JP4940422B2 - 球状遷移金属錯体およびその製造方法 - Google Patents
球状遷移金属錯体およびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4940422B2 JP4940422B2 JP2005196438A JP2005196438A JP4940422B2 JP 4940422 B2 JP4940422 B2 JP 4940422B2 JP 2005196438 A JP2005196438 A JP 2005196438A JP 2005196438 A JP2005196438 A JP 2005196438A JP 4940422 B2 JP4940422 B2 JP 4940422B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- transition metal
- optionally substituted
- formula
- metal complex
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
- 0 *c(c(C#Cc1ccncc1)ccc1)c1C#Cc1ccncc1 Chemical compound *c(c(C#Cc1ccncc1)ccc1)c1C#Cc1ccncc1 0.000 description 7
Images
Landscapes
- Pyridine Compounds (AREA)
Description
従って、化学的な手法によって球状構造を設計し、その内部に機能性の官能基の導入を行うことができれば、分子設計によって構造や機能を自由に制御できると期待される。
デンドリマーは三次元の枝分かれ構造をしており、機能性部位が内部に密集している。これらの官能基が球体内に集まることによって、金属イオンの包接、光エネルギーの捕集などの機能が見出されている(非特許文献3〜7)。
しかしながら、デンドリマーは合成が煩雑であり、内部の空間を広げることが難しいといった問題点がある。
その結果、置換基を錯体の中空の殻内部に配置しつつ、従来通りの球状遷移金属錯体が効率よく得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
(1)中空の殻を有する球状遷移金属錯体であって、前記中空の殻が、n1個(n1は、6〜60の整数を表す。)の遷移金属原子と、2n1個の、置換基を有する二座有機配位子とから形成されてなり、かつ、前記置換基が前記中空の殻内部に配向するように形成されていることを特徴とする球状遷移金属錯体。
(2)中空の殻を有する球状遷移金属錯体であって、前記中空の殻が、n2個(n2は、6、12、24、30または60である。)の遷移金属原子と、2n2個の、置換基を有する二座有機配位子とから形成されてなり、かつ、前記置換基が前記中空の殻内部に配向するように形成されていることを特徴とする球状遷移金属錯体。
(3)遷移金属化合物(M)と置換基を有する二座有機配位子(L)とから、前記置換基が中空の殻内部に配向するように自己組織的に形成されてなる、式:Mn1L2n1(n1は、6〜60の整数を表し、M同士、L同士は、それぞれ同一であっても、相異なっていても良い。)で表される(1)に記載の球状遷移金属錯体。
(5)直径3〜15nmの中空の殻を有することを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の球状遷移金属錯体。
(6)前記遷移金属錯体を構成する遷移金属原子が、Ti、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ru、Rh、Pd、Cd、Os、Ir及びPtからなる群から選ばれる一種であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の球状遷移金属錯体。
(7)前記二座有機配位子が、式(I)
m1、m2はそれぞれ独立して、0〜4の整数を表す。m1、m2が2以上のとき、R1同士、R2同士はそれぞれ同一であっても、相異なっていても良い。
Aは、下記式(a−1)〜(a−4)
R4は、ハロゲン原子、置換されていても良いアルキル基、置換されていても良いアルコキシル基、シアノ基またはニトロ基を表す。
m3は0〜3の整数を表し、m4は0〜2の整数を表す。m3が2以上、m4が2のとき、複数個のR4は同一であっても、相異なっていても良い。
Qは、−Nr1−(r1は水素原子、アルキル基、アリール基、若しくはアシル基を表す。)、−O−、−C(=O)−、−S−、または−SO2−を表す。〕
で表される基を示す。}
で示される化合物の一種であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の球状遷移金属錯体。
(9)前記二座有機配位子が、式(I−1)
