(第1実施例)
本実施例においては、当否抽選の結果が大当りである期待度を図柄以外の要素を用いて示唆する期待演出を所定の表示装置における表示画面の第1領域にて表示させる。また、当否抽選の結果が大当りである可能性を示唆または期待演出の変化態様を示唆する複数種類の演出示唆絵柄の選択肢を表示画面の第2領域に含まれる複数の絵柄区画に並べて表示させる。第2領域においては、当否抽選の結果に応じて選択肢からいずれかを選択する演出過程とその選択結果を表示させる。
ここで「大当りである期待度を・・・示唆する」は、文字通り、当否抽選の結果が大当りである期待度や可能性の高低を示唆する場合の他、大当りの可能性がゼロ、すなわち外れであることを示唆する場合や大当りの可能性が100%確定であることを示唆する場合など、いずれを含む概念であってもよい。「図柄以外の要素」にいう「図柄」は、当否抽選の結果を複数の図柄の組合せによって示す、いわゆる装飾図柄を指してもよいし、当否抽選の結果を示すような装飾図柄に類する数字、文字、記号などであってもよいし、特別図柄であってもよい。したがって、「図柄以外の要素」は、例えばキャラクターなどの動的に表示するオブジェクトや背景画像などの静的に表示するオブジェクトが所定の条件、順序、ストーリーなどに沿って演出的に画面に映し出される映像であってよい。そうした映像の違いによって大当りである期待度を示唆する演出表示をここでは「期待演出」と呼ぶ。「大当りである可能性を示唆」は、例えば大当りである可能性の有無を示唆することを意味してもよい。「期待演出の変化態様を示唆」は、「期待演出」として表示する映像をどのように変化させて演出的なストーリーを展開させるかの種類を示唆してもよい。
従来、3つの装飾図柄を表示領域の多くを使って変動表示させ、停止させることで当否抽選の結果を示していたが、3つの装飾図柄を一度に停止させるわけではなく、例えば左図柄、右図柄、中図柄の順に停止させるなど、一つずつ停止させるのが一般的であった。また、左図柄と右図柄が一致してあと一つ図柄が揃えば大当りとなる状態であるリーチ状態を構成した場合には、その状態から演出が始まり、演出の最後で中図柄を停止させるなど、変動表示が長期化する場合もある。そのため、装飾図柄以外の要素を用いた演出表示をしたくとも、図柄変動演出の視認性や図柄への遊技者の注目を妨げないよう配慮すべき事情から、自ずと図柄の変動や停止のタイミングに演出設計が縛られることとなり、設計の自由度が低くなってしまう場合があった。本実施例によれば、大当り期待度を示唆する期待演出を図柄以外の要素を用いた演出とすることにより、従来、装飾図柄の変動表示ないし停止表示タイミングに縛られていた設計に対して演出設計の自由度を高めることができる。また、そうした期待演出を第1の領域に表示することとし、当否抽選の結果が大当りである可能性を示唆または期待演出の変化態様を示唆する第2の領域と分けたことにより、第1の領域において演出的な表示を進行させることができ、演出設計の自由度を高めることができる。
期待演出の変化態様を示唆する演出示唆絵柄を選択結果として表示させた場合、それまで選択肢として表示されていた複数の演出示唆絵柄に代えて新たな選択肢として決定された別の複数の演出示唆絵柄を複数の絵柄区画に並べて表示させていずれかを選択する演出過程とその選択結果を第2領域にて表示させてもよい。
「複数の演出示唆絵柄に代えて新たな選択肢として決定された別の複数の演出示唆絵柄を複数の絵柄区画に並べて表示させ」は、それまで選択肢として表示させていた複数の演出示唆絵柄を消去して同じ場所に新たな選択肢を表示させてもよいし、選択肢として表示させていた複数の演出示唆絵柄を新たな選択肢に入れ替える形で表示させてもよい。または選択肢として表示させていた複数の演出示唆絵柄に重ねるようにして新たな選択肢を表示させてもよいし、選択肢として表示させていた複数の演出示唆絵柄を残したまま、あるいは消去してから第2領域に隣接ないし近傍の他の表示領域に新たな選択肢を表示させてもよい。
従来、3つの装飾図柄を表示領域の多くを使って変動表示させ、停止させることで当否抽選の結果を示していた場合においては、例えば左図柄、右図柄の順に停止させてリーチを成立させ、その後に演出内容を発展させてから最後に中図柄を停止させて当否抽選の結果を示していた。本実施例によれば、リーチの成立段階やその後の演出の発展に相当する段階を第2の領域で表現することができ、第1の領域と分離させることによって第1の領域における期待演出の進行の妨げにならないようすることができ、演出設計の自由度を高めることができる。
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。以下、弾球遊技機として従来にいういわゆる第1種ぱちんこ遊技機を例に説明する。ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、および発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板13は、ガラスなどにより形成され、扉14により支持される。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等をする機構を有する。下球皿16は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。上球皿15と下球皿16の間にはスピーカ18が設けられており、後述する演出を制御する手段によって遊技状態などに応じた効果音が出力される。
遊技盤50は、外レール54と内レール56により区画された遊技領域52上に、アウト口58、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、始動入賞口(以下、「始動口」という)62、センター飾り64、大入賞口66、作動口68、一般入賞口72を含む。さらに遊技領域52には、図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。
始動口62は、遊技球の入球が当否抽選を実行する契機となる入球口であって、遊技球の入球を検出するための始動入賞検出装置74と、始動口62に設けられた拡開機構63(いわゆる電動チューリップ)を拡開させるための普通電動役物ソレノイド76を備える。拡開機構63は、始動口62の開口部上部に設けられた二つの羽根部材で構成され、閉鎖時は始動口62の真上から落下する遊技球だけが入球できる程度の狭い開口幅となる。一方、拡開機構63が拡開された開放時は始動口62の開口幅が拡がることとなり、始動口62の真上だけでなくその近傍を落下する遊技球も始動口62へ誘導でき入球容易性が向上する。当否抽選は、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する抽選であり、始動口62へ入球があるたびに実行される。始動入賞検出装置74は、始動口62への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す始動入賞情報を生成する。
一般入賞口72は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73を備える。一般入賞検出装置73は、一般入賞口72への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。
大入賞口66は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置78と、大入賞口66を開放させるための大入賞口ソレノイド80を備える。入賞検出装置78は、大入賞口66への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す大入賞口入賞情報を生成する。大入賞口66は、特別図柄192が所定の態様にて停止したときに開始される特別遊技において「大当り」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。大入賞口66は、例えばアウト口58の上方等の位置に設けられる。大入賞口66の設置個数としては、一つだけ設置する構成に限らず、複数個の大入賞口66を設置してそれぞれを遊技状態等に応じて使い分ける構成としてもよい。大入賞口66の入賞検出装置78は、遊技球の通過を検出するセンサを備えて構成される。
遊技領域52の左方に設けられた特別図柄表示装置61および遊技領域52の略中央に設けられた演出表示装置60は、それぞれに特別図柄192の変動と、特別図柄192に連動する変動示唆図柄190を表示する。以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という。ただし、本実施例における変動示唆図柄190は、演出表示装置60の右端に表示させる2つの小さなランプ表示で構成される。すなわち、変動示唆図柄190は3つの図柄の組合せではなく、2つの小さな点灯部材の点灯パターンを用いて変動中、大当り停止、および外れ停止の3種類の状態を表現する。なお、変形例としては、変動示唆図柄190をぱちんこ遊技機10に設けない構成としてもよい。
特別図柄表示装置61は、例えば7セグメントLEDで構成される表示装置である。特別図柄192は、始動口62への遊技球の落入を契機として行われる抽選の結果に対応した図柄である。特別図柄192の変動表示が停止したときの図柄態様が、あらかじめ当りと定められた図柄であった場合に、その停止図柄が表示されたタイミングが大当り発生タイミングとなる。停止図柄は、図柄変動の終了時に表示すべき図柄である。本実施例においてセグメントの組合せで表される特別図柄192は、必ずしも文字や数字の体をなしておらず、7セグメントLEDを構成する各セグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号であってよい。これらの記号が高速で次々に入れ替わって特別図柄表示装置61へ表示されることにより、特別図柄192の図柄変動表示が実現される。また、7セグメントLEDは、「8の字」を形成する7個のセグメントおよび「ドット」を表す1個のセグメントからなる8個のセグメントで構成されてもよい。この場合、8個のセグメントを組み合わせることにより8ビット分の数値を表現できる。さらに、特別図柄表示装置61を7セグメントLEDではないLEDドットアレーを用いて、その点灯パターンや点灯色の組合せで複数種類の特別図柄192を表現してもよい。
演出表示装置60は、主に期待演出および演出示唆絵柄を表示する液晶ディスプレイで構成される表示装置である。演出表示装置60の画面は主に第1表示領域300と第2表示領域302で構成される。第1表示領域300には、当否抽選の結果が大当りである期待度の高低を図柄以外の要素を用いて示唆する演出である期待演出が表示される領域であり、第2表示領域302より広く、画面上の多くの割合を占める。期待演出は、ぱちんこ遊技機10の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連する演出的効果を有する動画像や音声で構成され、特定のキャラクタやモチーフのアニメーションまたは映像を特定の背景画像や音声とともに出力される。期待演出は、図柄変動や演出示唆絵柄の表示と並行して実行され、大当りとなる期待度の高低を演出内容によって示唆する。期待演出においては、例えば遊技状態に応じた複数種類の演出ステージのうちいずれかを示唆するキャラクターおよび背景画像を表示するとともに、いわゆるリーチ状態においてはそのリーチ演出による大当りの期待度の高低を示唆する演出内容を表示する。変動示唆図柄190は第1表示領域300の右端に小さく表示される。
第2表示領域302は、横一列に配列された10個分の絵柄区画で構成され、それぞれの区画に演出示唆絵柄304が選択肢として表示され、その上に重畳して左右いずれかの方向にスライドするように選択枠標識306が表示される。選択枠標識306の横方向のスライド動作により選択過程を表現するとともに、最後に停止した位置の演出示唆絵柄304が選択結果として示される。演出示唆絵柄304は、ぱちんこ遊技機10の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連するモチーフが描かれた絵柄であり、例えば人物や動物のキャラクターが描かれた絵柄であってもよいし、演出に関連する物質が描かれた絵柄であってもよい。
演出表示装置60は、本実施例では液晶ディスプレイなどの高精細なドットマトリクス型表示装置で構成される。なお、特別図柄192は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では演出表示装置60の左下方の特別図柄表示装置61にて目立たない大きさで表示させる。
作動口68は、遊技盤50の左側方位置に設けられる。作動口68は、通過検出装置69を含む。通過検出装置69は、作動口68への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。作動口68への遊技球の通過は拡開機構63を拡開させるか否かを決定する開放抽選の契機となる。作動口68を遊技球が通過すると、開放抽選の結果を示す図柄である普通図柄が普通図柄表示装置59に変動表示される。したがって、開放抽選は「普通図柄抽選」とも呼ぶ。本実施例における普通図柄表示装置59は、便宜上、二つのランプで構成されるとともに、それらのうちいずれのランプが点灯しているかによって普通図柄の表示状態が表現される。例えば、第1のランプの点灯が外れを示し、第2のランプが当りを示すとき、それらが交互に点灯と消灯を繰り返すことによって普通図柄の変動表示が表現され、最終的にいずれかの点灯状態にて停止されることで普通図柄の停止図柄が表現される。普通図柄表示装置59は演出表示装置60の右下方に設けられる。変動開始から所定時間の経過後に、普通図柄の変動表示が停止する。このとき、通常状態では例えば1/256程度の低確率にて普通図柄が当りの図柄で停止し、後述する入球容易状態では例えば250/256程度の高確率にて普通図柄が当りの図柄で停止する。普通図柄が当りの図柄で停止すると、拡開機構63が所定時間拡開される。拡開機構63の開放時間は、例えば通常状態では0.1秒間であり、入球容易状態では6秒間である。
演出表示装置60の周囲には、センター飾り64が設けられる。センター飾り64は、遊技球の流路、演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。遊技領域52の左下部には、特別図柄保留表示装置20が設けられ、その対称位置である遊技領域52の右下部には、普通図柄表示装置59の下に普通図柄保留表示装置22が設けられている。
特別図柄保留表示装置20は、4個のランプからなり、その点灯個数によって当否抽選の保留数を表示する。当否抽選の保留数は、図柄変動中または特別遊技中に始動口62へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。当否抽選の保留数が3個になると、遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が通常より短縮される(以下、「短縮変動」ともいう)。同様に、当否抽選の保留数が4個になると、さらに遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が上記3個の場合よりもさらに短縮される(以下、「超短縮変動」ともいう)。
普通図柄保留表示装置22もまた4個のランプからなり、その点灯個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に作動口68を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。
演出表示装置60の上方および下方には、それぞれ遊技効果ランプ90が設けられている。操作ボタン82は、遊技者が遊技機へ所定の指示を入力するために操作する操作入力手段であり、その操作入力の内容に応じて演出内容等に変化が加えられる。操作ボタン82は、上球皿15近傍の外壁面に設けられる。本実施例における操作ボタン82は一つのボタンで構成されるが、複数のボタンや十字キーなどの方向指示ボタンで構成されてもよい。
以上のような構成においてなされる遊技の方法および制御の流れを概説する。遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レール56と外レール54に案内されて遊技領域52へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域52の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当りながらその当り方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口72や始動口62、大入賞口66の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15または下球皿16に払い出される。一般入賞口72等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口58に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本願において「落入」「入球」「入賞」というときは「通過」を含むものとする。
