以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機等のその他の遊技機であってもよく、変動表示を行なうことが可能な遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、遊技媒体としての遊技球を遊技領域7に打込むことにより、以下に説明するような所定の遊技が行なわれる。パチンコ遊技機1は、外枠と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられているガラス扉枠2を有する。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4、および、打球を発射する打球操作ハンドル5等が設けられている。パチンコ遊技機1の内部には、打球操作ハンドル5の操作に応じて遊技領域7に遊技球を打込む打球発射装置が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、操作手段として、プッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為がプッシュセンサ124(図2参照)により検出される。
遊技領域7の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄を変動表示(可変表示ともいう)可能な演出表示装置9が設けられている。遊技領域7における演出表示装置9の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器8bとが設けられている。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、数字および文字を変動表示可能な表示器(たとえば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置9は、液晶表示装置(LCD)で構成されており、表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示等の各種画像を表示する表示領域が設けられる。このような表示領域には、たとえば「左」,「中」,「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示領域が形成される。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、第1始動口スイッチ13aによって検出される。また、第1始動入賞口13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口14に入賞した遊技球は、第2始動口スイッチ14aによって検出される。
可変入賞球装置15は、左右一対の可動片を備え、遊技者にとって有利(遊技球が進入可能)な開状態(第1状態)と、遊技者にとって不利(遊技球が進入不可能)な閉状態(第2状態)とに変化可能な入賞手段であり、ソレノイド16によって駆動される。可変入賞球装置15が開状態のときには、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になる(始動入賞し易くなり)。可変入賞球装置15が閉状態のときには、遊技球が第2始動入賞口14に入賞不可能になる。なお、可変入賞球装置15は、閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(遊技球が入賞しにくい)ように構成されてもよい。可変入賞球装置15は、所定領域に遊技球が進入可能となる第1状態と、所定領域に遊技球が進入不可能または進入困難な第2状態とに変化可能となる可変入賞手段により構成されていればよい。
可変入賞球装置15が閉状態のときには、可変入賞球装置15が遊技球を受入可能な領域がなくなるので、遊技球が第2始動入賞口14よりも第1始動入賞口13に入賞しやすい。一方、可変入賞球装置15が開状態のときには、第1始動入賞口13よりも、可変入賞球装置15が遊技球を受入可能な領域が広くなるので、第1始動入賞口13よりも第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
演出表示装置9の左方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、0〜9の数字を変動表示可能な表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の変動表示が開始される。普通図柄表示器10における変動表示結果による停止図柄が所定の図柄(当り図柄。)となったときに、可変入賞球装置15が所定回数および所定時間だけ開状態に制御される。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄の変動表示が保留記憶され、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。このような普通図柄の保留記憶に基づいて普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、普通図柄の保留記憶が消化され、点灯するLEDを1減らす。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、遊技球が、始動入賞領域としての第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に進入(通過、入賞を含む)して第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aで検出されることにより変動表示の実行条件である第1始動条件(第1実行条件)または第2始動条件(第2実行条件)が成立する。その後、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態となる変動表示の開始条件が成立したことに基づいて開始される。第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示時間(変動時間)が経過すると、当該変動表示の表示結果(停止図柄)が導出表示されて終了する。また、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のような始動入賞領域に遊技球が進入したにもかかわらず未だ開始条件が成立していない変動表示について、所定の上限数の範囲内で情報を記憶することが保留記憶と呼ばれる。