JP4946151B2 - 重合性液晶組成物 - Google Patents

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Description

本発明はトリアジン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物およびヒンダートアミン系化合物から選ばれる少なくとも1つの化合物を含有する重合性液晶組成物およびこれから得られる液晶フィルムに関する。このフィルムを用いた光学補償フィルム、光学素子および液晶表示装置にも関する。
液晶相を有する重合性化合物は重合によって光学補償(optical compensation)などの機能を有する重合体をあたえる。これは、液晶分子の配向が重合によって固定されるからである。このような重合体の機能を活用するために、種々の重合性化合物が開発されている。しかし、1つの重合性化合物では充分な機能を満たさないようである。そこで、幾つかの重合性化合物から組成物を調製し、この組成物を重合させるという試みがなされている。(特許文献1〜4参照)。
液晶骨格の配向状態がホモジニアス配向(水平配向)、チルト配向(傾斜配向)、ホメオトロピック配向(垂直配向)またはツイスト配向(ねじれ配向)等の配向状態を示すことを、簡略化してそれぞれ「ホモジニアス配向を有する」、「チルト配向を有する」、「ホメオトロピック配向を有する」、「ツイスト配向を有する」などと記すことがある。
ホメオトロピック配向を有する重合体は、光軸の方向がn方向にあり、光軸方向の屈折率がその直交する方向の屈折率より大きいため、屈折率楕円体では、ポジティブC−プレートに分類される。このポジティブC−プレートは、他の光学機能を有するフィルムと組み合わせることによって、水平配向した液晶モード、いわゆるIPS(In-Plane Switching)モード等の光学補償、例えば偏光板の視野角特性の改善に応用できる(非特許文献1参照)。
上記の用途においては、重合性液晶材料はガラス基板またはプラスチック基板に積層される場合がある。プラスチック基板の材料は、TAC(トリアセチルセルロース)、ポリカーボネート、PET、ノルボルネン系樹脂などの重合体である。
液晶相を有する重合性化合物を支持基板上に積層する場合には、その支持基板への良好な塗工性(ハジキ等が生じない)、良好な密着性、および均一なホメオトロピック配向性等が求められる。重合性液晶材料をガラス基板またはプラスチック基板上に積層する際には、溶剤を用いて溶液状態にする場合がある。この際、(1) プラスチック基板を用いる場合には、溶剤によりプラスチック基板が侵食されないこと、(2)塗工後、ハジキ等が生じないこと、(3)重合性液晶材料が析出(結晶化)しないこと、(4)溶液特性の経時変化が少ないこと(保存安定性が良好であること)等が溶剤の選定に重要となる。重合性液晶材料の重合前の特性として、(5)室温で広いネマチック相を有していること、(6)均一なホメオトロピック配向性を示すことも必要である。更に、この材料の重合後の特性として、(7)光学設計に応じた適切な屈折率異方性(Δn)を有していること、(8)透明性を有していること、(9)支持基板との密着性に優れていること、(10)耐熱性および耐湿性にも優れていることが必要である。
上記のような重合体が得られる重合性液晶組成物の開発が望まれている。これらの特性のうち、本発明者らは特に、重合体とプラスチック基板との密着性、均一な配向性等に優れた重合性液晶組成物をこれまでに見出している。しかし、これらの組成物は溶液の保存安定性が十分に満足できていなかったのが現状であった。(特許文献5参照)
特開平10−319408号公報(GB2324382A) 特開2004−198478公報 特開2002−243942公報 特開2005−196221公報 特願2004−329158 M.S.Park et al, IDW '04 FMC8-4
本発明の目的は、溶液状態において安定性に優れ、かつ支持基板上に良好な塗工性を示し、均一なホメオトロピック配向性を有する重合性液晶組成物を提供することである。更に本発明は、この重合性液晶組成物からなる配向が制御された液晶層、この重合性液晶組成物を重合して得られる液晶フィルム、およびこのフィルムを用いた光学補償フィルムを提供することを目的とする。そして、この光学補償フィルムを含む液晶表示装置、有機EL表示装置、PDP(Plasma Display Panel)などの画像表示装置を提供することも本発明の目的である。
本発明者らは、特定の重合性液晶化合物を重合性液晶組成物の成分として用いるとき、この重合性液晶組成物にトリアジン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、およびヒンダートアミン系化合物から選ばれる少なくとも1つの化合物を添加することが、重合性液晶化合物の均一なホメオトロピック配向の制御に有効であることを知った。このトリアジン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、およびヒンダートアミン系化合物の好ましい例は、通常紫外線吸収剤として知られている化合物群、およびラジカル捕捉剤として知られている化合物群である。しかしながら、本発明におけるその使用量は紫外線吸収剤、あるいはラジカル捕捉剤としての使用量に比べて遙かに大きい。これらの化合物を、紫外線吸収剤、またはラジカル捕捉剤としての使用量に比べて非常に多量に添加することにより、液晶化合物のホメオトロピック配向を制御する効果が発現されることは予想外のことであった。そして、経時変化による溶液の着色や粘度変化等が生じないため溶液の保存安定性が改善されること、この重合性液晶組成物から得られる重合体が支持基板との密着性に優れていて、均一なホメオトロピック配向性を示すこと、上記重合性液晶組成物をラビング等の機械的な表面処理、または化学的な表面処理を行った支持基板上へ塗布した場合にも同様な効果が得られることなどを知った。本発明は次の[1]項に示す重合性液晶組成物に関する。
[1] 第1成分として式(1)で表される少なくとも1つの化合物、第2成分として式(4)で表される少なくとも1つの化合物、並びに第3成分として式(5)、式(6)および式(7−1)〜式(7−6)のそれぞれで表される化合物の群から選ばれる少なくとも1つの化合物を含有する重合性液晶組成物:

Figure 0004946151
ここに、Zは独立して水素、メチル、フッ素、またはトリフルオロメチルであり;Xは独立して水素、フッ素、塩素、メチル、トリフルオロメチル、またはシアノであり;Aは1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2−メチル−1,4−フェニレン、2−トリフルオロメチル−1,4−フェニレン、2,3−ビス(トリフルオロメチル)−1,4−フェニレン、4,4’−ビフェニレン、2,6−ナフチレン、9−メチルフルオレン−2,7−ジイル、9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジイル、式(2)で表される2価の基、または式(3)で表される2価の基であり;Yは独立して−COO−、−OCO−、−CHCHCOO−、−OCOCHCH−、−CH=CHCOO−、−OCOCH=CH−、−CHCH−、−CH=CH−、−C≡C−、−CHO−、または−OCH−であり;そしてnは独立して1〜10の整数である:

Figure 0004946151
ここに、Zは水素、メチル、フッ素、またはトリフルオロメチルであり;Xは独立して水素またはフッ素であり;Xは独立して水素またはフッ素であり;Xはトリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、炭素数1〜10のアルキル、または炭素数1〜10のアルコキシであり;Yは単結合、−COO−、−OCO−、−CHCHCOO−、−OCOCHCH−、−CH=CHCOO−、−OCOCH=CH−、−CHCH−、−CH=CH−、−C≡C−、−CHO−、または−OCH−であり;そして、nは1〜10の整数である:

Figure 0004946151
ここに、R11、R15、R21、R25、R31およびR35は、独立して水素、水酸基、アリルオキシ、炭素数1〜10のアルキル、または炭素数1〜20のアルコキシであり、そしてこのアルコキシにおいて、任意の−CH−は−COO−または−OCO−で置き換えられてもよく、そして末端のメチルはフェニルで置き換えられてもよく;R12、R14、R22、R24、R32およびR34は、独立して水素、水酸基、炭素数1〜10のアルキル、または炭素数1〜10のアルコキシであり、そしてこのアルキルにおいて、末端のメチルはフェニルで置き換えられてもよく;R13、R23およびR33は、独立して水素、塩素、水酸基、フェニル、ビフェニル、アクリロイルオキシ、メタクリロイルオキシ、炭素数1〜10のアルキル、炭素数1〜40のアルコキシ、または式(A)で表される基であり、そしてこのアルコキシにおいて、1つの水素は水酸基で置き換えられてもよく、任意の−CH−は−O−、−COO−または−OCO−で置き換えられてもよく、そして末端のメチルは水酸基またはフェニルで置き換えられてもよく:

Figure 0004946151
ここに、Rは炭素数1〜8のアルキレンであり;そしてRは水素またはメチルである:

Figure 0004946151

ここにR41、R42、R43、R44、R45、およびR46は独立して水素、ハロゲン、または炭素数1〜20のアルキルであって、このアルキルにおいて、1つの−CH−は−COO−または−OCO−で置き換えられてもよく、そして末端の−CHはフェニルで置き換えられてもよい:

Figure 0004946151
ここに、R51は独立して水素、オキシラジカル、炭素数1〜16のアルキル、炭素数1〜16のアルコキシ、または炭素数1〜16のアルキルカルボニルであり;kは2〜20の整数であり;そして、R52は水素または炭素数1〜10のアルキルである:

Figure 0004946151
ここに、R53の少なくとも1つは式(B)で表される基であって、残りのR53は独立して炭素数1〜20のアルキル基であり;そして、R51は前記と同じ意味を有する:

Figure 0004946151
ここに、Aは前記の式(B)で表される基であり;R54はアミノ、炭素数1〜20のアルキルアミノ、モルフォリノ、ピペリジノ、またはピロリジニルであり;pは2〜5の整数であり;そして、hは独立して2〜20の整数である:

Figure 0004946151
ここに、R55は水素またはメチルであり;Aは水素または下記の式(C)で表される基であり;hは独立して2〜20の整数であり;そして、mは2〜20の整数である:

