以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態の遊技機1の説明図である。
遊技機1の前面枠(遊技枠)3は、本体枠(外枠)2にヒンジ4を介して、遊技機1の前面に開閉回動可能に組み付けられる。前面枠3の表側には、遊技盤10(図2参照)が収装される。また、前面枠3には、遊技盤10の前面を覆うカバーガラス(透明部材)を備えたガラス枠18が取り付けられている。
ガラス枠18のカバーガラスの周囲には、装飾光が発光される装飾部材9a、9bが備えられている。装飾部材9a、9bの内部にはランプやLED等からなる装飾装置が備えられている。装飾装置を所定の発光態様によって発光させることによって、装飾部材9a、9bが所定の発光態様によって発光する。
ガラス枠18の左右には、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ30が備えられている。また、ガラス枠18の上方には照明ユニット11が備えられている。
照明ユニット11には、第1可動式照明13及び第2可動式照明14が左右に配置されている。第1可動式照明13及び第2可動式照明14には、LEDなどの照明部材の他に、照明駆動第1モータ(MOT)13a及び照明駆動第2モータ(MOT)14aが備えられており、演出内容に応じて動作するように制御される。
左側部に配設される第1可動式照明13の右上方には、遊技機1における異常を報知するための異常報知LED29が設けられている。遊技機1において異常が発生した場合には、異常報知LED29が点灯又は点滅するとともに、スピーカ30から異常を報知するための報知音が出力される。
前面枠3の下部の開閉パネル20には図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿が、固定パネル22には下皿23及び打球発射装置の操作部24等が備えられる。下皿23には、下皿23に貯まった遊技球を排出するための下皿球抜き機構16が備えられる。前面枠3下部右側には、ガラス枠18を施錠するための鍵25が備えられている。
また、遊技者が操作部24を回動操作することによって、打球発射装置は、上皿21から供給される遊技球を発射する。
また、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための演出ボタン17が備えられている。遊技者が演出ボタン17を操作することによって、遊技盤10に設けられた表示装置53(図2参照)における特図変動表示ゲームの演出内容を選択して、表示装置53における特図変動表示ゲームに、遊技者の操作を介入させた演出を行うことができる。
発射された遊技球が遊技盤10に備わる始動口36(図2参照)に入賞した場合に、特図変動表示ゲームが開始する。特図変動表示ゲームでは、表示装置53において複数の識別情報が変動表示する。そして、変動表示していた識別情報が停止し、停止した識別情報の結果態様が特定の結果態様である場合に、遊技機1の状態が遊技者に有利な状態(特典が付与される状態)である特別遊技状態に遷移する。
上皿21の右上部には、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する球貸ボタン26、及び、図示しないカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作される排出ボタン27が設けられている。さらに、これらの球貸ボタン26と排出ボタン27との間には、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部28が設けられる。
図2は、本発明の実施の形態の遊技盤10の正面図である。
図1に示す遊技機1は、内部の遊技領域10a内に遊技球を発射して(弾球して)遊技を行うもので、ガラス枠18のカバーガラスの奥側には、遊技領域10aを構成する遊技盤10が設置されている。
遊技盤10は、各種部材の取付ベースとなる平板状の遊技盤本体10b(木製又は合成樹脂製)を備え、該遊技盤本体10bの前面にガイドレール32で囲まれた遊技領域10aを有している。また、遊技盤本体10bの前面であってガイドレール32の外側には、前面構成部材33が取り付けられている。そして、このガイドレール32で囲まれた遊技領域10a内に発射装置から遊技球(打球;遊技媒体)を発射して遊技を行う。
遊技領域10aの略中央には、特図変動表示ゲームの表示領域となる窓部52を形成するセンターケース51が取り付けられている。センターケース51に形成された窓部52の後方には、複数の識別情報を変動表示する特図変動表示ゲームの演出を実行可能な演出表示装置としての表示装置53が配される。表示装置53は、例えば、液晶ディスプレイを備え、表示内容が変化可能な表示部53aがセンターケース51の窓部52を介して遊技盤10の前面側から視認可能となるように配されている。なお、表示装置53は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、EL、CRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
また、センターケース51の上部には、大当たりの可能性(信頼度)を報知する信頼度報知装置15が備えられる。信頼度報知装置15には、複数色のLED(例えば、赤、青、緑の3色のLED)が備えられており、信頼度に応じた色及び態様で発光するように制御される。
さらに、センターケース51の左部には、遊技球が流下可能な球導入路(ワープ流路)50が設けられ、遊技領域10aに向けて入口50aが開放した状態で開設されている。球導入路50は、センターケース51の内部に連通しており、入口50aから流入した遊技球は、センターケース51の裏側を通過して、ユニット側ステージ部49b上に排出される。さらに、ユニット側ステージ部49b上で転動した遊技球が当該ユニット側ステージ部49bの下方に配置されたベース側ステージ部49a上に流下できるように構成されている。
センターケース51の周縁部には、複数の装飾具47(47a、47b)が配置される。センターケース51の左下部には、装飾ランプ48が配置される、センターケース51の上部には、複数の装飾ピース46を上下動可能な状態で配置される。装飾具47、装飾ランプ48及び装飾ピース46は、後述する演出制御装置550からの命令に従って演出動作を行う。なお、正規版の遊技機では、装飾具47はモータによって可動可能に構成されているが、廉価版の遊技機では、装飾具47は固定されている。センターケース51の構成については、図3を参照しながらさらに詳細に説明する。
また、遊技領域10aのうちセンターケース51の下方には、遊技球を受入可能(入賞可能)な特図変動表示ゲームを始動させるための始動口36が配置される。さらに、センターケース51の側方(左側方)には、普図変動表示ゲームを始動させるための普図始動ゲート34が配置される。
さらに、遊技領域10aには、センターケース51の左下方及び右下方に、発光によって各種装飾表示を行うサイドランプ45が配置される。また、サイドランプ45には、一般入賞口44が備えられている。
さらに、始動口36の下方には大入賞口42が配置され、該大入賞口42の下方であって遊技領域10aの下縁部には、入賞せずに流下した遊技球を回収するアウト口43が開設される。大入賞口42は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉42aを備える。特図変動表示ゲームの結果によって開閉扉42aを閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。
また、センターケース51、始動口36やサイドランプ45等の取付部分を除いた遊技領域10a内には、この他、遊技領域10aには、打球方向変換部材としての風車(図示略)、及び多数の障害釘(図示略)などが配設されている。そして、センターケース51と、該センターケース51を挟んで普図始動ゲート34とは反対側に位置する前面構成部材33との間に縦長な円弧状の遊技球通路57が形成されている。
さらに、遊技盤10には、特図変動表示ゲーム及び普図変動表示ゲームを実行する普図・特図表示器35が備えられている。普図・特図表示器35には、特図変動表示ゲームの未処理回数(特図始動記憶数)及び普図変動表示ゲームの未処理回数(普図始動記憶数)が表示される。普図・特図表示器35は、遊技状態を表す遊技状態表示LED(図示略)と併せて、セグメントLEDとして設けられている。
普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するためのゲートSW34a(図6参照)が設けられている。そして、遊技領域10a内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、普図変動表示ゲームが開始される。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態で、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数が上限数未満であるならば、普図始動記憶数が1加算されて、当該普図変動表示ゲームが当りとなるか否かを示す乱数が普図始動記憶として一つ記憶される。
普図変動表示ゲームが開始できない状態とは、例えば、普図変動表示ゲームが既に行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームに当選して始動口36が開状態に変換されている状態をいう。
なお、普図変動表示ゲームは、表示装置53の表示領域の一部で普図変動表示ゲームを表示するようにしてもよく、この場合は識別図柄として、例えば、数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、この識別図柄を所定時間変動表示させた後、停止表示させることによって行うようにする。
普図変動表示ゲームの停止表示が特別の結果態様となった場合には、普図変動表示ゲームに当選したものとして、始動口36の開閉部材36aが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される。これにより、始動口36に遊技球が入賞しやすくなり、特図変動表示ゲームの始動が容易となる。始動口36の開閉部材36aは、通常時は遊技球の直径程度の間隔をおいて閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)を保持しているが、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合(普図変動表示ゲームに当選した場合)には、ソレノイド(普電SOL36b、図6参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて始動口36に遊技球が流入し易い状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられる。
