JP5223255B2 - 圧電アクチュエータ、液体移送装置、及び、液滴噴射装置 - Google Patents

圧電アクチュエータ、液体移送装置、及び、液滴噴射装置 Download PDF

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本発明は、圧電アクチュエータ、液体を移送する液体移送装置、及び、液滴を噴射する液滴噴射装置に関する。
インクの液滴を噴射するインクジェットヘッドの、インク流路内の液体に噴射圧力を付与するアクチュエータとして、ユニモルフ型の圧電アクチュエータが知られている。このようなインクジェットヘッドの圧電アクチュエータは、インク流路の一部を構成する圧力室を覆う振動板と、この振動板の表面に圧力室と対向するように配置された圧電層と、圧電層にその厚み方向の電界を作用させる電極とを備えている。そして、圧電層に、厚み方向の電界が作用したときの変形によって、圧力室と対向する部分において振動板に撓み変形が生じるので、圧力室内の容積が変化して、その内部のインクに噴射圧力が付与される。
ここで、圧力室内のインクに大きな圧力を付与するには、圧力室の容積変化を大きくすることが必要である。そのためには、圧力室と対向する領域における振動板と圧電層の変位量を大きくすることが有効である。このため、振動板や圧電層の一部に薄肉部を形成してその部分の曲げ剛性を低下させることが知られている。例えば、特許文献1(特開平11−309864号公報の図6)に記載された圧電アクチュエータは、平面視で平行四辺形の形状である圧力室に対して設けられている。この圧電アクチュエータの振動板の内面の、圧力室の幅方向(圧力室の長手方向と直交する方向)端部と対向する領域には、圧力室の長辺に沿って延びる凹部が形成されている。従って、振動板の凹部が形成された領域において、振動板の厚みが局所的に薄くなっており、曲げ剛性が低下している。
特開平11−309864号公報(図6)
アクチュエータ駆動時に、圧力室の容積の変化量を増やして圧力室内のインクにより大きな圧力を付与するためには、振動板の変位が最大となる部分(圧力室内のインクに最も大きな圧力を発生させる部分)の圧力室長手方向に関する長さをできるだけ大きくすることが重要である。しかし、図25に示すような公知のアクチュエータ500において、振動板501及び圧電層502の、圧力室503の長手方向端部近傍の領域であって、圧力室503の長手方向端部を画成する壁面504a及び幅方向端部を画成する壁面504bからほぼ等距離にある領域(第1の拘束領域)505は、周囲の3方向の壁からそれぞれ同程度に拘束されるため、1方向のみから拘束を受ける、振動板及び圧電層の、圧力室の幅方向端部と重なる領域(第2の拘束領域)506と比べて変形しにくい。そのため、振動板及び圧電層の第1の拘束領域の曲げ剛性が、第2の拘束領域の曲げ剛性と同じであったとしても、振動板の変位量は小さくなる。
そのため、特許文献1に開示されている圧電アクチュエータのように、振動板の圧力室の幅方向端部と対向する部分に凹部が形成されていても、第1の拘束領域においては周囲からの拘束力が変わらず、振動板の変位が大きくならない。そのため、アクチュエータ駆動時に圧力室の容積をより一層大きく変化させて、圧力室内のインクに対して大きな圧力を与えようとすると、駆動電圧を増大させる必要がある。その場合には、電装系統のコストアップが生じてしまう。
本発明の目的は、振動板及び圧電層の第1の拘束領域において、振動板や圧電層の変位量を増大させることが可能な圧電アクチュエータを提供することである。
本発明に従えば、物体に圧力を付加する圧電アクチュエータであって、振動板と、この振動板の一方の面に配置された圧電層と、所定の長手方向に長く、前記振動板及び前記圧電層の変形を逃す逃し部及び、この逃し部を囲んで配置され、前記振動板と前記圧電層の一方に接合される接合部とを有する支持部材と、前記圧電層の両面の前記逃し部に対向する領域にそれぞれ配置された第1電極及び第2電極とを備え、前記振動板と前記圧電層の少なくとも一方の、前記逃し部の長手方向一端部と対向する部分に、前記逃し部の前記長手方向と直交する幅方向端部と対向する部分よりも曲げ剛性を低下させる、曲げ剛性低下部が設けられている圧電アクチュエータが提供される。
圧電層の第1電極と第2電極との間に挟まれた部分に電界が作用すると、この圧電層の部分が伸縮することにより、逃し部と対向する領域において振動板及び圧電層に撓み変形が生じる。ここで、振動板及び圧電層の、逃し部の長手方向端部近傍の、周囲の3方の接合部からほぼ等距離にある領域(第1の拘束領域)と対向する部分は周囲の3方の接合部によりその変形が拘束される。そのため、曲げ剛性が同じであっても、逃し部の短手方向端部と対向する部分よりも変形しにくい。しかし、本発明においては、振動板と圧電層の少なくとも一方の、逃し部の長手方向一端部近傍の第1の拘束領域と対向する部分に、逃し部の幅方向と対向する部分よりも曲げ剛性を低下させる、曲げ剛性低下部が設けられている。そのため、この長手方向端部近傍の第1の拘束領域と対向する部分において振動板及び圧電層が変形しやすくなる。つまり、逃し部の長手方向端部における振動板及び圧電層の変位が最大変位(圧力室の中央部における変位)に近づき、逃し部のほぼ全長にわたって均等な変形状態が得られる。
本発明の圧電アクチュエータは、前記曲げ剛性低下部は、第1の曲げ剛性低下部と第2の曲げ剛性低下部を含み、第1、第2の曲げ剛性低下部が、前記振動板と前記圧電層の少なくとも一方の、前記逃し部の長手方向両端部と対向する部分に、それぞれ設けられていてもよい。この第1、第2の曲げ剛性低下部が、前記振動板と前記圧電層の少なくとも一方の、前記逃し部の長手方向両端部と対向する部分に、それぞれ設けられているので、振動板及び圧電層の、逃し部の長手方向両端部とそれぞれ対向する部分の変位が大きくなる。
本発明の圧電アクチュエータの第1の態様に従えば、前記曲げ剛性低下部、前記振動板と前記圧電層の少なくとも一方の、前記逃し部の中央部と対向する部分よりも肉厚が薄い第1薄肉部である圧電アクチュエータが提供される。このように、振動板と圧電層の少なくとも一方の、逃し部の長手方向端部と対向する部分に第1薄肉部が設けられることによって、この部分の曲げ剛性が、逃し部の幅方向端部と対向する部分よりも低くなる。
本発明の圧電アクチュエータにおいて、前記第1薄肉部は、前記圧電層の前記振動板と反対側の面の、前記逃し部の長手方向一端部と対向する領域に形成された局所的に凹んだ凹部であってもよく、前記第1電極及び前記第2電極のうち、前記圧電層の前記振動板と反対側の面に配置された電極には所定の配線部が接続され、前記配線部は前記第1薄肉部を避けて配置されていてもよい。このように、圧電層の振動板と反対側の面に、第1薄肉部が凹部として形成されている場合に、圧電層の同じ面に位置する電極に接続される配線部がこの凹部を避けて配置されるため、配線部が凹部によって分断されてしまう虞がない。
本発明の圧電アクチュエータにおいて、前記振動板と前記圧電層の少なくとも一方の、前記逃し部の前記幅方向端部と対向する部分に、前記逃し部の中央部と対向する部分よりも肉厚が薄い第2薄肉部が形成されていてもよい。この構成によれば、振動板の、逃し部の幅方向端部と対向する部分の変位も大きくすることができる。