Figure 0004946151

ここに、Aは前記の式(B)で表される基である。
重合性液晶化合物に、トリアジン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、およびヒンダートアミン系化合物から選ばれる少なくとも1つの化合物を加えることにより、溶液の安定性に優れ、かつ支持基板への塗工性に優れた重合性液晶組成物が得られる。さらに本発明の重合性液晶組成物から得られる液晶フィルムは、均一なホメオトロピック配向性を示し、そして支持基板への良好な密着性を示す。
この明細書における用語の使い方は次のとおりである。液晶化合物は、液晶相を有する化合物、および液晶相を有しないが液晶組成物の成分として有用な化合物の総称である。液晶相はネマチック相、スメクチック相、コレステリック相などであり、多くの場合ネマチック相を意味する。重合性は、光、熱、触媒などの手段により単量体が重合し、重合体を与える能力を意味する。式(1)で表される少なくとも1つの化合物を化合物(1)と表記することがある。式(4)で表わされる少なくとも1つの化合物などに関しても同様である。本発明において、重合性液晶組成物は、その成分の割合を明示しやすくするために、便宜上溶剤を含まない系として説明される。そして、この重合性液晶組成物と溶剤とからなる溶液は、重合性液晶組成物の溶液と表記される。しかしながら、このことは溶剤を含まない重合性液晶組成物をまず調製し、その後に溶剤を加えて希釈することだけを意味しない。通常の場合は、溶剤に重合性液晶組成物の各成分を溶解することによって重合性液晶組成物の溶液が調製される。(メタ)アクリレート[(meth)acrylate]は、アクリレート(acrylate)およびメタクリレート(methacrylate)の一方または両方を表す。本明細書においては、電子天秤の表示データを質量単位を用いて示し、これを重量と表記する。本発明における%は、このような重量を基準とする百分率を意味する。なお、本明細書中の化合物の具体例において、Me、Et、Pr、BuおよびPhは、それぞれメチル、エチル、プロピル、ブチルおよびフェニルを示す。
液晶分子における配向は、チルト角の大きさなどに基づいてホモジニアス(homogeneous;平行)、ホメオトロピック(homeotropic;垂直)、チルト(tilted;傾き)、ツイスト(twisted;ねじれ)などに分類される。チルト角は、液晶分子の配向ベクトルおよび支持基板のあいだの角度である。ホモジニアスは、配向ベクトルが基板に平行で、かつ一方向に並んでいる状態をいう。ホモジニアス配向におけるチルト角の例は0度から5度である。ホメオトロピックは、配向ベクトルが基板に垂直である状態をいう。ホメオトロピック配向におけるチルト角の例は、85度から90度である。チルトは、配向ベクトルが基板から離れるにしたがって、平行から垂直に立ちあがっている状態をいう。チルト配向におけるチルト角(傾き角)の例は5度から85度である。ツイストは、配向ベクトルが基板に平行ではあるが、らせん軸を中心に階段状にねじれている状態をいう。ツイスト配向におけるチルト角の例は0度から5度である。
本発明は前記の[1]項と下記の[2]〜[18]項とで構成される。
[2] 式(1)において、Zが独立して水素、メチル、フッ素、またはトリフルオロメチルであり;Xが独立して水素、フッ素、メチル、またはトリフルオロメチルであり;Aが2−メチル−1,4−フェニレン、2−トリフルオロメチル−1,4−フェニレン、2,3−ビス(トリフルオロメチル)−1,4−フェニレン、9−メチルフルオレン−2,7−ジイル、9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジイル、式(2)で表される2価の基、または式(3)で表される2価の基であり;Yが独立して−COO−、−OCO−、−CHCHCOO−、−OCOCHCH−、−CH=CHCOO−、または−OCOCH=CH−であり;そして、nが独立して1〜10の整数であり:
式(4)において、Zが水素、メチル、フッ素、またはトリフルオロメチルであり;Xが独立して水素またはフッ素であり;Xが独立して水素またはフッ素であり;Xがトリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、またはシアノであり;Yが単結合、−COO−、−OCO−、−CHCHCOO−、−OCOCHCH−、−CH=CHCOO−、または−OCOCH=CH−であり;そして、nが1〜10の整数であり:
式(5)において、R11、R15、R21、R25、R31およびR35が独立して水素、水酸基、炭素数1〜10のアルキル、または炭素数1〜10のアルコキシであり;R12、R14、R22、R24、R32およびR34が独立して水素、水酸基、炭素数1〜10のアルキル、または炭素数1〜10のアルコキシであり;R13、R23およびR33が独立して水素、水酸基、炭素数1〜10のアルキル、炭素数1〜10のアルコキシ、1〜20の炭素原子を有しかつ少なくとも1つの水酸基を有するアルコキシ、または2〜20の炭素原子を有しかつ少なくとも1つの水酸基を有するアルキルオキシアルコキシであり;そして、R11、R12、R13、R14、R15、R21、R22、R23、R24、R25、R31、R32、R33、R34およびR35の少なくとも1つが水酸基または水酸基を有する基であり:
式(6)において、R41、R42、R43、R44、R45、およびR46が独立して水素または炭素数1〜12のアルキルであり、このアルキルにおいて、1つの−CH−は−COO−または−OCO−で置き換えられてもよく、そして末端の−CH−はフェニルで置き換えられてもよく:
式(7−1)〜式(7−6)において、R51が水素、炭素数1〜16のアルキル、または炭素数1〜16のアルコキシであり;R52が水素、または炭素数1〜10のアルキルであり;R53の少なくとも1つは式(A)で表される基であり、残りのR53が独立して炭素数1〜10のアルキルであり;R54が炭素数1〜20のアルキルアミノ、モルフォリノ、ピペリジノ、またはピロリジニルであり;R55が水素またはメチルであり;Aが式(C)で表される基であり;式(A)におけるR51は水素、炭素数1〜16のアルキル、または炭素数1〜16のアルコキシであり;kが6〜20の整数であり;hが独立して2〜10の整数であり;そしてmが2〜10の整数である、[1]項に記載の重合性液晶組成物。
[3] 第1成分として式(1)で表される少なくとも1つの化合物、第2成分として式(4)で表される少なくとも1つの化合物、および第3成分として式(5)、式(6)および式(7−1)〜式(7−4)のそれぞれで表される化合物の群から選ばれる少なくとも1つの化合物を含有し;
式(1)において、Zが独立して水素またはフッ素であり;Xが独立して水素またはフッ素であり;Aが2−メチル−1,4−フェニレン、2,3−ビス(トリフルオロメチル)−1,4−フェニレン、9−メチルフルオレン−2,7−ジイル、9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジイル、式(2)で表される2価の基、または式(3)で表される2価の基であり;Yが独立して−COO−、−OCO−、−CHCHCOO−、−OCOCHCH−、−CH=CHCOO−、または−OCOCH=CH−であり;そして、nが独立して1〜10の整数であり:
式(4)において、Zが水素、メチルまたはフッ素であり;Xが水素であり;Xが独立して水素またはフッ素であり;Xがトリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、またはシアノであり;Yが単結合、−COO−、または−OCO−であり;そして、nが1〜10の整数であり:
式(5)において、R11、R15、R21、R25、R31およびR35が独立して水素、水酸基、炭素数1〜10のアルキル、または炭素数1〜10のアルコキシであり;R12、R14、R22、R24、R32およびR34が独立して水素、水酸基、炭素数1〜10のアルキル、または炭素数1〜10のアルコキシであり;R13、R23およびR33が独立して水素、水酸基、炭素数1〜10のアルキル、炭素数1〜10のアルコキシ、1〜20の炭素原子を有しかつ少なくとも1つの水酸基を有するアルコキシ、または2〜20の炭素原子を有しかつ少なくとも1つの水酸基を有するアルキルオキシアルコキシであり;そして、R11、R12、R13、R14、R15、R21、R22、R23、R24、R25、R31、R32、R33、R34およびR35の少なくとも1つが水酸基または水酸基を有する基であり:
式(6)において、R41、R42、R43、R44、R45、およびR46が独立して水素または炭素数1〜12のアルキルであり、このアルキルにおいて、1つの−CH−は−COO−または−OCO−で置き換えられてもよく、そして末端の−CH−はフェニルで置き換えられてもよく:
式(7−1)〜式(7−4)において、R51が水素、または炭素数1〜16のアルキルであり;R52が水素、または炭素数1〜10のアルキルであり;R53の少なくとも1つは式(A)で表される基であり、残りのR53が独立して炭素数1〜10のアルキルであり;式(A)におけるR51は水素、または炭素数1〜16のアルキルであり;そしてkが6〜10の整数である、[1]項に記載の重合性液晶組成物。
[4] 第1成分として式(1)で表される少なくとも1つの化合物、第2成分として式(4)で表される少なくとも1つの化合物、および第3成分として式(5)、式(6)および式(7−1)〜式(7−4)のそれぞれで表される化合物の群から選ばれる少なくとも1つの化合物を含有し;
式(1)において、Zが独立して水素またはフッ素であり;Xが独立して水素またはフッ素であり;Aが2−メチル−1,4−フェニレン、2,3−ビス(トリフルオロメチル)−1,4−フェニレン、9−メチルフルオレン−2,7−ジイル、9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジイル、式(2)で表される2価の基、または式(3)で表される2価の基であり;Yが独立して−COO−、−OCO−、−CHCHCOO−、または−OCOCHCH−であり;そして、nが独立して1〜10の整数であり:
式(4)において、Zが水素であり;Xが水素であり;Xが水素であり;Xがシアノであり;Yが単結合、−COO−、または−OCO−であり;そしてnが1〜10の整数であり:
式(5)において、R11、R15、R21、R25、R31およびR35が独立して水素、水酸基、炭素数1〜10のアルキル、または炭素数1〜10のアルコキシであり;R12、R14、R22、R24、R32およびR34が独立して水素、水酸基、炭素数1〜10のアルキル、または炭素数1〜10のアルコキシであり;R13、R23およびR33が独立して水素、水酸基、炭素数1〜10のアルキル、炭素数1〜10のアルコキシ、1〜20の炭素原子を有しかつ少なくとも1つの水酸基を有するアルコキシ、または2〜20の炭素原子を有しかつ少なくとも1つの水酸基を有するアルキルオキシアルコキシであり;そして、R11、R12、R13、R14、R15、R21、R22、R23、R24、R25、R31、R32、R33、R34およびR35の少なくとも1つが水酸基または水酸基を有する基であり:
式(6)において、R41、R42、R43、R44、R45、およびR46が独立して水素または炭素数1〜12のアルキルであり、このアルキルにおいて、1つの−CH−は−COO−または−OCO−で置き換えられてもよく、そして末端の−CH−はフェニルで置き換えられてもよく:
式(7−1)〜式(7−4)において、R51が水素、または炭素数1〜16のアルキルであり;R52が水素、または炭素数1〜10のアルキルであり;R53の少なくとも1つは式(A)で表される基であり、残りのR53が独立して炭素数1〜10のアルキルであり;式(A)におけるR51は水素、または炭素数1〜16のアルキルであり;そしてkが6〜10の整数である、[1]項に記載の重合性液晶組成物。
[5] 第1成分として式(1)で表される少なくとも1つの化合物、第2成分として式(4)で表される少なくとも1つの化合物、および第3成分として式(5)、式(6)および式(7−1)〜式(7−4)のそれぞれで表される化合物の群から選ばれる少なくとも1つの化合物を含有し;
式(1)において、Zが独立して水素またはフッ素であり;Xが独立して水素またはフッ素であり;Aが2−メチル−1,4−フェニレン、2,3−ビス(トリフルオロメチル)−1,4−フェニレン、9−メチルフルオレン−2,7−ジイル、9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジイル、式(2)で表される2価の基、または式(3)で表される2価の基であり;Yが独立して−COO−、−OCO−、−CHCHCOO−、または−OCOCHCH−であり;そしてnが独立して4〜6の整数であり:
式(4)において、Zが水素であり;Xが水素であり;Xが水素であり;Xがシアノであり;Yが単結合、−COO−、または−OCO−であり;そしてnが4〜6の整数であり:
式(5)において、R11、R15、R21、R25、R31およびR35が独立して水素、水酸基、または炭素数1〜10のアルキルであり;R12、R14、R22、R24、R32およびR34が水素であり;R13、R23およびR33が独立して水素、炭素数1〜10のアルコキシ、1〜20の炭素原子を有しかつ少なくとも1つの水酸基を有するアルコキシ、または2〜20の炭素原子を有しかつ少なくとも1つの水酸基を有するアルキルオキシアルコキシであり;そして、R11、R12、R13、R14、R15、R21、R22、R23、R24、R25、R31、R32、R33、R34およびR35の少なくとも1つが水酸基または水酸基を有する基であり:
式(6)において、R41、R42、R43、R44、R45が独立して水素または炭素数1〜12のアルキルであり、このアルキルにおける1つの−CH−は−COO−または−OCO−で置き換えられてもよく:
式(7−1)〜式(7−4)において、R51が水素または炭素数1〜8のアルキルであり;R52が水素または炭素数1〜10のアルキルであり;R53が式(A)で表される基であり;式(A)におけるR51は水素、または炭素数1〜8のアルキルであり;そしてkが6〜10の整数である、[1]項に記載の重合性液晶組成物。
[6] 第3成分の割合が、第1成分と第2成分の合計量に対する重量比で0.01〜0.30である、[1]〜[5]のいずれか1項に記載の重合性液晶組成物。
[7] [1]〜[6]のいずれか1項に記載の重合性液晶組成物をガラス基板またはプラスティック基板上に直接塗布して得られる重合性液晶層。
[8] プラスティック基板が、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリケトンサルファイド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリアリレート、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリプロピレン、セルロース、トリアセチルセルロース、トリアセチルセルロースの部分鹸化物、エポキシ樹脂、フェノール樹脂およびノルボルネン系樹脂から選ばれるいずれか1つを原料として得られる基板である、[7]項に記載の重合性液晶層。
[9] 基板がその表面をラビング処理されたものである、[7]または[8]項に記載の重合性液晶層。
[10] 基板がその表面をコロナ処理またはプラズマ処理されたものである、[7]〜[9]のいずれか1項に記載の重合性液晶層。
[11] 重合性液晶層中の液晶骨格の配向状態がホメオトロピック配向である、[7]〜[10]のいずれか1項に記載の重合性液晶層。
[12] [7]〜[11]のいずれか1項に記載の重合性液晶層を重合させて得られる液晶フィルム。
[13] [12]項に記載の液晶フィルムの少なくとも1つを有する光学補償素子。
[14] [12]項に記載の液晶フィルムの少なくとも1つと偏光板とを有する光学素子。
[15] [13]項に記載の光学補償素子を液晶セルの内面または外面に有する液晶表示装置。
[16] [14]項に記載の光学素子を液晶セルの内面または外面に有する液晶表示装置。
[17] 式(5)、式(6)および式(7−1)〜式(7−6)のそれぞれで表される化合物の少なくとも1つを用いることを特徴とする、式(1)および式(4)のそれぞれで表される重合性液晶化合物の混合物の配向を制御する方法:

