JP4482681B2 - 機能性金属錯体素子 - Google Patents

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本発明は、外部刺激応答性可逆性分子を有する新規な機能性金属錯体分子及び該機能性金属錯体分子を基板上に固体化した機能性分子素子材料に関し、更に詳しくは、自己組織化する機能性金属錯体分子の自由空間を確保しつつこれを基板上に配列することにより、外部刺激に対する応答性を高め、個々の分子それぞれの機能が向上した機能性分子素子材料に関する。
金属錯体分子は、触媒、導電性材料、磁性材料、分子認識、超分子構造の構築などに利用され、これまでに数多く多種類の化合物が合成されてきた。
本発明者らも、多年にわたりポルフィリン等に関する研究を精力的に行ない、特に中心金属としてロジウムをもつポルフィリンが窒素原子と極めて強い配位結合を形成することを見出しており、また機能性分子素子の代表であるロタキサン、カテナン分子のラングミュア・ブロジェット法による基板上への固定化も検討してきた(非特許文献1〜2)。
しかしながら、これまでの金属錯体分子等に関する研究は、溶液中における有機合成触媒、磁性材料、導電性材料という視点からなされているものが多く、基板上に平行に配列し、平板状の多座配位子を含有する金属錯体分子の中心金属に例えばアゾベンゼン誘導体やロタキサン分子のような外部刺激応答性分子を好ましくはそのSP 混成軌道を利用し垂直に配位結合させた金属錯体分子の報告例はなされていない。
一方、現代の情報化社会を支えている半導体技術は、微細加工技術に依存しており、専門家の予測によると今後十数年の内に限界を迎える。一方、世の中のあらゆる物質を構成している最小単位は分子であり、この分子1個1個に素子としての機能を持たせ組織化することが出来れば、これまでの微細加工技術では実現が難しいとされているナノメートルスケールの素子を得ることが出来る。このような考え方に基づき、チオール基をもった分子を金基板上へ並べる自己組織化膜を利用する方法(非特許文献3)や気液界面での分子の組織化を利用するラングミュア・ブロジェット膜を利用してロタキサンのような機能性分子素子を基板上へ並べようとする動きがある(非特許文献4)。
しかしながら、これらの方法で並べられた機能性分子素子は、隣接する分子同士の距離が接近しすぎているために、集合化してしまい、個々の分子の能力を最大限に発揮することは難しかった。
また、他の自己組織膜の研究例の一つとして、ポルフィリン、フタロシアニンの平板状分子の骨格の一部に長鎖アルキル基を含有する置換基を導入した化合物は、基板であるカーボングラファイト上で自発的に平行に組織化し、個々の分子の能力を個別的に発現する単層の分子膜を形成するといった報告例もある(非特許文献5)。
しかしながら、この報告例でいう分子膜は、外部刺激応答性可逆性分子を含有するものでないため、熱や光などの外部刺激により個々の分子能力を個別的に任意に取り出し、その機能を利用・制御することが極めて困難なものであった。
Y. Aoyama, M. Asakawa, A. Yamagishi, H. Toi, H. Ogoshi, J. Am. Chem. Soc., 1990, 112, 3145. M. Asakawa, M. Higuchi, G. Mattersteig, T. Nakamura, A. R. Pease, F. M. Raymo, T. Shimizu, J. F. Stoddart, Advanced Materials, 2000, 12, 1099. J. Chen, M. A. Reed, A. M. Rawlett, J. M. Tour, Science, 1999, 286, 1550. C. P. Collier, E. W. Wong, M. Belohradsky, F. M. Raymo, J. F. Stoddart, P. J. Kuekes, R. S. Williams, J. R. Heath, Science, 1999, 285, 391. X. Qiu, C. Wang, S. Yin, Q. Zeng, B. Xu, S. Yin, H. Wang, S. Xu, C. Bai, J. Am. Chem. Soc., 2000, 122, 5550.
