JP4947275B2 - 電子部品保護シートおよびコーティング方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子部品や電子部品を搭載した電子基板をコーティングする電子部品保護シートおよびそのコーティング方法に関するものである。
電気・電子部品およびこれらを搭載した回路基板を熱衝撃や高温高湿の使用環境から保護するため、また、防塵防汚目的のため、これら部品や基板の一部または全部をコーティングすることが一般的に行われている。この手法としては溶液化した樹脂または液状の硬化性樹脂を基板表面に塗布して乾燥もしくは硬化させる、いわゆるコンフォーマルコーティングが一般的である。
コンフォーマルコーティングに使用されるコーティング剤の成分は、主にアクリル系、ウレタン系、フッ素系、シリコーン系などが挙げられ、常温で固形のポリマー樹脂を有機溶剤を用いて溶液化するもの、または常温で液体の低分子量モノマーを適用箇所で重合させる、無溶剤タイプが実用化されている。また、これら液状コーティング剤を基板表面にコーティングする方法として、専用のスプレー塗布装置にて基板に吹き付ける方法、基板を前記液状樹脂層に浸漬する、いわゆるデップ塗布にてコーティングする方法が取られている。
上述の技術は例えば、特許文献1,特許文献2に記載されている。このような液状のコーティング剤は基板に塗布するにあたり、基板の状態によってはコーティング剤をはじいてしまったり、コーティング剤の表面張力や電子部品の形状などの諸条件でコーティング剤が付着しない部分が発生したり、ピンホールが発生したりなどの不具合があった。その様な不具合以外にも、塗布量、塗布厚み、成膜の均一性のコントロールが難しいものであった。
さらに、電子基板の電極部などコーティングしてはならない箇所が存在する場合はその部分に付着しないように塗布するか、その部分をマスキング材でマスキングしなければならず、その調整や工程が煩雑なものであった。
また、基板のチップ部品周囲には液状樹脂が溜まりやすく、コーティング膜厚が厚くなり、逆にチップ部品端部のエッジ部では、コーティング膜厚が薄くなり、膜厚の均一性に欠ける。このような膜厚の不均一は基板表面の応力の不均一を招き、結果、クラック発生の原因となる。コーティング膜にクラックが入ってしまうと、電子回路内に水分が進入してしまい電極腐食を引きおこしたりして電子機器の故障の原因となる。
液状コーティングの別の欠点としてさらに、コーティング剤が有機溶剤を含む場合は、労働環境の問題あるいは、消防法による保有量の規制・管理など特別な管理が必要となる。溶剤を含まない重合型コーティング剤では、光硬化型、湿気硬化型、加熱硬化型のタイプがあるが、光硬化型では実装部品の裏側に回り込んだ樹脂は硬化しないで、未硬化となってしまう。湿気硬化型は湿度の透過性が高く電子基板の湿度バリアー性という本来の目的とは異なる結果を招くばかりか、硬化時間が長く生産性が悪いことが挙げられる。また、加熱硬化型は硬化温度が高かったり、加熱工程に液状樹脂の粘度が低下するため膜厚不均一の要因となる。
そのため、液状コンフォーマルコーティング剤に代わり、シート状、フィルム状(以下、単にシート状という)のコーティングを部品および電子基板にコーティングするものが公知である(特許文献3、特許文献4)。シート状のコーティングは熱溶融性のものや熱収縮性のプラスチックシートに粘着材を積層したものであり、非保護部品が平らな基板の場合には貼り付けるだけでよく、非保護部品が凹凸のある基板の場合には加熱してプラスチックシートが凹凸形状に追従するように変形させ、基板表面に密着させるものである。シート状であれば、コーティング剤が付着されない部分やピンホールなどが発生せず、確実にコーティングされる。また、コーティングを避けなければならない端子部分を避けるのも容易であり前述の問題は回避される。
