以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機等のその他の遊技機であってもよく、変動表示の表示結果が特定表示結果となったときに、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、遊技媒体としての遊技球を遊技領域7に打込むことにより、以下に説明するような所定の遊技が行なわれる。パチンコ遊技機1は、外枠と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられているガラス扉枠2を有する。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4、および、打球を発射する打球操作ハンドル5等が設けられている。パチンコ遊技機1の内部には、打球操作ハンドル5の操作に応じて遊技領域7に遊技球を打込む打球発射装置が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、操作手段として、プッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為がプッシュセンサ124(図2参照)により検出される。
遊技領域7の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄を変動表示(可変表示ともいう)可能な演出表示装置9が設けられている。遊技領域7における演出表示装置9の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器8bとが設けられている。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、8個というような複数個のLEDを備える(図1においては、詳細なLEDの配置は省略し、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bの配置領域が示されている。)。第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれでは、複数個のLEDを点滅させることにより特別図柄が変動表示している状態を示し、複数個のLEDの点滅を停止して、変動表示結果として複数種類設けられたLEDの点灯パターンよりなる表示パターンを表示することにより、特別図柄の変動表示結果が導出表示されたことを示す。第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、たとえば特別図柄の変動表示結果として、はずれ図柄を示すはずれ表示結果、および、大当り図柄を示す大当り表示結果等の各種表示結果がLEDの表示パターンにより導出表示可能である。このように、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれでは、LEDの発光制御により特別図柄の変動表示が実行可能である。
演出表示装置9は、液晶表示装置(LCD)で構成されており、表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示等の各種画像を表示する表示領域が設けられる。このような表示領域には、たとえば「左」,「中」,「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示領域が形成される。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、第1始動口スイッチ13aによって検出される。また、第1始動入賞口13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口14に入賞した遊技球は、第2始動口スイッチ14aによって検出される。
可変入賞球装置15は、左右一対の可動片を備え、遊技者にとって有利(遊技球が進入可能)な開状態(第1状態)と、遊技者にとって不利(遊技球が進入不可能)な閉状態(第2状態)とに変化可能な電動チューリップ(電チューとも呼ばれる)型の入賞手段であり、ソレノイド16によって駆動される。可変入賞球装置15が開状態のときには、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になる(始動入賞し易くなり)。可変入賞球装置15が閉状態のときには、遊技球が第2始動入賞口14に入賞不可能になる。なお、可変入賞球装置15は、閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(遊技球が入賞しにくい)ように構成されてもよい。可変入賞球装置15は、所定領域に遊技球が進入可能となる第1状態と、所定領域に遊技球が進入不可能または進入困難な第2状態とに変化可能となる可変入賞手段により構成されていればよい。
可変入賞球装置15が閉状態のときには、可変入賞球装置15が遊技球を受入可能な領域がなくなるので、遊技球が第2始動入賞口14よりも第1始動入賞口13に入賞しやすい。一方、可変入賞球装置15が開状態のときには、第1始動入賞口13よりも、可変入賞球装置15が遊技球を受入可能な領域が広くなるので、第1始動入賞口13よりも第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
演出表示装置9の左方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、0〜9の数字を変動表示可能な表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の変動表示が開始される。普通図柄表示器10における変動表示結果による停止図柄が所定の図柄(当り図柄。)となったときに、可変入賞球装置15が所定回数および所定時間だけ開状態に制御される。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄の変動表示が保留記憶され、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。このような普通図柄の保留記憶に基づいて普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、普通図柄の保留記憶が消化され、点灯するLEDを1減らす。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、遊技球が、始動入賞領域としての第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に進入(通過、入賞を含む)して第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aで検出されることにより変動表示の実行条件である第1始動条件(第1実行条件)または第2始動条件(第2実行条件)が成立する。その後、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態となる変動表示の開始条件が成立したことに基づいて開始される。第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示時間(変動時間)が経過すると、当該変動表示の表示結果(停止図柄)が導出表示されて終了する。