JP4945840B2 - コンバイン - Google Patents
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Description
本発明は、圃場で穀類の収穫作業を行う脱穀装置に特徴のあるコンバインに関する。
【0002】
【従来の技術】
コンバインは、走行フレームの上部にエンジンを搭載し、走行フレームの下部側に土壌面を走行する左右一対の走行クローラを有する走行装置を配設し、走行フレームの前方側に刈取装置と供給搬送装置が設けられている。刈取装置は、植立穀稈を分草する分草具と、植立穀稈を引き起こす引起し装置と、植立穀稈を刈り取る刈刃と該刈刃により刈り取られた穀稈を挟持して後方に搬送する株元搬送装置から構成されている。この株元搬送装置の後方には、該株元搬送装置から搬送されてくる穀稈を引き継いで搬送する供給搬送装置が設けられ、供給搬送装置からフィードチェーンに穀稈を引き継いで、脱穀装置に供給し脱穀、選別を行っている。刈取装置は、穀稈を所定の位置で刈取するために、刈取装置支持フレームと共に上下動する構成である。
【0003】
走行フレームの上部には、刈取装置から搬送されてくる穀稈を引き継いで搬送するフィードチェーンを有する脱穀装置と、脱穀装置で脱穀選別された穀粒を一時貯溜するグレンタンクが載置されている。フィードチェーンは穀粒のついた穀稈を脱穀装置に供給し、脱穀装置内に軸架され、回転運動する扱胴の扱歯で穀粒を穀稈から脱穀し、穀粒を選別分離して、選別された穀粒はグレンタンクへ搬送して一時貯留し、分離された藁屑などはカッタで切断してコンバイン後部から圃場に放出する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記コンバインにおいて、脱穀装置において刈取後の穀稈を脱穀した後、穀粒のみを棚板上に集めた後、グレンタンクに送るために揺動棚でふるい分けをするが、揺動棚上には正常な穀粒だけでなく、穂切れ粒・枝梗粒などの二番物などと藁くずが落下する。揺動棚の終端部側には藁くずなどをコンバイン外部に排出し、同時に穀粒を棚板上に集めるためのストローラックが設けられている。
【0005】
ストローラックは固定式であるため、ストローラック上で穀稈と藁くずがうまく分離できないで、穀粒が付いた穀稈がストローラックからコンバインの外部へ排出されることがある。
【0006】
そこで、本発明の課題は揺動棚のストローラックを始めとして揺動棚部分で収穫物の回収性を高めた脱穀装置を有するコンバインを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、以下の技術的手段を講じる。
即ち、請求項1記載の発明は、走行装置(3)を有する走行フレーム(2)の前方に植立穀稈を刈り取る刈取装置(6)を設け、走行フレーム(2)の上方には、前記刈取装置(6)により刈り取られた穀稈から穀粒を分離する扱室(66)と、該扱室(66)の下方で揺動と風選別により被処理物を穀粒と藁くずに分離するための揺動自在な揺動棚(51)を備えた脱穀装置(15)を設け、前記揺動棚(51)の終端部側に藁くずを脱穀装置(15)の外部に向けて誘導するストローラック(62)を設け、該ストローラック(62)から2番螺旋(86)へ落下した2番物を処理する2番処理室(67)を設けたコンバインにおいて、該ストローラック(62)を、その終端部に設けた揺動中心軸(103)を支点として上下に揺動する構成とし、前記2番処理室(67)の入口部に、該2番処理室(67)に還元される2番処理物の単位時間当たりの量を検出するセンサ(110)を設け、該センサ(110)によって2番処理室(67)に還元される2番処理物の単位時間当たりの量が設定量よりも少ないことが検出されたときには、ストローラック(62)を下方へ揺動させて該ストローラック(62)上の排塵物の全量を2番螺旋(86)へ回収し、前記センサ(110)によって2番処理室(67)に還元される2番処理物の単位時間当たりの量が設定量よりも多いことが検出されたときには、ストローラック(62)を上方へ揺動させて該ストローラック(62)上の排塵物を機外へ放出する構成としたことを特徴とするコンバインである。
【0008】
上記被処理物の状態とは、例えば、濡れ扱ぎ量、品種、被処理物の量又は棚の上の被処理物の流れの状態などであり、これらの検出結果に応じてストローラック62の上下の揺動位置が調節される。
