実施の形態1.
以下、本発明の第1の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒操作が可能なスティックコントローラ122が取り付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作が可能なトリガボタン121(図3を参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン121に対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサ125(図3を参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図3を参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図3を参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ122の上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3を参照)が設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120及びスティックコントローラ122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が上下の位置関係にはなく、例えば左右の位置関係にあるものとしてもよい。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、演出表示装置9に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
演出表示装置9の表示画面の右上方部には、演出図柄と後述する特別図柄および普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示領域9c,9dが設けられている。この実施の形態では、後述する第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dとが設けられている。
なお、第1特別図柄用の第4図柄と第2特別図柄用の第4図柄とを、第4図柄と総称することがあり、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dを、第4図柄表示領域と総称することがある。
第4図柄の変動(可変表示)は、第4図柄表示領域9c,9dを所定の表示色(例えば、青色)で一定の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおける第1特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおける第2特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。
演出表示装置9の右方には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、演出表示装置9の右方(第1特別図柄表示器8aの右隣)には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)8bも設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。従って、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)18cが設けられている。この実施の形態では、合計数を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられていることにより、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
また、演出表示装置9の表示画面には、現在実行中の変動表示に対応した所定表示が表示されるアクティブ表示領域9Aが設けられている。この実施の形態では、アクティブ表示領域9Aには、所定表示として、合算保留記憶表示部18cに表示される保留表示と同様の態様の表示が行われる。以下、アクティブ表示領域9Aに表示される保留表示と同様の態様の表示をアクティブ表示ともいう。なお、現在実行中の変動表示に対応した表示であることが認識できるものであれば、必ずしも保留表示と同様の態様の表示である必要はなく、他の図形やキャラクタなどを表示してもよい。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
また、図1に示すように演出表示装置9の上方には、可動部材用モータ78aの駆動により動作可能は可動部材78が設けられている。この実施の形態では、可動部材78は、例えば、蝶を模した形状に形成され、可動部材用モータ78aの駆動により下方に向かって動作することによって、演出表示装置9の表示画面の一部に被さるような態様で動作可能に構成されている。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
演出表示装置9の左方には、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。なお、普通図柄表示器10は、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。また、普通図柄表示器10は、7セグメントLEDなどにかぎらず、例えば、所定の記号表示を点灯表示可能な表示器(例えば、「○」や「×」を交互に点灯表示可能な装飾ランプ)で構成されていてもよい。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。例えば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(通常状態と比較して、特別図柄の変動表示結果として大当りと判定される確率が高められた状態)では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。また、確変状態ではないが図柄の変動時間が短縮されている時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)でも、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた天枠LED28a、左枠LED28b、および右枠LED28cが設けられている。この実施の形態では、前面枠のうちの上方に天枠LED28aが設けられ、前面枠のうちの左方に左枠LED28bが設けられ、前面枠のうちの右方に右枠LED28cが設けられている。また、遊技盤6にも盤側LED25a,25bが設けられている。この実施の形態では、遊技盤6の左方に盤側LED25aが設けられ、遊技盤6の右方に盤側LED25bが設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
この実施の形態では、確変大当りとなった場合には、遊技状態を高確率状態(確変状態)に移行するとともに、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行(この実施の形態では、時短状態に移行)する。また、遊技状態が時短状態に移行されたときも、高ベース状態に移行する。高ベース状態である場合には、例えば、高ベース状態でない場合と比較して、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。
なお、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当たりとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、特別図柄や演出図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や演出図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、無効な始動入賞が生じてしまう事態を低減することができる。従って、有効な始動入賞が発生しやすくなり、結果として、大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか1つの状態にのみ移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定のバックアップ期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや、確変フラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、ターミナル基板160を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、演出制御用中継基板17Aおよび駆動制御基板17Bを介して、可動部材用モータ78aを駆動して可動部材78を動作させる。また、演出制御手段が、演出制御用中継基板17Aおよび発光体制御基板17C〜17Fを介して、遊技枠側に設けられている天枠LED28aや左枠LED28b、右枠LED28cの表示制御を行ったり、遊技盤6側に設けられている盤側LED25a,25bの表示制御を行ったりする。また、演出制御手段が、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
なお、演出制御手段には、後述するように、スティックコントローラ122が備えるトリガセンサ125や傾倒方向センサユニット123、バイブレータ用モータ126、およびプッシュボタン120が備えるプッシュセンサ124にも接続されているのであるが(図3参照)、図2では図示を省略している。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、演出制御用中継基板17A、駆動制御基板17B、発光体制御基板17C〜17F、および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、音声出力基板70を設けずに、演出表示装置9およびスピーカ27の制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン121に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ125から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介して、演出制御用中継基板17Aおよび駆動制御基板17Bを経由して、バイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介して、演出制御用中継基板17Aおよび駆動制御基板17Bを経由して、可動部材用モータ78aに駆動信号を出力することにより、可動部材78を動作させる。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介して、演出制御用中継基板17Aおよび発光体制御基板17C〜17Fを経由して、盤側LED25a,25bや、天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED29cを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
発光体制御基板17Cは遊技盤6に搭載されており、発光体制御基板17Cに伝送される情報信号は、盤側LED25a,25bとして設けられている複数の発光体を点灯させるための発光データを示す点灯信号を含んでいればよい。
また、発光体制御基板17Dは遊技枠の左方に搭載されており、発光体制御基板17Dに伝送される情報信号は、遊技枠の左方に左枠LED28bとして設けられている複数の発光体を点灯させるための発光データを示す点灯信号を含んでいればよい。また、発光体制御基板17Eは遊技枠の上方に搭載されており、発光体制御基板17Eに伝送される情報信号は、遊技枠の上方に天枠LED28aとして設けられている複数の発光体を点灯させるための発光データを示す点灯信号を含んでいればよい。また、発光体制御基板17Fは遊技枠の右方に搭載されており、発光体制御基板17Fに伝送される情報信号は、遊技枠の右方に右枠LED28cとして設けられている複数の発光体を点灯させるための発光データを示す点灯信号を含んでいればよい。
また、この実施の形態では、図3に示すように、発光体制御基板17Dに伝送される情報信号は、演出制御基板80に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ100から演出制御用中継基板17Aのみを中継して伝送される。また、発光体制御基板17Eに伝送される情報信号は、演出制御基板80に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ100から演出制御用中継基板17Aに加えて発光体制御基板17Dを中継して伝送される。さらに、発光体制御基板17Fに伝送される情報信号は、演出制御基板80に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ100から演出制御用中継基板17Aに加えて発光体制御基板17Dおよび発光体制御基板17Eを中継して伝送される。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定の演出期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
図4(1)は、駆動制御基板17Bの構成例を示している。図4(1)に示すように、駆動制御基板17Bには、モータ駆動ドライバ412が搭載されている。モータ駆動ドライバ412には、演出制御用中継基板17Aを介してシリアル信号形式により演出制御基板80の演出制御用マイクロコンピュータ100からの制御信号が入力される。そして、モータ駆動ドライバ412は、入力された制御信号で示される駆動制御情報にもとづいて、可動部材用モータ78aおよびバイブレータ用モータ126の駆動制御を行う。
図4(2)は、盤側LED25a,25bの点灯制御を行うための発光体制御基板17Cの構成例を示している。図4(2)に示すように、発光体制御基板17Cには、発光体ドライバ411a,411bが搭載されている。発光体ドライバ411aには、演出制御用中継基板17Aを介してシリアル信号形式により演出制御基板80の演出制御用マイクロコンピュータ100からの制御信号が入力される。そして、発光体ドライバ411aは、入力された制御信号で示される点灯制御情報にもとづいて、盤側LED25aの点灯制御を行う。また、発光体ドライバ411bには、演出制御用中継基板17Aを介して、さらに発光体ドライバ411aを経由して、シリアル信号形式により演出制御基板80の演出制御用マイクロコンピュータ100からの制御信号が入力される。そして、発光体ドライバ411bは、入力された制御信号で示される点灯制御情報にもとづいて、盤側LED25bの点灯制御を行う。
なお、図4(2)に示すように、発光体制御基板17Cでは、演出制御基板80の演出制御用マイクロコンピュータ100から伝送された制御信号が、同じ発光体制御基板17C上の発光体ドライバ間で順次伝送される(本例では、発光体ドライバ411aから発光体ドライバ411bに伝送される)ことによって、各発光体ドライバにそれぞれ伝送されるように構成されている。
図5は、天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cの点灯制御を行うための発光体制御基板17D〜17Fの構成例を示している。図5に示すように、発光体制御基板17Dには、発光体ドライバ413bが搭載されている。発光体ドライバ413bには、演出制御用中継基板17Aを介してシリアル信号形式により演出制御基板80の演出制御用マイクロコンピュータ100からの制御信号が入力される。そして、発光体ドライバ413bは、入力された制御信号で示される点灯制御情報にもとづいて、左枠LED28bの点灯制御を行う。なお、図5において、発光体制御基板17D〜17Fは、例えば、フレキシブルケーブルやワイヤハーネスなどの配線部材を介して相互に接続されている。
また、図5に示すように、発光体制御基板17Eには、発光体ドライバ413aが搭載されている。発光体ドライバ413aには、演出制御基板80の演出制御用マイクロコンピュータ100からの制御信号が、演出制御用中継基板17Aを経由するとともに、さらに発光体制御基板17Dを経由して、シリアル信号形式により入力される。そして、発光体ドライバ413aは、入力された制御信号で示される点灯制御情報にもとづいて、天枠LED28aの点灯制御を行う。
また、図5に示すように、発光体制御基板17Fには、発光体ドライバ413cが搭載されている。発光体ドライバ413cには、演出制御基板80の演出制御用マイクロコンピュータ100からの制御信号が、演出制御用中継基板17Aを経由するとともに、さらに発光体制御基板17Dおよび発光体制御基板17Eを経由して、シリアル信号形式により入力される。そして、発光体ドライバ413cは、入力された制御信号で示される点灯制御情報にもとづいて、右枠LED28cの点灯制御を行う。
なお、図5に示すように、発光体制御基板17D〜17Fでは、演出制御基板80の演出制御用マイクロコンピュータ100から伝送された制御信号が、異なる発光体制御基板17D〜17Fにそれぞれ搭載された発光体ドライバ413a〜413c間で順次伝送されることによって、各発光体ドライバ413a〜413cにそれぞれ伝送されるように構成されている。
また、この実施の形態では、遊技盤6に設けられている各LEDをそれぞれ盤側LED25a,25bと包括的に表現しているが、具体的には、遊技盤6の左方に盤側LED25aとして複数の発光体(カラーLEDや単色LED)が設けられ、遊技盤6の右方に盤側LED25bとして複数の発光体(カラーLEDや単色LED)が設けられているものとする。また、この実施の形態では、遊技枠に設けられている各LEDをそれぞれ天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cと包括的に表現しているが、具体的には、遊技枠の上方に天枠LED28aとして複数の発光体(カラーLEDや単色LED)が設けられ、遊技枠の左方に左枠LED28bとして複数の発光体(カラーLEDや単色LED)が設けられ、遊技枠の右方に右枠LED28cとして複数の発光体(カラーLEDや単色LED)が設けられているものとする。
また、この実施の形態では、モータ駆動ドライバ412、盤側LED25a,25bの点灯制御を行うための発光体ドライバ411a,411b、および天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cの点灯制御を行うための発光体ドライバ413a〜413cは、同じ種類のシリアル−パラレル変換回路(集積回路(IC))を用いて実現される。図6は、発光体ドライバ411a,411b、モータ駆動ドライバ412、および発光体ドライバ413a〜413cとして用いられるシリアル−パラレル変換回路の構成を示すブロック図である。また、図7は、図6に示すシリアル−パラレル変換回路に設けられている各入出力端子を説明するための説明図である。
なお、発光体ドライバ411a,411b、モータ駆動ドライバ412、および発光体ドライバ413a〜413cとして用いられるシリアル−パラレル変換回路には、入力したシリアル信号形式の信号を24チャネルのパラレル信号形式の信号に変換して出力するものと、入力したシリアル信号形式の信号を12チャネルのパラレル信号形式の信号に変換して出力するものとの2種類があるのであるが、一部の回路素子や端子の数が異なるだけで同様の構成および機能を備えるため、図6および図7に示す例では代表して24チャネル用のシリアル−パラレル変換回路について説明することとし、12チャネル用のシリアル−パラレル変換回路については相違する部分のみ説明することとする。なお、この実施の形態では、発光体ドライバ411a,411bは24チャネル用のシリアル−パラレル変換回路によって実現され、モータ駆動ドライバ412および発光体ドライバ413a〜413cは12チャネル用のシリアル−パラレル変換回路によって実現される。
図6および図7に示すように、シリアル−パラレル変換回路には、演出制御用中継基板17Aや発光体制御基板17D,17Eを経由して演出制御用マイクロコンピュータ100からのクロック信号を入力するCLK/I端子やデータを入力するDATA/I端子が設けられている。また、入力されたクロック信号とデータの一部はシリアル−パラレル変換回路内で分岐されて、そのままシリアル−パラレル変換回路からスルー出力可能であり、クロック信号をスルー出力するCLK/O端子とデータをスルー出力するDATA/O端子とが設けられている。
例えば、この実施の形態では、図5に示すように、発光体制御基板17Dの発光体ドライバ413bは、演出制御用中継基板17Aを経由して入力した制御信号(クロック信号とデータ)を発光体制御基板17Eの発光体ドライバ413aに出力しているのであるが、発光体ドライバ413bを実現するシリアル−パラレル変換回路のCLK/O端子およびDATA/O端子からそれぞれクロック信号およびデータが発光体ドライバ413aを実現するシリアル−パラレル変換回路に出力されるように構成されている。また、例えば、この実施の形態では、図5に示すように、発光体制御基板17Eの発光体ドライバ413aは、演出制御用中継基板17Aおよび発光体制御基板17Dを経由して入力した制御信号(クロック信号とデータ)を発光体制御基板17Fの発光体ドライバ413cに出力しているのであるが、発光体ドライバ413aを実現するシリアル−パラレル変換回路のCLK/O端子およびDATA/O端子からそれぞれクロック信号およびデータが発光体ドライバ413cを実現するシリアル−パラレル変換回路に出力されるように構成されている。
また、図6および図7に示すように、CLK/I端子から入力されたクロック信号およびDATA/I端子から入力されたデータの他の一部は、デコーダに入力されてシリアル信号形式から24チャネルのパラレル信号形式の信号にデコードされる。そして、レジスタブロックに設けられた各レジスタにそれぞれ一旦格納された後、内部発振クロック回路による内部クロック信号(本例では、6MHzの内部クロック信号)を用いてパルス幅変調(PWM)され、それぞれ各ドライブ出力端子Q0〜Q23から出力される。なお、12チャネルの回路である場合には、12チャネルのパラレル信号形式の信号に変換されて各ドライブ出力端子Q0〜Q11から出力される。なお、各ドライブ出力端子Q0〜Q23や各ドライブ出力端子Q0〜Q11からの出力信号が、例えばLEDなどの発光体に供給されたり動作用モータに供給されたりすることになる。
また、図6および図7に示すように、シリアル−パラレル変換回路には、デコードアドレス入力用の端子AD0〜AD4(12チャネルの回路ではAD0〜AD5)が設けられており、端子AD0〜AD4をそれぞれH(ハイ)またはL(ロー)に設定することにより、シリアル−パラレル変換回路ごとにアドレスを設定することが可能である。DATA/Iから入力されるデータにはアドレス情報も含まれ、シリアル−パラレル変換回路は、入力したデータに含まれるアドレス情報が設定したアドレスと一致するデータのみパラレス信号形式の信号にデコードして各ドライブ出力端子Q0〜Q23から出力する。
なお、24チャネルのシリアル−パラレル変換回路では、デコードアドレス入力用の端子が5端子AD0〜AD4設けられているので、最大32種類のアドレスを設定可能であり、最大で32個のシリアル−パラレル変換回路を接続することが可能である。また、12チャネルのシリアル−パラレル変換回路では、デコードアドレス入力用の端子が6端子AD0〜AD5設けられているので、最大64種類のアドレスを設定可能であり、最大で64個のシリアル−パラレル変換回路を接続することが可能である。
シリアル−パラレル変換回路に設けられたS端子は、CLK/O端子から出力するクロック信号のスルー出力、およびDATA/O端子から出力するデータのスルー出力のスルーレートを設定するための設定端子である。S端子をL(ロー)に設定するとクロック信号およびデータのスルー出力が通常のスルーレートの出力に設定され、S端子をH(ハイ)に設定するとクロック信号およびデータのスルー出力が低スルーレートの出力に設定される。
図8は、クロック信号およびデータのスルー出力のスルーレート設定を説明するための説明図である。図8(1)に示すように、S端子をL(ロー)に設定し通常のスルーレートの出力に設定すると、クロック信号およびデータの波形の立ち上がりや立ち下がりの傾き(単位時間あたりの電圧変化量)がある程度大きい。これに対して、図8(2)に示すように、S端子をH(ハイ)に設定し低スルーレートの出力に設定すると、通常のスルーレートの設定の場合と比較して、クロック信号およびデータの波形の立ち上がりや立ち下がりの傾きが緩やかとなる。
一般に、基板からの電波放射を抑制するためにはスルーレートを低く抑えた方がよく、図8(2)に示す低スルーレートの出力に設定した方がよい。一方、ノイズに対する耐性を確保するためには波形の立ち上がりや立ち下がりの傾きが大きい方がよく、図8(1)に示す通常のスルーレートの出力設定した方がよい。
なお、S端子の設定は、単にCLK/O端子から出力するクロック信号およびDATA/O端子から出力するデータのスルー出力の波形を設定するだけではなく、CLK/I端子から入力したクロック信号およびDATA/I端子から入力したデータに対して出力波形を補償する機能を備えている。すなわち、一般に演出制御用マイクロコンピュータ100などから出力されたクロック信号およびデータは、出力された段階では矩形波として出力されるのであるが、シリアル−パラレル変換回路のCLK/I端子およびDATA/I端子に到達するまでの間の配線による伝送損失が大きい場合などには、本来の矩形波から崩れた波形のクロック信号やデータが入力される場合がある。この実施の形態では、シリアル−パラレル変換回路は、単に入力したクロック信号やデータをそのままスルー出力するのではなく、このように本来の矩形波から崩れた波形の状態で入力されたクロック信号やデータを本来の矩形波に近い波形に補償して出力する機能を備える。この場合、S端子の設定により通常のスルーレートの出力に設定していれば、立ち上がりや立ち下がりの傾きが大きい波形に補償して出力されるので、より本来の矩形波に近い状態の出力信号を出力することができ、外来ノイズによる影響を軽減することができる。ただし、そのように立ち上がりや立ち下がりの傾きが大きいと瞬間的に電圧変化量が大きくなるので、基板外に対する電波放射が大きくなるおそれがある。一方で、S端子の設定により低スルーレートの出力に設定していれば、立ち上がりや立ち下がりの傾きがより小さい波形に補償して出力されるので、通常のスルーレートの出力と比較すると、外来ノイズによる影響に対しては弱くなるが、瞬間的な電圧変化量を小さくすることができ、基板外に対する電波放射が大きくなることを抑えることができる。
なお、上記の出力波形を補償する機能自体を有効とするか無効とするかを設定可能に構成し、上記の出力波形を補償する機能を全て無効とするように構成してもよい。また、上記の出力波形を補償する機能について、シリアル−パラレル変換回路の外部に増幅回路等を設けて、シリアル−パラレル変換回路の外部において実現してもよい。
さらに、上記の通常のスルーレートの出力設定では、入力波形の立ち上がり及び立ち下りの傾きよりも、出力波形の立ち上がり及び立ち下がりの傾きが大きいように補償するものであったが、通常のスルーレートの出力設定として、出力波形の補償を行わずに、入力波形をそのまま出力するようなものとしてもよい(即ち所定態様として入力波形の立ち上がりと同等の立ち上がりの出力波形とするもの)。この場合、低スルーレートの出力設定では、入力波形の立ち上がりよりも傾きが小さくなるような波形を出力すればよい。
シリアル−パラレル変換回路に設けられたT端子は、各ドライブ出力端子Q0〜Q23から出力する信号のタイムアウトリセット機能を設定するための設定端子である。T端子をL(ロー)に設定するとタイムアウトリセット機能が無効状態に設定され、端子をH(ハイ)に設定するとタイムアウトリセット機能が有効状態に設定される。
T端子をH(ハイ)に設定しタイムアウトリセット機能を有効状態に設定すると、CLK/I端子およびDATA/I端子からクロック信号およびデータを入力し、各ドライブ出力端子Q0〜Q23から信号の出力を開始した後、所定期間(本例では、1秒)を経過するとタイムアウトしたものとされて、各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号が自動的にリセット(出力停止)される。従って、タイムアウトリセット機能を有効状態に設定した場合には、各ドライブ出力端子Q0〜Q23から継続して各LEDや動作モータに信号を供給したい場合には、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100から少なくとも所定期間(本例では、1秒)ごとに繰り返し制御信号を出力する必要がある。
シリアル−パラレル変換回路に設けられたQ/S端子は、各ドライブ出力端子Q0〜Q23から出力する信号のドライブ方式を設定するための設定端子である。Q/S端子をL(ロー)に設定すると各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号が定電流出力となるように設定される。また、Q/S端子をH(ハイ)に設定すると各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号がシンク出力となるように設定される。
シリアル−パラレル変換回路に設けられたQ/I端子は、各ドライブ出力端子Q0〜Q23から出力する信号の出力論理を反転して出力するか否かを設定するための設定端子である。Q/I端子をL(ロー)に設定すると各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号の出力論理を反転することなく通常出力するように設定される。また、Q/I端子をH(ハイ)に設定すると各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号の出力論理を反転出力するように設定される。
シリアル−パラレル変換回路に設けられたR端子は、電流リファレンス設定端子である。具体的には、図6に示すように、R端子は定電流回路を経由して各ドライブ出力端子A0〜A23と接続され、R端子とグランド(GND)との間に任意の抵抗値の外部抵抗を接続することによって、ドライブ出力端子Q0〜Q23の全出力の駆動電流値を所定の範囲(例えば、4mA〜20mA)で設定することができる。
シリアル−パラレル変換回路に設けられたVP端子は、保護用の静電保護端子である。VP端子には、そのシリアル−パラレル変換回路において用いられる電源電圧が接続される。すなわち、VP端子にそのシリアル−パラレル変換回路において用いられる電源電圧を接続すれば、その電源電圧以上の過電圧を逃がすことができる。なお、シリアル−パラレル変換回路において複数種類の電源電圧が用いられる場合には、電圧値が高い方の電源電圧をVP端子に接続するようにすればよい。
次に、シリアル−パラレル変換回路が受信するデータの制御データフォーマットについて説明する。図9は、制御データフォーマットを説明するための説明図である。シリアル−パラレル変換回路が受信するデータの基本的な制御データフォーマットは、図9(1)に示す共通フォーマットと、図9(2)に示す基本フォーマットとによって構成される。
図9(1)に示すように、共通フォーマットは、9ビットのヘッダ(HD)、4ビットのデバイスID(ID)、5ビットのデコードアドレスAD0〜AD4(図6および図7参照)、および1ビットのEXデータによって構成される。なお、EXデータは、共通フォーマットに続く制御データフォーマットが基本フォーマットであるか、後述する拡張フォーマットであるかを設定するためのものであり、基本フォーマットではEX=0に設定される。
図9(2)に示すように、基本フォーマットは、ドライブ出力端子Q0〜Q23ごとの6ビットのデータを含んで構成される。例えば、LEDの点灯制御を行うためのデータを伝送する場合、ドライブ出力端子Q0〜Q23ごとに時系列に6ビットのデータを設定して伝送することによって、LEDの諧調制御も含めた点灯制御を行うことができる。
また、制御データフォーマットとして、図9(2)に示す基本フォーマットに代えて拡張フォーマットを使用することも可能である。具体的には、図9(1)に示す共通フォーマットにおいてEX=1に設定されていれば、共通フォーマットに続く制御データフォーマットが、図9(3)に示す拡張フォーマットとなる。
図9(3)に示すように、拡張フォーマットは、ドライブ出力端子Q0〜Q23ごとの1ビットの2値のデータを含んで構成される。拡張フォーマットでは、ドライブ出力端子Q0〜Q23ごとのデータが1ビットで構成されるので、シリアル−パラレル変換回路が受信するデータの制御データフォーマットを小さくすることができる。例えば、シリアル−パラレル変換回路を用いて可動部材用モータ78aやバイブレータ用モータ126を駆動制御する場合であれば、LEDなどの発光体の点灯制御を行う場合と異なり諧調制御などを行う必要がないので、図9(3)に示すような拡張フォーマットを用いることが有効である。
なお、図9では24チャネルのシリアル−パラレル変換回路に用いられる制御データフォーマットについて説明したが、12チャネルのシリアル−パラレル変換回路に用いられる制御データフォーマットでは、例えば、図9(1)に示す共通フォーマットが6ビットのデコードアドレスAD0〜AD5を含む点で異なる。また、例えば、図9(2)に示す基本フォーマットが、12チャネル分のドライブ出力端子Q0〜Q23ごとの6ビットのデータを含んで構成される分短い点で異なる。さらに、例えば、図9(3)に示す拡張フォーマットが、12チャネル分のドライブ出力端子Q0〜Q23ごとの1ビットの2値のデータを含んで構成される分短い点で異なる。
また、シリアル−パラレル変換回路では、各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの信号の出力タイミングを分散させてスペクトラム拡散を図り、放射ノイズの発生を防止して電波放射を抑制できるように構成されている。図10は、シリアル−パラレル変換回路における各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの信号の出力タイミングを説明するための説明図である。この実施の形態では、シリアル−パラレル変換回路が内蔵する内部発振クロック回路では6MHzのクロック信号が出力されるので、図10に示すように、その6MHzの内部クロック信号を1MHzの6相のクロック信号に分離し、ドライブ出力端子Q0〜Q23を1グループあたり4チャネルごとの6グループにグループ分けして、信号の出力タイミングを分散させている。
この実施の形態では、図10に示すように、ドライブ出力端子Q0〜Q3の4チャネルでグループ1が構成され、ドライブ出力端子Q4〜Q7の4チャネルでグループ2が構成され、ドライブ出力端子Q8〜Q11の4チャネルでグループ3が構成され、ドライブ出力端子Q12〜Q15の4チャネルでグループ4が構成され、ドライブ出力端子Q16〜Q19の4チャネルでグループ5が構成され、ドライブ出力端子Q20〜Q23の4チャネルでグループ6が構成される。そして、図10に示すように、同じグループ内のドライブ出力端子(例えば、グループ1内のドライブ出力端子Q0〜Q3)相互間では信号の出力タイミングは同じであるが、異なるグループのドライブ出力端子(例えば、グループ1のドライブ出力端子Q0とグループ2のドライブ出力端子Q4)間では出力タイミングが分散されている。
なお、図10では24チャネルのシリアル−パラレル変換回路における各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの信号の出力タイミングを説明したが、12チャネルのシリアル−パラレル変換回路では、6MHzの内部クロック信号を1MHzの3相のクロック信号に分離し、ドライブ出力端子Q0〜Q11を1グループあたり4チャネルごとの3グループにグループ分けして、信号の出力タイミングを分散させている。
次いで、図6〜図10を用いて説明したシリアル−パラレル変換回路を発光体ドライバ411a,411bや、モータ駆動ドライバ412、発光体ドライバ413a〜413cとして用いる場合の接続例について説明する。図11〜図13は、シリアル−パラレル変換回路の接続例を説明するための説明図である。このうち、図11は、シリアル−パラレル変換回路を盤側LED25a,25bの点灯制御を行うための発光体ドライバ411a,411bとして用いる場合の接続例を示している。また、図12は、シリアル−パラレル変換回路を可動部材用モータ78aおよびバイブレータ用モータ126の駆動制御を行うためのモータ駆動ドライバ412として用いる場合の接続例を示している。また、図13は、シリアル−パラレル変換回路を天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cの点灯制御を行うための発光体ドライバ413a〜413cとして用いる場合の接続例を示している。
まず、図11を用いて、シリアル−パラレル変換回路を盤側LED25a,25bの点灯制御を行うための発光体ドライバ411a,411bとして用いる場合の接続例を説明する。図11に示すように、この実施の形態では、盤側LED25a,25bの点灯制御を行うための発光体ドライバ411a,411bは、24チャネルのシリアル−パラレル変換回路によって実現される。
図11に示す例では、デコードアドレス入力用の端子AD0〜AD4のうち、AD0およびAD1は電源電圧VCC(5V)に接続され、AD2〜AD4はグランド(GND)に接続され、デコードアドレスが00011(B)に設定されている場合が示されている。なお、図11は、一例であり、2つの発光体ドライバ411a,411bが存在するのであるから、発光体ドライバ411a,411bごとに異なるデコードアドレスが設定されるものとする。
また、図11に示す例では、S端子は電源電圧VCC(5V)に接続されている。すなわち、S端子をH(ハイ)に設定することによりクロック信号およびデータのスルー出力が低スルーレートの出力に設定されている。この実施の形態では、図4(2)に示すように、盤側LED25a,25bの点灯制御を行うための発光体ドライバ411a,411bは、全て同じ発光体制御基板17C上に搭載され、発光体ドライバ間の制御信号の伝送は同じ発光体制御基板17C上で行われる(基板をまたがった伝送は行われない)ので、ノイズに対する耐性はそれ程気にする必要はない。そこで、クロック信号およびデータのスルー出力を低スルーレートの出力に設定することによって、むしろ基板からの電波放射を抑制するように構成している。
また、図11に示す例では、T端子は電源電圧VCC(5V)に接続されている。すなわち、T端子をH(ハイ)に設定することによりタイムアウトリセット機能が有効状態に設定されている。
また、図11に示す例では、Q/S端子およびQ/I端子はともにグランド(GND)に接続されている。すなわち、Q/S端子をL(ロー)に設定することにより各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号が定電流出力となるように設定され、Q/I端子をL(ロー)に設定することにより各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号の出力論理を反転することなく通常出力するように設定されている。
また、図11に示す例では、R端子とグランド(GND)との間に所定抵抗値の外部抵抗が接続されている。この実施の形態では、R端子とグランド(GND)との間に10kΩの外部抵抗が接続されているものとする。この場合、例えば、ドライブ出力端子Q0〜Q23の全出力の駆動電流値は、150/10kΩ=15MAに設定される。
また、図11に示す例では、VP端子には電源電圧VCL(5V)が接続され、5V以上の過電圧を逃がすように保護されている。
また、図11に示す例では、各ドライブ出力端子Q0〜Q23は、盤側LED25a,25bに接続されている。なお、図11に示す例では、便宜的にドライブ出力端子ごとに発光体が1つずつ接続されている図が示されているが、発光体としてカラーLEDが接続される場合にはRGB用に3つの端子が1つのカラーLEDに接続されるように構成してもよいし、発光体として単色LEDを用いるのであれば1つの端子が1つの単色LEDに接続されるように構成してもよい。また、例えば、1つの端子に複数の単色LEDが直列に複数接続されるように構成してもよい。
また、図11に示す例では、ドライブ出力端子Q0〜Q23の全ての端子に発光体が接続されている場合が示されているが、発光体の数や配置などに応じてドライブ出力端子Q0〜Q23の全ての端子を用いる必要がなければ、不使用の端子はグランド(GND)に接続するようにすればよい。
次に、図12を用いて、シリアル−パラレル変換回路を可動部材用モータ78aおよびバイブレータ用モータ126の駆動制御を行うためのモータ駆動ドライバ412として用いる場合の接続例を説明する。図12に示すように、この実施の形態では、可動部材用モータ78aおよびバイブレータ用モータ126の駆動制御を行うためのモータ駆動ドライバ412は、12チャネルのシリアル−パラレル変換回路によって実現される。
図12に示す例では、デコードアドレス入力用の端子AD0〜AD5のうち、AD0〜AD2は電源電圧VCC(5V)に接続され、AD3〜AD5はグランド(GND)に接続され、デコードアドレスが000111(B)に設定されている場合が示されている。なお、図12は、一例であり、デコードアドレスとして他の値が設定されていてもよい。
また、図12に示す例では、S端子は電源電圧VCC(5V)に接続されている。すなわち、S端子をH(ハイ)に設定することによりクロック信号およびデータのスルー出力が低スルーレートの出力に設定されている。この実施の形態では、図4(1)に示すように、モータ駆動ドライバ412と他のドライバとの間で制御信号の伝送が行われることはないのであるから、S端子をグランド(GND)に接続(L(ロー)に設定)してクロック信号およびデータのスルー出力が通常のスルーレートの出力となるように設定してもよい。
また、図12に示す例では、T端子は電源電圧VCC(5V)に接続されている。すなわち、T端子をH(ハイ)に設定することによりタイムアウトリセット機能が有効状態に設定されている。
また、図12に示す例では、Q/S端子およびQ/I端子はともに電源電圧VCC(5V)に接続されている。すなわち、Q/S端子をH(ハイ)に設定することにより各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号がシンク出力となるように設定され、Q/I端子をH(ハイ)に設定することにより各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号の出力論理を反転出力するように設定されている。
また、図12に示す例では、R端子とグランド(GND)との間に所定抵抗値の外部抵抗が接続されている。この実施の形態では、R端子とグランド(GND)との間に10kΩの外部抵抗が接続されているものとする。この場合、例えば、ドライブ出力端子Q0〜Q23の全出力の駆動電流値は、150/10kΩ=15MAに設定される。
また、図12に示す例では、VP端子には電源電圧VCC(5V)が接続され、5V以上の過電圧を逃がすように保護されている。
また、図12に示す例では、ドライブ出力端子Q0〜Q11のうち出力タイミングが同じであるグループ1のQ0〜Q3の4チャネルの端子が1つ目の可動部材用モータ78aに接続されている。また、ドライブ出力端子Q0〜Q11のうち出力タイミングが同じであるグループ2のQ4〜Q7の4チャネルの端子が2つ目のバイブレータ用モータ126に接続されている。なお、この実施の形態では、可動部材用モータ78aおよびバイブレータ用モータ126の2つの動作用モータの制御が行われ、グループ3のQ8〜Q11の端子は不要であることから、Q8〜Q11の端子はグランド(GND)に接続されている。
既に説明したように、12チャネルのシリアル−パラレル変換回路の場合、グループ1〜3の3つのグループにグループ分けされてドライブ出力端子Q0〜Q11からの信号の出力タイミングが分散されているのであるが、同じ動作用モータ(本例では、可動部材用モータ78aやバイブレータ用モータ126)に出力される信号間で出力タイミングが異なっていたのでは、動作用モータの駆動精度を維持できないおそれがある。そこで、この実施の形態では、図12に示すように、同じ動作用モータに入力される信号に関しては、同じグループに属するドライブ出力端子に接続するようにして、そのように動作用モータの駆動精度を維持できなくなる事態が発生することを防止ししている。
なお、逆に、例えば、図11で説明した盤側LED25a,25bに接続する場合や、後述する図13の天枠LED28aや左枠LED28b、右枠LED28cに接続する場合など発光体に接続する場合には、上記のような駆動精度の問題などは生じないのであるから、各発光体に出力される信号間で出力タイミングが異なっていても、それ程支障が生じることはない。従って、ドライブ出力端子からの出力信号をLEDなどの発光体に接続する場合には、それ程出力タイミングを気にする必要はない。
次に、図13を用いて、シリアル−パラレル変換回路を天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cの点灯制御を行うための発光体ドライバ413a〜413cとして用いる場合の接続例を説明する。図13に示すように、この実施の形態では、天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cの点灯制御を行うための発光体ドライバ413a〜413cは、12チャネルのシリアル−パラレル変換回路によって実現される。
図13に示す例では、デコードアドレス入力用の端子AD0〜AD5のうち、AD0〜AD3は電源電圧VCC(5V)に接続され、AD4およびAD5はグランド(GND)に接続され、デコードアドレスが001111(B)に設定されている場合が示されている。なお、図13は、一例であり、3つの発光体ドライバ413a〜413cが存在するのであるから、発光体ドライバ413a〜413cごとに異なるデコードアドレスが設定されるものとする。
また、図13に示す例では、S端子はグランド(GND)に接続されている。すなわち、S端子をL(ロー)に設定することによりクロック信号およびデータのスルー出力が通常のスルーレートの出力に設定されている。この実施の形態では、図5に示すように、天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cの点灯制御を行うための発光体ドライバ413a〜413cは、相互に異なる発光体制御基板17D〜17F上に搭載され、異なる基板上に搭載された発光体ドライバ間で制御信号の伝送が行われるので、ノイズの影響が大きい。そこで、クロック信号およびデータのスルー出力を通常のスルーレートの出力に設定することによって、ノイズに対する耐性を確保するように構成している。
また、図13に示す例では、T端子は電源電圧VCC(5V)に接続されている。すなわち、T端子をH(ハイ)に設定することによりタイムアウトリセット機能が有効状態に設定されている。
また、図13に示す例では、Q/S端子およびQ/I端子はともにグランド(GND)に接続されている。すなわち、Q/S端子をL(ロー)に設定することにより各ドライブ出力端子Q0〜Q11からの出力信号が定電流出力となるように設定され、Q/I端子をL(ロー)に設定することにより各ドライブ出力端子Q0〜Q11からの出力信号の出力論理を反転することなく通常出力するように設定されている。
また、図13に示す例では、R端子とグランド(GND)との間に所定抵抗値の外部抵抗が接続されている。この実施の形態では、R端子とグランド(GND)との間に10kΩの外部抵抗が接続されているものとする。この場合、例えば、ドライブ出力端子Q0〜Q23の全出力の駆動電流値は、150/10kΩ=15MAに設定される。
また、図13に示す例では、VP端子には電源電圧VDL(12V)が接続されている。すなわち、図13に示す例では、シリアル−パラレル変換回路には12Vの電源電圧(VDL)と5Vの電源電圧(VCL、VCC)とが用いられているので、で電圧値が高い方の12Vの電源電圧VDLをV端子に接続し、12V以上の過電圧を逃がすように保護されている。
また、図13に示す例では、各ドライブ出力端子Q0〜Q11は、天枠LED28aや左枠LED28b、右枠LED28cとしての複数の発光体に接続されている。なお、図13に示す例では、便宜的にドライブ出力端子ごとに発光体が1つずつ接続されていたり、同様の制御を行う3つの発光体(例えば、単色LED)が直列に接続されていたりする図が示されているが、発光体としてカラーLEDが接続される場合にはRGB用に3つの端子が1つのカラーLEDに接続されるように構成してもよい。
また、図13に示す例では、ドライブ出力端子Q0〜Q11の全ての端子に発光体が接続されている場合が示されているが、発光体の数や配置などに応じてドライブ出力端子Q0〜Q11の全ての端子を用いる必要がなければ、不使用の端子はグランド(GND)に接続するようにすればよい。
また、図11〜図13に示すように、この実施の形態では、発光体ドライバ411やモータ駆動ドライバ412、発光体ドライバ413a〜413cのT端子がそれぞれH(ハイ)に設定されタイムアウト機能が有効状態に設定されている。この実施の形態では、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、後述する演出制御プロセス処理(ステップS705参照)において発光体ユニット71〜74を構成する複数の発光体や天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28cを点灯制御するための制御信号を出力したり、可動部材用モータ78aおよびバイブレータ用モータ126を駆動制御するための制御信号を出力したりするのであるが、タイムアウト機能が有効状態に設定されているので、制御信号を1度出力しただけでは所定期間(本例では、1秒)経過後には各ドライブ出力端子からの出力信号が自動的にリセットされて点灯制御や駆動制御を継続できない。そこで、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、後述する演出制御プロセス処理(ステップS705参照)において、少なくとも所定期間(本例では、1秒)ごとに繰り返し制御信号を出力することによって、盤側LED25a,25bや天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28cの点灯制御を継続して実行したり、可動部材用モータ78aおよびバイブレータ用モータ126の駆動制御を継続して実行したりするように制御している。
なお、この実施の形態では、上記のようにタイムアウト機能を有効状態に設定するように構成し、所定期間(本例では、1秒)ごとに発光体ドライバ411a,411bやモータ駆動ドライバ412、発光体ドライバ413a〜413cのドライブ出力端子からの出力が自動的に停止されるように構成しているので、例えば、可動部材用モータ78aやバイブレータ用モータ126の駆動制御を行った後、可動部材用モータ78aやバイブレータ用モータ126を停止させる制御を行ったにもかかわらず、信号の取りこぼしや誤動作によって可動部材用モータ78aやバイブレータ用モータ126の駆動が停止せず、可動部材用モータ78aやバイブレータ用モータ126の焼き付きを起こしてしまうような事態を防止できるようにしている。
なお、この実施の形態では、図11〜図13に示すように、一律にT端子をH(ハイ)に設定しタイムアウト機能を有効状態に設定する場合を示しているが、そのような態様にかぎらず、用途に応じてタイムアウト機能の有効状態と無効状態との設定を使い分けてもよい。例えば、モータ駆動ドライバについては可動部材用モータ78aやバイブレータ用モータ126の焼き付き防止の観点からタイムアウト機能を有効状態に設定する一方で、盤側LED25a,25bや天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28cなどの発光体に関しては可動部材用モータ78aやバイブレータ用モータ126と異なり焼き付きなどの問題は生じないのであるから、T端子をL(ロー)に設定しタイムアウト機能を無効状態に設定するように構成してもよい。
また、この実施の形態では、点灯制御や駆動制御を継続して実行するために、演出制御用マイクロコンピュータ100が少なくとも所定期間(本例では、1秒)ごとに繰り返し制御信号を出力する場合を示しているが、そのような制御態様にかぎられない。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100とは別に出力回路(出力IC)を設け(演出制御基板80上に設けてもよいし、演出制御用中継基板17Aなど他の基板上に設けてもよい)、演出制御用マイクロコンピュータ100が制御信号を1回出力すると、出力回路が、その1回出力された制御信号にもとづいて、少なくとも所定期間(本例では、1秒)ごとに繰り返し制御信号を出力するように構成してもよい。
また、この実施の形態では、図11〜図13に示すように、T端子が電源電圧VCC(5V)に接続され、ハードウェア上で物理的にT端子がH(ハイ)に設定されてタイムアウトリセット機能が有効状態に設定されている場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、T端子設定用のレジスタにT端子を接続し、演出制御用マイクロコンピュータ100からの設定信号によりレジスタの設定値を変更することにより、ソフトウェア的にタイムアウト機能を有効状態とするか無効状態とするかを設定できるように構成してもよい。
