JP4946464B2 - 液体移送装置及び液体移送装置の製造方法 - Google Patents

液体移送装置及び液体移送装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、液体を移送する液体移送装置、及び、液体移送装置の製造方法に関する。
従来から、電圧(電界)が印加されたときの圧電素子の変形を利用して、液体に圧力を付与して移送する液体移送装置(圧電ポンプ)が知られている。例えば、特許文献1に記載の圧電ポンプは、互いに連通した同形状(円形)の2つのポンプ室と、後段側のポンプ室に連通し、ポンプ室と同形状の調圧室と、2つのポンプ室をそれぞれ上下から覆うように配置された圧電素子とを備えている。そして、各ポンプ室に対応する圧電素子に電圧を印加して変形させて、ポンプ室の容積を変化させることにより、ポンプ室内の液体に圧力を付与して液体を移送する。また、調圧室の上下には薄膜が配置されており、薄膜の弾性変形によってポンプ室から送り出された液体の圧力が調圧室内で調整される。
また、特許文献2に記載の圧電ポンプは、ポンプ室と、このポンプ室に連通する液体供給路及び液体排出路と、ポンプ室、液体供給路、及び、液体排出路にそれぞれ対応して設けられた3つの圧電振動子(第1、第2、第3の圧電振動子)を有する。ポンプ室に対応する第1の圧電振動子はポンプ室を覆うように配置されており、その変形によってポンプ室の容積を変化させて、ポンプ室内の液体に圧力を付与する。また、第2、第3の圧電振動子は、液体供給路と液体排出路の途中部にそれぞれ設けられており、自らの変形によって液体供給路及び液体排出路を開閉する。ここで、液体供給路と液体排出路は、ポンプ室の側壁からこの側壁と直交する水平方向に延びている。そのため、この特許文献2の圧電ポンプは、ポンプ室内の液体に圧力を付与するための第1の圧電振動子と、液体供給路と液体排出路をそれぞれ開閉する第2、第3の圧電振動子が、互いに異なる平面上に位置する、立体的な構成となっている。
特開平6−147104号公報 特開昭64−32077号公報(図2)
ところで、特許文献1に記載の圧電ポンプには、圧電素子が変形してポンプ室内の液体に圧力が付与されるときに、ポンプ室上流側の流路を閉止する手段が設けられていない。そのため、ポンプ室内の液体に圧力を付与しても、圧力波の一部が上流側へ抜けてしまうため、移送効率が悪い。尚、ポンプ室上流側の流路を開閉するための弁機構を、圧電ポンプとは別に設けることは可能であるが、部品点数が増えるし、構造も複雑になるため、製造コスト面で不利である。
また、特許文献2に記載の圧電ポンプにおいては、ポンプ室内の液体に圧力を付与するための第1の圧電振動子と、液体供給路と液体排出路の開閉用の第2、第3の圧電振動子とが、同一平面上に配置されていない。そのため、圧電ポンプの構造が複雑になり、ポンプを小型化するのが困難になる。また、ポンプを製造する際に、第1の圧電振動子と、第2、第3の圧電振動子とを別々の工程で配置する必要があり、その分、工程数が増えて製造コストが増大する。
本発明の目的は、液体を効率よく移送することができ、さらに、構造が簡単で製造も容易な液体移送装置を提供することである。
第1の発明の液体移送装置は、その一表面に、圧力室と、この圧力室に連通するとともに前記圧力室よりも流路断面積の小さい液体流路が形成された基材と、前記圧力室内の液体に圧力を付与する圧力付与部と前記液体流路を開閉する開閉部とを有する、圧電アクチュエータを備え、
さらに、前記圧電アクチュエータは、前記基材の前記一表面に配置され、前記圧力室と前記液体流路の両方を覆う振動板と、前記振動板の前記基材と反対側の面に配置された圧電材料層と、前記圧電材料層の何れか一方の面の、前記圧力室と対向する領域に配置された第1電極と、前記圧電材料層の何れか一方の面の、前記液体流路と対向する領域に配置された第2電極と、前記圧電材料層に、前記第1電極及び前記第2電極と対向するように配置された第3電極と、を含む積層体を有し、
前記圧力付与部が前記積層体の前記圧力室と対向する部分から構成されるともに、前記開閉部が前記積層体の前記液体流路と対向する部分から構成され、前記圧力付与部と前記開閉部が、前記基材の一表面に沿って配置され
前記開閉部の、前記液体流路に沿う方向における両側に、前記積層体の剛性を局所的に低下させる剛性低下部が設けられていることを特徴とするものである。
この液体移送装置において、圧電アクチュエータの圧力付与部は、第1電極と第3電極との間に電位差が生じたときの圧電材料層の変形に応じて、圧力室を覆う振動板を変形させ、これにより、圧力室の容積を変化させて、その内部の液体に圧力を付与する。また、開閉部は、第2電極と第3電極との間に電位差が生じたときの圧電材料層の変形に応じて、液体流路を覆う振動板を変形させて、液体流路を開閉する。従って、開閉部により液体流路を開閉しつつ、圧力付与部により適切なタイミングで圧力室内の液体に圧力を付与することで、液体を効率よく移送することが可能となる。また、液体移送ポンプとして従来から広く用いられている、機械式のポンプ(チューブポンプやシリンジポンプ等)とは異なり、圧電アクチュエータには摺動部が存在しないため、動作時に発生する騒音が小さいという利点もある。
さらに、圧電アクチュエータは、基材の一表面に沿って延在する振動板や圧電材料層、電極等を含む積層体を有し、この積層体の圧力室と対向する部分が圧力付与部となる一方で、積層体の液体流路と対向する部分が開閉部となっている。そして、圧力付与部と開閉部とが、基材の一表面に沿う同一平面上に配置されていることから、圧電アクチュエータの構造が簡単なものとなり、圧電アクチュエータをコンパクトにして液体移送装置を小型化することが可能になる。また、基材の一表面に、振動板や圧電材料層等の複数の層を積層させることで、圧力付与部と開閉部とを同時に製造することができるため、製造工程を簡素化することも可能である。
また、剛性低下部により、圧力付与部と開閉部との間で、圧電材料層や振動板の変形が相互に干渉し合うのを抑制できる。
尚、圧力室は、液体への圧力付与時の容積変化を大きくして、内部の液体に対して一度に大きな圧力を付与することができるように、その流路断面積(液体移送方向に直交する断面における断面積)は、ある程度大きいことが好ましい。一方、液体流路は、開閉部の圧電材料層の変形によるほぼ完全な閉止を容易に実現できるように、流路抵抗が大きくなり過ぎない程度に、流路断面積は小さいことが好ましい。以上の点を考慮して、本発明の液体移送装置においては、開閉部で開閉される液体流路の流路断面積は、圧力室の流路断面積よりも小さくなっている。
の発明の液体移送装置は、前記第の発明において、前記剛性低下部は、前記振動板の、前記液体流路に沿う方向において前記開閉部を挟む2つの領域に形成された凹部であることを特徴とするものである。この構成によれば、凹部が形成された領域において、振動板の厚みが局所的に薄くなるため、積層体の剛性が低下する。
の発明の液体移送装置は、前記第の発明において、前記凹部は、前記振動板の前記基材と反対側の面に形成されていることを特徴とするものである。この構成によれば、圧電アクチュエータを製造する際に、振動板に対して施す複数の工程(振動板の凹部の形成、圧電材料層の形成など)を、同じ方向(基材と反対側の方向)から実行できる。そのため、圧電アクチュエータの製造が容易になり、また、工程短縮が可能となる。さらに、振動板の、液体に接する基材側の面に凹部が形成されている場合と異なり、液体中に気泡が混入したときに、その気泡が凹部内に滞留してしまうという問題が生じない。
の発明の液体移送装置は、前記第の発明において、前記剛性低下部は、前記圧電材料層の、前記液体流路に沿う方向において前記開閉部を挟む2つの領域に形成された凹部又は貫通孔であることを特徴とするものである。この構成によれば、圧電材料層に凹部又は貫通孔が形成された領域において、積層体の剛性が局所的に低下する。
の発明の液体移送装置は、前記第1〜第の何れかの発明において、前記圧力室の流路幅が、前記液体流路の流路幅よりも大きいことを特徴とするものである。圧力室の流路断面積を液体流路の流路断面積より大きくするためには、流路幅か流路深さを大きくすればよいが、本発明のように、流路幅が大きい方が、振動板の圧力室に面する領域が広くなるため、圧力付与時における圧力室の容積変化を大きくすることができるという点で好ましい。