本発明は、熱や光などの外部刺激によりその構造が可逆的に変化すると共に個々の分子の自由運動を保証する空間を備えた新規な機能性金属錯体素子、及びこのものを基板上に固定化してなる、熱や光などの外部刺激に対して可逆的に応答し個々の分子能力を任意に利用・制御することが可能な新規な機能性分子素子材料を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、個々の分子の能力を最大限に発揮し得る自由空間の形成能を持つ平板状分子の中心に金属を配置し、これに外部刺激応答性可逆性分子をそのSP混成軌道を利用し垂直に配位結合させた金属錯体素子が上記課題に対して極めて有効であることを知見し本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、以下の発明が提供される。
(1)記一般式(I)〜(III)のいずれかで表される平板状金属錯体分子の中心金属(M)に、下記の式(IV)又は(V)で示される可逆反応を呈する外部刺激応答性可逆性分子が、そのピリジン環の窒素原子が有するSP混成軌道上の不対電子による配位結合によって垂直に固定されていることを特徴とする機能性金属錯体分子。
Figure 0004482681
(式中、Mはロジウムイオンを、Rは炭素数5から炭素数20の直鎖アルキル基を表す。)
Figure 0004482681
(式中、Mはロジウムイオンを、Rは炭素数5から炭素数20の直鎖アルキル基を表す。)
Figure 0004482681
(式中、Mはロジウムイオンを、Rは炭素数5から炭素数20の直鎖アルキル基を表す。)
Figure 0004482681
Figure 0004482681
(2)上記(1)に記載の機能性金属錯体分子が基板上に固定されてなる機能性分子素子材料。
(3)基板が、グラファイト、雲母、亜砒酸ガリウム、硫化モリブデン、ガラス、プラスチック及び金属から選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする上記(2)に記載の機能性分子素子材料。
(4)上記(1)に記載の機能性金属錯体分子の溶液を基板上に加え、製膜することを特徴とする上記(2)又は(3)に記載の機能性分子素子材料の作成方法。
(5)前記平板状金属錯体分子を基板に固定した自己組織化膜材料と前記外部刺激応答性可逆性分子を反応させることを特徴とする上記(2)又は(3)に記載の機能性分子素子材料の作成方法。
本発明の機能性金属錯体素子は文献未済の新規物質であり、熱や光などの外部刺激によって、外部刺激応答性可逆性分子の一方の部位Aが外部刺激によりその構造が変化しAとは異なる部位Bを形成し、かつ他方の部位XがSP混成軌道を有するために、平板状金属錯体分子の中心金属Mに垂直に配位結合し、かつ該平板状金属錯体分子は基板上に平行に他の分子の自由運動を阻害しないように配列することから、その特異な構造に基づいて、外部刺激により容易に異性化するといった特性が発現することが期待される。
したがって、異性化に伴う電位特性の違いや物理的な運動を利用することにより、分子スイッチや分子機械などに応用することが可能である。
また、この機能性金属錯体素子を基板上に固定化した機能性分子素子材料は、個々の分子能力を最大限に発揮し得る自由空間が整然と配置されており、熱や光などの外部刺激を個々の分子それぞれに任意に伝達・付与することが可能であり、しかも微細加工技術では実現が難しいとされているナノメートルスケールの素子であることから、情報通信の分野へ応用が可能であり、情報の高密度化、情報処理の高速化へ貢献することができる。また、この機能性分子素子材料は、外部刺激によって誘発される分子の動きを直接利用することが出来る分子機械としての利用も見込まれ、例えば、分子の回転運動を利用する場合には分子モーターとして応用することが可能である。
本発明の機能性金属錯体分子は、外部刺激応答性可逆性分子(A−X)が前記一般式(I)〜(III)で表される平板状金属錯体分子の中心金属に垂直に配位結合によって固定されたものである。
本発明でいう、外部刺激応答性可逆性分子とは、一般に下記可逆反応を呈する分子と定義される。
