JP4942190B2 - 液体吐出ヘッド及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、液体を吐出する液体吐出ヘッド及びその製造方法に関する。
近年広く普及している液体吐出ヘッドとして、インクジェットヘッドがある。このインクジェットへッドが搭載されるインクジェット記録装置は、近年、その価格の低下が著しく、インクジェットヘッドをいかに安く作るかが課題となっている。そのためには、特に液体吐出基板の小型化が効果的である。例えば、液体吐出基板を小型化すると、シリコンウエハ内からの液体吐出基板の取り個数が増加するので、液体吐出ヘッドであるインクジェットヘッドのコストダウンを図ることができる。
しかし、液体吐出基板を小型化していくと、電力と駆動信号を供給するための電極リード端子の接続部のサイズやピッチも小さくなり、接続信頼性の確保が難しくなる。したがって、電力と駆動信号を供給するための電極リード端子が接続される電気接続部を従来のヘッド基板のように基板の表面に形成することが困難になる。
電気接続性の問題を解決するためのインクジェットヘッドに関わる従来例としては、吐出口が設けられるシリコン基板の面とは反対側の面に、電気的な接続電極があるプリントヘッドが特許文献1(特開平11−192705号公報)に開示されている。
図9は、特許文献1(特開平11−192705号公報)に記載されたプリントヘッドの電気接続構成を示す、プリントヘッドと支持基板とを含んだ一部分の断面図である。
図9を参照すると、支持基板220に複数のプリントヘッド218が装着されている。
プリントヘッド218は、ノズル開口部238が形成された面の反対側の裏面に電気的な接続を行うための電極284とインク供給口242が形成されている。プリントヘッド218を保持するための支持基板220は第一の表面270及び第二の表面272に電気配線が施されている。そして、支持基板220の第1の表面270において、はんだバンプによりプリントヘッド218が電気的に接続され、搭載される。また論理回路(不図示)と駆動回路230とは、支持基板220の第1の表面とは反対側の第2の表面272に搭載される。
特開平11−192705号公報
しかしながら、特許文献1に開示されたインクジェットヘッドには、以下の様な課題がある。
それは、電気接続部の封止性(品質信頼性)の問題である。インクジェットヘッドは、インクジェット記録装置に搭載されて動作しており、常にインク雰囲気中に晒された状態で使用される。特許文献1には、プリントヘッド裏面の電極と支持基板表側面の電気配線との接続部における封止に関しては特に詳細には記述されていない。そのため、常にインクを起因とする電気的なトラブル(ショート・オープン等)や、化学的なトラブル(各使用部材(材料)の腐食や溶出、またはインク成分の特性変化等)等、全く予期せぬ現象によるトラブルへの対策が不明である。
また、一般的に半導体素子等は信頼性の面からエポキシ等の樹脂により完全密閉されてパッケージングされており、ピンホールや隙間等が無いように、完全に封止されている。このことは液体吐出ヘッドにおいても同様であり、上述した電極は勿論のこと、液体吐出基板等のように半導体素子が搭載される基板と、この基板を支持する支持部材との隙間等も完全に封止しておく必要がある。
さらに、液体吐出ヘッドにおける封止の場合は、液体の吐出性能や、吐出された液体が着弾する媒体に対する着弾精度を確保するために、封止樹脂が吐出口や液体供給口の正常な機能を害するといったことのないようにする必要がある。したがって、封止に関して通常の半導体素子よりもさらに厳しい液体吐出ヘッド特有の独特な制約がある。
本発明の目的は、吐出性能に悪影響を与えることなく、液体吐出基板の裏面と支持部材の表面との隙間や電極部分などをより確実に封止できる液体吐出ヘッドと、その製法を提供することにある。
本発明は、表面側に、液体を吐出するための複数の吐出口と、液体を吐出するためのエネルギーを発生するエネルギー発生手段と、を備え、裏面側に複数の電極を備え、裏面側から表面側へ液体を供給するための貫通口を備えた液体吐出基板と、前記液体吐出基板を支持する支持面と、該支持面に配置され前記電極と接続されるパッドと、前記液体吐出基板の前記貫通口に液体を供給するための矩形状の液体供給口と、を備えた支持部材と、を有する液体吐出ヘッドの製造方法であって、前記液体吐出基板と前記支持部材との搭載部分を封止する際、第1の封止樹脂を、前記支持面の前記液体供給口と前記パッドとの間の部分に、前記支持部材の前記液体供給口における最端部分を囲む形状に塗布する工程と、前記液体吐出基板を前記支持部材に搭載して前記電極と前記パッドとを接合する工程と、第2の封止樹脂を、前記支持部材上の前記液体吐出基板の外周から前記支持部材と前記液体吐出基板の隙間に導入する工程と、を含む方法を提供する。