の発明の液体移送装置は、前記第1〜第の何れかの発明において、前記第1電極及び前記第2電極と、独立した配線を介して接続された駆動手段を備え、前記駆動手段は、前記第1電極及び前記第2電極に対して、それぞれ所定のタイミングで所定の電位を付与することにより、前記圧力付与部と前記開閉部を独立して駆動することを特徴とするものである。この構成によれば、駆動手段により、圧力付与部と開閉部をそれぞれ適切なタイミングで独立して駆動することで、液体に効率よく圧力を付与して移送することが可能になる。
の発明の液体移送装置は、前記第の発明において、前記開閉部は、前記駆動手段から前記第2電極に対して所定の第1電位が付与されているときには、前記振動板が前記基材の一表面と平行であり、前記第2電極に対して前記第1電位とは異なる所定の第2電位が付与されたときには、前記振動板が前記基材側へ向けて凸状に変形するように構成され、前記基材の前記液体流路には、前記振動板の凸状変形に対応する凹状の弁座が形成されており、
前記振動板が前記基材側へ向けて凸状に変形して凹状の前記弁座に当接したときに、前記液体流路が閉止されることを特徴とするものである。
この構成によれば、開閉部の第2電極に第1電位が付与されているときには、振動板が基材の一表面に平行であることから、振動板と凹状の弁座との間に隙間が形成されて、液体流路は開放状態となる。一方、第2電極に第2電位が付与されて、振動板が基材側に凸に変形すると、凸状に変形した振動板が、この凸形状に対応する凹状の弁座に当接して密着するため、液体流路が確実に閉止される。
の発明の液体移送装置は、前記第の発明において、前記第2電極は、前記圧電材料層の前記基材と反対側の面の、前記液体流路の幅方向中央部と対向する領域に配置されていることを特徴とするものである。この構成によれば、液体流路の幅方向中央部と対向する第2電極に第2電位が付与されたときに、この第2電極と第3電極との間に挟まれた、液体流路の中央部と対向する領域の圧電材料層が面方向に縮むことで、振動板が基材側へ向けて凸状に変形する。
の発明の液体移送装置は、前記第の発明において、前記開閉部は、前記駆動手段から前記第2電極に対して所定の第1電位が付与されたときには、前記振動板が前記基材の一表面と平行であり、前記第2電極に対して前記第1電位とは異なる所定の第2電位が付与されたときには、前記振動板が前記基材と反対側へ向けて凸状に変形するように構成され、前記基材の前記液体流路には、この液体流路の幅方向全域に亙って延在するとともにその頂面が前記基材の一表面と同じ平面内に位置する、堰状の弁座が形成されており、
前記振動板が前記基材と反対側へ向けて凸状に変形したときに、前記振動板と前記弁座の頂面との間に隙間が形成されて、前記液体流路が開放されることを特徴とするものである。
この構成によれば、開閉部の第2電極に第1電位が付与されているときには、振動板が基材の一表面に平行であることから、振動板が、基材の一表面と同一平面内に位置する堰状の弁座の頂面に当接して液体流路が確実に閉止される。一方、第2電極に第2電位が付与されて、振動板が基材と反対側に凸に変形すると、振動板と弁座の頂部との間に隙間が形成されて、液体流路が開放される。
10の発明の液体移送装置は、前記第の発明において、前記圧電材料層の前記基材と反対側の面の、前記液体流路の幅方向両端部と対向する領域に、2つの前記第2電極がそれぞれ配置されていることを特徴とするものである。この構成によれば、液体流路の幅方向両端部と対向する2つの第2電極にそれぞれ第2電位が付与されたときに、これら2つの第2電極と第3電極との間に挟まれた、液体流路の幅方向両端部と対向する領域の圧電材料層がそれぞれ面方向に縮むことで、液体流路の幅方向中央部と対向する領域の振動板が基材と反対側に向けて凸状に変形する。
11の発明の液体移送装置は、前記第1〜第10の何れかの発明において、前記第1電極と前記第2電極が前記圧電材料層の一方の面に配置されるとともに、前記第3電極が前記圧電材料層の他方の面に配置されていることを特徴とするものである。この構成によれば、第1電極と第2電極にそれぞれ対応する第3電極が同じ面に配置されることから、第3電極を圧力付与部と開閉部に共通に配置することができる。
12の発明の液体移送装置は、前記第1〜第11の何れかの発明において、前記圧電アクチュエータは、前記圧力室よりも液体移送方向上流側の前記液体流路と、前記圧力室よりも液体移送方向下流側の前記液体流路を、それぞれ開閉する2つの前記開閉部を備えていることを特徴とするものである。この構成によれば、2つの開閉部により、圧力室の上流側と下流側において、液体流路をそれぞれ閉止することができることから、圧力室内の液体に効率よく圧力を付与することができる。
13の発明の液体移送装置の製造方法は、第1〜第12の何れかの発明の液体移送装置を製造する方法であって、前記基材の一表面に、前記圧力室と前記液体流路を形成する流路形成工程と、前記基材の一表面に配置される前記圧電アクチュエータを製造する、アクチュエータ製造工程を備え、
さらに、前記アクチュエータ製造工程は、前記基材の一表面に前記圧力室と前記液体流路の両方を覆うように接合される振動板の、接合面と反対側に圧電材料層を形成する圧電材料層形成工程と、前記圧電材料層の一方の面の前記圧力室及び前記液体流路と対向する領域に、第1電極及び第2電極をそれぞれ配置するとともに、前記圧電材料層の他方の面に前記第1電極及び前記第2電極と対向する第3電極を配置する、電極配置工程とを有し、
前記圧電材料層形成工程において、圧電材料の粒子を前記振動板に堆積させることにより、前記圧力室に対向する前記圧力付与部の圧電材料層と、前記液体流路に対向する前記開閉部の圧電材料層を同時に形成することを特徴とするものである。
この製造方法によれば、圧電材料層形成工程において、振動板の表面に圧電材料の粒子を堆積させることにより、振動板上に、圧力付与部と開閉部の圧電材料層を同時に形成することができるため、圧電アクチュエータの製造工程を簡素化することができる。
本発明によれば、開閉部により液体流路を開閉しつつ、圧力付与部により適切なタイミングで圧力室内の液体へ圧力を付与することで、液体を効率よく移送することが可能となる。さらに、圧力付与部と開閉部とが、基材の一表面に沿う同一平面上に配置されていることから、圧電アクチュエータの構造が非常に簡単なものとなり、液体移送装置の小型化が可能になる。また、基材の一表面に、振動板や圧電材料層等の複数の層を積層させることで、圧力付与部と開閉部とを同時に形成することができるため、製造工程を簡素化することも可能である。
本発明の実施の形態について説明する。本実施形態は、インクジェットプリンタのインクジェットヘッドにインクを移送するポンプに本発明を適用した一例である。
まず、本実施形態のインクジェットプリンタ100について簡単に説明する。図1に示すように、インクジェットプリンタ100は、図1の左右方向に移動可能なキャリッジ1と、このキャリッジ1に設けられて記録用紙Pに対してインクを噴射するシリアル型のインクジェットヘッド2と、記録用紙Pを図1の前方へ搬送する搬送ローラ3と、インクを貯留するインクタンク4と、インクタンク4のインクをインクジェットヘッド2へ供給するポンプ5と、インクジェットヘッド2や搬送ローラ3等のプリンタ100の各部を制御する制御装置6(図9参照)などを備えている。
インクジェットヘッド2の上方には、キャリッジ1と一体的に走査方向へ移動するインクサブタンク7が配置され、さらに、このインクサブタンク7は、チューブ8及びポンプ5を介してインクタンク4と接続されている。そして、インクタンク4内に貯留されているインクは、ポンプ5により加圧されてチューブ8を介してインクサブタンク7へ移送され、インクサブタンク7に一旦貯留された後、インクジェットヘッド2へ供給される。
インクジェットヘッド2は、キャリッジ1と一体的に図1の左右方向へ移動しつつ、インクサブタンク7から供給されたインクを、その下面に配置されたノズル(図示省略)から記録用紙Pに対してインクを噴射する。また、搬送ローラ3は、記録用紙Pを図1の前方へ搬送する。そして、インクジェットプリンタ100は、制御装置6によりインクジェットヘッド2を制御してそのノズルから記録用紙Pへインクを噴射させながら、搬送ローラ3を制御して記録用紙Pを前方へ搬送させることで、記録用紙Pに所望の画像や文字等を記録するように構成されている。