遊技球が始動口62に落入すると、特別図柄表示装置61および演出表示装置60において特別図柄192および変動示唆図柄190が変動表示される。特別図柄192および変動示唆図柄190の変動表示は、表示に先だって決定された変動表示時間の経過後に停止される。特別図柄192は、その変動開始から停止までの変動態様および変動時間が定められた変動パターンにしたがって変動表示される。変動示唆図柄190は、その表示時間が定められた変動演出パターンにしたがって点滅表示される。変動パターンおよび変動演出パターンはそれぞれ複数種ずつ用意され、それぞれが長短様々な変動時間をもつ。変動パターンにしたがって特別図柄192が変動表示される間、同じ変動時間をもつ変動演出パターンにしたがって変動示唆図柄190が変動表示される。変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄192および変動示唆図柄190の変動が停止される。
停止時の特別図柄192および変動示唆図柄190が大当りを示す停止態様となった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、大入賞口66の開閉動作が開始される。
変動パターンないし変動演出パターンには、リーチなし外れパターン、リーチ外れパターン、リーチ大当りパターンが含まれる。リーチなし外れパターンは、通常の外れの図柄を表示するときの変動パターンである。リーチ外れパターンは大当りの可能性が高まった旨を示唆するリーチ状態を経て外れを表示するときの変動パターンである。リーチ大当りパターンは、リーチ状態を経て大当りを表示するときの変動パターンである。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれ、相対的に変動時間の短いリーチパターンを「ノーマルリーチ」と称し、変動時間の長いリーチパターンを「スーパーリーチ」と称する。
特別遊技は、開始デモ時間と呼ばれる演出画面の表示によって開始される。開始デモ時間の画面表示後に大入賞口66が開放され、その開放が約30秒間続いた後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような大入賞口66の開放から閉鎖までが、基本的には単位遊技と呼ばれるが、1回の単位遊技の間に複数回の短時間の開放を繰り返す場合があってもよい。大入賞口66の開閉ないし単位遊技が所定の複数回数、例えば15回繰り返された後、終了デモ時間と呼ばれる演出画面の表示によって特別遊技が終了される。これに対し、当否抽選が小当りと呼ばれる結果に該当した場合は小当り遊技が実行される。小当りは、当否抽選の結果としては外れに含まれる結果である。小当り遊技は、一部の種類の特別遊技と類似の態様にて実行される単位遊技である。ただし、小当り遊技として実行される単位遊技は1回だけであり、複数回数の単位遊技が実行される特別遊技とは異なる。
特別遊技が終了した後の通常遊技においては特定遊技の一つである特別図柄192および変動示唆図柄190の変動時間短縮(以下、適宜「時短」という)が開始される。特別図柄192および変動示唆図柄190の時短は、特別図柄192および変動示唆図柄190の変動時間が通常状態よりも短縮される状態である。特別図柄192および変動示唆図柄190の変動時間は、所定の変動回数、例えば100回の変動表示がなされた後で元の変動時間に戻されるが、その変動回数に達する前に大当りが発生すれば時短も終了する。時短により特別図柄192および変動示唆図柄190の変動時間が短縮されるため、通常の変動時間のまま図柄変動がなされる通常状態の場合と比べて、大当りが発生するまでの時間を短縮することができ、大当りの獲得容易性を相対的に高めることができる。
特別図柄192および変動示唆図柄190の時短中は、特定遊技の一つである入球容易状態が実施される。入球容易状態は、普通図柄の時短、開放抽選の確率変動、拡開機構63の開放延長が実施されることにより始動口62への入球容易性が高められる状態である。普通図柄の時短は、普通図柄の変動時間が通常状態より短縮される状態である。開放抽選の確率変動は、開放抽選の当り確率を通常状態より高める状態である。拡開機構63の開放延長は、拡開機構63の開放時間を通常状態よりも長くする状態である。このように、入球容易状態においては、一定時間あたりの普通図柄の変動回数が通常状態よりも増加する可能性が高まる上、始動口62への入球容易性も増すため、始動口62への入球数が増加する可能性も高い。したがって、特別図柄192および変動示唆図柄190の時短および入球容易状態により、その期間中は始動口62への入球による賞球を得られる機会が増加する結果、持ち玉をほとんど減らさずに遊技し続けることが可能となる。
なお、本実施例における入球容易状態は、普通図柄の時短、開放抽選の確率変動、拡開機構63の開放延長という3つの機能を用いて始動口62への入球容易性を高める。ただし、変形例としては、これら3つの機能のうち、1つまたは2つの機能を用いて始動口62への入球容易性を高める構成としてもよい。このように3つの機能のうち一部だけを用いても始動口62への入球容易性を高めることは可能である。また、3つの機能のうち少なくともいずれかを、実施する期間と実施しない期間とで遊技状態に応じて切り替える構成としてもよい。
特別遊技が発生した場合であってそのときの当り停止図柄が特定の態様であった場合、特別遊技の終了後に特定遊技の一つである当否抽選の確率変動遊技(以下、適宜「確変」という)がさらに開始される。当否抽選の確変中は、通常の確率状態より当りの確率が高い当否抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生し得る。当否抽選の確変は次の大当りが発生するまで継続されるが、変形例として、所定の限定的な回数の図柄変動がなされたときに終了する構成であってもよい。本実施例においては、確変が開始されるときに同時に特別図柄192および変動示唆図柄190の時短や入球容易状態も開始されるが、変形例として時短や入球容易状態の開始を伴わない確変が実行される場合があってもよい。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ40はぱちんこ遊技機10の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板102は、ぱちんこ遊技機10の全体動作を制御し、特に始動口62へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板104は、液晶ユニット42を備え、演出表示装置60における表示内容、遊技効果ランプ90の点灯を制御し、特にメイン基板102による抽選結果に応じて表示内容を変動させ、その演出の進行に沿って遊技効果ランプ90の点灯を作動させる。メイン基板102およびサブ基板104は、遊技制御装置100を構成する。裏セット機構39は、賞球タンク44や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット43等を含む。払出ユニット43は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク44から供給される遊技球を上球皿15へ払い出す。払出制御基板45は、払出ユニット43による払出動作を制御する。発射装置46は、上球皿15の貯留球を遊技領域52へ1球ずつ発射する。発射制御基板47は、発射装置46の発射動作を制御する。電源ユニット48は、ぱちんこ遊技機10の各部へ電力を供給する。
図3は、本実施例におけるぱちんこ遊技機10の機能ブロックを示す。ぱちんこ遊技機10において、遊技制御装置100は、始動口62、大入賞口66、一般入賞口72、作動口68、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、普通図柄表示装置59、操作ボタン82、スピーカ18、遊技効果ランプ90のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。遊技制御装置100は、遊技の基本動作だけでなく、図柄変動表示や電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置100は、遊技の基本動作を含むぱちんこ遊技機10の全体動作を制御するメイン基板102と、図柄の演出等を制御するサブ基板104とに機能を分担させた形態で構成される。遊技制御装置100は、ハードウエア的にはデータやプログラムを格納するROMやRAM、演算処理に用いるCPU等の素子を含んで構成される。
本実施例におけるメイン基板102は、入球判定手段110、当否抽選手段112、図柄決定手段114、変動パターン決定手段115、保留制御手段116、メイン表示制御手段118、特別遊技制御手段120、特定遊技実行手段122、開閉制御手段124を備える。本実施例におけるサブ基板104は、パターン記憶手段130、図柄態様決定手段131、演出決定手段132、演出表示制御手段134、絵柄態様決定手段310を備える。なお、メイン基板102に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板102ではなくサブ基板104に搭載されるかたちで構成されてもよい。同様に、サブ基板104に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブ基板104ではなくメイン基板102に搭載されるかたちで構成されてもよい。
ただし、メイン基板102とサブ基板104の間におけるデータの送受信はメイン基板102からサブ基板104への一方向であるため、そのような一方向でのデータ送受信にて全体動作が実現されるよう各構成がメイン基板102とサブ基板104に配置される。このようにメイン基板102からサブ基板104へのデータ送信の一方向性が保たれるため、サブ基板104に含まれる構成からメイン基板102に含まれる構成へはデータを送信することができず、データ送信の要求もできない。したがって、メイン基板102で生成された情報は、メイン基板102がサブ基板104へ一方的に送信しない限りサブ基板104から参照することはできない。
入球判定手段110は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段110は、始動入賞情報を受け取ると遊技球が始動口62に入賞したと判断し、大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が大入賞口66に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口72に入賞したと判断する。入球判定手段110は、通過情報を受け取ると遊技球が作動口68を通過したと判断する。
当否抽選手段112は、始動口62への入球を契機に、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するための乱数の値を当否抽選値として取得する。たとえば、当否抽選値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。なお、本願にいう「乱数」は、数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる疑似乱数でもよい。当否抽選手段112が当否抽選値として取得する値は、保留制御手段116により一時的に保留される。ただし、所定の保留上限数を超えない範囲で当否抽選値が保留される。
当否抽選手段112は、当否判定で参照する当否テーブルを複数保持する。複数の当否テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた大当りの範囲設定に応じて当否確率が定まる。当否抽選手段112は、通常時には通常確率による当否テーブルを参照し、確率変動時には通常確率より当りの確率が高くなる当否テーブルを参照する。当否抽選手段112は、複数の当否テーブルのうちいずれかを参照し、当否抽選値が当りであるか否かを判定する。
当否抽選手段112は、遊技球が作動口68を通過した場合に、普通図柄を決定するための開放抽選として抽選値を取得する。当否抽選手段112は、開放抽選の抽選値と当否結果の対応関係が定められた当否テーブルを保持し、その当否テーブルを参照して開放抽選の当否結果を決定する。通常状態においては1/256の確率で当りとなる当否テーブルを参照し、入球容易状態においては250/256の確率で当りとなる当否テーブルを参照する。普通図柄の抽選値は、保留制御手段116により一時的に保留される。ただし、保留制御手段116により保留される所定の保留上限数を超えない場合にだけ抽選値が保留される。
図4は、当否判定テーブルを模式的に示す図である。本図の当否判定テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられたそれぞれの範囲設定に応じて大当り当否確率や小当りの当否確率が定まる。当否抽選手段112は、当否判定において本図の当否判定テーブルを参照する。当否抽選手段112による当否抽選においては、通常時には図4(a)の通り、当否抽選値が0〜399の範囲に該当したときのみ大当りとなる。確変時には図4(b)の通り、大当りの範囲が拡大され、当否抽選値が0〜399の範囲に該当する場合だけでなく、400〜2999の範囲に該当する場合にも大当りとなる。このように、大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化する。大当りに該当した場合、15R大当りと2R大当りのいずれとなるか、および、確変を伴うか否かは、特別図柄の停止図柄に応じて別途決定される。なお、本図では単一の当否判定テーブルによって通常時と確変時の双方の大当り範囲を示したが、当否判定テーブルは通常時用と確変時用とで別個に用意してもよい。
本実施例においては、当否抽選値が大当り範囲に該当しない、いわゆる外れとなった場合であっても、所定の範囲に該当した場合には小当りとなる。本図の例では、当否抽選手段112が取得する当否抽選値が65000〜65535の範囲に該当した場合に小当りとなる。このように、大当りに該当しなかった場合、本来はすべて「外れ」であるが、本図の例では大当りに該当しなかった場合のうち小当りにも該当しなかった場合の当否抽選値範囲を特に「外れ」と表現している。なお、本図では大当りか否かの判定テーブルと小当りか否かの判定テーブルとを単一の当否判定テーブルの形で実現する例を示したが、それぞれを別個のテーブルとして実現してもよい。
図3に戻り、当否抽選手段112による判定結果は、特別図柄表示装置61において特別図柄のかたちで変動表示される。また、当否抽選手段112による判定結果を示す変動示唆図柄190が演出表示装置60において変動表示される。当否抽選手段112は、図柄変動を開始するタイミングにおいて、その図柄変動に対応する抽選の結果を図柄変動の制御コマンドとともに図柄態様決定手段131、絵柄態様決定手段310、および演出決定手段132へ送信する。
図柄決定手段114は、特別図柄表示装置61に表示させる特別図柄の停止図柄を、当否抽選手段112による抽選の結果に応じて決定する。図柄決定手段114は、特別図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルを保持する。図柄決定手段114は、特別図柄を決定するための図柄決定抽選値を取得し、当否抽選手段112による当否判定結果と図柄決定抽選値とに応じて特別図柄の停止図柄を決定する。
図柄決定手段114は、普通図柄表示装置59に表示させる普通図柄の停止図柄を、当否抽選手段112による開放抽選の結果に応じて決定する。図柄決定手段114は、開放抽選の結果を普通図柄のかたちで普通図柄表示装置59に変動表示させるために、開放抽選の結果に応じて普通図柄の停止図柄を決定する。決定された停止図柄が所定の図柄となった場合に普通図柄が当りに該当したと判定され、その停止図柄にて普通図柄の変動表示が停止された後に開閉制御手段124が始動口62の拡開機構63を所定時間拡開する。
図柄決定手段114は、決定した停止図柄を示すデータをメイン表示制御手段118、図柄態様決定手段131、絵柄態様決定手段310、演出決定手段132へ送出する。
図5は、図柄判定テーブルを模式的に示す図である。図5(a)は当否判定結果が大当りであった場合に参照するテーブルであり、図5(b)は当否判定結果が外れであった場合に参照するテーブルであり、図5(c)は当否判定結果が小当りであった場合に参照するテーブルである。図柄決定手段114は、図柄判定において本図の図柄判定テーブルを参照する。図柄判定テーブルには、特別図柄の種類を示す「0」〜「10」の番号と図柄抽選値との対応関係が定められている。特別図柄の種類はそれぞれ大当り、小当り、外れの当否判定結果と対応付けられており、「0」〜「4」が大当りに対応し、「5」〜「9」が小当りに対応し、「10」が外れに対応する。各種類には複数の特別図柄、すなわちセグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号が複数割り当てられている。
図5(a)に示す通り、特別図柄の種類「0」〜「4」が大当りに対応付けられている。そのうち、種類「0」は確変を伴う15R大当りを示し、図柄抽選値の範囲「0〜99」に対応付けられる。種類「1」は確変を伴う2R大当りを示し、図柄抽選値の範囲「100〜149」に対応付けられる。種類「2」〜「4」は確変を伴わない15R大当りを示し、図柄抽選値の範囲「150〜189」に種類「2」が対応付けられ、「190〜229」に種類「3」が対応付けられ、「230〜255」に種類「4」が対応付けられる。このように図柄抽選値の範囲の大きさによって大当り種類ごとの選択確率が定まる。
図5(b)に示す通り、種類「10」は当否判定結果が外れの場合における全範囲の図柄抽選値に対応付けられている。