また、この実施の形態では、図11〜図13に示すように、R端子とグランド(GND)との間に所定抵抗値(本例では、10kΩ)の外部抵抗が接続され、ドライブ出力端子Q0〜Q23,Q0〜Q11の全出力の駆動電流値が15MAに設定されている。ここで、内部リファレンス抵抗を備えたシリアル−パラレル変換回路(集積回路(IC))も存在することから、そのような内部リファレンス抵抗を備えたシリアル−パラレル変換回路を発光体ドライバやモータ駆動ドライバとして用いて、内部リファレンス抵抗を用いるように設定することも考えられるが、一般にシリアル−パラレル変換回路が備える内蔵リファレンス抵抗は駆動電流値が固定(例えば、20mA固定)であったり誤差も大きい(例えば、誤差±30%)。そこで、この実施の形態では、R端子とグランド(GND)との間に外部抵抗を接続して外部リファレンス抵抗を用いることによって、適切な駆動電流値(本例では、15MA)に設定するとともに、誤差も提言している(本例では、誤差±3%)。
なお、発光体ドライバやモータ駆動ドライバとして、内部リファレンス抵抗と外部リファレンス抵抗との両方を利用可能なシリアル−パラレル変換回路(集積回路(IC))を用いて、用途に応じて使い分けるように構成してもよい。例えば、演出用にLEDなどの複数の発光体が密集して設けられている場合には、発光がまばらとなると演出に支障が生じることから、外部リファレンス抵抗を用いるようにし誤差が小さくなるように構成してもよい。一方、エラー報知ようなど単独で用いられるLEDの点灯制御を行う場合には、そのような演出上の障害はなく多少誤差が大きくても構わないことから、内部リファレンス抵抗を用いるように構成してもよい。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、電気部品(本例では、盤側LED25a,25bや天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28c、可動部材78を動作させるための可動部材用モータ78a、スティックコントローラ122を振動させるためのバイブレータ用モータ126)を制御するための制御手段(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100)と、制御手段からのシリアル通信方式による制御信号に応じて、電気部品を駆動させるための特定信号(本例では、各ドライブ出力端子Q0〜Q23,Q0〜Q11からの出力信号)を出力する出力手段(本例では、発光体ドライバ411a,411b、モータ駆動ドライバ412、発光体ドライバ413a〜413c)とを備える。また、出力手段は、入力した制御信号を他の出力手段に出力するときの出力状態を、入力した制御信号と同程度以上の変化態様により波形が立ち上がる第1出力状態(本例では、通常のスルーレートの出力状態)と、該第1出力状態よりも緩やかな変化態様により波形が立ち上がる第2出力状態(本例では、低スルーレートの出力状態)とのいずれかの出力状態に設定可能である(本例では、S端子をL(ロー)に設定すれば通常のスルーレートの出力に設定され、S端子をH(ハイ)に設定すれば低スルーレートの出力に設定される)。そのため、使用環境に応じた設定変更が可能となり、設定に応じて、基板からの電波放射を抑制できる一方、誤動作防止のための制御信号のノイズ耐性を高めることができる。具体的には、低スルーレートの出力状態に設定すれば基板からの電波放射を抑制でき、通常のスルーレートの出力状態に設定すれば誤動作防止のための制御信号のノイズ耐性を高めることができる。
また、この実施の形態によれば、出力手段と同一基板内に他の出力手段が設けられている(本例では、図4(2)に示すように、発光体制御基板17C上に複数の発光体ドライバ411a,411bが搭載されており、制御信号が同じ発光体制御基板17C上の発光体ドライバ411a,411b間で順次伝送される)。そして、この場合、出力手段は、第2出力状態に設定されている(本例では、図11に示すように、発光体制御基板17C上に搭載された発光体ドライバ411a,411bではS端子がH(ハイ)に設定され低スルーレートの出力状態に設定されている)。そのため、同一基板内に他の出力手段が設けられている場合には、基板からの電波放射を抑制することができる。
また、この実施の形態によれば、出力手段が設けられている基板と配線部材(例えば、フレキシブルケーブルやワイヤハーネス)を介して接続された他の基板に他の出力手段が設けられている(本例では、図5に示すように、発光体ドライバ413a〜413cはそれぞれ異なる発光体制御基板17D〜17F上に搭載されており、制御信号が異なる発光体制御基板17D〜17Fに搭載された発光体ドライバ413a〜413c間で順次伝送される)。そして、この場合、出力手段は、第1出力状態に設定されている(本例では、図13に示すように、発光体制御基板17D〜17F上に搭載された発光体ドライバ413a〜413cではS端子がL(ロー)に設定され通常のスルーレートの出力状態に設定されている)。そのため、配線部材を介して接続された他の基板に他の出力手段が設けられている場合には、誤動作防止のための制御信号のノイズ耐性を高めることができる。
上記のように、この実施の形態では、一般に回路基板はノイズ耐性が高いので回路基板内における接続関係では電波放射の抑制を優先して低スルーレートの出力状態に設定して緩やかな信号波形とし、逆に基板間に接続される配線部材(例えば、フレキシブルケーブルやワイヤハーネス)はノイズ耐性が低いので回路基板間の絶族関係ではノイズ耐性を優先して通常のスルーレートの出力状態として矩形波に近い信号波形としている。そのように構成することによって、この実施の形態では、遊技機外部に対する電波放射を抑制しつつ、誤動作防止のための制御信号のノイズ耐性を高めることができる。
なお、この実施の形態では、図11〜図13に示すように、S端子が電源電圧VCC(5V)に接続されたりグランド(GND)に接続され、ハードウェア上で物理的にS端子がH(ハイ)に設定されて低スルーレートの出力状態に設定されたりL(ロー)に設定されて通常のスルーレートの出力状態に設定されたりしている場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、S端子設定用のレジスタにS端子を接続し、演出制御用マイクロコンピュータ100からの設定信号によりレジスタの設定値を変更することにより、ソフトウェア的に低スルーレートの出力状態とするか通常のスルーレートの出力状態とするかを設定できるように構成してもよい。
また、この実施の形態では、同一基板内に搭載された出力手段(本例では、発光体ドライバ)間での低スルーレートの出力状態による制御信号の伝送、または異なる基板に搭載された出力手段間での通常のスルーレートの出力状態による制御信号の伝送のいずれか一方のみが行われる基板(本例では、発光体制御基板17C〜17F)を備える場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、1つの発光体制御基板に複数の発光体ドライバが搭載されている場合であって、それらの発光体ドライバのうち同じ発光体制御基板上の発光体ドライバ間で制御信号の伝送を行うものと、さらに他の発光体制御基板に搭載れた発光体ドライバに対して制御信号を伝送するものとが混在するように構成してもよい。この場合、例えば、同じ発光体制御基板上に搭載された発光体ドライバであっても、発光体ドライバ間で制御信号の伝送を行うものは低スルーレートの出力状態に設定し、他の発光体制御基板上に搭載された発光体ドライバに対して制御信号を出力するものは通常のスルーレートの出力状態に設定するように構成してもよい。
また、同じ発光体制御基板上に搭載された発光体ドライバ間で制御信号を伝送する場合であっても、必ずしも低スルーレートの出力状態に設定するのではなく、例えば、発光体制御基板上に搭載された1つの発光体ドライバが出力する制御信号を基板上で分岐する場合には、通常のスルーレートの出力状態に設定するようにしてもよい。図14は、発光体制御基板上に搭載された1つの発光体ドライバが出力する制御信号を基板上で分岐する場合の変形例を示す説明図である。
図14に示す変形例1では、発光体制御基板17G上に搭載された1つの発光体ドライバ413dが出力する制御信号(クロック信号とデータのスルー出力)を基板上で分岐し、分岐した一方の制御信号が同じ発光体制御基板17G上の発光体ドライバ413eに伝送され、分岐した他方の制御信号が同じ発光体制御基板17G上の発光体ドライバ413fに伝送される場合が示されている。変形例1に示すように、同じ発光体制御基板17G上であっても、制御信号が分岐されてそれぞれ他の発光体ドライバ413e,413fに伝送される場合には、分岐によって制御信号が減衰してノイズの影響を受けやすくなる。そのため、図14に示すように、S端子をL(ロー)に設定して通常のスルーレートの出力状態に設定し、制御信号のノイズ耐性を高めるように構成してもよい。
図14に示す変形例2では、発光体制御基板17H上に搭載された1つの発光体ドライバ413gが出力する制御信号(クロック信号とデータのスルー出力)を基板上で分岐し、分岐した一方の制御信号が同じ発光体制御基板17H上の発光体ドライバ413hに伝送され、分岐した他方の制御信号が外部の発光体制御基板(図示せず)上の発光体ドライバ(図示せず)に伝送される場合が示されている。変形例2に示すように、分岐した他方の制御信号が外部基板に伝送される場合であっても、やはり変形例1と同様に、分岐によって制御信号が減衰してノイズの影響を受けやすくなる。そのため、図14に示すように、S端子をL(ロー)に設定して通常のスルーレートの出力状態に設定し、制御信号のノイズ耐性を高めるように構成してもよい。
また、この実施の形態によれば、出力手段は、複数の異なるグループにグループ化された特定信号出力部(本例では、各ドライバ出力端子Q0〜Q23,Q0〜Q11)からパラレル通信方式による特定信号(本例では、各ドライバ出力端子Q0〜Q23,Q0〜Q11からの出力信号)を出力する(本例では、24チャネルのシリアル−パラレル変換回路の場合、図10に示すように、1グループあたり4チャネルごとの6グループにグループ分けされている。また、12チャネルのシリアル−パラレル変換回路の場合、1グループあたり4チャネルごとの3グループにグループ分けされている。)。そして、特定信号出力部からの特定信号の出力タイミングは、グループごとに異なる(本例では、図10に示すように、ドライバ出力端子Q0〜Q23,Q0〜Q11からの出力信号の出力タイミングがグループごとに分散されている)。そのため、各ドライブ出力端子Q0〜Q23,Q0〜Q11からの信号の出力タイミングを分散させてスペクトラム拡散を図り、放射ノイズの発生を防止して、基板からの電波放射をより一層抑制することができる。
また、この実施の形態によれば、動作を行う可動部材(本例では、可動部材78)を備える。また、可動部材を動作させる駆動手段(本例では、可動部材用モータ78a)は、出力手段の同一グループの特定信号出力部から出力される特定信号にもとづいて駆動される(本例では、図12に示すように、同じ動作用モータに入力される信号に関しては、同じグループに属するドライブ出力端子に接続される)。そのため、基板からの電波放射を抑制しつつ、駆動手段の駆動精度の低下を抑制することができる。
また、この実施の形態によれば、出力手段は、制御信号を入力してから所定期間(本例では、1秒)経過後に特定信号の出力を停止する停止機能(本例では、タイムアウト機能)を有する(本例では、T端子をH(ハイ)に設定することによってタイムアウト機能が有効状態に設定される。図7参照。)。そのため、配線不具合などによる動作不具合を回避でき、電気部品を安定して制御することができる。
また、この実施の形態によれば、制御信号を継続して出力するための制御信号継続手段を備える(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、演出制御プロセス処理(ステップS705参照)において、少なくとも所定期間(本例では、1秒)ごとに繰り返し制御信号を出力することによって、盤側LED25a,25bや天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28cの点灯制御を継続して実行したり、可動部材用モータ78aやバイブレータ用モータ126の駆動制御を継続して実行したりするように制御している)。そのため、出力手段の停止機能に対応した制御を実現することができる。
また、この実施の形態によれば、出力手段は、停止機能を有効または無効に設定可能である(本例では、T端子をL(ロー)に設定することによってタイムアウト機能が無効状態に設定され、T端子をH(ハイ)に設定することによってタイムアウト機能が有効状態に設定される。図7参照。)。そのため、用途に応じた出力手段の停止機能の設定変更が可能となり、部品共通化によりコストを削減することができる。
次に、遊技機の動作について説明する。図15は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(ステップS10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。また、CPU56は、バックアップRAMに保存されている表示結果(通常大当り、確変大当り、突然確変大当り、小当り、またははずれ)を指定した表示結果指定コマンドを演出制御基板80に対して送信する(ステップS44)。そして、ステップS14に移行する。なお、ステップS44において、CPU56は、例えば、後述する特別図柄ポインタの値もバックアップRAMに保存している場合には、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンド(図24参照)も送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンドを受信したことにもとづいて、第4図柄の変動表示を再開するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する変動時間タイマの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、ステップS44で表示結果指定コマンドが送信された後、保存していた変動時間タイマの値の計測を再開して特別図柄の変動表示が再開されるとともに、保存していた変動時間タイマの値がタイムアウトしたときに、さらに後述する図柄確定指定コマンドが送信される。また、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する特別図柄プロセスフラグの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、保存されている特別図柄プロセスフラグの値に応じたプロセスから特別図柄プロセス処理が再開される。
なお、停電復旧時に必ず表示結果指定コマンドを送信するのではなく、CPU56は、まず、バックアップRAM領域に保存している変動時間タイマの値が0であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、変動時間タイマの値が0でなければ、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、変動時間タイマが0であれば、停電時に変動中の状態ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
また、CPU56は、まず、バックアップRAM領域に保存している特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、特別図柄プロセスフラグの値が3であれば、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、特別図柄プロセスフラグが3でなければ、停電時に変動中ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図16に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図17は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。図17に示すように、この実施の形態では、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−1〜非リーチPA1−3の変動パターンが用意されている。このうち、非リーチPA1−1は、リーチを伴わず且つ擬似連や滑り演出も伴わない変動パターンであって、短縮変動でない通常変動用の変動パターン(本例では、変動時間12.50秒)である。また、非リーチPA1−2は、リーチを伴わず且つ擬似連や滑り演出も伴わない変動パターンであって、短縮変動用の変動パターン(本例では、変動時間8.00秒)である。また、非リーチPA1−3は、リーチを伴わず且つ擬似連や滑り演出も伴わない変動パターンであって、短縮変動よりもさらに変動時間が短い超短縮変動用の変動パターン(本例では、変動時間2.00秒)である。
なお、この実施の形態では、図17に示すように、非リーチはずれとなる場合には擬似連や滑り演出を伴う変動パターンが含まれない場合を示しているが、非リーチはずれとなる場合にも擬似連や滑り演出を伴う変動パターンを設けるように構成してもよい。
また、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1〜ノーマルPA2−2、ノーマルPB2−1〜ノーマルPB2−2、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−2の変動パターンが用意されている。なお、図17に示すように、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−1を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−2を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2を用いる場合には、再変動が3回行われる。なお、再変動とは、演出図柄の可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦はずれとなる演出図柄を仮停止させた後に演出図柄の可変表示を再度実行することである。
また、図17に示すように、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄または小当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−3〜ノーマルPA2−4、ノーマルPB2−3〜ノーマルPB2−4、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4、スーパーPB3−3〜スーパーPB3−4、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンが用意されている。なお、図17において、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンは、突然確変大当りまたは小当りとなる場合に使用される変動パターンである。また、図17に示すように、突然確変大当りまたは小当りでない場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−3を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−4を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4を用いる場合には、再変動が3回行われる。また、突然確変大当りまたは小当りの場合に使用され擬似連の演出を伴う特殊PG1−3の変動パターンについては、再変動が1回行われる。
図18は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム4(MR4):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
図16に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。なお、大当り判定用乱数として、ハードウェア乱数ではなく、ソフトウェア乱数を用いてもよい。
図19(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態や時短状態(すなわち、確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図19(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図19(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図19(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
図19(B),(C)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)と、第2特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)とがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)には、図19(B)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)には、図19(C)に記載されている各数値が設定されている。また、図19(B),(C)に記載されている数値が小当り判定値である。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図19(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図19(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図19(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図19(B),(C)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、この実施の形態では、図19(B),(C)に示すように、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いる場合には300分の1の割合で小当りと決定されるのに対して、小当り判定テーブル(第2特別図柄)を用いる場合には3000分の1の割合で小当りと決定される場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「小当り」と決定される割合が高い。
図19(D),(E)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131a,131bを示す説明図である。このうち、図19(D)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aである。また、図19(E)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bである。
大当り種別判定テーブル131a,131bは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、図19(D),(E)に示すように、大当り種別判定テーブル131aには「突然確変大当り」に対して5個の判定値が割り当てられている(40分の5の割合で突然確変大当りと決定される)のに対して、大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」に対して1個の判定値が割り当てられている(40分の1の割合で突然確変大当りと決定される)場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「突然確変大当り」と決定される割合が高い。なお、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブル131aにのみ「突然確変大当り」を振り分けるようにし、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」の振り分けを行わない(すなわち、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ、「突然確変大当り」と決定される場合がある)ようにしてもよい。
この実施の形態では、図19(D),(E)に示すように、大当り種別として、「通常大当り」、「確変大当り」および「突然確変大当り」がある。なお、この実施の形態では、大当り遊技において実行されるラウンド数が15ラウンドおよび2ラウンドの2種類である場合を示しているが、大当り遊技において実行されるラウンド数は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、10ラウンドの大当り遊技に制御する10R確変大当りや、7ラウンドの大当り遊技に制御する7R確変大当り、5ラウンドの大当り遊技に制御する5R確変大当りが設けられていてもよい。また、この実施の形態では、大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」および「突然確変大当り」の3種類である場合を示しているが、3種類にかぎらず、例えば、4種類以上の大当り種別を設けるようにしてもよい。また、逆に、大当り種別が3種類よりも少なくてもよく、例えば、大当り種別として2種類のみ設けられていてもよい。
「通常大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に時短状態のみに移行させる大当りである(後述するステップS167参照)。そして、時短状態に移行した後、変動表示を所定回数(この実施の形態では100回)終了すると時短状態が終了する(ステップS168,S137〜S140参照)。なお、変動表示を所定回数終了する前であっても、次の大当りが発生した場合にも、時短状態を終了する(ステップS132参照)。
「確変大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。後述するステップS169,S170参照)。そして、次の大当りが発生するまで、確変状態および時短状態が継続する(ステップS132参照)。
また、「突然確変大当り」とは、「通常大当り」や「確変大当り」と比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される大当りである。すなわち、「突然確変大当り」となった場合には、2ラウンドの大当り遊技状態に制御される。また、「通常大当り」や「確変大当り」では、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が29秒と長いのに対して、「突然確変大当り」では1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が0.1秒と極めて短く、大当り遊技中に大入賞口に遊技球が入賞することは殆ど期待できない。そして、この実施の形態では、その突然確変大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行される(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。後述するステップS169,S170参照)。そして、次の大当りが発生するまで、確変状態および時短状態が継続する(ステップS132参照)。
なお、突然確変大当りの態様は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、大入賞口の開放回数は通常大当りや突然確変大当りと同じ15回(15ラウンド)とし、大入賞口の開放時間のみ0.1秒と極めて短くするようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、「小当り」となった場合にも、大入賞口の開放が0.1秒間ずつ2回行われ、「突然確変大当り」による大当り遊技状態と同様の制御が行われる。そして、「小当り」となった場合には、大入賞口の2回の開放が終了した後、遊技状態は変化せず、「小当り」となる前の遊技状態が維持される。そのようにすることによって、「突然確変大当り」であるか「小当り」であるかを認識できないようにし、遊技の興趣を向上させている。なお、大当り種別が全て確変大当りであるように構成する場合、小当りを設けなくてもよい。また、大当り種別が全て確変大当りである場合に小当りを設けるように構成する場合には、確変状態(高確率状態)に移行されるのみで時短状態(高ベース状態)を伴わない突然確変大当りを設けるようにすること(大入賞口の開放パターンも突然確変大当りと小当りの場合とで同じにすること)が好ましい。
大当り種別判定テーブル131a,131bには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
図20(A)〜(C)は、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cを示す説明図である。大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
各大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3、特殊CA4−1、特殊CA4−2の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
例えば、大当り種別が「通常大当り」である場合に用いられる図20(A)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Aと、大当り種別が「確変大当り」である場合に用いられる図20(B)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Bとで、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3の変動パターン種別に対する判定値の割り当てが異なっている。
このように、大当り種別に応じて選択される大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cを比較すると、大当り種別に応じて各変動パターン種別に対する判定値の割り当てが異なっている。また、大当り種別に応じて異なる変動パターン種別に対して判定値が割り当てられている。よって、大当り種別を複数種類のうちのいずれにするかの決定結果に応じて、異なる変動パターン種別に決定することができ、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
なお、図20(A),(B)に示すように、この実施の形態では、「通常大当り」または「確変大当り」である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が150〜251であれば、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示が実行されることがわかる。
また、スーパーリーチ大当りについて、擬似連を伴う変動パターン種別(スーパーPA3−3、スーパーPA3−4の変動パターンを含む変動パターン種別)と、擬似連を伴わない変動パターン種別(スーパーPB3−3、スーパーPB3−4の変動パターンを含む変動パターン種別)とに分けてもよい。この場合、通常大当り用の大当り用変動パターン種別判定テーブル132Aおよび確変大当り用の大当り用変動パターン種別判定テーブル132Bの両方において、スーパーリーチかつ擬似連を伴う変動パターン種別と、スーパーリーチかつ擬似連を伴わない変動パターン種別とが割り当てられることになる。
また、大当り種別が「突然確変大当り」である場合に用いられる大当り用変動パターン種別判定テーブル132Cでは、例えば、特殊CA4−1、特殊CA4−2といった大当り種別が「突然確変大当り」以外である場合には判定値が割り当てられない変動パターン種別に対して、判定値が割り当てられている。よって、可変表示結果が「大当り」となり大当り種別が「突然確変大当り」となることに応じて突然確変大当り状態に制御する場合には、通常大当りや確変大当りによる大当り状態に制御する場合とは異なる変動パターン種別に決定することができる。
また、図20(D)は、小当り用変動パターン種別判定テーブル132Dを示す説明図である。小当り用変動パターン種別判定テーブル132Dは、可変表示結果を小当り図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、図20(D)に示すように、小当りとすることに決定されている場合には、変動パターン種別として特殊CA4−1が決定される場合が示されている。
図21(A)〜(C)は、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cを示す説明図である。このうち、図21(A)は、遊技状態が通常状態であるとともに合算保留記憶数が3未満である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Aを示している。また、図21(B)は、遊技状態が通常状態であるとともに合算保留記憶数が3以上である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bを示している。また、図21(C)は、遊技状態が確変状態や時短状態である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cを示している。はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cは、可変表示結果をはずれ図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
各はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Bには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3、ノーマルCA2−4〜ノーマルCA2−6、スーパーCA2−7の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
なお、図21(A),(B)に示すように、この実施の形態では、はずれであるとともに遊技状態が通常状態である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が230〜251であれば、合算保留記憶数にかかわらず、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示が実行されることがわかる。
また、図21(A)、(B)に示すように、この実施の形態では、はずれであるとともに遊技状態が通常状態である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が1〜79であれば、合算保留記憶数にかかわらず、少なくともリーチを伴わない(擬似連や滑り演出などの演出も伴わない)通常変動の変動表示が実行されること(非リーチCA2−1の変動パターン種別となることから、後述する図23に示すように非リーチ通常変動の非リーチPA1−1の変動パターンとなること)がわかる。そのようなテーブル構成により、この実施の形態では、判定テーブル(はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A,135B)は、リーチ用可変表示パターン(リーチを伴う変動パターン)以外の可変表示パターンのうちの少なくとも一部に対して、保留記憶手段(第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファ)が記憶する権利の数(第1保留記憶数や第2保留記憶数、合算保留記憶数)にかかわらず、共通の判定値(図21(A),(B)に示す例では1〜79)が割り当てられるように構成されている。なお、「リーチ用可変表示パターン以外の可変表示パターン」とは、この実施の形態で示したように、例えば、リーチを伴わず、擬似連や滑り演出などの演出も伴わず、可変表示結果が大当りとならない場合に用いられる可変表示パターン(変動パターン)のことである。
また、図21(A)、(B)に示すように、この実施の形態では、はずれであるとともに遊技状態が通常状態である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が1〜99であれば、合算保留記憶数にかかわらず、少なくともリーチを伴わない(擬似連や滑り演出などの演出も伴わない)通常変動、短縮変動または超短縮変動のいずれかの変動表示が実行されること(少なくとも非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3のいずれかの変動パターン種別となることから、後述する図23に示すように非リーチ通常変動の非リーチPA1−1〜非リーチPA1−3のいずれかの変動パターンとなること)がわかる。
なお、この実施の形態では、図21に示すように、確変状態や時短状態(高ベース状態)において非リーチCA2−3の変動パターン種別を選択して非リーチPA1−3の超短縮変動の変動パターンを決定可能であるとともに、通常状態(低ベース状態)であっても合算保留記憶数が3以上であれば非リーチPA1−3の超短縮変動の変動パターンを決定可能である場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、確変状態や時短状態(高ベース状態)である場合にのみ、非リーチCA2−3の変動パターン種別を選択して非リーチPA1−3の超短縮変動の変動パターンを決定可能に構成してもよい。また、例えば、通常状態(低ベース状態)であって合算保留記憶数が3未満であっても低い確率で超短縮変動の変動パターンを決定可能に構成してもよいし、確変状態や時短状態(高ベース状態)である場合に非リーチCA2−1や非リーチCA2−2の変動パターン種別を選択して通常変動や短縮変動の変動パターンを決定可能に構成してもよい。
また、この実施の形態では、非リーチの変動パターンとして、通常変動(変動時間12.5秒)の非リーチPA1−1と、短縮変動(変動時間8.0秒)の非リーチPA1−2と、超短縮変動(変動時間2.0秒)の非リーチPA1−3との3種類の変動パターンを用いる場合を示したが、そのような態様にかぎらず、例えば、4種類以上の非リーチの変動パターンを設けるように構成してもよい。この場合、例えば、この実施の形態で示した非リーチPA1−1〜PA1−3の変動パターンに加えて、変動時間4.0秒の非リーチの変動パターンを設けるように構成してもよい。
図22(A),(B)は、ROM54に記憶されている当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bを示す説明図である。当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、可変表示結果を「大当り」や「小当り」にする旨の判定がなされたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、変動パターン種別をノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137Aが使用テーブルとして選択され、変動パターン種別を特殊CA4−1、特殊CA4−2のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137Bが使用テーブルとして選択される。各当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)の値と比較される数値(判定値)であって、演出図柄の可変表示結果が「大当り」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに対応するデータ(判定値)を含む。
図23は、ROM54に記憶されているはずれ変動パターン判定テーブル138Aを示す説明図である。はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。
図24および図25は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図24および図25に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図17に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、大当りとするか否か、小当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C05(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C05(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001,A002(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。この実施の形態では、大当りの種類に応じて、大当り開始指定コマンドまたは小当り/突然確変大当り開始指定コマンドが用いられる。具体的には、「通常大当り」や「確変大当り」である場合には大当り開始指定コマンド(A001(H))が用いられ、「突然確変大当り」や「小当り」である場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(A002(H))が用いられる。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然大当りである場合に突然確変大当り開始指定用のファンファーレ指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはファンファーレ指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。また、A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。なお、大当り終了指定コマンド(A301(H))は、「通常大当り」や「確変大当り」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。コマンドA302(H)は、小当りの遊技の終了または突然確変大当りの遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り/突然確変大当り終了指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然確変大当りである場合に突然確変大当り終了指定用のエンディング指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはエンディング指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(通常状態背景指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が確変状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(確変状態背景指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が時短状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(時短状態背景指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第2始動入賞指定コマンド)である。なお、この実施の形態では、以下、第1始動入賞指定コマンドと第2始動入賞指定コマンドとを、始動入賞指定コマンドと総称することがある。
コマンドC2XX(H)は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC2XX(H)における「XX」が、合算保留記憶数を示す。コマンドC300(H)は、合算保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数減算指定コマンド)である。なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、合算保留記憶数を減算する場合には合算保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、合算保留記憶数減算指定コマンドを使用せず、合算保留記憶数を減算するときに、減算後の合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。
コマンドC4XX(H)およびコマンドC6XX(H)は、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC4XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否かや、小当りとなるか否か、大当りの種別の判定結果を示す演出制御コマンド(図柄指定コマンド)である。また、コマンドC6XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す演出制御コマンド(変動カテゴリコマンド)である。
この実施の形態では、後述する入賞時演出処理(図33参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞時に、大当りとなるか否かや、小当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りや小当りとなることを指定する値や、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う。また、変動カテゴリコマンドのEXTデータに判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う。なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄指定コマンドに設定されている値にもとづいて、表示結果が大当りや小当りとなるか否か、大当りの種別を認識できるとともに、変動カテゴリコマンドにもとづいて、変動パターン種別判定用乱数の値が所定の判定値となる場合には変動パターン種別を認識できる。
図26は、図柄指定コマンドの内容の一例を示す説明図である。図26に示すように、この実施の形態では、大当りや小当りとなるか否かと、大当りの種別とに応じて、EXTデータが設定され、図柄指定コマンドが送信される。
例えば、後述する入賞時演出処理において、「はずれ」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「00(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄1指定コマンド)を送信する。また、例えば、「通常大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「01(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄2指定コマンド)を送信する。また、例えば、「確変大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「02(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄3指定コマンド)を送信する。また、例えば、「突然確変大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「03(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄4指定コマンド)を送信する。また、例えば、「小当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「04(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄5指定コマンド)を送信する。なお、図柄指定コマンドに設定されるEXTデータと、表示結果指定コマンドに設定されるEXTデータとを共通化してもよい。そのように構成すれば、図柄指定コマンドを設定する際と表示結果指定コマンドを設定する際とで、読み出すデータを共通化することができる。
図27および図28は、変動カテゴリコマンドの内容の一例を示す説明図である。図27および図28に示すように、この実施の形態では、いずれの遊技状態であるかと、特別図柄や演出図柄の表示結果がいずれの表示結果となるかと、始動入賞時に変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲になると判定したとかとに応じて、EXTデータに値が設定され、変動カテゴリコマンドが送信される。
例えば、始動入賞時に、遊技状態が通常状態且つはずれとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜79となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜79となる場合には、CPU56は、EXTデータに「00(H)」を設定した変動カテゴリ1コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数にかかわらず、判定値1〜79の範囲には非リーチCA2−1の変動パターン種別が共通に割り当てられているのであるから、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動カテゴリ1コマンドを受信したことにもとづいて、少なくとも変動パターン種別が非リーチCA2−1となることを認識することができる。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が80〜89となる場合には、EXTデータに「01(H)」を設定した変動カテゴリ2コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が90〜99となる場合には、EXTデータに「02(H)」を設定した変動カテゴリ3コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が100〜169となる場合には、EXTデータに「03(H)」を設定した変動カテゴリ4コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が170〜199となる場合には、EXTデータに「04(H)」を設定した変動カテゴリ5コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が200〜214となる場合には、EXTデータに「05(H)」を設定した変動カテゴリ6コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が215〜229となる場合には、EXTデータに「06(H)」を設定した変動カテゴリ7コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が230〜251となる場合には、EXTデータに「07(H)」を設定した変動カテゴリ8コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数にかかわらず、判定値230〜251の範囲にはスーパーCA2−7の変動パターン種別が共通に割り当てられているのであるから、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動カテゴリ8コマンドを受信したことにもとづいて、少なくとも変動パターン種別がスーパーCA2−7となることを認識することができる。
なお、上記のいずれの変動カテゴリに属するかを判定するために用いられる閾値79、89、99、169、199、214および229は、具体的には、図21(A),(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブルにおける各変動パターン種別に割り当てられた判定値の範囲の境界となりうる値をピックアップして導き出されたものである。このことは、以降の変動カテゴリ9〜10,21〜29についても同様であり、図20(A)〜(D)や図21(C)に示す変動パターン種別判定テーブルにおける各変動パターン種別に割り当てられた判定値の範囲の境界となりうる値をピックアップしてカテゴリ判定のために用いられる閾値が導き出される。
また、例えば、始動入賞時に、遊技状態が確変状態または時短状態且つはずれとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜219となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜219となる場合(すなわち、非リーチCA2−3の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「08(H)」を設定した変動カテゴリ9コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が220〜251となる場合(すなわち、スーパーCA2−7の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「09(H)」を設定した変動カテゴリ10コマンドを送信する。