Figure 0004946151
ここに、Zは独立して水素、メチル、フッ素、またはトリフルオロメチルであり;Xは独立して水素、フッ素、塩素、メチル、トリフルオロメチル、またはシアノであり;Aは1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2−メチル−1,4−フェニレン、2−トリフルオロメチル−1,4−フェニレン、2,3−ビス(トリフルオロメチル)−1,4−フェニレン、4,4’−ビフェニレン、2,6−ナフチレン、9−メチルフルオレン−2,7−ジイル、9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジイル、式(2)で表される2価の基、または式(3)で表される2価の基であり;Yは独立して−COO−、−OCO−、−CHCHCOO−、−OCOCHCH−、−CH=CHCOO−、−OCOCH=CH−、−CHCH−、−CH=CH−、−C≡C−、−CHO−、または−OCH−であり;そしてnは独立して1〜10の整数である:

Figure 0004946151
ここに、Zは水素、メチル、フッ素、またはトリフルオロメチルであり;Xは独立して水素またはフッ素であり;Xは独立して水素またはフッ素であり;Xはトリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、炭素数1〜10のアルキル、または炭素数1〜10のアルコキシであり;Yは単結合、−COO−、−OCO−、−CHCHCOO−、−OCOCHCH−、−CH=CHCOO−、−OCOCH=CH−、−CHCH−、−CH=CH−、−C≡C−、−CHO−、または−OCH−であり;そして、nは1〜10の整数である:

Figure 0004946151
ここに、R11、R15、R21、R25、R31およびR35は、独立して水素、水酸基、アリルオキシ、炭素数1〜10のアルキル、または炭素数1〜20のアルコキシであり、そしてこのアルコキシにおいて、任意の−CH−は−COO−または−OCO−で置き換えられてもよく、そして末端のメチルはフェニルで置き換えられてもよく;R12、R14、R22、R24、R32およびR34は、独立して水素、水酸基、炭素数1〜10のアルキル、または炭素数1〜10のアルコキシであり、そしてこのアルキルにおいて、末端のメチルはフェニルで置き換えられてもよく;R13、R23およびR33は、独立して水素、塩素、水酸基、フェニル、ビフェニル、アクリロイルオキシ、メタクリロイルオキシ、炭素数1〜10のアルキル、炭素数1〜40のアルコキシ、または式(A)で表される基であり、そしてこのアルコキシにおいて、1つの水素は水酸基で置き換えられてもよく、任意の−CH−は−O−、−COO−または−OCO−で置き換えられてもよく、そして末端のメチルは水酸基またはフェニルで置き換えられてもよく:

Figure 0004946151
ここに、Rは炭素数1〜8のアルキレンであり、そしてRは水素またはメチルである:

Figure 0004946151

ここに、R41、R42、R43、R44、R45、およびR46は独立して水素、ハロゲン、または炭素数1〜20のアルキルであって、このアルキルにおいて、1つの−CH−は−COO−または−OCO−で置き換えられてもよく、そして末端の−CHはフェニルで置き換えられてもよい:

Figure 0004946151
ここに、R51は独立して水素、オキシラジカル、炭素数1〜16のアルキル、炭素数1〜16のアルコキシ、または炭素数1〜16のアルキルカルボニルであり;kは2〜20の整数であり;そして、R52は水素または炭素数1〜10のアルキルである:

Figure 0004946151
ここに、R53の少なくとも1つは式(B)で表される基であり、残りのR53は独立して炭素数1〜20のアルキル基であり、そしてR51は前記と同じ意味を有する:

Figure 0004946151
ここに、Aは前記の式(B)で表される基であり;R54はアミノ、炭素数1〜20のアルキルアミノ、モルフォリノ、ピペリジノ、またはピロリジニルであり;pは2〜5の整数であり;そして、hは独立して2〜20の整数である:

Figure 0004946151
ここに、R55は水素またはメチルであり;Aは水素または下記の式(C)で表される基であり;hは独立して2〜20の整数であり;そして、mは2〜20の整数である:

Figure 0004946151
ここに、Aは前記の式(B)で表される基である。
[18] 式(1)および式(4)のそれぞれで表される重合性液晶化合物の混合物の配向がホメオトロピック配向である、[17]項に記載の方法。
本発明の組成物は、第1成分として少なくとも1つの化合物(1)を含有し、第2成分として少なくとも1つの化合物(4)を含有し、そして第3成分として化合物(5)、化合物(6)、化合物(7−1)、化合物(7−2)、化合物(7−3)、化合物(7−4)、化合物(7−5)および化合物(7−6)から選ばれる少なくとも1つの化合物を含有する組成物である。この組成物は室温でネマチック相を有する。この相における配向は主としてホメオトロピックである。この組成物は、支持基板の上で、または配向膜を有する支持基板の上で、ホメオトロピックに配向する。ホメオトロピックに配向させるために、特殊な配向膜を必要としない。−COOH、−NH、−OHのような極性基を表面に有する支持基板(または、配向膜など)は、組成物をホメオトロピックに配向させる傾向が強い。
本発明の組成物の成分である化合物について説明する。
化合物(1)は液晶骨格および2つの重合性基を有する。この重合性化合物の重合体は三次元構造になりうるので、1つの重合性基を有する化合物に比較して硬い重合体を与える。この化合物は、支持基板、添加物などの条件に依存するが、ホモジニアスに配向しやすい。化合物(4)は液晶骨格および1つの重合性基を有する。この化合物は、他の液晶分子のチルト角を大きくする性質を有する。化合物(5)、化合物(6)および化合物(7−1)〜化合物(7−6)は液晶化合物ではない。これらの化合物は紫外線吸収剤やラジカル捕捉剤などに使われる耐候剤である。これらの化合物は支持基板の表面に存在する極性基(水酸基など)と相互作用をする。これらの化合物は液晶分子をホメオトロピックに配向させる効果がある。
本発明の組成物の構成について説明する。
前記のように、この組成物は第1成分として化合物(1)、第2成分として化合物(4)、そして第3成分として化合物(5)、化合物(6)および化合物(7−1)〜化合物(7−6)から選ばれる化合物を含有する。この組成物は少なくとも3つの化合物を含有する。第1成分〜第3成分はそれぞれ複数の化合物であってもよい。この組成物は、化合物(1)および化合物(4)とは異なるその他の重合性化合物を含有してもよい。その他の重合性化合物を加えることにより、特性をさらに調整することができる。この組成物は、重合開始剤、界面活性剤などの添加剤をさらに含有してもよい。
本発明の組成物における成分の割合について説明する。第1成分の好ましい割合は10〜95%であり、より好ましい割合は10〜80%である。第2成分の好ましい割合は5〜30%であり、より好ましい割合は5〜20%である。第3成分の好ましい割合は、第1成分と第2成分の合計量に対する重量比で0.01〜0.30であり、より好ましくは0.03〜0.20であり、さらに好ましくは0.05〜0.15である。
本発明の組成物は、第1成分と第2成分に加えてその他の重合性化合物を含んでもよい。その他の重合性化合物の好ましい添加量は、第1成分と第2成分の合計量に対する重量比で0〜0.20であり、好ましくは0〜0.10である。界面活性剤、重合開始剤などの添加剤の使用量は目的を達する最小量でよい。
化合物(1)および化合物(4)は、有機合成化学における公知の手法を適切に組み合わせることによって合成することができる。出発物質に、目的とする末端基、環、結合基などを導入する方法、または生成する方法は、オーガニック・シンセシーズ(Organic Syntheses, John Wiley & Sons, Inc)、オーガニック・リアクションズ(Organic Reactions, John Wiley & Sons, Inc)、コンプリヘンシブ・オーガニック・シンセシス(Comprehensive Organic Synthesis, Pergamon Press)、新実験化学講座(丸善)などに記載されている。
化合物(1)の合成方法は、国際公開WO01/53248A1パンフレットに記載されている。また、α−フルオロアクリロイルオキシ(CH=CF−COO−)の導入法では、α−フルオロアクリル酸、α−フルオロアクリル酸クロリドを用いることもできるが、α−フルオロアクリル酸フルオリド(CH=CFCOOF)を作用させる方法が有用である。J. Org. Chem., 1989, 54, 5640、特開昭60−158137号公報、特開昭61−85345号公報などにα−フルオロアクリル酸フルオリドの合成法が記載されており、それらの方法に準じて合成が可能である。これらの化合物を出発物質として利用することにより化合物(1)を合成する。
また、上記の化合物の一部については、それらの具体的な合成方法が下記の文献に記載されている。
特開2003−238491公報
特開2004−231638公報
GB2306470B公報
特開昭63−64029号公報
特開2004−175728公報
特開2005−112850公報
特開2005−35985公報
次に、成分化合物を例示する。この例示において、化合物(1)は左右が対称である。これらの化合物は左右が非対称であってもよい。好ましい化合物(1)は、化合物(1−a)、化合物(1−b)、化合物(1−c)などである。