また、本実施の形態の遊技機1は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づいて、遊技状態として、表示装置53における特図変動表示ゲームの変動表示時間を短縮する時短動作状態(第2動作状態)を発生可能となっている。時短動作状態(第2動作状態)は、通常動作状態(第1動作状態)と比較して始動口36の開閉部材36aが開放状態となりやすい状態である。
時短動作状態においては、普図変動表示ゲームの実行時間が通常動作状態における実行時間よりも短くなるように制御され(例えば、10秒が1秒)、単位時間当りの始動口36の開放回数が実質的に多くなるように制御される。また、時短動作状態においては、普図変動表示ゲームに当選したことによって始動口36が開放される場合に、開放時間が通常動作状態の開放時間よりも長くなるように制御される(例えば、0.3秒が1.8秒)。また、時短動作状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当選結果に対して、始動口36が1回ではなく、複数回(例えば、2回)開放される。さらに、時短動作状態においては普図変動表示ゲームの当選結果となる確率が通常動作状態よりも高くなるように制御される。すなわち、通常動作状態よりも始動口36の開放回数が増加し、始動口36に遊技球が入賞しやすくなり、特図変動表示ゲームの始動が容易となる。
また、始動口36の内部には、始動口36を通過した遊技球を検出するための、始動口SW36d(図6参照)が備えられる。始動口SW36dによって遊技球を検出すると、補助遊技としての特図変動表示ゲームを開始する始動権利が発生する。このとき、特図変動表示ゲームを開始する始動権利は、所定の上限数(例えば、4)の範囲内で特図始動記憶として記憶される。
特図変動表示ゲームを直ちに開始できない状態、例えば、既に特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、始動口36に遊技球が入賞すると、特図始動記憶数が上限数未満(例えば、4個未満)ならば、特図始動記憶数が1加算され、始動口36に遊技球が入賞したタイミングで抽出された乱数が特図始動記憶として一つ記憶される。そして、特図変動表示ゲームが開始可能な状態となると、特図始動記憶に基づき特図変動表示ゲームが開始される。
補助遊技としての特図変動表示ゲームは、遊技盤10に設けられた普図・特図表示器35で実行され、複数の識別情報を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置53にて特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)が変動表示される。そして、特図変動表示ゲームの結果として、普図・特図表示器35の表示態様が特別結果態様となった場合には、大当たりとなって特別遊技状態(いわゆる、大当たり状態)となる。また、これに対応して表示装置53の表示態様も特別結果態様(例えば、「7、7、7」等のゾロ目数字の何れか)となる。なお、普図・特図表示器35ではなく、表示装置53のみで特図変動表示ゲームを実行するように構成してもよい。
また、本実施の形態の遊技機1は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、遊技状態として確変状態(第2確率状態)を発生可能となっている。この確変状態(第2確率状態)は、特図変動表示ゲームでの当り結果となる確率が、通常確率状態(第1確率状態)に比べて高い状態である。なお、確変状態と上述した時短動作状態はそれぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させることも可能である。
図3は、本発明の実施の形態のセンターケース51の分解斜視図である。
センターケース51は、遊技盤本体10b(遊技盤10)の表面側に前面構成部として配置される枠装飾部65と、遊技盤本体10bの裏面側に裏面構成部として配置される枠体基部60とを前後に重合して構成されている。枠装飾部65は、遊技盤本体10bの表面に止着される環状の装飾ベース66を備える。装飾ベース66の裏面側には、装飾ベース66と略同じ大きさで円形状に形成された装飾パネルユニット67を備え、枠装飾部65は、装飾ベース66と装飾パネルユニット67とを前後に重合して構成されている。
装飾ベース66の下部には、上面に遊技球を前後方向及び左右方向に転動可能なベース側ステージ部49aが配置され、該ベース側ステージ部49aと遊技球通路57との間には装飾ランプ48が配置されている(図2参照)。そして、ベース側ステージ部49aを挟んで装飾ランプ48とは反対側には、遊技球が流下可能な球導入路(ワープ流路)50が設けられ、球導入路50の入口50aを装飾ベース66の外方へ向けて開放した状態で開設し、球導入路50の出口50bを後述する装飾パネルユニット67の裏側へ連通している。
装飾パネルユニット67は、略円形状の透明樹脂板で形成されたカバーパネル部69を備え、該カバーパネル部69の前面側の周縁に複数の装飾具47を配置している。装飾ベース66と装飾パネルユニット67とを重合すると、装飾具47が装飾ベース66の内周縁に沿って配置されるように設定されている(図2参照)。また、カバーパネル部69の上部には、信頼度報知装置15が配置されている。
また、カバーパネル部69の裏面側の下部には、上面に遊技球を前後方向及び左右方向に転動可能なユニット側ステージ部49bが配置される。ユニット側ステージ部49bは、装飾ベース66のベース側ステージ部49aよりも上方に配置される。
さらに、カバーパネル部69のうち球導入路50の出口50bに重合する箇所には球流入口68を開設し、該球流入口68を介して球導入路50とユニット側ステージ部49bとを連通している。したがって、遊技領域10aを流下する遊技球が球導入路50に流入すると、球導入路50がこの遊技球をユニット側ステージ部49b上に導入できるように構成されている。
枠体基部60は、遊技盤10の裏面側に止着される額縁状の基部ケース61を前側が開放した状態で備え、該基部ケース61の内側(言い換えるとセンターケース51の内部)に、開口部62aが前面側に設けられた凹室62を形成している。
また、基部ケース61のうち凹室62の後方には矩形状の窓部52を前後方向へ貫通して開設し、基部ケース61の後方から表示装置53を装着して、表示装置53の表示部53aを窓部52及び凹室62を通してセンターケース51の前方へ臨ませている。
さらに、窓部52の上縁部の前側には、役物駆動ソレノイド(図示せず)によって上下動可能な複数の装飾ピース46が配置され、窓部52の左右両側の周縁には、表示部53aの前方へ移動して演出動作を行う合体演出装置58が備えられる。
そして、枠体基部60の前方に枠装飾部65を重合すると、凹室62の開口部62a及び窓部52をカバーパネル部69で前方から被覆し、表示装置53の表示部53aを枠装飾部65の内側(カバーパネル部69が露出した箇所)からセンターケース51の前方へ臨ませるように構成されている。
図4及び図5は、本発明の実施の形態の合体演出装置58の構成を説明する図である。
合体演出装置58は、第1演出ユニット63と第2演出ユニット64とを互いに離間した位置に備えて構成され、第1演出ユニット63及び第2演出ユニット64が連動して演出動作が実行される。
図4は、合体演出装置58が動作する前の状態を示す図であり、図5は、合体演出装置58が動作し、第1演出ユニット63及び第2演出ユニット64が動作した結果、当接部(第1当接部121及び第2当接部122)にて当接している状態を示す図である。
第1演出ユニット63は、センターケース51の左側、すなわち、基部ケース61の窓部52の周縁の左側に配置される。また、第2演出ユニット64は、センターケース51の右側に配置される。センターケース51の前方から見て第1演出ユニット63と第2演出ユニット64との間に凹室62及び窓部52を臨ませるように配置される。
第1演出ユニット63は、表示部53aの前方へ移動可能な第1演出部材70と、該第1演出部材70の駆動力を発生する第1演出駆動源としての役物駆動第1モータ(MOT)71と、役物駆動第1モータ71から発生した駆動力(回動力)を第1演出部材70へ伝達する第1演出伝達機構(第1主腕部材73及び第1副腕部材74)とを備える。
また、役物駆動第1モータ71の出力軸(第1出力軸)71aがセンターケース51の前後方向に延在し、第1出力軸71aには第1駆動ギア76を共回り可能に軸着している。
第1主腕部材73は、第1駆動ギア76と噛合される第1主腕ギア77が形成され、当該第1駆動ギア76の上方に軸着される。第1副腕部材74は、第1駆動ギア76と噛合される第1副腕ギア78が形成され、当該第1駆動ギア76の下方に軸着される。第1主腕部材73及び第1副腕部材74は、基部ケース61と軸着された端部の反対側の端部が互いに異なる位置で第1演出部材70に軸着し、第1演出部材70を支持している。
第1演出ユニット63は、役物駆動第1モータ71を駆動して第1駆動ギア76をセンターケース51の正面から見て時計方向へ回動すると、役物駆動第1モータ71の駆動力(回動力)を第1駆動ギア76及び第1主腕ギア77を介して第1主腕部材73へ伝達し、この駆動力により第1主腕部材73がセンターケース51の正面から見て反時計方向へ回動する。また、役物駆動第1モータ71の駆動力を第1駆動ギア76及び第1副腕ギア78を介して第1副腕部材74へ伝達し、この駆動力により第1副腕部材74が第1主腕部材73と同じ反時計方向へ回動する。この結果、第1演出部材70が第1主腕部材73及び第1副腕部材74に支持された状態で上昇する。
そして、役物駆動第1モータ71の駆動力により第1主腕部材73及び第1副腕部材74を上方へ延出して縦向き姿勢に設定すると、図4に示すように、第1演出部材70を表示部53aの前方から外れて位置させた第1演出停止状態となり、第1演出部材70が窓部52の側方に位置して、枠装飾部65の後方及び遊技盤本体10bの後方に隠れる(図2参照)。
一方、第1演出停止状態から役物駆動第1モータ71を駆動して第1駆動ギア76をセンターケース51の正面から見て反時計方向へ回動すると、役物駆動第1モータ71の駆動力(回動力)を第1駆動ギア76及び第1主腕ギア77を介して第1主腕部材73へ伝達し、この駆動力により第1主腕部材73がセンターケース51の正面から見て時計方向へ回動する。
また、役物駆動第1モータ71の駆動力を第1駆動ギア76及び第1副腕ギア78を介して第1副腕部材74へ伝達し、この駆動力により第1副腕部材74が第1主腕部材73と同じ時計方向へ回動する。この結果、第1演出部材70が第1主腕部材73及び第1副腕部材74に支持された状態で下降する。
そして、役物駆動第1モータ71の駆動力により第1主腕部材73及び第1副腕部材74を表示部53aの前方へ延出して横向き姿勢に設定すると、図5に示すように、第1演出部材70を表示部53aの前方へ位置させた第1演出実行状態となり、第1演出部材70が表示部53aとカバーパネル部69との間の空間部のうち表示部53aの中央部分の前方に位置する。
第2演出ユニット64は、表示部53aの前方へ移動可能な第2演出部材80と、該第2演出部材80の駆動力を発生する第2演出駆動源としての役物駆動第2モータ(MOT)81と、役物駆動第2モータ81から発生した駆動力(回動力)を第2演出部材80へ伝達する第2演出伝達機構(第2主腕部材83及び第2副腕部材84)とを備える。