なお、遊技状態が確変状態や時短状態である場合にも、判定値230〜251の範囲にスーパーCA2−7の変動パターン種別を割り当てるようにしてもよい。そのようにすれば、遊技状態にかかわらず、スーパーCA2−7の変動パターン種別に対して共通の判定値が割り当てられるようにすることができる。そのため、後述する入賞時演出の処理のステップS232の処理を実行する際に、はずれであれば、遊技状態にかかわらず共通の判定処理を行えばよくなり、プログラム容量をより低減することができる。また、この場合、ステップS226の遊技状態の判定処理も不要とすることができる。
また、例えば、始動入賞時に、「通常大当り」となると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜74となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜74となる場合(すなわち、ノーマルCA3−1の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「10(H)」を設定した変動カテゴリ21コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が75〜149となる場合(すなわち、ノーマルCA3−2の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「11(H)」を設定した変動カテゴリ22コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が150〜251となる場合(すなわち、スーパーCA3−3の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「12(H)」を設定した変動カテゴリ23コマンドを送信する。
また、例えば、始動入賞時に、「確変大当り」となると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜38となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜38となる場合(すなわち、ノーマルCA3−1の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「13(H)」を設定した変動カテゴリ24コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が39〜79となる場合(すなわち、ノーマルCA3−2の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「14(H)」を設定した変動カテゴリ25コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が80〜251となる場合(すなわち、スーパーCA3−3の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「15(H)」を設定した変動カテゴリ26コマンドを送信する。
また、例えば、始動入賞時に、突然確変大当りとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜100となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜100となる場合(すなわち、特殊CA4−1の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「16(H)」を設定した変動カテゴリ27コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が101〜251場合(すなわち、特殊CA4−2の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「17(H)」を設定した変動カテゴリ28コマンドを送信する。
また、例えば、始動入賞時に、小当りとなると判定した場合、CPU56は、EXTデータに「18(H)」を設定した変動カテゴリ29コマンドを送信する。
なお、始動入賞時に入賞時判定を行ったときと実際に変動表示を開始するときとでは必ずしも合算保留記憶数が同じであるとは限らないのであるから、入賞時判定結果指定コマンドで示される変動パターン種別が実際に変動表示で用いられる変動パターン種別と一致しない場合も生じうる。しかし、この実施の形態では、少なくとも非リーチCA2−1、スーパーCA2−7およびスーパーCA3−3の変動パターン種別については、合算保留記憶数にかかわらず共通の判定値が割り当てられているのであるから(図20、図21参照)、入賞時判定結果と実際に実行される変動表示の変動パターン種別とで不整合が生じない。そのため、この実施の形態では、このうちスーパーCA2−7またはスーパーCA3−3の変動パターン種別になるとの入賞時判定結果にもとづいて先読み予告演出の一種である保留等予告演出が実行される。なお、非リーチCA2−1の変動パターン種別となる場合にも保留等予告演出を実行可能に構成してもよい。また、非リーチCA2−1、スーパーCA2−7およびスーパーCA3−3の変動パターン種別となると判定した場合にのみ、図27および図28に示す変動カテゴリコマンド(具体的には、変動カテゴリ1コマンド、変動カテゴリ8コマンド、変動カテゴリ23コマンド、変動カテゴリ26コマンドのみ)を送信し、それ以外の変動パターン種別の入賞時判定結果の場合には変動カテゴリコマンドを送信しないようにしてもよい。また、非リーチCA2−1、スーパーCA2−7およびスーパーCA3−3以外となると入賞時判定された場合には、変動パターン種別を特定不能であることを示す変動カテゴリコマンドを送信するようにしてもよい。
なお、「先読み予告演出」とは、予告演出の対象となる変動表示が開始されるよりも前に実行される予告演出のことである。この実施の形態では、後述するように、始動入賞が発生したときに先読み予告演出の一種である保留等予告演出の実行を決定すると、保留表示やアクティブ表示を通常態様(本例では、白色の丸形表示)とは異なる特殊表示態様(本例では、青色や、緑色、赤色の丸形表示、または宝箱を模した表示)に変化させる保留等予告演出を実行する。なお、この実施の形態では、保留等予告演出を実行する場合、始動入賞が発生したタイミングで通常態様またはいずれかの特殊表示態様で保留表示の表示を開始し、その後の変動表示の各変化タイミング(後述する変動開始時、変動中期、または変動後期)で作用演出が実行されて予告対象の保留表示がいずれかの特殊表示態様に順次変化していく演出が実行される。また、その後、予告対象の変動表示が開始されるタイミングで、予告対象の保留記憶が消化されて、予告対象の保留表示が消去されるとともに、アクティブ表示領域9Aにおいてアクティブ表示が表示され、その予告対象の変動表示でも各変化タイミング(後述する変動開始時、変動中期、または変動後期)で作用演出が実行されてアクティブ表示がいずれかの特殊表示態様に変化可能である(従って、この実施の形態では、保留等予告演出には、少なくとも、作用演出を実行する部分と予告対象の保留表示やアクティブ表示が変化する部分との両方が含まれる)。そして、予告対象の変動表示を終了すると、その特殊表示態様のアクティブ表示が消去される。従って、この実施の形態では、保留等予告演出が実行されると、特殊表示態様の表示(保留表示、アクティブ表示)が予告対象の変動表示を終了するまで継続される。
なお、先読み予告演出の演出態様は、この実施の形態で示したものにかぎらず、保留等予告演出に加えて、例えば、先読み予告演出として、複数変動にわたって連続してチャンス目図柄などの特殊表示結果を停止表示させる演出を実行したり、複数変動にわたってカウントダウンするような態様の演出を実行したり、背景画面が変化するような態様で演出モードを変更する演出を実行したりするなど、様々な態様が考えられる。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図24および図25に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
図29および図30は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしていたら、すなわち、第1始動入賞口13への始動入賞が発生していたら、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。また、CPU56は、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち第2始動入賞口14への始動入賞が発生していたら、第2始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS313,S314)。そして、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。第1始動入賞口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、決定した変動パターンに応じた変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行い、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において第4図柄が停止されるように制御する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され(図41参照)、ステップS22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、大入賞口開放中指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。また、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A101(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A10A(H))が送信される。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大入賞口開放中処理では、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、大当り中開放後指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は小当り遊技中の大入賞口の開放毎に実行されるが、小当り遊技中の最初の開放を開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ大入賞口の開放回数が残っている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全ての開放を終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10)に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図31は、ステップS312,S314の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。このうち、図31(A)は、ステップS312の第1始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。また、図31(B)は、ステップS314の第2始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。
まず、図31(A)を参照して第1始動口スイッチ通過処理について説明する。第1始動口スイッチ13aがオン状態の場合に実行される第1始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(ステップS1211A)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1212A)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1213A)。また、CPU56は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(ステップS1214A)。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口13に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。例えば、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
図32(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。図32(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。なお、図32(A)には、合算保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。図32(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞にもとづき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。従って、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順が記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図32(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS1215A)。なお、ステップS1215Aの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を第1始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
図32(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図32(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
次いで、CPU56は、検出した始動入賞にもとづく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターン種別を始動入賞時にあらかじめ判定する入賞時演出処理を実行する(ステップS1216A)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果にもとづいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1217A)とともに、変動カテゴリコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1218A)。また、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1219A)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1220A)。
なお、ステップS1217A,S1218Aの処理を実行することによって、この実施の形態では、CPU56は、第1始動入賞口13に始動入賞してステップS1216Aの入賞時演出処理を実行するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、この実施の形態では、ステップS1217A〜S1220Aの処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞が発生してステップS1216Aの入賞時演出処理を実行したときに、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、第1始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
次に、図31(B)を参照して第2始動口スイッチ通過処理について説明する。第2始動口スイッチ14aがオン状態の場合に実行される第2始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS1211B)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1212B)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1213B)。また、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(ステップS1214B)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図32(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS1215B)。なお、ステップS1215Bの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を第2始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、入賞時演出処理を実行する(ステップS1216B)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果にもとづいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1217B)とともに、変動カテゴリコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1218B)。また、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1219B)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1220B)。
なお、ステップS1217B,S1218Bの処理を実行することによって、この実施の形態では、CPU56は、第2始動入賞口14に始動入賞してステップS1216Bの入賞時演出処理を実行するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、この実施の形態では、ステップS1217B〜S1220Bの処理が実行されることによって、第2始動入賞口14への始動入賞が発生してステップS1216Bの入賞時演出処理を実行したときに、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、第2始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
図33は、ステップS1216A,S1216Bの入賞時演出処理を示すフローチャートである。入賞時演出処理では、CPU56は、まず、ステップS1215A,S1215Bで抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図19(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS220)。この実施の形態では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、後述する特別図柄通常処理において大当りや小当りとするか否か、大当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターンを決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口13や第2始動入賞口14に始動入賞したタイミングで、その始動入賞にもとづく変動表示が開始される前に、入賞時演出処理を実行することによって、あらかじめ大当りや小当りとなるか否かや、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかを確認する。そのようにすることによって、演出図柄の変動表示が実行されるより前にあらかじめ変動表示結果や変動パターン種別を予測し、後述するように、入賞時の判定結果にもとづいて、演出制御用マイクロコンピュータ100によって演出図柄の変動表示中に大当りやスーパーリーチとなることを予告する保留等予告演出を実行する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が通常時の大当り判定値と一致しなければ(ステップS220のN)、CPU56は、遊技状態が高確率状態(確変状態)であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS221)。確変フラグがセットされていれば、CPU56は、ステップS1215A,S1215Bで抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図19(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS222)。なお、始動入賞時にステップS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にステップS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(例えば、変動開始前に確変大当りや突然確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にステップS221で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(後述するステップS61参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。なお、そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態にもとづいて始動入賞時の判定を行うようにしてもよい。
大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時の大当り判定値とも一致しなければ(ステップS222のN)、CPU56は、ステップS1215A,S1215Bで抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図19(B),(C)に示す小当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS223)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(ステップS1216Aの入賞時演出処理を実行する場合)には、図19(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(ステップS1216Bの入賞時演出処理を実行する場合)には、図19(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値とも一致しなければ(ステップS223のN)、CPU56は、「はずれ」となることを示すEXTデータ「00(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う(ステップS224)。
次いで、CPU56は、現在の遊技状態を判定する処理を行う(ステップS225)。この実施の形態では、CPU56は、ステップS225において、遊技状態が確変状態であるか否かおよび時短状態であるか否か(具体的には、確変フラグおよび時短フラグがセットされているか否か)を判定する。なお、始動入賞時にステップS225で確変状態であるか否かおよび時短状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にステップS225で確変状態であるか否かおよび時短状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(例えば、変動開始前に確変大当りや突然確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にステップS225で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(後述するステップS61参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。なお、そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態にもとづいて始動入賞時の判定を行うようにしてもよい。
そして、CPU56は、ステップS225の判定結果に応じて、はずれ用の各閾値を設定する(ステップS226)。この実施の形態では、あらかじめ閾値判定を行う閾値判定プログラムが組み込まれており、閾値より大きいか否かを判定することにより、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかが判定され、図27および図28に示す変動カテゴリコマンドに設定するEXTデータの値が決定される。
例えば、CPU56は、遊技状態が確変状態または時短状態であると判定した場合には閾値219を設定する。この場合、CPU56は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値219以下であるか否かを判定し、閾値219以下である場合(すなわち、1〜219である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「08(H)」を設定すると判定する(図27参照)。また、閾値219以下でない場合(すなわち、220〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「09(H)」を設定すると判定する(図27参照)。
また、例えば、CPU56は、遊技状態が通常状態であると判定した場合には、合算保留記憶数にかかわらず、閾値79、89、99、169、199、214および229を設定する。この場合、CPU56は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値79以下であるか否かを判定し、閾値79以下である場合(すなわち、1〜79である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「00(H)」を設定すると判定する(図27参照)。また、閾値89以下である場合(すなわち、80〜89である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「01(H)」を設定すると判定する(図27参照)。また、閾値99以下である場合(すなわち、90〜99である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「02(H)」を設定すると判定する(図27参照)。また、閾値169以下である場合(すなわち、100〜169である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「03(H)」を設定すると判定する(図27参照)。また、閾値199以下である場合(すなわち、170〜199である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「04(H)」を設定すると判定する(図27参照)。また、閾値214以下である場合(すなわち、200〜214である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「05(H)」を設定すると判定する(図27参照)。また、閾値229以下である場合(すなわち、215〜229である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「06(H)」を設定すると判定する(図27参照)。また、閾値229以下でない場合(すなわち、230〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「07(H)」を設定すると判定する(図27参照)。
なお、上記に示す閾値判定の例では、閾値の値が小さい方から順に79、89、99、169、199、214および229と判定していくので、後の順番の閾値で判定されたものが前の順番の閾値以下の範囲内となることはない。すなわち、閾値79以下であるか否かを判定した後に、閾値89以下であるか否かを判定するときには、前の順番の閾値以下の1〜79の範囲内となることはなく、80〜89の範囲であるか否かを判定することになる。また、この実施の形態では、閾値の値が小さい方から順に79、89、99、169、199、214および229と判定していく場合を示したが、逆に大きい方から順に229、214、199、169、99、89および79と判定していってもよい。このことは、以下に示す他の閾値を用いた判定を行う場合も同様である。
なお、ステップS225の遊技状態の判定を行うことなく、常に通常状態における閾値を設定するようにしてもよい。そのように構成しても、少なくとも「非リーチはずれ」となる変動パターン種別と「スーパーリーチはずれ」となる変動パターン種別とに関しては判定値の範囲が共通化されているのであるから、「非リーチはずれ」や「スーパーリーチはずれ」となるか否かについては判定することができる。
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値と一致した場合には(ステップS223のY)、CPU56は、「小当り」となることを示すEXTデータ「04(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う(ステップS227)。
次いで、CPU56は、小当り用の閾値を設定する(ステップS228)。なお、この実施の形態では、CPU56は、閾値251を設定するものとし、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値251以下である(1〜251である)と判定して、変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「18(H)」を設定すると判定するものとする(図28参照)。なお、小当りである場合には、閾値判定を行うことなく、そのままEXTデータ「18(H)」を設定すると判定するようにしてもよい。
ステップS220またはステップS222で大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致した場合には、CPU56は、ステップS1215A,S1215Bで抽出した大当り種別判定用乱数(ランダム1)にもとづいて大当りの種別を判定する(ステップS229)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(ステップS1216Aの入賞時演出処理を実行する場合)には、図19(D)に示す大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aを用いて大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれとなるかを判定する。また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(ステップS1216Bの入賞時演出処理を実行する場合)には、図19(E)に示す大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bを用いて大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれとなるかを判定する。
次いで、CPU56は、大当り種別の判定結果に応じたEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行う(ステップS230)。この場合、「通常大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「通常大当り」となることを示すEXTデータ「01(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。また、「確変大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「確変大当り」となることを示すEXTデータ「02(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。また、「突然確変大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「突然確変大当り」となることを示すEXTデータ「03(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。
そして、CPU56は、ステップS229で判定した大当り種別に応じて、大当り用の各閾値を設定する(ステップS231)。
例えば、CPU56は、「通常大当り」と判定した場合には、閾値74および149を設定する。この場合、CPU56は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値74以下であるか否かを判定し、閾値74以下である場合(すなわち、1〜74である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「10(H)」を設定すると判定する(図28参照)。また、閾値149以下である場合(すなわち、75〜149である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「11(H)」を設定すると判定する(図28参照)。また、閾値149以下でない場合(すなわち、150〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「12(H)」を設定すると判定する(図28参照)。
また、例えば、CPU56は、「確変大当り」と判定した場合には、閾値38および79を設定する。この場合、CPU56は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値38以下であるか否かを判定し、閾値38以下である場合(すなわち、1〜38である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「13(H)」を設定すると判定する(図28参照)。また、閾値79以下である場合(すなわち、39〜79である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「14(H)」を設定すると判定する(図28参照)。また、閾値79以下でない場合(すなわち、80〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「15(H)」を設定すると判定する(図28参照)。
また、例えば、CPU56は、「突然確変大当り」と判定した場合には、閾値100を設定する。この場合、CPU56は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値100以下であるか否かを判定し、閾値100以下である場合(すなわち、1〜100である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「16(H)」を設定すると判定する(図28参照)。また、閾値100以下でない場合(すなわち、101〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「17(H)」を設定すると判定する(図28参照)。
次いで、CPU56は、ステップS226,S228,S231で設定した閾値と、ステップS1215A,S1215Bで抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)とを用いて、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する(ステップS232)。
なお、ステップS226,S228,S231において、あらかじめ定められた閾値を設定するのではなく、変動パターン種別判定テーブル(図20、図21参照)を設定するようにし、ステップS232において、設定した変動パターン種別判定テーブルを用いて、変動パターン種別判定用乱数の値の範囲やいずれの変動パターン種別となるかを判定するようにしてもよい。
そして、CPU56は、判定結果に応じたEXTデータを変動カテゴリコマンドに設定する処理を行う(ステップS233)。具体的には、CPU56は、ステップS232でいずれの変動パターン種別になると判定したかに応じて、図27および図28に示すような「00(H)」〜「09(H)」、「10(H)」〜「18(H)」のいずれかの値を変動カテゴリコマンドのEXTデータに設定する処理を行う。
なお、この実施の形態では、入賞時判定において大当りや小当りとなると判定した場合であっても一律に変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの範囲となるかを判定する場合を示したが、大当りや小当りとなると判定した場合には、変動パターン種別判定用乱数の値の範囲の判定を行わないようにしてもよい。そして、大当りまたは小当りとなると入賞時判定したことを示す図柄指定コマンドを送信するとともに、大当りまたは小当りの変動パターン種別となることを包括的に示す変動カテゴリコマンドを送信するようにしてもよい。そして、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、具体的にいずれの変動パターン種別となるかまでは示されていないものの、包括的にいずれかの大当りの変動パターン種別となることが示された変動カテゴリコマンドを受信したことにもとづいて、後述する保留等予告演出を実行するようにしてもよい。
図34および図35は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば、まだ客待ちデモ指定コマンドを送信していなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して客待ちデモ指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS51A)、処理を終了する。なお、例えば、CPU56は、ステップS51Aで客待ちデモ指定コマンドを送信すると、客待ちデモ指定コマンドを送信したことを示す客待ちデモ指定コマンド送信済フラグをセットする。そして、客待ちデモ指定コマンドを送信した後に次回のタイマ割込以降の特別図柄通常処理を実行する場合には、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグがセットされていることにもとづいて重ねて客待ちデモ指定コマンドを送信しないように制御すればよい。また、この場合、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグは、次回の特別図柄の変動表示が開始されるときにリセットされるようにすればよい。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、保留特定領域(図32(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(ステップS52)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータでない(すなわち、「第2」を示すデータである)場合(ステップS52のN)、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップS53)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータである場合(ステップS52のY)、CPU56は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS54)。
ステップS52〜S54の処理が実行されることによって、この実施の形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される。なお、この実施の形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される場合を示しているが、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成してもよい。この場合、例えば、高ベース状態に移行された場合には可変入賞球装置15が設けられた第2始動入賞口14に始動入賞しやすくなり第2保留記憶が溜まりやすくなるのであるから、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するようにしてもよい。
なお、上記のように第2特別図柄の変動表示を優先して実行するように構成する場合、入賞順を記憶する必要はなくなるのであるから、図32(A)に示した保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)は不要となる。
また、上記のように第2特別図柄の変動表示を優先して実行するように構成する場合、遊技状態が確変状態や時短状態(高ベース状態)である場合や大当り遊技状態中である場合には、第2始動入賞口14への始動入賞に対してのみ入賞時判定(先読み判定)を行い、第1始動入賞口13への始動入賞に対しては入賞時判定(先読み判定)を行わないようにし、低ベース状態中のみ第1始動入賞口13への始動入賞に対して入賞時判定(先読み判定)を行うようにすることが望ましい。具体的には、図31(A)に示した第1始動口スイッチ通過処理において、ステップS1215Aを終了すると、時短状態であるか否か(具体的には、時短フラグがセットされているか否か)や、大当り遊技中であるか否か(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるか否か)を確認するようにし、時短状態中または大当り遊技中であれば、ステップS1216A〜S1218Bの処理をスキップしてステップS1219Aに移行するようにすればよい。そのようにすれば、時短状態(高ベース状態)中に殆ど第2特別図柄の変動表示しか実行されない状態であるにもかかわらず、第1保留記憶に対する保留等予告演出が実行されてしまう事態を防止し、第1保留記憶に存在する大当りをストックした状態で第2特別図柄の変動表示でも大当りを狙うことを可能とすることを防止することができ、必要以上に射幸心を煽ることを防止することができる。さらに、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するように構成する場合、遊技状態が通常状態(低ベース状態)である場合には、第1始動入賞口13への始動入賞に対してのみ入賞時判定(先読み判定)を行い、第2始動入賞口14の始動入賞に対しては入賞時判定(先読み判定)を行わないようにしてもよい。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU56は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各合算保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各値が抽出された順番は、常に、合算保留記憶数=1〜8の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS58)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
また、CPU56は、現在の遊技状態に応じて背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS60)。この場合、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされている場合には、確変状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグのみがセットされ、確変フラグがセットされていない場合には、時短状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、確変フラグも時短フラグもセットされていなければ、通常状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。
なお、具体的には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS28)において演出制御コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、特別図柄の変動を開始するときに、タイマ割込ごとに、背景指定コマンド、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、合算保留記憶数減算指定コマンドの順に演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されることになる。具体的には、特別図柄の変動を開始するときに、まず、背景指定コマンドが送信され、4ms経過後に変動パターンコマンドが送信され、さらに4ms経過後に表示結果指定コマンドが送信され、さらに4ms経過後に合算保留記憶数減算指定コマンドが送信される。なお、特別図柄の変動を開始するときにはさらに図柄変動指定コマンド(第1図柄変動指定コマンド、第2図柄変動指定コマンド)も送信されるが、図柄変動指定コマンドは、変動パターンコマンドと同じタイマ割込において演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信される。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、ステップS300〜S310の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS1215Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS1215Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値や小当り判定値(図19参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態の場合には、遊技状態が非確変状態(通常状態や時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図19(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図19(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図19(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS61)、ステップS71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、「確変大当り」または「突然確変大当り」とすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされる。そして、大当り遊技終了後、次の大当りが発生したときにリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(ステップS61のN)、CPU56は、小当り判定テーブル(図19(B),(C)参照)を使用して小当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図19(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示すデータを確認し、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」である場合には、図19(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。また、特別図柄ポインタが示すデータが「第2」である場合には、図19(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。そして、小当りとすることに決定した場合には(ステップS62)、CPU56は、小当りであることを示す小当りフラグをセットし(ステップS63)、ステップS75に移行する。
なお、ランダムRの値が大当り判定値および小当り判定値のいずれにも一致しない場合には(ステップS62のN)、すなわち、はずれである場合には、そのままステップS75に移行する。
ステップS71では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(ステップS72)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図19(D)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131aを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図19(E)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131bを選択する。
次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」)を大当りの種別に決定する(ステップS73)。なお、この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS1215Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS1215Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。また、この場合に、図19(D),(E)に示すように、第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、突然確変大当りが選択される割合が高い。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS74)。例えば、大当り種別が「通常大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「突然確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS75)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「突然確変大当り」に決定した場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定し、「通常大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定し、「確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。
なお、この実施の形態では、まず大当り種別を決定し、決定した大当り種別に対応する特別図柄の停止図柄を決定する場合を示したが、大当り種別および特別図柄の停止図柄の決定方法は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、あらかじめ特別図柄の停止図柄と大当り種別とを対応付けたテーブルを用意しておき、大当り種別決定用乱数にもとづいてまず特別図柄の停止図柄を決定すると、その決定結果にもとづいて対応する大当り種別も決定されるように構成してもよい。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS76)。
図36は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132C(図20(A)〜(C)参照)のいずれかを選択する(ステップS92)。そして、ステップS100に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS93)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、小当り用変動パターン種別判定テーブル132D(図20(D)参照)を選択する(ステップS94)。そして、ステップS100に移行する。
小当りフラグもセットされていない場合には、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS95)。なお、時短フラグは、遊技状態を確変状態や時短状態に移行するときにセットされ、時短状態を終了するときにリセットされる。具体的には、「通常大当り」とすることに決定された場合には、大当り遊技を終了する処理において時短フラグがセットされる。また、大当り遊技終了後、所定回数(この実施の形態では100回)の変動表示を終了したときにリセットされる。なお、所定回数の変動表示を終了する前であっても、次の大当りが発生した場合にも、時短フラグがリセットされる。また、「確変大当り」または「突然確変大当り」とすることに決定された場合には、大当り遊技を終了する処理において確変フラグがセットされるとともに時短フラグがセットされる。そして、次の大当りが発生した場合に、確変フラグとともに時短フラグがリセットされる。
時短フラグがセットされていなければ(ステップS95のN)、CPU56は、合算保留記憶数が3以上であるか否かを確認する(ステップS96)。合算保留記憶数が3未満であれば(ステップS96のN)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A(図21(A)参照)を選択する(ステップS97)。そして、ステップS100に移行する。