また本発明は、表面側に、液体を吐出するための複数の吐出口と、液体を吐出するためのエネルギーを発生するエネルギー発生手段と、を備え、裏面側に複数の電極を備え、裏面側から表面側へ液体を供給するための貫通口を備えた液体吐出基板と、前記液体吐出基板を支持する支持面と、該支持面に配置され前記電極と接続されるパッドと、前記液体吐出基板の前記貫通口に液体を供給するための矩形状の液体供給口と、を備えた支持部材と、を有し、前記電極と前記パッドとを接合して、前記液体吐出基板を前記支持部材に搭載する液体吐出ヘッドであって、前記支持面の前記液体供給口と前記パッドとの間の部分に、前記支持部材の前記液体供給口における最端部分を囲む形状に塗布された第1の封止樹脂と、前記支持部材と前記液体吐出基板の隙間と前記液体供給口の周囲とを封止する第2の封止樹脂と、を含む液体吐出ヘッドを提供する。
本発明によれば、吐出性能に悪影響を与えることなく、液体吐出基板の裏面と支持部材の表面との隙間や電極部分などをより確実に封止できる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の液体吐出ヘッドの実施形態であるインクジェットヘッドを製造するときの主要な工程を示すフロー図である。これらの工程を含むインクジェットヘッドの詳細な製法については、図2〜図6を用いて、以下に説明する。
図2Aは、図7に示すヘッドカートリッジの記録素子基板400を支持する、支持部材200の記録素子基板400を支持する面の模式的平面図である。また、図2Bは、図2Aのライン[1]〜[5]における模式的断面図である。両図を用いて、本実施形態に係る製造工程で封止処理される部材の1つとしての支持部材200の構造を説明する。
支持部材200には、支持部材200を貫通する複数の液体供給口としてのインク供給口210がそれぞれ形成されている。各インク供給口210は、支持部材200の長手方向に沿って長い矩形に形成されている。つまり、インク供給口210は、支持部材200の上面から見ると、細長い矩形状の開口である。
液体吐出基板としての記録素子基板400が搭載される支持部材200の表面(支持面)には、インク供給口210の両最端部分のさらに外側に、電極パッド220が配置されている。また、支持部材220の裏面、すなわち電極パッド220が配置された面とは反対側面には、裏面電極端子(不図示)が形成されている。この裏面電極端子は、支持部材200内部に配線された電気配線パターン(不図示)を介して支持部材200表面の電極パッド220と電気的に接続されている。
また、支持部材200の表面には、インク供給口210の長辺近傍に沿って複数の放熱用パッド211が配設されている。
図3Aは、図2Aの支持部材200に、第1の封止樹脂510を塗布した状態を示している。図3Bは、図3Aのライン[1]〜[5]における模式的断面図である。また、図3Cは、図3Aの[6]の円内の拡大図である。また、図3Dは、図3CのX−X位置の断面図である。
支持部材200の表面において、第1の封止樹脂510が、インク供給口210の両最端部の各々とこの外側の電極パッド220との間と、放熱用パッド211とインク供給口210との間に塗布されている。そして、第1の封止樹脂510は、インク供給口210の両最端部分の各々を囲む様に、"コの字型"に塗布されている(図3C参照)。この形状は、インク供給口210の長手方向とは交差する方向の1辺とその長手方向に沿った方向の2辺とを有して、インク供給口210の最端部を囲む突起状を呈している。
ここで、第1の封止樹脂510は、塗布形状をできるだけ維持させるのが望ましいため、高粘度/高チクソの特性を有す樹脂を使用することが好ましい。本実施形態では、粘度で100Pa・s以上200Pa・s以下の樹脂を用いた。チクソ値は1.8以上2.2以下であった。これにより、第1の封止樹脂510は、支持部材200の面上で、上述のような"コの字型"の突起の形状を呈している。