【0009】
ストローラック62の上下揺動支点をストローラック62の終端部に設けているので、被処理物の状態、例えば、濡れ扱ぎ量、品種、被処理物の量又は棚の上の被処理物の流れの状態などに応じてストローラック62の始端側の高さを調整することで、穀粒と藁くずなどのふるい選別性を高めることができる。
【0013】
【0014】
【0015】
【0017】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によると、2番処理量の少ないときにはストローラック(62)を下げて2番処理物の全量を回収し、多いときには流量が多いためストローラック(62)を上げすみやかに排塵物を機外へ放出し、脱穀装置(15)内の詰まりを防止することができる。
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面により説明する。
図1は本発明の実施の形態の穀類の収穫作業を行うコンバインの左側面図を示し、図2はコンバインの正面立面図を示し、図3はコンバインの平面図を示し、図4はコンバインの脱穀装置の一部切り欠き側面断面図であり、図5は図4のB−B線矢視の脱穀装置の平面断面図であり、図6は図4のC−C線矢視の脱穀装置立面断面図であり、図7は図5のD−D線矢視の脱穀装置の後部の立面断面図である。
【0028】
図1ないし図3に示すコンバイン1は走行フレーム2の下部に、ゴムなどの可撓性材料を素材として無端帯状に成型した左右一対のクローラ4を持ち、乾田はもちろんのこと、湿田においてもクローラ4が若干沈下するだけで自由に走行できる構成の走行装置3を備え、走行フレーム2の前部には刈取装置6を搭載し、走行フレーム2の上部にはエンジン(図示せず)ならび脱穀装置15、グレンタンク30、および操縦席20を搭載する。
【0029】
刈取装置6は、図示しない刈取昇降シリンダの伸縮作用により刈取装置6全体を昇降して、圃場に植生する穀稈を所定の高さで刈取ることができる構成としている。刈取装置6の前端下部に分草具7を、その背後に傾斜状にした穀稈引起し装置8を、その後方底部には刈刃(図示せず)を配置している。刈刃と脱穀装置15のフィードチェーン14の始端部との間に、前部搬送装置、扱深さ調節装置、供給搬送装置などを順次穀稈の受継搬送と扱深さ調節とができるように配置している。
【0030】
コンバイン1の刈取装置6の作動は次のように行われる。まず、エンジンを始動して操作レバー(HSTやベルコン用)をコンバイン1が前進するように操作し、刈取脱穀クラッチを入り操作して機体の回転各部を伝動しながら、走行フレーム2を前進走行させると、刈取、脱穀作業が開始される。圃場に植立する穀稈は、刈取装置6の前端下部にある分草具7によって分草作用を受け、次いで穀稈引起し装置8の引起し作用によって倒伏状態にあれば直立状態に引起こされ、穀稈の株元が刈刃に達して刈取られ、前部搬送装置に掻込まれて後方に搬送され、図示しない扱深さ調節装置、供給搬送装置に受け継がれて順次連続状態で後部上方に搬送される。
【0031】
刈取装置6から扱深さを調節されて送られる穀稈は、主脱穀部である扱室66の入口66aから扱室66内部に挿入される(図6参照)。扱室66に軸架された扱胴69は、その表面に多数の扱歯69aが設けられており、図示しない駆動機構により、エンジンからの動力を刈取脱穀クラッチを経て伝動され、図4ないし図6の矢印B方向に回転する。扱室66に挿入された穀粒のついた穀稈は、レールガイド14cに沿って移動するフィードチェーン14と、スプリング14bで付勢されたフィードチェン挟扼杆14aとの間に挟扼され、図4、図5の矢印A方向に移送されながら、矢印B方向に回転する扱胴69の扱歯69aと扱網74との相互作用により脱穀される。穀稈から分離された被処理物(穀粒や藁くず)は扱網74を矢印C1方向(図6)に通過して、揺動棚51で受け止められる。揺動棚51は図示しない揺動棚駆動機構の作動により上下前後方向に揺動するので、被処理物は矢印D方向(図4)に移動しながら、唐箕79からの送風を受けて風力選別され、比重の重い穀粒はシーブ53および選別網63を矢印E方向に通過し、一番棚板64で集積され、一番ラセン65から一番揚穀筒16を経てグレンタンク30へ搬送される。グレンタンク30内の底部に穀粒移送用のグレンタンクラセン(図示せず)を設け、グレンタンクラセンを駆動するラセン駆動軸(図示せず)に縦オーガ18および横オーガ19からなる排出オーガを連接し、グレンタンク30内に貯留した穀粒を排出オーガ排出口からコンバイン1の外部に排出する。グレンタンクラセン、縦オーガラセン(図示せず)および横オーガラセン(図示せず)は、エンジンの動力の伝動を受けて回転駆動され、それぞれのラセン羽根のスクリュウコンベヤ作用により貯留穀粒をコンバイン1の外部へ搬送する。
