JP4948799B2 - 作用極及びその製造方法、並びに太陽電池及びその製造方法 - Google Patents

作用極及びその製造方法、並びに太陽電池及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4948799B2
JP4948799B2 JP2005226525A JP2005226525A JP4948799B2 JP 4948799 B2 JP4948799 B2 JP 4948799B2 JP 2005226525 A JP2005226525 A JP 2005226525A JP 2005226525 A JP2005226525 A JP 2005226525A JP 4948799 B2 JP4948799 B2 JP 4948799B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transparent conductive
working electrode
semiconductor layer
oxide semiconductor
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2005226525A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007042494A (ja
Inventor
哲也 江連
卓也 川島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujikura Ltd filed Critical Fujikura Ltd
Priority to JP2005226525A priority Critical patent/JP4948799B2/ja
Publication of JP2007042494A publication Critical patent/JP2007042494A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4948799B2 publication Critical patent/JP4948799B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/542Dye sensitized solar cells
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Photovoltaic Devices (AREA)
  • Hybrid Cells (AREA)

Description

本発明は、作用極および太陽電池に係る。より詳細には、透明導電層の平均表面粗さを規定することにより、多孔質酸化物半導体層の厚膜化を図ることが可能な作用極と、該作用極を備え、光電変換効率に優れた太陽電池に関する。
環境問題、資源問題等を背景に、クリーンエネルギーとしての太陽電池が注目を集めている。太陽電池としては単結晶、多結晶あるいはアモルファスのシリコンを用いたものがある。しかし、従来のシリコン系太陽電池は製造コストが高い、原料供給が不充分等の課題が残されており、大幅普及には至っていない。
また、Cu−In−Se系(CIS系とも呼ぶ)等の化合物系太陽電池が開発されており、極めて高い変換効率を示す等優れた特徴を有しているが、コストや環境負荷等の問題があり、やはり大幅普及への障害となっている。
これらに対して、色素増感型太陽電池は、スイスのグレッツェルらのグループ等から提案されたもので、安価で高い変換効率を得られる光電変換素子として着目されている(非特許文献1を参照)。
図6は、従来の色素増感型太陽電池の一例を示す断面図である。
この色素増感型太陽電池600は、増感色素を担持させた多孔質半導体層603が一方の面に形成された第一基板601と、透明導電層604が形成された第二基板605と、これらの間に封入された例えばゲル状電解質からなる電解質層を主な構成要素としている。
第一基板601としては、光透過性の板材が用いられ、第一基板601の色素増感半導体層603と接する面には導電性を持たせるために透明導電層602が配置されており、第一基板601、透明導電層602及び多孔質半導体層603により作用極603をなす。
第二基板605としては、電解質層606と接する側の面には導電性を持たせるために例えば炭素や白金等からなる導電層604が設けられ、第二基板及び導電層604により対極609を構成している。
多孔質半導体層603と導電層604が対向するように、第一基板601と第二基板605を所定の間隔をおいて配置し、両基板間の周辺部に熱可塑性樹脂からなる封止剤607を設ける。
そして、この封止剤607を介して2つの基板601、605を貼り合わせてセルを積み上げ、電解液の注入口610を介して、両極608、609間にヨウ素・ヨウ化物イオン等の酸化・還元極を含む有機電解液を充填し、電荷移送用の電解質層606を形成したものが挙げられる。