図5(c)に示す通り、特別図柄の種類「5」〜「9」が小当りに対応付けられている。種類「5」は図柄抽選値の範囲「0〜49」に対応付けられ、種類「6」は図柄抽選値の範囲「50〜99」に対応付けられる。種類「7」は図柄抽選値の範囲「100〜149」に対応付けられ、種類「8」は図柄抽選値の範囲「150〜199」に対応付けられ、種類「9」は図柄抽選値の範囲「200〜255」に対応付けられる。
図3に戻り、変動パターン決定手段115は、当否抽選の結果に応じて複数種の変動パターンからいずれかの変動パターンを選択する。変動パターン決定手段115は、変動パターンを決定するために参照すべき変動パターンテーブルを保持する。変動パターン決定手段115は、決定した変動パターンを示すデータをメイン表示制御手段118、図柄態様決定手段131、絵柄態様決定手段310、演出決定手段132へ送出する。変動パターン決定手段115は、複数種の変動パターンを記憶する。複数種の変動パターンは、長短様々な変動時間をもつとともに、その変動時間にて変動示唆図柄190の点滅表示や期待演出の表示、演出示唆絵柄による変動表示も実行されることを前提として規定される。各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄および変動示唆図柄190の表示が停止される。
図6は、変動パターンテーブルを模式的に示す図である。変動パターン決定手段115は、当否判定結果が外れのときは図6(a)に示される外れ用の変動パターンテーブルを参照する。当否判定結果が15R大当りのときは図6(b)に示される15R大当り用の変動パターンテーブルを参照する。当否判定結果が2R大当りまたは小当りのときは図6(c)に示される2R大当りおよび小当り用の変動パターンテーブルを参照する。
図6(a)においては、パターン抽選値0〜10には「スーパー1」というスーパーリーチが対応付けられ、パターン抽選値11〜15には「スーパー2」というスーパーリーチが対応付けられ、パターン抽選値16〜20には「スーパー3」というスーパーリーチが対応付けられている。パターン抽選値21〜255には「ノーマル1」「ノーマル2」「リーチなし」のいずれかの変動パターンが対応付けられている。このように、当否判定結果が外れの場合、スーパーリーチ、ノーマルリーチ、リーチなしのいずれも選択される可能性がある。なお、外れ用の変動パターンテーブルにおいて、特に「リーチなし」の変動パターンを選択するとき、時短状態においては通常状態よりもさらに変動時間が概ね短い変動パターンが選択されるよう異なるテーブルを参照する。また、外れ用の変動パターンテーブルは保留数ごとに参照すべき欄が異なるように規定されるが、通常状態を例とするその詳細は後述する図14において説明する。
図6(b)においては、パターン抽選値0〜50には「スーパー1」のスーパーリーチが対応付けられ、パターン抽選値51〜220には「スーパー2」のスーパーリーチが対応付けられてい、パターン抽選値221〜240には「スーパー3」のスーパーリーチが対応付けられている。パターン抽選値241〜250には「ノーマル1」のリーチが対応付けられ、パターン抽選値251〜255には「ノーマル2」のリーチが対応付けられている。このように、当否判定結果が15R大当りの場合はリーチ付きの変動パターンが選択される。
図6(c)においては、パターン抽選値0〜122には「スーパー3」というスーパーリーチが対応付けられ、パターン抽選値123〜255には「ノーマル3」というノーマルリーチが対応付けられている。このように当否判定結果が2R大当りまたは小当りの場合は「スーパー3」または「ノーマル3」がそれぞれ約50%の確率で選択される。
図3に戻り、変動パターン決定手段115は、普通図柄の変動表示時間を決定する。通常状態においては変動表示時間を60秒に決定し、入球容易状態においては変動表示時間を6秒に決定する。
保留制御手段116は、始動口62へ新たな入球があって新たに当否抽選が実行されるときにそれ以前の入球ないし抽選に対応する図柄変動が表示されている場合、新たな入球に基づく当否抽選の結果をその抽選に対応する図柄の変動表示開始まで保留する。本実施例では当否抽選の結果として4個を上限として当否抽選値を保留球として保持する。ここでいう当否抽選値は、当否抽選値、図柄抽選値、変動パターン抽選値を含む。保留制御手段116はさらに、当否抽選手段112により取得された普図抽選値を保留球として保持する。これらの保留数がそれぞれ特別図柄保留表示装置20、普通図柄保留表示装置22の点灯数または点滅数により表される。
メイン表示制御手段118は、当否抽選手段112による抽選の結果を、変動パターン決定手段115により決定された変動パターンにしたがって特別図柄192の変動表示として特別図柄表示装置61に表示させる。メイン表示制御手段118は、それ以前になされた当否抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。メイン表示制御手段118は、特別図柄192の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出表示制御手段134へ送信する。変動開始コマンドを送信するとき、判定された当否判定結果、停止図柄、変動パターンのそれぞれを示す値を変動開始コマンドとともに演出表示制御手段134へ送信する。変動停止コマンドを送信するとき、あらためて停止図柄を示す値を変動停止コマンドとともに演出表示制御手段134へ送信する。これにより、メイン表示制御手段118および演出表示制御手段134による点滅表示が同期し、連動が保たれる。メイン表示制御手段118は、普通図柄抽選の結果を普通図柄の変動表示として普通図柄表示装置59に表示させる。
特別遊技制御手段120は、当否抽選手段112による当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、特別図柄192が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口66を開放させることにより特別遊技を実行する。特別遊技は、大入賞口66の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、1回の開閉を単位とした複数回の単位遊技で構成される。特別遊技には、単位遊技を15回繰り返す15R大当りと、15R大当りより開放時間が短い単位遊技を2回だけ繰り返す2R大当りがある。15R大当りにおいては、1回の単位遊技において大入賞口66を原則として約30秒間開放させる。2R大当りにおいては、1回の単位遊技において大入賞口66を約0.5秒間だけ開放させる。特別遊技制御手段120は、単位遊技の設定ラウンド数を消化したときに特別遊技を終了させる。なお、2R大当りとなった場合においても、所定の条件を満たした場合には、15R大当りと同様の開放態様で大入賞口66を開放させてもよい。
特定遊技実行手段122は、確変状態、時短状態、および入球容易状態における通常遊技を制御する。特定遊技実行手段122は、特別遊技の終了後に遊技状態を時短状態および入球容易状態へ移行させる。一方、特別遊技の終了後に確変状態へ移行させるのは、図柄決定手段114により決定された図柄が確変への移行を伴う大当り図柄であった場合に限られる。時短状態および入球容易状態は、特別図柄192の変動表示回数が特別遊技の終了時点から数えて所定の終了条件回数、例えば100回に達するまで継続される。ただし、同時に確変状態へ移行した場合は確変状態が続く限り時短状態および入球容易状態も継続される。すなわち、次の大当りが発生するまで継続される。このように時短状態および入球容易状態の終期は遊技状態に応じて定まる。時短状態においては、特別図柄192の変動表示時間が概ね短くなるよう、変動パターン決定手段115が変動時間の短い変動パターンを選択する。ただし、通常状態においては、保留制御手段116による当否抽選結果の保留数に応じた変動パターンテーブルを参照し、保留制御手段116による保留数が少なくなるほど変動時間の長い変動パターンが出現しやすくなる。入球容易状態においては、普通図柄の時短、普通図柄の確変、拡開機構63の開放延長が実施される。一方、確変状態は、次の大当りによる特別遊技が実行されるまで継続される。確変状態の間は当否抽選手段112による当否判定結果が大当りとなる確率が高い値のまま維持される。
開閉制御手段124は、始動口62の普通電動役物や大入賞口66の開閉を制御する。開閉制御手段124は、普通図柄が特定の図柄で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、始動口62を開放させる。また、開閉制御手段124は、特別遊技中、大入賞口ソレノイド80に開放指示を送り、大入賞口66を開放させる。
パターン記憶手段130は、変動示唆図柄190の変動表示時間とその表示過程が定められた複数の変動演出パターンを保持する。また、パターン記憶手段130は、期待演出として第1表示領域300に表示させる演出的な画像内容とその表示過程が定められた複数種類の期待演出パターンを保持する。
期待演出パターンは、特定のキャラクタやモチーフのアニメーションまたは映像を特定の背景画像や音声とともに第1表示領域300に表示させる演出パターンである。演出決定手段132は、当否抽選の結果および特別図柄の変動パターンに応じて演出表示装置60の第1表示領域300に表示させる期待演出パターンを複数種類の期待演出パターンから選択し、その期待演出パターンの情報を絵柄態様決定手段310および演出表示制御手段134へ送る。演出決定手段132は、期待演出パターンを選択するために参照すべき期待演出選択テーブルを保持する。期待演出選択テーブルは、当否抽選の結果に応じて異なる欄が参照されるように設定されており、大当りの期待度が相対的に高いパターンとして設定される期待演出パターンは、当否抽選が外れの場合よりも当りの場合の方が高い確率で選択されるよう対応関係が定められる。これにより、表示される期待演出パターンの種類によって大当りの期待度の高低を示唆することができる。
図7は、変動パターンと期待演出パターンの対応関係を模式的に示す図である。変動パターンが「リーチなし」の場合には「リーチなし」の期待演出パターンが対応付けられ、変動パターンが「ノーマルリーチ」の場合には「ノーマルリーチA」「ノーマルリーチB」「ノーマルリーチC」の期待演出パターンが対応付けられる。当否抽選の結果が大当りの場合、ノーマルリーチA〜CのうちC>B>Aの順に高い確率で選択される。逆に当否抽選の結果が外れの場合、ノーマルリーチA〜CのうちA>B>Cの順に高い確率で選択される。
変動パターンが「スーパー1」の場合には「カードリーチA」「カードリーチB」「カードリーチC」といった期待演出パターンが対応付けられる。当否抽選の結果が大当りの場合、カードリーチA〜CのうちC>B>Aの順に高い確率で選択され、当否抽選の結果が外れの場合、カードリーチA〜CのうちA>B>Cの順に高い確率で選択される。変動パターンが「スーパー2」の場合には「バトルリーチA」「バトルリーチB」「バトルリーチC」といった期待演出パターンが対応付けられる。当否抽選の結果が大当りの場合、バトルリーチA〜CのうちC>B>Aの順に高い確率で選択され、当否抽選の結果が外れの場合、バトルリーチA〜CのうちA>B>Cの順に高い確率で選択される。変動パターンが「スーパー3」の場合には「宝箱リーチA」「宝箱リーチB」「宝箱リーチC」といった期待演出パターンが対応付けられる。当否抽選の結果が大当りの場合、宝箱リーチA〜CのうちC>B>Aの順に高い確率で選択され、当否抽選の結果が外れの場合、宝箱リーチA〜CのうちA>B>Cの順に高い確率で選択される。
図3に戻り、パターン記憶手段130は、複数の絵柄区画に複数種類の演出示唆絵柄の選択肢を配列するパターンとして、複数の絵柄区画のそれぞれに対し割り当てられるべき演出示唆絵柄の種別が定められた複数種類の種別配列パターンを保持する。演出決定手段132は、複数種類の種別配列パターンからいずれかを当否抽選の結果および特別図柄の変動パターンに応じて選択する。演出示唆絵柄の種別は、大当りである可能性および期待演出の変化態様のうちいずれを示唆対象とするかによって定められ、大当りである可能性を示唆する演出示唆絵柄を第1絵柄種別とし、期待演出の変化態様を示唆する演出示唆絵柄を第2絵柄種別とする。第1絵柄種別には、割り当てられるべき演出示唆絵柄が一意に定められる。本実施例では第1絵柄種別に外れを示す絵柄の割り当てが定められている。第2絵柄種別には、割り当てられるべき演出示唆絵柄が複数通り定められている。また、第2絵柄種別に割り当てられる演出示唆絵柄は、演出種別として第1〜4演出種別に分けられる。
図8は、複数種類の種別配列パターンを模式的に示す。図示する通り本実施例では8種類の種別配列パターンを例にとり説明する。本図(a)〜(h)において、10個の種別が配列され、左から右へ1〜10の番号を便宜的に示す。(a)では、1,3,5,7,9の奇数番目に「×」が示され、2,4,6,8,10の偶数番目に「○」が示される。すなわち、「×」と「○」が一つずつ交互に配列される。「×」は当否抽選の結果が外れであったことを示す絵柄を割り当てるべき第1絵柄種別を示す。「○」は期待演出の変化態様を示唆する絵柄を割り当てるべき第2絵柄種別を示す。
(b)では、1,2,6,7番目に「×」が示され、3〜5,8〜10番目に「○」が示される。すなわち、「×」の2連続配置と「○」の3連続配置が交互に配列される。(c)では、1〜5番目に「×」が示され、6〜10番目に「○」が示される。すなわち、左半分が「×」の5連続配置となり、右半分が「○」の5連続配置となる。(d)では、1〜10番のすべてに「○」が示される。
(e)では、1,3,5,7,9の奇数番目に「○」が示され、2,4,6,8,10の偶数番目に「×」が示される。すなわち、「○」と「×」が一つずつ交互に配列され、(a)とは左右対称の位置に「○」と「×」が配置される。(f)では、1〜3,6〜8番目に「○」が示され、4,5,9,10番目に「×」が示される。すなわち、「○」の3連続配置と「×」の2連続配置が交互に配列され、(b)とは左右対称の位置に「○」と「×」が配置される。(g)では、1〜5番目に「○」が示され、6〜10番目に「×」が示される。すなわち、左半分が「○」の5連続配置となり、右半分が「×」の5連続配置となり、(c)とは左右対称の位置に「○」と「×」が配置される。(h)では(d)と同様に、1〜10番のすべてに「○」が示される。
このような種別配列パターンにしたがって配列された演出示唆絵柄の上に選択枠標識をスライドさせることにより演出示唆絵柄の選択過程および選択結果を示すが、選択枠標識のスライド方向は種別配列パターンによって一定方向に定められている。すなわち、(a)〜(d)のパターンでは、選択枠標識が右から左へ移動し、左端に達したら再び右端から左へ移動してループするよう定められている。逆に(e)〜(h)のパターンでは、選択枠標識が左から右へ移動し、右端に達したら再び左端から右へ移動してループするよう定められている。
図3に戻り、絵柄態様決定手段310は、複数種類の演出示唆絵柄を第1絵柄種別と第2絵柄種別に分けて記憶する。絵柄態様決定手段310は、複数種類の演出示唆絵柄からいずれを選択肢として表示するかを当否抽選の結果、種別配列パターン、および期待演出パターンに応じて決定する。また、絵柄態様決定手段310は、複数種類の演出示唆絵柄からいずれを選択結果として表示するかを当否抽選の結果、種別配列パターン、および期待演出パターンに応じて決定する。絵柄態様決定手段310は、決定した選択肢および選択結果を示す情報を演出表示制御手段134へ送信する。
図9は、演出示唆図柄と種別の関係を模式的に示す。絵柄種別として、第1絵柄種別には、絵柄番号「1」の「外れ絵柄」が対応付けられる。種別配列パターンに第1絵柄種別が配列された区画には、必ず「外れ絵柄」が割り当てられる。絵柄種別として、第2絵柄種別には、第1演出種別である「ノーマルリーチ」を示唆する演出示唆絵柄、第2演出種別である「カードリーチ」を示唆する演出示唆絵柄、第3演出種別である「バトルリーチ」を示唆する演出示唆絵柄、第4演出種別である「宝箱リーチ」を示唆する演出示唆絵柄が対応付けられる。
第1演出種別である「ノーマルリーチ」を示唆する演出示唆絵柄は、絵柄番号「2」の「ノーマルリーチA絵柄」、絵柄番号「3」の「ノーマルリーチB絵柄」、絵柄番号「3」の「ノーマルリーチC絵柄」である。第2演出種別である「カードリーチ」を示唆する演出示唆絵柄は、絵柄番号「5」の「カードA絵柄」、絵柄番号「6」の「カードB絵柄」、絵柄番号「7」の「カードC絵柄」である。第3演出種別である「バトルリーチ」を示唆する演出示唆絵柄は、絵柄番号「8」の「キャラA絵柄」、絵柄番号「9」の「キャラB絵柄」、絵柄番号「10」の「キャラC絵柄」である。第4演出種別である「宝箱リーチ」を示唆する演出示唆絵柄は、絵柄番号「11」の「武器A絵柄」、絵柄番号「12」の「武器B絵柄」、絵柄番号「13」の「武器C絵柄」である。
絵柄態様決定手段310は、選択された種別配列パターンにおいて第2絵柄種別が指定された絵柄区画には、第1〜4演出種別のいずれかを指定する。例として、図8(a)の種別配列パターンが選択された場合、絵柄態様決定手段310は「○」で示される2,4,6,8,10番目に、例えば第1演出種別、第2演出種別、第3演出種別、第1演出種別、第2演出種別の順で演出示唆絵柄の種別を指定する。絵柄態様決定手段310は、さらに最終的に選択結果として選択枠標識306を停止させる絵柄区画を決定する。
絵柄態様決定手段310は、第1絵柄種別および第1〜4演出種別が指定された各絵柄区画に対し、以下の割り当て規則にしたがって演出示唆絵柄を割り当てていく。
(1)第1絵柄種別が指定された絵柄区画に対して絵柄番号「1」の外れ絵柄を割り当てる。例えば図8(a)の種別配列パターンが選択された場合、絵柄態様決定手段310は「×」で示される1,3,5,7,9番目に外れ絵柄を割り当てる。