(10)遷移金属化合物(M)と置換基を有する二座有機配位子(L)とを、遷移金属化合物(M)1モルに対し、二座有機配位子(L)を1〜5モルの割合で反応させることを特徴とする(1)〜(9)のいずれかに記載の球状遷移金属錯体の製造方法。
(11)前記遷移金属化合物を構成する遷移金属原子が、Ti、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ru、Rh、Pd、Cd、Os、Ir及びPtからなる群から選ばれる一種であることを特徴とする(10)に記載の球状遷移金属錯体の製造方法。
本発明によれば、二座有機配位子の官能基を球状遷移金属錯体の中空の殻内部に集積することが可能であるため、小分子の持つ機能や情報が球状遷移金属錯体内部で増幅されることが期待される。
また、二座有機配位子に導入する官能基によって、球状遷移金属錯体の中空内部の環境を自在に変化させることが可能となり、他の分子やイオンをゲストとして取り込むことが可能であり、精密に配置された官能基を用いることで、ゲストの種類や数の制御を行うことも可能となる。
1)球状遷移金属錯体
本発明の球状遷移金属錯体は、中空の殻を有する球状遷移金属錯体であって、前記中空の殻が、n1個の遷移金属原子と、2n1個の、置換基を有する二座有機配位子(以下、「二座配位子(L)」ということがある。)とから形成されてなり、かつ、前記置換基が前記中空の殻内部に配向するように形成されていることを特徴とする。
ここで、n1は6〜60の整数である。
ここで、n2は、6、12、24、30または60、好ましくは6または12、特に好ましくは12である。
本発明の球状遷移金属錯体を構成する遷移金属原子としては、特に制限されないが、Ti、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ru、Rh、Pd、Cd、Os、Ir及びPtからなる群から選ばれる一種であることが好ましく、平面4配位の錯体を容易に形成し得ることから、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt等の白金族原子が好ましく、Ru、Pd、Ptがより好ましく、Pdが特に好ましい。
遷移金属原子の価数は、通常0〜4価、好ましくは2価であり、配位数は、通常4〜6、好ましくは4である。
本発明の球状遷移金属錯体を形成する二座配位子(L)は、置換基を有し、かつ、この置換基が、中空の殻内部に配向するように遷移金属原子と自己組織的に球状遷移金属錯体を形成できるものであれば特に制限されないが、下記に示す式(I)で表される化合物が好ましい。式(I)で表される化合物は、ピリジル基の隣にブリッジ部としてアセチレン基を有し、平面性を保ちつつ、両端のピリジル基の間に広い空間をもった構造を有する。
m1、m2はそれぞれ独立して、0〜4の整数を表す。m1、m2が2以上のとき、R1同士、R2同士はそれぞれ同一であっても、相異なっていても良い。
Aは、下記式(a−1)〜(a−4)で表される化合物の一種を表す。
R3の置換基としては、特に制限されない。R3の具体例としては、置換されていても良いアルキル基、式:−(OCH2CH2)s−OR5〔式中、R5は、水素原子、置換されていても良いアルキル基、置換されていても良いアリール基、置換されていても良いヘテロ環基、式:−CO−C(r2)=CH2(r2は、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。)で表される基、式:−(CH2)t−R6−N=N−R7(tは0〜10の整数を表し、R6は置換されていても良いアリーレン基を表し、R7は置換されていても良いアリール基を表す。)で表される基を示す。sは0〜20の整数を表す。〕で示される基が挙げられる。
m3は0〜3の整数を表し、m4は0〜2の整数を表す。m3が2以上、m4が2のとき、複数個のR4は同一であっても、相異なっていても良い。
R1、R2、R4の置換されていても良いアルキル基のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基などの炭素数1〜20のアルキル基が挙げられる。
また、R1、R2、R4の置換されていても良いアルキル基の置換基としては、ハロゲン原子、アルコキシル基、置換基を有していても良いフェニル基などが挙げられる。
前記r1のアルキル基としては、メチル基、エチル基などが、アリール基としては、フェニル基、p−メチルフェニル基などが、アシル基としては、アセチル基、ベンゾイル基などがそれぞれ挙げられる。
置換されていても良いアリール基のアリール基としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、アントラニル基などが挙げられる。
R5の置換されていても良いヘテロ環基のヘテロ環基としては、特に制限されず、例えば、フリル基、チエニル基、ピロール基、イミダゾイル基、チアゾリル基、オキサゾイル基、ピリジル基などが挙げられる。