また、役物駆動第2モータ81を出力軸(第2出力軸)81aがセンターケース51の前後方向に延在し、第2出力軸81aには第2駆動ギア86を共回り可能に軸着している。
第2主腕部材83は、第2駆動ギア86と噛合される第2主腕ギア87が形成され、当該第2駆動ギア86よりも第1演出ユニット63寄りの位置に軸着される。第2副腕部材84は、第2駆動ギア86と噛合される第2副腕ギア88が形成され、当該第2駆動ギア86の下方に軸着される。第2主腕部材83及び第2副腕部材84は、基部ケース61と軸着された端部の反対側の端部が互いに異なる位置で第2演出部材80に軸着し、第2演出部材80を支持している。
第2演出ユニット64は、役物駆動第2モータ81を駆動して第2駆動ギア86をセンターケース51の正面から見て時計方向へ回動すると、役物駆動第2モータ81の駆動力(回動力)を第2駆動ギア86及び第2主腕ギア87を介して第2主腕部材83へ伝達し、この駆動力により第2主腕部材83がセンターケース51の正面から見て反時計方向へ回動する。また、役物駆動第2モータ81の駆動力を第2駆動ギア86及び第2副腕ギア88を介して第2副腕部材84へ伝達し、この駆動力により第2副腕部材84が第2主腕部材83と同じ反時計方向へ回動する。この結果、第2演出部材80が第2主腕部材83及び第2副腕部材84に支持された状態で下降する。
そして、役物駆動第2モータ81の駆動力により第2主腕部材83及び第2副腕部材84を回動して第2演出部材80を下死点へ到達させ、引き続き第2主腕部材83及び第2副腕部材84を回動して斜め下方へ延出して縦向き姿勢に設定し、第2演出部材80を下死点から僅かに上昇させると、図4に示すように、第2演出部材80を表示部53aの前方から外れて位置させた第2演出停止状態となり、第2演出部材80が枠装飾部65の後方及び遊技盤本体10bの後方に隠れる(図2参照)。
一方、第2演出停止状態から役物駆動第2モータ81を駆動して第2駆動ギア86をセンターケース51の正面から見て反時計方向へ回動すると、役物駆動第2モータ81の駆動力(回動力)を第2駆動ギア86及び第2主腕ギア87を介して第2主腕部材83へ伝達し、この駆動力により第2主腕部材83がセンターケース51の正面から見て時計方向へ回動する。
また、役物駆動第2モータ81の駆動力を第2駆動ギア86及び第2副腕ギア88を介して第2副腕部材84へ伝達し、この駆動力により第2副腕部材84が第2主腕部材83と同じ時計方向へ回動する。この結果、第2演出部材80が第2主腕部材83及び第2副腕部材84に支持された状態で上昇する。
そして、役物駆動第2モータ81の駆動力により第2主腕部材83及び第2副腕部材84を表示部53aの前方へ延出して横向き姿勢に設定すると、図5に示すように、第2演出部材80を表示部53aの前方へ位置させた第2演出実行状態となり、第2演出部材80が表示部53aとカバーパネル部69との間の空間部のうち表示部53aの中央部分の前方に位置する。
図6は、本発明の実施の形態の遊技機1の構成を示すブロック図である。
遊技機1は、遊技を統括的に制御する遊技制御装置500、各種演出を行うために表示装置53及びスピーカ30等を制御する演出制御装置550、及び、遊技球を払い出すために払出モータ(図示省略)を制御する払出制御装置580を備える。
まず、遊技制御装置500の構成について説明する。なお、演出制御装置550については、図7にて説明する。
遊技制御装置500は、遊技用マイコン501、入力I/F(Interface)505、出力I/F(Interface)506、及び外部通信端子507を備える。
遊技用マイコン501は、CPU502、ROM(Read Only Memory)503及びRAM(Random Access Memory)504を備える。
CPU502は、遊技を統括的に制御する主制御装置であって、遊技制御を司る。ROM503は、遊技制御のための不変の情報(プログラム、データ等)を記憶している。RAM504は、遊技制御時にワークエリアとして利用される。
外部通信端子507は、遊技制御装置500の設定情報等を検査する検査装置等の外部機器に遊技制御装置500を接続する。
CPU502は、入力I/F505を介して各種入力装置(始動口SW36d、一般入賞口SW44a〜44n、ゲートSW34a、カウントSW42d、ガラス枠開放SW18a、前面枠開放SW3a、球切れSW54、振動センサ55、及び磁気センサ56)からの検出信号を受けて、大当り抽選等、種々の処理を行う。
始動口SW36dは、始動口36に遊技球が入賞したことを検出するスイッチである。一般入賞口SW44a〜44nは、一般入賞口44に遊技球が入賞したことを検出するスイッチである。
ゲートSW34aは、普図始動ゲート34を遊技球が通過したことを検出するスイッチである。カウントSW42dは、大入賞口42に遊技球が入賞したことを検出するスイッチである。
ガラス枠開放SW18aは、ガラス枠18が開放されたことを検出するスイッチである。前面枠開放SW3aは、前面枠3が開放されたことを検出するスイッチである。
球切れSW54は、遊技機1の内の上タンクに貯留され、払い出しに用いられる遊技球の数が所定数以下になったことを検出するスイッチである。
振動センサ55は、遊技機1に与えられた振動を検出するセンサであり、遊技機1を振動させるなどの不正行為を検出する。磁気センサ56は、始動口36の第2始動入賞口、一般入賞口44、大入賞口42、及び普図始動ゲート34付近に設けられ、磁力を検出するセンサである。すなわち、磁気センサ56は、磁力を検出することによって、各入賞口付近に磁石を近づけて、遊技領域10aに発射された遊技球を各入賞口に導く不正を検出する。
また、CPU502は、出力I/F506を介して、普図・特図表示器35、普電SOL36b、大入賞口SOL42b、払出制御装置580、及び演出制御装置550に指令信号を送信して、遊技を統括的に制御する。
普図・特図表示器35には、前述のように、特図変動表示ゲーム及び普図変動表示ゲームが実行される。さらに、特図変動表示ゲームの未処理回数(特図始動記憶数)及び普図変動表示ゲームの未処理回数(普図始動記憶数)が表示される。普図変動表示ゲームが当りとなるか否かを示す乱数を含む普図始動記憶、及び特図変動表示ゲームが当りとなるか否かを示す乱数を含む特図始動記憶が記憶されている。
普電SOL36bは、普図変動表示ゲームの停止表示が特別の結果態様となった場合に、開閉部材36aを開放することによって、始動口36に遊技球が入賞しやすい状態にする。
大入賞口SOL42bは、特図変動表示ゲームの結果が特別の結果態様となって、特別遊技状態(大当たり状態)となった場合に、大入賞口42の開閉扉42aを開放して、遊技球が入賞しやすい状態に変換する。
遊技制御装置500は、外部情報端子508から図示しない情報収集端末装置を介して、遊技機データを図示しない遊技場管理装置に出力する。遊技場管理装置は、遊技場に設置された遊技機1の遊技データを収集管理する計算機である。
払出制御装置580は、遊技球が一般入賞口44又は大入賞口42に入賞した場合に、入賞した入賞口に対応する数の遊技球の払出指令を遊技制御装置500から受信する。また、球貸ボタン26が操作された場合にも所定数の遊技球の払い出しを行う払出指令を遊技制御装置500から受信する。払出制御装置580は、受信した払出指令に基づいて、図示しない払出モータを制御し、払出指令に指定された数の遊技球を払い出す。
遊技制御装置500は、変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、遊技の状況を示す遊技データとして、出力I/F506を介して、演出制御装置550へ送信する。
図7は、本発明の実施の形態の演出制御装置550の構成を示すブロック図である。
演出制御装置550は、遊技制御装置500から入力される遊技データに基づいて、演出内容を決定し、表示装置53を制御するとともに、遊技盤10及び前面枠3に備えられた各種演出装置を制御する。演出装置には、LEDなどの発光装置や、モータ又はソレノイドなどの可動物が含まれる。
演出制御装置550は、CPU551、制御ROM552、RAM553、画像ROM554、音ROM555、VDP556、音LSI557、入力I/F558b、出力I/F558a及び監視タイマ回路562を備える。さらに、演出制御装置550は、信号変換基板600への接続端子571と、モータ位置検出センサ90及び演出ボタン17に接続される入力信号接続端子572、及びスピーカ30に接続されるスピーカ接続端子573を備える。
CPU551は、遊技制御装置500から送信された指令信号が通信割込としての割込信号(INT)として入力され、入力された指令信号に基づいて、各種演出を制御する。また、CPU551には、VDP556からも画像更新割込としての割込信号(INT)が入力される。
さらに、CPU551は、監視タイマ回路562からもタイムアウト割込としての割込信号(INT)が入力される。監視タイマ回路562は、複数種類の監視タイマが内蔵されており、CPU551によって設定された監視タイマ値がタイムアップすると、CPU551に割込信号を出力する。CPU551は、割込信号の入力を受け付けると、実行中の処理を中断し、入力された割込信号に対応する処理を実行する。
制御ROM552には、演出制御のための不変の情報(プログラム、データ等)が格納されている。RAM553は、演出制御時にワークエリアとして利用される。
画像ROM554は、VDP556に接続され、表示装置53に表示される画像データを格納する。VDP556は、表示装置53への画像出力を制御するプロセッサである。
また、VDP556は、表示装置53に表示される画像を更新する周期(16.6ミリ秒周期)と同期する同期信号を発生させる同期信号発生手段を備える。同期信号発生手段は、同期信号を発生させるごとに、発生させた同期信号をCPU551に割込信号として入力する。
音ROM555は、音LSI557に接続され、前面枠3に備えられたスピーカ30から出力される効果音の音データを格納する。音LSI557は、スピーカ30からの効果音を出力するための回路を備える。スピーカ接続端子573は、音LSIで生成された音声信号をスピーカ30に入力する。
入力I/F558bは、入力信号接続端子572から入力された情報をフィルタ565bを介して受け付けるインタフェースである。具体的には、前面枠3に備えられた演出ボタン17が操作されたことを示す信号の入力を受け付けたり、遊技盤10に備えられたモータ位置検出センサ90によって検出された各モータの位置情報などの入力を受け付けたりする。
出力I/F558aは、信号変換基板600への接続端子571から信号変換基板600を介して、可動制御基板620及び発光制御基板640に制御信号(DAT、CLK、LAT、EN)を出力し、遊技盤10や前面枠3に備わる演出装置(LEDなどの発光体による発光演出装置、モータ又はソレノイドなどの駆動体による可動演出装置)を動作させる。
信号変換基板600は、接続端子571から出力される制御信号を可動制御基板620及び発光制御基板640に中継する。接続端子571からは、発光体に対する制御信号及び駆動体(モータ、ソレノイド)に対する制御信号が出力される。
