以下、本発明の第1の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1の説明図である。
遊技機1の前面枠(遊技枠)3は、本体枠(外枠)2にヒンジ4を介して、遊技機1の前面に開閉回動可能に組み付けられる。前面枠3の表側には、遊技盤10(図2参照)が収装される。また、前面枠3には、遊技盤10の前面を覆うカバーガラス(透明部材)を備えたガラス枠18が取り付けられている。
ガラス枠18のカバーガラスの周囲には、装飾光が発光される装飾部材9a、9bが備えられている。装飾部材9a、9bの内部にはランプやLED等からなる装飾装置が備えられている。装飾装置を所定の発光態様によって発光させることによって、装飾部材9a、9bが所定の発光態様によって発光する。
ガラス枠18の左右には、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ30が備えられている。また、ガラス枠18の上方には照明ユニット11が備えられている。
照明ユニット11には、第1可動式照明13及び第2可動式照明14が左右に配置されている。第1可動式照明13及び第2可動式照明14には、LEDなどの照明部材の他に、照明駆動第1モータ(MOT)13a及び照明駆動第2モータ(MOT)14aが備えられており、演出内容に応じて動作するように制御される。
左側部に配設される第1可動式照明13の右上方には、遊技機1における異常を報知するための異常報知LED29が設けられている。遊技機1において異常が発生した場合には、異常報知LED29が点灯又は点滅するとともに、スピーカ30から異常を報知するための報知音が出力される。
前面枠3の下部の開閉パネル20には図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿が、固定パネル22には下皿23及び打球発射装置の操作部24等が備えられる。下皿23には、下皿23に貯まった遊技球を排出するための下皿球抜き機構16が備えられる。前面枠3下部右側には、ガラス枠18を施錠するための鍵25が備えられている。
また、遊技者が操作部24を回動操作することによって、打球発射装置は、上皿21から供給される遊技球を発射する。
また、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための演出ボタン17が備えられている。遊技者が演出ボタン17を操作することによって、遊技盤10に設けられた表示装置53(図2参照)における特図変動表示ゲームの演出内容を選択して、表示装置53における特図変動表示ゲームに、遊技者の操作を介入させた演出を行うことができる。
発射された遊技球が遊技盤10に備わる始動口36(図2参照)に入賞した場合に、特図変動表示ゲームが開始する。特図変動表示ゲームでは、表示装置53において複数の識別情報が変動表示する。そして、変動表示していた識別情報が停止し、停止した識別情報の結果態様が特定の結果態様である場合に、遊技機1の状態が遊技者に有利な状態(特典が付与される状態)である特別遊技状態に遷移する。
上皿21の右上部には、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する球貸ボタン26、及び、図示しないカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作される排出ボタン27が設けられている。さらに、これらの球貸ボタン26と排出ボタン27との間には、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部28が設けられる。
図2は、本発明の第1の実施の形態の遊技盤10の正面図である。
図1に示す遊技機1は、内部の遊技領域10a内に遊技球を発射して(弾球して)遊技を行うもので、ガラス枠18のカバーガラスの奥側には、遊技領域10aを構成する遊技盤10が設置されている。
遊技盤10は、各種部材の取付ベースとなる平板状の遊技盤本体10b(木製又は合成樹脂製)を備え、該遊技盤本体10bの前面にガイドレール32で囲まれた遊技領域10aを有している。また、遊技盤本体10bの前面であってガイドレール32の外側には、前面構成部材33が取り付けられている。そして、このガイドレール32で囲まれた遊技領域10a内に発射装置から遊技球(打球;遊技媒体)を発射して遊技を行う。
遊技領域10aの略中央には、特図変動表示ゲームの表示領域となる窓部52を形成するセンターケース51が取り付けられている。センターケース51に形成された窓部52の後方には、複数の識別情報を変動表示する特図変動表示ゲームの演出を実行可能な演出表示装置としての表示装置53が配される。表示装置53は、例えば、液晶ディスプレイを備え、表示内容が変化可能な表示部53aがセンターケース51の窓部52を介して遊技盤10の前面側から視認可能となるように配されている。なお、表示装置53は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、EL、CRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
また、センターケース51の上部には、大当たりの可能性(信頼度)を報知する信頼度報知装置15が備えられる。信頼度報知装置15には、複数色のLED(例えば、赤、青、緑の3色のLED)が備えられており、信頼度に応じた色及び態様で発光するように制御される。
さらに、センターケース51の左部には、遊技球が流下可能な球導入路(ワープ流路)50が設けられ、遊技領域10aに向けて入口50aが開放した状態で開設されている。球導入路50は、センターケース51の内部に連通しており、入口50aから流入した遊技球は、センターケース51の裏側を通過して、ユニット側ステージ部49b上に排出される。さらに、ユニット側ステージ部49b上で転動した遊技球が当該ユニット側ステージ部49bの下方に配置されたベース側ステージ部49a上に流下できるように構成されている。
センターケース51の周縁部には、複数の装飾具47(47a、47b)が配置される。センターケース51の左下部には、装飾ランプ48が配置される、センターケース51の上部には、複数の装飾ピース46を上下動可能な状態で配置される。装飾具47、装飾ランプ48及び装飾ピース46は、後述する演出制御装置550からの命令に従って演出動作を行う。なお、本実施形態の遊技機は2種類の仕様があり、装飾具47が回転動作する構造となっている正規版と、コストダウンを目的として装飾具47が回転しない構造となっている廉価版とがある。以下、正規版の遊技機について説明を行い、適宜、廉価版と正規版の仕様の違いについて説明を行うものとする。正規版の遊技機のセンターケース51の構成については、図3を参照しながら説明する。
また、遊技領域10aのうちセンターケース51の下方には、遊技球を受入可能(入賞可能)な特図変動表示ゲームを始動させるための始動口36が配置される。さらに、センターケース51の側方(左側方)には、普図変動表示ゲームを始動させるための普図始動ゲート34が配置される。
さらに、遊技領域10aには、センターケース51の左下方及び右下方に、発光によって各種装飾表示を行うサイドランプ45が配置される。また、サイドランプ45には、一般入賞口44が備えられている。
さらに、始動口36の下方には大入賞口42が配置され、該大入賞口42の下方であって遊技領域10aの下縁部には、入賞せずに流下した遊技球を回収するアウト口43が開設される。大入賞口42は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉42aを備える。特図変動表示ゲームの結果によって開閉扉42aを閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。
また、センターケース51、始動口36やサイドランプ45等の取付部分を除いた遊技領域10a内には、この他、遊技領域10aには、打球方向変換部材としての風車(図示略)、及び多数の障害釘(図示略)などが配設されている。そして、センターケース51と、該センターケース51を挟んで普図始動ゲート34とは反対側に位置する前面構成部材33との間に縦長な円弧状の遊技球通路57が形成されている。
さらに、遊技盤10には、特図変動表示ゲーム及び普図変動表示ゲームを実行する普図・特図表示器35が備えられている。普図・特図表示器35には、特図変動表示ゲームの未処理回数(特図始動記憶数)及び普図変動表示ゲームの未処理回数(普図始動記憶数)が表示される。普図・特図表示器35は、遊技状態を表す遊技状態表示LED(図示略)と併せて、セグメントLEDとして設けられている。
普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するためのゲートSW34a(図6参照)が設けられている。そして、遊技領域10a内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、普図変動表示ゲームが開始される。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態で、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数が上限数未満であるならば、普図始動記憶数が1加算されて、当該普図変動表示ゲームが当りとなるか否かを示す乱数が普図始動記憶として一つ記憶される。
普図変動表示ゲームが開始できない状態とは、例えば、普図変動表示ゲームが既に行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームに当選して始動口36が開状態に変換されている状態をいう。
なお、普図変動表示ゲームは、表示装置53の表示領域の一部で普図変動表示ゲームを表示するようにしてもよく、この場合は識別図柄として、例えば、数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、この識別図柄を所定時間変動表示させた後、停止表示させることによって行うようにする。
普図変動表示ゲームの停止表示が特別の結果態様となった場合には、普図変動表示ゲームに当選したものとして、始動口36の開閉部材36aが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される。これにより、始動口36に遊技球が入賞しやすくなり、特図変動表示ゲームの始動が容易となる。始動口36の開閉部材36aは、通常時は遊技球の直径程度の間隔をおいて閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)を保持しているが、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合(普図変動表示ゲームに当選した場合)には、ソレノイド(普電SOL36b、図6参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて始動口36に遊技球が流入し易い状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられる。
また、本実施形態の遊技機1は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づいて、遊技状態として、表示装置53における特図変動表示ゲームの変動表示時間を短縮する時短動作状態(促進状態)を発生可能となっている。時短動作状態(促進状態)は、通常動作状態(抑制状態)と比較して始動口36の開閉部材36aが開放状態となりやすい状態である。
時短動作状態においては、普図変動表示ゲームの実行時間が通常動作状態における実行時間よりも短くなるように制御され(例えば、10秒が1秒)、単位時間当りの始動口36の開放回数が実質的に多くなるように制御される。また、時短動作状態においては、普図変動表示ゲームに当選したことによって始動口36が開放される場合に、開放時間が通常動作状態の開放時間よりも長くなるように制御される(例えば、0.3秒が1.8秒)。また、時短動作状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当選結果に対して、始動口36が1回ではなく、複数回(例えば、2回)開放される。さらに、時短動作状態においては普図変動表示ゲームの当選結果となる確率が通常動作状態よりも高くなるように制御される。すなわち、通常動作状態よりも始動口36の開放回数が増加し、始動口36に遊技球が入賞しやすくなり、特図変動表示ゲームの始動が容易となる。
また、始動口36の内部には、始動口36を通過した遊技球を検出するための、始動口SW36d(図6参照)が備えられる。始動口SW36dによって遊技球を検出すると、補助遊技としての特図変動表示ゲームを開始する始動権利が発生する。このとき、特図変動表示ゲームを開始する始動権利は、所定の上限数(例えば、4)の範囲内で特図始動記憶として記憶される。
特図変動表示ゲームを直ちに開始できない状態、例えば、既に特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、始動口36に遊技球が入賞すると、特図始動記憶数が上限数未満(例えば、4個未満)ならば、特図始動記憶数が1加算され、始動口36に遊技球が入賞したタイミングで抽出された乱数が特図始動記憶として一つ記憶される。そして、特図変動表示ゲームが開始可能な状態となると、特図始動記憶に基づき特図変動表示ゲームが開始される。
補助遊技としての特図変動表示ゲームは、遊技盤10に設けられた普図・特図表示器35で実行され、複数の識別情報を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置53にて特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)が変動表示される。そして、特図変動表示ゲームの結果として、普図・特図表示器35の表示態様が特別結果態様となった場合には、大当たりとなって特別遊技状態(いわゆる、大当たり状態)となる。また、これに対応して表示装置53の表示態様も特別結果態様(例えば、「7、7、7」等のゾロ目数字のいずれか)となる。なお、普図・特図表示器35ではなく、表示装置53のみで特図変動表示ゲームを実行するように構成してもよい。