また、R5のアリール基およびヘテロ環基の置換基としては、特に制限されず、例えば、置換されていても良いアリール基、ハロゲン原子、アルコキシル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、置換されていてもよいアミノ基;カルボキシル基、ニトロ基、シアノ基などが挙げられる。
R7は、フェニル基、4−メチルフェニル基、4−t−ブトキシフェニル基などの置換されていても良いアリール基を表す。
また、sは0〜20の整数を表し、0〜5の整数が好ましい。
図1に示す球状遷移金属錯体は、金属イオン12個と折れ曲がった二座配位子(L)24個が自己集合することにより構築され、その内部に広い空間を持つ。また、二座配位子(L)は置換基Rを有し、置換基Rは、球状の殻の内面に精密に配列されている。
本発明の球状遷移金属錯体の製造方法は、遷移金属化合物(M)と二座配位子(L)とを、遷移金属化合物(M)1モルに対し、二座配位子(L)を1〜5モル、好ましくは2〜3モルの割合で反応させることを特徴とする。
用いる溶媒としては、アセトニトリルなどのニトリル類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサンなどのエーテル類;ジクロロメタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類;ペンタン、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素類;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;エチルセロソルブなどのセロソルブ類;水等が挙げられる。これらの溶媒は一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
反応時間は、数分から数日間である。
反応終了後は、ろ過、イオン交換樹脂等によるカラム精製、蒸留、再結晶等の通常の後処理を行い、目的とする球状遷移金属錯体を単離することができる。
例えば、前記式(I)で表される化合物のうち、下記式(I−2)で表される化合物は、以下に示すように、文献公知の方法(K.Sonogashira,Y.Tohda,N.Hagihara,Tetrahedron Lett.,1975,4467;J.F.Nguefack,V.Bolitt,D.Sinou,Tetrahedron Lett.,1996,31,5527)に従い、製造することができる。
(A−1)は、式:X−A−Xで表される化合物を表す。
Xは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子を表す。
反応温度は、通常、0℃から溶媒の沸点までの温度範囲、好ましくは10℃〜70℃であり、反応時間は、反応規模等にもよるが、通常、数分から数十時間である。
また、式(III)で表される化合物は、公知の方法で製造することができる。
(機器類)
(1)1H−NMRスペクトルの測定
1H−NMRスペクトルは、Bruker DRX 500(500MHz)NMR spectrometer、及びJEOL JNM−AL 300(300MHz)NMR spectrometerにより測定した。
溶媒として、CDCl3、DMSOを用いた場合は、テトラメチルシラン(TMS)を内部標準とし、CD3CNを用いた場合にはTMSのCDCl3溶液をガラスキャピラリーに封管したものを外部標準とした。
また、化学シフトはδ値で表示し、次の省略形を用いた。s(一重線)、d(二重線)、t(三重線)、br(ブロード)。
13C−NMRスペクトルおよび各種二次元NMRスペクトルは、Bruker DRX 500(125MHz)NMR spectrometerを用いて測定した。
(3)マススペクトルの測定
GC−MSは、SHIMADZU GC−CP5050Aを用い、マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析(MALDI−TOFMAS)は、Applied Biosystem Voyager DE−STRで測定した。
コールドスプレーイオン化質量分析(CSI−MS)は、JEOL JMS−700Cにより測定した。
反応溶媒は、和光純薬工業株式会社、並びに、関東化学株式会社で市販されている有機合成用脱水溶媒(水分0.005%以下)をそのまま使用した。
試薬類は、特に精製することなく、市販品をそのまま使用した。
Pd(PPh3)4は、Coulsonの文献(D.R.Coulson,Inorg. Synth.,1972,13,121)を参考にして合成したものを使用した。
(1)2,6−ビス(4−ピリジルエチニル)トルエンの合成
白色粉末状物質