Figure 0004482681
すなわち、本発明に係る外部刺激応答性可逆性分子(A−X)とは、たとえば、光、電子、熱、プロトン、化学物質あるいはこれらの組み合わせからなる任意の外部刺激に応答し、可逆的にその分子構造がB−Xに変化する分子を意味する。ここで、Aは、任意の外部刺激に応答して可逆的にBになることのできる部位であり、Xは、中心金属と垂直に配位結合する原子を少なくとも有し、前記Aよりも中心金属への配位結合力が強い部位である。また、Xは、前記一般式(I)〜(III)で示される平板状金属錯体分子に垂直に配位結合することが重要であるから、ピリジンやキノリンに代表される、SP混成軌道上に不対電子をもつ芳香族窒素等を持つことが必要である。Xとして、このような、ピリジンやキノリン等の芳香族窒素原子を有する部位を選定すると、SP混成軌道上に不対電子をもつために、外部刺激応答性分子(A−X)を平板状金属錯体分子の中心金属へ垂直に配位結合することができる。
本発明で用いられる外部刺激応答性可逆性分子としては、前記Xがピリジン環を有する基であるものが用いられ、たとえば、以下のような構造式の化合物を例として挙げることができるが、本発明はこれらのものに限定されるものではない。
Figure 0004482681
Figure 0004482681
本発明でいう、平板状金属錯体分子は、下記一般式で示される構造を有するものと定義される。
M−L()
(式中、Mは遷移金属イオンを、Lは平板状の多座配位子を、は炭化水素基を含む置換基を表す。)
したがって、本願発明の機能性金属錯体分子は、前記の外部刺激応答性可逆性分子(A−X)が、該平板状金属錯体分子(M−L(Y) )に結合されたものであり、下記の式で表される。
A−X…M−L(Y)
Mで表される遷移金属イオンとしては、Rh(III)が用いられる。
Lで表される、多座配位子としては、1〜6個の多座配位子を有するもので、平板状に配列するものであれば何れのものも使用できるが、外部刺激応答性可逆性分子の部位AおよびBへの応答性を保証する空間を与えるものが好ましく使用される。このような多座配位子としては、本発明では、ポルフィリンの誘導体が用いられる。
は、炭化水素基を含む置換基を表す。このYは、前記多座配位子が基板上に自己組織化して平行に整然と配列し、個々の分子運動が他の分子に追随することなく、最大限に発揮できるような自由空間を保証するために多座配位子の骨格に導入することが重要である。また、多座配位子の自己組織化しながら基板上へ物理吸着もしくは化学吸着を効率良く行うためには、隣接する分子間での相補的な相互作用、たとえばファンデルワールス相互作用、水素結合、電荷移動相互作用を利用することが好ましい。このような条件を満足するためにとしては、炭素数5から炭素数20の直鎖アルキル基を含有する、アルコキシ基が好ましく使用される。
このような炭化水素基を含有する置換基は、多座配位子骨格の存在する2次元平面内に無理なく存在出来るような部位に導入される。
本発明で用いられる平板状金属錯体分子としては、以下のような構造式の化合物を挙げることができる。
Figure 0004482681
(式中、Mはロジウムイオンを、Rは炭素数5から炭素数20の直鎖アルキル基を表す。)
Figure 0004482681
(式中、Mはロジウムイオンを、Rは炭素数5から炭素数20の直鎖アルキル基を表す。)
Figure 0004482681
(式中、Mはロジウムイオンを、Rは炭素数5から炭素数20の直鎖アルキル基を表す。)
また、本発明で得られる新規な機能性金属錯体素子は、たとえば、前記外部刺激応答性可逆性分子(A−X)を前記一般式(I)〜(III)のいずれかで示される平板状金属錯体分子の溶液中に混合することで容易に得ることができ、以下のような構造式の化合物を例として挙げることが、本発明はこれらのものに限定されるものではない。
Figure 0004482681
(式中、Mはロジウムイオンを、Rは炭素数5から炭素数20の直鎖アルキル基を表す。)
Figure 0004482681
(式中、Mはロジウムイオンを、Rは炭素数5から炭素数20の直鎖アルキル基を表す。)