また、記録用紙Pが搬送される用紙搬送領域よりも用紙幅方向一方側(図1の左側)に位置する退避位置には、キャップ9が昇降可能に配置されており、このキャップ9は、退避位置に移動したインクジェットヘッド2の下面(インク噴射面)を覆うことが可能である。そして、ノズルを含むインクジェットヘッド2内のインク流路に気泡や塵などが混入してノズル詰まりが生じたときには、インクジェットヘッド2のインク噴射面がキャップ9で覆われた状態で、ノズルからインクを強制的に排出するパージ動作を実行するように構成されている。より具体的には、ポンプ5により、通常のインク供給時よりもさらに高い圧力まで加圧してインクをインクジェットヘッド2へ供給することにより、記録時よりも高い圧力でノズルからインクを噴射し、インクジェットヘッド2内に混入した気泡や塵などをインクとともに排出する。尚、キャップ9には排出チューブ10が接続されており、パージ動作によってキャップ9内に向けて噴射されたインクは、排出チューブ10を介してキャップ9外へ排出される。
次に、インクタンク4内のインクをインクサブタンク7へ移送するポンプ5(液体移送装置)について図2〜図5を参照して説明する。図2は、ポンプ5の平面図である。また、図3は図2のA−A線断面図、図4は図2のB−B線断面図、図5は図2のC−C線断面図である。尚、図2の紙面手前側の方向を上方と定義し、また、図2の左右の方向を左右方向と定義して説明する。
図2〜図5に示すように、ポンプ5は、その上面に沿ってインク流路22が形成された基材20と、この基材20の上面に配置された圧電アクチュエータ21とを備えている。
まず、基材20について説明する。図6は基材20の平面図である。図2、図6に示すように、基材20は、矩形の平面形状を有する板状部材である。この基材20としては、金属材料や合成樹脂材料やシリコンなど種々の材質のものを使用できるが、ステンレス等の金属材料で形成されている場合には、エッチングによりインク流路22を容易に形成することが可能となる。
基材20の上面に形成されたインク流路22は、圧力室23と、この圧力室23に連通するインク供給流路24及びインク排出流路25(液体流路)とからなる。圧力室23は、基材20の上面の中央部に凹状に形成されている。また、基材20上面の圧力室23よりも左側の領域に凹状のインク供給流路24が形成され、このインク供給流路24は、基材20の左端に形成されたインク供給口26から右方に延びて圧力室23の左端部まで延びている。一方、基材20上面の圧力室23よりも右側の領域に凹状のインク排出流路25が形成され、このインク排出流路25は、圧力室23の右端部から右方に延びて、基材20の右端に形成されたインク排出口27まで延びている。つまり、インク供給流路24と圧力室23とインク排出流路25が、基材20の上面に沿って左右に一直線上に延びるように配置されている。
インク供給口26は、図1に示すインクタンク4とチューブ8を介して接続され、一方、インク排出口27は、図1に示すインクサブタンク7とチューブ8を介して接続される。従って、基材20の左端のインク供給口26から流入したインクは、インク供給流路24を通って圧力室23に供給される。さらに、圧力室23に流入したインクは、後述する圧電アクチュエータ21により圧力が付与された後、インク排出流路25を通って基材20右端のインク排出口27から排出され、インクサブタンク7へ移送される。
図2に示すように、インク供給流路24とインク排出流路25は、圧力室23よりも流路幅(インク移送方向である左右方向と直交する水平方向(図2の上下方向)に関する長さ)が狭くなっている。さらに、インク供給流路24及びインク排出流路25は、インク供給口26及びインク排出口27との接続部分において、流路幅が狭まった形状に形成されている。また、インク供給流路24とインク排出流路25の流路形状は、圧力室23に関して左右対称である。その結果、インク流路22は、中央部の圧力室23において流路幅が最も大きくなっており、この圧力室23から左端のインク供給口26と右端のインク排出口27へ向かうにつれて、流路幅が狭くなる流路形状を有する。
ところで、後述する圧電アクチュエータ21によって圧力室23内のインクに圧力が付与されたときに、一度に多くの量のインクを移送することができるように、圧力室23の流路断面積(インクの移送方向である左右方向と直交する鉛直面における断面積)を大きくして、圧力室23の容積をある程度確保することが必要である。その一方で、インク供給流路24及びインク排出流路25については、圧電アクチュエータ21により流路を容易且つ迅速に開閉することができるように、流路抵抗が極端に大きくならない程度に、流路断面積が小さくなっていることが好ましい。
そのため、インク供給流路24及びインク排出流路25の流路断面積は、圧力室23の流路断面積よりも小さくなっている。具体的には、図2、図4、図5に示すように、インク供給流路24及びインク排出流路25の流路幅と流路深さの両方が、圧力室23の流路幅と流路深さよりもそれぞれ小さくなっている。
さらに、インク供給流路24の左右方向途中部には、後述する圧電アクチュエータ21の開閉部31と協働してインク供給流路24を閉止する弁座28が設けられている。図5に示すように、この弁座28の上面は、その幅方向中央部において最も深くなった、滑らかな凹状の曲面に形成されている。同様に、インク排出流路25の左右方向途中部にも、インク供給流路24の弁座28と同じ形状の弁座29が設けられている。
次に、圧電アクチュエータ21について説明する。図2〜図5に示すように、この圧電アクチュエータ21は、インク移送のために圧力室23内のインクに圧力を付与する圧力付与部30と、インク供給流路24とインク排出流路25をそれぞれ開閉する開閉部31,32とを有する。
また、圧電アクチュエータ21の圧力付与部30と開閉部31は、圧電材料層36を含む複数の層が積層した積層体33で構成されている。より具体的には、積層体33は、基材20の上面に配置された振動板35と、この振動板35の上面(基材20と反対側の面)に形成された圧電材料層36と、この圧電材料層36の上面の、圧力室23と対向する領域に形成された駆動電極37(第1電極)と、インク供給流路24及びインク排出流路25とそれぞれ対向する領域に形成された2つの流路開閉用電極38,39(第2電極)とを含んでいる。
振動板35は、基材20と同じ矩形の平面形状を有する金属板であり、例えば、ステンレス鋼等の鉄系合金、銅系合金、ニッケル系合金、あるいは、チタン系合金などからなる。この振動板35は、圧力室23、インク供給流路24、及び、インク排出流路25を上方から覆った状態で基材20の上面に接合されている。また、導電性を有する振動板35の上面は、駆動電極37及び2つの流路開閉用電極38,39と、圧電材料層36を挟んで対向しており、電極37〜39との間で圧電材料層36に厚み方向の電界を生じさせる共通電極(第3電極)を兼ねている。この構成によれば、振動板35とは別に圧電材料層36の下側に共通電極を形成する必要がないため、その分、圧電アクチュエータ21の構造が簡単なものとなる。
図7は振動板35の平面図、図8は振動板35のD−D線断面図である。図2、図3、図7、図8に示すように、振動板35の上面(基材20と反対側の面)の、圧力室23とインク供給流路24との境界部、及び、圧力室23とインク排出流路25との境界部と対向する領域には、それぞれ凹部40,41が形成されている。また、振動板35の上面の、インク供給流路24の弁座28よりも上流側(左側)、及び、インク排出流路25の弁座29よりも下流側(右側)と対向する領域にも、それぞれ凹部42,43が形成されている。また、これら4つの凹部40〜43は、インク流路22(圧力室23、インク供給流路24、及び、インク排出流路25)の幅方向全域にわたって延びている。
つまり、4つの凹部40〜43が形成された部分において振動板35の厚みが局所的に薄くなっており、その剛性が低下している。そして、振動板35の、圧力室23と対向する部分、インク供給流路24の弁座28と対向する部分、及び、インク排出流路25の弁座29と対向する部分が、それぞれ、剛性低下部としての凹部40〜43によって隔てられている。