1H−NMR(DMSO−d6,500MHz,δppm);2.69(s,3H),7.37(t,J=7.8Hz,1H),7.57(d,J6.3Hz4H),7.68(d,J=7.8Hz,2H),8.65(d,J=5.8Hz,4H)
13C−NMR(DMSO−d6,125MHz,δppm);18.87(CH3),91.03(Cq),91.46(Cq),121.99(Cq),125.99(CH),126.55(CH),129.91(Cq),133.22(CH),142.20(Cq),149.97(CH)
MS(GC−MS);m/z=294(M+)
白色粉末状物質
1H−NMR(DMSO−d6,500MHz,δppm);2.67(s,3H),7.39(br,1H),7.68(br,2H),7.90(br,4H),9.24(br,4H)
13C−NMR(DMSO−d6,125MHz,δppm);18.73(CH3)、89.66(Cq),95.88(Cq),121.16(Cq),126.93(CH),128.59(CH),134.12(CH),134.40(Cq),143.82(Cq),151.00(CH)
CSI−MS(CF3SO3 − salt,CD3CN:DMSO=20:1);1553.2[M−7(CF3SO3 −)]7+,1340.3[M−8(CF3SO3 −)]8+,1174.8[M−9(CF3SO3 −)]9+
(1)1,3−ジブロモ−2−[4−(p−シアノフェニル)−1,4−ジオキサブチル]ベンゼンの合成
白色粉末状物質
1H−NMR(CDCl3,300MHz,δppm);4.32−4.42(m,4H),6.83(t,J=8.1Hz,1H),6.95(d,J=9.0Hz,2H),7.45(d,J=8.1Hz,2H),7.54(d,J=9.0Hz,2H)
13C−NMR(CDCl3,75MHz,δppm);67.18(CH2),70.92(CH2),104.30(Cq),115.35(CH),118.26(Cq),119.13(Cq),126.65(CH),132.81(CH),133.97(CH),152.82(Cq),161.86(Cq)
MS(GC−MS);m/z=395,397,399(M+)
白色粉末状物質
1H−NMR(DMSO−d6,500MHz,δppm);4.47−4.49(m,2H),4.71−4.73(m,2H),6.70(d,J=9.0Hz,1H),7.29(t,J=7.5Hz,1H),7.42(d,J=6.0Hz,4H),7.65(d,J=8.5Hz,1H),7.70(d,J=8.0Hz,2H),8.59(d,J=5.5Hz,4H)
13C−NMR(DMSO−d6,125MHz,δppm);68.24,72.73,89.08,91.25,102.92,115.42,116.03,118.98,124.47,125.10,129.77,134.05,134.88,149.84,161.14,161.72
MS(MALDI−TOFMAS);m/z=442.0([M+H]+)
白色粉末状物質
1H−NMR(DMSO−d6,500MHz,δppm);4.43(br,2H),4.70(br,2H),6.94(d,J=8.0Hz,1H),7.29(br,1H),7.44(d,J=8.0Hz,1H),7.68(br,2H),7.75(br,4H),9.23(br,4H)
13C−NMR(DMSO−d6,500MHz,δppm);69.42,74.21,90.94,94.89,103.84,116.21,116.59,120.03,125.77,129.47,134.87,135.13,137.12,151.98,162.64,163.33
(1)1,3−ジブロモ−2−(12−トシルオキシ−1,4,7,10−テトラオキサドデシル)ベンゼンの合成
無色液体状物質
1H−NMR(CDCl3,500MHz,δppm);2.44(s,3H),3.58−3.60(m,4H),3.64−3.67(m,2H),3.68−3.71(m,2H),3.74−3.77(m,2H),3.91−3.94(m,2H),4.16(m,J=5.0Hz,2H),4.19(t,J=4.9Hz,2H),6.86(t,J=7.9Hz,1H),7.33(d,J=8.1Hz,2H),7.50(d,J=8.1Hz,2H),7.80(d,J=8.2Hz,2H)
13C−NMR(CDCl3,75MHz,δppm);21.62(CH3),68.66(CH2),69.22(CH2),70.10(CH2),70.59(CH2),70.69(CH2),70.75(CH2),70.80(CH2),72.37(CH2),118.38(Cq),126.28(CH),127.97(CH),129.79(CH),132.71(CH),133.01(Cq),144.75(Cq),153.27(Cq)
MS(MALDI−TOFMAS);m/z=602.9,604.9,606.9([M+Na]+),618.8,620.8,622.8([M+K]+)
無色液体状物質
