JP4090624B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機やコイン遊技機等の遊技機に関し、特に、表示状態が変化可能な可変表示装置を含み、可変表示装置における表示結果があらかじめ定められた特定の表示態様となった場合に所定の遊技価値が付与可能となる遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
遊技機として、表示状態が変化可能な可変表示部を有する可変表示装置が設けられ、可変表示部の表示結果があらかじめ定められた特定の表示態様となった場合に遊技者に有利となる大当り遊技状態に移行するように構成されたものがある。可変表示装置には複数の可変表示部があり、通常、複数の可変表示部の表示結果を時期を異ならせて表示するように構成されている。可変表示部には、例えば、図柄等の複数の識別情報が可変表示される。可変表示部の表示結果があらかじめ定められた特定の表示態様の組合せとなることを、通常、「大当り」という。なお、遊技価値とは、遊技機の遊技領域に設けられた可変入賞球装置の状態が打球が入賞しやすい遊技者にとって有利な状態になることや、遊技者にとって有利な状態となるための権利を発生させたりすることである。
【0003】
大当りが発生すると、例えば、大入賞口が所定回数開放して打球が入賞しやすい大当り遊技状態に移行する。そして、各開放期間において、所定個(例えば10個)の大入賞口への入賞があると大入賞口は閉成する。そして、大入賞口の開放回数は、所定回数(例えば16ラウンド)に固定されている。なお、各開放について開放時間(例えば29.5秒)が決められ、入賞数が所定個に達しなくても開放時間が経過すると大入賞口は閉成する。また、大入賞口が閉成した時点で所定の条件(例えば、大入賞口内に設けられているVゾーンへの入賞)が成立していない場合には、所定回数に達していなくても大当り遊技状態は終了する。
【0004】
また、「大当り」の組合せ以外の「はずれ」の表示態様の組合せのうち、複数の可変表示部の表示結果のうちの一部が未だに導出表示されていない段階において、既に表示結果が導出表示されている可変表示部の表示態様が特定の表示態様の組合せとなる表示条件を満たしている状態を「リーチ」という。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
【0005】
遊技機における遊技進行はマイクロコンピュータ等による遊技制御手段によって制御される。可変表示装置に表示される識別情報、キャラクタ画像および背景画像は、遊技制御手段からの表示制御コマンドデータに従って動作する表示制御手段によって制御される。可変表示装置に表示される識別情報、キャラクタ画像および背景画像は、一般に、表示制御用のマイクロコンピュータとマイクロコンピュータの指示に応じて画像データを生成して可変表示装置側に転送するビデオディスプレイプロセッサ(VDP)とによって制御されるが、表示制御用のマイクロコンピュータのプログラム容量は大きい。従って、プログラム容量に制限のある遊技制御手段のマイクロコンピュータで可変表示装置に表示される識別情報等を制御することはできず、遊技制御手段のマイクロコンピュータとは別の表示制御用のマイクロコンピュータ(表示制御手段)が用いられる。
【0006】
従って、遊技の進行を制御する遊技制御手段は、表示制御手段に対して表示制御のためのコマンドを送信する必要がある。識別情報等の画像データの生成は表示制御手段によって行われるが、画面内における変動中の識別情報の時々刻々の表示位置は、遊技の進行を制御する遊技制御手段が行った方がよいという観点から、遊技制御手段によって決定される。よって、遊技制御手段は、適当なタイミング毎に識別情報の表示位置を決定し、表示位置を表示制御手段に伝達する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、従来の遊技機では、遊技制御手段によって変動中の識別情報の表示位置が決定されるので、遊技制御手段の識別情報表示に関する制御の負担が大きく、遊技制御手段において、他の遊技制御のために費やすことができる処理時間が制限されるという課題がある。特に、表示による遊技演出を豊富にしようとすると、遊技制御手段の負荷は非常に大きくなってしまう。そのような課題を解決するには、例えば、遊技制御手段が表示制御手段に識別情報の速度変化時点(変動開始および変動停止を含む)送信し、表示制御手段が受信した速度に応じて識別情報の表示位置を決定することが考えられる。しかし、そのような識別情報変動制御によっても、1回の変動中に何回も遊技制御手段から表示制御手段にコマンドが送信されるので、やはり、遊技制御手段の識別情報表示に関する制御の負担は大きい。
【0008】
そこで、本発明は、遊技制御手段の識別情報表示に関する制御の負担をさらに軽くして、遊技制御手段が本来の遊技制御にかけられる時間を増やすことができる遊技機を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明による遊技機は、表示状態が変化可能な複数の表示領域を有する可変表示部を含み、変動開始の条件の成立に応じて表示領域に表示される識別情報の変動を開始し、識別情報の表示結果があらかじめ定められた特定表示態様となったときに遊技者に有利な遊技状態に制御可能な遊技機であって、遊技の進行を制御する遊技制御手段と、可変表示部の表示制御を行う表示制御手段とを備え、遊技制御手段は、識別情報の変動表示が行われる変動時間を複数種類の変動時間の中から決定する変動時間決定手段と、少なくとも識別情報の変動開始の条件の成立に応じて、変動時間決定手段によって決定された変動時間を特定可能なコマンドを表示制御手段に出力するコマンド出力手段とを含み、コマンド出力手段は、一方向にのみコマンドを出力する不可逆性出力手段であり、表示制御手段は、コマンド出力手段によって出力されたコマンドにより変動時間を特定し、特定した変動時間に対応する変動パターンとして少なくとも第1の変動パターンおよび第2の変動パターンを含む複数種類の中から1つの変動パターンを決定し、第1の変動パターンおよび第2の変動パターンは、第1の変動態様で識別情報の変動表示を行う期間と、第1の変動態様とは異なる第2の変動態様で識別情報の変動表示を行う期間とを含み、第1の変動パターンと第2の変動パターンとでは、第1の変動態様で識別情報の変動表示を行う期間の長さを異ならせ、第1の変動パターンと第2の変動パターンとでは、第2の変動態様で識別情報の変動表示を行う期間の長さおよび該期間における識別情報の変動テンポを異ならせ、第1の変動パターンの変動時間と第2の変動パターンの変動時間とを同一の変動時間で構成したことを特徴とする。
【0010】
ここで、変動テンポとは、識別情報の表示が変化していくリズムを示す概念である。
【0012】
基本動作が同じであって変動テンポが異なる変動態様で識別情報の変動表示を行う期間を含む各変動パターンは、その期間内での送り識別情報数が異なるように構成されていてもよい。なお、基本動作が同じとは、変動パターンに含まれる各変動態様の配列が同じであることをいう。
【0013】
表示制御手段は、少なくともリーチ動作する識別情報列における変動態様の期間が異なる第1の変動パターンおよび第2の変動パターンを含む複数種類の中から1つの変動パターンを決定するように構成されていてもよい。
【0014】
ここで、表示制御手段は、リーチを成立させる識別情報列における変動態様の期間が異なる第1の変動パターンおよび第2の変動パターンを含む複数種類の中から1つの変動パターンを決定するように構成されていてもよい。
【0015】
表示制御手段は、一定速で変動する変動態様の期間が異なる第1の変動パターンおよび第2の変動パターンを含む複数種類の中から1つの変動パターンを決定するように構成されていてもよい。
【0016】
表示制御手段は、リーチ動作に入る識別情報を対象として第1の変動パターンおよび第2の変動パターンを含む複数種類の中から1つの変動パターンを決定するように構成されていてもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図、図2はパチンコ遊技機1の内部構造を示す全体背面図、図3はパチンコ遊技機1の遊技盤を背面からみた背面図である。なお、ここでは、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、例えばコイン遊技機等であってもよい。
【0018】
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3からあふれた景品玉を貯留する余剰玉受皿4と打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の後方には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が設けられている。
【0019】
遊技領域7の中央付近には、複数種類の図柄を可変表示するための可変表示部9と7セグメントLEDによる可変表示器10とを含む可変表示装置8が設けられている。この実施の形態では、可変表示部9には、「左」、「中」、「右」の3つの図柄表示エリアがある。可変表示装置8の側部には、打球を導く通過ゲート11が設けられている。通過ゲート11を通過した打球は、玉出口13を経て始動入賞口14の方に導かれる。通過ゲート11と玉出口13との間の通路には、通過ゲート11を通過した打球を検出するゲートスイッチ12がある。また、始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ17によって検出される。また、始動入賞口14の下部には開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。
【0020】
可変入賞球装置15の下部には、特定遊技状態(大当り状態)においてソレノイド21によって開状態とされる開閉板20が設けられている。この実施の形態では、開閉板20が大入賞口を開閉する手段となる。開閉板20から遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち一方(Vゾーン)に入った入賞球はVカウントスイッチ22で検出される。また、開閉板20からの入賞球はカウントスイッチ23で検出される。可変表示装置8の下部には、始動入賞口14に入った入賞球数を表示する4個の表示部を有する始動入賞記憶表示器18が設けられている。この例では、4個を上限として、始動入賞がある毎に、始動入賞記憶表示器18は点灯している表示部を1つずつ増やす。そして、可変表示部9の可変表示が開始される毎に、点灯している表示部を1つ減らす。
【0021】
遊技盤6には、複数の入賞口19,24が設けられている。遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、遊技効果LED28aおよび遊技効果ランプ28b,28cが設けられている。そして、この例では、一方のスピーカ27の近傍に、景品玉払出時に点灯する賞球ランプ51が設けられ、他方のスピーカ27の近傍に、補給玉が切れたときに点灯する玉切れランプ52が設けられている。さらに、図1には、パチンコ遊技台1に隣接して設置され、プリペイドカードが挿入されることによって玉貸しを可能にするカードユニット50も示されている。
