JP4792731B2 - 重合性液晶組成物及び当該組成物の硬化物 - Google Patents

重合性液晶組成物及び当該組成物の硬化物 Download PDF

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本発明は重合性を有する液晶組成物、及びこれの硬化物に関する。
重合性官能基を有する液晶(以下、重合性液晶という)は、液晶としての性質とモノマーとしての性質を持つ。液晶としての性質を利用して配向させ、これに紫外線(UV)を照射すると、その配向状態を固定化した高分子を作製できる。液晶は種々の配向状態を容易に得ることが可能であるため、配向制御が必要な高分子、例えば位相差フィルム、偏光ビームスプリッター、光学的ローパスフィルター、ホログラム素子などの作製原料として有用である。
このような応用の際、耐UV性は重要である。耐UV性が良好でないと、UVへの暴露によって黄変や、位相差などの光学パラメータの変化を引き起こしてしまう。
通常のモノマーの技術分野では、モノマーに紫外線吸収剤を添加することによって耐UV性を向上させている。重合性液晶材料の技術分野でも、紫外線吸収剤の使用が技術文献1及び2に開示されている。しかしながら、紫外線吸収剤を添加すると、高分子を作製する際の紫外線照射において、重合・硬化が著しく阻害されるため、紫外線照射による重合を迅速に行うための光重合開始剤の添加量を、紫外線吸収剤を添加していない場合と比較して著しく増やす必要があるという問題があった。光重合開始剤の添加量の増加は、例えば、液晶温度範囲を狭くしたり、複屈折率が小さくしてしまう。また、重合性液晶組成物が重合しやすくなるため、保存安定性を悪化させてしまうという問題があった。
特開平9−244031 特開表11−501360
本発明が解決しようとする課題は、重合性液晶組成物の紫外線による重合・硬化が著しく阻害されず、光重合開始剤の添加量を著しく増やす必要がなく、また、保存安定性を悪化させることなく重合性液晶組成物の硬化物の耐UV性を改善すること、及び耐UV性が改善した重合性液晶組成物の硬化物を提供することにある。
上記課題を解決するために鋭意検討した結果、重合性液晶組成物にラジカル捕獲剤を添加すれば良いことを見出した。即ち、本発明はラジカル捕獲剤を含有することを特徴とする重合性液晶組成物及び当該組成物の硬化物を提供する。
本願発明の重合性液晶組成物は、光重合開始剤の添加量を著しく増やすこと無く当該組成物の硬化物の耐UV性を改善することが可能であり、位相差フィルム、偏光ビームスプリッター、光学的ローパスフィルター、ホログラム素子などの作製原料として有用である。
ラジカル捕獲剤とはラジカル捕捉剤とも称し、反応中に生じるラジカルを効率よく捕らえるために用いられる化合物を指す。ラジカル捕獲剤の少量の添加により、ラジカル連鎖反応の反応速度を低下するか又は停止することが可能であり、ラジカル連鎖反応に起因する重合性液晶組成物の硬化物の分解反応を抑制することが可能となる。ラジカル捕獲剤はこの目的には安定なラジカルが一般に用いられる。
ラジカル捕獲剤は多くの種類が知られているが、重合性液晶組成物との親和性を考慮して選択することが好ましい。そのため、ラジカル捕獲剤の分子量は1000以下であることが好ましく、800以下がより好ましく、600以下が特に好ましい。具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ターシャーリーブチル基などの置換基を配したフェノール性水酸基を有する化合物、もしくはアミンをあげることができる。特に、嵩高い置換を配したアミンはヒンダードアミンと呼ばれており、本発明の用途に有用である。アミンとしては2級アミンが好ましく、3級アミンが特に好ましい。ヒンダードアミンの具体的な構造としては、一般式(I)
Figure 0004792731
(式中、Rは水素原子もしくは炭素原子数1から5のアルキル基を表す。右端で連結するものとする)で表される部分構造を有していることが好ましい。このような化合物の具体的な例としては、式(I−1)および式(I−2)の化合物を例示することができる。
Figure 0004792731
(式中、Rは炭素原子数11から20のアルキル基を表す)
ラジカル捕獲剤の濃度は、重合性液晶組成物中で0.01から0.5質量%の範囲であることが好ましい。
添加する光重合開始剤の濃度は、0.01から7質量%が好ましい。光重合開始剤の添加濃度は、開始剤の種類や硬化プロセスによって変化するが、ラジカル捕獲剤を添加しない場合の最適濃度より、0.1〜2%増すのが好ましい。例えば、光重合開始剤として添加濃度が低くて良いアシルフォスフィンオキシド系化合物、例えば、商品名としてTPO(バスフ社製)、Irgacure-819(チバスペシャリティケミカルズ社製)などを使用する場合、添加濃度は0.05から2質量%が好ましく、0.1から1.5質量%がさらに好ましく、0.2〜1質量%が特に好ましい。また、酸素阻害を受けにくく、重合の際の空気中でも硬化させることが可能な開始剤、例えば、商品名としてIrgacure-907(チバスペシャリティケミカルズ製などを使用する場合、添加濃度は2から7質量%が好ましく、3から6.5質量%がさらに好ましく、4〜6質量%が特に好ましい。