また、本実施形態の遊技機1は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態(大当たり状態)が終了した後の遊技状態として確変状態(高確率状態)を発生可能となっている。この確変状態(高確率状態)は、特図変動表示ゲームでの当り結果となる確率が、通常確率状態(低確率状態)に比べて高い状態である。なお、確変状態と上述した時短動作状態はそれぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させることも可能である。確変状態及び時短動作状態は通常よりも有利な状態であるため、特定遊技状態と称することにする。
図3は、本発明の第1の実施の形態のセンターケース51の分解斜視図である。
センターケース51は、遊技盤本体10b(遊技盤10)の表面側に前面構成部として配置される枠装飾部65と、遊技盤本体10bの裏面側に裏面構成部として配置される枠体基部60とを前後に重合して構成されている。枠装飾部65は、遊技盤本体10bの表面に止着される環状の装飾ベース66を備える。装飾ベース66の裏面側には、装飾ベース66と略同じ大きさで円形状に形成された装飾パネルユニット67を備え、枠装飾部65は、装飾ベース66と装飾パネルユニット67とを前後に重合して構成されている。
装飾ベース66の下部には、上面に遊技球を前後方向及び左右方向に転動可能なベース側ステージ部49aが配置され、該ベース側ステージ部49aと遊技球通路57との間には装飾ランプ48が配置されている(図2参照)。そして、ベース側ステージ部49aを挟んで装飾ランプ48とは反対側には、遊技球が流下可能な球導入路(ワープ流路)50が設けられ、球導入路50の入口50aを装飾ベース66の外方へ向けて開放した状態で開設し、球導入路50の出口50bを後述する装飾パネルユニット67の裏側へ連通している。
装飾パネルユニット67は、略円形状の透明樹脂板で形成されたカバーパネル部69を備え、該カバーパネル部69の前面側の周縁に複数の装飾具47を配置している。装飾ベース66と装飾パネルユニット67とを重合すると、装飾具47が装飾ベース66の内周縁に沿って配置されるように設定されている(図2参照)。また、カバーパネル部69の上部には、信頼度報知装置15が配置されている。
また、カバーパネル部69の裏面側の下部には、上面に遊技球を前後方向及び左右方向に転動可能なユニット側ステージ部49bが配置される。ユニット側ステージ部49bは、装飾ベース66のベース側ステージ部49aよりも上方に配置される。
さらに、カバーパネル部69のうち球導入路50の出口50bに重合する箇所には球流入口68を開設し、該球流入口68を介して球導入路50とユニット側ステージ部49bとを連通している。したがって、遊技領域10aを流下する遊技球が球導入路50に流入すると、球導入路50がこの遊技球をユニット側ステージ部49b上に導入できるように構成されている。
枠体基部60は、遊技盤10の裏面側に止着される額縁状の基部ケース61を前側が開放した状態で備え、該基部ケース61の内側(言い換えるとセンターケース51の内部)に、開口部62aが前面側に設けられた凹室62を形成している。
また、基部ケース61のうち凹室62の後方には矩形状の窓部52を前後方向へ貫通して開設し、基部ケース61の後方から表示装置53を装着して、表示装置53の表示部53aを窓部52及び凹室62を通してセンターケース51の前方へ臨ませている。
さらに、窓部52の上縁部の前側には、装飾ピース駆動モータ(図示せず)によって上下動可能な複数の装飾ピース46が配置され、窓部52の左右両側の周縁には、表示部53aの前方へ移動して演出動作を行う合体演出装置58が備えられる。
そして、枠体基部60の前方に枠装飾部65を重合すると、凹室62の開口部62a及び窓部52をカバーパネル部69で前方から被覆し、表示装置53の表示部53aを枠装飾部65の内側(カバーパネル部69が露出した箇所)からセンターケース51の前方へ臨ませるように構成されている。
図4及び図5は、本発明の第1の実施の形態の合体演出装置(合体役物)58の構成を説明する図である。
合体演出装置58は、第1演出ユニット63と第2演出ユニット64とを互いに離間した位置に備えて構成され、第1演出ユニット63及び第2演出ユニット64が連動して演出動作が実行される。
図4は、合体演出装置58が動作する前の状態を示す図であり、図5は、合体演出装置58が動作し、第1演出ユニット63及び第2演出ユニット64が動作した結果、当接部(第1当接部121及び第2当接部122)にて当接している状態を示す図である。
第1演出ユニット63は、センターケース51の左側、すなわち、基部ケース61の窓部52の周縁の左側に配置される。また、第2演出ユニット64は、センターケース51の右側に配置される。センターケース51の前方から見て第1演出ユニット63と第2演出ユニット64との間に凹室62及び窓部52を臨ませるように配置される。
第1演出ユニット63は、表示部53aの前方へ移動可能な第1演出部材70と、該第1演出部材70の駆動力を発生する第1演出駆動源としての役物駆動第1モータ(MOT)71と、役物駆動第1モータ71から発生した駆動力(回動力)を第1演出部材70へ伝達する第1演出伝達機構(第1主腕部材73及び第1副腕部材74)とを備える。
また、役物駆動第1モータ71の出力軸(第1出力軸)71aがセンターケース51の前後方向に延在し、第1出力軸71aには第1駆動ギア76を共回り可能に軸着している。
第1主腕部材73は、第1駆動ギア76と噛合される第1主腕ギア77が形成され、当該第1駆動ギア76の上方に軸着される。第1副腕部材74は、第1駆動ギア76と噛合される第1副腕ギア78が形成され、当該第1駆動ギア76の下方に軸着される。第1主腕部材73及び第1副腕部材74は、基部ケース61と軸着された端部の反対側の端部が互いに異なる位置で第1演出部材70に軸着し、第1演出部材70を支持している。
第1演出ユニット63は、役物駆動第1モータ71を駆動して第1駆動ギア76をセンターケース51の正面から見て時計方向へ回動すると、役物駆動第1モータ71の駆動力(回動力)を第1駆動ギア76及び第1主腕ギア77を介して第1主腕部材73へ伝達し、この駆動力により第1主腕部材73がセンターケース51の正面から見て反時計方向へ回動する。また、役物駆動第1モータ71の駆動力を第1駆動ギア76及び第1副腕ギア78を介して第1副腕部材74へ伝達し、この駆動力により第1副腕部材74が第1主腕部材73と同じ反時計方向へ回動する。この結果、第1演出部材70が第1主腕部材73及び第1副腕部材74に支持された状態で上昇する。
そして、役物駆動第1モータ71の駆動力により第1主腕部材73及び第1副腕部材74を上方へ延出して縦向き姿勢に設定すると、図4に示すように、第1演出部材70を表示部53aの前方から外れて位置させた第1演出停止状態となり、第1演出部材70が窓部52の側方に位置して、枠装飾部65の後方及び遊技盤本体10bの後方に隠れる(図2参照)。
一方、第1演出停止状態から役物駆動第1モータ71を駆動して第1駆動ギア76をセンターケース51の正面から見て反時計方向へ回動すると、役物駆動第1モータ71の駆動力(回動力)を第1駆動ギア76及び第1主腕ギア77を介して第1主腕部材73へ伝達し、この駆動力により第1主腕部材73がセンターケース51の正面から見て時計方向へ回動する。
また、役物駆動第1モータ71の駆動力を第1駆動ギア76及び第1副腕ギア78を介して第1副腕部材74へ伝達し、この駆動力により第1副腕部材74が第1主腕部材73と同じ時計方向へ回動する。この結果、第1演出部材70が第1主腕部材73及び第1副腕部材74に支持された状態で下降する。
そして、役物駆動第1モータ71の駆動力により第1主腕部材73及び第1副腕部材74を表示部53aの前方へ延出して横向き姿勢に設定すると、図5に示すように、第1演出部材70を表示部53aの前方へ位置させた第1演出実行状態となり、第1演出部材70が表示部53aとカバーパネル部69との間の空間部のうち表示部53aの中央部分の前方に位置する。
第2演出ユニット64は、表示部53aの前方へ移動可能な第2演出部材80と、該第2演出部材80の駆動力を発生する第2演出駆動源としての役物駆動第2モータ(MOT)81と、役物駆動第2モータ81から発生した駆動力(回動力)を第2演出部材80へ伝達する第2演出伝達機構(第2主腕部材83及び第2副腕部材84)とを備える。
また、役物駆動第2モータ81を出力軸(第2出力軸)81aがセンターケース51の前後方向に延在し、第2出力軸81aには第2駆動ギア86を共回り可能に軸着している。
第2主腕部材83は、第2駆動ギア86と噛合される第2主腕ギア87が形成され、当該第2駆動ギア86よりも第1演出ユニット63寄りの位置に軸着される。第2副腕部材84は、第2駆動ギア86と噛合される第2副腕ギア88が形成され、当該第2駆動ギア86の下方に軸着される。第2主腕部材83及び第2副腕部材84は、基部ケース61と軸着された端部の反対側の端部が互いに異なる位置で第2演出部材80に軸着し、第2演出部材80を支持している。
第2演出ユニット64は、役物駆動第2モータ81を駆動して第2駆動ギア86をセンターケース51の正面から見て時計方向へ回動すると、役物駆動第2モータ81の駆動力(回動力)を第2駆動ギア86及び第2主腕ギア87を介して第2主腕部材83へ伝達し、この駆動力により第2主腕部材83がセンターケース51の正面から見て反時計方向へ回動する。また、役物駆動第2モータ81の駆動力を第2駆動ギア86及び第2副腕ギア88を介して第2副腕部材84へ伝達し、この駆動力により第2副腕部材84が第2主腕部材83と同じ反時計方向へ回動する。この結果、第2演出部材80が第2主腕部材83及び第2副腕部材84に支持された状態で下降する。
そして、役物駆動第2モータ81の駆動力により第2主腕部材83及び第2副腕部材84を回動して第2演出部材80を下死点へ到達させ、引き続き第2主腕部材83及び第2副腕部材84を回動して斜め下方へ延出して縦向き姿勢に設定し、第2演出部材80を下死点からわずかに上昇させると、図4に示すように、第2演出部材80を表示部53aの前方から外れて位置させた第2演出停止状態となり、第2演出部材80が枠装飾部65の後方及び遊技盤本体10bの後方に隠れる(図2参照)。
一方、第2演出停止状態から役物駆動第2モータ81を駆動して第2駆動ギア86をセンターケース51の正面から見て反時計方向へ回動すると、役物駆動第2モータ81の駆動力(回動力)を第2駆動ギア86及び第2主腕ギア87を介して第2主腕部材83へ伝達し、この駆動力により第2主腕部材83がセンターケース51の正面から見て時計方向へ回動する。
また、役物駆動第2モータ81の駆動力を第2駆動ギア86及び第2副腕ギア88を介して第2副腕部材84へ伝達し、この駆動力により第2副腕部材84が第2主腕部材83と同じ時計方向へ回動する。この結果、第2演出部材80が第2主腕部材83及び第2副腕部材84に支持された状態で上昇する。
そして、役物駆動第2モータ81の駆動力により第2主腕部材83及び第2副腕部材84を表示部53aの前方へ延出して横向き姿勢に設定すると、図5に示すように、第2演出部材80を表示部53aの前方へ位置させた第2演出実行状態となり、第2演出部材80が表示部53aとカバーパネル部69との間の空間部のうち表示部53aの中央部分の前方に位置する。
第1演出部材70が第1演出実行状態となり、第2演出部材80が第2演出実行状態となると、第1当接部121及び第2当接部122において、第1演出部材70と第2演出部材80とが当接する合体状態に移行する。また、第1当接部121及び第2当接部122の少なくとも一方には磁石が備えられている。この磁石によって第1当接部121と第2当接部122とが接着され、役物駆動第1モータ71及び役物駆動第2モータ81に電源が供給されていなくても、合体状態を維持することが可能となる。このとき、合体演出中に駆動電力の供給が停止されることによって、重力により当接部が下方向に移動してしまう可能性がある。
なお、役物駆動第1モータ71及び役物駆動第2モータ81を非励磁状態にしても、第1当接部121と第2当接部122との間を当着することが可能な当接保持手段(吸着部材)であれば、磁石以外の部材であってもよく、当接部の表面の摩擦を大きくして係止したり、吸盤などを用いて当接部を真空状態にして係止するようにしてもよい。
なお、第1演出停止状態から第1演出実行状態、第2演出停止状態から第2演出実行状態となる各演出部材の移動を当接方向の移動、第1演出実行状態から第1演出停止状態、第2演出実行状態から第2演出停止状態となる移動を離反方向の移動とする。また、第1演出部材70と第2演出部材80とが当接していない状態を離反状態とする。
図6は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1の構成を示すブロック図である。
遊技機1は、遊技を統括的に制御する遊技制御装置500、各種演出を行うために表示装置53及びスピーカ30等を制御する演出制御装置550、及び、遊技球を払い出すために払出モータ(図示省略)を制御する払出制御装置580を備える。
まず、遊技制御装置500の構成について説明する。なお、演出制御装置550については、図7にて説明する。
遊技制御装置500は、遊技用マイコン501、入力I/F(Interface)505、出力I/F(Interface)506、及び外部通信端子507を備える。
遊技用マイコン501は、CPU502、ROM(Read Only Memory)503及びRAM(Random Access Memory)504を備える。
CPU502は、遊技を統括的に制御する主制御装置であって、遊技制御を司る。ROM503は、遊技制御のための不変の情報(プログラム、データ等)を記憶している。RAM504は、遊技制御時にワークエリアとして利用される。
外部通信端子507は、遊技制御装置500の設定情報等を検査する検査装置等の外部機器に遊技制御装置500を接続する。
CPU502は、入力I/F505を介して各種入力装置(始動口SW36d、一般入賞口SW44a〜44n、ゲートSW34a、カウントSW42d、ガラス枠開放SW18a、前面枠開放SW3a、球切れSW54、振動センサ55、及び磁気センサ56)からの検出信号を受けて、大当り抽選等、種々の処理を行う。