合算保留記憶数が3以上である場合(ステップS96のY)には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135B(図21(B)参照)を選択する(ステップS98)。そして、ステップS100に移行する。
時短フラグがセットされている場合(ステップS95のY)には、すなわち、遊技状態が確変状態または時短状態であれば(この実施の形態では、確変状態に移行される場合には必ず時短状態にも移行されるので(ステップS169,S170参照)、ステップS95でYと判定された場合には、確変状態の場合と時短状態のみに制御されている場合とがある)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135C(図21(C)参照)を選択する(ステップS99)。そして、ステップS100に移行する。
この実施の形態では、ステップS95〜S99の処理が実行されることによって、遊技状態が通常状態である場合には、図21(A)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Aまたは図21(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bが選択される。この場合、後述するステップS100の処理で変動パターン種別として非リーチCA2−2が決定される場合があり、非リーチCA2−2の変動パターン種別が決定された場合には、ステップS102の処理で変動パターンとして短縮変動の非リーチPA1−2が決定される(図23参照)。従って、この実施の形態では、遊技状態が通常上チアである場合には、短縮変動の変動表示が行われる場合がある。
また、この実施の形態では、ステップS95〜S99の処理が実行されることによって、遊技状態が通常状態であって合算保留記憶数が3以上である場合には、図21(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bが選択される。また、遊技状態が確変状態または時短状態である場合には、図21(C)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cが選択される。この場合、後述するステップS100の処理で変動パターン種別として非リーチCA2−3が決定される場合があり、非リーチCA2−3の変動パターン種別が決定された場合には、ステップS102の処理で変動パターンとして超短縮変動の非リーチPA1−3が決定される(図23参照)。従って、この実施の形態では、遊技状態が確変状態や時短状態である場合または合算保留記憶数が3以上である場合には、超短縮変動の変動表示が行われる場合がある。なお、この実施の形態では、確変状態や時短状態で用いる超短縮変動用の変動パターン種別判定テーブル(図21(C)参照)と、保留記憶数にもとづく超短縮変動用の変動パターン種別判定テーブル(図21(B)参照)とが異なるテーブルである場合を示したが、超短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルとして共通のテーブルを用いるようにしてもよい。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読み出し、ステップS92、S94、S97、S98またはS99の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS100)。
次いで、CPU56は、ステップS100の変動パターン種別の決定結果にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、当り変動パターン判定テーブル137A、137B(図22参照)、はずれ変動パターン判定テーブル138A(図23参照)のうちのいずれかを選択する(ステップS101)。また、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読み出し、ステップS101の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS102)。なお、始動入賞のタイミングでランダム3(変動パターン判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値にもとづいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の図柄変動指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS103)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS104)。
次に、CPU56は、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS105)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS106)。
図37は、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、小当り、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果5指定のいずれかの演出制御コマンド(図24参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS110)。セットされていない場合には、ステップS116に移行する。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別が「通常大当り」であるときには、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS111,S112)。なお、「通常大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」であるか否かを確認することによって判定できる。また、CPU56は、大当りの種別が「確変大当り」であるときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS113,S114)。なお、「確変大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」であるか否かを確認することによって判定できる。そして、「通常大当り」および「確変大当り」のいずれでもないときには(すなわち、「突然確変大当り」であるときには)、CPU56は、表示結果4指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS115)。
一方、CPU56は、大当りフラグがセットされていないときには(ステップS110のN)、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS116)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、表示結果5指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS117)。小当りフラグもセットされていないときは(ステップS116のN)、すなわち、はずれである場合には、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS118)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS119)。
図38は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、まず、合算保留記憶数減算指定コマンドを既に送信済みであるか否かを確認する(ステップS1121)。なお、合算保留記憶数減算指定コマンドを既に送信済みであるか否かは、例えば、後述するステップS1122で合算保留記憶数減算指定コマンドを送信する際に合算保留記憶数減算指定コマンドを送信したことを示す合算保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグをセットするようにし、ステップS1121では、その合算保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグがセットされているか否かを確認するようにすればよい。また、この場合、セットした合算保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグは、特別図柄の変動表示を終了する際や大当りを終了する際に後述する特別図柄停止処理や大当り終了処理でリセットするようにすればよい。
次いで、合算保留記憶数減算指定コマンドを送信済みでなければ、CPU56は、合算保留記憶数減算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1122)。
次いで、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS1125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS1126)、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1127)。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS1128)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図39は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS131)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変フラグ、時短状態であることを示す時短フラグ、および時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタをリセットし(ステップS132)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS133)。具体的には、大当りの種別が「通常大当り」または「確変大当り」である場合には大当り開始指定コマンド(コマンドA001(H))を送信する。また、大当りの種別が突然確変大当りである場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(コマンドA002(H))を送信する。なお、大当りの種別が「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれであるかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)にもとづいて判定される。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS134)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、「通常大当り」や「確変大当り」の場合には15回。「突然確変大当り」の場合には2回。)をセットする(ステップS135)。また、大当り遊技における1ラウンドあたりのラウンド時間もセットされる。具体的には、突然確変大当りの場合には、ラウンド時間として0.1秒がセットされ、通常大当りや確変大当りの場合には、ラウンド時間として29秒がセットされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS136)。
また、ステップS131で大当りフラグがセットされていなければ、CPU56は、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値が0となっているか否かを確認する(ステップS137)。時短回数カウンタの値が0でなければ、CPU56は、時短回数カウンタの値を−1する(ステップS138)。そして、CPU56は、減算後の時短回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS139)、時短フラグをリセットする(ステップS140)。
次いで、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS141)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(コマンドA002(H))を送信する(ステップS142)。また、小当り表示時間タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS143)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば2回)をセットする(ステップS144)。また、小当り遊技における大入賞口の1回あたりの開放時間もセットされる。具体的には、突然確変大当りのラウンド時間と同じ0.1秒が、小当り遊技における大入賞口の1回あたりの開放時間としてセットされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開始前処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS145)。
小当りフラグもセットされていなければ(ステップS141のN)、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS146)。
図40は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS164に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS161)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS162)。ここで、「通常大当り」または「確変大当り」であった場合には大当り終了指定コマンド(コマンドA301(H))を送信し、「突然確変大当り」であった場合には小当り/突然確変大当り終了指定コマンド(コマンドA302(H))を送信する。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS163)、処理を終了する。
ステップS164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する(ステップS164)。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS165)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS165のY)、CPU56は、今回終了する大当りが通常大当りであるか否かを確認する(ステップS166)。なお、「通常大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」であるか否かを確認することによって判定できる。通常大当りであれば、CPU56は、時短フラグをセットして時短状態に移行させる(ステップS167)。また、CPU56は、時短回数カウンタに所定回数(例えば100回)をセットする(ステップS168)。
通常大当りでなければ(すなわち、確変大当りまたは突然確変大当りであれば)、CPU56は、確変フラグをセットして確変状態に移行させる(ステップS169)とともに、時短フラグをセットして時短状態に移行させる(ステップS170)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS171)。
図41は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄表示制御処理(ステップS32)のプログラムの一例を示すフローチャートである。特別図柄表示制御処理では、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認する(ステップS3201)。特別図柄プロセスフラグの値が3であれば(すなわち、特別図柄変動中処理の実行中であれば)、CPU56は、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定または更新する処理を行う(ステップS3202)。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の変動表示を行うための特別図柄表示制御データを設定または更新する。例えば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される特別図柄表示制御データの値を+1する。そして、その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器8a,8bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器8a,8bにおける特別図柄の変動表示が実行される。
特別図柄プロセスフラグの値が3でなければ、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が4であるか否かを確認する(ステップS3203)。特別図柄プロセスフラグの値が4であれば(すなわち、特別図柄停止処理に移行した場合には)、CPU56は、特別図柄通常処理で設定された特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する処理を行う(ステップS3204)。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを設定する。そして、その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器8a,8bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器8a,8bにおいて特別図柄の停止図柄が停止表示される。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図42は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、演出制御用CPU101は、第4図柄プロセス処理を行う(ステップS706)。第4図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第4図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の第4図柄表示領域9c,9dにおいて第4図柄の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS707)。その後、ステップS702に移行する。
図43は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
図44および図45は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果5指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS619)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS620)。
受信した演出制御コマンドがいずれかの図柄指定コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、受信した図柄指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域に格納する(ステップS622)。
受信した演出制御コマンドがいずれかの変動カテゴリコマンドであれば(ステップS623)、演出制御用CPU101は、受信した変動カテゴリコマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域のうち最新の図柄指定コマンドが格納されている格納領域に格納する(ステップS624)。
受信した演出制御コマンドが第1始動入賞指定コマンドであれば(ステップS625)、演出制御用CPU101は、受信した第1始動入賞指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域のうち最新の図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドが格納されている格納領域に格納する(ステップS626)。
受信した演出制御コマンドが第2始動入賞指定コマンドであれば(ステップS627)、演出制御用CPU101は、受信した第2始動入賞指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域のうち最新の図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドが格納されている格納領域に格納する(ステップS628)。
受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数指定コマンドであれば(ステップS629)、演出制御用CPU101は、受信した合算保留記憶数指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域のうち最新の図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および始動入賞指定コマンド(第1始動入賞指定コマンド、第2始動入賞指定コマンド)が格納されている格納領域に格納する(ステップS630)。また、演出制御用CPU101は、RAMに設けられた合算保留記憶数保存領域に、合算保留記憶数指定コマンドで指定された合算保留記憶数を格納する(ステップS631)。
受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップS632)、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数保存領域に格納する合算保留記憶数の値を1減算する(ステップS633)。また、演出制御用CPU101は、演出表示装置9の合算保留記憶表示部18cにおける保留表示を1つ消去し、残りの保留表示を1つずつシフトして、合算保留記憶表示部18cにおける合算保留記憶数表示を更新する(ステップS634)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS635)。例えば、受信した演出制御コマンドが第1図柄変動指定コマンドであれば第1図柄変動指定コマンド受信フラグをセットし、受信した演出制御コマンドが第2図柄変動指定コマンドであれば第2図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする。そして、ステップS611に移行する。
図46は、図42に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、まず、保留等予告演出における保留表示やアクティブ表示の変化パターンを設定する保留等変化パターン設定処理を実行する(ステップS800A)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図47は、保留等変化パターン設定処理(ステップS800A)を示すフローチャートである。この実施の形態では、保留等予告演出を実行する場合、始動入賞の発生時にはステップS800Aの保留等変化パターン設定処理において、まず大まかな保留等変化パターン(始動入賞時、その後の各変動表示時、および予告対象の変動表示時のいずれのタイミングにおいて保留表示やアクティブ表示を変化させるかや、いずれの特殊表示態様に変化させるかのパターン)を決定する。そして、その後、各変動表示や予告対象の変動表示の開始時に具体的にいずれの作用演出等を実行して保留表示やアクティブ表示を変化させるかを決定して、作用演出等を実行するとともに保留表示やアクティブ表示を変化させる制御を行う。
保留等変化パターン設定処理において、演出制御用CPU101は、まず、1セットの始動入賞時のコマンド(すなわち、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンド(第1始動入賞指定コマンドまたは第2始動入賞指定コマンド)、および合算保留記憶数指定コマンドのセット)を新たに受信したか否かを確認する(ステップS6001)。具体的には、始動入賞時コマンド格納領域に1セットの図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンド(第1始動入賞指定コマンドまたは第2始動入賞指定コマンド)、および合算保留記憶数指定コマンドが新たに格納されているか否かを判定することによって確認できる。1セットの始動入賞時のコマンドを新たに受信していなければ、そのまま処理を終了する。
1セットの始動入賞時のコマンドを新たに受信していれば、演出制御用CPU101は、既に保留等予告演出の実行中であることを示す保留等予告演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS6002)。保留等予告演出実行中フラグがセットされていれば、ステップS6010に移行する。
ステップS6002の処理が実行されることによって、この実施の形態では、既に保留等予告演出の実行中である場合には、重ねて保留等予告演出を決定しないように制御している。なお、保留等予告演出の実行中であっても新たに保留等予告演出を決定可能に構成し、複数の保留表示を予告対象として同時に複数の保留等予告演出を実行可能に構成してもよい。また、例えば、既に保留等予告演出の実行中である場合に、始動入賞時には保留等変化パターンの決定のみを行い、その後、実行中の保留等予告演出が終了した後に、決定した保留等予告パターンに従って新たな保留等予告演出を実行するように構成してもよい。
保留等予告演出実行中フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、今回新たに発生した始動入賞に対する変動カテゴリよりも1つ前までの全ての変動カテゴリが非リーチはずれとなるものであるか否かを確認する(ステップS6003)。具体的には、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域に格納されている今回新たに受信した変動カテゴリコマンドよりも1つ前までの全ての変動カテゴリコマンドを抽出し、それらの変動カテゴリコマンドで示される変動カテゴリが全ての非リーチはずれとなるものであるか否かを確認する。この実施の形態では、通常状態である場合には、少なくとも変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が1〜99であれば非リーチとなるのであるから、変動カテゴリが全て変動カテゴリ1〜3(図24参照)のいずれかであれば全て非リーチはずれであると判定できる。また、確変状態または時短状態である場合には、変動カテゴリが全て変動カテゴリ9(図27参照)であれば全て非リーチはずれであると判定できる。非リーチはずれとならない変動カテゴリ(すなわち、リーチとなる変動カテゴリ)が1つでもあれば、ステップS6010に移行する。
ステップS6003の処理が実行されることによって、この実施の形態では、予告対象よりも1つ前までの全ての変動カテゴリが非リーチはずれとなるものであることを条件として、保留等予告演出を実行可能に構成している。なお、予告対象よりも1つ前までの保留記憶の中にリーチとなるものが含まれている場合であっても、保留等予告演出を決定可能に構成してもよい。
1つ前までの全ての変動カテゴリが非リーチはずれとなるものであれば、演出制御用CPU101は、受信した最新の変動カテゴリコマンドにもとづいて、保留等変化パターンを決定する(ステップS6004)。なお、ステップS6004では、演出制御用CPU101は、保留等変化パターンを決定するための保留等変化パターン決定テーブルを用いて、乱数にもとづく抽選処理を行い、保留等変化パターンを決定する。
図48は、保留等変化パターン決定テーブルの具体例を示す説明図である。図48に示すように、この実施の形態では、保留等変化パターン決定テーブルには、合算保留記憶数に応じて、予告演出なし、および各変化パターンに対して、それぞれ判定値が割り振られている。なお、図48では、保留等変化パターンとして多数の変化パターンが存在することから、代表的な変化パターンのみを記載し、その他の変化パターンについては記載を省略している。例えば、図48に示すように、合算保留記憶数が1であれば、予告演出なし、変化パターンP1−1、変化パターンP1−2、・・・に対して、それぞれ判定値が割り振られている。また、例えば、合算保留記憶数が4であれば、予告演出なし、変化パターンP4−1、・・・変化パターンP4−m、・・・変化パターンP4−n、・・・変化パターンP4−s、変化パターンP4−t、変化パターンP4−uに対して、それぞれ判定値が割り振られている。そして、例えば、合算保留記憶数が4であれば、予告演出なし、および各変化パターンに割り振られている判定値の合計が、入賞時判定結果がスーパーリーチはずれの場合には、K410+K411+・・・+K41m+・・・+K41n+・・・+K41s+K41t+K41u=100%となるように判定値が割り振られている。また、入賞時判定結果がスーパーリーチ大当りの場合には、K420+K421+・・・+K42m+・・・+K42n+・・・+K42s+K42t+K42u=100%となるように判定値が割り振られている。
ステップS6004では、演出制御用CPU101は、例えば、受信した最新の変動カテゴリコマンドにもとづいて、入賞時判定結果がスーパーリーチはずれ、またはスーパーリーチ大当りであるか否かを判定する。例えば、受信した最新の変動カテゴリコマンドが変動カテゴリ8コマンドまたは変動カテゴリ10コマンドであれば、入賞時判定結果がスーパーリーチはずれであると判定できる(図27参照)。また、例えば、受信した最新の変動カテゴリコマンドが変動カテゴリ23コマンドまたは変動カテゴリ26コマンドであれば、入賞時判定結果がスーパーリーチ大当りであると判定できる(図28参照)。スーパーリーチはずれ、およびスーパーリーチ大当りのいずれでもなければ、演出制御用CPU101は、保留等予告演出を実行しないことに決定する。
入賞時判定結果がスーパーリーチはずれ、またはスーパーリーチ大当りであれば、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数保存領域(ステップS631,S633参照)に格納されている合算保留記憶数を特定し、特定した合算保留記憶数に対応したいずれかの変化パターンを決定する。例えば、合算保留記憶数を4と特定した場合には、合算保留記憶数4に対応して、予告演出なし、変化パターンP4−1、・・・変化パターンP4−m、・・・変化パターンP4−n、・・・変化パターンP4−s、変化パターンP4−t、変化パターンP4−uのいずれとするかを決定する。この場合、入賞時判定結果がスーパーリーチはずれであれば、スーパーリーチはずれに対応したK410,K411,・・・,K41m,・・・,K41n,・・・,K41s,K41t,K41uの判定値の割り振りに従って変化パターンを決定する。また、入賞時判定結果がスーパーリーチ大当りであれば、スーパーリーチ大当りに対応したK420,K421,・・・,K42m,・・・,K42n,・・・,K42s,K42t,K42uの判定値の割り振りに従って変化パターンを決定する。
上記の場合、合算保留記憶数が4であって、例えば、変化パターンとして予告演出なしに決定した場合には、保留等予告演出を実行しないことに決定した場合を示している。
また、合算保留記憶数が4であって、例えば、変化パターンP4−1に決定した場合には、始動入賞時には通常態様(本例では、白色の丸形表示)で保留表示を表示し、始動入賞後の1変動目〜3変動目では通常態様(本例では、白色の丸形表示)のまま保留表示の表示態様が変化せずに保留表示が消化され、予告対象の変動表示である4変動目でアクティブ表示が特殊表示態様のうちの青色の丸形表示に変化する態様で保留等予告演出が実行される場合を示している。
また、合算保留記憶数が4であって、例えば、変化パターンP4−mに決定した場合には、始動入賞時には通常態様(本例では、白色の丸形表示)で保留表示を表示し、始動入賞後の1変動目で保留表示が特殊表示態様のうちの青色の丸形表示に変化し、2変動目では青色の丸形表示のまま保留表示の表示態様が変化せず、3変動目で保留表示の表示態様が緑色の丸形表示に変化して保留表示が消化され、予告対象の変動表示である4変動目でアクティブ表示が特殊表示態様のうちの赤色の丸形表示に変化する態様で保留等予告演出が実行される場合を示している。このように、保留等予告演出が実行される場合であっても、保留表示の表示態様が毎変動変化するとはかぎらず、例えば、変化パターンP4−mの2変動目のように変化しない場合もある。
また、合算保留記憶数が4であって、例えば、変化パターンP4−nに決定した場合には、始動入賞時には特殊表示態様のうちの青色の丸形表示で保留表示を表示し、始動入賞後の1変動目では青色の丸形表示のまま保留表示の表示態様が変化せず、2変動目で保留表示の表示態様が緑色の丸形表示に変化し、3変動目で保留表示の表示態様が赤色の丸形表示に変化して保留表示が消化され、予告対象の変動表示である4変動目でアクティブ表示が赤色の丸形表示のまま変化しない態様で保留等予告演出が実行される場合を示している。このように、始動入賞時に必ず通常態様(本例では、白色の丸形表示)の保留表示の表示から開始されるとはかぎらず、例えば、変化パターンP4−nのように、保留表示が青色の丸形表示から開始される場合もある。また、予告対象の変動表示において必ずしもアクティブ表示の表示態様が変化するとはかぎらず、例えば、変化パターンP4−nのように、保留表示の赤色の丸形表示を引き継いで予告対象の変動表示においてアクティブ表示を表示した後、その予告対象の変動表示において赤色の丸形表示のままアクティブ表示の表示態様が変化しない場合もある。
なお、この実施の形態では、図48に示す保留等変化パターン決定テーブルにおいて、スーパーリーチ大当りとなる場合には、スーパーリーチはずれとなる場合と比較して、高い割合で保留等予告演出を実行すると決定する(変化パターンとして予告演出なし以外を決定する)ように判定値が割り振られている。また、この実施の形態では、図48に示す保留等変化パターン決定テーブルにおいて、保留表示やアクティブ表示が赤色の丸形表示まで変化する場合にはスーパーリーチ大当りとなる割合が最も高く、緑色の丸形表示まで変化する場合にはスーパーリーチ大当りとなる割合が次に高く、青色の丸形表示まで変化する場合にはスーパーリーチ大当りとなる割合が最も低くなるように判定値が割り振られている。従って、この実施の形態では、特殊表示態様のうち赤色の丸形表示が最も大当りに対する期待度(信頼度)が高く、緑色の丸形表示が次に大当りに対する期待度(信頼度)が高く、青色の丸形表示が最も大当りに対する期待度(信頼度)が低くなっている。
また、この実施の形態では、図48に示す保留等変化パターン決定テーブルにおいて、保留表示やアクティブ表示の最終的な変化態様が同じであっても、いずれの保留等変化パターンに従って変化したかに応じて大当りに対する期待度(信頼度)が異なるように判定値が割り振られている。例えば、最終変化態様が同じ赤色の丸形表示となる場合であっても、早い段階で最終の赤色の丸形表示まで変化する変化パターンP4−n(3変動目で赤色の丸形表示に変化する)の方が、遅い段階で最終の赤色の丸形表示まで変化する変化パターンP4−m(4変動目(すなわち、予告対象の変動表示)で赤色の丸形表示に変化する)よりも大当りに対する期待度(信頼度)が高くなるように判定値が割り振られている。なお、早い段階で最終の赤色の丸形表示まで変化する変化パターンの方が、遅い段階で最終の赤色の丸形表示まで変化する変化パターンよりも大当りに対する期待度(信頼度)が低くなるように判定値が割り振られるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、特殊表示態様として保留表示やアクティブ表示を宝箱を模した態様で表示する場合がある。合算保留記憶数が4であって、例えば、変化パターンP4−s〜P4−uのいずれかに決定した場合には、始動入賞時に保留表示を宝箱を模した態様で表示を開始する。次いで、始動入賞後の1変動目〜3変動目では宝箱を模した態様のまま保留表示の表示態様が変化せずに保留表示が消化され、予告対象の変動表示である4変動目で宝箱を模した態様のアクティブ表示において宝箱が開放されて宝物が飛び出すような態様の保留等予告演出が実行される。なお、この実施の形態では、変化パターンP4−sである場合には予告対象の変動表示において宝箱が開放して宝物として宝A(例えば、「チャンス」などの表示)が飛び出し、変化パターンP4−tである場合には予告対象の変動表示において宝箱が開放して宝物として宝B(例えば、「大チャンス」などの表示)が飛び出し、変化パターンP4−uである場合には予告対象の変動表示において宝箱が開放して宝物として宝C(例えば、「激熱」などの表示)が飛び出す態様の保留等予告演出が実行される。
なお、この実施の形態では、保留表示やアクティブ表示を宝箱を模した態様で表示して保留等予告演出を実行する場合、保留等変化パターンとして変化パターンP4−uに従って保留等予告演出が実行される場合が最も大当りに対する期待度(信頼度)が高く、変化パターンP4−tに従って保留等予告演出が実行される場合が次に大当りに対する期待度(信頼度)が高く、変化パターンP4−sに従って保留等予告演出が実行される場合が最も大当りに対する期待度(信頼度)が低くなるように判定値が割り振られている。
なお、この実施の形態では、ステップS6004で保留等変化パターンが決定されることによって、始動入賞後の各変動表示(予告対象より前の変動表示)における予告対象の保留表示の変化態様だけでなく、予告対象の変動表示におけるアクティブ表示の変化態様も一括して決定する場合を示しているが、そのような処理態様にかぎられない。例えば、ステップS6004では、始動入賞後の各変動表示(予告対象より前の変動表示)における予告対象の保留表示の変化態様を示す変化パターンのみを決定し、アクティブ表示の変化態様に関しては、予告対象の変動表示を開始するときに決定するように構成しても構わない。
そして、保留予告演出の実行を決定した場合には(ステップS6005のY)、演出制御用CPU101は、RAMに設けられた保留等予告演出記憶領域に、決定した保留等変化パターンを記憶するとともに、予告対象の保留記憶に対応する入賞時判定結果(スーパーリーチはずれ、またはスーパーリーチ大当りのいずれであるか)を記憶する(ステップS6006)。次いで、演出制御用CPU101は、演出表示装置9の合算保留記憶表示部18cにおいて、決定した保留等変化パターンで示される表示態様で保留表示を1つ増加させ、合算保留記憶表示部18cにおける合算保留記憶数表示を更新する(ステップS6007)。例えば、決定した保留等変化パターンが変化パターンP4−mである場合には、通常態様の保留表示(本例では、白色の丸形表示)を1つ増加させる。また、例えば、決定した保留等変化パターンが変化パターンP4−nである場合には、特殊表示態様のうちの青色の丸形表示で保留表示を1つ増加させる。
次いで、演出制御用CPU101は、保留等予告演出実行中フラグをセットする(ステップS6008)。次いで、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数保存領域(ステップS631,S633参照)に格納されている合算保留記憶数を特定し、特定した合算保留記憶数に1を加算した値を、保留等予告演出の実行中の変動回数をカウントするための演出回数カウンタにセットする(ステップS6009)。なお、ステップS6009において、合算保留記憶数に1加算した値をセットするのは、この実施の形態では、予告対象の保留表示が消化された後も、その予告対象の変動表示を終了するまで保留等予告演出が実行されアクティブ表示の表示態様が変化する場合があるからである(すなわち、予告対象の変動表示の分に対応して1を加算している)。
一方、保留等予告演出実行中フラグがセットされていた場合(ステップS6002のY)、非リーチはずれとならない変動カテゴリ(すなわち、リーチとなる変動カテゴリ)が1つでもあった場合(ステップS6003のN)、または保留等予告演出を実行しないことに決定した場合(ステップS6005のN)には、演出制御用CPU101は、演出表示装置9の合算保留記憶表示部18cにおいて、通常態様の保留表示(本例では、白色の丸形表示)を1つ増加させ、合算保留記憶表示部18cにおける合算保留記憶数表示を更新する(ステップS6010)。
図49は、図46に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS813)。
図50および図51は、図46に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS8000)。次いで、演出制御用CPU101は、ステップS8000で読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS8001)。なお、変動パターンコマンドで擬似連が指定されている場合には、演出制御用CPU101は、ステップS8001において、擬似連中の仮停止図柄としてチャンス目図柄(例えば、「223」や「445」のように、リーチとならないものの大当り図柄と1つ図柄がずれている図柄の組み合わせ)も決定する。なお、演出制御用CPU101は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
図52は、演出表示装置9における演出図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。図52に示す例では、受信した表示結果指定コマンドが「通常大当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が同じ偶数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。また、受信した表示結果指定コマンドが「確変大当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果3指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が同じ奇数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。
また、受信した表示結果指定コマンドが「突然確変大当り」や「小当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果4指定コマンドまたは表示結果5指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として「135」などの演出図柄の組合せを決定する。そして、「はずれ」の場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせを決定する。また、演出表示装置9に導出表示される3図柄の組合せが演出図柄の「停止図柄」である。
演出制御用CPU101は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
なお、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄(左中右が全て同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)を大当り図柄という。また、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。また、確変状態となることを想起させる図柄(この実施の形態では、奇数図柄)を確変図柄ともいい、確変状態とならないことを想起させる図柄(この実施の形態では、偶数図柄)を非確変図柄ともいう。
次いで、演出制御用CPU101は、演出表示装置9の合算保留記憶表示部18cに表示されている1つ目の保留表示と同様の表示態様で、演出表示装置9のアクティブ表示領域9Aにおいて所定表示(アクティブ表示)を表示する(ステップS8002)。例えば、合算保留記憶表示部18cに表示されている1つ目の保留表示が通常態様(本例では、白色の丸形表示)であった場合には、アクティブ表示領域9Aに所定表示として白色の丸形表示を表示する。また、例えば、合算保留記憶表示部18cに表示されている1つ目の保留表示が青色の丸形表示であった場合には、アクティブ表示領域9Aに所定表示として青色の丸形表示を表示する。また、例えば、合算保留記憶表示部18cに表示されている1つ目の保留表示が緑色の丸形表示であった場合には、アクティブ表示領域9Aに所定表示として緑色の丸形表示を表示する。また、例えば、合算保留記憶表示部18cに表示されている1つ目の保留表示が赤色の丸形表示であった場合には、アクティブ表示領域9Aに所定表示として赤色の丸形表示を表示する。さらに、例えば、合算保留記憶表示部18cに表示されている1つ目の保留表示が宝箱を模した態様の表示であった場合には、アクティブ表示領域9Aに所定表示として宝箱を模した態様の表示を表示する。
なお、この実施の形態では、変動開始時に送信されるコマンドは、背景指定コマンド、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、および合算保留記憶数減算指定コマンドの順にタイマ割込ごとの間隔(4msの間隔)で送信される(図34〜図38参照)。従って、表示結果指定コマンドまでを受信した段階で実行される演出図柄変動開始処理では未だ合算保留記憶数減算指定コマンドを受信しておらず、ステップS8002の段階では、保留表示はまだシフトされず合算保留記憶表示部18cに今回開始する変動表示に対応する保留表示がまだ残っている筈である。そこで、ステップS8002では、合算保留記憶表示部18cに表示されている1つ目の保留表示(今回開始される変動表示に対応する保留表示)を確認して、同様の表示態様でアクティブ表示を表示するように制御している。
なお、ステップS8002でアクティブ表示領域9Aに所定表示(アクティブ表示)を表示した後、次のタイマ割込(4ms後)に合算保留記憶数減算指定コマンドを受信し、合算保留記憶表示部18cから1つ目の保留表示が消去されるのであるから、遊技者から見ると、合算保留記憶表示部18cの1つ目の保留表示がアクティブ表示領域9Aに殆ど同時に移行したように見える。
次いで、演出制御用CPU101は、保留等予告演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8003)。保留等予告演出実行中フラグがセットされていなければ(すなわち、保留等予告演出の実行中でなければ)、ステップS8011に移行する。保留等予告演出実行中フラグがセットされていれば(すなわち、保留等予告演出の実行中であれば)、演出制御用CPU101は、演出回数カウンタの値が1となっているか否かを確認する(ステップS8004)。演出回数カウンタの値が1でなければ(すなあち、予告対象の変動表示よりも前の変動表示を開始する場合であれば)、演出制御用CPU101は、今回開始する変動表示で保留表示の変化があるか否かを確認する(ステップS8005)。なお、今回開始する変動表示で保留表示の変化があるか否かは、具体的には、保留等予告演出記憶領域(ステップS6006参照)に格納されている保留等変化パターンを確認することにより判定できる。例えば、保留等変化パターンが変化パターンP4−mである場合には、始動入賞後1変動目または3変動目であれば保留表示の変化があると判定し、始動入賞後2変動目であれば保留表示の変化がないと判定できる(図48参照)。なお、始動入賞後何変動目であるかは、例えば、演出回数カウンタの値を確認することにより特定できる。また、例えば、保留等変化パターンが変化パターンP4−s〜P4−u(宝箱を模した態様で保留表示を表示するパターン)である場合には、予告対象の変動表示となるまで保留表示が変化することはないのであるから(図48参照)、ステップS8005では保留表示の変化がないと判定する。今回開始する変動表示で保留表示の変化がなければ、ステップS8011に移行する。
今回開始する変動表示で保留表示の変化があれば、演出制御用CPU101は、今回開始する変動表示の変動時間に応じて、作用演出の種類を決定するための作用演出決定テーブルを選択する(ステップS8006)。なお、今回開始する変動表示の変動時間は、具体的には、ステップS8000で読み出した変動パターンコマンドで指定される変動パターンを確認することにより特定できる。また、この実施の形態では、既に説明したように、保留等予告演出が実行される場合には予告対象の変動表示より前の変動表示が全て非リーチはずれとなる場合であり(ステップS6003参照)、非リーチPA1−1〜PA1−3(図17参照)のいずれかの変動パターンとなる場合しかない。従って、ステップS8006では、特定した変動時間が超短縮変動の変動時間(2.0秒。非リーチPA1−3の変動パターンの場合)であれば、超短縮変動用の作用演出決定テーブルを選択する。また、特定した変動時間が短縮変動の変動時間(8.0秒。非リーチPA1−2の変動パターンの場合)であれば、短縮変動用の作用演出決定テーブルを選択する。また、特定した変動時間が通常変動の変動時間(12.5秒。非リーチPA1−1の変動パターンの場合)であれば、通常変動用の作用演出決定テーブルを選択する。
次いで、演出制御用CPU101は、ステップS8006で選択した作用演出決定テーブルを用いて、乱数にもとづく抽選処理を行い、作用演出の種類を決定する(ステップS8007)。なお、「作用演出」とは、保留表示やアクティブ表示の表示態様が変化する際に保留表示やアクティブ表示に何らかの形式で作用するような態様で実行される演出であり、作用演出が実行されることによって保留表示やアクティブ表示の表示態様が変化することを示唆することができる。
図53は、作用演出決定テーブルの具体例を示す説明図である。このうち、図53(A)は、超短縮変動(変動時間2.0秒)用の作用演出決定テーブルの具体例を示している。また、図53(B)は、短縮変動(変動時間8.0秒)用の作用演出決定テーブルの具体例を示している。また、図53(C)は、通常変動(変動時間12.0秒)用の作用演出決定テーブルの具体例を示している。さらに、図53(D)は、後述するステップS8015で用いられるアクティブ表示変化用の作用演出決定テーブルの具体例を示している。なお、アクティブ表示変化用の作用演出決定テーブルについては、後述する。図53に示すように、この実施の形態では、作用演出決定テーブルには、「シフト時変化」や「落雷作用演出」、「役物作用演出」、「キャラクタ作用演出A」、「保留変化図柄作用演出」、「キャラクタ作用演出B」、「リーチ後変化」に対して、それぞれ判定値が割り振られている。
この実施の形態では、図53に示すように、作用演出が実行される期間は大きく変動開始時と変動中期と変動後期とに区別され、いずれの期間であるかによって実行可能な作用演出の種類が異なっている。この実施の形態では、図53に示すように、変動開始時に実行可能な作用演出として「シフト時変化」および「落雷作用演出」があり、変動中期に実行可能な作用演出として「役物作用演出」および「キャラクタ作用演出A」があり、変動後期に実行可能な作用演出として「保留変化図柄作用演出」、「キャラクタ作用演出B」および「リーチ後変化」がある(ただし、「リーチ後変化」は、後述するように、アクティブ表示の表示態様を変化する場合にのみ実行可能である)。
なお、「変動開始時」とは、例えば、変動表示を開始してから所定時間(例えば、5秒)経過後)までの期間や、変動表示を開始してから高速変動に移行するまでの期間など、何らかの形式で変動表示の開始から直後までの期間であることを認識できるものであればよい。また、「変動中期」とは、変動開始時の期間を終了してから、例えば、変動終了所定期間(例えば、10秒)前までの期間や、1つ目の演出図柄(例えば、左図柄)が停止表示されるまでの期間、リーチが発生するまでの期間など、何らかの形式で変動表示の中段の期間であることを認識できるものであればよい。また、「変動後期」とは、例えば、変動終了所定期間(例えば、10秒)前から変動表示を終了するまでの期間や、1つ目の演出図柄(例えば、左図柄)が停止表示されてから変動表示を終了するまでの期間、リーチが発生してから変動表示を終了するまでの期間など、何らかの形式で変動表示の後段の期間であることまたは終了直前の期間であることを認識できるものであればよい。
また、この実施の形態では、予告対象の保留表示を宝箱を模した態様で表示する保留等変化パターン(例えば、図48に示す変化パターンP4−s〜P4−u)を用いる場合には、そのまま予告対象の変動表示において「宝箱開放作用演出」が実行されてアクティブ表示の表示態様が変化されることから(後述するステップS8013参照)、図53に示す作用演出決定テーブルには含まれていないが、「宝箱開放作用演出」は変動開始時に実行される作用演出に分類される。