また、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のような始動入賞領域に遊技球が進入したにもかかわらず未だ開始条件が成立していない変動表示について、所定の上限数の範囲内で情報を記憶することが保留記憶と呼ばれる。第1始動入賞口13への遊技球の進入による保留記憶は、第1保留記憶と呼ばれる。第2始動入賞口14への遊技球の進入による保留記憶は、第2保留記憶と呼ばれる。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bの上方には、第1保留記憶の保留記憶数を表示する第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2保留記憶の保留記憶数を表示する第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bのそれぞれは、対応する有効な始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やし、対応する特別図柄表示器での変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときには、その変動表示に対応して演出表示装置9で演出図柄の変動表示等の演出表示が実行される。第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときには、その変動表示に対応して演出表示装置9で演出図柄の変動表示等の演出表示が実行される。
特別図柄および演出図柄の変動表示が実行され、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、または、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときには、演出表示装置9においても、特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄の組合せ)が導出表示される。このように変動表示結果として特定表示結果が表示されたときには、遊技者にとって有利な価値が付与される有利状態としての特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(たとえば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これら状態をリーチ状態という。)で行なわれる演出をリーチ演出という。
ここで、リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、演出表示装置9の表示領域中における下端部には、発生した保留記憶情報を表示する画像(以下、保留画像または保留表示と呼ぶ)が保留記憶情報の数に対応して表示される保留表示エリアが形成される(図示省略)。
可変入賞球装置15の下方には、ソレノイド21によって駆動される開閉板を備え、遊技者にとって有利(遊技球が進入可能)な開状態(第1状態)と、遊技者にとって不利(遊技球が進入不可能)な閉状態(第2状態)とに変化可能な入賞手段として、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は、大当り遊技状態において開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に進入した遊技球は、カウントスイッチ23により入賞球として検出される。なお、可変入賞球装置20は、閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(遊技球が入賞しにくい)ように構成されてもよい。特別可変入賞球装置20は、所定領域に遊技球が進入可能となる第1状態と、所定領域に遊技球が進入不可能または進入困難な第2状態とに変化可能となる可変入賞手段により構成されていればよい。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。ラウンドにおいて繰返し継続制御により特別可変入賞球装置20が開放される遊技は、ラウンド遊技と呼ばれる。あるラウンド遊技が終了してから次のラウンド遊技が開始されるまでの間には、所定期間(たとえば数秒間)に亘り特別可変入賞球装置20が閉鎖状態とされるインターバル期間が設けられている。大当り遊技状態において、ラウンド遊技は、インターバル期間を介して複数回繰返し継続制御されることとなる。大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定の上限個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる最終ラウンド(たとえば第15ラウンド等)に達するまで繰返される。
大当りについては、複数の種別が設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。「大当り」の種別のうち、大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。特別遊技状態としては、確変状態に付随し、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される場合がある。特別遊技状態としては、確変状態とは独立して時短状態に制御される場合があるようにしてもよい。
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
特別遊技状態としては、確変状態または時短状態に付随して、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される場合がある。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側には、効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。図2には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1における遊技の進行等を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板(図示省略)において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
演出制御基板80は、演出制御用マイクロコンピュータ100、ROM102、RAM103、VDP109、および、I/Oポート部105等を搭載している。ROM102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM103は、ワークメモリとして使用される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御用CPU101を含む。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なう。演出制御用CPU101は、プッシュセンサ124の検出信号が、入力ポート106を介して入力される。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出表示装置9等の各種演出装置の演出内容を指示する演出制御コマンドを、主基板31から演出制御基板80の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板77を介して送信する。演出制御用マイクロコンピュータ100では、演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の変動表示制御を行なう他、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行なったり、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なったりすることで、各種の演出制御を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ560では、遊技制御用の予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。第1特別図柄と第2特別図柄とのような特別図柄の変動表示、および、大当り遊技制御等の特定の遊技制御が、タイマ割込処理が実行されるときに付随して実行される遊技制御プロセス処理により、所定のプロセスにしたがって実行される。