始動口SW36dは、始動口36に遊技球が入賞したことを検出するスイッチである。一般入賞口SW44a〜44nは、一般入賞口44に遊技球が入賞したことを検出するスイッチである。
ゲートSW34aは、普図始動ゲート34を遊技球が通過したことを検出するスイッチである。カウントSW42dは、大入賞口42に遊技球が入賞したことを検出するスイッチである。
ガラス枠開放SW18aは、ガラス枠18が開放されたことを検出するスイッチである。前面枠開放SW3aは、前面枠3が開放されたことを検出するスイッチである。
球切れSW54は、遊技機1の内の上タンクに貯留され、払い出しに用いられる遊技球の数が所定数以下になったことを検出するスイッチである。
振動センサ55は、遊技機1に与えられた振動を検出するセンサであり、遊技機1を振動させるなどの不正行為を検出する。磁気センサ56は、始動口36の第2始動入賞口、一般入賞口44、大入賞口42、及び普図始動ゲート34付近に設けられ、磁力を検出するセンサである。すなわち、磁気センサ56は、磁力を検出することによって、各入賞口付近に磁石を近づけて、遊技領域10aに発射された遊技球を各入賞口に導く不正を検出する。
また、CPU502は、出力I/F506を介して、普図・特図表示器35、普電SOL36b、大入賞口SOL42b、払出制御装置580、及び演出制御装置550に指令信号を送信して、遊技を統括的に制御する。
普図・特図表示器35には、前述のように、特図変動表示ゲーム及び普図変動表示ゲームが実行される。さらに、特図変動表示ゲームの未処理回数(特図始動記憶数)及び普図変動表示ゲームの未処理回数(普図始動記憶数)が表示される。普図変動表示ゲームが当りとなるか否かを示す乱数を含む普図始動記憶、及び特図変動表示ゲームが当りとなるか否かを示す乱数を含む特図始動記憶が記憶されている。
普電SOL36bは、普図変動表示ゲームの停止表示が特別の結果態様となった場合に、開閉部材36aを開放することによって、始動口36に遊技球が入賞しやすい状態にする。
大入賞口SOL42bは、特図変動表示ゲームの結果が特別の結果態様となって、特別遊技状態(大当たり状態)となった場合に、大入賞口42の開閉扉42aを開放して、遊技球が入賞しやすい状態に変換する。
遊技制御装置500は、外部情報端子508から図示しない情報収集端末装置を介して、遊技機データを図示しない遊技場管理装置に出力する。遊技場管理装置は、遊技場に設置された遊技機1の遊技データを収集管理する計算機である。
払出制御装置580は、遊技球が一般入賞口44又は大入賞口42に入賞した場合に、入賞した入賞口に対応する数の遊技球の払出指令を遊技制御装置500から受信する。また、球貸ボタン26が操作された場合にも所定数の遊技球の払い出しを行う払出指令を遊技制御装置500から受信する。払出制御装置580は、受信した払出指令に基づいて、図示しない払出モータを制御し、払出指令に指定された数の遊技球を払い出す。
遊技制御装置500は、変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、遊技の状況を示す遊技データとして、出力I/F506を介して、演出制御装置550へ送信する。
図7は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置550の構成を示すブロック図である。
演出制御装置550は、遊技制御装置500から入力される遊技データに基づいて、演出内容を決定し、表示装置53を制御するとともに、遊技盤10及び前面枠3に備えられた各種演出装置を制御する。演出装置には、LEDなどの発光装置によって演出を行う発光演出装置や、モータ又はソレノイドなどの駆動源によって演出を行う可動演出装置が含まれる。
演出制御装置550は、CPU551、制御ROM552、RAM553、画像ROM554、音ROM555、VDP556、音LSI557、入力I/F558b、出力I/F558a、電源投入検出回路559、マスタIC570a、NORゲート回路561及び監視タイマ回路562を備える。さらに、演出制御装置550は、中継基板600を介して装飾制御装置610に接続される接続端子(CN)90aと、可動制御基板620に接続される接続端子90bと、(モータ)位置検出センサ(位置検出手段)92に接続される接続端子90cと、スピーカ30に接続される接続端子90dと、演出ボタン17に接続される接続端子90eとを備える。
CPU551は、遊技制御装置500から送信された指令信号が通信割込としての割込信号(INT)として入力され、入力された指令信号に基づいて、各種演出を制御する。また、CPU551には、マスタIC570aからマスタ割込としての割込信号(INT)が入力され、VDP556からも画像更新割込としての割込信号(INT)が入力される。
さらに、CPU551は、監視タイマ回路562からもタイムアウト割込としての割込信号(INT)が入力される。監視タイマ回路562は、複数種類の監視タイマが内蔵されており、CPU551によって設定された監視タイマ値がタイムアップすると、CPU551に割込信号を出力する。CPU551は、割込信号の入力を受け付けると、実行中の処理を中断し、入力された割込信号に対応する処理を実行する。
制御ROM552には、演出制御のための不変の情報(プログラム、データ等)が格納されている。RAM553は、演出制御時にワークエリアとして利用される。
画像ROM554は、VDP556に接続され、表示装置53に表示される画像データを格納する。VDP556は、表示装置53への画像出力を制御するプロセッサである。
また、VDP556は、表示装置53に表示される画像を更新する周期(16.6ミリ秒周期)と同期する同期信号を発生させる同期信号発生手段を備える。同期信号発生手段は、同期信号を発生させるごとに、発生させた同期信号をCPU551に割込信号として入力する。
音ROM555は、音LSI557に接続され、前面枠3に備えられたスピーカ30から出力される効果音の音データを格納する。音LSI557は、スピーカ30から効果音を出力するための回路を備える。
入力I/F558bは、フィルタ565bを介して外部から入力された情報を受け付けるインタフェースである。具体的には、前面枠3に備えられた演出ボタン17が操作されたことを示す信号の入力を受け付けたり、遊技盤10に備えられた位置検出センサ(位置検出手段)92によって検出された各モータの位置情報などの入力を受け付けたりする。
電源投入検出回路559は、演出制御装置550に電源が投入された場合に、マスタIC570aのレジスタをデフォルト状態(すべて0)に初期化するリセット信号を発生させ、NORゲート回路561に出力する。
また、CPU551は、所定の条件が成立した場合に、バス563を介してリセット信号を出力I/F558aに出力する。そして、出力I/F558aは、入力されたリセット信号をNORゲート回路561に出力し、さらに、NORゲート回路561から、マスタIC570aに当該リセット信号を出力する。所定の条件とは、例えば、すべての装飾制御装置610において、エラーフラグが「ON」になった場合などである。
また、出力I/F558aは、可動制御基板620に制御信号(DAT、CLK、LAT、EN)を出力し、遊技盤10や前面枠3に備わる演出装置(モータ又はソレノイドなどで駆動する可動体)を動作させる。なお、図7には、EN信号がモータ電源回路566に入力されていることを示す点線が存在するが、第1の実施形態のEN信号は、モータ電源回路566には入力されずに、可動制御基板620にのみ伝達される構成であるものとしている。出力I/F558aは、可動制御基板620に対する制御信号出力手段をなしている。
なお、電源投入検出回路559からNORゲート回路561に入力されるリセット信号と、CPU551から出力I/F558aを介してNORゲート回路561に入力されるリセット信号は、いずれの場合にもLOWレベルの状態のときにリセットを指令する信号として機能する。そのため、電源投入検出回路559及びCPU551の少なくとも一方からNORゲート回路561にリセット信号が出力されていれば、NORゲート回路561を介してリセット信号がマスタIC570aに入力される。
モータ電源回路566は、接続端子90bを介して可動制御基板620に接続され、DC32Vの電源を供給する。可動制御基板620は、モータ電源回路566によって供給された電源をモータなどの駆動源に供給するか又は遮断するかを制御する駆動制御手段である。なお、第1の実施形態のモータ電源回路566は、EN信号の状態に拘らず、可動制御基板620側へ電源を供給するものとする。
中継基板600は、接続端子90aから出力される制御信号を装飾制御装置610に中継する。なお、接続端子90aからは、発光体に対する制御信号が出力される。また、接続端子90bからは、駆動体(モータ、ソレノイド)に対する制御信号が出力される。
図8は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置550及び可動制御基板620の接続状態を説明する図である。なお、演出ボタン17、中継基板600及び発光体を制御する装飾制御装置610については、図示を省略している。
本発明の第1の実施の形態では、演出制御装置550には、可動制御基板620Q〜620が接続されている。また、可動制御基板620Qには可動制御基板620Rが接続され、可動制御基板620Rには可動制御基板620Sが接続され、さらに、可動制御基板620Sには可動制御基板620Xが接続される。
各可動制御基板620は、制御対象となるモータやソレノイドなどの駆動源に接続される。なお、本発明の第1の実施の形態では、駆動源としてモータが接続されている。
例えば、可動制御基板620Qは、前面枠3に備えられた第1可動式照明13及び第2可動式照明14を動作させるための照明駆動第1モータ13a及び照明駆動第2モータ14aを制御する。可動制御基板620Rは、センターケース51内に設置された合体演出装置58を動作させるための役物駆動第1モータ71及び役物駆動第2モータ81を制御する。可動制御基板620Sは、センターケース51内に設置された装飾ピース46を動作させるための駆動源としてのステッピングモータ(図示略)を制御する。可動制御基板620Xは、遊技盤10に備えられた装飾具47を動作させるための駆動源としてのステッピングモータ(図示略)を制御する。
演出制御装置550は、遊技制御装置500から入力された遊技データに基づいて、駆動体や発光体による演出装置の出力態様を決定する。そして、演出制御装置550は、決定された出力態様となるように、演出制御データ(演出制御情報)を出力する。
演出制御装置550は、接続線Vcc、接続線Vmot、接続線DAT、接続線CLK、接続線LAT、接続線EN、及び接続線GNDによって可動制御基板620と接続される。演出制御装置550は、各接続線を介して下流側に配置されている可動制御基板620に各種信号を送受信する。
接続線Vccは、装飾制御基板610や可動制御基板620にロジック用の電源を供給するための接続線である。接続線Vmotは、モータ電源回路566から、モータやソレノイドなどによって可動役物を動作させたりするための電源を可動制御基板620に供給するための接続線である。
接続線DATは、演出制御データをシリアルデータとして送信するための接続線であり、データ線として機能する。接続線CLKは、接続線DATでのデータ通信に用いられるクロック信号を入出力するための接続線であり、タイミング信号線として機能する。接続線GNDは、接続線Vcc及び接続線Vmotで供給される電源のグランドである。
本発明の第1の実施の形態の各可動制御基板620には、最多で2つのステッピングモータを接続可能に構成されている。また、各可動制御基板620によって制御される各モータには、回転位置を検出するための位置検出センサ92(92a〜92h)が、各々備えられている。
演出制御装置550は、位置検出センサ92によってモータの回転位置を検出し、検出されたモータの回転位置に基づいて、回転位置を初期化させたり、所定の回転位置に設定させたりするための演出制御データを生成する。そして、生成された演出制御データを対応する可動制御基板620に送信する。
なお、可動制御基板620X及び位置検出センサ92g、92hは、正規版の遊技機には必要なものであるが、廉価版の遊技機には搭載されなくてもよい。廉価版の遊技機では、遊技盤10に備えられた装飾具47が回転しないため、駆動源となるモータが不要となるからである。
図9は、本発明の第1の実施の形態の可動制御基板620のブロック図である。
可動制御基板620は、シフトレジスタ621及びモータなどの駆動体を駆動するためのドライバ624を備える。また、可動制御基板620には、ソレノイド、モータなどを駆動する駆動電源、及び、制御信号(DAT、CLK、LAT、EN)が演出制御装置550から入力される。この可動制御基板620によって、例えば、照明駆動第1モータ13a、照明駆動第2モータ14a、役物駆動第1モータ71、役物駆動第2モータ81、さらに、装飾ピース46や装飾具47の駆動モータが駆動される。なお、可動制御基板620の下流に、シフトレジスタ621を備える別の制御基板が接続されない場合には、下流の制御基板に接続するための端子は不要である。例えば、可動制御基板620Xには下流の制御基板に接続するための端子は備えていなくてもよい。
シフトレジスタ621は、シリアルデータ入力(SI)、シフトレジスタクロック(SCK)、ラッチクロック(RCK)及び出力イネーブル(G)の入力端子と、8ビットのパラレル出力端子(Q0〜Q7)及びキャリーアウト出力(CY)を備え、例えば、74595等のロジックICを使用することができる。シフトレジスタ621の内部には、8ビットの内部シフトレジスタと、8ビットのストレージレジスタとが備えられており、常時8ビットのデータが保持記憶されている状態となっている。さらに、シフトレジスタ621には、リセット端子(SCLR)が備えられており、リセット端子にロウレベルの信号を入力することによって、ストレージレジスタの内容をクリアすることができる。ただし、本実施形態ではリセット端子に常時ハイレベルの信号を印加している(リセット端子には、ロジック用の電源を供給するための接続線Vccを接続している)ので、リセット端子に入力される信号を伝達するための専用のケーブルが不要な構成となっている。