【0022】
打球発射装置から発射された打球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。打球が通過ゲート11を通ってゲートスイッチ12で検出されると、可変表示器10の表示数字が連続的に変化する状態になる。また、打球が始動入賞口14に入り始動口スイッチ17で検出されると、図柄の変動を開始できる状態であれば、可変表示部9内の図柄が回転を始める。図柄の変動を開始できる状態でなければ、始動入賞記憶を1増やす。なお、始動入賞記憶については、後で詳しく説明する。可変表示部9内の画像の回転は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の画像の組み合わせが大当り図柄の組み合わせであると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、開閉板20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)の打球が入賞するまで開放する。そして、開閉板20の開放中に打球が特定入賞領域に入賞しVカウントスイッチ22で検出されると、継続権が発生し開閉板20の開放が再度行われる。この継続権の発生は、所定回数(例えば15ラウンド)許容される。
【0023】
停止時の可変表示部9内の画像の組み合わせが確率変動を伴う大当り図柄の組み合わせである場合には、次に大当りとなる確率が高くなる。すなわち、高確率状態という遊技者にとってさらに有利な状態となる。
また、可変表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定時間だけ開状態になる。さらに、高確率状態では、可変表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。
【0024】
次に、パチンコ遊技機1の裏面の構造について図2を参照して説明する。
可変表示装置8の背面では、図2に示すように、機構板36の上部に景品玉タンク38が設けられ、パチンコ遊技機1が遊技機設置島に設置された状態でその上方から景品玉が景品玉タンク38に供給される。景品玉タンク38内の景品玉は、誘導樋39を通って玉払出装置に至る。
【0025】
機構板36には、中継基板30を介して可変表示部9を制御する可変表示制御ユニット29、基板ケース32に覆われ遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31、可変表示制御ユニット29と遊技制御基板31との間の信号を中継するための中継基板33、および景品玉の払出制御を行う払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された賞球基板37が設置されている。さらに、機構板36には、モータの回転力を利用して打球を遊技領域7に発射する打球発射装置34と、スピーカ27および遊技効果ランプ・LED28a,28b,28cに信号を送るためのランプ制御基板35が設置されている。
【0026】
また、図3はパチンコ遊技機1の遊技盤を背面からみた背面図である。遊技盤6の裏面には、図3に示すように、各入賞口および入賞球装置に入賞した入賞玉を所定の入賞経路に沿って導く入賞玉集合カバー40が設けられている。入賞玉集合カバー40に導かれる入賞玉のうち、開閉板20を経て入賞したものは、玉払出装置97が相対的に多い景品玉数(例えば15個)を払い出すように制御される。始動入賞口14を経て入賞したものは、玉払出装置(図3において図示せず)が相対的に少ない景品玉数(例えば6個)を払い出すように制御される。そして、その他の入賞口24および入賞球装置を経て入賞したものは、玉払出装置が相対的に中程度の景品玉数(例えば10個)を払い出すように制御される。なお、図3には、中継基板33が例示されている。
【0027】
賞球払出制御を行うために、入賞球検出スイッチ99、始動口スイッチ17およびVカウントスイッチ22からの信号が、主基板31に送られる。主基板31に入賞球検出スイッチ99のオン信号が送られると、主基板31から賞球基板37に賞球個数信号が送られる。入賞があったことは入賞球検出スイッチ99で検出されるが、その場合に、主基板31から、賞球基板37に賞球個数信号が与えられる。例えば、始動口スイッチ17のオンに対応して入賞球検出スイッチ99がオンすると、賞球個数信号に「6」が出力され、カウントスイッチ23またはVカウントスイッチ22のオンに対応して入賞球検出スイッチ99がオンすると、賞球個数信号に「15」が出力される。そして、それらのスイッチがオンしない場合に入賞球検出スイッチ99がオンすると、賞球個数信号に「10」が出力される。
【0028】
図4は、主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図4には、賞球制御基板37、ランプ制御基板35、音声制御基板70、発射制御基板91および表示制御基板80も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する基本回路53と、ゲートスイッチ12、始動口スイッチ17、Vカウントスイッチ22、カウントスイッチ23および入賞球検出スイッチ99からの信号を基本回路53に与えるスイッチ回路58と、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16および開閉板20を開閉するソレノイド21を基本回路53からの指令に従って駆動するソレノイド回路59と、始動記憶表示器18の点灯および滅灯を行うとともに7セグメントLEDによる可変表示器10と装飾ランプ25とを駆動するランプ・LED回路60とを含む。
【0029】
また、基本回路53から与えられるデータに従って、大当りの発生を示す大当り情報、可変表示部9の画像表示開始に利用された始動入賞球の個数を示す有効始動情報、確率変動が生じたことを示す確変情報等をホール管理コンピュータ等のホストコンピュータに対して出力する情報出力回路64を含む。
【0030】
基本回路53は、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用されるRAM55、制御用のプログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。なお、ROM54,RAM55はCPU56に内蔵されている場合もある。
【0031】
さらに、主基板31には、電源投入時に基本回路53をリセットするための初期リセット回路65と、定期的(例えば、2ms毎)に基本回路53にリセットパルスを与えてゲーム制御用のプログラムを先頭から再度実行させるための定期リセット回路66と、基本回路53から与えられるアドレス信号をデコードしてI/Oポート部57のうちのいずれかのI/Oポートを選択するための信号を出力するアドレスデコード回路67とが設けられている。
なお、玉払出装置97から主基板31に入力されるスイッチ情報もあるが、図4ではそれらは省略されている。
【0032】
遊技球を打撃して発射する打球発射装置は発射制御基板91上の回路によって制御される駆動モータ94で駆動される。そして、駆動モータ94の駆動力は、操作ノブ5の操作量に従って調整される。すなわち、発射制御基板91上の回路によって、操作ノブ5の操作量に応じた速度で打球が発射されるように制御される。
【0033】
図5は、表示制御基板80内の回路構成を、可変表示部9の一実現例であるCRT82および主基板31の出力バッファ回路(出力ドライバ)63とともに示すブロック図である。表示制御用CPU101は、制御データROM102に格納されたプログラムに従って動作し、主基板31から入力バッファ回路105における入力バッファ105aを介してストローブ信号が入力されると、入力バッファ105aを介して表示制御コマンドを受信する。なお、主基板31の出力バッファ回路63は、基本回路53の出力ポートから信号を入力して主基板31から出力する回路であるが、片方向(主基板31から表示制御基板80に向かう方向)にしか信号を伝えない。
【0034】
そして、表示制御用CPU101は、受信した表示制御コマンドに従って、CRT82に表示される画面の表示制御を行う。具体的には、表示制御コマンドに応じた指令をVDP103に与える。VDP103は、キャラクタROM86から必要なデータを読み出す。VDP103は、入力したデータに従ってCRT82に表示するための画像データを生成し、その画像データをVRAM87に格納する。そして、VRAM87内の画像データは、R,G,B信号に変換され、D−A変換回路104でアナログ信号に変換されてCRT82に出力される。
【0035】
なお、図5には、VDP103をリセットするためのリセット回路83、VDP103に動作クロックを与えるための発振回路85、および使用頻度の高い画像データを格納するキャラクタROM86も示されている。キャラクタROM86に格納される使用頻度の高い画像データとは、例えば、CRT82に表示される人物、動物、または、文字、図形もしくは記号等からなる画像などである。
【0036】
入力バッファ回路105における入力バッファ105aは、主基板31から表示制御基板80へ向かう方向にのみ信号を通過させることができる。従って、表示制御基板80側から主基板31側に信号が伝わる余地はない。表示制御基板80内の回路に不正改造が加えられても、不正改造によって出力される信号が主基板31側に伝わることはない。さらに、片方向にしか信号を伝えない出力バッファ回路63を主基板31に設けることによって、主基板31から表示制御基板80への一方向性の信号伝達をより確実にすることができる。
【0037】
次に遊技機の動作について説明する。
図6は、主基板31における基本回路53の動作を示すフローチャートである。上述したように、この処理は、定期リセット回路66が発するリセットパルスによって、例えば2ms毎に起動される。基本回路53が起動されると、基本回路53は、まず、クロックモニタ制御を動作可能状態にするために、CPU56に内蔵されているクロックモニタレジスタをクロックモニタイネーブル状態に設定する(ステップS1)。なお、クロックモニタ制御とは、入力されるクロック信号の低下または停止を検出すると、CPU56の内部で自動的にリセットを発生する制御である。
【0038】
次いで、CPU56は、スタックポインタの指定アドレスをセットするためのスタックセット処理を行う(ステップS2)。この例では、スタックポインタに00FFHが設定される。そして、システムチェック処理を行う(ステップS3)。システムチェック処理では、CPU56は、RAM55にエラーが含まれているか判定し、エラーが含まれている場合には、RAM55を初期化するなどの処理を行う。
【0039】
次に、表示制御基板80に送出されるコマンドデータをRAM55の所定の領域に設定する処理を行った後に(表示制御データ設定処理:ステップS4)、コマンドデータを表示制御コマンドデータとして出力する処理を行う(表示制御データ出力処理:ステップS5)。
【0040】
