JP3129648B2 - 溶融金属めっき浴中ロール用軸受 - Google Patents

溶融金属めっき浴中ロール用軸受

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JP3129648B2
JP3129648B2 JP08040656A JP4065696A JP3129648B2 JP 3129648 B2 JP3129648 B2 JP 3129648B2 JP 08040656 A JP08040656 A JP 08040656A JP 4065696 A JP4065696 A JP 4065696A JP 3129648 B2 JP3129648 B2 JP 3129648B2
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英哉 岩本
彰一 加藤
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、連続溶融金属めっき設
備におけるめっき浴中で使用されるロール用軸受に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来連続溶融金属めっき設備のめっき浴
中に浸漬されているシンクロールなどのロールは高温の
溶融金属と接するきびしい条件下にあり、これらロール
の軸受部においては、固定側および回転側部材には従来
耐食、耐熱性のステンレス綱が使用されてきた。
【0003】しかし、耐摩耗性が悪く、また溶融金属と
の合金反応が強く、溶融金属との合金層が成長して回転
不良の原因となる。また再使用のためには再度研磨し、
場合によっては肉盛り等の補修が必要であった。
【0004】ロール本体にスリーブを装着する手段とし
て溶接が主流であるが、着脱に手間がかかるので、スリ
ーブの寿命が短いことから、これらにかかる手間が増大
していた。
【0005】これらの軸受の寿命を延長する手段として
は、WC−12Co等を溶接する方法、軸受と軸との摺
動構造として固定側部材を固体潤滑性部材に、回転側部
材をセラミックスで製作する方法(特開平5−2224
99号)、ロールの軸部表面に上下2層からなるCo基
合金を肉盛りする方法(実開平5−69155号)等が
提案されている。
【0006】また軸受メタルの寿命のみを向上させる目
的で、コバルト含有炭化タングステンのような超硬度の
金属チップを部分的にはめ込む方法(特開平5−126
135号)、固定側部材をセラミックス、回転側部材を
セラミックスより硬度の低いサーメットで構成し、固定
側部材の耐摩耗性を改善する方法(特開平5−4400
2号)、金属製軸受シェル表面にリング状のセラミック
焼結体を装着する方法(特開平1−316443号)、
軸受の摺動部を空孔に炭化ケイ素を充填した特殊なカー
ボン材料で製作する方法(特開平3−126854号)
等が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、Co基
合金の肉盛りでは溶融金属との合金層の発生により回転
不良が生じることになり、WC−12Coの溶射では酸
洗によるめっき金属の除去が不能となり手入れに手間が
かかる。またセラミックスで製作すると熱応力により剥
離、破損する可能性が高く製作コストも増加する。さら
に軸受メタルの寿命のみを向上させる目的でメタル部分
の硬度を上げる手法では、スリーブの摩耗が激しく回転
不良をきたし、スリーブ交換頻度が増大しメタル自身の
製作コストも増加する等、それぞれ課題を有していた。
【0008】したがって本発明の目的は、溶融金属めっ
き浴中での耐摩耗性に優れ長期間安定して使用できるだ
けでなく、めっき金属除去が酸洗いにより容易であるな
ど再使用に当たっての手入れが簡単でコストが従来より
も安価なロール用軸受を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成すべく研究を進め、軸受の基本性能をコストおよび
再使用時の手入れの容易さに置き、種々の表面処理法や
材料の組合わせを検討することにし、まずコスト的に固
定側部材の軸受部と回転側部材のスリーブの両者のうち
いずれを長寿命化すればよいかを検討した。両者を長寿
命化することを考えた場合、両者の硬度を上げることが
考えられるが、両者の硬度が上がるとかえって両者とも
摩耗が速まることが確認されており、片方の硬度がもう
片方より低い場合に寿命が増すことが知られている。
【0010】したがって両者のうち、いずれの硬度を上
げるべきかについて、ロールへのスリーブの着脱、ロー
ルハンガーへのロール軸受組み込み手間などで再生性を
検討した結果、コスト的にスリーブの硬度を増加させ寿
命を延ばすことが好ましく、そのためには使用時の熱応
力や硬度差の影響で溶射皮膜の剥離あるいは異物のかみ
込みによる母材の変形を防止する目的で、溶射すべき溶
射層には表1に示すように、スリーブに近い下層皮膜お
よび中間皮膜を設けて硬度勾配をつけること、ならびに
上層には表2に示すように、摺動特性、摩耗特性に優れ
ているMoサーメット等を溶射して3層構造とすれば、
前記課題が解決できることを見いだし本発明に到達し
た。
【0011】
【表1】
【0012】
【表2】
【0013】 〇:良好 △:やや劣る ×:著しい腐食が見え不適 すなわち、本発明は第1に、溶融金属めっき浴中で使用
されるロール用軸受であって、回転側部材であるスリー
ブの摺動面に、該スリーブに接する第1層としてCo基
合金、第2層としてCo基サーメット、第3層としてM
o基サーメットの3層からなる溶射皮膜を有することを
特徴とする溶融金属めっき浴中ロール用軸受;第2に、
前記皮膜の第1層および第2層の厚さが0.05〜0.