データ信号入力端子となるシリアルデータ入力(SI)は、シフトレジスタにラッチされるデータがシリアルに入力される。タイミング信号入力端子となるシフトレジスタクロック(SCK)は、LからHに変化するときに内部シフトレジスタの最上位ビットの内容をCYに出力するとともに、内部シフトレジスタの各ビットの内容を上位ビット側へシフトし、空きが発生する内部シフトレジスタの最下位ビットにSIの内容を追加する。ラッチクロック(RCK)は、内部シフトレジスタの各ビットのデータを内部ストレージレジスタの対応する各ビットに転送する。
出力イネーブル(G)は、入力信号がLのとき、内部ストレージレジスタのデータを並列信号出力端子となるパラレル出力端子(Q0〜Q7)にパラレルデータとして出力し、入力信号がHのとき、パラレル出力端子(Q0〜Q7)の出力は不定(ハイインピーダンス状態)となる。なお、シフトレジスタのパラレル出力端子(Q0〜Q7)にはプルダウン抵抗Rが接続されており、シフトレジスタの出力がハイインピーダンスとなった時には、プルダウン抵抗Rの作用によって、シフトレジスタの出力は「L」レベルになる。このため、シフトレジスタの出力が不定時にも、ドライバ624の動作が不安定とならず、ソレノイド、モータなどが誤動作をすることを防止することができる。
演出制御装置550から出力される制御信号は、CLKがシフトレジスタクロック(SCK)に入力され、LATがラッチクロック(RCK)に入力され、ENが出力イネーブル(G)に入力される。また、演出制御装置550から出力される制御信号のうちDATは、シフトレジスタ621のシリアルデータ入力(SI)に入力される。シフトレジスタ621のデータ信号出力端子となるキャリー出力(CY)は、シフトレジスタ621に取り込まれたシリアルデータがオーバーフローしたときに出力されるデータの端子であり、後続の可動制御基板620の接続線DATに接続される。また、シフトレジスタ621のパラレル出力端子(Q0〜Q7)はドライバ624に入力される。
ドライバ624は、シフトレジスタ621からの出力によってオンオフが切り替えられるスイッチングトランジスタを備える。可動制御基板620に入力される駆動電源は、ドライバ624に入力され、ドライバ624内のスイッチングトランジスタにより切り替えられて、ソレノイド、モータなどに供給される。
ここで使用されるモータはステッピングモータにより構成され、ステッピングモータを駆動する各相の信号端子に、所定の電圧を順次印加することで回動する。図9に示す1個の可動制御基板620は、最大で2個のモータを制御可能となっており、各モータの各相の信号端子がPORT0端子〜PORT3端子に接続される。
モータに接続されているPORT0端子〜PORT3端子に接続される各トランジスタのいずれかのゲートに対してドライバから電圧が印加されると、電圧が印加されたトランジスタのドレインからソースへ電流が流れることが可能になり、PORT0端子〜PORT3端子に接続されるモータに電流が流れ、役物駆動用のモータが駆動する。
なお、各PORT0端子〜PORT3端子とモータとを接続する接続線は分岐し、分岐した一方の接続線は、モータに供給される電源にダイオードD及びツェナダイオードZDを介して接続される。
図9に示したように可動制御基板620に備えられたシフトレジスタ621はデイジーチェーン接続されている。そのため、演出制御装置550側から出力されるシリアルデータをDAT線を介して取り込んで、シフトレジスタ621内部の記憶領域からオーバーフローしたデータをキャリーアウト出力(CY)の端子から出力することになる。そして、このキャリーアウト出力からのデータを、シリアルデータして後続のシフトレジスタ621に出力する構成が可能となるので、シフトレジスタ621を直列に何個接続しても、シリアルデータを送信する線が多くならない構成を実現できる。
次に、図10及び図11を参照して、遊技制御装置500で実行される遊技に関する処理を説明する。図10は、本発明の第1の実施の形態の遊技制御装置500によって実行されるメイン処理のフローチャートである。図11は、本発明の第1の実施の形態のタイマ割込処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置500は、遊技に関する処理として、図10に示すメイン処理と、図11に示す所定時間(例えば2ミリ秒)毎のタイマ割込処理とを実行する。
図10に示すメイン処理は、遊技機の電源投入時に実行を開始し、遊技機への電源供給が途絶えるまで継続して実行される。例えば、遊技場で営業を開始するために遊技機の電源を投入する場合や停電から復帰した場合に実行を開始し、遊技場での営業を終了するために遊技機の電源を切断するまで(又は、停電が発生するまで)継続して実行される。
遊技制御装置500は、プログラム開始時の処理として、まず電源投入時の初期化処理を実行し(S1)、その後停電復旧処理を実行する(S2)。
停電復旧処理では、停電発生時にバックアップ電源によって遊技制御装置500のRAM504(図6参照)に保存記憶されていたデータを用いて、停電発生時点の遊技状態で遊技制御を再開するための処理が行われる。ただし、遊技機の裏面には、図示されない初期化操作部が設けられており、遊技機が電源投入される際に初期化操作部が操作されている場合には、遊技機の遊技状態をあらかじめ定めた状態に初期化する。この初期化により、特図変動表示ゲームの遊技状態が低確率状態となり、普電作動状態(普通変動入賞装置36の開閉部材36aの作動状態)が抑制状態になる。
また、停電復旧処理では、遊技機の種別を含む仕様データを演出制御装置550に送信している。遊技機の種別とは、例えば、演出装置などの構成を示す情報であり、例えば、遊技機が正規版であるか廉価版であるかを示す情報である。これにより、演出制御装置550が種別に応じた演出制御を行うことが可能となる。
次に、遊技制御装置500は、割込みタイマを起動し(S3)、CTC(カウンタ タイマ サーキット)を起動する。これにより、タイマ割込が発生可能な状態となる。
続いて、遊技制御装置500は、電源が切断されるまで実行されるメインループ処理を実行する。メインループ処理では、まず、タイマ割込などの割込みを禁止する(S4)。その後、遊技制御装置500は、大当り判定用乱数(特図判定用乱数)や大当り図柄乱数(特図図柄用乱数)等の乱数の初期値を更新して乱数の時間的な規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行する(S5)。その後、割込みを許可する(S6)。
遊技制御装置500は、RAM504の停電検査領域をチェックし、停電が発生したか否かを判定する(S7)。なお、RAM504の停電検査領域には、停電により遊技機の電源が遮断された場合にチェックデータが記憶されるようになっており、通常時はチェックデータが記憶されていない。したがって、RAM504の停電検査領域のチェックデータの有無を判定することで、停電が発生したか否かを判定することが可能となる。
停電が発生していない場合(S7の結果が「N」)には、ステップS4の割込み禁止処理に戻り、以降、遊技制御装置500はステップS4からステップS7の処理を繰り返し行う。一方、停電が発生した場合(S7の結果が「Y」)には、遊技制御装置500はステップS8の停電発生時処理を行う。なお、停電発生時には、電源供給装置のバックアップ電源により停電発生時の処理を実行可能な電力が供給されるようになっている。また、バックアップ電源は、遊技制御装置500のRAM504の内容を保持するために必要な電力を停電中に供給する。このとき、バックアップ電源は、遊技データを2〜3日以上保持させることが可能となっている。
ステップS8の停電発生時処理では、まず割り込みを禁止する処理を行い、全出力ポートをOFFにする処理を行った後に、停電検査領域をクリアする処理を行う。そして、停電復旧検査領域に停電復旧検査領域チェックデータをセーブする処理を行った後、RAM504の電源遮断時のチェックサムを算出する処理を行い、RAM504へのアクセスを禁止する処理を行って遊技機の電源遮断を待つ。このように、停電復旧検査領域に停電復旧検査領域チェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出して保持することで、電源遮断前にRAM504に記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源投入時に判断することができる。
続いて、図11を参照して、遊技制御装置500のタイマ割込処理について説明する。タイマ割込処理は、割込信号(割込みタイマにより所定間隔で発生する)の発生に対応して、メイン処理に割込む形態で実行される。
タイマ割込処理においては、遊技制御装置500は、まずレジスタに格納されたデータを待避する(S10)。次に、各種センサ(始動口SW36d、ゲートSW34a、一般入賞口SW44a〜44n、カウントSW42d、ガラス枠開放SW18a、前面枠開放SW3a等)からの入力、及び各種処理で設定された出力データに基づき大入賞口SOL42bや普電SOL36b等の駆動制御を行うための出力を処理する入出力処理を実行する(S11)。
遊技制御装置500は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置550等に出力するコマンド送信処理を実行する(S12)。
遊技制御装置500は、特図変動表示ゲームや普図変動表示ゲームの当りはずれを判定したり、特図変動表示ゲームの大当り図柄を判定したりするための乱数を更新する乱数更新処理1を実行する(S13)。その後、遊技制御装置500は、乱数の初期値を更新し、乱数の時間的な規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行する(S14)。
遊技制御装置500は、特図変動表示ゲームに関連した飾り特図変動表示ゲームにおける変動パターン(実行態様)を決定する乱数を更新するための乱数更新処理2を実行する(S15)。
ステップS13及びステップS15において、特図変動表示ゲームに関連する大当り乱数、大当り図柄乱数、及び変動パターン乱数の3つの乱数はセットで更新される。
遊技制御装置500は、始動口SW36d、ゲートSW34a、一般入賞口SW44a〜44n、カウントSW42dから信号の入力があるか否か(遊技球の検出を示す信号が入力されているか否か)を監視する入賞口スイッチ監視処理を実行する(S16)。その後、各信号とエラーの監視を行うエラー監視処理を実行する(S17)。
さらに、遊技制御装置500は、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理を実行する(S18)。特図ゲーム処理では、実行される変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)の結果が大当りとなるか外れとなるかを、前述の大当り乱数が所定値に一致するか否かの比較判定を行って決定する。また、遊技制御装置500は、この大当り乱数の判定結果と前述の変動パターン乱数の値に対応させて、変動表示ゲームの変動パターン(リーチの種類)を決定する。
そして、遊技制御装置500から演出制御装置550に様々な指令(コマンド)を送信する。例えば、変動表示ゲームの開始を指示する変動開始指令、変動中の識別図柄の停止を指示する変動停止指令が送信される。変動開始指令は、変動表示ゲームの結果及び変動パターンに基づいて設定される。変動開始指令を格納するテーブルの詳細については、図12にて説明する。
また、変動表示ゲームにおいて大当りが発生した場合には、大当り関連の指令が送信される。具体的には、大当り状態(特別遊技状態)の開始を指示する大当り開始指令、各ラウンドの更新を指示するラウンド更新指令、大当り状態の終了を指示する大当り終了指令が送信される。大当り終了指令には、大当り状態(特別遊技状態)終了後の遊技状態が高確率状態になるか低確率状態になるかを示す情報と、遊技状態が高確率状態に移行する期待度を報知する演出内容を示す情報が含まれている。なお、大当り終了後に、遊技状態が高確率状態に移行するか否かは、大当り発生時に保留記憶として記憶されていた前述の大当り図柄乱数を用いて決定される。大当り終了指令を格納するテーブルの詳細については、図13にて説明する。
遊技制御装置500は、特図ゲーム処理が終了すると、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(S19)を実行する。その後、遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDに関するセグメントLED編集処理を実行し(S20)、さらに、外部の管理装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(S21)を実行する。
そして、遊技制御装置500は、割込み処理の終了を宣言し(S22)、待避したレジスタのデータを復帰する(S23)。そして最後に、割込みを再び許可する処理を実行し(S24)、タイマ割込み処理を終了する。
図12は、本発明の第1の実施の形態の変動開始指令テーブルの一例を示す図である。(A)は、はずれ時の変動開始指令テーブル、(B)は、大当り時の変動開始指令テーブルを示す。
変動指令テーブルは、指令コード、選択割合、変動パターンの名称によって構成されている。指令コードは遊技制御装置500から演出制御装置550に送信される。指令コードは選択割合に基づいて選択される。
本発明の第1の実施の形態では、低確率状態における大当り確率が1/301、はずれ確率が300/301に設定されている(大当り確率が20/6020、はずれ確率が6000/6020に設定されていることに相当する)。また、変動パターンは、通常変動(リーチ無し)及びリーチA〜Hの9種類が設定されている。遊技制御装置500は、前述の大当り乱数に対応して変動表示ゲームの結果を決定し、外れであれば(A)のテーブルを選択し、大当りであれば(B)のテーブルを選択する。次いで、前述の変動パターン乱数(1〜6000の範囲の6000通りの値を取りうる乱数となっている)を用いて、選択したテーブルに設定されている「選択割合」となる頻度で、対応する変動パターンを決定する。
例えば、変動表示ゲームの結果が外れとなる場合は(A)のテーブルが選択され、この場合、変動パターン乱数が取りうる6000通りの値のうちの5441個が、リーチを伴なわない「通常変動」に対応している。同様に、変動パターン乱数が取りうる6000通りの値のうちの396個、97個、38個、18個、6個、3個、1個が、それぞれ「リーチA」〜「リーチG」の順に対応している。