本発明の機能性金属錯体素子は文献未済の新規物質であり、熱や光などの外部刺激によって、外部刺激応答性可逆性分子の一方の部位Aが外部刺激によりその構造が変化しAとは異なる部位Bを形成し、かつ他方の部位XがSP混成軌道を有するために、平板状金属錯体分子の中心金属Mに垂直に配位結合し、かつ該平板状金属錯体分子は基板上に平行に他の分子の自由運動を阻害しないように配列することから、その構造変化に基づいて、導電性の変化、回転速度の変化、吸収波長の変化、物理的高さの変化、等、といった特性が発現することが期待される。
したがって、分子スイッチや分子機械などに応用することが可能である。
また、この機能性金属錯体素子を基板上に固定化した機能性分子材料は、個々の分子能力を最大限に発揮し得る自由空間が整然と配置されており、熱や光などの外部刺激を個々の分子それぞれに任意に伝達・付与することが可能であり、しかも微細加工技術では実現が難しいとされているナノメートルスケールの素子であることから、情報通信の分野へ応用が可能であり、情報の高密度化、情報処理の高速化へ貢献することができる。また、この機能性分子素子材料は、外部刺激によって誘発される分子の動きを直接利用することが出来る分子機械としての利用も見込まれ、例えば、分子の回転運動を利用する場合には分子モーターとして応用することが可能である。
この場合、基板としては、特別な制約はないが、分子レベルでの秩序だった配列を実現するためには、原子的に平坦かつ滑らかな表面を持つことが必要であり、グラファイト、雲母、亜砒酸ガリウム、硫化モリブデン、ガラス、プラスチック(天然または合成ポリマー)、金属などが例示されるが、これらに限定されない。
本発明に係る機能性分子素子材料は、種々の方法によって作成することができるが、代表的な方法として、以下のAおよびBの方法を挙げることができる。
方法A:
(1)前記外部刺激応答性可逆性分子(A−X)と前記一般式(I)〜(III)で表される平板状金属錯体分子を反応させて、機能性金属錯体分子素子を製造する。
(2)該機能性金属錯体分子素子を有機溶媒に溶解し、その溶液を基板上に加え、製膜する。
方法B:
(1)前記一般式(I)〜(III)で示される平板状金属錯体分子を有機溶媒に溶解し、その溶液を基板上に加えることにより、自己組織化膜材料を製造する。
(2)該自己組織化膜材料に外部刺激応答性分子(A−X)溶液加え、反応させた後、製膜する。
上記各方法に用いられる有機溶媒としては、沸点の高い不揮発性の溶媒が好ましく、たとえばフェニルオクタンやo-ジクロロベンゼンなどが挙げられる。また、製膜手段としては、特に制約されず、たとえば自己組織化膜法などの方法を利用すればよい。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によって何ら限定されるものではない。
実施例1
[ピリジン−アルキル鎖修飾ポルフィリンロジウム錯体の合成]
ピリジン0.8マイクロリットル(0.01ミリモル)とアルキル鎖修飾ポルフィリンロジウム錯体18mg(0.01ミリモル)を塩化メチレン5mL中で混合した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン)で精製したのち、メタノールによる再沈殿により、下記構造式で示されるピリジンを軸配位子としたアルキル鎖修飾ロジウムポルフィリンを収量17mg(収率90%)で得た。
質量分析値(C121H177ClN5O4Rhとして)
計算値:1904
実測値:1903
また、この化合物のNMRスペクトルを図1に示す。
1H NMR (400MHz, CDCl3),δ 0.91 (メチル), 0.98 (ピリジン), 1.10 - 1.45 (メチレン), 1.50 (メチレン), 1.64 (メチレン), 2.00 (メチレン), 4.27 (ピリジン), 5.05 (ピリジン), 6.02 (ポルフィリン), 7.25 (ポルフィリン), 7.29 (ポルフィリン), 8.01 (ポルフィリン), 8.23 (ポルフィリン), 8.93 (ポルフィリン).