1H−NMR(CDCl3,500MHz,δppm);3.38(s,3H),3.54−3.57(m,2H),3.64−3.68(m,4H),3.68−3.72(m,4H),3.76−3.79(m,2H),3.94(t,J=5.1Hz,2H),4.20(t,J=5.0Hz,2H),6.86(t,J=8.1Hz,1H),7.50(d,J=8.1Hz,2H),
13C−NMR(CDCl3,75MHz,δppm);59.02(CH3),70.08(CH2),70.50(CH2),70.62(CH2),70.65(CH2),70.67(CH2),70.81(CH2),71.93(CH2),72.37(CH2),118.39(Cq),126.25(CH),132.69(CH),153.29(Cq)
無色液体状物質
1H−NMR(CD3CN,500MHz,δppm);4.10(s,3H),4.25−4.28(m,2H),4.32−4.37(m,8H),4.46−4.49(m,2H),4.72−4.75(m,2H),5.31−5.34(m,2H),8.05(t,J=7.9Hz,1H),8.33(d,J=6.2Hz,4H),8.46(d,J=7.6Hz,2H),9.47(d,J=5.8Hz,4H)
13C−NMR(CD3CN,125MHz,δppm);58.71(CH3),70.83(CH2),70.96(CH2),70.97(CH2),71.05(CH2),71.24(CH2),71.38(CH2),72.44(CH2),74.72(CH2),89.96(Cq),92.00(Cq),117.55(CH),125.00(CH),126.14(CH),131.47(CH),135.59(CH),150.88(CH),162.50(CH)
13C−NMR(DMSO−d6,125MHz,δppm);57.91(CH3),69.45(CH2),69.64(CH2),69.65(CH2),69.69(CH2),69.85(CH2),69.99(CH2),71.14(CH2),73.58(CH2),89.15(Cq),91.13(Cq),115.96(CH),124.24(CH),125.14(CH),129.89(CH),134.70(CH),149.94(CH),161.20(CH)
MS(LC−MS);m/z=487.0([M+H]+)
白色粉末状物質
1H−NMR(CD3CN,500MHz,δppm);3.94(s,3H),4.07−4.10(m,2H),4.17−4.20(m,2H),4.21−4.24(m,2H),4.27−4.30(m,2H),4.35−4.38(m,2H),4.45−4.48(m,2H),4.69−4.72(m,2H),5.24−5.27(m,2H),8.04(t,J=7.7Hz,1H),8.47(d,J=7.8Hz,2H),8.52(d,J=6.8Hz,4H),9.87(d,J=6.7Hz,4H)
白色粉末状物質
1H−NMR(DMSO−d6,500MHz,δppm);3.06(s,3H),3.20−3.24(m,2H),3.29−3.35(m,4H),3.35−3.39(m,2H),3.43−3.47(m,2H),3.54−3.58(m,2H),3.83(br,2H),4.41(br,2H),7.26(br,1H),7.68(br,2H),7.85(br,4H),9.27(br,4H)
13C−NMR(DMSO−d6,125MHz,δppm);57.84(CH3),69.41(CH2),69.62(CH2),69.63(CH2),69.67(CH2),69.80(CH2),70.05(CH2),71.08(CH2),73.96(CH2),89.83(Cq),93.91(Cq),115.15(Cq),124.57(CH),128.49(CH),134.23(Cq),136.02(CH),151.04(CH),162.26(Cq)
次に、上記実施例3の(4)で合成した球状遷移金属錯体(1a)のアセトニトリル溶液(0.1mM)に対して、12当量の各種金属イオンを加え、1H−NMRを用いてエチレングリコール鎖と金属イオンとの相互作用について検討を行った。金属イオンのカウンターアニオンにはCF3SO3 −を用いた。
このように、アセトニトリル中において金属イオンの取り込みが確認できたのは、溶媒の配位がそれほど強くないために、ハードなドナーであるエーテル酸素が優先してランタノイドイオンに配位することができるためであると考えられる。
DMSOを加えることにより、錯体内部に貯蔵されたランタノイドイオンを取り出すことができたといえる。
今後、球状錯体内面に導入する置換基を設計することにより、生体系と同様に、球殻構造の内面に導入する置換基が協同的に働くことによる新たな機能も期待でき、DNAなどの巨大な生体分子の包接や安定化、ポリペプチドの選択的認識および二次構造の制御、またこのような巨大空間を利用した特異的な反応場としての利用も十分に期待できる。
Claims (9)