また、変動表示ゲームの結果が大当りとなる場合は(B)のテーブルが選択され、この場合、変動パターン乱数が取りうる6000通りの値のうちの1200個が「リーチA」に対応している。その結果、1200/6000=4/20となるので、(B)のテーブルに設定された「リーチA」の「選択割合」である4/20の値と同一になる。同様に、変動パターン乱数が取りうる6000通りの値のうちの900個、600個、600個、600個、900個、900個、300個が、それぞれ「リーチB」〜「リーチH」の順に対応している。
このようにして、変動表示ゲームの結果に応じて(A)又は(B)のテーブルのいずれかを選択し、テーブルに設定された「選択割合」の頻度で変動パターン(指令コード)を選択する。
なお、本実施形態のように、大当り乱数によって変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定した後、新たに別の変動パターン乱数を使用して指令コードを選択するのではなく、大当り乱数の値を指令コードの選択にそのまま利用するようにしてもよい。例えば、大当り乱数として、1〜6020の範囲で更新される乱数を用いるものとし、このうちの1〜6020の範囲の値を取得した場合は外れとし、6021〜6020の範囲の値を取得した場合に大当りとする。
そして、外れの場合は、取得した大当り乱数の値をそのまま用いて、(A)のテーブルの「選択割合」の頻度で変動パターン(指令コード)を選択する。例えば、大当り乱数の範囲を、1〜5441の範囲、5442〜5837の範囲、5838〜5934の範囲、5935〜5972の範囲、5973〜5990の範囲、5991〜5996の範囲、5997〜5999の範囲、6000〜6000の範囲の各々に分割して、それぞれを、「通常変動」、「リーチA」、「リーチB」、「リーチC」、「リーチD」、「リーチE」、「リーチF」、「リーチG」に対応させることで、「選択割合」の頻度に対応する変動パターンを選択することができる。
また、大当りの場合は、取得した大当り乱数の値をそのまま用いて、(B)のテーブルの「選択割合」の頻度で変動パターン(指令コード)を選択する。例えば、大当り乱数の範囲を、6001〜6004の範囲、6005〜6007の範囲、6008〜6009の範囲、6010〜6011の範囲、6012〜6013の範囲、6014〜6016の範囲、6017〜6019の範囲、6020〜6020の範囲の各々に分割して、それぞれを、「リーチA」〜「リーチH」の順に対応させることで、「選択割合」の頻度に対応する変動パターンを選択することができる。
(A)を参照すると、指令コード「00h」の通常変動は、リーチが発生しないため、変動表示ゲームの結果がはずれの場合にのみ選択される。一方、(B)を参照すると、リーチHは、大当りの場合にのみ発生するリーチである。したがって、リーチHが発生すると、変動表示ゲームの結果が大当りであることが確定する。
図13は、本発明の第1の実施の形態の大当り終了指令テーブルの一例を示す図である。(A)は、低確率状態移行時の大当り終了指令テーブル、(B)は、高確率状態移行時の大当り終了指令テーブルを示す。
大当り終了指令テーブルは、指令コード、選択割合、高確率状態に移行する期待度の名称によって構成されている。指令コードは遊技制御装置500から演出制御装置550に送信される。指令コードは、変動開始指令の場合と同様に、選択割合に基づいて選択される。
具体的には、遊技制御装置500は、大当り遊技状態が終了する直前に、保留記憶として記憶されている前述の大当り図柄乱数を判定して、大当り遊技状態が終了した後の遊技状態を、高確率状態にするか低確率状態にするかを決定する。そして、大当り遊技状態の後の遊技状態を低確率状態にする決定がなされたときは(A)のテーブルを選択し、大当り遊技状態の後の遊技状態を高確率状態にする決定がなされたときは(B)のテーブルを選択する。次いで、所定の演出振り分け乱数(1〜12の範囲の12通りの値を取りうる乱数)を用いて、選択したテーブルに設定されている「選択割合」となる頻度で、対応する期待度報知の演出パターン(確変期待度a〜確変期待度fのいずれか)を決定する。
例えば、大当り遊技状態の後の遊技状態が低確率状態となる場合は(A)のテーブルが選択され、この場合、演出振り分け乱数の12通りのうちの2個、4個、3個、2個、1個が、それぞれ「確変期待度a」〜「確変期待度e」の順に対応している。
また、大当り遊技状態の後の遊技状態が高確率状態となる場合は(B)のテーブルが選択され、この場合、演出振り分け乱数の12通りのうちの1個、2個、3個、4個、2個が、それぞれ「確変期待度b」〜「確変期待度f」の順に対応している。
演出制御装置550は、大当り終了指令を受信すると、高確率状態に移行する期待度に対応する演出を実行する。
本発明の第1の実施の形態では、大当り終了後には、1/2の確率で高確率状態(確変状態)に移行する。また、指令コードは、高確率状態に移行する期待度に応じて設定されている。
確変期待度a(指令コード「80h」)は高確率状態に移行する場合には選択されず、低確率状態に移行する場合にのみ選択されるようになっている。一方、確変期待度f(指令コード「95h」)は高確率状態に移行する場合にのみ選択され、低確率状態に移行する場合には選択されないようになっている。
図14は、本発明の第1の実施の形態の各指令に対応する期待度及び役物の合体演出を説明する図である。(A)は変動開始指令、(B)は大当り終了指令、(C)はラウンド更新指令である。
(A)は、変動開始指令の種別、すなわち、リーチの種類に応じた期待度(変動表示ゲームが特別な結果となる可能性)が示されている。例えば、変動表示ゲームを1回実行する場合に、リーチAの演出をともなった外れが出現する確率は、図12のテーブル(A)より396/6020となり、リーチAの演出をともなった大当りが出現する確率は、図12のテーブル(B)より4/6020となることから、リーチAが発生した場合は、4/(396+4)=0.01(1%)の確率で、大当りとなることが理解できる。
すなわち、リーチAが発生した場合には1%の確率で大当りが発生する(期待できる)ことになる。同様にリーチBが発生した場合には3%の確率で大当りが発生する(期待できる)ことになり、リーチHが発生した場合には100%大当りが発生する。このように、リーチAからリーチHの順に大当りの期待度が高くなるように定義されている。
また、本発明の第1の実施の形態では、前述のように、第1演出ユニット63(第1演出部材70)及び第2演出ユニット64(第2演出部材80)が連動して演出動作を行う合体演出が実行される。このとき、大当りの期待度に応じて、第1演出部材70と第2演出部材80とが合体する合体状態が継続する時間が長くなるように構成されている。(A)を参照すると、リーチAの場合には第1演出部材70と第2演出部材80とが2.0秒間合体し、リーチHの場合には9.0秒間合体する。
(B)は、大当り終了指令の種別、すなわち、大当り終了後の高確率状態移行の期待度(特別遊技状態終了後に特定遊技状態が発生する可能性)が示されている。例えば、確変期待度aの演出は、高確率状態移行時には選択されないため、確実に低確率状態に移行し、期待度が0になっている。また、確変期待度dの演出は、低確率状態移行時には2/24、高確率状態移行時には3/24の確率で選択され、したがって、確変期待度dの演出が選択された場合には、3/(2+3)=0.6(60%)の確率で高確率状態に移行することが期待できる。
さらに、大当り終了指令の場合も、高確率状態へ移行する期待度(確変期待度)に応じて合体演出における合体状態の継続時間(合体秒数)が相違する。しかし、大当り終了指令の場合には、変動開始指令と異なり、高確率状態に移行する期待度が高いほど合体秒数が少なくなる。すなわち、変動開始指令のように遊技者に有利な場合(期待度が高い)ほど合体秒数が長くなるのではなく、遊技者に不利な場合(期待度が低い)ほど合体秒数が長くなるように制御される。
なお、高確率状態が発生する期待度ではなく、前述の促進状態が発生する期待度を合体演出を用いて報知するようにしてもよい。
本実施の形態における、変動表示ゲーム実行時のリーチ変動における大当り発生の期待度を報知する合体演出(図14(A)の変動開始指令に基づく合体演出)や、大当り終了時の確率変動状態への移行期待度を報知する合体演出(図14(B)の大当り終了指令に基づく合体演出)は、合体状態の継続時間(合体秒数)によって以後の遊技状態を示唆するものであるから、遊技者にとって非常に興趣の高い演出となることが期待される。
これに対し、大当り中の現在のラウンド数を単に報知する演出(図14(C)のラウンド更新指令に基づく合体演出)は、合体状態の継続時間(合体秒数)によって以後の遊技状態を示唆するものではないので、遊技者にとっては余り興味のない演出であるといえる。
そこで、前者の期待度を報知する演出(第1の演出態様となる演出)を行うときは、第1演出部材70と第2演出部材80との合体演出中に、役物駆動第1モータ71及び役物駆動第2モータ81に対する駆動電力の供給を停止させないようにする。このとき、CPU551からは、役物駆動第1モータ71及び役物駆動第2モータ81を制御するシフトレジスタ621には、DAT線を介してモータを停止させるための制御信号を出力している。
つまり、合体演出中に駆動電力の供給を停止すると、第1演出部材70と第2演出部材80とが互いに押し付けあう方向の力がなくなって、磁石のみで吸着される状態となるので、第1演出部材70と第2演出部材80の当接部が吸着したままで僅かに重力の方向へ垂れ下がる動作をすることになるが、この垂れ下がる動作を見た遊技者が、合体状態の継続時間をある程度推測してしまう可能性があり、遊技の興趣を低下させてしまうおそれがあるため、そのような不具合を防止できるということである。
一方、後者の期待度とは関連のない演出(第2の演出態様となる演出)を行うときは、第1演出部材70と第2演出部材80との合体演出中に、役物駆動第1モータ71及び役物駆動第2モータ81に対する駆動電力の供給を停止させる。ただし、合体時間が短い場合は、動作をスムーズにするため駆動電源の供給を停止させない場合もある。
このように構成することで、合体演出装置58を構成する第1演出部材70と第2演出部材80は、前述したように磁石によって互いに吸着する構成となっているために、合体演出中に駆動電力の供給を停止しても、第1演出部材70と第2演出部材80の当接部が分離してしまうことはなく、駆動電力の供給を停止して発熱防止や省エネという効果を奏することができる。
また、遊技者は、第2の演出態様となる演出を行うときは、合体時間の長さに興味を示していないので、第1演出部材70や第2演出部材80が垂れ下がる動作が発生しても、遊技の興趣を低下させるおそれはない。
言い換えれば、本実施の形態の遊技機では、駆動源として役物駆動第1モータ71及び役物駆動第2モータ81が備えられ、演出部材として第1演出部材70及び第2演出部材80が備えられている。そして、前述の第1の演出態様となる演出のときには、駆動電源の出力を停止させずに、駆動源制御するシフトレジスタ621にを駆動源を停止させるための制御信号を出力して駆動源を停止させている。一方で、前述の第2の演出態様となる演出のときには、駆動源の出力を停止して駆動源を停止させている。これにより、第1の演出態様と第2の演出態様とで演出部材の態様が異なる(第2の演出態様のときは合体している第1演出部材70及び第2演出部材80が若干垂れ下がる)構造の合体演出装置58であっても、発熱防止や省エネという効果を得ながら、遊技の興趣も高めることが出来るのである。
図15は、本発明の第1の実施の形態のモータ100及び位置検出センサ92の構造を説明する図である。モータ100は、遊技機1で演出に用いられるモータと同じものであり、具体的には、照明駆動第1モータ13a、照明駆動第2モータ14a、役物駆動第1モータ71、役物駆動第2モータ81、さらに、装飾ピース46や装飾具47の駆動モータなどが含まれる。位置検出センサ92は、図8における位置検出センサ92a〜92fの各々に対応するものである。
モータ100の出力軸100aは、駆動ギア101を共回り可能に軸着している。さらに、軸103に軸着されたギア部102が駆動ギア101と噛合される。軸103には、遮光板91が軸103と共回り可能に形成されており、軸103が回動する。また、軸103のギア部102の反対側には、可動役物が連結されており、モータ100を駆動することによって、演出が実行される。また、軸103には遮光板91が設けられており、軸103の回動にともなってこの遮光板91も回動する。
位置検出センサ92は、軸103の回転位相(モータ100の回転位置)を検出するためのフォトセンサであり、中央部に遮光板91が通過する溝部921が形成されることで、コの字状の形状を呈している。位置検出センサ92の溝部921には、溝部921の底面926と、発光部923が配置された発光部側面922と、受光部925が配置された受光部側面924とが形成されている。
さらに、発光部923からは、受光部925へ向けて軸103の長手方向と平行に光(赤外線)が照射されており、この光が遮光板91によって遮光されたか否かを受光部925で判別することによって、軸103の回転位相を検出する。
図16は、本発明の第1の実施の形態のモータの回転位置を説明する図である。(A)は遮光板91によって遮光されている状態(遮光状態)、(B)は通光している状態(通光状態)、(C)はモータが左回転しているときの遮光直後の状態(モータが右回転しているときの通光直前の状態でもある)、(D)はモータが左回転しているときの遮光直前の状態(モータが右回転しているときの通光直後の状態でもある)を示している。
本発明の第1の実施の形態では、電源投入の直後にモータの回転位置を初期位置に戻す処理が行われるが、モータ位置を検出する位置検出センサ92からの出力は、遮光状態及び通光状態のいずれか一方のレベルを示すのみであるため、電源投入が行われた時点における位置検出センサ92からの出力を判別しただけでは、正確な位置を認識できない可能性がある。特に、遊技機に電源を投入した時点において、遮光版91が、図16の(C)又は(D)のような通光(遮光)直前の状態になっているときは、誤ったモータ位置検出を行ってしまうおそれがある。