【0032】
揺動棚51の上の被処理物のうち軽量のものは、揺動棚51の揺動作用と唐箕79の送風に吹き飛ばされてシーブ53の上を矢印D方向に移動し、ストローラック62の上で大きさの小さい二番穀粒は矢印G方向に落下して二番棚板85に集められ、二番ラセン86で二番揚穀筒87へ搬送される(図4)。
【0033】
二番穀粒は正常な穀粒、枝梗粒、藁くずおよび藁くずの中に正常な穀粒が刺さっているササリ粒などの混合物であり、二番揚穀筒87の中を二番揚穀筒ラセンにより矢印H方向(図4、図6参照)に揚送されて、二番処理室入口から二番処理室67の上方へ放出される。二番処理室67の下部に軸架する二番処理胴70は図示しない駆動装置により図5および図6の矢印J方向に回転する。二番穀粒は二番処理胴70に植設してある多数の処理歯70aに衝突しながら矢印I方向(図4および図5)に進行する間に二番穀粒の分離と枝梗粒の枝梗の除去を行い、一部の被処理物は二番処理胴受網75から矢印C2方向(図4)に通過して揺動棚51に落下し、大部分の被処理物は二番処理室67の終端から二番処理胴送風羽根70bの送風に送られて矢印C3方向(図4)に揺動棚51に落下して扱室66からの被処理物と合流する。
【0034】
扱室66の終端に到達した被処理物で、藁くずなど短尺のものは、排塵処理室入口68aから矢印A2(図5)方向に投入されて排塵処理室68に入り、排塵処理室68を矢印K方向に進行して、二番処理胴70と一体に回転する排塵処理胴71に周設された螺旋71aによって搬送とともに処理が行われ、残留していた穀粒や藁くずは解砕されて、排塵処理胴受網76を矢印C4方向(図4)に通過して揺動棚51の上に落下する。
【0035】
図4および図5に示すように、脱穀装置15の後部に横断流ファン91を設け、排塵処理室68を含む脱穀装置15内で発生する排塵のうち、比重の軽い藁くず、枝梗および塵埃を含む空気を横断流ファン羽根車91aの回転による送風で吸引し、横断流ファン出口91bから矢印L方向へ吹き出して、コンバイン1の外部へ放出する。
【0036】
排塵処理室68から揺動棚51の終端部に矢印M(図4)のように落ちた排塵のうち二番穀粒、三番穀粒など小径で比重の重いものは、揺動棚51の終端部のストローラック62あるいはシーブ53を矢印G方向へ通過して二番棚板85に落下し、再び二番処理室67において処理される。排塵処理室68から揺動棚51の終端部に矢印Mのように落ちた排塵のうち、やや長めの藁くずはストローラック62で受けとめられ、揺動棚51の揺動運動と、唐箕79の送風力により矢印Fのように揺動棚51の終端部から排出され圃場に放出される。
【0037】
扱室66を図5の矢印A方向に進行し、扱室66の終端に到達した被処理物の中の脱穀された穀稈で長尺のままのものは、図5に示す矢印A1方向に搬送され、排藁処理室95に投入される(図5、図7)。排藁処理室95の入口部には水平方向に出入りして入口部を開放、または閉鎖する入口ダンパー95aを備え、入口ダンパー95aを開放した場合には、排藁は矢印P方向(図7)に落下して、藁用カッター92、93により切断される。藁用カッター92および93はそれぞれ駆動アクチュエータM3およびM4により制御された回転速度で回転駆動される。藁用カッター92および93で細かく切断された切藁は、駆動アクチュエータM5で回転駆動される螺旋状の拡散手段94で軸方向(コンバイン1の幅方向)に拡散されて圃場に落下放出される。
【0038】
また、カッター92で切断しないで藁を自然落下させるドロッパ作業のため排藁処理室95の入口ダンパー95aを図7の参考線で示す位置に閉鎖した場合には、排藁は藁用カッター92で切断されることなく矢印Q方向(図7)に落下して圃場に放出される構成である。
【0039】