振動板35の上面には、チタン酸鉛とジルコン酸鉛との固溶体であり強誘電体であるチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を主成分とする、圧電材料からなる圧電材料層36が形成されている。この圧電材料層36には、4つの凹部40〜43と同一の平面形状を有する4つの貫通孔45〜48が、凹部40〜43とそれぞれ対向するように形成されている。言い換えれば、圧電材料層36は、4つの凹部40〜43が形成された領域を除いて、振動板35の上面全域に形成されている。
図2に示すように、駆動電極37は矩形の平面形状を有し、圧電材料層36の上面の、圧力室23の流路幅方向に関する中央部と対向する領域に配置されている。一方、2つの流路開閉用電極38,39は、駆動電極37よりも左右方向長さが短い、細長い矩形の平面形状を有し、2つの弁座28,29の流路幅方向中央部と対向する領域にそれぞれ配置されている。尚、これら3つの電極37,38,39は、それぞれ、金、銅、銀、パラジウム、白金、あるいは、チタンなどの導電性材料からなる。
さらに、圧電材料層36の上面には、駆動電極37と2つの流路開閉用電極38,39から、インク流路22(圧力室23、インク供給流路24、及び、インク排出流路25)と対向しない領域までそれぞれ引き出され、且つ、互いに独立した3本の配線50,51,52が形成されている。さらに、駆動電極37と2つの流路開閉用電極38,39は、3本の配線50〜52を介して、それぞれドライバIC60(駆動手段:図9参照)に接続されている。また、特に図示しないが、共通電極を兼ねる振動板35もドライバIC60と接続されている。そして、ドライバIC60は、振動板35を常時グランド電位(第1電位)に保持するとともに、インクジェットプリンタ100の制御装置6から送られた制御信号に基づいて、駆動電極37と2つの流路開閉用電極38,39のそれぞれに対して、グランド電位(第1電位)とこのグランド電位とは異なる所定の駆動電位(第2電位)を選択的に付与するように構成されている。尚、駆動電極37と流路開閉用電極38,39とが同じ面(圧電材料層36の上面)に配置されることから、これらの電極37,38,39に対応する電極(第3電極:本実施形態では振動板30の上面)を、圧力付与部30と開閉部31,32で共通化することができる。
圧電材料層36の上面に配置された電極(駆動電極37、あるいは、流路開閉用電極38,39)に対して、ドライバIC60から駆動電位が印加されると、この駆動電位が付与された電極と、グランド電位に保持されている圧電材料層36下側の共通電極としての振動板35の電位が互いに異なった状態となることから、上側の電極と下側の振動板35の間に挟まれた圧電材料層36に厚み方向の電界が生じる。このとき、圧電材料層36の分極方向が電界の方向と同じ場合には、圧電材料層36は分極方向である厚み方向に伸び、厚み方向と直交する面方向に収縮する(圧電横効果)。ここで、振動板35は、インク流路22と対向しない領域において基材20に接合され、その変形が拘束されていることから、圧電材料層36が面方向に収縮することにより、振動板35のインク流路22と対向する部分が撓んで、下側(基材20側)に凸となるように変形する。
つまり、駆動電極37にグランド電位が付与されている状態では、圧力室23と対向する領域において圧電材料層36は変形していない状態であることから、図4に実線で示されるように、振動板35は基材20の上面と平行である。この状態から、駆動電極37に駆動電位が付与されると、図4に2点鎖線で示されるように、振動板35が基材20側(圧力室23側)へ向けて凸となるように変形することによって、圧力室23の容積が減少するため、圧力室23内のインクに圧力が付与される。以上より、この積層体33の、圧力室23と対向する部分(駆動電極37を含む部分)が、インク移送のために圧力室23内のインクに圧力を付与する圧力付与部30を構成している。
また、流路開閉用電極38にグランド電位が付与されている状態では、インク供給流路24と対向する領域において、圧電材料層36は変形していない状態であることから、図5に実線で示されるように、振動板35は基材20の上面と平行である。このとき、インク供給流路24に設けられた凹状の弁座28の上面と振動板35との間に隙間が形成されており、インク供給流路24は開放状態となる。一方、流路開閉用電極38に駆動電位が付与されると、図5に2点鎖線で示されるように、振動板35が基材20側(インク供給流路24側)へ向けて凸となるように変形する。ここで、インク供給流路24に設けられた弁座28の上面は、振動板35の凸状変形に対応した凹状に予め形成されている。そのため、基材20側へ凸状に変形した振動板35が、この凸形状に対応する凹状の弁座28にほぼ密着した状態で当接することになり、インク供給流路24が確実に閉止される(閉止状態)。以上より、積層体33のインク供給流路24と対向する部分(流路開閉用電極38を含む部分)が、インク供給流路24と開閉する開閉部31を構成している。
同じく、流路開閉用電極39にグランド電位が付与されている状態では、振動板35と弁座29との間に隙間が存在するため、インク排出流路25は開放状態となる。また、流路開閉用電極39に駆動電位が付与されると、振動板35が凸状に変形して凹状の弁座29にほぼ密着するため、インク排出流路25が閉止状態となる。従って、積層体33のインク排出流路25と対向する部分(流路開閉用電極39を含む部分)が、このインク排出流路25と開閉する開閉部32を構成している。
以上のように、圧力付与部30が、積層体33の圧力室23と対向する部分から構成される一方で、開閉部31,32が、積層体33のインク供給流路24及びインク排出流路25と対向する部分から構成されている。その結果、図3に示すように、圧電アクチュエータ21は、圧力付与部30と2つの開閉部31,32とが基材20の上面に沿って(一平面上に)配置された構造を有する。
尚、ドライバIC60は、独立した配線50〜52を介して、駆動電極37及び2つの流路開閉用電極38,39と接続されており、3つの電極37〜39にそれぞれ所定のタイミングで駆動電位を付与することで、圧力付与部30と開閉部31,32を独立して駆動するように構成されている。そのため、圧力付与部30による圧力付与と、開閉部31,32による流路24,25の開閉は、独立して行うことが可能である。
また、前述したように、振動板35の上面(基材20と反対側の面)に4つの凹部40〜43が形成され、振動板35の、圧力室23、インク供給流路24の弁座28、及び、インク排出流路25の弁座29とそれぞれ対向する部分が、凹部40〜43によって互いに隔てられている。さらに、4つの凹部40〜43の表面には圧電材料層36が形成されていない。つまり、圧力付与部30と開閉部31,32のインク移送方向(左右方向)に関する両端部に、局所的に積層体33の厚みが薄くなって、剛性が低下した部分がそれぞれ設けられている。
このように、隣接する圧力付与部30と開閉部31,32との間において、積層体33を構成する振動板35や圧電材料層36の剛性が局所的に低下していると、電極に駆動電位が付与されたときの圧電材料層36や振動板35の変形が伝播しにくくなる。つまり、圧力付与部30と開閉部31,32との間で、圧電材料層36や振動板35の変形が互いに干渉し合うのが抑制されるため、圧力付与部30と開閉部31,32の独立した動作が保証される。また、圧力付与部30と開閉部31,32の両端部に剛性低下部が配置されているということは、言い換えれば、電極に対向して圧電材料層36が自発的に変形する領域(駆動領域)の両側の、従動領域における剛性が低下しているということである。このように、従動領域の剛性が低いと、振動板がさらに大きく変形しやすくなる。従って、小さな駆動電位で振動板の変位量を大きくすることができることから、圧力付与部30と開閉部31,32を効率よく駆動することが可能となる。
次に、前述したポンプ5を含む、インクジェットプリンタ100(図1参照)の各部の動作を制御する制御装置6について、図9のブロック図を参照して簡単に説明する。制御装置6は、キャリッジ1の往復動作、インクジェットヘッド2のインク噴射動作、搬送ローラ3による記録用紙Pの搬送動作、ポンプ5によるインク移送動作等の、プリンタ100の各種動作の制御を司るものであり、中央演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)と、プリンタ100を制御するためのプログラムやデータ等が格納されたROM(Read Only Memory)、CPUで処理されるデータを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)等を備えている。