遊技制御用マイクロコンピュータ560では、乱数回路503および各種のランダムカウンタからデータを抽出し、その抽出データを用いて、大当り判定、大当り種別(種類)判定、変動パターン種別判定、変動パターン判定、普通当り判定、および、ランダムカウンタの初期値決定等を行なう。大当り判定用のデータ、大当り種別判定用のデータ、変動パターン種別判定用のデータ、および、変動パターン判定用のデータ等の所定のデータは、乱数回路503および各種のランダムカウンタの更新条件成立等の特定条件で更新(変化)可能な数値変化データである。そして、これらのデータは、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aによる遊技球の検出時(始動入賞検出時)に抽出され、第1保留記憶情報または第2保留記憶情報としてRAM55に記憶される。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560では、そのような保留記憶情報に基づく変動表示の開始条件が成立したときに、RAM55に第1保留記憶情報または第2保留記憶情報として記憶された各種データが読出されて、前述のような各種判定に用いられ、その判定結果に基づいて、変動表示が実行される。大当り判定は、乱数回路503の抽出データを用いて行なわれる。大当り種別判定は、大当り種別判定用ランダムカウンタの抽出データを用いて行なわれる。変動パターン種別判定は、変動パターン種別判定用ランダムカウンタの抽出データを用いて行なわれる。変動パターン判定は、変動パターン判定用ランダムカウンタの抽出データを用いて行なわれる。普通当り判定は、普通当り判定用ランダムカウンタの抽出データを用いて行なわれる。ラウンダムカウンタの初期値決定は、ラウンダムカウンタの初期値決定用ランダムカウンタの抽出データを用いて行なわれる。遊技制御用マイクロコンピュータ560では、このような各種判定に基づいて、大当り遊技制御、第1特別図柄の変動表示、第2特別図柄の変動表示、および、普通図柄の変動表示等の各種遊技制御を実行する。
遊技制御用マイクロコンピュータ560では、このような各種判定に基づいて、大当りの判定結果、大当り種類の判定結果、変動パターン種別の判定結果、および、変動パターンの判定結果等の予め定められた制御情報を、演出制御指示用のコマンドである演出制御コマンドとして、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。演出制御用マイクロコンピュータ100では、受信した演出制御コマンドに基づいて、第1特別図柄の変動表示、第2特別図柄の変動表示、および、大当り制御等の遊技制御に合せた演出を実行する。
演出制御用マイクロコンピュータ560では、演出制御用の予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms,4ms等)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の演出制御が実行可能となる。演出図柄の変動表示に関する演出、および、大当り遊技状態に関する演出等の特定の演出制御が、タイマ割込処理が実行されるときに付随して実行される演出制御プロセス処理により、所定のプロセスにしたがって実行される。
次に、第1特別図柄表示装置8aおよび第2特別図柄表示装置8bのような特別図柄表示装置における特別図柄の変動表示結果の表示制御について説明する。
図3は、第1特別図柄表示装置8aおよび第2特別図柄表示装置8bのそれぞれにおける特別図柄の変動表示結果の表示パターン(表示態様)の一例を示す図である。図3(a)には、第1通常大当りとなるときの大当り表示結果(以下、第1通常大当り表示結果という)が示される。図3(b)には、第1確変大当りとなるときの大当り表示結果(以下、第1確変大当り表示結果という)が示される。図3(c)には、はずれ表示結果が示される。
図3(a)〜(c)に示すように、第1特別図柄表示装置8aおよび第2特別図柄表示装置8bのそれぞれは、たとえば8個というような複数のLED81,81,…よりなる小型発光体(ランプ)の集合体により構成される。図3(a)〜(c)では、点灯(発光)状態のLED81が白色の円形で示され、消灯(非発光)状態のLED81が黒色の円形で示されている。複数のLED81,81,…は、上下方向に横方向に4個ずつが2列に並ぶ態様で配置されている。
特別図柄表示装置8aおよび第2特別図柄表示装置8bのそれぞれについては、8個のLED81を点滅状態とすることにより特別図柄の変動表示が開始される。そして、特別図柄表示装置8aおよび第2特別図柄表示装置8bのそれぞれについては、変動表示の開始後、変動パターンに応じた変動表示時間が経過したときに、点滅表示が停止され、8個のLED81が、1個または複数個のLED81を選択して点灯させた態様の複数種類の表示パターンのうち、いずれかの表示パターンで表示されることにより変動表示結果が導出表示され、変動表示が終了される。8個のLEDの点灯および消灯の組合せの表示パターンは、最大256種類である。
図3では、次のような大当り種別が設定されている場合において、第1特別図柄表示装置8aおよび第2特別図柄表示装置8bで共通に用いられる変動表示結果の一例が示されている。
大当り判定用データは、乱数回路503において、前述のような範囲内および周期で繰返し更新される。大当りの種別は、ラウンド数が異なる複数種類の通常大当りと、ラウンドが異なる複数種類の確変大当りとを含む11種類が設けられ、その11種類のうちから選択される。図3(a)においては、複数種類の通常大当りのうち代表例として第1通常大当りの変動表示結果が示される。図3(b)においては、複数種類の確変大当りのうち代表例として第1確変大当りの変動表示結果が示される。
大当り種別を判定(選択)するための大当り種別判定用ランダムカウンタのカウント値は、たとえば「0〜50」の範囲内で繰返し更新される。大当り種別判定用のランダムカウンタは、たとえば遊技制御用マイクロコンピュータ560のタイマ割込処理実行毎(2ms)の周期等の所定周期で更新される。このような「0〜50」の合計「51」個の大当り種別判定用のカウント値の各データが、所定割合で11種類の大当りの種別のいずれかに割振られる関係で、いずれかの大当り種別と対応付けられている。
遊技制御用マイクロコンピュータ560では、第1保留記憶情報または第2保留記憶情報に基づいて変動表示の開始条件が成立したときに、当該保留記憶情報から大当り判定用データ、大当り種別判定用データ、変動パターン種別判定用データ、および、変動パターン判定用データが読出される。
遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、変動表示の開始条件が成立したときに、次のような各種判定および確率制御が実行される。読出された大当り判定用データ値が予め定められた大当り判定値と一致したときには、変動表示結果として大当り表示結果を導出して大当り遊技状態に制御することが決定される。一方、読出された大当り判定用データ値が大当り判定値と一致しないときには、変動表示結果としてはずれ表示結果を導出することが決定される。
次に、大当り遊技状態に制御することが決定されたときは、複数種類の大当り種別のうちから、読出された大当り種別判定用データ値が対応する大当り種別とすることが選択決定される。複数種類の大当り種別のそれぞれには、大当り種別を特定可能となる大当り種別特定データ(たとえば総大当り種別数が11のときには、1〜11というようなデータ)が対応付けられている。大当り種別が決定されると、決定された大当り種別に対応する大当り種別特定データが、RAM55の大当り種別記憶領域に記憶される。そして、変動表示結果を大当り表示結果とする場合と、はずれ表示結果とする場合とのいずれの場合にも、変動表示の変動パターンを、読出された変動パターン種別判定用データ値が対応する変動パターン種別とすることが選択決定される。
変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用データを用いて、複数の変動パターン種別のうちから1つの変動パターン種別を抽選により決定した後、変動パターン判定用データを用いて、決定した変動パターン種別に含まれる複数種類の変動パターンのうちから1つの変動パターンを抽選により決定する。変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。このように、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
変動パターン種別判定用のランダムカウンタ、および、変動パターン判定用のランダムカウンタのそれぞれは、たとえば遊技制御用マイクロコンピュータ560のタイマ割込処理実行毎(2ms)の周期等の所定周期で更新される。変動パターン種別判定用のカウント値の各データは、所定割合で複数種類の変動パターン種別のいずれかに割振られる関係で、いずれかの変動パターン種別と対応付けられている。変動パターン判定用のカウント値の各データは、各変動パターン種別内において、所定割合で複数種類の変動パターンのいずれかに割振られる関係で、いずれかの変動パターンと対応付けられている。
また、第1特別図柄表示装置8aおよび第2特別図柄表示装置8bのそれぞれにおける特別図柄の変動表示結果の表示パターンを決定するために用いる数値データとして、「表示用乱数」と呼ばれる数値データが用いられる。「表示用乱数」は、表示用乱数用のランダムカウンタにより、たとえば「0〜2」の範囲内で繰返し更新されるというように、所定条件で変化可能な数値データである。表示用乱数用のランダムカウンタは、たとえば遊技制御用マイクロコンピュータ560のタイマ割込処理実行毎(2ms)の周期等の所定周期で更新される。
「表示用乱数」は、前述した第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aによる遊技球の検出時(始動入賞検出時)に抽出され、前述した乱数回路503のデータおよび各種ランダムカウンタのデータと同時に、第1保留記憶情報または第2保留記憶情報としてRAM55に記憶される。そして、第1保留記憶情報または第2保留記憶情報に基づいて変動表示の開始条件が成立したときに、前述した各種判定用データとともに読出される。
遊技制御用マイクロコンピュータ560では、大当り遊技状態に制御することが決定されたときに、第1数値データとしての大当り種別特定データ値と第2数値データとしての表示用乱数用データ値とを用いた特定演算を実行し、当該特定演算の演算結果に基づいて、第1特別図柄表示装置8aおよび第2特別図柄表示装置8bのそれぞれにおける特別図柄の変動表示結果の表示パターンを決定する。
特別図柄の変動表示結果の表示パターンを決定するために用いられる特定演算は、「大当り種別特定データ値+総大当り種別数×表示用乱数用データ値=特定演算値」という演算式(以下、特定演算式という)を用いて行なわれる。特定演算式における「大当り種別特定データ値」は、たとえば大当り種別総数が11種類であるときは「1〜11」の数値範囲内のいずれかの数値データである。特定演算式における「総大当り種別数」は、たとえば大当り種別の総数であり、大当り種別総数が11種類であるときは、「11」が用いられる。特定演算式における「表示用乱数用データ値」は、たとえば「0〜2」の数値範囲内のいずれかの数値データである。このような特定演算により得られる特定演算値は、第1特別図柄表示装置8aおよび第2特別図柄表示装置8bにおいて表示可能な表示パターンが最大256種類であるので、256以下の値となるように設定されている。
このような特定演算式による演算結果として得られる「特定演算値」は、「大当り種別判定用データ」に対応する「大当り種別特定データ値」が同じ値であっても、「表示用乱数用データ値」が異なれば異なる値となる。つまり、「表示用乱数用データ値」は、「大当り種別判定用データ」とは更新する数値範囲が異なるので、たとえば、2回の始動入賞時に同じ「大当り種別判定用データ値」が抽出されて、同じ「大当り種別特定データ値」となった場合であっても、抽出される表示用乱数用データ値は異なり得る。
特定演算式による演算結果として得られる「特定演算値」のそれぞれに対応して、選択する特別図柄の変動表示結果の表示パターンとして、異なる表示パターンが設定されている。たとえば、「大当り種別特定データ値」として、所定種類の通常大当りに対応する「2」という同じデータ値が抽出され、大当り種別特定データが「1」という同じデータ値となったときであっても、「表示用乱数用データ値」として、「0」、「1」または「2」という異なるデータ値が抽出され得るので、特定演算式による演算結果として得られる「特定演算値」が異なり得る。
これにより、「大当り種別特定データ値」が、所定種類の通常大当り(第1通常大当り)に対応する「1」という同じデータ値であっても、図3(a)−1〜図3(a)−3に示すように、「特定演算値」に応じて異なる表示パターンが選択されるように、表示パターンを選択するためのデータが設定されている。具体的に、「表示用乱数用データ値」が「2」のときは、「特定演算値」のデータ値に対応して、図3(a)−1に示すような表示パターンが設定されている。「表示用乱数用データ値」が「1」のときは、「特定演算値」のデータ値に対応して、図3(a)−2に示すような表示パターンが設定されている。「表示用乱数用データ値」が「0」のときは、「特定演算値」のデータ値に対応して、図3(a)−3に示すような表示パターンが設定されている。
また、「大当り種別特定データ値」が、所定種類の確変大当り(第1確変大当り)に対応する「5」という同じデータ値であっても、図3(b)−1〜図3(b)−3に示すように、「特定演算値」に応じて異なる表示パターンが選択されるように、表示パターンを選択するためのデータが設定されている。具体的に、「表示用乱数用データ値」が「2」のときは、「特定演算値」のデータ値に対応して、図3(b)−1に示すような表示パターンが設定されている。「表示用乱数用データ値」が「2」のときは、「特定演算値」のデータ値に対応して、図3(b)−2に示すような表示パターンが設定されている。「表示用乱数用データ値」が「0」のときは、「特定演算値」のデータ値に対応して、図3(b)−3に示すような表示パターンが設定されている。