Figure 0004946151
式(1−a)〜式(1−c)において、Xは水素またはフッ素であり、Zは水素、メチル、フッ素、またはトリフルオロメチルであり、Aは下記の1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2−メチル−1,4−フェニレン、2−トリフルオロメチル−1,4−フェニレン、2,3−ビス(トリフルオロメチル)−1,4−フェニレン、9−メチルフルオレン−2,7−ジイル、または9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジイルであり、そしてnは1から10の整数である。

Figure 0004946151
好ましい化合物(4)は、化合物(4−a)、化合物(4−b)、化合物(4−c)などである。

Figure 0004946151
式(4−a)〜式(4−c)において、Xは水素またはフッ素であり、Xは水素またはフッ素であり、Xはトリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、炭素数1〜10のアルキル、または炭素数1〜10のアルコキシであり、Zは水素またはフッ素であり、そしてnは1〜10の整数である。
このような重合性液晶化合物の具体例を次に示す。

Figure 0004946151

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これらの式において、Rは炭素数1〜10のアルキルである。

Figure 0004946151
これらの式において、Rは炭素数1〜10のアルキルである。
式(5)で示される化合物はトリアジン系の化合物である。化合物(5)の具体例を次に示す。

Figure 0004946151

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式(5)におけるR13、R23およびR33の1つが式(A)で示される基である化合物(5)の具体例は、2,4−ジフェニル−6−[2−ヒドロキシ−4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)]フェニル−s−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−[2−ヒドロキシ−4−(2−アクリロイルオキシプロポキシ)]フェニル−s−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)]フェニル−s−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−(2−アクリロイルオキシプロポキシ)]フェニル−s−トリアジン、2,4−ビス(2−メチルフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)]フェニル−s−トリアジン、2,4−ビス(2−メチルフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−(2−アクリロイルオキシプロポキシ)]フェニル−s−トリアジン、2,4−ビス(2−メトキシフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)]フェニル−s−トリアジン、2,4−ビス(2−メトキシフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−(2−アクリロイルオキシプロポキシ)]フェニル−s−トリアジン、2,4−ビス(2−エチルフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)]フェニル−s−トリアジン、2,4−ビス(2−エトキシフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)]フェニル−s−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−[2−ヒドロキシ−4−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)]フェニル−s−トリアジン、2,4−ビス(2−メチルフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)]フェニル−s−トリアジン、2,4−ビス(2−メトキシフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)]フェニル−s−トリアジン、2,4−ビス(2−エチルフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)]フェニル−s−トリアジン、2,4−ビス(2−エトキシフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)]フェニル−s−トリアジン、2,4−ビス(2,4−ジメトキシフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)]フェニル−s−トリアジン、2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)]フェニル−s−トリアジン、2,4−ビス(2,4−ジエトキシフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)]フェニル−s−トリアジン、および2,4−ビス(2,4−ジエチルフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)]フェニル−s−トリアジンである。これらの重合性基を有するトリアジン系化合物の合成方法は、特開2003−128730公報に記載されている。
上記のトリアジン系化合物は単独で用いてもよいし、複数の化合物を混合して用いてもよい。化合物(5−1)〜化合物(5−94)のうち、化合物(5−1)〜化合物(5−3)および化合物(5−5)が好ましく、化合物(5−1)、化合物(5−2)および化合物(5−5)がより好ましい。
式(6)で示される化合物はベンゾトリアゾール系の化合物である。化合物(6)の具体例を次に示す。

Figure 0004946151

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化合物(6)を含む市販品の例は、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のチヌビンPS、チヌビンP、チヌビン99−2、チヌビン109、チヌビン213、チヌビン234、チヌビン326、チヌビン328、チヌビン329、チヌビン384−2、チヌビン571、チヌビン900、チヌビン928、およびチヌビン1130である。これらの市販品を用いてもよい。
式(7−1)〜式(7−6)のそれぞれで示される化合物はヒンダートアミン系の化合物である。化合物(7−1)〜化合物(7−6)の中では、化合物(7−1)〜化合物(7−4)が好ましい。以下の説明では、化合物(7−1)〜化合物(7−6)の総称として化合物(7)を用いることがある。化合物(7)の具体例を次に示す。

Figure 0004946151

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化合物(7)を含む市販品の例は、チバ・スペシャリティ・ケミカル社製のチヌビン123、チヌビン770、チヌビン765、チヌビン780、チヌビン905、キマソーブ119FL、キマソーブ944FL、キマソーブ944LD、旭電化社製のアデカスタブLA−52、アデカスタブLA−57、アデカスタブLA−62、アデカスタブLA−67、サイテック社製のサイアソーブUV−3346(式(7−5)において、AのR51が水素であり、R54がモルフォリノであり、そしてhが6である化合物)、およびグッドリッチ社のグッドライトUV−3034(式(7−2)において、AのR51が水素である化合物)である。これらの市販品を用いてもよい。
次に、その他の重合性化合物および添加剤を例示する。これらの化合物は市販品でもよい。その他の重合性化合物の例は、重合性基を1つ有する化合物、および重合性基を2つ以上有する化合物である。
重合性基を1つ有する化合物の例は、スチレン、核置換スチレン、アクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、ビニルスルホン酸、脂肪酸ビニル(例:酢酸ビニル)、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸(例:アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸など)、(メタ)アクリル酸のアルキルエステル(アルキルの炭素数1〜18)、(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル(ヒドロキシアルキルの炭素数1〜18)、(メタ)アクリル酸のアミノアルキルエステル(アミノアルキルの炭素数1〜18)、(メタ)アクリル酸のエーテル酸素含有アルキルエステル(エーテル酸素含有アルキルの炭素数3〜18、例:メトキシエチルエステル、エトキシエチルエステル、メトキシプロピルエステル、メチルカルビルエステル、エチルカルビルエステル、およびブチルカルビルエステル)、N−ビニルアセトアミド、p−t−ブチル安息香酸ビニル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸ビニル、安息香酸ビニル、ピバリン酸ビニル、2,2−ジメチルブタン酸ビニル、2,2−ジメチルペンタン酸ビニル、2−メチル−2−ブタン酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、2−エチル−2−メチルブタン酸ビニル、ジシクロペンタニルオキシルエチル(メタ)アクリレート、イソボルニルオキシルエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ジメチルアダマンチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、重合度1〜100のポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体等のポリアルキレレングリコ−ルのモノ(メタ)アクリル酸エステル又はジ(メタ)アクリル酸エステル、若しくは末端が炭素原子数1〜6のアルキル基によってキャップされた重合度1〜100のポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、およびエチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体等のポリアルキレングリコ−ルのモノ(メタ)アクリル酸エステルである。
重合性基を2つ以上有する化合物の例は、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレートトリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールEO付加トリアクリレート、ペンタエリストールトリアクリレート、トリスアクリロキシエチルフォスフェート、ビスフェノールA EO付加ジアクリレート、ビスフェノールAグリシジルジアクリレート(大阪有機化学株式会社製、商品名:ビスコート700)、およびポリエチレングリコールジアクリレートなどである。これらの化合物は、重合体の被膜形成能をさらに高めるのに適している。
界面活性剤は、シリコン系、フッ素系、ポリエーテル系、アクリル酸共重合物系、チタネート系等の種々の化合物を用いることができる。界面活性剤は組成物を支持基板などに塗布するのを容易にするなどの効果を有する。界面活性剤の好ましい割合は、界面活性剤の種類、組成物の組成比などにより異なるが、重合性化合物の全重量に基づく重量比で0.0001〜0.05であり、より好ましい重量比は0.001〜0.01である。
重合性液晶組成物の重合速度を最適化するために、公知の光重合開始剤を用いてもよい。光重合開始剤の好ましい添加量は、組成物全量を基準とする割合で、0.01〜10%である。より好ましい割合は0.1〜7%である。光重合開始剤の例は、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、イルガキュアー500、イルガキュアー2959、イルガキュアー907、イルガキュアー369、イルガキュアー1300、イルガキュアー819、イルガキュアー1700、イルガキュアー1800、イルガキュアー1850、ダロキュアー4265、イルガキュアー784、イルガキュアー754、イルガキュアーOXE01、p−メトキシフェニル−2,4−ビス(トリクロロメチル)トリアジン、2−(p−ブトキシスチリル)−5−トリクロロメチル−1,3,4−オキサジアゾール、9−フェニルアクリジン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、および2,4−ジエチルキサントンとp−ジメチルアミノ安息香酸メチルとの混合物である。上記のダロキュアーおよびイルガキュアーはどちらもチバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)から販売されている商品の名称である。これらに公知の増感剤(イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントンなど)を添加してもよい。
光ラジカル重合開始剤のその他の例は、p−メトキシフェニル−2,4−ビス(トリクロロメチル)トリアジン、2−(p−ブトキシスチリル)−5−トリクロロメチル−1,3,4−オキサジアゾール、9−フェニルアクリジン、9,10−ベンズフェナジン、ベンゾフェノン/ミヒラーズケトン混合物、ヘキサアリールビイミダゾール/メルカプトベンズイミダゾール混合物、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2,4−ジエチルキサントン/p−ジメチルアミノ安息香酸メチル混合物、ベンゾフェノン/メチルトリエタノールアミン混合物などである。
重合性液晶組成物には、保存時の重合開始を防止するために重合防止剤を添加することができる。公知の重合防止剤を使用できるが、その好ましい例は、2,5−ジ(t−ブチル)ヒドロキシトルエン(BHT)、ハイドロキノン、メチルブルー、ジフェニルピクリン酸ヒドラジド(DPPH)、ベンゾチアジン、4−ニトロソジメチルアニリン(NIDI)、o−ヒドロキシベンゾフェノンなどである。
重合性液晶組成物の保存性を向上させるために、酸素阻害剤を添加することもできる。組成物内で発生するラジカルは雰囲気中の酸素と反応しパーオキサイドラジカルを与え、重合性化合物との好ましくない反応が促進される。これを防ぐ目的で酸素阻害剤を添加することが好ましい。酸素阻害剤の例はリン酸エステル類である。
重合性液晶組成物の耐候性を更に向上させるために、紫外線吸収剤およびラジカル捕捉剤以外の耐候剤(酸化防止剤等)を添加してもよい。好ましい酸化防止剤の例は、住友化学(株)から販売されているスミライザーBHT、スミライザーBBM−S、およびスミライザーGA−80、並びにチバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)から販売されているIrganox1076、Irganox1010、Irganox3114、およびIrganox245である。
重合性液晶組成物はそのまま基板面に塗布することもある。しかしながら、通常は塗工を容易にするために、溶剤を用いて重合性液晶組成物を希釈するか、または溶剤に重合性液晶組成物の各成分を溶解して、重合性液晶組成物と溶剤とからなる重合性液晶組成物の溶液が調製され、この溶液が用いられる。この溶剤は単独でも使用できるし、2つ以上を混合して使用してもよい。溶剤の例はエステル系溶剤、アミド系溶剤、アルコール系溶剤、エーテル系溶剤、グリコールモノアルキルエーテル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤、ハロゲン化芳香族炭化水素系溶剤、脂肪族炭化水素系溶剤、ハロゲン化脂肪族炭化水素系溶剤および脂環式炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、およびアセテート系溶剤である。
エステル系溶剤の好ましい例は、酢酸アルキル(例:酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸ペンチルおよび酢酸イソペンチル)、トリフルオロ酢酸エチル、プロピオン酸アルキル(例:プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピルおよびプロピオン酸ブチル)、酪酸アルキル(例:酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸ブチル、酪酸イソブチルおよび酪酸プロピル)、マロン酸ジアルキル(例:マロン酸ジエチル)、グリコール酸アルキル(例:グリコール酸メチルおよびグリコール酸エチル)、乳酸アルキル(例:乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸イソプロピル、乳酸n-プロピル、乳酸ブチルおよび乳酸エチルヘキシル)、モノアセチン、γ−ブチロラクトンおよびγ−バレロラクトンである。
アミド系溶剤の好ましい例は、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミドジメチルアセタール、N−メチルカプロラクタムおよびジメチルイミダゾリジノンである。
アルコール系溶剤の好ましい例は、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、t−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、ブタノール、2−エチルブタノール、n−ヘキサノール、n−ヘプタノール、n−オクタノール、1−ドデカノール、エチルヘキサノール、3、5、5−トリメチルヘキサノール、n−アミルアルコール、ヘキサフルオロ−2−プロパノール、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、3−メチル−3−メトキシブタノール、シクロヘキサノールおよびメチルシクロヘキサノールである。
エーテル系溶剤の好ましい例は、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ビス(2−プロピル)エーテル、1,4−ジオキサンおよびテトラヒドロフラン(THF)である。
グリコールモノアルキルエーテル系溶剤の好ましい例は、エチレングリコールモノアルキルエーテル(例:エチレングリコールモノメチルエーテルおよびエチレングリコールモノブチルエーテル)、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル(例:ジエチレングリコールモノエチルエーテル)、トリエチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル(例:プロピレングリコールモノブチルエーテル)、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル(例:ジプロピレングリコールモノメチルエーテル)、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート(例:エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート)、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート(例:ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート)、トリエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート(例:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートおよびプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート)、およびジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート(例:ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)である。
芳香族炭化水素系溶剤の好ましい例は、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、i−プロピルベンゼン、n−プロピルベンゼン、t−ブチルベンゼン、s−ブチルベンゼン、n−ブチルベンゼン、およびテトラリンである。ハロゲン化芳香族炭化水素系溶剤の好ましい例はクロロベンゼンである。脂肪族炭化水素系溶剤の好ましい例は、ヘキサンおよびヘプタンである。ハロゲン化脂肪族炭化水素系溶剤の好ましい例は、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレンおよびテトラクロロエチレンである。脂環式炭化水素系溶剤の好ましい例は、シクロヘキサンおよびデカリンである。
ケトン系溶剤の好ましい例は、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、およびメチルプロピルケトンである。
アセテート系溶剤の好ましい例は、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、アセト酢酸メチル、および1−メトキシ−2−プロピルアセテートである。
重合性液晶化合物の溶解性の観点からは、アミド系溶剤、芳香族炭化水素系、ケトン系溶剤の使用が好ましく、溶剤の沸点を考慮すると、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、エーテル系溶剤、グリコールモノアルキルエーテル系溶剤の併用も好ましい。溶剤の選択に関して特に制限はないが、支持基材として プラスチック基板を用いる場合は、基板の変形を防ぐために乾燥温度を低くすること、および溶剤が基板を侵食しないようにすることが必要である。このような場合に好ましく用いられる溶剤の例は、芳香族炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤、アセテート系溶剤、およびグリコールモノアルキルエーテル系溶剤である。
重合性液晶組成物の溶液における溶剤の割合は、この溶液の全重量を基準として50〜95%である。この範囲の下限は重合性液晶化合物の溶解性およびこの溶液を塗工する際のその最適粘度を考慮した数値である。そしてその上限は、溶剤コストおよび溶剤を蒸発させる際の時間や熱量といった経済的観点を考慮した数値である。この割合の好ましい範囲は60〜90%であり、より好ましい範囲は70〜85%である。
以下の説明では、重合性液晶組成物から得られる本発明の液晶フィルムを単に液晶フィルムと称することがある。液晶フィルムは次のようにして形成させることができる。まず、重合性液晶組成物の溶液を支持基板上に塗布し、これを乾燥させて塗膜を形成させる。つぎに、その塗膜に光照射して重合性液晶組成物を重合させ、塗膜中の組成物が液晶状態で形成するネマチック配向を固定化する。使用できる支持基板は、ガラスおよびプラスチックフィルムである。プラスチックフィルムの例は、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリケトンサルファイド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリアリレート、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリプロピレン、セルロース、トリアセチルセルロースおよびその部分鹸化物、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、およびノルボルネン系樹脂などのフィルムである。