本発明の圧電アクチュエータにおいて、前記第1薄肉部は、前記第2薄肉部よりも薄くてもよい。この構成によれば、振動板と圧電層の少なくとも一方の、第1薄肉部が形成された逃し部の長手方向端部と対向する部分の曲げ剛性が、第2薄肉部が形成された逃し部の幅方向端部と対向する部分の曲げ剛性よりも低くなる。
本発明の圧電アクチュエータにおいて、前記振動板と前記圧電層の少なくとも一方の、前記逃し部の長手方向一端部と対向する領域に対する前記第1薄肉部の占有割合が、前記逃し部の幅方向端部と対向する領域に対する前記第2薄肉部の占有割合よりも大きくてもよい。この構成によれば、振動板と圧電層の少なくとも一方の、第1薄肉部が形成された逃し部の長手方向端部と対向する部分の曲げ剛性が、第2薄肉部が形成された逃し部の幅方向端部と対向する部分の曲げ剛性よりも低くなる。
本発明の圧電アクチュエータの第2の態様に従えば、前記曲げ剛性低下部、前記振動板と前記圧電層の少なくとも一方の、前記逃し部の長手方向一端部と対向する部分に形成された第1貫通孔であり、前記振動板と前記圧電層の少なくとも一方の、前記逃し部の幅方向端部と対向する部分に第2貫通孔が形成され、前記振動板と前記圧電層の少なくとも一方の、前記逃し部の長手方向一端部と対向する領域に対する前記第1貫通孔の占有割合が、前記逃し部の短手方向端部と対向する領域に対する前記第2貫通孔の占有割合よりも大きい圧電アクチュエータが提供される。このように、振動板と圧電層の少なくとも一方の、逃し部の長手方向端部と対向する部分に第1貫通孔が設けられることによって、この部分の曲げ剛性が、逃し部の幅方向端部と対向する部分よりも低くなる。また、振動板と圧電層の少なくとも一方の、第1貫通孔が形成された逃し部の長手方向端部と対向する部分の曲げ剛性が、第2貫通孔が形成された逃し部の短手方向端部と対向する部分の曲げ剛性よりも低くなる。
本発明の圧電アクチュエータの第3の態様に従えば、前記曲げ剛性低下部が、前記振動板と前記圧電層の少なくとも一方の、前記逃し部の長手方向一端部と対向する部分に形成された貫通孔であり、前記振動板と前記圧電層の少なくとも一方の、前記逃し部の短手方向端部と対向する部分に、前記逃し部の中央部と対向する部分よりも薄い薄肉部が形成されている圧電アクチュエータが提供される。このように、振動板と圧電層の少なくとも一方の、逃し部の長手方向端部と対向する部分に貫通孔が設けられることによって、この部分の曲げ剛性が、逃し部の幅方向端部と対向する部分よりも低くなる。また、振動板と圧電層の少なくとも一方の、第1貫通孔が形成された逃し部の長手方向端部と対向する部分の曲げ剛性が、薄肉部が形成された逃し部の幅方向端部と対向する部分の曲げ剛性よりも低くなる。
本発明の圧電アクチュエータの第4の態様に従えば、前記曲げ剛性低下部、前記振動板と前記圧電層との間の、前記逃し部の長手方向一端部と対向する部分に形成された第1の空洞である圧電アクチュエータが提供される。このように、逃し部の長手方向端部と対向する領域において振動板と圧電層の間に第1の空洞が設けられることにより、この部分の曲げ剛性が、逃し部の短手方向端部と対向する部分よりも低くなる。
本発明の圧電アクチュエータにおいて、前記振動板と前記圧電層との間の、前記逃し部の幅方向端部と対向する部分に第2の空洞が形成されてもよく、前記第1の空洞の深さは、前記第2の空洞の深さよりも大きくてもよい。この構成によれば、振動板と圧電層の、第1の空洞が設けられた逃し部の長手方向端部と対向する部分の曲げ剛性が、第2の空洞が設けられた逃し部の幅方向端部と対向する部分の曲げ剛性よりも低くなる。
本発明の圧電アクチュエータにおいて、前記第1の空洞内に、前記振動板及び前記圧電層の弾性係数よりも小さな弾性係数を有する充填材が充填されていてもよい。この構成によれば、逃し部の長手方向端部と対向する領域において、振動板と圧電層の間の第1の空洞内に充填材が充填されることにより、この部分の曲げ剛性が、逃し部の幅方向端部と対向する部分よりも低くなる。
本発明の圧電アクチュエータにおいて、前記曲げ剛性低下部は、前記振動板と前記圧電層の少なくとも一方の、前記逃がし部の長手方向一端部と対向する部分のみに形成されていてもよい。この場合には、曲げ剛性低下部は、前記振動板と前記圧電層の少なくとも一方の、前記逃がし部の長手方向一端部と対向する部分のみに形成されているので、容易に形成されるとともに、振動板及び圧電層の変形を大きくすることができる。
本発明の圧電アクチュエータに従えば、物体に圧力を付加する圧電アクチュエータであって、振動板と、この振動板の一方の面に配置された圧電層と、所定の長手方向に長く、前記振動板及び前記圧電層の変形を逃す逃し部及び、この逃し部を囲んで配置され、前記振動板と前記圧電層の一方に接合される接合部であって、前記逃し部の長手方向一端部に接する壁部を有する接合部を含む支持部材と、前記圧電層の両面の前記逃し部に対向する領域にそれぞれ配置された第1電極及び第2電極とを備え、前記接合部の前記壁部に、この壁部の曲げ剛性を低下させる曲げ剛性低下部が形成され、前記曲げ剛性低下部は、前記壁部の、前記逃がし部の長手方向一端部と対向する部分のみに形成されている圧電アクチュエータが提供される。
本発明の圧電アクチュエータによれば、振動板と圧電層の一方と接合される接合部の、逃し部の長手方向一端部に接する壁部に、この壁部の曲げ剛性を低下させる曲げ剛性低下部が設けられているため、壁部の曲げ剛性が低下して、振動板及び圧電層の、圧力室の長手方向端部と対向する部分に対する拘束力が弱まり、振動板及び圧電層が変形しやすくなる。つまり、逃し部の長手方向端部における振動板及び圧電層の変位が最大変位(中央部における変位)に近づき、逃し部のほぼ全長にわたって均等な変形状態が得られる。また、曲げ剛性低下部が、前記壁部の、逃がし部の長手方向一端部と対向する部分のみに形成されているので、容易に形成されるとともに、振動板及び圧電層の変形を大きくすることができる。
本発明の液体移送装置に従えば、液体を移送する液体移送装置であって、所定の長手方向に長い圧力室を含む液体流路が形成された流路ユニットと、前記圧力室内の液体に圧力を付与する圧電アクチュエータであって、前記圧力室を覆う振動板、前記振動板の一方の面に配置された圧電層、及び前記圧電層の両面の前記圧力室に対向する領域にそれぞれ配置された第1電極及び第2電極を含む圧電アクチュエータとを備え、前記振動板と前記圧電層の少なくとも一方の、前記圧力室の長手方向一端部と対向する部分に、前記圧力室の前記長手方向と直交する幅方向端部と対向する部分よりも曲げ剛性を低下させる、曲げ剛性低下部が設けられており、前記曲げ剛性低下部が、前記振動板と前記圧電層の少なくとも一方の、前記圧力室の中央部と対向する部分よりも肉厚が薄い薄肉部である液体移送装置が提供される。