図8は、本発明の実施の形態の演出制御装置550、信号変換基板600、可動制御基板620及び発光制御基板640の接続状態を説明する図である。
図7に示したように、演出制御装置550には、信号変換基板600が接続され、信号変換基板600には、モータやソレノイドなどの駆動体を制御する可動制御基板620及びLEDなどの発光体を制御する発光制御基板640に接続される。
具体的には、本発明の実施の形態では、信号変換基板600には、可動制御基板620R、及び、発光制御基板640A〜640Dが接続されている。また、可動制御基板620Rには、可動制御基板620Sが接続され、さらに、可動制御基板620Sには、可動制御基板620Xが接続される。
可動制御基板620Rは、前面枠3に備えられた第1可動式照明13及び第2可動式照明14を動作させるための照明駆動第1モータ13a及び照明駆動第2モータ14aを制御する。可動制御基板620Sは、センターケース51内に設置された合体演出装置58を動作させるための役物駆動第1モータ71及び役物駆動第2モータ81を制御する。
可動制御基板620Xは、遊技盤10に備えられた装飾具47を動作させるための駆動源としてのステッピングモータ(図示略)を制御する。前述のように、装飾具47は、正規版の遊技機では演出内容に応じて回転等の動作を行うが、廉価版の遊技機では動作せずに固定されている。したがって、廉価版の遊技機では、装飾具47を動作させるための駆動源は備えられておらず、また、可動制御基板620Xを備える必要もない。
演出制御装置550は、遊技制御装置500から入力された遊技データに基づいて、駆動体や発光体の出力態様を決定する。そして、演出制御装置550は、決定された出力態様となるように、演出制御データ(演出制御情報)を信号変換基板600に出力する。
演出制御装置550は、接続線Vcc、接続線Vmot、接続線DAT、接続線CLK、接続線LAT、接続線EN、及び接続線GNDによって信号変換基板600と接続される。演出制御装置550は、各接続線を介して下流側に配置されている可動制御基板620及び発光制御基板640に各種信号を送受信する。
接続線Vccは、信号変換基板600及び各制御基板(620、640)にロジック用の電源を供給するための接続線である。接続線Vmotは、LEDを発光させたり、モータやソレノイドなどの可動役物を稼動させたりするための電源を供給するための接続線である。
接続線DATは、演出制御データをシリアルデータとして送信するための接続線であり、データ線として機能する。接続線CLKは、接続線DATでのデータ通信に用いられるクロック信号を入出力するための接続線であり、タイミング信号線として機能する。接続線GNDは、接続線Vcc及び接続線Vmotで供給される電源のグランドである。
図10にて後述するように、信号変換基板600には、シフトレジスタ601が備えられており、演出制御装置550が各接続線を介してデータを送信すると、クロック信号の変化にともなって、シフトレジスタ601にシリアルデータが1ビット毎格納される。さらに、シフトレジスタ601は、クロック信号の変化にともなって取り込まれるシリアルデータがオーバーフローすると、このオーバーフローしたデータを、シリアルデータとして可動制御基板620Rへ出力する。そして、接続線LATを介してラッチ信号を受信すると、シフトレジスタ601に格納されたデータを、各発光制御基板640A〜640Dに出力する。
図9は、本発明の実施の形態の可動制御基板620のブロック図である。
可動制御基板620は、シフトレジスタ621及びモータなどの駆動体を駆動するためのドライバ624を備える。また、可動制御基板620には、ソレノイド、モータなどを駆動する駆動電源、及び、制御信号(DAT、CLK、LAT、EN)が信号変換基板600を介して演出制御装置550から入力される。この可動制御基板620によって、例えば、照明駆動第1モータ13a、照明駆動第2モータ14a、役物駆動第1モータ71及び役物駆動第2モータ81が駆動される。なお、可動制御基板620の下流に制御基板が接続されない場合には、下流の制御基板に接続するための端子は不要である。例えば、可動制御基板620Xには下流の制御基板に接続するための端子はなくてもよい。
シフトレジスタ621は、シリアルデータ入力(SI)、シフトレジスタクロック(SCK)、ラッチクロック(RCK)及び出力イネーブル(G)の入力端子と、8ビットのパラレル出力端子(Q0〜Q7)及びキャリーアウト出力(CY)を備え、例えば、74595等のロジックICを使用することができる。シフトレジスタ621の内部には、8ビットの内部シフトレジスタと、8ビットのストレージレジスタとが備えられており、常時8ビットのデータが保持記憶されている状態となっている。
データ信号入力端子となるシリアルデータ入力(SI)は、シフトレジスタにラッチされるデータがシリアルに入力される。タイミング信号入力端子となるシフトレジスタクロック(SCK)は、LからHに変化するときに内部シフトレジスタの最上位ビットの内容をCYに出力するとともに、内部シフトレジスタの各ビットの内容を上位ビット側へシフトし、空きが発生する内部シフトレジスタの最下位ビットにSIの内容を追加する。ラッチクロック(RCK)は、内部シフトレジスタの各ビットのデータを内部ストレージレジスタの対応する各ビットに転送する。
出力イネーブル(G)は、入力信号がLのとき、内部ストレージレジスタのデータを並列信号出力端子となるパラレル出力端子(Q0〜Q7)にパラレルデータとして出力し、入力信号がHのとき、パラレル出力端子(Q0〜Q7)の出力は不定となる。なお、シフトレジスタのパラレル出力端子(Q0〜Q7)にはプルダウン抵抗Rが接続されており、シフトレジスタの出力が不定時には、プルダウン抵抗Rの作用によって、シフトレジスタの出力は「L」レベルになる。このため、シフトレジスタの出力が不定時にも、ドライバ624の動作が不安定とならず、ソレノイド、モータなどが誤動作をすることを防止することができる。
演出制御装置550から出力される制御信号は、CLKがシフトレジスタクロック(SCK)に入力され、LATがラッチクロック(RCK)に入力され、ENが出力イネーブル(G)に入力される。また、演出制御装置550から出力される制御信号のうちDATは、シフトレジスタ621のシリアルデータ入力(SI)に入力される。シフトレジスタ621のデータ信号出力端子となるキャリー出力(CY)は、シフトレジスタ621に取り込まれたシリアルデータがオーバーフローしたときに出力されるデータの端子であり、後続の可動制御基板620の接続線DATに接続される。また、シフトレジスタ621のパラレル出力端子(Q0〜Q7)はドライバ624に入力される。
ドライバ624は、シフトレジスタ621からの出力によってオンオフが切り替えられるスイッチングトランジスタを備える。可動制御基板620に入力される駆動電源は、ドライバ624に入力され、ドライバ624内のスイッチングトランジスタにより切り替えられて、ソレノイド、モータなどに供給される。
ここで使用されるモータはステッピングモータにより構成され、ステッピングモータを駆動する各相の信号端子に、所定の電圧を順次印加することで回動する。図9に示す可動制御基板620は、2個のモータを制御し、各モータの各相の信号端子がPORT0端子〜PORT3端子に接続される。
モータに接続されているPORT0端子〜PORT3端子に接続される各トランジスタのいずれかのゲートに対してドライバから電圧が印加されると、電圧が印加されたトランジスタのドレインからソースへ電流が流れることが可能になり、PORT0端子〜PORT3端子に接続されるモータに電流が流れ、役物駆動用のモータが駆動する。
なお、各PORT0端子〜PORT3端子とモータとを接続する接続線は分岐し、分岐した一方の接続線は、モータに供給される電源にダイオードD及びツェナダイオードZDを介して接続される。
図9に示したように可動制御基板620に備えられたシフトレジスタ621はデイジーチェーン接続されている。そのため、演出制御装置550側から出力されるシリアルデータをDAT線を介して取り込んで、シフトレジスタ621内部の記憶領域からオーバーフローしたデータをキャリーアウト出力(CY)の端子から出力することになる。そして、このキャリーアウト出力からのデータを、シリアルデータして後続のシフトレジスタ621に出力する構成が可能となるので、シフトレジスタ621を直列に何個接続しても、シリアルデータを送信する線が多くならない構成を実現できる。
図10は、本発明の実施の形態の信号変換基板600のブロック図である。
信号変換基板600は、シフトレジスタ601を備える。また、前述のように、信号変換基板600は、可動制御基板620R及び発光制御基板640A〜640Dに接続され、演出制御装置550から入力される電源、及び、制御信号(DAT、CLK、LAT、EN)をこれらの制御基板に入力する。
シフトレジスタ601は、シリアルデータ入力(SI)、シフトレジスタクロック(SCK)、ラッチクロック(RCK)及び出力イネーブル(G)の入力端子と、並列信号出力端子となる8ビットのパラレル出力端子(Q0〜Q7)及びキャリーアウト出力(CY)を備える。入力端子については、図9にて説明したシフトレジスタ621と同様である。
出力端子については、パラレル出力端子Q0は、各発光制御基板640にクロック信号を入力する接続線CLK_Lに接続される。パラレル出力端子Q1は、各発光制御基板640にラッチ信号を入力する接続線LAT_Lに接続される。パラレル出力端子Q2〜Q5は、各発光制御基板640に演出制御データを入力する接続線DAT_A〜DAT_Dに接続される。
また、キャリーアウト出力(CY)から出力された信号は、可動制御基板620に接続される接続線DATに入力される。
このとき、発光制御基板640に入力されるラッチクロックの信号(LAT_L)は、可動制御基板620に入力されるラッチクロックの信号(LAT)の16倍の周期(即ち、速度が1/16)で入力される。発光制御基板640に入力されるラッチクロックの信号を設定する手順については図20にて後述する。
図11は、本発明の実施の形態の発光制御基板640Aのブロック図である。なお、発光制御基板640B、640C、640Dも同様の構成であるが、DAT_A信号が、DAT_B信号、DAT_C信号、DAT_D信号に、それぞれ置換される点は相違する。
発光制御基板640Aは、下位演出制御手段として機能するシフトレジスタ641を備える。また、発光制御基板640には、電源、及び、制御信号(DAT_A、CLK_L、LAT_L)が信号変換基板600を介して演出制御装置550から入力される。
シフトレジスタ641は、可動制御基板620のシフトレジスタ621と同様に、シリアルデータ入力(SI)、シフトレジスタクロック(SCK)、ラッチクロック(RCK)及び出力イネーブル(G)の入力端子と、8ビットのパラレル出力端子(Q0〜Q7)及びキャリーアウト出力(CY)を備える。
シリアルデータ入力(SI)は、シフトレジスタにラッチされるデータがシリアルに入力される。シフトレジスタクロック(SCK)は、LからHに変化するときに内部シフトレジスタをシフトし、最下位ビットにSIの内容を追加する。ラッチクロック(RCK)は、内部シフトレジスタのデータを内部ストレージレジスタに転送する。