また、変動表示結果がはずれ表示結果となるときには、特定演算式による演算が行なわれず、はずれ表示用の固定的なデータ値が表示パターンを設定するために用いられる。はずれ表示用の固定的なデータ値に対応して、図3(c)に示すような、はずれ表示用の表示パターンが固定パターンとして設定されている。なお、はずれ表示結果についても、固定的なデータ値ではなく、特定演出式のような所定の演出式に基づいて表示パターンを決定してもよい。
次に、特定演算の演算結果として得られる特定演算値、および、はずれ表示用の固定的なデータ値を含む表示結果決定用データと、第1特別図柄表示装置8aおよび第2特別図柄表示装置8bにおける変動表示結果の表示パターンとの関係について説明する。
ROM54においては、特定演算の演算結果として得られる特定演算値、および、はずれ表示用の固定的なデータ値を含む表示結果決定用データと、第1特別図柄表示装置8aおよび第2特別図柄表示装置8bにおける変動表示結果の表示パターンとの対応関係を示す表示パターン選択テーブルが、所定の記憶領域に記憶されている。
表示パターン選択テーブルにおいては、特定演算値、および、はずれ表示用の固定的なデータ値と、表示パターンとが1対1の対応関係で対応付けられている。これにより、特定演算により得られた特定演算値に基づいて、対応する表示パターンが選択可能となるデータが、表示パターン選択テーブルに設定されている。また、はずれ表示用の固定的なデータ値に基づいて、対応する固定的な表示パターンが選択可能となるデータが表示パターン選択テーブルに設定されている。
各特定演算値に対応する表示パターンは、異なる表示パターンとなるようにデータが設定されている。また、各特定演算値に対応する表示パターンは、各特定演算値との関係で特に規則性および法則性が生じないように設定されている。はずれ表示用の固定的なデータ値に対応する表示パターンは、各特定演算値に対応する表示パターンと異なるようにデータが設定されている。
なお、各特定演算値に対応する表示パターンは、各特定演算値との関係において、ある程度は規則性および法則性が生じるように設定してもよい。また、はずれ表示用の固定的なデータ値に対応する表示パターンは、表示パターン選択テーブルに設定するのではなく、ROM54における特定の記憶領域に、はずれ表示用の固定的な表示パターンとして記憶するようにしてもよい。
第1特別図柄表示装置8aおよび第2特別図柄表示装置8bのいずれかで特別図柄の変動表示が実行されるときにおいて、変動表示結果が大当り表示結果となることが決定されたときは、前述した特定演算を実行するためのデータを読出して特定演出を実行し、演算結果として得られた特定演算値に基づいて、表示パターン選択テーブルを用いて表示パターンを選択決定し、決定した表示パターンを特別図柄の変動表示結果として導出表示する制御が遊技制御用マイクロコンピュータ560により行なわれる。
一方、第1特別図柄表示装置8aおよび第2特別図柄表示装置8bのいずれかで特別図柄の変動表示が実行されるときにおいて、変動表示結果がはずれ表示結果となることが決定されたときは、前述した特定演算を実行せず、はずれ表示用の固定的なデータ値に対応する表示パターンを固定的に決定し、決定した表示パターンを特別図柄の変動表示結果として導出表示する制御が遊技制御用マイクロコンピュータ560により行なわれる。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560により行なわれる第1特別図柄表示装置8aおよび第2特別図柄表示装置8bで導出表示する特別図柄の変動表示結果の表示パターンを設定するための特別図柄設定処理について説明する。図4は、特別図柄設定処理を示すフローチャートである。特別図柄設定処理は、前述の遊技制御プロセス処理に含まれる処理である。
特別図柄設定処理においては、今回の変動表示の変動表示結果が大当り表示結果となるか否かを、大当り判定の判定結果に基づいて判定する(S100)。S100により大当り表示結果となると判定されたときは、大当り種別判定用の抽出値のデータに基づく大当り種別判定の判定結果として大当り種別記憶領域に記憶された大当り種別特定データを読出し(S101)、さらに、表示用乱数用の抽出値のデータ(D2)を保留記憶情報から読出す(S102)。
次に、「大当り種別特定データ(D1)+総大当り種別数(固定値「11」)×表示用乱数用の抽出値のデータ(D2)=特定演算値」という特定演算式として特定演算値を演出する特定演算を実行する(S103)。そして、S103により得られた演算結果データとしての特定演算値をRAM55に設けられた表示パターン選択データ記憶領域に記憶させる(S104)。次に、表示パターン選択データ記憶領域に記憶された演出結果データに基づき、前述の表示パターン選択テーブルを用いて表示パターンを選択決定し、RAM55に設けられた表示パターン決定データ記憶領域にその表示パターンを特定可能な表示パターンデータを記憶して処理を終了する(S106)。
一方、前述のS100により大当り表示結果となると判定されたとき、すなわち、はずれ表示結果となるときは、前述のようなはずれ用の固定値データを前述の表示パターン選択データ記憶領域に記憶させる(S105)。次に、表示パターン選択データ記憶領域に記憶されたはずれ用の固定値データに基づき、前述の表示パターン選択テーブルを用いて、はずれ用の固定的な表示パターンを選択決定し、表示パターン決定データ記憶領域にその表示パターンを特定可能な表示パターンデータを記憶して処理を終了する(S106)。
以上に説明したような特別図柄設定処理により表示パターンが決定されると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動表示の終了前に、表示パターン決定データ記憶領域に記憶されていた表示パターンデータを読出し、変動表示の終了時に、その表示パターンデータにより特定される表示パターンで特別図柄の表示結果を導出表示させる制御を実行する。このような制御は、たとえばタイマ割込処理において第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示制御を実行する特別図柄表示制御処理により実行される。このような制御が実行されることにより、図3に示したような大当り表示結果に対応した各種表示パターン、または、はずれ表示結果に対応した固定的表示パターンで、特別図柄の表示結果が導出表示される。
S103により実行される特定演算に用いる表示用乱数用抽出値データは、所定周期で更新されるとともに、始動入賞時に抽出されるデータであり、抽出データ値が変化に富むので、表示用乱数用抽出値データを用いる特定演算の演算結果が変化に富むようになる。したがって、そのような特定演算の演出結果に基づいて、大当り種別を特定可能な特別図柄の変動表示結果の表示パターンを決定することにより、その表示パターンの表示態様を多彩化することができる。
以下に、パチンコ遊技機1で実行される各種制御の変形例を説明する。
[大当り開始ゲートへの遊技球の進入により大当り遊技制御を開始する変形例]
