実施の形態1.
以下、本発明の第1の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒操作が可能なスティックコントローラ122が取り付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作が可能なトリガボタン121(図3を参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン121に対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサ125(図3を参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図3を参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図3を参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ122の上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3を参照)が設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120及びスティックコントローラ122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が上下の位置関係にはなく、例えば左右の位置関係にあるものとしてもよい。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、演出表示装置9に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
なお、この実施の形態では、演出表示装置9における液晶表示の演出として演出図柄の変動表示を行う場合を示しているが、演出表示装置9で行われる演出は、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、所定のストーリー性をもつ演出を実行して、大当り判定や変動パターンの決定結果にもとづいてストーリーの結果を表示するような演出を実行するようにしてもよい。例えば、プロレスやサッカーの試合や敵味方のキャラクタが戦うバトル演出を行うとともに、大当りであれば試合やバトルに勝利する演出を行い、はずれであれば試合やバトルに敗北する演出を行うようにしてもよい。また、例えば、勝敗などの結果を表示するのではなく、物語などの所定のストーリーを順に展開させていくような演出を実行するようにしてもよい。
演出表示装置9の表示画面の右上方部には、演出図柄と後述する特別図柄および普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示領域9c,9dが設けられている。この実施の形態では、後述する第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dとが設けられている。
この実施の形態では、特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示が実行されるのであるが(ただし、正確には、演出図柄の変動表示は、演出制御用マイクロコンピュータ100側で変動パターンコマンドにもとづいて認識した変動時間を計測することによって行われる。)、演出表示装置9を用いた演出を行う場合、例えば、演出図柄の変動表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行われたり、可動物が画面上の全部または一部を遮蔽するような演出が行われるなど、演出態様が多様化してきている。そのため、演出表示装置9上の表示画面を見ていても、現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくい場合も生じている。そこで、この実施の形態では、演出表示装置9の表示画面の一部でさらに第4図柄の変動表示を行うことによって、第4図柄の状態を確認することにより現在変動表示中の状態であるのか否かを確実に認識可能としている。なお、第4図柄は、常に一定の動作で変動表示され、画面上から消えたり遮蔽物で遮蔽することはないため、常に視認することができる。
なお、第1特別図柄用の第4図柄と第2特別図柄用の第4図柄とを、第4図柄と総称することがあり、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dを、第4図柄表示領域と総称することがある。
第4図柄の変動(可変表示)は、第4図柄表示領域9c,9dを所定の表示色(例えば、青色)で一定の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおける第1特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおける第2特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。
また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が確定表示されるときには、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。なお、大当りの種類(確変大当りや通常大当りのいずれであるか)に応じて表示色を異ならせてもよい。また、大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当り(例えば、突然確変大当り以外の大当り)であるか否かに応じて表示色を異ならせてもよく、ラウンド数の異なる複数種類の大当りに制御可能である場合には、大当り遊技において継続されるラウンド数に応じて表示色を異ならせてもよい。また、この実施の形態のように、各大当りのラウンド数が同じであっても、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が短く(例えば1秒)、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できない大当りと、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が長く(例えば30秒)、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りとがある場合には、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。また、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放回数が異なることによって、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りと期待できない大当りがある場合にも、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。
また、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が確定表示されるときには、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。なお、大当りの種類(確変大当りや通常大当りのいずれであるか)に応じて表示色を異ならせてもよい。また、大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当り(例えば、突然確変大当り以外の大当り)であるか否かに応じて表示色を異ならせてもよく、ラウンド数の異なる複数種類の大当りに制御可能である場合には、大当り遊技において継続されるラウンド数に応じて表示色を異ならせてもよい。また、この実施の形態のように、各大当りのラウンド数が同じであっても、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が短く(例えば1秒)、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できない大当りと、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が長く(例えば30秒)、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りとがある場合には、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。また、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放回数が異なることによって、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りと期待できない大当りがある場合にも、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。
なお、第4図柄表示領域9c,9dの消灯時の表示色は、消灯したときに背景画像と同化して見えなくなることを防止するために、背景画像とは異なる表示色(例えば、黒色)であることが望ましい。
なお、この実施の形態では、第4図柄表示領域を演出表示装置9の表示画面の一部に設ける場合を示しているが、演出表示装置9とは別に、ランプやLEDなどの発光体を用いて第4図柄表示領域を実現するようにしてもよい。この場合、例えば、第4図柄の変動(可変表示)を、2つのLEDが交互に点灯する状態を継続することによって実現されるようにしてもよく、2つのLEDのうちのいずれのLEDが確定表示されたかによって大当り図柄が確定表示されたか否かを表すようにしてもよい。
また、この実施の形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とにそれぞれ対応させて別々の第4図柄表示領域9c,9dを備える場合を示しているが、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通の第4図柄表示領域を演出表示装置9の表示画面の一部に設けるようにしてもよい。また、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通の第4図柄表示領域をランプやLEDなどの発光体を用いて実現するようにしてもよい。この場合、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときと、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときとで、例えば、一定の時間間隔で異なる表示色の表示を点灯および消灯を繰り返すような表示を行うことによって、第4図柄の変動表示を区別して実行するようにしてもよい。また、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときと、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときとで、例えば、異なる時間間隔で点灯および消灯を繰り返すような表示を行うことによって、第4図柄の変動表示を区別して実行するようにしてもよい。また、例えば、第1特別図柄の変動表示に対応して停止図柄を導出表示するときと、第2特別図柄の変動表示に対応して停止図柄を導出表示するときとで、同じ大当り図柄であっても異なる態様の停止図柄を確定表示するようにしてもよい。
演出表示装置9の右方には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、演出表示装置9の右方(第1特別図柄表示器8aの右隣)には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)8bも設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に確定表示させることである。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。従って、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)18cが設けられている。この実施の形態では、合計数を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられていることにより、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。なお、合算保留記憶数表示部18cに代えて、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部と、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部とを設けるように構成してもよい。
なお、この実施の形態では、合算保留記憶表示部18cにおいて、第1保留記憶に対応する保留表示であるか第2保留記憶に対応する保留表示であるかを区別することなく表示する場合を示しているが、第1保留記憶に対応する保留表示であるか第2保留記憶に対応する保留表示であるかを区別可能に表示するようにしてもよい。例えば、この実施の形態では、通常態様で保留表示を表示する場合、第1保留記憶に対応する保留表示であるか第2保留記憶に対応する保留表示であるかを区別することなく一律に青色の丸形表示を表示(ただし、後述する保留予告演出を実行する場合には、特殊表示態様として赤色の丸形表示を表示)する場合を示しているが、第1保留記憶に対応する保留表示を青色の丸形表示で表示する一方で第2保留記憶に対応する保留表示を黒色の丸形表示で表示することによって区別可能としてもよい。また、例えば、第1保留記憶に対応する保留表示と第2保留記憶に対応する保留表示とで保留表示の形状を異ならせてもよい。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が確定表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が確定表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが確定表示される。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
演出表示装置9の左方には、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。なお、普通図柄表示器10は、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。また、普通図柄表示器10は、7セグメントLEDなどにかぎらず、例えば、所定の記号表示を点灯表示可能な表示器(例えば、「○」や「×」を交互に点灯表示可能な装飾ランプ)で構成されていてもよい。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。例えば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(通常状態と比較して、特別図柄の変動表示結果として大当りと判定される確率が高められた状態)では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。また、確変状態ではないが図柄の変動時間が短縮されている時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)でも、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
この実施の形態では、確変大当りとなった場合には、遊技状態を高確率状態(確変状態)に移行するとともに、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行(この実施の形態では、時短状態に移行)する。また、遊技状態が時短状態に移行されたときも、高ベース状態に移行する。高ベース状態である場合には、例えば、高ベース状態でない場合と比較して、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。
なお、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当たりとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、特別図柄や演出図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や演出図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、無効な始動入賞が生じてしまう事態を低減することができる。従って、有効な始動入賞が発生しやすくなり、結果として、大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか1つの状態にのみ移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定のバックアップ期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや、確変フラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、ターミナル基板160を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
なお、演出制御手段には、後述するように、スティックコントローラ122が備えるトリガセンサ125や傾倒方向センサユニット123、バイブレータ用モータ126、およびプッシュボタン120が備えるプッシュセンサ124にも接続されているのであるが(図3参照)、図2では図示を省略している。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン121に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ125から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号にもとづいて枠LED28などの発光体に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定の演出期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(ステップS10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。また、CPU56は、バックアップRAMに保存されている表示結果(通常大当り、確変大当り、突然確変大当り、小当り、またははずれ)を指定した表示結果指定コマンドを演出制御基板80に対して送信する(ステップS44)。そして、ステップS14に移行する。なお、ステップS44において、CPU56は、例えば、後述する特別図柄ポインタの値もバックアップRAMに保存している場合には、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンド(図13参照)も送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンドを受信したことにもとづいて、第4図柄の変動表示を再開するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する変動時間タイマの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、ステップS44で表示結果指定コマンドが送信された後、保存していた変動時間タイマの値の計測を再開して特別図柄の変動表示が再開されるとともに、保存していた変動時間タイマの値がタイムアウトしたときに、さらに後述する図柄確定指定コマンドが送信される。また、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する特別図柄プロセスフラグの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、保存されている特別図柄プロセスフラグの値に応じたプロセスから特別図柄プロセス処理が再開される。
なお、停電復旧時に必ず表示結果指定コマンドを送信するのではなく、CPU56は、まず、バックアップRAM領域に保存している変動時間タイマの値が0であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、変動時間タイマの値が0でなければ、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、変動時間タイマが0であれば、停電時に変動中の状態ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
また、CPU56は、まず、バックアップRAM領域に保存している特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、特別図柄プロセスフラグの値が3であれば、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、特別図柄プロセスフラグが3でなければ、停電時に変動中ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施の形態では、リーチ演出は、演出表示装置9において可変表示される演出図柄を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される(ただし、突然確変大当りの場合には、リーチとはならずに突然確変大当り図柄(例えば「135」)が確定表示される場合もある)。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数を用いた変動パターン種別や変動パターンを決定する抽選を行うことによって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が確定表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが確定表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が確定表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが確定表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が確定表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って確定表示される(ただし、突然確変大当りの場合には、リーチとはならずに突然確変大当り図柄(例えば「135」)が確定表示される場合もある)。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当りである「5」が確定表示される場合には、演出表示装置9において、演出図柄の可変表示態様が「突然確変大当り」である場合と同様に演出図柄の可変表示が行われた後、所定の小当り図柄(突然確変大当り図柄と同じ図柄。例えば「135」)が確定表示されることがある。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当り図柄である「5」が確定表示されることに対応する演出表示装置9における表示演出を「小当り」の可変表示態様という。
ここで、小当りとは、大当りと比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される当りである。なお、小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化しない。すなわち、確変状態から通常状態に移行したり通常状態から確変状態に移行したりすることはない。また、突然確変大当りとは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容されるが大入賞口の開放時間が極めて短い大当りであり、かつ、大当り遊技後の遊技状態を確変状態に移行させるような大当りである(すなわち、そのようにすることにより、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せるものである)。つまり、この実施の形態では、突然確変大当りと小当りとは、大入賞口の開放パターンが同じである。そのように制御することによって、大入賞口の0.1秒間の開放が2回行われると、突然確変大当りであるか小当りであるかまでは認識できないので、遊技者に対して高確率状態(確変状態)を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
図6は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。図6に示すように、この実施の形態では、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−1〜非リーチPA1−4の変動パターンが用意されている。また、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1〜ノーマルPA2−2、ノーマルPB2−1〜ノーマルPB2−2、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−2の変動パターンが用意されている。なお、図6に示すように、「非リーチ」である場合に対応した変動パターンのうち非リーチPA1−2は、変動時間3.5秒の短縮変動の変動パターンである。また、図6に示すように、リーチしない場合に使用され擬似連の演出を伴う非リーチPA1−4の変動パターンについては、再変動が1回行われる。リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−1を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−2を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2を用いる場合には、再変動が3回行われる。なお、再変動とは、演出図柄の可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦はずれとなる演出図柄を仮停止させた後に演出図柄の可変表示を再度実行することである。
また、図6に示すように、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄または小当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−3〜ノーマルPA2−4、ノーマルPB2−3〜ノーマルPB2−4、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4、スーパーPB3−3〜スーパーPB3−4、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンが用意されている。なお、図6において、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンは、突然確変大当りまたは小当りとなる場合に使用される変動パターンである。また、図6に示すように、突然確変大当りまたは小当りでない場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−3を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−4を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4を用いる場合には、再変動が3回行われる。また、突然確変大当りまたは小当りの場合に使用され擬似連の演出を伴う特殊PG1−3の変動パターンについては、再変動が1回行われる。
なお、この実施の形態では、図6に示すように、リーチの種類に応じて変動時間が固定的に定められている場合(例えば、擬似連ありのスーパーリーチAの場合には変動時間が32.75秒で固定であり、擬似連なしのスーパーリーチAの場合には変動時間が22.75秒で固定である)を示しているが、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。例えば、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。また、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよく、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々の判定テーブルを用意しておき(例えば、保留記憶数0〜2用の変動パターン種別判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
図7は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム4(MR4):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
なお、この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。例えば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動1回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出などの特定演出の有無でグループ化してもよい。
なお、この実施の形態では、後述するように、通常大当りや確変大当りである場合には、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA3−3とに種別分けされている。また、突然確変大当りである場合には、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1と、リーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている。また、小当りである場合には、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1に種別分けされている。また、はずれである場合には、リーチも特定演出も伴わない変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−1と、リーチを伴わないが特定演出を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−2と、リーチも特定演出も伴わない短縮変動の変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−3と、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−4と、ノーマルリーチおよび再変動2回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−5と、ノーマルリーチおよび再変動1回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−6と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA2−7とに種別分けされている。
図5に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。なお、大当り判定用乱数として、ハードウェア乱数ではなく、ソフトウェア乱数を用いてもよい。
図8(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態や時短状態(すなわち、確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図8(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図8(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図8(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
図8(B),(C)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)と、第2特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)とがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)には、図8(B)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)には、図8(C)に記載されている各数値が設定されている。また、図8(B),(C)に記載されている数値が小当り判定値である。