本発明の液体移送装置によれば、振動板と圧電層の少なくとも一方の、圧力室の長手方向一端部と対向する部分に、圧力室の短手方向と対向する部分よりも曲げ剛性を低下させる、曲げ剛性低下部が設けられているため、この長手方向端部と対向する部分において振動板及び圧電層が変形しやすくなる。従って、圧力室の長手方向端部における振動板及び圧電層の変位が最大変位(圧力室の中央部における変位)に近づき、圧力室のほぼ全長にわたって均等な変形状態が得られることから、アクチュエータ駆動時における圧力室の容積変化量が増加し、圧力室内の液体に大きな圧力を付与することができる。また、振動板と圧電層の少なくとも一方の、圧力室の長手方向端部と対向する部分に薄肉部が設けられることによって、この部分の曲げ剛性が、圧力室の幅方向端部と対向する部分よりも低くなる。
本発明の液体移送装置において、前記曲げ剛性低下部は、前記振動板と前記圧電層の少なくとも一方の、前記圧力室の長手方向一端部と対向する部分のみに形成されていてもよい。この場合には、曲げ剛性低下部は、前記振動板と前記圧電層の少なくとも一方の、圧力室の長手方向一端部と対向する部分のみに形成されているので、容易に形成されるとともに、振動板及び圧電層の変形を大きくすることができる。
本発明の液滴噴射装置に従えば、液体の滴を噴射する液滴噴射装置であって、ノズル及びこのノズルに連通する圧力室とを含む液体流路が形成された流路ユニットと、前記圧力室内の液体に圧力を付与する圧電アクチュエータであって、前記圧力室を覆う振動板、前記振動板の一方の面に形成された圧電層、及び前記圧電層の両面の前記圧力室に対向する領域にそれぞれ配置された第1電極及び第2電極を有する圧電アクチュエータとを備え、前記振動板と前記圧電層の少なくとも一方の、前記圧力室の長手方向一端部と対向する部分に、前記圧力室の前記長手方向と直交する幅方向端部と対向する部分よりも曲げ剛性を低下させる、曲げ剛性低下部が形成されており、前記曲げ剛性低下部が、前記振動板と前記圧電層の少なくとも一方の、前記圧力室の中央部と対向する部分よりも肉厚が薄い薄肉部である液滴噴射装置が提供される。
本発明の液滴噴射装置によれば、振動板と圧電層の少なくとも一方の、圧力室の長手方向一端部と対向する部分に、圧力室の短手方向と対向する部分よりも曲げ剛性を低下させる、曲げ剛性低下部が設けられているため、この長手方向端部と対向する部分において振動板及び圧電層が変形しやすくなる。従って、圧力室の長手方向端部における振動板及び圧電層の変位が最大変位(圧力室の中央部における変位)に近づき、圧力室のほぼ全長にわたって均等な変形状態が得られることから、アクチュエータ駆動時における圧力室の容積変化量が増加し、圧力室内の液体に大きな噴射圧力を付与することができる。また、振動板と圧電層の少なくとも一方の、圧力室の長手方向端部と対向する部分に薄肉部が設けられることによって、この部分の曲げ剛性が、圧力室の幅方向端部と対向する部分よりも低くなる。
本発明の液滴噴射装置において、前記圧力室の長手方向一端部が前記ノズルに連通していてもよい。この場合には、圧力室のノズルと連通する端部と対向する部分に、曲げ剛性低下部が設けられているため、ノズル内の液体に対して効率よく噴射圧力を付与することができる。
本発明の液滴噴射装置において、前記曲げ剛性低下部が、前記振動板と前記圧電層の少なくとも一方の、前記圧力室の長手方向の前記ノズル側端部にのみ形成されていてもよい。
本発明の液滴噴射装置に従えば、液体の滴を噴射する液滴噴射装置であって、ノズル及びこのノズルに連通する圧力室とを含む液体流路が形成された流路ユニットと、前記圧力室内の液体に圧力を付与する圧電アクチュエータであって、前記圧力室を覆う振動板、前記振動板の一方の面に形成された圧電層、及び前記圧電層の両面の前記圧力室に対向する領域にそれぞれ配置された第1電極及び第2電極を有する圧電アクチュエータとを備え、前記振動板と前記圧電層の少なくとも一方の、前記圧力室の長手方向一端部と対向する部分に、前記圧力室の前記長手方向と直交する幅方向端部と対向する部分よりも曲げ剛性を低下させる、曲げ剛性低下部が形成されており、前記曲げ剛性低下部が、前記振動板と前記圧電層の少なくとも一方の、前記圧力室の長手方向の前記ノズル側端部にのみ形成されている液滴噴射装置が提供される。
本発明の液滴噴射装置によれば、振動板と圧電層の少なくとも一方の、圧力室の長手方向のノズル側端部と対向する部分において振動板及び圧電層が変形しやすくなる。従って、圧力室の長手方向のノズル側端部における振動板及び圧電層の変位が最大変位(圧力室の中央部における変位)に近づく。そのため、ノズルから良好に液滴を噴射することができる。
本発明の実施の形態について説明する。本実施形態は、インクに圧力を付与してノズルへ移送し、このノズルから記録用紙に対してインクの液滴を噴射して所望の画像を記録するインクジェットヘッド(液体移送装置、液滴噴射装置)に本発明を適用した一例である。なお、本願においては、用語「画像」は、文字も含む。
まず、本実施形態のインクジェットヘッドを備えたインクジェットプリンタについて説明する。図1に示すように、インクジェットプリンタ100は、図1の左右方向に移動可能なキャリッジ2と、このキャリッジ2に設けられて記録用紙Pに対してインクを噴射するシリアル型のインクジェットヘッド1と、記録用紙Pを図1の前方へ搬送する搬送ローラ3を主に備えている。インクジェットヘッド1は、キャリッジ2と一体的に左右方向(走査方向)へ移動して、その下面に配置されたノズル20(図2〜図5参照)から記録用紙Pに対してインクを噴射して所望の画像を記録する。また、インクジェットヘッド1により画像が記録された記録用紙Pは、搬送ローラ3により前方(紙送り方向)へ排出される。
次に、インクジェットヘッド1について説明する。図2〜図5に示すように、インクジェットヘッド1は、ノズル20及び圧力室14を含むインク流路が形成された流路ユニット4と、圧力室14内のインクに噴射圧力を付与する圧電アクチュエータ5とを備えている。
まず、流路ユニット4について説明する。図4、図5に示すように、流路ユニット4はキャビティプレート10、ベースプレート11、マニホールドプレート12、及びノズルプレート13を備えており、これら4枚のプレート10〜13が積層状態で接合されている。キャビティプレート10、ベースプレート11及びマニホールドプレート12はステンレス鋼製の板であるので、これら3枚のプレート10〜12に、後述するマニホールド17や圧力室14等のインク流路をエッチングにより容易に形成することができる。また、ノズルプレート13は、例えば、ポリイミド等の高分子合成樹脂材料により形成され、マニホールドプレート12の下面に接着される。あるいは、このノズルプレート13も、3枚のプレート10〜12と同様にステンレス鋼等の金属材料で形成されていてもよい。
図2〜図5に示すように、4枚のプレート10〜13のうち、最も上方に位置するキャビティプレート10には、面方向に沿って配列された複数の貫通孔が形成されることによって、貫通孔を区画する隔壁22が形成されている。そして、複数の貫通孔は上下両側から後述の振動板30及びベースプレート11によりそれぞれ覆われることによって、隔壁22、振動板30及びベースプレート11により画成された複数の圧力室14が形成されている。ここで、複数の圧力室14は、紙送り方向(図2の上下方向)に2列に配列されている。さらに、各圧力室14の形状は、平面視で走査方向(図2の左右方向)に長い、略楕円形である。尚、このキャビティプレート10は流路ユニット4の一部を構成しており、さらに、後述する圧電アクチュエータ5の振動板30と接合されて、この振動板30を下方から支持する支持部材も兼ねている。これについては圧電アクチュエータ5の説明において詳しく述べることにする。