前述したような特別図柄の表示パターンの制御は、以下に示すように、大当り開始ゲートのような所定領域への遊技球の進入により大当り遊技制御を開始するパチンコ遊技機に適用してもよい。
大当り開始ゲートを備えたパチンコ遊技機は、たとえば、次のように構成される。遊技領域7においてたとえば左側領域の上部のような所定領域に、遊技球が進入して通過可能な大当り開始ゲートが設けられる。大当り開始ゲートを備えたパチンコ遊技機では、前述したパチンコ遊技機1と同様に、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り表示結果が導出表示されるとき、または、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り表示結果が導出表示されるときに、演出表示装置9において大当り表示結果として大当りを想起させるような演出図柄の組合せが導出表示される。
遊技制御用マイクロコンピュータでは、大当り表示結果が導出表示された後に、大当り遊技状態となる権利が発生している権利発生状態に移行する制御が行なわれる。権利発生状態とは、大当り遊技状態となることは確定したが、未だ大当り遊技状態とはなっていない状態のことである。このような権利発生状態においては、現在権利発生状態であることが明らかになるように演出表示装置9において、権利発生状態であることを示す表示がされる。また、権利発生状態においては、演出表示装置9の画面上に、大当り開始ゲートに遊技球を進入(通過)させることを促進する案内を示すような案内情報が表示される。
権利発生状態において大当り開始ゲートに遊技球が進入(通過)したことが、大当り開始ゲートに対応して設けられたゲート検出器により検出されたときに、ゲート検出器からの検出信号を受けた遊技制御用マイクロコンピュータにより、大当り遊技状態が開始され、遊技状態が大当り遊技状態に制御される。
このような大当り開始ゲートを備えたパチンコ遊技機では、大当り開始ゲートを備えないパチンコ遊技機と同様に、変動表示開始時に大当りとするか否かが決定されるとともに、その変動表示開始時に、確変大当りおよび通常大当りのような大当り種別が選択決定される。また、大当り遊技状態でのラウンド数は、変動表示開始時には決定されず、大当り開始ゲートに遊技球が進入したことがゲート検出器により検出されたときに選択決定される。
たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560では、大当り開始ゲートへの遊技球の進入が検出されたときに、大当りラウンド数の選択決定用のランダムカウンタから大当りラウンド数選択用のデータが抽出され、そのデータと複数種類のラウンド数との対応関係が設定されたラウンド数選択テーブル(ROM54に記憶)を用いて、ラウンド数が決定される。
このような大当り開始ゲートを備えた遊技機においては、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bでの変動表示結果として、大当り表示結果が導出表示されるときには、「確変大当り」または「通常大当り」というような大当り種別を特定可能な表示結果が導出表示される。そして、その後、大当り開始ゲートへの遊技球の進入に応じて、ラウンド数が選択決定される。
このような大当り開始ゲートを備えたパチンコ遊技機では、大当り遊技状態の開始の条件となる遊技球の所定領域への進入について遊技者が介入可能となり、大当り遊技状態に制御することに関して遊技者の介入性を高めることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、大当り開始ゲートは複数設けてもよい。大当り開始ゲートを複数設けた場合には、大当り開始ゲートごとに、ラウンド数の選択割合が異なるようにしてもよく、各大当り開始ゲートでラウンド数の選択割合が同じとなるようにしてもよい。
複数の大当り開始ゲートを設けた場合におけるラウンド数の選択決定は、大当り開始ゲート毎に、ラウンド数の選択割合が異なるラウンド数選択テーブルを設け、遊技球の進入が検出された大当り開始ゲートがどのゲートであるかにより、ラウンド数選択テーブルを使い分けることにより、ラウンド数の選択割合が異なるようにしてもよい。
たとえば、一方の大当り開始ゲートに遊技球が進入したときには、他方の大当り開始ゲートに遊技球が進入したときに比べて、ラウンド数が最多の大当り種別が選択される割合が高いが、ラウンド数が最少の大当り種別が選択される割合も高いように設定し、当該他方の大当り開始ゲートに遊技球が進入したときには、当該一方の大当り開始ゲートに遊技球が進入したときに比べて、平均的なラウンド数の大当り種別が選択される割合が高いが、ラウンド数が最多の大当り種別およびラウンド数が最少の大当り種別を含むその他の大当り種別が選択される割合が低いように設定してもよい。このように設定すれば、一方の大当り開始ゲートがハイリスク・ハイリターン型で、他方の大当り開始ゲートがロウリスク・ロウリターン型となるので、遊技の遊技への介入性が向上することにより遊技の興趣を向上させることができる。
また、大当り開始ゲートとして複数の穴状領域(たとえば各穴状領域の内部に個別の大当り開始ゲートが存在する)を遊技領域7に設け、いずれの穴状領域への遊技球の進入が検出されたかに応じて、それぞれの穴状領域に対応して異なるラウンド数に設定されたラウンド数が選択されるようにしてもよい。このような複数の穴状領域は、クルーンと呼ばれる1つの入賞装置(入賞装置内に入賞した遊技球が転動によりいずれかの穴状領域に入る装置)内に設けられてもよく、別々に遊技領域7に設けられてもよい。複数の穴状領域のそれぞれについては、遊技者が視認可能な態様で対応するラウンド数を表示することが望ましい。このように、複数の穴状領域を設ける場合には、各穴状領域に対応するラウンド数を大当り種別に応じて変更するようにしてもよい。大当り開始ゲートは、穴状領域に限らず、アーチ状等のその他の形状の領域であればよい。
[大当り遊技状態中に確変判定報知演出をする変形例]
大当り種別として、確変大当りと、通常大当り(非確変大当り)とが選択可能(たとえば確変大当りの選択割合が50%等)なパチンコ遊技機1においては、確変大当りであることが特定可能となる報知演出としての確変判定報知演出を、変動表示結果導出時等のような大当り遊技状態開始前に実行する演出制御をする場合と、大当り遊技状態中に実行する演出制御をする場合とがある。
確変判定報知演出を大当り遊技状態中に実行する演出制御をする場合には、次のような演出制御を演出制御用マイクロコンピュータ100が実行することにより、発生した大当りの種別が演出表示装置5の表示に基づいて大当り種別を遊技者に識別不能とする。演出図柄の表示結果を、通常大当りと確変大当りとで共通化することにより、演出図柄の変動表示結果から大当り種別を遊技者に識別不能とする。演出図柄以外の表示による演出(たとえば報知演出等)について、演出図柄の表示結果の導出時、および、大当り遊技状態開始時には、大当り種別が特定可能となるような演出を実行しないことにより、大当り種別を遊技者に識別不能とする。そして、大当りの種別が確変大当りであるときには、大当り遊技状態中の所定タイミングにおいて、確変判定報知演出を実行する。
確変判定報知演出を実行する具体例として、特別可変入賞球装置20の大入賞口内に設けられた特定領域(V領域、確変判定領域等とも呼ばれる。)を遊技球が通過したことが球検出器により検出されたときに確変状態に制御されるような、所謂確変判定領域タイプの確変状態制御が実行されるパチンコ遊技機を一例として説明する。