透明性と導電性を併せ持つ透明導電膜は、液晶表示素子や太陽電池の透明電極として、近年注目されてきている。中でも酸化インジウムに数%の錫をドープしたITO(Indium tin-Oxide)導電膜は、優れた透明性と導電性を有する透明導電膜である。色素増感太陽電池に用いる透明導電膜は、その上に形成される多孔質半導体層との密着性を向上させるために表面を荒らすことが重要となる。透明導電膜の平均表面粗さが上昇すれば、透明導電膜と多孔質半導体層との密着性が向上し、より厚く多孔質半導体層を形成することが可能になるためである。
従来、ITO透明導電膜の成膜は、スパッタリング法が主流である。この製法で形成されたITO透明導電膜は、優れた平坦性を持ち液晶表示用として有用であるが、色素増感太陽電池の用途には表面粗性が不十分であった。そのため、形成することのできる多孔質半導体層厚に限界が生じ、より高い光電変効率を実現することが困難であった。
O' Regan B, Gratzel M. A low cost, high-efficiency solar cell based on dye-sensitized colloidal TiO2 films, Nature 1991;353:737-739
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、より厚い多孔質半導体層を形成することの可能な作用極およびその製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、前記作用極を備え、より高い光電変効率を実現する太陽電池およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に係る作用極は、少なくとも一部に電解質層を介し対極と対向して配され、増感色素を担持させた多孔質酸化物半導体層を有し、窓極として機能する作用極であって、前記多孔質酸化物半導体層は、透明基材の一面をなす透明導電層上に配され、該透明導電層における前記多孔質酸化物半導体層と接する面の平均表面粗さが20nm以上50nm以下であり、前記多孔質酸化物半導体層の膜厚が10.2μm〜20.6μmであることを特徴とする。
本発明の請求項2に係る作用極は、請求項1において、前記透明導電層における前記多孔質酸化物半導体層と接する面の平均表面粗さが23nm以上42nm以下であることを特徴とする。
本発明の請求項に係る作用極は、請求項1又は2において、前記透明導電層は、2つ以上の透明導電膜を重ねた積層構造からなり、該透明導電層における前記多孔質酸化物半導体層と接する面は、下層に位置する透明導電膜の表面形状を反映した形状を有することを特徴とする。
本発明の請求項4に係る太陽電池は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の作用極と、少なくとも一部に電解質層を介して該作用極と対向して配される対極とを備えてなることを特徴とする。
本発明の請求項に係る作用極の製造方法は、少なくとも一部に電解質層を介し対極と対向して配され、増感色素を担持させた多孔質酸化物半導体層を有し、窓極として機能する作用極の製造方法であって、透明基材の一面に透明導電層を形成する工程αと、前記透明導電層に重ねて前記多孔質酸化物半導体層を形成する工程βと、を少なくとも備え、前記工程αは、前記透明導電層における前記多孔質酸化物半導体層と接する面の平均表面粗さが20nm以上50nm以下の範囲となるように、且つ、前記工程βは、前記多孔質酸化物半導体層の膜厚が10.2μm〜20.6μmとなるように、成膜条件を制御することを特徴とする。
本発明の請求項6に係る作用極の製造方法は、請求項5において、前記透明導電層における前記多孔質酸化物半導体層と接する面の平均表面粗さを23nm以上42nm以下とすることを特徴とする。
本発明の請求項に係る作用極の製造方法は、請求項5又は6において、前記工程αは、前記透明導電層の成膜方法としてスプレー熱分解法を用いることを特徴とする
本発明の請求項に記載の作用極の製造方法は、請求項5〜7のいずれか一項において、前記スプレー熱分解法は、濃度をmol/L単位において0.4以上0.75以下とした出発原料を用いることを特徴とする。
本発明の請求項9に係る太陽電池の製造方法は、請求項5〜8のいずれか一項に記載の製造方法により得た作用極に増感色素を担持させ、少なくとも一部に電解質層を介し対極と対向して配することを特徴とする。
本発明では、透明性、抵抗値を維持しながら、表面粗性が高い透明導電層を得ることができる。これにより、より厚い多孔質酸化物半導体層を有する作用極を提供することができる。
また、本発明では、より厚い多孔質酸化物半導体層を有する作用極を用いることで、光電変換効率に優れた色素増感太陽電池を提供することができる。
以下、本発明に係る太陽電池の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の太陽電池の一例を示す断面図である。
この色素増感型太陽電池10は、増感色素を担持させた多孔質酸化物半導体層3が一方の面に形成された第一基板1と、導電膜4が形成された第二基板5と、これらの間に封入された例えばゲル状電解質からなる電解質層6とを主な構成要素としている。