図3に示すように、ベースプレート11の、平面視で圧力室14の両端部と重なる位置には、それぞれ連通孔15,16が形成されている。また、マニホールドプレート12には、平面視で、2列に配列された圧力室14の連通孔15側の一部と重なるように、紙送り方向に延びる2つのマニホールド17が形成されている。これら2つのマニホールド17は、後述の振動板30に形成されたインク供給口18に連通しており、図示しないインクタンクからインク供給口18を介してマニホールド17へインクが供給される。さらに、マニホールドプレート12の、平面視で複数の圧力室14のマニホールド17と反対側の端部と重なる位置には、それぞれ、複数の連通孔16に連なる複数の連通孔19も形成されている。
さらに、ノズルプレート13には、2列のノズル列が形成されている。各ノズル列に含まれる複数のノズル20は、ノズルプレート13の、平面視で複数の連通孔19にそれぞれ重なる位置に形成されている。つまり、図2に示すように、複数のノズル20は、紙送り方向に沿って2列に配列された複数の圧力室14の、マニホールド17と反対側の端部とそれぞれ重なるように配置されている。
図4に示すように、マニホールド17は連通孔15を介して圧力室14に連通し、さらに、圧力室14は、連通孔16,19を介してノズル20に連通している。このように、流路ユニット4内には、マニホールド17から圧力室14を経てノズル20に至る複数の個別インク流路21が形成されている。
次に、圧電アクチュエータ5について説明する。図2〜図5に示すように、圧電アクチュエータ5は、流路ユニット4の一部を構成するプレートであって、複数の圧力室14(逃し部)が形成されたキャビティプレート10(支持部材)と、このキャビティプレート10の上面に配置された振動板30と、この振動板30の上面に複数の圧力室14を覆って連続的に形成された圧電層31と、この圧電層31の上面に配置された複数の個別電極32(第1電極)とを備えている。
振動板30は、平面視で略矩形状の金属板であり、例えば、ステンレス鋼等の鉄系合金、銅系合金、ニッケル系合金、あるいは、チタン系合金などからなる。この振動板30は、キャビティプレート10の上面で、複数の圧力室14を覆って配設され、複数の圧力室14を囲う隔壁22(接合部)に接合されている。また、導電性を有する振動板30の上面は、複数の個別電極32との間で圧電層31を挟み、この圧電層31に厚み方向の電界を生じさせる共通電極(第2電極)を兼ねている。さらに、この共通電極としての振動板30は常にグランド電位に保持されている。
振動板30の上面には、チタン酸鉛とジルコン酸鉛との固溶体であり強誘電体であるチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を主成分とする、圧電材料からなる圧電層31が形成されている。この圧電層31は、複数の圧力室14を覆って、連続的に形成されている。尚、圧電層31は、例えば、非常に細かな粒子とキャリアガスとからなるエアロゾルを基板に対して吹き付けて粒子を堆積させる、エアロゾルデポジション法(AD法)、スパッタ法、CVD(化学蒸着)法などにより形成することができる。あるいは、PZTのグリーンシートを焼成することにより得られた圧電シートを振動板30に貼り付けて、圧電層31を形成してもよい。
尚、図2、図3に示すように、圧電層31の上面の、圧力室14の長手方向一端部(ノズル20側の端部)と対向する部分には、局所的に凹んだ、平面視で三日月状の凹部40が形成されている。凹部40は、個別電極32と重ならないように圧力室14の縁に沿って形成されている。つまり、圧電層31の、圧力室14のノズル20側の端部と対向する部分に、圧電層31の中央部又は幅方向端部よりも肉厚が薄い薄肉部41(第1薄肉部)が設けられている。この薄肉部41については後ほどさらに詳しく説明する。
圧電層31の上面には、圧力室14よりも一回り小さい略楕円形の複数の個別電極32が形成されている。これら個別電極32は、対応する圧力室14の中央部と対向する位置にそれぞれ配置されている。また、個別電極32は金、銅、銀、パラジウム、白金、あるいは、チタンなどの導電性材料からなる。
さらに、2列に配列された複数の個別電極32の連通孔15側(図2の左右方向外側)の端部からはそれぞれ複数の配線部35が引き出されている。個別電極32と配線部35は、例えば、スクリーン印刷やスパッタ法等により形成することができる。また、複数の配線部35の端部には、図示しないFlexible Printed Circuit(FPC)等の可撓性を有する配線部材の接点が接合されている。複数の個別電極32は、配線部材及び複数の配線部35を介してドライバIC(図示省略)とそれぞれ電気的に接続されている。そして、アクチュエータの駆動時には、ドライバICから、インクを噴射させる所望のノズル20に対応する個別電極32に対して所定の駆動電圧が印加される。
次に、インク噴射時における圧電アクチュエータ5の作用について説明する。複数の個別電極32に対してドライバICから選択的に駆動電圧が印加されると、駆動電圧が印加された圧電層31上側の個別電極32と、グランド電位に保持されている圧電層31下側の共通電極としての振動板30との間に電位差が発生する。これにより、個別電極32と振動板30の間に挟まれた圧電層31に厚み方向の電界が生じる。そして、圧電層31の分極方向と電界の方向とが同じ場合には、圧電層31はその分極方向である厚み方向に伸びて水平方向に収縮する。図6に示すように、この圧電層31の収縮変形に伴って、振動板30の圧力室14と対向する部分が圧力室14側に凸となるように変形する。このとき、圧力室14の容積が減少することからその内部のインクに圧力が付与され、圧力室14に連通するノズル20からインクの液滴が噴射される。
ここで、圧力室14の容積を大きく変化させて圧力室14内のインクに大きな圧力を付与するために、振動板30の圧力室14と対向する部分はできるだけ大きく変形することが好ましい。ここで、圧電層31の個別電極32と対向する領域(駆動領域)が変形するとき、その変形によって、駆動領域の周囲に位置する、圧力室14の周縁部と対向する領域(従動領域)に曲げモーメントが作用する。従動領域に曲げモーメントが作用したときに、従動領域の変形が大きくなるように、最低限の強度を確保できる範囲内で従動領域の曲げ剛性をできるだけ低くすることが有効である。
尚、曲げ剛性とは、曲げモーメントが作用したときの部材の剛性を示す値であり、部材の弾性係数Eと、中立軸まわりの部材の断面二次モーメントIとの積(EI)で表される。さらに、断面二次モーメントIは部材厚みの3乗に比例する。従って、曲げ剛性EIは、圧電層31の厚みが薄いほど低くなる。