第1始動入賞口13への遊技球の進入による保留記憶は、第1保留記憶と呼ばれる。第2始動入賞口14への遊技球の進入による保留記憶は、第2保留記憶と呼ばれる。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bの上方には、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、第1保留記憶の保留記憶数を表示する4つの表示器からなる。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、第2保留記憶の保留記憶数を表示する4つの表示器からなる。第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bのそれぞれは、対応する有効な始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やし、対応する特別図柄表示器での変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときには、その変動表示に対応して演出表示装置9で演出図柄の変動表示等の演出表示が実行される。第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときには、その変動表示に対応して演出表示装置9で演出図柄の変動表示等の演出表示が実行される。
特別図柄および演出図柄の変動表示が実行され、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、または、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときには、演出表示装置9においても、特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄の組合せ)が導出表示される。このように変動表示結果として特定表示結果が表示されたときには、遊技者にとって有利な価値が付与される有利状態としての特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(たとえば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これら状態をリーチ状態という。)で行なわれる演出をリーチ演出という。
ここで、リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示領域で同じ図柄が停止し、中の図柄表示領域で図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示領域で停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチ(ノーマルリーチ)に比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別のリーチをスーパーリーチという。リーチの中には、特別なスーパーリーチ以外のリーチとして、基本的なリーチであるノーマルリーチが含まれている。ノーマルリーチは、スーパーリーチよりも大当りが発生しにくいように設定されたものである。
スーパーリーチにおいては、リーチ図柄が形成された後、所定の動画を表示する等、演出等の遊技者の期待感を向上させるような複雑な演出表示が実行される。また、ノーマルリーチにおいては、比較的簡素な演出表示が実行される。
リーチ状態となった後に、リーチ図柄が形成された態様ではずれ表示結果となったときが、リーチはずれと呼ばれる。また、リーチ状態とならずにリーチ図柄が形成されない態様ではずれ表示結果となったときが、非リーチはずれと呼ばれる。
また、演出表示装置9の表示領域中における下端部には、発生した保留記憶情報を表示する画像(以下、保留画像または保留表示と呼ぶ)が保留記憶情報の数に対応して表示される保留表示エリアが形成される(図示省略)。また、保留表示エリアから消去された(移動された、シフトされた)保留表示に対応する変動表示の実行中に当該変動表示に対応するアクティブ表示(変動対応表示とも呼ぶ)を含む情報を表した画像を表示するアクティブ表示エリアが保留表示エリアに隣接して形成される。
可変入賞球装置15の下方には、ソレノイド21によって駆動される開閉板を備え、遊技者にとって有利(遊技球が進入可能)な開状態(第1状態)と、遊技者にとって不利(遊技球が進入不可能)な閉状態(第2状態)とに変化可能な入賞手段として、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は、大当り遊技状態において開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に進入した遊技球は、カウントスイッチ23により入賞球として検出される。大入賞口に進入した遊技球は、カウントスイッチ23で検出されることにより、所定個数の遊技球が払出される(たとえば、15個)。なお、特別可変入賞球装置20は、閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(遊技球が入賞しにくい)ように構成されてもよい。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。ラウンドにおいて繰返し継続制御により特別可変入賞球装置20が開放される遊技は、ラウンド遊技と呼ばれる。大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる最終ラウンド(たとえば第15ラウンド等)に達するまで繰返される。
大当りについては、複数の種別が設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。「大当り」の種別のうち、大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される場合がある。特別遊技状態としては、確変状態とは独立して時短状態に制御される場合があるようにしてもよい。
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。なお、「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
特別遊技状態としては、確変状態または時短状態に付随して、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される場合がある。電チューサポート制御状態は、後述するように高ベース状態であるので、以下の説明においては、主として高ベース状態と呼ぶ。