そのため、本発明の第1の実施の形態では、電源投入の直後にモータの回転位置を初期位置に戻す処理を行う際には、遮光版91が位置検出センサ92の受光部925から充分に離れた状態(図16の(B)のような状態)になるまで移動させてから、再度、遮光状態を検出させる処理を行うことで正確な初期位置を設定するようにしている。なお、合体役物を駆動する役物駆動第1モータ71及び役物駆動第2モータ81の初期位置に設定する手順については、図19にて詳細を説明する。
図17は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置550によるメイン処理の手順を示すフローチャートである。図17に示す処理は、演出制御装置550のCPU551によって実行される。
まず、電源投入後の初期化処理について説明する。CPU551は、各種役物が動作しないようにするために、EN信号をオフ(ハイレベル)に設定する(S30)。EN信号がオフに設定されると、各可動制御基板620のシフトレジスタ621(図9)の出力イネーブル(G)の入力端子がハイレベルとなり、シフトレジスタ621からのQ0〜Q7出力が全てオフとなるので、各役物の初期化中に誤作動を起こさせないようにすることができる。
なお、可動制御基板620のシフトレジスタ621が、演出制御装置550のCPU551よりも先に起動する構成である場合は、CPU551が起動するよりも以前に、ハードウェア回路を用いてEN信号をオフ(ハイレベル)にする必要がある。また、演出制御装置550と可動制御基板620との間の信号線が断線することもありうるので、可動制御基板620側でEN信号をプルアップする構成であってもよい。
次に、CPU551は、演出制御装置550によって制御される各種デバイスを初期化する(S31)。初期化される各種デバイスには、例えば、音LSI557などが含まれる。
さらに、CPU551は、合体役物などの可動役物が動作しないように、モータを停止させるためのデータを設定する(S32)。具体的には、演出制御装置550からのDAT線によってデイジーチェーン接続されているシフトレジスタ621の出力がすべて“0”になるように信号を出力し、その後LAT信号を入力することによって初期動作時に誤作動を起こさないように初期化する。モータ停止設定処理については、図22を参照しながら後述する。また、このように設定することによって、演出制御装置550のCPU551から、シフトレジスタ621のリセット(SCLR)端子に信号入力を行うような構成を必要とせずに、シフトレジスタ621を初期化することができる。
続いて、CPU551は、タイマ割込や表示(VDP)割込などの割り込み処理の実行を許可し(S33)、初期画面の出力を開始する(S34)。表示割込は、VDP556から画像更新周期と同期する同期信号(VDP割込)の受け入れることで実行される。また、CPU551は、監視タイマ回路562にタイマ割込の周期(例えば、2ミリ秒)を設定し、設定されたタイマ割込周期毎にタイマ割込処理を実行する。なお、表示割込処理の詳細については、図18にて後述する。
続いて、CPU551は、各演出装置を初期化するために、すべての演出フラグをオンに設定する(S35)。具体的には、合体演出装置58を用いた合体演出を行うか否かを設定する合体演出フラグ、可動式照明(第1可動式照明13及び第2可動式照明14)による演出を行うか否かを設定する照明演出フラグ、装飾ピース46を上下動させる演出を行うか否かを設定する振動演出フラグ、装飾具47を回転させる演出を行うか否かを設定する回転演出フラグが含まれる。これらの演出フラグがオンに設定されている場合に対応する演出が実行され、オフに設定されている場合には対応する演出は実行されない。
また、後述するように、演出フラグがすべてオフに設定されると、すなわち、可動演出装置による演出が実行されない場合には、EN信号をハイレベルに設定することで、各可動制御基板620のシフトレジスタ621からのQ0〜Q7出力がオフとなり、モータ電源回路566から各可動演出装置に対応する電源供給が遮断される。したがって、ノイズが発生するなどして誤って制御信号が送信された場合であっても各可動演出装置を動作させる駆動体(モータ)は駆動しないように構成することができる。
続いて、CPU551は、演出装置を構成する役物を初期位置に移動させるなど、各種役物を初期化する。具体的には、まず、合体役物を初期化する合体役物初期化処理を実行し(S36)、続いて、他の役物の初期化処理を実行する(S37)。なお、合体役物初期化処理の詳細については、図19にて後述する。役物の初期化処理が終了すると、CPU551は、すべての演出フラグをオフに設定する(S38)。これにより、モータ電源回路566からすべての可動演出装置に対応する電源供給が、ドライバ回路624をオフすることによって遮断され、誤作動を防止することができる。
以上が電源投入後の初期化処理である。続いて、遊技機が通常稼働している状態で実行されるループ処理について説明する。
初期化処理が完了すると、CPU551は、まず、処理エラーフラグがオンに設定されているか否かを判定する(S39)。処理エラーフラグは、合体演出装置58の状態が異常となる場合にオンとなるフラグである。処理エラーフラグがオンに設定されている場合には(S39の結果が「Y」)、EN信号をオフに設定し(S50)、役物の動作を停止させる。そして、すべての演出フラグをオフに設定し(S51)、表示装置53の出力をエラー画像に切り替える(S52)。以降、電源がオフになるまで待機し、電源が再投入されると、当該メイン処理の先頭から処理を開始する。
CPU551は、処理エラーフラグがオンに設定されていない場合には(S39の結果が「N」)、遊技制御装置500からの変動開始指令を受信したか否かを判定する(S40)。変動開始指令を受信した場合には(S40の結果が「Y」)、図柄変動パターンを決定し、さらに、合体演出パターンを決定(合体演出を実行するか否かも決定)する(S41)。その後、図柄変動を開始する(S42)。
続いて、CPU551は、ステップS41の処理で合体演出を実行しないと決定した場合には(S43の結果が「N」)、S39の処理に戻る。本実施形態では、図14(A)に示すように、図柄変動パターンがリーチとなる場合には合体演出が実行されるが、図柄変動パターンがリーチにならず通常変動となる場合は合体演出を実行しない。
一方、CPU551は、合体演出が実行される場合には(S43の結果が「Y」)、電源遮断フラグをオフに設定する(S44)。電源遮断フラグは、第1演出部材70と第2演出部材80とが合体した状態(図5の状態)を長時間継続する場合において、この第1演出部材70及び第2演出部材80とを駆動するモータ(役物駆動第1モータ71及び役物駆動第2モータ81)の電源を遮断する制御を行うときに、オンに設定するフラグである。なお、第1演出部材70と第2演出部材80とが合体した状態を長時間継続する場合でも駆動モータの電源を遮断しない制御を行うときは、電源遮断フラグをオフに設定する。
その後、CPU551は、合体演出処理を実行し(S45)、可動演出装置を動作させ、S39の処理に戻る。なお、合体演出処理の詳細については、図20にて後述する。
また、CPU551は、S40の処理で変動開始指令を受信していない場合には(S40の結果が「N」)、さらに、遊技制御装置500から変動停止指令を受信したか否かを判定する(S46)。変動停止指令を受信した場合には(S46の結果が「Y」)、図柄変動を停止させる(S47)。その後、S39の処理に戻る。
また、CPU551は、S46の処理で変動停止指令を受信していない場合には(S46の結果が「N」)、さらに、遊技制御装置500から大当り関連の指令を受信したか否かを判定する(S48)。大当り関連の指令を受信した場合には(S48の結果が「Y」)、大当り演出処理を実行する(S49)。大当り演出処理の詳細については、図21にて後述する。大当り関連の指令を受信していない場合(S48の結果が「N」)、又は、大当り演出処理が実行された後には、S39の処理に戻る。
続いて、表示割込処理について説明する。図18は、本発明の第1の実施の形態の表示割込処理の手順を示すフローチャートである。表示割込処理は、前述のように、VDP556の画像更新周期ごとに実行される処理であり、図17のメイン処理に割り込んで実行される処理である。
CPU551は、表示割込処理が実行されると、まず、画像データの出力を開始する(S60)。次に、すべての演出フラグがオフに設定されているか否かを判定する(S61)。
CPU551は、すべての演出フラグがオフに設定されている場合には(S61の結果が「Y」)、可動役物への電源供給を停止させるため、EN信号をオフに設定する(S62)。一方、すべての演出フラグがオフに設定されていない場合には(S61の結果が「N」)、いずれかの演出装置で演出が継続されているため、電源の供給が継続されるように、EN信号をオンに設定する(S63)。
以上のように、本発明の第1の実施の形態では、表示割込、すなわち、画像更新のタイミングに同期して、駆動源への電源供給を行うため、画像の変化と同期した違和感のない演出を実現することができる。
図19は、本発明の第1の実施の形態の合体役物初期化処理の手順を示すフローチャートである。合体役物初期化処理は、合体役物の位置を初期化するための処理である。合体役物初期化処理実行時には、S35の処理で演出フラグがすべてオンに設定され、さらに、S33の処理で割込が許可されるため、S63の処理でEN信号がオンに設定される。したがって、合体役物に電源が供給可能な状態となっており、役物が可動可能になっている。
CPU551は、まず、遮光板91によって位置検出センサ92が遮光状態(図16(A)又は(C)のように位置検出センサ92の受光部925と遮光板91とが重なっている状態)になっているか否かを判定する(S70)。
CPU551は、位置検出センサ92が遮光状態になっている場合には(S70の結果が「Y」)、通光状態(図16(D)に示す通光直後の状態)となるまで軸103を当接方向に回転させるように、モータ100を作動させる(S71)。そして、遮光状態の時間を計時して、通光が検出されるまで計時を繰り返す(S72〜S73)。通光状態になる前にタイムアップした場合には(S73の結果が「Y」)、S78以降の処理を実行する。
一方、CPU551は、位置検出センサ92が通光状態になった場合には(S72の結果が「Y」)、所定時間が経過するまで当接方向にさらにモータ100を作動させた後、一時停止させる(S74)。このとき、図16(B)に示すように、位置検出センサ92の受光部925と遮光板91とが十分に離間した状態となる。その後、遮光状態(図16(C)に示す遮光直後の状態)になるまで、離反方向にモータ100を作動させる(S75〜S77)。
そして、遮光状態が検出されると(S76の結果が「Y」)、CPU551は、所定時間が経過するまで離反方向にモータ100を作動させた後、停止させる(S85)。このとき、図16(A)に示すように、遮光板91の周縁部よりも十分に内側になる部位と、位置検出センサ92の受光部925の位置とが重なり、この位置がモータの初期位置となる。このとき、S85の処理における所定時間は遮光状態から再び通光状態にならない範囲の時間が設定される。その後、CPU551は、処理エラーフラグをオフに設定し(S86)、メイン処理に戻る。
なお、モータが初期位置となると、遮光板91の周縁部よりも十分に内側になる部位と位置検出センサ92の受光部925の位置とが重なるが、モータがこの初期位置からステップ角だけ離反方向及び当接方向のいずれの方向にずれた場合でも、受光部925が遮光状態となるように、遮光板91の中心角が設定されていることが好ましい。ここで、ステップ角とは、ステッピングモータに単位パルスの駆動信号を与えたときに回転する最小分解能の角度のことである。換言すれば、遮光板91によって通光状態と遮光状態とが切り替わる境界よりも、ステップ角以上の回転位置となる位置に初期位置を設定することである。このような設定により、初期位置設定の処理を行う際のモータの回転位置の誤差を、充分に吸収することができる。
一方、位置検出センサ92が遮光状態でない場合(S70の結果が「N」)、すなわち、通光状態(図16(B)又は(D)のように位置検出センサ92の受光部925と遮光板91とが重なっていない状態)の場合には、CPU551は、遮光状態(図16(C)に示す遮光直後の状態)となるまで軸103を離反方向に回転させるようにモータ100を作動させる(S80〜S82)。そして、通光状態の時間を計時して、遮光が検出されるまで計時を繰り返す(S81〜S82)。遮光状態になる前にタイムアップした場合には(S82の結果が「Y」)、S78以降の処理を実行する。
そして、遮光状態が検出されると(S81の結果が「Y」)、CPU551は、遮光状態が早期に検出されたか否か(遮光検出までの時間が極端に短いか否か)を判定する(S83)。遮光状態が早期に検出されていない場合には(S83の結果が「N」)、S85以降の処理を実行する。
一方、遮光状態が早期に検出された場合には(S83の結果が「Y」)、モータの初期化位置に誤差が生じてしまうおそれがあるため、CPU551は、S74以降の処理を実行することによってモータの初期化位置を再調整する。遮光状態が早期に検出される場合とは、例えば、図16(D)に示すような遮光直前の状態を起点として、モータの出力軸103を回転させたような場合である。このような状態から、モータの出力軸103を回転させると、回転開始直後に通光状態となるため、モータの回転速度が安定していない回転開始時の状態で位置検出を行ってしまう恐れがあるからである。このような調整処理を行うことで、電源投入直後の遮光板91の位置に影響されることなく、モータの初期位置を正確に設定することができる。
また、モータ100を作動させた後、通光状態又は遮光状態に移行する前にタイムアップとなった場合には(S73の結果が「Y」、S77の結果が「Y」、S82の結果が「Y」)、モータが正常に駆動していない可能性が高いため、合体役物を駆動させるモータを停止させる(S78)。さらに、処理エラーフラグをオンに設定し(S79)、メイン処理に戻る。
以上のように、初期位置に設定するためにモータを作動させる場合に、通光状態及び遮光状態の一方から他方に移行した直後のタイミング(図16の(C)や(D))ではなく、所定時間経過までモータを作動(回転)させてから(図16の(B)のような位置にませ移動させてから)位置合わせを行うため、誤差を少なくすることが可能となっている。