- 中空の殻を有する球状遷移金属錯体であって、前記中空の殻が、n1個(n1は、6〜60の整数を表す。)の遷移金属原子と、2n1個の、式(I)
m1、m2はそれぞれ独立して、0〜4の整数を表す。m1、m2が2以上のとき、R 1 同士、R 2 同士はそれぞれ同一であっても、相異なっていても良い。
Aは、下記式(a−1)〜(a−4)
R 4 は、ハロゲン原子、置換されていても良いアルキル基、置換されていても良いアルコキシル基、シアノ基またはニトロ基を表す。
m3は0〜3の整数を表し、m4は0〜2の整数を表す。m3が2以上、m4が2のとき、複数個のR 4 は同一であっても、相異なっていても良い。
Qは、−Nr1−(r1は水素原子、アルキル基、アリール基若しくはアシル基を表す。)、−O−、−C(=O)−、−S−、または−SO 2 −を表す。]
で表される基を示す。}
で示される、置換基を有する二座有機配位子とから形成されてなり、かつ、前記置換基が前記中空の殻内部に配向するように形成されていることを特徴とする球状遷移金属錯体。 - 中空の殻を有する球状遷移金属錯体であって、前記中空の殻が、n2個(n2は、6、12、24、30または60である。)の遷移金属原子と、2n2個の、式(I)
m1、m2はそれぞれ独立して、0〜4の整数を表す。m1、m2が2以上のとき、R 1 同士、R 2 同士はそれぞれ同一であっても、相異なっていても良い。
Aは、下記式(a−1)〜(a−4)
R 4 は、ハロゲン原子、置換されていても良いアルキル基、置換されていても良いアルコキシル基、シアノ基またはニトロ基を表す。
m3は0〜3の整数を表し、m4は0〜2の整数を表す。m3が2以上、m4が2のとき、複数個のR 4 は同一であっても、相異なっていても良い。
Qは、−Nr1−(r1は水素原子、アルキル基、アリール基若しくはアシル基を表す。)、−O−、−C(=O)−、−S−、または−SO 2 −を表す。]
で表される基を示す。}
で示される、置換基を有する二座有機配位子とから形成されてなり、かつ、前記置換基が前記中空の殻内部に配向するように形成されていることを特徴とする球状遷移金属錯体。 - 遷移金属化合物(M)と、前記式(I)で示される、置換基を有する二座有機配位子(L)とから、前記置換基が中空の殻内部に配向するように自己組織的に形成されてなる、式:Mn1L2n1(n1は、6〜60の整数であり、M同士、L同士は、それぞれ同一であっても、相異なっていても良い。)で表される請求項1に記載の球状遷移金属錯体。
- 遷移金属化合物(M)と、前記式(I)で示される、置換基を有する二座有機配位子(L)とから、前記置換基が中空の殻内部に配向するように自己組織的に形成されてなる、式:Mn2L2n2(n2は、6、12、24、30または60であり、M同士、L同士は、それぞれ同一であっても、相異なっていても良い。)で表される請求項2に記載の球状遷移金属錯体。
- 直径3〜15nmの中空の殻を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の球状遷移金属錯体。
- 前記遷移金属錯体を構成する遷移金属原子が、Ti、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ru、Rh、Pd、Cd、Os、Ir及びPtからなる群から選ばれる一種であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の球状遷移金属錯体。
- 前記式(I)で示される、置換基を有する二座有機配位子が、式(I−1)
- 遷移金属化合物(M)と、式(I)で示される、置換基を有する二座有機配位子(L)とを、遷移金属化合物(M)1モルに対し、二座有機配位子(L)を1〜5モルの割合で反応させることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の球状遷移金属錯体の製造方法。
- 前記遷移金属化合物を構成する遷移金属原子が、Ti、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ru、Rh、Pd、Cd、Os、Ir及びPtからなる群から選ばれる一種であることを特徴とする請求項8に記載の球状遷移金属錯体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005196438A JP4940422B2 (ja) | 2005-07-05 | 2005-07-05 | 球状遷移金属錯体およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005196438A JP4940422B2 (ja) | 2005-07-05 | 2005-07-05 | 球状遷移金属錯体およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007015947A JP2007015947A (ja) | 2007-01-25 |