電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置15の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置15が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口14への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。また、このような制御によって第2始動入賞口14への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
このような電チューサポート制御により第2始動入賞口14への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置15、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置15への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確低ベース状態」、および、「高確高ベース状態」を用いる。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側には、効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。図2には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1における遊技の進行等を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板(図示省略)において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
演出制御基板80は、演出制御用マイクロコンピュータ100、ROM102、RAM103、VDP109、および、I/Oポート部105等を搭載している。ROM102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM103は、ワークメモリとして使用される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御用CPU101を含む。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なう。演出制御用CPU101は、プッシュセンサ124の検出信号が、入力ポート(図示省略)を介して入力される。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出表示装置9等の各種演出装置の演出内容を指示する演出制御コマンドを、主基板31から演出制御基板80の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板77を介して送信する。演出制御用マイクロコンピュータ100では、演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の変動表示制御を行なう他、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行なったり、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なったりすることで、各種の演出制御を行なう。
また、演出制御用CPU101(演出制御用マイクロコンピュータ100)は、スティックコントローラ122のトリガボタン125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ121から、I/Oポート部105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、I/Oポート部105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、I/Oポート部105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU101は、I/Oポート部105の出力ポートを介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。また、演出制御用CPU101は、モータ駆動回路(図示省略)を介して役物モータ17を駆動して役物12を動作させる。
遊技制御用マイクロコンピュータ560では、遊技制御用の予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかり図3に示すようなタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。第1特別図柄と第2特別図柄とのような特別図柄の変動表示、および、大当り遊技制御等の特定の遊技制御が、タイマ割込処理が実行されるときに付随して実行される図4に示すような特別図柄プロセス処理により実行される。
遊技制御用マイクロコンピュータ560では、乱数回路503および各種のランダムカウンタからデータを抽出し、その抽出データを用いて、大当り判定、大当り種類判定、変動パターン種別判定、変動パターン判定、普通当り判定、および、ランダムカウンタの初期値決定等を行なう。大当り判定用のデータ、大当り種別判定用のデータ、変動パターン種別判定用のデータ、および、変動パターン判定用のデータ等の所定のデータは、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aによる遊技球の検出時(始動入賞検出時)に抽出され、第1保留記憶情報または第2保留記憶情報としてRAM55に記憶される。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560では、そのような保留記憶情報に基づく変動表示の開始条件が成立したときに、RAM55に第1保留記憶情報または第2保留記憶情報として記憶された各種データが読出されて、前述のような各種判定に用いられ、その判定結果に基づいて、変動表示が実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560では、このような各種判定に基づいて、大当り遊技制御、第1特別図柄の変動表示、第2特別図柄の変動表示、および、普通図柄の変動表示等の各種遊技制御を実行する。