そして、制御装置6は、PC等のデータ入力装置200から入力された記録画像等に関するデータに基づいて、キャリッジ1を往復駆動するキャリッジ駆動モータ61、インクジェットヘッド2、及び、搬送ローラ3を駆動する搬送モータ62を制御して、記録用紙Pに所望の画像等を記録させる。さらに、ポンプ5の圧電アクチュエータ21(具体的には、ドライバIC60)を制御して、ポンプ5によりインクタンク4内に貯留されているインクをインクジェットヘッド2へ供給させる。
次に、ポンプ5によるインク移送動作の一例を、図10を参照して説明する。尚、図10において、“+”は電極電位が駆動電位である状態を示し、“GND”は電極電位がグランド電位である状態を示している。
まず、図10(a)に示すように、ポンプ5の動作が停止しているときには、ドライバIC60により、圧力付与部30の駆動電極37と、開閉部31,32の流路開閉用電極38,39の、3つの電極37〜39の電位が全てグランド電位に保持されており、これら3つの電極37〜39と共通電極としての振動板35との間に電位差が生じていない。従って、圧電材料層36に圧電横効果による収縮が生じておらず、振動板35は基材20の上面と平行な状態となっている。このとき、インク供給流路24とインク排出流路25において、振動板35と弁座28,29との間に隙間が形成されており、インク供給流路24とインク排出流路25は共に開放状態である。
この状態から、図10(b)に示すように、ドライバIC60により、インク供給流路24に対向する流路開閉用電極38の電位が駆動電位に切り換えられると、開閉部31において振動板35が基材20側へ向けて凸状に変形する。このとき、凹状に形成された弁座28の上面に振動板35がほぼ密着し、振動板35と弁座28との間の隙間が塞がれるため、インク供給流路24が閉止される。
さらに、図10(c)に示すように、圧力室23に対向する駆動電極37の電位が駆動電位に切り換えられると、圧力付与部30において振動板35が基材20側へ向けて凸状に変形する。これにより、圧力室23の容積が減少するため、圧力室23内のインクに圧力が付与され、圧力室23からインク排出流路25へインクが排出される。また、このとき、圧力室23の上流側のインク供給流路24が開閉部31により閉止されているため、圧力室23内で発生した圧力波がインク供給流路24へ抜けない。そのため、インクを効率よく移送できる。
次に、図10(d)に示すように、圧力室23内のインクの排出が終了するタイミングに合わせて、インク排出流路25に対向する、開閉部32の流路開閉用電極39の電位が駆動電位に切り換えられる。すると、開閉部32において振動板35が基材20側に向けて凸状に変形し、弁座29の上面にほぼ密着するため、インク排出流路25が閉止される。
次に、図10(e)に示すように、ドライバIC60により、インク供給流路24に対向する電極38の電位がグランド電位に切り換えられると、インク供給流路24が再び開放される。さらに、図10(f)に示すように、圧力室23に対向する駆動電極37の電位がグランド電位に切り換えられると、圧力付与部30において振動板35が平坦な形状に戻り、圧力室23の容積が増加する。このとき、開閉部32によりインク排出流路25が閉止されていることから、圧力室23の容積が増大することによって圧力室23内のインクの圧力が急激に低下し、インク供給流路24から圧力室23内にインクが流入する。その後、再び、開閉部31によりインク供給流路24が閉止されるとともに、開閉部32によりインク排出流路25が開放されてから(図10(b))、圧力付与部30により圧力室23内のインクに圧力が付与される(図10(c))。
以上のように、インク供給流路24から圧力室23内に供給されたインクが、圧力室23において圧力が付与されて、インク排出流路25から排出されるという、一連の動作が繰り返されることで、インクタンク4内のインクがインクサブタンク7へ移送される。
次に、本実施形態のポンプ5の製造方法について図11を参照して説明する。
まず、図11(a)に示すように、基材20の上面に、圧力室23と、この圧力室23に連通するとともに圧力室23よりも流路断面積の小さい、インク供給流路24とインク排出流路25を形成する(流路形成工程)。ここで、基材20が金属板である場合には、エッチングにより、弁座28,29を含む比較的複雑な形状を有するインク流路22を容易に形成することができる。
また、この流路形成工程と並行して、基材20の上面に配置される圧電アクチュエータ21を製造する(アクチュエータ製造工程)。まず、図11(b)に示すように、金属材料からなる振動板35の上面に、振動板35の剛性を局所的に低下させるための4つの凹部40〜43を、エッチングにより形成する。
次に、図11(c)に示すように、4つの凹部40〜43が形成された振動板35の上面全域に圧電材料層36を形成する(圧電材料層形成工程)。ここで、この圧電材料層形成工程において、圧電材料の粒子を振動板35の上面に堆積させることにより、圧力室23に対向することになる圧力付与部30の圧電材料層36aと、インク供給流路24及びインク排出流路25にそれぞれ対向することになる開閉部31,32の圧電材料層36b,36cを同時に形成することができる。この圧電材料層36を形成する具体的な方法としては、例えば、圧電材料からなる粒子とキャリアガスとを混合したエアロゾルを、成膜対象(振動板35)に高速で衝突させることにより粒子を堆積させるエアロゾルデポジション(AD)法を採用することができる。その他、スパッタ法や化学蒸着(CVD)法を用いることもできる。
その後、図11(d)に示すように、4つの凹部40〜43の表面に堆積した圧電材料を、レーザーを照射するなどして除去して、4つの凹部40〜43にそれぞれ対応する4つの貫通孔45〜48を形成する。
尚、図11(c)の圧電材料層形成工程において、振動板35の上面に、その4つの凹部40〜43のみを覆うマスク材を配置してから、振動板35の上面のマスク材で覆われていない領域に圧電材料の粒子を堆積させてもよい。この場合には、振動板35の凹部40〜43の表面に圧電材料が堆積しないため、レーザー等で凹部表面の圧電材料を除去する工程は不要である。
次に、図11(e)に示すように、圧電材料層36の上面の、4つの凹部40〜43の間に挟まれた部分36a〜36cにそれぞれ電極37〜39を形成する(電極配置工程)。即ち、圧力室23と対向することになる圧力付与部30の圧電材料層36aの上面に駆動電極37を形成するとともに、インク供給流路24及びインク排出流路25とそれぞれ対向することになる、開閉部31,32の圧電材料層36b,36cの上面に流路開閉用電極38,39を形成する。
ここで、例えば、スクリーン印刷法を用いれば、圧電材料層36の上面に、駆動電極37と2つの流路開閉用電極38,39を一度に形成することが可能である。また、蒸着法等により圧電材料層36の全面に導電膜を形成した後、不要な領域の導電層をレーザー等により除去することで、駆動電極37と流路開閉用電極38,39を形成してもよい。尚、前述したように、本実施形態においては、振動板35の上面が、圧電材料層36の上面の3つの電極37〜39と対向する共通電極(第3電極)を兼ねていることから、圧電材料層36の下側に共通電極を形成する工程は省略される。
以上の工程によって、圧力付与部30と開閉部31,32とが一平面に沿って配置された構造の圧電アクチュエータ21が製造される。
尚、振動板35の凹部40〜43は上面と下面の何れに形成してもよいのであるが、特に、振動板35の上面に凹部40〜43を形成する場合には、アクチュエータ製造工程に含まれる複数の工程(振動板35の凹部40〜43の形成(図11(b))、圧電材料層36の形成(図11(c))、レーザー等による凹部表面の圧電材料の除去(図11(d))、電極形成(図11(e)))を、全て同じ方向(上方)から実行できるため、圧電アクチュエータ21の製造が容易になり、工程短縮が可能である。
最後に、図11(f)に示すように、圧電アクチュエータ21を、その圧力付与部30が圧力室23に対向し、開閉部31,32がインク供給流路24とインク排出流路25に対向するように基材20の上面に設置し、振動板35の下面と基材20の上面とを接着材などを用いて接合する。以上でポンプ5の製造が完了する。