本発明の重合性液晶組成物に含有される重合性液晶化合物としては、この技術分野で重合性液晶と認識されるものであれば特に制限なく使用することができる。このような重合性液晶化合物としては、一般式(II)
Figure 0004792731
(式中、A1、A2及びA3はそれぞれ独立的に、1,4-フェニレン基、1,4-シクロヘキシレン基、1,4-シクロヘキセニル基、テトラヒドロピラン-2,5-ジイル基、1,3-ジオキサン-2,5-ジイル基、テトラヒドロチオピラン-2,5-ジイル基、1,4-ビシクロ(2,2,2)オクチレン基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、ピリジン-2,5-ジイル基、ピリミジン-2,5-ジイル基、ピラジン-2,5-ジイル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、2,6-ナフチレン基、フェナントレン-2,7-ジイル基、9,10-ジヒドロフェナントレン-2,7-ジイル基、1,2,3,4,4a,9,10a-オクタヒドロフェナントレン2,7-ジイル基又はフルオレン2,7-ジイル基を表し、該1,4-フェニレン基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、2,6-ナフチレン基、フェナントレン-2,7-ジイル基、9,10-ジヒドロフェナントレン-2,7-ジイル基、1,2,3,4,4a,9,10a-オクタヒドロフェナントレン2,7-ジイル基及びフルオレン2,7-ジイル基は非置換であるか又は置換基として1個又は2個以上のF、Cl、CF3、OCF3又はCH3を有することができ、P1は反応性官能基を表し、S1は単結合、炭素原子数1〜12のアルキレン基を表し、置換基として1個以上のF、Cl、CN、CH3またはCF3を有することができ、該アルキル基に存在する1個または2個以上のCH2基は、O原子が相互に直接結合しないものとしてO、CO又はCOOで置換されていてもよく、X1は、単結合、-O-、-COO-又は-OCO-を表し、Y1、及びY2はそれぞれ独立的に、単結合、-COO-、-OCO-、-CH=N-、-N=CH-、-C≡C-、-CH2CH2-、-CH2CH2CH2CH2-、-CH2CH2CH2O-、-OCH2CH2CH2-、-CH2O-、-OCH2-、-CF2O-、-OCF2-、-CH=N-N=CH-、-CF=CF-、-CH=CH-、-CH2CH2CH=CH-、-CH=CHCH2CH2-、-CH2CH=CHCH2-、-CH=CHCOO-、-OCOCH=CH-、-CH2CH2COO-又は-OCOCH2CH2-を表し、Y3は単結合、-O-、-CO-、-COO-、-OCO-、-CH2-、-CH2O-、-OCH2-、-CONH-、-NHCO-、-CH2COO-又は-CH2OCO-を表し、Lは炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数2〜18のアルケニル基、ハロゲン原子、CN又はNCSを表し、該アルキル基又はアルケニル基は非置換であるか又は置換基として1個または2個以上のF、Cl、CN、CH3、又はCF3を有することができ、該アルキル基又はアルケニル基中に存在する1個または2個以上のCH2基は、O原子が相互に直接結合しないものとして、O、CO又はCOOで置換されていてもよく、もしくは、P1-S1-X1と同じ意味を表し、nは0、1、又は2を表す。)のような化合物を挙げることができる。一般式(II)のP1は反応性もしくは重合性官能基を表し、反応性もしくは重合性官能基として認識されるものであれば特に制限は無いが、下記の式(III-1)〜式(III-10)で表される構造から選択するのが好ましい。この中でも、式(III-1)、式(III-3)又は式(III-9)で表される構造が好ましく、式(III-1)で表される構造が特に好ましい。
Figure 0004792731
一般式(II)において、S1は炭素原子数1〜12のアルキレン基が好ましく、炭素原子数2〜8のアルキレン基がさらに好ましく、3〜6のアルキレン基が特に好ましい。アルキレン基は、置換基として1個以上のF、Cl、CN、CH3またはCF3を有することができ、該アルキレン基に存在する1個または2個以上のCH2基は、O原子が相互に直接結合しないものとしてO、CO又はCOOで置換されていてもよい。
一般式(II)において、A1、A2及びA3としてはそれぞれ独立的に1,4-フェニレン基、1,4-シクロヘキシレン基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基又は2,6-ナフチレン基が好ましく、1,4-フェニレン基又は1,4-シクロヘキシレン基がさらに好ましく、1,4-フェニレン基又は1,4-シクロヘキシレン基が特に好ましい。1,4-フェニレン基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基及び2,6-ナフチレン基は1個又は2個以上のF、Cl、CF3、OCF3、CH3を置換基として有していても良い。