ノルボルネン系樹脂の1つの例は、ジシクロペンタジエン系樹脂であり、その不飽和結合が水素添加されたものが好ましい。例えば、ノルボルネン系モノマーの開環重合体の水素添加物、2種類以上のノルボルネン系モノマーの共重合体の水素添加物、ノルボルネン系モノマーとオレフィン系モノマー(エチレン、α−オレフィンなど)の共重合体の水素添加物、ノルボルネン系モノマーと環状オレフィン系モノマー(シクロペンテン、シクロオクテン、5,6−ジヒドロジシクロペンタジエンなど)との共重合体の水素添加物、およびこれ等の変性物などがある。具体的には、日本ゼオン社製のZEONEXおよびZEONOR、JSR社製のARTON、日立化成社製のOPTOREZ、三井化学社製のAPEL、積水化学工業社製のエスシーナ、チコナ社製のTOPASなどが市販されており、好ましく用いることができる。
これらのプラスチックフィルムは、一軸延伸フィルムであってよく、二軸延伸フィルムであってもよい。これらのプラスチックフィルムは、例えば、コロナ処理やプラズマ処理などの親水化処理、または疎水化処理などの表面処理を施したものであってもよい。親水化処理の方法は特に制限はないが、コロナ処理あるいはプラズマ処理が好ましく、特に好ましい方法はプラズマ処理である。プラズマ処理は、特開2002−226616号公報、特開2002−121648号公報などに記載されている方法を用いてもよい。また、プラスチックフィルムは積層フィルムであってもよい。プラスチックフィルムに代えて、表面にスリット状の溝をつけたアルミニウム、鉄、銅などの金属基板や、表面をスリット状にエッチング加工したアルカリガラス、ホウ珪酸ガラス、フリントガラスなどのガラス基板などを用いることもできる。
これらのガラス、プラスチックフィルム等の支持基板には、重合性液晶組成物の塗膜形成に先立って、ラビング等による物理的、機械的な表面処理が行われてもよい。ホメオトロピック配向の重合性液晶層および液晶フィルムを形成する場合はラビング等の表面処理を行わない場合が多いが、配向欠陥等を防止する点でラビング処理を行ってもよい。ラビング処理には任意の方法が採用できるが、通常はレーヨン、綿、ポリアミドなどの素材からなるラビング布を金属ロールなどに捲き付け、支持基板または重合体被膜に接した状態でロールを回転させながら移動させる方法、ロールを固定したまま支持基板側を移動させる方法などが採用される。
支持基板には、塗膜形成に先立って、ラビング等による機械的な表面処理が行われてもよい。ホメオトロピック配向の重合性液晶層を形成させる場合、およびこの重合性液晶層を重合させてホメオトロピック配向の液晶フィルムを形成する場合は、通常ラビングのような表面処理を行わなくてもよいが、配向欠陥を防止する目的でラビング処理を行ってもよい。ラビング処理は支持基板に直接施されていてもよく、または支持基板上に予め重合体被膜を設け、その重合体被膜にラビング処理を施してもよい。ラビング処理の方法は前述のとおりである。支持基板の種類によっては、その表面に酸化ケイ素を傾斜蒸着して配向能を付与することもできる。
重合性液晶組成物またはその溶液を塗工する際、均一な膜厚を得るための塗布方法の例は、スピンコート法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、メニスカスコート法およびダイコート法である。特に、塗布時に液晶組成物にせん断応力がかかるワイヤーバーコート法等を、ラビング等による基板の表面処理を行わないで液晶組成物の配向を制御する場合に用いてもよい。
重合性液晶組成物の溶液を調製する際には、重合性液晶組成物の第3成分である化合物(5)〜化合物(7)は、予め溶剤で希釈してから用いられてもよい。このような溶剤は第3成分を溶解させる能力を有し、更に本発明の目的である重合性液晶組成物のホメオトロピック配向の安定性および均一性を損なわない溶剤から選択される。このような溶剤の例は、重合性液晶組成物の溶液を調製する際に用いられる前記の溶剤である。そして、その使用量も重合性液晶組成物の安定性を損なわない範囲内で設定される。
本発明の重合性液晶組成物の溶液を塗工するときには、塗布後に溶剤を除去して、支持基板上に膜厚の均一な重合性液晶層、即ち重合性液晶組成物の層を形成させる。溶剤除去の条件は特に限定されない。溶剤がおおむね除去され、重合性液晶組成物の塗膜の流動性がなくなるまで乾燥すればよい。室温での風乾、ホットプレートでの乾燥、乾燥炉での乾燥、温風や熱風の吹き付けなどを利用して溶剤を除去することができる。重合性液晶組成物に用いる化合物の種類と組成比によっては、塗膜を乾燥する過程で、塗膜中の重合性液晶組成物のネマチック配向が完了していることがある。従って、乾燥工程を経た塗膜は、後述する熱処理工程を経由することなく、重合工程に供することができる。しかしながら、塗膜中の液晶分子の配向をより均一化させるためには、乾燥工程を経た塗膜を熱処理し、その後に光重合処理することが好ましい。
塗膜を熱処理する際の温度および時間、光照射に用いられる光の波長、光源から照射する光の量などは、重合性液晶組成物に用いる化合物の種類と組成比、光重合開始剤の添加の有無やその添加量などによって、好ましい範囲が異なる。従って、以下に説明する塗膜の熱処理の温度および時間、光照射に用いられる光の波長、および光源から照射する光の量についての条件は、あくまでもおよその範囲を示すものである。
塗膜の熱処理は、溶剤が除去され重合性液晶の均一配向性が得られる条件で行うことが好ましい。重合性液晶組成物の液晶相転移点以上で行ってもよい。熱処理方法の一例は、前記重合性液晶組成物がネマチック液晶相を示す温度まで塗膜を加温して、塗膜中の重合性液晶組成物にネマチック配向を形成させる方法である。重合性液晶組成物がネマチック液晶相を示す温度範囲内で、塗膜の温度を変化させることによってネマチック配向を形成させてもよい。この方法は、上記温度範囲の高温域まで塗膜を加温することによって塗膜中にネマチック配向を概ね完成させ、次いで温度を下げることによってさらに秩序だった配向にする方法である。上記のどちらの熱処理方法を採用する場合でも、熱処理温度は室温〜120℃である。この温度の好ましい範囲は室温〜90℃であり、より好ましい範囲は室温〜70℃である。熱処理時間は5秒〜2時間である。この時間の好ましい範囲は10秒〜40分であり、より好ましい範囲は20秒〜20分である。重合性液晶組成物からなる層の温度を所定の温度まで上昇させるためには、熱処理時間を5秒以上にすることが好ましい。生産性を低下させないためには、熱処理時間を2時間以内にすることが好ましい。このようにして本発明の重合性液晶層が得られる。
重合性液晶層中に形成された重合性液晶化合物のネマチック配向状態は、この重合性液晶化合物を光照射により重合することによって固定化される。光照射に用いられる光の波長は特に限定されない。電子線、紫外線、可視光線、赤外線(熱線)などを利用することができる。通常は、紫外線または可視光線を用いればよい。波長の範囲は150〜500nmである。好ましい範囲は250〜450nmであり、より好ましい範囲は300〜400nmである。光源の例は、低圧水銀ランプ(殺菌ランプ、蛍光ケミカルランプ、ブラックライト)、高圧放電ランプ(高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ)、ショートアーク放電ランプ(超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、水銀キセノンランプ)などである。光源の好ましい例は、メタルハライドランプやキセノンランプ、超高圧水銀ランプおよび高圧水銀ランプである。光源と重合性液晶層との間にフィルターなどを設置して特定の波長領域のみを通すことにより、照射光源の波長領域を選択してもよい。光源から照射する光量は、2〜5000mJ/cm2である。光量の好ましい範囲は10〜3000mJ/cm2であり、より好ましい範囲は100〜2000mJ/cm2である。光照射時の温度条件は、上記の熱処理温度と同様に設定されることが好ましい。また、重合環境の雰囲気は窒素雰囲気、不活性ガス雰囲気、空気雰囲気のいずれでもよいが、窒素雰囲気あるいは不活性ガス雰囲気が硬化性を向上させる観点から好ましい。
本発明の重合性液晶層、およびこれを光や熱などにより重合させた液晶フィルムを様々な光学素子に用いる場合、または液晶表示装置に用いる光学補償素子として適用する場合には、厚み方向におけるチルト角の分布の制御が極めて重要となる。
チルト角を制御する方法の一つは、重合性液晶組成物に用いる液晶性化合物の種類や組成比などを調整する方法である。この重合性液晶化合物に他の成分を添加することによっても、チルト角を制御することができる。液晶フィルムのチルト角は、重合性液晶組成物中の溶剤の種類や溶質濃度、他の成分の1つとして加える界面活性剤の種類や添加量などによっても制御することができる。支持基板または重合体被膜の種類やラビング条件、重合性液晶組成物の塗膜の乾燥条件や熱処理条件などによっても、液晶フィルムのチルト角を制御することができる。さらに、配向後の光重合工程での照射雰囲気や照射時の温度なども液晶フィルムのチルト角に影響を与える。即ち、液晶フィルムの製造プロセスにおけるほとんど全ての条件が多少なりともチルト角に影響を与えると考えてよい。従って、重合性液晶性組成物の最適化と共に、液晶フィルムの製造プロセスの諸条件を適宜選択することにより、任意のチルト角にすることができる。
ホメオトロピック配向は、チルト角が基板界面から自由界面にかけて一様に85°〜90°に分布している。この配向状態は、第3成分を添加した本発明の重合性液晶組成物の塗膜を支持基板表面に形成させることによって得られる。本発明において均一なホメオトロピック配向を得るためには、第3成分の使用割合を、前記のように重合性液晶化合物の合計量に対する重量比で0.01〜0.30にすることが好ましい。この割合のより好ましい範囲は0.03〜0.20であり、さらに好ましい範囲は0.05〜0.15である。化合物(5)の好ましい例は水酸基を有する化合物である。そして、前記の化合物(5−1)〜化合物(5−5)が好ましく、化合物(5−1)、化合物(5−2)、および化合物(5−5)がより好ましい。化合物(6)の好ましい例は、化合物(6−2)および化合物(6−9)である。化合物(7)の好ましい例は、化合物(7−1−1)、化合物(7−3−1)、化合物(7−4−1)、および化合物(7−4−2)である。
ホメオトロピック配向の均一性および支持基板との密着性を両立させる点から、第3成分である化合物(5)、化合物(6)および化合物(7)を複数種併用して用いてもよい。第3成分は重合性液晶組成物に直接、または溶剤等で希釈して添加することができる。また、重合性液晶化合物の種類または重合性液晶組成物の組成によっては上記方法においても均一なホメオトロピック配向を形成しにくい場合がある。この場合はホモジニアス配向性またはチルト配向性が強いと考えられるため、第3成分の添加量を増加させるか、またはその重合性化合物を必要最小量まで減らすなどの最適化により、均一なホメオトロピック配向が得られる。このようなホメオトロピック配向は支持基板の表面が親水化処理等により極性を有していれば、ラビング等により処理されていなくても得ることができる。ラビング処理を行わないで塗膜した際に配向欠陥等が生じたりする場合には、ラビング処理等を行うと均一なホメオトロピック配向が得られる。
一方、垂直配向剤を支持基板上に形成する場合は、オクタデシルトリエトキシシランなどのシランカップリング剤、レシチン、クロム錯体、垂直配向用のポリイミド系配向膜、ポリアミック酸配向膜の低温(180℃以下)焼成膜、水溶性シルセスキオキサン膜などの利用が挙げられる。さらに電場や磁場などを用いてチルト角を制御することも可能である。配向欠陥の無いホメオトロピック配向を得るために、支持基板の表面をラビングのような機械的手段を用いて配向処理してもよい。
液晶フィルムにおける上記の各配向形態の均一性は、使用される重合性液晶化合物の構造を適宜選択することにより向上する場合がある。本発明においては、2官能型の重合性液晶化合物において、メソゲン骨格にエステル基、アルキルエステル基、またはシンナメート基が含まれる場合、および重合性基にフッ素原子を有する場合に安定して得られることが認められている。それらのうち、好ましい化合物は、化合物(1−4)、化合物(1−5)、化合物(1−9)、化合物(1−10)、化合物(1−14)、化合物(1−15)、化合物(1−17)、化合物(1−18)、化合物(1−21)、化合物(1−23)、化合物(1−2−1)、化合物(1−3−1)、化合物(4−1−1)、および化合物(4−2−1)などである。
液晶フィルムの厚さは、目的とする素子に応じたレタデーションや液晶フィルムの複屈折率によって適当な厚さが異なる。従って、その範囲を厳密に決定することはできないが、好ましい液晶フィルムの厚さは、一応0.05〜50μmである。そして、より好ましい範囲は0.1〜20μmであり、さらに好ましい範囲は0.5〜10μmである。液晶フィルムの好ましいヘイズ値は1.5%以下であり、好ましい透過率は80%以上である。より好ましいヘイズ値は1.0%以下であり、より好ましい透過率は95%以上である。透過率については、可視光領域でこれらの条件を満たすことが好ましい。
液晶フィルムは、液晶表示素子(特に、アクティブマトリックス型およびパッシブマトリックス型の液晶表示素子)に適用する光学補償素子として有効である。この液晶フィルムを光学補償膜として使用するのに適している液晶表示素子の型の例は、IPS型(イン・プレーン・スイッチング)、OCB型(光学的に補償された複屈折)、TN型(ツィステッド・ネマティック)、STN型(スーパー・ツィステッド・ネマティック)、ECB型(電気的に制御された複屈折)、DAP型(整列相の変形効果)、CSH型(カラー・スーパー・ホメオトロピック)、VAN/VAC型(垂直配向したネマチック/コレステリック)、OMI型(光学モード干渉)、SBE型(超複屈折効果)などである。さらにゲスト−ホスト型、強誘電性型、反強誘電性型などの表示素子用の位相レターダーとして、この液晶フィルムを使用することもできる。なお、液晶フィルムに求められるチルト角の厚み方向の分布や厚みなどのパラメーターの最適値は、補償すべき液晶表示素子の種類とその光学パラメーターに強く依存するので、素子の種類によって異なる。
液晶フィルムは、偏光板などと一体化した光学素子としても使用することができ、この場合は液晶セルの外側に配置させられる。しかしながら、光学補償素子としての液晶フィルムは、セルに充填された液晶への不純物の溶出がないかまたは少ないので、液晶セルの内部に配置させることも可能である。重合性液晶組成物を使用する際にフォトリソグラフィー技術を適用すれば、液晶表示素子の青、緑、赤などの波長域の異なる画素ごとに、または1画素を分割して区分された所定の領域に、光学パラメーターの異なる液晶フィルムから成る光学補償層を配置することができる。例えば、特開2001−222009公報に開示されている方法を応用すれば、1画素を反射表示部と、液晶フィルムからなる1/4λ板を配置した透過表示部に分割することによって、光利用効率が改善された半透過反射型液晶表示素子を構築することができる。即ち、液晶表示素子の表示性能を更に向上させることが可能である。
重合性液晶組成物が非重合性の低分子液晶を含有するとき、これを用いて高分子分散型液晶表示素子またはホログラフィック高分子分散型液晶表示素子を製造することができる。重合性液晶組成物が強誘電性液晶または反強誘電性液晶を含有するとき、これを用いて高分子安定化強誘電性液晶表示素子または高分子安定化反強誘電性液晶表示素子を製造することができる。これらの素子に関する素子自体の具体的な構築方法は以下の文献に記載されている。
特開平6−340587号公報.
IDW '98, P.105, 1998.
J. of Photopoly. Sci. Technol., 295-300, 13(2),(2000).
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。実施例における評価法を次に示す。
(1)重合条件:窒素雰囲気下において、室温で250Wの超高圧水銀灯を用いて30mW/cm(365nm)の強度の光を30秒間照射。
(2)液晶配向状態の確認:クロスニコルに配置した2枚の偏光板内に得られた液晶フィルム付基板を挟持して、基板を正面から観察すると暗視野であり、上下左右の方向から観察すると明視野であることが確認されたならば、液晶骨格の配向ベクトルがガラス基板に対して垂直であることを示す為、ホメオトロピック配向であると判断した。ホメオトロピック配向の均一性は、2枚の偏光板をクロスニコルの状態にし、その間に液晶フィルム付基板を入れ、正面から観察した場合に、液晶の配向欠陥由来の光りぬけが目視で確認されないとき(暗視野)を均一配向の状態とした。支持基板にはガラスを用いた。ガラス上に重合性液晶組成物を塗膜・配向させ、上記重合条件下で重合させることによって得た。
(3)溶液の安定性の確認:室温状態で24時間放置したあとの溶液の色合いを目視で確認した。
[合成例1]
<化合物(1−17)の合成>