JP4940422B2 true JP4940422B2 (ja) | 2012-05-30 |
Family
ID=37753422
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005196438A Active JP4940422B2 (ja) | 2005-07-05 | 2005-07-05 | 球状遷移金属錯体およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4940422B2 (ja) |
Families Citing this family (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007102501A1 (ja) * | 2006-03-09 | 2007-09-13 | The University Of Tokyo | 重合性球状遷移金属錯体、球状遷移金属錯体、及びそれらの製造方法 |
JP5190915B2 (ja) * | 2007-02-21 | 2013-04-24 | 国立大学法人 東京大学 | 蛋白質内包球状遷移金属錯体及びその製造方法 |
JP5391393B2 (ja) * | 2007-03-06 | 2014-01-15 | 国立大学法人 東京大学 | 球状遷移金属錯体の内部環境の制御方法及び球状遷移金属錯体 |
JP5087800B2 (ja) * | 2007-03-06 | 2012-12-05 | 国立大学法人 東京大学 | 球状遷移金属錯体及び球状遷移金属錯体内部の官能基の制御方法 |
WO2010104113A1 (ja) * | 2009-03-11 | 2010-09-16 | 独立行政法人科学技術振興機構 | 多面体状遷移金属錯体、超微粒子内包遷移金属錯体およびその製造方法 |
JP5995199B2 (ja) * | 2012-03-08 | 2016-09-21 | 国立大学法人 東京大学 | 遷移金属錯体内包シリカナノ粒子、遷移金属酸化物クラスター内包シリカナノ粒子、遷移金属クラスター内包シリカナノ粒子及びこれらの製造方法 |
JP6119653B2 (ja) * | 2014-03-31 | 2017-04-26 | マツダ株式会社 | 透明性積層体およびその製造方法 |
CN114957347A (zh) * | 2022-07-01 | 2022-08-30 | 武汉轻工大学 | 一种双吡啶基铜锌异双核大环配合物的制备方法 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3846522B2 (ja) * | 1998-09-14 | 2006-11-15 | 独立行政法人科学技術振興機構 | 三次元かご状遷移金属錯体及びその製造法 |
JP3584166B2 (ja) * | 1998-09-14 | 2004-11-04 | 独立行政法人 科学技術振興機構 | 内部空間を有する金属錯体からなる内包剤 |
WO2002068430A1 (en) * | 2001-02-23 | 2002-09-06 | University Of South Florida | Polyhedra |
JP3892796B2 (ja) * | 2002-11-01 | 2007-03-14 | 独立行政法人科学技術振興機構 | 球状遷移金属錯体およびその製造方法 |
-
2005
- 2005-07-05 JP JP2005196438A patent/JP4940422B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2007015947A (ja) | 2007-01-25 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4940422B2 (ja) | 球状遷移金属錯体およびその製造方法 | |
Bhattarai et al. | Chemistry and structure of silver molecular nanoparticles | |
González-Rodríguez et al. | Persistent, well-defined, monodisperse, π-conjugated organic nanoparticles via G-quadruplex self-assembly | |
Li et al. | Separation and characterization of metallosupramolecular libraries by ion mobility mass spectrometry | |