一般式(II)において、X1としては、単結合又は-O-が好ましく、-O-がさらに好ましい。
一般式(II)において、Y1及びY2としてはそれぞれ独立的に単結合、-COO-、-OCO-、-C≡C-、-CH2CH2-、-CH2CH2COO-又は-OCOCH2CH2-が好ましい。
一般式(II)において、Y3は単結合、-O-、-COO-又は-OCO-が好ましい。
一般式(II)において、Lは、化合物として低い粘度が必要な場合には炭素原子数1〜5のアルキル基が好ましく、炭素原子数1〜3のアルキル基がより好ましい。反応により架橋密度を有する高分子を得ることが必要な場合には、P1-S1-X1と同じ意味であることが好ましい。
一般式(II)で表される化合物の中でも、P1がアクリロイルオキシ基、S1が単結合、X1が単結合の化合物は、重合性液晶組成物として室温での液晶性を付与しやすく、また粘度が低いため好ましい。具体的には式(II-A-1)〜(II-A-12)の化合物を挙げることができる。
Figure 0004792731
(式中、L'は炭素原子数1〜8のアルキル基を表す)
典型的な例としては、式(II-A-2)において、L'が3または5の化合物や、式(II-A-3)において、L'が3または5の化合物は、液晶温度がおよそ30〜60℃の範囲にあり、これらを混合することで室温での液晶性を確保しやすいため好ましい。また、式(II-A-1)において、L'が3または5の化合物は、液晶温度がおよそ40〜70℃の範囲にあり、複屈折率が約0.05と小さいという特徴があるため有用である。以上のような化合物は粘度が数10mPa・sと小さく、また、本発明の重合性液晶組成物の液晶温度範囲を室温付近に調節しやすいため、製造プロセス上、粘度を低く設定する必要がある場合には有効な材料系である。
一般式(II)の化合物の中でも、P1がアクリロイルオキシ基、S2が炭素原子数2〜8のアルキレン基、X2が単結合、又は-O-、Lは炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数2〜18のアルケニル基、ハロゲン原子、CNを表す化合物は、硬化物に柔軟性を付与できる性質を持つ。具体的には式(II-B-1)〜(II-B-21)の化合物を挙げることができる。
Figure 0004792731
(式中、uは2〜12の整数を表し、vは0または1を表し、Y3及びLは一般式(II)におけると同じ意味を表す)。
典型的な例としては、式(II-B-1)において、uが3から6の整数、vが1、Y3が単結合、LがCNの化合物や、式(II-B-4)において、uが3から6の整数、vが1、Y3が単結合、LがCNの化合物は、複屈折率が約0.2以上と大きいため、本発明の重合性液晶組成物の複屈折率の増大に有効である。また、これとは逆に、式(II-B-11)において、uが3から6の整数、vが1、Y3が単結合、Lがプロピル基やペンチル基の化合物は、本発明の重合性液晶材料の複屈折率の低減に有効である。以上のような化合物は、粘度が数10〜200mPa・s以下であり、かつ硬化物の柔軟性を付与できる性質を有するものの、硬化物の耐熱性を悪化させる傾向があるため、本発明の重合性液晶組成物中での最大濃度は50質量%以下、さらに好ましくは35質量%以下、特に好ましくは25質量%以下に設定するのが好ましい。
一般式(II)の化合物の中でも、P1がアクリロイルオキシ基、S1が炭素原子数2〜8のアルキレン基、LがP1-S1-X1と同じ意味を表す化合物は、分子内に2つの反応性もしくは重合性官能基を有するため反応により得られる高分子の機械的、熱的な安定性が高いために好ましい。具体的には式(II-C-1)〜(II-C-5)の化合物を挙げることができる。
Figure 0004792731
(式中、uは2〜12の整数を表し、vは0または1を表し、Y3及びLは一般式(II)におけると同じ意味を表す)。
以上のような化合物の中でも、式(II-C-3)の液晶温度範囲は約50〜70℃と、液晶温度範囲が約70〜140℃の上記(II-C-1)、(II-C-2)、(II-C-4)、(II-C-5)と低いため、本発明の重合性液晶組成物の液晶温度範囲を室温付近に設定することが容易であるため好ましい。また、得られる硬化物の機械的、熱的な安定性も高い。特に、vとしては1、かつuとしては3、4、6が好ましく、uとしては3,6がさらに好ましい。式(II-C-3)で表される化合物は、uが異なる複数の化合物を混合して用いるのが好ましく、例えば、vとしては1、かつuとしては3、及びvとしては1、uとしては6の化合物を混合して使用するのが好ましく、vとして1、かつuとしては3、vとして1、かつuとしては4、vとしては1、かつuとしては6の化合物を混合するのも好ましい。さらに、このような系に式(II-B-1)において、vとして1、uとして3から6の整数、Y3として単結合、LとしてCNを選択した化合物を添加すると、得られる高分子の耐熱性を向上させることができ、かつ粘度を低くすることができるので好ましい。この化合物の添加量は、30質量%以下が好ましく、25質量%以下がさらに好ましい。