13C NMR (100MHz, CDCl3) δ14.6, 23.2, 26.8, 29.9, 30.1, 30.2 - 30.3, 32.4, 68.8, 112.9, 113.2, 121.3, 122.4, 132.7, 134.8, 135.7, 136.3, 143.1, 146.4, 159.4.
Figure 0004482681
実施例2
[アゾベンゼン−アルキル鎖修飾ポルフィリンロジウム錯体の合成]
4,4’-フェニルアゾピリジン4.5mg(0.025ミリモル)とアルキル鎖修飾ポルフィリンロジウム錯体46mg(0.0025ミリモル)を塩化メチレン5mL中で混合した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン/ヘキサン)で精製したのち、溶媒を留去することにより、下記構造式で示され鵜アゾベンゼンを軸配位子としたアルキル鎖修飾ロジウムポルフィリンを収量40mg(収率80%)で得た。
質量分析値(C127H181ClN7O4Rhとして)
計算値:2008
実測値:2007
また、この化合物のNMRスペクトルを図2に示す。
1H NMR (400MHz, CDCl3): δ= 0.92 (メチル), 1.15 (アゾベンゼン), 1.25 - 1.50 (メチレン), 1.53 (メチレン), 1.67 (メチレン), 2.02 (メチレン), 4.29 (メチレン), 5.49 (アゾベンゼン), 7.23 - 7.40 (アゾベンゼン、ポルフィリン), 8.07 (ポルフィリン), 8.25 (ポルフィリン), 8.97 (ポルフィリン).
13C NMR (100Mhz, CDCl3): δ= 14.6, 23.2, 26.8, 29.9, 30.0, 30.2, 32.4, 68.8, 112.9, 113.2, 115.0, 121.4, 123.6, 129.5, 132.8, 133.5, 134.8, 135.8, 136.3, 143.1, 147.9, 152.0, 154.8, 159.4.
Figure 0004482681
実施例3
[ロタキサン−アルキル鎖修飾ポルフィリンロジウム錯体の合成]
2級アンモニウム塩化合物9.6mg(0.026ミリモル)とクラウンエーテル化合物23.4mg(0.052ミリモル)を塩化メチレン5mL中で混合したのち、アルキル鎖修飾ポルフィリンロジウム錯体50mg(0.027ミリモル)を加えた。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール)、およびサイズ排除クロマトグラフィーで精製したのち、溶媒を留去することにより、下記構造式で示されるロタキサン−ポルフィリンを収量42mg(収率60%)で得た。
質量分析値(C157H227ClF6N6O12Rhとして)
計算値:2674
実測値:2674
また、この化合物のNMRスペクトルを図3に示す。
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ= 0.89 (メチル), 0.92 (2級アンモニウム塩化合物), 1.12 (ターシャリーブチル), 1.27 - 1.47 (メチレン), 1.48 (メチレン), 1.65 (メチレン), 2.01 (メチレン), 2.44 (クラウンエーテル), 2.80 (クラウンエーテル), 2.91 (クラウンエーテル), 3.25 (クラウンエーテル), 3.40 (クラウンエーテル), 3.51 (2級アンモニウム塩化合物), 3.64 (クラウンエーテル), 3.90 (2級アンモニウム塩化合物), 4.25 (メチレン), 5.22 (2級アンモニウム塩化合物), 6.34 (クラウンエーテル), 6.78 (クラウンエーテル), 6.80 (2級アンモニウム塩化合物), 6.96 (2級アンモニウム塩化合物), 7.09 (2級アンモニウム), 7.15 (ポルフィリン), 7.29 (ポルフィリン), 7.89 (ポルフィリン), 8.22 (ポルフィリン), 8.93 (ポルフィリン).