ここで、前述のように、図25に示す公知の圧電アクチュエータ500において、振動板501及び圧電層502の、圧力室503の長手方向端部の近傍の領域であって、圧力室の長手方向端部を画成する壁面504a及び幅方向端部を画成する壁面504bからほぼ等距離にある領域(第1の拘束領域)505は、周囲の3方の隔壁504(壁面504a、504b)によりほぼ同程度に拘束されている。そのため、振動板30及び圧電層31の第1の拘束領域の曲げ剛性が、圧力室503の短手方向端部と対向する部分(第2の拘束領域)506と同じであれば、第1の拘束領域505は、第2の拘束領域506よりも変形しにくい。そこで、本実施形態の圧電アクチュエータ5においては、図2〜図4に示すように、圧電層31の従動領域のうち、特に、圧力室14の長手方向一端部(ノズル20側の端部)近傍の第1の拘束領域100aと対向する領域に、局所的に凹んだ凹部40が、圧力室14の周縁に沿いつつ個別電極32を避けるように三日月状(弓状)に形成されている。つまり、凹部40が、圧電層31の第1の拘束領域100aを囲んでいる。そして、この凹部40によって、圧電層31には、圧力室14の中央部と対向する領域、及び、圧力室14の幅方向端部と対向する領域(第2拘束領域)100bよりも薄い薄肉部41(剛性低下部)が形成されている。尚、凹部40は、例えば、レーザー加工などの公知の方法により容易に形成することができる。このように、圧電層31に薄肉部41(凹部40)が形成されているので、薄肉部41が位置する圧電層31の長手方向一端部と対向する領域における曲げ剛性が、圧力室14の中央部と対向する領域、及び、第2拘束領域よりも低下している。
図6に、本実施形態の圧電アクチュエータ5の、振動板30の変位30aを一点鎖線で示すとともに、薄肉部41(凹部40)が設けられていない場合の振動板の変位30bを二点鎖線で示す。この図6からわかるように、強い拘束力を受ける圧力室14の長手方向端部近傍の第1の拘束領域100aにおいても振動板30及び圧電層31が変形しやすくなり、第1の拘束領域100aにおける振動板30の変位が、最大変位(圧力室14の中央部における変位)に近づいて、圧力室14のほぼ全長にわたって均等な変形状態が得られる。その結果、振動板30全体の変形量が大きくなるので、圧力室14の容積の変化量が大きくなり、圧力室14内のインクに大きな圧力が付与される。
また、記録速度を高めるために、インクジェットヘッド1をできるだけ高い周波数で駆動して、短い時間で多数の液滴を噴射させるには、マニホールド17に連なる連通孔15の下端からノズル20までの、1つの個別インク流路21(図4参照)において、圧力室14内で発生した圧力波が片道伝播する時間(AL値:Acoustic Length)を小さくすることが有効である。そして、AL値を小さくする1つの方法として、圧力室14の長さ、即ち、個別インク流路21の長さを短くすることが挙げられる。しかし、従来構成のインクジェットヘッドにおいては、振動板30や圧電層31が、第1の拘束領域100aでは変形しにくいことから、圧力室14を短くすると、十分な量の圧力室14の容積変化を得られなくなり、ノズル20から所定の噴射速度で液滴を噴射するのに必要な圧力を圧力室14内のインクに付与することができないという問題があった。
一方、本実施形態のインクジェットヘッド1においては、圧電層31の、圧力室14の長手方向一端部と対向する部分には、薄肉部41が形成されており、その部分の圧電層31の曲げ剛性が低下して、変形しやすくなっている。そのため、圧力室14の長さを短くしても、振動板30が大きく変形するので、圧力室14の容積が大きく変化する。つまり、高速駆動のために圧力室14の長さを短くしてAL値を小さくした場合であっても、ノズル20から液滴を噴射させるのに必要な圧力室14の容積変化量を確保することができる。さらに、圧力室14の長さを短くして、圧力室14のサイズを小さくすることができるため、インクジェットヘッド1を小型化することも可能となる。
さらに、薄肉部41は、圧電層31の、圧力室14の長手方向のノズル20側の端部と対向する領域に設けられている。この構成では、ノズル20に連通する圧力室14の端部における振動板30及び圧電層31の変形が大きくなることから、ノズル20内のインクに対して効率よく噴射圧力を付与することができる。
次に、前記実施形態に種々の変更を加えた変更形態について説明する。但し、前記実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
〈第1変更形態〉
図7、図8に示すように、圧電層31Aの、圧力室14の長手方向両端部と対向する2つの領域に、それぞれ薄肉部41が形成されていてもよい。この構成では、振動板30の、圧力室14の長手方向両端部とそれぞれ対向する部分の変位がともに大きくなり、前記実施形態のように、圧電層31の、圧力室14の長手方向のノズル20側の端部と対向する部分には、薄肉部41が形成されている場合と比べて、圧力室14の容積の変化量がさらに大きくなる。但し、図7に示すように、圧電層31の上面において局所的に凹んだ凹部40が形成され、この凹部40によって薄肉部41が形成されている場合には、スクリーン印刷等により形成される配線部が凹部40において分断されてしまうことがないように、配線部35Aは、個別電極32から圧力室14の幅方向外側に引き出されるなどして、長手方向端部の薄肉部41(凹部40)を避けて配置されることが好ましい。
〈第2変更形態〉
前記実施形態では、圧電層に、曲げ剛性を低下させるための薄肉部41(図2〜図4参照)が形成されているが、振動板に薄肉部が形成されていてもよい。
図9に示すように、薄肉部51は、振動板30Bの上面(圧力室14と反対側の面)の圧力室14のノズル20側の端部と対向する領域において局所的に凹んだ凹部50であってもよい。尚、図9に示すように、圧電層31Bの、凹部50と対応する位置に、凹部40Bが形成されていてもよい。さらに、AD法やCVD法により、振動板30の上面に圧電材料の粒子を堆積させることによって圧電層31を形成する場合には、振動板30の凹部50の内面に堆積する圧電材料の厚みを振動板30の平坦面における厚みよりも薄くすることができる。結果的に、振動板30だけでなく圧電層31にも薄肉部を形成することが可能となる。
〈第3変更形態〉
また、図10に示すように、振動板30Cの下面(圧力室14側の面)に設けられた凹部50Cによって、薄肉部51Cが形成されていてもよい。
別の例として、振動板、あるいは、圧電層の、圧力室の幅方向端部と対向する領域に、圧力室の中央部と対向する領域よりも薄い薄肉部が設けられていてもよい。例えば、図11、図12に示すように、圧電層31Dの上面の、圧力室14の長手方向一端部(ノズル20側の端部)及び短手方向両端部と重なる領域において、圧力室14の周縁に沿って略C字状に延びる凹部40Dが形成されていてもよい。この場合には、圧電層31Dの、凹部40Dが形成された部分が、圧力室14の中央部と対向する部分よりも厚さが薄い薄肉部41D,42となる。ここで、圧電層31Dに凹部40Dを形成する際に、レーザーの強度及び/又は照射時間を変えることにより、凹部40Dの、圧力室14の長手方向端部と対向する部分を、圧力室14の幅方向端部と対向する部分よりも深く形成することができる。これにより、圧力室14の長手方向端部に設けられた薄肉部41Dを、圧力室14の幅方向端部に設けられた薄肉部42よりも薄くすることができる。従って、圧電層31の、圧力室の長手方向端部と重なる領域の曲げ剛性が、幅方向端部における曲げ剛性よりも低くなる。この構成によれば、振動板30の、圧力室14の長手方向端部と対向する部分の変位が大きくなるのに加えて、さらに、短手方向端部と対向する部分の変位も大きくなることから、圧力室14の容積変化が一層大きくなる。