また、この他にも、重合性液晶化合物として式(IV−1)から(IV−5)のような化合物を使用することができる。このように、重合性官能基が一つの分子に3つ以上有する化合物を添加すると、重合速度の向上や高分子の耐熱性の向上が可能なため、好ましい。
Figure 0004792731
(式中、uは2〜12の整数を表し、vは0または1を表す)
また、本発明の重合性液晶組成物には、その保存安定性を向上させるために、安定剤を添加することもできる。使用できる安定剤としては、例えば、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノアルキルエーテル類、第三ブチルカテコール類、ピロガロール類、チオフェノール類、ニトロ化合物類、β−ナフチルアミン類、β−ナフトール類、ニトロソ化合物等が挙げられる。安定剤を使用する場合の添加量は、液晶組成物に対して0.005〜1質量%の範囲が好ましく、0.02〜0.5質量%がさらに好ましく、0.03〜0.1質量%が特に好ましい。
次に本発明の硬化物について説明する。本発明の重合性液晶組成物を重合させることによって製造される硬化物は種々の用途に利用できる。例えば、本発明の重合性液晶組成物を、配向させない状態で重合させた場合、光散乱板、偏光解消板、モアレ縞防止板として利用可能である。また、本発明の重合性液晶組成物を配向させた状態において、重合させることにより製造された硬化物は、物理的性質に異方性を有しており、有用である。このような硬化物は、例えば、本発明の重合性液晶組成物を、布等でラビング処理した基板、もしくは有機薄膜を形成した基板表面を布等でラビング処理した基板、あるいはSiO を斜方蒸着した配向膜を有する基板上に塗布した後、本発明の重合性液晶組成物を重合させることによって製造することができる。
重合性液晶組成物を基板上に塗布する際の方法としては、スピンコーティング、ダイコーティング、エクストルージョンコーティング、ロールコーティング、ワイヤーバーコーティング、グラビアコーティング、スプレーコーティング、ディッピング、プリント法等を挙げることができる。またコーティングの際、重合性液晶組成物に有機溶媒を添加しても良い。有機溶媒としては、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、トルエン、ヘキサン、メタノール、エタノール、ジメチルホルムアミド、塩化メチレン、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、セロソルブ類を挙げることができる。これらは単独でも、組み合わせて用いても良く、その蒸気圧と重合性液晶組成物の溶解性を考慮し、適宜選択すれば良い。また、その添加量は90重量%以下が好ましい。添加した有機溶媒を揮発させる方法としては、自然乾燥、加熱乾燥、減圧乾燥、減圧加熱乾燥を用いることができる。重合性液晶組成物の塗布性をさらに向上させるためには、基板上にポリイミド薄膜等の中間層を設けることも有効である。基板上にポリイミド薄膜等の中間層を設けるのは、重合性液晶組成物を重合させて得られる重合体と基板の密着性が良くない場合に、密着性を向上させる手段としても有効である。
基板の形状としては、平板の他に、曲面を構成部分として有していても良い。基板を構成する材料は、有機材料、無機材料を問わずに用いることができる。基板の材料となる有機材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミド、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリアリレート、ポリスルホン、トリアセチルセルロース、セルロース、ポリエーテルエーテルケトン等が挙げられ、また、無機材料としては、例えば、シリコン、ガラス、方解石等が挙げられる。
これらの基板を布等でラビングすることによって適当な配向性を得られない場合、公知の方法に従ってポリイミド薄膜又はポリビニルアルコール薄膜等の有機薄膜を基板表面に形成し、これを布等でラビングしても良い。また、通常のツイステッド・ネマチック(TN)素子又はスーパー・ツイステッド・ネマチック(STN)素子で使用されているプレチルト角を与えるポリイミド薄膜は、硬化物内部の分子配向構造を更に精密に制御することができることから、特に好ましい。