「シフト時変化」とは、作用演出の実行を伴うことなく、保留表示のシフト(変動表示の開始)のタイミングで直ちに予告対象の保留表示やアクティブ表示の表示態様を変化させるものである(従って、「シフト時変化」は厳密には作用演出には含まれない)。また、「落雷作用演出」とは、演出表示装置9において予告対象の保留表示やアクティブ表示に落雷したような態様の作用演出を実行して、予告対象の保留表示やアクティブ表示の表示態様を変化させるものである。また、「役物作用演出」とは、可動部材78が動作するような態様の作用演出を実行して、予告対象の保留表示やアクティブ表示の表示態様を変化させるものである。また、「キャラクタ作用演出A」とは、演出表示装置9においてキャラクタAが予告対象の保留表示に作用するような態様の作用演出を実行して、予告対象の保留表示の表示態様を変化させるものである。また、「保留変化図柄作用演出」とは、演出表示装置9において予告対象の保留表示が変化することを示唆する保留変化図柄を仮停止表示させるような態様の作用演出を実行して、予告対象の保留表示の表示態様を変化させるものである。また、「キャラクタ作用演出B」とは、演出表示装置9においてキャラクタBが予告対象の保留表示に作用するような態様の作用演出を実行して、予告対象の保留表示の表示態様を変化させるものである。さらに、「リーチ後変化」とは、作用演出の実行を伴うことなく、リーチ発生後の所定のタイミングで(例えば、リーチ発生から5秒経過後)アクティブ表示の表示態様を変化させるものである(従って、「リーチ後変化」も厳密には作用演出には含まれない)。
ステップS8007では、演出制御用CPU101は、保留等予告演出記憶領域(ステップS6006参照)に格納されている入賞時判定結果がスーパーリーチはずれ、またはスーパーリーチ大当りのいずれであるかを特定し、ステップS8006で選択した作用演出決定テーブルを用いて、特定した入賞時判定結果に応じて割り振られている判定値にもとづいて作用演出の種類を決定する。
図53(A)に示すように、超短縮変動(変動時間2.0秒)用の作用演出決定テーブルを用いる場合には、入賞時判定結果がスーパーリーチはずれであるかスーパーリーチ大当りであるかにかかわらず、100%の確率で変動開始時の「シフト時変化」に決定される。すなわち、超短縮変動の変動表示では変動時間が極めて短く作用演出の演出期間を殆ど確保できないので、保留表示のシフトのタイミングで直ちに予告対象の保留表示の表示態様を変化させるように制御される。
また、図53(B),(C)に示すように、短縮変動(変動時間8.0秒)用の作用演出決定テーブルや通常変動(変動時間12.5秒)用の作用演出決定テーブルを用いる場合には、変動開始時の「シフト時変化」および「落雷作用演出」、変動中期の「役物作用演出」および「キャラクタ作用演出A」、変動後期の「保留変化図柄作用演出」および「キャラクタ作用演出B」のいずれかに決定される。この実施の形態では、図53(B),(C)に示すように、スーパーリーチ大当りとなる場合には、スーパーリーチはずれとなる場合と比較して、変動後期の「保留変化図柄作用演出」および「キャラクタ作用演出B」が決定される割合が高くなっている。また、逆に、スーパーリーチ大当りとなる場合には、スーパーリーチはずれとなる場合と比較して、変動開始時の「シフト時変化」および「落雷作用演出」が決定される割合が低くなっている。従って、この実施の形態では、作用演出が実行されて保留表示が変化するのが変動表示の後半になるに従って、大当りに対する期待度(信頼度)が高くなるように、作用演出決定テーブルに判定値が割り振られている。なお、この実施の形態で示した態様にかぎらず、例えば、変動開始時や変動中期に作用演出が実行されて保留表示が変化した場合に、大当りに対する期待度(信頼度)が高くなるように構成してもよい。
また、この実施の形態では、図53(C)に示す通常変動(変動時間12.5秒)用の作用演出決定テーブルでは、図53(B)に示す短縮変動(変動時間8.0秒)用の作用演出決定テーブルと比較して、変動後期の「保留変化図柄作用演出」および「キャラクタ作用演出B」が決定される割合が高くなっている。また、逆に、図53(C)に示す通常変動(変動時間12.5秒)用の作用演出決定テーブルでは、図53(B)に示す短縮変動(変動時間8.0秒)用の作用演出決定テーブルと比較して、変動開始時の「シフト時変化」および「落雷作用演出」が決定される割合が低くなっている。従って、この実施の形態では、変動時間が長くなるに従って、変動表示の後半に作用演出が実行されて保留表示が変化される割合が高くなるようにしている。なお、この実施の形態で示した態様にかぎらず、例えば、変動時間が長くなるに従って、変動開始時や変動中期に作用演出が実行されて保留表示が変化される割合が高くなるようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、ステップS8007で「シフト時変化」に決定したか否かを確認する(ステップS8008)。「シフト時変化」に決定した場合であれば、演出制御用CPU101は、演出表示装置9の合算保留記憶表示部18cにおいて、保留等予告演出記憶領域(ステップS6006参照)に格納されている保留等変化パターンで示される表示態様に予告対象の保留表示を変化させ、合算保留記憶表示部18cにおける合算保留記憶数表示を更新する(ステップS8009)。例えば、保留等変化パターンが変化パターンP4−mであり、今回開始する変動表示が始動入賞後1変動目である場合には、予告対象の保留表示を白色の丸形表示から青色の丸形表示に変化させる。また、例えば、保留等変化パターンが変化パターンP4−mであり、今回開始する変動表示が始動入賞後3変動目である場合には、予告対象の保留表示を青色の丸形表示から緑色の丸形表示に変化させる。そして、ステップS8011に移行する。
「シフト時変化」以外の作用演出の種類に決定した場合であれば(ステップS8008のN)、演出制御用CPU101は、変動パターン、およびステップS8007で決定した作用演出の種類に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8010)。そして、ステップS8020に移行する。
一方、保留等予告演出実行中フラグがセットされていなかった場合(ステップS8003のN)、保留表示の変化がない場合(ステップS8005のN)、または「シフト時変化」に決定した場合(ステップS8009を実行した場合)には、演出制御用CPU101は、変動パターンに応じた通常のプロセステーブル(作用演出を伴わないプロセステーブル)を選択する(ステップS8011)。そして、ステップS8020に移行する。
ステップS8004で演出回数カウンタの値が1となっていた場合には(ステップS8004のY)、今回開始する変動表示が保留等予告演出の予告対象の変動表示である場合である。この場合、演出制御用CPU101は、アクティブ表示領域9Aに表示されているアクティブ表示が宝箱を模した表示であるか否かを確認する(ステップS8012)。アクティブ表示が宝箱を模した表示であれば、演出制御用CPU101は、変動パターン、および「宝箱開放作用演出」に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8013)。この場合、例えば、保留等変化パターンが変化パターンP4−sである場合には、宝物として宝A(例えば、「チャンス」などの表示)が飛び出す態様の作用演出に応じたプロセステーブルを選択する。また、例えば、保留等変化パターンが変化パターンP4−tである場合には、宝物として宝B(例えば、「大チャンス」などの表示)が飛び出す態様の作用演出に応じたプロセステーブルを選択する。また、例えば、保留等変化パターンが変化パターンP4−uである場合には、宝物として宝C(例えば、「激熱」などの表示)が飛び出す態様の作用演出に応じたプロセステーブルを選択する。そして、ステップS8020に移行する。
アクティブ表示が宝箱を模した表示以外の表示であれば(ステップS8012のN)、演出制御用CPU101は、今回開始する変動表示でアクティブ表示の変化があるか否かを確認する(ステップS8014)。なお、今回開始する変動表示でアクティブ表示の変化があるか否かは、具体的には、保留等予告演出記憶領域(ステップS6006参照)に格納されている保留等変化パターンを確認することにより判定できる。例えば、保留等変化パターンが変化パターンP4−mである場合にはアクティブ表示の変化があると判定し、変化パターンP4−nである場合にはアクティブ表示の変化がないと判定できる(図48参照)。今回開始する変動表示でアクティブ表示の変化がなければ、ステップS8019に移行する。
今回開始する変動表示でアクティブ表示の変化があれば、演出制御用CPU101は、アクティブ表示変化用の作用演出決定テーブルを用いて、乱数にもとづく抽選処理を行い、作用演出の種類を決定する(ステップS8015)。ステップS8015では、演出制御用CPU101は、表示結果コマンド格納領域(ステップS618参照)に格納されている表示結果指定コマンドにもとづいて、表示結果がはずれであるか大当りであるかを特定し、アクティブ表示変化用の作用演出決定テーブルを用いて、特定した表示結果に応じて割り振られている判定値にもとづいて作用演出の種類を決定する。
また、図53(D)に示すように、アクティブ表示変化用の作用演出決定テーブルを用いる場合には、変動開始時の「シフト時変化」および「落雷作用演出」、変動中期の「役物作用演出」、変動後期の「リーチ後変化」のいずれかに決定される。この実施の形態では、図53(D)に示すように、大当りとなる場合には、はずれとなる場合と比較して、変動中期の「役物作用演出」や変動後期の「リーチ後変化」が決定される割合が高くなっている。また、逆に、大当りとなる場合には、はずれとなる場合と比較して、変動開始時の「シフト時変化」および「落雷作用演出」が決定される割合が低くなっている。従って、この実施の形態では、作用演出が実行されてアクティブ表示が変化するのが変動表示の後半になるに従って、大当りに対する期待度(信頼度)が高くなるように、作用演出決定テーブルに判定値が割り振られている。なお、この実施の形態で示した態様にかぎらず、例えば、変動開始時や変動中期に作用演出が実行されてアクティブ表示が変化した場合に、大当りに対する期待度(信頼度)が高くなるように構成してもよい。
また、この実施の形態では、図53(D)に示すように、アクティブ表示変化用の作用演出決定テーブルを用いる場合には、変動開始時の「シフト時変化」および「落雷作用演出」に決定される割合の合計がはずれの場合で30%+30%=60%、大当りの場合でも20%+20%=40%と比較的高くなっている。これは、この実施の形態では、保留等予告演出の予告対象の変動表示ではスーパーリーチはずれまたはスーパーリーチ大当りとなることから、リーチ発生後やスーパーリーチ演出の実行中に作用演出を実行してしまうと演出が却って煩わしくなる。そのため、この実施の形態では、予告対象の変動表示に関しては変動開始時に作用演出を実行してアクティブ表示を変化させる割合を高めている。また、変動中期や変動後期にアクティブ表示を変化させる場合であっても、演出表示装置9における演出を伴わない「役物作用演出」や、厳密には作用演出なしでそのままアクティブ表示を変化させる「リーチ後変化」のみを実行可能としている。
なお、この実施の形態では、図53に示すように、変動開始時の「シフト時変化」や「落雷作用演出」および変動中期の「役物作用演出」のように、予告対象の保留表示の表示態様を変化させる場合とアクティブ表示の表示態様を変化させる場合とで共通に実行可能な変化態様がある。また、変動中期の「キャラクタ作用演出A」および変動後期の「保留変化図柄作用演出」や「キャラクタ作用演出B」のように、予告対象の保留表示の表示態様を変化させる場合にのみ実行可能な変化態様がある。また、変動後期の「リーチ後変化」のように、アクティブ表示の表示態様を変化させる場合にのみ実行可能な変化態様もある。
また、この実施の形態では、図53(A)〜(C)に示す保留表示を変化させる際の作用演出を決定するための作用演出決定テーブル、および図53(D)に示すアクティブ表示を変化させる際の作用演出を決定するための作用演出決定テーブルにおいて、入賞時判定結果や表示結果に応じて判定値の割り振りを異ならせる場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、保留等予告演出を通して保留表示やアクティブ表示が何段階にわたって変化したかによって異なる判定値の割り振りにより作用演出を決定するように構成してもよい。
また、この実施の形態では、作用演出が実行されれば必ず保留表示やアクティブ表示の表示態様が変化する場合を示したが、そのような態様にかぎらず、作用演出が実行されても保留表示やアクティブ表示が変化しない場合(いわゆるガセの作用演出を実行する場合)があるように構成してもよい。いわゆるガセの作用演出を実行可能に構成する場合、具体的には、ステップS8005の判定処理やステップS8014の判定処理が不要となり、保留表示やアクティブ表示の変化の有無に関係なく、ステップS8007やステップS8015の作用演出の種類の決定を行うようにすればよい。
また、上記のように、いわゆるガセの作用演出を実行可能に構成する場合、作用演出の種類によって保留表示やアクティブ表示が変化する期待度が異なる(言い換えれば、ガセの作用演出である割合が異なる)ように構成してもよい。この場合、例えば、役物作用演出が実行される場合には、キャラクタ作用演出Aが実行される場合よりも、保留表示が変化する期待度が高い(言い換えれば、キャラクタ作用演出Aの方が役物作用演出よりもガセの作用演出の割合が高い)ようにしてもよい。また、例えば、変動後期の作用演出が実行される場合の方が、変動開始時や変動中期の作用演出が実行される場合と比較して、保留表示やアクティブ表示が変化する期待度が高い(言い換えれば、変動後期の作用演出の方がガセの作用演出の割合が低い)ように構成してもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、ステップS8015で「シフト時変化」に決定したか否かを確認する(ステップS8016)。「シフト時変化」に決定した場合であれば、演出制御用CPU101は、演出表示装置9のアクティブ表示領域9Aにおいて、保留等予告演出記憶領域(ステップS6006参照)に格納されている保留等変化パターンで示される表示態様にアクティブ表示を変化させる(ステップS8017)。例えば、保留等変化パターンが変化パターンP4−1である場合には、アクティブ表示を白色の丸形表示から青色の丸形表示に変化させる。また、例えば、保留等変化パターンが変化パターンP4−mである場合には、アクティブ表示を緑色の丸形表示から赤色の丸形表示に変化させる。そして、ステップS8019に移行する。
「シフト時変化」以外の作用演出の種類に決定した場合であれば(ステップS8016のN)、演出制御用CPU101は、変動パターン、およびステップS8015で決定した作用演出の種類に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8018)。そして、ステップS8020に移行する。
一方、アクティブ表示の変化がない場合(ステップS8014のN)、または「シフト時変化」に決定した場合(ステップS8017を実行した場合)には、演出制御用CPU101は、変動パターンに応じた通常のプロセステーブル(作用演出を伴わないプロセステーブル)を選択する(ステップS8019)。そして、ステップS8020に移行する。
そして、演出制御用CPU101は、ステップS8010,S8011,S8013,S8018,S8019で選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS8020)。
図54は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行う。
図54に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
なお、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
また、演出図柄の変動表示中に先読み予告演出(本例では、保留等予告演出)以外の予告演出(いわゆる当該変動に対する予告演出)を実行可能に構成してもよく、その場合、変動開始時に予告演出を実行することに決定した場合には、演出制御用CPU101は、ステップS8010,S8011,S8013,S8018,S8019において、決定した予告演出に対応したプロセステーブルを選択する。
また、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS8021)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、演出用中継基板17Aを介して各発光体制御基板17C〜17Fに対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS8022)。
次いで、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域の格納領域に格納されている始動入賞時のコマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンド(第1始動入賞指定コマンドまたは第2始動入賞指定コマンド)、および合算保留記憶数指定コマンド)のうち、1つ目の格納領域に格納されている始動入賞時のコマンドを1つ削除し、始動入賞時コマンド格納領域の内容をシフトする(ステップS8023)。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS8024)。
図55は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、まず、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS8101)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS8102)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS8103)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS8104)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS8105)。
次いで、演出制御用CPU101は、作用演出の実行タイミングとなっているか否かを確認する(ステップS8106)。なお、作用演出の実行タイミングとなっているか否かは、具体的には、ステップS8022でセットされた変動時間タイマの値を確認することにより判定できる。作用演出の実行タイミングとなっていれば、演出制御用CPU101は、演出表示装置9の合算保留記憶表示部18cやアクティブ表示領域9Aにおいて、保留等予告演出記憶領域(ステップS6006参照)に格納されている保留等変化パターンで示される表示態様に予告対象の保留表示やアクティブ表示を変化させる制御を行う(ステップS8107)。
ステップS8107では、例えば、予告対象の保留表示を変化させる場合であって、保留等変化パターンが変化パターンP4−mであり、実行中の変動表示が始動入賞後1変動目である場合には、予告対象の保留表示を白色の丸形表示から青色の丸形表示に変化させる。また、例えば、保留等変化パターンが変化パターンP4−mであり、実行中の変動表示が始動入賞後3変動目である場合には、予告対象の保留表示を青色の丸形表示から緑色の丸形表示に変化させる。
また、例えば、アクティブ表示を変化させる場合であって、保留等変化パターンが変化パターンP4−1である場合には、アクティブ表示を白色の丸形表示から青色の丸形表示に変化させる。また、例えば、保留等変化パターンが変化パターンP4−mである場合には、アクティブ表示を緑色の丸形表示から赤色の丸形表示に変化させる。また、例えば、保留等変化パターンが変化パターンP4−sである場合には、アクティブ表示を宝箱を模した表示から宝物として宝A(例えば、「チャンス」などの表示)が飛び出すような態様の表示に変化させる。また、例えば、保留等変化パターンが変化パターンP4−tである場合には、アクティブ表示を宝箱を模した表示から宝物として宝B(例えば、「大チャンス」などの表示)が飛び出すような態様の表示に変化させる。また、例えば、保留等変化パターンが変化パターンP4−uである場合には、アクティブ表示を宝箱を模した表示から宝物として宝C(例えば、「激熱」などの表示)が飛び出すような態様の表示に変化させる。
なお、ステップS8107において、予告対象の保留表示やアクティブ表示の表示態様を変化させる具体的なタイミングは、作用演出の終了タイミングであってもよいし、作用演出の実行中のタイミングであってもよいし、作用演出の開始とともに変化させるものであってもよい(作用演出の種類に応じて、これらのタイミングを使い分けてもよい)。
また、演出図柄変動開始処理のステップS8015において「リーチ後変化」を決定した場合には、厳密には作用演出の実行を伴うことなくアクティブ表示を変化させるものであることから、ステップS8106でリーチ発生後の所定のタイミング(例えば、リーチ発生から5秒経過後)となったか否かを判定し、リーチ発生後の所定のタイミングとなったと判定したことにもとづいてアクティブ表示の表示態様を変化させるようにすればよい。なお、この場合、リーチ発生と同時にアクティブ表示の表示態様を変化させるように構成しても構わない。
そして、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS8108)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS8109)。
図56は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、まず、アクティブ表示領域9Aに表示されているアクティブ表示を消去する制御を行う(ステップS8300)。なお、この実施の形態では、変動表示を終了するごとにアクティブ表示を毎回消去する場合を示しているが、変動表示を終了するときに合算保留記憶表示部18cに1つでも保留表示が表示されていれば、アクティブ表示領域9Aにおいてアクティブ表示を継続して表示するように構成してもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、演出図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8301)。停止図柄表示フラグがセットされていれば、ステップS8306に移行する。この実施の形態では、演出図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、ステップS8304で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときに停止図柄表示フラグがリセットされる。従って、停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したがファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、ステップS8302の演出図柄の停止図柄を表示する処理を実行することなく、ステップS8306に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、決定されている停止図柄(はずれ図柄、大当り図柄)を停止表示させる制御を行う(ステップS8302)。
次いで、ステップS8302の処理で大当り図柄および小当り図柄のいずれも表示しなかった場合(すなわち、はずれ図柄を表示した場合)には(ステップS8303のN)、演出制御用CPU101は、ステップS8312に移行する。
ステップS8302の処理で大当り図柄または小当り図柄を停止表示した場合には(ステップS8303のY)、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをセットする(ステップS8304)。また、演出制御用CPU101は、セットされていれば、保留等予告演出実行中フラグや演出回数カウンタをリセットする(ステップS8305)。
次いで、演出制御用CPU101は、いずれかの大当り開始指定コマンドを受信したか否かを確認する(ステップS8306)。なお、いずれかの大当り開始指定コマンドを受信したか否かは、具体的には、コマンド解析処理においてセットされる大当り開始指定コマンドを受信したことを示すフラグ(大当り開始指定コマンド受信フラグ)や、小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを受信したことを示すフラグ(小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグ)がセットされているか否か確認することにより判定できる。いずれかの大当り開始指定コマンドを受信していれば、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをリセットし(ステップS8307)、ファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8308)。なお、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグまたは小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていた場合には、セットされていたフラグをリセットする。
そして、演出制御用CPU101は、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(ステップS8309)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS8310)。その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS8311)。
大当りおよび小当りのいずれともしないことに決定されている場合には(ステップS8303のN)、演出制御用CPU101は、保留等予告演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8312)。保留等予告演出実行中フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、演出回数カウンタの値を1減算し(ステップS8313)、減算後の演出回数カウンタの値が0となっているか否かを確認する(ステップS8314)。減算後の演出回数カウンタの値が0となっていれば、演出制御用CPU101は、保留等予告演出実行中フラグをリセットする(ステップS8315)。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS8316)。
次に、保留等予告演出の演出態様の具体例について説明する。図57および図58は、保留等予告演出の演出態様の一例を示す説明図である。なお、図57および図58において、(1)(2)(3)の順に演出画面の態様が遷移する。
まず、図57(1)に示すように、演出表示装置9において左中右の演出図柄の変動表示を実行しているときに新たに始動入賞が発生したものとする。本例では、合算保留記憶数が3である状態で新たに始動入賞が発生して合算保留記憶数が4に増加したものとする。また、本例では、1つ前までの保留記憶が全て非リーチはずれとなるものであったものとし、合算保留記憶数が4であることにもとづいて保留等変化パターンとして変化パターンP4−mを決定したものとする(ステップS6003,S6004参照)。また、保留等変化パターンとして変化パターンP4−mを決定したことにもとづいて、新たに増加した保留記憶に対する4つ目の保留表示として通常態様(本例では、白色の丸形表示)の保留表示を1つ増加させたものとする(ステップS6007参照。図48参照。)。そして、変動表示時間が終了したことにもとづいて、図57(2)に示すように、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を終了する。
次いで、保留表示を1つ消化し、図57(3)に示すように、演出表示装置9において次の変動表示を開始する。図57(3)に示す例では、変動表示を開始するときに、保留等変化パターンとして変化パターンP4−mが決定されていることから保留表示の変化ありと判定し(ステップS8005参照。図48参照。)、作用演出の種類として「落雷作用演出」を決定したものとする(ステップS8007参照)。そして、「落雷作用演出」は変動開始時の作用演出であることから、図57(3)に示すように、変動開始時の期間に、演出表示装置9において、予告対象の保留表示に対して雷200が落ちたような態様の演出を行い(ステップS8010,S8021,S8105参照)、予告対象の保留表示を白色の丸形表示から青色の丸形表示に変更する(ステップS8107参照)。そして、変動表示時間が終了したことにもとづいて、図57(4)に示すように、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を終了する。
次いで、保留表示を1つ消化し、図57(5)に示すように、演出表示装置9において次の変動表示を開始する。図57(5)に示す例では、変動表示を開始するときに、保留等変化パターンとして変化パターンP4−mが決定されていることから保留表示の変化なしと判定し(ステップS8005参照。図48参照。)、作用演出および保留表示の表示態様の変化を伴わずに演出図柄の変動表示が実行される。そして、変動表示時間が終了したことにもとづいて、図57(6)に示すように、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を終了する。
次いで、保留表示を1つ消化し、図57(7)に示すように、演出表示装置9において次の変動表示を開始する。図57(7)に示す例では、変動表示を開始するときに、保留等変化パターンとして変化パターンP4−mが決定されていることから保留表示の変化ありと判定し(ステップS8005参照。図48参照。)、作用演出の種類として「役物作用演出」を決定したものとする(ステップS8007参照)。そして、「役物作用演出」は変動中期の作用演出であることから、図57(8)に示すように、変動中期の期間に、可動部材78が演出表示装置9の表示画面の一部に被るような態様で動作するような態様の演出を行い(ステップS8010,S8021,S8105参照)、予告対象の保留表示を青色の丸形表示から緑色の丸形表示に変更する(ステップS8107参照)。そして、変動表示時間が終了したことにもとづいて、図57(9)に示すように、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を終了する。
次いで、保留表示を1つ消化し、図57(10)に示すように、演出表示装置9において次の変動表示を開始する。この場合、今回開始される変動表示が保留等予告演出の予告対象の変動表示であることから、合算保留記憶表示部18cで保留表示として表示されていたときの表示態様を引き継いで、アクティブ表示領域9Aにおいてアクティブ表示として緑色の丸形表示が表示される(ステップS8002参照)。
また、図57(10)に示す例では、変動表示を開始するときに、保留等変化パターンとして変化パターンP4−mが決定されていることからアクティブ表示の変化ありと判定し(ステップS8014参照。図48参照。)、作用演出の種類として「リーチ後変化」を決定したものとする(ステップS8015参照)。そして、「リーチ後変化」は厳密には作用演出の実行を伴わず変動後期に行われるものであることから、図58(11)に示すように、変動後期の期間に、リーチ発生後の所定のタイミング(例えば、リーチ発生から5秒経過後)となると、そのままアクティブ表示を緑色の丸形表示から赤色の丸形表示に変更する(ステップS8107参照)。そして、その後、スーパーリーチ演出に発展し、変動表示時間が終了すると、図58(12)に示すように、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を終了する。なお、図58(12)に示す例では、スーパーリーチ大当りとなる変動表示であることにもとづいて、演出図柄の停止図柄として大当り図柄(本例では、「777」の図柄の組み合わせ)が停止表示される場合が示されている。
図59および図60は、保留等予告演出の演出態様の他の例を示す説明図である。なお、図59および図60において、(1)(2)(3)の順に演出画面の態様が遷移する。
まず、図59(1)に示すように、演出表示装置9において左中右の演出図柄の変動表示を実行しているときに新たに始動入賞が発生したものとする。本例では、合算保留記憶数が3である状態で新たに始動入賞が発生して合算保留記憶数が4に増加したものとする。また、本例では、1つ前までの保留記憶が全て非リーチはずれとなるものであったものとし、合算保留記憶数が4であることにもとづいて保留等変化パターンとして変化パターンP4−mを決定したものとする(ステップS6003,S6004参照)。また、保留等変化パターンとして変化パターンP4−mを決定したことにもとづいて、新たに増加した保留記憶に対する4つ目の保留表示として通常態様(本例では、白色の丸形表示)の保留表示を1つ増加させたものとする(ステップS6007参照。図48参照。)。そして、変動表示時間が終了したことにもとづいて、図59(2)に示すように、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を終了する。
次いで、保留表示を1つ消化し、図59(3)に示すように、演出表示装置9において次の変動表示を開始する。図59(3)に示す例では、変動表示を開始するときに、保留等変化パターンとして変化パターンP4−mが決定されていることから保留表示の変化ありと判定し(ステップS8005参照。図48参照。)、作用演出の種類として「キャラクタ作用演出A」を決定したものとする(ステップS8007参照)。そして、「キャラクタ作用演出A」は変動中期の作用演出であることから、図59(4)に示すように、変動中期の期間に、演出表示装置9において、キャラクタA201が予告対象の保留表示を指さすような態様の演出を行い(ステップS8010,S8021,S8105参照)、予告対象の保留表示を白色の丸形表示から青色の丸形表示に変更する(ステップS8107参照)。そして、変動表示時間が終了したことにもとづいて、図59(5)に示すように、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を終了する。
次いで、保留表示を1つ消化し、図59(6)に示すように、演出表示装置9において次の変動表示を開始する。図59(6)に示す例では、変動表示を開始するときに、保留等変化パターンとして変化パターンP4−mが決定されていることから保留表示の変化なしと判定し(ステップS8005参照。図48参照。)、作用演出および保留表示の表示態様の変化を伴わずに演出図柄の変動表示が実行される。そして、変動表示時間が終了したことにもとづいて、図59(7)に示すように、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を終了する。
次いで、保留表示を1つ消化し、図59(8)に示すように、演出表示装置9において次の変動表示を開始する。図59(8)に示す例では、変動表示を開始するときに、保留等変化パターンとして変化パターンP4−mが決定されていることから保留表示の変化ありと判定し(ステップS8005参照。図48参照。)、作用演出の種類として「保留変化図柄作用演出」を決定したものとする(ステップS8007参照)。そして、「保留変化図柄作用演出」は変動後期の作用演出であることから、図59(9)に示すように、変動後期の期間に、左および右の演出図柄を仮停止表示させた後に、中の演出図柄として保留変化図柄202を仮停止表示させるような態様の演出を行い(ステップS8010,S8021,S8105参照)、予告対象の保留表示を青色の丸形表示から緑色の丸形表示に変更する(ステップS8107参照)。そして、変動表示時間が終了したことにもとづいて、図59(10)に示すように、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を終了する。
次いで、保留表示を1つ消化し、図60(11)に示すように、演出表示装置9において次の変動表示を開始する。この場合、今回開始される変動表示が保留等予告演出の予告対象の変動表示であることから、合算保留記憶表示部18cで保留表示として表示されていたときの表示態様を引き継いで、アクティブ表示領域9Aにおいてアクティブ表示として緑色の丸形表示が表示される(ステップS8002参照)。
また、図60(11)に示す例では、変動表示を開始するときに、保留等変化パターンとして変化パターンP4−mが決定されていることからアクティブ表示の変化ありと判定し(ステップS8014参照。図48参照。)、作用演出の種類として「役物作用演出」を決定したものとする(ステップS8015参照)。そして、「役物作用演出」は変動中期の作用演出であることから、図60(12)に示すように、変動中期の期間に、可動部材78が演出表示装置9の表示画面の一部に被るような態様で動作するような態様の演出を行い(ステップS8018,S8021,S8105参照)、アクティブ表示を緑色の丸形表示から赤色の丸形表示に変更する(ステップS8107参照)。このように、この実施の形態では、図57(8)および図60(12)に示すように、予告対象の保留表示の表示態様を変化させる場合とアクティブ表示の表示態様を変化させる場合とで共通に実行可能な種類の作用演出(本例では、「役物作用演出」)がある。そして、その後、スーパーリーチ演出に発展し、変動表示時間が終了すると、図60(13)に示すように、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を終了する。なお、図60(13)に示す例では、スーパーリーチ大当りとなる変動表示であることにもとづいて、演出図柄の停止図柄として大当り図柄(本例では、「777」の図柄の組み合わせ)が停止表示される場合が示されている。
図61は、保留等予告演出の演出態様のさらに他の例を示す説明図である。なお、図61において、(1)(2)(3)の順に演出画面の態様が遷移する。
まず、図61(1)に示すように、演出表示装置9において左中右の演出図柄の変動表示を実行しているときに新たに始動入賞が発生したものとする。本例では、合算保留記憶数が3である状態で新たに始動入賞が発生して合算保留記憶数が4に増加したものとする。また、本例では、1つ前までの保留記憶が全て非リーチはずれとなるものであったものとし、合算保留記憶数が4であることにもとづいて保留等変化パターンとして変化パターンP4−uを決定したものとする(ステップS6003,S6004参照)。また、保留等変化パターンとして変化パターンP4−uを決定したことにもとづいて、新たに増加した保留記憶に対する4つ目の保留表示として宝箱を模した表示203を1つ増加させたものとする(ステップS6007参照。図48参照。)。そして、変動表示時間が終了したことにもとづいて、図61(2)に示すように、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を終了する。
次いで、保留表示を1つ消化し、図61(3)に示すように、演出表示装置9において次の変動表示を開始する。図61(3)に示す例では、変動表示を開始するときに、保留等変化パターンとして変化パターンP4−uが決定されていることから保留表示の変化なしと判定し(ステップS8005参照。図48参照。)、作用演出および保留表示の表示態様の変化を伴わずに演出図柄の変動表示が実行される。以降、保留表示として宝箱を模した表示203を表示する変化パターンP4−uに従って保留等予告演出が実行される場合には、予告対象の変動表示まで保留表示の表示態様は変化しないことから、図61(4)に示すように、予告対象の保留表示として宝箱を模した表示203を表示したままの状態で予告対象の変動表示の1つ前までの変動表示が終了する。
次いで、保留表示を1つ消化し、図61(5)に示すように、演出表示装置9において次の変動表示を開始する。この場合、今回開始される変動表示が保留等予告演出の予告対象の変動表示であることから、合算保留記憶表示部18cで保留表示として表示されていたときの表示態様を引き継いで、アクティブ表示領域9Aにおいてアクティブ表示として宝箱を模した表示が表示される(ステップS8002参照)。そして、アクティブ表示として宝箱を模した表示が表示されていることから、そのまま変動開始時の作用演出である「宝箱開放作用演出」が実行され(ステップS8013,S8021,S8105参照)、アクティブ表示が宝箱を模した表示から、宝箱が開放して宝物として宝C(本例では、「激熱」などの表示)が飛び出すような態様の表示に変更する(ステップS8107参照)。そして、その後、スーパーリーチ演出に発展し、変動表示時間が終了すると、図61(6)に示すように、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を終了する。なお、図61(6)に示す例では、スーパーリーチ大当りとなる変動表示であることにもとづいて、演出図柄の停止図柄として大当り図柄(本例では、「777」の図柄の組み合わせ)が停止表示される場合が示されている。
なお、この実施の形態では、保留表示やアクティブ表示を宝箱を模した態様で表示する保留等変化パターンとして、「宝箱開放作用演出」が実行されて宝箱が開放して宝物として「チャンス」や「大チャンス」、「激熱」などの表示が飛び出すような態様の演出を実行する場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、宝物としてコインや宝石などを模した複数種類の画像が表示されるような演出を実行してもよいし、宝箱が開放して宝物が飛び出すのではなくアクティブ表示の表示態様が青色や緑色、赤色など複数種類のいずれかの表示態様に変化するように構成してもよい。この場合、例えば、この実施の形態で示した宝物として「チャンス」の表示が飛び出すような態様の演出を、アクティブ表示の表示態様を青色の丸形表示に変化させる演出に置き換え、宝物として「大チャンス」の表示が飛び出すような態様の演出を、アクティブ表示の表示態様を緑色の丸形表示に変化させる演出に置き換え、宝物として「激熱」の表示が飛び出すような態様の演出を、アクティブ表示の表示態様を赤色の丸形表示に変化させる演出に置き換えるようにしてもよい。
また、図57〜図61に示す例では、「シフト時変化」および「キャラクタ作用演出B」の例を省略したが、「シフト時変化」の場合には、作用演出の実行を伴うことなく、保留表示のシフト(変動表示の開始)のタイミングで直ちに予告対象の保留表示やアクティブ表示の表示態様が変化される。また、「キャラクタ作用演出B」の場合には、例えば、図59(4)と同様または類似の態様で、変動中期の期間に、演出表示装置9において、キャラクタBが予告対象の保留表示を指さすような態様の演出を行い、予告対象の保留表示の表示態様が変化される。
次に、保留等予告演出における作用演出の実行タイミングについて説明する。図62および図63は、保留等予告演出における作用演出の実行タイミングを説明するための説明図である。このうち、図62は、保留等予告演出の予告対象の変動表示よりも前の変動表示において実行される作用演出の実行タイミングを示している。また、図63は、保留等予告演出の予告対象の変動表示において実行される作用演出の実行タイミングを示している。
図62に示すように、予告対象の変動表示よりも前の変動表示においては、「シフト時変化」、「落雷作用演出」、「役物作用演出」、「キャラクタ作用演出A」、「保留変化図柄作用演出」または「キャラクタ作用演出B」を実行して、予告対象の保留表示の表示態様を変化可能である。図62に示すように、「シフト時変化」の場合には、厳密には作用演出の実行を伴うことなく、保留表示のシフト(変動表示の開始)のタイミングで直ちに予告対象の保留表示の表示態様が変化する(変動開始時に分類される)。また、「落雷作用演出」の場合には、変動開始時の期間に落雷作用演出が実行されて、予告対象の保留表示の表示態様が変化する。
また、「役物作用演出」の場合には、変動中期の期間に役物作用演出が実行されて、予告対象の保留表示の表示態様が変化する。また、「キャラクタ作用演出A」の場合には、変動中期の期間にキャラクタ作用演出Aが実行されて、予告対象の保留表示の表示態様が変化する。この実施の形態では、図62に示すように、同じ変動中期の期間に実行される作用演出であっても、「役物作用演出」の方が「キャラクタ作用演出A」よりも早いタイミングで実行される作用演出である。なお、この実施の形態で示した態様にかぎらず、同じ変動中期の期間に実行される作用演出であれば、例えば、「役物作用演出」と「キャラクタ作用演出A」とで全く演出期間や演出タイミングが同じであるように構成してもよいし、演出期間が一部共通するように構成しても構わない。
また、「保留変化図柄作用演出」の場合には、変動後期の期間に保留変化図柄作用演出が実行されて、予告対象の保留表示の表示態様が変化する。また、「キャラクタ作用演出B」の場合には、変動後期の期間にキャラクタ作用演出Bが実行されて、予告対象の保留表示の表示態様が変化する。この実施の形態では、図62に示すように、同じ変動後期の期間に実行される作用演出であっても、「キャラクタ作用演出B」の方が「保留変化図柄作用演出」よりも早いタイミングで実行される作用演出である。なお、この実施の形態で示した態様にかぎらず、同じ変動後期の期間に実行される作用演出であれば、例えば、「保留変化図柄作用演出」と「キャラクタ作用演出B」とで全く演出期間や演出タイミングが同じであるように構成してもよいし、演出期間が一部共通するように構成しても構わない。
図63に示すように、予告対象の変動表示においては、「シフト時変化」、「落雷作用演出」、「宝箱開放作用演出」、「役物作用演出」、または「リーチ後変化」を実行して、アクティブ表示の表示態様を変化可能である。図63に示すように、「シフト時変化」の場合には、厳密には作用演出の実行を伴うことなく、保留表示のシフト(変動表示の開始)のタイミングで直ちにアクティブ表示の表示態様が変化する(変動開始時に分類される)。また、「落雷作用演出」の場合には、変動開始時の期間に落雷作用演出が実行されて、アクティブ表示の表示態様が変化する。また、「宝箱開放作用演出」の場合には、変動開始時の期間に宝箱作用演出が実行されて、アクティブ表示の表示態様が変化する。この実施の形態では、図63に示すように、「宝箱開放作用演出」の演出期間は、「落雷作用演出」の演出期間に包含されているものとする。なお、この実施の形態で示した態様にかぎらず、同じ変動開始時の期間に実行される作用演出であれば、「落雷作用演出」と「宝箱開放作用演出」とで演出期間や演出タイミングが異なっていてもよいし、逆に全く演出期間や演出タイミングが同じであるように構成してもよい。
また、「役物作用演出」の場合には、変動中期の期間に役物作用演出が実行されて、アクティブ表示の表示態様が変化する。また、「リーチ後変化」の場合には、変動後期の期間において、厳密には作用演出を伴うことなく、リーチ発生後の所定のタイミングで(例えば、リーチ発生から5秒経過後)アクティブ表示の表示態様が変化する。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、複数種類の可変表示時間(本例では、非リーチの変動時間として、通常変動の変動時間12.5秒と、短縮変動の変動時間8.0秒と、超短縮変動の変動時間2.0秒とがある)のうちのいずれかの可変表示時間にわたって可変表示を実行する。また、入賞時判定の判定結果にもとづいて、保留表示の表示態様を変化させる変化演出(本例では、保留等予告演出における作用演出)を実行可能である。そして、複数種類の可変表示時間のうちの短い可変表示時間にわたって可変表示が実行されるときと、複数種類の可変表示時間のうちの長い可変表示時間にわたって可変表示が実行されるときとで、変化演出を実行可能なタイミングの数が異なる(本例では、図53(A)に示すように、超短縮変動の変動表示では変動開始時の「シフト時変化」のみ実行可能であり、図53(B),(C)に示すように、短縮変動と通常変動の変動表示では変動開始時に加えて変動中期や変動後期の作用演出を実行可能である)。そのため、可変表示時間に応じて変化演出が実行されるタイミングが変化するので、変化演出の演出効果を向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、複数種類の可変表示時間のうちの長い可変表示時間にわたって可変表示が実行されるときには、複数種類の可変表示時間のうちの短い可変表示時間にわたって可変表示が実行されるときと比較して、変化演出を実行可能なタイミングの数が多い(本例では、図53(A)に示すように、超短縮変動の変動表示では変動開始時の「シフト時変化」のみ実行可能であり、図53(B),(C)に示すように、短縮変動と通常変動の変動表示では変動開始時に加えて変動中期や変動後期の作用演出を実行可能である)。そのため、可変表示時間が長ければ変化演出が実行されるタイミングが多くなるので、変化演出の演出効果を向上させることができる。
なお、この実施の形態では、超短縮変動の可変表示時間である場合のみ変化演出を実行可能なタイミングが少ない(本例では、変動開始時の「シフト時変化」のみ実行可能である)場合を示したが、そのような対応にかぎれられない。例えば、可変表示時間が通常変動(12.5秒)→短縮変動(8.0秒)→超短縮変動(2.0秒)と短くなるに従って、変化演出を実行可能なタイミングの数が段階的に少なくなっていくように構成してもよい。
また、この実施の形態によれば、可変表示時間に応じて、可変表示の実行中における特定の期間に実行可能な変化演出の種類が異なる(本例では、図53(A)に示すように、超短縮変動の変動表示では変動開始時に「シフト時変化」のみ実行可能であり、図53(B),(C)に示すように、短縮変動と通常変動の変動表示では変動開始時に「シフト時変化」に加えて「落雷作用演出」を実行可能である)。そのため、可変表示時間に応じて変化演出の種類が変化するので、変化演出の演出効果を向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、入賞時判定の判定結果にもとづいて、保留表示の表示態様の変化パターン(本例では、図48に示す保留等変化パターン)を決定し、可変表示を開始するときに、決定された変化パターンに従って変化演出を決定し、その決定結果にもとづいて変化演出を実行可能である(本例では、始動入賞時に保留等変化パターンを決定し、その後、変動開始時に図53に示す作用演出決定テーブルを用いて作用演出を決定して、作用演出を実行して予告対象の保留表示の表示態様を変化可能である)。すなわち、この実施の形態では、始動入賞発生時に大まかな保留等変化パターンを決定し、その後、各変動表示の開始時に具体的にどのような作用演出を実行するかなどの変化態様を決定している。そのため、状況に応じた変化演出を実行可能とすることができる。例えば、その変動表示における変動時間が長いか短いかに応じて、その変動表示時間に応じた作用演出などを実行して保留表示の表示態様を変化させることができる。
また、この実施の形態によれば、可変表示に対応して特定表示(本例では、保留表示、アクティブ表示)を表示可能であり、入賞時判定の判定結果にもとづいて、特定表示の表示態様を変化させる変化演出(本例では、保留等予告演出における作用演出)を実行可能である。また、入賞時判定の判定対象となった可変表示が実行されるときと、入賞時判定の判定対象となった可変表示より前の可変表示が実行されるときとで、異なる種類の変化演出を実行可能である(本例では、図53(D)に示すように、アクティブ表示の表示態様を変化させる場合には、変動開始時の「シフト時変化」や「落雷作用演出、変動中期の「役物作用演出」、および変動後期の「リーチ後変化」を実行可能であるのに対して、図53(A)〜(C)に示すように、予告対象の保留表示の表示態様を変化させる場合には、変動開始時の「シフト時変化」や「落雷作用演出」、変動中期の「役物作用演出」や「キャラクタ作用演出A」、変動後期の「保留変化図柄作用演出」や「キャラクタ作用演出B」を実行可能である)。そのため、判定対象となった可変表示が実行されるときと、判定対象となった可変表示より前の可変表示が実行されるときとで、変化演出の種類が異なるので、変化演出の演出効果を向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、入賞時判定の判定対象となった可変表示が実行されるときと、入賞時判定の判定対象となった可変表示より前の可変表示が実行されるときとで、共通に実行可能な変化演出がある(本例では、図53に示すように、アクティブ表示の表示態様を変化させる場合と予告対象の保留表示の表示態様を変化させる場合とで、「シフト時変化」、「落雷作用演出」および「役物作用演出」を共通に実行可能である)。そのため、変化演出をわかりやすくすることができる。
また、この実施の形態によれば、入賞時判定の判定対象となった可変表示が実行されるときにのみ実行可能な変化演出と、入賞時判定の判定対象となった可変表示より前の可変表示が実行されるときにのみ実行可能な変化演出とがある(本例では、図53に示すように、アクティブ表示の表示態様を変化させる場合にのみ実行可能な「リーチ後変化」があり、予告対象の保留表示の表示態様を変化させる場合にのみ実行可能な「キャラクタ作用演出A」、「保留変化図柄作用演出」および「キャラクタ作用演出B」がある)。そのため、変化演出の演出効果をさらに向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、有利度が異なる複数種類の変化演出を実行可能である(本例では、図53に示すように、変動後期の「保留変化図柄作用演出」や「キャラクタ作用演出B」、「リーチ後変化」の場合には大当りに対する期待度(信頼度)が高く、変動開始時の「シフト時変化」や「落雷作用演出」の場合には大当りに対する期待度(信頼度)が低くなっている)。そのため、変化演出の種類に対する期待感を高めることができる。
なお、この実施の形態では、大当りに対する期待度(信頼度)を異ならせることによって有利度が異なる場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、予告対象の変動表示におけるリーチに対する期待度(リーチ信頼度)を異ならせることによって有利度が異なるようにしてもよいし、確変大当り対する期待度(確変信頼度)を異ならせることによって有利度が異なるようにしてもよい。
実施の形態2.
第1の実施の形態で示した遊技機において、さらに、複数の変化タイミングにおいて演出態様を変化させることを決定可能とし、所定演出を開始するときの演出態様と最終的な演出態様を決定した後、その決定された開始時の演出態様と最終的な演出態様にもとづいて演出態様の変化態様を決定するように構成してもよい。以下、開始時の演出態様と最終的な演出態様にもとづいて演出態様の変化態様を決定する第2の実施の形態について説明する。
なお、この実施の形態において、第1の実施の形態と同様の構成および処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として第1の実施の形態と異なる部分について説明する。
また、この実施の形態では、コマンド受信バッファに代えて、第1始動入賞時コマンドバッファおよび第2始動入賞時コマンドバッファを備える。また、合算保留記憶数表示部18cに代えて、第1始動入賞記憶表示エリア5HLおよび第2始動入賞記憶表示エリア5HRを備える。
また、この実施の形態において、始動入賞時コマンドバッファは、第1の実施の形態で示した始動入賞時コマンド格納領域に相当する。また、第1始動口入賞指定コマンドおよび第2始動口入賞指定コマンドは、それぞれ第1の実施の形態で示した第1始動入賞指定コマンドおよび第2始動入賞指定コマンドに相当する。また、アクティブ表示エリアAHAは、第1の実施の形態で示したアクティブ表示領域9Aに相当する。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、演出制御プロセス処理において、入賞時演出決定処理を実行する。図64は、第2の実施の形態における入賞時演出決定処理の一例を示すフローチャートである。この入賞時演出決定処理は、所定演出(表示色変化演出)の演出態様を決定する処理である。
図64に示す入賞時演出決定処理において、演出制御用CPU101は、まず、第1始動入賞時コマンドバッファおよび第2始動入賞時コマンドバッファの記憶内容をチェックし(ステップS901)、新たな受信コマンド(始動入賞時コマンド)が始動入賞時コマンドバッファに新たに格納されているか否かを判定する(ステップS902)。
新たな受信コマンドがない場合(ステップS902;NO)、演出制御用CPU101は、入賞時演出決定処理を終了する。一方、新たな受信コマンドがある場合(ステップS902;YES)、演出制御用CPU101は、新たな受信コマンドが第1始動口入賞指定コマンドか否かを判定する(ステップS903)。
新たな受信コマンドが第1始動口入賞指定コマンドである場合(ステップS903;YES)、演出制御用CPU101は、特図1での入賞時・アクティブ時表示色決定処理を行う(ステップS904)。この入賞時・アクティブ時表示色決定処理は、所定演出(表示色変化演出)を開始するとき(入賞時)の演出態様(入賞時に表示される保留位置での表示色での表示)と最終的(アクティブ時)な演出態様(アクティブ表示エリアAHAでの表示色での表示)を決定する処理である。以下の説明では、入賞時に表示される保留位置での表示色を入賞時表示色と表現し、アクティブ表示エリアAHAでの表示色のアクティブ時表示色と表現する。
次いで、演出制御用CPU101は、特図1での変化態様決定処理を行う(ステップS905)。この変化態様決定処理は、決定された開始時の演出態様と最終的な演出態様にもとづいて、演出態様の変化態様を決定する処理である。
次いで、演出制御用CPU101は、入賞時・アクティブ時表示色決定処理で決定された入賞時表示色で保留表示を第1始動入賞記憶表示エリア5HLに表示する保留追加処理を行い(ステップS906)、入賞時演出決定処理を終了する。
ステップS903に戻り、新たな受信コマンドが第1始動口入賞指定コマンドではない場合(ステップS903;NO)、新たな受信コマンドが第2始動口入賞指定コマンドか否かを判定する(ステップS907)。新たな受信コマンドが第2始動口入賞指定コマンドではない場合(ステップS907;NO)、処理を終了する。
新たな受信コマンドが第2始動口入賞指定コマンドの場合(ステップS907;YES)、演出制御用CPU101は、特図2での入賞時・アクティブ時表示色決定処理を行う(ステップS908)。
次いで、演出制御用CPU101は、特図2での変化態様決定処理を行う(ステップS909)。そして、演出制御用CPU101は、入賞時・アクティブ時表示色決定処理で決定された入賞時表示色で保留表示を第2始動入賞記憶表示エリア5HRに表示する保留追加処理を行い(ステップS906)、入賞時演出決定処理を終了する。
図65は、図64のステップS904、908にて実行される入賞時・アクティブ時表示色決定処理の一例を示すフローチャートである。入賞時・アクティブ時表示色決定処理において、演出制御用CPU101は、変動カテゴリコマンドにおけるEXTデータにもとづき色決定テーブルを参照して処理を行う。色決定テーブルの詳細については、このフローチャートの説明後に説明する。
まず、演出制御用CPU101は、変動カテゴリコマンドにおけるEXTデータが非リーチ(ハズレ)を示しているか否かを判定する(ステップS521)。変動カテゴリコマンドにおけるEXTデータが非リーチ(ハズレ)を示している場合(ステップS521;YES)、演出制御用CPU101は、色決定テーブルTBL−HAを、表示色を判定するための色決定テーブルとしてセットして(ステップS522)、ステップS532に進む。
変動カテゴリコマンドにおけるEXTデータが非リーチ(ハズレ)を示していない場合(ステップS521;NO)、演出制御用CPU101は、変動カテゴリコマンドにおけるEXTデータがノーマルリーチ(ハズレ)を示しているか否かを判定する(ステップS523)。変動カテゴリコマンドにおけるEXTデータがノーマルリーチ(ハズレ)を示している場合(ステップS523;YES)、演出制御用CPU101は、色決定テーブルTBL−HBを、表示色を判定するための色決定テーブルとしてセットして(ステップS524)、ステップS532に進む。
変動カテゴリコマンドにおけるEXTデータがノーマルリーチ(ハズレ)を示していない場合(ステップS523;NO)、演出制御用CPU101は、変動カテゴリコマンドにおけるEXTデータがスーパーリーチ(ハズレ)を示しているか否かを判定する(ステップS525)。変動カテゴリコマンドにおけるEXTデータがスーパーリーチ(ハズレ)を示している場合(ステップS525;YES)、演出制御用CPU101は、色決定テーブルTBL−HCを、表示色を判定するための色決定テーブルとしてセットして(ステップS526)、ステップS532に進む。
変動カテゴリコマンドにおけるEXTデータがスーパーリーチ(ハズレ)を示していない場合(ステップS525;NO)、演出制御用CPU101は、変動カテゴリコマンドにおけるEXTデータがノーマルリーチ(大当り)を示しているか否かを判定する(ステップS527)。変動カテゴリコマンドにおけるEXTデータがノーマルリーチ(大当り)を示している場合(ステップS527;YES)、演出制御用CPU101は、色決定テーブルTBL−AAを、表示色を判定するための色決定テーブルとしてセットして(ステップS528)、ステップS532に進む。
変動カテゴリコマンドにおけるEXTデータがノーマルリーチ(大当り)を示していない場合(ステップS527;NO)、演出制御用CPU101は、変動カテゴリコマンドにおけるEXTデータがノーマルリーチ(大当り、擬似連あり)を示しているか否かを判定する(ステップS529)。変動カテゴリコマンドにおけるEXTデータがノーマルリーチ(大当り、擬似連あり)を示している場合(ステップS529;YES)、演出制御用CPU101は、色決定テーブルTBL−ABを、表示色を判定するための色決定テーブルとしてセットして(ステップS530)、ステップS532に進む。
変動カテゴリコマンドにおけるEXTデータがノーマルリーチ(大当り、擬似連あり)を示していない場合(ステップS529;NO)、変動カテゴリコマンドにおけるEXTデータは、スーパーリーチ(大当り)、またはスーパーリーチ(大当り、擬似連あり)を示していることとなるため、演出制御用CPU101は、色決定テーブルTBL−ACを、表示色を判定するための色決定テーブルとしてセットして(ステップS531)、ステップS532に進む。
こうして各変動パターン種別に応じて色決定テーブルをセットすると、演出制御用CPU101は、入賞時表示色およびアクティブ時表示色を決定するための乱数値(非図示)を用いて判定する(ステップS532)。そして、演出制御用CPU101は、判定された入賞時表示色およびアクティブ時表示色を始動入賞変化態様バッファに記憶して(ステップS533)、入賞時・アクティブ時表示色決定処理を終了する。
以上説明した入賞時・アクティブ時表示色決定処理は、入賞時演出決定処理におけるステップS904(特図1)、ステップS908(特図2)で共通して行われる処理であることから、特図1および特図2のいずれも入賞時・アクティブ時表示色決定処理でセットされる色決定テーブルは同じ色決定テーブルとなるが、特図1と特図2とで異なる色決定テーブルがセットされるようにしてもよい。この場合、例えば特図2のときにセットされる色決定テーブルは、特図1のときにセットされる色決定テーブルと比較して、色変化が行われやすい色決定テーブルとしてもよい。なお、「色変化が行われやすい」とは、例えば入賞時表示色の値と、アクティブ時表示色の値との差が大きいことを意味する。一般的に、特図2保留の保留消化は特図1保留の保留消化と比較して早く行われるため、色変化が行われやすい色決定テーブルとすることにより、遊技者は、次々とテンポ良く色の変化(すなわち期待度の変化)を楽しむことができるため、興趣を向上することができる。
さらに、セットされる色決定テーブルを遊技者が設定できるようにしてもよい。具体的には、遊技者は例えば「色変化なし」、「色変化が行われにくい」、および「色変化が行われやすい」の3つのうち、いずれかの演出態様を設定可能とする。このように遊技者が設定可能とすることにより、遊技者の世代や趣向により異なる多様な好みに合わせることができるため、多くの遊技者の興趣を向上することができる。なお、「色変化なし」とは、入賞時表示色とアクティブ時表示色とが同じ表示色となることを意味する。「色変化なし」の設定の1つとして、表示色を白(すなわち通常の表示色)のみとする設定を設けるようにしてもよい。また、「色変化が行われにくい」とは、例えば入賞時表示色の値と、アクティブ時表示色の値との差が小さいことを意味する。
図66、図67は、図65の入賞時・アクティブ時表示色決定処理で用いられる色決定テーブルによる決定割合の一例を示す図である。
図66、図67に示される色決定テーブルによる決定割合は、入賞時表示色と、アクティブ時表示色との組み合わせを決定するための決定割合を示す。色決定テーブルはROM121に記憶されている。また、図66に示される色決定テーブルは、ハズレ時に用いられる色決定テーブルであり、図67に示される色決定テーブルは、大当り時に用いられる色決定テーブルである。
図66(A)は、色決定テーブルTBL−HAによる決定割合を示す図である。TBL−HAは、変動カテゴリコマンドが非リーチ(擬似連なし)と非リーチ(擬似連あり)とを含む変動パターン種別を示す場合にセットされる色決定テーブルである。
色決定テーブルTBL−HAにおいて、入賞時表示色が白で、アクティブ時表示色が白となる決定割合は70%である。入賞時表示色が白で、アクティブ時表示色が青となる決定割合は5%である。入賞時表示色が白で、アクティブ時表示色が黄となる決定割合は4%である。入賞時表示色が白で、アクティブ時表示色が緑となる決定割合は3%である。入賞時表示色が白で、アクティブ時表示色が赤となる決定割合は1%である。入賞時表示色が白で、アクティブ時表示色が虹となる決定割合は0%である。
色決定テーブルTBL−HAにおいて、入賞時表示色が青で、アクティブ時表示色が青となる決定割合は4%である。入賞時表示色が青で、アクティブ時表示色が黄となる決定割合は3%である。入賞時表示色が青で、アクティブ時表示色が緑となる決定割合は2%である。入賞時表示色が青で、アクティブ時表示色が赤となる決定割合は1%である。入賞時表示色が青で、アクティブ時表示色が虹となる決定割合は0%である。
色決定テーブルTBL−HAにおいて、入賞時表示色が黄で、アクティブ時表示色が黄となる決定割合は2%である。入賞時表示色が黄で、アクティブ時表示色が緑となる決定割合は1%である。入賞時表示色が黄で、アクティブ時表示色が赤となる決定割合は1%である。入賞時表示色が黄で、アクティブ時表示色が虹となる決定割合は0%である。
色決定テーブルTBL−HAにおいて、入賞時表示色が緑で、アクティブ時表示色が緑となる決定割合は1%である。入賞時表示色が緑で、アクティブ時表示色が赤となる決定割合は1%である。入賞時表示色が緑で、アクティブ時表示色が虹となる決定割合は0%である。
色決定テーブルTBL−HAにおいて、入賞時表示色が赤で、アクティブ時表示色が赤となる決定割合は1%である。入賞時表示色が赤で、アクティブ時表示色が虹となる決定割合は0%である。そして、入賞時表示色が虹で、アクティブ時表示色が虹となる決定割合は0%である。
図66(B)は、色決定テーブルTBL−HBによる決定割合を示す図である。TBL−HBは、変動カテゴリコマンドがノーマルリーチ(擬似連なし)とノーマルリーチ(擬似連あり)とを含む変動パターン種別を示す場合にセットされる色決定テーブルである。
色決定テーブルTBL−HBにおいて、入賞時表示色が白で、アクティブ時表示色が白となる決定割合は30%である。入賞時表示色が白で、アクティブ時表示色が青となる決定割合は15%である。入賞時表示色が白で、アクティブ時表示色が黄となる決定割合は10%である。入賞時表示色が白で、アクティブ時表示色が緑となる決定割合は6%である。入賞時表示色が白で、アクティブ時表示色が赤となる決定割合は1%である。入賞時表示色が白で、アクティブ時表示色が虹となる決定割合は0%である。
色決定テーブルTBL−HBにおいて、入賞時表示色が青で、アクティブ時表示色が青となる決定割合は10%である。入賞時表示色が青で、アクティブ時表示色が黄となる決定割合は7%である。入賞時表示色が青で、アクティブ時表示色が緑となる決定割合は4%である。入賞時表示色が青で、アクティブ時表示色が赤となる決定割合は1%である。入賞時表示色が青で、アクティブ時表示色が虹となる決定割合は0%である。
色決定テーブルTBL−HBにおいて、入賞時表示色が黄で、アクティブ時表示色が黄となる決定割合は5%である。入賞時表示色が黄で、アクティブ時表示色が緑となる決定割合は3%である。入賞時表示色が黄で、アクティブ時表示色が赤となる決定割合は1%である。入賞時表示色が黄で、アクティブ時表示色が虹となる決定割合は0%である。
色決定テーブルTBL−HBにおいて、入賞時表示色が緑で、アクティブ時表示色が緑となる決定割合は2%である。入賞時表示色が緑で、アクティブ時表示色が赤となる決定割合は1%である。入賞時表示色が緑で、アクティブ時表示色が虹となる決定割合は0%である。
色決定テーブルTBL−HBにおいて、入賞時表示色が赤で、アクティブ時表示色が赤となる決定割合は1%である。入賞時表示色が赤で、アクティブ時表示色が虹となる決定割合は0%である。そして、入賞時表示色が虹で、アクティブ時表示色が虹となる決定割合は0%である。
図66(C)は、色決定テーブルTBL−HCによる決定割合を示す図である。TBL−HCは、変動カテゴリコマンドがスーパーリーチ(擬似連なし)とスーパーリーチ(擬似連あり)とを含む変動パターン種別を示す場合にセットされる色決定テーブルである。
色決定テーブルTBL−HCにおいて、入賞時表示色が白で、アクティブ時表示色が白となる決定割合は2%である。入賞時表示色が白で、アクティブ時表示色が青となる決定割合は3%である。入賞時表示色が白で、アクティブ時表示色が黄となる決定割合は9%である。入賞時表示色が白で、アクティブ時表示色が緑となる決定割合は9%である。入賞時表示色が白で、アクティブ時表示色が赤となる決定割合は10%である。入賞時表示色が白で、アクティブ時表示色が虹となる決定割合は0%である。
色決定テーブルTBL−HCにおいて、入賞時表示色が青で、アクティブ時表示色が青となる決定割合は1%である。入賞時表示色が青で、アクティブ時表示色が黄となる決定割合は8%である。入賞時表示色が青で、アクティブ時表示色が緑となる決定割合は8%である。入賞時表示色が青で、アクティブ時表示色が赤となる決定割合は9%である。入賞時表示色が青で、アクティブ時表示色が虹となる決定割合は0%である。
色決定テーブルTBL−HCにおいて、入賞時表示色が黄で、アクティブ時表示色が黄となる決定割合は7%である。入賞時表示色が黄で、アクティブ時表示色が緑となる決定割合は7%である。入賞時表示色が黄で、アクティブ時表示色が赤となる決定割合は8%である。入賞時表示色が黄で、アクティブ時表示色が虹となる決定割合は0%である。
色決定テーブルTBL−HCにおいて、入賞時表示色が緑で、アクティブ時表示色が緑となる決定割合は6%である。入賞時表示色が緑で、アクティブ時表示色が赤となる決定割合は7%である。入賞時表示色が緑で、アクティブ時表示色が虹となる決定割合は0%である。
色決定テーブルTBL−HCにおいて、入賞時表示色が赤で、アクティブ時表示色が赤となる決定割合は6%である。入賞時表示色が赤で、アクティブ時表示色が虹となる決定割合は0%である。そして、入賞時表示色が虹で、アクティブ時表示色が虹となる決定割合は0%である。
このように、ハズレの場合には、入賞時およびアクティブ時のいずれも表示色が虹となることはない。また、全体として期待度が低い表示色で表示されるが、リーチ態様に応じて、期待度が高めの表示色で表示することで、興趣を向上させるようになっている。
図67(A)は、色決定テーブルTBL−AAによる決定割合を示す図である。TBL−AAは、変動カテゴリコマンドがノーマルリーチ(大当り)を含む変動パターン種別を示す場合にセットされる色決定テーブルである。
色決定テーブルTBL−AAにおいて、入賞時表示色が白で、アクティブ時表示色が白となる決定割合は1%である。入賞時表示色が白で、アクティブ時表示色が青となる決定割合は1%である。入賞時表示色が白で、アクティブ時表示色が黄となる決定割合は1%である。入賞時表示色が白で、アクティブ時表示色が緑となる決定割合は2%である。入賞時表示色が白で、アクティブ時表示色が赤となる決定割合は5%である。入賞時表示色が白で、アクティブ時表示色が虹となる決定割合は4%である。
色決定テーブルTBL−AAにおいて、入賞時表示色が青で、アクティブ時表示色が青となる決定割合は1%である。入賞時表示色が青で、アクティブ時表示色が黄となる決定割合は2%である。入賞時表示色が青で、アクティブ時表示色が緑となる決定割合は4%である。入賞時表示色が青で、アクティブ時表示色が赤となる決定割合は6%である。入賞時表示色が青で、アクティブ時表示色が虹となる決定割合は5%である。
色決定テーブルTBL−AAにおいて、入賞時表示色が黄で、アクティブ時表示色が黄となる決定割合は3%である。入賞時表示色が黄で、アクティブ時表示色が緑となる決定割合は5%である。入賞時表示色が黄で、アクティブ時表示色が赤となる決定割合は7%である。入賞時表示色が黄で、アクティブ時表示色が虹となる決定割合は6%である。
色決定テーブルTBL−AAにおいて、入賞時表示色が緑で、アクティブ時表示色が緑となる決定割合は7%である。入賞時表示色が緑で、アクティブ時表示色が赤となる決定割合は8%である。入賞時表示色が緑で、アクティブ時表示色が虹となる決定割合は7%である。
色決定テーブルTBL−AAにおいて、入賞時表示色が赤で、アクティブ時表示色が赤となる決定割合は8%である。入賞時表示色が赤で、アクティブ時表示色が虹となる決定割合は8%である。そして、入賞時表示色が虹で、アクティブ時表示色が虹となる決定割合は9%である。
なお、色決定テーブルTBL−AAは、ノーマルリーチで大当りとなる場合にセットされる色決定テーブルであるが、意外性を高めるために、色決定テーブルTBL−AAに代えて、図66(A)の色決定テーブルTBL−HAをセットするようにしてもよい。一般的に遊技者は、表示色に従った期待度で演出を楽しむところ、ほぼ期待度が持てない表示色での大当り(さらにノーマルリーチ)は遊技者とって非常にインパクトが大きいものとなる。こうした期待度が低い演出でも大当りの可能性があることを遊技者に示すことにより、期待度の低い演出でも遊技者の興趣を維持することが可能となる。
図67(B)は、色決定テーブルTBL−ABによる決定割合を示す図である。TBL−ABは、変動カテゴリコマンドがノーマルリーチ(大当り、擬似連あり)を含む変動パターン種別を示す場合にセットされる色決定テーブルである。
色決定テーブルTBL−ABにおいて、入賞時表示色が白で、アクティブ時表示色が白となる決定割合は1%である。入賞時表示色が白で、アクティブ時表示色が青となる決定割合は1%である。入賞時表示色が白で、アクティブ時表示色が黄となる決定割合は1%である。入賞時表示色が白で、アクティブ時表示色が緑となる決定割合は3%である。入賞時表示色が白で、アクティブ時表示色が赤となる決定割合は4%である。入賞時表示色が白で、アクティブ時表示色が虹となる決定割合は5%である。
色決定テーブルTBL−HAにおいて、入賞時表示色が青で、アクティブ時表示色が青となる決定割合は1%である。入賞時表示色が青で、アクティブ時表示色が黄となる決定割合は1%である。入賞時表示色が青で、アクティブ時表示色が緑となる決定割合は4%である。入賞時表示色が青で、アクティブ時表示色が赤となる決定割合は5%である。入賞時表示色が青で、アクティブ時表示色が虹となる決定割合は6%である。
色決定テーブルTBL−HAにおいて、入賞時表示色が黄で、アクティブ時表示色が黄となる決定割合は2%である。入賞時表示色が黄で、アクティブ時表示色が緑となる決定割合は5%である。入賞時表示色が黄で、アクティブ時表示色が赤となる決定割合は6%である。入賞時表示色が黄で、アクティブ時表示色が虹となる決定割合は7%である。
色決定テーブルTBL−HAにおいて、入賞時表示色が緑で、アクティブ時表示色が緑となる決定割合は6%である。入賞時表示色が緑で、アクティブ時表示色が赤となる決定割合は7%である。入賞時表示色が緑で、アクティブ時表示色が虹となる決定割合は8%である。
色決定テーブルTBL−HAにおいて、入賞時表示色が赤で、アクティブ時表示色が赤となる決定割合は8%である。入賞時表示色が赤で、アクティブ時表示色が虹となる決定割合は9%である。そして、入賞時表示色が虹で、アクティブ時表示色が虹となる決定割合は10%である。
図67(C)は、色決定テーブルTBL−ACによる決定割合を示す図である。TBL−ACは、変動カテゴリコマンドがスーパーリーチ(大当り)とスーパーリーチ(大当り、擬似連あり)とを含む変動パターン種別を示す場合にセットされる色決定テーブルである。
色決定テーブルTBL−ACにおいて、入賞時表示色が白で、アクティブ時表示色が白となる決定割合は1%である。入賞時表示色が白で、アクティブ時表示色が青となる決定割合は1%である。入賞時表示色が白で、アクティブ時表示色が黄となる決定割合は1%である。入賞時表示色が白で、アクティブ時表示色が緑となる決定割合は1%である。入賞時表示色が白で、アクティブ時表示色が赤となる決定割合は3%である。入賞時表示色が白で、アクティブ時表示色が虹となる決定割合は4%である。
色決定テーブルTBL−ACにおいて、入賞時表示色が青で、アクティブ時表示色が青となる決定割合は1%である。入賞時表示色が青で、アクティブ時表示色が黄となる決定割合は1%である。入賞時表示色が青で、アクティブ時表示色が緑となる決定割合は2%である。入賞時表示色が青で、アクティブ時表示色が赤となる決定割合は6%である。入賞時表示色が青で、アクティブ時表示色が虹となる決定割合は7%である。
色決定テーブルTBL−ACにおいて、入賞時表示色が黄で、アクティブ時表示色が黄となる決定割合は1%である。入賞時表示色が黄で、アクティブ時表示色が緑となる決定割合は3%である。入賞時表示色が黄で、アクティブ時表示色が赤となる決定割合は7%である。入賞時表示色が黄で、アクティブ時表示色が虹となる決定割合は8%である。
色決定テーブルTBL−HCにおいて、入賞時表示色が緑で、アクティブ時表示色が緑となる決定割合は4%である。入賞時表示色が緑で、アクティブ時表示色が赤となる決定割合は8%である。入賞時表示色が緑で、アクティブ時表示色が虹となる決定割合は9%である。
色決定テーブルTBL−HCにおいて、入賞時表示色が赤で、アクティブ時表示色が赤となる決定割合は9%である。入賞時表示色が赤で、アクティブ時表示色が虹となる決定割合は11%である。そして、入賞時表示色が虹で、アクティブ時表示色が虹となる決定割合は12%である。
このように、大当りの場合には、入賞時やアクティブ時表示色が虹となることがある。また、全体として期待度が高い表示色で表示されるが、リーチ態様に応じて、より期待度が高めの表示色で表示することで、興趣を向上させるようになっている。
上述のそれぞれの色決定テーブルには、入賞時表示色とアクティブ時表示色のそれぞれが、図66、図67の割合で決定されるように、表示色のそれぞれに、入賞時表示色とアクティブ時表示色を決定するための乱数値と比較される数値(判定値)が割り当てられていればよい。
上述した各色決定テーブルの他に、例えば、入賞時表示色が緑の場合には、リーチ確定とする色決定テーブルや、入賞時表示色が赤の場合には、スーパーリーチ確定とする色決定テーブルを用いるようにしてもよい。このように表示色とリーチ演出など他の演出態様(例えば役物演出等)とを関連付けておくことで、当該保留がアクティブ表示エリアにシフトするまでの興趣を向上することができる。
次に、図64のステップS905、909にて実行される変化態様決定処理の説明に先立ち、変化態様の決定方法の概要について説明する。図68は、第2の実施の形態における保留の個数が0〜3個の各パターンで入賞した場合の変化態様の決定方法を説明するための図である。なお、図68では、特図1を例にしているが、特図2の場合も同じである。また、本実施形態では、後述するレベルアップテーブル(抽選データ)を参照して保留がシフトしたときの表示色を決定する。なお、図68に示される「決」は、表示色が既に決定されていることを示している。
まず、保留0個で入賞した場合について、図68(A)を用いて説明する。保留0個で入賞した場合は、入賞時・アクティブ時表示色決定処理により既に表示色は決定しているため、変化態様決定処理で変化態様を決定する必要はない。なお、本実施形態では、保留0個で入賞した場合、まず保1にて入賞時表示色で一旦表示した後に、アクティブ表示エリアAHAにシフトし、アクティブ時表示色で表示する。従って、例えば入賞時表示色が青でアクティブ時表示色が緑の場合には、保1にて一旦青で表示した後に、アクティブ表示エリアAHAにて緑で表示される。
保留1個で入賞した場合について、図68(B)を用いて説明する。保留1個で入賞した場合は、入賞時・アクティブ時表示色決定処理により、保2での表示色は、入賞時表示色として決定しており、アクティブ表示エリアAHAでの表示色は、アクティブ時表示色として決定しているため、保1での表示色を決定する必要がある。従って、矢印に示されるように、保2での表示色から保1での表示色を変化させるためにレベルアップテーブルを1回参照することで、全ての保留位置での表示色が決定する。
保留2個で入賞した場合について、図68(C)を用いて説明する。保留2個で入賞した場合は、入賞時・アクティブ時表示色決定処理により、保3での表示色は、入賞時表示色として決定しており、アクティブ表示エリアAHAでの表示色は、アクティブ時表示色として決定しているため、保2と保1での表示色を決定する必要がある。従って、矢印に示されるように、保3での表示色から保2での表示色を変化させるために、レベルアップテーブルを参照し、次いで保2での表示色から保1での表示色を変化させるために、レベルアップテーブルを再び参照することで(計2回)、全ての保留位置での表示色が決定する。
保留3個で入賞した場合について、図68(D)を用いて説明する。保留3個で入賞した場合は、入賞時・アクティブ時表示色決定処理により、保4での表示色は、入賞時表示色として決定しており、アクティブ表示エリアAHAでの表示色は、アクティブ時表示色として決定しているため、保3と保2と保1での表示色を決定する必要がある。従って、矢印に示されるように、保4での表示色から保3での表示色を変化させるために、レベルアップテーブルを参照し、保3での表示色から保2での表示色を変化させるために、レベルアップテーブルを参照し、次いで保2での表示色から保1での表示色を変化させるために、レベルアップテーブルを再び参照することで(計3回)、全ての保留位置での表示色が決定する。
以上説明したように、変化態様の決定対象となる保留記憶が何個目の保留記憶かに応じて、レベルアップテーブルを参照する回数が異なる。具体的には、4個目の保留記憶の場合、レベルアップテーブルを参照する回数は3回であり、3個目の保留記憶の場合、レベルアップテーブルを参照する回数は2回であり、2個目の保留記憶の場合、レベルアップテーブルを参照する回数は1回であり、1個目の保留記憶の場合、レベルアップテーブルを参照する回数は0回である。
また、図68に示されるように、保2でレベルアップテーブルを参照して保1での表示色が決定された時点で、全ての保留位置における表示色が決定する。
図69は、図64のステップS905、909にて実行される変化態様決定処理の一例を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、入賞時・アクティブ時表示色決定処理で決定された入賞時表示色の値をxに代入し、アクティブ時表示色の値をyに代入する(ステップS541)。
次いで、演出制御用CPU101は、レベル差(段階差)を得るために、dにyからxを減算した値を代入する(ステップS542)。次いで、sに入賞時の保留位置を代入する(ステップS543)。例えば、入賞時に保留が3個表示されており、入賞時の保留位置が保4になる場合には、「4」が代入される。
次いで、演出制御用CPU101は、s=1か否かを判定する(ステップS544)。s=1の場合(ステップS544;YES)、変化態様決定処理を終了する。これは、s=1であれば、図68(A)に示されるように、入賞時・アクティブ時表示色決定処理において既に表示色が決定されているためである。
s=1ではない場合(ステップS544;NO)、演出制御用CPU101は、ループカウンタkにs−1を代入する(ステップS545)。このループカウンタkは、保留位置kに対応するものであり、kを減少させることにより、入賞時表示色からアクティブ時表示色へ表示色が決定される。次いで、演出制御用CPU101は、大当りか否かを判定する(ステップS546)。大当りか否かは、変動カテゴリコマンドのEXTデータにより判定できる。大当りと判定された場合(ステップS546;YES)、演出制御用CPU101は、レベルアップテーブル(大当り)を、変化態様を決定するためのテーブルとしてセットして(ステップS547)、ステップS549に進む。
ハズレと判定された場合(ステップS546;NO)、演出制御用CPU101は、レベルアップテーブル(ハズレ)を変化態様を決定するためのテーブルとしてセットして(ステップS548)、ステップS549に進む。レベルアップテーブルは、大当りとハズレで異なるものが設けられているが、いずれもレベル差d、ループカウンタk(保留位置k)、およびアップ数を判定するための乱数値(非図示)から、アップ数Uを決定するためのテーブルである。
演出制御用CPU101は、レベル差d、ループカウンタk(保留位置k)、および乱数値から、セットされたレベルアップテーブルを用いてアップ数Uを判定し(ステップS549)、判定結果にもとづきアップ数Uを決定する(ステップS550)。このアップ数Uは、保留位置k+1における表示色から、シフト後の保留位置kにおける表示色へのアップ数である。
次いで、演出制御用CPU101は、xにx+Uを代入し、レベル差dにy−xを代入する(ステップS551)。x+Uが代入されたxは、保留位置kでの表示色の値を示しており、RAMに設けられた変化態様バッファに保持される。また、y−xが代入されたレベル差dは、保留位置kでの表示色とアクティブ時表示色でのレベル差を示している。
演出制御用CPU101は、kから1を減算する(ステップS552)。これにより、シフト後の保留位置をkにセットしている。また、kを減少させていくことから、入賞時からアクティブ時に向けて表示色を決定していることが分かる。
次いで、演出制御用CPU101は、k=0か否かを判定する(ステップS553)。k=0ではない場合(ステップS553;NO)、ステップS549に戻る。k=0の場合(ステップS553;YES)、変化態様決定処理を終了する。上述したように、ループカウンタkは、保留位置kでの表示色を決定するためのカウンタであるので、kが0であることは、保留位置0、すなわちアクティブ表示エリアAHAでの表示色を示すこととなるが、アクティブ時表示色は既に決定されているために処理を終了している。 なお、上記ステップS551において、d=0(すなわち、レベル差が0)となった場合には、表示色が決定されていない全ての保留位置kでの表示色の値をxとして、ステップS550〜ステップS553の処理を省略してもよい。
このように、図69の変化態様決定処理では、入賞時・アクティブ時表示色決定処理により決定された入賞時表示色とアクティブ時表示色とにもとづいて、抽選データを参照して第1タイミングにおける変化を決定した後に、該抽選データを参照して第2タイミングにおける変化を決定する。
ここで、第1タイミングと第2タイミングとは、保留がシフトするタイミングであり、第1と第2は、表示色が決定された順に定められる。図69の場合、入賞時表示色からアクティブ時表示色へと表示色が決定されるため、保留が消化される順番としては、第1タイミングは第2タイミングよりも前に到来するタイミングである。
また、図69に示される変化態様決定処理では、所定条件が成立したか否かに応じて演出態様の変化態様を決定可能となっている。具体的には、所定条件として「大当りであるか否か」という条件が成立した場合には、レベルアップテーブル(大当り)がセットされ、上記条件が成立しなかった場合には、レベルアップテーブル(ハズレ)がセットされるので、所定条件が成立したか否かに応じて演出態様の変化態様を決定可能となっている。
さらに、ステップS549に示されるように、レベル差、保留位置、および乱数値からアップ数が定まるため、レベル差のみを用いた場合や、保留位置のみを用いた場合と比較して、よりバリエーションに富んだ演出を実行することができる。
次に、図70、図71を用いてレベルアップテーブルについて説明する。図70、図71に示されるレベルアップテーブルによる決定割合は、レベル差、保留位置、および乱数値からアップ数を決定するための決定割合を示す。このレベルアップテーブルはROM121に記憶されている。また、図70に示されるレベルアップテーブルは、大当り時に用いられるレベルアップテーブルであり、図71に示されるレベルアップテーブルは、ハズレ時に用いられるレベルアップテーブルである。
図70、図71に示されるように、レベルアップテーブルは、レベル差、保留位置、アップ数で構成される。レベル差は、アクティブ時表示色とのレベル差である。本実施形態では、表示色は白から虹の6つあるので、レベル差は最大で5であり、レベル差は最小で0である。また、保留位置は、その保留位置での表示色を決定するためのアップ数であるので、例えば保留位置3の場合には、保留位置4からの(4→3)、アップ数を示している。
レベルアップテーブル(大当り)において、レベル差が5で保留位置が1の場合に、アップ数が0となる決定割合は2%である。レベル差が5で保留位置が1の場合に、アップ数が1となる決定割合は4%である。レベル差が5で保留位置が1の場合に、アップ数が2となる決定割合は7%である。レベル差が5で保留位置が1の場合に、アップ数が3となる決定割合は13%である。レベル差が5で保留位置が1の場合に、アップ数が4となる決定割合は25%である。レベル差が5で保留位置が1の場合に、アップ数が5となる決定割合は49%である。
また、レベル差が5で保留位置が2の場合に、アップ数が0となる決定割合は16%である。レベル差が5で保留位置が2の場合に、アップ数が1となる決定割合は16%である。レベル差が5で保留位置が2の場合に、アップ数が2となる決定割合は17%である。レベル差が5で保留位置が2の場合に、アップ数が3となる決定割合は17%である。レベル差が5で保留位置が2の場合に、アップ数が4となる決定割合は17%である。レベル差が5で保留位置が2の場合に、アップ数が5となる決定割合は17%である。
また、レベル差が5で保留位置が3の場合に、アップ数が0となる決定割合は45%である。レベル差が5で保留位置が3の場合に、アップ数が1となる決定割合は25%である。レベル差が5で保留位置が3の場合に、アップ数が2となる決定割合は13%である。レベル差が5で保留位置が3の場合に、アップ数が3となる決定割合は7%である。レベル差が5で保留位置が3の場合に、アップ数が4となる決定割合は4%である。レベル差が5で保留位置が3の場合に、アップ数が5となる決定割合は2%である。
また、レベル差が4で保留位置が1の場合に、アップ数が0となる決定割合は2%である。レベル差が4で保留位置が1の場合に、アップ数が1となる決定割合は5%である。レベル差が4で保留位置が1の場合に、アップ数が2となる決定割合は12%である。レベル差が4で保留位置が1の場合に、アップ数が3となる決定割合は25%である。レベル差が4で保留位置が1の場合に、アップ数が4となる決定割合は56%である。
また、レベル差が4で保留位置が2の場合に、アップ数が0となる決定割合は20%である。レベル差が4で保留位置が2の場合に、アップ数が1となる決定割合は20%である。レベル差が4で保留位置が2の場合に、アップ数が2となる決定割合は20%である。レベル差が4で保留位置が2の場合に、アップ数が3となる決定割合は20%である。レベル差が4で保留位置が2の場合に、アップ数が4となる決定割合は20%である。
また、レベル差が4で保留位置が3の場合に、アップ数が0となる決定割合は56%である。レベル差が4で保留位置が3の場合に、アップ数が1となる決定割合は25%である。レベル差が4で保留位置が3の場合に、アップ数が2となる決定割合は12%である。レベル差が4で保留位置が3の場合に、アップ数が3となる決定割合は5%である。レベル差が4で保留位置が3の場合に、アップ数が4となる決定割合は2%である。
また、レベル差が3で保留位置が1の場合に、アップ数が0となる決定割合は3%である。レベル差が3で保留位置が1の場合に、アップ数が1となる決定割合は8%である。レベル差が3で保留位置が1の場合に、アップ数が2となる決定割合は23%である。レベル差が3で保留位置が1の場合に、アップ数が3となる決定割合は66%である。
また、レベル差が3で保留位置が2の場合に、アップ数が0となる決定割合は25%である。レベル差が3で保留位置が2の場合に、アップ数が1となる決定割合は25%である。レベル差が3で保留位置が2の場合に、アップ数が2となる決定割合は25%である。レベル差が3で保留位置が2の場合に、アップ数が3となる決定割合は25%である。
また、レベル差が3で保留位置が3の場合に、アップ数が0となる決定割合は66%である。レベル差が3で保留位置が3の場合に、アップ数が1となる決定割合は23%である。レベル差が3で保留位置が3の場合に、アップ数が2となる決定割合は8%である。レベル差が3で保留位置が3の場合に、アップ数が3となる決定割合は3%である。
また、レベル差が2で保留位置が1の場合に、アップ数が0となる決定割合は4%である。レベル差が2で保留位置が1の場合に、アップ数が1となる決定割合は18%である。レベル差が2で保留位置が1の場合に、アップ数が2となる決定割合は78%である。
また、レベル差が2で保留位置が2の場合に、アップ数が0となる決定割合は33%である。レベル差が2で保留位置が2の場合に、アップ数が1となる決定割合は33%である。レベル差が2で保留位置が2の場合に、アップ数が2となる決定割合は34%である。
また、レベル差が2で保留位置が3の場合に、アップ数が0となる決定割合は78%である。レベル差が2で保留位置が3の場合に、アップ数が1となる決定割合は18%である。レベル差が2で保留位置が3の場合に、アップ数が2となる決定割合は4%である。
また、レベル差が1で保留位置が1の場合に、アップ数が0となる決定割合は10%である。レベル差が1で保留位置が1の場合に、アップ数が1となる決定割合は90%である。また、レベル差が1で保留位置が2の場合に、アップ数が0となる決定割合は50%である。レベル差が1で保留位置が2の場合に、アップ数が1となる決定割合は50%である。また、レベル差が1で保留位置が3の場合に、アップ数が0となる決定割合は90%である。レベル差が1で保留位置が3の場合に、アップ数が1となる決定割合は10%である。
また、レベル差が0の場合は、いずれの保留位置であっても、アップ数が0となる決定割合は100%である。なお、図69の説明で、レベル差が0となった場合には、ステップS550〜ステップS553の処理を省略してもよいことを記載したが、この場合、レベルアップテーブル(大当り)における「レベル差」が「0」のテーブルは不要となるので、さらに容量の圧迫を低減することができる。
このように、レベルアップテーブル(大当り)による決定割合では、アクティブ表示エリアAHAに保留位置が近づくほど、大きいアップ数が決定される割合が大きくなるようになっている。すなわち、アクティブ表示エリアAHAに保留位置が近づくほど、大きくレベル数がアップし、さらに大当りとなる。このように、当該保留による飾り図柄の変動の直前に遊技者の期待度を急激に高めた上に大当りとなることから、本実施形態による表示色変化演出は遊技者に与えるインパクトが大きい演出となっている。
次に、レベルアップテーブル(ハズレ)についてであるが、レベルアップテーブル(ハズレ)おいては、レベル差が5で保留位置が1の場合に、アップ数が0となる決定割合は49%である。レベル差が5で保留位置が1の場合に、アップ数が1となる決定割合は25%である。レベル差が5で保留位置が1の場合に、アップ数が2となる決定割合は13%である。レベル差が5で保留位置が1の場合に、アップ数が3となる決定割合は7%である。レベル差が5で保留位置が1の場合に、アップ数が4となる決定割合は4%である。レベル差が5で保留位置が1の場合に、アップ数が5となる決定割合は2%である。
また、レベル差が5で保留位置が2の場合に、アップ数が0となる決定割合は17%である。レベル差が5で保留位置が2の場合に、アップ数が1となる決定割合は17%である。レベル差が5で保留位置が2の場合に、アップ数が2となる決定割合は17%である。レベル差が5で保留位置が2の場合に、アップ数が3となる決定割合は17%である。レベル差が5で保留位置が2の場合に、アップ数が4となる決定割合は16%である。レベル差が5で保留位置が2の場合に、アップ数が5となる決定割合は16%である。
また、レベル差が5で保留位置が3の場合に、アップ数が0となる決定割合は2%である。レベル差が5で保留位置が3の場合に、アップ数が1となる決定割合は4%である。レベル差が5で保留位置が3の場合に、アップ数が2となる決定割合は7%である。レベル差が5で保留位置が3の場合に、アップ数が3となる決定割合は13%である。レベル差が5で保留位置が3の場合に、アップ数が4となる決定割合は25%である。レベル差が5で保留位置が3の場合に、アップ数が5となる決定割合は45%である。
また、レベル差が4で保留位置が1の場合に、アップ数が0となる決定割合は56%である。レベル差が4で保留位置が1の場合に、アップ数が1となる決定割合は25%である。レベル差が4で保留位置が1の場合に、アップ数が2となる決定割合は12%である。レベル差が4で保留位置が1の場合に、アップ数が3となる決定割合は5%である。レベル差が4で保留位置が1の場合に、アップ数が4となる決定割合は2%である。
また、レベル差が4で保留位置が2の場合に、アップ数が0となる決定割合は20%である。レベル差が4で保留位置が2の場合に、アップ数が1となる決定割合は20%である。レベル差が4で保留位置が2の場合に、アップ数が2となる決定割合は20%である。レベル差が4で保留位置が2の場合に、アップ数が3となる決定割合は20%である。レベル差が4で保留位置が2の場合に、アップ数が4となる決定割合は20%である。
また、レベル差が4で保留位置が3の場合に、アップ数が0となる決定割合は2%である。レベル差が4で保留位置が3の場合に、アップ数が1となる決定割合は5%である。レベル差が4で保留位置が3の場合に、アップ数が2となる決定割合は12%である。レベル差が4で保留位置が3の場合に、アップ数が3となる決定割合は25%である。レベル差が4で保留位置が3の場合に、アップ数が4となる決定割合は56%である。
また、レベル差が3で保留位置が1の場合に、アップ数が0となる決定割合は66%である。レベル差が3で保留位置が1の場合に、アップ数が1となる決定割合は23%である。レベル差が3で保留位置が1の場合に、アップ数が2となる決定割合は8%である。レベル差が3で保留位置が1の場合に、アップ数が3となる決定割合は3%である。
また、レベル差が3で保留位置が2の場合に、アップ数が0となる決定割合は25%である。レベル差が3で保留位置が2の場合に、アップ数が1となる決定割合は25%である。レベル差が3で保留位置が2の場合に、アップ数が2となる決定割合は25%である。レベル差が3で保留位置が2の場合に、アップ数が3となる決定割合は25%である。
また、レベル差が3で保留位置が3の場合に、アップ数が0となる決定割合は3%である。レベル差が3で保留位置が3の場合に、アップ数が1となる決定割合は8%である。レベル差が3で保留位置が3の場合に、アップ数が2となる決定割合は23%である。レベル差が3で保留位置が3の場合に、アップ数が3となる決定割合は66%である。
また、レベル差が2で保留位置が1の場合に、アップ数が0となる決定割合は78%である。レベル差が2で保留位置が1の場合に、アップ数が1となる決定割合は18%である。レベル差が2で保留位置が1の場合に、アップ数が2となる決定割合は4%である。
また、レベル差が2で保留位置が2の場合に、アップ数が0となる決定割合は34%である。レベル差が2で保留位置が2の場合に、アップ数が1となる決定割合は33%である。レベル差が2で保留位置が2の場合に、アップ数が2となる決定割合は33%である。
また、レベル差が2で保留位置が3の場合に、アップ数が0となる決定割合は4%である。レベル差が2で保留位置が3の場合に、アップ数が1となる決定割合は18%である。レベル差が2で保留位置が3の場合に、アップ数が2となる決定割合は78%である。
また、レベル差が1で保留位置が1の場合に、アップ数が0となる決定割合は90%である。レベル差が1で保留位置が1の場合に、アップ数が1となる決定割合は10%である。また、レベル差が1で保留位置が2の場合に、アップ数が0となる決定割合は50%である。レベル差が1で保留位置が2の場合に、アップ数が1となる決定割合は50%である。また、レベル差が1で保留位置が3の場合に、アップ数が0となる決定割合は10%である。レベル差が1で保留位置が3の場合に、アップ数が1となる決定割合は90%である。
また、レベル差が0の場合は、いずれの保留位置であっても、アップ数が0となる決定割合は100%である。なお、図69の説明で、レベル差が0となった場合には、ステップS550〜ステップS553の処理を省略してもよいことを記載したが、この場合、レベルアップテーブル(ハズレ)における「レベル差」が「0」のテーブルは不要となるので、さらに容量の圧迫を低減することができる。
このように、レベルアップテーブル(ハズレ)による決定割合では、入賞時の保留位置に近いほど大きいアップ数が決定される割合が大きくなるようになっている。すなわち、入賞後、すぐにレベル数がアップするようになっている。このように、早めに遊技者の期待度を高めておくことで、間を持たせることができるので、遊技者の興趣を向上させることができる。
以上説明したレベルアップテーブル(大当り)およびレベルアップテーブル(ハズレ)による決定割合に示されるように、入賞時表示色とアクティブ時表示色の段階数の差(レベル差)が同じ場合でも保留記憶の個数に応じて、演出態様の変化態様が異なる。これは、レベルアップテーブルに、各レベル差ごとに保留位置が1〜3まで設けられており、保留位置が1〜3の各々でのアップ数が異なるためである。
上述のそれぞれのレベルアップテーブルには、アップ数が、図70、図71の割合で決定されるように、レベル差と保留位置のそれぞれに、アップ数を決定するための乱数値と比較される数値(判定値)が割り当てられていればよい。
なお、演出制御用CPU101は、入賞時演出決定処理において決定した所定演出(例えば、表示色変化演出等)や変化態様に応じたプロセステーブルを選択して演出図柄変動開始処理(ステップS801)〜演出図柄変動停止処理(ステップS803)を実行することにより、所定演出(例えば、表示色変化演出等)を実行することになる。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、所定演出(本例では、表示色変化演出等)の演出態様を決定し、所定演出を実行可能であり、少なくとも第1タイミング(本例では、保留がシフトするタイミング等)と第2タイミング(本例では、保留がシフトするタイミングであって第1タイミングとは異なるタイミング等)とを含む複数の変化タイミングにおいて演出態様を変化させることを決定可能である。また、所定演出を開始するときの演出態様と最終的な演出態様を決定(本例では、図65の入賞時・アクティブ時表示色決定処理等による決定)した後、該決定された開始時の演出態様と最終的な演出態様にもとづいて、演出態様の変化態様を決定(本例では、図69の変化態様決定処理等による決定)する。そのため、データ容量の圧迫を低減可能となる。
実施の形態3.
第1の実施の形態で示した遊技機において、さらに、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部と、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶数表示部とを備え、第1状態(例えば、低ベース状態)に制御されているときには、第1保留表示を表示する一方、第2保留表示を表示せず、第2状態(例えば、高ベース状態)に制御されているときには、第2保留表示を表示する一方、第1保留表示を表示しないように構成してもよい。以下、第1状態(例えば、低ベース状態)に制御されているときには、第1保留表示を表示する一方、第2保留表示を表示せず、第2状態(例えば、高ベース状態)に制御されているときには、第2保留表示を表示する一方、第1保留表示を表示しない第3の実施の形態について説明する。
なお、この実施の形態において、第1の実施の形態と同様の構成および処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として第1の実施の形態と異なる部分について説明する。
また、この実施の形態では、合算保留記憶表示部18cに代えて、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部9aと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部9bとを備える。
また、この実施の形態では、第1の実施の形態で示した構成に加えて、演出表示装置9の表示画面の下部左側には、第1保留記憶数および第2保留記憶数を認識可能に表示する第4保留表示部9eが設けられている。第4保留表示部9eには、上下に2つの数値が表示され、上側の数値は第1保留記憶数に対応し、下側の数値は第2保留記憶数に対応する。この実施の形態では、遊技状態に応じて第1保留表示と第2保留表示とのいずれかが表示されなくなるが、第4保留表示部9eの表示を確認することによって、いずれの遊技状態であっても、第1保留記憶数および第2保留記憶数を確認することができる。
図72は、第3の実施の形態におけるコマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。この実施の形態において、コマンド解析処理におけるステップS611〜ステップS634およびステップS635の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。この実施の形態では、ステップS632でNと判定すると、図72に示すステップS634Aに移行する。
この実施の形態では、コマンド解析処理において、受信した演出制御コマンドが通常状態背景指定コマンドであれば(ステップS634A)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9における背景画面を通常状態に応じた背景画面(例えば、青色の背景色の背景画面)に変更する(ステップS634B)。従って、この実施の形態では、遊技状態が通常状態(低確率/低ベース状態)である場合には、通常状態に応じた背景画面が表示されることによって通常状態に応じた演出モード(以下、通常演出モードともいう)に制御される。次いで、演出制御用CPU101は、第2保留記憶表示部9bの第2保留表示を非表示とし、第1保留記憶表示部9aの第1保留表示を表示する制御を行う(ステップS634C)。また、演出制御用CPU101は、セットされていれば、時短状態であることを示す時短状態フラグをリセットする(ステップS634D)。
受信した演出制御コマンドが時短状態背景指定コマンドであれば(ステップS634E)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9における背景画面を時短状態に応じた背景画面(例えば、緑色の斜線が描かれた背景画面)に変更する(ステップS634F)。従って、この実施の形態では、遊技状態が時短状態(低確率/高ベース状態)である場合には、時短状態に応じた背景画面が表示されることによって時短状態に応じた演出モード(以下、時短演出モードともいう)に制御される。次いで、演出制御用CPU101は、第1保留記憶表示部9aの第1保留表示を非表示とし、第2保留記憶表示部9bの第2保留表示を表示する制御を行う(ステップS634G)。また、演出制御用CPU101は、時短状態フラグをセットする(ステップS634H)。また、演出制御用CPU101は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変状態フラグをリセットする(ステップS634I)。
受信した演出制御コマンドが確変状態背景指定コマンドであれば(ステップS634J)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9における背景画面を確変状態に応じた背景画面(例えば、赤色の斜線が描かれた背景画面)に変更する(ステップS634K)。従って、この実施の形態では、遊技状態が確変状態(高確率/高ベース状態)である場合には、確変状態に応じた背景画面が表示されることによって確変状態に応じた演出モード(以下、確変演出モードともいう)に制御される。次いで、演出制御用CPU101は、第1保留記憶表示部9aの第1保留表示を非表示とし、第2保留記憶表示部9bの第2保留表示を表示する制御を行う(ステップS634L)。また、演出制御用CPU101は、確変状態フラグをセットする(ステップS634M)。
そして、受信した演出制御コマンドが確変状態背景指定コマンドでもなければ、ステップS635に移行する。
この実施の形態では、遊技状態が低ベース状態(通常状態)のときには、第1始動入賞口13への入賞数に比べて、第2始動入賞口14への入賞数は極めて少ない。そのため、低ベース状態(通常状態)のときには、第1始動入賞口13への入賞にもとづく第1保留記憶数の方が、第2始動入賞口14への入賞にもとづく第2保留記憶数に比べて、優先度が高い情報となる。そこで、この実施の形態では、低ベース状態(通常状態)のときには、第2始動入賞口14への入賞にもとづく第2保留表示を表示せず、第1始動入賞口13への入賞にもとづく第1保留表示のみを表示するように制御する(図73(A)参照)。一方、遊技状態が高ベース状態(時短状態または確変状態)のときには、第2始動入賞口14への入賞数に比べて、第1始動入賞口13への入賞数は極めて少ない。そのため、高ベース状態(時短状態または確変状態)のときには、第2始動入賞口14への入賞にもとづく第2保留記憶数の方が、第1始動入賞口13への入賞にもとづく第1保留記憶数に比べて、優先度が高い情報となる。そこで、高ベース状態(時短状態または確変状態)のときには、第1始動入賞口13への入賞にもとづく第1保留表示を表示せず、第2始動入賞口14への入賞にもとづく第2保留表示のみを表示するように制御する(図73(B)参照)。このように制御することによって、遊技状態に応じて優先度が高い情報を認識しやすくすることができる。
次に、遊技状態に応じた保留表示およびアクティブ表示の具体例について説明する。図73は、遊技状態に応じた保留表示およびアクティブ表示の具体例を示す説明図である。
図73(A)は、遊技状態が低ベース状態(通常状態)であって、第1保留記憶数が3、第2保留記憶数が1である場合の保留表示およびアクティブ表示の具体例を示す説明図である。また、図73(B)は、遊技状態が高ベース状態(時短状態または確変状態)であって、第1保留記憶数が1、第2保留記憶数が3である場合の保留表示およびアクティブ表示の具体例を示す説明図である。
図73(A),(B)に示すように、この実施の形態では、低ベース状態(通常状態)のときには、第2保留記憶表示部9bの第2保留表示を表示せず、第1保留記憶表示部9aの第1保留表示のみを表示するように制御する(図73(A)参照)。一方、遊技状態が高ベース状態(時短状態または確変状態)のときには、第1保留記憶表示部9aの第1保留表示を表示せず、第2保留記憶表示部9bの第2保留表示のみを表示するように制御する(図73(B)参照)。
また、図73(A),(B)に示すように、この実施の形態では、第1保留表示は、円形の内部に三角形が含まれる態様で表示され(図73(A)の第1保留記憶表示部9a)、第2保留表示は、円形の内部に四角形が含まれる態様で表示される(図73(B)の第2保留記憶表示部9b)。なお、厳密には、図73(A)には通常第1保留表示が図示され、図73(B)には通常第2保留表示が図示されている。
また、図73(A),(B)に示すように、この実施の形態では、低ベース状態(通常状態)のときには、低ベース状態(通常状態)のときに表示される第1保留表示と同じ態様でアクティブ表示が表示され(図73(A)のアクティブ表示領域9A)、高ベース状態(時短状態または確変状態)のときには、高ベース状態(時短状態または確変状態)のときに表示される第2保留表示と同じ態様でアクティブ表示が表示される(図73(B)のアクティブ表示領域9A)。なお、図73に示す例では、第1保留表示または第2保留表示と同じ態様でアクティブ表示を表示しているが、第1保留表示または第2保留表示と一部が共通する態様でアクティブ表示を表示するようにしてもよい。例えば、第1保留表示または第2保留表示と形状や一部の模様が同じで、色やサイズが異なる態様でアクティブ表示を表示したり、第1保留表示または第2保留表示と形状や色が同じで、動作が異なる態様でアクティブ表示を表示したりするようにしてもよい。
また、図73(A),(B)に示すように、この実施の形態では、低ベース状態(通常状態)のときには、単一色の背景画面が表示され(図73(A))、高ベース状態(時短状態または確変状態)のときには、緑色の斜線が描かれた背景画面が表示される(図73(B))。
また、図73(A),(B)に示すように、この実施の形態では、遊技状態に関わらず、第1保留記憶数と第2保留記憶数とが認識可能に表示される(図73(A),(B)の第4保留表示部9e)。なお、第4保留表示部9eには、上下に2つの数値が表示され、上側の数値は第1保留記憶数に対応し、下側の数値は第2保留記憶数に対応する。
次に、低ベース状態における保留表示およびアクティブ表示の具体例について説明する。図74は、低ベース状態における保留表示およびアクティブ表示の具体例を示す説明図である。
図74(A)は、遊技状態が低ベース状態(通常状態)であって、第1保留記憶数が3、第2保留記憶数が1であり、変動表示が終了し、停止図柄が導出表示された状態を示す説明図である。この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示が、第1特別図柄の変動表示よりも優先して実行されるため、次に第2保留記憶にもとづいて変動表示が開始される。
すると、図74(B)に示すように、第2保留記憶にもとづいて開始される変動表示に対応するアクティブ表示が、第1保留記憶表示部9aに表示された第1保留表示と同じ態様でアクティブ表示領域9Aに表示される。なお、図74(B)において、第2保留記憶にもとづいて開始される変動表示に対応するアクティブ表示として、第2保留記憶表示部9bに表示された第2保留表示と同じ態様の表示がアクティブ表示領域9Aに表示されるようにしてもよい。
図74に示すように、この実施の形態では、遊技状態と一致しない変動表示が行われる場合であっても、アクティブ表示が表示される。したがって、遊技者を混乱させてしまうことを防止することができる。
また、図73に示すように、この実施の形態では、第1保留記憶と第2保留記憶とのいずれにもとづく変動表示であるかに関わらず、遊技状態に応じた態様でアクティブ表示が表示される。したがって、遊技者を混乱させてしまうことを防止することができる。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、第1保留記憶に応じて第1保留表示を表示可能であるとともに、第2保留記憶に応じて第2保留表示を表示可能である保留表示手段(本例では、第1保留記憶表示部9aおよび第2保留記憶表示部9b)と、実行中の第1識別情報(本例では、第1特別図柄)の可変表示または第2識別情報(本例では、第2特別図柄)の可変表示に対応して可変表示対応表示(本例では、アクティブ表示)を表示可能である可変表示対応表示手段(本例では、アクティブ表示領域9A)とを備えている。そして、保留表示手段は、第1状態(本例では、低ベース状態(通常状態))に制御されているときには、第1保留表示を表示する一方、第2保留表示を表示せず、第2状態(本例では、高ベース状態(時短状態または確変状態))に制御されているときには、第2保留表示を表示する一方、第1保留表示を表示しないように構成されている(図73参照)。
(1)また、この実施の形態によれば、可変表示対応表示手段は、第1状態に制御されているときにも、実行中の第2識別情報の可変表示に対応して可変表示対応表示を表示するように構成されている(図74参照)。そのように構成されることによって、遊技者を混乱させてしまうことを防ぐことができる。すなわち、第1状態に制御されているときには、第2保留記憶に応じた第2保留表示が表示されないが、第2保留記憶にもとづいて第2識別情報の可変表示が開始されるときに可変表示対応表示が表示されなければ、遊技者を混乱させてしまうおそれがある。そこで、第1状態に制御されているときにも、実行中の第2識別情報の可変表示に対応して可変表示対応表示を表示するように構成することにより、遊技者を混乱させてしまうことを防ぐことができる。
(2)また、この実施の形態によれば、第1保留表示と第2保留表示とを異なる態様で表示するように構成されている(図73参照)。そのように構成されることによって、保留記憶の種類を認識しやすくすることができるとともに、遊技状態を認識しやすくすることができる。
実施の形態4.