しかし、従来のシート状コーティング(以下、電子部品保護シートという)は単に粘着材によるものや熱溶融性であるため、電子基板が熱を発生するものであるときは、その熱でコーティングがずれてしまったり、はがれてしまったりする等の欠点がある。また、熱溶融性フィルムのみをコーティングとして使用した場合は貼合せ時の熱溶融温度制御が困難である。その理由とては、基板に対し接着さるための温度と、シートが溶融する温度が同一であるためであり、シート破れ発生しないように融点より低い温度で貼合せをすると基板に対し十分な接着性を得られない。反対に、高い接着性を得るためにシート融点よりも高い温度で貼り合わせるとシート破れが発生してしまうという欠点があった。さらに、熱収縮フィルムのみをコーティングとして使用した場合は、基板使用時の熱で常にフィルムが熱収縮しようとするため基板に応力がかかり、電子部品を損傷させるおそれがある。このように従来の電子部品保護シートは接着性とコーティング性の両方を兼ね備えているものではなかった。
また、従来の電子部品保護シートは電子基板にコーティングする際に気泡が発生してしまうという欠点もあった。電子部品保護シートと回路基板の間に気泡が残ってしまった場合、加熱時に気泡が膨らんでしまい、逆に冷却すると気泡は縮むことから、基板表面で応力の発生原因となってしまう。その結果、回路基板ならびに実装部品にストレスを与えてしまう結果を生ずる。
特開平7−252420号公報 特開平11−50008号公報 特開平9−207282号公報 特開2003−145687号公報
上述のように従来の電子部品保護シートは部品や基板の保護をするという基本性能の信頼性に欠けるものであり、また、気泡が発生しないように施工することは困難であった。そこで、本発明はそれらの欠点を克服したものである。
本発明は、(a)熱伸張性が、ASTM D638に規定される80℃での伸び率において150%以上であり、かつ、ポリオレフィン系アイオノマー及びエチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)より選ばれる成分、(b)前記(a)成分の熱溶融温度に対し20℃より低い温度での熱溶融性を有し、光照射することにより三次元架橋して硬化し、熱溶融性が無くなる成分、とを積層したことを特徴とする電子部品保護シートに関する。
また、本発明は(a)熱伸張性が、ASTM D638に規定される80℃での伸び率において150%以上であり、かつ、ポリオレフィン系アイオノマー及びエチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)より選ばれる成分、(b)前記(a)成分の熱溶融温度に対し20℃より低い温度でのの熱溶融性を有し、光照射することにより三次元架橋して硬化し、熱溶融性が無くなる成分、とを積層した電子部品保護シートを被保護部品である基板に当接させる工程、(a)成分が熱伸張性を示し、かつ(b)成分が熱溶融する温度に加熱して前記基板の凹凸に変形させる工程、光照射する工程、により基板に電子部品保護シートをコーティングすることを特徴とするコーティング方法にも関する。
さらに、前記(a)成分の熱溶融温度が、前記(b)成分の熱溶融温度よりも20℃以上高いものであることが好ましい。また(a)成分の熱溶融温度は100℃より高いことがより好ましい。
本発明は、(a)熱伸張性が、ASTM D638に規定される80℃での伸び率において150%以上であり、かつ、ポリオレフィン系アイオノマー及びエチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)より選ばれる成分、(b)前記(a)成分の熱溶融温度に対し20℃より低い温度での熱溶融性を有する成分を積層したものであり、(b)成分は光照射により三次元架橋をして熱溶融性が無くなるものである。よって、電子部品や電子部品を搭載した電子基板にコーティングした場合、特に熱時の信頼性が向上する。また、(b)成分が熱溶融する温度で加熱することにより、被保護部品と保護シートの間に気泡が発生せず、被保護部品の形状に追従してコーティングすることが可能である。
以下、本発明につき詳細に説明する。
本発明の(a)成分の熱伸張性とは温度が高くなると伸張性を増す性質のことであり、伸張性とは引っ張り力を加えたときに、破断や亀裂が入ることなく伸びる方向に変形する性質である。すなわち、加熱することにより伸び易くなる性質であり、本発明では100℃、100MPaの引っ張り力に対し、150%以上の伸びを示すものがよい。また、加熱をすることにより伸びやすくなるとは、常温(20℃〜25℃程度)では全く伸びないという意味ではない。常温に於いても、伸びは有しても良いが、加熱をすることによりその伸び率が向上するというものである。また、本発明のいう伸張性とは引っ張り力を解除したときに戻ろうとする変形が起こるか起こらないかはどちらでもかまわないが、好ましくは変形が起こらない方がよい。