本発明の重合性液晶組成物を硬化させる方法としては、紫外線又を照射することによって重合させる方法が好ましい。紫外線を使用する場合、偏光光源を用いても良いし、非偏光光源を用いても良い。また、液晶組成物を2枚の基板間に挟持させて状態で重合を行う場合には、少なくとも照射面側の基板は活性エネルギー線に対して適当な透明性が与えられていなければならない。また、光照射時にマスクを用いて特定の部分のみを重合させた後、電場や磁場または温度等の条件を変化させることにより、未重合部分の配向状態を変化させて、さらに紫外線を照射して重合させるという手段を用いても良い。また、照射時の温度は、本発明の液晶組成物の液晶状態が保持される温度範囲内であることが好ましい。特に、光重合によって重合体を製造しようとする場合には、意図しない熱重合の誘起を避ける意味からも可能な限り室温に近い温度、即ち、典型的には25℃での温度で重合させることが好ましい。紫外線線の強度は、0.1mW/cm〜2W/cmが好ましい。強度が0.1mW/cm以下の場合、光重合を完了させるのに多大な時間が必要になり生産性が悪化してしまい、2W/cm以上の場合、重合性液晶組成物が劣化してしまう危険がある。
重合によって得られた本発明の重合体は、初期の特性変化を軽減し、安定的な特性発現を図ることを目的として熱処理を施すこともできる。熱処理の温度は50〜250℃の範囲で、また熱処理時間は30秒〜12時間の範囲が好ましい。
このような方法によって製造される本発明の重合体は、基板から剥離して単体で用いても、剥離せずに用いても良い。また、得られた重合体を積層しても、他の基板に貼り合わせて用いてもよい。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、以下の実施例及び比較例の組成物における「%」は『質量%』を意味する。位相差は波長589nmで測定した。
(実施例1)
式(a)の化合物50%
Figure 0004792731
式(b)の化合物50%
Figure 0004792731
からなる重合性液晶組成物(A)を調製した。この重合性液晶組成物(A)のネマチック−等方性液体相転移温度は70℃であった。重合性液晶組成物(A)99.7%に光重合開始剤ルシリンTPO(バスフ社製)0.2%、ヒンダードアミンLS-765(三共ライフテック株式会社製)
Figure 0004792731
を0.1%添加した本発明の重合性液晶組成物(A1)を調製した。次に重合性液晶組成物(A1)を33%含有するキシレン溶液を調製した。このキシレン溶液を3cm角のポリイミド配向膜付きガラス基板にスピンコート(3000回転/分、30秒)した。スピンコートされた重合性液晶組成物(A1)は、ポリイミドのラビング方向に配向しているのが確認できた。スピンコートした基板に窒素気流下で24mW/cm2の紫外線を80秒照射して、重合性液晶組成物(A1)を硬化させた。この硬化膜の位相差を測定したところ、154.7nmであった。この硬化膜を150℃で1時間加熱し、冷却してから位相差を測定したところ、154.1nmであった。150℃で1時間加熱しても、位相差の変化は5%以内であったので、紫外線照射によって十分に硬化したと考えられる。この硬化膜に78mW/cm2の紫外線を500秒(紫外線量39J/cm2)、1000秒(通算紫外線量78J/cm2)、2000秒(通算紫外線照射量156J/cm2)曝露した時の位相差を測定したところ、それぞれ99.5nm、98.7nm、56.7nmであった。つまり、39J/cm2曝露したときには硬化直後の位相差に対して64.3%の大きさの位相差が保持されており、78J/cm2曝露したときには硬化直後の位相差に対して63.8%の大きさの位相差が保持されており、156J/cm2曝露したときには硬化直後の位相差に対して56.7%の大きさの位相差が保持されていることがわかった。
(比較例1)
実施例1で調製した重合性液晶組成物(A)99.8%に光重合開始剤ルシリンTPO(バスフ社製)0.2%、重合性液晶組成物(B)を調製した。次に重合性液晶組成物(B)を33%含有するキシレン溶液を調製した。このキシレン溶液を3cm角のポリイミド配向膜付きガラス基板にスピンコート(3000回転/分、30秒)した。スピンコートされた重合性液晶組成物(B)は、ポリイミドのラビング方向に配向しているのが確認できた。スピンコートした基板に窒素気流下で24mW/cm2の紫外線を80秒照射して、重合性液晶組成物(B)を硬化させた。この硬化膜の位相差を測定したところ、157.4nmであった。この硬化膜を150℃で1時間加熱し、冷却してから位相差を測定したところ、152.8nmであった。150℃で1時間加熱しても、位相差の変化は5%以内であったので、紫外線照射によって十分に硬化したと言える。この硬化膜に78mW/cm2の紫外線を500秒(紫外線量39J/cm2)、1000秒(通算紫外線量78J/cm2)、2000秒(通算紫外線照射量156J/cm2)曝露した時の位相差を測定したところ、それぞれ44.2nm、15.6nm、0nmであった。つまり、39J/cm2曝露したときには硬化直後の位相差に対して28.1%の大きさの位相差が保持されており、78J/cm2曝露したときには硬化直後の位相差に対して9.9%の大きさの位相差が保持されており、156J/cm2曝露したときには硬化直後の位相差は全く消失したことがわかった。
実施例1と比較例1との比較から、ヒンダードアミンを用いると硬化性を犠牲にすることなく、UV曝露時の位相差の変化を抑制できていることがわかる。
(比較例2)
実施例1で調製した重合性液晶組成物(A)99.7%に光重合開始剤ルシリンTPO(バスフ社製)0.2%、紫外線吸収剤Uvinul-3039(バスフ社製)
Figure 0004792731
を0.1%添加した重合性液晶組成物(C)を調製した。次に重合性液晶組成物(C)を33%含有するキシレン溶液を調製した。このキシレン溶液を3cm角のポリイミド配向膜付きガラス基板にスピンコート(3000回転/分、30秒)した。スピンコートされた重合性液晶組成物(C)は、ポリイミドのラビング方向に配向しているのが確認できた。スピンコートした基板に窒素気流下で24mW/cm2の紫外線を80秒照射して、重合性液晶組成物(C)を硬化させた。この硬化膜の位相差を測定したところ、160.4nmであった。この硬化膜を150℃で1時間加熱し、冷却してから位相差を測定したところ、118.2nmであった。150℃で1時間加熱による位相差の変化は5%以上あったので、紫外線照射によって十分に硬化しなかった。この硬化膜に78mW/cm2の紫外線を500秒(紫外線量39J/cm2)、1000秒(通算紫外線量78J/cm2)、2000秒(通算紫外線照射量156J/cm2)曝露した時の位相差を測定したところ、それぞれ72.5nm、57.8nm、43.1nmであった。つまり、39J/cm2曝露したときには硬化直後の位相差に対して45.2%の大きさの位相差が保持されており、78J/cm2曝露したときには硬化直後の位相差に対して36.0%の大きさの位相差が保持されており、156J/cm2曝露したときには156J/cm2曝露したときには硬化直後の位相差に対して26.9%の大きさの位相差が保持されていることがわかった。
(比較例3)
実施例1で調製した重合性液晶組成物(A)99.7%に光重合開始剤ルシリンTPO(バスフ社製)0.2%、紫外線吸収剤Uvinul-3008(バスフ社製)
Figure 0004792731
0.1%を添加した重合性液晶組成物(D)を調製した。次に重合性液晶組成物(D)を33%含有するキシレン溶液を調製した。このキシレン溶液を3cm角のポリイミド配向膜付きガラス基板にスピンコート(3000回転/分、30秒)した。スピンコートされた重合性液晶組成物(D)は、ポリイミドのラビング方向に配向しているのが確認できた。スピンコートした基板に窒素気流下で24mW/cm2の紫外線を80秒照射したものの、重合性液晶組成物(D)は硬化しなかった。
(比較例4)
実施例1で調製した重合性液晶組成物(A)99.7%に光重合開始剤ルシリンTPO(バスフ社製)0.2%、紫外線吸収剤Uvinul-3030(バスフ社製)
Figure 0004792731
0.1%を添加した重合性液晶組成物(E)を調製した。次に重合性液晶組成物(E)を33%含有するキシレン溶液を調製した。このキシレン溶液を3cm角のポリイミド配向膜付きガラス基板にスピンコート(3000回転/分、30秒)した。スピンコートされた重合性液晶組成物(E)は、ポリイミドのラビング方向に配向しているのが確認できた。スピンコートした基板に窒素気流下で24mW/cm2の紫外線を80秒照射したものの、重合性液晶組成物(E)は硬化しなかった。
(比較例5)
実施例1で調製した重合性液晶組成物(A)99.7%、光重合開始剤ルシリンTPO(バスフ社製)0.2%、紫外線吸収剤Uvinul-3088(バスフ社製)
Figure 0004792731
0.1%からなる重合性液晶組成物(F)を調製した。次に重合性液晶組成物(F)を33%含有するキシレン溶液を調製した。このキシレン溶液を3cm角のポリイミド配向膜付きガラス基板にスピンコート(3000回転/分、30秒)した。スピンコートされた重合性液晶組成物(F)は、ポリイミドのラビング方向に配向しているのが確認できた。スピンコートした基板に窒素気流下で24mW/cm2の紫外線を80秒照射したものの、重合性液晶組成物(F)は硬化しなかった。
(実施例2)
式(a)の化合物35%
Figure 0004792731
式(b)の化合物35%
Figure 0004792731
式(c)の化合物30%
Figure 0004792731
からなる重合性液晶組成物(G)を調製した。この重合性液晶組成物(G)のネマチック−等方性液体相転移温度は70℃であった。重合性液晶組成物(G)99.7%に光重合開始剤ルシリンTPO(バスフ社製)0.2%、ヒンダードアミンLS-765(三共ライフテック株式会社製)を0.1%添加した本発明の重合性液晶組成物(G1)を調製した。次に重合性液晶組成物(G1)を33%含有するキシレン溶液を調製した。このキシレン溶液を3cm角のポリイミド配向膜付きガラス基板にスピンコート(3000回転/分、30秒)した。スピンコートされた重合性液晶組成物(G1)は、ポリイミドのラビング方向に配向しているのが確認できた。スピンコートした基板に窒素気流下で24mW/cm2の紫外線を80秒照射して、重合性液晶組成物(G1)を硬化させた。この硬化膜の位相差を測定したところ、149.4nmであった。この硬化膜を150℃で1時間加熱し、冷却してから位相差を測定したところ、147.9nmであった。150℃で1時間加熱しても、位相差の変化は5%以内であったので、紫外線照射によって十分に硬化したと考えられる。この硬化膜に78mW/cm2の紫外線を1000秒(紫外線量78J/cm2)曝露した時の位相差を測定したところ、96.4nmであった。つまり、78J/cm2曝露したときには硬化直後の位相差に対して64.5%の大きさの位相差が保持されていることがわかった。