出力イネーブル(G)は、入力信号がLのとき、内部ストレージレジスタのデータをパラレル出力端子(Q0〜Q7)に出力し、入力信号がHのとき、パラレル出力端子(Q0〜Q7)の出力は不定となる。シフトレジスタ641のパラレル出力端子Q0〜Q7は、ドライバ642を介してそれぞれLEDに接続される。そして、出力された信号に基づいて接続されたLEDが点灯又は消灯するように制御される。
なお、シフトレジスタ601のパラレル出力端子Q6〜Q7は空き端子となっているが、この出力端子からの信号を、所定のドライバを介して、装飾ピース46(図2)を動作させるためのソレノイドに接続するようにしてもよい。
図12は、本発明の実施の形態の演出制御装置550の動作を示すタイミングチャートである。
CLK_L信号は、発光制御基板640Aのシフトレジスタ641に入力されるシリアルデータを取り込むためのタイミング信号であり、本実施の形態では、2ミリ秒ごとにON/OFFが切り替えられる。したがって、4ミリ秒ごとにシフトレジスタ641に設定されたデータがシフトされる。CLK_L信号によってLEDの発光態様を制御するためのシリアルデータが、DAT_A線を介してシフトレジスタ(内部シフトレジスタ)に取り込まれる。なお、発光制御基板640B、640C、640Dのシフトレジスタ641にも、同様のタイミングにて、それぞれ、DAT_B線、DAT_C線、DAT_D線のシリアルデータが取り込まれる。
LAT_L信号は、シフトレジスタ641の内部シフトレジスタのデータが内部ストレージレジスタに転送されるタイミングを示す信号であり、32ミリ秒間ですべてのビット(Q7〜Q0)が内部シフトレジスタに取り込まれて、内部ストレージレジスタに転送される。すなわち、LEDなどの発光体を制御する演出制御データは32ミリ秒周期で更新される。なお、LAT_L信号の出力周期を画像更新周期に同期させ、モータなどの駆動体の制御データの出力周期を画像更新周期の1/16に設定するようにしてもよい。
DAT_A及びDAT_Bは、LEDを制御するために、発光制御基板640に送信される演出制御データである。本実施形態では、4個の発光制御基板640が備えられており、DAT_C及びDAT_Dについても同様にデータが送信される。
一方、モータなどを制御するための制御データは、図中のFtwに示される間隔で発生するタイマ割込の周期(2m秒周期)と同期して転送されるように構成されている。本実施形態では、1個の信号変換基板600と3個の可動制御基板(620R、620S、620X)が備えられており、信号線DATを経由してこれらの可動制御基板によって制御されるモータの制御データが送信される。また、周期内にモータの制御データの他にLEDの制御データも信号線DATを経由して送信される。そして、データ送信後、LAT信号が出力される。なお、1回のタイマ割込み周期内で送信される当該32ビットの制御データ(信号線DATで送信されるデータ)の送信時間は、タイマ割込み周期毎に常に一定であることから、LAT信号が出力される間隔Fmotは、Ftwに等しくなる。
演出制御装置550から送信される制御データ(DAT)は、シフトレジスタに内蔵されている8ビットの内部シフトレジスタからオーバーフローすると、信号変換基板600に備えられたシフトレジスタのキャリーアウト出力(CY)から各可動制御基板620に出力される。また、可動制御基板620は、前述のように可動制御基板620R、可動制御基板620S、可動制御基板620Xの順で接続されており、制御データDATは、1回のタイマ割込周期内においては、最後に接続される可動制御基板620Xから順にデータを送信する。具体的には、可動制御基板620X、可動制御基板620S、可動制御基板620R、発光制御基板640(L)の順に、制御データを送信する。
シフトレジスタによって演出装置に制御データを設定する場合、シフトレジスタに内蔵されている8ビットの内部シフトレジスタからオーバーフローしたシリアルデータは、キャリーアウト出力(CY)から後続のシフトレジスタに伝達される。ただし、終端のシフトレジスタ(例えば、正規版の遊技機であれば、図8の可動制御基板820Xのシフトレジスタ)に内蔵されている8ビットの内部シフトレジスタからオーバーフローしたデータは、キャリーアウト出力(CY)からのデータが他のシフトレジスタに伝達されないので、デージーチェーン接続された全てのシフトレジスタに内蔵される内部シフトレジスタの記憶容量を超えて、シリアルデータが設定されると、初期に設定されてオーバーフローしたシリアルデータが破棄されることになる。
したがって、正規版のみに接続される可動制御基板620Xをデイジーチェーン接続の末端(端部)に配置し、当該可動制御基板620Xに設定するデータを最初に送信するように構成することによって、正規版の場合には可動制御基板620Xに制御データが設定され、廉価版の場合には可動制御基板620Xが接続されておらず、可動制御基板620Sでデータのシフト先が存在しないためにデータが破棄される。
したがって、正規版と共通の可動制御基板620S、可動制御基板620R、発光制御基板640によって制御される演出装置については、遊技機の仕様にかかわらず同じ制御で演出装置を制御することが可能となり、プログラムの開発効率を向上させることができる。
また、前述のように、CLK_L信号は、タイマ割込の一周期(2ミリ秒)に連動してON/OFFが切り替わる。したがって、図12に示すように、CLK_L信号がON(又はOFF)となっている期間に対応して一周期分の駆動体の制御データが送信される。このとき、LEDを制御するDAT_A〜DAT_D(Lに対応)も送信される。そして、タイマ割込の一周期ごとにCLK_L信号のON/OFFが切り替わるため、二周期ごとに各発光制御基板640に1ビットずつのデータが送信される。
このように、上位のシフトレジスタである信号変換基板600に備えられたシフトレジスタ601のパラレル出力端子(Q0〜Q7)を、下位のシフトレジスタである可動制御基板640に備えられたシフトレジスタ641のシリアルデータ入力(SI)として用いることにより、以下の効果を奏する。
下位のシフトレジスタに接続された演出装置の更新速度が遅くなるものの、上位のシフトレジスタに送信するデータの数を削減することが可能となるため、上位のレジスタに対して、タイマ割込の周期などの所定の周期内で送信可能なデータ数の制限を緩和することが可能となる。これにより、演出制御装置550から上位のシフトレジスタに対して送信されるシリアルデータのパルス幅を長くしたり、1回のタイマ割込の周期で送信可能なシリアルデータのビット数を増やしたりすることができる。
図13は、本発明の実施の形態の演出制御装置550のCPU551が出力するデータを生成するために用いられる編集領域と、出力するデータを送信するタイミングを制御するために必要なデータ(動作番号、演出開始フラグ)の説明図である。これらのデータは、演出制御装置550のRAM553に記憶される。
演出制御装置550は、駆動源(ステッピングモータ)の状態を示す動作番号と演出開始フラグの内容に応じて、出力部RA〜XBに対する出力データを後述するように生成する。
ここで、出力部RA及び出力部RBは、可動制御基板620Rに接続されるモータを制御するための領域である。可動制御基板620Rは、前面枠3に備えられた第1可動式照明13及び第2可動式照明14を駆動させるための照明駆動第1モータ13a及び照明駆動第2モータ14aを制御する。出力部RAは照明駆動第1モータ13aを制御するための領域であり(Q3〜Q0)、出力部RBは照明駆動第2モータ14aを制御するための領域である(Q7〜Q4)。
同様に、出力部SA及び出力部SBは、可動制御基板620Sに接続されるモータを制御するための領域である。可動制御基板620Sは、センターケース51内に設置された合体演出装置58を動作させるための役物駆動第1モータ71及び役物駆動第2モータ81を制御する。出力部SAは役物駆動第1モータ71を制御するための領域であり(Q3〜Q0)、出力部SBは役物駆動第2モータ81を制御するための領域である(Q7〜Q4)。
さらに、出力部XA及び出力部XBは、可動制御基板620Xに接続されるモータを制御するための領域である。可動制御基板620Xは、遊技盤10に設置された装飾具47a及び装飾具47bを動作させるためのモータを制御する。出力部XAは装飾具47aを動作させるためのモータを制御するための領域であり(Q3〜Q0)、出力部XBは装飾具47bを動作させるためのモータを制御するための領域である(Q7〜Q4)。なお、前述のように、廉価版の遊技機では、装飾具47a及び装飾具47bを動作させるためのモータが存在しないため、可動制御基板620Xは備えられていないが、正規版の遊技機との共通化を図るために、廉価版の遊技機であっても出力部XAとXBの制御領域は割り当てられている。
各可動制御基板620によって制御されるモータは、4相で駆動されるステッピングモータを使用しており、各出力部の出力データ編集領域(Q7〜Q4及びQ3〜Q0)の所定のビットに「1」を設定すると対応する相の信号線が励磁され、「0」を設定すると対応する相の信号線が励磁されない構成となっている。
演出制御装置550が管理する駆動源の状態を示す動作番号は、「0」が初期位置検出中(初期化中)、「1」が演出開始待ち、「2」が演出実行中、「3」が非常停止及び復帰中、「4」が復帰待機中を示す。また、後述するように、演出制御装置550は、演出開始時に演出を実行する各出力部の演出開始フラグを「ON」に設定し、演出が開始されると演出開始フラグを「OFF」に設定する。また、動作番号が「4」の場合には、駆動源が初期化中に非常停止した状態であり、従業員などの手作業により、非常停止した可動体を正常な状態に戻してからリセットする必要がある。
演出制御装置550は、照明駆動第1モータ13a及び照明駆動第2モータ14aを回転させるために、出力部SA及びSBの出力データ編集領域の所定のビットに「1」若しくは「0」を設定して、照明駆動第1モータ13a及び照明駆動第2モータ14aの相を励磁する。
なお、出力部SAの出力データ編集領域のすべてのビットに「0」を設定すると、照明駆動第1モータ13aのすべての相が励磁されなくなって、回転が停止する。他のモータについても同様に、出力部の出力データ編集領域のすべてのビットに「0」を設定すると、すべての相が励磁されなくなって回転が停止する。
図14は、本発明の実施の形態の演出制御装置550から出力されるLEDなどの発光演出装置を制御するためのデータの一例を示す図である。これらのデータは、演出制御装置550のRAM553に記憶される。
LEDの制御データは、Q0にクロック信号(CLK_L)、Q1にラッチ信号(LAT_L)、Q2〜Q5(DAT_A〜DAT_D)に制御データが設定されるように構成されている。後述するように、Q0及びQ1に設定する値を制御することによって、モータを制御する場合と制御データを反映させるタイミングを異ならせることが可能となる。なお、本実施形態ではQ6及びQ7は未使用であるが、前述のように、シフトレジスタ601のパラレル出力端子Q6〜Q7に装飾ピース46(図2)のソレノイドを接続した場合には、当該ソレノイドの制御データが設定されることになる。
