JP2006207824A - 動圧軸受モータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】筒状のスリーブ(6)と、スリーブ(6)の内径部に挿入されたシャフト(2)と、スリーブ(6)の内周面またはシャフト(2)の外周面における所定の軸方向長さ範囲に設けられたヘリングボーン状の動圧溝を有する動圧溝部(15)と、を備え、スリーブ(6)とシャフト(2)との間隙に粘性流体を保持して動圧溝部(15)において発生する動圧によりシャフト(2)とスリーブ(6)とを相対的に回転自在として成り、動圧溝部(15)は、動圧溝部(15)の軸方向両側の空間に通じるよう軸方向に貫いて形成された連通溝(18)を備えた。
【選択図】図3
Description
構造を説明する。
なお図8の断面図においてスリーブ(6)の内周面に形成された、後に述べる動圧溝部(3)(4)は、実際の円周面上のパターンとしてではなく平面に展開した図として描いてある。これは説明をより明瞭にしようとしたためである。
この事は動圧溝部(3)(4)を含んだ他の図においても同様である。
モータベース(1)の上面にはコイル(11)と、コイル(11)を巻回したステータコア(10)が固定されている。
シャフト(2)はステンレス系材料で形成され、モータベース(1)に圧入接着により固定されている。
シャフト(2)の外周には、筒状のスリーブ(6)が回転自在に装着されている。
動圧溝部(3)(4)とシャフト(2)との間には、粘性を有する流体である、潤滑油が保持されている。
図4は、スリーブ(6)の断面図である。
2個所の動圧溝部(3)(4)に挟まれた内周部は、動圧溝部より大きな内径寸法を有し、またスリーブ(6)の上部には、後に説明するスラスト動圧軸受機構を収納するための空間が設けられている。
ラジアル動圧軸受機構の動作は後に説明する。
ステータコア(10)に巻回したコイル(11)は図示しない制御回路により3相駆動電流が印加される。
図8において、コイル(11)に図示しない制御回路から駆動電流が印可されると、ステータコア(10)とリング状磁石(12)間の磁気力により、ハブ(5)はモータベース(1)に対して回転運動を行う。
以上の様に動作することで、スリーブ(6)とシャフト(2)は、ラジアル動圧軸受機構として機能する。
上記公報記載の技術においては、あらかじめ筒状のブランクスリーブ(まだ動圧溝を形成していないスリーブ)を用意する。
さらに、スリーブに溝を形成するための、多数のベアリングを外周部に配置した棒状の治具であるサイジングバーを用いて動圧溝を形成しようとするものである。
まず、図7(A)において、最初に図の下方からスリーブ(6)にサイジングバーを回転しつつ挿入し、動圧溝部(15)のaの範囲を形成する。
そうすると、軸方向の動圧によって押された潤滑油が、スピンドルモータの回転時に動圧溝部(3)(4)から外部に漏出し、ラジアル動圧軸受機構が軸受として正しく機能しなくなる恐れがある。
そこで、本願発明は、粘性流体が動圧溝部に十分に均等に拡散して動圧軸受が正常に機能する動圧軸受モータを提供することにある。
すなわち、筒状のスリーブ(6)と、該スリーブ(6)の内径部に挿入されたシャフト(2)と、前記スリーブ(6)の内周面または前記シャフト(2)の外周面における所定の軸方向長さ範囲に設けられたヘリングボーン状の動圧溝を有する動圧溝部(15)と、を備え、前記スリーブ(6)と前記シャフト(2)との間隙に粘性流体を保持して前記動圧溝部(15)において発生する動圧により前記シャフト(2)と前記スリーブ(6)とを相対的に回転自在として成り、前記動圧溝部(15)は、該動圧溝部(15)の前記軸方向両側の空間に通じるよう軸方向に貫いて形成された連通溝(18)を備えたことを特徴とする動圧軸受モータである。
なお、先に説明した従来技術に係るHDD用スピンドルモータと同一の機能を有する構成には同一の符号を用い、また重複して説明することを避けるために、一部説明を省略した点もある。
なお、本参考の形態において、スリーブ(6)を除くスピンドルモータの各構成物は、先に図8を用いて説明した、従来技術に係るHDD用スピンドルモータと同一の構成となっている。
図5はそのうちのひとつの動圧溝部(15)の部分詳細図である。
以上の工程で導入溝(16)と動圧溝との形成が終了する。
本実施の形態において、完成したズリーブ(6)の内周面に形成した導入溝(16)は、その上下の部分で、軸方向の長さに差が生じることがある。
しかしそれにより、従来技術における問題点として先に説明した、動圧の軸方向のアンバランス、さらにそれによって生じる潤滑油の漏出等の不具合を生じることはない。
なお、スリーブ(6)以外の構成は、先に図8を用いて説明した従来技術に係るスピンドルモータと同一である。