(実施例3)
式(a)の化合物45%
Figure 0004792731
式(b)の化合物45%
Figure 0004792731
式(d)の化合物10%
Figure 0004792731
からなる重合性液晶組成物(H)を調製した。この重合性液晶組成物(H)のネマチック−等方性液体相転移温度は73℃であった。重合性液晶組成物(H)99.7%に光重合開始剤ルシリンTPO(バスフ社製)0.2%、ヒンダードアミンLS-765(三共ライフテック株式会社製)を0.1%添加した本発明の重合性液晶組成物(H1)を調製した。次に重合性液晶組成物(H1)を33%含有するキシレン溶液を調製した。このキシレン溶液を3cm角のポリイミド配向膜付きガラス基板にスピンコート(3000回転/分、30秒)した。スピンコートされた重合性液晶組成物(H1)は、ポリイミドのラビング方向に配向しているのが確認できた。スピンコートした基板に窒素気流下で24mW/cm2の紫外線を80秒照射して、重合性液晶組成物(H1)を硬化させた。この硬化膜の位相差を測定したところ、108.9nmであった。この硬化膜を150℃で1時間加熱し、冷却してから位相差を測定したところ、108.0nmであった。150℃で1時間加熱しても、位相差の変化は5%以内であったので、紫外線照射によって十分に硬化したと考えられる。この硬化膜に78mW/cm2の紫外線を1000秒(紫外線量78J/cm2)曝露した時の位相差を測定したところ、68.6nmであった。つまり、78J/cm2曝露したときには硬化直後の位相差に対して63.0%の大きさの位相差が保持されていることがわかった。
実施例1から3、比較例1から5の比較から、耐UV性を改善する目的で紫外線吸収剤を使用した場合、耐UV性改善効果はあるものの、硬化性が悪化してしまうことがわかる。また耐UV性改善硬化も、紫外線吸収剤を使用するより、ヒンダードアミンを使用した方が優れていることがわかる。
(実施例4)
実施例1で調製した重合性液晶組成物(A)94.8%に、光重合開始剤Irgacure-907(チバスペシャリティケミカルズ製)5%、ヒンダードアミンLS-765(三共ライフテック株式会社製)を0.2%添加した本発明の重合性液晶組成物(I)を調製した。次に重合性液晶組成物(I)を33%含有するキシレン溶液を調製した。このキシレン溶液を3cm角のポリイミド配向膜付きガラス基板にスピンコート(3000回転/分、30秒)した。スピンコートされた重合性液晶組成物(I)は、ポリイミドのラビング方向に配向しているのが確認できた。スピンコートした基板に空気中で24mW/cm2の紫外線を80秒照射して、重合性液晶組成物(I)を硬化させた。この硬化膜の位相差を測定したところ、120.2nmであった。この硬化膜を150℃で1時間加熱し、冷却してから位相差を測定したところ、115.4nmであった。150℃で1時間加熱しても、位相差の変化は5%以内であったので、紫外線照射によって十分に硬化したと考えられる。この硬化膜に78mW/cm2の紫外線を2000秒(紫外線量156J/cm2)曝露した時の位相差を測定したところ、90.2nmであった。つまり、78J/cm2曝露したときには硬化直後の位相差に対して75.0%の大きさの位相差が保持されていることがわかった。
(比較例6)
実施例1で調製した重合性液晶組成物(A)95%に、光重合開始剤Irgacure-907(チバスペシャリティケミカルズ製)5%を添加した重合性液晶組成物(J)を調製した。次に重合性液晶組成物(J)を33%含有するキシレン溶液を調製した。このキシレン溶液を3cm角のポリイミド配向膜付きガラス基板にスピンコート(3000回転/分、30秒)した。スピンコートされた重合性液晶組成物(J)は、ポリイミドのラビング方向に配向しているのが確認できた。スピンコートした基板に空気中で24mW/cm2の紫外線を80秒照射して、重合性液晶組成物(J)を硬化させた。この硬化膜の位相差を測定したところ、125.9nmであった。この硬化膜を150℃で1時間加熱し、冷却してから位相差を測定したところ、120.0nmであった。150℃で1時間加熱しても、位相差の変化は5%以内であったので、紫外線照射によって十分に硬化したと考えられる。この硬化膜に78mW/cm2の紫外線を2000秒(紫外線量156J/cm2)曝露した時の位相差を測定したところ、84.8nmであった。つまり、156J/cm2曝露したときには硬化直後の位相差に対して67.4%の大きさの位相差が保持されていることがわかった。
実施例4、比較例6の比較から、ヒンダードアミンの添加により硬化性を犠牲にせずに耐UV性を改善できているのがわかる。

Claims (9)

  1. 一般式(II)
    Figure 0004792731
    (式中、A1、A2及びA3はそれぞれ独立的に、1,4-フェニレン基、1,4-シクロヘキシレン基、1,4-シクロヘキセニル基、テトラヒドロピラン-2,5-ジイル基、1,3-ジオキサン-2,5-ジイル基、テトラヒドロチオピラン-2,5-ジイル基、1,4-ビシクロ(2,2,2)オクチレン基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、ピリジン-2,5-ジイル基、ピリミジン-2,5-ジイル基、ピラジン-2,5-ジイル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、2,6-ナフチレン基、フェナントレン-2,7-ジイル基、9,10-ジヒドロフェナントレン-2,7-ジイル基、1,2,3,4,4a,9,10a-オクタヒドロフェナントレン2,7-ジイル基又はフルオレン2,7-ジイル基を表し、該1,4-フェニレン基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、2,6-ナフチレン基、フェナントレン-2,7-ジイル基、9,10-ジヒドロフェナントレン-2,7-ジイル基、1,2,3,4,4a,9,10a-オクタヒドロフェナントレン2,7-ジイル基及びフルオレン2,7-ジイル基は非置換であるか又は置換基として1個又は2個以上のF、Cl、CF3、OCF3又はCH3を有することができ、P1式(III-1)、(III-2)、(III-3)又は(III-4)を表し、
    Figure 0004792731
    S1は単結合、炭素原子数1〜12のアルキレン基を表し、置換基として1個以上のF、Cl、CN、CH3またはCF3を有することができ、該アルキル基に存在する1個または2個以上のCH2基は、O原子が相互に直接結合しないものとしてO、CO又はCOOで置換されていてもよく、X1は、単結合、-O-、-COO-又は-OCO-を表し、Y1、及びY2はそれぞれ独立的に、単結合、-COO-、-OCO-、-CH=N-、-N=CH-、-C≡C-、-CH2CH2-、-CH2CH2CH2CH2-、-CH2CH2CH2O-、-OCH2CH2CH2-、-CH2O-、-OCH2-、-CF2O-、-OCF2-、-CH=N-N=CH-、-CF=CF-、-CH=CH-、-CH2CH2CH=CH-、-CH=CHCH2CH2-、-CH2CH=CHCH2-、-CH=CHCOO-、-OCOCH=CH-、-CH2CH2COO-又は-OCOCH2CH2-を表し、Y3は単結合、-O-、-CO-、-COO-、-OCO-、-CH2-、-CH2O-、-OCH2-、-CONH-、-NHCO-、-CH2COO-又は-CH2OCO-を表し、Lは炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数2〜18のアルケニル基、ハロゲン原子、CN又はNCSを表し、該アルキル基又はアルケニル基は非置換であるか又は置換基として1個または2個以上のF、Cl、CN、CH3、又はCF3を有することができ、該アルキル基又はアルケニル基中に存在する1個または2個以上のCH2基は、O原子が相互に直接結合しないものとして、O、CO又はCOOで置換されていてもよく、もしくは、P1-S1-X1と同じ意味を表し、nは0、1、又は2を表す。)で表される化合物及びラジカル捕獲剤を含有し、該ラジカル捕獲剤がヒンダードアミン系化合物であることを特徴とする重合性液晶組成物。
  2. ラジカル捕獲剤が分子量1000以下のヒンダードアミン系化合物である請求項1記載の重合性液晶組成物
  3. ヒンダードアミン系化合物が一般式(I)
    Figure 0004792731
    (式中、Rは水素または炭素原子数1から5のアルキル基を表し、右端で連結するものとする)で表される部分構造を有していることを特徴とする請求項1又は2記載の重合性液晶組成物。
  4. ラジカル捕獲剤の濃度が0.01から0.5質量%の範囲であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の重合性液晶組成物。
  5. 光重合開始剤の濃度が0.01から7質量%の範囲であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の重合性液晶組成物。
  6. 光重合開始剤としてアシルフォスフィンオキシド化合物を含有することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の重合性液晶組成物。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の重合性液晶組成物の硬化物。
  8. 請求項1から6のいずれかに記載の重合性液晶組成物を硬化させた位相差フィルム。
  9. 請求項1から6のいずれかに記載の重合性液晶組成物を硬化させたホログラム素子。
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