(2)第1演出種別が指定された絵柄区画のうち、所定規則により定まる起点位置の区画に対して絵柄番号「2」〜「4」の演出示唆絵柄のいずれかを割り当てる。第1演出種別への絵柄割り当ての起点区画は、第1演出種別が指定された1つ以上の絵柄区画のうち最も左に位置する区画である。例えば、図8(a)の種別配列パターンが選択された場合であって、第1演出種別が2,8番目の区画に指定された場合、2番目の区画が最も左に位置する区画として起点に指定され、その区画に対し絵柄番号「2」〜「4」のうちいずれかを抽選で割り当てる。ただし、選択結果として停止位置に決定された絵柄区画が第1演出種別に指定された区画であった場合には、停止位置の絵柄区画に対し、選択されている期待演出パターンに応じた絵柄の番号が割り当てられるよう順序を逆算して起点位置の区画の絵柄番号を決定する。すなわち、先に停止位置の絵柄区画に割り当てる絵柄番号を特定した上で、絵柄番号「2」〜「4」の逆順、すなわち降順で起点位置に割り当てる絵柄番号を求める。例えば、図8(a)の種別配列パターンにおいて第1演出種別が2,8番目の区画に指定された場合であって8番目の区画が停止位置に決定された場合、8番目の区画に割り当てる絵柄番号が「4」であれば、起点となる2番目の区画に割り当てる絵柄番号は「3」となる。なお、起点を求める規則はすべての種別配列パターンで共通し、また、すべての演出種別で共通する。
(3)起点となる区画から一定方向、すなわち右方向に向かって第1演出種別の区画に対し「2」〜「4」のループ順序で割り当てる。割り当てる順序としてはその演出種別に割り当てられるべき複数種類の演出示唆絵柄を期待度の低い絵柄から高い絵柄へと向かうループ順序にて割り当てる。例えば、第1演出種別であれば絵柄番号「2」〜「4」の昇順を基本順序としつつ、起点区画に絵柄番号「3」が割り当てられていれば、残りの第1演出種別の区画には「4」「2」「3」のループ順序で割り当てられる。
(4)第2〜4演出種別のそれぞれについても、(2)および(3)の手順で演出示唆絵柄を割り当てる。このとき、(2)および(3)の割当処理は、割当処理の対象となる演出種別が停止位置に決定された種別であるか否かにかかわらず、統一的な手順で処理することができる。割当処理の対象となる演出種別が停止位置に決定された種別であるか否かによって処理の一部が冗長となる可能性はあるものの、処理自体は簡易な処理で共通化できるため、開発段階においてデータ整合性やプログラム動作を検証する過程を比較的単純化でき、開発者の負担を軽減することができる。また、絵柄の種別が多数にわたるような設計にした場合であっても、種別に共通の処理で絵柄を割り当てることができる分、開発負担軽減の効果は大きい。
図10は、期待演出および演出示唆絵柄の選択肢が表示された画面例を模式的に示す。本図(a)に示すように、演出表示制御手段134は、期待演出パターンにしたがって第1表示領域300に期待演出の映像を表示し、演出示唆絵柄304の10個の選択肢を第2表示領域302に横一列の絵柄区画に配置するように表示する。本図では便宜上、演出示唆絵柄304として「外れ」「カードB」のように絵柄名を示しているが、実際にはこれらの絵柄名に対応するアイコンなどの絵柄画像が表示される。演出表示制御手段134は、演出示唆絵柄304の選択肢の上を重畳させた選択枠標識306を右から左へスライド表示させることにより、演出示唆絵柄304の選択過程を表示する。その後、本図(b)に示すように、演出表示制御手段134は選択結果として決定された、10個の選択肢のいずれかに選択枠標識306を停止表示させる。例えば、「宝箱C」の演出示唆絵柄304の位置で選択枠標識306停止させ、「宝箱C」の演出示唆絵柄304を選択結果として表示した場合、そのタイミングに対応するように演出表示制御手段134は第1表示領域300に宝箱の画像とその宝箱から武器などのアイテムが出現する映像を期待演出として表示させ、その後のリーチ演出に展開する。この期待演出の内容はあらかじめ期待演出パターンとして定められた内容であり、演出決定手段132がこの期待演出パターンを選択したことに対応して、選択肢の一つに「宝箱C」の演出示唆絵柄304が含められ、また、選択結果として「宝箱C」が選択されることとなる。この場合の期待演出の設計としては、「宝箱C」の演出示唆絵柄304が選択されるタイミングにおいて演出内容を変化させることとなるが、それ以外では少なくとも変動示唆図柄190の状態や点滅停止タイミングに対応付ける必要がないため設計の自由度が高い。
なお、従来「リーチ」と呼ばれる演出状態は、3つの装飾図柄を変動表示させ、そのうち2つが同じ図柄で揃い、あと一つ同じ図柄が揃えば大当りとなる状態を示すが、本実施例においては必ずしも変動示唆図柄190の状態を指すわけではない。あくまで大当りの可能性が高まったことを「リーチ」として遊技者に報知することで、遊技者の期待を煽る演出状態を指すにすぎず、その「リーチ」を演出内容としてどのように表現するかは設計次第であり、例えば「リーチ!」のように文字列で表現するなどの態様がある。
図11は、演出示唆絵柄304としてバトルリーチを示唆する絵柄を選択した場合の画面例を模式的に示す。本図(a)は選択肢のうち「バトルA」の演出示唆絵柄304を選択結果として表示した画面例であり、本図(b)は「バトルA」の演出示唆絵柄304の選択に対応する期待演出の変化態様として「バトルリーチ!!」の文字列を第1表示領域300に表示させる画面例である。
図12は、バトルリーチへ発展したときに演出示唆絵柄304の選択肢が期待演出の変化後の演出内容を示唆する別の絵柄を新たな選択肢として表示する画面例を示す。演出表示制御手段134は、特定の演出示唆絵柄が選択結果に決定された場合、その選択結果の表示まで選択肢として表示していた複数の演出示唆絵柄に代えて、期待演出の変化後の演出内容を示唆する別の複数の演出示唆絵柄を新たな選択肢として第2表示領域302の絵柄区画に配列する。その場合、入れ替え後の新たな選択肢となる複数の演出示唆絵柄は、絵柄態様決定手段310が期待演出パターンの種類に応じて決定される。例えば、「バトルリーチA絵柄」の演出示唆絵柄が選択結果に決定された場合に、期待演出の内容がバトルリーチと呼ばれる演出へ変化する旨を定めておくとともに、絵柄態様決定手段310は、入れ替え後の新たな選択肢として、バトルリーチの期待演出において対戦相手となる敵キャラクターの画像で構成される10個の演出示唆絵柄の配列を決定する。この場合の10個の演出示唆絵柄はそれぞれ大当りの期待度を示唆しており、例えばA<B<C<D<E<F<G<H<I<Jの順に、示唆する期待度が高まることとしてもよい。
図11(b)において「バトルA」の演出示唆絵柄304を選択結果として表示した場合に、演出表示制御手段134は、本図(a)に示すように期待演出の内容を「バトルリーチ」に変化させる。また、演出表示制御手段134は、第2表示領域302には期待演出の変化後の演出内容を示唆する10個のキャラクター絵柄308を新たな選択肢として表示し、選択枠標識306を移動表示させることによりキャラクター絵柄308の選択過程を表示する。本図(b)では選択枠標識306を「キャラE」というキャラクター絵柄308に停止表示させて選択結果として表示するとともに、「キャラE」に対応するキャラクター画像を第1表示領域300に表示して対戦する演出過程を表示する。その対戦結果の形で当否抽選の結果が大当りであったか否かを表す。
図3に戻り、パターン記憶手段130は、期待演出や演出示唆絵柄304、変動示唆図柄190などの表示とは別に表示されて大当りへの期待度の高さを予告的に示唆する複数の予告演出パターンをさらに保持する。予告演出パターンは、特定のキャラクタやモチーフのアニメーションまたは映像を一時的に第1表示領域300または第2表示領域302に表示させる演出パターンや、特定の音声を一時的に出力する演出パターンである。予告演出パターンによる演出は、期待演出または演出示唆絵柄に重畳して表示され、大当りの期待度が高いことを予告的に示唆する。例えば、キャラクタの画像を一つだけ第1表示領域300に表示させるだけの通常予告演出や、多数のキャラクタの群れを第1表示領域300の一端から他端へ通過させるように表示させる群予告演出がある。また、予告演出の表示過程を複数段階に分け、表示させる段階数を可変にして段階数が多いほど大当りへの期待度が高くなるように設定されるステップアップ予告演出がさらに含まれる。
演出決定手段132は、当否抽選の結果に応じて演出表示装置60に予告演出を表示させるか否かを所定の予告抽選により決定して事前演出設定をするとともに、表示させるべき予告演出パターンを決定する。演出決定手段132は、予告演出を表示させるか否かを決定するために参照すべき予告決定テーブルと、予告演出パターンの種類を選択するときに参照すべき予告種類テーブルとを保持する。予告決定テーブルは、当否抽選の結果に応じて異なる欄が参照されるように設定されており、当否抽選が当りの場合は外れの場合よりも高い確率で予告演出を表示させるよう、当否抽選の結果と予告演出を表示するか否かの対応関係が定められる。これにより、予告演出が表示されること自体で大当りへの期待度の高さを示唆することができる。
本実施例においては、予告演出パターンの一つとして、入替演出と呼ぶ予告演出を実行する。入替演出は、選択肢として表示する複数の演出示唆絵柄の種類または配置を入れ替えることにより大当りの期待度が相対的に高いことを示唆する演出である。演出示唆絵柄を入れ替えるタイミングは、期待演出が開始されて間もないタイミングである。したがって、絵柄態様決定手段310は、当否抽選が実行された後、入替演出の実行が決定された場合、演出示唆絵柄の選択肢表示開始にあたって入れ替え前の演出示唆絵柄の選択肢と入れ替え後の演出示唆絵柄の選択肢を決定してそれらの種類や配置に関する情報を演出表示制御手段134へ一度に送信しておく必要がある。しかし、その場合、演出示唆絵柄の個数としては通常の2倍である20個分に及び、それら一つ一つの種類および配置に関する情報を一度に演出表示制御手段134へ送信することとなると、そのデータ量を即時に送信する確実性を担保しなければならず、万が一の通信不具合を考慮するとプログラムが煩雑となることが懸念される。一方、入れ替え前の選択肢は実際にはそこから選択結果として選択表示されることはないため、一つ一つの選択肢について当否抽選結果や期待演出パターンの種類に応じて意図して決定する必要性も乏しい。そこで、本実施例においては、入れ替え前の選択肢については演出示唆絵柄の種類および配置を一つ一つ決定してその情報を送信するのではなく、10個の演出示唆絵柄が配列された状態の一つの全体画像をあらかじめ用意しておき、その表示で代用することとした。これにより、入れ替え前の選択肢の決定は一つの全体画像を決定するだけで足り、またその情報も一つ分だけ演出表示制御手段134に送信すれば足りるため、決定処理および送信処理を簡略化でき、通信量の増加を抑え、万が一の通信不具合にもより対応しやすい設計とすることができる。
図13は、入れ替え演出の前後における演出示唆絵柄の選択肢を模式的に示す。ここでは第1表示領域300を省略して第2表示領域302の内容だけを示す。本図(a)は入れ替え前の演出示唆絵柄の選択肢として選択肢全体画像312を表示する例である。外観上は図10や図11に示す選択肢と特に相違しないものの、データとしては一つの画像に10個の演出示唆絵柄の画像が含まれた形であり、パターン記憶手段130はこうした選択肢全体画像312を複数種類あらかじめ保持し、そのうちいずれかを絵柄態様決定手段310が選択する。本図(b)は選択肢の入れ替えを演出的に表現するために、入れ替え前の選択肢を左右から覆い隠すようにシャッター画像314をスライドさせて表示することを模式的に示す。入れ替え前の選択肢、すなわち選択肢全体画像312がすべてシャッター画像314で覆い隠された瞬間に今後はシャッター画像314を逆方向へ開くようにスライドさせて表示する。本図(c)はシャッター画像314が開いた後の選択肢を模式的に示す。入替演出においては、入れ替え後に表示される演出示唆絵柄304の種類および配置によって示唆される大当りの期待度が入れ替え前のそれより高くなるように入れ替え前後の内容が決定される。本図の例では、(a)において「外れ」の絵柄が表示されていた区画についてはすべて「バトル」の絵柄に入れ替わっており、「外れ」が確定することを示す絵柄がなくなることで相対的に大当りの期待度が高まったことを演出的に示唆している。ただし、変形例として、入れ替え後に表示される演出示唆絵柄304の種類および配置によって示唆される大当りの期待度が入れ替え前のそれと同等もしくはより低くなるように入れ替え前後の内容を決定することがあってもよい。
(c)に示す10個の選択肢は、(a)とは異なり10個の演出示唆絵柄304の画像であって、それぞれの種類と配置が絵柄態様決定手段310によって通常通り決定されて表示される。したがって、入れ替え演出がなされる場合に絵柄態様決定手段310によって決定される情報は、選択肢全体画像312の種類と10個の演出示唆絵柄304の種類および配置であり、演出表示制御手段134へ送信するデータ量としては通常時と比べて選択肢全体画像312に関する情報が増える程度に情報量の増加を抑えることができる。
図3に戻り、図柄態様決定手段131は、変動示唆図柄190の停止態様を、当否抽選手段112による抽選の結果に応じて決定する。変動示唆図柄190の停止態様は、大当りを示す停止態様と外れを示す停止態様のいずれかである。図柄態様決定手段131は、決定した停止態様を演出表示制御手段134へ送信する。
演出表示制御手段134は、当否抽選手段112による当否抽選の結果として、変動演出パターンデータにしたがって演出表示装置60の画面右端に変動示唆図柄190を小さく点滅表示させる。演出表示制御手段134は、変動示唆図柄190の変動開始コマンドを受け取ったときに新たな点滅表示を開始させる。
演出表示制御手段134は、予告演出を表示させる旨が演出決定手段132により決定された場合、選択された予告演出パターンにしたがった予告演出を第1表示領域300または第2表示領域302に表示させる。演出表示制御手段134は、遊技効果ランプ90の点灯および消灯や、スピーカ18からの音声出力などの演出処理をさらに制御する。
図14は、外れ用の変動パターンテーブルを詳細に示す図である。本図の変動パターンテーブル210においては、保留数ごとにそれぞれ変動パターンに対応付けられたパターン抽選値の範囲が異なる。具体的には、保留数が少ないほど変動時間が相対的に長い変動パターンに割り当てられたパターン抽選値の範囲が広くされており、それら変動時間の長い変動パターンが選択される確率を高めている。そのため、保留制御手段116による保留数が少ないほど平均的な変動時間が長くなる。したがって、保留制御手段116による保留数が所定数、例えば1〜2個より少なくなった場合に、変動時間の長い変動パターンの選択確率が通常より高くなり、変動時間が比較的長くなりやすい。
第1欄212には、保留制御手段116による当否抽選の結果保留数が1の場合のパターン抽選値範囲と変動パターンとの対応関係が示される。同様に、第2欄214、第3欄216、第4欄218に、保留制御手段116による当否抽選の結果保留数がそれぞれ2、3、4の場合のパターン抽選値範囲と変動パターンとの対応関係が示される。すなわち、第1欄212、第2欄214、第3欄216、第4欄218が保留数ごとの変動パターンテーブルを示すと考えることができる。本図では、外れのときに選択され得る複数の変動パターンを変動時間別に5種類に分類した例を説明するが、実際にはそれらの分類ごとに複数の変動パターンが用意されており、全体で数十種類の変動パターンがその分類ごとの抽選値範囲に対応付けられていることに等しい。なお、本図の第2欄214、第3欄216、第4欄218の各パターン抽選値範囲の割合と第1欄212におけるパターン抽選値範囲の割合を比較するために、第1欄212のパターン抽選値範囲の割合を示す破線を第2欄214、第3欄216、第4欄218に描いている。
第1範囲222には、抽選値が0から10までのパターン抽選値に該当する場合の変動パターンとして、第1欄212、第2欄214、第3欄216、第4欄218のいずれにも「スーパー1」というスーパーリーチの変動パターンが対応付けられる。第2範囲224には、抽選値が11から20までのパターン抽選値に該当する場合の変動パターンとして、第1欄212、第2欄214、第3欄216、第4欄218のいずれにも「スーパー2」というスーパーリーチの変動パターンが対応付けられる。このように、抽選値が0から10までのパターン抽選値と抽選値が11から20までのパターン抽選値の場合には、保留数にかかわらず同じ変動時間の変動パターンが選択される。
第3範囲226には、抽選値が21から255までのパターン抽選値に該当する場合の変動パターンとして、第1欄212、第2欄214、第3欄216、第4欄218にはそれぞれノーマルリーチである「ノーマル1」「ノーマル2」と「リーチなし外れ」の3種類の変動パターンが対応付けられる。ただし、それぞれの変動パターンが対応付けられるパターン抽選値の範囲は保留数によって異なる。第1欄212では、「ノーマル1」「ノーマル2」「リーチなし」のそれぞれが対応付けられる抽選値範囲の大きさがそれぞれほぼ等しく、21から255をほぼ3等分した範囲が対応付けられている。これに対し、第2欄214では、「ノーマル1」「ノーマル2」のそれぞれに対応付けられる抽選値範囲の大きさが「リーチなし」に対応付けられる抽選値範囲より小さい。また、第3欄216および第4欄218では「ノーマル1」「ノーマル2」のそれぞれに対応付けられる抽選値範囲の大きさがさらに小さくなっている。