次いで、各種出力データの格納領域の内容を各出力ポートに出力する処理を行う(データ出力処理:ステップS6)。また、ランプタイマを1減ずる処理を行い、ランプタイマがタイムアウトしたら(=0になったら)、ランプデータポインタを更新するとともに新たな値をランプタイマに設定する(ランプタイマ処理:ステップS7)。
【0041】
また、ランプデータポインタが示すアドレスのデータ、ホール管理用コンピュータに出力される大当り情報、始動情報、確率変動情報などの出力データを格納領域に設定する出力データ設定処理を行う(ステップS8)。さらに、パチンコ遊技機1の内部に備えられている自己診断機能によって種々の異常診断処理が行われ、その結果に応じて必要ならば警報が発せられる(エラー処理:ステップS9)。
【0042】
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用乱数等の各判定用乱数を示す各カウンタを更新する処理を行う(ステップS10)。
図7は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:大当りを発生させるか否か決定する(大当り判定用=特別図柄決定用)
(2)ランダム2−1〜2−3:左右中のはずれ図柄決定用
(3)ランダム3:大当り時の図柄の組合せを決定する(大当り図柄決定用=特別図柄判定用)
(4)ランダム4:はずれ時にリーチするか否か決定する(リーチ判定用)
(5)ランダム5:リーチ時の変動時間を決定する(リーチ種類決定用)
【0043】
なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(5)の乱数以外の乱数も用いられている。
ステップS10では、CPU56は、(1)の大当たり判定用乱数および(3)の大当り図柄判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数である。
【0044】
次に、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS11)。特別図柄プロセス制御では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS12)。普通図柄プロセス処理では、7セグメントLEDによる可変表示器10を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
【0045】
さらに、CPU56は、スイッチ回路58を介して、各スイッチの状態を入力し、スイッチ状態に応じて必要な処理を行う(スイッチ処理:ステップS13)。また、後述するプロセスデータ中の音声データを音声制御基板70に送出する処理を行う(音声処理:ステップS14)。
【0046】
基本回路53は、さらに、表示用乱数を更新する処理を行う(ステップS15)。すなわち、ランダム2,4,5を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。
【0047】
また、基本回路53は、賞球制御基板37との間の信号処理を行う(ステップS16)。すなわち、所定の条件が成立すると賞球制御基板37に賞球個数を示す賞球制御コマンドを出力する。賞球制御基板37に搭載されている賞球制御用CPUは、受信した賞球個数に応じて玉払出装置97を駆動する。
その後、基本回路53は、次に定期リセット回路66からリセットパルスが与えられるまで、ステップS17の表示用乱数更新処理を繰り返す。
【0048】
次に、始動入賞口14への入賞にもとづいて可変表示部9に可変表示される図柄の決定方法について図8〜図10のフローチャートを参照して説明する。図8は打球が始動入賞口14に入賞したことを判定する処理を示し、図9は可変表示部9の可変表示の停止図柄を決定する処理を示す。図10は、大当りとするか否か決定する処理を示すフローチャートである。
【0049】
打球が遊技盤6に設けられている始動入賞口14に入賞すると、始動口センサ17がオンする。メイン処理のステップS8の特別図柄プロセス処理において、図8に示すように、CPU56は、スイッチ回路58を介して始動口センサ17がオンしたことを判定すると(ステップS41)、始動入賞記憶数が最大値である4に達しているかどうか確認する(ステップS42)。始動入賞記憶数が4に達していなければ、始動入賞記憶数を1増やし(ステップS43)、大当り判定用乱数の値を抽出する。そして、それを始動入賞記憶数の値に対応した乱数値格納エリアに格納する(ステップS44)。なお、始動入賞記憶数が4に達している場合には、始動入賞記憶数を増やす処理を行わない。すなわち、この実施の形態では、最大4個の始動入賞口17に入賞した打球数が記憶可能である。
【0050】
図9に示すように、CPU56は、ステップS8の特別図柄プロセス処理において始動入賞記憶数の値を確認する(ステップS50)。始動入賞記憶数が0でなければ、始動入賞記憶数=1に対応する乱数値格納エリアに格納されている値を読み出すとともに(ステップS51)、始動入賞記憶数の値を1減らし、かつ、各乱数値格納エリアの値をシフトする(ステップS52)。すなわち、始動入賞記憶数=n(n=2,3,4)に対応する乱数値格納エリアに格納されている値を、始動入賞記憶数=n−1に対応する乱数値格納エリアに格納する。
【0051】
そして、CPU56は、ステップS51で読み出した値、すなわち抽出されている大当り判定用乱数の値にもとづいて当たり/はずれを決定する(ステップS53)。ここでは、大当り図柄判定用乱数は0〜299の範囲の値をとることにする。図10に示すように、低確率時には例えばその値が「3」である場合に「大当り」と決定し、それ以外の値である場合には「はずれ」と決定する。高確率時には例えばその値が「3」,「7」,「79」,「103」,「107」のいずれかである場合に「大当り」と決定し、それ以外の値である場合には「はずれ」と決定する。
【0052】
大当たりと判定されたときには、大当り図柄決定用乱数(ランダム3)を抽出しその値に従って大当り図柄を決定する(ステップS54)。また、リーチ種類決定用乱数(ランダム5)を抽出しその値にもとづいてリーチ種類を決定する(ステップS57)。
【0053】
はずれと判定された場合には、CPU56は、リーチとするか否か判定する(ステップS58)。例えば、リーチ判定用の乱数であるランダム4の値が「105」〜「1530」のいずれかである場合には、リーチとしないと決定する。そして、リーチ判定用乱数の値が「0」〜「104」のいずれかである場合にはリーチとすることを決定する。リーチとすることを決定したときには、CPU56は、リーチ図柄の決定を行う。
【0054】
この実施の形態では、ランダム2−1の値に従って左右図柄を決定する(ステップS59)。また、ランダム2−2の値に従って中図柄を決定する(ステップS60)。すなわち、ランダム2−1およびランダム2−2の値の0〜15の値に対応したいずれかの図柄が停止図柄として決定される。ここで、決定された中図柄が左右図柄と一致した場合には、中図柄に対応した乱数の値に1加算した値に対応する図柄を中図柄の確定図柄として、大当たり図柄と一致しないようにする。
【0055】
さらに、CPU56は、リーチ種類決定用乱数(ランダム5)を抽出しその値にもとづいてリーチ種類を決定する(ステップS57)。
【0056】
ステップS58において、リーチしないことに決定された場合には、ランダム2−1〜2−3の値に応じて左右中図柄を決定する(ステップS61)。なお、後述するように、この実施の形態では、高確率状態では、はずれ時の変動パターンとして変動時間が短縮されたものも使用される。そこで、高確率状態では、CPU56は、通常のはずれ時の変動パターンを用いるか短縮された変動パターンを用いるのかを、例えば所定の乱数等を用いて決定する。
【0057】
以上のようにして、始動入賞にもとづく図柄変動の表示態様が大当たりとするか、リーチ態様とするか、はずれとするか決定され、それぞれの停止図柄の組合せが決定される。
【0058】
なお、ステップS57において決定されるリーチ種類は、リーチ時の図柄の可変表示期間を示すものである。後で詳しく説明するが、この実施の形態では、リーチ時には、14.5秒、22.5秒および29.5秒のうちのいずれかの可変表示期間が用いられる。従って、ステップS57では、抽出されたランダム5の値に応じて、3種類の期間のうちのいずれかが決定される。そして、表示制御手段が、各可変表示時間のそれぞれについて複数用意されているリーチ種類の中から使用するものを決定する。すなわち、遊技制御手段では、大まかなリーチ種類が決定される。
【0059】
また、高確率状態において、次に大当たりとなる確率が上昇するとともに、7セグメントLEDによる可変表示器10の可変表示の確定までの時間が短縮され、かつ、可変表示器10の可変表示結果にもとづく当たり時の可変入賞球装置15の開放回数および開放時間が高められるようにパチンコ遊技機1が構成されていてもよいし、可変表示器10の可変表示結果にもとづく当たりの確率が高くなるように構成されていてもよい。また、それらのうちのいずれか一つまたは複数の状態のみが生ずるパチンコ遊技機1においても本発明は適用可能である。
【0060】
例えば、可変表示部9の停止図柄の組合せが特定図柄となった場合に、大当たりとなる確率は上昇しないが可変表示器10の可変表示結果にもとづく当たり時の可変入賞球装置15の開放回数および開放時間が高められる遊技機においても、リーチとすることが決定されたら、左右の停止図柄を特定図柄の表示態様と一致させるか否か、すなわちどの図柄でリーチ状態を発生させるかが所定の乱数等の手段によって決定される遊技機においても本発明を適用可能である。
また、この実施の形態で用いられた乱数および乱数値の範囲は一例であって、どのような乱数を用いてもよいし、範囲設定も任意である。
【0061】
図11は、CPU56が実行する特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。図11に示す特別図柄プロセス処理は、図6のフローチャートにおけるステップS11の具体的な処理である。CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う際に、その内部状態に応じて、図11に示すステップS300〜S309のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理が実行される。
【0062】
特別図柄変動待ち処理(ステップS300):始動入賞口14(この実施の形態では可変入賞球装置15の入賞口)に打球入賞して始動口センサ17がオンするのを待つ。始動口センサ17がオンすると、始動入賞記憶数が満タンでなければ、始動入賞記憶数を+1するとともに大当り決定用乱数を抽出する。すなわち、図8に示された処理が実行される。
特別図柄判定処理(ステップS301):特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、始動入賞記憶数を確認する。始動入賞記憶数が0でなければ、抽出されている大当り決定用乱数の値に応じて大当たりとするかはずれとするか決定する。すなわち、図9に示された処理の前半が実行される。
停止図柄設定処理(ステップS302):左右中図柄の停止図柄を決定する。すなわち、図9に示された処理の中半が実行される。
【0063】