本実施形態では、演出制御データが編集部LA〜LDで編集され、編集部LA〜LDに格納されたデータが所定のタイミングで出力部LA〜LDに設定される。そして、出力部LA〜LDに格納されたデータに基づいて、出力部LLに設定されるデータが生成され、出力部LLに格納されたデータが各発光制御基板640に送信される。
ここで、出力部LLに設定されるデータ、すなわち、各発光制御基板640に送信されるデータの構造について説明する。本実施形態の遊技機では、4種類の発光制御基板640A〜Dが備えられている。
モータの制御データは、特定のモータの制御するための一連のデータによって構成されている。これに対し、LEDの発光態様を制御する制御データを格納する出力部LLでは、各発光制御基板640の特定のビットに対応するデータが設定される。例えば、発光制御基板640A〜Dに対応する出力部LA〜LDのQ4に対応する各データが、出力部LLのQ2〜Q5に設定される。
次に、図15及び図16を参照して、遊技制御装置500で実行される遊技に関する処理を説明する。図15は、本発明の実施の形態の遊技制御装置500によって実行されるメイン処理のフローチャートである。図16は、本発明の実施の形態のタイマ割込処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置500は、遊技に関する処理として、図15に示すメイン処理と、図16に示す所定時間(例えば2msec)毎のタイマ割込処理とを実行する。
図15に示すメイン処理は、遊技機の電源投入時に実行を開始し、遊技機への電源供給が途絶えるまで継続して実行される。例えば、遊技場で営業を開始するために遊技機の電源を投入する場合や停電から復帰した場合に実行を開始し、遊技場での営業を終了するために遊技機の電源を切断するまで(または、停電が発生するまで)継続して実行される。
遊技制御装置500は、プログラム開始時の処理として、まず電源投入時の初期化処理を実行し(S1)、その後停電復旧処理を実行する(S2)。
停電復旧処理では、停電発生時にバックアップ電源によって遊技制御装置500のRAM504(図6参照)に保存記憶されていたデータを用いて、停電発生時点の遊技状態で遊技制御を再開するための処理が行われる。ただし、遊技機の裏面には、図示されない初期化操作部が設けられており、遊技機が電源投入される際に初期化操作部が操作されている場合には、遊技機の遊技状態を予め定めた状態に初期化する。この初期化により、特図変動表示ゲームの遊技状態が低確率状態となり、普電作動状態(普通変動入賞装置36の開閉部材36aの作動状態)が抑制状態になる。
また、停電復旧処理では、遊技機の種別を含む仕様データを演出制御装置550に送信する。遊技機の種別とは、遊技機が正規版であるか廉価版であるかを示す情報である。前述のように、正規版の遊技機と廉価版の遊技機とでは演出装置の構成が異なるため、演出制御装置550が種別に応じた演出制御を行うことが可能となるように仕様データを送信している。
次に、遊技制御装置500は、メインループ処理を実行する。メインループ処理では、まず、割込みタイマを起動し(S3)、CTC(カウンタ タイマ サーキット)を起動する。次に、遊技制御装置500は、割込みを禁止する(S4)。その後、大当り判定用乱数(特図判定用乱数)や大当り図柄乱数(特図図柄用乱数)等の乱数の初期値を更新して乱数の時間的な規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行し(S5)、割込みを許可する(S6)。
遊技制御装置500は、RAM504の停電検査領域をチェックし、停電が発生したか否かを判定する(S7)。なお、RAM504の停電検査領域には、停電により遊技機の電源が遮断された場合にチェックデータが記憶されるようになっており、通常時はチェックデータが記憶されていない。したがって、RAM504の停電検査領域のチェックデータの有無を判定することで、停電が発生したか否かを判定することが可能となる。
停電が発生していない場合(S7の結果が「N」)には、ステップS4の割込み禁止処理に戻り、以降、遊技制御装置500はステップS4からステップS7の処理を繰り返し行う。一方、停電が発生した場合(S7の結果が「Y」)には、遊技制御装置500はステップS8の停電発生時処理を行う。なお、停電発生時には、電源供給装置のバックアップ電源により停電発生時の処理を実行可能な電力が供給されるようになっている。また、バックアップ電源は、遊技制御装置500のRAM504の内容を保持するために必要な電力を停電中に供給する。このとき、バックアップ電源は、遊技データを2〜3日以上保持させることが可能となっている。
ステップS8の停電発生時処理では、まず割り込みを禁止する処理を行い、全出力ポートをOFFにする処理を行った後に、停電検査領域をクリアする処理を行う。そして、停電復旧検査領域に停電復旧検査領域チェックデータをセーブする処理を行った後、RAM504の電源遮断時のチェックサムを算出する処理を行い、RAM504へのアクセスを禁止する処理を行って遊技機の電源遮断を待つ。このように、停電復旧検査領域に停電復旧検査領域チェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出して保持することで、電源遮断前にRAM504に記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源投入時に判断することができる。
続いて、図16を参照して、遊技制御装置500のタイマ割込処理について説明する。タイマ割込処理は、割込信号(割込みタイマにより所定間隔で発生する)の発生に対応して、メイン処理に割込む形態で実行される。
タイマ割込処理においては、遊技制御装置500は、まずレジスタに格納されたデータを待避する(S10)。次に、各種センサ(始動口SW36d、ゲートSW34a、一般入賞口SW44a〜44n、カウントSW42d、ガラス枠開放SW18a、前面枠開放SW3a等)からの入力、及び各種処理で設定された出力データに基づき大入賞口SOL42bや普電SOL36b等の駆動制御を行うための出力を処理する入出力処理を実行する(S11)。
遊技制御装置500は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置550等に出力するコマンド送信処理を実行する(S12)。
遊技制御装置500は、特図変動表示ゲームや普図変動表示ゲームの当りはずれを判定したり、特図変動表示ゲームの大当り図柄を判定したりするための乱数を更新する乱数更新処理1を実行する(S13)。その後、遊技制御装置500は、乱数の初期値を更新し、乱数の時間的な規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行する(S14)。
遊技制御装置500は、特図変動表示ゲームに関連した飾り特図変動表示ゲームにおける変動パターン(実行態様)を決定する乱数を更新するための乱数更新処理2を実行する(S15)。
ステップS13及びステップS15において、特図変動表示ゲームに関連する大当り乱数、大当り図柄乱数、及び変動パターン乱数(第1変動パターン乱数〜第3変動パターン乱数)の5つの乱数はセットで更新される。
遊技制御装置500は、始動口SW36d、ゲートSW34a、一般入賞口SW44a〜44n、カウントSW42dから信号の入力があるか否か(遊技球の検出を示す信号が入力されているか否か)を監視する入賞口スイッチ監視処理を実行する(S16)。
その後、遊技制御装置500は、各信号とエラーの監視を行うエラー監視処理を実行する(S17)。さらに、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(S18)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(S19)を実行する。
遊技制御装置500は、遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDに関するセグメントLED編集処理を実行し(S20)、さらに、外部の管理装置200に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(S21)を実行する。
そして、遊技制御装置500は、割込み処理の終了を宣言し(S22)、待避したレジスタのデータを復帰する(S23)。そして最後に、割込みを再び許可する処理を実行し(S24)、タイマ割込み処理を終了する。
図17は、本発明の実施の形態の演出制御装置550による処理の手順を示すフローチャートである。図17に示す処理は、演出制御装置550のCPU551によって実行される。
演出制御装置550は、演出制御装置550に電源が投入されると、まずステップS30及びS31の処理を実行する。ステップS30の処理では、VDP556から画像更新周期と同期する同期信号(例えば、16.6ミリ秒周期の同期信号)が割込信号としてCPU551に入力されるまで待機する。そして、以降、VDP556から画像更新周期と同期する同期信号が割込信号としてCPU551に入力される毎に、ステップS32〜S38の処理を繰り返し実行する。
まず、CPU551は、演出制御装置550のRAM553の初期化などを含む初期化処理を実行する(S30)。このとき、遊技制御装置500から送信されたコマンドを取得し、後述する分割カウンタを初期値(=16)に設定する。分割カウンタは、LEDなどの発光制御データを送信するタイミングを制御するためのカウンタである。詳細については、図20にて後述する。なお、図20に示す出力部LLの編集処理では、分割カウンタは0から15までの値が設定されるが、初期値を16に設定することによってクロック信号を正常に出力することができる。
初期化処理が完了すると、CPU551は、VDP556から画像更新周期と同期する同期信号(VDP割込)の受け入れ、及びタイマ割り込みの受け入れを許可する(S31)。ここで、CPU551は、監視タイマ回路562にタイマ割込の周期(例えば、2ミリ秒)を設定し、設定されたタイマ割込周期毎にタイマ割込処理(図18)を実行する。
そして、CPU551は、表示装置53に画像を表示するために、VDP556に画像を表示させる指令となるデータを出力する(S32)。
さらに、CPU551は、スピーカ30から音を遊技状態に応じて出力させるために、音制御データを音LSI557に出力する(S33)。音LSI557は、入力された音制御データに基づいてスピーカ30から音を出力させる。
その後、CPU551は、VDP556に次に出力されるデータを編集し(S34)、さらに、音LSI557に出力される音制御データを編集する(S35)。
その後、CPU551は、可動演出装置(可動型の演出装置)の演出開始のタイミングであるか否かを判定する(S36、S37)。可動演出装置には、例えば、第1可動式照明13、第2可動式照明14、装飾ピース46、装飾具47、及び合体演出装置58が含まれる。
次に、遊技制御装置500から送信された演出指令信号に基づいて演出の内容を決定し、出力部RA〜XBの中から演出開始の対象となるもの(演出の実行にともなって動作の対象となったもの)を選択し(S38)、選択した出力部の演出開始フラグをオンに設定する(S39)。