なお、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ小当りと決定するようにし、第2特別図柄の変動表示を行う場合には小当りを設けないようにしてもよい。この場合、図8(C)に示す第2特別図柄用の小当り判定テーブルは設けなくてもよい。この実施の形態では、遊技状態が確変状態に移行されているときには主として第2特別図柄の変動表示が実行される。遊技状態が確変状態に移行されているときにも小当りが発生するようにし、確変となるか否かを煽る演出を行うように構成すると、現在の遊技状態が確変状態であるにもかかわらず却って遊技者に煩わしさを感じさせてしまう。そこで、第2特別図柄の変動表示中は小当りが発生しないように構成すれば、遊技状態が確変状態である場合には小当りが発生しにくくし必要以上に確変に対する煽り演出を行わないようにすることができ、遊技者に煩わしさを感じさせる事態を防止することができる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図8(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図8(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図8(B),(C)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、この実施の形態では、図8(B),(C)に示すように、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いる場合には300分の1の割合で小当りと決定されるのに対して、小当り判定テーブル(第2特別図柄)を用いる場合には3000分の1の割合で小当りと決定される場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「小当り」と決定される割合が高い。
図8(D),(E)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131a,131bを示す説明図である。このうち、図8(D)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aである。また、図8(E)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bである。
大当り種別判定テーブル131a,131bは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、図8(D),(E)に示すように、大当り種別判定テーブル131aには「突然確変大当り」に対して5個の判定値が割り当てられている(40分の5の割合で突然確変大当りと決定される)のに対して、大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」に対して1個の判定値が割り当てられている(40分の1の割合で突然確変大当りと決定される)場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「突然確変大当り」と決定される割合が高い。なお、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブル131aにのみ「突然確変大当り」を振り分けるようにし、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」の振り分けを行わない(すなわち、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ、「突然確変大当り」と決定される場合がある)ようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図8(D),(E)に示すように、所定量の遊技価値を付与する第1特定遊技状態としての突然確変大当りと、該遊技価値よりも多い量の遊技価値を付与する第2特定遊技状態としての15ラウンドの通常大当りや確変大当りとに決定する場合があるとともに、第1特別図柄の変動表示が実行される場合に高い割合で第1特定遊技状態とすることに決定する場合を示しているが、付与される遊技価値は、この実施の形態で示したようなラウンド数に限られない。例えば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として1ラウンドあたりの大入賞口への遊技球の入賞数(カウント数)の許容量を多くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として大当り中の1回あたりの大入賞口の開放時間を長くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、同じ15ラウンドの大当りであっても、1ラウンドあたり大入賞口を1回開放する第1特定遊技状態と、1ラウンドあたり大入賞口を複数回開放する第2特定遊技状態とを用意し、大入賞口の開放回数が実質的に多くなるようにして第2特定遊技状態の遊技価値を高めるようにしてもよい。この場合、例えば、第1特定遊技状態または第2特定遊技状態いずれの場合であっても、大入賞口を15回開放したときに(この場合、第1特定遊技状態の場合には15ラウンド全てを終了し、第2特定遊技状態の場合には未消化のラウンドが残っていることになる)、大当りがさらに継続するか否かを煽るような態様の演出を実行するようにしてもよい。そして、第1特定遊技状態の場合には内部的に15ラウンド全てを終了していることから大当り遊技を終了し、第2特定遊技状態の場合には内部的に未消化のラウンドが残っていることから、大当り遊技が継続する(恰も15回開放の大当りを終了した後にさらにボーナスで大入賞口の開放が追加で始まったような演出)ようにしてもよい。
この実施の形態では、図8(D),(E)に示すように、大当り種別として、「通常大当り」、「確変大当り」および「突然確変大当り」がある。なお、この実施の形態では、大当り遊技において実行されるラウンド数が15ラウンドおよび2ラウンドの2種類である場合を示しているが、大当り遊技において実行されるラウンド数は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、10ラウンドの大当り遊技に制御する10R確変大当りや、7ラウンドの大当り遊技に制御する7R確変大当り、5ラウンドの大当り遊技に制御する5R確変大当りが設けられていてもよい。また、この実施の形態では、大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」および「突然確変大当り」の3種類である場合を示しているが、3種類にかぎらず、例えば、4種類以上の大当り種別を設けるようにしてもよい。また、逆に、大当り種別が3種類よりも少なくてもよく、例えば、大当り種別として2種類のみ設けられていてもよい。
「通常大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に時短状態のみに移行させる大当りである(後述するステップS167参照)。そして、時短状態に移行した後、変動表示を所定回数(この実施の形態では100回)終了すると時短状態が終了する(ステップS168,S137〜S140参照)。なお、変動表示を所定回数終了する前であっても、次の大当りが発生した場合にも、時短状態を終了する(ステップS132参照)。
「確変大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。後述するステップS169,S170参照)。そして、次の大当りが発生するまで、確変状態および時短状態が継続する(ステップS132参照)。
また、「突然確変大当り」とは、「通常大当り」や「確変大当り」と比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される大当りである。すなわち、「突然確変大当り」となった場合には、2ラウンドの大当り遊技状態に制御される。また、「通常大当り」や「確変大当り」では、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が29秒と長いのに対して、「突然確変大当り」では1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が0.1秒と極めて短く、大当り遊技中に大入賞口に遊技球が入賞することは殆ど期待できない。そして、この実施の形態では、その突然確変大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行される(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。後述するステップS169,S170参照)。そして、次の大当りが発生するまで、確変状態および時短状態が継続する(ステップS132参照)。
なお、突然確変大当りの態様は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、大入賞口の開放回数は通常大当りや突然確変大当りと同じ15回(15ラウンド)とし、大入賞口の開放時間のみ0.1秒と極めて短くするようにしてもよい。
なお、前述したように、この実施の形態では、「小当り」となった場合にも、大入賞口の開放が0.1秒間ずつ2回行われ、「突然確変大当り」による大当り遊技状態と同様の制御が行われる。そして、「小当り」となった場合には、大入賞口の2回の開放が終了した後、遊技状態は変化せず、「小当り」となる前の遊技状態が維持される。そのようにすることによって、「突然確変大当り」であるか「小当り」であるかを認識できないようにし、遊技の興趣を向上させている。なお、大当り種別が全て確変大当りであるように構成する場合、小当りを設けなくてもよい。また、大当り種別が全て確変大当りである場合に小当りを設けるように構成する場合には、確変状態(高確率状態)に移行されるのみで時短状態(高ベース状態)を伴わない突然確変大当りを設けるようにすること(大入賞口の開放パターンも突然確変大当りと小当りの場合とで同じにすること)が好ましい。
大当り種別判定テーブル131a,131bには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
図9(A)〜(C)は、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cを示す説明図である。大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
各大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3、特殊CA4−1、特殊CA4−2の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
例えば、大当り種別が「通常大当り」である場合に用いられる図9(A)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Aと、大当り種別が「確変大当り」である場合に用いられる図9(B)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Bとで、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3の変動パターン種別に対する判定値の割り当てが異なっている。
このように、大当り種別に応じて選択される大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cを比較すると、大当り種別に応じて各変動パターン種別に対する判定値の割り当てが異なっている。また、大当り種別に応じて異なる変動パターン種別に対して判定値が割り当てられている。よって、大当り種別を複数種類のうちのいずれにするかの決定結果に応じて、異なる変動パターン種別に決定することができ、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
なお、図9(A),(B)に示すように、この実施の形態では、「通常大当り」または「確変大当り」である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が150〜251であれば、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示が実行されることがわかる。
また、スーパーリーチ大当りについて、擬似連を伴う変動パターン種別(スーパーPA3−3、スーパーPA3−4の変動パターンを含む変動パターン種別)と、擬似連を伴わない変動パターン種別(スーパーPB3−3、スーパーPB3−4の変動パターンを含む変動パターン種別)とに分けてもよい。この場合、通常大当り用の大当り用変動パターン種別判定テーブル132Aおよび確変大当り用の大当り用変動パターン種別判定テーブル132Bの両方において、スーパーリーチかつ擬似連を伴う変動パターン種別と、スーパーリーチかつ擬似連を伴わない変動パターン種別とが割り当てられることになる。
また、大当り種別が「突然確変大当り」である場合に用いられる大当り用変動パターン種別判定テーブル132Cでは、例えば、特殊CA4−1、特殊CA4−2といった大当り種別が「突然確変大当り」以外である場合には判定値が割り当てられない変動パターン種別に対して、判定値が割り当てられている。よって、可変表示結果が「大当り」となり大当り種別が「突然確変大当り」となることに応じて突然確変大当り状態に制御する場合には、通常大当りや確変大当りによる大当り状態に制御する場合とは異なる変動パターン種別に決定することができる。
また、図9(D)は、小当り用変動パターン種別判定テーブル132Dを示す説明図である。小当り用変動パターン種別判定テーブル132Dは、可変表示結果を小当り図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、図9(D)に示すように、小当りとすることに決定されている場合には、変動パターン種別として特殊CA4−1が決定される場合が示されている。
図10(A)〜(C)は、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cを示す説明図である。このうち、図10(A)は、遊技状態が通常状態であるとともに合算保留記憶数が3未満である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Aを示している。また、図10(B)は、遊技状態が通常状態であるとともに合算保留記憶数が3以上である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bを示している。また、図10(C)は、遊技状態が確変状態や時短状態である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cを示している。はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cは、可変表示結果をはずれ図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
なお、図10に示す例では、遊技状態が確変状態や時短状態である場合と合算保留記憶数が3以上である場合とで別々のはずれ用変動パターン種別判定テーブル135B〜135Cを用いる場合を示しているが、確変状態や時短状態である場合と合算保留記憶数が3以上である場合とで、共通のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるように構成してもよい。また、図10(C)に示す例では、合算保留記憶数にかかわらず共通の確変/時短用のはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cを用いる場合を示しているが、確変/時短用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルとして合算保留記憶数に応じた複数のはずれ用変動パターン判定テーブル(判定値の割合を異ならせたテーブル)を用いるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数が3未満である場合に用いるはずれ変動パターン種別判定テーブル135Aと、合算保留記憶数が3以上である場合に用いるはずれ変動パターン種別判定テーブル135Bとの2種類のテーブルを用いる場合を示しているが、はずれ変動パターン種別判定テーブルの分け方は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、合算保留記憶数の値ごとに別々のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ備えてもよい(すなわち、合算保留記憶数0個用、合算保留記憶数1個用、合算保留記憶数2個用、合算保留記憶数3個用、合算保留記憶数4個用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ別々に用いるようにしてもよい)。また、例えば、合算保留記憶数の他の複数の値の組合せに対応したはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。例えば、合算保留記憶数0〜2用、合算保留記憶数3用、合算保留記憶数4用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、合算保留記憶数に応じてはずれ変動パターン種別判定テーブルを複数備える場合を示しているが、第1保留記憶数や第2保留記憶数に応じてはずれ変動パターン種別判定テーブルを複数備えるようにしてもよい。例えば、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数の値ごとに別々に用意されたはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい(すなわち、第1保留記憶数0個用、第1保留記憶数1個用、第1保留記憶数2個用、第1保留記憶数3個用、第1保留記憶数4個用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ別々に用いるようにしてもよい)。また、例えば、第1保留記憶数の他の複数の値の組合せに対応したはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。例えば、第1保留記憶数0〜2用、第1保留記憶数3用、第1保留記憶数4用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。この場合であっても、第1保留記憶数や第2保留記憶数が多い場合(例えば3以上)には、変動時間が短い変動パターンを含む変動パターン種別が選択されやすいように構成すればよい。また、このような場合であっても、特定の可変表示パターンとしてのスーパーリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別に対して共通の判定値を割り当てるように構成すればよい。
なお、「特定の演出態様」とは、スーパーリーチを伴う変動パターンなど、少なくとも大当りに対する期待度が高く設定され、遊技者に大当りに対する期待感を抱かせることができる変動パターン種別、変動パターンのことである。また、「大当りに対する期待度(信頼度)」とは、その特定の演出態様による可変表示(例えば、スーパーリーチを伴う変動表示)が実行された場合に大当りが出現する出現率(確率)を示している。例えば、スーパーリーチを伴う変動表示が実行される場合の大当り期待度は、(大当りと決定されている場合にスーパーリーチが実行される割合)/(大当りと決定されている場合およびハズレと決定されている場合の両方にスーパーリーチが実行される割合)を計算することによって求められる。
各はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Bには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3、ノーマルCA2−4〜ノーマルCA2−6、スーパーCA2−7の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
なお、図10(A),(B)に示すように、この実施の形態では、はずれであるとともに遊技状態が通常状態である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が230〜251であれば、合算保留記憶数にかかわらず、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示が実行されることがわかる。
また、図10(A)、(B)に示すように、この実施の形態では、はずれであるとともに遊技状態が通常状態である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が1〜79であれば、合算保留記憶数にかかわらず、少なくともリーチを伴わない(擬似連や滑り演出などの特定演出も伴わない)通常変動の変動表示が実行されることがわかる。そのようなテーブル構成により、この実施の形態では、判定テーブル(はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A,135B)は、リーチ用可変表示パターン(リーチを伴う変動パターン)以外の可変表示パターンのうちの少なくとも一部に対して、保留記憶手段(第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファ)が記憶する権利の数(第1保留記憶数や第2保留記憶数、合算保留記憶数)にかかわらず、共通の判定値(図10(A),(B)に示す例では1〜79)が割り当てられるように構成されている。なお、「リーチ用可変表示パターン以外の可変表示パターン」とは、この実施の形態で示したように、例えば、リーチを伴わず、擬似連や滑り演出などの特定演出も伴わず、可変表示結果が大当りとならない場合に用いられる可変表示パターン(変動パターン)のことである。
なお、この実施の形態では、図9に示すように、現在の遊技状態にかかわらず、共通の大当り用変動パターン種別判定テーブルを用いる場合を示したが、現在の遊技状態が確変状態や時短状態であるか通常状態であるかに応じて、それぞれ別々に用意された大当り用変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。また、この実施の形態では、合算保留記憶数が3以上である場合に、図10(B)に示す短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるように構成する場合を示しているが、現在の遊技状態に応じて短縮変動の変動パターンが選択されうる場合の合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)の閾値を異ならせてもよい。例えば、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数が3である場合に(または、例えば、第1保留記憶数や第2保留記憶数が2である場合に)、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるようにし、遊技状態が確変状態や時短状態である場合には、合算保留記憶数がより少ない1や2の場合でも(または、例えば、第1保留記憶数や第2保留記憶数がより少ない0や1の場合でも)、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるようにしてもよい。
図11(A),(B)は、ROM54に記憶されている当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bを示す説明図である。当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、可変表示結果を「大当り」や「小当り」にする旨の判定がなされたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、変動パターン種別をノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137Aが使用テーブルとして選択され、変動パターン種別を特殊CA4−1、特殊CA4−2のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137Bが使用テーブルとして選択される。各当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)の値と比較される数値(判定値)であって、演出図柄の可変表示結果が「大当り」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに対応するデータ(判定値)を含む。
なお、図11(A)に示す例では、変動パターン種別として、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う(スーパーリーチとともに擬似連を伴う場合もある)変動パターンを含む変動パターン種別であるスーパーCA3−3とに種別分けされている場合が示されている。また、図11(B)に示す例では、変動パターン種別として、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1と、リーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている場合が示されている。なお、図11(B)において、リーチの有無によって変動パターン種別を分けるのではなく、擬似連や滑り演出などの特定演出の有無によって変動パターン種別を分けてもよい。この場合、例えば、特殊CA4−1は、特定演出を伴わない変動パターンである特殊PG1−1と特殊PG2−1を含むようにし、特殊CA4−2は、特定演出を伴う特殊PG1−2、特殊PG1−3および特殊PG2−2を含むように構成してもよい。
図12は、ROM54に記憶されているはずれ変動パターン判定テーブル138Aを示す説明図である。はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。
図13および図14は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図13および図14に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図6に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、大当りとするか否か、小当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C05(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C05(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001,A002(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。この実施の形態では、大当りの種類に応じて、大当り開始指定コマンドまたは小当り/突然確変大当り開始指定コマンドが用いられる。具体的には、「通常大当り」や「確変大当り」である場合には大当り開始指定コマンド(A001(H))が用いられ、「突然確変大当り」や「小当り」である場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(A002(H))が用いられる。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然大当りである場合に突然確変大当り開始指定用のファンファーレ指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはファンファーレ指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。なお、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A101(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A10A(H))が送信される。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。なお、大入賞口開放後指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放後指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを終了する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A201(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを終了する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A30A(H))が送信される。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。なお、大当り終了指定コマンド(A301(H))は、「通常大当り」や「確変大当り」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。コマンドA302(H)は、小当りの遊技の終了または突然確変大当りの遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り/突然確変大当り終了指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然確変大当りである場合に突然確変大当り終了指定用のエンディング指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはエンディング指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(通常状態背景指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が確変状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(確変状態背景指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が時短状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(時短状態背景指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第2始動入賞指定コマンド)である。なお、この実施の形態では、以下、第1始動入賞指定コマンドと第2始動入賞指定コマンドとを、始動入賞指定コマンドと総称することがある。
コマンドC2XX(H)は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC2XX(H)における「XX」が、合算保留記憶数を示す。コマンドC300(H)は、合算保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数減算指定コマンド)である。なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、合算保留記憶数を減算する場合には合算保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、合算保留記憶数減算指定コマンドを使用せず、合算保留記憶数を減算するときに、減算後の合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、保留記憶数を指定するコマンドとして、合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信する場合を示しているが、第1保留記憶と第2保留記憶とのうち増加した方の保留記憶数を指定するコマンドを送信するように構成してもよい。具体的には、第1保留記憶が増加した場合に第1保留記憶数を指定する第1保留記憶数指定コマンドを送信し、第2保留記憶が増加した場合に第2保留記憶数を指定する第2保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、保留記憶情報として、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とのいずれに始動入賞したかを指定する始動入賞指定コマンドを送信するとともに、合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信する場合を示しているが、保留記憶情報として送信する演出制御コマンドは、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、保留記憶数が増加したときに、第1保留記憶数または第2保留記憶数が増加したことを示す保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する一方、保留記憶数が減少したときに、第1保留記憶数または第2保留記憶数が減少したことを示す保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
