JP4949207B2 - 溶融金属めっき浴中ロールの軸受構造 - Google Patents

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Description

本発明は溶融金属めっき浴中ロールの軸受構造に関する。
溶融亜鉛めっきなどの溶融金属めっき浴中のロール軸受は、溶融金属との反応や、ドロスなどの異物の噛み込みによって、円滑な回転を長期間維持することが一般に困難である。また、浴中ロールの回転むらは、めっきのむらや鋼帯の疵の発生に繋がりめっき製品の品質悪化の原因となる。
このため、ロールの回転を長期間安定化することにより、溶融金属めっき製造設備の操業安定化、品質安定化を実現する目的で種々の提案がなされている。
たとえば、特許文献1では、軸および軸受の耐久性向上のために、材質としてセラミックスが、また、併せてセラミックス部材を保持するための構造が提案されている。
また、特許文献2では、軸受部材をガラスセラミックスとした上で、ロール回転安定化の目的で、螺旋状の溝の付設が提案されている。
また、特許文献3では、溶融金属を冷却して粘度を上げ、潤滑効果を高めるために軸受を冷却し、かつ軸方向の溝を付設する構造が提案されている。
また、特許文献4では溝がついた浸漬ロールが開示されているが、軸受部ではなく、溝によって鋼帯とロールとの間に挟まったドロスを排出する効果を述べるに留まっている。
特開2002−294419号公報 特開平10−317119号公報 特開平6−207256号公報 特開平7−62509号公報
溶融亜鉛めっきにおいては、めっき操業および製品の品質を安定な状態で長期間持続することが望まれている。そのため、浴中のロールにおいては軸受の耐久性の向上と回転の安定化が課題である。従来は、上記のように軸受の材質および構造面での提案がなされているが、さらなる軸受の耐久性と摩擦係数の低位安定化が必要である。
さらに近年、処理を高速化し生産性を高めることが望まれており、浴中ロールの回転の高速化が必要である。この場合には、振動や軸受負荷面での不安定摩擦により回転が不安定になりやすい。また、更なる回転抵抗の増大、溶融金属ドロスの噛み込み等によって操業が不安定化するという問題もあり、現状では、浴中ロールは回転速度が制限され、また短周期での交換を余儀なくされている。よって、高速回転でも摩擦が低位安定化し、かつ長期間の使用に耐えうる浴中ロールの軸受構造が望まれている。
本発明は、上記課題に鑑み、高速回転でも摺動負荷面での摩擦が低位安定化し、かつ長期間の使用に対して耐久性の高い浴中ロールの軸受構造を提供する。
上記の目的を達成するため、本発明者は浴中ロールの軸受構造について広く研究を行い以下の知見を得た。
1)軸あるいは軸受の摺動負荷面の軸方向中央部に、回転方向あるいは摺動方向に対して角度をなし、屈曲部または湾曲部(以下、滞留部とも記す)を有し、かつ端部が閉鎖された溝(中央溝)を形成すれば、回転中に溶融金属が流動によって溝の両方から滞留部に集まり、一時ここに滞留し、この滞留した溶融金属が滲出して潤滑剤となり、摺動負荷面の摩擦すなわち回転抵抗が低減し、かつ軸および軸受の損耗量も低減し、軸および軸受の耐久性が向上すること。
なお、この場合、端部が閉鎖されたとは、溝の端部が回転軸又は軸受の端部に開放されていない、すなわち端部に開口部を有しないということである。中央溝は、基本的には、両端部が閉鎖されており、外縁部、すなわち軸及び軸受の軸方向の端部側、とは独立している。
しかしながら、後述するように、この外縁部に設けられた溝、すなわち、溝の一方側の端部が回転軸又は軸受の端部に開放され、他方側の端部が閉鎖されている外縁溝の閉鎖された端部と、これと隣り合う中央溝の閉鎖された端部とを連通するようにすることによって、中央溝が、間接的に回転軸又は軸受の端部の開口部と連通するようにすることもできる。
このとき、回転によって外縁溝から端部へ抜ける流れと中央溝から滞留部へ集まる流れが生じて、互いに逆方向に流れようとするので中央溝と外縁溝との連通部では流れが生じない。すなわち、中央溝と外縁溝を連通させても互いに独立して機能することができる。
2)軸あるいは軸受の摺動負荷面において、軸方向の両端部(両外縁部)に、一端側が軸受の端部側に開放され、他端側が閉鎖された螺旋状あるいは軸の回転方向に対して傾斜角度を有する溝であって、この溝を上記中央溝のうち近い側の溝の方向と逆方向に傾斜するように付設すれば溶融金属が外縁に向かって移動し、軸受の摺動負荷面に流入したドロスなどの異物が効果的に排出され、長期間安定し、かつ、低摩擦である回転状態が得られること。