(a)は前述の通り熱伸張性を有するが、電子部品保護シートに対して光照射することにより(b)が三次元架橋して硬化し、それに伴い伸張性が低下することが好ましい。ここで伸張性の低下とは、硬化後の伸び率が未架橋時の70%未満のを示すことをいう。また、(a)の熱溶融温度は100℃より高いことが好ましい。このような(a)のシート成分は例えば次が挙げられる。
前述の(a)シート成分は、ポリオレフィン系アイオノマー及びエチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)が挙げられる。さらに、これらに必要に応じ、金属錯体、カルボン酸、無水マレイン酸、グリシジル官能性化合物などの物質を接着性向上を目的として導入してもかまわない。
本発明の(b)成分の熱溶融性とは温度が高くなると溶融し流動性が発現する性質である。(b)成分は常温では固体であり、見かけ上流動性はなく、加熱することにより溶融して流動性を有する様になり、粘着性を発現する。また、光照射することにより三次元架橋して硬化するものである。ただし、流動性といっても自重により垂れ流れる程度ではなく、圧着により凹凸に追従する程度である。
(b)は前述の通り熱溶融性を有するが、光照射することにより、(b)が三次元架橋して溶融性がなくなることが特徴である。このような(b)の成分は例えば、(2)成膜成分、(3)光硬化性成分、および(4)光開始剤とからなるものが挙げられる。 光照射により三次元架橋をして硬化する(b)成分は次のものである。
前述の(2)成分はポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリカーボネート、アクリル、EVA、フェノキシ、アルキッド、テルペン、クマロンインデン、石油樹脂、また、エラストマーの例として、ニトリルゴムとこれらの水添物、スチレン系エラストマー、天然ゴム、塩素系ゴム、EPDM、イソプレン、イソブチレン、ブタジエンゴム、ブチルゴム、フッ素系エラストマーなどが挙げられる。また、(メタ)アクリル基あるいはアクリル基、グリシジル基をもったオリゴマーあるいはモノマーを混合することにより、常温で固型あるいは半固形の反応性フィルムを成すことが可能となる。また、これら成分は分子中に(メタ)アクリロイル基あるいはアクリル基、グリシジル基を有し光開始剤により光硬化可能なものである。
前述の(3)光硬化性成分は(メタ)アクリロイル基あるいはビニル基、リシジル基をもったオリゴマーあるいはモノマーであり、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレート基含有オリゴマー、エチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前述の(4)光開始剤は前述の光硬化性成分が(メタ)アクリレートまはたビニル基の場合は光照射によりラジカルを発生する化合物、例えば、アセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロパン−1、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ベンゾフェノン、ベンジル、メチルベンゾイルフォルメート、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(商品名DAROCURE1173 Ciba Geigy社製)、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン(商品名IRGACURE 2959 Ciba Geigy社製)、4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン(商品名IRGACURE 184 Ciba Geigy社製)、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン(商品名IRGACURE 907 Ciba Geigy社製)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン(商品名IRGACURE 369 Ciba Geigy社製)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパンのオリゴマー(商品名ESACURE KIP 150 Lamberti社製)などが使用できる。