リーチ動作設定処理(ステップS303):リーチ判定用乱数の値に応じてリーチ動作するか否か決定するとともに、リーチ種類決定用乱数の値に応じてリーチ時の変動期間を決定する。すなわち、図9に示された処理の後半が実行される。
【0064】
全図柄変動開始処理(ステップS304):可変表示部9において全図柄が変動開始されるように制御する。このとき、表示制御基板80に対して、左右中最終停止図柄と変動態様を指令する情報とが送信される。
【0065】
全図柄停止待ち処理(ステップS305):所定時間が経過すると、可変表示部9において表示される全図柄が停止されるように制御する。
【0066】
大当たり表示処理(ステップS306):停止図柄が大当たり図柄の組み合わせである場合には、内部状態(プロセスフラグ)をステップS307に移行するように更新する。そうでない場合には、内部状態をステップS309に移行するように更新する。なお、大当たり図柄の組み合わせは、左右中図柄が揃った組み合わせである。また、左右図柄が揃うとリーチとなる。
【0067】
大入賞口開放開始処理(ステップS307):大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、カウンタやフラグを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放する。
【0068】
大入賞口開放中処理(ステップS308):大入賞口ラウンド表示の表示制御コマンドデータが表示制御基板80に送出する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立したら、大当り遊技状態の終了条件が成立していなければ内部状態をステップS307に移行するように更新する。大当り遊技状態の終了条件が成立していれば、内部状態をステップS309に移行するように更新する。
【0069】
大当たり終了処理(ステップS309):大当たり遊技状態が終了したことを遊技者に報知するための表示を行う。その表示が終了したら、内部フラグ等を初期状態に戻し、内部状態をステップS300に移行するように更新する。
【0070】
上述したように、始動入賞口14に打球が入賞すると、基本回路53は、ステップS11(図6参照)の特別図柄プロセス処理において、大当たりとするかはずれとするか、停止図柄および可変表示期間を決定するが、その決定に応じた表示制御コマンドを表示制御基板80の表示制御用CPU101に与える。表示制御用CPU101は、主基板31からの表示制御コマンドに応じて可変表示部9の表示制御を行う。
【0071】
次に、図柄の変動を具体例を用いて説明する。
図12は、この実施の形態で用いられる左右中図柄の例を示す説明図である。図12に示すように、この実施の形態では、左右中図柄として表示される各図柄は、左右中で同一の12図柄である。左右中図柄は、図柄番号の順に変動表示される。また、図柄番号12の図柄が表示されると、次に、図柄番号1の図柄が表示される。そして、左右中図柄が、例えば、「一」、「三」、「五」、「七」、「九」または「下駄」で揃って停止すると高確率状態となる。すなわち、それらが確変図柄となる。
【0072】
図13〜図16は、この実施の形態で用いられる主基板31から表示制御基板80に送信される表示制御コマンド例を示す説明図である。この例では、1つの表示制御コマンドは2バイト(CMD1,CMD2)で構成される。
【0073】
図13は、図柄の可変表示期間を特定可能な表示制御コマンドおよび全図柄の停止を指示する表示制御コマンドを示す説明図である。図16に示すように、この例では、可変表示期間を特定可能な表示制御コマンドとして、「はずれ」、「確変時変動」、「リーチ1(変動時間14.5秒)」、「リーチ2(変動時間22.5秒)」および「リーチ3(変動時間29.5秒)」がある。
【0074】
図14には、左図柄の停止図柄を示す表示制御コマンドが示されている。図14に示すように、2バイトの制御データCMD1,CMD2で構成される表示制御コマンドによって停止図柄が指定される。なお、それらの指定において、1バイト目の制御データCMD1の値は、「8B(H)」である。
【0075】
図15には、中図柄の停止図柄を示す表示制御コマンドが示されている。図15に示すように、2バイトの制御データCMD1,CMD2で構成される表示制御コマンドによって停止図柄が指定される。なお、それらの指定において、1バイト目の制御データCMD1の値は、「8C(H)」である。
【0076】
図16には、右図柄の停止図柄を示す表示制御コマンドが示されている。図16に示すように、2バイトの制御データCMD1,CMD2で構成される表示制御コマンドによって停止図柄が指定される。なお、それらの指定において、1バイト目の制御データCMD1の値は、「8D(H)」である。
【0077】
図17は、主基板31から表示制御基板80に送信される表示制御コマンドを示す説明図である。図17に示すように、この実施の形態では、表示制御コマンドは、表示制御信号CD0〜CD7の8本の信号線で主基板31から表示制御基板80に送信される。また、主基板31と表示制御基板80との間には、ストローブ信号を送信するための表示制御信号INTの信号線、表示制御基板80の電源となる+5V,+12Vの供給線、および接地レベルを供給するための信号線も配線されている。
【0078】
図18は、主基板31から遊技制御基板80に与えられる表示制御コマンドの送出タイミングの例を示すタイミング図である。この例では、表示制御コマンドデータを構成する2バイトの表示制御データは、図18に示すように、2ms毎に送出される。そして、各表示制御データに同期してストローブ信号(表示制御信号INT)が出力される。表示制御用CPU101には、ストローブ信号の立ち上がりで割込がかかるので、表示制御用CPU101は、割込処理プログラムによって各表示制御データを取り込むことができる。
【0079】
図19は、変動開始時から変動終了時までの間に主基板31から表示制御基板80に送出される図柄変動に関する表示制御コマンドの送出タイミングを示すタイミング図である。図19に示すように、図柄の変動開始時には、変動開始を指示するための表示制御コマンド(変動期間を特定可能なコマンド)が送出される。変動開始を指示するための表示制御コマンドは、図13に示されたコマンド[80H,00H]〜[80H,05H]のいずれかである。次いで、左右中図柄の停止図柄を示す表示制御コマンドが送出される。そして、変動期間終了時に、「全図柄停止」を指示するコマンド[80H,0FH]が送出される。
【0080】
以下、図20〜図32を参照して図柄の変動パターンの例について説明する。図20は、この実施の形態では、はずれ時には、図20(A)に示すように、可変表示部9における「左」の図柄表示エリアにおいて、まず、パターンaに従って図柄の変動が行われる。パターンaは、少しずつ変動速度が上がるパターンである。その後、パターンbの一定速の高速変動が行われ、停止図柄の3図柄前の図柄が表示されるように制御された後、パターンc従って3図柄の変動が行われる。パターンcは変動速度が徐々に遅くなるパターンである。
【0081】
また、可変表示部9における「右」の図柄表示エリアにおいて、パターンaに従って図柄の変動が行われる。その後、一定速変動の後、停止図柄の3図柄前の図柄が表示されるように制御された後、パターンcに従って図柄の変動が行われる。「中」の図柄表示エリアにおいても、まず、パターンaに従って図柄の変動が行われる。その後、一定速変動の後、停止図柄の3図柄前の図柄が表示されるように制御された後、パターンcに従って図柄の変動が行われる。
【0082】
なお、表示制御基板80の表示制御用CPU101は、中図柄が確定するまで、左右図柄を変動方向の正方向と逆方向に繰り返し変動させる。すなわち、左右図柄を、いわゆる揺れ停止状態に表示制御する。揺れ停止とは、図柄が上下に揺れる表示されることをいう。また、揺れ停止状態は、最終停止図柄(確定図柄)が表示されるまで継続される。そして、主基板31から全図柄停止を指示する表示制御コマンドを受信すると、左右図柄の揺れ停止状態を終了させて左右中図柄が動かない確定状態になる。なお、中図柄も、パターンcによる変動の後に揺れ動作を行い、その後確定状態になるようにしてもよい。また、揺れ変動を、図柄を上下に揺らす態様ではなく、左右に揺らしたりする態様としてもよい。
【0083】
図21は、主基板31から変動時間として14.5秒(リーチ1)が通知されたときに表示される変動パターンの例を示す。表示制御用CPU101は、リーチ1が通知されると、14.5秒の複数の変動パターンのうちの何れの変動パターンを用いるのかを独自に決定する。図21には、複数の変動パターンとして(A)〜(B)の2パターンが例示されている。
【0084】
図21(A)に示された変動パターンでは、左右図柄が停止した後パターンcでの中図柄の変動が終了するとリーチ動作に入る。なお、表示制御用CPU101は、中図柄変動中の左右図柄の停止状態では左右図柄を揺れ動作させている。リーチ動作中に、パターンa、パターンbおよびパターンcに従って中図柄の変動が行われる。そして、主基板31から全図柄停止を指示する表示制御コマンドを受信すると、左右図柄の揺れ停止状態を終了させて左右中図柄が動かない確定状態になる。
【0085】
また、表示制御用CPU101は、主基板31から通知されている停止図柄で図柄が確定するように、リーチ動作開始前に図柄の差し替え(図柄の飛ばし制御)を行う。変動パターンはあらかじめ決められているので、表示制御用CPU101は、各パターンの切替タイミングを認識することができるとともに、差し替えるべき図柄も決定できる。
【0086】
図21(B)に示された変動パターンでは、リーチ動作に入ると、中図柄はコマ送り変動する。そして、主基板31から全図柄停止を指示する表示制御コマンドを受信すると、左右図柄の揺れ停止状態を終了させて左右中図柄が動かない確定状態になる。また、表示制御用CPU101は、主基板31から通知されている停止図柄で図柄が確定するように、リーチ動作開始前に図柄の差し替えを行う。
【0087】
この実施の形態では、図21(B)に示されたコマ送り変動によるリーチ動作を行う変動パターンには、複数種類のパターンがある。つまり、リーチ動作開始前の変動態様とリーチ動作開始後のコマ送りという基本的態様は共通であるが、コマ送り期間における送りコマ数が異なっている各パターンがある。
【0088】
例えば、図22に示すように、リーチ動作開始後のコマ送り期間において、5コマ(5図柄)のコマ送りがなされるパターンと、6コマ(6図柄)のコマ送りがなされるパターンとを用意する。なお、主基板31から「リーチ1」を示す表示制御コマンドを受信した場合、表示制御用CPU101は、乱数等を用いて、図21(A)に示されたパターンを用いるのか、図21(B)に示されたコマ送りを含むパターンを用いるのかを独自に決定するとともに、コマ送りを含むパターンを用いることに決定した場合には、5コマ送りのパターンを用いるのか6コマ送りのパターンを用いるのかを決定する。
【0089】
なお、この例では、リーチ1に対応して図21(A)および(B)に示すような変動パターンを例示するが、可変表示期間を示す1つの表示制御コマンドに対応してより多くの変動パターンを用意してもよい。また、リーチ1にコマ送りを含む変動パターンのみ(複数種類)を対応させてもよい。
【0090】