〈第4変更形態〉
振動板及び/又は圧電層の曲げ剛性を、圧力室の長手方向端部の位置において部分的に低下させる曲げ剛性低下部は、前述したような圧力室の周縁に沿って連続的に延びる薄肉部41(図3参照)に限られず、離散的に配置された複数の薄肉部であってもよい。例えば、図13においては、圧電層31Eの上面の、圧力室14の長手方向一端部と対向する領域(個別電極32とは対向しない領域)に、局所的に凹んだ複数の円形の凹部40Eが適当な密度で離散的に配置されている。これら複数の凹部40Eによって、圧力室14の中央部と対向する領域よりも厚さが薄くなった複数の薄肉部41E(第1薄肉部)が形成されている。
さらに、図13に示すように、圧電層31の上面の、圧力室14の短手方向端部と対向する領域にも複数の凹部40Eが離散的に配置され、これら複数の凹部40Eによって、圧力室14の中央部と対向する領域よりも厚さが薄くなった複数の薄肉部42E(第2薄肉部)が形成されていてもよい。尚、図13においては、圧力室の長手方向端部における薄肉部41Eの配置密度が、短手方向端部における薄肉部42Eの配置密度よりも高い。つまり、圧力室14の長手方向一端部と対向する領域に対する薄肉部41Eの占有割合が、圧力室14の短手方向端部と対向する領域に対する薄肉部42Eの占有割合よりも大きい。その結果、圧電層31の圧力室14の長手方向端部と対向する部分の剛性が、幅方向端部と対向する部分の剛性よりも低下している。
あるいは、長手方向端部に位置する薄肉部41Eの厚みを、幅方向端部に位置する薄肉部42Eよりも薄くすることにより、圧電層31の圧力室14の長手方向端部と対向する部分の剛性を、幅方向端部と対向する部分よりもさらに低下させてもよい。
〈第5変更形態〉
前述したような凹部の代わりに、図14、図15に示すように、曲げ剛性低下部として、圧電層31Fの圧力室14の長手方向端部と対向する領域に、圧電層31Fを貫通する貫通孔60(第1貫通孔)が形成されていてもよい。さらに、幅方向端部にも貫通孔61(第2貫通孔)が形成されていてもよい。この場合には、以下のようにして、圧電層31の圧力室14の長手方向端部と対向する部分の剛性を、短手方向端部と対向する部分よりもさらに低下させることができる。図14のように、貫通孔60を圧力室14の周縁に沿って連続的に形成し、貫通孔61を離散的に形成することにより、圧力室14の長手方向一端部と対向する領域に対する貫通孔60の占有割合を、圧力室14の短手方向端部と対向する領域に対する貫通孔61の占有割合よりも大きくすることができる。あるいは、圧力室14の長手方向端部と対向する部分に貫通孔60が形成され、圧力室14の幅方向端部と対向する部分に、圧力室14の中央部と対向する部分よりも薄い薄肉部(凹部)が形成されていてもよい。
尚、前述した第4変更形態(図13)、第5変更形態(図14、図15)においては、薄肉部41E、42Eや貫通孔60,61は圧電層に形成されているが、このような薄肉部及び/又は貫通孔を振動板に形成して、振動板の曲げ剛性を低下させてもよい。なお、上述の変更形態において、振動板及び/又は圧電層の曲げ剛性を低下させる薄肉部及び/又は貫通孔は、振動板及び/又は圧電層の、圧力室長手方向両端部に形成されていてもよく、いずれか一方側の端部、例えば、ノズル側の端部のみに形成されていてもよい。
〈第6変更形態〉
曲げ剛性低下部として、振動板と圧電層との間の、圧力室の長手方向端部と対向する部分に空洞が形成されていてもよい。例えば、図16〜図18に示すように、振動板30の上面に凹部70が形成されて、この凹部70において振動板30Gと圧電層31Gが密着しないことにより、振動板30Gと圧電層31Gの間に空洞71(第1の空洞)が形成されてもよい。このように、振動板30Gと圧電層31Gの間に空洞71が存在していると、振動板30Gと圧電層31Gからなる積層構造の断面二次モーメントが小さくなるため、曲げ剛性が低下する。さらに、圧力室14の幅方向端部と対向する領域においても、振動板30Gと圧電層31Gとの間に空洞72(第2の空洞)が形成されていてもよい。この場合、圧電層31Gの、圧力室14の長手方向端部と対向する部分の剛性を、幅方向端部と対向する部分の剛性よりもさらに低下させるには、例えば、長手方向端部に位置する空洞71を、幅方向端部に位置する空洞72よりも深くすればよい。
また、平坦な振動板30の上面に、下面に凹部が形成された圧電層31が接合されることによって、振動板30と圧電層31との間に空洞が形成されてもよい。なお、上述の第1の空洞は、圧力室の長手方向両端部に形成されてもよく、いずれか一方のみの端部、例えば、ノズル側の端部のみに形成されていてもよい。
別の例として、図19に示すように、振動板30Gと圧電層31Gとの間に形成された空洞71に、振動板30G及び圧電層31Gよりも弾性係数の小さい充填材75が充填されていてもよい。このように、振動板30Gと圧電層31Gの間に、弾性係数Eが小さい充填材75が介在するので、振動板30Gと圧電層31Gからなる積層構造の曲げ剛性が低下する。または、圧力室14の長手方向端部に位置する空洞71には充填材75が充填されず、圧力室14の幅方向端部に位置する空洞72(図16、図18参照)にのみ充填材75が充填されていてもよい。
〈第7変更形態〉
前述した実施形態及びその変更形態においては、圧力室が形成されたキャビティプレート(支持部材)に振動板が接合されているが、図20に示すように、キャビティプレート10の上面に圧電層31Hが接合され、この圧電層31Hの上面に振動板30Hが設けられていてもよい。この場合でも、圧電層31H及び/又は振動板30Hの、圧力室14の長手方向端部と対向する部分に曲げ剛性低下部(図20においては、振動板30Hに形成された薄肉部51H)が設けられているので、振動板30H及び圧電層31Hの、圧力室14の長手方向端部と対向する領域における変位を大きくすることができる。
〈第8変更形態〉
前述した実施形態及びその変更形態においては、圧電アクチュエータの振動板、又は、圧電層に、圧力室14の長手方向端部と対向する部分の曲げ剛性を低下させる、薄肉部などからなる曲げ剛性低下部が設けられている。それに加えて、あるいはそれに代えて、振動板(又は圧電層)と接合される隔壁の、圧力室を画成する側壁部に、この側壁部の曲げ剛性を低下させる曲げ剛性低下部が設けられている場合でも、ほぼ同様の効果が得られる。
例えば、図21、図22に示すように、流路ユニット4Iを構成するキャビティプレート80の、複数の圧力室14を区画する隔壁84に、曲げ剛性低下部として、圧力室14の長手方向一端部(ノズル20側の端部)の周縁に沿って溝85が形成されていてもよい。このように、隔壁84に溝85が設けられることによって、圧力室14に接する隔壁84の側壁部の曲げ剛性が低下する。振動板82及び圧電層83の、圧力室14の長手方向端部と対向する部分に対する側壁部の拘束力が低下し、この部分における変位が大きくなる。