Figure 0004946151


(第1段階)
エタノール(1,500ml)に3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸(1150g)を加えた溶液を撹拌しながら、硫酸(230g)を10分かけて滴下して、その後5時間還流させた。反応混合物を濃縮し、得られた濃縮液を水(1,000ml)に注ぎ入れ、酢酸エチルを加えて攪拌した。分液した後、酢酸エチル層を飽和炭酸ナトリウム溶液で中和し、少量の水で水洗した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この酢酸エチル層から酢酸エチルおよび未反応成分を溶剤留去して、1400gの濃縮物が得られた。濃縮物を減圧蒸留により精製して1,144gの3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸エチルを得た。沸点は160℃/4.0hPaであった。
(第2段階)
アイスバスで10℃に冷却した無水酢酸(1,200ml)に6−クロロヘキサノール(800g)を加え、次にピリジン(934g)を10分かけて滴下した。敵下後、2時間還流させた。反応溶液を水に注ぎ、そこにトルエンを加えて撹拌した。トルエン層を分液して、これを飽和炭酸ナトリウム水溶液で中和し、少量の水で水洗した。その後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。このトルエン層からトルエンおよび未反応成分を溶剤留去して濃縮物を得た。この濃縮物を減圧蒸留で精製して983gの6−アセトキシクロロへキサンを得た。沸点は82℃/5.3hPaであった。
(第3段階)
3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸エチル(400g)をジメチルホルムアミド(2,800ml)に溶かした。そこへ水酸化ナトリウム(98g)を加え、40℃で30分撹拌した。塩の生成が目視で観察できた。6−アセトキシクロロヘキサン(515g)を加え80℃で7時間撹拌した。反応混合物を水(2,000ml)に注ぎ、そこにトルエンを加えて攪拌した。分液した後、トルエン層を6N塩酸、飽和炭酸ナトリウム溶液、水の順番で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。このトルエン層から溶剤を留去して709gの濃縮物を得た。水酸化ナトリウム(185g)を水(400ml)に溶かし、そこへエタノール(600ml)と濃縮物709gを加えて加熱し、2時間還流させた。エバポレーターを用いて減圧下に反応混合物を濃縮し、得られた濃縮物を6N塩酸に注いだ。得られたスラリーをろ過して固形物を得、これをエタノールで再結晶して281gの(4−(6−ヒドロキシヘキシルオキシ)フェニル)プロピオン酸を得た。(融点:109〜112℃)
(第4段階)
(4−(6−ヒドロキシヘキシルオキシ)フェニル)プロピオン酸(200g)、N,N−ジメチルアニリン(100g)およびBHT(0.3g)をジオキサン(1,000ml)に溶かした。そこへアクリル酸クロリド(74.3g)を10分かけて滴下し、60℃で5時間かくはんした。反応溶液を水に注ぎ、酢酸エチルを加えて攪拌した。酢酸エチル層を分液した後、水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この酢酸エチル層から溶剤を留去して固形物を得た。この固形物をトルエンに溶解し、多量のヘプタンに注いで再沈殿させて、213gの(4−(6−アクリロイルオキシヘキシルオキシ)フェニル)プロピオン酸を得た。(融点:64〜68℃)
(第5段階)
(4−(6−アクリルオキシヘキシルオキシ)フェニル)プロピオン酸(150g)、2,3−ビス(トリフルオロメチル)ハイドロキノン(52.2g)、BHT(0.75g)、ジメチルアミノピリジン(15g)を塩化メチレン(900ml)に溶解した。この溶液に、DCC(N、N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド)(100g)を塩化メチレン(300ml)に溶かした溶液を1時間かけて滴下した。更に2時間撹拌した後、水を加えて分液した。塩化メチレン層を6N塩酸、10%水酸化ナトリウム水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この塩化メチレン層から得られた濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して125gの化合物(1−17)を得た。
[合成例2]
<化合物(1−2−1)の合成>

Figure 0004946151
(第1段階)
4−[6−(アクリロイルオキシ)ヘキシルオキシ]安息香酸はMakromol. Chem., 190, 2255〜2268ページ、1989年に記載された方法で合成した。
(第2段階)
窒素雰囲気下、ジクロロメタン100mLに4−[6−(アクリロイルオキシ)ヘキシルオキシ]安息香酸(AK1)6.0g、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン3.2g、4−ジメチルアミノピリジン0.06gを加え、氷冷下N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド4.1gのジクロロメタン50mL溶液を滴下し室温で12時間撹拌した。ウレアをろ過し、ろ液に水を加え、塩酸、水酸化ナトリウム水溶液、水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶剤を留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(トルエン/酢酸エチル=19/1)で分取後、トルエンとエタノールの混合溶剤により再結晶し、4.3gの化合物(1−2−1)を得た。(融点:93−95℃)
[合成例3]
<1−3−1の合成>

Figure 0004946151

窒素雰囲気下、ジクロロメタン50mLに4−[6−(アクリロイルオキシ)ヘキシルオキシ]安息香酸(AK1)2.0g、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン0.8g、4−ジメチルアミノピリジン0.02gを加え、氷冷下N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド1.4gのジクロロメタン20mL溶液を滴下し室温で12時間撹拌した。ウレアをろ過し、ろ液に水を加え、塩酸、水酸化ナトリウム水溶液、水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶剤を留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(トルエン/酢酸エチル=9/1)で分取後、トルエンとエタノールの混合溶剤により再結晶し、1.76gの化合物(1−3−1)を得た。
(融点:85−88℃)
[合成例4]
<化合物(1−21)の合成>
下記のスキームにより化合物(1−21)を合成した。

Figure 0004946151

(第1段階)
化合物(ex4−1)(25mmol)、2−メチル−ヒドロキノン(10mmol)および4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)(6mmol)をジクロロメタン(75ml)に加え、窒素雰囲気下で撹拌した。そこへ、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)(25mmol)のジクロロメタン(25ml)溶液を滴下した。滴下後、室温で10時間撹拌した。析出した沈殿物を濾別し、有機層を水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶剤を留去し、残査をカラムクロマトグラフィーで精製し、粗製の化合物(ex4−2)(6mmol)を得た。
(第2段階)
化合物(ex4−2)(6mmol)と希塩酸をアセトン(50ml)に加え、窒素雰囲気下、室温で5時間攪拌した。水を加え、酢酸エチルで抽出した。水で洗浄し後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶剤を留去し、粗製の化合物(ex4−3)(6mmol)を得た。
(第3段階)
窒素雰囲気下、化合物(ex4−3)(6mmol)のN,N−ジメチルホルミアミド(60ml)溶液を−20℃に冷却した。そこへ、α−フルオロアクリル酸フルオリド(36mmol)のN,N−ジメチルホルミアミド(30ml)溶液を滴下した。室温で3時間攪拌し、水を加え、トルエンで抽出した。有機層を水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶剤を留去し、残査をカラムクロマトグラフィーおよび再結晶で精製し、化合物(1−21)(5mmol)を得た。
C 58.9 N 108.5 I
[MIX1]

Figure 0004946151
化合物(1−9)は特開2003−238491公報に記載の方法で合成した。
化合物(4−1−1)はMacromolecules, 3938-3943, (23), (1990)に記載の方法で合成した。
上記の混合物MIX1に対して、重量比0.03の重合開始剤イルガキュアー907、およびトリアジン系化合物として重量比0.10のチヌビン400(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ(株)製)を添加した。この組成物にシクロヘキサノンを加えて、溶剤の割合が85重量%である重合性液晶組成物の溶液を得た。これを組成物溶液(1)とする。なお、チヌビン400はトリアジン系化合物(5−1)と化合物(5−2)の混合物に1−メトキシ−2−プロパノールを加えたものであり、重量比はトリアジン化合物:1−メトキシ−2−プロパノール=85:15である。
次に、この組成物溶液(1)を、ガラス基板(松波スライドガラス:S−1112)上にスピンコートにより塗布した。この基板を70℃で3分間加熱し、溶剤が除去された塗膜を紫外線により窒素気流下で重合させて、均一なホメオトロピック配向を有する液晶フィルムを得た。この組成物溶液(1)の保存安定性は良好であり、その色合いの変化はほとんど観察されなかった。
混合物MIX1に対して、重量比0.03の重合開始剤イルガキュアー907および重量比0.03のチヌビン400を添加したこと以外は実施例1と同様にして、組成物溶液(2)を調製し、この組成物溶液(2)から液晶フィルムを得た。この液晶フィルムは均一なホメオトロピック配向であった。組成物溶液(2)の保存安定性は良好であり、その色合いの変化はほとんど観察されなかった。
混合物MIX1に対して、イルガキュアー907に替えて重量比0.03の重合開始剤イルガキュアー819を加えたこと以外は実施例1と同様にして、組成物溶液(3)を調製し、この組成物溶液(3)から液晶フィルムを得た。この液晶フィルムは均一なホメオトロピック配向であった。組成物溶液(3)の保存安定性は良好であり、その色合いの変化はほとんど観察されなかった。
混合物MIX1に対して重量比0.05の重合開始剤イルガキュアー907を加えたこと以外は実施例1と同様にして、組成物溶液(4)を調製し、この組成物溶液(4)から液晶フィルムを得た。この液晶フィルムは均一なホメオトロピック配向であった。組成物溶液(4)の保存安定性は良好であり、その色合いの変化はほとんど観察されなかった。
シクロヘキサノンに替えて、トルエン/シクロヘキサノン混合溶剤(重量比=1/1)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、組成物溶液(5)を調製し、この組成物溶液(5)から液晶フィルムを得た。この液晶フィルムは均一なホメオトロピック配向であった。組成物溶液(5)の保存安定性は良好であり、その色合いの変化はほとんど観察されなかった。
シクロヘキサノンに替えて、トルエン/乳酸エチル混合溶剤(重量比=1/1)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、組成物溶液(6)を調製し、この組成物溶液(6)から液晶フィルムを得た。この液晶フィルムは均一なホメオトロピック配向であった。組成物溶液(6)の保存安定性は良好であり、その色合いの変化はほとんど観察されなかった。
[比較例1]
チヌビン400を添加しないこと以外は実施例1と同様にして、組成物溶液(7)を調製し、この組成物溶液(7)から液晶フィルムを得たが、この液晶フィルムはランダム配向であった。
[MIX2]

Figure 0004946151
上記の混合物MIX2を用いたこと以外は実施例1と同様にして、組成物溶液(8)を調製し、この組成物溶液(8)から液晶フィルムを得た。この液晶フィルムは均一なホメオトロピック配向であった。この組成物溶液(8)の保存安定性は良好であり、その色合いの変化はほとんど観察されなかった。
シクロヘキサノンに替えて、シクロヘキサノン/プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート混合溶剤(重量比=7/3)を用いたこと以外は実施例7と同様にして、組成物溶液(9)を調製し、この組成物溶液(9)から液晶フィルムを得た。この液晶フィルムは均一なホメオトロピック配向であった。この組成物溶液(9)の保存安定性は良好であり、色合いの変化はほとんど観察されなかった。
トリアジン系化合物として化合物(5−5)を用いたこと以外は実施例1と同様にして組成物溶液(10)を調製し、この組成物溶液(10)から液晶フィルムを得た。この液晶フィルムは均一なホメオトロピック配向であった。組成物溶液(10)の保存安定性は良好であり、その色合いの変化はほとんど観察されなかった。
重合性液晶化合物(1−17)に替えて、化合物(1−2−1)を用い、組成比を以下のようにしたこと以外は実施例1と同様にして、組成物溶液(11)を調製し、この組成物溶液(11)から液晶フィルムを得た。この液晶フィルムは均一なホメオトロピック配向であった。組成物溶液(11)の保存安定性は良好であり、その色合いの変化はほとんど観察されなかった。
[MIX3]