確変判定領域タイプのパチンコ遊技機では、前述の特定領域への遊技球の進入を制限可能な可動式の制限部材が設けられる。このような確変判定領域タイプのパチンコ遊技機において、遊技制御用マイクロコンピュータ560では、大当りとすることが決定されたときに、大当り遊技状態中における特定ラウンド中等の特定タイミングにおいて特定領域への遊技球の進入が検出されたことを条件として、大当り遊技状態終了後に遊技状態を確変状態に制御する遊技制御が実行される。
確変判定領域タイプのパチンコ遊技機では、変動表示の開始時において、大当りとすることが決定され、大当り種別として確変大当りが選択されたときに、特定ラウンド中に、特定領域への遊技球の進入を制限しないように制限部材を制御することにより、特定領域への遊技球の進入を容易化し、確変状態への制御を可能とする遊技制御が行なわれる。一方、確変判定領域タイプのパチンコ遊技機では、変動表示の開始時において、大当りとすることが決定され、大当り種別として通常大当りが選択されたときに、特定ラウンド中において、特定領域への遊技球の進入を制限するように制限部材を制御することにより、特定領域への遊技球の進入を困難な状態に制限し、確変状態への制御を制限する遊技制御が行なわれる。
確変判定領域タイプのパチンコ遊技機における確変判定報知演出は、次のように演出制御用マイクロコンピュータ100により実行される。大当り遊技状態中において、特定ラウンドになったときに、たとえば遊技者に味方する味方キャラクタと、遊技者に敵対する敵キャラクタとが戦うようなバトル演出を実行することにより確変状態となるか否かを示唆する示唆演出をした後、大当り種別として確変大当りが選択されているときは、味方キャラクタが勝利し、特定領域への遊技球の打込みを促進する促進報知演出がされる。そして、進入が制限されていない特定領域への遊技球の進入が検出されたことに応じて、確変大当りが確定したことを報知する確変確定報知演出がされる。このような示唆演出、促進報知演出、および、確変確定報知演出よりなる確変判定報知演出が実行されることにより、確変状態に制御されるか否が特定可能となる。
変動表示の開始時において大当り種別として通常大当りが選択されているときは、バトル演出により味方キャラクタが敗北し、前述の促進報知演出がされず、確変確定報知演出が実行されない。これにより、確変状態に制御されないことが特定可能となる。
一方、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、図3および図4に示したように、多数のLEDの発光パターンを用いた表示パターンにより大当り種別を特定可能な表示をするものであり、かつ、前述の「表示用乱数」を用いた特定演算式の演算結果を表示パターンの決定に用いることにより、同じ大当り種別判定用のデータに対応する大当り種別であっても、多彩な表示パターンで大当り種別が特定可能となるので、遊技者が表示パターンを見ても短時間でどの大当り種別であるかを容易に認識することが困難となる。
このような確変判定報知演出は、前述した大当り開始ゲートを備えたパチンコ遊技機と、大当り開始ゲートを備えないパチンコ遊技機とのどちらでも実行させることが可能である。たとえば、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bで既に表示された変動表示結果が大当り遊技状態の開始時に非表示状態となる制御が実行される場合に、大当り開始ゲートを備えるパチンコ遊技機では、大当り開始ゲートへの遊技球の進入が検出されなければ、大当り遊技状態が開始されないので、特別図柄の変動表示結果を遊技者がじっくりと確認することが可能となる。これに対し、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bでの変動表示結果を、前述の「表示用乱数」を用いた特定演算式の演算結果に基づいて選択決定し、多彩な表示パターンで大当り種別が特定可能とすれば、たとえば、どの大当り種別であるかを遊技者が容易に認識することが困難化される。
このような演出表示装置での表示と、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bでの表示との関係により、大当り遊技状態に制御されたときにおいて、確変判定報知演出が実行される前に大当り種別が遊技者に容易に認識されにくいようにすることができる。これにより、確変判定報知演出が実行され得るタイミングに至るまで、遊技者の確変状態となるか否かについての期待感を維持させることができる。また、確変判定報知演出が実行されるタイミングよりも前に確変状態となるか否かが遊技者に認識されにくいようにすることにより、確変判定報知演出が、無駄な演出とならず、演出の実効性を担保することができる。
[特別図柄の表示結果と大当り種別判定用データとの関係]
大当り種別判定用データ数は、多くなる程、大当り種別を多数設けて、大当り種別の選択の割振りを細かく設定することができるので、大当りの多彩化、および、変動パターンの多彩化が可能となる等、遊技制御および演出制御を多彩化することが可能となる。
特別図柄の表示結果の表示パターンを決定する方法としては、大当り種別判定用データのそれぞれに対応して表示パターンを設定しておく例がある。しかし、その場合は、大当り種別判定用データ数が多くなる程、表示パターンを決定するためのデータ量が多くなり、ROM54に記憶するデータ量が増加するので、ROM54のデータ容量の適正化という観点での問題が生じる。また、大当り種別判定用データ数が多くなる程、表示結果の表示パターン種類数が多くなるので、大当り種別判定用データ数が多くなり過ぎると、特別図柄表示用の限られたLED数の範囲内では全ての表示パターンが表示できなくなったり、特別図柄表示用LED数を増加させたりする必要が生じる等、表示パターンの過多という観点での問題が生じる。
このような問題を解決するためには、大当り種別判定用データに基づいて決定された大当り種別を特定可能なデータを用いて、そのデータのそれぞれに対応して表示パターンを設定することが考えられる。しかし、一般的なパチンコ遊技機では、あまり多種類の大当り種別が設けられていないので、大当り種別を特定可能なデータを用いて特別図柄の変動表示結果の表示パターンを決定すると、表示パターンの種類が比較的少なくなるため、遊技者が特別図柄の変動表示結果の表示パターンから容易に大当り種別を認識可能となる場合がある。
そこで、前述した実施形態では、大当り種別特定データを用いることにより、大当り種別を特定するために必要なデータ数を、大当り種別判定用データ数よりも少なくし、かつ、大当り種別特定データに加えて、表示用乱数用データという変動表示ごとに変化し得るデータを用いる特定演出を実行することにより、同じ大当り種別であっても異なり得る特定演算値を算出し、その特定演算値に対応する表示パターンを特別図柄の変動表示結果の表示パターンとして決定することとした。
このように、前述した実施形態のような特定演算により得られる特定演算値を用いて特別図柄の変動表示結果の表示パターンを決定することにより、ROM54に記憶する特別図柄の変動表示結果の表示パターン決定用のデータ量の過剰な増加を抑制することができ、さらに、特別図柄表示の変動表示結果の表示パターンの過剰な増加を抑制することができる。