その後、VDP556からCPU551に同期信号が入力されるまで待機する。
このように、図17に示した処理では、表示装置53の画像を更新する周期と同期して、演出制御装置550から信号変換基板600に演出制御データを送信する。そして、信号変換基板600に接続された各制御基板は、受信した演出制御データに基づいて装飾装置を制御するため、表示装置53における演出と装飾装置における演出とが調和し、遊技者に違和感を与えないので、興趣を高めることができる。
図18は、本発明の実施の形態の演出制御装置550による処理の手順を示すフローチャートである。図18に示す処理は、監視タイマ回路562が所定の周期(例えば、2ミリ秒)でタイマ割込を発生することによって、演出制御装置550のCPU551が実行する。
CPU551は、まず、センサレベルの取り込みを行う(S40)。具体的には、照明駆動第1モータ13a、照明駆動第2モータ14a、役物駆動第1モータ71、役物駆動第2モータ81などの回転位置を検出する位置検出センサの出力値を、入力I/F558bから取り込む。
次に、CPU551は、出力部RA〜XBの各編集領域のデータを統合する(S41)。これは、図13に示したように各出力部の編集領域には4ビットのデータが格納されているので、この4ビットのデータを読み出して、出力部XB、XA、SB、SA、RB、RAの順で出力されるように一つに繋げることによって、各出力部のデータを統合する。このとき、廉価版の遊技機の場合には出力部XB及びXAのデータを統合しない。
なお、廉価版の遊技機の場合であっても出力部XB及びXAに設定するデータを統合するようにしてもよい。出力部XB及びXAのデータは、デイジーチェーン接続の末端に配置された可動制御基板620Xに設定されるものである。したがって、統合データの先頭にこれらのデータを配置し、シフトレジスタに設定して順次シフトさせることによって最終的に出力部XB及びXAに設定するデータは破棄される。このように構成することによって、演出制御装置550から可動制御基板620に出力されるデータが、仕様に依存することなく共通化されるので、廉価版の遊技機と正規版の遊技機とを並行して開発する際の都合がよく、開発効率を向上させることが可能となる。
その後、CPU551は、統合されたデータの全bitを検査し(S42)、統合されたデータの全bitが「0」であるか否かを判定する(S43)。その結果、少なくとも一つのbitが「1」であれば(S43の結果が「Y」)、イネーブル信号(EN)をLレベルに設定し(S44)、シフトレジスタ601からの信号Qnの出力を許容する。
一方、CPU551は、全bitが「0」であれば(S43の結果が「N」)、イネーブル信号(EN)をHレベルに設定し(S45)、シフトレジスタ601からの信号Qnの出力を禁止する。この全bit=0は、シフトレジスタ601から出力すべきデータがないことを示すが、ノイズ等の影響によってデータが変更された場合に、意図しないデータが出力されないように、イネーブル信号(EN)をHレベルに設定する。
さらに、CPU551は、出力部LLの出力データをさらに統合する(S46)。出力部LLには、LEDなどの発光制御データが格納される。
そして、CPU551は、遊技機の種別に対応する速度で、統合されたデータをシフトレジスタ601に出力する(S47)。本実施形態では、正規版であるか廉価版であるかに拘らず、タイマ割込周期は同一(ともに2ミリ秒)であるものの、正規版と廉価版とで動作する可動役物の数が相違するため、可動役物の数が少ない廉価版の場合には演出制御データの転送速度が遅くなるように設定する。その結果、廉価版の遊技機におけるタイミング信号(図12のCLK信号)のパルス幅は、正規版の遊技機におけるタイミング信号よりも長くなる。したがって、廉価版の遊技機に関しては、演出制御データの転送速度を遅くしてパルス幅を長くすることによって、通信の精度を向上させ、データをより確実に送信できるように制御するため、シリーズ全体に関しての不具合発生を抑制することができる。
次に、CPU551は、ラッチ信号をシフトレジスタ601に出力する(S48)。シフトレジスタ601にラッチ信号が出力されると、シフトレジスタ601に入力されたデータが、内部ストレージレジスタに取り込まれ、演出制御データが各演出装置に反映される。
ステップS49〜S55では、次回のタイマ割込時に出力する各出力部RA〜XBへのシリアルデータを遊技状態に応じてそれぞれ編集し、RAM553に割り当てられた出力部RA〜XBの各編集領域(Q7〜Q0)に格納する。出力部RA〜XBの編集処理の詳細については、図19にて後述する。
すなわち、ステップS49では、照明駆動第1モータ13aを駆動する出力部RAへのシリアルデータを編集して編集領域に格納する。ステップS50では、照明駆動第2モータ14aを駆動する出力部RBへのシリアルデータを編集して編集領域に格納する。ステップS51では、役物駆動第1モータ71を駆動する出力部SAへのシリアルデータを編集して編集領域に格納する。ステップS52では、役物駆動第2モータ81を駆動する出力部SBへのシリアルデータを編集して編集領域に格納する。
さらに、ステップS53では、装飾具47aを動作させるモータを駆動する出力部XAへのシリアルデータを編集して編集領域に格納する。ステップS54では、装飾具47bを動作させるモータを駆動する出力部XBへのシリアルデータを編集して編集領域に格納する。なお、廉価版の遊技機の場合には、装飾具47a及び装飾具47bを動作させるモータを備えておらず、出力部XA及び出力部XBによって駆動される駆動源が存在しないため、編集領域の各ビットに「0」を設定するようにしてもよい。
最後に、CPU551は、LEDなどの発光体の演出制御データを格納する出力部LLの編集処理を実行する(S55)。出力部LLの編集処理については、図20にて後述する。
以上のように、本実施形態では、タイマ割込の周期に従って、シフトレジスタにデータが取り込まれ、VDP割込周期に従って各種可動演出装置による演出が開始される。
図19は、本発明の実施の形態の出力部RAのシリアルデータの編集処理の詳細を示すフローチャートである。なお、出力部RB〜XBについても、各出力部に対応した動作番号、演出開始フラグ及び出力データ編集領域を用いることによって同様に処理することが可能となっている。
演出制御装置550のCPU551は、まず、駆動源の動作状態を示す動作番号が「0」〜「4」の何れであるかを判定し、動作番号に応じて分岐する(S60)。動作番号が初期化中を示す「0」であればステップS61に進み、動作番号が演出待機中を示す「1」であればステップS65に進み、動作番号が演出実行中を示す「2」であればステップS69に進み、動作番号が非常停止中を示す「3」であればステップS74に進み、動作番号が復帰待機中を示す「4」であればステップS77に進む。なお、動作番号の初期値は「0」である(図17のステップS30の初期化処理で設定される)。
これらの状態は、照明駆動第1モータ13a等のステッピングモータの初期化が完了すると、動作番号が「1」に変更されて演出待機状態となる。演出待機状態で演出開始フラグが「ON」になると動作番号が「2」に変更されて演出実行中に移行し、演出実行の経過時間のカウントを開始する。そして、演出の終了タイミングになると、演出を終了し、動作番号は「1」に変更されて演出待機中に戻る。
また、演出実行中にステッピングモータにエラーが発生すると、動作番号が「3」に変更されて非常停止中になり、エラーが発生した時点からの停止時間のカウントを開始する。そして、エラーが発生した時点から所定の停止時間が経過すると、動作番号が「0」に変更されて初期化が行われる。
そして、初期化中にエラーが発生した場合では、動作番号が「4」の復帰待機中に移行し、従業員などの手作業による復旧を待つことになる。
次に、処理の詳細について説明する。
CPU551は、動作番号が「0」の初期化処理において、出力部RAが駆動する照明駆動第1モータ13aの駆動位置にエラーが発生しているか否かを判定する(S61)。エラーの発生の判定は、図18のステップS40の処理で取り込んだモータの位置検出センサの検出値が前回値に対して変化していなければ、エラーの発生と判定する。この処理において、位置検出センサの検出値に変化がない場合は、断線や監視回路が動作して照明駆動第1モータ13aが停止した場合が推定できるため、照明駆動第1モータ13aにエラーが発生したと判定する。
なお、動作番号が「0」となって照明駆動第1モータ13aの回転位置の検出を開始し、所定時間経過しても位置検出センサによって初期位置が検出できない場合には、エラーと判定してもよい。
CPU551は、エラーが発生していると判定した場合には(S61の結果が「Y」)、ステップS77以降の処理を実行する。一方、エラーが発生していない場合には(S61の結果が「N」)、照明駆動第1モータ13aの位置検出センサの検出値が所定の初期位置に到達したか否かを判定する(S62)。照明駆動第1モータ13aの位置が所定の初期位置に到達している場合には(S62の結果が「Y」)、動作番号を「1」に変更する(S66)。
CPU551は、照明駆動第1モータ13aの位置が所定の初期位置に到達していない場合には(S62の結果が「N」)出力部RAの動作番号を、初期化中であることを示す「0」に設定する(S63)。なお、前回も動作番号が「0」の場合には初期化中を維持することになる。
CPU551は、照明駆動第1モータ13aを所定の初期位置へ向けて駆動する駆動情報(シリアルデータ)を予め制御ROM552に格納しておき、当該駆動情報を選択する(S64)。
その後、CPU551は、選択した照明駆動第1モータ13aの駆動情報をRAM553の出力部RAの編集領域に格納する(S68)。RAM553の所定の編集領域に格納された駆動情報は、次回のタイマ割込時に図18のステップS47の処理で出力される。ステップS68の処理が完了すると、タイマ割込処理に復帰する。
次に、CPU551は、動作番号が「1」の演出待機中処理では、現在照明駆動第1モータ13aは停止中であるので、出力部RAの演出開始フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(S65)。当該出力部RAの演出開始フラグが「ON」に設定されている場合には(S65の結果が「Y」)、演出開始フラグを「OFF」にリセットする(S71)。なお、ステップS71にて演出開始からの経過時間のカウントを開始し、以降、タイマ割り込みが発生する毎に経過時間がカウントされる。
一方、CPU551は、演出開始フラグが「OFF」に設定されている場合には(S65の結果が「N」)、出力部RAの動作番号を、演出待機中であることを示す「1」に設定する(S66)。なお、前回も動作番号が「1」の場合には演出待機状態を維持することになる。
次に、CPU551は、予め制御ROM552に格納されている駆動情報(シリアルデータ)から、照明駆動第1モータ13aを停止する駆動情報を選択する(S67)。この後、CPU551が上記選択した照明駆動第1モータ13aの駆動情報をRAM553の出力部RAの編集領域に格納し(S68)、その後、図18のタイマ割込処理に復帰する。ここでは、編集領域の各ビットに「0」が設定されることになる。