遊技制御用マイクロコンピュータ560では、このような各種判定に基づいて、大当りの判定結果、大当り種類の判定結果、変動パターン種別の判定結果、および、変動パターンの判定結果等の予め定められた制御情報を、演出制御指示用のコマンドである演出制御コマンドとして、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。演出制御用マイクロコンピュータ100では、受信した演出制御コマンドに基づいて、第1特別図柄の変動表示、第2特別図柄の変動表示、および、大当り制御等の遊技制御に合せた演出を実行する。
演出制御用マイクロコンピュータ100では、図5に示すような演出制御用の予め定められた演出制御メイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms,4ms等)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の演出制御が実行可能となる。演出図柄の変動表示に関する演出、および、大当り遊技状態に関する演出等の特定の演出制御が、タイマ割込処理が実行されるときに付随して実行される図6に示すような演出制御プロセス処理により実行される。
図7は、残期間報知処理を示すフローチャートである。図7を参照して、この残期間報知処理は、演出制御用マイクロコンピュータ100によって実行される。
まず、演出制御用マイクロコンピュータ100の演出制御用CPU101は、大当り遊技状態の終了時であるか否かを判断する(ステップS111)。大当り遊技状態の終了時であるか否かは、たとえば、演出制御プロセス処理のうちどのプロセスの処理が行なわれるタイミングであるかを示す演出制御プロセスフラグの値が、図6で示す大当り終了演出処理を示す値であるか否かによって判断するようにしてもよいし、演出制御コマンドのうちの大当り終了コマンドを受信したか否かによって判断するようにしてもよい。
大当り遊技状態の終了時である(ステップS111でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、変数n,m,kを初期化する(ステップS112)。変数nは、高確高ベース状態となってからの特別図柄(演出図柄)の変動表示の回数を示す。変数mは、高確高ベース状態の特別図柄の変動表示の残りの回数を示す。変数kは、演出モードAの特別図柄の変動表示の残りの回数を示す。
本実施の形態においては、100回の特別図柄の変動表示に亘って、高確高ベース状態に制御される。高確高ベース状態の1回目から29回目までの部分の期間の演出は、演出モードAで実行され、30回目から100回目までの部分の期間の演出は、演出モードBで実行される。このため、変数n=1,変数m=100,変数k=29に初期化される。
図8は、大当り遊技状態における残期間の報知を示す画面図である。演出モードAおよび演出モードBの演出は、異なる態様の演出であればよく、たとえば、背景画像が異なる演出(本実施形態においては、図8(A)で示すように、演出モードAは、1人のキャラクタが演出図柄の変動表示の背景で動く演出であり、図8(C)で示すように、演出モードBは、複数のキャラクタが演出図柄の変動表示の背景で動く演出である。背景の色や模様やシーンが異なる演出であってもよい。)である。
しかし、これに限定されず、変動表示中の音楽などの効果音が異なる演出であってもよいし、ランプの発光態様が異なる演出であってもよいし、演出図柄の変動表示の仕方(たとえば、演出図柄の表示態様、演出図柄のスクロールのさせ方など)が異なる演出であってもよい。なお、演出モードAおよび演出モードBでの表示画面には、それぞれ、演出モードAおよび演出モードBである旨の文字も表示される。
図7に戻って、大当り遊技状態の終了時でない(ステップS111でNO)と判断した場合、および、ステップS112の後、演出制御用CPU101は、特別図柄(演出図柄)の変動表示の開始時であるか否かを判断する(ステップS113)。特別図柄の変動開始時であるか否かは、たとえば、演出制御プロセス処理のうちどのプロセスの処理が行なわれるタイミングであるかを示す演出制御プロセスフラグの値が、図6で示す演出図柄変動開始処理を示す値であるか否かによって判断するようにしてもよいし、演出制御コマンドのうちの演出図柄の変動表示の態様を指定する変動パターン指定コマンドや演出図柄の表示結果を指定する表示結果指定コマンドなどの変動開始時に送信される演出制御コマンドを受信したか否かによって判断するようにしてもよい。
変動開始時である(ステップS113でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、変数n=1、つまり、演出モードAの期間である第1期間の1回目の演出図柄の変動表示の開始時であるか否かを判断する(ステップS114)。変数n=1である(ステップS114でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、演出表示装置9での演出モードAの演出の実行を開始させる(ステップS115)。
変数n=1でない(ステップS114でNO)と判断した場合、および、ステップS115の後、演出制御用CPU101は、変数n=1〜29、つまり、演出モードAの期間である第1期間の各変動表示の開始時であるか否かを判断する(ステップS116)。変数n=1〜29である(ステップS116でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、演出表示装置9の画面のたとえば右上部に、態様α1で高確高ベース残回数mを表示させ、態様βで演出モードA残回数kを表示させる(ステップS117)。
図8(A)を参照して、本実施の形態において、態様α1は、高確高ベース残回数mを長方形の枠で囲って演出モードA残回数kよりも大きいサイズの数字(ここでは「81」)を表示する態様である。態様βは、演出モードA残回数kを枠で囲まず高確高ベース残回数mよりも小さいサイズの数字(ここでは「10」)を表示するとともにその数字の意味(ここでは、数字が演出モードBまでの残りの演出図柄の変動表示の回数を示すとの意味)を示す文字情報(ここでは、「演出モードBまで残り」)をその数字の前に表示する態様である。