たとえば、変形例として前述したような大当り開始ゲートを備え、かつ、確変判定領域タイプであるパチンコ遊技機では、確変判定報知演出により確変状態に制御されるか否を特定可能とすることが遊技の面白みの一つであるので、特別図柄の変動表示結果の表示パターンから遊技者が容易に確変大当りか否かを認識できないようにすることが、遊技制御および演出制御において重要事項である。このような遊技機において、特別図柄の変動表示結果の表示パターンを、単に、前述のような大当り種別判定用データ数のみに対応した数の表示パターンとすると、遊技者が特別図柄の変動表示結果の表示パターンから容易に大当り種別を認識可能となる場合があるので、せっかく確変判定報知演出を実行しても、遊技の面白みに欠けることとなるおそれがある。
これに対し、大当り開始ゲートを備え、かつ、確変判定領域タイプであるパチンコ遊技機において、前述のような特定演算により得られる特定演出値に基づいて特別図柄表示の変動表示結果の表示パターンを決定するようにした構成では、遊技者が特別図柄の変動表示結果の表示パターンから容易に大当り種別を認識することが困難となる。これにより、大当り開始ゲートを備え、かつ、確変判定領域タイプであるパチンコ遊技機における遊技の面白みを担保することができる。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 特別図柄設定処理によれば、S101〜S103等に示すように、大当り種別を特定可能な大当り種別判定用抽出値データのような第1数値データと、割込処理実行毎という所定条件で変化可能な表示用乱数用抽出値データのような第2数値データとを用いた特定演算を実行し、当該特定演算の演算結果に基づいて、大当り種別を特定可能な特別図柄の変動表示結果の表示パターンが決定される。表示用乱数用抽出値データは、所定周期で更新されるとともに、始動入賞時に抽出されるデータであり、抽出データ値が変化に富むので、表示用乱数用抽出値データを用いる特定演算の演算結果が変化に富むようになる。したがって、そのような特定演算の演出結果に基づいて、大当り種別を特定可能な特別図柄の変動表示結果の表示パターンを決定することにより、その表示パターンの表示態様を多彩化することができる。
(2) 前述したように、特定演算に用いられる第1数値データとしての大当り種別特定データは、大当り種別判定用のランダムカウンタの更新条件成立等の特定条件で更新(変化)可能な数値変化データである大当り種別判定用データに基づいて得られるデータであり、大当り種別判定用データと、特定演算に用いられる表示用乱数用抽出値データのような第2数値データとは、始動入賞検出時において、同時に保留記憶情報として、RAM55に記憶される。これにより、大当り種別を特定可能な特別図柄の変動表示結果の表示パターンの表示態様をより一層多彩化することができる。
(3) 図4のS104等に示すように、変動表示の開始時において、特定演算が実行されて演算結果データ(特定演算値)が表示パターン選択データ記憶領域に記憶される。これにより、大当り種別を特定可能な特別図柄の変動表示結果の表示パターンの表示態様をより一層多彩化することができる。
(4) 図4のS105等に示すように、大当り遊技状態に制御されないときには、特定演算を実行せずに、はずれ用固定値データが表示パターン選択データ記憶領域に記憶される。このようにはずれ表示結果となるときには特定演出を実行しないことにより、遊技制御用マイクロコンピュータ560における特別図柄の表示制御に関する処理負担を軽減することができる。
(5) [大当り開始ゲートへの遊技球の進入により大当り遊技制御を開始する変形例]に示すように、大当り開始ゲートのような所定領域への遊技球の進入について遊技者が介入可能となるので、大当り遊技状態に制御することに関して遊技者の介入性を高めることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
(6) [大当り遊技状態中に確変判定報知演出をする変形例]に示すように、大当り遊技状態中において、大当り遊技状態終了後に前記特別状態に制御するか否を特定可能な確変判定報知演出が実行されることに基づいて、遊技の興趣を向上させることができる。
(7) 遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特定演算用の表示用乱数用のデータとは別に、変動パターン種別判定用のデータおよび変動パターン判定用のデータを取得し、変動表示の変動パターンを決定するので、特定演算に用いられる表示用乱数用のデータに関わらず、所定タイミングで取得した特定の数値データに基づいて、変動表示の変動パターンが決定されることにより、遊技制御用マイクロコンピュータ560における変動表示に関する処理負担を軽減することができる。
[その他の変形例]
次に、その他の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述の特定演算は、特定演算により得られる特定演算値が、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれで表示可能な表示パターンの最大値以下(前述例では256種類以下)となるように設定するのが望ましい。
(2) 前述の特定演算に用いる表示用乱数の更新範囲数としては、データの更新値が大当り判定用のデータ等の他のデータの更新値と同期しないように、素数とすることが望ましい。
(3) 複数のLEDにより構成される第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、特定演算により得られる特定演算値の種類が多くなる程、LEDの設置個数を増加させる必要があり、遊技領域7におけるその他の領域を犠牲にして特別図柄の表示領域を確保する必要が生じるので、特定演算により得られる特定演算値の種類は、可能な範囲内(表示パターンが遊技者に容易に認識されない範囲内)で、種類数が多くなり過ぎないようにすることが望ましい。
(4) 確変大当りにすることが決定されたときと通常大当りにすることが決定されたときとで、異なる表示用乱数用のデータを特定演算に用いてもよい。異なる表示用乱数用のデータとしては、更新範囲が異なるものであってもよく、更新範囲の数値が異なるものであってもよい。このようにすれば、大当り種別に応じて、好適な特定演算をすることが可能となる。
(5) 確変大当りとすることが決定されたときにのみ、特定演算を実行するようにしてもよい。このようにすれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560の処理負担を軽減することができる。
(6) 前述の特定演算は、少なくとも第1数値データである大当り種別特定データ値と第2数値データである表示用乱数用データ値とを用いて行なう演算であれば、前述した演算式に示す演算に限られず、どのような演算をしてもよい。
(7) 所定領域に遊技媒体が進入したことに基づいて有利状態に制御する遊技機の例として、[大当り開始ゲートへの遊技球の進入により大当り遊技制御を開始する変形例]を説明したが、所定領域としてラウンド開始ゲートへの遊技球の進入により大当りの各ラウンド制御(開放制御)が開始される遊技機について、前述の特定演算を用いた特別図柄の表示制御を実行してもよい。
(8) 遊技者にとって有利な有利状態としては、大当り遊技状態を一例として説明したが、これに限らず、前述した大当り遊技状態の他に、高確率状態(確変状態)、時短状態、および、高ベース状態等のその他の有利状態が含まれてもよい。
(9)なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。