以上の構成と機能を有するコンバインにおいて、本発明の特徴は、揺動棚51の終端部のストローラック62の構成にある。
【0040】
図4に示す揺動棚51の終端部に配置されるストローラック62は脱穀装置15の後壁側を揺動中心とした構成としている。そのため、ストローラック62の先端部が自由端となり左右に良く振れるので、シーブ53から送られてきた被処理物はストローラック62の先端部で直ちにふるい選別することができる。従って藁くず内に含まれるささり粒を取り出すことができて、ささり粒は二番螺旋86内へと取り込まれていく。
【0041】
また、ストローラック62を下げて、ストローラック62を揺動棚の内部に収納した状態(図8(c))と作業状態(図8(a)、図8(b))に切り換えることができるようにする。なお、図8(b)には図8(a)と図8(c)の中間段階のストローラック62の移動位置を示す。
【0042】
ストローラック62の図8(a)に示す状態から図8(c)に示す状態まで移動するためのストローラック62の揺動機構部は制御モータ100と該モータ100で駆動するアーム101と該アーム101に先端が回動可能に一端が支持されたロッド102aと該ロッド102aの他端と遊嵌状に先端部が接続されたロッド102bと該ロッド102bの他端部に接続されたストローラック62の揺動中心軸103から構成されている。
【0043】
コンバインを使用しないときは、ストローラック62の揺動機構によりストローラック62の揺動位置を変化させて、揺動棚51の内部に収納した状態(図8(c))に配置しておくと、ストローラック62の先端部側に位置する空間部B(図8(c))が発生するので、揺動棚51の内部のメンテナンスが容易になる。
【0044】
被処理物が多い場合にはストローラック62を図8(a)に示す状態に上げておくことで、揺動棚51上の被処理物を早く後方に送ることができ、揺動棚51領域で被処理物が詰まることはない。
【0045】
また、コンバインが圃場のコーナを旋回している間は、図8(b)に示す状態にストローラック62を下げておく。コンバインが圃場のコーナを旋回しているときには、穀稈の刈取作業をしないので、揺動棚51上の被処理物の量が少ない。そのため図8(b)の状態にストローラック62を下げておき(被処理物の量によってはストローラック62を図8(c)の状態にする)、被処理物を2番螺旋86に回収できるようにするか、又は被処理物を揺動棚51上に停滞させておき、揺動棚上51から圃場に矢印F(図8(b)又は図4参照)方向へ落下する穀粒(3番物という)の発生を防ぐ。
【0046】
また、図8に示す揺動棚51の構成では、その下手側にストローラック62の上下動支点があるので、被処理物の状態、例えば、濡れ扱ぎ量、被処理物の量(2番処理物センサ110など)又は揺動棚51の上の被処理物の流れの状態を検出するセンサ(図示せず)を設けて、その検出結果で得られる被処理物の状態又は被処理物の品種などに応じてストローラック62の上手側の高さを調整することで、穀粒と藁くずなどのふるい選別性を高めることができる。
【0047】
揺動棚51全体の揺動は、図9に示すように揺動棚51の両側面に設けた支持部材107に回転自在に支持されたクランクシャフト105を該クランクシャフト105の一端部側に設けたプーリ106を図示しないベルトにより回転させることで行う。プーリ106はエンジンからの駆動力を伝達制御する刈取・脱穀クラッチ(図示せず)が「入」に入ると常時、一定回転する構成になっている。
【0048】
なお、揺動棚51の支持部材107の設定位置とは反対側の底部に揺動棚前後移動を許容するローラ51a(図4、図10)が設けられていて、前記クランクシャフト105の回動でこのローラ51aが動き揺動棚51が揺動する。
【0049】
ストローラック62の揺動機構と揺動棚51の上下動機構は別々の駆動機構で行われ、それぞれが単独で動くが、図10に示すようにクランクシャフト105の回転とストローラック62の揺動用のロッド102a,102bを関連付けることで、ストローラック62の揺動と揺動棚51の上下動を関連付けて、揺動棚51が揺動しながらストローラック62も上下揺動することができる。即ち、図10の構成はロッド102aの先端がアーム101に支持されて位置固定されていることが特徴であり、クランクシャフト105の回転により揺動棚51はローラ51aが前後に動き棚後端51bは上下前後円運動する。この時、ロッド102aはモータ100のアーム101によって位置固定されているのでストローラック62は上下に動く。この上下前後円運動は支持部材107のクランクシャフト105との連結点がh→i→j(図10(a)〜(c))に動く円運動に基づき行われる。
【0050】
このように、揺動棚51の揺動に関連しストローラック62を上下動させる構成とすると、被処理物の量、種類によりストローラック62の揺動と揺動棚51を一体的に駆動させるかそれぞれを単独で駆動させるか選択することで、被処理物の選別能力が向上する。
【0051】
前記揺動棚51の終端部を基部として前方へ突出したストローラック62を板バネで構成すると、剛体のプレートで構成するよりもストローラック62先端部を自由に動かせ、かつ、その原型に容易に復元するので、ストローラック62の先端部が左右に振れて動き、藁くずをばらばらにする作用がある。従って、藁くず類に含まれているささり粒が二番螺旋86方向に落下して回収されやすくなる。
【0052】
また図11に示すようにストローラック62の先端部を長さLだけシーブの下側に下げて配置すると、シーブ53から送られてきた穀粒を含む藁くずはスムーズにストローラック62に引き継ぎがれ、藁くずと穀粒とのふるい選別性能が良くなる。
【0053】
また、図12に示すようにストローラック62が単独で揺動する構成にしておき、ストローラック62のシーブ53側の先端部の上方移動の上限位置をシーブ53の高さを限度とする構成にしても良い。この場合には、ストローラック62の先端部の上下動の調整でシーブ53から送られてきた穀粒を含む藁くずをスムーズにストローラック62上に引き継ぐことができ、穀粒と藁くずのふるい選別性が揺動しないストローラック62を有する揺動棚51より向上する。
【0054】
また、ストローラック62の基部を回動可能として、これ単独で上下動する構成の場合に、ストローラック62の先端部の上方に吸引ファン(横断流ファン91)を配置すると、ストローラック62が単独で上下動することにより揺動棚51の揺動に関連しストローラック62を上下させる構成とすることで、大きく上下に揺動運動した排塵物中の藁屑と穀粒の分離が促進される。
【0055】
また、図13に示すようにストローラック62の基部を回動可能とし、単独で上下動する構成において、シーブ53の一部を可動式とし、かつ可動シーブ53aとストローラック62の間に左右の揺動棚51の側壁に固定した固定シーブ53bを設けても良い。このような構成にすると揺動棚51の強度が上がり、かつシーブ機能を持たすことにより被処理物の選別性能を向上させることができる。
【0056】
また、ストローラック62の基部を回動可能とし、単独で上下動する構成において、図14に示すようにストローラック62の先端部の延長線上にセカンドファン(選別ファン)109を設けても良い。このような構成では該セカンドファン109による選別風を当てて被処理物を選別するため、選別能力がアップする。
【0057】
さらに、ストローラック62の基部を回動可能とし、単独で上下動する構成において、図15に示すように、2番処理室67の入口部に設けた2番処理量を検出するセンサ110で、2番処理物の単位時間当たりの量を2番処理量(2番還元量ともいう)として検出し、ストローラック62の上下動を制御する構成にすることができる。
【0058】
2番処理量の少ないときにはストローラック62を下げて2番処理物の全量を回収し、多いときには流量が多いためストローラック62を上げすみやかに排塵物を機外へ放出し、脱穀装置15内の詰まりを防止することができる。
【0059】
ストローラック62の基部を回動可能とし、単独で上下動する構成において、コンバインが圃場のコーナーを旋回する際には、パワステレバ(図示しない)の旋回操作後の設定時間が経過してからストローラック62を設定時間だけ下方に設定量下げる構成とすることもできる。
【0060】
圃場のコーナー旋回時には少ない流量の藁くずが脱穀装置内に入るが、ストロ−ラック62が従来のように固定式のものであると、少ない藁くずと穀粒が唐箕ファン79aの風により機外へ放出されるため、ロスが多かった。
【0061】
