以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施の形態の遊技機1の説明図である。
遊技機1の前面枠(遊技枠)3は、本体枠(外枠)2にヒンジ4を介して、遊技機1の前面に開閉回動可能に組み付けられる。前面枠3の表側には、遊技盤10(図2参照)が収装される。また、前面枠3には、遊技盤10の前面を覆うカバーガラス(透明部材)を備えたガラス枠18が取り付けられている。
ガラス枠18のカバーガラスの周囲には、装飾光が発光される装飾部材9a、9bが備えられている。装飾部材9a、9bの内部にはランプやLED等からなる装飾装置が備えられている。装飾装置を所定の発光態様によって発光させることによって、装飾部材9a、9bが所定の発光態様によって発光する。
ガラス枠18の左側には、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ30が備えられている。また、ガラス枠18の上方には照明ユニット11が備えられている。
照明ユニット11には、第1可動式照明13及び第2可動式照明14が左右に配置されている。第1可動式照明13及び第2可動式照明14には、LEDなどの照明部材の他に、照明駆動第1モータ13a(図8参照)及び照明駆動第2モータ14a(図8参照)が備えられており、演出内容に応じて動作するように制御される。なお、照明駆動第1モータ13aと照明駆動第2モータ14aは、例えば、駆動源としてステッピングモータで構成される。
照明ユニット11の右下方には、遊技機1において異常が発生したことを報知するための異常報知LED29が備えられている。
前面枠3の下部の開閉パネル20には図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21が備えられ、固定パネル22には下皿23及び打球発射装置の操作部24等が備えられる。下皿23には、下皿23に貯まった遊技球を排出するための下皿球抜き機構16が備えられる。前面枠3下部右側には、ガラス枠18を施錠するための鍵25が備えられている。
また、遊技者が操作部24を回動操作することによって、打球発射装置は、上皿21から供給される遊技球を発射する。
また、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための演出ボタン17が備えられている。遊技者が演出ボタン17を操作することによって、遊技盤10に設けられた表示装置53(図2参照)における特図変動表示ゲームの演出内容を選択して、表示装置53における特図変動表示ゲームに、遊技者の操作を介入させた演出を行うことができる。
特図変動表示ゲームは、発射された遊技球が遊技盤10に備わる始動口36(図2参照)に入賞した場合に開始される。特図変動表示ゲームでは、表示装置53において複数の識別情報が変動表示する。そして、変動表示していた識別情報が停止し、停止した識別情報の結果態様が特定の結果態様である場合に、遊技機1の状態が遊技者に有利な状態(特典が付与される状態)である特別遊技状態に遷移する。
上皿21の右上部には、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する球貸ボタン26、及び、図示しないカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作される排出ボタン27が設けられている。さらに、これらの球貸ボタン26と排出ボタン27との間には、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部28が設けられる。
図2は、本発明の実施の形態の遊技盤10の正面図である。
図1に示す遊技機1は、内部の遊技領域10a内に遊技球を発射して(弾球して)遊技を行うもので、ガラス枠18のカバーガラスの奥側には、遊技領域10aを構成する遊技盤10が設置されている。
遊技盤10は、各種部材の取付ベースとなる平板状の遊技盤本体10b(木製又は合成樹脂製)を備え、該遊技盤本体10bの前面にガイドレール32で囲まれた遊技領域10aを有している。また、遊技盤本体10bの前面であってガイドレール32の外側には、前面構成部材33が取り付けられている。そして、このガイドレール32で囲まれた遊技領域10a内に発射装置から遊技球(打球;遊技媒体)を発射して遊技を行う。
遊技領域10aの略中央には、特図変動表示ゲームの表示領域となる窓部52を形成するセンターケース51が取り付けられている。センターケース51に形成された窓部52の後方には、複数の識別情報を変動表示する特図変動表示ゲームの演出を実行可能な演出表示装置としての表示装置53が配される。表示装置53は、例えば、液晶ディスプレイを備え、表示内容が変化可能な表示部53aがセンターケース51の窓部52を介して遊技盤10の前面側から視認可能となるように配されている。なお、表示装置53は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、EL、CRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
また、センターケース51の上部には、大当たりの可能性(信頼度)を報知する信頼度報知装置15が備えられる。信頼度報知装置15には、複数色のLED(例えば、赤、青、緑の3色のLED)が備えられており、信頼度に応じた色及び態様で発光するように制御される。
さらに、センターケース51の左部には、遊技球が流下可能な球導入路(ワープ流路)50が設けられ、遊技領域10aに向けて入口50aが開放した状態で開設されている。球導入路50は、センターケース51の内部に連通しており、入口50aから流入した遊技球は、センターケース51の裏側を通過して、ユニット側ステージ部49b上に排出される。さらに、ユニット側ステージ部49b上で転動した遊技球が当該ユニット側ステージ部49bの下方に配置されたベース側ステージ部49a上に流下できるように構成されている。
センターケース51の周縁部には、複数の装飾具47が配置される。センターケース51の左下部には、装飾ランプ48が配置される、センターケース51の上部には、複数の装飾ピース46を上下動可能な状態で配置される。装飾具47、装飾ランプ48及び装飾ピース46は、後述する演出制御装置550からの命令に従って演出動作を行う。センターケース51の構成については、図3を参照しながらさらに詳細に説明する。
また、遊技領域10aのうちセンターケース51の下方には、遊技球を受入可能(入賞可能)な特図変動表示ゲームを始動させるための始動口36が配置される。さらに、センターケース51の側方(左側方)には、普図変動表示ゲームを始動させるための普図始動ゲート34が配置される。
さらに、遊技領域10aには、センターケース51の左下方及び右下方に、発光によって各種装飾表示を行うサイドランプ45が配置される。また、サイドランプ45には、一般入賞口44が備えられている。
さらに、始動口36の下方には大入賞口42が配置され、該大入賞口42の下方であって遊技領域10aの下縁部には、入賞せずに流下した遊技球を回収するアウト口43が開設される。大入賞口42は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉42aを備える。特図変動表示ゲームの結果によって開閉扉42aを閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。
また、センターケース51、始動口36やサイドランプ45等の取付部分を除いた遊技領域10a内には、この他、遊技領域10aには、打球方向変換部材としての風車(図示略)、及び多数の障害釘(図示略)などが配設されている。そして、センターケース51と、該センターケース51を挟んで普図始動ゲート34とは反対側に位置する前面構成部材33との間に縦長な円弧状の遊技球通路57が形成されている。
さらに、遊技盤10には、特図変動表示ゲーム及び普図変動表示ゲームを実行する普図・特図表示器35が備えられている。普図・特図表示器35には、特図変動表示ゲームの未処理回数(特図始動記憶数)及び普図変動表示ゲームの未処理回数(普図始動記憶数)が表示される。普図・特図表示器35は、遊技状態を表す遊技状態表示LED(図示略)と併せて、セグメントLEDとして設けられている。
普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するためのゲートSW34a(図6参照)が設けられている。そして、遊技領域10a内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、普図変動表示ゲームが開始される。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態で、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数が上限数未満であるならば、普図始動記憶数が1加算されて、当該普図変動表示ゲームが当りとなるか否かを示す乱数が普図始動記憶として一つ記憶される。
普図変動表示ゲームが開始できない状態とは、例えば、普図変動表示ゲームが既に行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームに当選して始動口36が開状態に変換されている状態のことをいう。
なお、普図変動表示ゲームは、表示装置53の表示領域の一部で普図変動表示ゲームを表示するようにしてもよく、この場合は識別図柄として、例えば、数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、この識別図柄を所定時間変動表示させた後、停止表示させることによって行うようにする。
普図変動表示ゲームの停止表示が特別の結果態様となった場合には、普図変動表示ゲームに当選したものとして、始動口36の開閉部材36aが所定時間(例えば、0.5秒間)開放される。これにより、始動口36に遊技球が入賞しやすくなり、特図変動表示ゲームの始動が容易となる。始動口36の開閉部材36aは、通常時は遊技球の直径程度の間隔をおいて閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)を保持しているが、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合(普図変動表示ゲームに当選した場合)には、ソレノイド(普電SOL36b、図6参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて始動口36に遊技球が流入し易い状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられる。
また、本発明の実施の形態の遊技機1は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づいて、遊技状態として、表示装置53における特図変動表示ゲームの変動表示時間を短縮する時短動作状態(第2動作状態)を発生可能となっている。時短動作状態(第2動作状態)は、通常動作状態(第1動作状態)と比較して始動口36の開閉部材36aが開放状態となりやすい状態である。
時短動作状態においては、普図変動表示ゲームの実行時間が通常動作状態における実行時間よりも短くなるように制御され(例えば、10秒が1秒)、単位時間当りの始動口36の開放回数が実質的に多くなるように制御される。また、時短動作状態においては、普図変動表示ゲームに当選したことによって始動口36が開放される場合に、開放時間が通常動作状態の開放時間よりも長くなるように制御される(例えば、0.3秒が1.8秒)。また、時短動作状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当選結果に対して、始動口36が1回ではなく、複数回(例えば、2回)開放される。さらに、時短動作状態においては普図変動表示ゲームの当選結果となる確率が通常動作状態よりも高くなるように制御される。すなわち、通常動作状態よりも始動口36の開放回数が増加され、始動口36に遊技球が入賞しやすくなり、特図変動表示ゲームの始動が容易となる。
また、始動口36の内部には、始動口36を通過した遊技球を検出するための、始動口SW36d(図6参照)が備えられる。始動口SW36dによって遊技球を検出すると、補助遊技としての特図変動表示ゲームを開始する始動権利が発生する。このとき、特図変動表示ゲームを開始する始動権利は、所定の上限数(例えば4)の範囲内で特図始動記憶として記憶される。
特図変動表示ゲームを直ちに開始できない状態、例えば、既に特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、始動口36に遊技球が入賞すると、特図始動記憶数が上限数未満(例えば、4個未満)ならば、特図始動記憶数が1加算され、始動口36に遊技球が入賞したタイミングで抽出された乱数が特図始動記憶として一つ記憶される。そして、特図変動表示ゲームが開始可能な状態となると、特図始動記憶に基づき特図変動表示ゲームが開始される。
補助遊技としての特図変動表示ゲームは、遊技盤10に設けられた普図・特図表示器35で実行され、複数の識別情報を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置53にて特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)が変動表示される。そして、特図変動表示ゲームの結果として、普図・特図表示器35の表示態様が特別結果態様となった場合には、大当たりとなって特別遊技状態(いわゆる、大当たり状態)となる。また、これに対応して表示装置53の表示態様も特別結果態様(例えば、「7、7、7」等のゾロ目数字の何れか)となる。なお、普図・特図表示器35ではなく、表示装置53のみで特図変動表示ゲームを実行するように構成してもよい。
また、本発明の実施の形態の遊技機1は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、遊技状態として確変状態(第2確率状態)を発生可能となっている。この確変状態(第2確率状態)は、特図変動表示ゲームでの当り結果となる確率が、通常確率状態(第1確率状態)に比べて高い状態である。なお、確変状態と上述した時短動作状態はそれぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させることも可能である。
図3は、本発明の実施の形態のセンターケース51の分解斜視図である。
センターケース51は、遊技盤本体10b(遊技盤10)の表面側に前面構成部として配置される枠装飾部65と、遊技盤本体10bの裏面側に裏面構成部として配置される枠体基部60とを前後に重合して構成されている。枠装飾部65は、遊技盤本体10bの表面に止着される環状の装飾ベース66を備える。装飾ベース66の裏面側には、装飾ベース66と略同じ大きさで円形状に形成された装飾パネルユニット67を備え、枠装飾部65は、装飾ベース66と装飾パネルユニット67とを前後に重合して構成されている。
装飾ベース66の下部には、上面に遊技球を前後方向及び左右方向に転動可能なベース側ステージ部49aが配置され、該ベース側ステージ部49aと遊技球通路57との間には装飾ランプ48が配置されている(図2参照)。そして、ベース側ステージ部49aを挟んで装飾ランプ48とは反対側には、遊技球が流下可能な球導入路(ワープ流路)50が設けられ、球導入路50の入口50aを装飾ベース66の外方へ向けて開放した状態で開設し、球導入路50の出口50bを後述する装飾パネルユニット67の裏側へ連通している。
装飾パネルユニット67は、略円形状の透明樹脂板で形成されたカバーパネル部69を備え、該カバーパネル部69の前面側の周縁に複数の装飾具47を配置している。装飾パネルユニット67と枠装飾部65とを重合すると、装飾具47が装飾ベース66の内周縁に沿って配置されるように設定されている(図2参照)。また、カバーパネル部69の上部には、信頼度報知装置15が配置されている。
また、カバーパネル部69の裏面側の下部には、上面に遊技球を前後方向及び左右方向に転動可能なユニット側ステージ部49bが配置される。ユニット側ステージ部49bは、装飾ベース66のベース側ステージ部49aよりも上方に配置される。
さらに、カバーパネル部69のうち球導入路50の出口50bに重合する箇所には球流入口68を開設し、該球流入口68を介して球導入路50とユニット側ステージ部49bとを連通している。したがって、遊技領域10aを流下する遊技球が球導入路50に流入すると、球導入路50がこの遊技球をユニット側ステージ部49b上に導入できるように構成されている。
枠体基部60は、遊技盤10の裏面側に止着される額縁状の基部ケース61を前側が開放した状態で備え、該基部ケース61の内側(言い換えるとセンターケース51の内部)に、開口部62aが前面側に設けられた凹室62(図4参照)を形成している。
また、基部ケース61のうち凹室62の後方には矩形状の窓部52を前後方向へ貫通して開設し、基部ケース61の後方から表示装置53を装着して、表示装置53の表示部53aを窓部52及び凹室62を通してセンターケース51の前方へ臨ませている。
さらに、窓部52の上縁部の前側には、役物駆動ソレノイド(図示せず)によって上下動可能な複数の装飾ピース46が配置され、窓部52の左右両側の周縁には、表示部53aの前方へ移動して演出動作を行う可動演出装置58が備えられる。
そして、枠体基部60の前方に枠装飾部65を重合すると、凹室62の開口部62a及び窓部52をカバーパネル部69で前方から被覆し、表示装置53の表示部53aを枠装飾部65の内側(カバーパネル部69が露出した箇所)からセンターケース51の前方へ臨ませるように構成されている。
図4及び図5は、本発明の実施の形態の可動演出装置58の構成を説明する図である。
可動演出装置58は、第1演出ユニット63と第2演出ユニット64とを互いに離間した位置に備えて構成され、第1演出ユニット63及び第2演出ユニット64が連動して演出動作が実行される。
図4は、可動演出装置58が動作する前の状態を示す図であり、図5は、可動演出装置58が動作し、第1演出ユニット63及び第2演出ユニット64が動作した結果、当接部(第1当接部121及び第2当接部122)にて当接している状態を示す図である。
第1演出ユニット63は、センターケース51の左側、すなわち、基部ケース61の窓部52の周縁の左側に配置される。また、第2演出ユニット64は、センターケース51の右側に配置される。センターケース51の前方から見て第1演出ユニット63と第2演出ユニット64との間に凹室62及び窓部52を臨ませるように配置される。
第1演出ユニット63は、表示部53aの前方へ移動可能な第1演出部材70と、該第1演出部材70の駆動力を発生する第1演出駆動源としての役物駆動第1モータ71と、役物駆動第1モータ71から発生した駆動力(回動力)を第1演出部材70へ伝達する第1演出伝達機構(第1主腕部材73及び第1副腕部材74)とを備える。なお、役物駆動第1モータ71と役物駆動第2モータ81は、例えば、駆動源としてステッピングモータで構成される。
また、役物駆動第1モータ71の出力軸(第1出力軸)71aがセンターケース51の前後方向に延在し、第1出力軸71aには第1駆動ギア76を共回り可能に軸着している。
第1主腕部材73は、第1駆動ギア76と噛合される第1主腕ギア77が形成され、当該第1駆動ギア76の上方に軸着される。第1副腕部材74は、第1駆動ギア76と噛合される第1副腕ギア78が形成され、当該第1駆動ギア76の下方に軸着される。第1主腕部材73及び第1副腕部材74は、基部ケース61と軸着された端部の反対側の端部が互いに異なる位置で第1演出部材70に軸着し、第1演出部材70を支持している。
第1演出ユニット63は、役物駆動第1モータ71を駆動して第1駆動ギア76をセンターケース51の正面から見て時計方向へ回動すると、役物駆動第1モータ71の駆動力(回動力)を第1駆動ギア76及び第1主腕ギア77を介して第1主腕部材73へ伝達し、この駆動力により第1主腕部材73がセンターケース51の正面から見て反時計方向へ回動する。また、役物駆動第1モータ71の駆動力を第1駆動ギア76及び第1副腕ギア78を介して第1副腕部材74へ伝達し、この駆動力により第1副腕部材74が第1主腕部材73と同じ反時計方向へ回動する。この結果、第1演出部材70が第1主腕部材73及び第1副腕部材74に支持された状態で上昇する。
そして、役物駆動第1モータ71の駆動力により第1主腕部材73及び第1副腕部材74を上方へ延出して縦向き姿勢に設定すると、図4に示すように、第1演出部材70を表示部53aの前方から外れて位置させた第1演出停止状態となり、第1演出部材70が窓部52の側方に位置して、枠装飾部65の後方及び遊技盤本体10bの後方に隠れる(図2参照)。
一方、第1演出停止状態から役物駆動第1モータ71を駆動して第1駆動ギア76をセンターケース51の正面から見て反時計方向へ回動すると、役物駆動第1モータ71の駆動力(回動力)を第1駆動ギア76及び第1主腕ギア77を介して第1主腕部材73へ伝達し、この駆動力により第1主腕部材73がセンターケース51の正面から見て時計方向へ回動する。
また、役物駆動第1モータ71の駆動力を第1駆動ギア76及び第1副腕ギア78を介して第1副腕部材74へ伝達し、この駆動力により第1副腕部材74が第1主腕部材73と同じ時計方向へ回動する。この結果、第1演出部材70が第1主腕部材73及び第1副腕部材74に支持された状態で下降する。
そして、役物駆動第1モータ71の駆動力により第1主腕部材73及び第1副腕部材74を表示部53aの前方へ延出して横向き姿勢に設定すると、図5に示すように、第1演出部材70を表示部53aの前方へ位置させた第1演出実行状態となり、第1演出部材70が表示部53aとカバーパネル部69との間の空間部のうち表示部53aの中央部分の前方に位置する。
第2演出ユニット64は、表示部53aの前方へ移動可能な第2演出部材80と、該第2演出部材80の駆動力を発生する第2演出駆動源としての役物駆動第2モータ81と、役物駆動第2モータ81から発生した駆動力(回動力)を第2演出部材80へ伝達する第2演出伝達機構(第2主腕部材83及び第2副腕部材84)とを備える。
また、役物駆動第2モータ81を出力軸(第2出力軸)81aがセンターケース51の前後方向に延在し、第2出力軸81aには第2駆動ギア86を共回り可能に軸着している。
第2主腕部材83は、第2駆動ギア86と噛合される第2主腕ギア87が形成され、当該第2駆動ギア86よりも第1演出ユニット63寄りの位置に軸着される。第2副腕部材84は、第2駆動ギア86と噛合される第2副腕ギア88が形成され、当該第2駆動ギア86の下方に軸着される。第2主腕部材83及び第2副腕部材84は、基部ケース61と軸着された端部の反対側の端部が互いに異なる位置で第2演出部材80に軸着し、第2演出部材80を支持している。
第2演出ユニット64は、役物駆動第2モータ81を駆動して第2駆動ギア86をセンターケース51の正面から見て時計方向へ回動すると、役物駆動第2モータ81の駆動力(回動力)を第2駆動ギア86及び第2主腕ギア87を介して第2主腕部材83へ伝達し、この駆動力により第2主腕部材83がセンターケース51の正面から見て反時計方向へ回動する。また、役物駆動第2モータ81の駆動力を第2駆動ギア86及び第2副腕ギア88を介して第2副腕部材84へ伝達し、この駆動力により第2副腕部材84が第2主腕部材83と同じ反時計方向へ回動する。この結果、第2演出部材80が第2主腕部材83及び第2副腕部材84に支持された状態で下降する。
そして、役物駆動第2モータ81の駆動力により第2主腕部材83及び第2副腕部材84を回動して第2演出部材80を下死点へ到達させ、引き続き第2主腕部材83及び第2副腕部材84を回動して斜め下方へ延出して縦向き姿勢に設定し、第2演出部材80を下死点から僅かに上昇させると、図4に示すように、第2演出部材80を表示部53aの前方から外れて位置させた第2演出停止状態となり、第2演出部材80が枠装飾部65の後方及び遊技盤本体10bの後方に隠れる(図2参照)。
一方、第2演出停止状態から役物駆動第2モータ81を駆動して第2駆動ギア86をセンターケース51の正面から見て反時計方向へ回動すると、役物駆動第2モータ81の駆動力(回動力)を第2駆動ギア86及び第2主腕ギア87を介して第2主腕部材83へ伝達し、この駆動力により第2主腕部材83がセンターケース51の正面から見て時計方向へ回動する。
また、役物駆動第2モータ81の駆動力を第2駆動ギア86及び第2副腕ギア88を介して第2副腕部材84へ伝達し、この駆動力により第2副腕部材84が第2主腕部材83と同じ時計方向へ回動する。この結果、第2演出部材80が第2主腕部材83及び第2副腕部材84に支持された状態で上昇する。
そして、役物駆動第2モータ81の駆動力により第2主腕部材83及び第2副腕部材84を表示部53aの前方へ延出して横向き姿勢に設定すると、図5に示すように、第2演出部材80を表示部53aの前方へ位置させた第2演出実行状態となり、第2演出部材80が表示部53aとカバーパネル部69との間の空間部のうち表示部53aの中央部分の前方に位置する。
図6は、本発明の実施の形態の遊技機1の構成を示すブロック図である。
遊技機1は、遊技を統括的に制御する遊技制御装置500、各種演出を行うために表示装置53及びスピーカ30等を制御する演出制御装置550、遊技球を払い出すために図示しない払出モータを制御する払出制御装置580を備える。
まず、遊技制御装置500の構成について説明する。なお、演出制御装置550については、図10にて説明する。
遊技制御装置500は、遊技用マイコン501、入力I/F(Interface)505、出力I/F(Interface)506、及び外部通信端子507を備える。
遊技用マイコン501は、CPU502、ROM(Read Only Memory)503及びRAM(Random Access Memory)504を備える。
CPU502は、遊技を統括的に制御する主制御装置であって、遊技制御を司る。ROM503は、遊技制御のための不変の情報(プログラム、データ等)を記憶している。RAM504は、遊技制御時にワークエリアとして利用される。
外部通信端子507は、遊技制御装置500の設定情報等を検査する検査装置等の外部機器に遊技制御装置500を接続する。
CPU502は、入力I/F505を介して各種入力装置(始動口SW36d、一般入賞口SW44a〜44n、ゲートSW34a、カウントSW42d、ガラス枠開放SW18a、前面枠開放SW3a、球切れSW54、振動センサ55、及び磁気センサ56)からの検出信号を受けて、大当り抽選等、種々の処理を行う。
始動口SW36dは、始動口36に遊技球が入賞したことを検出するスイッチである。一般入賞口SW44a〜44nは、一般入賞口44に遊技球が入賞したことを検出するスイッチである。
ゲートSW34aは、普図始動ゲート34を遊技球が通過したことを検出するスイッチである。カウントSW42dは、大入賞口42に遊技球が入賞したことを検出するスイッチである。
ガラス枠開放SW18aは、ガラス枠18が開放されたことを検出するスイッチである。前面枠開放SW3aは、前面枠3が開放されたことを検出するスイッチである。
球切れSW54は、遊技機1の内部に貯留され、払い出しに用いられる遊技球の数が所定数以下になったことを検出するスイッチである。
振動センサ55は、遊技機1に与えられた振動を検出するセンサであり、遊技機1を振動させるなどの不正行為を検出する。磁気センサ56は、始動口36の第2始動入賞口、一般入賞口44、大入賞口42、及び普図始動ゲート34付近に設けられ、磁力を検出するセンサである。磁気センサ56は、各入賞口付近に磁石を近づけて、遊技領域10aに発射された遊技球を各入賞口に導く不正を検出する。
また、CPU502は、出力I/F506を介して、普図・特図表示器35、普電SOL36b、大入賞口SOL42b、払出制御装置580、及び演出制御装置550に指令信号を送信して、遊技を統括的に制御する。
普図・特図表示器35には、前述のように、特図変動表示ゲーム及び普図変動表示ゲームが実行される。さらに、特図変動表示ゲームの未処理回数(特図始動記憶数)及び普図変動表示ゲームの未処理回数(普図始動記憶数)が表示される。普図変動表示ゲームが当りとなるか否かを示す乱数を含む普図始動記憶、及び特図変動表示ゲームが当りとなるか否かを示す乱数を含む特図始動記憶が記憶されている。
普電SOL36bは、普図変動表示ゲームの停止表示が特別の結果態様となった場合に、開閉部材36aを開放することによって、始動口36に遊技球が入賞しやすい状態にする。
大入賞口SOL42bは、特図変動表示ゲームの結果が特別の結果態様となって、特別遊技状態(大当たり状態)となった場合に、大入賞口42の開閉扉42aを開放して、遊技球が入賞しやすい状態に変換する。
遊技制御装置500は、外部情報端子508から図示しない情報収集端末装置を介して、遊技機データを図示しない遊技場管理装置に出力する。遊技場管理装置は、遊技場に設置された遊技機1の遊技データを収集管理する計算機である。
払出制御装置580は、遊技球が一般入賞口44又は大入賞口42に入賞した場合に、入賞した入賞口に対応する数の遊技球の払出指令を遊技制御装置500から受信する。また、球貸ボタン26が操作された場合にも所定数の遊技球の払い出しを行う払出指令を遊技制御装置500から受信する。払出制御装置580は、受信した払出指令に基づいて、図示しない払出モータを制御し、払出指令に指定された数の遊技球を払い出す。
遊技制御装置500は、変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、遊技の状況を示す遊技データとして、出力I/F506を介して、演出制御装置550へ送信する。
図7は、本発明の実施の形態の演出制御装置550の構成を示すブロック図である。
演出制御装置550は、遊技制御装置500から入力される遊技データに基づいて、演出内容を決定し、表示装置53を制御するとともに、遊技盤10及び前面枠3に備えられた各種演出装置を制御する。演出装置には、LEDなどの発光装置やモータ(ステッピングモータ)又はソレノイドなどの可動物が含まれる。
演出制御装置550は、CPU551、制御ROM552、RAM553、画像ROM554、音ROM555、VDP556、音LSI557、入力I/F558b、出力I/F558a、電源投入検出回路559、マスタIC570a、NORゲート回路561及び監視タイマ回路562を備える。さらに、演出制御装置550は、遊技盤10に接続される接続端子90と、前面枠3に接続される接続端子92を備える。
CPU551は、遊技制御装置500からの割込信号(INT)を受信し、この通信割込の処理で入力された指令信号に基づいて、遊技状態を特定し各種演出を制御する。また、CPU551には、マスタIC570aからマスタ割込としての割込信号(INT)が入力されるとともに、VDP556からも画像更新割込(VDP割込)としての割込信号(INT)が入力される。
さらに、CPU551は、監視タイマ回路562からタイマ割込としての割込信号(INT)が入力される。監視タイマ回路562は、複数種類の監視タイマが内蔵されており、CPU551によって設定された監視タイマ値がタイムアップする度に、CPU551に割込信号を出力する。CPU551は、割込信号の入力を受け付けると、実行中の処理を中断し、入力された割込信号に対応する処理を実行する。
制御ROM552には、演出制御のための不変の情報(プログラム、データ等)が格納されている。RAM553は、演出制御時にワークエリアとして利用される。
画像ROM554は、VDP556に接続され、表示装置53に表示される画像データを格納する。VDP556は、表示装置53への画像出力を制御するプロセッサである。
また、VDP556は、表示装置53に表示される画像を更新する周期(33ms周期)と同期する同期信号を発生させる同期信号発生手段を備える。同期信号発生手段は、同期信号を発生させるごとに、発生させた同期信号をCPU551に割込信号として入力する。
音ROM555は、音LSI557に接続され、前面枠3に備えられたスピーカ30から出力される音データを格納する。音LSI557は、スピーカ30からの音声出力を制御する回路である。
入力I/F558bは、フィルタ565a及び565bを介して外部から入力された情報を受け付けるインタフェースである。具体的には、前面枠3に備えられたモータの位置検出センサ131、141、及び遊技盤10に備えられたモータの位置検出センサ171、181(何れも図8参照)によって検出された各モータの回転位置情報などの入力を受け付けたりする。なお、位置検出センサ131は照明駆動第1モータ13aの回転位置を検出し、位置検出センサ141は照明駆動第2モータ14aの回転位置を検出し、位置検出センサ171は役物駆動第1モータ71の回転位置を検出し、位置検出センサ181は役物駆動第2モータ81の回転位置を検出する。
電源投入検出回路559は、演出制御装置550に電源が投入された場合に、マスタIC570aのレジスタをデフォルト状態(すべて0)に初期化するリセット信号を発生させ、NORゲート回路561に出力する。
また、CPU551は、所定の条件が成立した場合に、バス563を介してリセット信号を出力I/F558aに出力する。そして、出力I/F558aは、入力されたリセット信号をNORゲート回路561に出力し、さらに、NORゲート回路561から、マスタIC570aに当該リセット信号を出力する。所定の条件とは、例えば、すべての装飾制御装置610において、エラーフラグが「ON」になった場合などである。
また、出力I/F558aは、第2接続端子92、装飾制御装置620a、620bを介して、遊技盤10や前面枠3に備えられた演出装置(モータ又はソレノイドなどの可動物で駆動する演出装置)へ制御信号を出力する。
なお、電源投入検出回路559からNORゲート回路561に入力されるリセット信号と、CPU551から出力I/F558aを介してNORゲート回路561に入力されるリセット信号は、いずれの場合にもLOWレベルの状態のときにリセットを指令する信号として機能する。そのため、電源投入検出回路559及びCPU551の少なくとも一方からNORゲート回路561にリセット信号が出力されていれば、NORゲート回路561を介してリセット信号がマスタIC570aに入力される。
演出制御装置550は、マスタIC570aと出力I/F558aから発光部材で演出を行う装飾制御装置610と、駆動部材で装飾を行う装飾制御装置620a、620bを制御する。
装飾制御装置610は、中継基板600等にI2CI/Oエクスパンダ等を備えて、電流を流すことによって光が点滅して演出を行う発光部材を制御する。発光部材は、例えば、LEDやサイドランプなどである。
また、演出制御装置550は、VDP556を制御して表示装置53の表示内容を制御し、音LSI557を制御してスピーカ30から遊技状態に応じた音を出力する。
CPU551はマスタIC570aから割込信号INTを受信すると、バス563を介してマスタIC570aに所定の指令を送信する。マスタIC570aは中継基板600を介して遊技盤10の発光部材で構成された装飾装置を制御する装飾制御装置610に制御信号を送信する。
CPU551は、タイマ割込を受け付けると、出力I/F558aから遊技盤10のモータやソレノイド等の駆動部材を含む装飾装置を制御する装飾制御装置620a、620bに制御信号を送信する。装飾制御装置620aは、照明駆動第1モータ13aと照明駆動第2モータ14aを制御し、装飾制御装置620bは、役物駆動第1モータ71と役物駆動第2モータ81及び装飾ピース46を駆動するソレノイド(役物駆動ソレノイド)を制御する。
マスタIC570aは、制御対象となる装飾装置(発光部材)を制御する装飾制御装置610に個別に割り当てられたアドレスを指定して制御内容を出力する。なお、装飾制御装置610の個別アドレスは、正確には、装飾制御装置610に含まれるI2CI/Oエクスパンダ(図示省略)の個別アドレスである。
CPU551は、出力I/F558aを介して、制御対象となる装飾装置(モータまたはソレノイド)を制御する装飾制御装置620a、620bに個別に割り当てられたアドレスを指定して、指定した個別アドレスの装飾制御装置620a、620bに制御内容を送信する。なお、装飾制御装置620a、620bの個別アドレスは、正確には、後述するように、モータ制御ユニットを特定するデバイスアドレスと、各モータ制御ユニット内の制御系統を特定する出力系統である。
なお、演出制御装置550と装飾制御装置620a及び装飾制御装置620bの接続は、演出制御装置550の第2接続端子92と装飾制御装置620aが接続線1601で接続され、第2接続端子92と装飾制御装置620bが接続線1602で接続される。
図8は、本発明の実施の形態の演出制御装置550と装飾制御装置620a、620bの構成を示すブロック図である。
演出制御装置550のCPU551からの指令を受けて各モータ等を駆動する装飾制御装置620a、620bは、各モータ及びソレノイドの駆動信号を生成する第1モータ制御ユニット621と、第2モータ制御ユニット624をそれぞれ備える。第1モータ制御ユニット621及び第2モータ制御ユニット624は、本発明の駆動制御手段として例示するものである。
演出制御装置550の出力I/F558aは、接続線SDA−I、接続線SCL−I、接続線GND、接続線Vcc、接続線Vsnsの5種類の接続線を介して、装飾制御装置620a、620bに接続される。これらの接続線は、図7の接続線1601、1602に含まれる。
接続線SDA−Iは、演出制御装置550と装飾制御装置620a、620bとの間でシリアルデータを通信するための接続線であり、本発明の実施の形態におけるデータ線(データ信号線)として機能する。また、接続線SCL−Iは、演出制御装置550と装飾制御装置620a、620bとの間でクロックを通信するための接続線であり、本発明の実施の形態におけるクロック線(タイミング信号線)として機能する。また、接続線GNDはグランドレベルを、接続線Vccは駆動電力を供給する。また、接続線Vsnsは、位置検出センサ131、141、171、181からの入力信号である。
照明駆動第1モータ13aと照明駆動第2モータ14aを駆動する装飾制御装置620aは、第1モータ制御ユニット621、ドライバ623、監視回路622及び位置検出センサ131、141の信号線Vsnsを有する。
第1モータ制御ユニット621は、出力I/F558aからデータ線SDA−Iとクロック線SCL−Iを受信し、クロック信号に同期してデータ線SDA−Iからシリアルデータを取得し、4系統の出力部1−A〜1−Dにシリアルデータに応じたパルスを出力する。本実施形態では、第1モータ制御ユニット621の出力端子(信号端子)OUTA−0〜OUTA−3が照明駆動第1モータ13aを駆動する出力部1−Aを構成し、出力端子OUTB−0〜OUTB−3が照明駆動第2モータ14aを駆動する出力部1−Bを構成し、出力端子OUTC0〜OUTC−3が出力部1−Cを構成し、出力端子OUTD0〜OUTD−3が出力部1−Dを構成する例を示す。なお、出力部1−C、1−Dは未接続を示す。
出力部1−A、1−Bはドライバ623を介して照明駆動第1モータ13a、照明駆動第2モータ14aを駆動する。
装飾制御装置620aに接続されたクロック線SCL−Iには、クロックに異常が発生したとき(クロックの変化が所定の条件を満たしたとき)に第1モータ制御ユニット621をリセットする監視回路622が接続される。監視回路622の出力は第1モータ制御ユニット621のリセット端子RSTに接続される。監視回路622は、後述するように、クロック線SCL−Iのクロックの変化が所定の条件を満たしたときに、クロック線SCL−Iまたは接続線1601に異常が発生したと判定し、第1モータ制御ユニット621にリセット信号を送出し、リセットされた第1モータ制御ユニット621からの全ての出力端子(OUTA−0〜OUTA−3、OUTB−0〜OUTB−3、OUTC−0〜OUTC−3、OUTD−0〜OUTD−3の全て)の信号がオフになって、照明駆動第1モータ13aと照明駆動第2モータ14aを非常停止させる。
照明駆動第1モータ13aと照明駆動第2モータ14aの回転位置(または回転角)を検出する位置検出センサ131、141の出力は、信号線Vsnsを介して演出制御装置550の入力フィルタ565aに入力される。
本実施形態の演出制御装置550は、所定の周期(タイマ割込毎)でシリアルデータ及びクロック(タイミング信号)をデータ線SDA−Iとクロック線SCL−Iを介して出力する。監視回路622は所定の周期(例えば、2msec)を超えてクロック線SCL−Iのクロック信号のレベルに変化が生じなかった場合に、接続線1601に異常が生じたと判定し、第1モータ制御ユニット621にリセット信号を送信し、照明駆動第1モータ13a及び照明駆動第2モータ14aを非常停止させる。
次に、役物駆動第1モータ71と役物駆動第2モータ81を駆動する装飾制御装置620bは、第2モータ制御ユニット624、ドライバ626、627、監視回路625、電源遮断回路628及び位置検出センサ171、181の信号線Vsnsを有する。
第2モータ制御ユニット624は、出力I/F558aからデータ線SDA−Iとクロック線SCL−Iを受信し、クロック信号に同期してデータ線SDA−Iからシリアルデータを取得し、4系統の出力部2−A〜2−Dにシリアルデータに応じたパルスを出力する。本実施形態では、第2モータ制御ユニット624の出力端子OUTA−0〜OUTA−3が役物駆動第1モータ71を駆動する出力部2−Aを構成し、出力端子OUTB−0〜OUTB−3が役物駆動第2モータ81を駆動する出力部2−Bを構成し、出力端子OUTC0〜OUTC−3がソレノイドを駆動する出力部2−Cを構成し、出力端子OUTD0〜OUTD−3が出力部2−Dを構成する例を示す。なお、出力部2−Cのうち出力端子OUTC−1〜OUTC−3がソレノイドに接続され、出力端子OUTC−0は未接続を示す。また、出力部2−Dも未接続を示す。
出力部2−A、2−Bはドライバ626を介して役物駆動第1モータ71と役物駆動第2モータ81をそれぞれ駆動する。出力部2−Cはドライバ627を介してソレノイドを駆動する。なお、ドライバ627はソース型のオープンコレクタ回路で構成される。
装飾制御装置620bに接続されたクロック線SCL−Iには、クロック線SCL−Iに異常(断線など)が発生した場合にドライバ626、627への給電を停止するための監視回路625が接続される。監視回路622の出力は電源遮断回路628に接続される。電源遮断回路628は、演出制御装置550からの駆動電力Vccをドライバ626及びドライバ627へ供給し、監視回路625から所定の信号を受信したときには、ドライバ626及びドライバ627への駆動電力Vccを遮断する。
監視回路622は、後述するように、クロック線SCL−Iのクロックの変化が所定の条件を満たして異常の発生を検出すると、電源遮断回路628に所定の信号を送出し、ドライバ626、627への給電を遮断することで役物駆動第1モータ71と役物駆動第2モータ81及びソレノイドを停止させる。
また、装飾制御装置620bは、役物駆動第1モータ71と役物駆動第2モータ81の回転位置(または回転角)を検出する位置検出センサ171、181の出力を、信号線Vsnsを介して演出制御装置550の入力フィルタ565bに入力する。
上述したように本実施形態の演出制御装置550は、所定の周期でシリアルデータとクロックをデータ線SDA−Iとクロック線SCL−Iを介して出力する。監視回路625は所定の周期(例えば、2msec)を超えてクロック線SCL−Iの信号レベルに変化が生じなかった場合に、電源遮断回路628に所定の信号(遮断信号)を送信し、ドライバ626、627への電力の供給を停止させることで、役物駆動第1モータ71と役物駆動第2モータ81及びソレノイドを停止させる。
なお、監視回路625からの信号によって第2モータ制御ユニット624をリセットする構成であっても、役物駆動第1モータ71と役物駆動第2モータ81及びソレノイドを停止させることが可能である。或いは、電源遮断回路の構成を装飾制御装置620aに備えて、監視回路622からの信号によって、ドライバ623への電源供給を遮断するような構成も可能である。従って、装飾制御装置620aと装飾制御装置620bに設けられる非常停止手段の構成は、図8に示す何れか一方の構成に限定されることはない。
図9は、本発明の第1の実施の形態の第1モータ制御ユニット621及び第2モータ制御ユニット624の構成を示すブロック図である。第1モータ制御ユニット621と第2モータ制御ユニット624は同一の構成であるので、以下では第1モータ制御ユニット621の構成のみを説明し、第2モータ制御ユニット624の説明は省略する。
第1モータ制御ユニット621は、クロック線SCL−Iのクロックの変化に同期して、データ線SDA−Iからシリアルデータを受信し、シリアルデータに含まれる指令から制御対象の出力部1−A〜1〜Dを選択して所定のパルスを出力する。
第1モータ制御ユニット621は、リセット回路631、分周回路632、受信回路635、動作制御回路636、レジスタ638、パルス制御回路633、パルス出力データ保持部634、入力回路639、送信回路637を主体に構成される。
リセット回路631は、監視回路622等の外部からのリセット信号を受信すると第1モータ制御ユニット621を初期化する。このとき、前述のように全ての出力部1−A〜1−Dの出力端子がオフになる。
分周回路632は、外部からクロック信号を受信して所定の比率で分周し、パルス制御回路633に出力する。
パルス制御回路633は、出力部1−A〜1−D毎に制御モードを設定し、レジスタ638に設定された値と分周回路632からのクロック信号に基づいて、各出力部1−A〜1−Dへパルスを出力する。パルス制御回路633の出力はパルス出力データ保持部(ラッチ回路)634へ入力され、パルス出力データ保持部634から出力部1−A〜1−D毎の出力端子OUTA−0〜OUTD3に所定のパルスがそれぞれ出力される。
4系統の出力部1−A〜1−D毎の制御モードは、設定端子SETA0〜SETD1に与えるHigh(H)またはLow(L)の信号レベルにより、図10で示す4つの制御モードの何れかに設定される。図10は、出力部1−A〜1−D毎に設定可能な制御モードを示すグラフで、信号レベルと時間の関係を示す。
出力部1−Aの制御モードは、設定端子SETA0、SETA1の信号レベルで決定される。例えば、SETA0=L、SETA1=Lの場合、出力部1−Aの制御モードは図10に示す2相励磁(4出力)のモータ制御モードとなる。
SETA0=L、SETA1=Hの場合、出力部1−Aの制御モードは図10に示す2相励磁(2出力)のモータ制御モードとなる。
SETA0=H、SETA1=Lの場合、出力部1−Aの制御モードは図10に示す1−2相励磁(4出力)のモータ制御モードとなる。
SETA0=H、SETA1=Hの場合、出力部1−Aの制御モードは図10に示すポート制御出力のポート制御モードとなる。このポート制御モードでは、L出力、H出力、デューティ比66.7%、デューティ比33.3%の何れかを選択することができる。ポート制御モードは、各出力端子OUTA−0〜OUTA−3のそれぞれでソレノイドなどを制御するのに好適である。
他の、出力部1−B〜1−Dについても同様であり、設定端子SETx0、SETx1の信号レベルに応じて4つの制御モードを任意に選択することができる。
なお、設定端子SETA0〜SETD1は、装飾制御装置620aの基板上で接地またはプルアップすることで所望の信号レベルを設定することができる。
次に、受信回路635はクロック線SCL−Iのクロックを受信し、クロック信号に同期してデータ線SDA−Iからシリアルデータを取得し、シリアルデータからデバイス選択データ、制御データ及び動作データを抽出し、制御データと動作データをレジスタ638に出力し、デバイス選択データを動作制御回路636に出力する。デバイス選択データはデバイスIDとデバイスアドレスからなる。
動作制御回路696は、4ビットの設定端子ADR0〜ADR3を備え、予め設定された各設定端子の信号レベルによって当該第1モータ制御ユニット621のデバイスアドレスを設定する。データ線SDA−I及びクロック線SCL−Iには複数のデバイス(モータ制御ユニット)が接続可能であるので、動作制御回路696は、受信回路635から受信したデバイスアドレスと設定端子ADR0〜ADR3の値が一致したときには、レジスタ638にデバイスセレクト信号を出力する。レジスタ638は、デバイスセレクト信号が入力されると、受信回路635からの制御コマンドと制御データは当該デバイス宛であると判定して、制御コマンドと制御データに応じた所定のパルスを出力するようにパルス制御回路633に指令する。
入力回路639は外部からの入力(8ビット)を受け付けてレジスタ638にセットする。送信回路637はレジスタ638の内容を外部に送信することができる。本実施形態では、入力回路639と送信回路637は未使用である。なお、位置検出センサ131、141の値を入力回路639へ入力し、送信回路637から演出制御装置550へ送信するようにしてもよい。
図11は、第1モータ制御ユニット621及び第2モータ制御ユニット624に送信するシリアルデータ(SDA−I)とクロック(SCL−I)のデータフォーマットを示す説明図である。図12は、シリアルデータのデータフォーマットをより詳細に示す説明図である。
図11で示すように、演出制御装置550のCPU551は、クロック(SCL−I)に同期したシリアルデータ(SDA−I)として40ビットのデータを送信する。なお、第1モータ制御ユニット621(第2モータ制御ユニット624)は、クロック(SCL−I)の立ち上がりのタイミングで、シリアルデータ(SDA−I)を1ビット毎読み込むようになっている。
図11において、シリアルデータの1ビット〜9ビットは、スタートを示す「1」が設定される。シリアルデータの11ビットから18ビットにデバイス選択データが設定される。デバイス選択データは、デバイスIDとデバイスアドレスから構成される。デバイス選択データの11ビットから14ビットはチップの種類を示すデバイスIDが設定される。モータ制御ユニットのデバイスIDは図12(A)のように「1000」に予め設定される。シリアルデータの15ビット〜18ビットは第1モータ制御ユニット621または第2モータ制御ユニット624を特定するためのデバイスアドレスが設定される。デバイスアドレスは、図12(A)で示すように第1モータ制御ユニット621、第2モータ制御ユニット624のADR0〜ADR3に対応する値が格納される。本実施形態では、第1モータ制御ユニット621のADR3〜ADR0を図13で示すように「1001」とし、第2モータ制御ユニット624のADR3〜ADR0を「1010」とする例を示す。
シリアルデータの20ビット〜27ビットは、制御データを示し、20ビット〜23ビットが制御内容を示す制御指定であり、24ビット〜27ビットが出力部1−A〜1−Dを特定する系統指定を示す。制御指定は、第1モータ制御ユニット621または第2モータ制御ユニット624の出力部1−A〜1−D毎に設定された制御モードに応じて内容が異なり、制御モードがモータ制御モード(図10のI〜III)の場合には、図12(B)で示すように、ステッピングモータの励磁の有無や回転方向に応じた値が格納される。一方、制御モードがポート制御モード(図10のIV)の場合には、図12(C)で示すように、ポートに出力する値が設定される。また、系統指定は、シリアルデータの制御対象が出力部1−A〜1−Dの何れであるかを図12(D)のように24ビット〜27ビットの4ビットで指定する。
シリアルデータの29ビット〜36ビットは、動作データを示し、出力部1−A〜1−Dの制御モードがモータ制御モードの場合は、図12(E)のように256段階の回転速度が設定される。
また、出力部1−A〜1−Dの制御モードがポート制御モードの場合には、図12(D)の系統指定によって指定される系統がOUTAであれば、出力端子OUTA−0〜OUTA−3毎に2ビット単位で、L出力、H出力、デューティ比66.7%、33.3%の何れかを選択することができる。
具体的には、シリアルデータの29ビットと30ビットの組合せで、出力端子OUTA−3の出力態様が決定されることになっており、当該ビットの組合せが「00」であればL出力(常時オフとる出力)となり、当該ビットの組合せが「11」であればH出力(常時オンとなる出力)となる。さらに、当該ビットの組合せが「10」であればデューティ比66.7%の出力(H出力とL出力の長さの比が2対1となるパルス出力)となり、当該ビットの組合せが「01」であればデューティ比33.3%の出力(H出力とL出力の長さの比が1対2となるパルス出力)となる。
同様に、シリアルデータの31ビットと32ビットの組合せで出力端子OUTA−2の出力態様が決定され、シリアルデータの33ビットと34ビットの組合せで出力端子OUTA−1の出力態様が決定され、シリアルデータの35ビットと36ビットの組合せで出力端子OUTA−0の出力態様が決定される。
なお、図12(D)の系統指定によって指定される系統がOUTBであれば、制御の対象となる出力端子が、OUTA−0〜OUTA−3の代わりに、OUTB−0〜OUTB−3に置き換わる。同様に、図12(D)の系統指定によって指定される系統がOUTCであれば、制御の対象となる出力端子が、OUTA−0〜OUTA−3の代わりに、OUTC−0〜OUTC−3に置き換わり、図12(D)の系統指定によって指定される系統がOUTDであれば、制御の対象となる出力端子が、OUTA−0〜OUTA−3の代わりに、OUTD−0〜OUTD−3に置き換わる。
シリアルデータの37ビット〜40ビットは、シリアルデータの終端を示す。なお、第1モータ制御ユニット621または第2モータ制御ユニット624のレジスタ638の内容を読み出す場合には、図11の下部のように28ビット〜39ビットに読み出しデータを設定することができる。
図13は、演出制御装置550のCPU551が生成するシリアルデータの送信用バッファと、シリアルデータを送信するタイミングを制御するために必要なデータ(動作番号、演出開始フラグ)の説明図である。これらのデータは、演出制御装置550のRAM553に記憶される。
演出制御装置550は、駆動源(ステッピングモータ)の状態を示す動作番号と演出開始フラグの内容に応じて、装飾制御装置620aの出力部1−A〜1−Dと、装飾制御装置620bの出力部2−A〜2Dに対するシリアルデータを後述するように生成する。
演出制御装置550が管理する駆動源の状態を示す動作番号は、「0」が初期位置検出中(初期化中)、「1」が演出開始待ち、「2」が演出実行中、「3」が非常停止及び復帰中、「4」が復帰待機中を示す。また、後述するように、演出制御装置550は、演出開始時に演出を実行する出力部1−A〜2−D毎の演出開始フラグを「ON」に設定し、演出終了時に演出開始フラグを「OFF」に設定する。また、動作番号が「4」の場合には、駆動源が初期化中に非常停止した状態であり、従業員などの手作業により第1モータ制御ユニット621または第2モータ制御ユニット624をリセットする必要がある。
演出制御装置550は、装飾制御装置620aの出力部1−A、1−Bに対しては、モータ制御モードであるので、照明駆動第1モータ13a及び照明駆動第2モータ14aに対する回転または停止の指令と速度の指定を行ってシリアルデータを生成し、送信用バッファに格納する。一方、装飾制御装置620aの出力部1−C、1−Dには装飾装置が接続されていないので、動作データなどは0を設定して、送信用バッファに格納する。
同様に、演出制御装置550は、装飾制御装置620bの出力部2−A、2−Bに対しては、モータ制御モードであるので、役物駆動第1モータ71及び役物駆動第2モータ81に対する回転または停止の指令と速度の指定を行ってシリアルデータを生成し、送信用バッファに格納する。装飾制御装置620bの出力部2−Cはポート制御モードであるので、ソレノイドが接続された出力端子OUTC−1〜OUTC−3に対する動作データを設定して、送信用バッファに格納する。一方、装飾制御装置620bの出力部2−Dには装飾装置が接続されていないので、動作データなどは0を設定して、送信用バッファに格納する。
図14は、演出制御装置550のCPU551による出力処理の手順を示すフローチャートである。演出制御装置550の出力処理は、VDP割込(約33.3ms周期)に同期して実行される。
演出制御装置550は、演出制御装置550に電源が投入されると、まずステップS1、S2の処理を実行し、ステップS3の処理でVDP556から画像更新周期と同期する同期信号(例えば、33.3ms秒周期の同期信号)が割込信号としてCPU551に入力されるまで待機する。そして、以降、VDP556から画像更新周期と同期する同期信号が割込信号としてCPU551に入力される毎に、ステップS3〜S12の処理を繰り返し実行する。
まず、演出制御装置550は、演出制御装置550のRAM553の初期化などを含む初期化処理を実行する(ステップS1)。演出制御装置550は、出力I/F558aとNORゲート回路561を介してリセットパルスをマスタIC570aに入力し、マスタIC570aを初期化する。
初期化が完了すると、演出制御装置550は、VDP556から画像更新周期と同期する同期信号(VDP割込)の受け入れ、及びタイマ割り込みの受け入れを許可する(S2)。CPU551は監視タイマ回路562にタイマ割込の周期(例えば、2msec)を設定する。なお、タイマ割り込みによる処理は図15で後述する。
そして、演出制御装置550は、表示装置53に画像を表示するために、VDP556に画像を表示させる指令となるデータを出力する(ステップS3)。なお、VDP556を受信した場合には、ステップS3から処理を開始する。
次に、演出制御装置550は、マスタIC570aから発光部材を備えた装飾制御装置610に演出制御データを出力する(ステップS4)。ここで制御される装飾制御装置610は、主としてLEDなどの発光部材を制御するものである。
演出制御装置550は、スピーカ30から音を遊技状態に応じて出力させるために、音制御データを音LSI557に出力する。音LSI557は、入力された音制御データに基づいてスピーカ30から音を出力させる(ステップS5)。
演出制御装置550は、VDP556に次回の制御時に出力されるデータを編集し(ステップS6)、さらに、音LSI557に出力される音制御データを編集する(ステップS7)。
演出制御装置550は、次回の制御時に発光部材を制御する装飾制御装置610に送信するための演出制御データを編集する(ステップS8)。
演出制御装置550は、演出開始のタイミングであるか否かを判定し(ステップS9)、演出開始のタイミングであればステップS10に進み、そうでない場合にはVDP556からの割込待ちに移行する。ステップS9の判定は、遊技制御装置500からの通信割込の際に遊技の状態を取得しておき、取得した遊技状態が所定の遊技状態(例えば、特別遊技状態の開始や特図変動表示ゲームの開始)であるときに演出開始のタイミングと判定する。
ステップS10では、演出制御装置550は遊技状態に応じて照明駆動第1モータ13a、照明駆動第2モータ14aを制御する装飾制御装置620aと、役物駆動第1モータ71、役物駆動第2モータ81及びソレノイドを制御する装飾制御装置620bのうち、演出開始の対象となる出力部1−A〜2−Dを選択する。
ステップS11では、演出制御装置550が上記ステップS10で選択した出力部1−A〜2−Dについて演出開始フラグを「ON」にセットする。そして、演出制御装置550はVDP556からの割込待ちに移行する。なお、演出開始フラグを「ON」に設定された出力部1−A〜2−Dに対しては後述のタイマ割り込み処理により演出制御装置550から装飾制御装置620a、6220bへシリアルデータが送信される。
上記処理により、遊技機が起動すると演出制御装置550はVDP割込、タイマ割込及び通信割込を受け付ける。演出制御装置550は、遊技制御装置500からの通信割込により遊技状態を取得する。そして、演出制御装置550は、VDP割込により表示装置53への画像の出力と、発光部材を備えた装飾制御装置610の演出制御と、音LSI557からの遊技状態に音の出力を指令する。そして、演出制御装置550は遊技状態が所定の演出開始のタイミングであれば、遊技状態に応じた出力部1−A〜2−Dを選択して演出開始フラグをセットする。
図15は、演出制御装置550で行われるタイマ割込処理の一例を示すフローチャートである。
演出制御装置550は、ステップS21で照明駆動第1モータ13a及び照明駆動第2モータ14aの位置を検出する位置検出センサ131、141と、役物駆動第1モータ71及び役物駆動第2モータ81の位置を検出する位置検出センサ171、181の値を入力I/F558bからそれぞれ読み込む。
ステップS22〜S29では、前回のタイマ割込処理時に編集した出力部1−A〜2−DへのシリアルデータをRAM553の送信用バッファ(図13)から読み込んで、出力I/F558aからそれぞれデータ線SDA−Iに出力し、クロック線SCL−Iに所定のクロック信号を出力する。これにより、第1モータ制御ユニット621または第2モータ制御ユニット624の出力部1−A〜2−Dに遊技状態に応じたパルスが出力される。
ステップS30〜S37では、次回のタイマ割込時に出力する各出力部1−A〜2−Dへのシリアルデータを遊技状態に応じてそれぞれ編集し、RAM553の送信用バッファに格納する。すなわち、ステップS30では後述するように、照明駆動第1モータ13aを駆動する出力部1−Aへのシリアルデータを編集してRAM553の送信用バッファに格納する。ステップS31では上記ステップS30と同様に、照明駆動第2モータ14aを駆動する出力部1−Bへのシリアルデータを編集してRAM553の送信用バッファに格納する。ステップS34では上記ステップS30と同様に、役物駆動第1モータ71を駆動する出力部2−Aへのシリアルデータを編集してRAM553の送信用バッファに格納する。ステップS35では上記ステップS30と同様に、役物駆動第2モータ81を駆動する出力部2−Bへのシリアルデータを編集してRAM553の送信用バッファに格納する。ステップS36では上記ステップS30と同様に、ソレノイドを駆動する出力部2−Cへのシリアルデータを編集してRAM553の送信用バッファに格納する。
なお、ステップS32、S33、S37の出力部1−C、1−D、2−Dには駆動源が接続されていないので、図13で示したように動作データを0として設定し、RAM553の送信用バッファに格納する。
図16は、図15のステップS30で行われる出力部1−Aのシリアルデータの編集処理の詳細を示すフローチャートである。なお、ステップS31〜S37の処理のうちステッピングモータを使用する駆動源の処理に相当するものは、出力部1−Aに関する部分を他の出力部(出力部1−B、2−A、2−B等)に置換し、照明駆動第1モータ13aに関する部分を他の駆動源(照明駆動第2モータ14a、役物駆動第1モータ71、役物駆動第2モータ72等)に置換し、位置検出センサ131に関する部分を他のセンサ(位置検出センサ141、171、181等)に置換することになるが、同様の処理を行うものとする。
演出制御装置550のCPU551は、ステップS41で駆動源の動作状態を示す動作番号が「0〜4」の何れであるかを判定し、動作番号に応じた分岐を行う。動作番号が「0」であればステップS42に進み、動作番号が「1」であればステップS46に進み、動作番号が「2」であればステップS50に進み、動作番号が「3」であればステップS56に進み、動作番号が「4」であればステップS59に進む。なお、動作番号の初期値は「0」である。
動作番号が「0」の初期位置の検出中では、ステップS42で出力部1−Aが駆動する照明駆動第1モータ13aの駆動位置にエラーが発生したか否かを判定する。エラーの発生の判定は、図15のステップS21で読み込んだ照明駆動第1モータ13aの位置検出センサ131の検出値が前回値に対して変化していなければ、エラーの発生と判定する。この処理において、位置検出センサ131の検出値に変化がない場合は、断線や監視回路622が動作して照明駆動第1モータ13aが停止した場合が推定できるため、照明駆動第1モータ13aにエラーが発生したと判定する。
なお、動作番号が「0」となって照明駆動第1モータ13aの回転位置の検出を開始し、所定時間経過しても位置検出センサ131によって初期位置が検出できない場合に、エラーと判定しても良い。
エラーの発生を判定した場合にはステップS60へ進み、エラーがない場合にはステップS43へ進む。
次に、ステップS43では、図15のステップS21で読み込んだ照明駆動第1モータ13aの位置検出センサ131の検出値が所定の初期位置に到達したか否かを判定する。照明駆動第1モータ13aの位置が所定の初期位置に到達していれば、ステップS47へ進んで動作番号を「1」に変更し、到達していなければステップS44に進む。
ステップS44では、出力部1−Aの動作番号を「0」に設定し、初期化中であることを設定する。なお、前回も動作番号が「0」の場合には初期化中を維持することになる。
ステップS45では、照明駆動第1モータ13aを所定の初期位置へ向けて駆動する駆動情報(シリアルデータ)を予め制御ROM552に格納しておき、当該駆動情報を選択してステップS49へ進む。
ステップS49では、CPU551が上記選択した照明駆動第1モータ13aの駆動情報をRAM553の出力部1−Aの編集領域に格納する。RAM553の所定の編集領域に格納された駆動情報は、次回のタイマ割込時に図15のステップS22でデータ線SDA−Iに出力され、第1モータ制御ユニット621によって処理される。ステップS49が完了すると、図15の処理へ復帰する。
次に、動作番号が「1」の演出開始待ちでは、現在照明駆動第1モータ13aは停止中であるので、ステップS46で出力部1−Aの演出開始フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する。当該出力部1−Aの演出開始フラグが「ON」の場合には、ステップS52へ進んで演出開始フラグを「OFF」にリセットする。なお、ステップS52では、演出開始からの経過時間のカウントを開始する。一方、演出開始フラグが「OFF」の場合には、ステップS47に進む。
ステップS47では、出力部1−Aの動作番号を「1」に設定し、演出開始待ちであることを設定する。なお、前回も動作番号が「1」の場合には演出開始待ちを維持することになる。
次に、ステップS48では、照明駆動第1モータ13aを停止する駆動情報(シリアルデータ)を予め制御ROM552に格納しておき、当該駆動情報を選択する。この後、上記ステップS49に進んで、CPU551が上記選択した照明駆動第1モータ13aの駆動情報をRAM553の出力部1−Aの編集領域に格納してから図15の処理に復帰する。
動作番号が「2」の演出実行中では、ステップS50で出力部1−Aが駆動する照明駆動第1モータ13aの駆動位置にエラーが発生したか否かを判定する。ここでは、位置検出センサ131からの検出信号に基づいて、照明駆動第1モータ13aの回転位置が、実行中の演出動作に整合しているか否かを判定する。
具体的には、まず、実行中の演出動作と位置検出センサ131からの検出信号との時系列的な関係を定量化した比較情報を、予め演出制御装置550の所定の記憶領域に記憶しておく。そして、演出実行中において、演出開始からの経過時間を参照しながら、位置検出センサ131からの検出信号と比較情報とを照合して、不一致があった場合にエラーの発生と判定する。エラーの発生を判定した場合には、ステップS57へ進み、エラーがない場合にはステップS51へ進む。
次に、ステップS51では、現在実行中の演出を終了するタイミングであるか否かを判定する。演出の終了タイミングは、出力部1−Aの演出開始からの経過時間が予め設定した時間を経過した時点で演出の終了を判定することができる。なお、演出開始からの経過時間の閾値は、出力部1−A〜1−D毎にそれぞれ設定されたものである。演出の終了タイミングと判定された場合には、ステップS47へ進んで動作番号を「1」に変更して演出開始待ちに移行する。一方、演出の終了タイミングに到達していない場合は、ステップS53に進む。
ステップS53では、出力部1−Aの動作番号を「2」に設定し、演出実行中であることを示す。なお、前回も動作番号が「2」の場合には演出実行を継続することになる。
ステップS54では、照明駆動第1モータ13aを所定の演出位置へ向けて駆動する駆動情報(シリアルデータ)を予め制御ROM552に格納しておき、当該駆動情報を選択する。この後、上記ステップS49に進んで、CPU551が上記選択した照明駆動第1モータ13aの駆動情報をRAM553の出力部1−Aの編集領域に格納してから図15の処理に復帰する。
次に、動作番号が「3」の非常停止中では、現在の照明駆動第1モータ13aはエラーの発生などにより非常停止中であるので、ステップS56では、出力部1−Aの動作番号が「3」に変更されてからの経過時間が所定の停止時間(停止した状態で待機するための時間)を経過したか否かを判定する。所定の停止時間が経過していれば、ステップS44に進んで動作番号を「0」に変更して照明駆動第1モータ13aの初期化を行う。一方、所定の停止時間が経過していなければ、ステップS57に進んで動作番号を「3」に設定して非常停止中を示す。なお、前回も動作番号が「3」の場合には非常停止中を継続することになる。
次に、ステップS58では、照明駆動第1モータ13aを停止する駆動情報(シリアルデータ)を予め制御ROM552に格納しておき、当該駆動情報を選択する。この後、上記ステップS49に進んで、CPU551が上記選択した照明駆動第1モータ13aの駆動情報をRAM553の出力部1−Aの編集領域に格納してから図15の処理に復帰する。
次に、動作番号が「4」の復帰待機中では、照明駆動第1モータ13aが初期化中にエラーを発生した場合であり、従業員などの手作業による復旧を必要とする状態である。まず、ステップS59では、照明駆動第1モータ13aの位置検出センサ131の検出値が、前回値に対して変化したか否かを判定する。
位置検出センサ131の検出値が変化した場合は、従業員などが照明駆動第1モータ13aの位置を変更したり、第2接続端子92の脱着により検出値が変動した場合である。この場合は、再度初期化を実行するため、ステップS44に進んで出力部1−Aの動作番号を「0」に変更する。一方、位置検出センサ131の検出値が変化しない場合は、ステップS60に進んで、動作番号を「4」に設定して復帰待機中を示す。なお、前回も動作番号が「4」の場合には復帰待機中を継続することになる。
次に、ステップS61では、照明駆動第1モータ13aを停止する駆動情報(シリアルデータ)を予め制御ROM552に格納しておき、当該駆動情報を選択する。この後、上記ステップS49に進んで、CPU551が上記選択した照明駆動第1モータ13aの駆動情報をRAM553の出力部1−Aの編集領域に格納してから図15の処理に復帰する。
以上の処理により、照明駆動第1モータ13a等のステッピングモータの初期化が完了すると、動作番号が「1」に変更されて演出開始待ちとなる。演出開始待ちで演出開始フラグが「ON」になると動作番号が「2」に変更されて演出実行中に移行し、演出実行の経過時間のカウントが開始される。そして、演出の終了タイミングになると、動作番号は「1」に変更されて演出開始待ちに戻る。
演出実行中にステッピングモータにエラーが発生すると、動作番号が「3」に変更されて非常停止中になり、エラーが発生した時点からの停止時間のカウントが開始される。そして、エラーが発生した時点から所定の停止時間が経過すると、動作番号が「0」に変更されて初期化が行われる。
そして、初期化中にエラーが発生した場合では、動作番号が「4」の復帰待機中に移行し、従業員などの手作業による復旧を待つことになる。
以上のように、演出制御装置550が所定の周期(タイマ割込の周期=2msec)で、装飾制御装置620a、620bに速度を指示する動作データをシリアルデータに含んで送信し、位置検出センサ131、141、171、181で照明駆動第1モータ13a、照明駆動第2モータ14a、役物駆動第1モータ71、役物駆動第2モータ81(以下、ステッピングモータ)を制御する遊技機において、監視回路622、625はタイマ割込の周期が経過してもクロック線SCL−Iの信号レベルに変化がない場合には、異常の発生を検知して、リセット信号の送出や電源遮断回路628の動作によってステッピングモータを停止させることができる。これにより、演出制御装置550と装飾制御装置620a、620bを接続する接続線1601、1602に異常が発生しても、ステッピングモータが駆動され続けるのを防止できる。
そして、演出制御装置550は、監視回路622、625が作動してステッピングモータにエラーが発生した場合には、所定の停止時間を経過した後、再度初期化を試みることができる。また、初期化中にステッピングモータにエラーが発生した場合には、復帰待機中に移行して、従業員などによる復旧を待つことができる。
なお、上記第1の実施形態において、接続線1601、1602がシリアルデータを伝達する場合に本発明の監視回路622、625を適用した例を示したが、接続線1601、1602がパラレルデータを伝達する場合に本発明の監視回路622、625を適用してもよい。
<第2実施形態>
図17は、第2の実施形態を示す装飾制御装置620bのブロック図である。第2実施形態では、前記第1実施形態の装飾制御装置620bの監視回路625の入力を第2モータ制御ユニット624の空いている出力部2−Dの出力端子OUTD0に接続し、監視回路の出力を第2モータ制御ユニット624のリセット端子に接続したもので、電源遮断回路628を備えない構成となっている。その他の構成は前記第1実施形態と同様である。
第2の実施形態では、演出制御装置550のタイマ割込処理で、監視回路625の入力を接続した出力部2−Dの出力端子OUTD0の動作データを毎回反転させることで、所定の周期(2msec)でシリアルデータのレベルを変化させる。
図17において、監視回路625は、所定の周期(2msec)を超えて出力端子OUTD0の信号レベルが変化しないときには異常の発生と判定し、第2モータ制御ユニット624のリセット端子にリセット信号を送信して役物駆動第1モータ71と役物駆動第2モータ81及びソレノイドを非常停止させる。
図18は、第2の実施形態において、演出制御装置550で行われる処理を説明するフローチャートである。図15で示した演出制御装置550のタイマ割込み処理のステップS27の「出力部2−Dの編集処理」にて、当該処理を行うことで実現される。
演出制御装置550のCPU551は、まず、ステップS71で出力部2−Dのシリアルデータを構成する動作データをRAM553の送信用バッファ(図13)から取得する。出力部2−Dの4つの出力端子(OUTD0〜OUTD3)に対応する動作データは、各出力端子毎に、オフ状態を示す「00」か、オン状態を示す「11」の何れかとなっている。
次に、ステップS72では、CPU551が取得した動作データの各ビットを反転させる。そして、ステップS73では各ビットを反転させた動作データを、RAM553の出力部2−Dのシリアルデータの送信用バッファに上書きする。
上記処理により、タイマ割込の周期毎に、図15のステップS19では、毎回動作データの各ビットが反転されて出力部2−Dに指令される。その結果、第2モータ制御ユニット624は、タイマ割込の周期毎に、出力部2−Dの4つの出力端子(OUTD0〜OUTD3)に対応する動作データを、オフ状態を示す「00」とオン状態を示す「11」とに交互に変換することになるので、出力端子OUTD0の信号レベルが、タイマ割込の周期毎にハイレベルとローレベルに反転する。
監視回路625は、所定の周期を超えて出力端子OUTD0の信号レベルが変化しない場合には、接続線1602のデータ線SDA−Iまたはクロック線SCL−Iに異常が発生したと判定し、リセット信号を第2モータ制御ユニット624に送信し、役物駆動第1モータ71と役物駆動第2モータ81及びソレノイドを非常停止させることができる。
このように、第2の実施形態によれば、ステッピングモータを駆動する第2モータ制御ユニット624の空き端子に監視回路625を接続し、所定の周期毎に空き端子からパルスを出力させることで、接続線1602を構成するデータ線SDA−Iの異常を監視して、異常の発生時にはステッピングモータが過大に回転するのを防止することが可能となる。
特に、第2モータ制御ユニット624の空き端子を利用することで、監視を行うための部品が極端に増えることがなく、また、接続線1602の種類が増えることもないので、安価な構成を実現することができる。
<第3実施形態>
図19は、第3の実施形態を示す装飾制御装置620bのブロック図である。第3の実施形態では、前記第2実施形態の装飾制御装置620bの監視回路625の入力を第2モータ制御ユニット624の空いている出力部2−Dの出力端子OUTD0〜OUTD2に接続し、監視回路の出力を前記第1実施形態の電源遮断回路628に接続したものである。その他の構成は前記第1及び第2実施形態と同様である。
第3の実施形態では、演出制御装置550のタイマ割込処理で、監視回路625の入力を接続した出力部2−Dの出力端子OUTD0〜OUTD2の動作データを前記第2実施形態と同様に毎回反転させることで、所定の周期(2msec)でシリアルデータのレベルを変化させる。
図19において、監視回路625は、所定の周期(2msec)を超えて出力端子OUTD0〜OUTD2の3ビットの全てについて信号レベルが変化しないときには異常の発生と判定し、電源遮断回路628に所定の指令を送信してドライバ626,627への電力を遮断して役物駆動第1モータ71と役物駆動第2モータ81及びソレノイドを非常停止させる。
このように、第3の実施形態によれば、ステッピングモータを駆動する第2モータ制御ユニット624の複数の空き端子に監視回路625を接続し、所定の周期毎に空き端子からパルスを出力させることで、接続線1602の異常を監視してステッピングモータが過大に回転するのを防止することが可能となる。
特に、複数の空き端子(出力端子OUTD0〜OUTD2の3ビット)の信号を監視回路625を接続して監視を行っているので、第2モータ制御ユニット624の動作に異常が発生することを想定したり、演出装置を不正に動作させるような部品が取り付けられることを想定した、精度の高い監視を行うことができる。
なお、上記第2の実施形態では、監視回路625の出力を第2モータ制御ユニット624のリセット端子に入力し、第3の実施形態では、監視回路625の出力を電源遮断回路628に接続した例を示したが、これらを組み合わせて監視回路625の出力を電源遮断回路628と第2モータ制御ユニット624のリセット端子に加えて、異常の発生時にはステッピングモータへの電力の遮断と、第2モータ制御ユニット624のリセットを併用してもよい。