「ノーマル1」「ノーマル2」の変動時間は「リーチなし外れ」の変動時間より長くてもよく、また「リーチなし外れ」のときは時短状態のように変動時間が短縮される場合もあるため、上記の第3範囲226の設定内容に応じて平均的な変動時間が異なることとなる。保留数が0から1、2、3、4と多くなるにつれて「ノーマル1」および「ノーマル2」のパターン抽選値範囲は小さくなり、逆に「リーチなし外れ」のパターン抽選値範囲が大きくなる。したがって、保留数が多いほど平均的な変動時間は短くなり、逆に保留数が少ないほど平均的な変動時間は長くなる。このように保留数ごとにパターン抽選値範囲と変動パターンの対応関係が異なる変動パターンテーブルを用いることにより、保留数が少なくなったときに変動時間の長い変動パターンが選択されやすくなる制御を実現することができる。
第3欄216に対応付けられた「リーチなし外れ」の変動パターンは、第1欄212、第2欄214に対応付けられた「リーチなし外れ」よりも変動時間が短い、いわゆる「短縮変動」の変動パターンである。また、第4欄218に対応付けられた「リーチなし外れ」の変動パターンは、第1欄212、第2欄214に対応付けられた「リーチなし外れ」よりも変動時間が短く、第3欄216の「短縮変動」よりもさらに変動時間が短い、いわゆる「超短縮変動」の変動パターンである。
図15は、ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。まず、遊技球が始動口62、一般入賞口72、大入賞口66などへ入球した場合の処理を実行し(S10)、通常遊技中であれば(S12のY)、当否抽選などの通常遊技の制御処理を実行し(S14)、通常遊技中でなければ(S12のN)、特別遊技の制御処理(S16)や、小当り遊技の制御処理を実行し(S17)、S10の入賞処理においてセットされた賞球数により各種の入賞に応じた賞球払出を処理する(S18)。
図16は、図15におけるS14の通常遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。通常遊技制御処理において、当否抽選値の保留がなされている場合であって(S30のY)、図柄変動が表示中でなければ(S32のN)、当否抽選手段112が当否判定処理を実行する(S34)。その判定結果に応じてメイン表示制御手段118が変動表示を開始するとともに、変動開始コマンドを演出表示制御手段134へ送信し、これを受信した演出表示制御手段134が変動パターンにしたがって変動示唆図柄190の点滅表示を開始するとともに(S36)、期待演出や演出示唆絵柄、予告演出などの演出を表示開始する(S37)。S30において当否抽選値が保留されていなかった場合は(S30のN)、S32からS37までの処理がスキップされ、S32において図柄変動が表示中であった場合は(S32のY)、S34からS37までの処理がスキップされる。続いて、図柄変動表示がすでに開始されていれば(S38のY)、図柄変動表示処理を実行するとともに(S40)、演出表示の処理を実行する(S41)。図柄変動表示が開始されていないときは(S38のN)、S40およびS41をスキップする。
図17は、図16におけるS34の当否判定処理を詳細に示すフローチャートである。まず、当否抽選手段112が当否抽選値を読み出して(S42)、その当否抽選値に基づいて当否を判定する(S44)。図柄決定手段114は、当否判定結果に基づいて特別図柄の停止図柄を決定し(S46)、変動パターン決定手段115が特別図柄の変動パターンを選択する(S48)。演出決定手段132は、当否判定結果、特別図柄、および変動パターンに基づいて演出内容を決定する(S50)。
図18は、図17におけるS50の演出内容決定処理を詳細に示すフローチャートである。演出決定手段132は、期待演出パターンを決定し(S200)、予告演出パターンを決定し(S202)、種別配列パターンを決定する(S204)。絵柄態様決定手段310は当否抽選の結果および種別配列パターンにしたがって演出示唆絵柄の割り当てを決定する(S206)。選択された変動パターンが「スーパーリーチ」である場合(S208のY)、期待演出の変化後においてその変化内容を示唆するために新たな選択肢として表示されるキャラクター絵柄などの演出示唆絵柄を決定し(S210)、「スーパーリーチ」ではない場合はS210をスキップする(S208のN)。予告演出として入替演出の実行が決定されている場合(S212のY)、入れ替え前に選択肢として表示させる選択肢全体画像を決定し(S214)、入替演出の実行がない場合(S212のN)、S214をスキップする。
図19は、図18のS206を詳細に示すフローチャートである。まず、種別配列パターンにおいて第2絵柄種別が指定された区画に対してはそれぞれ演出種別を決定し(S220)、選択結果として選択枠標識306を停止させる区画を決定する(S222)。演出示唆絵柄304の割り当て処理を種別ごとに処理することを前提として、その割当処理の対象とする種別を設定する(S224)。割り当て対象の種別が停止位置の区画に決定された種別である場合(S226のY)、その停止位置の区画に割り当てる演出示唆絵柄304を決定し、そこから逆算して所定の起点位置の区画に割り当てる演出示唆絵柄304を決定する(S230)。割り当て対象の種別が停止位置の区画に決定された種別でない場合は(S226のN)、S228をスキップして所定の起点位置の区画に割り当てる演出示唆絵柄304を決定する(S230)。起点区画から所定方向に並ぶ割り当て対象の種別の区画に対して順に演出示唆絵柄304を割り当てる(S232)。このようなS224からS232までの処理を種別ごとに実行し、全種別についての割り当てが完了していなければS224からS232までの処理を繰り返し(S234のN)、完了していればこのフローを終了する(S234のY)。
図20は、図15におけるS16の特別遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。当否抽選の結果が大当りであった場合(S90のY)、すでに特別遊技が開始済みであって(S92のY)、大入賞口66が開放済でなければ(S98のN)、大入賞口66の開放処理を実行する(S100)。このとき、設定された大当り演出の表示も開始する。大入賞口66が開放済みであれば(S98のY)、大入賞口66の閉鎖処理を実行する(S102)。その結果、大入賞口66が閉鎖状態になっていれば(S104のY)、S106へ移行する。閉鎖状態でなければ(S104のN)、S106以降の処理をスキップして本処理を一旦終了する。一方、S92において特別遊技が開始済みでない場合は(S92のN)、特別遊技を開始して(S94)、その開始デモ演出の表示を開始し(S96)、本処理を一旦終了する。
S106においては、特別遊技中の演出であるデモ演出中であるか否かを判定する。なお、ここでいう「デモ演出」は、開始デモ演出および終了デモ演出を含む。デモ演出中でなければ(S106のN)、後述する終了フラグを参照して特別遊技終了条件が満たされるか否かを判定し(S110)、特別遊技終了条件が満たされていれば(S110のY)、その終了フラグをオフにしたうえで(S112)、終了デモ演出の表示を開始する(S114)。特別遊技終了条件が満たされていなければ(S110のN)、本処理を一旦終了する。S106にてデモ演出中であると判定され(S106のY)、終了デモ演出が終了した場合(S116のY)、特別遊技を終了し(S118)、特定遊技、すなわち確変、時短、および入球容易状態を開始する(S120)。終了デモ演出が終了していない場合は(S116のN)、S118およびS120の処理をスキップする。大当りでない場合は(S90のN)、本図のS92以降のフローをスキップする。
図21は、図20におけるS100の開放処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開閉パターンに基づく大入賞口66の開放タイミングとなったとき(S122のY)、開閉制御手段124は、通過フラグを一律にオフにするとともに開閉パターンの動作を設定し(S124)、大入賞口66を開放させる(S126)。また、現在の単位遊技の繰り返し回数に対応した大当り演出、または繰り返し回数が異なる回数になることに対応した大当り演出を設定して開始する。開放タイミングでないときは(S122のN)、S124およびS126の処理をスキップする。
図22は、図20におけるS102の閉鎖処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開閉パターンに基づく大入賞口66の閉鎖タイミングとなったとき、開閉制御手段124は大入賞口66を閉鎖させる。すなわち、特別遊技中において、入球数による終了条件が満たされるか(S130のY)、入球数による終了条件が満たされなくとも(S130のN)、開放時間による終了条件が満たされれば(S132のY)、大入賞口66を閉鎖する(S134)。開放時間による終了条件も満たされなければ(S132のN)、S134以降のフローをスキップする。
なお、15R大当りにおける入球数による終了条件は大入賞口66への10球以上の入球であり、開放時間による終了条件は、大入賞口66の開放開始から開閉パターンに沿った設定時間の経過である。15R大当りの場合は、その開放開始から30秒の経過であり、2R大当りの場合は、その開放開始から0.5秒の経過である。ただし、0.5秒の開放は極めて短いため、10球以上の入球はもちろん、入球そのものが困難である。その大入賞口の開放と同時に遊技球を打ち出したとしても入球困難であるため、大入賞口66の極短開放が行われる2R大当りについては、大入賞口66の開放前にその開放を予測して遊技球を打ち出す必要がある。一方、15R大当りにおける入球数による終了条件は大入賞口への10球以上の入球であり、開放時間による終了条件は、大入賞口66の開放開始から30秒の経過である。このとき、継続上限回数に達していれば(S136のY)、終了フラグをオンにする(S138)。継続上限回数に達していなければ(S136のN)、S138の処理をスキップする。本実施例においてこの継続上限回数は15回である。入球数による終了条件および開放時間による終了条件のいずれも満たされていなければ(S130のN,S132のN)、S134以降の処理をスキップする。
図23は、図15におけるS17の小当り遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。当否抽選の結果が小当りであった場合(S150のY)、既に小当り遊技が開始済みであって(S152のY)、大入賞口66が開放済でなければ(S158のN)、大入賞口66の開放処理を実行し(S160)、開放済みであれば(S158のY)、大入賞口66の閉鎖処理を実行する(S162)。その結果、大入賞口66が閉鎖状態になっていれば(S164のY)、S166へ移行する。閉鎖状態でなければ(S164のN)、S166以降の処理をスキップして本処理を一旦終了する。一方、S152において小当り遊技が開始済みでない場合は(S152のN)、小当り遊技を開始して(S154)、2R大当りと同様の開始デモ演出の表示を開始し(S156)、本処理を一旦終了する。
S166においては、小当り遊技中の演出であるデモ演出中であるか否かを判定する。デモ演出中でなければ(S166のN)、小当り遊技終了条件が満たされたか否かを判定する。ここでは、後述する終了フラグがオンになっていれば、小当り遊技終了条件が満たされることになる。小当り遊技終了条件が満たされていれば(S170のY)、その終了フラグをオフにしたうえで(S172)、終了デモ演出の表示を開始する(S174)。小当り遊技終了条件が満たされていなければ(S170のN)、本処理を一旦終了する。S166にてデモ演出中であると判定され(S166のY)、終了デモ演出が終了した場合(S176のY)、小当り遊技を終了する(S178)。終了デモ演出が終了していない場合は(S176のN)、S178の処理をスキップする。小当りでない場合は(S150のN)、本図のS152以降のフローをスキップする。
図24は、図23におけるS160の開放処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開閉パターンに基づく大入賞口66の開放タイミングとなったとき(S180のY)、開閉制御手段124は、開閉パターンの動作を設定し(S182)、大入賞口66の開放を開始する(S184)。開放タイミングでないときは(S180のN)、S182およびS184の処理をスキップする。
図25は、図23におけるS162の閉鎖処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開閉パターンに基づく大入賞口66の終了タイミングとなったとき(S190のY)、終了フラグをオンにし(S192)、大入賞口66を閉鎖する(S194)。なお、この閉鎖タイミングは、大入賞口66の開放開始から0.5秒の経過したタイミングである。閉鎖タイミングでなければ(S190のN)、S192およびS194の処理をスキップする。
本実施例は、2R大当りとなった場合にその特別遊技終了からの限定的な期間において特殊変動パターンテーブルを参照して変動パターンを決定するとともに、サブ基板104においては特殊変動パターンテーブルが参照される期間の残り度合いに応じて演出内容を決定する。
本実施例では、参照する変動パターン選択基準を特別遊技の終了からの限定的な期間にわたって特殊演出に対応する特殊変動パターンが選択されるよう定められた特殊変動パターン選択基準に切り替え、限定的な期間の長さを大当りの種類に応じて決定する。特殊演出においては、現在の遊技状態が特定遊技に移行した状態であることを遊技者に報知するための条件として、画面に表示させる外見上の目標終期まで当該特殊演出の継続に成功することが条件であると示唆するとともに、目標終期まで当該特殊演出を継続させたときに特定遊技に移行した状態であることを遊技者に報知する。目標終期は限定的な期間より後となるように決定し、当否抽選のたびに目標終期が限定的な期間に最終的に収まるよう段階的に目標終期を変更するためのその変更幅を示唆する変更演出を決定する。変更演出は、特殊変動パターン選択基準が参照されているか否か、限定的な期間の残り度合い、および、目標終期までの残り度合いの組合せに応じて変更幅の異なる複数の変更演出から決定し、その決定された変更演出の変更幅にて目標終期を変更する。
ここで「特殊変動パターン選択基準」は、当否抽選が当りとなって所定種類の当り図柄が選択された場合にその特別遊技後において所定回数の図柄変動がなされる期間にだけ特別な演出を出現させるために参照される変動パターン選択基準であってもよい。「特殊変動パターン選択基準」は、パラメータ同士の対応関係が定められたテーブル構造を用いて実現されてもよいし、パラメータからパラメータを導出するプログラム構造を用いて実現されてもよい。テーブル構造を用いる場合、実質的に1種類となる選択基準を構造的に細分化された複数のテーブルの組み合わせで構成してもよい。以上のように、参照されている特殊変動パターンテーブルの種類に応じて演出を決定することにより、容易かつ確実に目標終期を変更することができる。「限定的な期間」や「目標終期」の期間は、図柄変動回数で規定される期間であってもよいし、経過時間で規定される期間であってもよい。「残り度合い」というときはこれらの期間の残り回数または残り時間であってよい。
図3において、特定遊技実行手段122は、当否抽選の結果が確変を伴う2R大当りであっても、確変を伴う大当りに該当したか否かが遊技者からは認識困難となる態様にて、その特別遊技終了後に確変状態へ移行させる。すなわち、演出表示制御手段134は、確変を伴う大当りであったか否かは当否結果として演出表示装置60には表示せず、特別遊技中においても確変を伴うか否かを演出表示装置60にて報知せず、特別遊技後も確変へ移行した場合としていない場合とで演出の外観には違いがないようにする。これにより、遊技者は特に演出表示装置60の表示内容からは確変へ移行したか否かが直ちに把握できない、いわゆる潜伏確変モードの状態となる。
当否抽選の結果が2R大当りとなった場合、変動パターン決定手段115は、特別図柄が2R大当りを示す図柄に該当したことを契機として、その特別遊技終了からの限定的な期間においては変動パターンテーブルとして特殊変動パターンテーブルを参照する。特殊変動パターンテーブルは、それが参照される限定的な期間において特殊演出が実行されるように定義されている。すなわち、特殊変動パターンテーブルには変動パターンとして、特殊演出に対応する特殊変動パターンだけが選択されるように定められている。特殊変動パターンは変動時間の種類が単一であり、結果として特殊変動パターンテーブルが参照される間は変動時間が固定となる。本実施例の特殊演出は、潜伏確変モードにおいて、所定条件のもとで確変に移行していることを遊技者に報知し得ることを示唆する演出である。ここでは、画面に表示する「目標終期」まで当該特殊演出の継続に成功すれば報知の条件を満たしたこととなり、確変に移行済みであることを演出表示制御手段134が遊技者に報知する。したがって、演出表示制御手段134は、実際に遊技状態が確変へ移行しているか否かに応じて、目標終期まで当該特殊演出を継続させるか否かを決定する必要があり、また、その継続可否に応じて目標終期を設定および変更する必要がある。本実施例にいう「変更」は、目標終期として表示する図柄変動回数を減らす調整を施すことにより限定的な期間との差を縮めて意図的に近づかせる処理である。なお、変形例として、当否抽選の結果が小当りとなった場合にもその小当り遊技の終了からの限定的な期間において特殊変動パターンテーブルを参照し、特殊演出を実行してもよい。
