS418)。
連続演出である疑似連続予告の実行が決定されなかった場合には(ステップS419;N)、そのまま処理を終了する。一方、疑似連続予告の実行が決定された場合は(ステップS419;Y)、擬似変動表示における繰り返し変動回数に応じて疑似連続予告情報を設定する(ステップS420)。そして、予め定められた回数の擬似変動表示の停止後、停止時間が経過した後(ステップS421;Y)、次の回の擬似変動表示から連続演出を実行する(ステップS422)。
図8は、前述した変動開始処理2に対応して、変動表示の開始に際して、判定された未消化の始動記憶が所定数(3つ)よりも少なかった場合に、予め定められた回数(1回目)の擬似変動表示を実行した後に再度、未消化の始動記憶が所定数以上記憶されていると判定された場合の変動表示全体の流れを示すタイミングチャートである。図8では、変動パターンが「リーチA当り/フォース(変動番号9)」であり、連続演出の表示内容が途中で変化する(途中昇格(リーチ→大当り)有り)場合の例を示している。
図8においては、変動表示の開始直前のタイミングAで、始動記憶が1つだけ記憶されており、この始動記憶の消化に基づいて変動表示が開始される。この時、未消化の始動記憶数は0であり、連続演出実行手段が判定する所定数3つ以上の条件を満たさないので、当該時点では連続演出は実行されない。
特別図柄表示装置301における特別図柄(図中では「本特図」)の表示の開始Bから終了Jまでの間に、変動表示装置310では4回の疑似変動表示が繰り返し実行される。先ず1回目の疑似変動表示の開始時点Bでは未消化の始動記憶数は0となるが、1回目の疑似変動表示中に続けて始動入賞口21に遊技球が入賞することにより、1回目の疑似変動表示の終了時Cには始動記憶数は3つに増えている。
そして、予め定められた回数(1回目)の擬似変動表示の終了後のタイミングDで再度、未消化の始動記憶が所定数(3つ)以上記憶されているか否かが判定され、かかる条件を満たすことにより、次の2回目の擬似変動表示から連続演出(図中では「疑似連続予告」)が実行される。すなわち、連続演出として、六角形の枠の中に「リーチ」の文字が入った演出用アイテム314が、その時点で2番目に古い始動記憶に相当する始動記憶表示領域313bを特定するように表示される。
2回目の疑似変動表示の停止時Fから3回目の疑似変動表示の開始時Gまでの擬似変動表示の停止中に、演出用アイテム314の表示位置は、記憶順番の古い始動記憶を表示する始動記憶表示領域313aに向かって移動する。この移動に伴って、演出用アイテム314の表示内容は、六角形の枠の中に「リーチ」の文字が入ったものから「大当り」の文字が入ったものに変化する。
その後、3回目の疑似変動表示が開始され、所定時間の経過後に停止して、さらに、4回目の疑似変動表示が開始されるが、3回目の疑似変動表示の停止時Hから4回目の疑似変動表示の開始時Iまでの擬似変動表示の停止中には、既に最も古い始動記憶に相当する始動記憶表示領域313aを特定している演出用アイテム314の表示位置が移動することはない。
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。また、前述した実施の形態では、本発明に係る遊技機1をパチンコ機に適用した場合について説明したが、遊技機1はパチンコ機に限られず、プログラム制御されるスマートボールゲーム機、アレンジボールゲーム機、スロットマシンといった他の遊技機にも同様に本発明を適用することができる。
また、前記実施の形態では、始動記憶表示部312を、変動表示装置310の表示部311上に表示するものとして構成したが、他に例えば、変動表示装置310とは別の表示装置として、始動記憶表示部312を遊技領域3の適所に配設しても良い。また、各始動記憶表示領域313a〜dを特定可能な表示態様で連続演出を行う場合の具体的な態様としては、前記演出用アイテム314による表示に代えて、あるいは前記演出用アイテム314による表示に加えて、例えば、擬似変動表示毎に、各始動記憶表示領域313a〜dの色・大きさ・形を順に変化させる等、各始動記憶表示領域313a〜dを特定できるものであれば良い。
また、前記連続演出以外の演出として、例えば、音声による演出を行うための音声演出実行手段や、識別情報を表示するための表示部311において、識別情報の変動表示とは別の表示演出を行うための表示演出実行手段を備えるようにしても良い。ここで音声演出実行手段は、予め決定された回の擬似変動表示において、所定の音声を出力するようにしても良いし、各擬似変動表示の実行毎や擬似変動表示の停止毎に、何回目の擬似変動表示であるか(あったか)を特定可能な音声を出力するようにしても良い。
また、音声演出実行手段は、予め決定された回の擬似変動表示において、所定の表示演出(識別情報とは異なるキャラクタ表示)を実行するようにしても良いし、各擬似変動表示の実行毎や擬似変動表示の停止毎に、何回目の擬似変動表示であるか(あったか)を特定可能な表示演出を実行するようにしても良い。
また、図8および図15で説明した再度の判定により、連続演出を実行することを決定した場合には、音声演出実行手段または/および表示演出実行手段による演出を中止して、連続演出を行うようにしても良いし、音声演出実行手段または/および表示演出実行手段による演出を中止することなく、連続演出と並行して実行しても良い。
さらに、前記実施の形態では、変動表示の制御やランプ・LEDの点灯制御、音声の出力制御を1つの演出制御基板1200によって集中的に行うように構成しているが、他の制御基板の構成として、表示制御基板、ランプ制御基板、音制御基板の3つの制御基板に分けたり、あるいは、表示制御基板、音・ランプ制御基板の2つの制御基板に分けても良い。