Figure 0004946151
重合性液晶化合物(1−17)に替えて重合性液晶化合物(1−3−1)を用い、組成比を以下のようにしたこと以外は実施例1と同様にして、組成物溶液(12)を調製し、この組成物溶液(12)から液晶フィルムを得た。この液晶フィルムは均一なホメオトロピック配向であった。組成物溶液(12)の保存安定性は良好であり、その色合いの変化はほとんど観察されなかった。
[MIX4]

Figure 0004946151
MIX4を用い、TINUVIN384−2(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ(株)製)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、組成物溶液(13)を調製し、この組成物溶液(13)から液晶フィルムを得た。この液晶フィルムは均一なホメオトロピック配向であった。組成物溶液(13)の保存安定性は良好であり、その色合いの変化はほとんど観察されなかった。なお、TINUVIN384−2はベンゾトリアゾール系化合物(6−9)および1−メトキシ−2−プロピルアセテートの混合物であり、重量比は化合物(6−9):1−メトキシ−2−プロピルアセテート=95:5である。
実施例12と同様にしてMIX4を調製し、化合物(7−4−1)(アデカスタブLA−57(旭電化社製))を用いたこと以外は実施例1と同様にして、組成物溶液(14)を調製し、この組成物溶液(14)から液晶フィルムを得た。この液晶フィルムは均一なホメオトロピック配向であった。組成物溶液(14)の保存安定性は良好であり、その色合いの変化はほとんど観察されなかった。
実施例12と同様にしてMIX4を調製し、化合物(7−4−2)(アデカスタブLA−52(旭電化社製))を用いたこと以外は実施例1と同様にして、組成物溶液(15)を調製し、この組成物溶液(15)から液晶フィルムを得た。この液晶フィルムは均一なホメオトロピック配向であった。組成物溶液(15)の保存安定性は良好であり、その色合いの変化はほとんど観察されなかった。
実施例12と同様にしてMIX4を調製し、化合物(7−3−1)(TINUVIN144(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ(株)製))を用いたこと以外は実施例1と同様にして、組成物溶液(16)を調製し、この組成物溶液(16)から液晶フィルムを得た。この液晶フィルムは均一なホメオトロピック配向であった。組成物溶液(16)の保存安定性は良好であり、その色合いの変化はほとんど観察されなかった。
重合性液晶化合物(4−1−1)に替えて重合性液晶化合物(4−2−1)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、組成物溶液(17)を調製し、この組成物溶液(17)から液晶フィルムを得た。この液晶フィルムは均一なホメオトロピック配向であった。組成物溶液(17)の保存安定性は良好であり、その色合いの変化はほとんど観察されなかった。
MIX5を用い、重合性液晶化合物(1−10)をさらに加えて組成比を以下のようにしたこと以外は実施例1と同様にして、組成物溶液(18)を調製し、この組成物溶液(18)から液晶フィルムを得た。この液晶フィルムは均一なホメオトロピック配向であった。組成物溶液(18)の保存安定性は良好であり、その色合いの変化はほとんど観察されなかった。
[MIX5]

Figure 0004946151
[比較例2〜5]
MIX2〜MIX5をそれぞれ用い、第3成分を加えず、溶媒をシクロヘキサノンとした以外は実施例1と同様にして液晶フィルムを得たが、これらの液晶フィルムはいずれもランダム配向であった。
上記の実施例および比較例の結果から、本発明の重合性液晶組成物から得られる液晶フィルムは、均一なホメオトロピック配向性を示し、この重合性液晶組成物と溶剤とからなる溶液の保存安定性に問題がないこともわかる。
本発明により、保存安定性に優れた重合性液晶組成物を得ることができ、そしてこの重合性液晶組成物から均一なホメオトロピック配向性を示す液晶フィルムを得ることができる。

Claims (15)

  1. 第1成分として式(1)で表される少なくとも1つの化合物、第2成分として式(4)で表される少なくとも1つの化合物、並びに第3成分として式(5)、式(6)、式(7−3)および式(7−4)のそれぞれで表される化合物の群から選ばれる少なくとも1つの化合物を含有する重合性液晶組成物:

    Figure 0004946151
    ここに、Zは独立して水素またはフッ素あり;Xは独立して水素またはフッ素あり;A−メチル−1,4−フェニレン、,3−ビス(トリフルオロメチル)−1,4−フェニレン、9−メチルフルオレン−2,7−ジイル、9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジイル、式(2)で表される2価の基、または式(3)で表される2価の基であり;Yは独立して−COO−、−OCO−、−CHCHCOO−、または−OCOCHCHあり;そして、nは独立して1〜の整数である:

    Figure 0004946151
    ここに、Zは水素あり;Xあり;Xあり;Xアノあり;Yは単結合あり;そして、nは1〜の整数である:

    Figure 0004946151
    ここに、R11、R15、R21、R25、R31およびR35は、独立して水素、水酸基、またはメチルであり12、R14、R22、R24、R32およびR34は、あり13、R23およびR33は、独立して水素、または炭素数1〜17のアルコキシあり、そしてこのアルコキシにおいて、1つの水素は水酸基で置き換えられてもよく、任意の−CH−は−O−置き換えられてもよく

    Figure 0004946151

    ここに、R41 はターシャリーブチルであり、R 42 、R 44 、R 45 、およびR 46 は水素であり、R 43 は炭素数11のアルキルであって、このアルキルにおいて、1つの−CH−は−COO−または−OCO−で置き換えられてもよ

    Figure 0004946151

    ここに、R51メチルであり; 52 素数1〜のアルキルである:

    Figure 0004946151
    ここに、R53 式(B)で表される基であって、して、R51は水素またはメチルである
  2. 式(1)において、Zが独立して水素、またはフッ素あり;Xが独立して水素、またはフッ素あり;Aが2−メチル−1,4−フェニレン、2,3−ビス(トリフルオロメチル)−1,4−フェニレン、9−メチルフルオレン−2,7−ジイル、9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジイル、式(2)で表される2価の基、または式(3)で表される2価の基であり;Yが独立して−COO−、−OCO−、−CHCHCOO−、または−OCOCHCHあり;そして、nが独立して1〜の整数であり:
    式(4)において、Zが水素あり;Xあり;Xあり;Xアノであり;Yが単結合あり;そして、nが1〜の整数であり:
    式(5)において、R11、R15、R21、R25、R31およびR35が独立して水素、水酸基、またはメチルであり;R12、R14、R22、R24、R32およびR34あり;R13、R23およびR33が独立して水素、1〜17の炭素原子を有しかつ少なくとも1つの水酸基を有するアルコキシあり;
    (6)において、R41 はターシャリーブチルであり、R42 は水素、R43、R44、R45、およびR46が独立して水素または炭素数11のアルキルであり、このアルキルにおいて、1つの−CH−は−COO−または−OCO−で置き換えられてもよい:
    式(7−式(7−)において、R51メチルであり;R52素数1〜のアルキルであり;R53は式(B)で表される基である、請求項1に記載の重合性液晶組成物。
  3. 第3成分の割合が、第1成分と第2成分の合計量に対する重量比で0.01〜0.30である、請求項1〜のいずれか1項に記載の重合性液晶組成物。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の重合性液晶組成物をガラス基板またはプラスティック基板上に直接塗布して得られる重合性液晶層。
  5. プラスティック基板が、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリケトンサルファイド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリアリレート、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリプロピレン、セルロース、トリアセチルセルロース、トリアセチルセルロースの部分鹸化物、エポキシ樹脂、フェノール樹脂およびノルボルネン系樹脂から選ばれるいずれか1つを原料として得られる基板である、請求項に記載の重合性液晶層。
  6. 基板がその表面をラビング処理されたものである、請求項またはに記載の重合性液晶層。
  7. 基板がその表面をコロナ処理またはプラズマ処理されたものである、請求項のいずれか1項に記載の重合性液晶層。
  8. 重合性液晶層中の液晶骨格の配向状態がホメオトロピック配向である、請求項のいずれか1項に記載の重合性液晶層。
  9. 請求項のいずれか1項に記載の重合性液晶層を重合させて得られる液晶フィルム。
  10. 請求項に記載の液晶フィルムの少なくとも1つを有する光学補償素子。
  11. 請求項に記載の液晶フィルムの少なくとも1つと偏光板とを有する光学素子。
  12. 請求項10に記載の光学補償素子を液晶セルの内面または外面に有する液晶表示装置。
  13. 請求項11に記載の光学素子を液晶セルの内面または外面に有する液晶表示装置。
  14. 式(5)、式(6)、式(7−3)および式(7−4)のそれぞれで表される化合物の少なくとも1つを用いることを特徴とする、式(1)および式(4)のそれぞれで表される重合性液晶化合物の混合物の配向を制御する方法:

    Figure 0004946151
    ここに、Zは独立して水素またはフッ素であり;Xは独立して水素またはフッ素であり;A−メチル−1,4−フェニレン、,3−ビス(トリフルオロメチル)−1,4−フェニレン、9−メチルフルオレン−2,7−ジイル、9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジイル、式(2)で表される2価の基、または式(3)で表される2価の基であり;Yは独立して−COO−、−OCO−、−CHCHCOO−、または−OCOCHCHあり;そしてnは独立して1〜の整数である:

    Figure 0004946151
    ここに、Zは水素あり;Xあり;Xあり;Xアノあり;Yは単結合あり;そして、nは1〜の整数である:

    Figure 0004946151
    ここに、R11、R15、R21、R25、R31およびR35は、独立して水素、水酸基、またはメチルであり;R12、R14、R22、R24、R32およびR34は、あり13、R23およびR33は、独立して水素、または炭素数1〜17のアルコキシ、あり、そしてこのアルコキシにおいて、1つの水素は水酸基で置き換えられてもよく、任意の−CH−は−O−置き換えられてもよく、

    Figure 0004946151

    ここに、R41 はターシャリーブチルであり、R 42 、R 44 、R 45 、およびR 46 は水素であり、R 43 は炭素数11のアルキルであって、このアルキルにおいて、1つの−CH−は−COO−または−OCO−で置き換えられてもよ

    Figure 0004946151

    ここに、R51メチルであり; 52 素数1〜のアルキルである:

    Figure 0004946151
    ここに、R53 式(B)で表される基であり、してR51は水素またはメチルである。
  15. 式(1)および式(4)のそれぞれで表される重合性液晶化合物の混合物の配向がホメオトロピック配向である、請求項14に記載の方法。
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