第1の実施の形態で示した遊技機において、さらに、演出表示装置9(メイン表示装置)とは別に副表示装置(サブ表示装置)を備え、演出表示装置9と副表示装置とを連動した態様で先読み予告演出を実行可能に構成してもよい。以下、演出表示装置9と副表示装置とを連動した態様で先読み予告演出を実行可能に構成する第4の実施の形態について説明する。
なお、この実施の形態において、第1の実施の形態と同様の構成および処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として第1の実施の形態と異なる部分について説明する。
この実施の形態では、第1の実施の形態で示した構成に加えて、演出表示装置9の下方には、演出表示装置9を構成する液晶表示装置(LCD)よりも小さいサイズの液晶表示装置(LCD)で構成された副表示装置9Sが設けられている。また、第1の実施の形態では、演出表示装置9の表示画面に合算保留記憶表示部18cおよびアクティブ表示領域9Aが設けられていたが、この実施の形態では、副表示装置9Sの表示画面に合算保留記憶表示部18cおよびアクティブ表示領域9Aが設けられている。
なお、この実施の形態では、演出表示装置9と副表示装置9Sとの2つの液晶表示装置を備えているのであるが、演出表示装置9をメイン表示装置ともいい、副表示装置9Sをサブ表示装置ともいう。また、この実施の形態において、メイン表示装置とは、演出図柄の変動表示などの主要な各種の演出表示を行うために用いられる液晶表示装置をいう。なお、メイン表示装置とサブ表示装置とで実行される表示は、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、一部の予告演出や大当り中の表示などをサブ表示装置で表示するように構成してもよい。そのように、少なくとも、演出図柄の変動表示などの主要な演出をメイン表示装置で行い、保留表示やアクティブ表示をサブ表示装置で表示するように構成したものであればよい。なお、副表示装置9(サブ表示装置)でも変動表示を行うように構成してもよい。
また、この実施の形態では、先読み予告演出の一種である保留変化予告演出を実行する。この実施の形態では、保留変化予告演出を実行する場合、始動入賞が発生したタイミングで通常態様で保留表示の表示を開始し、その後、保留表示のシフトのタイミングで作用演出(後述する作用演出Aや作用演出B)が実行されて予告対象の保留表示がいずれかの特殊表示態様に変化する演出が実行される(従って、この実施の形態では、保留変化予告演出には、少なくとも、作用演出を実行する部分と予告対象の保留表示が変化する部分との両方が含まれる)。なお、保留変化予告演出が実行されて保留表示の表示態様が変化すると、その後、予告対象の変動表示が開始されるタイミングで、予告対象の保留記憶が消化されて、予告対象の特殊表示態様の保留表示が消去されるとともに、アクティブ表示領域9Aにおいて特殊表示態様のアクティブ表示が表示される。そして、予告対象の変動表示を終了すると、その特殊表示態様のアクティブ表示が消去される。従って、この実施の形態では、保留変化予告演出が実行されると、特殊表示態様の表示(保留表示、アクティブ表示)が予告対象の変動表示を終了するまで継続される。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、演出制御プロセス処理において、保留変化予告演出を決定する保留変化予告演出決定処理を実行する。
図75は、保留変化予告演出決定処理において保留変化予告演出の決定に用いられる保留変化予告演出決定テーブルの具体例を示す説明図である。図75に示すように、この実施の形態では、保留変化予告演出決定テーブルには、保留変化予告演出なし、保留変化予告演出1〜6に対して、それぞれ判定値が割り振られている。また、図75に示すように、この実施の形態では、保留変化予告演出として、保留変化予告演出1〜6の6種類がある。
保留変化予告演出1は、保留表示のシフトのタイミングで作用演出Aを実行するだけで、保留表示の表示態様を通常態様(本例では、白色の丸形表示)のまま変化させない保留変化予告演出である。また、保留変化予告演出2は、保留表示のシフトのタイミングで作用演出Bを実行するだけで、保留表示の表示態様を通常態様(本例では、白色の丸形表示)のまま変化させない保留変化予告演出である。従って、この実施の形態では、保留変化予告演出1または保留変化予告演出2が実行される場合には、作用演出(作用演出Aまたは作用演出B)が実行されるだけで保留表示の表示態様は変化しないことから、いわゆるガセの保留変化予告演出に該当する。
保留変化予告演出3は、保留表示のシフトのタイミングで作用演出Aを実行するとともに、保留表示の表示態様を青色の丸形表示に変化させる保留変化予告演出である。また、保留変化予告演出4は、保留表示のシフトのタイミングで作用演出Bを実行するとともに、保留表示の表示態様を青色の丸形表示に変化させる保留変化予告演出である。また、保留変化予告演出5は、保留表示のシフトのタイミングで作用演出Aを実行するとともに、保留表示の表示態様を赤色の丸形表示に変化させる保留変化予告演出である。また、保留変化予告演出6は、保留表示のシフトのタイミングで作用演出Bを実行するとともに、保留表示の表示態様を赤色の丸形表示に変化させる保留変化予告演出である。
また、図75に示すように、この実施の形態では、保留変化予告演出において実行される作用演出として、作用演出Aおよび作用演出Bの2種類がある。作用演出Aは、副表示装置9S(サブ表示装置)のみを用いて行われる作用演出である。また、作用演出Bは、演出表示装置9(メイン表示装置)および副表示装置9S(サブ表示装置)を用いて行われる作用演出である。なお、作用演出を行う際に液晶表示装置のみを用いて行うのではなく、例えば、保留表示やアクティブ表示が変化するタイミングでスピーカから所定の変化音を出力したり、ランプやLEDなどを発光させたりするなど、他の演出装置による演出を伴うようにしてもよい。
図75に示すように、この実施の形態では、変動カテゴリコマンドで示される判定結果が非リーチはずれである場合(非リーチCA2−1の変動パターン種別との判定結果であることを示す変動カテゴリ1指定コマンドを受信した場合)や、スーパーリーチはずれである場合(スーパーCA2−7の変動パターン種別との判定結果であることを示す変動カテゴリ8指定コマンドを受信した場合)、変動カテゴリコマンドで示される判定結果がスーパーリーチ大当りである場合(スーパーCA3−3の変動パターン種別との判定結果であることを示す変動カテゴリ23指定コマンドまたは変動カテゴリ26コマンドを受信した場合)に、保留変化予告演出の実行が決定される場合がある。
この実施の形態では、保留変化予告演出は、副表示装置9Sを用いて保留表示の表示態様を変化可能な演出(本例では、作用演出Aを伴う保留変化予告演出1、保留変化予告演出3、および保留変化予告演出5。以下、第1保留変化予告演出ともいう)と、演出表示装置9と副表示装置9Sとを連動させた態様により保留表示の表示態様を変化可能な演出(本例では、作用演出Bを伴う保留変化予告演出2、保留変化予告演出4、および保留変化予告演出6。以下、第2保留変化予告演出ともいう)とに大別されるのであるが、図75に示すように、スーパーリーチ大当りとなる場合には、相対的に第2保留変化予告演出が実行される割合が第1保留変化予告演出が実行される割合よりも高くなっている。また、図75に示すように、非リーチはずれやスーパーリーチはずれとなる場合には、相対的に第2保留変化予告演出が実行される割合が第1保留変化予告演出が実行される割合よりも低くなっている。従って、この実施の形態では、第2保留変化予告演出が実行されて保留表示の表示態様が変化した場合には、第1保留変化予告演出が実行されて保留表示の表示態様が変化した場合と比較して、大当りに対する期待度(信頼度)が高くなっている。
また、この実施の形態では、保留表示の表示態様の変化態様には、予告対象の保留表示が青色の丸形表示に変化する場合と赤色の丸形表示に変化する場合とがあるのであるが、図75に示すように、第1保留変化予告演出が実行された場合には、相対的に青色の丸形表示に変化する割合が赤色の丸形表示に変化する割合よりも高くなっている。また、図75に示すように、第2保留変化予告演出が実行された場合には、相対的に赤色の丸形表示に変化する割合が青色の丸形表示に変化する割合よりも高くなっている。従って、この実施の形態では、第1保留変化予告演出または第2保留変化予告演出のいずれが実行されて保留表示の表示態様が変化したかに応じて、予告対象の保留表示が青色の丸形表示と赤色の丸形表示とのいずれの表示態様に変化するかの割合が異なる。
また、この実施の形態では、保留変化予告演出が実行されても保留表示の表示態様が変化しない場合(すなわち、ガセの保留変化予告演出(保留変化予告演出1、保留変化予告演出2)を実行する場合)がある。また、図75に示すように、ガセの第1保留変化予告演出(本例では、保留変化予告演出1)が実行される割合の方が、ガセの第2保留変化予告演出(本例では、保留変化予告演出2)が実行される割合よりも高くなっている。従って、この実施の形態では、第1保留変化予告演出または第2保留変化予告演出のいずれが実行されるかに応じて、予告対象の保留表示の表示態様が変化する割合が異なる。具体的には、この実施の形態では、ガセの第2保留変化予告演出(本例では、保留変化予告演出2)の方がガセの第1保留変化予告演出(本例では、保留変化予告演出1)よりも実行割合が低いので、相対的に第2保留変化予告演出が実行された場合の方が第1保留変化予告演出が実行された場合よりも、予告対象の保留表示が変化する割合が高い。なお、この実施の形態で示した態様にかぎらず、逆に第1保留変化予告演出が実行された場合の方が第2保留変化予告演出が実行された場合よりも、相対的に予告対象の保留表示が変化する割合が高くなるように構成してもよい。
なお、保留変化予告演出の決定の割り振りの仕方は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、保留表示が変化する前の段階で合算保留記憶表示部18cにおけるいずれの保留表示が予告対象であるかを認識できる場合と認識できない場合とがあるように構成されている場合、予告対象の保留表示を認識できる場合と認識できない場合とで、異なる割合で第1保留変化予告演出または第2保留変化予告演出の実行を決定するようにしてもよい。この場合、例えば、保留変化予告演出における最終変化態様(本例では、青色または赤色の丸形表示)とは異なるが、通常態様とは異なる表示態様(例えば、白色の丸形表示)の保留表示であって、さらに表示態様が変化することを示唆する保留表示(いわゆる白保留表示)を表示可能に構成した場合には、白保留表示が表示されているか否かによって、いずれの保留表示が予告対象となりうるかを類推できる。従って、白保留表示が表示されているか否かによって、異なる割合で第1保留変化予告演出または第2保留変化予告演出の実行を決定するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、保留変化予告演出において保留表示の表示態様を1回のみ変化させる場合を示しているが、保留表示の表示態様を複数回変化可能に構成してもよい(さらに、アクティブ表示となった後も含めて複数回変化可能に構成してもよい)。この場合、保留変化予告演出決定処理において、変化回数や、それぞれいずれのタイミングで変化させるか、それぞれいずれの表示態様(色など)に変化させるかの変化パターンを一括して決定するように構成してもよい。また、例えば、アクティブ表示となった後も含めて複数回変化可能に構成する場合には、保留変化予告演出決定処理において、アクティブ表示となった後の変化も含む変化パターンを一括して決定してもよいし、保留変化予告演出決定処理では保留表示の変化パターンのみを決定するようにし、アクティブ表示となった後の変化パターンについては変動開始時の演出図柄変動開始処理で決定するように構成してもよい。
また、この実施の形態では、保留変化予告演出において必ず作用演出が実行される場合を示しているが、そのような態様にかぎらず、作用演出を行わずに保留表示の表示態様が変化する場合があるように構成してもよい。また、そのような作用演出を伴わない保留変化予告演出を実行する場合であって、上記のように保留表示(アクティブ表示も含めてよい)の表示態様を複数回変化可能に構成する場合、その複数回の変化タイミングのうちのいずれのタイミングで作用演出を実行するかや、作用演出の実行回数も決定するように構成してもよい。
また、この実施の形態では、作用演出Bが実行される場合の方が、作用演出Aが実行される場合と比較して、大当りに対する期待度(信頼度)が高かったり、いわゆるガセの保留変化予告演出となる割合が少ないなど、有利度合いが高くなる場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、逆に、作用演出Bが実行される場合の方が、作用演出Aが実行される場合と比較して、有利度合いが低くなるように構成してもよい。
次に、保留変化予告演出の演出態様の具体例について説明する。図76および図77は、第4の実施の形態における保留変化予告演出の演出態様の具体例を示す説明図である。このうち、図76は、第1保留変化予告演出(保留変化予告演出1、保留変化予告演出3、保留変化予告演出5)の演出態様の具体例を示している。また、図77は、第2保留変化予告演出(保留変化予告演出2、保留変化予告演出4、保留変化予告演出6)の演出態様の具体例を示している。なお、図76および図77において、(1)(2)(3)の順に演出画面の態様が遷移する。
まず、図76を用いて、第1保留変化予告演出の演出態様について説明する。図76(1)に示す例では、演出表示装置9(メイン表示装置)において左中右の演出図柄の変動表示を実行しているものとし、副表示装置9S(サブ表示装置)では、アクティブ表示領域9Aに現在実行中に変動表示に対応して所定表示(アクティブ表示)が表示されているとともに、合算保留記憶表示部18cに2つの保留表示が表示されている(すなわち、保留記憶が2つ溜まっている)ものとする。次いで、図76(2)に示すように、新たな始動入賞が発生し、合算保留記憶表示部18cにおいて保留表示が1つ増加して3つになったものとする。また、新たな始動入賞が発生したことにもとづいて、第1保留変化予告演出を実行することに決定したものとする(ステップS6004参照)。なお、図76に示す例では、保留変化予告演出3または保留変化予告演出5を実行することに決定したものとする。そして、図76(3)に示すように変動表示を終了し、保留記憶を1つ消化して、図76(4)に示すように次の変動表示を開始したものとする。また、図76(4)に示すように、保留記憶を1つ消化したことにより、合算保留記憶表示部18cにおいて保留表示が1つ減少して2つになったものとする。
次いで、作用演出Aの開始タイミング(例えば、変動開始1秒後)となると、図76(4)に示すように、副表示装置9S(サブ表示装置)において作用演出Aが開始される(ステップS8107参照)。本例では、図76(4)に示すように、作用演出Aとして、副表示装置9S(サブ表示装置)においてアクティブ表示領域9Aおよび合算保留記憶表示部18cの方向に向かって矢200が飛んでいくような態様の演出が実行される。そして、図76(5)に示すように、合算保留記憶表示部18cにおいて、予告対象の保留表示に矢200が命中したような態様の演出が実行される。
そして、作用演出Aの終了タイミング(例えば、変動開始6秒後)となると、図76(6)に示すように、副表示装置9S(サブ表示装置)において作用演出Aが終了され(ステップS8109参照)、予告対象の保留表示の表示態様が変更される(ステップS8111参照)。例えば、保留変化予告演出3を実行した場合であれば、図76(6)において予告対象の保留表示が青色の丸形表示に変更され、保留変化予告演出5を実行した場合であれば、図76(6)において予告対象の保留表示が赤色の丸形表示に変更される。
なお、図76に示す例では、第1保留変化予告演出として保留変化予告演出3または保留変化予告演出5を実行する場合が示されているが、保留変化予告演出1が実行される場合には、図76(4)(5)と同様の態様で作用演出Aが実行されるのみで、図76(6)では、保留表示は通常態様(本例では、白色の丸形表示)のまま変化しない(いわゆるガセの第1保留変化予告演出となる)ことになる。この場合、例えば、図76と同様の態様で矢が飛んでいくような演出を行うものの保留表示を反れて矢が命中しないような演出を実行してもよい。
次に、図77を用いて、第2保留変化予告演出の演出態様について説明する。図77(1)に示す例では、演出表示装置9(メイン表示装置)において左中右の演出図柄の変動表示を実行しているものとし、副表示装置9S(サブ表示装置)では、アクティブ表示領域9Aに現在実行中に変動表示に対応して所定表示(アクティブ表示)が表示されているとともに、合算保留記憶表示部18cに2つの保留表示が表示されている(すなわち、保留記憶が2つ溜まっている)ものとする。次いで、図77(2)に示すように、新たな始動入賞が発生し、合算保留記憶表示部18cにおいて保留表示が1つ増加して3つになったものとする。また、新たな始動入賞が発生したことにもとづいて、第2保留変化予告演出を実行することに決定したものとする(ステップS6004参照)。なお、図77に示す例では、保留変化予告演出4または保留変化予告演出6を実行することに決定したものとする。そして、図77(3)に示すように変動表示を終了し、保留記憶を1つ消化して、図77(4)に示すように次の変動表示を開始したものとする。また、図77(4)に示すように、保留記憶を1つ消化したことにより、合算保留記憶表示部18cにおいて保留表示が1つ減少して2つになったものとする。
次いで、作用演出Bの開始タイミング(例えば、変動開始1秒後)となると、図77(4)に示すように、演出表示装置9(メイン表示装置)および副表示装置9S(サブ表示装置)を用いた作用演出Bが開始される(ステップS8113参照)。本例では、図77(4)に示すように、作用演出Bとして、恰も、副表示装置9S(サブ表示装置)のアクティブ表示領域9Aおよび合算保留記憶表示部18cの方向に向かって、演出表示装置9(メイン表示装置)において矢201が飛んでいくような態様の演出が実行される。そして、図77(5)に示すように、恰も矢201が演出表示装置9(メン表示装置)から副表示装置9S(サブ表示装置)まで跨って飛んで行って、副表示装置9S(サブ表示装置)の合算保留記憶表示部18cにおいて、予告対象の保留表示に矢201が命中したような態様の演出が実行される。
そして、作用演出Bの終了タイミング(例えば、変動開始6秒後)となると、図77(6)に示すように、演出表示装置9(メイン表示装置)および副表示装置9S(サブ表示装置)を用いた作用演出Bが終了され(ステップS8115参照)、予告対象の保留表示の表示態様が変更される(ステップS8117参照)。例えば、保留変化予告演出4を実行した場合であれば、図77(6)において予告対象の保留表示が青色の丸形表示に変更され、保留変化予告演出6を実行した場合であれば、図77(6)において予告対象の保留表示が赤色の丸形表示に変更される。
なお、図77に示す例では、第2保留変化予告演出として保留変化予告演出4または保留変化予告演出6を実行する場合が示されているが、保留変化予告演出2が実行される場合には、図77(4)(5)と同様の態様で作用演出Bが実行されるのみで、図77(6)では、保留表示は通常態様(本例では、白色の丸形表示)のまま変化しない(いわゆるガセの第2保留変化予告演出となる)ことになる。この場合、例えば、図77と同様の態様で矢が飛んでいくような演出を行うものの保留表示を反れて矢が命中しないような演出を実行してもよい。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、第1演出装置(本例では、副表示装置9S(サブ表示装置))および第2演出装置(本例では、演出表示装置9(メイン表示装置))を備え、保留記憶に対応して第1演出装置を用いて保留表示を表示可能であり(本例では、副表示装置9Sに合算保留記憶表示部18cがある)、保留表示の表示態様を変化可能な変化演出(本例では、保留変化予告演出)を実行可能である。この場合、第1演出装置を用いて保留表示の表示態様を変化可能な第1変化演出(本例では、第1保留変化予告演出(作用演出Aを伴う保留変化予告演出1、保留変化予告演出3、保留変化予告演出5))と、第1演出装置と第2演出装置とを連動させた態様により保留表示の表示態様を変化可能な第2変化演出(本例では、第2保留変化予告演出(作用演出Bを伴う保留変化予告演出2、保留変化予告演出4、保留変化予告演出6))とを実行可能である。そして、第1変化演出または第2変化演出のいずれが実行されて保留表示の表示態様が変化したかに応じて期待度が異なる(本例では、図75に示すように、第2保留変化予告演出が実行されて保留表示の表示態様が変化した場合には、第1保留変化予告演出が実行されて保留表示の表示態様が変化した場合と比較して、大当りに対する期待度(信頼度)が高い)。そのため、複数種類の変化演出を実行可能とすることにより、変化演出の演出効果を向上させることができる。また、いずれの変化演出が実行されるかによって期待度が異なるので、いずれの変化演出が実行されるかに対して遊技者に関心をもたせることができる。
なお、この実施の形態では、保留変化予告演出を実行可能に構成する場合を示したが、保留変化予告演出に加えて、または保留変化予告演出に代えて、アクティブ表示を通常態様(本例では、白色の丸形表示)とは異なる特殊表示態様(本例では、青色や赤色の丸形表示)に変化させるアクティブ表示変化予告演出を実行可能に構成してもよい。この場合、図76と同様の演出態様により、副表示装置9Sを用いてアクティブ表示の表示態様を変化可能な第1アクティブ表示変化予告演出と、図77と同様の態様により、演出表示装置9と副表示装置9Sとを連動させた態様により保留表示の表示態様を変化可能な第2アクティブ表示変化予告演出とを実行可能に構成してもよい。そして、図75と同様または類似の割り振りを行うことにより、第1アクティブ表示変化予告演出または第2アクティブ表示変化予告演出のいずれが実行されて対応表示の表示態様が変化したかに応じて期待度が異なるように構成してもよい。そのように構成すれば、アクティブ表示変化予告演出を実行する場合であっても、複数種類の変化演出(本例では、第1アクティブ表示変化予告演出、第2アクティブ表示変化予告演出)を実行可能とすることにより、変化演出の演出効果を向上させることができる。また、いずれの変化演出が実行されるかによって期待度が異なるので、いずれの変化演出が実行されるかに対して遊技者に関心をもたせることができる。
また、この実施の形態では、第1演出装置が副表示装置9S(サブ表示装置)であり、第2演出装置が演出表示装置9(メイン表示装置)である場合を示したが、第1演出装置および第2演出装置は、そのような液晶表示装置である場合にかぎられない。第1演出装置と第2演出装置とを、液晶表示装置と、液晶表示装置以外の演出装置との組み合わせで実現してもよく、例えば、第1演出装置や第2演出装置を動作可能な可動部材(演出用役物)で構成してもよい。また、例えば、液晶表示装置を動作可能に構成し、その動作可能に構成した液晶表示装置によって第1演出装置や第2演出装置を構成してもよい。さらに、演出装置として、液晶表示装置や可動部材(演出用役物)だけでなく、ランプやLEDなどの発光体や、スピーカなどの音出力装置を用いてもよい。
実施の形態5.
第1の実施の形態において、さらに可動部材の異常報知を実行可能に構成するとともに、演出制御基板80と演出制御用中継基板16Aとの未接続状態を検出可能に構成してもよい。以下、可動部材の異常報知を実行可能に構成するとともに、演出制御基板80と演出制御用中継基板16Aとの未接続状態を検出可能に構成する第5の実施の形態について説明する。
なお、この実施の形態において、第1の実施の形態と同様の構成および処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として第1の実施の形態と異なる部分について説明する。
この実施の形態では、パチンコ遊技機1は、第1の実施の形態で示した構成に加えて、可動部材78の状態を、直接的に、または間接的に検出する可動部材位置センサ(図示せず)を備える。
図78は、演出制御用CPU101が実行する演出制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。図78に示す演出制御メイン処理において、演出制御用CPU101は、まず、基板の接続状態を確認する(ステップS501)。ステップS501では、例えば演出制御基板80が主基板31と接続されているか否かと、演出制御基板80が演出制御用中継基板17Aと接続されているか否かとを特定する。主基板31との接続確認を行うために、演出制御用CPU101は、内部タイマによる計時を開始した後、主基板31から送信される初期化コマンドまたは電源復旧コマンドを受信したかどうかを判定してもよい。そして、初期化コマンドまたは電源復旧コマンドを受信することなく計時開始から所定時間が経過した場合には、演出制御基板80と主基板31とが未接続状態であると判定すればよい。
ステップS501による接続状態の確認結果にもとづいて、演出制御用中継基板17Aとの接続があるか否かを判定する(ステップS502)。ステップS502では、端子における信号がVCLに対応した高電圧状態である場合に演出制御用中継基板17Aとの接続ありと判定するのに対し、端子における信号が電圧未供給に対応した低電圧状態である場合に演出制御用中継基板17Aとの接続なしと判定すればよい。ステップS502にて接続なしと判定された場合には(ステップS502;No)、中継未接続フラグをオン状態にセットする(ステップS503)。中継未接続フラグは、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵または外付けされたRAMの所定領域に予め用意されていればよい。ステップS502にて接続ありと判定された場合には、ステップS503の処理を実行しないことで、中継未接続フラグがオフ状態に維持される。
続いて、ステップS501による接続状態の確認結果にもとづいて、主基板31との接続があるか否かを判定する(ステップS504)。ステップS504では、計時開始から所定時間が経過するまでに初期化コマンドまたは電源復旧コマンドの受信があった場合に主基板31との接続ありと判定するのに対し、初期化コマンドまたは電源復旧コマンドの受信がないまま所定時間が経過した場合に主基板31との接続なしと判定すればよい。なお、コマンド受信の有無に応じて接続の有無を判定するものに限定されず、演出制御用中継基板17Aとの接続状態と同様に、接続確認用端子となる所定端子における電圧にもとづいて、主基板31との接続があるか否かを判定してもよい。ステップS504にて接続なしと判定された場合には(ステップS504;No)、メモリ検査処理(ステップS505)を実行した後、ループ処理を実行して待機する。
この実施の形態では、主基板31と演出制御基板80との間で各種の制御信号を伝送するコマンド線としてのケーブルを結束したハーネスが接続されていない状態で電力供給が開始された場合には、メモリ検査条件が成立して、ステップS505にてメモリ検査処理が実行される。これに対し、主基板31と演出制御基板80との間でハーネスが接続された状態で電力供給が開始された場合には、メモリ検査条件が不成立となり、ステップS505のメモリ検査処理が実行されない。このように、主基板31と演出制御基板80との間に取り付けられるコマンド線となるケーブル(ハーネス)を抜いた状態でパチンコ遊技機1の電源投入が行われることにより、メモリ検査条件が成立するようにしてもよい。
なお、メモリ検査条件は、コマンド線を抜いた状態で電源投入が行われることにより成立するものに限定されず、例えばプッシュボタン120が押下された状態で電源投入が行われることにより成立するものであってもよい。あるいは、例えば開閉可能な遊技枠が開放された状態で電源投入が行われることによりメモリ検査条件が成立してもよい。その他、予め定められた任意の状態が検知されることにより、メモリ検査条件が成立するようにしてもよい。
ステップS505のメモリ検査処理では、ROMの記憶データを用いたチェックサム演算などが行われ、演算結果などを演出表示装置9の画面上に表示可能とすればよい。メモリ検査処理が実行された場合には、パチンコ遊技機1の電源スイッチを一旦オフとした後、コマンド線としてのケーブル(ハーネス)を接続した状態で再び電源スイッチをオンとすることで、演出の制御を実行可能な状態とすればよい。あるいは、コマンド線としてのケーブル(ハーネス)を接続してリセットスイッチを押下することで、電源の再投入を行うことなく、演出の制御を実行可能な状態としてもよい。あるいは、パチンコ遊技機1の電源スイッチを一旦オフとした後、プッシュボタン120が押下されていない状態で電源投入を行うことで、演出の制御を実行可能な状態としてもよい。その他、予め定められた演出制御条件が成立することで、ステップS506に進み、演出の制御を実行可能な状態としてもよい。
ステップS504にて接続ありと判定された場合には(ステップS504;Yes)、初期設定処理(ステップS506)が実行される。ステップS506の初期設定処理では、例えばRAMにおける記憶領域のクリアや各種初期値の設定、演出制御用のタイマ割込みを発生させるCTC(カウンタおよびタイマ回路)のレジスタ設定などが行われる。この初期設定処理には、演出データ転送処理が含まれてもよい。演出データ転送処理は、ROMに格納されて各種の演出装置による演出の実行に用いられるプログラムおよびデータのうちで、予め定められたデータ(プログラムモジュールを構成するバイナリーコードなどを含む)を、RAMやVRAMなどへと転送するための処理であればよい。また、初期設定処理では、演出データ転送処理による演出データの転送とともに、可動部材78による初期動作の実行制御が行われてもよい。このとき行われる初期動作は、例えば可動部材78を退避状態から進出状態となるように変化(移動)させ、所定時間が経過するまで進出状態で停止させた後に、退避状態へと戻す動作などであればよい。
ステップS506にて初期設定処理を実行した後には、中継未接続フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS507)。中継未接続フラグがオフである場合には(ステップS507;No)、演出制御用中継基板17Aが接続された状態であることに対応して、可動部材78などの原点位置を確認する(ステップS508)。この場合には、原点異常があるか否かを判定し(ステップS509)、原点異常があるときには(ステップS509;Yes)、原点異常の報知を行って(ステップS510)、ステップS508に戻る。なお、ステップS510により原点異常の報知を行った後は、ステップS511に進むようにしてもよい。
ステップS508では、例えば可動部材78の原点位置を確認するために、可動部材78の位置検出信号として、可動部材位置センサによる検出信号を取得する。可動部材位置センサによる検出信号は、可動部材78の位置を検出した結果を示している。図24(A)に示す演出制御基板80に設けられたコネクタでは、シリアル受信用の端子に入力される信号のうちに、可動部材位置センサによる検出信号が含まれていればよい。演出制御用CPU101は、可動部材位置センサによる検出信号を確認することで、可動部材78の位置検出信号にもとづいて、可動部材78が原点位置にあるか否かを確認できればよい。ステップS510による原点異常の報知は、例えば演出表示装置9の画面上における画像表示、スピーカ27からの音声出力、天枠LED28aや左枠LED28b、右枠LED28cあるいは天枠LED28aや左枠LED28b、右枠LED28cとは別個に設けられた報知ランプの点灯、その他の演出装置を用いた報知動作、あるいは、これらの一部または全部の組合せなどによって、実行可能となるものであればよい。さらに、演出制御基板80に設けられた特定端子からの信号出力を、原点異常の有無に応じて異なる出力状態としてもよい。このように、可動部材の異常報知は、任意の出力を制御することにより実現可能なものであればよい。
ステップS507にて中継未接続フラグがオンであると判定された場合には、演出制御基板80に設けられたコネクタと、ハーネスおよび演出制御用中継基板17Aに設けられたコネクタとの接続がなく、演出制御基板80と演出制御用中継基板17Aとが未接続状態となっている。この場合に、コネクタの端子には可動部材位置センサによる検出信号の入力がない。そのため、仮に可動部材78などの原点位置を確認したとしても、原点異常ありと判定されてしまい、異常報知が実行されてしまうことになる。特に、製造段階や開発段階において、例えば演出制御用マイクロコンピュータ100の動作確認などを行う目的で、演出制御基板80と演出制御用中継基板17Aとが未接続状態のときに電源投入を行うことがある。このような製造段階や開発段階における異常報知の頻発を防止して作業効率を向上するために、ステップS507にて中継未接続フラグがオンであるとの判定に対応して、ステップS508〜S510を実行しないようにする。これにより、演出制御基板80と演出制御用中継基板17Aとが未接続状態となっている場合には、可動部材78の原点位置を確認せず、原点異常の発生による異常報知を実行しない。
ステップS507にて中継未接続フラグがオンであると判定された場合や(ステップS507;Yes)、ステップS509にて原点異常がないと判定された場合には(ステップS509;No)、演出制御メイン処理において演出用乱数更新処理(ステップS511。第1の実施の形態で示した乱数更新処理(ステップS707参照)に相当。)が実行され、演出用乱数となる乱数値を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。演出用乱数は、演出制御に用いる各種の乱数値としてカウントされる。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵(または外付け)された乱数回路を用いて、ハードウェアにより更新される演出用乱数については、演出用乱数更新処理では更新されなくてもよい。あるいは、ハードウェアにより更新される乱数値を示す数値データを用いて、ソフトウェアにより演出用乱数が更新されてもよい。
ステップS511にて演出用乱数更新処理を実行した後には、タイマ割込みフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS512)。タイマ割込みフラグは、演出制御用のタイマ割込みが発生するとオン状態にセットされる。タイマ割込みフラグがオンであると判定された場合には(ステップS512;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態とした後(ステップS513)、コマンド解析処理(ステップS514。第1の実施の形態で示したコマンド解析処理(ステップS704参照)に相当。)と、演出制御プロセス処理(ステップS515。第1の実施の形態で示した演出制御プロセス処理(ステップS705参照)に相当。)とを順次に実行してから、ステップS511の処理に戻る。ステップS514のコマンド解析処理やステップS705の演出制御プロセス処理は、演出制御用のタイマ割込み処理に含まれる。タイマ割込みフラグがオフであると判定された場合には(ステップS512;No)、ステップS513〜S705の処理を実行せずに、ステップS511の処理に戻る。
なお、上記に示した第1の実施の形態〜第5の実施の形態で示した構成を適宜組み合わせて遊技機を構成することも可能である。すなわち、上記に示した第1の実施の形態〜第5の実施の形態のうちのいずれか複数の実施の形態で示した構成を適宜組み合わせたり、全ての実施の形態で示した構成を組み合わせて遊技機を構成するようにしてもよい。
なお、上記の各実施の形態では、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連(1回の可変表示中に1回以上の図柄の仮停止と再変動とが実行される演出)の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例が示されたが、2つ以上のコマンドで変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドで通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドとして擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチになる前(リーチにならない場合にはいわゆる第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドとしてリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチになったとき以降(リーチにならない場合にはいわゆる第2停止以後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。その場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示(可変表示)における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、2つのコマンドのそれぞれで変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ100で選択するようにしてもよい。2つのコマンドを送信する場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定の期間が経過してから(例えば、次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はそのような例に限定されず、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ以上のコマンドで変動パターンを通知するようにすることによって、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の各実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
また、上記の各実施の形態では、例えば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や演出図柄、普通図柄を可変表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、可変表示は、そのような態様にかぎられない。例えば、可変表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要ななく、可変表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を可変表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて可変表示を実行するものであってもよい。この場合、例えば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、可変表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その可変表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
また、上記の各実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、本発明を、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロット機に適用することも可能である。
また、本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。
また、上記の各実施の形態では、大当り種別として確変大当りや通常大当りがあり、大当り種別として確変大当りと決定されたことにもとづいて、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機を示したが、そのような遊技機に限定されない。例えば、内部に所定の確変領域が設けられた特別可変入賞球装置(1つだけ設けられた特別可変入賞球装置内に確変領域が設けられていてもよいし、複数設けられた特別可変入賞球装置のうちの一部に確変領域が設けられていてもよい)を備え、大当り遊技中に特別可変入賞球装置内における確変領域を遊技球が通過したことにもとづいて確変が確定し、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機に上記の各実施の形態で示した構成を適用することもできる。
また、上記の各実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で大当りとなるか否かや変動パターン種別の入賞時判定(先読み判定)を行い、その入賞時判定結果を示すコマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド)を送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100側で、その入賞時判定結果を示すコマンドにもとづいて保留等予告演出を実行する場合を示したが、そのような態様にかぎらず、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100側で入賞時判定(先読み判定)を行うように構成してもよい。この場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞の発生時に抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)や変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の値のみを指定するコマンドを送信するようにし、演出制御用マイクロコンピュータ100側で、それらのコマンドで指定される乱数の値にもとづいて入賞時判定(先読み判定)を行うように構成してもよい。