図26は、特殊演出における目標終期と変更演出の表示を模式的に示す画面例の図である。本図(a)に示す通り、画面左上には目標終期340として「確変確定まであと28回」といった文字列を表示する。ここでいう「28回」が目標終期としての図柄変動回数の残り回数である。特別遊技終了の時点では演出決定手段132により目標終期として決定された図柄変動回数が表示され、当否抽選および図柄変動がなされるたびに目標終期340として表示する残り回数を1減らしていく。第2表示領域302には、変更演出として目標終期を変更する変更幅を示唆する変更示唆絵柄342の選択肢が表示される。それら選択肢に重畳する形で選択枠標識306をスライド表示させることで選択肢からいずれかを選択する過程を表示する。
本図(b)は選択肢から「−10回」を示唆する変更示唆絵柄342の絵柄区画にて選択枠標識306を停止表示して選択結果を示した状態である。その結果、それまで目標終期340に表示していた残り回数から10回を減らして「あと18回」と表示し直す。以上のような変更示唆絵柄342の選択過程や目標終期340の変更を、図柄変動がなされるたびに期待演出の前または後のタイミングで実行し、表示する。
図27は、目標終期の残り回数がゼロに達して特殊演出の継続に成功した状態を模式的に示す画面例の図である。目標終期340としては「確変確定まであと0回」といった文字列を表示し、目標終期の残り回数がゼロとなり、目標終期まで特殊演出の継続に成功したことを示される。また、第1表示領域300には「確変確定!!」といった文字列を表示することにより、さらに明示的に確変へ移行済みであることを遊技者に報知する。逆に目標終期340として示す残り回数がゼロにならないまま特殊演出が終了してしまった場合には確変確定の報知は当然ながら表示されず、確変には移行していなかったことが示される。
特殊演出が実際に継続する期間とは特殊変動パターンテーブルが参照される「限定的な期間」を指しており、したがって、演出決定手段132は限定的な期間の残り期間に応じて目標終期を適宜変更する必要がある。ただし、演出の外見上は確変の報知有無が確定するのはあくまでも特殊演出が終了するタイミングであるため、そのタイミングまでは条件を満たした状態を形成させないようにしながら段階的に調整する必要があり、制御が煩雑となりかねない。そこで本実施例においては、特殊変動パターンテーブルの参照状態と、限定的な期間の残り度合いと、外見上表示する目標終期の残り度合いと、の関係に応じて容易に、かつ、確実に変更するための変更演出テーブルを参照することとする。
変動パターン決定手段115は、特殊変動パターンテーブルを参照する限定的な期間としての図柄変動回数を大当り図柄の種類に応じて選択する。変動パターン決定手段115は、限定的な期間としての図柄変動回数を5回、10回、15回、20回、25回、30回から選択し、選択した図柄変動回数の情報を演出決定手段132へ送信する。また、変動パターン決定手段115は図柄変動がなされるたびに限定的な期間の残り回数の情報を演出決定手段132へ送信する。なお、遊技状態が確変状態でない場合、限定的な期間の図柄変動回数としては、最大回数である30回以外の回数から選択することとしてもよい。目標終期と限定的な期間が最初から一致してしまうと目標終期を事後的に遅らせる処理でもしない限り目標終期まで特殊演出が継続してしまうこととなり、報知の条件が満たされてしまうためである。
演出決定手段132は、変動パターン決定手段115から受け取る限定的な期間としての図柄変動回数の情報に基づいて、目標終期を限定的な期間より後となるように図柄変動回数を決定する。演出決定手段132は、目標終期としての図柄変動回数を5回、10回、15回、20回、25回、30回から、限定的な期間としての図柄変動回数より大きい回数を選択する。ただし、遊技状態が確変へ移行した状態の場合には、目標終期まで特殊演出を継続させることとなるため、目標終期としての図柄変動回数を限定的な期間と同回数に決定する場合があってもよい。その場合、目標終期と限定的な期間とに回数差が最初から生じないため、目標終期を調整することもない。また、変形例として、目標終期としての図柄変動回数を、つねに最大回数である30回に設定する構成としてもよい。その場合、限定的な期間が30回に決定されない限りは必ず最初に回数差が生じることとなる。
このように、演出決定手段132が決定した外見上の目標終期は、演出的な目的により限定的な期間との間で回数差が生じやすくなっている。そうした回数差を縮める演出をさらに実行することにより、特に実際に確変状態となっている場合には限定的な期間の最後に回数差をなくして、報知の条件を満たした状態を形成させる。
演出決定手段132は、当否抽選のたびに目標終期が限定的な期間に最終的に収まるよう段階的に目標終期を変更するためのその変更幅を示唆する変更演出を、変更幅の異なる複数の変更演出から決定し、その決定された変更演出の変更幅にて目標終期を変更する。演出決定手段132は、特殊変動パターンテーブルが参照されているか否か、限定的な期間の残り度合い、および、目標終期までの残り度合いの組合せに応じて変更演出を決定する。
変動パターン決定手段115は、特殊変動パターンテーブルとして第1特殊パターンテーブルと第2特殊パターンテーブルを保持する。変動パターン決定手段115は、大当りの種類、すなわち特別図柄の停止図柄の種類に応じて定められる変動パターンテーブルの参照順序および参照回数にしたがって変動パターンテーブルを参照する。大当りの種類が2R大当りであった場合、特別遊技の終了後に変動パターンテーブルを第1特殊パターンテーブルに切り替えるとともに、確変へ移行している状態の場合には限定的な期間の最終回だけ第2特殊パターンテーブルを参照する。すなわち、変動パターン決定手段115が限定的な期間として選択する図柄変動回数が「5回」の場合は、第1特殊パターンテーブルの参照を「4回」に設定し、第2特殊パターンテーブルの参照を「1回」に設定する。同様に「10回」の場合は第1特殊パターンテーブルの参照を「9回」、第2特殊パターンテーブルの参照を「1回」に設定し、「15回」の場合は第1特殊パターンテーブルの参照を「14回」、第2特殊パターンテーブルの参照を「1回」に設定する。
演出決定手段132は図柄変動がなされるたびに目標終期までの残り回数を1減らす。演出決定手段132は、特殊変動パターンテーブルが参照されているとき、第1特殊パターンテーブルおよび第2特殊パターンテーブルのうちいずれが参照されているかに応じた変更演出テーブルにしたがって、限定的な期間の残り回数、および、目標終期の残り回数の組合せに応じた変更幅の変更演出を選択する。演出決定手段132は、第1特殊パターンテーブルが参照されているときは、限定的な期間の残り回数以上の変更幅の選択肢が除外されるよう定められた第1変更演出テーブルにしたがって変更演出を選択する。演出決定手段132は、第2特殊パターンテーブルが参照されているときは、限定的な期間の残り回数以上の変更幅が選択肢として定められた第2変更演出テーブルにしたがって変更演出を選択する。
図28は、特殊変動パターンテーブルの種類や限定的な期間と目標終期の回数差に基づいていずれの変更演出を選択するかを定めた変更演出テーブルを模式的に示す図である。本図の変更演出内容320としては、変更演出の有無または変更演出の変更幅を示唆する変更示唆絵柄を示す。第1変更示唆絵柄328は、目標終期の変更をしないことを示唆する「*」の絵柄である。第2変更示唆絵柄330は、目標終期からの変更幅が「−5回」、すなわち表示する目標終期の残り回数から5回を減らす変更演出をすることを示唆する絵柄である。第3変更示唆絵柄332、第4変更示唆絵柄334、第5変更示唆絵柄336、第6変更示唆絵柄338は、第2変更示唆絵柄330と同様に、それぞれ「−10回」「−15回」「−20回」「−25回」「−30回」の変更幅を示唆する絵柄である。
第1変更演出テーブル322は、変動パターン決定手段115が第1特殊パターンテーブルを参照しているときに演出決定手段132が参照する変更演出テーブルである。第2変更演出テーブル324は、変動パターン決定手段115が第2特殊パターンテーブルを参照しているときに演出決定手段132が参照する変更演出テーブルである。回数差326は、限定的な期間と目標終期との間の図柄変動回数の差を示す。本図のテーブルでは、回数差ごとに選択の対象となる絵柄に「○」を示し、選択の対象外となる絵柄に「×」を示す。なお、本実施例では限定的な期間の図柄表示回数と目標終期の図柄表示回数をともに5の倍数で規定したため、これらの回数差はつねに5の倍数またはゼロとなる。変形例としては5の倍数以外となるように規定してもよい。
第1変更演出テーブル322を参照する期間、すなわち第1特殊パターンテーブルが参照される期間においては、回数差が20回以上であれば第2変更示唆絵柄330、第3変更示唆絵柄332、第4変更示唆絵柄334が選択の対象となり、他の絵柄は選択の対象外となる。すなわち、回数差以上の変更幅となる絵柄は対象外となり、また、回数差の縮小を図るために第1変更示唆絵柄328も対象外となっている。同様の選択趣旨に基づき、回数差が15〜19回であれば第2変更示唆絵柄330、第3変更示唆絵柄332、第4変更示唆絵柄334が選択の対象となり、回数差が10〜14回であれば第2変更示唆絵柄330、第3変更示唆絵柄332が選択の対象となり、回数差が5〜9回であれば第2変更示唆絵柄330が選択の対象となる。一方、回数差が0〜4回のときはもはや縮小の余地も必要もないことから第1変更示唆絵柄328だけが選択の対象となる。このように、限定的な期間において最後の1回となるまではできるだけ回数差を縮められるよう第1変更演出テーブル322に基づいて変更演出がなされ、目標終期が変更される。
第2変更演出テーブル324を参照する期間、すなわち限定的な期間の最終回として第2特殊パターンテーブルが参照されるとき、回数差が20回以上であれば第6変更示唆絵柄338だけが選択の対象となり、他の絵柄は選択の対象外となる。これにより、必ず回数差以上の変更幅が選択されることになり、限定的な期間の最後に必ず強制的に回数差が解消されて目標終期へ到達した状態が確実に実現される。同様の選択趣旨に基づき、回数差が15〜19回であれば第5変更示唆絵柄336、第6変更示唆絵柄338が選択の対象となり、回数差が10〜14回であれば第4変更示唆絵柄334、第5変更示唆絵柄336、第6変更示唆絵柄338が選択の対象となる。回数差が5〜9回であれば第3変更示唆絵柄332、第4変更示唆絵柄334、第5変更示唆絵柄336、第6変更示唆絵柄338が選択の対象となり、回数差が0〜4回であれば第2変更示唆絵柄330、第3変更示唆絵柄332、第4変更示唆絵柄334、第5変更示唆絵柄336、第6変更示唆絵柄338が選択の対象となる。いずれの回数差においても第1変更示唆絵柄328は選択の対象となっておらず、必ず目標終期が変更される変更演出が選択される。ただし、変形例としては、回数差がゼロの場合だけ第1変更示唆絵柄328が選択され得る構成としてもよい。
図29は、図17におけるS48の特別図柄の変動パターン選択処理を詳細に示すフローチャートである。特別遊技の終了直後の場合(S250のY)、限定的な期間の回数を設定して演出決定手段132へ送信し(S252)、変動パターン決定手段115は変動パターンテーブルを第1特殊パターンテーブルに切り替える(S254)。特別遊技の終了直後でない場合はS252およびS254をスキップする(S250のN)。第1特殊パターンテーブルを参照した回数がその設定回数に達した場合(S256のY)、変動パターン決定手段115は変動パターンテーブルを第2特殊パターンテーブルに切り替え(S258)、第1特殊パターンテーブルの設定回数に達してない場合はS258をスキップする(S256のN)。現在、限定的な期間内である場合(S260のY)、変動パターン決定手段115は参照している特殊変動パターンテーブルの種類と限定的な期間の残り回数を示す情報を演出決定手段132へ送信する(S262)。限定的な期間でない場合(S260のN)、遊技状態に応じた変動パターンテーブルを設定する(S264)。変動パターン決定手段115は、以上のように切り替えまたは設定がなされた変動パターンテーブルにしたがって変動パターンを決定する(S266)。
図30は、図17におけるS50の演出内容決定処理を詳細に示すフローチャートである。本図のS200からS214までは図18と同じであり、S212およびS214の後、特殊演出決定処理(S216)を実行する点が図18と異なる。
図31は、図30におけるS216の特殊演出決定処理を詳細に示すフローチャートである。特別遊技の終了直後の場合(S280のY)、演出決定手段132は変動パターン決定手段115から受信する限定的な期間を参照して目標終期としての図柄変動回数を決定し(S282)、特別遊技の終了直後でない場合はS282をスキップする(S280のN)。変動パターン決定手段115から第1特殊パターンテーブルが参照されている旨の情報を受信したときは(S284のY)、第1変更演出テーブルにしたがって変更演出を決定し(S286)、決定した変更演出に基づいて目標終期を変更する(S288)。第1特殊パターンテーブルが参照されていないときはS286およびS288をスキップする(S284のN)。変動パターン決定手段115から第2特殊パターンテーブルが参照されている旨の情報を受信したときは(S290のY)、第2変更演出テーブルにしたがって変更演出を決定し(S292)、決定した変更演出に基づいて目標終期を変更する(S294)。第2特殊パターンテーブルが参照されていないときはS292およびS294をスキップする(S290のN)。演出決定手段132は、変更演出パターンに基づく変更演出の選択肢を示唆する絵柄の配列を決定する(S296)。このようにして決定された絵柄の配列や絵柄の選択過程、目標終期の表示などの演出は、図16のS37において表示が開始され、同図S41において表示処理がなされる。
(第2実施例)
本実施例は、当否抽選の結果を示唆するための図柄変動演出として、互いに形態の異なる第1図柄変動演出と第2図柄変動演出を含み、遊技状態に応じてそれらを切り替える点で第1実施例と相違する。以下、第1実施例との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略する。
本実施例において、第1図柄変動演出は、複数列の図柄の停止図柄組合せにて当否抽選の結果を示す装飾図柄を変動表示させる。一方、第2図柄変動演出は、当否抽選の結果を示唆する複数種類の演出示唆図柄の選択肢を複数の図柄区画に並べて表示させるとともに、当否抽選の結果に応じて選択肢からいずれかを選択する演出過程とその選択結果を表示させる。複数種類の演出示唆図柄の少なくとも一部には、装飾図柄の図柄候補に含まれる絵柄と同種の複数の絵柄が選択対象として含まれる。第1図柄変動演出において装飾図柄の各列で巡回表示される複数の図柄候補、その複数の図柄候補の表示順序、および各図柄候補ごとに含まれる絵柄の種類については予め設定される。第2図柄変動演出の表示の際には、複数の図柄区画に並べる絵柄が決定され、決定された複数の絵柄の図柄区画への配列順序が、装飾図柄の各列における同種の絵柄の配列順序と対応するように決定される。
ここで、「複数種類の演出示唆図柄」は、その一部が選択肢として複数の図柄区画に並べられることになり、第2図柄変動演出の表示ごとにその選択肢が入れ替わるものでもよい。「図柄候補」は、装飾図柄が停止表示されるときにその停止図柄組合せを構成しうる。「絵柄」はキャラクタ、モチーフ、色など、その属性が分類されるものでよい。複数の図柄区画に並べる絵柄の配列順序は、装飾図柄の各列における同種の絵柄の配列順序と序列が等しくなるように決定される。
このように、当否抽選の結果を示唆するための図柄変動演出として第1図柄変動演出と第2図柄変動演出とが適宜切り替えられるため、図柄変動演出そのものに変化をもたせることができ、遊技者の興趣を高めることができる。一方、第1図柄変動演出にて図柄列を構成する図柄候補と、第2図柄変動演出にて選択肢を構成する演出示唆図柄に対し、同種の複数の絵柄を割り当てることで当否抽選の結果表示に対応関係を持たせることができ、各図柄に対する期待度を遊技者に容易に認識させることができる。特に、第2図柄変動演出において複数の図柄区画に並べる絵柄の配列順序を、装飾図柄の各列における同種の絵柄の配列順序と対応させることで、その対応関係が一層分かりやすくなる。その結果、演出態様の異なる図柄変動演出を切り替える構成であっても、当否抽選の結果を演出する図柄としての機能を良好に維持することができる。
装飾図柄の各列の複数の絵柄については、その絵柄を含む図柄候補の停止図柄組合せの表示により大当りが示される場合に得られる利益への期待度の高さの順序が定められている。一方、演出示唆図柄としての複数の絵柄については、当否抽選の結果が大当りとなる期待度の高さの順序が、装飾図柄の各列における同種の絵柄の期待度の高さの順序と対応するように定められている。このため、第1図柄変動演出と第2図柄変動演出との間で絵柄の種類と期待度との整合をとることができる。その結果、図柄変動演出の形態が切り替えられても、全体として当否抽選の結果と停止される図柄種類との整合性が担保される。
図柄態様決定手段は、複数種類の演出示唆図柄として、装飾図柄と対応する絵柄を含むものと含まないものを選択対象としてもよい。その場合、複数の図柄区画に選択肢として並べられる演出示唆図柄を抽選にて決定し、決定された演出示唆図柄のうち装飾図柄と対応する絵柄を有するものを上記配列順序にしたがって並べるよう決定する。例えば、演出示唆図柄として「外れ確定」を示すものを設ける場合、装飾図柄と同種の絵柄を対応させるのは不都合となる。装飾図柄は複数の図柄を組合せにて当否抽選の結果を示すため、1列の図柄に含まれる絵柄によって「外れ確定」を示すこととなると、装飾図柄の本来の機能を維持できないためである。このような場合には、演出示唆図柄と装飾図柄との間に絵柄を介した対応関係を設けないこととしてよい。