しかし、上記構成にすると、圃場のコーナー旋回時にはストローラック62が下がることにより、揺動棚51上の少ない藁くずを全量二番棚板85上に回収して二番処理室67に送ることができ、ロスが少なくなる。なお、圃場のコーナー旋回はパワステレバーの旋回角度で検出し、被処理物の脱穀装置15内への搬送量は刈取装置6内に設けられる穀稈センサ(図示せず)で検出する。
【0062】
シーブ53から送られた藁屑を直ちにストローラック62の先端部でふるい選別する構成とするために、ストローラック62の基部を回動可能とし、単独で上下動する構成において、藁くずの層圧を検出し、藁の層厚の薄い時にはストローラック62を下げて全量回収するようにし、藁の層圧が厚いときには流量が多いため、ストローラック62を上げておき、ストローラック62により被処理物をふるい選別して、ロスを低減するようにストローラックの上下動の制御をする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態のコンバインの側面を示す図である。
【図2】 図1のコンバインの正面立面図である。
【図3】 図1のコンバインの平面図である。
【図4】 図1のコンバインの脱穀装置の一部切り欠き側面断面図である。
【図5】 図4のB−B線矢視の脱穀装置の平面断面図である。
【図6】 図4のC−C線矢視の脱穀装置立面断面図である。
【図7】 図5のD−D線矢視の脱穀装置の後部の立面断面図である。
【図8】 図1のコンバインの脱穀装置の揺動棚とストローラックが共に動く構成における、ストローラックを揺動棚の内部に収納した状態(図8(c))と作業状態(図8(a))と図8(a)と図8(c)の中間段階のストローラックの移動位置(図8(b))をそれぞれ示す斜視図である。
【図9】 図8の揺動棚の揺動装置を示す斜視図である。
【図10】 図1のコンバインの脱穀装置のストローラックを揺動棚の内部に収納した状態(図10(a))と作業状態(図10(c))と図10(a)と図10(c)の中間段階のストローラックの移動位置(図10(b))をそれぞれ示す斜視図である。
【図11】 図10のストローラックの上下動を説明する側面図である。
【図12】 図10のストローラックの上下動を説明する側面図である。
【図13】 図10のストローラックのシーブを一部固定式にした場合の上下動を説明する側面図である。
【図14】 本発明の実施の形態のコンバインの図1のコンバインの脱穀装置の側面図である。
【図15】 本発明の実施の形態のコンバインの図1のコンバインの脱穀装置の側面図である。
【符号の説明】
2 走行フレーム
3 走行装置
6 刈取装置
15 脱穀装置
51 揺動棚
53 シーブ
62 ストローラック
65 一番処理物搬送用螺旋
66 扱室
86 二番処理物搬送用螺旋
109 セカンドファン(選別ファン)
Claims (1)
- 走行装置(3)を有する走行フレーム(2)の前方に植立穀稈を刈り取る刈取装置(6)を設け、走行フレーム(2)の上方には、前記刈取装置(6)により刈り取られた穀稈から穀粒を分離する扱室(66)と、該扱室(66)の下方で揺動と風選別により被処理物を穀粒と藁くずに分離するための揺動自在な揺動棚(51)を備えた脱穀装置(15)を設け、
前記揺動棚(51)の終端部側に藁くずを脱穀装置(15)の外部に向けて誘導するストローラック(62)を設け、該ストローラック(62)から2番螺旋(86)へ落下した2番物を処理する2番処理室(67)を設けたコンバインにおいて、
該ストローラック(62)を、その終端部に設けた揺動中心軸(103)を支点として上下に揺動する構成とし、
前記2番処理室(67)の入口部に、該2番処理室(67)に還元される2番処理物の単位時間当たりの量を検出するセンサ(110)を設け、
該センサ(110)によって2番処理室(67)に還元される2番処理物の単位時間当たりの量が設定量よりも少ないことが検出されたときには、ストローラック(62)を下方へ揺動させて該ストローラック(62)上の排塵物の全量を2番螺旋(86)へ回収し、前記センサ(110)によって2番処理室(67)に還元される2番処理物の単位時間当たりの量が設定量よりも多いことが検出されたときには、ストローラック(62)を上方へ揺動させて該ストローラック(62)上の排塵物を機外へ放出する構成とした
ことを特徴とするコンバイン。
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