図7に戻って、ステップS117の後、演出制御用CPU101は、変数n=20〜29、つまり、演出モードAの第1期間の残り10回の各変動表示の開始時であるか否かを判断する(ステップS118)。変数n=20〜29である(ステップS118でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、演出モードA残回数kを示す数字およびその数字の意味を示す文字情報を、それまでの色よりも遊技者が一般的に認識し易い色(ここでは赤)で表示させる(ステップS119)。
変数n=1〜29でない(ステップS116,ステップS118でNO)と判断した場合、および、ステップS119の後、演出制御用CPU101は、変数n=30、つまり、演出モードBの期間である第2期間の1回目の演出図柄の変動表示の開始時であるか否かを判断する(ステップS121)。変数n=30である(ステップS121でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、演出モードAが終了して演出モードBが開始されることを示す特別画像を演出表示装置9に表示させる(ステップS122)。
図8(B)を参照して、ステップS122で表示される特別画像には、演出モードAが終了して演出モードBが開始されることを示す情報として「演出モードB開始!!」との文字が含まれる。
図7に戻って、ステップS122の後、演出制御用CPU101は、演出表示装置9での演出モードBの演出の実行を開始させる(ステップS123)。
変数n=30でない(ステップS121でNO)と判断した場合、および、ステップS123の後、演出制御用CPU101は、変数n=30〜100、つまり、演出モードBの期間である第2期間の各変動表示の開始時であるか否かを判断する(ステップS124)。変数n=30〜100である(ステップS124でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、演出表示装置9の画面の第1期間で高確高ベース残回数mが表示されていた右上部に、態様α2で高確高ベース残回数mを表示させる(ステップS125)。なお、演出モードAの第1期間は終了しているので演出モードA残回数kは表示させない。また、ここでは、第2期間における高確高ベース残回数の表示位置を第1期間と同じ位置にしているが、これに限定されず、第1期間と異なる位置(たとえば、画面上段の中央部など)としてもよい。
図8(C)を参照して、本実施の形態において、態様α2は、態様α1の態様に加えて長方形の枠の縦線のそれぞれの内側の近傍に縦線を追加して表示することで態様α1よりも遊技者が認識し易くした態様である。
図7に戻って、ステップS125の後、演出制御用CPU101は、変数n=91〜100、つまり、演出モードBの第2期間の残り10回の各変動表示の開始時であるか否かを判断する(ステップS126)。変数n=91〜100である(ステップS126でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、高確高ベース残回数mを示す数字を、それまでの色よりも遊技者が一般的に認識し易い色(ここでは赤)で表示させる(ステップS127)。
変動開始時でない(ステップS113でNO)と判断した場合、変数n=30〜100でない(ステップS124でNO)と判断した場合、および、ステップS127の後、演出制御用CPU101は、特別図柄(演出図柄)の変動表示の終了時であるか否かを判断する(ステップS131)。特別図柄の変動終了時であるか否かは、たとえば、演出制御プロセス処理のうちどのプロセスの処理が行なわれるタイミングであるかを示す演出制御プロセスフラグの値が、図6で示す演出図柄変動停止処理を示す値であるか否かによって判断するようにしてもよいし、演出制御コマンドのうちの演出図柄の変動表示の停止を指定する図柄確定コマンドなどの変動終了時に送信される演出制御コマンドを受信したか否かによって判断するようにしてもよい。
変動終了時である(ステップS131でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、変数nを1加算し、変数m,kを1減算し(ステップS132)、高確高ベース残回数m=0となった、つまり、高確高ベース状態の最後の特別図柄(演出図柄)の変動表示の終了時であるか否かを判断する(ステップS133)。変数m=0である(ステップS133でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、高確高ベース残回数mの表示を消去することで終了させ(ステップS134)、演出モードBの演出の実行を終了させる(ステップS135)。
[変形例]
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態においては、高確高ベース状態残回数mと演出モードA残回数kとの両方の残回数を1つの演出表示装置9に表示させるようにした。図9は、大当り遊技状態における残期間の報知の変形例を示す画面図である。図9を参照して、前述した実施の形態に限定されず、パチンコ遊技機1が2つの演出表示装置9A,9Bを備えるようにして、一方の演出表示装置9Aに高確高ベース状態残回数mを表示させ、他方の演出表示装置9Bに演出モードA残回数kを表示させるようにしてもよい(図9のように表示させてもよいし、図9で示す演出表示装置9Aの情報と演出表示装置9Bの情報とを逆に表示させるようにしてもよい)。
また、演出表示装置9Aおよび演出表示装置9Bの少なくとも一方の位置が動くように構成するようにしてもよい。これにより、一方の演出表示装置の位置を動かしたり、一方の演出表示装置を他方の前に移動させたりすることによって、その一方の画面に表示されている残回数に遊技者を注目させることができる。また、第1期間では演出表示装置を移動させ、第2期間では演出表示装置を初期位置に戻すようにしてもよい。この場合、移動していた演出表示装置を第1期間と第2期間との間の特別画像の表示中に初期位置に戻すようにしてもよい。逆に、第1期間では演出表示装置を初期位置のままとして、第2期間では演出表示装置を移動させ、第2期間の後に演出表示装置を初期位置に戻すようにしてもよい。
また、サブの演出表示装置9Bに演出モードA残回数kを表示させる場合に、演出モードAの演出態様の世界観(シーン)に整合した表示態様で表示させるようにしてもよい。たとえば、演出モードAが工場のシーンの場合、演出モードA残回数kの表示態様を、工場における制限時間の表示しているような態様で表示するようにしてもよい。
(2) 前述した実施の形態においては、高確高ベース状態の期間に演出モードAの第1期間および演出モードBの第2期間が含まれることとした。そして、第1期間においては、高確高ベース状態の期間の残期間および第1期間の残期間を報知し、第2期間においては、高確高ベース状態の期間の残期間を報知するようにした。