第一基板1としては、光透過性の板材が用いられ、第一基板1の色素増感半導体層3と接する面には導電性を持たせるために透明導電層2が配置されており、第一基板1、透明導電層2および多孔質酸化物半導体層3により、窓極として機能する作用極8をなす。
第二基板5としては、電解質層6と接する側の面には導電性を持たせるために例えば炭素や白金等からなる導電層4が設けられ、第二基板5および導電層4により対極9を構成している。
そして本発明では、作用極3において、前記透明導電層2の前記多孔質酸化物半導体層3側の平均表面粗さが10nm以上55nm以下であることを特徴とする。
透明導電層2の平均表面粗さを10nm以上55nm以下にすることにより、その上に形成される多孔質酸化物半導体層3との密着性が向上し、厚い多孔質酸化物半導体層3を形成することができる。その結果、多孔質酸化物半導体層3の担持する増感色素の量を増大できるので、このような作用極を備えた太陽電池10の光電変換効率を向上させることが可能となる。
これに対し、透明導電層2の平均表面粗さが10nm未満であると、多孔質酸化物半導体層3との密着性が十分ではなく、厚い多孔質酸化物半導体層3を形成することが困難になる。一方、透明導電層2の平均表面粗さが55nmを超えると、より厚く多孔質酸化物半導体層3を形成することが可能になるが、却って光電変換効率が低下してしまう。
前記透明導電層2の平均表面粗さは、20nm以上50nm以下であることがより好ましい。透明導電層2の平均表面粗さを前記範囲にすることにより、光電変換効率をさらに向上させることが可能となる。
第一基板1としては、ガラス等、光透過性の素材からなる基板が用いられる。
透明導電層2は、第一の透明導電膜2aと第2の透明導電膜2bとを重ねた積層構造からなる。
第一の透明導電膜2aの材料としては、例えば、錫ドープ酸化インジウム(ITO)等が挙げられる。
第二の透明導電膜2bの材料としては、例えば、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)等が挙げられる。
そして上層に位置する第二の透明導電膜2bにおける多孔質酸化物半導体層3と接する面は、下層に位置する第一の透明導電膜2aの表面形状を反映した形状を有することが好ましい。これにより下層の形状を維持しつつ、耐熱性の向上を図ることが可能となる。
多孔質酸化物半導体層3を形成する半導体としては、通常、太陽電池用の多孔質酸化物半導体を形成するに用いられるものを用いることができ、例えば酸化チタン(TiO2)等が挙げられる。
増感色素としては、例えばビピリジン構造等を配位子に含むルテニウム錯体(N3色素)等を用途や多孔質酸化物半導体層の材料に応じて適宜選択して用いることができる。
次に、図1に示す太陽電池の製造方法について説明する。
本発明では、前記作用極を作製する際に、第一基板1の一面に透明導電層2を形成する工程αと、透明導電層2に重ねて多孔質酸化物半導体層3を形成する工程βと、を少なくとも備え、工程αは、前記透明導電層2における多孔質酸化物半導体層3と接する面の平均表面粗さが10nm以上55nm以下の範囲となるように、成膜条件を制御することを特徴とする。
透明導電層2を形成する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、スパッタリング法、CVD(化学気相成長)法、スプレー熱分解法(SPD法)、蒸着法等の薄膜形成法が挙げられる。
その中でも、スプレー熱分解法は、減圧システムが不要なため、製造工程の簡素化低コスト化を図ることができるので好適である。
スプレー熱分解法を用いて透明導電層2を第一基板1上に成膜するとき、出発原料溶液濃度を変えることにより基板表面での結晶成長速度を調節し、平均表面粗さの異なる透明導電層2を成膜する。
スプレー熱分解法における成膜条件のうち、特に、出発原料の濃度を0.4mol/L以上0.75mol/L以下とすることにより、透明導電層2の平均表面粗さを10nm以上55nm以下の範囲に制御することができる。これにより、透明導電層上に多孔質酸化物半導体層を設けた際に密着性が改善され、多孔質酸化物半導体層の圧膜化が図れる。よって、この構成とした作用極は、多孔質酸化物半導体層の担持する増感色素の量を増大できるので、光電変換効率の高い太陽電池をもたらす。
これに対し、出発原料の濃度が0.4mol/L未満であると、形成される透明導電層2の平均表面粗さが十分ではなく、その上に多孔質酸化物半導体層3を十分に厚く形成することが困難である。一方、出発原料の濃度が0.75mol/Lを超えると、形成される透明導電層2の平均表面粗さが大きくなり、その上に形成される多孔質酸化物半導体層3も十分に厚いものとなるが、却って光電変換効率が低下してしまう。
そして色素増感半導体層3と導電層4が対向するように、第一基板1と第二基板5とを所定の間隔をおいて配置し、両基板間の周辺部に熱可塑性樹脂からなる封止剤7を設ける。
そして、この封止剤7を介して2つの基板1、5を貼り合わせてセルを積み上げ、電解液の注入口11を介して、両極8、9間にヨウ素・ヨウ化物イオン等の酸化・還元種を含む有機電解液を充填し、電荷移送用の電解質層6が形成される。