3)軸あるいは軸受の摺動負荷面に形成した溝において、回転中に溶融金属が流動によって滞留する部分、すなわち、上記中央溝の屈曲部または湾曲部、の溝幅および/または溝深さが他の部分よりも大なる形状とすれば、摺動負荷面に流入したドロスなどの異物が、負荷面に長期間滞留して負荷面に挟まり軸や軸受の摩耗を増大させることなく、より長期間の軸受の安定稼働が可能となること。
4)軸あるいは軸受の摺動負荷面に形成した溝以外の部分に微細な凹部を形成すると、より低摩擦の回転が長期間安定して得られること。
特に滞留部にドロスなどの異物がトラップされれば、微細な凹部にはドロスなどの異物の集まる量が相対的に減り、潤滑剤となる溶融金属が微細な凹部に常に待機するので、低摩擦の回転がさらに長期間安定して得られる。
本発明は上記の知見を基になされたものであって、その要旨は以下のとおりである。
(1)鋼帯を溶融金属中に浸漬させて連続的にめっき処理する装置の溶融金属めっき浴中ロールの軸受構造であってロールの回転軸および軸受のいずれか一方または双方の摺動負荷面の軸方向中央部に溝を付設した軸受構造において、回転軸の回転方向または軸受の摺動方向に開いた角度を有する屈曲部または湾曲部を有して両端部が閉鎖された溝(以下、中央溝という)が、回転方向及び/または摺動方向に複数列付設されており、前記回転軸及び/または軸受の軸方向の両外縁部に、その一端側が回転軸または軸受の端部に開放され、他端側は閉鎖され、かつ、該溝の閉鎖された端部側への延長方向が該溝と隣りあう中央の溝の延長方向とは回転方向または摺動方向に関して逆向きに傾斜した溝(以下、外縁溝という)が、回転軸の回転方向または軸受の摺動方向に、1列以上設けられていることを特徴とする溶融金属めっき浴中ロールの軸受構造。
但し、軸受の摺動方向は、回転軸の回転方向と対向する方向を指すものとする。
(2)前記中央溝が、回転軸及び/または軸受の軸方向に複数設けられることを特徴とする(1)に記載の溶融金属めっき浴中ロールの軸受構造。
(3)前記軸方向に複数設けられた前記中央溝の隣りあう端部が連通されていることを特徴とする(2)に記載の溶融金属めっき浴中ロールの軸受構造。
(4)さらに、前記ロールの回転軸および軸受のいずれか一方または双方の摺動負荷面の軸方向中央部に、回転軸の回転方向または軸受の摺動方向に閉じた角度を有する屈曲部または湾曲部を有して両端部が閉鎖された中央溝が、前記回転軸の回転方向または軸受の摺動方向に開いた角度の屈曲部または湾曲部を有する前記中央溝の屈曲部または湾曲部と対向するように回転方向または摺動方向に複数列設けられ、各対向する中央溝の端部がそれぞれ連通されて環状の溝が形成されていることを特徴とする(1)に記載の溶融金属めっき浴中ロールの軸受構造。
)前記外縁溝の閉鎖された端部と、該外縁溝の閉鎖された端部と隣り合う中央溝の閉鎖された端部とが連通されていることを特徴とする()に記載の溶融金属めっき浴中ロールの軸受構造。
)さらに、前記回転軸及び/または軸受の軸方向の両外縁部に、その一端側が軸受または回転軸の端部に開放され、他端側は閉鎖された外縁溝が、前記外縁溝と軸方向に関して傾斜が逆向きで、かつ前記外縁溝と対向するように設けられ、さらに、該外縁溝の閉鎖された端部と前記外縁溝の閉鎖された端部とが連通していることを特徴とする()に記載の溶融金属めっき浴中ロールの軸受構造。
)前記屈曲部または湾曲部の溝幅および/または溝深さを、他の溝部分よりも大きくしたことを特徴とする(1)〜()のいずれか1項に記載の溶融金属めっき浴中ロールの軸受構造。
)さらに、前記回転軸および軸受のうちいずれか一方または両方の摺動負荷面の前記溝以外の部分に、長編の長さ50μm〜2mm、深さ50μm〜1mmの凹部を有することを特徴とする(1)〜()のいずれか1項に記載の溶融金属めっき浴中ロールの軸受構造。
本発明により、溶融金属めっき浴中ロールの軸受を、長期間にわたり安定して使用することができ、溶融金属めっき操業が安定化しコストも低減する。まためっき処理を高速化した場合でも低摩擦で安定した回転状態が得られる。かかる軸受構造により、安定した品質の溶融金属めっき製品を高効率に生産することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。