しかし、これに限定されず、遊技者にとって有利な状態に制御されている全体期間に3つ以上の複数の部分期間が含まれるようにしてもよい。そして、いずれか少なくとも1つの部分期間において、全体期間の残期間および部分期間の残期間を報知するようにしてもよい。さらに、その他の部分期間のうちの少なくとも1つの部分期間(たとえば、全体期間のうちの最後の部分期間)において、全体期間の残期間を報知するようにしてもよい。これによっても、前述した実施の形態のように全体期間に2つの部分期間が含まれる場合と同様の効果を得ることができる。
たとえば、3つの部分期間が含まれる場合に、1つ目の部分期間においては、1つ目の部分期間の残期間および全体期間の残期間を報知し、2つ目の部分期間においては、2つ目の部分期間の残期間および全体期間の残期間を報知し、3つ目の部分期間においては、全体期間の残期間を報知するようにしてもよい。この場合に、1つ目の部分期間または2つ目の部分期間において部分期間の残期間は報知しないようにしてもよい。
(3) 前述した実施の形態においては、全体期間のうちの複数の部分期間は、それぞれ、演出態様が異なる期間(演出モードAの第1期間、演出モードBの第2期間)であることとした。しかし、これに限定されず、全体期間のうちの複数の部分期間は、それぞれ、遊技状態が異なる期間であってもよい。たとえば、高確高ベース状態の期間と高確低ベース状態の期間とが部分期間であり、それらの期間を含む高確状態の期間が全体期間であることとしてもよい。これによっても、前述した実施の形態のように全体期間に複数の演出態様の部分期間が含まれる場合と同様の効果を得ることができる。
(4) 前述した実施の形態においては、図8(B)で示したように、特別画像は、部分期間が開始することを報知する旨の画像であることとした。しかし、これに限定されず、特別画像は、部分期間が終了したことを報知する旨の画像であってもよいし、前の部分期間が終了したことおよび後の部分期間が開始することの両方を報知する旨の画像であってもよい。
(5) 前述した実施の形態においては、図8(B)で示したように、特別画像は、単に部分期間が開始することを報知する旨の画像であることとした。しかし、これに限定されず、特別画像は、開始する部分期間について説明する画像、たとえば、開始する部分期間の演出態様や遊技状態を説明する画像であってもよい。
また、特別画像は、記憶されている保留記憶情報のうちに、大当りなどの遊技者にとって有利な状態と判定される保留記憶情報が含まれていることを示唆する先読み予告のための演出を含む画像であってもよい。たとえば、特別画像は、大当りと判定される保留記憶情報が記憶されているときは所定の確率で虹色の文字で上述した旨が含まれる画像であってもよい。
(6) 前述した実施の形態において、部分期間である演出モードAの第1期間において、高確高ベース残回数を上乗せする場合に、高確高ベース残回数および演出モードA残回数の両方に同時に上乗せ回数を加算するようにしてもよい。また、一方の残回数のみに上乗せ回数を加算し、その上乗せ回数分が経過するまでは、上乗せ回数が加算されていない他方の残回数の減算を停止させておくようにしてもよい。全体期間をAT期間とし、部分期間をAT期間における演出態様の異なる期間とした場合のAT期間の上乗せにも適用することができる。これらの場合に、たとえば、画面全体に「+20」と表示した後、残回数に上乗せ回数を加算する。
たとえば、大当り遊技状態終了後に、確変大当りとする場合には100回の変動表示に亘って高確高ベース状態に制御し、通常大当りとする場合には80回の変動表示に亘って低確高ベース状態に制御する場合に、最初は、確変大当りおよび通常大当りのいずれの場合も、最初は、全体期間として、80回を表示しておき、確変大当りの場合は、いずれかの部分期間において、上述したような上乗せ演出を実行して、20回が上乗せされたように報知してもよい。
(7) 前述した実施の形態においては、高確高ベース残期間および演出モードA残期間は、両方とも演出表示装置9の右上に表示させるようにした。しかし、これに限定されず、それぞれ、他の位置に表示させるようにしてもよく、両方を離して表示させるようにしてもよい。
(8) 前述した実施の形態においては、高確高ベース残期間を演出モードA残期間よりも大きい文字で表示するようにした。しかし、これに限定されず、それぞれの文字はどのような文字で表示してもよく、たとえば、逆に演出モードA残期間の方を大きい文字で表示するようにしてもよい。
(9) 前述した実施の形態における高確高ベース残期間および演出モードA残期間の更新タイミングは、同じタイミングであってもよいし、多少異なるタイミングであってもよい。
(10) 前述した実施の形態においては、全体期間のうちの第1期間の方が第2期間よりも短いこととしたが、これに限定されず、全体期間のうちの第2期間の方が第1期間よりも短いこととしてもよい。
(11) 前述した実施の形態においては、残期間を数字で表示することで報知することとした。しかし、これに限定されず、残期間を数字でない表示、たとえば、メータ表示などの画像表示で報知することとしてもよい。また、残期間を音(たとえば、残期間が長いほどゆったりとしたテンポの音楽とし、残期間が短くなるほど速いテンポの音楽とする)で報知するようにしてもよい。
(12) 演出制御基板80のRAM103の少なくとも一部は、電源が供給されない状態でもデータを記憶可能なバックアップRAMとして構成されてもよい。そして、高確高ベース残回数や演出モードA残回数を予めバックアップRAMに記憶させておいたり、遊技機への供給される電力の電圧が降下してきて電力供給が停止しそうなときに、高確高ベース残回数や演出モードA残回数をバックアップRAMに移動させて記憶させたりすることで、電力供給の復旧時に、遊技が再開可能となったときに、バックアップRAMから高確高ベース残回数や演出モードA残回数を読出して図8で示したような更新表示を即座に再開させるようにしてもよい。このようにすれば、高確高ベース状態や演出モードAの残回数を遊技者に即座に知らせることができる。このため、遊技者は、電力供給が停止する前の状態から継続して高確高ベース状態や演出モードAの残回数が更新表示されていることを確認することができる。その結果、遊技者に安心感を与えることができる。