また、この例では所定の乱数等に応じて任意に5コマのコマ送りを行うのか6コマのコマ送りを行うのかを決定する場合について説明するが、確定図柄すなわち主基板31から表示制御コマンドによって通知された停止図柄に応じて5コマのコマ送りを行うのか6コマのコマ送りを行うのかを決定してもよい。例えば、図柄差し替え時の差し替え数(差し替え前図柄と差し替え後図柄との差)が少なくなるようにコマ送り数を決定するようにしてもよい。
【0091】
5コマ送りのパターンでも6コマ送りのパターンでも、変動時間は14.5秒としなければならない。遊技制御手段すなわち主基板31のCPU56は14.5秒の変動時間の図柄変動が行われていると認識しているので、実際の変動時間が14.5秒からずれてしまうと、表示制御手段の制御状態と遊技制御手段の制御状態とに矛盾が生じてしまうからである。そこで、表示制御用CPU101は、コマ送り数が異なっても全体の変動時間を一定に保つための制御を行わなくてはならない。
【0092】
全体の変動時間を一定に保つには、5コマ送りのパターンでも6コマ送りのパターンでもコマ送り期間を同一にして、6コマ送りの場合のコマ送り速度を速くすればよい。すなわち、6/5倍にすればよい。しかし、そのような制御を行うと、コマ送り速度の違いが大きくなって遊技者が不審感を抱くおそれがある。従って、なるべくコマ送り速度の変化を少なくして、全体の変動時間を一定に保つことが好ましい。そのために、図22に示されたように、コマ送り期間を増減するとともに、リーチ動作開始前の複数の変動態様における1つまたは複数の変動態様の変動時間を増減する。図22に示された例では、高速一定速の変動態様であるパターンbの期間が増減されている。
【0093】
図23〜図27は、コマ送り速度の変化を少なくして全体の変動時間を一定に保つための制御を説明するためのタイミング図である。図23に示すコマ送りの態様では、コマ送り期間において、1図柄変動のための時間が調整され、図柄変動の間のインターバル期間(停止期間)の時間は同じである。また、図24に示すコマ送りの態様では、コマ送り期間において、インターバル期間の時間が調整され、1図柄変動のための時間は同じである。いずれの場合も、変動のパターンが異なっても、コマ送り中の図柄停止期間または図柄変動期間は常に同じであるから、遊技者は、コマ送り速度が違うことに対してそれほど違和感を感じない。
【0094】
図25は、1図柄変動のための時間を調整し、かつ、インターバル期間の時間も調整する場合の例を示す。この場合には、図23および図24に示された例に比べて、5コマ送りのパターンと6コマ送りのパターンとで、1図柄変動のための時間の違いおよびインターバル期間の時間の違いの程度が小さい。このような制御を行う場合には、変動のパターンが異なっても、1図柄変動のための時間およびインターバル期間の時間の異なり方の程度の双方が小さいことから、やはり、遊技者は、コマ送り速度が違うことに対してそれほど違和感を感じない。
【0095】
図26および図27は、リーチ動作開始前の高速一定速の変動態様(パターンb)の期間を増減する例を示すタイミング図である。図26に示す例では、パターンbの変動期間において、変動図柄数を同じにして変動速度を調整する。図27に示す例では、変動速度を同じにして変動図柄数を調整する。いずれの方法を採用しても、高速一定速の変動期間では、遊技者は、変動速度または変動図柄数に変化が生じても、それほど違和感を抱かない。
【0096】
なお、リーチとする場合には、図26および図27に示されたパターンcの期間終了時にリーチが成立するが、パターンbの変動期間を調整することによって、リーチ動作に入る図柄を対象として調整が行われることになる。つまり、図柄はリーチ成立後にリーチ動作によってさらに変動されるので、そのような図柄に調整が施されても、調整されたことが目立つことはない。
【0097】
なお、図23〜図27に示された例における時間の値は単なる例であって、コマ送り期間におけるコマ送り速度の違いをなるべく小さくし、かつ、リーチ動作開始前の高速一定速の変動期間における変動速度または変動図柄数をなるべく小さくして遊技者に違和感を抱かせないにするために、適切な時間値を選択することができる。
【0098】
図28は、左右中図柄の図柄変動が行われる期間の例を示すタイミング図である。(A)は、基本的な左右中図柄の図柄変動の期間を示す。上述したように、リーチ動作する図柄列においてコマ送り数が変わると(この例では、中図柄列において6コマ送りとすると)、コマ送り期間が変化するので、(B)に示すようにリーチ動作開始タイミングが早くなる。すると、リーチを成立させる図柄列(この例では左右図柄列)において図柄が仮停止(揺れ停止)するタイミングすなわちリーチが成立するタイミングとリーチ動作開始のタイミングとの差が、(A)の基本的な図柄変動の場合と異なってくる。その場合、遊技者が、図柄の変動について不審感を抱くおそれもある。
【0099】
そこで、(C)に示すように、リーチ動作を行う図柄列の変動期間が増減した場合には、リーチを成立させる図柄列の変動期間も増減して、リーチを成立させる図柄列において図柄が停止するタイミングとリーチ動作開始のタイミングとの差が生じないように制御してもよい。この場合、リーチを成立させる図柄列の変動期間の増減に際して、高速一定速の変動期間(図21に示された例では左右図柄のパターンbの期間)を増減することによって図柄列の変動期間を増減することが好ましい。
【0100】
なお、図28(A)〜(C)に示された各例において、変動開始から中図柄が確定するまでの全体の変動時間は同一である。
【0101】
図29は、主基板31から変動時間として22.5秒(リーチ2)が通知されたときに表示される変動パターンの例を示す。表示制御用CPU101は、リーチ2が通知されると、22.5秒の複数の変動パターンのうちの何れの変動パターンを用いるのかを独自に決定する。図29には、複数の変動パターンとして(A)〜(B)の2パターンが例示されている。
【0102】
図29(A)に示された変動パターンでは、左右図柄が停止した後パターンcでの中図柄の変動が終了するとリーチ動作に入る。なお、表示制御用CPU101は、中図柄変動中の左右図柄の停止状態では左右図柄を揺れ動作させている。リーチ動作中に、パターンa、パターンbおよびパターンcに従って中図柄の変動が行われる。そして、主基板31から全図柄停止を指示する表示制御コマンドを受信すると、左右図柄の揺れ停止状態を終了させて左右中図柄が動かない確定状態になる。
【0103】
図29(B)に示された変動パターンでは、リーチ動作に入ると、パターンa、パターンbおよびパターンcに従って中図柄の変動が行われ、その後、中図柄はコマ送り変動する。そして、主基板31から全図柄停止を指示する表示制御コマンドを受信すると、左右図柄の揺れ停止状態を終了させて左右中図柄が動かない確定状態になる。
【0104】
図29(B)に示されたコマ送り変動によるリーチ動作を行う変動パターンにも、複数種類のパターンがある。つまり、リーチ動作開始前の変動態様とリーチ動作開始後のコマ送りという基本的態様は共通であるが、コマ送り期間における送りコマ数が異なっている各パターンがある。
【0105】
例えば、図30に示すように、リーチ動作開始後のコマ送り期間において、7コマのコマ送りがなされるパターンと、8コマのコマ送りがなされるパターンとを用意する。なお、主基板31から「リーチ2」を示す表示制御コマンドを受信した場合、表示制御用CPU101は、乱数等を用いて、図29(A)に示されたパターンを用いるのか、図29(B)に示されたコマ送りを含むパターンを用いるのかを独自に決定するとともに、コマ送りを含むパターンを用いることに決定した場合には、7コマ送りのパターンを用いるのか8コマ送りのパターンを用いるのかを決定する。
【0106】
7コマ送りのパターンでも8コマ送りのパターンでも、変動時間は22.5秒としなければならないので、表示制御用CPU101は、コマ送り数が異なっても全体の変動時間を一定に保つための制御を行う。制御の仕方は、リーチ1の場合と同様である。すなわち、コマ送り期間を増減するとともに、リーチ動作開始前の複数の変動態様における1つまたは複数の変動態様の変動時間を増減する。
【0107】
図31は、主基板31から変動時間として29.5秒(リーチ3)が通知されたときに表示される変動パターンの例を示す。表示制御用CPU101は、リーチ3が通知されると、29.5秒の複数の変動パターンのうちの何れの変動パターンを用いるのかを独自に決定する。図31には、複数の変動パターンとして(A)〜(B)の2パターンが例示されている。
【0108】
図31(A)に示された変動パターンでは、左右図柄が停止した後パターンcでの中図柄の変動が終了するとリーチ動作に入る。なお、表示制御用CPU101は、中図柄変動中の左右図柄の停止状態では左右図柄を揺れ動作させている。リーチ動作中に、パターンa、パターンbおよびパターンcに従って中図柄の変動が行われる。そして、主基板31から全図柄停止を指示する表示制御コマンドを受信すると、左右図柄の揺れ停止状態を終了させて左右中図柄が動かない確定状態になる。
【0109】
図31(B)に示された変動パターンでは、リーチ動作に入ると、パターンa、パターンbおよびパターンcに従って中図柄の変動が行われ、その後、中図柄はコマ送り変動する。そして、主基板31から全図柄停止を指示する表示制御コマンドを受信すると、左右図柄の揺れ停止状態を終了させて左右中図柄が動かない確定状態になる。
【0110】
図31(B)に示されたコマ送り変動によるリーチ動作を行う変動パターンにも、複数種類のパターンがある。つまり、リーチ動作開始前の変動態様とリーチ動作開始後のコマ送りという基本的態様は共通であるが、コマ送り期間における送りコマ数が異なっている各パターンがある。
【0111】
例えば、図32に示すように、リーチ動作開始後のコマ送り期間において、9コマのコマ送りがなされるパターンと、10コマのコマ送りがなされるパターンとを用意する。なお、主基板31から「リーチ2」を示す表示制御コマンドを受信した場合、表示制御用CPU101は、乱数等を用いて、図31(A)に示されたパターンを用いるのか、図31(B)に示されたコマ送りを含むパターンを用いるのかを独自に決定するとともに、コマ送りを含むパターンを用いることに決定した場合には、9コマ送りのパターンを用いるのか10コマ送りのパターンを用いるのかを決定する。
【0112】
9コマ送りのパターンでも10コマ送りのパターンでも、変動時間は29.5秒としなければならないので、表示制御用CPU101は、コマ送り数が異なっても全体の変動時間を一定に保つための制御を行う。制御の仕方は、リーチ1の場合と同様である。すなわち、コマ送り期間を増減するとともに、リーチ動作開始前の複数の変動態様における1つまたは複数の変動態様の変動時間を増減する。
【0113】
以上のように、この実施の形態では、表示制御用CPU101は、変動期間を特定可能な表示制御コマンドを受信すると、その変動期間について複数用意されている変動のパターンのうちから使用するパターンを独自に決定する。よって、使用される変動パターンの種類数に対して表示制御コマンドの種類数を減らすことができる。その結果、遊技制御手段の表示制御に要する負荷を低減することができる。
【0114】