図1は鋼帯に連続的に溶融金属めっきを施す処理設備のめっき浴周辺の一般的な構造を示す模式的断面図である。めっき浴1の組成は、亜鉛またはその合金、アルミニウムまたはその合金が広く用いられている。鋼帯2はシンクロール3を介してめっき浴1に浸漬され、サポートロール4を通過して搬送される。シンクロール3は、鋼帯2をめっき浴中に導く役割をなし、サポートロール4は、多くは2本で鋼帯を挟み込み回転し、鋼帯の通過位置を安定させ、かつ、鋼帯に付着した余分な溶融金属を除去してめっき厚みを制御するワイピングノズル20の空隙に導く役割をなす。めっき浴中ロールとはこのシンクロール及びサポートロールを指す。シンクロール3およびサポートロール4の材質は、めっき浴の溶融金属に対して耐久性の高い、ステンレス鋼やコバルト合金が母材に用いられ、鋼帯と接触する表面には上記ステンレスやコバルト合金、それらとセラミックスの複合物、セラミックス単体など耐久性の高い材料の被覆が施されている。
図2は、図1におけるサポートロール4の支持構造を示す正面から見た断面図である。サポートロール軸受支持体17に軸受6が設置されており、これがロールの端部の軸5を支えている。
図3(a)は軸5の最も一般的な形態を、さらに図3(b)は軸受6の最も一般的な形態を示す図である。一般に軸が回転し、軸受は固定であるが、図に示すように、直径D,幅(軸方向の長さ)Lの部分の摺動負荷面7で両者が接して摺動し、ロールの重量、浮力、鋼帯の張力などによる負荷を支えている。これらの軸および軸受の材質としては、ステンレス鋼やコバルト合金、またはそれらにステライトなどのコバルト合金やサーメットの被覆を施したもの、またSIALON等のセラミックスなど溶融金属浴中の摺動摩耗および腐食に対して耐久性の高い材料が用いられている。
図4は、溶融金属めっき浴中ロール軸あるいは軸受に付設された従来形状の溝を示すものであり、(a)は回転方向あるいは摺動方向に平行な溝の斜視図、(b)は回転方向あるいは摺動方向に傾斜を持つ螺旋状の溝の斜視図、(c)は、付設された溝の断面形状を示す模式図である。
更に、従来このような軸あるいは軸受の摺動負荷面7には、図4(a)、図4(b)に示すような回転方向あるいは摺動方向に平行あるいは螺旋状の溝8が設けられることもある。これは、摺動負荷面に溶融金属を導入し、潤滑効果を増大させ摩擦低減や安定化を図る目的で付設されている。これらの溝8は、図4(c)に示すように軸および軸受の径Dや摺動負荷面の軸方向の長さLに関係なく、多くは幅W=0.1〜2.0mm、深さd=0.1〜1.0mmの寸法で形成されている。
しかしながら、溶融亜鉛などの溶融金属の粘度は一般に、めっき浴の温度で10mm2/s以下であり、図4の従来の軸受構造における溝では、摺動負荷面以外の部分では解放されているため、溶融金属を一時的に摺動負荷面に滞留させることが不可能であり、よって軸受の摺動負荷面に充分な潤滑膜を形成することが不可能となり、摩擦係数の不安定化、軸および軸受の摩耗減肉などにより、ロール回転が不安定になり、早期のロール交換が余儀なくされていた。
本発明は、以上のように溶融金属めっき浴中のロールの軸および軸受の構造に関するものであり、高速回転でも摺動負荷面での摩擦が低位に安定し、かつ長期間の使用に対して耐久性の高い浴中ロール軸受構造を提供するものである。
次に、図5(a)〜図5(g)、図9(a)〜(c)および図10に基づいて、本発明による種々の好適な形態を示す。なお、以下の形態において、付設する溝の向きの説明においては、回転軸(単に軸とも記す)の回転方向と軸受の摺動方向とは互いに対向する方向(逆方向)をあらわすものと定義し、これに基づいて溝の方向を、回転軸については回転方向を、また、軸受については摺動方向を基準として説明する。
図5(a)は、本発明の金属めっき浴中ロールの第1の実施形態を示す斜視図である。
図5(a)は、軸5の軸方向中央部に本発明によるV字状の中央溝18を付設した形態を示す。図中の矢印は軸5の回転方向を示すものであり、V字状の中央溝18は、摺動負荷面7の軸方向中央を中心にL’の幅で付設されている。なお、L’=0.3L〜0.8Lが好ましい寸法範囲である。L’が0.3Lよりも小さい場合は、充分な量の溶融金属が摺動負荷面上に滞留せず、充分な潤滑効果が得られないこともある。またL’が0.8Lよりも大きい場合は、周辺に浮遊するドロスなどの異物を巻き込みやすくなり、結果的に軸または軸受の寿命を低下させることもありうる。なお、V字状の中央溝18は軸受の荷重負荷バランスをとるために、V字状の屈曲部が軸方向中央に位置するようにし、これを中心に左右対称に延びる形状であることが望ましい。この中央溝18は、図に示すように、軸の回転方向(周方向とも記す)に複数設けられる。
このV字状の中央溝18は、図9(a)に説明するようにV字状の溝の両端が回転方向または摺動方向に角度α(開き角度とも記す)を有して開いた形状である。なお、この関係は、後述するU字状の中央溝の場合も同様である。図5(a)に示すように、軸側に付設する場合、軸受側の摺動面に軸方向に固定された直線(二点鎖線で示す)を仮定したとき、その直線と交わる溝の部分が軸の回転に従って中央寄りの屈曲部(滞留部:V字の底部)に移動するような回転方向に対して傾斜する角度(開き角度α)を有する形状であることが必要である。なお、図5(g)に説明するように、軸受側に溝を付設する場合は、軸側の摺動面に軸方向に固定された直線(二点鎖線で示す)を仮定したとき、その直線と交わる溝の部分が軸の回転に従って中央寄りに屈曲部(滞留部:V字状の底)へ移動するように摺動方向に対して傾斜する角度(開き角度α)を有する形状とする。
すなわち、上述のように、軸の回転方向と軸受の摺動方向とは互いに逆方向であり、いずれかの方向に開いた角度を有するV字状の溝を設けるものである。これによって、軸の回転中に、摺動負荷面に流入した溶融金属がV字状の中央溝の屈曲部(滞留部:V字の底部)へ、すなわちV字の閉じた底部の方向に流動して一時滞留するため、回転に伴ってここから溶融金属が滲出し、摺動負荷面での潤滑膜の形成が促進され、摩擦係数が低くかつ長期間の安定したロールの回転が可能となる。この角度αは、軸受が回転した際に、摺動負荷面の溝に流入した溶融金属が屈曲部または湾曲部に効率的に移動できるような傾斜角度とすれば良く、溶融金属の粘性や溝の幅、深さなどを勘案して設定することができる。通常5〜175°とするのが好ましい。なお、閉じた形状の頂点は1箇所でも複数箇所でも良い。
なお、このように、中央溝の屈曲部(V字形状の場合)、湾曲部(U字形状の場合)は溶融金属の滞留部として機能するため、滞留部とも記す。
中央溝18は、図5(a)に示すように、軸の回転方向あるいは軸受の摺動方向に複数列設けられるものであるが、この中央溝18は、図示しないが、軸方向にも複数列設けてもよい。さらに、後述するように、この軸方向に複数列設けた中央溝の隣り合う中央溝の閉鎖された端部同士を連通させ、図5(d)のように、複数の屈曲部あるいは湾曲部を有する中央溝とすることもできる。
なお、図9(b)は、図9(a)との対比として、回転方向または摺動方向に閉じた溝を示したものであり、図から明らかなようにV字状またはU字状の溝の両端が回転方向または摺動方向に角度α’を有して閉じた形状である。
例えば、軸側に付設する場合、軸受側の摺動面に軸方向に固定された直線を仮定した場合、その直線と交わる溝の部分が軸の回転に従って中央側の屈曲部(滞留部:V字状の底)から端部側に移動するように回転方向に対して傾斜(閉じた角度α’)を有するものである。
図5(b)は、本発明の第2の実施形態を示す斜視図である。
図5(b)は、上記の中央溝18に加え、さらに摺動負荷面の中央部に隣接する軸方向の両端のそれぞれ、L1およびL2の幅の部分(以下外縁部とも記す)に、溶融金属が両端に排除される向きに斜め溝、すなわち外縁溝19を配置した形態である。この外縁溝19の向きは、上記の中央溝18の近い側の溝とは逆向きであり、かつ溝の少くとも一端は、軸の端部に開放されていることが特徴である。
すなわち、この外縁溝19は、その一端側23が回転軸または軸受の端部に開放されており、他端側22が閉鎖されている。さらに、この外縁溝19の方向は、図9(c)に示すように、この溝の閉鎖された端部側の延長方向とこの溝と隣りあう中央溝18の延長方向との交点において、この溝の延長方向が回転方向(或いは摺動方向)となす角βが、回転方向(あるいは摺動方向)から時計回りで、一方の側(図9(c)の回転方向または摺動方向の右側)においては0超〜90°未満、あるいは他方の側(図9(c)の回転方向または摺動方向の左側)では90°超〜180°未満となるように傾斜していることを意味する。なお、外縁溝19の一端側23が回転軸の端部に開放されているとは、回転軸の少なくとも軸受の端部に相当する位置までは溝が延び、開放されていて、溶融金属が排出されるようになっていることを意味する。
これにより、軸受の両端部では溶融金属が排出される方向に流動し、溶融金属のドロスや摺動部材の摩耗粉などの異物が摺動負荷面に浸入することを防止し、かつ侵入した異物を排除することができ、さらに長期間にわたって摩擦係数が低くかつ長期間安定したロールの回転が可能となる。なお、L1およびL2は同一の値でなくても良く、たとえば、ロール側を小さく軸受側を大きくすれば、ドロスなどの異物がロール面から離れた位置に排除されて、鋼帯の品質維持に有利となる。
図5(c)は本発明の他の実施形態を示す斜視図であり、図5(c)に示すように図5(b)で示した上記V字状の中央溝18の閉鎖された端部22とこれと隣り合う外縁溝19の閉鎖された端部22とが連通されていてもよい。これによって操業を停止したメンテナンス中などに、中央部のドロスなどの異物を回転軸或いは軸受の端部から比較的容易に排除することができる。
なお、中央溝の閉鎖された端部21と外縁溝の閉鎖された端部22とを連通させる場合は、この連通させた部分(すなわち、連通部24)には屈曲部が形成されるが、これらの屈曲部は、図5(c)から判るように、回転方向または摺動方向に閉じた形状となることはいうまでもない。
また、上記の説明では、主としてV字形状の屈曲部を有する中央溝を例に説明したが、この溝は、湾曲部を有するU字状の溝においても同様であるので、重複する説明は省略する。
図5(d)は、本発明の他の実施形態を示すものであり、V字状の中央溝の代わりに、回転方向または摺動方向に開いた形状で湾曲部21を有するU字状の中央溝18が、軸方向に複数列設けられており、これらの複数の中央溝の隣り合う閉鎖された端部同士が、滑らかな湾曲部によって接続連通され(接続連通部25)、全体として一つの波状の中央部18となっている。このような波状の中央溝であっても、この溝が部分的に図5(a)〜図5(c)と同様に、回転方向あるいは摺動方向に開いた角度を有する形状(曲率半径を有する半円弧あるいはU字形状)となっていれば、ロール回転中に溶融金属が溝の湾曲部21に流動し、滞留することができ、上記と同様な効果を得ることができる。
このように中央溝18は、中央部において軸方向に1列とすることに限るものではなく、複数列設けることができ、或いはさらに、これら軸方向に複数列の中央溝の隣り合う閉鎖された端部同士を接続連通させてもよい。
なお、閉鎖された端部同士を接続連通させる場合は、この接続連通させた部分には屈曲部あるいは湾曲部が形成されるが、これらの屈曲部あるいは湾曲部は、図5(d)から判るように、回転方向または摺動方向に閉じた形状となることはいうまでもない。
図5(e)は、本発明の他の実施形態を示す斜視図である。図5(e)に示すように、外縁溝19が回転軸の周方向(回転方向または摺動方向)に螺旋状に設けられている。外縁溝19が螺旋状の溝であっても、図5(b)に示したように、この外縁溝の方向(傾斜の角度)が、隣り合う中央溝18の近い側の溝の向きとは、回転方向または摺動方向に関して、逆向きであれば良く、そのように設けることによって、外縁溝の同様の効果を得ることができる。すなわち、図9(c)に示すように、この外縁溝の方向が、この溝の閉鎖された端部側の延長方向とこの溝と隣りあう中央溝の延長方向との交点において、この溝の延長方向が回転方向または摺動方向となす角度βが、回転方向または摺動方向から時計回りで、一方の側(図9(c)の回転方向または摺動方向の左側)においては0超〜90°未満、あるいは他方の側(図9(c)の回転方向または摺動方向の左側)では90°超〜180°未満であればよい。
図5(f)は、本発明の他の実施形態を示す斜視図である。
図5(f)に示すように、中央溝は閉曲線を形成するようにして良い。すなわち、図10に示すように、回転軸および軸受のいずれか一方または双方の摺動負荷面の軸方向中央部に、回転軸の回転方向または軸受の摺動方向に開いた形状で湾曲部21を有し、両端部が閉鎖されたU字状あるいは半円弧状の中央溝18が、回転軸の回転方向または軸受の摺動方向に閉じた形状で湾曲部を有するU字状あるいは半円弧状の中央溝18’の湾曲部21’と対向するように設けられ、さらに閉じた形状および開いた形状の中央溝の各対向する閉鎖された端部がそれぞれ接続連通部25で接続連通されるような形で楕円状の環状の溝(閉曲線)が形成されているものである。これにより軸の回転方向が逆転しても、本発明の上述の効果を得ることができる。
この説明では中央溝をU字状あるいは半円弧状としたが、前述のように、これをV字状としてもよいことはいうまでもない。
また、両端部の外縁溝についても、図5(f)に示すように、それぞれ端部において軸方向に関して、回転方向あるいは摺動方向とそれらの逆方向の両方向に傾斜角度を有する形状の溝とすることもできる。
すなわち、図10に示すように、回転軸及び/または軸受の軸方向の両外縁部に、その一端側23が軸受または回転軸の端部に開放され、他端側は閉鎖され、かつこの溝と隣り合う中央溝と逆方向に傾斜する外縁溝19が設けられており、さらに、この外縁溝19とは逆向きに傾斜し、かつこの外縁溝19と対向するように外縁溝19’が設けられている。そして、さらに、該外縁溝19’の閉鎖された端部と外縁溝19の閉鎖された端部とが接続連通部26で接続連通して設けられているものである。
図5(f)、図10に示されるように、この外縁溝19,19’は、軸方向の端部に向かって開く形状、軸方向への開き角度γとする、となっている。この角度γは、軸受が回転した際に、摺動負荷面の溝に流入した溶融金属が軸ある軸受の軸方向端部側に効率的に移動できるような傾斜角度とすれば良く、溶融金属の粘性や溝の幅、深さなどを勘案して設定することができる。通常5〜175°とするのが好ましい。
この、外縁溝19’の回転方向または摺動方向への傾斜方向は、これて接続する中央溝の18の延長方向と同じ向きになっている。従って、図5(f)の場合は中央溝の閉鎖された端部と外縁溝の閉鎖された端部とを連通させることは好ましくない。
上述のような形状の中央溝18と外縁溝19を、同一の回転軸また軸受に組み合わせて設けた例を示したが、中央溝のみ、或いは外縁溝のみ回転軸または軸受に設けても良いことは言うまでもない。
図5(g)は、上記と同様な形態の溝を軸受側に付設した例を示す。この場合、前記のように軸側の摺動面に軸方向に軸に固定された直線を仮定した場合、その直線と交わる部分が軸の回転によって中央寄りの閉じた部分に移動するような摺動方向に斜めの角度を有するような形状で付設するものとする。このような溝を付設した場合、図5(c)と同様の摩擦係数の低減および長期間の安定化の効果を得ることが出来る。なお、図は円筒形の軸受の半断面を描いた模式図であるが、軸受の形状は円筒面全体でも良く、円筒面の一部であっても良い。
上記の溝の寸法は制限されるものではないが、平均的な幅W=0.1〜2.0mm、深さ0.1〜1.0mmの範囲が好ましい。図8には軸回転中の溶融金属の滞留部21の付近の幅および/または深さを、他の部分よりも大きくしたものを示す。軸の回転により、滞留部21に両脇の中央溝18から溶融金属が集まって滞留する。この滞留部21に滞留した溶融金属は軸と軸受の隙間に滲出して潤滑剤として作用する。一方、ドロスなどの異物の浸入は外縁溝によって排出しているので、その量は抑えられている。また、ドロスなどの異物はこの滞留部でトラップされるので、潤滑剤としての溶融金属に紛れて軸と軸受の隙間に滲出するのはわずかである。
したがって、このように加工すれば、摺動負荷面近傍に浸入したドロスなどの異物が、摺動負荷面に再度挟み込まれることによる摩擦の不安定化や軸および軸受の摩耗増加をより長期間防止することが出来る。滞留部の寸法は、幅W1かつ/または深さd1を他の部分の1.1〜2.0倍とするのが好ましい。滞留部にトラップされたドロス等の異物は定期補修の際に除去される。
図6は、本発明の金属めっき浴中ロールの軸方向に垂直な断面の一部を示す模式図である。上記に加えて、摺動負荷面7の中央溝18及び外縁溝19を付設した部分以外の面の全体または一部に、図6に示すよう微細凹部9を付設すれば、摺動負荷面で微細な流体潤滑領域が形成されることと、摺動負荷面に僅かに浸入したドロス等の異物を凹部の中に納めて摺動負荷面の摩擦係数や軸または軸受の摩耗への悪影響を防止することができ、上記の溝の効果との相乗効果により、さらなる摩擦係数の低減および安定化、摩耗寿命の向上を果たすことができる。微細な凹部9は、ショット加工、機械加工、放電加工、溶射などによって形成することができる。凹部の形状および寸法は制限されるものではないが、円形あるいは楕円形の凹みで、直径又は長径の長さW’=50μm〜2.0mm、深さd’=50μm〜1.0mmの範囲が好ましい。この凹部は相当する面積や長さなどが同等であれば三角形または四角形であっても特に問題はない。W’が50μmより小さくまたは深さd’が50μより小さい場合は、摺動負荷面に侵入したドロス等の異物を納めることができない。またW’が2.0mmより大きく、または深さd’が1.0mmより大きい場合は、凹部が大きいことにより、微細な流体潤滑量域が形成されず、かつ上記の溝への溶融金属の滞留を妨害してしまい、ロールの円滑な回転を妨げることになる。なお、凹みの分布は均一でなくても良く、溝以外の摺動負荷面の表面積に対して、面積率10〜50%の範囲で付設すれば効果的である。面積率10%より小さい場合は、微細凹部を付設した効果が現れない。また面積率70%より大きい場合は、凹部が多いことにより軸受の有効な負荷面積が減少し、すなわち面圧が増大して、軸受の摩耗を増加させるので好ましくない。
図7の断面図に示す実験装置を用いて、溶融金属中において、軸あるいは軸受の摺動負荷面に種々の形状の中央溝と外縁溝、凹部を付設した試験片を用いて、軸回転中の摩擦係数および軸10および軸受11の摩耗減量を測定した。軸および軸受の材質は、ステンレス鋼SUS316L、SUS316Lの表面にステライト21(Ni:1%、Cr:27%、Mo:5%、Fe:1%、C:0.5%、Si:2%、残部Co)を溶射したもの、およびSIALONセラミックス(軸受のみ)を用いた。溶融金属12は亜鉛とし、電気炉13によって亜鉛の温度を460〜480℃に保持した。軸径はφ40mm、軸受径はφ40.5mm、摺動負荷部の長さを50mmとした。なお、軸受は、円筒面の1/2の分割片を2個対向させて設置した。軸回転数は250r/minとし、荷重は負荷シリンダー15によって245、490、980Nの各荷重をそれぞれ10分間ずつ順次負荷した。その際、トルクメーター16で回転トルクを測定することにより、摩擦係数を算出した。合計30分間回転後に試験を終了し、試験前後での軸および軸受の重量変化の合計を摩耗減量とした。
表1、表2(表1のつづき)は、図5(a)〜図5(g)に示した、本発明の種々の軸受構造について、上記の方法で回転中の摩擦係数および、試験後の摩耗減量を測定した結果を示す。なお、摩擦係数は、3種類の荷重について、荷重変更の前後20秒を除く時間の平均値とした。かくして評価した結果、本発明による軸受構造は、従来の図3に示す溝なしの軸および軸受、かつ図4に示す螺旋状の溝付き軸に比較して、いずれの場合にも摩擦係数、耐摩耗性が優れていることが確認された。
発明例3と比較例19などを比較すると中央溝のみを付設することでも摩耗減量が減り、平均摩擦係数が下がることが判る。また、発明例3と発明例9とを比較すると、外縁溝を付設したことによりさらに、摩耗減量が減り、平均摩擦係数が下がることが解る。さらに、発明例9と発明例14を比較すると微細凹部を付設したことによりさらに、摩耗減量が減り、平均摩擦係数が下がることが判る。
Figure 0004949207
Figure 0004949207
次に、本発明に従う構造の軸または軸受を製作して、実際に溶融亜鉛めっき製品を製造する設備のサポートロールの軸受構造に適用し評価した。この製造設備は月産約4万tonの製造規模の設備で、サポートロールの軸径はφ110mm、軸受径は112mm、摺動負荷面の幅は100mmであった。なお、使用した軸受は、実施例1で用いた軸受と異なり、円筒面の1/2の分割片を2個対向させた形状ではなく、一体の円筒形である。
表3に、上記の溶融亜鉛めっき製造設備において評価した結果を示す。この場合には実機で摩擦係数は測定できなかったが、軸受の寿命は、定期的にめっき浴から引き上げて損耗状態を観察し、摺動負荷面に付設した溝が消滅した時点、あるいはサポートロールの回転むらや不転が発生した時点をもって寿命と判定した。表3の数値は寿命に至るまでの平均日数である。本発明の軸受構造は評価の結果いずれも、ロール回転の長期安定化の効果が確認された。特に表3の本発明例2では中央溝、外縁溝、摺動負荷面の凹部が付設され、滞留部の溝部が他の溝部より大きく加工されていたことにより、耐用日数が他の条件に比べて非常に伸びた。
Figure 0004949207
以上のように、本発明の溶融金属めっき浴中ロールの軸受構造は、溶融亜鉛めっきや溶融アルミニウムめっきなどの連続処理設備において浴中ロールに広く適用することが可能で、軸受の回転が円滑化し、ロールの不転などのトラブルを防止することができ、さらに軸受の寿命が向上して交換頻度を低減させることができるため、生産性も向上するなど、溶融金属めっき設備の効率向上、めっき製品の品質安定化などの面で大きく貢献する。
溶融金属めっき設備のめっき浴周辺の一般的な構造を示す断面図である。 溶融金属めっき浴中のサポートロールの支持構造を示す正面図である。 溶融金属めっき浴中ロールの軸および軸受の最も一般的な形態を示す模式図であり、(a)はロールの軸の摺動負荷面、(b)は軸受の摺動負荷面を示す。 溶融金属めっき浴中ロール軸あるいは軸受に付設された従来形状の溝を示すものであり、(a)は回転方向あるいは摺動方向に平行な溝の斜視図、(b)は回転方向あるいは摺動方向に傾斜を持つ螺旋状の溝の斜視図、(c)は、付設された溝の断面形状を示す模式図である。 本発明の一実施形態の軸受の構造を示す斜視図である。 本発明の他の実施形態の軸受の構造を示す斜視図である。 本発明の他の実施形態の軸受の構造を示す斜視図である。 本発明の他の実施形態の軸受の構造を示す斜視図である。 本発明の他の実施形態の軸受の構造を示す斜視図である。 本発明の他の実施形態の軸受の構造を示す斜視図である。 本発明の他の実施形態の軸受の構造を示す斜視図である。 軸または軸受の摺動負荷面に付設した微細凹部の断面図である。 本発明の軸受構造による摩擦係数と摩耗量を求めた実験装置の構造図である。 本発明の軸受構造における中央溝の滞留部の状況を示す図であり、(a)は、斜視図、(b)は中央溝の部分拡大図である。 本発明の軸受構造における溝の形状を説明する図であり、(a)は、軸の回転方向または軸受の摺動方向に開いた角度の中央溝、(b)は軸の回転方向または軸受の摺動方向に閉じた角度の中央溝、(c)は、中央溝に対して逆方向の傾斜を有する外縁溝の形状を示す。 本発明の軸受構造における環状の中央溝および連結された外縁溝の状況を説明する図である。
符号の説明
1 めっき浴
2 鋼帯
3 シンクロール
4 サポートロール
5 ロール軸
6 軸受
7 摺動負荷面
8 溝
9 微細凹部
10 実験装置の軸
11 実験装置の軸受
12 実験装置の溶融金属
13 実験装置の電気炉
14 実験装置のモータ
15 実験装置の負荷シリンダー
16 トルクメーター
17 サポートロール軸受支持体
18,18’ 中央溝
19,19’ 外縁溝
20 ガスワイピングノズル
21,21’ 屈曲部または湾曲部(滞留部)
22 溝の閉鎖された端部
23 溝の開放された端部
24 中央溝と外縁溝との連通部
25,25’ 中央溝の接続直通部
26 外縁溝の接続連通部
D 軸の直径または軸受の内径
d 中央溝または外縁溝の深さ
d1 中央溝の深さで他の部分よりも大きくした部分の深さ
d’ 微細凹部の深さ
L 軸の軸受で軸支される長さ
L’ 中央溝の軸方向付設範囲
L1 外縁溝の軸方向付設範囲
L2 外縁溝の軸方向付設範囲
L3 中央溝の幅および/または深さを他の部分よりも大きくした部分の範囲
W 中央溝または外縁溝の幅
W1 中央溝の幅で他の部分よりも大きくした部分の幅
W’ 微細凹部の幅
α 中央溝の回転方向または摺動方向に関する開き角度または閉じた角度
β 中央溝と外縁溝との交点角度
γ 外縁溝の軸方向の開き角度

Claims (8)

  1. 鋼帯を溶融金属中に浸漬させて連続的にめっき処理する装置の溶融金属めっき浴中ロールの軸受構造であってロールの回転軸および軸受のいずれか一方または双方の摺動負荷面の軸方向中央部に溝を付設した軸受構造において、回転軸の回転方向または軸受の摺動方向に開いた角度を有する屈曲部または湾曲部を有して両端部が閉鎖された溝(以下、中央溝という)が、回転方向及び/または摺動方向に複数列付設されており、前記回転軸及び/または軸受の軸方向の両外縁部に、その一端側が回転軸または軸受の端部に開放され、他端側は閉鎖され、かつ、該溝の閉鎖された端部側への延長方向が該溝と隣りあう中央の溝の延長方向とは回転方向または摺動方向に関して逆向きに傾斜した溝(以下、外縁溝という)が、回転軸の回転方向または軸受の摺動方向に、1列以上設けられていることを特徴とする溶融金属めっき浴中ロールの軸受構造。
    但し、軸受の摺動方向は、回転軸の回転方向と対向する方向を指すものとする。
  2. 前記中央溝が、回転軸及び/または軸受の軸方向に複数設けられることを特徴とする請求項1に記載の溶融金属めっき浴中ロールの軸受構造。
  3. 前記軸方向に複数設けられた前記中央溝の隣りあう端部が連通されていることを特徴とする請求項2に記載の溶融金属めっき浴中ロールの軸受構造。
  4. さらに、前記ロールの回転軸および軸受のいずれか一方または双方の摺動負荷面の軸方向中央部に、回転軸の回転方向または軸受の摺動方向に閉じた角度を有する屈曲部または湾曲部を有して両端部が閉鎖された中央溝が、前記回転軸の回転方向または軸受の摺動方向に開いた角度の屈曲部または湾曲部を有する前記中央溝の屈曲部または湾曲部と対向するように回転方向または摺動方向に複数列設けられ、各対向する中央溝の端部がそれぞれ連通されて環状の溝が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の溶融金属めっき浴中ロールの軸受構造。
  5. 前記外縁溝の閉鎖された端部と、該外縁溝の閉鎖された端部と隣り合う中央溝の閉鎖された端部とが連通されていることを特徴とする請求項に記載の溶融金属めっき浴中ロールの軸受構造。
  6. さらに、前記回転軸及び/または軸受の軸方向の両外縁部に、その一端側が軸受または回転軸の端部に開放され、他端側は閉鎖された外縁溝が、前記外縁溝と軸方向に関して傾斜が逆向きで、かつ前記外縁溝と対向するように設けられ、さらに、該外縁溝の閉鎖された端部と前記外縁溝の閉鎖された端部とが連通していることを特徴とする請求項に記載の溶融金属めっき浴中ロールの軸受構造。
  7. 前記屈曲部または湾曲部の溝幅および/または溝深さを、他の溝部分よりも大きくしたことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の溶融金属めっき浴中ロールの軸受構造。
  8. さらに、前記回転軸および軸受のうちいずれか一方または両方の摺動負荷面の前記溝以外の部分に、長編の長さ50μm〜2mm、深さ50μm〜1mmの凹部を有することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の溶融金属めっき浴中ロールの軸受構造。
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