70mm、第3層の厚さが0.03〜0.35mmである前
記第1に記載の軸受を提供するものである。
【0014】
【作用】本発明では回転側部材であるスリーブの摺動面
に3層からなる溶射被膜が設けられている。すなわちス
リーブ母材上にコバルト基合金の第1層、その上にCo
基サーメットの第2層、さらにMo基サーメットの最上
層の第3層が順次形成されていて、各層の役割は次の通
りである。
【0015】第1層は母材との密着性の確保、靭性の確
保であり、第2層は線膨脹係数、硬さ勾配を考慮した第
1層と第3層との結合層であり、第3層は耐摺動摩耗、
耐焼き付き、耐食性を具備した皮膜最上層である。
【0016】なお、第1層および第2層の厚みは0.0
5mm未満の薄目では有効な硬度の勾配と母材の変形を防
止させることができず、また0.70mmを超えて厚目に
すると内部応力により剥離の危険性が高くなるのでいず
れも0.05〜0.70mmとし、一方、第3層の厚みは
0.03mm未満では溶融金属の侵入に対し不十分であ
り、また0.35mmを超えると第1層、第2層の場合と
同様に剥離の危険性があるので0.03〜0.35mmと
した。
【0017】
【実施例】図1は本発明軸受の回転側部材であるスリー
ブの摺動面に施された溶射皮膜の構成を示す断面図、図
2は本発明に係る連続亜鉛めっき装置のめっき槽の側断
面を示す説明図であって、これらを参照して以下説明す
る。
【0018】図2に示すように、溶融めっき浴1にはシ
ンクロール2および1本ないし2本のサポートロール3
が配設されており、加熱焼鈍された被めっき鋼板6はス
ナウト4から溶融めっき浴1中に侵入しシンクロール2
により方向を上方に転換され、サポートロール3により
幅方向の板反りを矯正され、めっき浴上方で鋼板の両側
に配設されたワイピングノズル5により高速ガスが吹き
つけられ、そのガス圧力、吹き付け角度の調整によって
めっきの付着量が所定量に調整される。図の矢印は通板
方向を示す。
【0019】図2により説明した連続溶融亜鉛めっき設
備において、亜鉛浴中ロール軸受に対し表3に示した材
質の表面処理を軸受スリーブに施して供試した。なお、
この時の実機操業条件はライン速度60〜130mpm 、
張力がMAX4T までのラインで、浴温460℃、浴組
成0.15%Al−Znの亜鉛浴であった。
【0020】使用後のスリーブ評価方法は酸洗手入れ後
(硫酸酸洗後)、(1)摩耗による段差が0.5mm以上
に達した場合(溶射の場合は溶射膜厚分の50%までと
する)、(2)溶射剥離面積が使用部分の20%以上に
達した場合、のように、摩耗量、外観の2項目の検査基
準を設けて寿命を判定し、これら検査基準に達するまで
を使用日数として表示した。
【0021】
【表3】
【0022】 〇:良好 △:何れか一方で激しく摩耗 ×:摩耗による母材変形が大きいため、使用不可 表3の実機試験結果から2層構成のMoサーメット/C
oサーメットも3層構成のMoサーメット/Coサーメ
ット/Co基合金と同じく使用日数が7日間使用後酸洗
のサイクル5回の35日間であったが、Coサーメット
を溶射第1層とするMoサーメット/Coサーメットよ
りもCoサーメットを第2層とする本発明に係る溶射皮
膜の方が、前記表1に見られるように、線膨脹係数や硬
度の勾配が適切に考慮されているので熱応力や硬度差の
影響を防止する点から有利である。
【0023】本実施例においてスリーブ上に形成した3
層からなる溶射皮膜の断面図を図1に示す。スリーブ7
に接して施されたCo基合金の第1層8およびCo基サ
ーメットの第2層9はともに厚さ0.4mm、Mo基サー
メットの第3層10の厚さは0.2mmであった。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の溶射皮膜
を備えたロール用軸受では、スリーブ上に施される溶射
皮膜が下層はCo基合金層、中間層はCo基サーメット
層、最上層(第3層)はMo基サーメットという3層か
ら構成される皮膜で、オーステナイト系ステンレスであ
る母材スリーブを含めて、それぞれの線膨脹係数がゆる
やかに変化する勾配をもち、一方、硬度についても母材
の硬度Hv200から第3層のHv1100まで適切な
勾配を有するので、めっき浴中での耐摩耗性に優れると
ともに、熱応力や硬度差の影響が少なく、かつ再使用す
る際の手入れが容易であり、従来技術より安価なロール
軸受を提供できる。加えて使用時の回転不良が減少し、
製造も安定する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の軸受において、回転側部材摺動面に施
された溶射皮膜の構成を示す断面図である。
【図2】本発明に係る連続溶融亜鉛めっき装置のめっき
槽の側断面を示す説明図である。
【符号の説明】
1 溶融めっき浴 2 シンクロール 3 サポートロール 4 スナウト 5 ワイピングノズル 6 鋼板 7 スリーブ 8 第1層 9 第2層 10 第3層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 彰一 埼玉県桶川市寿2−17−4 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 2/00 C23C 4/08,4/10 F16C 13/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融金属めっき浴中で使用されるロール
    用軸受であって、回転側部材であるスリーブの摺動面
    に、該スリーブに接する第1層としてCo基合金、第2
    層としてCo基サーメット、第3層としてMo基サーメ
    ットの3層からなる溶射皮膜を有することを特徴とする
    溶融金属めっき浴中ロール用軸受。
  2. 【請求項2】 前記皮膜の第1層および第2層の厚さが
    0.05〜0.70mm、第3層の厚さが0.03〜0.
    35mmである請求項1記載の軸受。
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