封止剤7は、電解質層6中に含まれる電解液が漏出したり、揮発性成分が揮発したり、あるいは外部からの吸湿により特性が低下するのを防ぐ役目を果たしており、この封止剤により気密性の高い封止を行うことができる。
このような太陽電池では、透明導電層の平均表面粗さを規定することにより、多孔質酸化物半導体層との密着性が向上し、厚い多孔質膜を形成することができる。その結果、多孔質酸化物半導体層の担持する増感色素の量を増大できるので、光電変換効率を向上させることが可能となる。
以上、本発明の太陽電池および作用極について説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
実験例1〜実験例8>
まず、ITO透明導電膜を形成するための出発原料を、次のようにして調製した。
塩化インジウム(III)四水和物(InCl・4HO,Fw:293.24)3と塩化スズ(II)二水和物(SnCl・2HO,Fw:225.65)とを、インジウムとスズのモル比が95:5となるように調製し、0.15〜1.0mol/Lの各濃度になるようにエタノールを加えて溶解させた。
上記原料溶液を用いて、スプレー熱分解法(Spray Pyrolysis Deposition;SPD)法によりITO透明導電膜を成膜した。
成膜条件は、ノズル口径:0.3mm、ノズル−基板間距離:600mm、塗布圧力:約0.06MPa、成膜基板表面温度:350℃とした。
さらに、上記ITO透明導電膜の成膜直後に、連続してスプレー熱分解法によりFTO(フッ素ドープ酸化スズ)透明導電膜を成膜表面温度400℃にて100nmの厚さに成膜し、透明導電層を形成した。
そして、剥離しない限界の厚さまで酸化チタン微粒子多孔質層(面積5×9mm)を形成した。そして該酸化チタン微粒子多孔質膜にN3色素(Ru(2,2’-bipyridine-4,4’-dicarboxylic acid)(NCS))を担持させることで多孔質酸化物半導体層を形成し、作用極を得た。
以上のようにして得られた作用極について、透明導電層の平均表面粗さ、比抵抗全光線透過率測定した。ここで、平均表面粗さは原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscopy) を用いて測定し、比抵抗は四端子法を用いて測定し、全光線透過率はヘーズメータを用いて測定した。
また、得られた作用極を用いて、色素増感太陽電池を作製した。
対極は、ガラス基板上にFTO(フッ素ドープ酸化スズ)を成膜し、さらにその上に白金をスパッタリング法により成膜することで作製した。
得られた作用極と対極との間に電解質を介在させて積層し、色素増感太陽電池を作製した。電解質には、メトキシアセトニトリルを溶媒とした揮発系電解液を用いた。
以上のようにして得られた色素増感太陽電池について、光電変換効率を測定した。
作用極についての透明導電層の平均表面粗さ、比抵抗値および全光線透過率の測定結果と、太陽電池の光電変換効率の測定結果を、ITO透明導電膜の原料溶液濃度、酸化チタン多孔質層の厚さと併せて表1に示す。
なお、実験例1,5,6,7,8は、参考例1,2,3,4,5であり、実験例2,3,4は、実施例1,2,3である。
Figure 0004948799
表1より、透明導電層をスプレー熱分解法で形成する際に、出発原料濃度を変化させることにより、得られる透明導電層の平均表面粗さを変えられることがわかった。
原料溶液の濃度が高いほど、形成される透明導電層の平均表面粗さが大きくなっている。
酸化チタン多孔質層の厚さは透明導電層の平均表面粗さに依存し、透明導電層の平均表面粗さが大きいほど、その上に形成される酸化チタン多孔質層をより厚く形成することが可能であることがわかる。
酸化チタン多孔質層の厚みが大きいほど、高い光電変換効率が得られているが、透明導電層の平均表面粗さが10nm以上55nm以下であるときに、より高い光電変換効率が得られていることがわかる。
特に、透明導電層の平均表面粗さが20nm以上50nm以下(実験例2〜4)であるときに、特に高い光電変換効率が得られていることがわかる。
このような平均表面粗さを有する透明導電層は、0.4mol/L以上0.75mol/L以下(実験例2〜4)とした出発原料を用いることで容易に形成することが可能であることがわかる。
また、本発明のスプレー熱分解法により形成されたITO透明導電膜についてのAFM測定像および表面解析グラフを図2および図3に示し、比較例として従来のCVD(化学気相成長)法により形成されたITO透明導電膜についてのAFM測定像および表面解析グラフを図4および図5に示す。なお、両者のITO透明導電膜の平均表面粗さは、ほぼ同程度であり実験例のものが23nm、比較例のものが22nmである。
図2〜図5を比較すると、以下のような違いが確認される。
実験例では、図2からわかるように、ITO透明導電膜の表面には、長円形状の大きな粒が、その長手方向を揃えて分布している。また、図中、黒く見える大きな谷が、単位面積あたり少ない。
各粒の表層部には、細かいシワが見られる。図3に示すグラフからも、個々の山(凸部)に細かい波が存在していることがわかる。