CPU551は、動作番号が「2」の演出実行中では、出力部RAが駆動する照明駆動第1モータ13aの駆動位置にエラーが発生したか否かを判定する(S69)。エラーの発生の判定は、前述のステップS61と同様である。エラーが発生したと判定した場合には(S69の結果が「Y」)、ステップS75以降の処理を実行する。
一方、CPU551は、エラーが発生していない場合(S69の結果が「N」)、現在実行中の演出を終了するタイミングであるか否かを判定する(S70)。演出終了タイミングは、出力部RAの演出開始から予め設定した時間を経過した場合に演出終了タイミングであると判定することができる。なお、演出開始からの経過時間の閾値は、出力部毎に設定されるので、各出力部に対応する各モータの演出終了タイミングは、必ずしも同一であるとは限らない。演出終了タイミングであると判定された場合には(S70の結果が「Y」)、出力部RAの動作番号を、演出待機状態であることを示す「1」に設定する(S66)。
一方、CPU551は、演出終了タイミングに達していない場合(S70の結果が「N」)、出力部RAの動作番号を、演出実行中であることを示す「2」に設定する(S72)。なお、前回も動作番号が「2」の場合には演出実行を継続することになる。
CPU551は、予め制御ROM552に格納されている駆動情報(シリアルデータ)から、照明駆動第1モータ13aを所定の演出位置へ向けて駆動する駆動情報を選択する(S73)。この後、CPU551が上記選択した照明駆動第1モータ13aの駆動情報をRAM553の出力部RAの編集領域に格納し(S68)、その後、図18のタイマ割込処理に復帰する。
次に、CPU551は、動作番号が「3」の非常停止中では、照明駆動第1モータ13aはエラーの発生などによって、非常停止しているので、出力部RAの動作番号を「3」に変更してからの時間が所定の停止時間を経過したか否かを判定する(S74)。所定の停止時間が経過していれば(S74の結果が「Y」)、出力部RAの動作番号を「0」に変更して照明駆動第1モータ13aの初期化を行う(S63)。一方、所定の停止時間が経過していなければ(S74の結果が「N」)、出力部RAの動作番号を、非常停止中であることを示す「3」に設定する(S75)。なお、前回も動作番号が「3」の場合には非常停止中を継続することになる。
次に、CPU551は、予め制御ROM552に格納されている駆動情報(シリアルデータ)から、照明駆動第1モータ13aを停止する駆動情報を選択する(S76)。この後、CPU551が上記選択した照明駆動第1モータ13aの駆動情報をRAM553の出力部RAの編集領域に格納し(S68)、その後、図18のタイマ割込処理に復帰する。ここでは、編集領域の各ビットに「0」が設定されることになる。
次に、動作番号が「4」の復帰待機中では、照明駆動第1モータ13aが初期化中にエラーが検出された場合であり、従業員などの手作業による復旧を必要とする状態である。この場合は、遊技店の従業員によって、照明駆動第1モータ13aにより駆動される可動体が手作業により初期位置に戻され、次いで、照明駆動第1モータ13aの位置検出センサのケーブルを抜き差しする作業が行われることになる。
そのため、CPU551は、まず、照明駆動第1モータ13aの位置検出センサ131の検出値が、前回値に対して変化したか否かを判定する(S77)。
位置検出センサ131の検出値が変化した場合は(S77の結果が「Y」)、従業員などが照明駆動第1モータ13aの位置を変更した場合や、第2接続端子92の脱着により検出値が変動した場合である。この場合は、CPU551は、再度初期化を実行するため、出力部RAの動作番号を「0」に変更する(S63)。一方、位置検出センサ131の検出値が変化しない場合は(S77の結果が「N」)、出力部RAの動作番号を、復帰待機中であることを示す「4」に設定する(S78)。なお、前回も動作番号が「4」の場合には復帰待機中を継続することになる。
次に、CPU551は、予め制御ROM552に格納されている駆動情報(シリアルデータ)から、照明駆動第1モータ13aを停止する駆動情報を選択する(S79)。この後、CPU551が上記選択した照明駆動第1モータ13aの駆動情報をRAM553の出力部RAの編集領域に格納してから図18のタイマ割込処理に復帰する(S68)。ここでは、編集領域の各ビットに「0」が設定されることになる。
最後に、出力部LLの編集処理について説明する。出力部LLには、LEDなどの発光制御を行うための発光制御データが格納される。図20は、本発明の実施の形態の出力部LLの編集処理の手順を示すフローチャートである。
CPU551は、まず、分割カウンタの値が0であるか否かを判定する(S80)。分割カウンタの値が0でない場合には(S80の結果が「N」)、出力部LLのビット1(Q1)を「0」に設定し(S81)、分割カウンタを−1更新する(S82)。
なお、出力部LLのビット1(Q1)は、図14にて説明したように、ラッチ信号を示している。ビット1の値が“0”に設定されている場合には、ラッチ信号はOFFに設定され、この段階では発光制御データが発光演出装置に反映されない。一方、ビット1の値が“1”に設定されている場合にラッチ信号がONに設定されるため、シフトレジスタに格納された発光制御データが発光演出装置に反映される。
一方、分割カウンタの値が0の場合には(S80の結果が「Y」)、CPU551は、出力部LLのビット1(Q1)を“1”に設定する(S83)。さらに、分割カウンタの値を初期値(15)に設定する(S84)。続いて、編集部LA〜LDに格納されているデータを出力部LA〜LDに設定する(S85)。
したがって、分割カウンタは初期値(15)から順次1ずつ減算され、0に到達すると初期値(15)に戻される。また、分割カウンタが0になると、編集部に格納されたデータが出力部にシフトされ、さらに、ONに設定されたラッチ信号がシフトレジスタに入力されることで、発光制御データが発光演出装置に反映される。すなわち、出力部LLの編集処理が16回実行されるたびに、発光制御データが発光演出装置に反映され、新たな発光制御データが生成される。
次に、CPU551は、分割カウンタの値が奇数であるか否かを判定する(S86)。分割カウンタの値が奇数の場合には(S86の結果が「Y」)、出力部LLのビット0(Q0)を“0”に設定する(S87)。一方、分割カウンタの値が奇数でない場合(S86の結果が「N」)、すなわち、偶数の場合には、出力部LLのビット0(Q0)を“1”に設定する(S88)。
出力部LLのビット0(Q0)は、図14にて説明したように、クロック信号を示しており、ビット0の値が“1”に設定されている場合にクロック信号がONに設定される。そして、ONに設定されたクロック信号がシフトレジスタに入力されると、当該シフトレジスタに格納されたデータがシフトされる。すなわち、出力部LLの編集処理が2回実行されるたびにシフトレジスタに格納されたデータが1ビット分シフトされ、ラッチ信号が出力されるまでに8ビット分のデータが設定されることになる。
次に、CPU551は、分割カウンタに対応する出力部LA〜LDのビットを選択する(S89)。さらに、出力部LA〜LDの選択ビットに対応するデータを、出力部LLのビット2〜5に設定する(S90)。最後に、発光制御データの編集処理を実行する(S91)。
以上のように、出力部LLの編集処理では、分割カウンタを用いることによって、タイマ割込が16回発生するたびにラッチ信号が出力されるように構成されている。これに対し、可動演出装置ではタイマ割込の発生ごとにラッチ信号が出力され、演出制御データが反映されるように構成されている。したがって、本実施形態では、可動演出装置の演出制御データがLEDなどの発光演出装置の発光制御データの16倍の速度で転送されることになる。したがって、モータなどの駆動源の制御を高速に行いながら、発光演出装置の制御も行うことが可能となる。
以上説明したように、本発明の実施の形態によれば、遊技機の仕様が異なっても演出制御装置550を共通利用することが可能となりながら、遊技機の仕様にあわせた演出制御が可能となる。したがって、廉価版の遊技機と正規版の遊技機とを並行して開発する際に都合がよく、開発効率を向上させることができる。
本発明の実施の形態によれば、仕様が異なる場合であってもタイマ割込周期が共通になるので、モータなどの駆動源を制御する時間単位が共通となり、駆動源を動作させるための時間が管理しやすくなる。そのため、制御プログラムの開発が容易になる。
なお、本発明の実施の形態では、仕様が異なる場合において、タイミング信号のパルス幅を変えることで仕様に最適な速度を設定し、このパルス幅に対応するようにデータ信号を送信する形態としているが、仕様の相違に従ってデータ信号の内容自体を変えるようにしてもよい。
例えば、正規版と廉価版の遊技機とで、同一の演出装置であっても、各々の動作内容が異なるように、データ信号の内容自体を変えてもよい。具体的には、正規版遊技機の第1可動式照明13は時計回り方向に回転させ、廉価版遊技機の第1可動式照明13は反時計回り方向に回転させるようにしてもよい。このような構成を実現した場合には、正規版遊技機の演出制御装置と、廉価版遊技機の演出制御装置との互換性がソフト的な面では多少犠牲になるが、ハード的な面では互換性が維持されている。
また、前述の実施の形態では、正規版の遊技機にのみ用いられる可動制御基板620X(固有基板)によって装飾具47a及び装飾具47bが駆動される一方で、廉価版の遊技機には可動制御基板620Xが備えられていない構成を開示したが、廉価版の遊技機であってもこの可動制御基板620Xに相当する基板を残しておいて、この可動制御基板620Xからの出力信号のコネクタに何も接続しないような構成であってもよい(図9のモータがコネクタに接続されず、コネクタが空き端子となっているような構成であってもよい)。
若しくは、廉価版遊技機に搭載されるこの可動制御基板620Xによって、正規版遊技機で用いていた装飾具47a及び装飾具47bの駆動モータの替わりに、正規版遊技機には搭載されていないLED等の発光装置(廉価版専用の演出装置)が駆動されるようにしてもよい。この場合、可動制御基板620Xに設けたシフトレジスタには、正規版であれば可動制御基板620Xによって制御される装飾具47a及び装飾具47bの駆動モータのデータが設定され、廉価版であれば可動制御基板620Xによって制御されるLEDのデータが設定されることになるので、仕様によって信号線DATのデータ信号の内容を変更するようにすればよい。
このような構成を実現した場合には、正規版遊技機の可動制御基板620Xと、廉価版遊技機の可動制御基板620Xとの構成が多少相違することになるが、他の基板構成は共通化することが可能となる。そして、正規版遊技機で用いていた装飾具47a及び装飾具47bの駆動モータが、廉価版遊技機では安価なLED等に置換されるので、廉価版遊技機のコスト削減が可能となる。
なお、今回開示した実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではない。また、本発明の範囲は前述した発明の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。