また、前述の光硬化性成分がエポキシ基の場合は光照射によりルイス酸を放出するオニウム塩化合物、例えば、第7a族元素の芳香族スルホニウム塩、第5a族または第6a族元素の芳香族オニウム塩等が挙げられる。より具体的には、テトラフルオロホウ酸トリフェニルフェナシルホスホニウム、ヘキサフルオロアンチモン酸トリフェニルスルホニウム、ビス−[4−( ジフェニルスルフォニオ)フェニル]スルフィドビスジヘキサフルオロアンチモネート、ビス−[4−( ジ4’−ヒドロキシエトキシフェニルスルフォニオ)フェニル]スルフィドビスジヘキサフルオロアンチモネート、ビス−[4−( ジフェニルスルフォニオ)フェニル]スルフィドビスジヘキサフルオロフォスフェート、テトラフルオロホウ酸ジフェニルヨードニウム等が挙げられる。
(b)成分を構成する(2)〜(4)成分の配合比は特に限定されず、使用する化合物により決定されるが、好ましくは前記成膜成分100重量部に対し、前記硬化性成分を30〜200重量部、前記光開始剤を0.1〜10重量部混合することにより、最適な組成物が得られる。この組成物はさらに、必要に応じカップリング剤、粘着付与剤、酸化防止剤、反応性安定剤、充填剤等を本発明の目的が損なわれない範囲で使用することが可能である。
本発明の(a)成分は常温で固型であり見かけの流動性はない。常温では引っ張り力を加えた時の伸びは10%程度しか有さないが、例えば、100℃に加熱したときに150%以上の伸び率を有するものが好ましい。ここで、伸び率とはASTM D638規定の伸び率をいう。
さらに、(a)は紫外線などの光を透過するように充填材や紫外線吸収剤を必要以上に添加しない方がよい。透過する光の波長は200〜400nmで少なくとも10%、好ましくは30%以上透過するように調製することが好ましい。
また、本発明の光照射とは紫外線領域波長(100〜400nm)を含む光が好ましいが、それ以外の波長を含む光線でもかまわない。例えば、前記(4)成分として可視光線を照射すると硬化するものを使用したときには可視光線の照射をしてもよい。
本発明の電子部品保護シートは前述の(a)成分を有機溶剤に溶解させるか、または加熱して溶融させることにより液状化させ、カレンダー、ブロー、ロール、Tダイ押出機、インフレーション等の成膜法により所定のシート形状に成膜する。また、(b)も同様にシート状に成膜し、シート状の(a)と熱圧着させるか、またはシート状の(a)に直接積層しても良い。シートの形状はあらかじめ被保護部品の形状に適合するように形成しても良いし、反状にシート化して使用時に被保護部品の形状に適合するように切断、加工するようにしても良い。
上述のように(a)(b)を積層した保護シートは常温(20℃〜25℃)では固体状であり、シート状物品として取り扱うことができる。また、(b)の組成にもよるが、(b)が常温で粘着性を発現しない様に調製すれば、剥離フィルムは必要が無く、粘着性を発現するように調製すれば(b)面側に剥離フィルムを使用することが好ましい。
ここで、(a)は熱伸張性を示すものであるが、さらに加熱した場合、(a)も溶融性を示すようになる。この熱溶融温度が(b)の熱溶融温度よりも少なくとも20℃以上高くなるように調製されなければならない。すなわち、コーティング工程に於いて(b)を熱溶融させる温度では(a)は伸張性を示し溶融しないことがましい。これにより気泡の発生が無く被保護部品にコーティングすることができるようになる。
本発明の電子部品保護シートを電子基板に適用する方法は以下のようにする。まず、本発明の保護シートを被保護部品の形状に適合するように切断・加工する。もちろん、シート化するときに適合部品の形状にシート化しても良い。当該保護シートを被保護部品に当接する。次に、保護シートおよび被保護部品を加熱する。加熱温度は(b)が熱溶融して(a)が熱伸張を示す温度で行うが、このとき(a)が熱溶融性を示さない温度で加熱することが好ましい。加熱方法は熱板、遠赤外線ヒーター、熱風などの方法で加熱することができる。
加熱した状態で応力を加ることにより保護シートを被保護部品の凹凸形状に追従するよう変形させる。応力を加える方法は、被保護部品が凹凸の少ない比較的平らなものであれば、ロールや圧着板による圧着や、真空ラミネーターのダイヤフラムによる圧着、さらには被保護部品形状とほぼ同形状の圧着ゴム型を用いて圧着してもよい。さらに、保護シートで被保護部品を包み込み減圧することにより大気圧による圧着をしてもよい。このような工程により、(a)は被保護部品の凹凸形状にあわせて伸張し、かつ(b)は熱溶融して被保護部品と保護シートの間を均一に充填する。
次いで、保護シートでコーティングされた被保護部品に光照射する。光照射は加熱されて熱いままでも、冷めてからでもどちらでも良い。光照射としては紫外線照射が好ましい。紫外線照射機としては例えば水銀アーク、中圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ等を使用したものが使用できる。また、放射量は照射機の種類により異なるが、例えば、紫外線照度30〜180mW/cm の強度範囲で、3〜10kJ/m 、好ましくは10〜50kJ/m で照射する。光照射することにより(b)成分は三次元架橋をする。この結果、シートから熱伸張性および熱溶融性が減衰し、強固に被電子部品と結合する。よって、被保護部品が発熱したり使用環境の温度が高い箇所においても、信頼したコーティング性能を発揮することが可能となる。
以下、実施例および比較例を示し本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[実施例1]
(a)成分として、タマポリ社製アイオノマーシートHM−07(50μm)を用いた。なお、これの80℃での伸張性は約300%であり、熱溶融開始温度は145℃である。また、熱溶融開始温度はJIS−K7210に準じ島津製作所社製フローテスターにて、φ1.0mm×10mmのダイを用い測定加重1.5MPaにて測定した。
(b)成分としてポリウレタン成膜成分である日本ポリウレタン社製P22SRNATを20重量部、光硬化成分であるウレタンアクリレート、日本合成化学工業社製UV−3520EA(酢酸エチル溶解品)樹脂固形分70%を固形分換算で80重量部、光開始剤としてイルガキュア184を2重量部のそれぞれを有機溶剤であるシクロヘキサノンに樹脂固形分30%になるよう調整し溶解し、均一に混合後、ドクターブレードにより前記(a)上に成膜、100℃×10分にて溶剤乾燥しシート化したものを用いた。(b)成分の溶融開始温度は約100℃であり、120℃の粘度は2500Pa・sである。
上記により得られた保護シートを14cm×10cmの四角形状に切断し、電子部品の搭載された10cm×5cmの電子基板に2枚の保護シートで基板を挟むように当接した。このとき(b)面が基板に接するように配置した。保護される電子基板はリチウムボタン電池とタクトスイッチとLED等による単純な発光装置であるが、信頼性試験用に銅配線パターンは0.25mmピッチで+極と−極がとなりあって渦巻状に形成されている。
これをゴムダイヤフラム式の真空ラミネーター装置中に入れ、電子基板と同一形状に成形したゴム型を用いて加熱温度80℃で5分真空圧着した。解放後、電子部品を取り出し、紫外線照射機で30kJ/m の紫外線を照射した。
得られた電子部品を目視で確認したところ、電子部品の凹凸にそって、保護シートも追従してコーティングされており、また、直径1mm以上の気泡はなかった。この電子基板を−20℃と100℃の冷熱サイクル試験機で20サイクル冷熱履歴を加えた後、80℃湿度90%の環境下で240時間放置した。その後、タクトスイッチを押して発光テストを行った。その結果、LEDは発光した。
比較例1
上記の実施例の(b)成分から光開始剤を抜いたものを調製し、上述と同様の実験を行った。その結果、タクトスイッチを押してもLEDは発光しなかった。温度、湿度により銅配線パターンが腐食し短絡したものと思われる。
[実施例2]
(a)タマポリ社製アイオノマーシートNC−5(30μm)の80℃での伸張性は500%以上であり、熱溶融開始温度は約120℃である。
(b)成分として、成膜成分のフェノキシ樹脂ジャパンエポキシレジン社製jER1256を30重量部と、光硬化成分として日本合成化学社製UV−3510TL(トルエン溶解品)樹脂固形分70%のウレタンアクリレート固形分換算で30重量部、光開始剤としてチバ社製DAROCURE1173を3重量部を有機溶剤のメチルエチルケトンに、固形分50%になるよう調整し、均一に溶解混合後、バーコターにより離型処理されたPETフィルム上に成膜し、80℃×20分の乾燥後、厚さ50μmにシートを作成した。 その後、前述(a)のシートと(b)のシートをロールラミネーターを用い温度80℃にて貼り合わせた。本成分の溶融開始温度は約85℃である。
上記により得られた保護シートを15cm×30cmの短冊に形成し、前述の電子基板を包み込み約100℃に加熱しながら、脱気シーラーで袋の口部から空気を抜いて熱圧着した。解放後、電子部品の入った袋状保護シートを、紫外線照射機で30kJ/m の紫外線を照射した。
得られた電子部品を目視で確認したところ、電子部品の凹凸にそって保護シートも追従してコーティングされており、また、直径1mm以上の気泡はなかった。
比較例2
(a)成分として、住友化学社製ボンドファースト2Cを200℃にて熱溶融させ、離型処理された金属板間に挟み込み、プレスし厚さ100μmのシートを成形した。また、このシートの25℃での伸張性は650%であり、溶融開始温度は約100℃である。
(b)成分は実施例2と同じものを用い、実施例2と同様に電子基板を包み込むように形成した。実施例2と同様に約100℃に加熱し、脱気シーラーで口部から空気を抜いて口部を熱圧着した。電子部品を包んだ保護シートを、紫外線照射機で30kJ/m の紫外線を照射した。
得られた電子部品を目視で確認したところ、電子部品の凹凸にそって、保護シートも追従してコーティングされていたが、気泡が多く、直径1mm以上の気泡が多数存在した。シートの破れが発生しもしくは、電子部品への接着不足が同時に発生し安定したコーテングができない状態であった。よって、(a)と(b)の溶融温度が20℃より小さいと気泡が発生しやすく、さらに、シートの溶融による破れの発生しもしくは、電子部品への接着不足が同時に発生し、安定したコーティングができないことが理解できる。
本発明は家電製品、OA機器、測定機器、自動車搭載用部品、電動工具などの電子部品および電子部品を搭載した電子基板に適用することができる。

Claims (3)

  1. (a)熱伸張性がASTM D638に規定される80℃での伸び率において150%以上であり、かつ、ポリオレフィン系アイオノマー及びエチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)より選ばれる成分、(b)前記(a)成分の熱溶融温度に対し20℃より低い温度での熱溶融性を有し、光照射することにより三次元架橋して硬化し、熱溶融性が無くなる成分、とを積層したことを特徴とする電子部品保護シート。
  2. 前記(a)成分の熱溶融温度が100℃より高いものである、請求項1に記載の電子部品保護シート。
  3. (a)熱伸張性が、ASTM D638に規定される80℃での伸び率において150%以上であり、かつ、ポリオレフィン系アイオノマー及びエチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)より選ばれる成分、(b)前記(a)成分の熱溶融温度に対し20℃より低い温度での熱溶融性を有し、光照射することにより三次元架橋して硬化し熱溶融性が無くなる成分、とを積層した電子部品保護シートを被保護部品である基板に当接させる工程、(a)成分が熱伸張性を示し、かつ(b)成分が熱溶融する温度に加熱して前記基板の凹凸に変形させる工程、光照射する工程、により基板に電子部品保護シートをコーティングすることを特徴とするコーティング方法。
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