一方、比較例では、図4からわかるように、粒径が不揃い、すなわち小・中・大の粒が混在している。また、その面内分布に規則性は見られない。また、図中、黒く見える大きな谷が、単位面積あたり多数存在することがわかる。
各粒の表層部は起伏がなく平らで、のっぺりとしている。図5に示すグラフからも、個々の山(凸部)には小さな波は見られない。
このように、ほぼ同じ平均表面粗さを有するITO透明導電膜であるが、従来のCVD法により形成されたITO膜は、表面が平坦であり、多孔質酸化物半導体層との密着性が十分に得られないが、本発明のスプレー熱分解法により形成されたITO透明導電膜は細かい起伏を多数有し、多孔質酸化物半導体層との密着性が十分に得られることが確認された。
以上の結果より、本発明によれば、表面粗性が高い透明導電層を得ることができ、これにより、該透明導電層上に多孔質酸化物半導体層をより厚く形成することができることがわかる。そして、より厚い多孔質酸化物半導体層を有する作用極を用いることで、多孔質酸化物半導体層の担持する増感色素の量を増大できるので、光電変換効率に優れた太陽電池が得られることがわかった。
本発明は、増感色素を担持させた多孔質酸化物半導体層を有し、窓極として機能する作用極および該作用極を備えた太陽電池に適用可能である。
本発明の太陽電池の一例を示す断面図である。 本発明の製造方法により形成されたITO透明導電膜のAFM測定像を表す図である。 本発明の製造方法により形成されたITO透明導電膜の表面解析グラフを表す図である。 従来の製造方法により形成されたITO透明導電膜のAFM測定像を表す図である。 従来の製造方法により形成されたITO透明導電膜の表面解析グラフを表す図である。 従来の太陽電池の一例を示す断面図である。
符号の説明
1 第一基板、2 透明導電層、3 多孔質酸化物半導体層、4 導電層、5 第二基板、6 電解質層、7 封止剤、8 作用極、9 対極、10 太陽電池、11 注入口。

Claims (9)

  1. 少なくとも一部に電解質層を介し対極と対向して配され、増感色素を担持させた多孔質酸化物半導体層を有し、窓極として機能する作用極であって、
    前記多孔質酸化物半導体層は、透明基材の一面をなす透明導電層上に配され、該透明導電層における前記多孔質酸化物半導体層と接する面の平均表面粗さが20nm以上50nm以下であり、
    前記多孔質酸化物半導体層の膜厚が10.2μm〜20.6μmであることを特徴とする作用極。
  2. 前記透明導電層における前記多孔質酸化物半導体層と接する面の平均表面粗さが23nm以上42nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の作用極。
  3. 前記透明導電層は、2つ以上の透明導電膜を重ねた積層構造からなり、該透明導電層における前記多孔質酸化物半導体層と接する面は、下層に位置する透明導電膜の表面形状を反映した形状を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の作用極。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の作用極と、少なくとも一部に電解質層を介して該作用極と対向して配される対極とを備えてなることを特徴とする太陽電池。
  5. 少なくとも一部に電解質層を介し対極と対向して配され、増感色素を担持させた多孔質酸化物半導体層を有し、窓極として機能する作用極の製造方法であって、
    透明基材の一面に透明導電層を形成する工程αと、前記透明導電層に重ねて前記多孔質酸化物半導体層を形成する工程βと、を少なくとも備え、
    前記工程αは、前記透明導電層における前記多孔質酸化物半導体層と接する面の平均表面粗さが20nm以上50nm以下の範囲となるように、且つ、前記工程βは、前記多孔質酸化物半導体層の膜厚が10.2μm〜20.6μmとなるように、成膜条件を制御することを特徴とする作用極の製造方法。
  6. 前記透明導電層における前記多孔質酸化物半導体層と接する面の平均表面粗さを23nm以上42nm以下とすることを特徴とする請求項5に記載の作用極の製造方法。
  7. 前記工程αは、前記透明導電層の成膜方法としてスプレー熱分解法を用いることを特徴とする請求項5又は6に記載の作用極の製造方法。
  8. 前記スプレー熱分解法は、濃度をmol/L単位において0.4以上0.75以下とした出発原料を用いることを特徴とする請求項7に記載の作用極の製造方法。
  9. 請求項5〜8のいずれか一項に記載の製造方法により得た作用極に増感色素を担持させ、少なくとも一部に電解質層を介し対極と対向して配することを特徴とする太陽電池の製造方法。
JP2005226525A 2005-08-04 2005-08-04 作用極及びその製造方法、並びに太陽電池及びその製造方法 Active JP4948799B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005226525A JP4948799B2 (ja) 2005-08-04 2005-08-04 作用極及びその製造方法、並びに太陽電池及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005226525A JP4948799B2 (ja) 2005-08-04 2005-08-04 作用極及びその製造方法、並びに太陽電池及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007042494A JP2007042494A (ja) 2007-02-15
JP4948799B2 true JP4948799B2 (ja) 2012-06-06

Family

ID=37800285

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005226525A Active JP4948799B2 (ja) 2005-08-04 2005-08-04 作用極及びその製造方法、並びに太陽電池及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4948799B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4978233B2 (ja) 2007-02-22 2012-07-18 富士通セミコンダクター株式会社 シミュレータ開発システム及びシミュレータ開発方法
JP2011044318A (ja) * 2009-08-20 2011-03-03 Nisshin Steel Co Ltd 色素増感型太陽電池およびその製造方法
CN102858815B (zh) 2010-04-26 2016-07-06 株式会社日本触媒 聚丙烯酸(盐)、聚丙烯酸(盐)系吸水性树脂及其制造方法
JP5790416B2 (ja) * 2011-11-04 2015-10-07 日本電気硝子株式会社 色素増感太陽電池の電極、その製造方法及び色素増感太陽電池の透明導電層付基板
JPWO2014109355A1 (ja) * 2013-01-11 2017-01-19 コニカミノルタ株式会社 光電変換素子の製造方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002194287A (ja) * 2000-12-27 2002-07-10 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd 透明導電膜形成用塗料および透明導電膜と表示装置
JP2003092026A (ja) * 2001-09-17 2003-03-28 Sharp Corp 透明導電膜および光電変換素子
JP4260494B2 (ja) * 2002-02-26 2009-04-30 株式会社フジクラ 透明電極用基材の製法、光電変換素子の製法、及び色素増感太陽電池の製法
JP2004311176A (ja) * 2003-04-04 2004-11-04 Fujikura Ltd 透明電極用基材及びその製造方法
JP4864716B2 (ja) * 2004-10-01 2012-02-01 新日鐵化学株式会社 色素増感太陽電池及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007042494A (ja) 2007-02-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4260494B2 (ja) 透明電極用基材の製法、光電変換素子の製法、及び色素増感太陽電池の製法
Hashmi et al. Review of materials and manufacturing options for large area flexible dye solar cells
Weinhardt et al. Electronic surface level positions of WO3 thin films for photoelectrochemical hydrogen production
Koo et al. Improvement of transparent conducting performance on oxygen-activated fluorine-doped tin oxide electrodes formed by horizontal ultrasonic spray pyrolysis deposition
Ito et al. Conductive and transparent multilayer films for low-temperature-sintered mesoporous TiO2 electrodes of dye-sensitized solar cells
Song et al. Improved utilization of photogenerated charge using fluorine-doped TiO2 hollow spheres scattering layer in dye-sensitized solar cells
JP5275346B2 (ja) 色素増感太陽電池
Lee et al. One-step process for the synthesis and deposition of anatase, two-dimensional, disk-shaped TiO2 for dye-sensitized solar cells
JP2007134328A (ja) 太陽電池及びその製造方法
WO2007100095A1 (ja) 色素増感型太陽電池用光電極の製造方法および色素増感型太陽電池用光電極、並びに色素増感型太陽電池
JP4948799B2 (ja) 作用極及びその製造方法、並びに太陽電池及びその製造方法
JP2002008740A (ja) 色素増感型光電池およびその製造方法
JP2005346971A (ja) 湿式太陽電池の対極構造及び湿式太陽電池
JP5095126B2 (ja) 光電変換素子
KR101083310B1 (ko) 염료감응 태양전지 및 그 제조방법
TWI426617B (zh) 染料敏化太陽能電池及其製作方法
TWI438914B (zh) 具有高透光率相對電極之染料敏化太陽能電池
TWI500176B (zh) 利用雙面塗覆的金屬基板的金屬柔性染料敏化太陽能電池及其製造方法
KR101135792B1 (ko) 이중막 구조의 fto제조방법
JP5135520B2 (ja) 色素増感太陽電池
JP4495696B2 (ja) InN/InP/TiO2感光性電極およびその製造方法
TWI379421B (en) The dye-sensitized solar cell with tio2-c60 composite film and their fabrication
JP5191631B2 (ja) 対極の製造方法及び光電変換素子の製造方法
JP2004311175A (ja) 透明電極用基材及びその製造方法
JP5202431B2 (ja) 低反射型透明導電基板およびこれを使用した色素増感型太陽電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080528

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111206

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120206

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120228

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120307

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150316

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4948799

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150316

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250