Janeta et al. | Multifunctional imine-POSS as uncommon 3D nanobuilding blocks for supramolecular hybrid materials: synthesis, structural characterization, and properties | |
Baxter | Synthesis and properties of a twistophane ion sensor: A new conjugated macrocyclic ligand for the spectroscopic detection of metal ions | |
Wang et al. | A route to enantiopure (O-methyl) 6-2, 6-helic [6] arenes: synthesis of hexabromo-substituted 2, 6-helic [6] arene derivatives and their Suzuki–Miyaura coupling reactions | |
CN101402655B (zh) | 一种米铂的制备方法 | |
Matsumoto et al. | Synthesis and properties of aromatic polyamide dendrimers with polyhedral oligomeric silsesquioxane cores | |
US8791261B2 (en) | Polyhedraltransition metal complex, transition metal complex containing ultrafine particles therein, and process for producing same | |
JP7079494B2 (ja) | 新規化合物とその合成方法 | |
WO2007102501A1 (ja) | 重合性球状遷移金属錯体、球状遷移金属錯体、及びそれらの製造方法 | |
JP5230956B2 (ja) | 第4級アンモニウム塩を用いた疎水性巨大分子の可溶化方法 | |
JP5025970B2 (ja) | 中空の殻内部に含フッ素アルキル基を有する中空遷移金属錯体、及びその製造方法 | |
JP5076077B2 (ja) | 重合性球状遷移金属錯体の製造方法、球状遷移金属錯体及びその製造方法 | |
JP5190915B2 (ja) | 蛋白質内包球状遷移金属錯体及びその製造方法 | |
JP2008214294A (ja) | 重合性球状遷移金属錯体及び重合性球状遷移金属錯体の製造方法 | |
CN114907392B (zh) | 一种基于bodipy的菱形金属环及其制备方法和在近红外区成像方面的应用 | |
Mastalerz et al. | Supramolecular single-stranded calix [4] arene helices—towards a crystal engineering approach of homochiral assemblies | |
Husain et al. | Multivalent Allyl-Substituted Macrocycles as Nonaggregating Building Blocks | |
JP5087800B2 (ja) | 球状遷移金属錯体及び球状遷移金属錯体内部の官能基の制御方法 | |
JPS61223056A (ja) | 新規なフタロシアニン誘導体及びその製造方法 | |
Yan | Self-Assembly of Metallo-Supramolecules Based on Terpyridine and Its Derivatives | |
JP4482681B2 (ja) | 機能性金属錯体素子 | |
JP5391393B2 (ja) | 球状遷移金属錯体の内部環境の制御方法及び球状遷移金属錯体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20080619 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080729 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20111101 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20111228 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20120131 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120203 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |