以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
<実施形態1>
図1は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1の説明図である。
遊技機1の前面枠(遊技枠)3は、本体枠(外枠)2にヒンジ4を介して、遊技機1の前面に開閉回動可能に組み付けられる。前面枠3の表側には、遊技盤10(図2参照)が収装される。また、前面枠3には、遊技盤10の前面を覆うカバーガラス(透明部材)を備えたガラス枠18が取り付けられている。
ガラス枠18のカバーガラスの周囲には、装飾光が発光される装飾部材9a、9bが備えられている。装飾部材9a、9bの内部にはランプやLED等からなる装飾装置が備えられている。装飾装置を所定の発光態様によって発光させることによって、装飾部材9a、9bが所定の発光態様によって発光する。
ガラス枠18の左右には、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ30が備えられている。また、ガラス枠18の上方には照明ユニット11が備えられている。
照明ユニット11には、第1可動式照明13及び第2可動式照明14が左右に配置されている。第1可動式照明13及び第2可動式照明14には、LEDなどの照明部材の他に、照明駆動第1モータ(MOT)13a及び照明駆動第2モータ(MOT)14aが備えられており、演出内容に応じて動作するように制御される。
照明ユニット11の右下方には、遊技機1において異常が発生したことを報知するため
の異常報知LED29が備えられている。
前面枠3の下部の開閉パネル20には図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿が、固定パネル22には下皿23及び打球発射装置の操作部24等が備えられる。下皿23には、下皿23に貯まった遊技球を排出するための下皿球抜き機構16が備えられる。前面枠3下部右側には、ガラス枠18を施錠するための鍵25が備えられている。
また、遊技者が操作部24を回動操作することによって、打球発射装置は、上皿21から供給される遊技球を発射する。
また、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための演出ボタン17が備えられている。遊技者が演出ボタン17を操作することによって、遊技盤10に設けられた表示装置53(図2参照)における特図変動表示ゲームの演出内容を選択して、表示装置53における特図変動表示ゲームに、遊技者の操作を介入させた演出を行うことができる。
発射された遊技球が遊技盤10に備わる始動口36(図2参照)に入賞した場合に、特図変動表示ゲームが開始する。特図変動表示ゲームでは、表示装置53において複数の識別情報が変動表示する。そして、変動表示していた識別情報が停止し、停止した識別情報の結果態様が特定の結果態様である場合に、遊技機1の状態が遊技者に有利な状態(特典が付与される状態)である特別遊技状態に遷移する。
上皿21の右上部には、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する球貸ボタン26、及び、図示しないカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作される排出ボタン27が設けられている。さらに、これらの球貸ボタン26と排出ボタン27との間には、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部28が設けられる。
図2は、本発明の第1の実施の形態の遊技盤10の正面図である。
図1に示す遊技機1は、内部の遊技領域10a内に遊技球を発射して(弾球して)遊技を行うもので、ガラス枠18のカバーガラスの奥側には、遊技領域10aを構成する遊技盤10が設置されている。
遊技盤10は、各種部材の取付ベースとなる平板状の遊技盤本体10b(木製又は合成樹脂製)を備え、該遊技盤本体10bの前面にガイドレール32で囲まれた遊技領域10aを有している。また、遊技盤本体10bの前面であってガイドレール32の外側には、前面構成部材33が取り付けられている。そして、このガイドレール32で囲まれた遊技領域10a内に発射装置から遊技球(打球;遊技媒体)を発射して遊技を行う。
遊技領域10aの略中央には、特図変動表示ゲームの表示領域となる窓部52を形成するセンターケース51が取り付けられている。センターケース51に形成された窓部52の後方には、複数の識別情報を変動表示する特図変動表示ゲームの演出を実行可能な演出表示装置としての表示装置53が配される。表示装置53は、例えば、液晶ディスプレイを備え、表示内容が変化可能な表示部53aがセンターケース51の窓部52を介して遊技盤10の前面側から視認可能となるように配されている。なお、表示装置53は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、EL、CRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
また、センターケース51の上部には、大当たりの可能性(信頼度)を報知する信頼度報知装置15が備えられる。信頼度報知装置15には、複数色のLED(例えば、赤、青、緑の3色のLED)が備えられており、信頼度に応じた色及び態様で発光するように制御される。
さらに、センターケース51の左部には、遊技球が流下可能な球導入路(ワープ流路)50が設けられ、遊技領域10aに向けて入口50aが開放した状態で開設されている。球導入路50は、センターケース51の内部に連通しており、入口50aから流入した遊技球は、センターケース51の裏側を通過して、ユニット側ステージ部49b上に排出される。さらに、ユニット側ステージ部49b上で転動した遊技球が当該ユニット側ステージ部49bの下方に配置されたベース側ステージ部49a上に流下できるように構成されている。
センターケース51の周縁部には、複数の装飾具47が配置される。センターケース51の左下部には、装飾ランプ48が配置される、センターケース51の上部には、複数の装飾ピース46を上下動可能な状態で配置される。装飾具47、装飾ランプ48及び装飾ピース46は、後述する演出制御装置550からの命令に従って演出動作を行う。センターケース51の構成については、図3を参照しながらさらに詳細に説明する。
また、遊技領域10aのうちセンターケース51の下方には、遊技球を受入可能(入賞可能)な特図変動表示ゲームを始動させるための始動口36が配置される。さらに、センターケース51の側方(左側方)には、普図変動表示ゲームを始動させるための普図始動ゲート34が配置される。
さらに、遊技領域10aには、センターケース51の左下方及び右下方に、発光によって各種装飾表示を行うサイドランプ45が配置される。また、サイドランプ45には、一般入賞口44が備えられている。
さらに、始動口36の下方には大入賞口42が配置され、該大入賞口42の下方であって遊技領域10aの下縁部には、入賞せずに流下した遊技球を回収するアウト口43が開設される。大入賞口42は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉42aを備える。特図変動表示ゲームの結果によって開閉扉42aを閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。
また、センターケース51、始動口36やサイドランプ45等の取付部分を除いた遊技領域10a内には、この他、遊技領域10aには、打球方向変換部材としての風車(図示略)、及び多数の障害釘(図示略)などが配設されている。そして、センターケース51と、該センターケース51を挟んで普図始動ゲート34とは反対側に位置する前面構成部材33との間に縦長な円弧状の遊技球通路57が形成されている。
さらに、遊技盤10には、特図変動表示ゲーム及び普図変動表示ゲームを実行する普図・特図表示器35が備えられている。普図・特図表示器35には、特図変動表示ゲームの未処理回数(特図始動記憶数)及び普図変動表示ゲームの未処理回数(普図始動記憶数)が表示される。普図・特図表示器35は、遊技状態を表す遊技状態表示LED(図示略)と併せて、セグメントLEDとして設けられている。
普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するためのゲートSW34a(図6参照)が設けられている。そして、遊技領域10a内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、普図変動表示ゲームが開始される。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態で、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数が上限数未満であるならば、普図始動記憶数が1加算されて、当該普図変動表示ゲームが当りとなるか否かを示す乱数が普図始動記憶として一つ記憶される。
普図変動表示ゲームが開始できない状態とは、例えば、普図変動表示ゲームが既に行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームに当選して始動口36が開状態に変換されている状態をいう。
なお、普図変動表示ゲームは、表示装置53の表示領域の一部で普図変動表示ゲームを表示するようにしてもよく、この場合は識別図柄として、例えば、数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、この識別図柄を所定時間変動表示させた後、停止表示させることによって行うようにする。
普図変動表示ゲームの停止表示が特別の結果態様となった場合には、普図変動表示ゲームに当選したものとして、始動口36の開閉部材36aが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される。これにより、始動口36に遊技球が入賞しやすくなり、特図変動表示ゲームの始動が容易となる。始動口36の開閉部材36aは、通常時は遊技球の直径程度の間隔をおいて閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)を保持しているが、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合(普図変動表示ゲームに当選した場合)には、ソレノイド(普電SOL36b、図6参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて始動口36に遊技球が流入し易い状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられる。
また、本実施の形態の遊技機1は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づいて、遊技状態として、表示装置53における特図変動表示ゲームの変動表示時間を短縮する時短動作状態(第2動作状態)を発生可能となっている。時短動作状態(第2動作状態)は、通常動作状態(第1動作状態)と比較して始動口36の開閉部材36aが開放状態となりやすい状態である。
時短動作状態においては、普図変動表示ゲームの実行時間が通常動作状態における実行時間よりも短くなるように制御され(例えば、10秒が1秒)、単位時間当りの始動口36の開放回数が実質的に多くなるように制御される。また、時短動作状態においては、普図変動表示ゲームに当選したことによって始動口36が開放される場合に、開放時間が通常動作状態の開放時間よりも長くなるように制御される(例えば、0.3秒が1.8秒)。また、時短動作状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当選結果に対して、始動口36が1回ではなく、複数回(例えば、2回)開放される。さらに、時短動作状態においては普図変動表示ゲームの当選結果となる確率が通常動作状態よりも高くなるように制御される。すなわち、通常動作状態よりも始動口36の開放回数が増加し、始動口36に遊技球が入賞しやすくなり、特図変動表示ゲームの始動が容易となる。
また、始動口36の内部には、始動口36を通過した遊技球を検出するための、始動口SW36d(図6参照)が備えられる。始動口SW36dによって遊技球を検出すると、補助遊技としての特図変動表示ゲームを開始する始動権利が発生する。このとき、特図変動表示ゲームを開始する始動権利は、所定の上限数(例えば、4)の範囲内で特図始動記憶として記憶される。
特図変動表示ゲームを直ちに開始できない状態、例えば、既に特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、始動口36に遊技球が入賞すると、特図始動記憶数が上限数未満(例えば、4個未満)ならば、特図始動記憶数が1加算され、始動口36に遊技球が入賞したタイミングで抽出された乱数が特図始動記憶として一つ記憶される。そして、特図変動表示ゲームが開始可能な状態となると、特図始動記憶に基づき特図変動表示ゲームが開始される。
補助遊技としての特図変動表示ゲームは、遊技盤10に設けられた普図・特図表示器35で実行され、複数の識別情報を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置53にて特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)が変動表示される。そして、特図変動表示ゲームの結果として、普図・特図表示器35の表示態様が特別結果態様となった場合には、大当たりとなって特別遊技状態(いわゆる、大当たり状態)となる。また、これに対応して表示装置53の表示態様も特別結果態様(例えば、「7、7、7」等のゾロ目数字の何れか)となる。なお、普図・特図表示器35ではなく、表示装置53のみで特図変動表示ゲームを実行するように構成してもよい。
また、本実施の形態の遊技機1は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、遊技状態として確変状態(第2確率状態)を発生可能となっている。この確変状態(第2確率状態)は、特図変動表示ゲームでの当り結果となる確率が、通常確率状態(第1確率状態)に比べて高い状態である。なお、確変状態と上述した時短動作状態はそれぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させることも可能である。
図3は、本発明の第1の実施の形態のセンターケース51の分解斜視図である。
センターケース51は、遊技盤本体10b(遊技盤10)の表面側に前面構成部として配置される枠装飾部65と、遊技盤本体10bの裏面側に裏面構成部として配置される枠体基部60とを前後に重合して構成されている。枠装飾部65は、遊技盤本体10bの表面に止着される環状の装飾ベース66を備える。装飾ベース66の裏面側には、装飾ベース66と略同じ大きさで円形状に形成された装飾パネルユニット67を備え、枠装飾部65は、装飾ベース66と装飾パネルユニット67とを前後に重合して構成されている。
装飾ベース66の下部には、上面に遊技球を前後方向及び左右方向に転動可能なベース側ステージ部49aが配置され、該ベース側ステージ部49aと遊技球通路57との間には装飾ランプ48が配置されている(図2参照)。そして、ベース側ステージ部49aを挟んで装飾ランプ48とは反対側には、遊技球が流下可能な球導入路(ワープ流路)50が設けられ、球導入路50の入口50aを装飾ベース66の外方へ向けて開放した状態で開設し、球導入路50の出口50bを後述する装飾パネルユニット67の裏側へ連通している。
装飾パネルユニット67は、略円形状の透明樹脂板で形成されたカバーパネル部69を備え、該カバーパネル部69の前面側の周縁に複数の装飾具47を配置している。装飾ベース66と装飾パネルユニット67とを重合すると、装飾具47が装飾ベース66の内周縁に沿って配置されるように設定されている(図2参照)。また、カバーパネル部69の上部には、信頼度報知装置15が配置されている。
また、カバーパネル部69の裏面側の下部には、上面に遊技球を前後方向及び左右方向に転動可能なユニット側ステージ部49bが配置される。ユニット側ステージ部49bは、装飾ベース66のベース側ステージ部49aよりも上方に配置される。
さらに、カバーパネル部69のうち球導入路50の出口50bに重合する箇所には球流入口68を開設し、該球流入口68を介して球導入路50とユニット側ステージ部49bとを連通している。したがって、遊技領域10aを流下する遊技球が球導入路50に流入すると、球導入路50がこの遊技球をユニット側ステージ部49b上に導入できるように構成されている。
枠体基部60は、遊技盤10の裏面側に止着される額縁状の基部ケース61を前側が開放した状態で備え、該基部ケース61の内側(言い換えるとセンターケース51の内部)に、開口部62aが前面側に設けられた凹室62を形成している。
また、基部ケース61のうち凹室62の後方には矩形状の窓部52を前後方向へ貫通して開設し、基部ケース61の後方から表示装置53を装着して、表示装置53の表示部53aを窓部52及び凹室62を通してセンターケース51の前方へ臨ませている。
さらに、窓部52の上縁部の前側には、役物駆動ソレノイド(図示せず)によって上下動可能な複数の装飾ピース46が配置され、窓部52の左右両側の周縁には、表示部53aの前方へ移動して演出動作を行う可動演出装置58が備えられる。
そして、枠体基部60の前方に枠装飾部65を重合すると、凹室62の開口部62a及び窓部52をカバーパネル部69で前方から被覆し、表示装置53の表示部53aを枠装飾部65の内側(カバーパネル部69が露出した箇所)からセンターケース51の前方へ臨ませるように構成されている。
図4及び図5は、本発明の第1の実施の形態の可動演出装置58の構成を説明する図である。
可動演出装置58は、第1演出ユニット63と第2演出ユニット64とを互いに離間した位置に備えて構成され、第1演出ユニット63及び第2演出ユニット64が連動して演出動作が実行される。
図4は、可動演出装置58が動作する前の状態を示す図であり、図5は、可動演出装置58が動作し、第1演出ユニット63及び第2演出ユニット64が動作した結果、当接部(第1当接部121及び第2当接部122)にて当接している状態を示す図である。
第1演出ユニット63は、センターケース51の左側、すなわち、基部ケース61の窓部52の周縁の左側に配置される。また、第2演出ユニット64は、センターケース51の右側に配置される。センターケース51の前方から見て第1演出ユニット63と第2演出ユニット64との間に凹室62及び窓部52を臨ませるように配置される。
第1演出ユニット63は、表示部53aの前方へ移動可能な第1演出部材70と、該第1演出部材70の駆動力を発生する第1演出駆動源としての役物駆動第1モータ(MOT)71と、役物駆動第1モータ71から発生した駆動力(回動力)を第1演出部材70へ伝達する第1演出伝達機構(第1主腕部材73及び第1副腕部材74)とを備える。
また、役物駆動第1モータ71の出力軸(第1出力軸)71aがセンターケース51の前後方向に延在し、第1出力軸71aには第1駆動ギア76を共回り可能に軸着している。
第1主腕部材73は、第1駆動ギア76と噛合される第1主腕ギア77が形成され、当該第1駆動ギア76の上方に軸着される。第1副腕部材74は、第1駆動ギア76と噛合される第1副腕ギア78が形成され、当該第1駆動ギア76の下方に軸着される。第1主腕部材73及び第1副腕部材74は、基部ケース61と軸着された端部の反対側の端部が互いに異なる位置で第1演出部材70に軸着し、第1演出部材70を支持している。
第1演出ユニット63は、役物駆動第1モータ71を駆動して第1駆動ギア76をセンターケース51の正面から見て時計方向へ回動すると、役物駆動第1モータ71の駆動力(回動力)を第1駆動ギア76及び第1主腕ギア77を介して第1主腕部材73へ伝達し、この駆動力により第1主腕部材73がセンターケース51の正面から見て反時計方向へ回動する。また、役物駆動第1モータ71の駆動力を第1駆動ギア76及び第1副腕ギア78を介して第1副腕部材74へ伝達し、この駆動力により第1副腕部材74が第1主腕部材73と同じ反時計方向へ回動する。この結果、第1演出部材70が第1主腕部材73及び第1副腕部材74に支持された状態で上昇する。
そして、役物駆動第1モータ71の駆動力により第1主腕部材73及び第1副腕部材74を上方へ延出して縦向き姿勢に設定すると、図4に示すように、第1演出部材70を表示部53aの前方から外れて位置させた第1演出停止状態となり、第1演出部材70が窓部52の側方に位置して、枠装飾部65の後方及び遊技盤本体10bの後方に隠れる(図2参照)。
一方、第1演出停止状態から役物駆動第1モータ71を駆動して第1駆動ギア76をセンターケース51の正面から見て反時計方向へ回動すると、役物駆動第1モータ71の駆動力(回動力)を第1駆動ギア76及び第1主腕ギア77を介して第1主腕部材73へ伝達し、この駆動力により第1主腕部材73がセンターケース51の正面から見て時計方向へ回動する。
また、役物駆動第1モータ71の駆動力を第1駆動ギア76及び第1副腕ギア78を介して第1副腕部材74へ伝達し、この駆動力により第1副腕部材74が第1主腕部材73と同じ時計方向へ回動する。この結果、第1演出部材70が第1主腕部材73及び第1副腕部材74に支持された状態で下降する。
そして、役物駆動第1モータ71の駆動力により第1主腕部材73及び第1副腕部材74を表示部53aの前方へ延出して横向き姿勢に設定すると、図5に示すように、第1演出部材70を表示部53aの前方へ位置させた第1演出実行状態となり、第1演出部材70が表示部53aとカバーパネル部69との間の空間部のうち表示部53aの中央部分の前方に位置する。
第2演出ユニット64は、表示部53aの前方へ移動可能な第2演出部材80と、該第2演出部材80の駆動力を発生する第2演出駆動源としての役物駆動第2モータ(MOT)81と、役物駆動第2モータ81から発生した駆動力(回動力)を第2演出部材80へ伝達する第2演出伝達機構(第2主腕部材83及び第2副腕部材84)とを備える。
また、役物駆動第2モータ81を出力軸(第2出力軸)81aがセンターケース51の前後方向に延在し、第2出力軸81aには第2駆動ギア86を共回り可能に軸着している。
第2主腕部材83は、第2駆動ギア86と噛合される第2主腕ギア87が形成され、当該第2駆動ギア86よりも第1演出ユニット63寄りの位置に軸着される。第2副腕部材84は、第2駆動ギア86と噛合される第2副腕ギア88が形成され、当該第2駆動ギア86の下方に軸着される。第2主腕部材83及び第2副腕部材84は、基部ケース61と軸着された端部の反対側の端部が互いに異なる位置で第2演出部材80に軸着し、第2演出部材80を支持している。
第2演出ユニット64は、役物駆動第2モータ81を駆動して第2駆動ギア86をセンターケース51の正面から見て時計方向へ回動すると、役物駆動第2モータ81の駆動力(回動力)を第2駆動ギア86及び第2主腕ギア87を介して第2主腕部材83へ伝達し、この駆動力により第2主腕部材83がセンターケース51の正面から見て反時計方向へ回動する。また、役物駆動第2モータ81の駆動力を第2駆動ギア86及び第2副腕ギア88を介して第2副腕部材84へ伝達し、この駆動力により第2副腕部材84が第2主腕部材83と同じ反時計方向へ回動する。この結果、第2演出部材80が第2主腕部材83及び第2副腕部材84に支持された状態で下降する。
そして、役物駆動第2モータ81の駆動力により第2主腕部材83及び第2副腕部材84を回動して第2演出部材80を下死点へ到達させ、引き続き第2主腕部材83及び第2副腕部材84を回動して斜め下方へ延出して縦向き姿勢に設定し、第2演出部材80を下死点から僅かに上昇させると、図4に示すように、第2演出部材80を表示部53aの前方から外れて位置させた第2演出停止状態となり、第2演出部材80が枠装飾部65の後方及び遊技盤本体10bの後方に隠れる(図2参照)。
一方、第2演出停止状態から役物駆動第2モータ81を駆動して第2駆動ギア86をセンターケース51の正面から見て反時計方向へ回動すると、役物駆動第2モータ81の駆動力(回動力)を第2駆動ギア86及び第2主腕ギア87を介して第2主腕部材83へ伝達し、この駆動力により第2主腕部材83がセンターケース51の正面から見て時計方向へ回動する。
また、役物駆動第2モータ81の駆動力を第2駆動ギア86及び第2副腕ギア88を介して第2副腕部材84へ伝達し、この駆動力により第2副腕部材84が第2主腕部材83と同じ時計方向へ回動する。この結果、第2演出部材80が第2主腕部材83及び第2副腕部材84に支持された状態で上昇する。
そして、役物駆動第2モータ81の駆動力により第2主腕部材83及び第2副腕部材84を表示部53aの前方へ延出して横向き姿勢に設定すると、図5に示すように、第2演出部材80を表示部53aの前方へ位置させた第2演出実行状態となり、第2演出部材80が表示部53aとカバーパネル部69との間の空間部のうち表示部53aの中央部分の前方に位置する。
図6は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1の構成を示すブロック図である。
遊技機1は、遊技を統括的に制御する遊技制御装置500、各種演出を行うために表示装置53及びスピーカ30等を制御する演出制御装置550、及び、遊技球を払い出すために払出モータ(図示省略)を制御する払出制御装置580を備える。
まず、遊技制御装置500の構成について説明する。なお、演出制御装置550については、図7にて説明する。
遊技制御装置500は、遊技用マイコン501、入力I/F(Interface)505、出力I/F(Interface)506、及び外部通信端子507を備える。
遊技用マイコン501は、CPU502、ROM(Read Only Memory)503及びRAM(Random Access Memory)504を備える。
CPU502は、遊技を統括的に制御する主制御装置であって、遊技制御を司る。ROM503は、遊技制御のための不変の情報(プログラム、データ等)を記憶している。RAM504は、遊技制御時にワークエリアとして利用される。
外部通信端子507は、遊技制御装置500の設定情報等を検査する検査装置等の外部機器に遊技制御装置500を接続する。
CPU502は、入力I/F505を介して各種入力装置(始動口SW36d、一般入賞口SW44a〜44n、ゲートSW34a、カウントSW42d、ガラス枠開放SW18a、前面枠開放SW3a、球切れSW54、振動センサ55、及び磁気センサ56)からの検出信号を受けて、大当り抽選等、種々の処理を行う。
始動口SW36dは、始動口36に遊技球が入賞したことを検出するスイッチである。一般入賞口SW44a〜44nは、一般入賞口44に遊技球が入賞したことを検出するスイッチである。
ゲートSW34aは、普図始動ゲート34を遊技球が通過したことを検出するスイッチである。カウントSW42dは、大入賞口42に遊技球が入賞したことを検出するスイッチである。
ガラス枠開放SW18aは、ガラス枠18が開放されたことを検出するスイッチである。前面枠開放SW3aは、前面枠3が開放されたことを検出するスイッチである。
球切れSW54は、遊技機1の内の上タンクに貯留され、払い出しに用いられる遊技球の数が所定数以下になったことを検出するスイッチである。
振動センサ55は、遊技機1に与えられた振動を検出するセンサであり、遊技機1を振動させるなどの不正行為を検出する。磁気センサ56は、始動口36の第2始動入賞口、一般入賞口44、大入賞口42、及び普図始動ゲート34付近に設けられ、磁力を検出するセンサである。すなわち、磁気センサ56は、磁力を検出することによって、各入賞口付近に磁石を近づけて、遊技領域10aに発射された遊技球を各入賞口に導く不正を検出する。
また、CPU502は、出力I/F506を介して、普図・特図表示器35、普電SOL36b、大入賞口SOL42b、払出制御装置580、及び演出制御装置550に指令信号を送信して、遊技を統括的に制御する。
普図・特図表示器35には、前述のように、特図変動表示ゲーム及び普図変動表示ゲームが実行される。さらに、特図変動表示ゲームの未処理回数(特図始動記憶数)及び普図変動表示ゲームの未処理回数(普図始動記憶数)が表示される。普図変動表示ゲームが当りとなるか否かを示す乱数を含む普図始動記憶、及び特図変動表示ゲームが当りとなるか否かを示す乱数を含む特図始動記憶が記憶されている。
普電SOL36bは、普図変動表示ゲームの停止表示が特別の結果態様となった場合に、開閉部材36aを開放することによって、始動口36に遊技球が入賞しやすい状態にする。
大入賞口SOL42bは、特図変動表示ゲームの結果が特別の結果態様となって、特別遊技状態(大当たり状態)となった場合に、大入賞口42の開閉扉42aを開放して、遊技球が入賞しやすい状態に変換する。
遊技制御装置500は、外部情報端子508から図示しない情報収集端末装置を介して、遊技機データを図示しない遊技場管理装置に出力する。遊技場管理装置は、遊技場に設置された遊技機1の遊技データを収集管理する計算機である。
払出制御装置580は、遊技球が一般入賞口44又は大入賞口42に入賞した場合に、入賞した入賞口に対応する数の遊技球の払出指令を遊技制御装置500から受信する。また、球貸ボタン26が操作された場合にも所定数の遊技球の払い出しを行う払出指令を遊技制御装置500から受信する。払出制御装置580は、受信した払出指令に基づいて、図示しない払出モータを制御し、払出指令に指定された数の遊技球を払い出す。
遊技制御装置500は、変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、遊技の状況を示す遊技データとして、出力I/F506を介して、演出制御装置550へ送信する。
図7は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置550の構成を示すブロック図である。
演出制御装置550は、遊技制御装置500から入力される遊技データに基づいて、演出内容を決定し、表示装置53を制御するとともに、遊技盤10及び前面枠3に備えられた各種演出装置を制御する。演出装置には、LEDなどの発光装置や、モータ又はソレノイドなどの可動物が含まれる。
演出制御装置550は、CPU551、制御ROM552、RAM553、画像ROM554、音ROM555、VDP556、音LSI557、入力I/F558b、出力I/F558a、電源投入検出回路559、マスタIC570a、NORゲート回路561及び監視タイマ回路562を備える。さらに、演出制御装置550は、中継基板600を介して装飾制御装置610に接続される接続端子90と、可動体中継基板1600を介して装飾制御装置610に接続される接続端子92とを備える。
CPU551は、遊技制御装置500から送信された指令信号が通信割込としての割込信号(INT)として入力され、入力された指令信号に基づいて、各種演出を制御する。また、CPU551には、マスタIC570aからマスタ割込としての割込信号(INT)が入力され、VDP556からも画像更新割込としての割込信号(INT)が入力される。
さらに、CPU551は、監視タイマ回路562からもタイムアウト割込としての割込信号(INT)が入力される。監視タイマ回路562は、複数種類の監視タイマが内蔵されており、CPU551によって設定された監視タイマ値がタイムアップすると、CPU551に割込信号を出力する。CPU551は、割込信号の入力を受け付けると、実行中の処理を中断し、入力された割込信号に対応する処理を実行する。
制御ROM552には、演出制御のための不変の情報(プログラム、データ等)が格納されている。RAM553は、演出制御時にワークエリアとして利用される。
画像ROM554は、VDP556に接続され、表示装置53に表示される画像データを格納する。VDP556は、表示装置53への画像出力を制御するプロセッサである。
また、VDP556は、表示装置53に表示される画像を更新する周期(16.6ミリ秒周期)と同期する同期信号を発生させる同期信号発生手段を備える。同期信号発生手段は、同期信号を発生させるごとに、発生させた同期信号をCPU551に割込信号として入力する。
音ROM555は、音LSI557に接続され、前面枠3に備えられたスピーカ30から出力される効果音の音データを格納する。音LSI557は、スピーカ30からの効果音を出力するための回路を備える。
入力I/F558bは、フィルタ565bを介して外部から入力された情報を受け付けるインタフェースである。具体的には、前面枠3に備えられた演出ボタン17が操作されたことを示す信号の入力を受け付けたり、遊技盤10に備えられたモータ位置検出センサによって検出された各モータの位置情報などの入力を受け付ける。
電源投入検出回路559は、演出制御装置550に電源が投入された場合に、マスタIC570aのレジスタをデフォルト状態(すべて0)に初期化するリセット信号を発生させ、NORゲート回路561に出力する。
また、CPU551は、所定の条件が成立した場合に、バス563を介してリセット信号を出力I/F558aに出力する。そして、出力I/F558aは、入力されたリセット信号をNORゲート回路561に出力し、さらに、NORゲート回路561から、マスタIC570aに当該リセット信号を出力する。所定の条件とは、例えば、すべての装飾制御装置610において、エラーフラグが「ON」になった場合などである。
また、出力I/F558aは、第2接続端子92、可動体中継基板1600を介して装飾制御装置610に制御信号(DAT、CLK、LAT、EN)を出力し、遊技盤10や前面枠3に備わる演出装置(モータ又はソレノイドなどで駆動する可動体)を動作させる。
なお、電源投入検出回路559からNORゲート回路561に入力されるリセット信号と、CPU551から出力I/F558aを介してNORゲート回路561に入力されるリセット信号は、いずれの場合にもLOWレベルの状態のときにリセットを指令する信号として機能する。そのため、電源投入検出回路559及びCPU551の少なくとも一方からNORゲート回路561にリセット信号が出力されていれば、NORゲート回路561を介してリセット信号がマスタIC570aに入力される。
中継基板600は、第1接続端子90から出力される制御信号を装飾制御装置610に中継する。可動体中継基板1600は、第2接続端子92から出力される制御信号を装飾制御装置610に中継する。なお、第1接続端子90からは、発光体に対する制御信号が出力され、第2接続端子92からは、可動体(モータ、ソレノイド)に対する制御信号が出力される。
図8Aは、本発明の第1の実施の形態の装飾制御装置610のブロック図である。
装飾制御装置610は、三つのシフトレジスタ611、612、613及び役物駆動ソレノイド、モータなどを駆動するためのドライバ614を備える。また、装飾制御装置610には、ソレノイド、モータなどを駆動する駆動電源、及び、制御信号(DAT、CLK、LAT、EN)が演出制御装置550から入力される。この装飾制御装置610によって、例えば、照明駆動第1モータ13a、照明駆動第2モータ14a、役物駆動第1モータ71及び役物駆動第2モータ81が駆動される。
シフトレジスタ611、612、613は、各々、シリアルデータ入力(SI)、シフトレジスタクロック(SCK)、ラッチクロック(RCK)及び出力イネーブル(G)の入力端子と、8ビットのパラレル出力端子(Q0〜Q7)及びキャリーアウト出力(CY)を備え、例えば、74595等のロジックICを使用することができる。
シリアルデータ入力(SI)は、シフトレジスタにラッチされるデータがシリアルによって入力される。シフトレジスタクロック(SCK)は、LからHに変化するときに内部シフトレジスタをシフトし、最下位ビットにSIの内容を追加する。ラッチクロック(RCK)は、内部シフトレジスタのデータを内部ストレージレジスタに転送する。出力イネーブル(G)は、入力信号がLのとき、内部ストレージレジスタのデータをパラレル出力端子(Q0〜Q7)に出力し、入力信号がHのとき、パラレル出力端子(Q0〜Q7)の出力は不定となる。なお、シフトレジスタのパラレル出力端子(Q0〜Q7)にはプルダウン抵抗Rが接続されており、シフトレジスタの出力が不定時には、プルダウン抵抗Rの作用によって、シフトレジスタの出力は「L」レベルになる。このため、シフトレジスタの出力が不定時にも、ドライバ614の動作が不安定とならず、ソレノイド、モータなどが誤動作をすることを防止することができる。
演出制御装置550から出力される制御信号は、CLKがシフトレジスタクロック(SCK)に入力され、LATがラッチクロック(RCK)に入力され、ENが出力イネーブル(G)に入力される。また、演出制御装置550から出力される制御信号のうちDATは、最下位の第1シフトレジスタ611のシリアルデータ入力(SI)に入力される。シフトレジスタ611、612、613は、下位のシフトレジスタのキャリー出力(CY)が上位のシフトレジスタのシリアル入力(SI)に入力されるように、チェーン接続されている。すなわち、第1シフトレジスタ611のキャリー出力(CY)は、第2シフトレジスタ612のシリアル入力(SI)に入力される。また、各シフトレジスタ611、612、613のパラレル出力端子(Q0〜Q7)はドライバ615に入力される。
ドライバ614は、シフトレジスタ611、612、613からの出力によってオンオフが切り替えられるスイッチングトランジスタを備える。装飾制御装置610に入力される駆動電源は、ドライバ614に入力され、ドライバ614内のスイッチングトランジスタにより切り替えられて、ソレノイド、モータなどに供給される。
各役物には、モータの回転位置を検出する位置検出センサが設けられている。各位置検出センサから出力された各モータの回転位置は、装飾制御基板610を経由して、演出制御装置550のフィルタ565bに入力される。
図8Bは、演出制御装置550のCPU551が出力するデータを生成するために用いられる編集領域と、出力するデータを送信するタイミングを制御するために必要なデータ(動作番号、演出開始フラグ)の説明図である。これらのデータは、演出制御装置550のRAM553に記憶される。
演出制御装置550は、駆動源(ステッピングモータ及びソレノイド)の状態を示す動作番号と演出開始フラグの内容に応じて、出力部A〜Fに対する出力データを後述するように生成する。
ここで、出力部Aは、図8Aにおける第3シフトレジスタのQ7〜Q4に接続される駆動源を制御するための領域であり、出力部Bは、図8Aにおける第3シフトレジスタのQ3〜Q0に接続される駆動源を制御するための領域である。
同様に、出力部Cは、図8Aにおける第2シフトレジスタのQ7〜Q4に接続される駆動源を制御するための領域であり、出力部Dは、図8Aにおける第2シフトレジスタのQ3〜Q0に接続される駆動源を制御するための領域である。また、出力部Eは、図8Aにおける第1シフトレジスタのQ7〜Q4に接続される駆動源を制御するための領域であり、出力部Fは、図8Aにおける第2シフトレジスタのQ3〜Q0に接続される駆動源を制御するための領域である。
従って、出力部A、出力部B、出力部C、出力部Dは、それぞれ、モータ13a、14a、71、81を制御するために使用される。なお、モータ13a、14a、71、81には、4相で駆動されるステッピングモータを使用しており、各出力部の出力データ編集領域(Q7〜Q4及びQ3〜Q0)の所定のビットに「1」を設定すると対応する相の信号線が励磁され、「0」を設定すると対応する相の信号線が励磁されない構成となっている。
また、出力部Eは、装飾ピース46(図2)を駆動する役物駆動ソレノイド(図8AのSOL)を制御するために使用され、出力部Eの出力データ編集領域の所定のビットに「1」を設定すると対応するソレノイドがオンし、「0」を設定すると対応するソレノイドがオフする構成となっている。なお、本実施形態では、出力部Fによって制御される駆動源は存在しない。
演出制御装置550が管理する駆動源の状態を示す動作番号は、「0」が初期位置検出中(初期化中)、「1」が演出開始待ち、「2」が演出実行中、「3」が非常停止及び復帰中、「4」が復帰待機中を示す。また、後述するように、演出制御装置550は、演出開始時に演出を実行する出力部A〜F毎の演出開始フラグを「ON」に設定し、演出が開始されると演出開始フラグを「OFF」に設定する。また、動作番号が「4」の場合には、駆動源が初期化中に非常停止した状態であり、従業員などの手作業により、非常停止した可動体を正常な状態に戻してからリセットする必要がある。
演出制御装置550は、照明駆動第1モータ13a及び照明駆動第2モータ14aを回転させるために、出力部A及びBの出力データ編集領域の所定のビットに「1」若しくは「0」を設定して、照明駆動第1モータ13a及び照明駆動第2モータ14aの相を励磁する。
なお、出力部Aの出力データ編集領域の全てのビットに「0」を設定すると、照明駆動第1モータ13aの全ての相が励磁されなくなって、回転が停止する。同様に、出力部Bの出力データ編集領域の全てのビットに「0」を設定すると、照明駆動第2モータ14aの全ての相が励磁されなくなって、回転が停止する。
同様に、演出制御装置550は、役物駆動第1モータ71及び役物駆動第2モータ81を回転させるために、出力部C及びDの出力データ編集領域の所定のビットに「1」若しくは「0」を設定して、役物駆動第1モータ71及び役物駆動第2モータ81の相を励磁する。
なお、出力部Cの出力データ編集領域の全てのビットに「0」を設定すると、役物駆動第1モータ71の全ての相が励磁されなくなって、回転が停止する。同様に、出力部Dの出力データ編集領域の全てのビットに「0」を設定すると、役物駆動第2モータ81の全ての相が励磁されなくなって、回転が停止する。
図9は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置550の動作を示すタイミング図である。
図9(A)は、VDP周りの信号のタイミングを示す。
画像更新割込は、VDP556から出力される、画像更新周期(16.6ミリ秒周期)と同期する同期信号である。演出開始フラグは、図10のステップ1011において設定されるフラグであり、図10において説明するように、画像更新タイミングに合わせて出力されるデータの変更が指示される。
イネーブル信号(EN)は、駆動源(ステッピングモータ及びソレノイド)を駆動する際にLレベルに設定される信号であり、図11のステップ1025においてLレベルに設定される。なお、図11のステップ1026の処理によってイネーブル信号(EN)がHレベルに設定されると、制御対象の駆動源の動作がすべて停止する。
図9(B)は、タイマ割込に関連する信号のタイミングであり、演出制御装置550からの出力信号を示す。
タイマ割込は、監視タイマ回路562から出力される信号であり、例えば、2ミリ秒毎に出力される。DATは、最下位の第1シフトレジスタ611のシリアルデータ入力(SI)に入力されるデータであり、上位のシフトレジスタのデータ(第3シフトレジスタのQ7)から順に出力される。即ち(A)〜(F)の各ビット(Q7〜Q0)が、前述の出力部A〜Fの編集領域の各ビットに対応している。
CLK信号によって、シフトレジスタに入力されたデータを内部シフトレジスタに取り込み、前回取り込んだデータをシフトする。そして、LAT信号によって、内部シフトレジスタのデータが内部ストレージレジスタに転送される。
すなわち、本発明の実施の形態では、図10〜図12に説明する処理を実行することによって、画像更新周期で出力データの変更が指示され、変更された出力データがタイマ割込周期で繰り返し出力される構成となっている。
図10は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置550による処理の手順を示すフローチャートである。図10に示す処理は、演出制御装置550のCPU551によって実行される。
演出制御装置550は、演出制御装置550に電源が投入されると、まずステップ1001〜1002の処理を実行し、ステップ1003の処理でVDP556から画像更新周期と同期する同期信号(例えば、16.6ミリ秒周期の同期信号)が割込信号としてCPU551に入力されるまで待機する。そして、以降、VDP556から画像更新周期と同期する同期信号が割込信号としてCPU551に入力される毎に、ステップ1003〜1011の処理を繰り返し実行する。
まず、CPU551は、演出制御装置550のRAM553の初期化などを含む初期化処理を実行する(1001)。このとき、出力I/F558aとNORゲート回路561を介してマスタIC570aにリセットパルスを入力し、マスタIC570aを初期化する。
初期化処理が完了すると、CPU551は、VDP556から画像更新周期と同期する同期信号(VDP割込)の受け入れ、及びタイマ割り込みの受け入れを許可する(1002)。ここで、CPU551は、監視タイマ回路562にタイマ割込の周期(例えば、2ミリ秒)を設定し、設定されたタイマ割込周期毎にタイマ割込処理(図11)を実行する。
そして、CPU551は、表示装置53に画像を表示するために、VDP556に画像を表示させる指令となるデータを出力する(1003)。さらに、CPU551は、LEDなどの発光体を制御する装飾制御装置610へ制御データを出力する(1004)。ここで出力される制御データは、主としてLEDなどの発光部材を制御するためのものである。
さらに、CPU551は、スピーカ30から音を遊技状態に応じて出力させるために、音制御データを音LSI557に出力する(1005)。音LSI557は、入力された音制御データに基づいてスピーカ30から音を出力させる。
その後、CPU551は、VDP556に次に出力されるデータを編集し(1006)、音LSI557に出力される音制御データを編集し(1007)、発光部材を制御する装飾制御装置610へ出力される演出制御データを編集する(1008)。
その後、演出開始のタイミングであるか否かを判定する(1009)。例えば、大当たり演出やリーチ演出の開始タイミングであるかを判定する。
次に、遊技制御装置500から送信された演出指令信号に基づいて演出の内容を決定し、出力部A〜Eの中から演出開始の対象となるもの(演出の実行にともなって動作の対象となったもの)を選択し(1010)、選択した出力部の演出開始フラグをオンに設定する。
その後、VDP556からCPU551に同期信号が入力されるまで待機する。
このように、図10に示した処理では、表示装置53の画像を更新する周期と同期して、演出制御装置550のマスタIC570aから装飾制御装置610に演出制御データを送信する。そして、装飾制御装置610は、受信した演出制御データに基づいて装飾装置を制御するため、表示装置53における演出と装飾装置における演出とが調和し、遊技者に違和感を与えないので、興趣を高めることができる。
図11は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置550による処理の手順を示すフローチャートである。図11に示す処理は、監視タイマ回路562が所定の周期でタイマ割込を発生することによって、演出制御装置550のCPU551が実行する。
CPU551は、ステップS21で照明駆動第1モータ13aの回転位置を検出する位置検出センサの出力値と、照明駆動第2モータ14aの回転位置を検出する位置検出センサの出力値と、役物駆動第1モータ71の位置を検出する位置検出センサの出力値と、役物駆動第2モータの位置を検出する位置検出センサの出力値とを、入力I/F558bから取り込む(1021)。
次に、出力部A〜Fの各編集領域のデータを統合する(1022)。これは、前述のように各出力部の編集領域には4ビットのデータが格納されているので、この4ビットのデータを読み出して、図9のDATに示す順序で出力されるように一つに繋げることによって、各出力部のデータを統合する。
その後、統合されたデータの全bitを検査し(1023)、統合されたデータの全bitが「0」であるか否かを判定する(1024)。その結果、少なくとも一つのbitが「1」であれば、イネーブル信号(EN)をLレベルに設定し(1025)、シフトレジスタ611〜613からの信号Qnの出力を許容する。一方、全bitが「0」であれば、イネーブル信号(EN)をHレベルに設定し(1026)、シフトレジスタ611〜613からの信号Qnの出力を禁止する。この全bit=0は、シフトレジスタ611〜613から出力すべきデータがないことを示すが、シフトレジスタ611〜613間での経路におけるノイズ等の影響によって、データが変更された場合に、意図しないデータが出力されないように、イネーブル信号(EN)をHレベルに設定する。
そして、統合されたデータをシフトレジスタ611〜613へ出力し(1027)、ラッチ信号をシフトレジスタへ出力する(1028)。このラッチ信号によって、シフトレジスタ611〜613に入力されたデータが、内部ストレージレジスタに取り込まれる。
ステップ1029〜1032では、次回のタイマ割込時に出力する各出力部A〜Dへのシリアルデータを遊技状態に応じてそれぞれ編集し、出力部A〜Fの各編集領域RAM553に割り当てられた出力部A〜Fの各編集領域(Q7〜Q0)に格納する。すなわち、ステップ1029では後述するように、照明駆動第1モータ13aを駆動する出力部Aへのシリアルデータを編集して編集領域に格納する。ステップ1030では上記ステップ1029と同様に、照明駆動第2モータ14aを駆動する出力部Bへのシリアルデータを編集して編集領域に格納する。ステップ1031では上記ステップ1029と同様に、役物駆動第1モータ71を駆動する出力部Cへのシリアルデータを編集して編集領域に格納する。ステップ1032では上記ステップ1029と同様に、役物駆動第2モータ81を駆動する出力部Dへのシリアルデータを編集して編集領域に格納する。また、ステップ1033では、ソレノイドを駆動する出力部Eが次回のタイマ割込時に出力するシリアルデータを遊技状態に応じて編集し、編集領域に格納する。さらに、ステップ1034では、出力部Fが次回のタイマ割込時に出力するシリアルデータを遊技状態に応じて編集し、編集領域に格納する。但し、本発明の実施の形態では出力部Fによって駆動される駆動源が存在しないため、編集領域の各ビットには「0」が設定される。なお、出力部Fは、後述する第4の実施の形態において、正常動作信号を出力するために使用される。
本発明の実施の形態では、タイマ割込の周期に従って、シフトレジスタにデータが取り込まれ、VDP割込周期に従ってデータの変更が指示される。
図12は、図11のステップ1029で実行される出力部Aのシリアルデータの編集処理の詳細を示すフローチャートである。当該フロチャートにおいては、出力部Aに関する動作番号、演出開始フラグ及び出力データ編集領域を用いるものとする。
なお、ステップ1030〜1032における他の出力部B〜Dのシリアルデータの編集処理も同様に実行されるものとし、その場合においては、出力部Aの代わりに出力部B〜Dの動作番号、演出開始フラグ及び出力データ編集領域を用いることとする。さらに、照明駆動第1モータ13aが出力部Aに対応していることから、照明駆動第1モータ13aを、出力部B〜Dに対応するモータに置き換えて処理が行われるもととする。
演出制御装置550のCPU551は、ステップ1041で駆動源の動作状態を示す動作番号が「0」〜「4」の何れであるかを判定し、動作番号に応じて分岐する。動作番号が初期化中を示す「0」であればステップ1042に進み、動作番号が演出待機中を示す「1」であればステップ1046に進み、動作番号が演出実行中を示す「2」であればステップ1050に進み、動作番号が非常停止中を示す「3」であればステップ1056に進み、動作番号が復帰待機中を示す「4」であればステップ1059に進む。なお、動作番号の初期値は「0」である(図10のステップ1001の初期化処理で設定される)。
これらの状態は、照明駆動第1モータ13a等のステッピングモータの初期化が完了すると、動作番号が「1」に変更されて演出待機状態となる。演出待機状態で演出開始フラグが「ON」になると動作番号が「2」に変更されて演出実行中に移行し、演出実行の経過時間のカウントを開始する。そして、演出の終了タイミングになると、演出を終了し、動作番号は「1」に変更されて演出待機中に戻る。
演出実行中にステッピングモータにエラーが発生すると、動作番号が「3」に変更されて非常停止中になり、エラーが発生した時点からの停止時間のカウントを開始する。そして、エラーが発生した時点から所定の停止時間が経過すると、動作番号が「0」に変更されて初期化が行われる。
そして、初期化中にエラーが発生した場合では、動作番号が「4」の復帰待機中に移行し、従業員などの手作業による復旧を待つことになる。
次に、処理の詳細について説明する。
動作番号が「0」の初期化処理では、ステップ1042で出力部Aが駆動する照明駆動第1モータ13aの駆動位置にエラーが発生しているか否かを判定する。エラーの発生の判定は、図11のステップ1021で取り込んだ照明駆動第1モータ13aの位置検出センサの検出値が前回値に対して変化していなければ、エラーの発生と判定する。この処理において、位置検出センサ131の検出値に変化がない場合は、断線や監視回路が動作して照明駆動第1モータ13aが停止した場合が推定できるため、照明駆動第1モータ13aにエラーが発生したと判定する。
なお、動作番号が「0」となって照明駆動第1モータ13aの回転位置の検出を開始し、所定時間経過しても位置検出センサによって初期位置が検出できない場合に、エラーと判定してもよい。
エラーが発生していると判定した場合、ステップ1059へ進み、エラーがない場合にはステップ1043へ進む。
次に、ステップ1043では、図11のステップ1021で取り込んだ照明駆動第1モータ13aの位置検出センサの検出値が所定の初期位置に到達したか否かを判定する。照明駆動第1モータ13aの位置が所定の初期位置に到達していれば、ステップ1047へ進んで動作番号を「1」に変更し、到達していなければステップ1044に進む。
ステップ1044では、出力部Aの動作番号を、初期化中であることを示す「0」に設定する。なお、前回も動作番号が「0」の場合には初期化中を維持することになる。
ステップ1045では、照明駆動第1モータ13aを所定の初期位置へ向けて駆動する駆動情報(シリアルデータ)を予め制御ROM552に格納しておき、当該駆動情報を選択してステップ1049へ進む。
ステップ1049では、CPU551が、上記選択した照明駆動第1モータ13aの駆動情報をRAM553の出力部Aの編集領域に格納する。RAM553の所定の編集領域に格納された駆動情報は、次回のタイマ割込時に図11のステップ1027で出力される。ステップ1049が完了すると、図11の処理へ復帰する。
次に、動作番号が「1」の演出待機中処理では、現在照明駆動第1モータ13aは停止中であるので、ステップ1046で出力部Aの演出開始フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する。当該出力部Aの演出開始フラグが「ON」に設定されている場合、ステップ1054へ進んで、演出開始フラグを「OFF」にリセットする。なお、ステップ1052にて演出開始からの経過時間のカウントを開始し、以降、タイマ割り込みが発生する毎に経過時間がカウントされる。一方、演出開始フラグが「OFF」に設定されている場合、ステップ1047に進む。
ステップ1047では、出力部Aの動作番号を、演出待機中であることを示す「1」に設定する。なお、前回も動作番号が「1」の場合には演出待機状態を維持することになる。
次に、ステップ1048では、予め制御ROM552に格納されている駆動情報(シリアルデータ)から、照明駆動第1モータ13aを停止する駆動情報を選択する。この後、ステップ1049に進んで、CPU551が上記選択した照明駆動第1モータ13aの駆動情報をRAM553の出力部Aの編集領域に格納してから図11の処理に復帰する。ここでは、編集領域の各ビットに「0」が設定されることになる。
動作番号が「2」の演出実行中では、ステップ1050で出力部Aが駆動する照明駆動第1モータ13aの駆動位置にエラーが発生したか否かを判定する。エラーの発生の判定は、上記ステップ1042と同様である。エラーが発生したと判定した場合、ステップ1056へ進み、エラーが発生していない場合、ステップ1051へ進む。
次に、ステップ1051では、現在実行中の演出を終了するタイミングであるか否かを判定する。演出終了タイミングは、出力部Aの演出開始から予め設定した時間を経過した場合に演出終了タイミングであると判定することができる。なお、演出開始からの経過時間の閾値は、出力部A〜D毎に設定されるので、出力部A〜Dに対応する各モータの演出終了タイミングは、必ずしも同一であるとは限らない。演出終了タイミングであると判定された場合、ステップ1047へ進んで、出力部Aの動作番号を、演出待機状態であることを示す「1」に設定する。一方、演出終了タイミングに達していない場合、ステップ1053に進む。
ステップ1053では、出力部Aの動作番号を、演出実行中であることを示す「2」に設定する。なお、前回も動作番号が「2」の場合には演出実行を継続することになる。
ステップ1054では、予め制御ROM552に格納されている駆動情報(シリアルデータ)から、照明駆動第1モータ13aを所定の演出位置へ向けて駆動する駆動情報を選択する。この後、上記ステップ1049に進んで、CPU551が上記選択した照明駆動第1モータ13aの駆動情報をRAM553の出力部Aの編集領域に格納してから図11の処理に復帰する。
次に、動作番号が「3」の非常停止中では、照明駆動第1モータ13aはエラーの発生などによって、非常停止しているので、出力部Aの動作番号を「3」に変更してからの時間が所定の停止時間を経過したか否かを判定する(ステップ1056)。所定の停止時間が経過していれば、ステップ1044に進んで、出力部Aの動作番号を「0」に変更して照明駆動第1モータ13aの初期化を行う。一方、所定の停止時間が経過していなければ、ステップ1057に進んで、出力部Aの動作番号を、非常停止中であることを示す「3」に設定する。なお、前回も動作番号が「3」の場合には非常停止中を継続することになる。
次に、ステップ1058では、予め制御ROM552に格納されている駆動情報(シリアルデータ)から、照明駆動第1モータ13aを停止する駆動情報を選択する。この後、ステップ1049に進んで、CPU551が上記選択した照明駆動第1モータ13aの駆動情報をRAM553の出力部Aの編集領域に格納してから図11の処理に復帰する。ここでは、編集領域の各ビットに「0」が設定されることになる。
次に、動作番号が「4」の復帰待機中では、照明駆動第1モータ13aが初期化中にエラーが検出された場合であり、従業員などの手作業による復旧を必要とする状態である。この場合は、遊技店の従業員によって、照明駆動第1モータ13aにより駆動される可動体が手作業により初期位置に戻され、次いで、照明駆動第1モータ13aの位置検出センサのケーブルを抜き差しする作業が行われることになる。
そのため、まず、ステップ1059では、照明駆動第1モータ13aの位置検出センサ131の検出値が、前回値に対して変化したか否かを判定する。
位置検出センサ131の検出値が変化した場合は、従業員などが照明駆動第1モータ13aの位置を変更したり、第2接続端子92の脱着により検出値が変動した場合である。この場合は、再度初期化を実行するため、ステップ1044に進んで出力部Aの動作番号を「0」に変更する。一方、位置検出センサ131の検出値が変化しない場合は、ステップ1060に進んで、出力部Aの動作番号を、復帰待機中であることを示す「4」に設定する。なお、前回も動作番号が「4」の場合には復帰待機中を継続することになる。
次に、ステップ1061では、予め制御ROM552に格納されている駆動情報(シリアルデータ)から、照明駆動第1モータ13aを停止する駆動情報を選択する。この後、上記ステップ1049に進んで、CPU551が上記選択した照明駆動第1モータ13aの駆動情報をRAM553の出力部Aの編集領域に格納してから図11の処理に復帰する。ここでは、編集領域の各ビットに「0」が設定されることになる。
以上説明したように、第1の実施の形態によると、装飾制御装置610のシフトレジスタ611〜613は、タイミング信号となるクロック信号(CLK)の変化に対応して、データ信号となるシリアルデータ入力(DAT)を取り込み、シリアルデータ(DAT)に対応させてモータ、ソレノイドの信号端子に電気信号を印加し、装飾制御装置610は、タイマ割込に対応して、装飾制御装置610へクロック信号(CLK)を伝達するとともに、クロック信号(CLK)の変化に対応してシリアルデータ(DAT)を伝達することで、更新指令を装飾制御装置610へ出力する。そして、VDP割込のタイミングで、更新指令の変更を指示するために演出開始フラグがオンに設定され、あわせてイネーブル信号(EN)を出力する。このため、画像による演出と駆動源の動作(演出装置による演出)とが同調するので、遊技に対する高い興趣を維持することができる。
また、第1の実施の形態の遊技機では、演出制御装置550は、役物駆動モータの動作が異常であると判定された場合は、VDP割込のタイミングを待つことなく、タイマ割込のタイミングに従って、更新指令に役物駆動モータを停止させるデータを設定して、役物駆動モータを停止させる指令信号を装飾制御装置610へ出力する。このため、役物の通常の制御は画像の変化と同期させつつ、異常発生時には迅速に役物を停止することができる。
さらに、第1の実施の形態の遊技機では、装飾制御装置610は、演出制御装置550から出力されたイネーブル信号が出力不可を示す場合には、演出制御装置550から出力される更新指令の内容に拘らず、役物駆動モータへの信号の出力を停止するので、異常発生時には迅速に役物を停止することができる。
<実施形態2>
第2の実施の形態では、第1の実施の形態で用いられていたイネーブル信号(EN)を用いない構成となっており、出力イネーブル(G)の端子は接地されて常時Lレベルの電圧が印加されている。また、タイマ割込処理が前述した第1の実施の形態と異なるが、その他の装置の構成及び処理は前述した第1の実施の形態と同じである。そのため、第2の実施の形態では、第1の実施の形態と異なる部分のみを説明し、第1の実施の形態と同じ部分の説明は省略する。
図13は、本発明の第2の実施の形態の遊技制御装置500による処理の手順を示すフローチャートである。図13に示す処理は、監視タイマ回路562が所定の周期でタイマ割込を発生することによって、演出制御装置550のCPU551が実行する。
CPU551は、位置検出センサの出力値の取り込み(1021)、出力部A〜Fの各編集領域のデータの統合(1022)の後、RAM553に格納された各出力部の状態を参照して、動作番号が「3」又は「4」の出力部があるか否かを判定する(1071)。その結果、少なくとも一つの出力部の動作番号が「3」又は「4」であれば、当該出力部がエラー状態であり、全演出装置の動作を停止するために、ステップ1022で統合されたデータの全ビットを「0」に置換する(1072)。
その後、統合されたデータをシフトレジスタ611〜613へ出力し(1027)、ラッチ信号をシフトレジスタへ出力する(1028)。そして、ステップ1029〜1034では、次回のタイマ割込時に出力する各出力部A〜Fへのシリアルデータを遊技状態に応じてそれぞれ編集し、RAM553の送信用バッファに格納する。
このように第2の実施の形態では、いずれかの演出装置(モータ、ソレノイド等)にエラーが生じている、すなわち、いずれかの出力部がエラー状態である場合、演出制御装置550から出力される更新指令の全ビットのデータを0に設定する。このため、エラー状態では、各演出装置の動作を停止が優先されるように制御することができる。
つまり、複数のシフトレジスタを接続した構成を用いて複数の演出装置を駆動しているので、一部の演出装置にエラーが発生した場合には、全ビットが「0」のデータを全てのシフトレジスタ611〜613に設定して、シフトレジスタ611〜613に接続されている全ての演出装置(エラーが発生していない演出装置も含んでいる)の動作を停止する処理が行われる。
このような構成により、エラー発生時にはビット「1」のデータをシフトレジスタ611〜613に設定せず、ビット「0」のデータのみをシフトレジスタ611〜613に設定するので、演出制御装置550とシフトレジスタ611〜613との間の通信状態が不安定であっても、シフトレジスタ611〜613からの出力を全てオフ状態にすることができる。そのため、第1の実施形態で用いたイネーブル信号(EN)を用いなくても、確実に演出装置の動作を停止させることができる。よって、イネーブル信号を演出制御回路550から装飾制御装置610へ入力する必要がないので、演出制御回路550から装飾制御装置610へ伝送される信号が減り、信号線の数を減らすことができる。
<実施形態3>
第3の実施の形態では、装飾制御装置610の構成が前述した第1の実施の形態と異なるが、その他の装置の構成及び処理は前述した第1の実施の形態と同じである。そのため、第3の実施の形態では、第1の実施の形態と異なる部分のみを説明し、第1の実施の形態と同じ部分の説明は省略する。
図14は、本発明の第3の実施の形態の装飾制御装置610のブロック図である。
装飾制御装置610は、三つのシフトレジスタ611、612、613、役物駆動ソレノイド、モータなどを駆動するためのドライバ614及び監視回路615を備える。また、装飾制御装置610には、ソレノイド、モータなどを駆動する駆動電源、及び、制御信号(DAT、CLK、LAT)が演出制御装置550から入力される。この装飾制御装置610によって、例えば、照明駆動第1モータ13a、照明駆動第2モータ14a、役物駆動第1モータ71及び役物駆動第2モータ81が駆動される。
シフトレジスタ611、612、613は、各々、シリアルデータ入力(SI)、シフトレジスタクロック(SCK)、ラッチクロック(RCK)及び出力イネーブル(G)の入力端子と、8ビットのパラレル出力端子(Q0〜Q7)及びキャリーアウト出力(CY)を備え、例えば、74595等のロジックICを使用することができる。第3の実施の形態では、シリアルデータ入力(SI)、シフトレジスタクロック(SCK)及びラッチクロック(RCK)は演出制御装置550から入力されるが、出力イネーブル(G)は監視回路615から入力される。
監視回路615は、演出制御装置550から入力されるシフトレジスタクロック(SCK)を監視して、所定時間、クロック信号のレベルが変化しなかったら、クロック信号が途絶えたと判定し、Hレベルの信号を出力する。この監視回路615からの出力信号は、シフトレジスタ611〜613の出力イネーブル(G)端子に入力される。
シフトレジスタ611〜613は、出力イネーブル(G)端子にHレベルの信号が入力されると、パラレル出力端子(Q0〜Q7)の出力が不定となり、プルダウン抵抗Rによって、Lレベルの信号がドライバ614に入力される。
このように第3の実施の形態では、演出制御装置550から入力されるクロック信号が途絶えた場合にイネーブル信号を変化させることによって、演出装置(モータ、ソレノイド等)に対する制御を停止することができる。また、イネーブル信号を演出制御回路550から装飾制御装置610へ入力する必要がないので、演出制御回路550から装飾制御装置610へ伝送される信号が減り、信号線の数を減らすことができる。
<実施形態4>
第4の実施の形態では、装飾制御装置610の構成が前述した第1の実施の形態と異なるが、その他の装置の構成及び処理は前述した第1の実施の形態と同じである。そのため、第4の実施の形態では、第1の実施の形態と異なる部分のみを説明し、第1の実施の形態と同じ部分の説明は省略する。
図15は、本発明の第4の実施の形態の装飾制御装置610のブロック図である。
装飾制御装置610は、三つのシフトレジスタ611、612、613、役物駆動ソレノイド、モータなどを駆動するためのドライバ614及び監視回路616を備える。また、装飾制御装置610には、ソレノイド、モータなどを駆動する駆動電源、及び、制御信号(DAT、CLK、LAT)が演出制御装置550から入力される。この装飾制御装置610によって、例えば、照明駆動第1モータ13a、照明駆動第2モータ14a、役物駆動第1モータ71及び役物駆動第2モータ81が駆動される。
シフトレジスタ611、612、613は、各々、シリアルデータ入力(SI)、シフトレジスタクロック(SCK)、ラッチクロック(RCK)及び出力イネーブル(G)の入力端子と、8ビットのパラレル出力端子(Q0〜Q7)及びキャリーアウト出力(CY)を備え、例えば、74595等のロジックICを使用することができる。第4の実施の形態では、シリアルデータ入力(SI)、シフトレジスタクロック(SCK)及びラッチクロック(RCK)は演出制御装置550から入力されるが、出力イネーブル(G)の端子は接地されているのでLレベルのままであり、シフトレジスタ611〜613は、内部ストレージレジスタのデータをパラレル出力端子(Q0〜Q7)に常に出力している。
監視回路616は、リレー又はスイッチングトランジスタで構成されており、ドライバ614に供給される駆動電源のオン・オフを切り替える。すなわち、監視回路616は、第1シフトレジスタ611からの出力信号Q0を受信して、出力信号Q0が所定の値(例えば、Hレベル)である場合には、ドライバ614に電源を供給し、所定の値ではなくなった場合に、ドライバ614に供給される駆動電源を遮断する。これによって、演出装置(モータ、ソレノイド等)に対する制御を停止することができる。
なお、監視回路616は、1ビットの出力信号Q0を用いて電源遮断信号を生成したが、複数ビットの出力信号(例えば、3ビットのQ0〜Q2)を用いて、出力信号Q0〜Q2が所定の値(例えば、H、L、H)である場合には、ドライバ614に電源を供給し、所定の値ではなくなった場合に、ドライバ614に供給される駆動電源を遮断してもよい。
このように第4の実施の形態では、演出制御装置550から入力される制御データ(DAT)が所定の値ではなくなった場合に、ドライバ614に供給される駆動電源を停止するので、演出装置(モータ、ソレノイド等)を正確に停止することができる。また、イネーブル信号を演出制御回路550から装飾制御装置610へ入力する必要がないので、演出制御回路550から装飾制御装置610へ伝送される信号が減り、信号線の数を減らすことができる。
なお、監視回路616によって駆動電源を遮断する構成ではなく、第3の実施形態のように、監視回路616からの出力をシフトレジスタ611〜613の出力イネーブル(G)端子に入力して、シフトレジスタ611〜613からの出力をオフにするような構成であってもよい。逆に、第3の実施形態における監視回路615を用いて、第4の実施形態のように駆動電源を遮断する構成であってもよい。即ち、第3の実施形態と第4の実施形態とを組み合わせた構成であってもよい。
なお、今回開示した実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではない。また、本発明の範囲は前述した発明の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。