以上説明した本実施形態のポンプ5によれば、次のような効果が得られる。
本実施形態のポンプ5は、圧力室23内のインクに圧力を付与する圧力付与部30と、圧力室23に連通するインク供給流路24とインク排出流路25をそれぞれ開閉する開閉部31,32とを有し、これら圧力付与部30と開閉部31,32が互いに独立して駆動される。従って、開閉部31,32によりインク供給流路24とインク排出流路25をそれぞれ開閉しつつ、圧力付与部30により適切なタイミングで圧力室23内のインクに圧力を付与することで、インクを効率よく移送することが可能となる。また、液体移送ポンプとして従来から広く用いられている、機械式のポンプ(チューブポンプやシリンジポンプ等)と異なり、圧電アクチュエータ21には摺動部が存在しないため、動作時に発生する騒音が小さいという利点もある。
さらに、圧電アクチュエータ21は、基材20の一表面に沿って延在する振動板35や圧電材料層36、電極37〜39等を含む積層体33を有し、この積層体33の圧力室23と対向する部分が圧力付与部30となる一方で、インク供給流路24及びインク排出流路25と対向する部分がそれぞれ開閉部31,32となっている。その結果、圧力付与部30と開閉部31,32とが基材20の一表面に沿う同一平面上に配置されることになる。そのため、圧力付与部と開閉部が別々の平面上に配置された立体的な構造と比較すると、圧電アクチュエータ21の構造が簡単なものとなり、圧電アクチュエータ21をコンパクトにすることによってポンプ5を小型化することが可能になる。
また、基材20の上面に、振動板35、圧電材料層36、及び、電極37〜39といった複数の層を積層していくことで、同一平面上に位置する圧力付与部30と開閉部31,32とを同時に製造することができる。特に、圧電材料層形成工程において、振動板35の上面に圧電材料の粒子を堆積させる方法を採用すれば、振動板35上に、圧力付与部30と開閉部31,32の圧電材料層36を同時に形成することができるため、圧電アクチュエータ21の製造工程を簡素化することができる。
次に、前記実施形態に種々の変更を加えた変更形態について説明する。但し、前記実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
1]前記実施形態では、圧力付与部30と開閉部31,32の両端部に凹部40〜43が形成された上で、圧電材料層36に、それら凹部40〜43と対応する貫通孔45〜48が形成されている(図3参照)。しかし、図12に示すように、振動板35Aに凹部が形成されておらず、圧電材料層36に4つの貫通孔45〜48が形成されているだけでもよい(変更形態1)。また、図13に示すように、振動板35Bに凹部が形成されておらず、さらに、圧電材料層36Bに、変更形態1の4つの貫通孔45〜48の代わりに、4つの凹部45B〜48Bが形成されていてもよい(変更形態2)。このように、圧電材料層のみに貫通孔や凹部が形成されているだけでも、圧電アクチュエータを構成する積層体の剛性はある程度低下することから、振動板の変位量の増大、及び、圧力付与部と開閉部との間の相互干渉防止という効果が得られる。
尚、圧力付与部と開閉部の間の距離が十分に離れているなど、圧力付与部と開閉部との間の相互干渉を積極的に抑制する必要がない場合には、圧電アクチュエータを構成する積層体に剛性低下部を設ける必要がない。つまり、図14、図15に示すように、振動板35Cに凹部が形成されておらず、さらに、圧電材料層36Cにも貫通孔や凹部が形成されておらず、圧電材料層36Cが圧力室23、インク供給流路24、及び、インク排出流路25に跨って連続的に形成されていてもよい(変更形態3)。この場合には、振動板に凹部を形成するための工程や、圧電材料層に貫通孔や凹部を形成するための工程が不要になるため、製造工程を簡素化できる。
2]図16、図17に示すように、積層体33Dの剛性を局所的に低下させるための凹部40D〜43Dが、振動板35Dの下面に形成されてもよい(変更形態4)。但し、この場合、インク中に気泡が混入したときにその気泡が凹部40D〜43D内に滞留しやすくなるため、圧力付与部によりインクに所望の圧力を付与することができなくなる虞がある。一方、前記実施形態のように、凹部40〜43が振動板35の上面(基材と反対側の面)に形成されていると、インクと接する振動板35の下面は平坦な面となるため、気泡が滞留しにくい(図3参照)。この点からは、凹部は振動板の上面に形成されていることが好ましい。
3]前記実施形態では、圧電材料層36が、圧力室23等のインク流路22よりも外側の領域まで形成されているため、圧電材料層36の変形が拘束されることになり、インク流路22と対向する領域における振動板35の変位量が小さくなってしまう。そこで、図18、図19に示すように、圧電材料層36Eが、振動板35Eの上面の、圧力室23と弁座28,29と対向する領域にのみ形成されていてもよい(変更形態5)。
尚、この変更形態5においても、圧電材料層36Eの上面に形成された3つの電極37〜39からそれぞれ独立した配線50E〜52Eが引き出されているが、これらの配線50E〜52Eをインク流路22の外側の領域まで引き出すことはできない(インク流路22の外側の領域においては圧電材料層36Eが存在しないため、グランド電位に保持された振動板35Eの上面と導通してしまう)。そのため、この変更形態5においては、3本の配線50E〜52Eの電極と反対側の端部に設けられて、電極37〜39とドライバIC60とをFPC(フレキシブルプリント配線板)等を介して接続するための接点が、インク流路22(圧力室23、及び、弁座28,29)と対向する領域に位置している。
4]圧電材料層の上面に形成された電極から配線が引き出されている場合に、電極に駆動電位が付与されたときに、配線と振動板との間の圧電材料層に、不要な静電容量(寄生容量)が発生してしまう。そこで、図20〜図22に示すように、圧電材料層36の上面と配線50〜52との間に、圧電材料層36よりも誘電率の低い絶縁性材料からなる絶縁層70が形成されていてもよい(変更形態6)。この絶縁層70は、例えば、アルミナやジルコニア等のセラミックス材料や、ポリイミド等の樹脂材料で形成することができる。
5]圧電材料層の上面の電極が、圧力室23等のインク流路22の幅方向中央部と対向する領域に配置されている必要は必ずしもない。例えば、図23、図24に示すように、電極37G〜39Gが、圧電材料層36Gの上面の、流路幅方向の一方側と対向する領域に配置されていてもよい(変更形態7)。この構成においては、電極37G〜39Gに駆動電位が付与されると、これら電極37G〜39Gが配置された流路幅方向一方側において振動板35が基材20側に向けて凸状に変化する。
6]圧電アクチュエータが、駆動電極や流路開閉用電極に駆動電位が付与されたときに、振動板が基材と反対側に向けて凸状に変形するものであり、このように振動板が変形したときに、インク供給流路やインク排出流路が開放されるように構成されていてもよい。
例えば、図25〜図28に示す変更形態8のポンプにおいては、圧電材料層36の上面に、圧力付与部30Hと開閉部31H,32Hにそれぞれ含まれる3種類の電極37H〜39Hが設けられており、さらに、各電極37H〜39Hは、流路幅方向両端部に配置された2つの電極に分割されている。即ち、駆動電極37Hは、圧力室23の流路幅方向両端部と対向する領域にそれぞれ配置された、2つの電極37a,37bに分割されている。また、流路開閉用電極38Hは、インク供給流路24の弁座28Hの流路幅方向両端部と対向する領域にそれぞれ配置された、2つの電極37a,37bに分割されている。さらに、流路開閉用電極39Hは、インク排出流路25の弁座29Hの流路幅方向両端部と対向する領域にそれぞれ配置された、2つの電極39a,39bに分割されている。そして、2つに分割された電極同士(電極37aと電極37b、電極38aと電極38b、電極39aと電極39b)がこれら分割電極よりも細い配線37c〜39cによって互いに導通している。つまり、2つに分割された電極には同じ電位が同時に付与される。
一方、インク供給流路24とインク排出流路25には、これら流路24,25の幅方向全域に亙って延在する堰状の弁座28H,29Hがそれぞれ形成されている。また、図26に示すように、2つの弁座28H,29Hの頂面(上面)は、基材20の上面と同一平面上に位置している。
分割された3種類の電極37H〜39Hに駆動電位が付与されると、分割電極が配置されている、流路幅方向両端部と対向する領域の圧電材料層36が面方向に縮む。すると、この幅方向両端部における圧電材料層36の収縮に伴って、流路幅方向中央部と対向する領域の振動板35が上側(基材20と反対側)へ向けて凸状に変形する。
従って、図27に2点鎖線で示されるように、圧力付与部30Hにおいて、駆動電極37Hに駆動電位が付与されたときに、振動板35が上側へ凸状に変形すると、圧力室23の容積が増大することから、圧力室23内にインクが流入する。その後、駆動電極37Hにグランド電位が付与されたときに、図27に実線で示されるように、振動板35が平坦な形状に戻り、圧力室23の容積が減少することから、圧力室23内のインクに圧力が付与される。
一方、インク供給流路24に対応する開閉部31Hにおいて、流路開閉用電極38Hにグランド電位(第1電位)が付与されているときには、図28に実線で示されるように、振動板35は平坦な状態であり、その下面が堰状の弁座28Hの頂面と密着状に当接していることから、インク供給流路24は閉止されている。この状態から、流路開閉用電極38Hに駆動電位(第2電位)が付与され、図28に2点鎖線で示されるように、振動板35が上側へ凸状に変形すると、振動板35の下面が弁座28Hの頂面から離間する。すると、振動板35と弁座28Hとの間に隙間が形成されることから、インク供給流路24が開放される。
同様に、インク排出流路25に対応する開閉部32Hにおいて、流路開閉用電極39Hにグランド電位が付与されているときには、インク排出流路25は閉止されている。また、流路開閉用電極39Hに駆動電位が付与されたときには、振動板35と弁座29Hの頂面との間に隙間が形成されて、インク排出流路25が開放される。
この変更形態8の構成によれば、弁座28H,29Hの頂面は平坦な形状でよく、頂面を加工する必要がないことから、振動板の凸状変形に対応した凹状に形成される前記実施形態の弁座28,29(図3、図6参照)と比べると、弁座の形成が容易である。
以上、駆動電極や流路開閉用電極に駆動電位が付与されたときに、振動板が基材と反対側に向けて凸状に変形する圧電アクチュエータの例として変更形態7を挙げたが、前記実施形態の圧電アクチュエータ21の電極構成(図2〜図5参照)でも、振動板35を上側に凸状に変形させることは可能である。但し、ドライバIC60から駆動電極37と流路開閉用電極38,39に付与する駆動電位を、グランド電位よりも低い負の電位にする。このように、駆動電位として負の電位が付与されると、上下の電極の間に挟まれる圧電材料層36に作用する電界の方向が、駆動電位が正である場合と逆の方向となり、分極方向と逆方向になることで、圧電材料層36は面方向に伸びることになる。その結果、前記実施形態とは逆に、振動板35が上側(基材20と反対側)に向けて凸状に変形する。
7]前記実施形態では、振動板35が導電性を有する金属材料からなり、この振動板35の上面が、駆動電極37及び流路開閉用電極38,39と対向する共通電極(第3電極)を兼ねているが、図29に示すように、圧電材料層36の下面に、振動板35とは別にグランド電位に保持される共通電極72が設けられていてもよい(変更形態9)。但し、振動板35が導電性材料からなる場合には、共通電極72と振動板35の上面の間に、両者を電気的に絶縁する絶縁層80が設けられる。この絶縁層80は、アルミナやジルコニア等のセラミックス材料や、ポリイミド等の樹脂材料で形成することができる。また、振動板35がシリコンからなる場合には、この振動板35の上面に、絶縁層80としてシリコンの酸化膜を形成してもよい。一方、振動板35が絶縁性材料からなる場合には、絶縁層80は不要である。
8]図30〜図33に示すように、駆動電極37J(第1電極)と流路開閉用電極38J,39J(第2電極)が、圧電材料層36Jの下面に配置されるとともに、これら駆動電極37Jと流路開閉用電極38J,39Jと対向する電極82〜84(第3電極)が圧電材料層36Jの上面にそれぞれ配置されていてもよい(変更形態10)。尚、この変更形態10においても、振動板35が導電性材料からなる場合には、駆動電極37J及び流路開閉用電極38J,39Jと振動板35の上面の間に、両者を電気的に絶縁する絶縁層85が設ける必要がある。しかし、電極82〜84の端部を、グランド電位に保持された振動板35の上面に導通させるだけで、これらの電極82〜84をグランド電位に保持することができる。一方、振動板35が絶縁性材料からなる場合には、絶縁層85は不要であるが、電極82〜84をドライバIC60に接続してグランド電位に保持するための配線が別途必要となる。
9]以上説明した実施形態及びその変更形態においては、駆動電極(第1電極)と流路開閉用電極(第2電極)が共に圧電材料層の一方の面に配置され、共通電極(第3電極)が圧電材料層の他方の面に配置されている。しかし、駆動電極と流路開閉用電極が圧電材料層の異なる面にそれぞれ配置されていてもよい。この場合、駆動電極と流路開閉用電極とそれぞれ対向する電極(第3電極)も、互いに異なる面にそれぞれ配置されることになる。
10]圧力室、インク供給流路、あるいは、インク排出流路の形状は、前記実施形態の形状に限られるものではない。
例えば、図34、図35に示すように、圧力室23Kの平面形状が円形であってもよい(変更形態11)。このように、圧力室23Kが円形で、その中央部と対向する領域に円形の駆動電極37Kが配置されている場合には、圧力室が矩形の場合に比べて、振動板35の中央部の変位量、即ち、圧力室23Kの容積変化量が大きくなるため、インクに効率よく圧力を付与することができる。
また、左右にそれぞれ位置するインク供給流路とインク排出流路が圧力室に関して非対称な形状に形成されていてもよい。また、図2のようにインク供給流路、圧力室、及び、インク排出流路が一直線上に配置されている必要も特になく、平面視で、インク供給流路とインク排出流路が圧力室において折れ曲がるように配置されてもよい。
さらに、前記実施形態では、圧力室の流路断面積を、インク供給流路及びインク排出流路の流路断面積よりも大きくするために、圧力室の流路幅と流路深さの両方を、インク供給流路及びインク排出流路よりも大きくしている。しかし、圧力室の流路幅か流路深さの一方だけを、インク供給流路及びインク排出流路よりも大きくしてもよい。尚、流路幅の方を大きくすると、振動板の圧力室に面する領域の面積が広くなるため、振動板変形時の圧力室の容積変化を大きくすることができるという点で好ましい。
11]以上説明した実施形態においては、圧電アクチュエータは、インク供給流路とインク排出流路をそれぞれ開閉する2つの開閉部を備えているが、2つの開閉部のうち何れか一方が省略されてもよい。この場合でも、圧力室内のインクの圧力が変動したときに、インク供給流路とインク排出流路の一方が開閉部で閉止されることにより、圧力波が圧力室から抜けてしまうのをある程度防止できることから、圧力室内のインクに効率よく圧力を付与することができる。また、開閉部が省略された流路内に、下流側の圧力が上流側の圧力よりも高い場合に作動して、逆流を防止する逆止弁が設けられていてもよい。
また、基材に、圧力室とこの圧力室に連通する3以上の流路が形成され、圧電アクチュエータが、これら3以上の連通流路のそれぞれを開閉する3以上の開閉部を備えるものであってもよい。
以上、本発明を実施の形態として、インクジェットプリンタのインク供給ポンプに本発明を適用した例を挙げて説明したが、本発明を適用可能な形態は、これに限られるものではない。例えば、図36に示すように、メタノールなどの液体燃料を貯留する燃料カートリッジ90と、液体燃料を消費して発電する燃料電池91との間に設けられ、燃料電池に液体燃料を移送するポンプ95に、本発明を適用することが可能である。その他にも、マイクロ総合分析システム(μTAS)内部で薬液や生化学溶液等の液体を移送する液体移送装置、マイクロ化学システム内部で溶媒や化学溶液等の液体を移送する液体移送装置にも本発明を適用することができる。
本発明の実施形態に係るインクジェットプリンタの概略構成図である。 ポンプの平面図である。 図2のA−A線断面図である。 図2のB−B線断面図である。 図2のC−C線断面図である。 基材の平面図である。 振動板の平面図である。 図7のD−D線断面図である。 インクジェットプリンタの電気的構成を概略的に示すブロック図である。 ポンプの動作説明図であり、(a)はポンプ停止状態、(b)はインクへの圧力付与直前の状態、(c)は圧力が付与されたインクが圧力室から排出されている状態、(d)はインクの排出が終了した状態、(e)は圧力室へのインク吸入直前の状態、(f)は圧力室へインクが吸入されている状態をそれぞれ示す。 ポンプの製造工程を示す図であり、(a)は流路形成工程、(b)は振動板の凹部形成工程、(c)は圧電材料層形成工程、(d)は凹部表面の圧電材料を除去する工程、(e)は電極配置工程、(f)は基材と圧電アクチュエータを接合する工程をそれぞれ示す。 変更形態1のポンプの図3相当の断面図である。 変更形態2のポンプの図3相当の断面図である。 変更形態3のポンプの平面図である。 図14のE−E線断面図である。 変更形態4のポンプの平面図である。 図16のF−F線断面図である。 変更形態5のポンプの平面図である。 図18のG−G線断面図である。 変更形態6のポンプの平面図である。 図20のH−H線断面図である。 図20のI−I線断面図である。 変更形態7のポンプの平面図である。 図23のJ−J線断面図である。 変更形態8のポンプの平面図である。 図25のK−K線断面図である。 図25のL−L線断面図である。 図25のM−M線断面図である。 変更形態9のポンプの図3相当の断面図である。 変更形態10のポンプの平面図である。 図30のN−N線断面図である。 図30のO−O線断面図である。 図30のP−P線断面図である。 変更形態11のポンプの平面図である。 図34のQ−Q線断面図である。 燃料電池に液体燃料を移送するポンプに本発明を適用した例を示す図である。
符号の説明
5 ポンプ
20 基材
21 圧電アクチュエータ
23 圧力室
24 インク供給流路
25 インク排出流路
28,28H 弁座
29,29H 弁座
30,30H 圧力付与部
31,31H 開閉部
32,32H 開閉部
33,33D 積層体
35、35A,35B,35C,35D,35E 振動板
36,36B,36E,36G,36J 圧電材料層
37,37G,37H,37J,37K 駆動電極
38,38H,38J 流路開閉用電極
39,39H,39J 流路開閉用電極
40,41 凹部
45,46 貫通孔
50,51,52 配線
60 ドライバIC
72 共通電極
82 電極
95 ポンプ

Claims (13)

  1. その一表面に、圧力室と、この圧力室に連通するとともに前記圧力室よりも流路断面積の小さい液体流路が形成された基材と、
    前記圧力室内の液体に圧力を付与する圧力付与部と前記液体流路を開閉する開閉部とを有する、圧電アクチュエータを備え、
    さらに、前記圧電アクチュエータは、
    前記基材の前記一表面に配置され、前記圧力室と前記液体流路の両方を覆う振動板と、
    前記振動板の前記基材と反対側の面に配置された圧電材料層と、
    前記圧電材料層の何れか一方の面の、前記圧力室と対向する領域に配置された第1電極と、
    前記圧電材料層の何れか一方の面の、前記液体流路と対向する領域に配置された第2電極と、
    前記圧電材料層に、前記第1電極及び前記第2電極と対向するように配置された第3電極と、を含む積層体を有し、
    前記圧力付与部が前記積層体の前記圧力室と対向する部分から構成されるともに、前記開閉部が前記積層体の前記液体流路と対向する部分から構成され、前記圧力付与部と前記開閉部が、前記基材の一表面に沿って配置され
    前記開閉部の、前記液体流路に沿う方向における両側に、前記積層体の剛性を局所的に低下させる剛性低下部が設けられていることを特徴とする液体移送装置。
  2. 前記剛性低下部は、前記振動板の、前記液体流路に沿う方向において前記開閉部を挟む2つの領域に形成された凹部であることを特徴とする請求項に記載の液体移送装置。
  3. 前記凹部は、前記振動板の前記基材と反対側の面に形成されていることを特徴とする請求項に記載の液体移送装置。
  4. 前記剛性低下部は、前記圧電材料層の、前記液体流路に沿う方向において前記開閉部を挟む2つの領域に形成された凹部又は貫通孔であることを特徴とする請求項に記載の液体移送装置。
  5. 前記圧力室の流路幅が、前記液体流路の流路幅よりも大きいことを特徴とする請求項1〜の何れかに記載の液体移送装置。
  6. 前記第1電極及び前記第2電極と、独立した配線を介して接続された駆動手段を備え、
    前記駆動手段は、前記第1電極及び前記第2電極に対して、それぞれ所定のタイミングで所定の電位を付与することにより、前記圧力付与部と前記開閉部を独立して駆動することを特徴とする請求項1〜の何れかに記載の液体移送装置。
  7. 前記開閉部は、前記駆動手段から前記第2電極に対して所定の第1電位が付与されているときには、前記振動板が前記基材の一表面と平行であり、前記第2電極に対して前記第1電位とは異なる所定の第2電位が付与されたときには、前記振動板が前記基材側へ向けて凸状に変形するように構成され、
    前記基材の前記液体流路には、前記振動板の凸状変形に対応する凹状の弁座が形成されており、
    前記振動板が前記基材側へ向けて凸状に変形して凹状の前記弁座に当接したときに、前記液体流路が閉止されることを特徴とする請求項に記載の液体移送装置。
  8. 前記第2電極は、前記圧電材料層の前記基材と反対側の面の、前記液体流路の幅方向中央部と対向する領域に配置されていることを特徴とする請求項に記載の液体移送装置。
  9. 前記開閉部は、前記駆動手段から前記第2電極に対して所定の第1電位が付与されたときには、前記振動板が前記基材の一表面と平行であり、前記第2電極に対して前記第1電位とは異なる所定の第2電位が付与されたときには、前記振動板が前記基材と反対側へ向けて凸状に変形するように構成され、
    前記基材の前記液体流路には、この液体流路の幅方向全域に亙って延在するとともにその頂面が前記基材の一表面と同じ平面内に位置する、堰状の弁座が形成されており、
    前記振動板が前記基材と反対側へ向けて凸状に変形したときに、前記振動板と前記弁座の頂面との間に隙間が形成されて、前記液体流路が開放されることを特徴とする請求項に記載の液体移送装置。
  10. 前記圧電材料層の前記基材と反対側の面の、前記液体流路の幅方向両端部と対向する領域に、2つの前記第2電極がそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項に記載の液体移送装置。
  11. 前記第1電極と前記第2電極が前記圧電材料層の一方の面に配置されるとともに、前記第3電極が前記圧電材料層の他方の面に配置されていることを特徴とする請求項1〜10の何れかに記載の液体移送装置。
  12. 前記圧電アクチュエータは、前記圧力室よりも液体移送方向上流側の前記液体流路と、前記圧力室よりも液体移送方向下流側の前記液体流路を、それぞれ開閉する2つの前記開閉部を備えていることを特徴とする請求項1〜11の何れかに記載の液体移送装置。
  13. 請求項1〜12の何れかに記載の液体移送装置を製造する方法であって、
    前記基材の一表面に、前記圧力室と前記液体流路を形成する流路形成工程と、
    前記基材の一表面に配置される前記圧電アクチュエータを製造する、アクチュエータ製造工程を備え、
    さらに、前記アクチュエータ製造工程は、
    前記基材の一表面に前記圧力室と前記液体流路の両方を覆うように接合される振動板の、接合面と反対側に圧電材料層を形成する圧電材料層形成工程と、
    前記圧電材料層の一方の面の前記圧力室及び前記液体流路と対向する領域に、第1電極及び第2電極をそれぞれ配置するとともに、前記圧電材料層の他方の面に前記第1電極及び前記第2電極と対向する第3電極を配置する、電極配置工程とを有し、
    前記圧電材料層形成工程において、圧電材料の粒子を前記振動板に堆積させることにより、前記圧力室に対向する前記圧力付与部の圧電材料層と、前記液体流路に対向する前記開閉部の圧電材料層を同時に形成することを特徴とする液体移送装置の製造方法。
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