コマンドC4XX(H)およびコマンドC6XX(H)は、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC4XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否かや、小当りとなるか否か、大当りの種別の判定結果を示す演出制御コマンド(図柄指定コマンド)である。また、コマンドC6XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す演出制御コマンド(変動カテゴリコマンド)である。
この実施の形態では、後述する入賞時演出処理(図22参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞時に、大当りとなるか否かや、小当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りや小当りとなることを指定する値や、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う。また、変動カテゴリコマンドのEXTデータに判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う。なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄指定コマンドに設定されている値にもとづいて、表示結果が大当りや小当りとなるか否か、大当りの種別を認識できるとともに、変動カテゴリコマンドにもとづいて、変動パターン種別判定用乱数の値が所定の判定値となる場合には変動パターン種別を認識できる。
図15は、図柄指定コマンドの内容の一例を示す説明図である。図15に示すように、この実施の形態では、大当りや小当りとなるか否かと、大当りの種別とに応じて、EXTデータが設定され、図柄指定コマンドが送信される。
例えば、後述する入賞時演出処理において、「はずれ」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「00(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄1指定コマンド)を送信する。また、例えば、「通常大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「01(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄2指定コマンド)を送信する。また、例えば、「確変大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「02(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄3指定コマンド)を送信する。また、例えば、「突然確変大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「03(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄4指定コマンド)を送信する。また、例えば、「小当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「04(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄5指定コマンド)を送信する。なお、図柄指定コマンドに設定されるEXTデータと、表示結果指定コマンドに設定されるEXTデータとを共通化してもよい。そのように構成すれば、図柄指定コマンドを設定する際と表示結果指定コマンドを設定する際とで、読み出すデータを共通化することができる。
図16および図17は、変動カテゴリコマンドの内容の一例を示す説明図である。図16および図17に示すように、この実施の形態では、いずれの遊技状態であるかと、特別図柄や演出図柄の表示結果がいずれの表示結果となるかと、始動入賞時に変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲になると判定したとかとに応じて、EXTデータに値が設定され、変動カテゴリコマンドが送信される。
例えば、始動入賞時に、遊技状態が通常状態且つはずれとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜79となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜79となる場合には、CPU56は、EXTデータに「00(H)」を設定した変動カテゴリ1コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数にかかわらず、判定値1〜79の範囲には非リーチCA2−1の変動パターン種別が共通に割り当てられているのであるから、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動カテゴリ1コマンドを受信したことにもとづいて、少なくとも変動パターン種別が非リーチCA2−1となることを認識することができる。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が80〜89となる場合には、EXTデータに「01(H)」を設定した変動カテゴリ2コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が90〜99となる場合には、EXTデータに「02(H)」を設定した変動カテゴリ3コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が100〜169となる場合には、EXTデータに「03(H)」を設定した変動カテゴリ4コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が170〜199となる場合には、EXTデータに「04(H)」を設定した変動カテゴリ5コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が200〜214となる場合には、EXTデータに「05(H)」を設定した変動カテゴリ6コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が215〜229となる場合には、EXTデータに「06(H)」を設定した変動カテゴリ7コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が230〜251となる場合には、EXTデータに「07(H)」を設定した変動カテゴリ8コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数にかかわらず、判定値230〜251の範囲にはスーパーCA2−7の変動パターン種別が共通に割り当てられているのであるから、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動カテゴリ8コマンドを受信したことにもとづいて、少なくとも変動パターン種別がスーパーCA2−7となることを認識することができる。
なお、上記のいずれの変動カテゴリに属するかを判定するために用いられる閾値79、89、99、169、199、214および229は、具体的には、図10(A),(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブルにおける各変動パターン種別に割り当てられた判定値の範囲の境界となりうる値をピックアップして導き出されたものである。このことは、以降の変動カテゴリ9〜10,21〜29についても同様であり、図9(A)〜(D)や図10(C)に示す変動パターン種別判定テーブルにおける各変動パターン種別に割り当てられた判定値の範囲の境界となりうる値をピックアップしてカテゴリ判定のために用いられる閾値が導き出される。
また、例えば、始動入賞時に、遊技状態が確変状態または時短状態且つはずれとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜219となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜219となる場合(すなわち、非リーチCA2−3の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「08(H)」を設定した変動カテゴリ9コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が220〜251となる場合(すなわち、スーパーCA2−7の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「09(H)」を設定した変動カテゴリ10コマンドを送信する。
なお、遊技状態が確変状態や時短状態である場合にも、判定値230〜251の範囲にスーパーCA2−7の変動パターン種別を割り当てるようにしてもよい。そのようにすれば、遊技状態にかかわらず、スーパーCA2−7の変動パターン種別に対して共通の判定値が割り当てられるようにすることができる。そのため、後述する入賞時演出の処理のステップS232の処理を実行する際に、はずれであれば、遊技状態にかかわらず共通の判定処理を行えばよくなり、プログラム容量をより低減することができる。また、この場合、ステップS226の遊技状態の判定処理も不要とすることができる。
また、例えば、始動入賞時に、「通常大当り」となると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜74となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜74となる場合(すなわち、ノーマルCA3−1の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「10(H)」を設定した変動カテゴリ21コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が75〜149となる場合(すなわち、ノーマルCA3−2の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「11(H)」を設定した変動カテゴリ22コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が150〜251となる場合(すなわち、スーパーCA3−3の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「12(H)」を設定した変動カテゴリ23コマンドを送信する。
また、例えば、始動入賞時に、「確変大当り」となると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜38となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜38となる場合(すなわち、ノーマルCA3−1の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「13(H)」を設定した変動カテゴリ24コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が39〜79となる場合(すなわち、ノーマルCA3−2の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「14(H)」を設定した変動カテゴリ25コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が80〜251となる場合(すなわち、スーパーCA3−3の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「15(H)」を設定した変動カテゴリ26コマンドを送信する。
また、例えば、始動入賞時に、突然確変大当りとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜100となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜100となる場合(すなわち、特殊CA4−1の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「16(H)」を設定した変動カテゴリ27コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が101〜251場合(すなわち、特殊CA4−2の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「17(H)」を設定した変動カテゴリ28コマンドを送信する。
また、例えば、始動入賞時に、小当りとなると判定した場合、CPU56は、EXTデータに「18(H)」を設定した変動カテゴリ29コマンドを送信する。
なお、始動入賞時に入賞時判定を行ったときと実際に変動表示を開始するときとでは必ずしも合算保留記憶数が同じであるとは限らないのであるから、入賞時判定結果指定コマンドで示される変動パターン種別が実際に変動表示で用いられる変動パターン種別と一致しない場合も生じうる。しかし、この実施の形態では、少なくとも非リーチCA2−1、スーパーCA2−7およびスーパーCA3−3の変動パターン種別については、合算保留記憶数にかかわらず共通の判定値が割り当てられているのであるから(図9、図10参照)、入賞時判定結果と実際に実行される変動表示の変動パターン種別とで不整合が生じない。そのため、この実施の形態では、非リーチCA2−1、スーパーCA2−7またはスーパーCA3−3の変動パターン種別になるとの入賞時判定結果にもとづいて後述する先読み予告演出としての保留予告演出が実行される。なお、非リーチCA2−1、スーパーCA2−7およびスーパーCA3−3の変動パターン種別となると判定した場合にのみ、図16および図17に示す変動カテゴリコマンド(具体的には、変動カテゴリ1コマンド、変動カテゴリ8コマンド、変動カテゴリ23コマンド、変動カテゴリ26コマンドのみ)を送信し、それ以外の変動パターン種別の入賞時判定結果の場合には変動カテゴリコマンドを送信しないようにしてもよい。また、非リーチCA2−1、スーパーCA2−7およびスーパーCA3−3以外となると入賞時判定された場合には、変動パターン種別を特定不能であることを示す変動カテゴリコマンドを送信するようにしてもよい。
なお、「先読み予告演出」とは、予告演出の対象となる変動表示が開始されるよりも前に実行される予告演出のことである。この実施の形態では、後述するように、始動入賞が発生したときに先読み予告演出の一種である保留予告演出の実行を決定すると、次の変動表示を開始するときの保留シフトのタイミング、または次の変動表示において後述する保留変化図柄演出を実行し保留変化図柄を確定表示するタイミングで、保留表示を通常とは異なる表示態様に変化させる保留予告演出の実行を開始する。なお、先読み予告演出の演出態様は、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、先読み予告演出として、複数変動にわたって連続してチャンス目図柄などの特殊表示結果を確定表示させる演出を実行したり、複数変動にわたって背景画面が変化するような態様の演出を実行したり、複数変動にわたってカウントダウンするような態様の演出を実行したりするなど、様々な態様が考えられる。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図13および図14に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図13および図14に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)と第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う演出表示装置9などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図18および図19は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしていたら、すなわち、第1始動入賞口13への始動入賞が発生していたら、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。また、CPU56は、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち第2始動入賞口14への始動入賞が発生していたら、第2始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS313,S314)。そして、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。第1始動入賞口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(確定表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、決定した変動パターンに応じた変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行い、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において第4図柄が停止されるように制御する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を確定表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され(図30参照)、ステップS22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が確定表示される。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、大入賞口開放中指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。また、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A101(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A10A(H))が送信される。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大入賞口開放中処理では、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、大当り中開放後指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は小当り遊技中の大入賞口の開放毎に実行されるが、小当り遊技中の最初の開放を開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ大入賞口の開放回数が残っている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全ての開放を終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10)に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図20は、ステップS312,S314の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。このうち、図20(A)は、ステップS312の第1始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。また、図20(B)は、ステップS314の第2始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。
まず、図20(A)を参照して第1始動口スイッチ通過処理について説明する。第1始動口スイッチ13aがオン状態の場合に実行される第1始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(ステップS1211A)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1212A)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1213A)。また、CPU56は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(ステップS1214A)。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口13に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。例えば、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
図21(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。図21(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。なお、図21(A)には、合算保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。図21(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞にもとづき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。従って、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順が記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図21(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS1215A)。なお、ステップS1215Aの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を第1始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
図21(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図21(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
次いで、CPU56は、検出した始動入賞にもとづく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターン種別を始動入賞時にあらかじめ判定する入賞時演出処理を実行する(ステップS1216A)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果にもとづいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1217A)とともに、変動カテゴリコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1218A)。また、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1219A)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1220A)。
なお、ステップS1217A,S1218Aの処理を実行することによって、この実施の形態では、CPU56は、第1始動入賞口13に始動入賞してステップS1216Aの入賞時演出処理を実行するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、この実施の形態では、ステップS1217A〜S1220Aの処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞が発生してステップS1216Aの入賞時演出処理を実行したときに、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、第1始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
次に、図20(B)を参照して第2始動口スイッチ通過処理について説明する。第2始動口スイッチ14aがオン状態の場合に実行される第2始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS1211B)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1212B)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1213B)。また、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(ステップS1214B)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図21(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS1215B)。なお、ステップS1215Bの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を第2始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、入賞時演出処理を実行する(ステップS1216B)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果にもとづいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1217B)とともに、変動カテゴリコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1218B)。また、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1219B)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1220B)。
なお、ステップS1217B,S1218Bの処理を実行することによって、この実施の形態では、CPU56は、第2始動入賞口14に始動入賞してステップS1216Bの入賞時演出処理を実行するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、この実施の形態では、ステップS1217B〜S1220Bの処理が実行されることによって、第2始動入賞口14への始動入賞が発生してステップS1216Bの入賞時演出処理を実行したときに、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、第2始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
図22は、ステップS1216A,S1216Bの入賞時演出処理を示すフローチャートである。入賞時演出処理では、CPU56は、まず、ステップS1215A,S1215Bで抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図8(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS220)。この実施の形態では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、後述する特別図柄通常処理において大当りや小当りとするか否か、大当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターンを決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口13や第2始動入賞口14に始動入賞したタイミングで、その始動入賞にもとづく変動表示が開始される前に、入賞時演出処理を実行することによって、あらかじめ大当りや小当りとなるか否かや、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかを確認する。そのようにすることによって、演出図柄の変動表示が実行されるより前にあらかじめ変動表示結果や変動パターン種別を予測し、後述するように、入賞時の判定結果にもとづいて、演出制御用マイクロコンピュータ100によって演出図柄の変動表示中に大当りやスーパーリーチとなることを予告する保留予告演出を実行する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が通常時の大当り判定値と一致しなければ(ステップS220のN)、CPU56は、遊技状態が高確率状態(確変状態)であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS221)。確変フラグがセットされていれば、CPU56は、ステップS1215A,S1215Bで抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図8(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS222)。なお、始動入賞時にステップS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にステップS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(例えば、変動開始前に確変大当りや突然確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にステップS221で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(後述するステップS61参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。なお、そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態にもとづいて始動入賞時の判定を行うようにしてもよい。
大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時の大当り判定値とも一致しなければ(ステップS222のN)、CPU56は、ステップS1215A,S1215Bで抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図8(B),(C)に示す小当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS223)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(ステップS1216Aの入賞時演出処理を実行する場合)には、図8(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(ステップS1216Bの入賞時演出処理を実行する場合)には、図8(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値とも一致しなければ(ステップS223のN)、CPU56は、「はずれ」となることを示すEXTデータ「00(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う(ステップS224)。
次いで、CPU56は、現在の遊技状態を判定する処理を行う(ステップS225)。この実施の形態では、CPU56は、ステップS225において、遊技状態が確変状態であるか否かおよび時短状態であるか否か(具体的には、確変フラグおよび時短フラグがセットされているか否か)を判定する。なお、始動入賞時にステップS225で確変状態であるか否かおよび時短状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にステップS225で確変状態であるか否かおよび時短状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(例えば、変動開始前に確変大当りや突然確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にステップS225で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(後述するステップS61参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。なお、そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態にもとづいて始動入賞時の判定を行うようにしてもよい。
そして、CPU56は、ステップS225の判定結果に応じて、はずれ用の各閾値を設定する(ステップS226)。この実施の形態では、あらかじめ閾値判定を行う閾値判定プログラムが組み込まれており、閾値より大きいか否かを判定することにより、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかが判定され、図16および図17に示す変動カテゴリコマンドに設定するEXTデータの値が決定される。
例えば、CPU56は、遊技状態が確変状態または時短状態であると判定した場合には閾値219を設定する。この場合、CPU56は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値219以下であるか否かを判定し、閾値219以下である場合(すなわち、1〜219である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「08(H)」を設定すると判定する(図16参照)。また、閾値219以下でない場合(すなわち、220〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「09(H)」を設定すると判定する(図16参照)。
また、例えば、CPU56は、遊技状態が通常状態であると判定した場合には、合算保留記憶数にかかわらず、閾値79、89、99、169、199、214および229を設定する。この場合、CPU56は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値79以下であるか否かを判定し、閾値79以下である場合(すなわち、1〜79である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「00(H)」を設定すると判定する(図16参照)。また、閾値89以下である場合(すなわち、80〜89である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「01(H)」を設定すると判定する(図16参照)。また、閾値99以下である場合(すなわち、90〜99である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「02(H)」を設定すると判定する(図16参照)。また、閾値169以下である場合(すなわち、100〜169である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「03(H)」を設定すると判定する(図16参照)。また、閾値199以下である場合(すなわち、170〜199である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「04(H)」を設定すると判定する(図16参照)。また、閾値214以下である場合(すなわち、200〜214である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「05(H)」を設定すると判定する(図16参照)。また、閾値229以下である場合(すなわち、215〜229である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「06(H)」を設定すると判定する(図16参照)。また、閾値229以下でない場合(すなわち、230〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「07(H)」を設定すると判定する(図16参照)。
なお、上記に示す閾値判定の例では、閾値の値が小さい方から順に79、89、99、169、199、214および229と判定していくので、後の順番の閾値で判定されたものが前の順番の閾値以下の範囲内となることはない。すなわち、閾値79以下であるか否かを判定した後に、閾値89以下であるか否かを判定するときには、前の順番の閾値以下の1〜79の範囲内となることはなく、80〜89の範囲であるか否かを判定することになる。また、この実施の形態では、閾値の値が小さい方から順に79、89、99、169、199、214および229と判定していく場合を示したが、逆に大きい方から順に229、214、199、169、99、89および79と判定していってもよい。このことは、以下に示す他の閾値を用いた判定を行う場合も同様である。
なお、ステップS225の遊技状態の判定を行うことなく、常に通常状態における閾値を設定するようにしてもよい。そのように構成しても、少なくとも「非リーチはずれ」となる変動パターン種別と「スーパーリーチはずれ」となる変動パターン種別とに関しては判定値の範囲が共通化されているのであるから、「非リーチはずれ」や「スーパーリーチはずれ」となるか否かについては判定することができる。
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値と一致した場合には(ステップS223のY)、CPU56は、「小当り」となることを示すEXTデータ「04(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う(ステップS227)。
次いで、CPU56は、小当り用の閾値を設定する(ステップS228)。なお、この実施の形態では、CPU56は、閾値251を設定するものとし、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値251以下である(1〜251である)と判定して、変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「18(H)」を設定すると判定するものとする(図17参照)。なお、小当りである場合には、閾値判定を行うことなく、そのままEXTデータ「18(H)」を設定すると判定するようにしてもよい。
ステップS220またはステップS222で大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致した場合には、CPU56は、ステップS1215A,S1215Bで抽出した大当り種別判定用乱数(ランダム1)にもとづいて大当りの種別を判定する(ステップS229)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(ステップS1216Aの入賞時演出処理を実行する場合)には、図8(D)に示す大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aを用いて大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれとなるかを判定する。また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(ステップS1216Bの入賞時演出処理を実行する場合)には、図8(E)に示す大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bを用いて大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれとなるかを判定する。
次いで、CPU56は、大当り種別の判定結果に応じたEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行う(ステップS230)。この場合、「通常大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「通常大当り」となることを示すEXTデータ「01(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。また、「確変大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「確変大当り」となることを示すEXTデータ「02(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。また、「突然確変大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「突然確変大当り」となることを示すEXTデータ「03(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。
そして、CPU56は、ステップS229で判定した大当り種別に応じて、大当り用の各閾値を設定する(ステップS231)。
例えば、CPU56は、「通常大当り」と判定した場合には、閾値74および149を設定する。この場合、CPU56は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値74以下であるか否かを判定し、閾値74以下である場合(すなわち、1〜74である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「10(H)」を設定すると判定する(図17参照)。また、閾値149以下である場合(すなわち、75〜149である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「11(H)」を設定すると判定する(図17参照)。また、閾値149以下でない場合(すなわち、150〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「12(H)」を設定すると判定する(図17参照)。
また、例えば、CPU56は、「確変大当り」と判定した場合には、閾値38および79を設定する。この場合、CPU56は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値38以下であるか否かを判定し、閾値38以下である場合(すなわち、1〜38である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「13(H)」を設定すると判定する(図17参照)。また、閾値79以下である場合(すなわち、39〜79である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「14(H)」を設定すると判定する(図17参照)。また、閾値79以下でない場合(すなわち、80〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「15(H)」を設定すると判定する(図17参照)。
また、例えば、CPU56は、「突然確変大当り」と判定した場合には、閾値100を設定する。この場合、CPU56は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値100以下であるか否かを判定し、閾値100以下である場合(すなわち、1〜100である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「16(H)」を設定すると判定する(図17参照)。また、閾値100以下でない場合(すなわち、101〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「17(H)」を設定すると判定する(図17参照)。
次いで、CPU56は、ステップS226,S228,S231で設定した閾値と、ステップS1215A,S1215Bで抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)とを用いて、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する(ステップS232)。
なお、ステップS226,S228,S231において、あらかじめ定められた閾値を設定するのではなく、変動パターン種別判定テーブル(図9、図10参照)を設定するようにし、ステップS232において、設定した変動パターン種別判定テーブルを用いて、変動パターン種別判定用乱数の値の範囲やいずれの変動パターン種別となるかを判定するようにしてもよい。
そして、CPU56は、判定結果に応じたEXTデータを変動カテゴリコマンドに設定する処理を行う(ステップS233)。具体的には、CPU56は、ステップS232でいずれの変動パターン種別になると判定したかに応じて、図16および図17に示すような「00(H)」〜「09(H)」、「10(H)」〜「18(H)」のいずれかの値を変動カテゴリコマンドのEXTデータに設定する処理を行う。
なお、この実施の形態では、入賞時判定において大当りや小当りとなると判定した場合であっても一律に変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの範囲となるかを判定する場合を示したが、大当りや小当りとなると判定した場合には、変動パターン種別判定用乱数の値の範囲の判定を行わないようにしてもよい。そして、大当りまたは小当りとなると入賞時判定したことを示す図柄指定コマンドを送信するとともに、大当りまたは小当りの変動パターン種別となることを包括的に示す変動カテゴリコマンドを送信するようにしてもよい。そして、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、具体的にいずれの変動パターン種別となるかまでは示されていないものの、包括的にいずれかの大当りの変動パターン種別となることが示された変動カテゴリコマンドを受信したことにもとづいて、後述する保留予告演出を実行するようにしてもよい。
図23および図24は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば、まだ客待ちデモ指定コマンドを送信していなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して客待ちデモ指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS51A)、処理を終了する。なお、例えば、CPU56は、ステップS51Aで客待ちデモ指定コマンドを送信すると、客待ちデモ指定コマンドを送信したことを示す客待ちデモ指定コマンド送信済フラグをセットする。そして、客待ちデモ指定コマンドを送信した後に次回のタイマ割込以降の特別図柄通常処理を実行する場合には、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグがセットされていることにもとづいて重ねて客待ちデモ指定コマンドを送信しないように制御すればよい。また、この場合、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグは、次回の特別図柄の変動表示が開始されるときにリセットされるようにすればよい。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、保留特定領域(図21(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(ステップS52)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータでない(すなわち、「第2」を示すデータである)場合(ステップS52のN)、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップS53)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータである場合(ステップS52のY)、CPU56は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS54)。
ステップS52〜S54の処理が実行されることによって、この実施の形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される。なお、この実施の形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される場合を示しているが、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成してもよい。この場合、例えば、高ベース状態に移行された場合には可変入賞球装置15が設けられた第2始動入賞口14に始動入賞しやすくなり第2保留記憶が溜まりやすくなるのであるから、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するようにしてもよい。
なお、上記のように第2特別図柄の変動表示を優先して実行するように構成する場合、入賞順を記憶する必要はなくなるのであるから、図21(A)に示した保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)は不要となる。
また、上記のように第2特別図柄の変動表示を優先して実行するように構成する場合、遊技状態が時短状態(高ベース状態)である場合や大当り遊技状態中である場合には、第1始動入賞口13への始動入賞に対しては入賞時判定(先読み判定)を行わないようにし、低ベース状態中のみ第1始動入賞口13への始動入賞に対して入賞時判定(先読み判定)を行うようにすることが望ましい。具体的には、図20(A)に示した第1始動口スイッチ通過処理において、ステップS1215Aを終了すると、時短状態であるか否か(具体的には、時短フラグがセットされているか否か)や、大当り遊技中であるか否か(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるか否か)を確認するようにし、時短状態中または大当り遊技中であれば、ステップS1216A〜S1218Bの処理をスキップしてステップS1219Aに移行するようにすればよい。そのようにすれば、時短状態(高ベース状態)中に殆ど第2特別図柄の変動表示しか実行されない状態であるにもかかわらず、第1保留記憶に対する保留予告演出が実行されてしまう事態を防止し、第1保留記憶に存在する大当りをストックした状態で第2特別図柄の変動表示でも大当りを狙うことを可能とすることを防止することができ、必要以上に射幸心を煽ることを防止することができる。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU56は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各合算保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各値が抽出された順番は、常に、合算保留記憶数=1〜8の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS58)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
また、CPU56は、現在の遊技状態に応じて背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS60)。この場合、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされている場合には、確変状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグのみがセットされ、確変フラグがセットされていない場合には、時短状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、確変フラグも時短フラグもセットされていなければ、通常状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。
なお、具体的には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS28)において演出制御コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、特別図柄の変動を開始するときに、タイマ割込ごとに、背景指定コマンド、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、合算保留記憶数減算指定コマンドの順に演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されることになる。具体的には、特別図柄の変動を開始するときに、まず、背景指定コマンドが送信され、4ms経過後に変動パターンコマンドが送信され、さらに4ms経過後に表示結果指定コマンドが送信され、さらに4ms経過後に合算保留記憶数減算指定コマンドが送信される。なお、特別図柄の変動を開始するときにはさらに図柄変動指定コマンド(第1図柄変動指定コマンド、第2図柄変動指定コマンド)も送信されるが、図柄変動指定コマンドは、変動パターンコマンドと同じタイマ割込において演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信される。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、ステップS300〜S310の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS1215Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS1215Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値や小当り判定値(図8参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態の場合には、遊技状態が非確変状態(通常状態や時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図8(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図8(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS61)、ステップS71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、「確変大当り」または「突然確変大当り」とすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされる。そして、大当り遊技終了後、次の大当りが発生したときにリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(ステップS61のN)、CPU56は、小当り判定テーブル(図8(B),(C)参照)を使用して小当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図8(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示すデータを確認し、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」である場合には、図8(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。また、特別図柄ポインタが示すデータが「第2」である場合には、図8(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。そして、小当りとすることに決定した場合には(ステップS62)、CPU56は、小当りであることを示す小当りフラグをセットし(ステップS63)、ステップS75に移行する。
なお、ランダムRの値が大当り判定値および小当り判定値のいずれにも一致しない場合には(ステップS62のN)、すなわち、はずれである場合には、そのままステップS75に移行する。
ステップS71では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(ステップS72)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図8(D)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131aを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図8(E)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131bを選択する。
次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」)を大当りの種別に決定する(ステップS73)。なお、この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS1215Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS1215Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。また、この場合に、図8(D),(E)に示すように、第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、突然確変大当りが選択される割合が高い。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS74)。例えば、大当り種別が「通常大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「突然確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS75)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「突然確変大当り」に決定した場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定し、「通常大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定し、「確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。
なお、この実施の形態では、まず大当り種別を決定し、決定した大当り種別に対応する特別図柄の停止図柄を決定する場合を示したが、大当り種別および特別図柄の停止図柄の決定方法は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、あらかじめ特別図柄の停止図柄と大当り種別とを対応付けたテーブルを用意しておき、大当り種別決定用乱数にもとづいてまず特別図柄の停止図柄を決定すると、その決定結果にもとづいて対応する大当り種別も決定されるように構成してもよい。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS76)。
図25は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132C(図9(A)〜(C)参照)のいずれかを選択する(ステップS92)。そして、ステップS100に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS93)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、小当り用変動パターン種別判定テーブル132D(図9(D)参照)を選択する(ステップS94)。そして、ステップS100に移行する。
小当りフラグもセットされていない場合には、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS95)。なお、時短フラグは、遊技状態を確変状態や時短状態に移行するときにセットされ、時短状態を終了するときにリセットされる。具体的には、「通常大当り」とすることに決定された場合には、大当り遊技を終了する処理において時短フラグがセットされる。また、大当り遊技終了後、所定回数(この実施の形態では100回)の変動表示を終了したときにリセットされる。なお、所定回数の変動表示を終了する前であっても、次の大当りが発生した場合にも、時短フラグがリセットされる。また、「確変大当り」または「突然確変大当り」とすることに決定された場合には、大当り遊技を終了する処理において確変フラグがセットされるとともに時短フラグがセットされる。そして、次の大当りが発生した場合に、確変フラグとともに時短フラグがリセットされる。
時短フラグがセットされていなければ(ステップS95のN)、CPU56は、合算保留記憶数が3以上であるか否かを確認する(ステップS96)。合算保留記憶数が3未満であれば(ステップS96のN)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A(図10(A)参照)を選択する(ステップS97)。そして、ステップS100に移行する。
合算保留記憶数が3以上である場合(ステップS96のY)には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135B(図10(B)参照)を選択する(ステップS98)。そして、ステップS100に移行する。
時短フラグがセットされている場合(ステップS95のY)には、すなわち、遊技状態が確変状態または時短状態であれば(この実施の形態では、確変状態に移行される場合には必ず時短状態にも移行されるので(ステップS169,S170参照)、ステップS95でYと判定された場合には、確変状態の場合と時短状態のみに制御されている場合とがある)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135C(図10(C)参照)を選択する(ステップS99)。そして、ステップS100に移行する。
この実施の形態では、ステップS95〜S99の処理が実行されることによって、遊技状態が通常状態であって合算保留記憶数が3以上である場合には、図10(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bが選択される。また、遊技状態が確変状態または時短状態である場合には、図10(C)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cが選択される。この場合、後述するステップS100の処理で変動パターン種別として非リーチCA2−3が決定される場合があり、非リーチCA2−3の変動パターン種別が決定された場合には、ステップS102の処理で変動パターンとして短縮変動の非リーチPA1−2が決定される(図12参照)。従って、この実施の形態では、遊技状態が確変状態や時短状態である場合または合算保留記憶数が3以上である場合には、短縮変動の変動表示が行われる場合がある。なお、この実施の形態では、確変状態や時短状態で用いる短縮変動用の変動パターン種別判定テーブル(図10(C)参照)と、保留記憶数にもとづく短縮変動用の変動パターン種別判定テーブル(図10(B)参照)とが異なるテーブルである場合を示したが、短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルとして共通のテーブルを用いるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、遊技状態が確変状態や時短状態である場合であっても、合算保留記憶数がほぼ0である場合(例えば、0であるか、0または1である場合)には、短縮変動の変動表示を行わないようにしてもよい。この場合、例えば、CPU56は、ステップS95でYと判定したときに、合算保留記憶数がほぼ0であるか否かを確認し、合算保留記憶数がほぼ0であれば、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A(図10(A)参照)を選択するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読み出し、ステップS92、S94、S97、S98またはS99の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS100)。
次いで、CPU56は、ステップS100の変動パターン種別の決定結果にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、当り変動パターン判定テーブル137A、137B(図11参照)、はずれ変動パターン判定テーブル138A(図12参照)のうちのいずれかを選択する(ステップS101)。また、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読み出し、ステップS101の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS102)。なお、始動入賞のタイミングでランダム3(変動パターン判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値にもとづいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の図柄変動指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS103)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS104)。
次に、CPU56は、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS105)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS106)。
なお、はずれと決定されている場合において、いきなり変動パターン種別を決定するのではなく、まず、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。そして、リーチとするか否かの判定結果にもとづいて、ステップS95〜S100の処理を実行し、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。この場合、あらかじめ非リーチ用の変動パターン種別判定テーブル(図10に示す非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3の変動パターン種別を含むもの)と、リーチ用の変動パターン種別判定テーブル(図10に示すノーマルCA2−4〜ノーマルCA2−6、スーパーCA2−7の変動パターン種別を含むもの)とを用意しておき、リーチ判定結果にもとづいて、いずれかの変動パターン種別判定テーブルを選択して、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
また、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定する場合にも、合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)に応じて、リーチの選択割合が異なるリーチ判定テーブルを選択して、保留記憶数が多くなるに従ってリーチ確率が低くなるようにリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。この場合、CPU56は、例えば、入賞時演出処理における「スーパーリーチはずれ」や「非リーチはずれ」となるか否かの判定において、リーチ判定テーブルの共通の範囲に割り当てられた判定値に合致するか否かを判定することによって、リーチとなるか否かをあらかじめ判定するようにしてもよい。なお、予告演出の実行割合が低下してしまうことを考慮すると、この実施の形態で示したように、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理を行うことなく、変動パターン種別によって「スーパーリーチはずれ」や「非リーチはずれ」となるか否かを事前判定して保留予告演出を行うように構成することが好ましい。
図26は、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、小当り、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果5指定のいずれかの演出制御コマンド(図13参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS110)。セットされていない場合には、ステップS116に移行する。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別が「通常大当り」であるときには、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS111,S112)。なお、「通常大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」であるか否かを確認することによって判定できる。また、CPU56は、大当りの種別が「確変大当り」であるときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS113,S114)。なお、「確変大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」であるか否かを確認することによって判定できる。そして、「通常大当り」および「確変大当り」のいずれでもないときには(すなわち、「突然確変大当り」であるときには)、CPU56は、表示結果4指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS115)。
一方、CPU56は、大当りフラグがセットされていないときには(ステップS110のN)、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS116)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、表示結果5指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS117)。小当りフラグもセットされていないときは(ステップS116のN)、すなわち、はずれである場合には、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS118)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS119)。
図27は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、まず、合算保留記憶数減算指定コマンドを既に送信済みであるか否かを確認する(ステップS1121)。なお、合算保留記憶数減算指定コマンドを既に送信済みであるか否かは、例えば、後述するステップS1122で合算保留記憶数減算指定コマンドを送信する際に合算保留記憶数減算指定コマンドを送信したことを示す合算保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグをセットするようにし、ステップS1121では、その合算保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグがセットされているか否かを確認するようにすればよい。また、この場合、セットした合算保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグは、特別図柄の変動表示を終了する際や大当りを終了する際に後述する特別図柄停止処理や大当り終了処理でリセットするようにすればよい。
次いで、合算保留記憶数減算指定コマンドを送信済みでなければ、CPU56は、合算保留記憶数減算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1122)。
次いで、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS1125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS1126)、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1127)。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS1128)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図28は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS131)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変フラグ、時短状態であることを示す時短フラグ、および時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタをリセットし(ステップS132)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS133)。具体的には、大当りの種別が「通常大当り」または「確変大当り」である場合には大当り開始指定コマンド(コマンドA001(H))を送信する。また、大当りの種別が突然確変大当りである場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(コマンドA002(H))を送信する。なお、大当りの種別が「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれであるかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)にもとづいて判定される。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS134)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、「通常大当り」や「確変大当り」の場合には15回。「突然確変大当り」の場合には2回。)をセットする(ステップS135)。また、大当り遊技における1ラウンドあたりのラウンド時間もセットされる。具体的には、突然確変大当りの場合には、ラウンド時間として0.1秒がセットされ、通常大当りや確変大当りの場合には、ラウンド時間として29秒がセットされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS136)。
また、ステップS131で大当りフラグがセットされていなければ、CPU56は、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値が0となっているか否かを確認する(ステップS137)。時短回数カウンタの値が0でなければ、CPU56は、時短回数カウンタの値を−1する(ステップS138)。そして、CPU56は、減算後の時短回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS139)、時短フラグをリセットする(ステップS140)。
次いで、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS141)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(コマンドA002(H))を送信する(ステップS142)。また、小当り表示時間タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS143)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば2回)をセットする(ステップS144)。また、小当り遊技における大入賞口の1回あたりの開放時間もセットされる。具体的には、突然確変大当りのラウンド時間と同じ0.1秒が、小当り遊技における大入賞口の1回あたりの開放時間としてセットされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開始前処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS145)。
小当りフラグもセットされていなければ(ステップS141のN)、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS146)。
図29は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS164に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS161)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS162)。ここで、「通常大当り」または「確変大当り」であった場合には大当り終了指定コマンド(コマンドA301(H))を送信し、「突然確変大当り」であった場合には小当り/突然確変大当り終了指定コマンド(コマンドA302(H))を送信する。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS163)、処理を終了する。
ステップS164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する(ステップS164)。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS165)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS165のY)、CPU56は、今回終了する大当りが通常大当りであるか否かを確認する(ステップS166)。なお、「通常大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」であるか否かを確認することによって判定できる。通常大当りであれば、CPU56は、時短フラグをセットして時短状態に移行させる(ステップS167)。また、CPU56は、時短回数カウンタに所定回数(例えば100回)をセットする(ステップS168)。
通常大当りでなければ(すなわち、確変大当りまたは突然確変大当りであれば)、CPU56は、確変フラグをセットして確変状態に移行させる(ステップS169)とともに、時短フラグをセットして時短状態に移行させる(ステップS170)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS171)。
図30は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄表示制御処理(ステップS32)のプログラムの一例を示すフローチャートである。特別図柄表示制御処理では、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認する(ステップS3201)。特別図柄プロセスフラグの値が3であれば(すなわち、特別図柄変動中処理の実行中であれば)、CPU56は、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定または更新する処理を行う(ステップS3202)。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の変動表示を行うための特別図柄表示制御データを設定または更新する。例えば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される特別図柄表示制御データの値を+1する。そして、その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器8a,8bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器8a,8bにおける特別図柄の変動表示が実行される。
特別図柄プロセスフラグの値が3でなければ、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が4であるか否かを確認する(ステップS3203)。特別図柄プロセスフラグの値が4であれば(すなわち、特別図柄停止処理に移行した場合には)、CPU56は、特別図柄通常処理で設定された特別図柄の停止図柄を確定表示するための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する処理を行う(ステップS3204)。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の停止図柄を確定表示するための特別図柄表示制御データを設定する。そして、その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器8a,8bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器8a,8bにおいて特別図柄の停止図柄が確定表示される。なお、ステップS3204の処理が実行され停止図柄表示用の特別図柄表示制御データが設定された後には、設定データの変更が行われないので、ステップS22の表示制御処理では最新の特別図柄表示制御データにもとづいて最新の停止図柄を次の変動表示が開始されるまで確定表示し続けることになる。また、ステップS3201において特別図柄プロセスフラグの値が2または3のいずれかであれば(すなわち、表示結果指定コマンド送信処理または特別図柄変動中処理のいずれかであれば)、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを更新するようにしてもよい。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で認識する変動時間と演出制御用マイクロコンピュータ100側で認識する変動時間との間にズレが生じないようにするため、表示結果指定コマンド送信処理においても変動時間タイマを1減算するように構成すればよい。
なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄表示制御データを出力バッファに設定する場合を示したが、特別図柄プロセス処理において、特別図柄の変動開始時に開始フラグをセットするとともに、特別図柄の変動終了時に終了フラグをセットするようにしてもよい。そして、特別図柄表示制御処理(ステップS32)において、CPU56は、開始フラグがセットされたことにもとづいて特別図柄表示制御データの値の更新を開始するようにし、終了フラグがセットされたことにもとづいて停止図柄を確定表示させるための特別図柄表示制御データをセットするようにしてもよい。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図31は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、演出制御用CPU101は、第4図柄プロセス処理を行う(ステップS706)。第4図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第4図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の第4図柄表示領域9c,9dにおいて第4図柄の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS707)。その後、ステップS702に移行する。
図32は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図13および図14参照)であるのか解析する。なお、演出制御INT信号にもとづく割込処理は、4msごとに実行されるタイマ割込処理に優先して実行される。
図33および図34は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果5指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS619)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS620)。
受信した演出制御コマンドがいずれかの図柄指定コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、受信した図柄指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域に格納する(ステップS622)。
受信した演出制御コマンドがいずれかの変動カテゴリコマンドであれば(ステップS623)、演出制御用CPU101は、受信した変動カテゴリコマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域のうち最新の図柄指定コマンドが格納されている格納領域に格納する(ステップS624)。
受信した演出制御コマンドが第1始動入賞指定コマンドであれば(ステップS625)、演出制御用CPU101は、受信した第1始動入賞指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域のうち最新の図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドが格納されている格納領域に格納する(ステップS626)。また、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cにおいて保留表示を1つ増加させて、合算保留記憶表示部18cにおける合算保留記憶表示を更新する(ステップS627)。なお、ステップS627では、合算保留記憶表示部18cにおいて、通常態様(本例では、青色の丸形表示)の保留表示を1つ増加させる。
受信した演出制御コマンドが第2始動入賞指定コマンドであれば(ステップS628)、演出制御用CPU101は、受信した第2始動入賞指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域のうち最新の図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドが格納されている格納領域に格納する(ステップS629)。また、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cにおいて保留表示を1つ増加させて、合算保留記憶表示部18cにおける合算保留記憶表示を更新する(ステップS630)。なお、ステップS630では、合算保留記憶表示部18cにおいて、通常態様(本例では、青色の丸形表示)の保留表示を1つ増加させる。
受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数指定コマンドであれば(ステップS631)、演出制御用CPU101は、受信した合算保留記憶数指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域のうち最新の図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および始動入賞指定コマンド(第1始動入賞指定コマンド、第2始動入賞指定コマンド)が格納されている格納領域に格納する(ステップS632)。また、演出制御用CPU101は、RAMに設けられた合算保留記憶数保存領域に、合算保留記憶数指定コマンドで指定された合算保留記憶数を格納する(ステップS633)。
受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップS634)、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cにおける保留表示を1つ消去し、残りの保留表示を1つずつシフトして、合算保留記憶表示部18cにおける合算保留記憶数表示を更新する(ステップS635)。また、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数保存領域に格納する合算保留記憶数の値を1減算する(ステップS636)。
また、演出制御用CPU101は、ステップS635で削除した保留表示が特殊表示態様の保留表示であった場合には(ステップS637のY)、保留予告演出の実行中であることを示す保留予告実行フラグをリセットする(ステップS638)。すなわち、この場合、保留予告演出を終了した場合であるので、保留予告実行フラグをリセットする。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS639)。例えば、受信した演出制御コマンドが第1図柄変動指定コマンドであれば第1図柄変動指定コマンド受信フラグをセットし、受信した演出制御コマンドが第2図柄変動指定コマンドであれば第2図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする。そして、ステップS611に移行する。
図35は、図31に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、まず、保留予告演出を決定する保留予告決定処理を実行する(ステップS800A)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。なお、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示と、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示とを、別の演出制御プロセス処理により実行するように構成してもよい。また、この場合、いずれの演出制御プロセス処理により演出図柄の変動表示が実行されているかによって、いずれの特別図柄の変動表示が実行されているかを判断するようにしてもよい。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図36は、保留予告決定処理(ステップS800A)を示すフローチャートである。保留予告決定処理において、演出制御用CPU101は、まず、1セットの始動入賞時のコマンド(すなわち、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンド(第1始動入賞指定コマンドまたは第2始動入賞指定コマンド)、および合算保留記憶数指定コマンドのセット)を新たに受信したか否かを確認する(ステップS6001)。具体的には、始動入賞時コマンド格納領域に1セットの図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンド(第1始動入賞指定コマンドまたは第2始動入賞指定コマンド)、および合算保留記憶数指定コマンドが新たに格納されているか否かを判定することによって確認できる。1セットの始動入賞時のコマンドを新たに受信していなければ、そのまま処理を終了する。
1セットの始動入賞時のコマンドを新たに受信していれば、演出制御用CPU101は、既に保留予告演出の決定済みであることを示す保留予告決定フラグ、または既に保留予告演出を実行中であることを示す保留予告実行フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS6002)。保留予告決定フラグまたは保留予告実行フラグがセットされていれば(すなわち、保留予告演出が既に決定または実行されていれば)、そのまま処理を終了する。
なお、この実施の形態では、ステップS6002の処理が実行されることによって、保留予告演出が既に決定または実行されているときに重ねて保留予告演出を決定する処理を行わないように構成しているが、保留予告演出を既に決定または実行している場合であっても、重ねて保留予告演出を決定可能に構成したり、複数の保留予告演出を並行して実行可能に構成したりしてもよい。
保留予告決定フラグおよび保留予告実行フラグのいずれもセットされていなければ(すなわち、まだ保留予告演出が決定も実行もされていなければ)、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数保存領域(ステップS633,S636参照)に格納されている合算保留記憶数が2以上であるか否かを確認する(ステップS6003)。合算保留記憶数が2以上でなければ(すなわち、保留記憶が1つしかない場合)、そのまま処理を終了する。すなわち、この実施の形態では、始動入賞のタイミングで保留予告演出を決定すると、次の変動表示において(具体的には開始時の保留シフトのタイミングまたは保留変化図柄の確定表示のタイミングで)保留予告演出が開始されるのであるが、始動入賞のタイミングで保留表示が1つしかないということは、次の変動表示では既にその予告対象の保留表示が消去され保留予告演出を実行する余地がないのであるから、保留予告演出を決定することなく、そのまま処理を終了する。
なお、この実施の形態では、保留変化図柄の確定表示のタイミングで予告対象の保留表示を通常表示態様から特殊表示態様に変更して保留予告演出を開始する場合には、後述するように、演出図柄の停止図柄の確定表示のタイミングで保留変化図柄も確定表示されるので、始動入賞のタイミングで保留表示が2つあった場合であっても、保留予告演出の実行期間が極めて短い。そのため、例えば、保留変化図柄の確定表示のタイミングで保留予告演出を開始する場合には、始動入賞のタイミングで保留表示が3以上あることを条件としてもよい。また、例えば、演出図柄の停止図柄の確定表示のタイミングよりも少し早めに保留変化図柄を確定表示するとともに保留予告演出を開始するようにして、保留予告演出の実行期間を確保するようにしてもよい。
また、始動入賞のタイミングで保留表示が1つしかない場合であっても、保留変化図柄の確定表示のタイミング以外のタイミング(例えば、本例では、保留シフトのタイミング)であれば、保留表示の表示態様を変化させて保留予告演出を実行するように構成してもよい。
合算保留記憶数が2以上であれば、演出制御用CPU101は、受信した最新の変動カテゴリコマンドにもとづいて、保留予告演出の有無および保留表示の変化タイミングを決定する(ステップS6004)。なお、ステップS6004では、演出制御用CPU101は、保留予告演出の有無および保留表示の変化タイミングを決定するための保留予告演出決定テーブルを用いて、乱数にもとづく抽選処理を行い、保留予告演出の有無および保留表示の変化タイミングを決定する。
図37は、保留予告演出決定テーブルの具体例を示す説明図である。図37に示すように、この実施の形態では、保留予告演出決定テーブルには、保留予告演出なし、保留予告演出A、および保留予告演出Bに対して、それぞれ判定値が割り振られている。また、図37に示すように、この実施の形態では、保留予告演出の種類として、保留予告演出A、および保留予告演出Bの2種類がある。
この実施の形態では、始動入賞の発生時に「保留予告演出A」の実行を決定した場合には、次の変動表示を開始するときの保留シフトのタイミングで保留表示を通常表示態様から特殊表示態様に変更して保留予告演出の実行を開始する。また、始動入賞の発生時に「保留予告演出B」の実行を決定した場合には、次の変動表示において保留変化図柄演出を実行し保留変化図柄を確定表示するタイミングで保留表示を通常表示態様から特殊表示態様に変更して保留予告演出の実行を開始する。
図37に示すように、この実施の形態では、変動カテゴリコマンドで示される判定結果が非リーチはずれである場合(非リーチCA2−1の変動パターン種別との判定結果であることを示す変動カテゴリ1指定コマンドを受信した場合)や、変動カテゴリコマンドで示される判定結果がスーパーリーチはずれである場合(スーパーCA2−7の変動パターン種別との判定結果であることを示す変動カテゴリ8指定コマンドを受信した場合)、変動カテゴリコマンドで示される判定結果がスーパーリーチ大当りである場合(スーパーCA3−3の変動パターン種別との判定結果であることを示す変動カテゴリ23指定コマンドまたは変動カテゴリ26コマンドを受信した場合)に、保留予告演出の実行が決定される場合がある。
この実施の形態では、図37に示すように、スーパーリーチ(スーパーリーチはずれ、スーパーリーチ大当り)となる場合には、非リーチはずれとなる場合と比較して高い割合で保留予告演出を実行することに決定する。また、図37に示すように、スーパーリーチ大当りとなる場合には、スーパーリーチはずれとなる場合と比較して、保留予告演出Aよりも保留予告演出Bの実行を高い割合で決定する。従って、この実施の形態では、変動開始時の保留シフトのタイミングで保留表示が通常表示態様から特殊表示態様に変化して保留予告演出が実行される場合よりも、変動表示において保留変化図柄演出が実行され保留変化図柄の確定表示のタイミングで保留表示が通常表示態様から特殊表示態様に変化して保留予告演出が実行される場合の方が、大当りに対する期待度(信頼度)が高くなる。
なお、この実施の形態では、保留表示が変化する特殊表示態様が1種類(本例では、赤色の丸形表示)である場合を示しているが、保留表示の変化態様が複数種類あるように構成してもよい。例えば、特殊表示態様として赤色の丸形表示に加えて緑色の丸形表示を設けるようにし、赤色の丸形表示に変化する場合が最も大当りに対する期待度(信頼度)が高く、緑色の丸形表示に変化する場合がその次に大当りに対する期待度(信頼度)が高く、通常表示態様(本例では、青色の丸形表示)のままの場合が最も大当りに対する期待度(信頼度)が低くなるように構成してもよい。そして、そのように構成した上で、変動開始時の保留シフトのタイミングよりも保留変化図柄の確定表示のタイミングの方が赤色の丸形表示に変化する割合が高くなるように判定値を割り振るようにしてもよい。
保留予告演出の実行を決定した場合には(ステップS6005のY)、演出制御用CPU101は、RAMに設けられた保留予告演出記憶領域に、予告対象の保留表示(この時点で合算保留記憶表示部18cに最後に表示されている保留表示)を記憶するとともに、決定した保留表示の変化タイミングを記憶する(ステップS6006)。また、演出制御用CPU101は、保留予告決定フラグをセットする(ステップS6007)。
なお、この実施の形態では、始動入賞が発生した後の次の変動表示において保留シフトまたは保留変化図柄の確定表示のタイミングで保留表示を変化させる場合を示しているが、そのような態様にかぎらず、例えば、始動入賞が発生した後の次の変動表示よりもさらに後の変動表示において、保留シフトや保留変化図柄の確定表示のタイミングで保留表示を変化させることが可能に構成してもよい。また、この場合、例えば、いずれの変動表示で保留表示が変化したかに応じて、大当りやリーチに対する期待度(信頼度)が異なるようにしてもよい。例えば、遅いタイミングで保留表示が変化した方が、早いタイミングで保留表示が変化した場合と比較して、大当りやリーチに対する期待度(信頼度)が高くなるように構成してもよい。
また、この実施の形態では、保留表示が変化するタイミングが保留シフト時と保留変化図柄の確定表示時の2つのタイミングのみである場合を示したが、そのような態様にかぎらず、例えば、変動表示中に作用演出(例えば、キャラクタなどが保留表示に作用するような態様の演出)を実行して保留表示を変化させる場合も設けるようにしてもよい。
図38は、図35に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS813)。なお、前述したように、この実施の形態では、停電復旧時にも表示結果指定コマンドの送信が行われる(ステップS44参照)のであるが、図38に示すように、この実施の形態では、通常時には、変動パターンコマンドを受信したことにもとづいて演出図柄変動開始処理に移行し演出図柄の変動表示を開始するので、変動パターンコマンドを受信することなく表示結果指定コマンドを受信したのみでは演出図柄の変動表示は開始されない。
図39は、図35に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS8000)。次いで、演出制御用CPU101は、ステップS8000で読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS8001)。すなわち、演出制御用CPU101によってステップS8001の処理が実行されることによって、可変表示パターン決定手段が決定した可変表示パターン(変動パターン)に応じて、識別情報の可変表示の表示結果(演出図柄の停止図柄)を決定する表示結果決定手段が実現される。なお、変動パターンコマンドで擬似連が指定されている場合には、演出制御用CPU101は、ステップS8001において、擬似連中の仮停止図柄としてチャンス目図柄(例えば、「223」や「445」のように、リーチとならないものの大当り図柄と1つ図柄がずれている図柄の組み合わせ)も決定する。なお、演出制御用CPU101は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。なお、ステップS8001において、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドにもとづいて大当りであるか否かを判定し、変動パターンコマンドのみにもとづいて演出図柄の停止図柄を決定するようにしてもよい。
図40は、演出表示装置9における演出図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。図40に示す例では、受信した表示結果指定コマンドが「通常大当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が同じ偶数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。また、受信した表示結果指定コマンドが「確変大当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果3指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が同じ奇数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。
また、受信した表示結果指定コマンドが「突然確変大当り」や「小当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果4指定コマンドまたは表示結果5指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として「135」などの演出図柄の組合せを決定する。そして、「はずれ」の場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせを決定する。また、演出表示装置9に導出表示される3図柄の組合せが演出図柄の「停止図柄」である。
演出制御用CPU101は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
なお、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄(左中右が全て同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)を大当り図柄という。また、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。また、確変状態となることを想起させる図柄(この実施の形態では、奇数図柄)を確変図柄ともいい、確変状態とならないことを想起させる図柄(この実施の形態では、偶数図柄)を非確変図柄ともいう。
次いで、演出制御用CPU101は、保留予告決定フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8002)。保留予告決定フラグがセットされていれば(すなわち、保留予告演出が決定されていれば)、演出制御用CPU101は、保留表示の変化タイミングが保留シフト時であるか否かを確認する(ステップS8003)。なお、留表示の変化タイミングが保留シフト時であるか否かは、具体的には、保留予告演出記憶領域(ステップS6006参照)に記憶されている変化タイミングを確認することにより判定できる。
保留表示の変化タイミングが保留シフト時であれば、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cにおいて、予告対象の保留表示を通常表示態様(本例では、青色の丸形表示)から特殊表示態様(本例では、赤色の丸形表示)に変更し、保留予告演出を開始する(ステップS8004)。なお、予告対象の保留表示は、具体的には、保留予告演出記憶領域(ステップS6006参照)の記憶内容を確認することにより特定できる。次いで、演出制御用CPU101は、保留予告決定フラグをリセットするとともに、保留予告実行フラグをセットする(ステップS8005)。
なお、ステップS8004の処理が実行されて保留予告演出が開始されると、その後、変動表示を終了して次の変動表示を開始し保留シフトするごとに、保留表示が1つずつ消去され、予告対象の保留表示も1つずつシフトしていく(ステップS627,S630参照)。そして、予告対象の変動表示の1つ前の変動表示を終了し、予告対象の変動表示の開始時に予告対象の保留表示が消去されることによって、保留予告演出が終了する(ステップS635,S637,S638参照)。
また、この実施の形態では、保留シフト時に特に演出を伴うことなく、そのまま保留表示が変化する場合を示しているが、保留シフト時に何らかの作用演出(例えば、キャラクタが保留表示に作用するような態様の演出)を実行して、保留表示を変化させるようにしてもよい。この場合、例えば、保留表示が変化しない場合であっても、いわゆるガセの作用演出を実行するように構成し、保留表示が変化するか否かに応じて、作用演出に登場するキャラクタの種類や数の選択割合を異ならせるようにしてもよい。また、例えば、保留表示の変化態様が複数態様ある場合に(例えば、赤色の丸形表示に変化する場合と、金色の丸形表示に変化する場合とがある)、保留表示がいずれの態様に変化するかに応じて、作用演出に登場するキャラクタの種類や数の選択割合を異ならせるようにしてもよい。
保留表示の変化タイミングが保留シフト時でなければ(すなわち、保留変化図柄の確定表示時であれば)、演出制御用CPU101は、保留変化図柄演出を実行することを示す保留変化図柄演出フラグをセットする(ステップS8006)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出図柄の変動表示中に演出表示装置9において予告演出を実行するか否かを決定したり予告演出の演出態様を設定する予告演出設定処理を実行する(ステップS8007)。なお、この実施の形態では、予告演出設定処理において、予告演出として、予め定められた順番に従って1段階から複数段階まで演出の態様を段階的に変化させる予告演出を実行可能で、特定表示結果(大当り)とする場合は該特定表示結果としない場合よりも高い割合で所定段階目(例えば、最終段階目)の演出まで演出が行われるステップアップ予告演出の設定を行う。なお、ステップアップ予告演出にかぎらず、予告演出設定処理において、例えば、遊技者の操作を伴うボタン予告演出や、会話予告演出、可動物予告演出、ミニキャラ予告演出、群予告演出など様々な予告演出を設定するように構成してもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、変動パターン、および予告演出を決定した場合には予告演出に応じた通常のプロセステーブルを選択する(ステップS8008)。そして、演出制御用CPU101は、ステップS8008で選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS8009)。
図41は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行う。
図41に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
なお、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
また、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS8010)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS8011)。
次いで、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域の格納領域に格納されている始動入賞時のコマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンド(第1始動入賞指定コマンドまたは第2始動入賞指定コマンド)、および合算保留記憶数指定コマンド)のうち、1つ目の格納領域に格納されている始動入賞時のコマンドを1つ削除し、始動入賞時コマンド格納領域の内容をシフトする(ステップS8012)。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS8013)。
図42は、演出制御プロセス処理における予告演出設定処理(ステップS8007)を示すフローチャートである。予告演出設定処理において、演出制御用CPU101は、まず、保留変化図柄演出フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS6501)。保留変化図柄演出フラグがセットされていなければ(すなわち、保留変化図柄演出を実行する場合でなければ)、ステップS6503に移行する。
保留変化図柄演出フラグがセットされていれば(すなわち、保留変化図柄演出を実行する場合であれば)、演出制御用CPU101は、今回実行する変動表示が短縮変動の変動表示であるか否かを確認する(ステップS6502)。なお、短縮変動の変動表示であるか否かは、具体的には、ステップS8000で読み出した変動パターンコマンドで指定される変動パターンが短縮変動の変動パターン(図6に示す非リーチPA1−2の変動時間3.5秒の変動パターン)であるか否かを確認することにより判定できる。短縮変動の変動表示であれば、そのまま処理を終了する。短縮変動の変動表示でなければ、ステップS6503に移行する。
次いで、演出制御用CPU101は、ステップS8000で読み出した変動パターンコマンドにもとづいて、ステップアップ予告演出の有無および種類を決定する(ステップS6503)。なお、ステップS6503では、演出制御用CPU101は、ステップアップ予告演出の有無および種類を決定するためのステップアップ予告演出決定テーブルを用いて、乱数にもとづく抽選処理を行い、ステップアップ予告演出の有無および種類を決定する。
図43は、ステップアップ予告演出決定テーブルの具体例を示す説明図である。図43に示すように、この実施の形態では、ステップアップ予告演出決定テーブルには、ステップアップ予告演出なし、ステップアップ予告演出A、ステップアップ予告演出B、ステップアップ予告演出C、ステップアップ予告演出D、およびステップアップ予告演出Eに対して、それぞれ判定値が割り振られている。また、図43に示すように、この実施の形態では、ステップアップ予告演出の種類として、ステップアップ予告演出A、ステップアップ予告演出B、ステップアップ予告演出C、ステップアップ予告演出D、およびステップアップ予告演出Eの5種類がある。
この実施の形態では、「ステップアップ予告演出A」の実行を決定した場合には、演出図柄の変動表示中に1段階目のステップ1の演出のみ実行さる。また、「ステップアップ予告演出B」の実行を決定した場合には、演出図柄の変動表示中に1段階目のステップ1の演出から開始して2段階目のステップ2の演出まで実行される。また、「ステップアップ予告演出C」の実行を決定した場合には、演出図柄の変動表示中に1段階目のステップ1の演出から開始して3段階目のステップ3の演出まで実行される。また、「ステップアップ予告演出D」の実行を決定した場合には、演出図柄の変動表示中に1段階目のステップ1の演出から開始して4段階目のステップ4の演出まで実行される。さらに、「ステップアップ予告演出E」の実行を決定した場合には、演出図柄の変動表示中に1段階目のステップ1の演出から開始して5段階目(最終段階目)のステップ5の演出まで実行される。
この実施の形態では、図43に示すように、ステップアップ予告演出において多くのステップの演出まで実行されるに従って、大当りに対する期待度(信頼度)が高くなるように判定値が割り振られている。また、図43に示すように、この実施の形態では、ステップアップ予告演出において、ステップ3の演出まで実行された場合には、少なくともリーチ(ノーマルリーチ、スーパーリーチ)となることが確定する。また、図43に示すように、この実施の形態では、最終段階のステップ5の演出まで実行された場合には、少なくとも、スーパーリーチとなるか大当りとなることが確定する。
なお、ステップアップ予告演出決定テーブルにおける判定値の割り振りの仕方は、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、非リーチはずれであっても、ステップ3〜ステップ5の演出を実行可能に割り振りを行ったり、ノーマルリーチはずれであっても、ステップ5の演出を実行可能に割り振りを行ったりしてもよい。また、例えば、最終段階のステップ5の演出まで実行されれば、大当りが確定するように割り振りを行ってもよい。
ステップアップ予告演出の実行を決定した場合には(ステップS6504のY)、演出制御用CPU101は、RAMに設けられたステップアップ予告演出記憶領域に、決定したステップアップ予告演出の種類を記憶する(ステップS6505)。
なお、この実施の形態では、ステップS6502の処理が実行されることによって、変動時間3.5秒の短縮変動の変動表示において保留変化図柄演出が実行される場合には、ステップアップ予告演出の実行をしないように制限している。
図44は、ステップアップ予告演出および保留変化図柄演出の実行タイミングを示すタイミングチャートである。このうち、図44(A)は、一例として、非リーチはずれの変動時間7.5秒の通常変動の変動表示(図6に示す非リーチPA1−1参照)におけるステップアップ予告演出および保留変化図柄演出の実行タイミングを示している。また、図44(B)は、変動時間3.5秒の短縮変動の変動表示(図6に示す非リーチPA1−2参照)におけるステップアップ予告演出および保留変化図柄演出の実行タイミングを示している。
この実施の形態では、保留変化図柄演出が実行される場合には、図44(A),(B)に示すように、演出図柄の停止図柄が確定表示される所定時間前(例えば、5秒前)に保留変化図柄が「中」の図柄表示エリアに出現し始めて停止表示され、変動表示を終了し演出図柄の停止図柄が確定表示されるタイミングで保留変化図柄も確定表示される(このタイミングで、予告対象の保留表示も通常表示態様から特殊表示態様に変化し保留予告演出が開始される)。なお、図44において、保留変化図柄が停止表示される態様で行われる保留変化図柄演出の演出期間は、保留変化図柄が「中」の図柄表示エリアに出現し始めたときに開始され、演出図柄の停止図柄が確定表示されるタイミングで終了する。
ここで、図43に示すように、この実施の形態では、非リーチはずれとなる場合には、ステップアップ予告演出において2段階目のステップ2の演出まで実行される可能性があるが、図44(A)に示すように、変動時間7.5秒の通常変動の変動表示では、ステップ2の演出まで実行されるステップアップ予告演出と保留変化図柄演出とで演出期間が重ならない。一方、この実施の形態では、図44(B)に示すように、変動時間3.5秒の短縮変動の変動表示では、ステップ2の演出まで実行されるステップアップ予告演出と保留変化図柄演出とで演出期間が一部重複してしまう。そこで、この実施の形態では、ステップS6502の処理が実行されることによって、短縮変動の変動表示において保留変化図柄演出が実行される場合には、ステップアップ予告演出の実行をしないように制限することによって、演出期間が重複した演出が実行されることを防止している。
なお、この実施の形態では、ステップアップ予告演出の実行を禁止する場合を示したが、ステップアップ予告演出の制限の仕方は、この実施の形態で示した態様にかぎられない。例えば、短縮変動の変動表示において保留変化図柄演出が実行される場合に、ステップアップ予告演出の実行割合を低下させることによって制限するようにしてもよい。また、ステップアップ予告演出を一律に禁止するのではなく、例えば、ステップアップ予告演出中の一部のステップの演出のみが重複する可能性があるのであれば、保留変化図柄演出と演出期間が重なるおそれがないステップの演出までしか発展しないステップアップ予告演出であれば実行可能に構成してもよい。例えば、図44(B)に示すように、ステップ1の演出については保留変化図柄演出を重複するおそれがなければ、ステップ1の演出のみ実行するステップアップ予告演出については実行可能に構成してもよい。
このように、この実施の形態において、「ステップアップ予告演出の制限」には、ステップアップ予告演出を禁止することに加えて、ステップアップ予告演出の実行割合を低下させることや、一部の種類のステップアップ予告演出の実行を禁止するなどの概念が含まれる。
なお、この実施の形態では、短縮変動の変動表示において保留変化図柄演出が実行される場合にのみ、ステップアップ予告演出を制限する場合を示しているが、短縮変動の変動表示において保留シフト時に保留表示を変化させる場合であっても、ステップアップ予告演出を制限するように構成してもよい。
また、この実施の形態では、短縮変動の変動表示において保留変化図柄演出が実行される場合にはステップアップ予告演出が制限される一方で、短縮変動以外の変動表示では、保留変化図柄演出が実行される場合であっても、ステップアップ予告演出の実行を制限されずにステップアップ予告演出を実行可能である。なお、短縮変動以外の変動表示であっても、保留変化図柄演出が実行される場合には、ステップアップ予告演出の実行が制限される場合があるように構成してもよい。
また、この実施の形態では、短縮変動の変動表示において保留変化図柄演出およびステップアップ予告演出の両方が実行されることはないように制御されているのであるが、短縮変動の変動表示において保留変化図柄演出のみを単独で実行することは可能であるし、ステップアップ予告演出のみを単独で実行することも可能である。
図45は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、まず、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS8101)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS8102)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS8103)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS8104)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS8105)。
次いで、演出制御用CPU101は、左の演出図柄の停止タイミングとなっているか否かを確認する(ステップS8106)。なお、左の演出図柄の停止タイミングとなっているか否かは、具体的には、ステップS8011でセットされる変動時間タイマの値を確認することにより判定できる。左の演出図柄の停止タイミングとなっていれば、演出制御用CPU101は、ステップS8001で演出図柄表示結果格納領域に格納された演出図柄の停止図柄のうち、左の演出図柄の停止図柄を停止表示させる(ステップS8107)。
左の演出図柄の停止タイミングとなっていなければ、演出制御用CPU101は、右の演出図柄の停止タイミングとなっているか否かを確認する(ステップS8108)。なお、右の演出図柄の停止タイミングとなっているか否かは、具体的には、ステップS8011でセットされる変動時間タイマの値を確認することにより判定できる。右の演出図柄の停止タイミングとなっていれば、演出制御用CPU101は、ステップS8001で演出図柄表示結果格納領域に格納された演出図柄の停止図柄のうち、右の演出図柄の停止図柄を停止表示させる(ステップS8109)。
右の演出図柄の停止タイミングとなっていなければ、演出制御用CPU101は、中の演出図柄の停止タイミングとなっているか否かを確認する(ステップS8110)。なお、中の演出図柄の停止タイミングとなっているか否かは、具体的には、ステップS8011でセットされる変動時間タイマの値を確認することにより判定できる。中の演出図柄の停止タイミングとなっていれば、演出制御用CPU101は、保留変化図柄演出フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8111)。保留変化図柄演出フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、演出表示装置9における「中」の図柄表示エリアにおいて保留変化図柄を停止表示させて、保留変化図柄演出を開始する(ステップS8112)。保留変化図柄演出フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、ステップS8001で演出図柄表示結果格納領域に格納された演出図柄の停止図柄のうち、中の演出図柄の停止図柄を停止表示させる(ステップS8113)。
ステップS8112では、例えば、保留変化図柄として「保留変化」などの文字列を含む図柄を「中」の図柄表示エリアにおいて停止表示させる。なお、停止表示とは、遊技者から見ると見た目上確定表示しているように見えるものの、図柄を上下または左右方向に微変動させたり揺れ変動させたりすることによって完全には図柄が停止していない状態である。
なお、この実施の形態では、中の演出図柄(最後に停止表示する図柄)として保留変化図柄を停止表示させた後に確定表示させる場合を示しているが、この実施の形態で示した態様にかぎらず、例えば、左の演出図柄や右の演出図柄として保留変化図柄を停止表示させた後に確定表示させるようにしてもよい。
そして、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS8114)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS8115)。
図46は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、まず、演出図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8301)。停止図柄表示フラグがセットされていれば、ステップS8309に移行する。この実施の形態では、演出図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、ステップS8308で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときに停止図柄表示フラグがリセットされる。従って、停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を確定表示したがファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、ステップS8303,S8306の演出図柄の停止図柄を表示する処理を実行することなく、ステップS8309に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、保留変化図柄演出フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8302)。保留変化図柄演出フラグがセットされていれば(すなわち、保留変化図柄演出を実行している場合であれば)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において停止表示中の保留変化図柄を含む左中右の演出図柄の停止図柄を確定表示させる制御を行う(ステップS8303)。また、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cにおいて、予告対象の保留表示を通常表示態様(本例では、青色の丸形表示)から特殊表示態様(本例では、赤色の丸形表示)に変更し、保留予告演出を開始する(ステップS8304)。なお、予告対象の保留表示は、具体的には、保留予告演出記憶領域(ステップS6006参照)の記憶内容を確認することにより特定できる。次いで、演出制御用CPU101は、保留予告決定フラグおよび保留変化図柄演出フラグをリセットするとともに、保留予告実行フラグをセットする(ステップS8305)。そして、ステップS8307に移行する。
なお、ステップS8304の処理が実行されて保留予告演出が開始されると、その後、変動表示を終了して次の変動表示を開始し保留シフトするごとに、保留表示が1つずつ消去され、予告対象の保留表示も1つずつシフトしていく(ステップS627,S630参照)。そして、予告対象の変動表示の1つ前の変動表示を終了し、予告対象の変動表示の開始時に予告対象の保留表示が消去されることによって、保留予告演出が終了する(ステップS635,S637,S638参照)。
また、この実施の形態では、保留変化図柄演出が実行される場合であっても、演出図柄変動開始処理のステップS8001において中の演出図柄も含めて演出図柄の停止図柄が決定されているのであるが、ステップS8303では保留変化図柄のみを確定表示させるだけで中の演出図柄は表示しないようにしてもよいし、中の演出図柄を表示した上で、その上に保留変化図柄を上書きで重ねて表示してもよい。また、例えば、保留変化図柄演出が実行される場合には、左右の演出図柄の停止図柄を決定するのみで、中の演出図柄の停止図柄は決定しないようにしてもよい。また、例えば、演出図柄変動開始処理のステップS8001の演出図柄の停止図柄の決定処理において、停止図柄を保留変化図柄とするか否かも決定するようにして、保留変化図柄演出を決定するようなものであってもよい。
また、この実施の形態では、ステップS8304の処理が実行されることによって、保留変化図柄を確定表示させたときのタイミングで保留表示を変化させる場合を示しているが、そのような態様にかぎらず、例えば、保留変化図柄を確定表示させた後、実際に保留表示を変化させるのは次の変動表示を開始するときであってもよい。また、例えば、変動表示中(例えば、保留変化図柄を確定表示させる直前)に保留表示を変化させるようなものであってもよい。
保留変化図柄演出フラグがセットされていなければ(すなわち、保留変化図柄演出を実行していない場合であれば)、演出制御用CPU101は、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において停止表示中の左中右の演出図柄の停止図柄(はずれ図柄、大当り図柄)を確定表示させる制御を行う(ステップS8306)。
次いで、ステップS8303、S8306の処理で大当り図柄および小当り図柄のいずれも表示しなかった場合(すなわち、はずれ図柄を表示した場合)には(ステップS8307のN)、演出制御用CPU101は、ステップS8315に移行する。
ステップS8305の処理で大当り図柄または小当り図柄を確定表示した場合には(ステップS8307のY)、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをセットする(ステップS8308)。
次いで、演出制御用CPU101は、いずれかの大当り開始指定コマンド(大当り開始指定コマンド(コマンドA001(H))、小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(A002(H)))を受信したか否かを確認する(ステップS8309)。なお、いずれかの大当り開始指定コマンドを受信したか否かは、具体的には、コマンド解析処理において、いずれかの大当り開始指定コマンドを受信したことにもとづいてセットされるフラグを確認することにより判定できる。いずれかの大当り開始指定コマンドを受信している場合には、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをリセットし(ステップS8310)、ファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8311)。
そして、演出制御用CPU101は、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(ステップS8312)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS8313)。その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS8314)。
大当りおよび小当りのいずれともしないことに決定されている場合には(ステップS8307のN)、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS8315)。
なお、この実施の形態では、記載を省略しているが、小当りである場合には、小当りに応じた表示を行うように制御する。例えば、小当りである場合には大当りとは異なるのであるから、そのまま大当り表示処理に移行するのではなく、小当り用のプロセステーブルを選択して小当り遊技用の演出を所定期間行うように構成することが望ましい。
次に、保留予告演出および保留変化図柄演出の演出態様の具体例について説明する。図47は、保留予告演出および保留変化図柄演出の演出態様の具体例を示す説明図である。なお、図47において、(1)(2)(3)の順に演出画面の態様が遷移する。また、図47に示す例では、一例として、非リーチはずれの変動時間7.5秒の通常変動の変動表示(図6に示す非リーチPA1−1参照)において、保留予告演出および保留変化図柄演出を実行する場合が示されている。
図47(1)に示すように、左中右の図柄表示エリア9L,9C,9Rにおいて演出図柄の変動表示を実行しているときに、新たな始動入賞が発生したものとする。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、新たな始動入賞にもとづく入賞時判定結果にもとづいて保留予告演出の実行を決定するとともに保留表示の変化タイミングとして保留変化図柄の確定表示時を決定(具体的には、保留予告演出Bの実行を決定)したものとする(ステップS6004参照)。そして、変動時間を経過すると、図47(2)に示すように、変動表示を終了し、演出表示装置9において演出図柄の停止図柄が確定表示される。
次いで、通常変動の変動パターン(非リーチPA1−1)を指定する変動パターンコマンドを受信したことにもとづいて、図47(3)に示すように、左中右の図柄表示エリア9L,9C,9Rにおいて7.5秒の通常変動の演出図柄の変動表示を開始する。この場合、変動表示を開始するときに、予告演出設定処理において、2段階目のステップ2の演出まで発展するステップアップ予告演出(具体的には、ステップアップ予告演出B)の実行を決定したものとする(ステップS6503参照)。
次いで、ステップアップ予告演出の開始タイミングとなると、図47(4)に示すように、演出表示装置9においてキャラクタA200が登場するような態様で、ステップアップ予告演出の1段階目のステップ1の演出が実行される。次いで、2段階目のステップ2の演出の発展タイミングとなると、図47(5)に示すように、演出表示装置9においてキャラクタB201が登場するような態様で、ステップアップ予告演出の2段階目のステップ2の演出が実行される。そして、図47に示す例では、2段階目のステップ2の演出まで発展するステップアップ予告演出(ステップアップ予告演出B)が決定された場合であることから、2段階目のステップ2の演出が終了すると、ステップアップ予告演出が終了する。
なお、この実施の形態では、図47(4),(5)に示すように、「中」の図柄表示エリア付近にキャラクタを表示する態様でステップアップ予告演出を実行する場合を示したが、ステップアップ予告演出の態様は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、演出表示装置9における背景画面を段階的に変化させたり、演出表示装置9に表示されるキャラクタやオブジェクトの数を段階的に変化させたりするなどしてもよく、ステップアップ予告演出の態様として様々なものが考えられる。
次いで、左の演出図柄の停止タイミングとなると、図47(6)に示すように、左の演出図柄の停止図柄が上下または左右に微変動したり揺れ変動したりする態様で停止表示される(ステップS8107参照)。次いで、右の演出図柄の停止タイミングとなると、図47(7)に示すように、右の演出図柄の停止図柄が上下または左右に微変動したり揺れ変動したりする態様で停止表示される(ステップS8109参照)。
次いで、中の演出図柄の停止タイミングとなると、図47(8)に示すように、「中」の図柄表示エリアにおいて保留変化図柄202(例えば、「保留変化」などの文字列を含む図柄)が上下または左右に微変動したり揺れ変動したりする態様で停止表示され、保留変化図柄演出が開始される(ステップS8112参照)。
そして、演出図柄の停止図柄の確定表示のタイミングとなると、図47(9)に示すように、保留変化図柄202を含む左中右の演出図柄の停止図柄が確定表示される(ステップS8303参照)とともに、予告対象の保留表示が通常表示態様(本例では、青色の丸形表示)から特殊表示態様(本例では、赤色の丸形表示)に変化し、保留予告演出が開始される。
なお、図47に示す例では、7.5秒の通常変動の変動表示が実行される場合を示したが、既に説明したように、この実施の形態では、3.5秒の短縮変動の変動表示が実行される場合であって保留変化図柄演出が実行される場合には、ステップアップ予告演出の実行が制限される(ステップS6502参照)。そのように構成することによって、この実施の形態では、ステップアップ予告演出によって保留変化図柄演出の視認を妨げてしまうことを防止し、遊技者が保留表示が変化するか否かなどの必要な情報を見逃してしまうことを防止している。
特に、この実施の形態で示すようにステップアップ予告演出と保留変化図柄との表示領域が重複し、ステップアップ予告演出の方が優先して表示されるように構成されている場合には(図47(4),(5),(8),(9)に示すように、ステップアップ予告演出の方が変動表示よりも前側に表示され、変動表示が見えない)、ステップアップ予告演出と保留変化図柄演出とが重複して実行されてしまうと、保留変化図柄を視認できない事態が生じるおそれがあるが、この実施の形態では、ステップアップ予告演出の実行を制限することにより、そのような事態が生じることを防止している。
なお、図47に示す例では、保留変化図柄が「保留変化」などの文字列を含む図柄である場合を示したが、このような態様にかぎられない。例えば、保留表示が変化することを示唆できるものであれば、通常とは異なる形状(例えば、星形やハート形)の図柄を保留変化図柄として表示したり、通常とは異なる表示色の図柄(例えば、赤色や金色の図柄)を保留変化図柄として表示したりしてもよい。また、例えば、保留表示を変化させるときに、保留変化図柄から何らかのエフェクト(例えば、稲妻や流れ星などの画像)が作用して保留表示が変化するような演出を行ってもよい。
また、この実施の形態では、演出図柄の図柄配列自体には保留変化図柄が配置されておらず、保留変化図柄演出を実行する場合にのみ保留変化図柄が表示される場合を示したが、そのような態様にかぎらず、演出図柄の図柄配列内に保留変化図柄も配置されるようにしてもよい。そして、保留変化図柄演出の有無にかかわらず変動表示中に他の「1」〜「9」などの図柄とともに保留変化図柄も変動表示を行い、保留変化図柄演出を実行する場合にその図柄配列中の保留変化図柄を停止表示させ最終的に確定表示させるようにしてもよい。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、保留表示の表示態様を通常態様(本例では、通常表示態様(青色の丸形表示))とは異なる態様(本例では、特殊表示態様(赤色の丸形表示))に変化させる変化演出(本例では、保留変化図柄演出を実行して、保留表示を通常表示態様から特殊表示態様に変化させる演出)を実行可能であるとともに、特定演出(本例では、ステップアップ予告演出)を実行可能である。また、所定条件の成立(本例では、確変状態や時短状態であること、合算保留記憶数が3以上であること)にもとづいて可変表示期間を短縮した識別情報の可変表示を実行し、可変表示期間を短縮した識別情報の可変表示において変化演出を実行するときに、特定演出の実行を制限する。そのため、特定演出によって変化演出の視認を妨げてしまうことを防止することができる。
また、この実施の形態によれば、変化演出として、保留表示の表示態様が変化することを示す保留表示変化識別情報(本例では、保留変化図柄(図47(8),(9)に示す「保留変化」などの文字列を含む図柄))を表示する演出(本例では、保留変化図柄演出)を実行し、識別情報の可変表示に優先して特定演出を表示する制御を行う(本例では、図47(4),(5),(8),(9)に示すように、ステップアップ予告演出が変動表示に優先して表示される)。そのため、特定演出によって変化演出として表示される保留表示変化識別情報の視認を妨げてしまうことを防止することができる。
なお、この実施の形態では、保留変化図柄演出が実行されると、必ず保留表示が変化する場合を示したが、そのような態様にかぎらず、例えば、保留変化図柄演出が実行されても保留表示が変化しないいわゆるガセの保留変化図柄演出が設けられていてもよい。
また、この実施の形態では、変化演出として保留変化図柄を表示する保留変化図柄演出を実行する場合を示しているが、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、保留表示が変化することを示唆できるものであれば、キャラクタなどが保留表示に作用するような態様で作用演出を実行したりしてもよい。また、作用演出も実行可能に構成する場合であっても、保留変化図柄演出が実行される場合にのみ特定演出が制限されるように構成してもよいし、作用演出が実行される場合であっても特定演出が制限されるように構成してもよい。さらに、保留シフト時に保留表示が変化する場合であっても特定演出が制限されるように構成してもよい。
また、この実施の形態では、特定演出としてステップアップ予告演出を実行する場合を示しているが、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、特定演出として、遊技者の操作を伴うボタン予告演出(例えば、操作が行われたことにもとづいてキャラクタがカットイン表示される演出)や、キャラクタ同士で会話を行うような態様の会話予告演出を実行するように構成し、これらボタン予告演出や会話予告演出の実行を制限するように構成してもよい。
また、さらに、可動物予告演出や、ミニキャラ予告演出、群予告演出など様々な予告演出を実行可能に構成し、短縮変動の変動表示において保留変化図柄演出が実行される場合に、ステップアップ予告演出やボタン予告演出、会話予告演出など一部の予告演出については特定演出として実行を制限する一方で、他の予告演出については実行を制限しないものがあるように構成してもよい。この場合、例えば、変動表示や保留変化図柄に優先して実行され保留変化図柄の視認を妨げるおそれがある予告演出については実行を制限するようにし、保留変化図柄の視認を妨げるおそれがないような態様で実行される予告演出については実行を制限しないように構成してもよい。
また、複数種類の予告演出を実行可能に構成する場合、一般に予告演出によって演出期間が異なることから、予告演出の演出期間に応じて特定演出を制限したり制限しなかったりしてもよい。例えば、演出期間が長い予告演出については、一般に保留変化図柄演出の視認や遊技者の注目を妨げるおそれが大きいと思われることから、特定演出の実行を制限するようにし、演出期間が短い予告演出については、一般に保留変化図柄演出の視認や遊技者の注目を妨げるおそれが小さいと思われることから、特定演出の実行を制限しないようにしてもよい。
実施の形態2.
第1の実施の形態では、合算保留記憶表示部18cにおける保留表示を通常表示態様から特殊表示態様に変化させて保留予告演出を実行する場合を示したが、さらに、現在実行中の変動表示に対応した所定表示が表示されるアクティブ表示領域が設けられた遊技機において、アクティブ表示領域に表示する所定表示を通常表示態様から特殊表示態様に変化可能に構成してもよい。以下、アクティブ表示領域に表示する所定表示を通常表示態様から特殊表示態様に変化可能に構成した第2の実施の形態について説明する。
なお、この実施の形態において、第1の実施の形態と同様の構成および処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として第1の実施の形態と異なる部分について説明する。
図48は、第2の実施の形態におけるパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図48に示すように、この実施の形態では、演出表示装置9の表示画面の左方には、現在実行中の変動表示に対応した所定表示が表示されるアクティブ表示領域9Aが設けられている。この実施の形態では、アクティブ表示領域9Aには、所定表示として、合算保留記憶表示部18cに表示される保留表示と同様の態様の表示が行われる。以下、アクティブ表示領域9Aに表示される保留表示と同様の態様の表示をアクティブ保留表示ともいう。なお、現在実行中の変動表示に対応した表示であることが認識できるものであれば、必ずしも保留表示と同様の態様の表示である必要はなく、他の図形やキャラクタなどを表示してもよい。
図49は、第2の実施の形態における保留予告演出決定テーブルの具体例を示す説明図である。この実施の形態では、図49に示すように、保留予告演出決定テーブルにおいて、第1の実施の形態で示した保留予告演出Aや保留予告演出Bに代えて、保留予告演出C、保留予告演出D、保留予告演出E、および保留予告演出Fの4種類の保留予告演出が設けられている。
この実施の形態では、始動入賞の発生時に「保留予告演出C」の実行を決定した場合には、次の変動表示において高速変動時に所定の作用演出を実行し、その作用演出結果が失敗であったかのような態様の演出を実行して、保留表示を通常表示態様のまま変化させない。例えば、キャラクタが保留表示を弓矢で狙ったり、流れ星が保留表示の方に向かって行ったりするような態様の作用演出を実行し、その矢や流れ星が保留表示をはずれて保留表示が変化しないような態様の演出を実行する。
また、始動入賞の発生時に「保留予告演出D」の実行を決定した場合には、次の変動表示において高速変動時に所定の作用演出を実行し、その作用演出結果が成功であったかのような態様の演出を実行して、保留表示を通常表示態様から特殊表示態様に変化させる。例えば、キャラクタが保留表示を弓矢で狙ったり、流れ星が保留表示の方に向かって行ったりするような態様の作用演出を実行し、その矢や流れ星が予告対象の保留表示に命中して保留表示が特殊表示態様に変化するような態様の演出を実行する。
また、始動入賞の発生時に「保留予告演出E」の実行を決定した場合には、次の変動表示においてリーチ発生時(ノーマルリーチ発生時。スーパーリーチ発展時でもよい。)に所定の作用演出を実行し、その作用演出結果が失敗であったかのような態様の演出を実行して、保留表示を通常表示態様のまま変化させない。例えば、キャラクタが保留表示を弓矢で狙ったり、流れ星が保留表示の方に向かって行ったりするような態様の作用演出を実行し、その矢や流れ星が保留表示をはずれて保留表示が変化しないような態様の演出を実行する。
また、始動入賞の発生時に「保留予告演出F」の実行を決定した場合には、次の変動表示においてリーチ発生時(ノーマルリーチ発生時。スーパーリーチ発展時でもよい。)に所定の作用演出を実行し、その作用演出結果が成功であったかのような態様の演出を実行して、保留表示を通常表示態様から特殊表示態様に変化させる。例えば、キャラクタが保留表示を弓矢で狙ったり、流れ星が保留表示の方に向かって行ったりするような態様の作用演出を実行し、その矢や流れ星が予告対象の保留表示に命中して保留表示が特殊表示態様に変化するような態様の演出を実行する。
なお、作用演出の態様は、この実施の形態で示したものにかぎらず、保留表示に対して何らかの作用を行い、その結果が成功であるか失敗であるかを認識可能な態様であれば、様々な態様の作用演出を実行可能である。
図49に示すように、この実施の形態では、高速変動時に所定の作用演出が出現する場合と比較して、リーチ発生時に所定の作用演出が出現する場合の方が、作用演出の結果が成功となり保留表示が特殊表示態様に変化して保留予告演出が実行される割合が高い。従って、この実施の形態では、変動表示中の遅いタイミングで所定の作用演出が出現した方が、作用演出の結果が成功となり保留表示が特殊表示態様に変化することに対する期待感が高くなる。
図50は、第2の実施の形態における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。この実施の形態において、ステップS8000,S8001,S8007〜S8010の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。ステップS8010で変動時間タイマに変動時間に相当する値を設定すると、演出制御用CPU101は、今回開始する変動表示に対応する保留表示が特殊表示態様であるか否かを確認する(ステップS8010A)。この実施の形態では、変動開始時に送信されるコマンドは、背景指定コマンド、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、および合算保留記憶数減算指定コマンドの順にタイマ割込ごとの間隔(4msの間隔)で送信される(図23〜図27参照)。従って、表示結果指定コマンドまでを受信した段階で実行される演出図柄変動開始処理では未だ合算保留記憶数減算指定コマンドを受信しておらず、ステップS8010Aの段階では、保留表示はまだシフトされず合算保留記憶表示部18cに今回開始する変動表示に対応する保留表示がまだ残っている筈である。そこで、ステップS8010Aでは、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cに表示されている1つ目の保留表示(今回開始される変動表示に対応する保留表示)が特殊表示態様であるか否かを判定する。
今回開始する変動表示に対応する保留表示が特殊表示態様である場合には、演出制御用CPU101は、今回開始する変動表示に対応する保留表示と同様の特殊表示態様でアクティブ表示領域9Aに所定表示を表示する(ステップS8010B)。具体的には、合算保留記憶表示部18cに表示されている1つ目の保留表示が赤色の保留表示であった場合には、アクティブ表示領域9Aに赤色の所定表示(アクティブ保留表示)を表示する。
一方、今回開始する変動表示に対応する保留表示が特殊表示態様でない場合(すなわち、通常表示態様の保留表示である場合)には、演出制御用CPU101は、アクティブ表示領域9Aに通常表示態様の保留表示と同様の態様の所定表示(本例では、青色の丸形表示)を表示する(ステップS8010C)。
なお、ステップS8010A〜S8010Cでアクティブ表示領域9Aに所定表示(アクティブ保留表示)を表示した後、次のタイマ割込(4ms後)に合算保留記憶数減算指定コマンドを受信し、合算保留記憶表示部18cから1つ目の保留表示が消去されるのであるから、遊技者から見ると、合算保留記憶表示部18cの1つ目の保留表示がアクティブ表示領域9Aに殆ど同時に移行したように見える。
また、この実施の形態では、既に保留予告演出が実行され、合算保留記憶表示部18cにおいて特殊表示態様の保留表示が表示されている場合には、ステップS8010Bの処理が実行されることによって、その特殊表示態様がアクティブ保留表示にまで引き継がれる。従って、この実施の形態では、保留予告演出が開始されると、実質的に予告対象の変動表示が終了するまで保留予告演出が継続されることになる。
次いで、演出制御用CPU101は、演出図柄の変動表示中に演出表示装置9においてアクティブ保留演出(アクティブ保留表示を変化させる演出)を実行するか否かを決定したりアクティブ保留演出の演出態様を設定するアクティブ保留演出設定処理を実行する(ステップS8010D)。
なお、ステップS8011,S8012の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
図51は、第2の実施の形態におけるアクティブ保留演出設定処理(ステップS8010D)を示すフローチャートである。アクティブ保留演出設定処理において、演出制御用CPU101は、まず、保留予告決定フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS6601)。保留予告決定フラグがセットされていれば(すなわち、保留予告演出C〜Fのいずれかを実行する場合であれば)、そのまま処理を終了する。すなわち、今回の変動表示において保留予告演出C〜Fのいずれかが実行されて保留表示が変化する可能性があるにもかかわらず、重ねてアクティブ保留表示も変化させる演出を実行したのでは、却って演出が煩わしくなるので、アクティブ保留演出の決定を行わないようにしている。なお、合算保留記憶表示部18cにおける保留表示の変化とアクティブ表示領域9Aにおけるアクティブ保留表示の変化とを同じ変動表示において実行可能に構成しても構わない。
保留予告決定フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、ステップS8000で読み出した変動パターンコマンドにもとづいて、アクティブ保留演出の有無および種類を決定する(ステップS6602)。なお、ステップS6602では、演出制御用CPU101は、アクティブ保留演出の有無および種類を決定するためのアクティブ保留演出決定テーブルを用いて、乱数にもとづく抽選処理を行い、アクティブ保留演出の有無および種類を決定する。
図52は、第2の実施の形態におけるアクティブ保留演出決定テーブルの具体例を示す説明図である。図52に示すように、この実施の形態では、アクティブ保留演出決定テーブルには、アクティブ保留演出なし、アクティブ保留演出A、アクティブ保留演出B、アクティブ保留演出C、およびアクティブ保留演出Dに対して、それぞれ判定値が割り振られている。また、図52に示すように、この実施の形態では、アクティブ保留演出の種類として、アクティブ保留演出A、アクティブ保留演出B、アクティブ保留演出C、およびアクティブ保留演出Dの4種類がある。
この実施の形態では、始動入賞の発生時に「アクティブ保留演出A」の実行を決定した場合には、今回の変動表示において高速変動時に所定の作用演出を実行し、その作用演出結果が失敗であったかのような態様の演出を実行して、アクティブ保留表示を通常表示態様のまま変化させない。例えば、キャラクタがアクティブ保留表示を弓矢で狙ったり、流れ星がアクティブ保留表示の方に向かって行ったりするような態様の作用演出を実行し、その矢や流れ星がアクティブ保留表示をはずれてアクティブ保留表示が変化しないような態様の演出を実行する。
また、始動入賞の発生時に「アクティブ保留演出B」の実行を決定した場合には、今回の変動表示において高速変動時に所定の作用演出を実行し、その作用演出結果が成功であったかのような態様の演出を実行して、アクティブ保留表示を通常表示態様から特殊表示態様に変化させる。例えば、キャラクタがアクティブ保留表示を弓矢で狙ったり、流れ星がアクティブ保留表示の方に向かって行ったりするような態様の作用演出を実行し、その矢や流れ星が予告対象のアクティブ保留表示に命中してアクティブ保留表示が特殊表示態様に変化するような態様の演出を実行する。
また、始動入賞の発生時に「アクティブ保留演出C」の実行を決定した場合には、今回の変動表示においてリーチ発生時(ノーマルリーチ発生時。スーパーリーチ発展時でもよい。)に所定の作用演出を実行し、その作用演出結果が失敗であったかのような態様の演出を実行して、アクティブ保留表示を通常表示態様のまま変化させない。例えば、キャラクタがアクティブ保留表示を弓矢で狙ったり、流れ星がアクティブ保留表示の方に向かって行ったりするような態様の作用演出を実行し、その矢や流れ星がアクティブ保留表示をはずれてアクティブ保留表示が変化しないような態様の演出を実行する。
また、始動入賞の発生時に「アクティブ保留演出D」の実行を決定した場合には、今回の変動表示においてリーチ発生時(ノーマルリーチ発生時。スーパーリーチ発展時でもよい。)に所定の作用演出を実行し、その作用演出結果が成功であったかのような態様の演出を実行して、アクティブ保留表示を通常表示態様から特殊表示態様に変化させる。例えば、キャラクタがアクティブ保留表示を弓矢で狙ったり、流れ星がアクティブ保留表示の方に向かって行ったりするような態様の作用演出を実行し、その矢や流れ星が予告対象のアクティブ保留表示に命中してアクティブ保留表示が特殊表示態様に変化するような態様の演出を実行する。
なお、この実施の形態において、アクティブ保留演出A〜Dの演出態様は、保留予告演出C〜Fの演出態様と同様である。また、作用演出の態様は、この実施の形態で示したものにかぎらず、アクティブ保留表示に対して何らかの作用を行い、その結果が成功であるか失敗であるかを認識可能な態様であれば、様々な態様の作用演出を実行可能である。また、この実施の形態では、アクティブ保留演出A〜Dと保留予告演出C〜Fとで同様の演出態様とする場合を示しているが、演出態様を異ならせても構わない。
図52に示すように、この実施の形態では、高速変動時に所定の作用演出が出現する場合と比較して、リーチ発生時に所定の作用演出が出現する場合の方が、作用演出の結果が成功となりアクティブ保留表示が特殊表示態様に変化して保留予告演出が実行される割合が高い。従って、この実施の形態では、変動表示中の遅いタイミングで所定の作用演出が出現した方が、作用演出の結果が成功となりアクティブ保留表示が特殊表示態様に変化することに対する期待感が高くなる。
アクティブ保留演出の実行を決定した場合には(ステップS6603のY)、演出制御用CPU101は、アクティブ保留演出を実行することを示すアクティブ保留演出フラグをセットする(ステップS6604)。また、演出制御用CPU101は、RAMに設けられたアクティブ保留演出記憶領域に、決定したアクティブ保留演出の種類を記憶する(ステップS6605)。
図53は、第2の実施の形態における演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。この実施の形態において、ステップS8101〜S8105の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
次いで、演出制御用CPU101は、保留予告決定フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8106A)。保留予告決定フラグがセットされていれば(すなわち、保留予告演出C〜Fのいずれかを実行する場合であれば)、演出制御用CPU101は、作用演出の開始タイミングとなっているか否かを確認する(ステップS8106B)。なお、作用演出の開始タイミングとなっているか否かは、具体的には、ステップS8011でセットされる変動時間タイマの値を確認することにより判定できる。また、ステップS8106Bでは、保留予告演出C,Dの実行が決定されている場合であれば、高速変動時の作用演出の開始タイミングとなっているか否かを確認し、保留予告演出E,Fの実行が決定されている場合であれば、リーチ発生時の作用演出の開始タイミングとなっているか否かを確認する。作用演出の開始タイミングとなっていれば、演出制御用CPU101は、作用演出の実行を開始する制御を行う(ステップS8106C)。
作用演出の開始タイミングでなければ、演出制御用CPU101は、作用演出の終了タイミングとなっているか否かを確認する(ステップS8106D)。なお、作用演出の終了タイミングとなっているか否かは、具体的には、ステップS8011でセットされる変動時間タイマの値を確認することにより判定できる。また、ステップS8106Dでは、保留予告演出C,Dの実行が決定されている場合であれば、高速変動時の作用演出の終了タイミングとなっているか否かを確認し、保留予告演出E,Fの実行が決定されている場合であれば、リーチ発生時の作用演出の終了タイミングとなっているか否かを確認する。作用演出の終了タイミングとなっていれば、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cにおいて、予告対象の保留表示を通常表示態様(本例では、青色の丸形表示)から特殊表示態様(本例では、赤色の丸形表示)に変更し、保留予告演出を開始する(ステップS8106E)。次いで、演出制御用CPU101は、保留予告決定フラグをリセットするとともに、保留予告実行フラグをセットする(ステップS8106F)。
次いで、演出制御用CPU101は、アクティブ保留演出フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8106G)。アクティブ保留演出フラグがセットされていれば(すなわち、アクティブ保留演出を実行する場合であれば)、演出制御用CPU101は、作用演出の開始タイミングとなっているか否かを確認する(ステップS8106H)。なお、作用演出の開始タイミングとなっているか否かは、具体的には、ステップS8011でセットされる変動時間タイマの値を確認することにより判定できる。また、ステップS8106Hでは、アクティブ保留演出A,Bの実行が決定されている場合であれば、高速変動時の作用演出の開始タイミングとなっているか否かを確認し、アクティブ保留演出C,Dの実行が決定されている場合であれば、リーチ発生時の作用演出の開始タイミングとなっているか否かを確認する。作用演出の開始タイミングとなっていれば、演出制御用CPU101は、作用演出の実行を開始する制御を行う(ステップS8106I)。
作用演出の開始タイミングでなければ、演出制御用CPU101は、作用演出の終了タイミングとなっているか否かを確認する(ステップS8106J)。なお、作用演出の終了タイミングとなっているか否かは、具体的には、ステップS8011でセットされる変動時間タイマの値を確認することにより判定できる。また、ステップS8106Jでは、アクティブ保留演出A,Bの実行が決定されている場合であれば、高速変動時の作用演出の終了タイミングとなっているか否かを確認し、アクティブ保留演出C,Dの実行が決定されている場合であれば、リーチ発生時の作用演出の終了タイミングとなっているか否かを確認する。作用演出の終了タイミングとなっていれば、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cにおいて、アクティブ保留表示を通常表示態様(本例では、青色の丸形表示)から特殊表示態様(本例では、赤色の丸形表示)に変更する(ステップS8106K)。次いで、演出制御用CPU101は、アクティブ保留演出フラグをリセットする(ステップS8106L)。
なお、ステップS8106〜S8115の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、識別情報の可変表示の実行中に該識別情報の可変表示に対応する対応表示(本例では、アクティブ保留表示)を行い、対応表示の表示態様を通常態様(本例では、通常表示態様(青色の丸形表示))とは異なる態様(本例では、特殊表示態様(赤色の丸形表示))に変化させる。そのため、実行中の識別情報の可変表示に対する演出効果を向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、保留表示の表示態様が変化することを示唆する演出および対応表示の表示態様が変化することを示唆する演出として、共通態様の示唆演出(本例では、作用演出)を実行する(本例では、保留予告演出C〜Fとアクティブ保留演出A〜Dとで同様の演出態様を実行する。そのため、示唆演出に対しても注目させることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、識別情報の可変表示中の複数のタイミング(本例では、高速変動時とリーチ発生時)において対応表示の表示態様を変化させることが可能であり、対応表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出(本例では、作用演出)を実行するとともに、示唆演出を実行した後に対応表示の表示態様が変化することを報知する成功報知演出または対応表示の表示態様が変化しないことを報知する失敗報知演出を実行する(本例では、作用演出の作用演出結果が成功または失敗であったかのような態様の演出を実行する)。そして、複数のタイミングのうちのいずれのタイミングにおいて示唆演出が実行されるかに応じて異なる割合で成功報知演出を実行する(本例では、図52に示すように、高速変動時よりもリーチ発生時の方が作用演出結果が成功となる割合が高い)。そのため、示唆演出の実行タイミングにも注目させることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、この実施の形態では、保留予告演出やアクティブ保留演出において、高速変動時よりもリーチ発生時の方が作用演出結果が成功となる割合が高くなる場合を示したが、そのような態様にかぎらず、例えば、リーチ発生時よりも高速変動時の方が作用演出結果が成功となる割合が高くなるように構成してもよい。
また、この実施の形態では、演出図柄の変動表示中に作用演出を実行して保留表示やアクティブ保留表示を変化させる場合を示したが、さらに、第1の実施の形態で示した構成を適用して、作用演出の実行時に加えて、保留シフトのタイミングや、保留変化図柄演出を実行して保留変化図柄の確定表示のタイミングで保留表示やアクティブ保留表示を変化可能に構成してもよい。
また、例えば、保留表示やアクティブ保留表示の特殊表示態様の種類が複数種類あるように構成し、保留予告演出とアクティブ保留演出とを連動して実行可能に構成してもよい。例えば、特殊表示態様として赤色が最も大当りやリーチに対する期待度(信頼度)が高く、次に黄色が2番目に期待度(信頼度)が高く、次に緑色が3番目に期待度(信頼度)が高く、通常表示態様(青色)が最も期待度(信頼度)が低い場合に、先読み予告演出としての保留予告演出において緑色や黄色に保留表示を変化させた後、予告対象の変動表示においてアクティブ保留表示を赤色に変化させるような段階的な演出を行ってもよい。この場合、始動入賞の発生時に保留予告演出中の変化態様からアクティブ保留表示の変化態様までを含む変化パターンを一括して決定するように構成してもよいし、始動入賞時には保留予告演出中の変化パターンのみを決定し、予告対象の変動表示の開始時にアクティブ保留表示の変化パターンを決定し、それぞれ個別に決定するように構成してもよい。
実施の形態3.
第1の実施の形態または第2の実施の形態で示した構成において、さらに、保留表示の表示態様を特殊態様(例えば、白色または灰色)に変化させるときに複数種類の作用演出を実行可能に構成してもよい。以下、複数種類の作用演出を実行可能に構成する第3の実施の形態について説明する。
なお、この実施の形態において、第1の実施の形態または第2の実施の形態と同様の構成および処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として第1の実施の形態または第2の実施の形態と異なる部分について説明する。
この実施の形態では、第1の実施の形態または第2の実施の形態で示した構成に加えて、演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、保留表示設定処理を実行する。例えば、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理において、第1の実施の形態および第2の実施の形態で示した保留予告決定処理(ステップS800A)に加えて、保留表示設定処理を実行可能とし、新たな始動入賞が発生すると、保留予告演出処理(ステップS800A)または保留表示設定処理のいずれかを選択して実行するものとする。なお、保留予告演出処理(ステップS800A)または保留表示設定処理のいずれを実行するかは、例えば、遊技状態が確変状態または時短状態であるか否かによって選択してもよいし、複数の演出モードに制御可能に構成された遊技機において、いずれの演出モードに制御されているかによって選択してもよい。
なお、この実施の形態において、第1始動入賞時コマンドバッファおよび第2始動入賞時コマンドバッファは、第1実施の形態または第2の実施の形態で示した始動入賞時コマンド格納領域に相当する。また、第1保留表示領域や第2保留表示領域は、第1実施の形態または第2の実施の形態で示した合算保留記憶表示部18cに相当する(ただし、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを個別に表示しているか、合算保留記憶数を表示しているかの点で異なる)。
また、この実施の形態では、保留表示図柄の表示態様として、通常態様、特殊態様、予告態様が用意されている。通常態様は、通常のときの表示態様である。特殊態様は、通常態様とは異なり、所定のときの表示態様である。予告態様は、大当り期待度を予告する態様である。この実施の形態では、保留表示図柄の表示色によって、互いに異なる表示態様が表現される(図55参照)。通常態様では、保留表示図柄の色が青色になる。特殊態様では、保留表示図柄の色が白色または灰色になる。予告態様では、保留表示図柄の色が、黄色、緑色、赤色、虹色のうちのいずれかになる。なお、保留表示図柄の形状は、演出モードに応じて異なるようになっている。この実施の形態では、保留表示図柄は、通常モードのときに丸印であり、確変モードのときに四角印である。
図54は、第3の実施の形態における保留表示設定処理の一例を示すフローチャートである。図54に示す保留表示設定処理では、演出制御用CPU101は、まず、第1始動入賞時コマンドバッファおよび第2始動入賞時コマンドバッファをチェックし(ステップS501)、新たな受信コマンド(始動入賞時コマンド)が保留表示番号「1」〜「4」のいずれかに対応する格納領域に格納されているかを判定する(ステップS502)。新たな受信コマンドが格納されていない場合には(ステップS502;No)、保留表示設定処理を終了する。
新たな受信コマンド(始動入賞時コマンド)が保留表示番号「1」〜「4」のいずれかに対応する格納領域に格納されている場合には(ステップS502;Yes)、当該受信コマンドに含まれる図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドが始動入賞時の「判定なし」を指定するものであるかを判定する(ステップS503)。
「判定なし」を指定するものでない場合(ステップS503;No)、通常態様以外の表示態様で保留表示図柄が現在表示されているか、通常態様以外の表示態様に変化させる予定の保留表示図柄が現在表示されているかを判定する(ステップS504)。この判定は、例えば、RAMの所定領域に設けられたターゲットフラグの状態をチェックして行えばよい。ターゲットフラグは、保留表示図柄の表示態様を現在または将来的に通常態様以外の表示態様にする場合にオン状態になるものであるので、オン状態のターゲットフラグがあると、通常態様以外の表示態様で保留表示図柄が現在表示されている、または、通常態様以外の表示態様に変化させる予定の保留表示図柄が現在表示されていると判定できる。
ターゲットフラグが全てオフ状態であるなどして、通常態様以外の表示態様で保留表示図柄が現在表示されていない、かつ、通常態様以外の表示態様に変化させる予定の保留表示図柄が現在表示されていない場合(ステップS504;No)、第1始動入賞時コマンドバッファおよび第2始動入賞時コマンドバッファのうちの新たな受信コマンドが格納されているバッファに始動入賞時コマンドが3つ以上格納されているか(保留記憶数が3つ以上であるか)を判定する(ステップS505)。
始動入賞時コマンドが3つ以上格納されている場合(ステップS505;Yes)、保留表示パターンを決定する(ステップS506)。
ここで、保留表示図柄について説明する。保留表示図柄は、演出モードに応じて態様(形状)が異なって継続表示される。ここでは、通常モードのときに、保留表示図柄は丸印となり、確変モードのときに、保留表示図柄は四角印となる。
また、保留表示図柄の表示態様(ここでは表示色)として、通常態様(青色)、特殊態様(白色および灰色)、予告態様(黄色、緑色、赤色、および、虹色)とがある(図55参照)。予告態様のうち、黄色は、大当り期待度が低く設定されている。例えば、保留表示図柄が最後に黄色だった場合には、大当り期待度は低い。予告態様のうち、緑色は、大当り期待度が中程に設定されている。例えば、保留表示図柄が最後に緑色だった場合には、大当り期待度は中程度になる。予告態様のうち、赤色は、大当り期待度が高く設定されている。例えば、保留表示図柄が最後に赤色だった場合には、大当り期待度は高い。予告態様のうち、赤色は、大当り期待度が高く設定されている。例えば、保留表示図柄が最後に赤色だった場合には、大当り期待度は高い。
また、同じ始動入賞時コマンドバッファ内に3つ以上の始動入賞時コマンドが格納されているとき(第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が3以上のとき)、保留表示図柄(ターゲット)の表示態様は変化することがある。当該表示態様の変化は、複数回の飾り図柄の可変表示にわたって行われる。
具体的には、図56(A)のように、同じ始動入賞時コマンドバッファ内に3つ目の始動入賞時コマンドが格納されたとき(つまり、第1特図または第2特図における3つ目の保留記憶が発生したとき)、発生時に実行されている飾り図柄の可変表示(特図ゲームでもよい。)の次の可変表示(次変動)および次の次の可変表示(次次変動)において、前記3つ目の始動入賞時コマンドに対応する保留表示図柄(ターゲットであり、可変表示の実行ごとに表示位置が左にずれていく。)の表示態様を変化させることができる。また、この実施の形態では、ターゲットに対応する識別情報の可変表示が実行されるときに、今回表示した保留表示図柄(ターゲット)の表示態様も変化させることができる。
具体的には、図56(B)のように、同じ始動入賞時コマンドバッファ内に4つ目の始動入賞時コマンドが格納されたとき(つまり、第1特図または第2特図における4つ目の保留記憶が発生したとき)、発生時に実行されている飾り図柄の可変表示(特図ゲームでもよい。)の次の可変表示(次変動)、次の次の可変表示(次次変動)、および、次の次の次の可変表示(次次次変動)において、前記4つ目の始動入賞時コマンドに対応する保留表示図柄(ターゲットであり、可変表示の実行ごとに表示位置が左にずれていく。)の表示態様を変化させることができる。また、この実施の形態では、ターゲットに対応する識別情報の可変表示が実行されるときに、今回表示した保留表示図柄(ターゲット)の表示態様も変化させることができる。
ステップS506では、ターゲットの表示開始時(当該保留発生時)、次変動、次次変動、次次次変動における保留表示図柄(ターゲット)の表示態様のパターン(保留表示パターン)を決定する。ステップS506では、演出モード、保留発生時の保留記憶数、変動カテゴリに応じて、図57から図76のいずれかの保留表示パターン決定テーブルを参照して、保留表示パターンを決定する。
演出モードが通常モードであり、当該ターゲットが保留記憶3つ目(つまり、第1特図または第2特図における3つ目の保留記憶が発生したとき)である場合、変動カテゴリが変動カテゴリPA1またはPA2であるときには、図57の保留表示パターン決定テーブルを参照し、変動カテゴリが変動カテゴリPA3であるときには、図58の保留表示パターン決定テーブルを参照し、変動カテゴリが変動カテゴリPA4またはPA5であるときには、図59の保留表示パターン決定テーブルを参照し、変動カテゴリが変動カテゴリPB3であるときには、図60の保留表示パターン決定テーブルを参照し、変動カテゴリが変動カテゴリPB4またはPB5であるときには、図61の保留表示パターン決定テーブルを参照する。
演出モードが確変モードであり、当該ターゲットが保留記憶3つ目(つまり、第1特図または第2特図における3つ目の保留記憶が発生したとき)である場合、変動カテゴリが変動カテゴリPA1またはPA2であるときには、図62の保留表示パターン決定テーブルを参照し、変動カテゴリが変動カテゴリPA3であるときには、図63の保留表示パターン決定テーブルを参照し、変動カテゴリが変動カテゴリPA4またはPA5であるときには、図64の保留表示パターン決定テーブルを参照し、変動カテゴリが変動カテゴリPB3であるときには、図65の保留表示パターン決定テーブルを参照し、変動カテゴリが変動カテゴリPB4またはPB5であるときには、図66の保留表示パターン決定テーブルを参照する。
演出モードが通常モードであり、当該ターゲットが保留記憶4つ目(つまり、第1特図または第2特図における4つ目の保留記憶が発生したとき)である場合、変動カテゴリが変動カテゴリPA1またはPA2であるときには、図67の保留表示パターン決定テーブルを参照し、変動カテゴリが変動カテゴリPA3であるときには、図68の保留表示パターン決定テーブルを参照し、変動カテゴリが変動カテゴリPA4またはPA5であるときには、図69の保留表示パターン決定テーブルを参照し、変動カテゴリが変動カテゴリPB3であるときには、図70の保留表示パターン決定テーブルを参照し、変動カテゴリが変動カテゴリPB4またはPB5であるときには、図71の保留表示パターン決定テーブルを参照する。
演出モードが確変モードであり、当該ターゲットが保留記憶4つ目(つまり、第1特図または第2特図における4つ目の保留記憶が発生したとき)である場合、変動カテゴリが変動カテゴリPA1またはPA2であるときには、図72の保留表示パターン決定テーブルを参照し、変動カテゴリが変動カテゴリPA3であるときには、図73の保留表示パターン決定テーブルを参照し、変動カテゴリが変動カテゴリPA4またはPA5であるときには、図74の保留表示パターン決定テーブルを参照し、変動カテゴリが変動カテゴリPB3であるときには、図75の保留表示パターン決定テーブルを参照し、変動カテゴリが変動カテゴリPB4またはPB5であるときには、図76の保留表示パターン決定テーブルを参照する。
各保留表示パターン決定テーブルは、ROMに予め記憶されて用意される。演出制御用CPU101は、保留表示パターン決定用の乱数値SR1を示す数値データを抽出する。保留表示パターン決定テーブルには、決定結果となる各保留表示パターンに、乱数値SR1と比較される決定値が割り当てられている。演出制御用CPU101は、図57〜図76の保留表示パターン決定テーブルのいずれかを参照し、保留表示パターン決定用の乱数値SR1に合致する決定値に割り当てられている保留表示パターンを今回の保留表示パターンとして決定(選択)する。なお、各図では、各保留表示パターンに割り当てられる決定値の代わりに各保留表示パターンの決定割合が記載されている。
図57〜図76における保留発生時の欄に記載された色は、当該ターゲットの保留表示図柄の表示開始時(当該ターゲットの保留記憶発生時)における保留表示図柄の表示色である。次変動の欄に記載された色は、次変動における保留表示図柄の表示色である。次次変動の欄に記載された色は、次次変動における保留表示図柄の表示色である。次次次変動の欄に記載された色は、次次次変動における保留表示図柄の表示色である。なお、矢印が含まれる欄は、表示色が変化することを示す。例えば、H3−7では、次変動において保留表示図柄の表示色が青色から白色に変化することになる。1つの色しか記載されていない場合には、表示色は変化しないことも示す。
図57〜図76を参照して分かるように、この実施の形態では、通常態様である青色が保留発生時から変化しない保留表示パターン(H3−1、H3−4など)がある。この保留表示パターンが選択されたときは、ターゲットの保留表示図柄の表示態様は、通常態様のままで、当該ターゲットに対応する可変表示の実行時まで変化しないことになる。
各保留表示パターン決定テーブルにおける決定割合は任意に設定可能である。ただし、各保留表示パターンにおける最後の変動の欄の保留表示図柄の表示色(変化する場合には変化後の表示色)が黄色、緑色、赤色である保留表示パターンについては、大当り期待度が、黄色が最も低く、緑色が次に低く、赤色が最も高くなるように、前記決定割合が設定される。例えば、変動カテゴリPA4、PA5、PB4、PB5のとき(変動カテゴリPB4、PB5のときのみであってもよい。)に、最後の変動の欄の保留表示図柄の表示色が、赤色となる保留表示パターン、緑色となる保留表示パターン、黄色となる保留表示パターンの順で選択されやすいよう決定割合を設定し、それ以外のとき(ハズレの変動カテゴリのとき)に、最後の変動の欄の保留表示図柄の表示色が、黄色となる保留表示パターン、緑色となる保留表示パターン、赤色となる保留表示パターンの順で選択されやすいよう決定割合を設定すればよい。最後の変動は、当該ターゲットが保留記憶3つ目である場合には次次変動であり、4つ目である場合には次次次変動である。最後の変動の欄の保留表示図柄の表示色(変化する場合には変化後の表示色)を、以下では最終色という。最終色は、第1保留表示領域または第2保留表示領域に表示される保留表示図柄の最後の色でもある。なお、変動カテゴリPA4、PA5、PB4、PB5のときに参照される保留表示パターン決定テーブルでは、最終色が赤色または緑色となる保留表示パターンが比較的多くなっており、最終色が黄色となる保留表示パターンが比較的少ないので、基本的には、赤色や緑色の大当り期待度が高くなる。また、変動カテゴリPA4、PA5、PB4、PB5のときのみ、最終色が赤色になり得るので、赤色の大当り期待度は、黄色や緑色よりも大当り期待度が高くなる(変動カテゴリPA4、PA5、PB4、PB5が選択されたときの大当り期待度は、他の変動カテゴリが選択されたときの大当り期待度よりも高いため)。
なお、最終色が虹色になる保留表示パターン(J3−48など)は、ターゲットの可変表示の表示結果が大当りとなるときにのみ(つまり、変動カテゴリが、変動カテゴリPB4およびPB5のときにのみ)、選択され得る。このため、最終色が虹色になった場合には、そのターゲットは大当り確定になる。
各保留表示パターン決定テーブルにおける決定割合は、青色から予告態様の表示色(黄色、緑色、赤色、虹色)に変化するパターンを含む保留表示パターン(H3−2、H3−5、H3−7など)よりも、白色から予告態様の表示色に変化する態様を含む保留表示パターン(H3−7、H3−9など)の方が高く設定される。例えば、各保留表示パターン決定テーブルにおいて、青色から予告態様の表示色に変化するパターンを含む保留表示パターンの決定割合(合計値または平均値、以下適宜同じ)よりも、白色から予告態様の表示色に変化する態様を含む保留表示パターンの決定割合の方が高くなるようにする。また、各保留表示パターン決定テーブルにおける決定割合は、青色から予告態様の表示色に変化するパターンを含む保留表示パターン(H3−2、H3−5、H3−7など)よりも、灰色から予告態様の表示色に変化する態様を含む保留表示パターン(H3−11、H3−12など)の方が選択されやすいように設定される。例えば、各保留表示パターン決定テーブルにおいて、青色から予告態様の表示色に変化するパターンを含む保留表示パターンの決定割合よりも、灰色から予告態様の表示色に変化する態様を含む保留表示パターンの決定割合の方が高くなるようにする。これによって、保留表示図柄が特殊態様のときには、通常態様に比べて、予告態様に変化し易くなる。
図57〜図76を参照して分かるように、この実施の形態では、保留表示図柄の表示色が保留発生時からずっと白色で変化しない保留表示パターン(H3−3など)はあるが、保留表示図柄の表示色が保留発生時からずっと灰色で変化しない保留表示パターンはない。このため、同じ特殊態様であっても、表示色が白色であるときと灰色であるときとで、他の表示色に変化する割合が異なることになる。
図57〜図76を参照して分かるように、この実施の形態では、保留表示図柄の表示色が灰色から赤色や虹色に変化する保留表示パターン(H3−19,H3−20、J3−48など)はあるが、白色から赤色や虹色に変化する保留表示パターンはない。このため、同じ特殊態様であっても、表示色が白色であるときと灰色であるときとで、他の表示色のいずれに変化するかの選択割合が異なることになる。
図57〜図76を参照して分かるように、この実施の形態では、保留表示図柄の表示色が黄色から灰色に変化したあと、変化後の灰色から緑色、赤色、または虹色に変化する保留表示パターン(H3−40、H3−47、H3−48など)がある。また、保留表示図柄の表示色が緑色から灰色に変化したあと、変化後の灰色から緑色、赤色、または虹色に変化する保留表示パターン(K3−41、K3−42、K3−51など)がある。このため、保留表示図柄の表示態様は、特殊態様から変化し得る表示態様から特殊態様に変化し、さらに、特殊態様から他の表示態様に変化することがある。そして、特に、特殊態様から変化した後の予告態様は、変化前の予告態様に比べて大当り期待度が同じであるか高くなる予告態様になる。
図57〜図76を参照して分かるように、この実施の形態では、当該ターゲットが保留記憶4つ目である場合において、次次変動において保留表示図柄の表示態様が白色または灰色に変化するときには、最終表示色が緑色にのみなるが(K3−7、K3−11、K3−19など)、次変動において保留表示図柄の表示態様が灰色に変化するときには、最終表示色が緑色の他、赤色や虹色にもなる(K3−13、K3−14、K3−15、K3−22、K3−23など)。このため、保留表示図柄の表示態様が特殊態様になるタイミングに応じて大当り期待度が異なることになる。
図57〜図76を参照して分かるように、この実施の形態では、当該ターゲットが保留記憶4つ目である場合において、次次次変動において保留表示図柄の表示態様が白色または灰色から変化するときには、最終表示色が赤色、虹色に変化できるが(K3−42、K3−49〜51など)、次次変動において保留表示図柄の表示態様が灰色から変化するときには、最終表示色が赤色や虹色にはならない(K3−9、K3−18、K3−20など)。このため、保留表示図柄の表示態様が特殊態様から変化するタイミングに応じて大当り期待度が異なることになる。
各保留表示パターン決定テーブルにおける決定割合は、当該ターゲットが保留記憶3つ目(つまり、第1特図または第2特図における3つ目の保留記憶が発生したとき)である場合と、当該ターゲットが保留記憶4つ目(つまり、第1特図または第2特図における4つ目の保留記憶が発生したとき)である場合とで、保留表示図柄の表示態様が特殊態様になる保留表示パターンの決定割合(当該保留表示パターンの決定割合の平均値または合計値)が異なるように設定してもよい。これによって、保留記憶に応じて特殊態様の出現率を変えることができる。
図57〜図76を参照して分かるように、この実施の形態では、演出モードが通常モードのときには保留表示図柄の表示色を白色にすることがあるが(H3−3、H3−5など)、演出モードが確変モードのときには保留表示図柄の表示色を白色にすることがない。このように、演出モードに応じて保留表示図柄の表示態様を特殊態様(ここでは、白色)にする割合を変化させる。
図57〜図76を参照して分かるように、この実施の形態では、保留表示図柄の表示色を表示開始時(保留発生時)から白色にして変化させない保留表示パターン(H3−3など)は、ハズレ時に選択される変動カテゴリPA1およびPA2のときのみ選択される。一方で、最終色が青色になる保留表示パターン(H3−1、H3−4など)は、大当り時に選択される変動カテゴリPB3のときに選択されることがある。このため、保留表示図柄の表示態様を最初から特殊態様にしたまま変化させないときの大当り期待度は、保留表示図柄の最終色を通常態様にしたときよりも低くなる(大当り期待度=0)。特に、保留表示図柄の表示色を表示開始時から白色にして変化させない保留表示パターンを選択した場合には、当該ターゲットの可変表示はリーチ態様にならない。
ステップS506のあと、演出制御用CPU101は、ステップS506で決定した保留表示パターンが保留表示図柄の表示色を表示開始時(保留発生時)から青色(通常態様)にして変化させないパターン(H3−1など)であるかを判定する(ステップS507)。
保留表示図柄の表示色を表示開始時(保留発生時)から青色(通常態様)にして変化させないパターンでない場合(ステップS507;No)、決定した保留表示パターンに応じた設定をターゲットフラグ、予告バッファに対して行う(ステップS508)。具体的には、新たな受信コマンド(始動入賞時コマンド)に対応するターゲットフラグをオン状態とするとともに(これによって、対応する保留表示図柄の表示態様が通常態様以外になりうる。)、選択した保留表示パターンの内容を、RAMの所定領域に設けられた予告バッファに格納する。予告バッファは、保留表示パターンの内容を変動毎に格納する。格納される保留表示パターンの内容は、表示色や、変化前および変化後の表示色などであればよい。なお、ある変動において表示色を変化させないときには、当該変動に対応する格納領域をブランク(空)としてもよい。予告バッファを見れば、保留表示パターンの内容が分かるように予告バッファの設定を行えばよい。
ステップS508のあと、現在の演出モードが確変モードであるかを判定する(ステップS509)。確変モードであるか否かは、高確フラグがオン状態になっているか否かによって判定すればよい。高確フラグがオフ状態のときには現在の演出モードは通常モードなので(ステップS509;No)、演出制御用CPU101は、決定した保留表示パターンのうちの保留発生時の欄の表示色(表示開始時の表示色)、かつ、通常モード用の形状(丸印の形状)で、保留表示図柄の表示を開始する(ステップS510)。演出制御用CPU101は、VDP109などに対して所定の表示制御指令を伝送させるなどして、新たな受信コマンドに対応する保留表示番号に対応する表示位置に保留表示図柄を表示することを開始する。
高確フラグがオン状態のときには現在の演出モードが確変モードなので(ステップS509;Yes)、演出制御用CPU101は、決定した保留表示パターンのうちの保留発生時の欄の表示色(表示開始時の表示色)、かつ、確変モード用の形状(四角印の形状)で、保留表示図柄の表示を開始する(ステップS511)。演出制御用CPU101は、VDP109などに対して所定の表示制御指令を伝送させるなどして、新たな受信コマンドに対応する保留表示番号に対応する表示位置に保留表示図柄を表示することを開始する。
図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドが「判定なし」を指定するものである場合(ステップS503;Yes)、ターゲットフラグがオン状態のものがあるなどして、現在表示中の保留表示図柄のうちのいずれかの表示態様が通常態様以外の表示態様になっているまたは通常態様以外の表示態様になる予定がある場合(ステップS504;Yes)、始動入賞時コマンドが3つ以上格納されていない場合(ステップS505;No)、保留表示図柄の表示色を表示開始時(保留発生時)から青色(通常態様)にして変化させないパターンである場合(ステップS507;Yes)、保留表示図柄の表示態様を通常態様以外のものにしないようにするため、演出制御用CPU101は、青色(通常態様)の表示色で、保留表示図柄の表示を開始する(ステップS512)。このとき、現在が確変モード中であれば確変モード用の形状(四角印の形状)で保留表示図柄を表示する。現在が通常モード中であれば通常モード用の形状(丸印の形状)で保留表示図柄を表示する。演出制御用CPU101は、VDP109などに対して所定の表示制御指令を伝送させるなどして、新たな受信コマンドに対応する保留表示番号に対応する表示位置に保留表示図柄を表示することを開始する。
現在表示中の保留表示図柄のうちのいずれかの表示態様が通常態様以外の表示態様になっているまたは通常態様以外の表示態様になる予定がある場合(ステップS504;Yes)は、保留表示図柄が予告態様になっているまたはなる予定である場合を含む。このように、今回ターゲットとなる保留表示図柄以外の保留表示図柄についての先読み予告の実行期間中(先読み予告の実行を決定してから先読み予告が実行されるまでの期間を含む)には、それ以外の場合に比べて保留表示図柄の表示態様を特殊態様や予告態様にする割合が異なるようになっている。
また、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、演出図柄変動開始処理(ステップS801参照)において、作用演出の実行の有無も決定する。そして、作用演出の実行を決定した場合には、演出制御用CPU101は、作用演出に応じたプロセステーブルを選択して、ステップS8010,S8105の処理を実行することによって、演出図柄の変動表示において作用演出を実行することが可能である。この場合、演出制御用CPU101は、作用演出実行決定用の乱数値SR3を示す数値データを抽出し、抽出した数値データにもとづいて作用演出実行決定テーブル(ROMの所定領域に予め記憶されている)を参照して、作用演出の実行の有無、実行する場合の作用演出の種類を決定する。演出制御用CPU101は、特図表示結果が「ハズレ」のときには、図77(A)の作用演出実行決定テーブルを参照する。特図表示結果が「大当り」のときには、図77(B)の作用演出実行決定テーブルを参照する。作用演出実行決定テーブルは、実行なしと、作用演出Aと、作用演出Bとの決定結果それぞれに、乱数値SR3と比較される決定値が割り当てられている。演出制御用CPU101は、乱数値SR3に合致する決定値が「実行なし」に割り当てられていた場合には作用演出を実行しないと決定し、乱数値SR3に合致する決定値が「作用演出A」に割り当てられていた場合には作用演出Aを実行すると決定し、乱数値SR2に合致する決定値が「作用演出B」に割り当てられていた場合には作用演出Bを実行すると決定する。なお、図77では、決定値の代わりに決定割合で記載がされている。
図77のように、特図表示結果が「大当り」のときには、作用演出Bの決定割合が高く、作用演出Aの決定割合が次に高く、実行なしの決定割合が最も低い。特図表示結果が「ハズレ」のときはその逆になっている。このため、作用演出Bを実行したときは、大当り期待度が高く、作用演出Aを実行したときは作用演出を実行しないときよりも大当り期待度が高くなる。つまり、作用演出の種類によって、大当り期待度が異なるようになっている。
なお、この実施の形態では、作用演出の種類によって大当り期待度を異ならせる場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、大当り期待度を異ならせる場合にかぎらず、作用演出の種類によって、確変大当りとなることに対する期待度(信頼度)を異ならせたり、時短回数に対する期待度(信頼度)を異ならせたり、大当り中のラウンド数に対する期待度(信頼度)を異ならせたりしてもよい。また、例えば、作用演出の種類によって、作用演出が実行されたときの保留表示に対する作用が成功して保留表示の表示態様が変化することに対する期待度(信頼度)が異なるように構成してもよい。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、保留表示の表示態様には、通常態様(本例では、保留表示図柄の色が青色)と、通常態様とは異なる特殊態様(本例では、保留表示図柄の色が白色または灰色)と、通常態様および特殊態様とは異なる態様であって特定遊技状態になる割合を予告する予告態様(本例では、保留表示図柄の色が、黄色、緑色、赤色または虹色)とが含まれる。また、保留表示の表示態様が通常態様であるときよりも特殊態様であるときの方が該保留表示の表示態様を予告態様に変化させる割合が高くなるように、保留表示の表示態様を予告態様に変化させる(本例では、図57〜図76の各保留表示パターン決定テーブルにおいて、青色から予告態様の表示色に変化するパターンを含む保留表示パターンの決定割合の合計値(または平均値)よりも、灰色または白色から予告態様の表示色に変化する態様を含む保留表示パターンの決定割合の合計値(または平均値)それぞれの方が高くなる)。また、保留表示の表示態様を特殊態様に変化させるときに、演出の結果として該表示態様を変化させる複数種類の作用演出(本例では、作用演出A、作用演出B)のうちのいずれかを実行し、複数種類の作用演出のうちの第1作用演出を実行するときと第1作用演出とは異なる第2作用演出を実行するときとで、特定遊技状態になる割合が異なるように作用演出を実行する(本例では、図77に示すように、大当り時とはずれ時とで作用演出Aと作用演出Bとの割り振りが異なる)。そのため、遊技者がどの作用演出によって特殊態様に変化したかに注目させることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、上記の各実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の各実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の各実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、上記の各実施の形態では、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連(1回の可変表示中に1回以上の図柄の仮停止と再変動とが実行される演出)の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例が示されたが、2つ以上のコマンドで変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドで通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドとして擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチになる前(リーチにならない場合にはいわゆる第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドとしてリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチになったとき以降(リーチにならない場合にはいわゆる第2停止以後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。その場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示(可変表示)における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、2つのコマンドのそれぞれで変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ100で選択するようにしてもよい。2つのコマンドを送信する場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定の期間が経過してから(例えば、次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はそのような例に限定されず、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ以上のコマンドで変動パターンを通知するようにすることによって、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の各実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
また、上記の各実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、本発明を、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロット機に適用することも可能である。
また、本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。
また、上記の各実施の形態では、大当り種別として確変大当りや通常大当りがあり、大当り種別として確変大当りと決定されたことにもとづいて、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機を示したが、そのような遊技機に限定されない。例えば、内部に所定の確変領域が設けられた特別可変入賞球装置(1つだけ設けられた特別可変入賞球装置内に確変領域が設けられていてもよいし、複数設けられた特別可変入賞球装置のうちの一部に確変領域が設けられていてもよい)を備え、大当り遊技中に特別可変入賞球装置内における確変領域を遊技球が通過したことにもとづいて確変が確定し、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機に上記の各実施の形態で示した構成を適用することもできる。