そして、複数の変動のパターンのうちには、送りコマ数が異なるコマ送りパターンをそれぞれ含む複数のパターンがある。全体の変動時間を一定にして送りコマ数が異なるコマ送りパターンを実現するために、少なくとも、リーチ動作する図柄列における2つの変動態様の期間を増減する。そのうちの1つはコマ送り期間である。このように、全体の変動期間が一定である各変動パターンのうちには異なるコマ送り数のものがあるので、遊技者は、最終停止図柄を予測することが難しくなり、その結果、遊技者に与えられる遊技の興趣が高まる。そして、図26および図27に示されたように、リーチ動作する図柄(この例では中図柄)を対象として変動速度または図柄変動数を調整するので、変動態様の期間が変化したことを目立たないようにすることができる。
【0115】
また、図28(C)に示されたように、リーチを成立させる図柄列(この例では、左右図柄列)の変動期間も増減すれば、リーチ成立のタイミングとリーチ動作開始のタイミングとの関係を常に同じようにすることができ、遊技者に不審感を与えないようにすることができる。さらに、リーチを成立させる図柄列およびリーチ動作する図柄列において、期間が増減されるのは一定速期間であるように制御すれば、変動態様の期間が変化したことが目立たず、遊技者に違和感を与えることはない。
【0116】
なお、図22、図30および図32に示された送りコマ数も単なる例であって、遊技機に定められた各変動期間に応じて適切に設定することができる。ただし、送りコマ数の違いが大きいと、それに伴ってコマ送り速度の変化や一定速期間における速度変化が著しくなるので、送りコマ数の相違はあまり大きくないことが望ましい。上記の各例では送りコマ数の相違は1コマであるので、コマ送り速度の違いや一定速期間における速度の違いは小さくて済み、遊技者に不審感を与えることはない。
【0117】
以下、上述した表示例を実現するための遊技制御手段および表示制御手段の制御について説明する。
図33は、図11に示された特別図柄プロセス処理における全図柄変動開始待ち(ステップS304)の処理を示すフローチャートである。ステップS302,S303の停止図柄設定処理およびリーチ動作設定処理において変動時間と停止図柄が決定されると、それらを指示するための表示制御コマンドの送出制御が行われるのであるが、ステップS304では、CPU56は、まず、コマンドの送出完了を待つ(ステップS304a)。なお、コマンド送出完了は、メイン処理(図6参照)中の表示制御データ出力処理(ステップS5)から通知される。
【0118】
この実施の形態では、CPU56は、図柄の変動を開始させるときに、図13に示された変動時間を特定可能なコマンド[80H,01H]〜[80H,05H]のいずれかを表示制御基板80に送出する。また、続けて、既に決定されている左右中の停止図柄を示す表示制御コマンドを表示制御基板80に送出する。よって、ステップS304aのコマンド送信完了処理では、それら全てのコマンドの送出が完了したか否か確認される。なお、CPU56は、左右中の停止図柄を示す表示制御コマンドを送出してからコマンド[80H,01H]〜[80H,05H]のいずれかを送出してもよい。
【0119】
表示制御コマンドの送出が完了すると、CPU56は、表示制御基板80に通知した変動時間を測定するための変動時間タイマをスタートする(ステップS304b)。そして、ステップS305に移行するように、特別図柄プロセスフラグを更新する(ステップS304c)。
【0120】
図34は、図11に示された特別図柄プロセス処理における全図柄停止待ち処理(ステップS305)を示すフローチャートである。ステップS305では、CPU56は、変動時間タイマがタイムアップしたか否か確認する(ステップS305a)。タイムアップしたら、全図柄停止を指示する表示制御コマンドを設定する(ステップS305b)。そして、表示制御コマンドデータ送出要求をセットし(ステップS305c)、ステップS306に移行するように、特別図柄プロセスフラグを更新する(ステップS305d)。なお、表示制御コマンドデータ送出要求は、メイン処理(図6参照)中の表示制御データ設定処理(ステップS3)で参照される。
【0121】
以上のように、特別図柄プロセス処理において、CPU56は、変動の開始時に変動時間を特定可能な情報と停止図柄を指示する情報とを表示制御基板80に送出し、変動時間タイマがタイムアップしたら、すなわち指示した変動時間が終了したら、全図柄停止を指示する情報を表示制御基板80に送出する。その間、CPU56は、表示制御基板80に表示制御コマンドを送出しない。従って、主基板31のCPU56の表示制御に要する負荷は大きく低減されている。
【0122】
図35は、表示制御データ設定処理(図6に示されたメイン処理におけるステップS4)の動作例を示すフローチャートである。表示制御データ設定処理において、CPU56は、まず、データ送出中フラグがセットされているか否か確認する(ステップS411)。セットされていなければ、表示制御コマンドデータの送出要求フラグがセットされているか否か確認する(ステップS412)。送出要求フラグがセットされていれば、送出要求フラグをリセットする(ステップS413)。また、送出すべき表示制御コマンドデータを出力データ格納領域に設定するとともに(ステップS414)、ポート出力要求をセットする(ステップS416)。なお、表示制御コマンドデータの送出要求フラグは、特別図柄プロセス処理においてセットされる。また、データ送出中フラグは、後述する表示制御データ出力処理においてセットされる。
【0123】
図36は、図6に示されたメイン処理における表示制御データ出力処理(ステップS5)を示すフローチャートである。表示制御データ出力処理において、CPU56は、ポート出力要求がセットされているか否か判定する(ステップS421)。ポート出力要求がセットされている場合には、ポート出力要求をリセットし(ステップS422)、ポート格納領域の内容(表示制御コマンドの1バイト目)を出力ポートに出力する(ステップS423)。そして、ポート出力カウンタを+1する(ステップS424)。さらに、INT信号をローレベル(オン状態)にし(ステップS425)、データ送出中フラグをオンする(ステップS426)。
【0124】
ポート出力要求がセットされていない場合には、ポート出力カウンタの値が0であるか否か判定する(ステップS431)。ポート出力カウンタの値が0でない場合には、ポート出力カウンタの値が1であるか否か確認する(ステップS432)。ポート出力カウンタの値が1である場合には、表示制御コマンドの1バイト目に関するINT信号オフタイミングになっているので、INT信号をオフ(=1)にする(ステップS433)。また、ポート出力カウンタの値を1増やす(ステップS434)。
【0125】
ポート出力カウンタの値が2である場合には(ステップS435)、表示制御コマンドの2バイト目の出力タイミングになっているので、ポート格納領域の内容(表示制御コマンドの2バイト目)を出力ポートに出力する(ステップS436)。そして、ポート出力カウンタを+1する(ステップS437)。さらに、INT信号をローレベルにする(ステップS438)。
【0126】
そして、ポート出力カウンタの値が2でない場合には、すなわち3である場合には、表示制御コマンドの2バイト目に関するINT信号オフタイミングになっているので、ポート出力カウンタの値をクリアするとともに(ステップS441)、INT信号をオフ(ハイレベル)にする(ステップS442)。また、データ送出中フラグをオフする(ステップS443)。
【0127】
この実施の形態では、図36に示された表示制御データ出力処理は2msに1回実行される。従って、図36に示されたデータ出力処理によって、図18に示されたように、2ms毎に1バイトのデータが出力される。
【0128】
次に、表示制御用CPU101の動作を説明する。
図37は、表示制御用CPU101のメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理では、表示制御用CPU101は、まず、RAM、I/OポートおよびVDP103等を初期化する(ステップS701)。そして、可変表示部9に初期画面が出現するように表示制御する(ステップS702)。その後、表示用乱数更新処理(表示用乱数を生成するカウンタの更新処理)を繰り返し実行する(ステップS703)。なお、表示用乱数は、主基板31から変動時間を特定可能なコマンドを受信したときに変動パターンを選択する等のために使用される。
【0129】
この実施の形態では、実際の変動制御等は、タイマ割込処理によって行われる。タイマ割込は、例えば2ms毎に発生する。図38に示すように、タイマ割込処理では、表示制御用CPU101は、表示制御プロセス処理(ステップS711)を実行する。表示制御プロセス処理では、表示制御プロセスフラグの値に応じた表示制御処理が行われる。
【0130】
主基板31からの表示制御コマンドは、IRQ2割込によって表示制御用CPU101に受信される。図39は、表示制御用CPU101のIRQ2割込処理を示すフローチャートである。IRQ2割込処理において、表示制御用CPU101は、まず、データ受信中フラグがセットされているか否か確認する(ステップS601)。セットされていなければ、この割込が表示制御コマンドデータにおける第1バイトの表示制御データ送出による割込である。そこで、ポインタをクリアするとともに(ステップS602)、データ受信中フラグをセットする(ステップS603)。そして、ステップS604に移行する。ポインタは、表示制御用CPU101が内蔵しているRAMにおける表示制御コマンドデータ格納エリアにおける何バイト目に受信データを格納するか指し示すものである。
【0131】
データ受信中フラグがセットされている場合には、ストローブ信号がオフしたら(ステップS604)、表示制御用CPU101は、入力ポートからデータを入力し、表示制御コマンドデータ格納エリアにおいてポインタによって示されているアドレスに、入力データを格納する(ステップS605)。
【0132】
そして、表示制御用CPU101は、ポインタの値を+1する(ステップS606)。そして、ポインタの値が2になった場合には(ステップS607)、2バイトで構成される表示制御コマンドデータの受信が完了したことになるので、データ受信完了フラグをセットするとともに、データ受信中フラグをリセットする(ステップS608,S609)。以上のような処理によって、表示制御データCMD1,CMD2が、表示制御基板80において受信される。
【0133】
図40は、図38に示されたタイマ割込処理における表示制御プロセス処理(ステップS711)を示すフローチャートである。表示制御プロセス処理では、表示制御プロセスフラグの値に応じてステップS720〜S870のうちのいずれかの処理が行われる。各処理において、以下のような処理が実行される。
【0134】
表示制御コマンド受信待ち処理(ステップS720):IRQ2割込処理によって、変動時間を特定可能な表示制御コマンドを受信したか否か確認する。
【0135】
リーチ動作設定処理(ステップS750):受信した変動時間を特定可能な表示制御コマンドに対応した複数の変動パターンのうちのいずれのパターンを使用するのかを決定する。
【0136】
全図柄変動開始処理(ステップS780):左右中図柄の変動が開始されるように制御する。