本実施例においては、特別遊技として、2R大当りにより移行される特別遊技(「2R特別遊技」ともいう)と、15R大当りにより移行される特別遊技(「15R特別遊技」ともいう)が設けられる。そして図5に示したように、2R特別遊技の終了後には必ず確変移行がなされるが、15R特別遊技の終了後には確変移行がなされる場合と、確変移行がなされない場合がある。一方、小当り遊技は、2R特別遊技と類似の態様にて実行される単位遊技であり、その1回の単位遊技において大入賞口66を2回開放し、それらの開放時間を約0.5秒間とする。このため、大入賞口66の開放態様を見ただけでは、2R特別遊技と小当り遊技のいずれに該当したかが遊技者からは認識困難となる。また、確変を伴う大当りであったか否かは当否結果として演出表示装置60には表示されず、2R特別遊技と小当り遊技のいずれであったかについての報知もなされない。このため、2R特別遊技および小当り遊技の終了後は遊技者が確変へ移行したか否かを直ちに把握できない、いわゆる潜伏確変モードの状態となる。
図3において、演出決定手段132は、通常遊技において潜伏確変モードであるか通常モード(つまり潜伏確変モードでない状態)であるかに応じて第1図柄変動演出と第2図柄変動演出とを切り替える。第1図柄変動演出は通常モードにおいて表示され、第1実施例とは異なり、画面中央に表示される3列の図柄からなる装飾図柄390を変動させることにより行われる。その3列の図柄の停止図柄組合せにて当否抽選の結果が示される。一方、第2図柄変動演出は潜伏確変モードにおいて表示され、第1実施例と同様に、演出示唆絵柄304に対して選択枠標識306をスライドさせることにより行われる。第1図柄変動演出と第2図柄変動演出は、同時には表示されず、一方が画面に表示されている間は他方は画面から消去されるよう表示制御がなされる。
図柄態様決定手段131は、装飾図柄390の停止図柄の組合せとその配置を、当否抽選手段112による抽選の結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターン、装飾図柄の変動演出パターンに応じて決定する。図柄態様決定手段131は、決定した停止図柄の組合せを示す情報を演出表示制御手段134へ送信する。図柄態様決定手段131は、装飾図柄390の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルを保持する。
装飾図柄390の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、例えば当否抽選手段112による当否判定結果が15R大当りの特別遊技への移行を示す場合には特定の組合せ、例えば「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。当否判定結果が2R大当りの場合や小当りの場合もまた特定の組合せ、例えば「357」のような所定の組合せが選択されるが、それらの特定の組合せは必ずしも3つの図柄が揃った組合せでなくてもよい。当否判定結果が大当りでも小当りでもない場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せであって、2R大当りや小当りのときに選択される特定の組合せに該当しない組合せが選択される。当否判定結果が15R大当りではない場合であって、リーチ付きの外れを示す変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。
装飾図柄の変動演出パターンデータには、装飾図柄の変動表示態様、すなわち装飾図柄の変動開始から変動停止までの変動過程と演出過程が定義される。変動演出パターンには、あと一つ図柄が揃えば大当りとなるリーチ状態を経てから当り態様または外れ態様である停止図柄組合せを表示するリーチパターンと、リーチ状態を経ずに外れ態様である停止図柄組合せを表示するリーチなしパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれ、相対的に変動時間の短いリーチパターンを「ノーマルリーチ」と称し、変動時間の長いリーチパターンを「スーパーリーチ」と称する。各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段132は、特別図柄の変動パターンに応じて、特別図柄と変動時間が等しい装飾図柄の変動演出パターンを選択する。
図32は、通常モードにて表示される第1図柄変動演出の画面例を表す図である。(a)〜(c)はその演出過程を例示している。図33は、装飾図柄390を構成する図柄列の構成を模式的に示す図である。第1図柄変動演出においては、図32(a)に示すように、演出表示装置60の第1表示領域300に装飾図柄390が変動表示される他、その装飾図柄390の変動表示に重ねられるように、各種演出の画像が表示される。演出表示装置60の画面上には、装飾図柄390を構成する3つの図柄が順次停止表示され、その停止図柄組合せにより当否抽選の結果が示される有効ラインが設定されている。なお、演出表示装置60の画面下部には第1実施例と同様に第2表示領域302が設けられるが、第1図柄変動演出においては特定の表示は行われない。このため、第1図柄変動演出においては、第1表示領域300と第2表示領域302との区別なく演出画像を表示させてもよい。
装飾図柄390を構成する3つの図柄列、つまり左図柄列392,中図柄列394および右図柄列396は、いずれも共通の9つの図柄候補が循環して有効ライン上に順次現れるように構成されている。具体的には図33に示すように、各列には図柄番号「1」〜「9」の9つの図柄候補が設定され、それぞれ「1」〜「9」の数字が対応付けられている。各図柄候補にはその数字に対して絵柄が組み合わされている。図示のように、図柄番号「1」〜「9」に対してキャラクタ絵柄が対応付けられている。これらのキャラクタ絵柄の種類は、対応する図柄候補にてスーパーリーチに発展した場合のリーチ演出の種類に対応する。
具体的には、図柄番号「1」に対してキャラA絵柄、図柄番号「2」に対してキャラB絵柄、図柄番号「3」に対してキャラC絵柄、図柄番号「4」に対してキャラD絵柄、図柄番号「5」に対してキャラE絵柄、図柄番号「6」に対してキャラF絵柄、図柄番号「7」に対してキャラG絵柄、図柄番号「8」に対してキャラH絵柄、図柄番号「9」に対してキャラI絵柄がそれぞれ対応付けられ、スーパーリーチに発展する際にはそれぞれバトルリーチA〜Iとなり、対応する背景画像に切り替えられる。
なお、本実施例におけるバトルリーチA〜Iの期待度は、絵柄の種類によって異なる。すなわち、当否抽選の結果が大当りの場合、バトルリーチA〜IのうちI>H>G>F>E>D>C>B>Aの順に高い確率で選択され、当否抽選の結果が外れの場合、バトルリーチA〜IのうちA>B>C>D>E>F>G>H>Iの順に高い確率で選択される。
図32(b)に示すように、左右の図柄が同種の図柄で揃えばリーチとなり、図32(c)に示すように対応するスーパーリーチに発展することがある。図示の例では、図柄番号「7」にてリーチとなり、キャラクタGと対戦するバトルリーチに発展した例が示されている。
図34は、潜伏確変モードにて表示される第2図柄変動演出の画面例を表す図である。(a)〜(c)はその演出過程を例示している。図35は、演出示唆絵柄304の種類を模式的に示す図である。第2図柄変動演出においては、図34(a)に示すように、演出表示装置60の第2表示領域302に演出示唆絵柄304と選択枠標識306が表示され、第1表示領域300には期待演出が表示される。これらの演出は、概ね第1実施例と同様である。ただし、第2図柄変動演出において第1実施例のように装飾図柄190が第1表示領域300の右端に小さく表示されることはない。
この第2図柄変動演出において表示対象となる複数の演出示唆絵柄304の一部には、第1図柄変動演出の装飾図柄390と同種の絵柄が含まれる。すなわち、図35に示すように、第1絵柄種別に対して「ハズレ」絵柄が対応付けられるのに対し、第2絵柄種別に対してキャラクタ絵柄(キャラA絵〜キャラI絵柄)が対応付けられている。また、装飾図柄390と同様に、キャラクタ絵柄でもリーチとなったときに大当りとなる期待度が異なるよう絵柄が割り当てられる。選択枠標識306がキャラA絵〜キャラI絵柄に停止すると、それぞれバトルリーチA〜Iとなり、第1表示領域300の期待演出が切り替えられる。
この第2図柄変動演出における各リーチの期待度は第1図柄変動演出におけるそれと同様である。図34(b)に示すように、選択枠標識306がいずれかの演出示唆絵柄304の位置で選択枠標識306が停止され、その演出示唆絵柄304がリーチを示すものである場合には、図34(c)に示すように対応するリーチが表示される。図示の例では、キャラG絵柄のバトルリーチGが選択された例が示されている。
絵柄態様決定手段310は、複数種類の演出示唆絵柄からいずれを選択肢として表示するかを当否抽選の結果、種別配列パターン、および期待演出パターンに応じて決定する。そして、選択肢として決定された複数種類の演出示唆絵柄の配列順序を、装飾図柄390の各列における同種の絵柄の配列順序と対応するように決定する。本実施例では、図33と図35とを対比すると明らかなように、各演出示唆絵柄に含まれるキャラクタ絵柄が、装飾図柄390の図柄番号「1」〜「9」に含まれる絵柄にそれぞれ対応している。そこで、種別配列パターンの決定により第2絵柄種別の絵柄が配置される絵柄区画が決定され、その一つに配置されるキャラクタ絵柄が決定されると、残りの絵柄区画には、装飾図柄390における絵柄の配列順序と対応するようにキャラクタ絵柄を配置する。
図36は、停止位置の絵柄として第2絵柄種別が選択される場合のキャラクタ絵柄の配置方法を示す説明図である。(a)〜(f)はその配置手順を示している。図37は、停止位置の絵柄として第1絵柄種別が選択される場合のキャラクタ絵柄の配置方法を示す説明図である。(a)〜(e)はその配置手順を示している。
例えば、図36(a)に示す種別配列パターン(図8(a)参照)が選択された場合、絵柄態様決定手段310は、図36(b)に示すように、「×」で示される1,3,5,7,9番目に第1絵柄種別を指定し、「○」で示される2,4,6,8,10番目に第2絵柄種別を指定する。なお、第1絵柄種別は「ハズレ」絵柄であるため、特に配列順序を規定する必要はない。第2絵柄種別は複数種のキャラクタ絵柄であるため、配列順序を規定する必要がある。絵柄態様決定手段310は、さらに最終的に選択結果として選択枠標識306を停止させる絵柄区画を決定するが、ここでは図36(c)に示すように、キャラクタ絵柄が配置される絵柄区画となっている。
このような場合、絵柄態様決定手段310は、図36(d)に示すように、その停止位置に配置される絵柄を当否抽選の結果および期待演出パターンに応じて決定する。ここでいう「期待演出パターン」は、特別図柄の変動パターンに応じて決定されるものである。図示の例では、期待演出パターンとしてキャラクタGによるバトルリーチGが選択されているため、キャラG絵柄を決定している。キャラクタGは、図33に示したように装飾図柄390の図柄番号「7」に対応する絵柄である。このため、絵柄態様決定手段310は、図36(e)に示すように、基準となるキャラA絵柄が配置された4番目の絵柄区画から選択枠標識306のスライド方向にある第2絵柄種別の指定位置である6,8,10番目の絵柄区画に対し、図柄番号「7」から昇順となる図柄番号「8」「9」「1」に対応する絵柄を決定する。具体的には、キャラH絵柄,キャラI絵柄,キャラA絵柄が該当する。なお、図柄番号「9」の次に図柄番号「1」となるのは第1実施例と同様、図柄選択をループさせるためである。
続いて、図36(f)に示すように、基準となるキャラA絵柄が配置された4番目の絵柄区画から選択枠標識306のスライド方向と逆方向にある第2絵柄種別の指定位置である2番目の絵柄区画に対し、図柄番号「7」から降順となる図柄番号「6」に対応する絵柄を決定する。具体的には、キャラF絵柄が該当する。
一方、停止位置に配置される絵柄が第1絵柄種別である場合は、異なる手法で絵柄の配列順序を決定する。すなわち、図37(a)および(b)までは図36の例と同様であるものの、図37(c)に示すように、停止位置に配置される絵柄が「ハズレ」絵柄となった場合、第2絵柄種別の基準位置を最も左側にある絵柄区画とする。図示の例では、2番目の絵柄区画が該当する。そして、その基準位置に配置するキャラクタ絵柄を抽選により決定する。
図示の例では、抽選によりキャラクタGが選択されている。このため、図37(d)に示すように、キャラG絵柄を決定している。その後、残りの第2絵柄種別の指定位置である4,6,8,10番目の絵柄区画に対し、図柄番号「7」から昇順となる図柄番号「8」「9」「1」「2」に対応する絵柄を決定する。具体的には、キャラH絵柄,キャラI絵柄,キャラA絵柄,キャラB絵柄が該当する。このように、第2図柄変動演出においても第1図柄変動演出と同様の絵柄配列順序とすることで、各絵柄に対する期待度の認識が容易となるようにしている。
図38は、図17におけるS50の演出内容決定処理を詳細に示すフローチャートである。本図の処理は図18の処理の前に実行される。現在の遊技状態が潜伏確変モードであれば(S300のY)、潜伏確変モードの演出内容を決定する(S302)。潜伏確変モードでなければ(S300のN)、図柄態様決定手段131は、当否判定結果および特別図柄に基づいて装飾図柄の停止図柄組合せを決定し(S304)、特別図柄の変動パターンに応じて装飾図柄の変動演出パターンを選択する(S306)。
図39は、図38におけるS302の潜伏確変モードの演出内容決定処理を詳細に示すフローチャートである。絵柄態様決定手段310は、種別配列パターンを決定するとともに(S310)、期待演出パターンに応じて演出種別(リーチ演出の種類)を決定する(S312)。続いて、選択結果をいずれの絵柄区画に停止させるかを決定し(S314)、その停止位置に配置する絵柄割り当てを決定する(S316)。
このとき、停止位置の絵柄が第2絵柄種別でなく第1絵柄種別であれば(S318のN)、第2絵柄種別について基準となる起点位置を設定する(S320)。本実施例では、第2絵柄種別が指定される最も左側の絵柄区画が該当する。そして、その起点位置に配置する基準となるキャラクタ絵柄を決定する(S322)。一方、停止位置の絵柄が第2絵柄種別であれば(S318のY)、第2絵柄種別の基準位置がその停止位置となるため、S320およびS322の処理をスキップする。そして、基準となるキャラクタ絵柄の種類と配置から上述した手法で装飾図柄390の絵柄順序に基づき、残りのキャラクタ絵柄の割り当てを決定する(S324)。
(第3実施例)
本実施例は、図柄変動演出として複数列の図柄の停止図柄組合せにて当否抽選の結果を示唆する演出のみを用いる点で第1,第2実施例と相違する。以下、第1,第2実施例との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略する。
本実施例においては、当否抽選の結果に応じて予告演出の表示有無が決定される。予告演出は、装飾図柄の図柄変動演出に付加される態様で表示され、当否抽選が大当りとなる期待度の高さを予告的に示唆する。予告演出は複数種類設けられ、当否抽選の結果に応じてその表示が決定された場合、その複数種類のいずれかが決定される。そして、その予告演出が特定の種類のものであった場合、装飾図柄の図柄変動とともに予告絵柄が変動表示される。この予告絵柄は、複数の図柄列のいずれかを構成する図柄候補の一つとして含まれ、決定された予告演出の表示に先立って装飾図柄とともに変動表示される。決定された予告演出が予告絵柄による示唆を前提とするものであった場合、その予告演出の出現を示唆する予告絵柄を複数の図柄列の少なくともいずれかに含むように各図柄列の図柄配列が決定される。そして、決定された図柄配列に基づく図柄変動がなされるように変動演出パターンが決定される。
ここで、「図柄候補」は、装飾図柄として停止されることで当否抽選の結果を示唆するものと、予告絵柄として停止されることで対応する予告演出の出現を示唆するものが含まれる。「図柄配列」は、各図柄列を構成する複数の図柄候補の並び、つまり有効ライン上に順次表示される図柄候補の表示順序を定めるものである。
このような構成によれば、特定種類の予告演出の表示が決定された場合、その予告演出の表示開始に先立っていずれかの図柄列に予告絵柄を含む図柄変動演出がなされる。遊技者はその予告絵柄を見つけることで予告演出の出現を予期できるため、図柄変動そのものに関心を注ぐようになる。予告絵柄が示す予告演出に大当りへの期待度の大きいものが含まれる場合はなおさらである。すなわち、予告演出のみならず、図柄変動そのものにも遊技者の意識を振り向けることができる。
具体的には、予告演出パターンの抽選結果に応じて予告絵柄を含む図柄列が異なるように定められた図柄列選択基準を設けてもよい。このような構成により、複数列のいずれに予告絵柄が含まれるかがランダムに決定されるようになるため、順次停止される図柄列のいずれにも遊技者の意識を振り向けることが可能となる。
予告演出の表示が決定された場合、いずれかの図柄列に含まれる予告絵柄を停止表示させ、その予告絵柄の停止表示を契機に対応する予告演出の表示を開始してもよい。なお、「予告絵柄の停止表示」は、後に例示するように仮停止であってもよい。このような構成によれば、予告演出の開始タイミングが予告絵柄を含む図柄列の停止タイミングに左右されるようになるため、遊技者に図柄変動演出への関心をより強くもたせることができる。言い換えれば、予告演出の表示が決定されても、いずれの図柄列にも予告絵柄が含まれない場合には、各図柄列の変動停止に関わりなくその予告演出の表示を開始してもよい。