先に図7を用いて説明した従来技術に係るスピンドルモータと同様に、a部およびb部の境界線(19)は動圧溝部(15)の軸方向中央に位置せず、a部およびb部の軸方向長さが異なるので、先に説明したように、軸方向動圧のアンバランスが生じている。
所定の幅とは、先に図6(A)で示した、動圧溝部(15)の境界線(19)の想定されるずれ量をカバーして十分な幅である。
図3は、スリーブ(6)に軸方向連通溝(18)をスリーブ(6)に設ける構成としたHDD用スピンドルモータのスリーブ(6)の断面図である。
本実施の形態において、スリーブ(6)を除く各構成要素は、先に図8を用いて説明した従来技術にかかるスピンドルモータと同一である。
さらに、それぞれの動圧溝部(15)には、モータの回転軸に平行で、かつ動圧溝部(15)の軸方向全長にわたる軸方向連通溝(18)が形成されている。
追い込まれた気泡は、軸方向連通溝(18)を通って容易に動圧軸部(15)の上下方向の外部空間に押し出されるので、ラジアル動圧軸受組立作業において、隙間に残留した気泡を排除する作業がより容易になる効果を生ずる。
さらに、軸方向連通溝(18)は、動圧溝部(15)を軸方向に貫くように形成されているので、ラジアル動圧軸受の組立作業時に、隙間に保持すべき潤滑油等の粘性流体が軸方向連通溝(18)を経由して動圧溝部(15)全体により均一に行き渡る、という効果も生ずる。
しかし本発明は、上記の構成に限定されるものではなく、シャフト(2)がハブ(5)に固定され、スリーブ(6)がモータベース(1)に固定されたスピンドルモータ(図示せず)においても、上記の発明と同様の効果を発揮するものである。
2 シャフト
3 動圧溝部
4 動圧溝部
5 ハブ
6 スリーブ
7 スラストプレート
8 フランジ
9 ブッシュ
10 ステータコア
11 コイル
12 リング状磁石
13 ロータヨーク
14 スペーサ
15 動圧溝部
16 導入溝
17 周方向連通溝
18 軸方向連通溝
19 境界線
20 動圧溝の端点
21 動圧溝の端点
Claims (1)
- 筒状のスリーブと、
該スリーブの内径部に挿入されたシャフトと、
前記スリーブの内周面または前記シャフトの外周面における所定の軸方向長さ範囲に設けられたヘリングボーン状の動圧溝を有する動圧溝部と、を備え、
前記スリーブと前記シャフトとの間隙に潤滑油を保持して前記動圧溝部において発生する動圧により前記シャフトと前記スリーブとを相対的に回転自在として成り、
前記動圧溝部は、該動圧溝部の前記軸方向両側の空間に通じるよう軸方向に貫いて形成された連通溝を備えたことを特徴とする動圧軸受モータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006114463A JP2006207824A (ja) | 2006-04-18 | 2006-04-18 | 動圧軸受モータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006114463A JP2006207824A (ja) | 2006-04-18 | 2006-04-18 | 動圧軸受モータ |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25284199A Division JP3940981B2 (ja) | 1999-09-07 | 1999-09-07 | 動圧軸受モータ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006207824A true JP2006207824A (ja) | 2006-08-10 |
Family
ID=36964897
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006114463A Pending JP2006207824A (ja) | 2006-04-18 | 2006-04-18 | 動圧軸受モータ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2006207824A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009120890A (ja) * | 2007-11-13 | 2009-06-04 | Nippon Steel Corp | 溶融金属めっき浴中ロールの軸受構造 |
-
2006
- 2006-04-18 JP JP2006114463A patent/JP2006207824A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009120890A (ja) * | 2007-11-13 | 2009-06-04 | Nippon Steel Corp | 溶融金属めっき浴中ロールの軸受構造 |
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