【0137】
図柄変動中処理(ステップS810):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度や背景、キャラクタ)の切替タイミングを制御するとともに、変動時間の終了を監視する。また、左右図柄の停止制御を行う。
【0138】
全図柄停止待ち設定処理(ステップS840):変動時間の終了時に、全図柄停止を指示する表示制御コマンドを受信していたら、図柄の変動を停止し最終停止図柄(確定図柄)を表示する制御を行う。
【0139】
大当り表示処理(ステップS870):変動時間の終了後、確変大当り表示や通常大当り表示の制御を行う。
【0140】
図41は、リーチ動作設定処理(ステップS750)を示すフローチャートである。リーチ動作設定処理において、表示制御用CPU101は、まず、ステップS720において受信が確認されている変動時間を特定可能な表示制御コマンドから、リーチにもならないはずれか否か判断する(ステップS751)。
【0141】
はずれであるならば、受信されている左右中停止図柄を示す表示制御コマンドにもとづいて左右の停止図柄が異なっているものであるか否か確認する(ステップS752)。一致していた場合には、右停止図柄を1図柄ずらしたものとする(ステップS753)。そして、左右中の停止図柄を所定の記憶エリアに格納する(ステップS754)。また、監視タイマに7.1秒を設定する(ステップS755)。7.1秒は、はずれ時の変動時間7.0秒に対して余裕を持たせた値であり、監視タイマがタイムアウトする前に全図柄停止を指定するコマンドを受信できなかったときには所定の処理が行われる。
【0142】
ステップS751において、はずれでなかったら、すなわち、コマンド[80H,03H]〜[80H,05H]のいずれかを受信していたら、左右の停止図柄が同一か否か確認する(ステップS756)。異なっていた場合には、右停止図柄を左停止図柄と同じものにする(ステップS757)。そして、左右中の停止図柄を所定の記憶エリアに格納する(ステップS758)。また、表示制御用CPU101は、指定された変動時間に0.1秒を加算した値を監視タイマに設定する(ステップS759)。そして、表示制御用乱数の値にもとづいてリーチ種類すなわち変動パターンを決定する(ステップS760)。
【0143】
以上のように、この実施の形態では、表示制御用CPU101は、可変表示を開始させる際に主基板31から送出されたコマンド[80H,01H]〜[80H,05H]と受信した左右中停止図柄とが矛盾しているときには停止図柄を補正する。従って、何らかの原因で左右中停止図柄に誤りが生じたととしてもその誤りは是正される。誤りとは、例えば、主基板31から表示制御基板80に至るケーブルにノイズが乗ってコマンドにビット誤りが生じたような場合である。この結果、遊技制御手段が決定したはずれ/リーチと矛盾するような確定図柄の表示がなされることが防止される。
【0144】
さらに、再変動ありの場合となしの場合とで変動時間を異ならせ、再変動を行う変動パターンでは確変図柄で確定するように構成した場合に、主基板31から受信したコマンドが再変動ありを指示し、主基板31から受信した停止図柄が確変図柄でなかったときには、表示制御用CPU101が確変図柄に補正するようにしてもよい。例えば、主基板31から停止図柄として「七」、「六」、「七」を示すコマンドを受信した場合に、「七」、「七」、「七」に補正する。
【0145】
そして、表示制御用CPU101は、選択された変動パターンに応じたプロセステーブルを使用することを決定する(ステップS762)。各プロセステーブルには、その変動パターン中の各変動状態(変動速度やその速度での変動期間等)が設定されている。また、各プロセステーブルはROMに設定されている。そして、表示制御用CPU101は、表示制御プロセスフラグの値を全図柄変動開始処理(ステップS780)に対応した値に変更する(ステップS763)。
【0146】
図42は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。それぞれの変動パターンに対応した各プロセステーブルには、時系列的に、変動速度やその速度での変動期間、背景やキャラクタの切替タイミング等が設定されている。また、ある速度での変動期間を決めるためのプロセスタイマ値も設定されている。また、各プロセステーブルは、複数の3バイト単位のプロセスデータで構成されている。
【0147】
例えば、図20(A)に示された変動パターンに対応したプロセステーブルにおいて、最初のプロセスデータ(3バイト)には、左右中図柄を低速で変動させることと、次の表示状態切り替えタイミングまでの時間を示すプロセスタイマ値が設定されている。最初の変動はパターンaによる変動(加速)であって、まず、低速変動を開始すべきだからである。
【0148】
次に、左図柄を中速で変動させることと、次の表示状態切り替えタイミングまでの時間を示すプロセスタイマ値が設定されている。その次には、右図柄を中速で変動させることと、次の表示状態切り替えタイミングまでの時間を示すプロセスタイマ値が設定されている。さらに、中図柄を中速で変動させることと、次の表示状態切り替えタイミングまでの時間を示すプロセスタイマ値が設定されている。以降、表示状態をどのように切り替えるのかと、次の表示状態切り替えタイミングまでの時間を示すプロセスタイマ値とが順次設定されている。
【0149】
なお、表示状態切り替えタイミングとは、左右中図柄のいずれかの変動速度を切り替えるタイミングであるが、さらに、背景およびキャラクタの切り替えタイミングや図柄の差し替えをすべきタイミングも含まれる。
【0150】
よって、表示制御用CPU101は、プロセスタイマのタイムアップによって何らかの表示状態を変更しなければならないことを知ることができる。そして、変更すべき表示状態は、プロセステーブルにおける次のプロセスデータの3バイト目の設定値から知ることができる。
【0151】
コマ送りを含む変動パターンでは、変動パターンを構成する各変動態様の期間は、送りコマ数に応じて可変となる。そこで、送りコマ数に応じた各プロセステーブルを用意しておく。そして、ステップS762において、送りコマ数に応じたプロセステーブルを用いることに決定する。送りコマ数に応じた各プロセステーブルを用意しておけば、変動パターンを構成する各変動態様の期間が可変となる場合であっても、プロセステーブルに設定されているプロセスタイマ値と3バイト目の設定値とから容易に可変表示制御を遂行することができる。
【0152】
図43は、全図柄変動開始処理(ステップS780)を示すフローチャートである。全図柄変動開始処理において、表示制御用CPU101は、使用することが決定されたプロセステーブルの最初に設定されているプロセスタイマ値でタイマをスタートさせる(ステップS781)。また、3バイト目に設定されている変動状態を示すデータにもとづいて図柄変動制御、背景およびキャラクタの表示制御を開始する(ステップS782)。そして、表示制御プロセスフラグの値を図柄変動中処理(ステップS810)に対応した値に変更する(ステップS783)。
【0153】
図44は、図柄変動中処理(ステップS810)を示すフローチャートである。図柄変動中処理において、表示制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS811)。プロセスタイマがタイムアウトした場合には、プロセステーブル中のデータを示すポインタを+3する(ステップS812)。そして、ポインタが指す領域のデータが終了コードであるか否か確認する(ステップS813)。終了コードでなければ、ポインタが指すプロセスデータの3バイト目に設定されている変動状態を示すデータにもとづいて図柄変動制御、背景およびキャラクタの表示制御を変更するとともに(ステップS813)、1,2バイト目に設定されているプロセスタイマ値でタイマをスタートさせる(ステップS814)。
【0154】
ステップS813で、終了コードであれば、表示制御プロセスフラグの値を全図柄停止待ち処理(ステップS840)に対応した値に変更する(ステップS816)。
【0155】
図45は、全図柄停止待ち処理(ステップS840)を示すフローチャートである。全図柄停止待ち処理において、表示制御用CPU101は、全図柄停止を指示する表示制御コマンドを受信しているか否か確認する(ステップS841)。全図柄停止を指示する表示制御コマンドを受信していれば、記憶されている停止図柄で図柄を最終停止(確定)させる制御を行う(ステップS842)。
【0156】
全図柄停止を指定する表示制御コマンドを受信していない場合には、監視タイマがタイムアウトしているかどうか確認する(ステップS844)。タイムアウトした場合には、何らかの異常が発生したと判断して、可変表示部9にエラー画面を表示する制御を行う(ステップS845)。
【0157】
ステップS842の処理を行ったら、表示制御用CPU101は、大当りとする場合には表示制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS870)に対応した値に設定する(ステップS843)。なお、大当りとしない場合には、表示制御プロセスフラグの値をステップS720に対応した値に設定する。
【0158】
上記の実施の形態では、変動テンポを変更する例としてコマ送り数を変更する場合を例示したが、他の変動態様にも変動テンポの変更を適用することができる。なお、変動テンポとは、図柄表示が変化していくリズムを示すものであって、変動テンポ変更の対象となる変動の仕方として、コマ送りの他に、例えば、スクロールやすべり変動がある。さらに、図柄が変化しながら回転したりスキップしたりするような変動も含まれる。また、コマ送りとしても、1コマずつ変動する場合の他、1コマの数分の1ずつ変動していくような場合もある。さらには、ドラムによる可変表示装置において用いられているような変動速度だけを変化させるような変更も、変動テンポの変更に含まれる概念である。
【0159】
図46は、変動テンポを変更する他の例としてすべり変動の変動態様を含む場合の変動例を示すタイミング図である。この場合も、変動期間を示す表示制御コマンドを受信したときに、表示制御用CPU101は、独自に、例えば、すべり図柄数を1〜2程度変えたパターンのうちの1つのパターンを決定する。この場合、すべり変動が行われるのは、リーチを成立させる図柄列(この例では、右図柄列)である。そして、すべり図柄数に応じてリーチを成立させる図柄列のパターンbの期間を増減して全体の変動期間を一定に保つ。なお、(A)は5コマのすべり変動が行われ、(B)は6コマのすべり変動が行われるようなパターンを示す。
【0160】
以上のように、上記の各実施の形態では、図柄の変動開始から図柄の確定までの期間に含まれる複数の変動態様のうち少なくとも2つの期間の長さを変更し、そのうちの少なくとも1つの変動態様における変動テンポを変更するように変動制御するので、変動期間が同一の複数の変動パターンを表示制御コマンド数を増やすことなく実現できるとともに、変動期間が同一の変動パターンを、遊技者が確定図柄を予測しにくいものとすることができる。
【0161】
なお、上記の各実施の形態では、遊技制御手段すなわち主基板31のCPU56は、大まかなリーチ種類(短期間、中期間または長期間)を決定し、変動時間を特定可能な情報として1回の変動期間全体を示す情報を表示制御基板に送信した。そして、表示制御手段の側で大まかな各リーチ種類のそれぞれに対して複数あるリーチ種類のうちから1つを選択するように構成したが、遊技制御手段がリーチとすることのみを表示制御手段に通知し、表示制御手段が多数のリーチ種類の中から使用するリーチ種類を決定するように構成してもよい。
【0162】
逆に、1回の変動を複数区間に区切り、遊技制御手段は、各区間におけるパターン情報を各区間の開始時に表示制御手段に送信するようにしてもよい。その場合に、表示制御手段は、各区間について受信したパターン情報から、その期間における複数の変動パターンから1つの変動パターンを選択してもよい。
【0163】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、遊技機を、表示制御手段が、コマンド出力手段によって出力されたコマンドにより変動時間を特定し、特定した変動時間に対応する変動パターンとして少なくとも第1の変動パターンおよび第2の変動パターンを含む複数種類の中から1つの変動パターンを決定し、第1の変動パターンおよび第2の変動パターンが、第1の変動態様で識別情報の変動表示を行う期間と、第1の変動態様とは異なる第2の変動態様で識別情報の変動表示を行う期間とを含み、第1の変動パターンと第2の変動パターンとでは、第1の変動態様で識別情報の変動表示を行う期間の長さを異ならせ、第1の変動パターンと第2の変動パターンとでは、第2の変動態様で識別情報の変動表示を行う期間の長さおよび該期間における識別情報の変動テンポを異ならせ、第1の変動パターンの変動時間と第2の変動パターンの変動時間とを同一の変動時間で構成したので、実際の変動時間があらかじめ決められている変動時間からずれることのない効果がある。また、変動態様期間が可変制御されることによって、遊技者は最終停止図柄を予測することが難しくなり、遊技の興趣を増進させることができる効果がある。
【0165】
基本動作が同じであって変動テンポが異なる変動態様で識別情報の変動表示を行う期間を含む各変動パターンがその期間内での送り識別情報数が異なるように構成されている場合には、送り識別情報数が異なる複数のパターンを1つのコマンドで指定することができる。
【0166】
表示制御手段が、少なくともリーチ動作する識別情報列における変動態様の期間が異なる第1の変動パターンおよび第2の変動パターンを含む複数種類の中から1つの変動パターンを決定するように構成されている場合には、調整対象の識別情報列が少なくて済む効果がある。
【0167】
表示制御手段が、リーチを成立させる識別情報列における変動態様の期間が異なる第1の変動パターンおよび第2の変動パターンを含む複数種類の中から1つの変動パターンを決定するように構成されている場合には、リーチ成立タイミングとリーチ動作開始タイミングとの差を常に同じにすることができ、遊技者が違和感を抱くことのない識別情報の変動を行うことができる。
【0168】
表示制御手段が、一定速で変動する変動態様の期間が異なる第1の変動パターンおよび第2の変動パターンを含む複数種類の中から1つの変動パターンを決定するように構成されている場合には、変化の目立たない変動態様における期間が調整されるので、やはり、遊技者が違和感を抱くことのない識別情報の変動を行うことができる。
【0169】
表示制御手段が、リーチ動作に入る識別情報を対象として第1の変動パターンおよび第2の変動パターンを含む複数種類の中から1つの変動パターンを決定するように構成されている場合には、その後にリーチ動作が継続実行されるので、調整が施されても、それが目立たず自然な変動が続行されているような印象を遊技者に与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 パチンコ遊技機を正面からみた正面図である。
【図2】 パチンコ遊技機の内部構造を示す全体背面図である。
【図3】 パチンコ遊技機の遊技盤を背面からみた背面図である。
【図4】 主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。
【図5】 表示制御基板の回路構成を示すブロック図である。
【図6】 基本回路のメイン処理を示すフローチャートである。
【図7】 各乱数を示す説明図である。
【図8】 打球が始動入賞口に入賞したことを判定する処理を示すフローチャートである。
【図9】 可変表示の停止図柄を決定する処理およびリーチ種類を決定する処理を示すフローチャートである。
【図10】 大当たり判定の処理を示すフローチャートである。
【図11】 特別図柄プロセス処理を示すフローチャートである
【図12】 可変表示部に表示される左右中図柄の例を示す説明図である。
【図13】 図柄の可変表示期間を特定可能な表示制御コマンドおよび全図柄の停止を指示する表示制御コマンドを示す説明図である。
【図14】 左図柄の停止図柄の表示制御コマンドを示す説明図である。
【図15】 中図柄の停止図柄の表示制御コマンドを示す説明図である。
【図16】 右図柄の停止図柄の表示制御コマンドを示す説明図である。
【図17】 主基板から表示制御基板に送信される表示制御コマンドデータを示す説明図である。
【図18】 表示制御コマンドデータの送出タイミングの一例を示すタイミング図である。
【図19】 変動開始時から変動終了時までの間に送出される図柄変動に関する表示制御コマンドの送出タイミングを示すタイミング図である。
【図20】 リーチとしないはずれ時の図柄の変動の一例を示すタイミング図である。
【図21】 リーチ1時の図柄の変動の一例を示すタイミング図である。
【図22】 コマ送り期間と一定速期間の調整の様子を示すタイミング図である。
【図23】 コマ送り期間の調整の様子を示すタイミング図である。
【図24】 コマ送り期間の調整の様子を示すタイミング図である。
【図25】 コマ送り期間の調整の様子を示すタイミング図である。
【図26】 一定速期間の調整の様子を示すタイミング図である。
【図27】 一定速期間の調整の様子を示すタイミング図である。
【図28】 左右中図柄の図柄変動が行われる期間の例を示すタイミング図である。
【図29】 リーチ2時の図柄の変動の一例を示すタイミング図である。
【図30】 コマ送り期間と一定速期間の調整の様子を示すタイミング図である。
【図31】 リーチ3時の図柄の変動の一例を示すタイミング図である。
【図32】 コマ送り期間と一定速期間の調整の様子を示すタイミング図である。
【図33】 特別図柄プロセス処理における全図柄変動開始待ちの処理を示すフローチャートである。
【図34】 特別図柄プロセス処理における全図柄停止待ち処理を示すフローチャートである。
【図35】 表示制御データ設定処理の動作例を示すフローチャートである。
【図36】 表示制御データ出力処理を示すフローチャートである。
【図37】 表示制御用CPUのメイン処理を示すフローチャートである。
【図38】 表示制御用CPUのタイマ割込処理を示すフローチャートである。
【図39】 表示制御用CPUのIRQ2割込処理を示すフローチャートである。
【図40】 表示制御プロセス処理を示すフローチャートである。
【図41】 表示制御プロセス処理のリーチ動作設定処理を示すフローチャートである。
【図42】 表示制御プロセステーブルの構成例を示す説明図である。
【図43】 表示制御プロセス処理の全図柄停止待ち処理を示すフローチャートである。
【図44】 表示制御プロセス処理の図柄変動中処理を示すフローチャートである。
【図45】 表示制御プロセス処理の全図柄停止待ち処理を示すフローチャートである。
【図46】 すべり変動の変動態様を含む場合の変動例を示すタイミング図である。
【符号の説明】
9 可変表示部
31 遊技制御基板(主基板)
53 基本回路
56 CPU
63 出力バッファ回路
80 表示制御基板
101 表示制御用CPU
102 制御データROM
103 VDP
105 入力バッファ回路

Claims (6)

  1. 表示状態が変化可能な複数の表示領域を有する可変表示部を含み、変動開始の条件の成立に応じて前記表示領域に表示される識別情報の変動を開始し、識別情報の表示結果があらかじめ定められた特定表示態様となったときに遊技者に有利な遊技状態に制御可能な遊技機であって、
    遊技の進行を制御する遊技制御手段と、
    前記可変表示部の表示制御を行う表示制御手段と
    を備え、
    前記遊技制御手段は、
    識別情報の変動表示が行われる変動時間を複数種類の変動時間の中から決定する変動時間決定手段と、
    少なくとも識別情報の変動開始の条件の成立に応じて、前記変動時間決定手段によって決定された変動時間を特定可能なコマンドを前記表示制御手段に出力するコマンド出力手段とを含み、
    前記コマンド出力手段は、一方向にのみコマンドを出力する不可逆性出力手段であり、
    前記表示制御手段は、前記コマンド出力手段によって出力されたコマンドにより変動時間を特定し、特定した変動時間に対応する変動パターンとして少なくとも第1の変動パターンおよび第2の変動パターンを含む複数種類の中から1つの変動パターンを決定し、
    前記第1の変動パターンおよび前記第2の変動パターンは、第1の変動態様で識別情報の変動表示を行う期間と、前記第1の変動態様とは異なる第2の変動態様で識別情報の変動表示を行う期間とを含み、
    前記第1の変動パターンと前記第2の変動パターンとでは、前記第1の変動態様で識別情報の変動表示を行う期間の長さを異ならせ、
    前記第1の変動パターンと前記第2の変動パターンとでは、前記第2の変動態様で識別情報の変動表示を行う期間の長さおよび該期間における識別情報の変動テンポを異ならせ、
    前記第1の変動パターンの変動時間と前記第2の変動パターンの変動時間とを同一の変動時間で構成した
    ことを特徴とする遊技機。
  2. 基本動作が同じであって変動テンポが異なる変動態様で識別情報の変動表示を行う期間を含む各変動パターンは、その期間内での送り識別情報数が異なる
    請求項1記載の遊技機。
  3. 表示制御手段は、少なくともリーチ動作する識別情報列における変動態様の期間が異なる第1の変動パターンおよび第2の変動パターンを含む複数種類の中から1つの変動パターンを決定する
    請求項1または請求項2記載の遊技機。
  4. 表示制御手段は、リーチを成立させる識別情報列における変動態様の期間が異なる第1の変動パターンおよび第2の変動パターンを含む複数種類の中から1つの変動パターンを決定する
    請求項1から請求項3のうちのいずれかに記載の遊技機。
  5. 表示制御手段は、一定速で変動する変動態様の期間が異なる第1の変動パターンおよび第2の変動パターンを含む複数種類の中から1つの変動パターンを決定する
    請求項1から請求項4のうちのいずれかに記載の遊技機。
  6. 表示制御手段は、リーチ動作に入る識別情報を対象として第1の変動パターンおよび第2の変動パターンを含む複数種類の中から1つの変動パターンを決定する
    請求項1から請求項5のうちのいずれかに記載の遊技機。
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