13C NMR (100MHz, CDCl3) δ= 14.6, 23.2, 26.8, 29.9, 30.0, 30.1- 30.2, 31.5, 32.4, 34.9, 48.0, 51.6, 68.0, 68.9, 70.0, 70.5, 112.7, 113.1, 121.4, 122.1, 123.0, 125.7, 128.4, 129.2, 132.8, 134.6, 135.5, 136.4, 141.7, 143.2, 145.7, 147.1, 152.6, 159.5.
Figure 0004482681
実施例4
[ピリジン−アルキル鎖修飾ポルフィリンロジウム錯体の基板への固定化]
アルキル鎖修飾ポルフィリン3.4mg(2マイクロモル)、ピリジン−アルキル鎖修飾ポルフィリンロジウム錯体3.8mg(2マイクロモル)をそれぞれ10mLのフェニルオクタンに溶解した。アルキル鎖修飾ポルフィリン溶液とアルキル鎖修飾ポルフィリンロジウム錯体溶液を1対9の割合で混合した溶液を調製し、グラファイト上に暴露することにより目的とする組織化膜を得た。構造の確認はSTM(トンネルバイアス:−1000ミリボルト、トンネル電流:30ピコアンペア)によって行った。その結果を図4に示す。
実施例5
[アゾベンゼン−アルキル鎖修飾ポルフィリンロジウム錯体の基板への固定化]
アゾベンゼン−アルキル鎖修飾ポルフィリン3.4mg(2マイクロモル)、アルキル鎖修飾ポルフィリンロジウム錯体3.8mg(2マイクロモル)をそれぞれ10mLのジクロロベンゼンに溶解した。アルキル鎖修飾ポルフィリン溶液とアルキル鎖修飾ポルフィリンロジウム錯体溶液を1対3の割合で混合した溶液を調製し、グラファイト上に暴露することにより目的とする組織化膜を得た。構造の確認はSTM(トンネルバイアス:−1000ミリボルト、トンネル電流:500ピコアンペア)によって行った。結果を図5に示す。
ピリジン−アルキル鎖修飾ポルフィリンロジウム錯体のプロトンNMRスペクトル アゾベンゼン−アルキル鎖修飾ポルフィリンロジウム錯体のプロトンNMRスペクトル ロタキサン−アルキル鎖修飾ポルフィリンロジウム錯体のプロトンNMRスペクトル グラファイトに固定化したピリジン−アルキル鎖修飾ポルフィリンロジウム錯体のSTM像(50nm×50nm) グラファイトに固定化したアゾベンゼン−アルキル鎖修飾ポルフィリンロジウム錯体のSTM像(50nm×50nm)

Claims (5)

  1. 記一般式(I)〜(III)のいずれかで表される平板状金属錯体分子の中心金属(M)に、下記の式(IV)又は(V)で示される可逆反応を呈する外部刺激応答性可逆性分子が、そのピリジン環の窒素原子が有するSP混成軌道上の不対電子による配位結合によって垂直に固定されていることを特徴とする機能性金属錯体分子。
    Figure 0004482681
    (式中、Mはロジウムイオンを、Rは炭素数5から炭素数20の直鎖アルキル基を表す。)
    Figure 0004482681
    (式中、Mはロジウムイオンを、Rは炭素数5から炭素数20の直鎖アルキル基を表す。)
    Figure 0004482681
    (式中、Mはロジウムイオンを、Rは炭素数5から炭素数20の直鎖アルキル基を表す。)
    Figure 0004482681
    Figure 0004482681
  2. 請求項に記載の機能性金属錯体分子が基板上に固定されてなる機能性分子素子材料。
  3. 基板が、グラファイト、雲母、亜砒酸ガリウム、硫化モリブデン、ガラス、プラスチック及び金属から選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする請求項に記載の機能性分子素子材料。
  4. 請求項1に記載の機能性金属錯体分子の溶液を基板上に加え、製膜することを特徴とする請求項2又は3に記載の機能性分子素子材料の作成方法。
  5. 記平板状金属錯体分子を基板に固定した自己組織化膜材料と前記外部刺激応答性可逆性分子を反応させることを特徴とする請求項2又は3に記載の機能性分子素子材料の作成方法。
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