なお、本実施の形態の遊技機では、モータの初期位置設定の処理を行う場合に、遮光板91を移動させて位置検出センサ92の受光部925が通光状態となっていることを確認してから、再度、遮光板91を移動させて受光部925が遮光状態となることを検出して初期位置を設定する。また、扇形形状の遮光板91の中心角は45度に設定されており、遮光板91により遮光状態と検出される範囲(遮光状態検出範囲)が45度となる一方で、遮光板91により通光状態と検出される範囲(通光状態検出範囲)が45度よりも広くなるように設定されている。
そのため、図15及び図16に示したように、遮光状態検出範囲のほうが通光状態検出範囲よりも中心角が狭くなるように遮光板91が構成されており、モータの出力軸103の回転位置が、中心角が狭い方の遮光状態検出範囲に位置するときを初期位置としているので、初期位置を設定する処理の時間が短縮できるように工夫されている。
ただし、本実施形態とは逆に、モータの初期位置設定の処理を行う場合に、遮光板91を移動させて位置検出センサ92の受光部925が遮光状態となっていることを確認してから、再度、遮光板91を移動させて受光部925が通光状態となることを検出することで初期位置を設定する構成であれば、通光状態検出範囲のほうが遮光状態検出範囲よりも中心角が狭くなるように遮光板91が構成されていることが好ましい。
次に、前述した演出制御装置550のメイン処理における合体演出処理(S45)の詳細について説明する。図20は、本発明の第1の実施の形態の合体演出処理の手順を示すフローチャートである。
合体演出処理が開始されると、演出制御装置550のCPU551は、まず、合体演出フラグをオンに設定する(S90)。さらに、モータを駆動し、合体役物を当接方向に駆動する(S91)。さらに、予め設定された合体時間が所定時間(例えば、3.5秒)以上であるか否かを判定する(S92)。本発明の第1の実施の形態では、合体時間(第1演出部材70と第2演出部材80とが合体して図5の状態になっている時間)が所定時間以上の場合には、モータの負荷を低減するために、合体中の一定時間が経過する間は可能な限り電源を遮断するように構成されている。また、消費電力を削減することも可能となる。
CPU551は、合体役物の合体時間が所定時間以上の場合には(S92の結果が「N」)、さらに、電源遮断フラグがオンに設定されているか否か、すなわち、合体時間が長時間である場合に合体役物を動作させるモータの電源を遮断する設定となっているか否かを判定する(S93)。
合体演出中に駆動電力の供給を停止すると、第1演出部材70と第2演出部材80とが互いに押し付けあう方向の力がなくなって、磁石のみで吸着される状態となるので、第1演出部材70と第2演出部材80の当接部が吸着したままで僅かに重力の方向へ垂れ下がってしまう可能性がある。さらに、合体時間に応じて変動表示ゲームの信頼度(期待度)などが設定されているのであれば、合体役物が垂れ下がる動きによって遊技者に信頼度を察知されてしまう可能性もある。そこで、期待度を報知する演出の場合には、合体役物を駆動させるモータに電源の供給を継続して遊技者に察知されないようにする。一方、ラウンド間の演出などの場合には、合体役物が垂れ下がるか否かという点に遊技者が興味を示さないと思われるので、電源遮断フラグがオンに設定される。
CPU551は、電源遮断フラグがオンに設定されている場合には(S93の結果が「Y」)、第1演出部材70と第2演出部材80とが当接するまでモータを当接方向に駆動し、第1演出部材70と第2演出部材80とが当接したらモータの駆動を一旦停止する(S94)。その後、あらかじめ設定されている合体初期時間が経過するまで待機する(S95)。なお、合体初期時間が経過するまでの間はモータに電源の供給が継続されている。
次に、CPU551は、合体演出フラグをオフに設定する(S96)。さらに、合体中期時間が経過するまで待機する(S97)。この待機している間は、表示割込処理(図18)が実行されることで、合体役物を駆動するモータの電源が遮断される。
CPU551は、合体中期時間が経過すると、合体演出フラグをオンに設定する(S98)。これにより、以降実行される表示割込処理(図18)によって、合体役物を駆動するモータに電源が供給される。すなわち、合体中期時間が経過するまでの間、モータの電源を遮断した状態としている。その後、合体終期時間が経過するまで待機する(S99)。したがって、電源遮断フラグがオンに設定されている場合には、合体時間は、合体初期時間、合体中期時間及び合体終期時間の合計時間となる。
一方、CPU551は、合体役物の合体時間が所定時間よりも少ない場合(S92の結果が「N」)、若しくは、電源遮断フラグがオフに設定されている場合には(S93の結果が「N」)、第1演出部材70と第2演出部材80とが当接した後に、合体役物の動作を一旦停止させる(S100)。その後、合体演出フラグをオンに設定したまま、あらかじめ設定された合体時間が経過するまで待機する(S101)。すなわち、合体演出が実行されている間、電源が投入されたままの状態となる。
S99又はS101の処理が終了、すなわち、合体時間が経過すると、CPU551は、第1演出部材70と第2演出部材80とが当接した状態から、それぞれ離反方向にモータを駆動させる(S102)。
さらに、CPU551は、位置検出センサ92が遮光状態を検出した後、初期位置までモータを駆動させ、一時停止させる(S103)。その後、合体演出フラグをオフに設定し、本処理を終了する(S104)。
続いて、前述した演出制御装置550のメイン処理における大当り演出処理(S49)の詳細について説明する。図21は、本発明の第1の実施の形態の大当り演出処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置550のCPU551は、まず、受信した指令に基づいて、処理を分岐させる(S110)。受信する指令には、「大当り開始指令」、「ラウンド更新指令」、「大当り終了指令」が含まれる。
CPU551は、「大当り開始指令」を受信すると、大当りの種類に対応するファンファーレ演出が実行される。そして、実行されるファンファーレ演出に対応する演出フラグをオンに設定する(S111)。ファンファーレ演出では、可動式照明(第1可動式照明13及び第2可動式照明14)、装飾ピース46及び装飾具47を用いた演出を実行するので、照明演出フラグ、振動演出フラグ、回転演出フラグなどをオンに設定する。
さらに、CPU551は、ファンファーレ演出におけるモータ駆動処理を実行する(S112)。これにより、可動式照明(第1可動式照明13及び第2可動式照明14)、装飾ピース46及び装飾具47を用いた演出が実行される。モータ駆動処理が終了すると、S111の処理でオンに設定されていた演出フラグをオフに設定し(S113)、本処理を終了する。
また、CPU551は、「ラウンド更新指令」を受信すると、ラウンドごとの演出に必要な情報を設定する。各ラウンド中において、ラウンドの前半では合体演出装置58を用いた合体演出を行い、ラウンドの後半では可動式照明(第1可動式照明13及び第2可動式照明14)、装飾ピース46及び装飾具47を用いた演出を実行する。
まず、ラウンド中に表示装置53に表示される演出内容に対応するラウンド中表示パターンを決定する(S114)。続いて、ラウンドの前半の演出となる合体演出パターンを決定する(S115)。ここでは、図14の(c)に規定された「合体秒数」のうち、当該ラウンドに対応する時間が選択されて合体演出のパターンが決定される。さらに、ラウンド後半の演出パターンを決定する(S116)。ここでは、当該ラウンドに対応する可動式照明(第1可動式照明13及び第2可動式照明14)、装飾ピース46及び装飾具47の演出パターンが決定される。なお、この時点では、照明演出フラグ、振動演出フラグ、回転演出フラグは全てオフのままである。
続いて、CPU551は、電源遮断フラグをオンに設定し(S117)、ラウンド前半の演出となる合体演出を実行するために、合体演出処理を実行する(S118)。これにより、合体演出装置58を用いた演出が実行される。
さらに、CPU551は、ラウンド後半の演出に対応する演出フラグを全てオンに設定する(S119)。そして、ラウンド後半の演出に対応するためにモータ駆動処理を実行する(S120)。これにより、可動式照明(第1可動式照明13及び第2可動式照明14)、装飾ピース46及び装飾具47を用いた演出が実行される。モータ駆動処理が完了すると、S119の処理でオンに設定された演出フラグをオフに設定し(S121)、本処理を終了する。
また、CPU551は、「大当り終了指令」を受信すると、大当り状態(特別遊技状態)終了後の状態に基づく演出を実行する。具体的には、まず、大当りが終了することを報知する画面の内容(大当り終了表示パターン)を決定する(S122)。続いて、受信した「大当り終了指令」の指令コードを判別して、図13のテーブルに示す「確変期待度a」〜「確変期待度f」のうちの何れの合体演出パターンを実行するかを決定する(S123)。
さらに、CPU551は、合体演出を実行するためのモータに電源が供給されるように、電源遮断フラグをオフに設定する(S124)。最後に、ステップS123で決定した態様で合体演出処理を実行し(S125)、受信した「大当り終了指令」の指令コードに従って大当り終了後の遊技状態(高確率状態若しくは低確率状態)を報知する画面に切り替えて本処理を終了する。図13のテーブルに示すように、「大当り終了指令」の指令コードが“80h”〜“84h”であれば大当り終了後は低確率状態になり、「大当り終了指令」の指令コードが“90h”〜“94h”であれば大当り終了後は高確率状態になる。
以上が本発明の第1の実施の形態の制御手順である。続いて、モータを制御するシフトレジスタを初期化する処理、合体演出におけるモータの動作、EN信号の変化、位置検出センサ92の検出状態の時系列変化(タイムチャート)について説明する。
図22は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1の電源投入時におけるシフトレジスタを初期化する処理のタイムチャートである。
遊技機1の電源が投入されると、演出制御装置550においてメイン処理(図17)が開始され、S30の処理でEN信号がオフ(ハイレベル)に設定される。次いで、S32の処理では、データ信号(DAT)としてモータの停止を示す“0”を出力したまま、クロック信号(CLK)を出力して、デイジーチェーン接続されているシフトレジスタ621の内部シフトレジスタに“0”を設定する。ここでは、少なくとも、デイジーチェーン接続されているシフトレジスタ621の個数を8倍した数だけクロック信号が出力される。次いで、LAT信号が出力されると、デイジーチェーン接続されているシフトレジスタ621の内部ストレージレジスタにはすべて“0”が設定される。
このように、遊技機に電源が投入された直後においては、シフトレジスタ621にモータを停止させるためのデータを設定する期間(モータ停止データ設定期間)が設けられ、シフトレジスタ621からの出力を禁止した状態で、モータの信号端子に出力される電気信号がオフとなる制御信号を設定する。
このように制御することによって、シフトレジスタ621の内部ストレージレジスタに設定されている値が不定な状態で起動しても電源供給時には確実に初期化することができるため、電源投入直後のシフトレジスタ621からの出力が全てオフとなり、モータの信号端子に出力される電気信号を確実に遮断できる。この場合、演出制御装置550のCPU551から、シフトレジスタ621のリセット(SCLR)端子に信号入力を行うような構成を必要とせずに、シフトレジスタ621を初期化することができるので、信号線を構成する配線も簡素化される。
そのため、電源投入直後にモータが誤作動することがなくなり、特に、本実施形態のように、位置検出センサを用いてモータの回転位置を初期位置に戻す必要を必要とする遊技機であれば、工場出荷時のテストを行う場合に、電源投入直後のモータの回転位置を全ての遊技機で統一しておくような工程を組み込みこむことで、検査作業を効率よく行うことができるのである。
もし仮に、電源投入直後のシフトレジスタ621からの出力を全てオフにしないような構成であったとすれば、電源投入直後にモータが予期せぬ動作を行うことが予想され、折角、電源投入直後のモータの回転位置を全ての遊技機で統一しておくような工程を組み込んだとしても、位置検出センサによる回転位置の検出が遊技機毎にばらついてしまうために、検査作業を効率よく行うことができないのである。
なお、シフトレジスタ621のリセット(SCLR)端子に信号入力を行うための配線を施し、遊技機の電源投入直後のタイミングで、この配線を介してリセット(SCLR)端子にリセット信号を出力してもシフトレジスタ621を初期化することができる。このリセット信号は、演出制御装置550のCPU551から出力してもよいし、遊技機の電源回路などに電源投入を検出する回路を備えて、その検出回路からの信号をリセット信号としてもよい。このような構成の場合は、リセット(SCLR)端子に信号入力を行うための信号線が必要であるが、遊技機の電源投入直後に、デイジーチェーン接続されているシフトレジスタ621の内部シフトレジスタに“0”を設定する必要がなくなる。
その後、割込処理の実行が許可されることで(S33)、割り込み処理が実行可能な状態となる。続いて、演出フラグがオンに設定され(S35)、表示割込処理によって次の画像更新周期でEN信号がオンに設定される(S63)。これにより、モータ停止データ設定期間が終了し、以降は、モータに駆動データが設定できる状態(モータ駆動データ設定可能期間)となる。そして、次以降の周期でモータの初期位置に移動させるための制御(駆動)データが出力され、各可動役物が初期位置に設定される。
図23及び図24は、本発明の第1の実施の形態における合体演出装置58の駆動モータの初期化処理のタイムチャートである。この処理は、演出制御装置550の合体役物初期化処理(図19)で実行される。なお、合体役物初期化処理を開始した時点でモータの位置検出センサ92が遮光状態を検出している場合は図23の動作を行い、合体役物初期化処理を開始した時点でモータの位置検出センサ92が通光状態を検出している場合は図24の動作を行う。また、図では、合体演出装置58の駆動モータのうち、第1演出部材70を駆動する役物駆動第1モータ71の動作のみを「MOT_RA」として示しているが、第2演出部材80を駆動する役物駆動第2モータ81の動作も役物駆動第1モータ71と同様である。