(13) 前述した実施の形態に示した各種演出は、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて表示手段における図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組合せになると、所定数のメダルが遊技者に払出されるスロットマシン(スロット機)に適用することも可能である。スロットマシンにおいては、ビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)、といったボーナス、また内部抽選結果を報知する演出を実行するAT、通常遊技状態と比較して再遊技役の当選確率が異なるRT、ATとRTとに移行されたARTへの制御を示す演出として前述した各種演出を実行するようにしてもよい。たとえば、AT等に当選した契機(はずれの場合のガセ演出も含む)で保留表示やアクティブ表示を表示し、当該保留表示やアクティブ表示に対して前述したような作用演出が実行されるようにしてもよい。
(14) 前述した実施の形態では、遊技者にとって有利な有利状態として、大当り遊技状態を代表例として説明した。しかし、これに限らず、遊技者にとって有利な有利状態としては、高確率状態(確変状態)、時短状態、および、高ベース状態等のその他の有利状態が含まれてもよい。
(15) 前述の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27R,27L等)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
(16) 前述の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35等、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。このような構成の場合には、前述した実施の形態で演出制御用マイクロコンピュータ100が行なっていた各種決定については、同様に演出制御用マイクロコンピュータ100が行なうようにしてもよく、または、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、または、音/ランプ基板に搭載したマイクロコンピュータ等の制御手段が行なうようにしてもよい。
(17) 前述した実施の形態では、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御マイクロコンピュータは、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータは2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行なうようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータの方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータの方で選択を行なう様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(たとえば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。このように2つのコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する構成においては、1つ目のコマンドを送信した後の2つ目のコマンドにおいて、入賞時演出処理による表示結果の判定結果、および、変動パターン種別のような先読み判定情報を送信し、その2つ目のコマンドを受信したことに基づいて、先読み予告の演出を実行するようにしてもよい。ここで擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものの複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。また、滑りとは、変動表示において図柄の停止直前に図柄を停止予測位置から滑らせる演出表示をいう。
(18) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機等の装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(19) 本実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算されるものである。
(20) 前述した実施の形態では、たとえば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や演出図柄を変動表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、変動表示は、そのような態様にかぎられない。たとえば、変動表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要なく、変動表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を変動表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて変動表示を実行するものであってもよい。この場合、たとえば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、変動表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その変動表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
(21) 前述した実施の形態では、「割合(比率、確率)」として、0%を越える所定の値を具体例に挙げて説明した。しかしながら、「割合(比率、確率)」としては、0%であってもよい。たとえば、所定の遊技期間における所定の遊技状態1の発生割合と他の遊技状態2との発生割合とを比較して、「一方の発生割合が他方の発生割合よりも高い」とした場合には、一方の遊技状態の発生割合が0%の場合も含んでいる。
(22) 前述した実施の形態では、変動表示の表示結果を確変大当りとすることが決定されたときの変動表示結果が導出表示された後、大当り遊技状態の終了後に、無条件で確変状態に制御される確変状態制御例を示した。しかし、これに限らず、特別可変入賞球装置20における大入賞口内に設けられた特定領域を遊技球が通過したことが検出手段により検出されたときに、確変状態に制御される、確変判定装置タイプの確変状態制御が実行されるようにしてもよい。
(23) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。