また、図23に示すように、振動板82Jの下面にも、キャビティプレート80の溝85と対向するように溝86が形成されていてもよい。あるいは、図24に示すように、振動板82Kと圧電層83Kに、キャビティプレート80の溝85に連なる貫通孔87,88が形成されていてもよい。
なお、上記実施形態及び変更形態では、振動板が圧電層に電界を生じさせる第2電極を兼ねていたが、振動板と第2電極とが独立に設けられていてもよい。例えば、アルミナやジルコニア等の絶縁性材料からなる振動板の上面に第2電極が形成されていてもよい。あるいは、前記実施形態と同様に振動板が金属材料で形成されるなどして、振動板の上面が導電性を有する場合には、この振動板の上面と第2電極との間に絶縁膜が形成されていればよい。
圧力室の平面形状は楕円形状に限られるものではなく、一方向に長い形状であれば本発明を適用することが可能であり、例えば、矩形や平行四辺形の平面形状を有するものであってもよい。また、上述の実施形態及び変更形態に記載された種々の曲げ剛性低下部を任意に組み合わせてもよい。例えば、圧電層及び/又は振動板の、圧力室の長手方向両端部に凹部を形成しつつ、さらに、圧力室に接する隔壁の、圧力室の長手方向両端部に溝を形成してもよい。
以上、インクジェットヘッド用の圧電アクチュエータに本発明を適用した例について説明したが、本発明の適用対象は、インクなどの液体に圧力を付与するためのアクチュエータに限られない。即ち、本発明は、支持部材の逃し部により振動板及び圧電層の変形を逃しつつ、振動板及び圧電層の変形部分により種々の対象物を押圧駆動するアクチュエータなど、他の用途に用いられる圧電アクチュエータにも適用することが可能である。
本発明の実施形態に係るインクジェットプリンタの概略構成図である。 インクジェットヘッドの平面図である。 図2のインクジェットヘッドの一部拡大平面図である。 図3のA−A線断面図である。 図3のB−B線断面図である。 アクチュエータ駆動時の振動板の変形状態を概略的に示す図である。 第1変更形態に係るインクジェットヘッドの一部拡大平面図である。 図7のC−C線断面図である。 第2変更形態に係るインクジェットヘッドの図4相当の断面図である。 第3変更形態に係るインクジェットヘッドの図4相当の断面図である。 第3変更形態の別の例に係るインクジェットヘッドの一部拡大平面図である。 図11のD−D線断面図である。 第4変更形態に係るインクジェットヘッドの一部拡大平面図である。 第5変更形態に係るインクジェットヘッドの一部拡大平面図である。 図14のE−E線断面図である。 第6変更形態に係るインクジェットヘッドの一部拡大平面図である。 図16のF−F線断面図である。 図16のG−G線断面図である。 第6変更形態の別の例に係るインクジェットヘッドの図4相当の断面図である。 第7変更形態に係るインクジェットヘッドの図4相当の断面図である。 第8変更形態に係るインクジェットヘッドの一部拡大平面図である。 図21のH−H線断面図である。 第8変更形態の第2の例に係るインクジェットヘッドの図4相当の断面図である。 第8変更形態の第3の例に係るインクジェットヘッドの図4相当の断面図である。 インクジェットヘッドの一部拡大平面図である。
符号の説明
1 インクジェットヘッド
4,4I 流路ユニット
5 圧電アクチュエータ
10 キャビティプレート(支持部材)
14 圧力室(逃し部)
20 ノズル
22 隔壁(接合部)
30,30B,30C,30G,30H 振動板
31、31A,31B,31D,31E,31F,31G,31H 圧電層
32 個別電極
35,35A 配線部
41,41D、41E 薄肉部(第1薄肉部)
42,42E 薄肉部(第2薄肉部)
51,51C,51H 薄肉部(第1薄肉部)
60 貫通孔(第1貫通孔)
61 貫通孔(第2貫通孔)
71 空洞(第1の空洞)
72 空洞(第2の空洞)80 キャビティプレート(支持部材)
82,82J,82K 振動板
83,83K 圧電層
84 隔壁
85 溝

Claims (19)

  1. 物体に圧力を付加する圧電アクチュエータであって、
    振動板と、
    この振動板の一方の面に配置された圧電層と、
    前記振動板及び前記圧電層を支持する支持部材であって、所定の長手方向に長く、前記振動板及び前記圧電層の変形を逃す逃し部及び、この逃し部を囲んで配置され、前記振動板と前記圧電層の一方に接合される接合部とを有する支持部材と、
    前記圧電層の両面の前記逃し部に対向する領域にそれぞれ配置された第1電極及び第2電極とを備え、
    前記振動板と前記圧電層の少なくとも一方の、前記逃し部の長手方向一端部と対向する部分に、前記逃し部の前記長手方向と直交する幅方向端部と対向する部分よりも曲げ剛性を低下させる、曲げ剛性低下部が設けられており、
    前記曲げ剛性低下部は、前記振動板と前記圧電層の少なくとも一方の、前記逃し部の中央部と対向する部分よりも肉厚が薄い第1薄肉部である圧電アクチュエータ。
  2. 前記第1薄肉部は、前記圧電層の前記振動板と反対側の面の、前記逃し部の長手方向一端部と対向する領域に形成された局所的に凹んだ凹部であり、
    前記第1電極及び前記第2電極のうち、前記圧電層の前記振動板と反対側の面に配置された電極には所定の配線部が接続され、前記配線部は前記第1薄肉部を避けて配置されている請求項に記載の圧電アクチュエータ。
  3. 前記振動板と前記圧電層の少なくとも一方の、前記逃し部の前記幅方向端部と対向する部分に、前記逃し部の中央部と対向する部分よりも肉厚が薄い第2薄肉部が形成されている請求項1又は2に記載の圧電アクチュエータ。
  4. 前記第1薄肉部は、前記第2薄肉部よりも薄い請求項に記載の圧電アクチュエータ。
  5. 前記振動板と前記圧電層の少なくとも一方の、前記逃し部の長手方向一端部と対向する領域に対する前記第1薄肉部の占有割合が、前記逃し部の幅方向端部と対向する領域に対する前記第2薄肉部の占有割合よりも大きい請求項に記載の圧電アクチュエータ。
  6. 物体に圧力を付加する圧電アクチュエータであって、
    振動板と、
    この振動板の一方の面に配置された圧電層と、
    前記振動板及び前記圧電層を支持する支持部材であって、所定の長手方向に長く、前記振動板及び前記圧電層の変形を逃す逃し部及び、この逃し部を囲んで配置され、前記振動板と前記圧電層の一方に接合される接合部とを有する支持部材と、
    前記圧電層の両面の前記逃し部に対向する領域にそれぞれ配置された第1電極及び第2電極とを備え、
    前記振動板と前記圧電層の少なくとも一方の、前記逃し部の長手方向一端部と対向する部分に、前記逃し部の前記長手方向と直交する幅方向端部と対向する部分よりも曲げ剛性を低下させる、曲げ剛性低下部が設けられており、
    前記曲げ剛性低下部は、前記振動板と前記圧電層の少なくとも一方の、前記逃し部の長手方向一端部と対向する部分に形成された第1貫通孔であり、
    前記振動板と前記圧電層の少なくとも一方の、前記逃し部の幅方向端部と対向する部分に第2貫通孔が形成され、
    前記振動板と前記圧電層の少なくとも一方の、前記逃し部の長手方向一端部と対向する領域に対する前記第1貫通孔の占有割合が、前記逃し部の短手方向端部と対向する領域に対する前記第2貫通孔の占有割合よりも大きい圧電アクチュエータ。
  7. 物体に圧力を付加する圧電アクチュエータであって、
    振動板と、
    この振動板の一方の面に配置された圧電層と、
    前記振動板及び前記圧電層を支持する支持部材であって、所定の長手方向に長く、前記振動板及び前記圧電層の変形を逃す逃し部及び、この逃し部を囲んで配置され、前記振動板と前記圧電層の一方に接合される接合部とを有する支持部材と、
    前記圧電層の両面の前記逃し部に対向する領域にそれぞれ配置された第1電極及び第2電極とを備え、
    前記振動板と前記圧電層の少なくとも一方の、前記逃し部の長手方向一端部と対向する部分に、前記逃し部の前記長手方向と直交する幅方向端部と対向する部分よりも曲げ剛性を低下させる、曲げ剛性低下部が設けられており、
    前記曲げ剛性低下部は、前記振動板と前記圧電層の少なくとも一方の、前記逃し部の長手方向一端部と対向する部分に形成された貫通孔であり、
    前記振動板と前記圧電層の少なくとも一方の、前記逃し部の幅方向端部と対向する部分に、前記逃し部の中央部と対向する部分よりも薄い薄肉部が形成されている圧電アクチュエータ。
  8. 物体に圧力を付加する圧電アクチュエータであって、
    振動板と、
    この振動板の一方の面に配置された圧電層と、
    前記振動板及び前記圧電層を支持する支持部材であって、所定の長手方向に長く、前記振動板及び前記圧電層の変形を逃す逃し部及び、この逃し部を囲んで配置され、前記振動板と前記圧電層の一方に接合される接合部とを有する支持部材と、
    前記圧電層の両面の前記逃し部に対向する領域にそれぞれ配置された第1電極及び第2電極とを備え、
    前記振動板と前記圧電層の少なくとも一方の、前記逃し部の長手方向一端部と対向する部分に、前記逃し部の前記長手方向と直交する幅方向端部と対向する部分よりも曲げ剛性を低下させる、曲げ剛性低下部が設けられており、
    前記曲げ剛性低下部は、前記振動板と前記圧電層との間の、前記逃し部の長手方向一端部と対向する部分に形成された第1の空洞である圧電アクチュエータ。
  9. 前記振動板と前記圧電層との間の、前記逃し部の幅方向端部と対向する部分に第2の空洞が形成され、
    前記第1の空洞の深さは、前記第2の空洞の深さよりも大きい請求項に記載の圧電アクチュエータ。
  10. 前記第1の空洞内に、前記振動板及び前記圧電層の弾性係数よりも小さな弾性係数を有する充填材が充填されている請求項8又は9に記載の圧電アクチュエータ。
  11. 前記曲げ剛性低下部は、前記振動板と前記圧電層の少なくとも一方の、前記逃がし部の長手方向一端部と対向する部分のみに形成されている請求項1〜10の何れか一項に記載の圧電アクチュエータ。
  12. 前記曲げ剛性低下部は、第1の曲げ剛性低下部と第2の曲げ剛性低下部を含み、
    第1、第2の曲げ剛性低下部が、前記振動板と前記圧電層の少なくとも一方の、前記逃し部の長手方向両端部と対向する部分に、それぞれ設けられている請求項1〜10の何れか一項に記載の圧電アクチュエータ。
  13. 物体に圧力を付加する圧電アクチュエータであって、
    振動板と、
    この振動板の一方の面に配置された圧電層と、
    所定の長手方向に長く、前記振動板及び前記圧電層の変形を逃す逃し部及び、この逃し部を囲んで配置され、前記振動板と前記圧電層の一方に接合される接合部であって、前記逃し部の長手方向一端部に接する壁部を有する接合部を含む支持部材と、
    前記圧電層の両面の前記逃し部に対向する領域にそれぞれ配置された第1電極及び第2電極とを備え、
    前記接合部の前記壁部に、この壁部の曲げ剛性を低下させる曲げ剛性低下部が形成されており、
    前記曲げ剛性低下部は、前記壁部の、前記逃がし部の長手方向一端部と対向する部分のみに形成されている圧電アクチュエータ
  14. 液体を移送する液体移送装置であって、
    所定の長手方向に長い圧力室を含む液体流路が形成された流路ユニットと、
    前記圧力室内の液体に圧力を付与する圧電アクチュエータであって、前記圧力室を覆う振動板、前記振動板の一方の面に配置された圧電層及び、前記圧電層の両面の前記圧力室に対向する領域にそれぞれ配置された第1電極及び第2電極を含む圧電アクチュエータとを備え、
    前記振動板と前記圧電層の少なくとも一方の、前記圧力室の長手方向一端部と対向する部分に、前記圧力室の前記長手方向と直交する幅方向端部と対向する部分よりも曲げ剛性を低下させる、曲げ剛性低下部が設けられており、
    前記曲げ剛性低下部は、前記振動板と前記圧電層の少なくとも一方の、前記圧力室の中央部と対向する部分よりも肉厚が薄い薄肉部である液体移送装置。
  15. 前記曲げ剛性低下部は、前記振動板と前記圧電層の少なくとも一方の、前記圧力室の長手方向一端部と対向する部分のみに形成されている請求項14に記載の液体移送装置。
  16. 液体の滴を噴射する液滴噴射装置であって、
    ノズル及び、所定の方向に長く、このノズルに連通する圧力室とを含む液体流路が形成された流路ユニットと、
    前記圧力室内の液体に圧力を付与する圧電アクチュエータであって、前記圧力室を覆う振動板、前記振動板の一方の面に形成された圧電層、及び前記圧電層の両面の前記圧力室に対向する領域にそれぞれ配置された第1電極及び第2電極を有する圧電アクチュエータとを備え、
    前記振動板と前記圧電層の少なくとも一方の、前記圧力室の長手方向一端部と対向する部分に、前記圧力室の前記長手方向と直交する幅方向端部と対向する部分よりも曲げ剛性を低下させる、曲げ剛性低下部が形成されており、
    前記曲げ剛性低下部は、前記振動板と前記圧電層の少なくとも一方の、前記圧力室の中央部と対向する部分よりも肉厚が薄い薄肉部である液滴噴射装置。
  17. 前記圧力室の長手方向一端部が前記ノズルに連通している請求項16に記載の液滴噴射装置。
  18. 前記曲げ剛性低下部が、前記振動板と前記圧電層の少なくとも一方の、前記圧力室の長手方向の前記ノズル側端部にのみ形成されている請求項16又は17に記載の液滴噴射装置。
  19. 液体の滴を噴射する液滴噴射装置であって、
    ノズル及び、所定の方向に長く、このノズルに連通する圧力室とを含む液体流路が形成された流路ユニットと、
    前記圧力室内の液体に圧力を付与する圧電アクチュエータであって、前記圧力室を覆う振動板、前記振動板の一方の面に形成された圧電層、及び前記圧電層の両面の前記圧力室に対向する領域にそれぞれ配置された第1電極及び第2電極を有する圧電アクチュエータとを備え、
    前記振動板と前記圧電層の少なくとも一方の、前記圧力室の長手方向一端部と対向する部分に、前記圧力室の前記長手方向と直交する幅方向端部と対向する部分よりも曲げ剛性を低下させる、曲げ剛性低下部が形成されており、
    前記曲げ剛性低下部が、前記振動板と前記圧電層の少なくとも一方の、前記圧力室の長手方向の前記ノズル側端部にのみ形成されている液滴噴射装置。
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