図23では、遊技機起動後、位置検出センサ92は遮光状態を検出しており、このとき、EN信号はオフ(ハイレベル)に設定され、モータは停止状態となっている。
その後、EN信号がオン(ロウレベル)に設定されると(t1)、モータの駆動が開始される。このとき、位置検出センサ92は遮光状態を検出しているため(図19のS70の結果が「Y」)、当接方向にモータを駆動させる(S71、時刻t2から時刻t3)。
そして、位置検出センサ92が通光状態を検出すると(t3)、所定時間が経過する(時刻t3から時刻t4)までそのまま当接方向に作動し、一時停止する(S74、時刻t4から時刻t5)。その後、位置検出センサ92が遮光状態になるまで離反方向にモータを作動させる(S75、時刻t5から時刻t6)。
そして、位置検出センサ92が遮光状態を検出すると(t6)、所定時間が経過する(時刻t6から時刻t7)までそのまま離反方向に作動し、停止する(S85、t7)。その後、EN信号をオフに設定し(t8)、モータへの電源の供給を停止する。
次に図24を用いて、合体演出装置58の駆動モータの初期化処理を説明する。なお、合体役物初期化処理を開始した時点では位置検出センサ92が通光状態を検出していたものの、モータの駆動開始直後に位置検出センサ92が遮光状態となった場合は、早期に遮光状態を検出したものと判定されて、通常よりも複雑な初期化動作を行うようになっている。この複雑な初期化動作を(B)に示し、通常の初期化動作を(A)に示すことにする。
(A)では、遊技機起動後、位置検出センサ92は通光状態を検出しており、このとき、EN信号はオフに設定され、モータは停止状態となっている。
その後、EN信号がオンに設定され(t11)、モータの駆動が開始される。このとき、位置検出センサ92は通光状態を検出しているため(図19のS70の結果が「N」)、離反方向にモータを駆動させる(S80、時刻t12から時刻t13)。
そして、位置検出センサ92が遮光状態を検出すると(t13)、モータの駆動開始から遮光状態が早期に(例えば、所定時間内に)検出されたか否かを判定する(S83)。ここでは、t12からt13までの時間が所定時間内であるか否かの判定が行われている。早期の検出でない場合には(S83の結果が「N」)、所定時間が経過する(時刻t13から時刻t14)までそのまま離反方向に作動させ、停止させる(S85、t14)。その後、EN信号をオフに設定する(t15)。
(B)では、(A)の場合と同様に、遊技機起動後、位置検出センサ92は通光状態を検出しており、このとき、EN信号はオフに設定され、モータは停止状態となっている。その後、EN信号がオンに設定され(t21)、モータの駆動が開始される。このとき、位置検出センサ92は通光状態を検出しているため(図19のS70の結果が「N」)、離反方向にモータを駆動させる(S80、時刻t22から時刻t23)。
そして、位置検出センサ92が遮光状態を検出すると(t23)、モータの駆動開始から遮光状態が早期に(例えば、所定時間内に)検出されたか否かを判定する(S83)。ここでは、t22からt23までの時間が所定時間内であるか否かの判定が行われている。このとき、早期の検出であった場合は(S83の結果が「Y」)、モータを一時停止させる(S84、時刻t23から時刻t24)。その後、所定時間が経過する(時刻t24から時刻t25)までそのまま当接方向に作動し、一時停止する(S74、時刻t25から時刻t26)。その後、位置検出センサ92が遮光状態になるまで離反方向にモータを作動させる(S75、時刻t26から時刻t27)。
そして、位置検出センサ92が遮光状態を検出すると(t27)、所定時間が経過する(時刻t27から時刻t28)までそのまま離反方向に作動し、停止する(S85、t28)。その後、EN信号をオフに設定し(t29)、モータへの電源の供給を停止する。
図25は、本発明の第1の実施の形態の合体演出処理実行時のタイムチャートである。(A)は、第1演出部材70と第2演出部材80との合体時間が短時間である場合(合体時間が所定時間未満の場合)の動作であり、(B)は、第1演出部材70と第2演出部材80との合体時間が長時間である場合(合体時間が所定時間以上の場合)の動作である。なお、図では、合体演出装置58の駆動モータのうち、第1演出部材70を駆動する役物駆動第1モータ71の動作を「MOT_RA」として示し、第2演出部材80を駆動する役物駆動第2モータ81の動作を「MOT_RB」として示している。
合体演出が開始されると、(A)及び(B)に示すように、まず、第1演出部材70を移動させる役物駆動第1モータ71と、第2演出部材80を移動させる役物駆動第2モータ81とに電源を供給し、各演出部材を当接方向に移動させる。そして、第1演出部材70と第2演出部材80の当接部が当接すると、各演出部材の移動が停止する(t31、t41)。そして、合体状態を所定時間維持し、その後、離反方向に各演出部材を移動させる(t32、t44)。
(A)に示すように、合体状態を継続する時間が短い場合は、合体演出時に電源の供給を遮断しない。このような合体演出を行うのは、図14に示す各演出のうち、合体秒数が所定時間(図20のステップS92に示す所定時間)未満の演出を実行するときである。例えば、所定時間が「3.5秒」であれば、図14に示す各演出のうち合体秒数が3.5秒未満となる演出を実行する場合である。
一方、(B)に示すように、合体状態を継続する時間が長い場合は、合体演出時に電源の供給を遮断する。電源を遮断する期間は、第1演出部材70と第2演出部材80とが当接した時点(t41)よりもやや遅れたタイミング(t42)を起点とし、第1演出部材70と第2演出部材80とが離間する時点(t44)よりもやや早いタイミング(t43)を終点としている。
このような合体演出を行うのは、図14に示す各演出のうち、合体秒数が所定時間(図20のステップS92に示す所定時間)以上の演出を実行するときである。例えば、所定時間が「3.5秒」であれば、図14に示す各演出のうち合体秒数が3.5秒以上となる演出を実行する場合である。
これにより、第1演出部材70と第2演出部材80は、前述したように磁石によって互いに吸着する構成となっているために、合体演出中に駆動電力の供給を停止しても、第1演出部材70と第2演出部材80の当接部が分離してしまうことはなく、駆動電力の供給を停止して発熱防止や省エネという効果を奏することができる。
ただし、図14(A)の変動開始指令に基づく合体演出や、図14(B)の大当り終了指令に基づく合体演出を実行する場合は、合体秒数が所定時間(3.5秒)以上であっても合体演出時に電源の供給を遮断しない(ENにおいてt42からt43へ到る点線に相当)。
合体演出中に駆動電力の供給を停止すると、第1演出部材70と第2演出部材80とが互いに押し付けあう方向の力がなくなって、磁石のみで吸着される状態となるので、第1演出部材70と第2演出部材80の当接部が吸着したままで僅かに重力の方向へ垂れ下がる動作をする。そして、この垂れ下がる動作を見た遊技者が、合体状態の継続時間をある程度推測してしまう可能性があり、遊技の興趣を低下させてしまうおそれがある。すなわち、この場合の演出は、合体状態の継続時間(合体秒数)によって以後の遊技状態を示唆するものであるから、駆動電力の停止による発熱防止や省エネの効果よりも、遊技の興趣を高めることを優先するようにしたものである。
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態によれば、モータ(駆動体)を停止させるための制御信号を出力する場合には、EN信号をオフに設定することでモータを駆動するドライバ624(図9)がオフとなり、駆動電源の出力も行われなくなるので、誤った制御信号がシフトレジスタ621(図9)に出力された場合でも確実に駆動源を停止させることが可能となる。したがって、モータを含む演出装置が破損する可能性を少なくすることができる。
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、モータ電源回路566は、EN信号の内容とは無関係に可動制御基板620側の駆動源に電源を供給していた。
これに対して、第2の実施の形態では、図7の点線に示すように、出力I/F558aからのEN信号がモータ電源回路566に入力され、モータ電源回路566は、EN信号の入力値に基づいて可動制御基板620に対して電源を供給又は遮断する構成となっている。さらに、可動制御基板620には、出力I/F558aからのEN信号が出力されていないものとする。
即ち、第2の実施形態では、CPU551により、駆動源へ電源を供給する電源回路を直接制御できる構成となり、可動演出装置を停止させる場合に確実に電源を遮断することができる。なお、第1の実施の形態と共通する構成については説明を省略し、相違点のみ説明する。モータ電源回路566は、EN信号とともに駆動電源の出力規制手段をなしている。
図26は、本発明の第2の実施の形態の可動制御基板620のブロック図である。前述のように、第2の実施の形態では、可動制御基板620にEN信号が入力されないため、シフトレジスタ621の出力イネーブル(G)の入力端子が接地されている。したがって、第2の実施の形態の可動制御基板620ではクロック信号、データ信号、及びラッチ信号が入力されるように構成されている。
本発明の第2の実施の形態によれば、EN信号の値によって電源供給装置を直接制御することで第1の実施の形態と同様に、必要に応じて駆動体への電源の供給を制御することが可能となる。したがって、本発明の第2の実施の形態によれば、モータ(駆動体)を停止させるための制御信号を出力する場合に駆動電源も出力されなくなるので、誤った制御信号が出力された場合でも確実に駆動源を停止させることが可能となる。
さらに、演出制御装置550から可動制御基板620にEN信号を伝達するための信号線も不要となるので、配線も簡素化することができる。
なお、今回開示した実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではない。また、本発明の範囲は前述した発明の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。
また、特許請求の範囲に記載した以外の本発明の観点の代表的なものとして、次のものがあげられる。
(1)遊技を統括的に制御する遊技制御手段と、該遊技制御手段からの指令に対応して、可動物により遊技の演出を行う複数の可動演出装置を制御可能な演出制御手段と、を備える遊技機において、前記各可動演出装置に対応して設けられ、信号端子に所定の電気信号が印加されることで駆動可能な駆動源と、前記演出制御手段からの制御信号及び駆動電源が入力されることで、前記各駆動源の信号端子に電気信号を印加して駆動源を制御する駆動制御手段と、が備えられ、前記演出制御手段は、前記駆動制御手段に制御信号を出力する制御信号出力手段と、前記駆動制御手段への駆動電源の出力を規制する出力規制手段と、を備え、前記出力規制手段は、前記制御信号出力手段が前記駆動源を停止させるための制御信号を出力することにあわせて、駆動電源の出力を停止させることを特徴とする遊技機。
(2)前記演出制御手段は、前記各駆動源に駆動電源を供給する供給回路を備え、前記出力規制手段は、前記供給回路からの駆動電源の供給を規制することを特徴とする(1)に記載の遊技機。
(3)前記遊技制御手段は、始動条件の成立に基づいて複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを実行し、該変動表示ゲームが特別な結果となる場合には遊技者に特典を付与する特別遊技状態が発生し、前記複数の可動演出装置には、前記駆動源によって動作する所定の演出部材が含まれ、前記演出制御手段には、前記演出部材を動作させて前記変動表示ゲームに係わる所定の遊技状態が発生する期待度を報知する制御を行う報知制御手段と、前記出力規制手段により駆動電源の出力を停止させずに、前記制御信号出力手段により前記演出部材の駆動源を停止させるための制御信号を出力することで前記演出部材の動作を停止させる制御を行う第1の停止制御手段と、前記出力規制手段により駆動電源の出力を停止させて前記演出部材の動作を停止させる制御を行う第2の停止制御手段と、を備え、前記演出部材は、前記第1の停止制御手段により動作停止したときの態様と、前記第2の停止制御手段により動作停止したときの態様とが異なる構成であり、前記報知制御手段によって前記期待度の報知の制御を行う場合は、前記第1の停止制御手段により前記演出部材の動作を停止させることを特徴とする(2)に記載の遊技機。
(4)前記所定の演出部材は、前記駆動源によって動作する第1演出部材と、前記第1演出部材と当接部において当接可能な第2演出部材とから構成され、前記駆動制御手段は、前記第1演出部材と前記第2演出部材とが当接している合体状態、及び、前記第1演出部材と前記第2演出部材とが離間している離反状態に制御可能であり、前記当接部には、前記第1演出部材と前記第2演出部材とが当接している合体状態を維持可能な磁石が備えられ、前記駆動源に駆動電源が供給されていない場合であっても、前記磁石によって合体状態を維持可能であり、前記第1演出部材及び前記第2演出部材は、前記期待度の報知を行うための第1の演出態様と、前記期待度に関連しない演出を行うための第2の演出態様と、の各々の態様で演出動作を行うとともに、該第1の演出態様においては、前記合体状態を維持する時間の長さに対応して前記期待度が報知されるものであり、前記第1の演出態様で合体状態を維持する演出を行う場合は、前記第1の停止制御手段により前記演出部材の動作を停止させる一方で、前記第2の演出態様で合体状態を維持する演出を行う場合は、前記第2の停止制御手段により前記演出部材の動作を停止させることを特徴とする(3)に記載の遊技機。
(5)遊技の演出を行う画像出力装置を備え、前記出力規制手段は、前記画像出力装置に出力される画像を更新する画像更新タイミングと同期して駆動電源の供給を制御することを特徴とする(1)から(4)のいずれかに記載の遊技機。
(1)から(5)の発明によれば、駆動源を停止させるための制御信号を出力する場合には、駆動電源の出力も行われなくなるので、誤った制御信号が出力された場合でも確実に駆動源を停止させることができる。