図4Aは、図3Aの支持部材200に記録素子基板400を搭載した状態を示している。図4Bは、図4Aのライン[1]〜[4]における模式的断面図である。また、図4Cは、図4Aの[6]円内のY−Y断面図である。
記録素子基板400には、基板の裏面側から表面側へ液体を供給するための貫通口であるインク供給口405が形成されている。このインク供給口405は、支持部材200の液体供給口としてのインク供給口210と同様の形状を有し、インク供給口210と連通している。
記録素子基板400の表面には、液体であるインクを吐出するエネルギーを発生するエネルギー発生手段である電気熱変換素子(不図示)の複数が、インク供給口405を挟んだ位置に並んで配置されている。また、記録素子基板400の表面には流路形成部材415が接合されている。流路形成部材415は、各電気熱変換素子を包囲する液室、各液室に連通する液体吐出口としてのインク吐出口410、及びインク供給口405から各液室にインクを供給するインク供給路(液路)のそれぞれを形成するものである。インク吐出口410は記録素子基板400の長手方向に複数配設されて列をなす。
さらに、記録素子基板400の裏面には、支持部材200表面の電極パッド220に接続される電極(バンプ)420と、支持部材200表面の放熱用パッド211に接続される放熱用バンプ421と、が設けられている。
記録素子基板400は、支持部材200の電極パッド220と記録素子基板400の電極(バンプ)420とが超音波ボンディング等により接合され、支持部材200へ搭載される。この際に、第1の封止樹脂510は、記録素子基板400が搭載されることにより、塗布されたときの突起状の形状に比べ、その高さが若干潰された形状となる。しかしながら、上述したように、第1の封止樹脂510は、チクソ値(チクソトロピー)が高い材料を使用することによって塗布された面上に広がることが殆どない。そのため、第1の封止樹脂510は、記録素子基板400を支持部材200に搭載した後においても、記録素子基板400と支持部材200との搭載部分の隙間Gを封止するとともに、インク供給口210とインク供給口405とを塞がない形状を維持している。したがって、インク供給口210から電極パッド220及び電極(バンプ)420にインクが到達しないよう、第1の封止樹脂510に堤防的な役割を持たすことができる。
なお、必要により、この時点で加熱処理(キュア)を行い、第1の封止樹脂510を硬化させてから、以下に述べる次の工程を施しても良い。
図5Aは、図4Aの状態に第2の封止樹脂520を塗布した状態を示している。また、図5Bは、図5Aのライン[1]〜[5]における模式的断面図である。
第2の封止樹脂520は、記録素子基板400の側面の外周部全周に塗布する。このとき、第2の封止樹脂520は、できるだけ低粘度/低チクソ性で、流動性の良い樹脂を使用することが好ましい。本実施形態では、粘度で10Pa・s以上70Pa・s以下の樹脂を用いた。チクソ値は0.9以上1.1以下であったが、これより小さい値のものであってもよい。これによって、第2の封止樹脂520は、毛細管現象により、支持部材200と液体吐出基板400の隙間G内を、その内部へ向かって入り込んでいく。
この後に加熱処理(キュア)を行い、第2の封止樹脂520を硬化させる。
図6Aは、本実施形態のインクジェットヘッドの完成状態を示す図である。また、図6Bは、図6Aのライン[1]〜[5]における模式的断面図である。
第2の封止樹脂520は、毛細管現象によって記録素子基板400と支持部材200との隙間Gに完全に入り込んでおり、この隙間Gは完全に封止されている。記録素子基板400の吐出口列の両最端部分を除く部分では、記録素子基板400のインク供給口405のエッジ辺と支持部材200のインク供給口210のエッジ辺とで、第2の封止樹脂520のメニスカス膜511が形成される。このメニスカス膜511によって、第2の封止樹脂520がインク供給口210やインク供給口405の開口を塞ぐといったような不具合が発生することはない。
記録素子基板400の吐出口列の両最端部分についても、第1の封止樹脂510が堤防としての機能を発揮して、記録素子基板400の電極(バンプ)420の方向から流れ込んでくる第2の封止樹脂520の過剰供給を防いでいる。
また、第2の封止樹脂520は、第1の封止樹脂510の"コの字型"突起形状の内側部分と、記録素子基板400の吐出口列の両最端部分と、の空洞部分(記録素子基板400と支持部材200との隙間G)に、毛細管現象により流れ込んでくる。このとき、第2の封止樹脂520は、記録素子基板400の長手方向側から入り込み、最終的には第1の封止樹脂510の"コの字型"突起形状の内側部分に回りこんでいく。ここで、第2の封止樹脂520は、インク供給口210やインク供給口405のエッジ辺でメニスカス膜511を形成し、各インク供給口へ溢れることはない。また、記録素子基板400と支持部材200との隙間G内に残存していた空気等のガスは、第2の封止樹脂520に押し出され、支持部材200の液体供給口210を介して排気される。そのため、エアパス、巣(空洞)、および、ピンホール等が発生しない、より完全な封止を行うことが可能となる。
以下に、上述した実施形態に関してさらに詳しく述べる。
第1の封止樹脂510は、支持部材200における液体供給口210の両最端部分を囲むように、"コの字型"に塗布されており、記録素子基板400は、第1の封止樹脂510の上から搭載されている。この記録素子基板400の搭載により、支持部材200上に塗布された第1の封止樹脂510が、記録素子基板400における吐出口列の両最端部分をも"コの字型"に囲む。この第1の封止樹脂510は、できるだけ最初に塗布されたときの突起状の形状を維持させることが望ましいため、高粘度/高チクソ性の特性を有する樹脂を使用することが好適である。
第2の封止樹脂520は、支持部材200に実装された記録素子基板400の側面の外周に塗布されており、毛細管現象によって記録素子基板400と支持部材200の隙間Gに完全に入り込んで硬化している。これにより、第2の封止樹脂520は、電気接続用電極(バンプ)420と放熱用バンプ421とを完全に覆い、記録素子基板400と支持部材200との隙間Gを完全に封止している。このとき、記録素子基板400の両最端部分付近を除く部分では、記録素子基板400におけるインク供給口405のエッジ辺と支持部材200におけるインク供給口210のエッジ辺とでメニスカス膜511が形成される。したがって、第2の封止樹脂520がインク供給口210やインク供給口405の開口を塞ぐといった不具合が発生することはない。また、記録素子基板400の両最端部分付近についても、第1の封止樹脂510と第2の封止樹脂520とがインク供給口210やインク供給口405の開口を塞ぐといった不具合が発生することはない。これは、記録素子基板400の両最端部分付近における第2の封止樹脂の挙動/供給が、上述の不都合が生じないように、第1の封止樹脂510の突起形状によって規制されているためである。
ここで、図8を用いて、第1の封止樹脂510が無い場合について説明する。
第2の封止樹脂520は、毛細管現象を利用して支持部材200と記録素子基板400の隙間Gを完全に封止するために、低粘度/低チクソ性で、流動性の良い樹脂を使用するのが好適である。しかし、これによる以下の様な弊害も発生する。
記録素子基板400の両最端部分付近を除く部分では、第2の封止樹脂520がd1方向(インク供給口210またはインク供給口405の開口長手方向とは交差する方向)にのみしか流れ込んでこない。しかし、記録素子基板400の両最端部分付近では、図8の図面左右のd1方向の他に、図8の図面上向き方向または下向き方向であるd2方向にも流れ込んでくる。d2方向とは、図8より、記録素子基板400の電極(バンプ)420側からの方向、あるいはインク供給口210またはインク供給口405の開口長手方向である。そのため、供給量が必要以上に過剰になってしまい、上述したようなメニスカス膜511が形成されにくく、インク供給口210やインク供給口405を塞がないような第2の封止樹脂の塗布量の調整が、非常に困難となってしまうことである。
仮にほんの僅かな量でも過剰供給となった場合、記録素子基板400の両最端部分のインク吐出口410を起点とした数個〜数十個の連続したインク吐出口410の吐出不良が発生してしまう。
逆に、第2の封止樹脂520の供給量を減らした場合、電極(バンプ)420を含む記録素子基板400と支持部材200の隙間Gを完全に封止するのが相当困難になる。その結果、封止が不完全な状態となってしまう可能性が大きく、品質安定性が低下するおそれがある。そのため、ある程度、第2の封止樹脂520の量を多めに供給する必要がある。
そこで、本実施形態では、記録素子基板400を搭載する工程の前に、第1の封止樹脂510を、支持部材200におけるインク供給口210の両最端部分近傍に塗布する。このように塗布された第1の封止樹脂510は第2の封止樹脂520に対する堤防としての役割を担うことで、d2方向に流れ込んでくる第2の封止樹脂520の挙動/供給量を規制している。そのため、電極(バンプ)420を含む記録素子基板400と支持部材200の隙間Gの完全な封止と、記録素子基板400におけるインク吐出口410の吐出不良の防止と、を両立させることができる。
次に、第1の封止樹脂510の塗布形状/領域について説明する。
本実施形態は、封止工程フローを2工程に分け、まず最初に、第1の封止樹脂510を支持部材200に塗布した後、記録素子基板400を搭載して電気接続用電極(バンプ)420と放熱用バンプ421とを接合する。次いで、記録素子基板400の側面外周部の全周から、支持部材200と記録素子出基板400の間の隙間Gに、第2の封止樹脂520を塗布・導入する(図1参照)。通常、一般的な半導体素子(例えば、フリップチップ等)の場合は、1回の封止樹脂の塗布(アンダーフィル)で封止工程が完了する。これに対し、本実施形態のインクジェットヘッドは、裏面側に電気接続用電極(バンプ)420の他に、放熱用バンプ421を具備しており、記録素子基板400から発生する熱を、放熱用バンプ421を介して支持部材200に放熱している。そのため、放熱用バンプ421と支持部材200の放熱用パッド211とが接している面に、放熱用バンプ421と放熱用パッド211の原料以外の物質が残存/存在すると、放熱性を低下させる要因となってしまう。
本実施形態のインクジェットヘッドにおいて、仮に封止工程を1回にした場合には、記録素子基板400を支持部材200に搭載する前に、第1の封止樹脂510で支持部材200のインク供給口210の全周及びその周辺部を塗布しなければならない。あるいは、記録素子基板400の支持部材200への搭載後に、記録素子基板400の側面外周部の全周に、第2の封止樹脂520を塗布しなければならない。
後者の場合は、放熱用バンプ421と放熱用パッド211との接合後に、第2の封止樹脂520を塗布するので、放熱用バンプ421と放熱用パッド211との接合面には他の物質が介在しないので、放熱性を最良の状態にすることにできる。しかしながら、第2の封止樹脂520は、上述したように、低粘度/低チクソ性で、流動性の良い樹脂を使用する必要がある。そのため、支持部材200におけるインク供給口210の最両端部分には、第2の封止樹脂520が、d1方向に、2方向から流れて込んでくる他に、d2方向にも流れ込んでくる。そのため、第2の封止樹脂520の供給量が必要以上に過剰になって、メニスカス膜511が張られない。その結果、記録素子基板400の両最端部分のインク吐出口410を起点とした数個〜数十個の連続したインク吐出口410の吐出不良が発生してしまう可能性が大きくなる。
逆に、前者の場合は、記録素子基板400の支持部材200への搭載前に、第1の封止樹脂510を、インク供給口210を塞がないようにその周囲に塗布することができる。そのため、記録素子基板400を搭載してもインク吐出口410の吐出不良が発生する可能性は小さい。また、記録素子基板400の搭載後に、記録素子基板400の側面外周部から第2の封止樹脂520を塗布しても、先に塗布された第1の封止樹脂510が、インク供給口210、インク供給口405それぞれの全周に対して堤防の役割を果している。そのため、第2の封止樹脂520がインク供給口210、インク供給口405を塞ぐことによる、インク吐出口410の吐出不良が発生することはない。
しかしながら、この場合には、インク供給口210、インク供給口405それぞれの全周に対して堤防となっている第1の封止樹脂510によって、記録素子基板400と支持部材200との間に存在する空気等のガスの抜け穴がなくなてしまう。これにより、エアパスや巣、ピンホール等の不具合が発生する可能性がある。また、第1の封止樹脂510には、上述したように、できるだけ塗布形状を維持させることが望ましいため、高粘度/高チクソ性の特性を有する樹脂を使用する。その結果、第1の封止樹脂510は、流動性/排出性が非常に悪い。そのため、放熱用バンプ421と放熱用パッド211が接している面に、第1の封止樹脂510が排出し切れずに残ってしまう可能性が高い。その結果、記録素子基板400から支持部材200への熱伝導特性が低下し、放熱性が悪化することになる。これは、インクジェットヘッドをインクジェット記録装置に搭載した状態での画像形成動作中に、異常な温度上昇に起因するインクジェットヘッドのトラブルを起こす可能性を高めることとなる。
以上より、インク吐出口410の吐出不良を防止するためには、適切な部位への第1の封止樹脂510の塗布が必要である。また、放熱性を確保するためには、第1の封止樹脂510が、できるだけ放熱用バンプ420と放熱用パッド211との接合面に残存しないことが重要である。そこで、上述したような理由により、第1の封止樹脂510を、支持部材200のインク供給口210の両最端部分の外側と、その近傍に配置してある放熱用パッド211の間の領域内に、インク供給口210の各々の最端部分を囲う形状に塗布する。このような第1封止樹脂510の塗布により、放熱性の低下を最小限に抑えることができる。さらに、記録素子基板400の支持部材200への搭載後に塗布する第2の封止樹脂520に起因する、吐出口列の両最端部分に当たるインク吐出口410を起点とする数個〜数十個の連続したインク吐出口410の吐出不良の発生も防止することができる。
一番効率の良い第1の封止樹脂510の塗布形状は、d1方向(2方向)とd2方向とに流れ込んでくる第2の封止樹脂520に対して、第1の封止樹脂510でそれぞれの方向に対して連続した堤防を形成するのが好適である。
本実施形態では、第1の封止樹脂510の塗布形状を"コの字型"の突起形状としているが、これは、d1方向とd2方向に対して途切れの無い連続した堤防を形成できる形状である。したがって、本実施形態における"コの字型"には、上述したような効果を期待できる、例えば"Uの字型"、"Cの字型"、"Vの字型"も、実質的には含まれるものである。
また、第1の封止樹脂510は、記録素子基板400を搭載すると潰されて若干広がる(伸びる)。このため、第1の封止樹脂510は、"コの字型"の様に3辺を連続した状態で塗布せず、3本の短直線(あるいは、特定部位への数個のドット塗布)でd1方向とd2方向とに対して、それぞれ堤防を形成するように塗布しても同様の結果を得ることができる。
なお、以上のように説明した実施形態では、インクを吐出するために熱エネルギーを発生する電気熱変換素子を備えていたが、もちろん本発明は、振動素子によってインクを吐出する等、その他の吐出方式による液体吐出ヘッドであっても適用できるものである。
以上のように、支持部材200に記録素子基板400を搭載して製造されたインクジェットヘッドは、インクジェット記録装置との電気接続を行なうためのコンタクト部や、インクタンクを搭載する部位を有する樹脂製の筐体に接合される。このようにして、ヘッドカートリッジが完成する(図7)。
本発明の実施形態としてのインクジェットヘッドの製造方法の主要な工程を示すフロー図である。 液体吐出ヘッドとしてのインクジェットヘッドを図7において上方から見た場合の、液体吐出基板としての記録素子基板を支持する支持部材の模式的平面図である。 図2Aのライン[1]〜[5]における模式的断面図である。 図2Aの支持部材に、第1の封止樹脂を塗布した状態を示す図である。 図3Aのライン[1]〜[5]における模式的断面図である。 図3Aの[6]の円内の拡大図である。 図3CのX−X位置の断面図である。 図3Aの支持部材に記録素子基板を搭載した状態を示す図である。 図4Aのライン[1]〜[4]における模式的断面図である。 図4Aの[6]円内の、Y−Y断面図である。 図4Aの状態に第2の封止樹脂を塗布した状態を示す図である。 図5Aのライン[1]〜[5]における模式的断面図である。 本実施形態のインクジェットヘッドの完成状態を示す図である。 図6Aのライン[1]〜[5]における模式的断面図である。 本発明の実施形態によるインクジェットヘッドを搭載したヘッドカートリッジの全体斜視図である。 図5及び図6に示す第2の封止樹脂の塗布工程において第1の封止樹脂が無い場合に於ける第2の封止樹脂の流れ込み方を示す上面概略図である。 従来のインクジェットヘッドの電気接続部を示す断面概略図である。
符号の説明
200 支持部材
210 インク供給口
220 電極パッド
211 放熱用パッド
400 記録素子基板
405 インク供給口
410 インク吐出口
415 オリフィス部
420 電気接続用電極(バンプ)
421 放熱用バンプ
510 第1の封止樹脂
520 第2の封止樹脂

Claims (10)

  1. 表面側に、液体を吐出するための複数の吐出口と、液体を吐出するためのエネルギーを発生するエネルギー発生手段と、を備え、裏面側に複数の電極を備え、裏面側から表面側へ液体を供給するための貫通口を備えた液体吐出基板と、
    前記液体吐出基板を支持する支持面と、該支持面に配置され前記電極と接続されるパッドと、前記液体吐出基板の前記貫通口に液体を供給するための矩形状の液体供給口と、を備えた支持部材と、
    を有する液体吐出ヘッドの製造方法であって、
    第1の封止樹脂を、前記支持面の前記液体供給口と前記パッドとの間の部分に、前記支持面における矩形状の前記液体供給口の両端部の各々を囲む形状に塗布する工程と、
    前記第1の封止樹脂の塗布工程後、前記液体吐出基板を前記支持に搭載して前記電極と前記パッドとを接合する工程と、
    該接合の後、第2の封止樹脂を、前記支持部材上の前記液体吐出基板の外周から前記支持部材と前記液体吐出基板の隙間に導入する工程と、
    を含む液体吐出ヘッドの製造方法。
  2. 前記第1の封止樹脂は、前記液体吐出基板を前記支持部材に搭載した後において前記貫通口と前記液体供給口とを塞がない形状を維持することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  3. 前記第2の封止樹脂は、前記隙間毛細管現象で導入されることを特徴とする請求項1または2に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  4. 前記第2の封止樹脂は、前記隙間に面する前記貫通口および前記液体供給口のエッジ辺メニスカス膜を形成することを特徴とする請求項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  5. 前記第2の封止樹脂は、前記支持面における前記液体供給口の端部と、該各端部を囲むように塗布された各前記第1の封止樹脂との間へ毛細管現象で入りこむことを特徴とする請求項3または4に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  6. 前記第1の封止樹脂形状は、前記支持面における前記液体供給口の長手方向とは交差する方向の1辺と当該長手方向に沿った方向の2辺とを有して、該液体供給口の両端部の各々を囲む形状であることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  7. 前記記録素子基板の裏面側には放熱用バンプが設けられ、前記支持部材の前記支持面には放熱用パッドが設けられ、前記液体吐出基板を前記支持部材に搭載した後において、前記放熱用バンプと前記放熱用パッドとは接していることを特徴とする請求項1から6の何れかに記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  8. 表面側に、液体を吐出するための複数の吐出口と、液体を吐出するためのエネルギーを発生するエネルギー発生手段と、を備え、裏面側に複数の電極を備え、裏面側から表面側へ液体を供給するための貫通口を備えた液体吐出基板と、
    前記液体吐出基板を支持する支持面と、該支持面に配置され前記電極と接続されるパッドと、前記液体吐出基板の前記貫通口に液体を供給するための矩形状の液体供給口と、を備えた支持部材と、を有し、
    前記電極と前記パッドとを接合して、前記液体吐出基板を前記支持部材に搭載する液体吐出ヘッドであって、
    前記支持面の前記液体供給口と前記パッドとの間の部分に、前記支持面における矩形状の前記液体供給口の両端部の各々を囲む形状に塗布された第1の封止樹脂と、
    前記支持部材と前記液体吐出基板の隙間と前記液体供給口の周囲とを封止する第2の封止樹脂と、を有する液体吐出ヘッド。
  9. 前記記録素子基板の裏面側には放熱用バンプが設けられ、前記支持部材の前記支持面には放熱用パッドが設けられ、前記放熱用バンプと前記放熱用パッドとが接していることを特徴とする請求項8に記載の液体吐出ヘッド。
  10. 前記第1の封止樹脂形状は、前記支持面における前記液体供給口の長手方向とは交差する方向の1辺と当該長手方向に沿った方向の2辺とを有して、該液体供給口の両端部の各々を囲む形状であることを特徴とする請求項8または9に記載の液体吐出ヘッド。
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