また、変動演出パターンの決定に先立って図柄の変動時間を決定し、決定された変動時間が予め定める予告絵柄演出許容条件を満たしている場合に予告絵柄を含む図柄配列を決定してもよい。「予告絵柄演出許容条件」としては、予告演出を図柄変動演出の表示期間内に完了させるための条件を設定することができる。すなわち、予告演出は当否抽選の結果を予告的に示唆するものであるため、その当否抽選の結果を示す図柄変動の停止前に完了する必要がある。そこで、そのような条件が満たされない場合には、予告絵柄による図柄変動演出を行わないようにする。
本実施例においては、予告演出として、特定のコメント文字列を画面に表示させるコメント予告演出、多数のキャラクタの群れを画面の一端から他端へ通過させるように表示させる群予告演出、キャラクタの画像を一つだけ画面に表示させるキャラクタ予告演出、予告演出の表示過程を複数段階に分け、表示させる段階数を可変にして段階数が多いほど大当りへの期待度が高くなるように設定されるステップアップ予告演出、所定の役物を動作させる可動物予告演出などが含まれる。
図40は、図柄変動演出の画面例を表す図である。(a)〜(h)はその演出過程を例示している。図柄変動演出においては、図40(a)および(b)に示すように、演出表示装置60の表示領域194に装飾図柄390を構成する3つの図柄が変動表示される他、各種演出の画像が表示される。特定種類の予告演出が決定された場合には、図40(c)および(d)に示すように、いずれかの図柄列においてその予告演出の出現を示唆する予告絵柄195が表示される。このとき、予告絵柄は図40(d)に示すように一時的に仮停止(僅かに微動した状態)とされるが、その仮停止前に図40(c)に示すように低速となることで遊技者の期待感を煽る。以下、このような予告絵柄195を含めた図柄変動演出を便宜上「予告絵柄演出」ともいう。
このように予告絵柄195が停止されると、その停止を契機に図40(e)および(f)に示すように、対応する予告演出が表示され、その後、図40(g)に示すように、装飾図柄390の停止とともに当否抽選の結果が示される。図示の例では、2番目に停止する右図柄列において群予告演出の出現を示唆する予告絵柄195が仮停止し、その仮停止を契機に群予告演出が開始されている。このとき、群予告演出の開始と同時に右図柄列が一コマずれて停止し、リーチ態様を形成している。
なお、予告絵柄195は3つの図柄列のいずれにも表示されうる。図40(h)には、1番目に停止する左図柄列においてステップアップ予告演出の出現を示唆する予告絵柄195が仮停止される例が示されている。このように、予告絵柄195はいずれの図柄列にも表示される可能性がある一方、予告演出は、対応する予告絵柄195が停止されたタイミングで開始される。このため、いずれの図柄列に予告絵柄195が停止されるかによって予告演出を表示させるための許容時間も変化することになる。そこで、本実施例では後述のように、このような状況にも対応できるよう予告演出の表示制御を工夫している。
図41は、予告演出の種類と予告絵柄演出との関係を示す説明図である。本実施例では、予告演出の種類に応じて予告絵柄演出の表示有無が設定されている。図示のように、コメント予告,キャラクタ予告,群予告およびステップアップ予告1は予告絵柄演出の表示対象とされ、ステップアップ予告2および可動物予告は予告絵柄演出の表示対象とされていない。また、コメント予告はリーチを前提としないため、予告絵柄195が左図柄列に表示される。一方、キャラクタ予告と群予告はリーチを前提とするため、予告絵柄195が右図柄列に表示される。ステップアップ予告1については、予告絵柄195が左図柄列および右図柄列のいずれにも表示されうる。なお、本実施例では、コメント予告,キャラクタ予告,群予告およびステップアップ予告1を一律に予告絵柄演出の表示対象としたが、これらの予告演出の少なくともいずれかにつき、予告絵柄演出の表示対象とする場合と表示対象としない場合を設けてもよい。例えば、各予告演出を小分類に分け、その分類に応じて予告絵柄演出の表示対象とするものと表示対象としないものを設定してもよい。
図42は、ステップアップ予告演出の一つを示す模式図である。図43は、可動物予告演出を示す模式図である。ステップアップ予告2は、図42に示すように、演出表示装置60の前面側に設けられたシャッター役物140を作動させるものである。このステップアップ予告2は3段階の演出構成となっている。すなわち、ステップ1では、図42(a)に示すように、左右下のシャッター役物140が振動する。ステップ2では、図42(b)に示すように、4つのシャッター役物140が途中まで閉じる動作をする。ステップ3では、図42(c)に示すように、4つのシャッター役物140が完全に閉じて演出表示装置60の画面を覆い隠す動作をする。段階数が進むほど、大当りである期待度が高くなる。
また、可動物予告は、図43に示すように、センター飾り64の上部に設置されたバラをモチーフとした役物142を作動させるものである。役物142は通常、図43(a)に示すようにつぼみ態様となっており、予告演出時には図43(b)に示すように開花動作をするものである。このようなステップアップ予告2や可動物予告などの可動役物を用いる予告演出は、予期しないタイミングで突然動作する点に特長を有するため、その実行に先だって出現を報知するのは本来の機能にそぐわない。そこで、予告絵柄演出を行わないようにしている。
図44は、予告演出の実行有無および実行する場合の予告種類を決定する際に参照される予告決定テーブルを示す。図44(a)は、当否抽選の結果が大当りであった場合に参照されるテーブルを示し、図44(b)は、当否抽選の結果が外れであった場合に参照されるテーブルを示している。なお、本図は説明の便宜上、コメント予告演出を例にその決定手法を示すものである。
演出決定手段132は、予告演出の表示に先立って、予告抽選値を「0〜255」の範囲から取得する。演出決定手段132は、取得した予告抽選値を用いて当否抽選の結果に応じた予告決定テーブルを参照し、各予告演出を実行するか否か、および実行する場合の予告種類を決定する。図示の例では、コメント予告演出の小分類としてコメント予告1〜5が設定されている。当否抽選の結果が大当りの場合は外れの場合よりもコメント予告が高い確率で選択される。一方、複数種のコメント予告1〜5において、大当りの場合に相対的に選択確率が高くなるものと、外れの場合に相対的に選択確率が高くなるものがあり、それにより、予告種類に応じて大当りの期待度が異なるようにされている。なお、キャラクタ予告,群予告およびステップアップ予告1についても同様に、それぞれ小分類があり、その実行有無および実行する場合の予告種類が予告抽選値に対応付けられているが、その説明については省略する。
図45は、予告演出パターンと予告絵柄演出との関係を示す説明図である。図45(a)は、変動パターンとしてスーパーリーチが選択される場合の関係を示し、図45(b)は、ノーマルリーチが選択される場合の関係を示している。上述のように、当否抽選の結果に応じて各予告演出の表示有無および予告種類が決定されると、その決定結果に応じて予告演出パターンを決定する。ここでいう「予告演出パターン」は、1回の図柄変動期間において、決定された予告演出の表示開始から終了までを定めるものである。そして、予告演出パターンの種類と変動パターンに応じて予告絵柄演出の表示有無が異なっている。変動パターンとしてノーマルリーチが選択される場合、スーパーリーチよりも変動時間が相対的に短いため、予告絵柄演出の表示が相対的に制限されている。
すなわち、図45(a)に示すように、変動パターンとしてスーパーリーチが選択される場合、コメント予告のみの表示が決定される場合には、左図柄列にて予告絵柄によるコメント予告の出現示唆がなされた後、コメント予告が開始される。キャラクタ予告のみの表示が決定される場合には、右図柄列にて予告絵柄によるキャラクタ予告の出現示唆がなされた後、キャラクタ予告が開始される。群予告のみの表示が決定される場合には、右図柄列にて予告絵柄による群予告の出現示唆がなされた後、群予告が開始される。
一方、コメント予告とキャラクタ予告の表示が決定される場合、左図柄列にて予告絵柄によるコメント予告の出現示唆がなされた後、コメント予告が開始される。続いて、右図柄列にて予告絵柄によるキャラクタ予告の出現示唆がなされた後、キャラクタ予告が開始される。コメント予告と群予告の表示が決定される場合、左図柄列にて予告絵柄によるコメント予告の出現示唆がなされた後、コメント予告が開始される。続いて、右図柄列にて予告絵柄による群予告の出現示唆がなされた後、群予告が開始される。
ただし、コメント予告,キャラクタ予告および群予告の3つの予告演出が選択された場合、同じ図柄列に予告絵柄を表示させるキャラクタ予告および群予告が選択された場合には、予告絵柄演出は行われない。予告絵柄演出と各予告演出とを直列に表示させる時間的余裕がないためである。なお、本実施例では、ステップアップ予告1と他の予告演出が選択された場合、他の予告演出の表示が留保される。そして、左図柄列または右図柄列にて予告絵柄によるステップアップ予告1の出現示唆がなされた後、ステップアップ予告1が開始される。
一方、図45(b)に示すように、変動パターンとしてノーマルリーチが選択される場合、コメント予告,キャラクタ予告および群予告のそれぞれが単独で選択された場合には、スーパーリーチの場合と同様の予告絵柄演出が行われる。一方、コメント予告とキャラクタ予告の表示が決定される場合、コメント予告と群予告の表示が決定される場合、ステップアップ予告1の表示が決定される場合には、予告絵柄演出は行われない。ノーマルリーチの変動時間が短いため、予告絵柄演出と各予告演出とを直列に表示する時間的余裕がないためである。なお、コメント予告,キャラクタ予告および群予告の3つの予告演出が選択された場合、キャラクタ予告および群予告が選択された場合には、それらの予告演出の実行そのものをキャンセルする。ノーマルリーチの変動時間が短いため、それら全ての予告演出を表示する時間的余裕がないためである。なお、本実施例においては、スーパーリーチが選択された場合に予告演出の種類および組合せにかかわらず、基本的に全て予告絵柄演出を表示させ、ノーマルリーチが選択された場合には、予告演出の種類および組合せに応じて予告絵柄演出を表示させものと表示させないものを設ける例を示した。変形例においては、スーパーリーチ、ノーマルリーチ、リーチなしの別にかかわらず、変動パターンの変動時間の長短に応じて予告絵柄演出を表示させるか否かを決定してもよい。すなわち、予告演出の種類および組合せに対して変動時間が十分に長い場合に予告絵柄演出を表示させ、変動時間が十分でない場合に予告絵柄演出を表示させないようにしてもよい。
図46は、装飾図柄の図柄列を示す模式図である。本実施例では図46(a)に示すように、図柄列には基本的に図柄番号1の数字図柄「1」〜図柄番号9の数字図柄「9」が割り当てられるが、予告絵柄演出が表示される図柄列については、いずれか一つの図柄番号に対応する箇所が予告絵柄195に置き換えられる。
すなわち、予告絵柄演出を行わない通常の図柄変動演出においては、3列とも図柄番号1〜9が全て数字図柄となるよう設定される。一方、予告絵柄演出の表示が決定された場合には、図46(b)に示すように、該当する図柄列のいずれかの図柄番号を予告絵柄195に置き換える。例えば、図40に示した例では、右図柄列の図柄番号「2」が予告絵柄195に置き換えられる。それにより、予告絵柄195を一コマずらすことにより数字図柄「3」のリーチが形成されるようになる。このように、リーチ態様を形成する停止図柄の次に表示される図柄番号に予告絵柄195を設定する。なお、変形例においては、リーチ態様を形成する停止図柄そのものの図柄番号に予告絵柄195を設定してもよい。そして、その予告絵柄195を停止させた後に、リーチ態様が形成されるタイミングに合わせてその予告絵柄195を該当する停止図柄に差し替えてもよい。すなわち、予告絵柄195を図柄変動過程においてリーチ態様を形成する図柄位置にフェードインおよびフェードアウトさせてもよい。
図47は、予告演出の種類と予告絵柄との対応関係を示す模式図である。図示のように、コメント予告については、それを示唆する「コメント」の文字列からなる絵柄が対応付けられる。群予告については、それを示唆するキャラクタ群からなる絵柄が対応付けられる。キャラクタ予告については、それを示唆するキャラクタからなる絵柄が対応付けられる。ステップアップ予告1については、それを示唆するキャラクタと「ステップ」の文字列からなる絵柄が対応付けられる。
図48は、図17におけるS50の演出内容決定処理を詳細に示すフローチャートである。本図の処理は図18の処理に置き換えて実行される。まず、図柄態様決定手段131が装飾図柄390の停止態様を決定し(S330)、演出決定手段132が実行対象の予告演出を決定する(S332)。このとき、複数種の予告演出の表示が決定される場合がある。そして、決定された予告演出の組合せによる予告演出パターンを特別図柄の変動パターン(変動時間)に基づいて決定する(S334)。すなわち、図45に示したように、スーパーリーチおよびノーマルリーチのいずれであるか、決定された予告演出に応じて実行可能な予告演出パターンを選択する。
そして、決定された予告演出が予告絵柄演出を伴うものであれば(S336のY)、対応する予告絵柄195を決定する(S338)。続いて、予告演出の種類および装飾図柄の停止図柄に基づいて図柄変動演出に用いる図柄配列を決定する(S340)。すなわち、左図柄列,中図柄列,右図柄列のいずれに予告絵柄195を含めるか、および図柄列における数字図柄と予告絵柄195の配列を決定する。そして、その予告絵柄195を含む図柄変動演出のための変動演出パターンを決定する(S342)。一方、決定された予告演出が予告絵柄演出を伴うものでなければ(S336のN)、予告絵柄195を含まない通常の変動演出パターンを決定する(S330)。
図49は、図16におけるS41の演出表示処理を詳細に示すフローチャートである。演出表示制御手段134は、予告絵柄演出が開始済であれば(S350のY)、予告絵柄195の停止タイミングであれば(S352のY)、その予告絵柄195を停止するとともに対応する予告演出を開始する(S354)。そして、その他の演出表示処理を実行する(S356)。予告絵柄195の停止タイミングでなければ(S352のN)、S354の処理をスキップする。予告絵柄演出が開始済でなければ(S350のN)、S352およびS354の処理をスキップする。
(変形例)
上記第3実施例では、図40に示したように、有効ラインが1つ形成される図柄変動演出とする例を示した。変形例においては、有効ラインが2つ以上形成される図柄変動演出において予告絵柄演出を行うようにしてもよい。図50は、変形例に係る図柄変動演出の画面例を表す図である。(a)〜(f)はその演出過程を例示している。図51は、装飾図柄の図柄列を示す模式図である。
本変形例においては、図50(a)および(b)に示すように、演出表示装置60の表示領域194に有効ラインが5つ形成される(一点鎖線参照)。一方、図51に示すように、装飾図柄390の各図柄列を構成する図柄候補には、当否抽選の結果を示す数字図柄のほか、前後の数字図柄の間に当否抽選の結果の結果を示さないブランク図柄(★印)が配置される。その結果、リーチ態様を形成する有効ライン(「リーチライン」ともいう)が複数形成されるマルチリーチも実現される。
図示の例では、2番目に停止する右図柄列において群予告演出の出現を示唆する予告絵柄195が表示されている。ここでは、図50(c)および(d)に示すように、数字図柄「6」および「7」によるダブルリーチとなり、その数字図柄「6」と「7」の間に予告絵柄195が停止表示されている。すなわち、本変形例では、図51に示す図柄列を構成するいずれかのブランク図柄が予告絵柄195に置き換えられる。ダブルリーチの変動パターンが選択されたときに予告絵柄演出を表示する場合には、そのダブルリーチを構成する前後の数字図柄の間のブランク図柄を予告絵柄195に置き換えるようにする。このようにすることで、数字図柄を予告絵柄195に置き換える場合のような違和感は生じない。また、図50(d)に示すように、リーチ態様を形成する数字図柄と予告絵柄195とを同時に停止させることができ、遊技者がリーチの形成と予告演出の示唆の双方を同時に認知しやすくなるといったメリットも得られる。
なお、上記第3実施例およびその変形例においては、予告絵柄演出にかかる予告絵柄195が停止または仮停止したタイミングで予告演出を開始する例を示したが、例えば予告絵柄195が低速表示された段階など、遊技者が予告絵柄195を視認可能な表示が行われた段階で予告演出を開始してもよい。また、予告絵柄195を停止させた後の所定タイミングで予告演出を開始してもよい。例えば、左図柄列に予告絵柄195を停止表示させた後、右図柄列の停止とともにリーチ態様を形成したタイミングで予告演出を開始してもよい。あるいは、予告絵柄195を停止させた後に、該当する予告演出について予め設定された表示タイミングで予告演出を開始してもよい。すなわち、予告絵柄195については対応する予告演出の表示に先立って遊技者に認識されればよく、その対応する予告演出の開始タイミングについては適宜設定することができる。
尚、本願発明は上記実施形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜組合せにより種々の発明を形成しても良いし、上記実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除しても良い。更に、複数の実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせることも可能である。