JP4939866B2 - 直流高電圧発生装置 - Google Patents

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Description

この発明は、電子銃やイオンビーム発生装置、電子顕微鏡などで電子ビームを加速する際に用いる直流高電圧発生装置に関するものである。
電子銃やイオンビーム発生装置、電子顕微鏡などで電子ビームを加速する際に用いる直流高電圧発生装置では、交流電圧を直流高電圧に変換する回路として多段倍電圧整流回路が用いられており、この多段倍電圧整流回路の代表的なものとして、コッククロフト・ウォルトン回路(以下、CW回路と略す)が知られている。
CW回路は、その回路構成によって、通常のCW回路であるシングル形、それを2個組み合わせた形の対称形、或いは直流側、交流側双方とも対称的に接続された回路構成のバランス形、さらにはシングル形、対称形において最初の交流コンデンサとダイオードを省略したインバース形、対称インバース形と呼ばれる回路等、さまざまな構成がある。
対称形CW回路は、シングル形CW回路に比べて電圧降下やリップルが小さい特徴を持ち、大電流容量が必要とされる場合に用いられることが多い。また、インバース形CW回路においては、交流コラムコンデンサが1個少ないため出力電圧が若干低くなるが、負荷時の電圧降下が小さい特徴を持つ。そして、これらの回路方式は用途に応じて選択されるのが通常である。
ところで、このCW回路を用いた従来の直流高電圧発生装置として、例えばコンデンサとダイオードからなる倍電圧昇圧回路ごとに同一形状の絶縁基板に配置し、これを複数段階積み重ねてCW回路を構成すると共に、可撓性の絶縁樹脂でモールドすることにより、上記CW回路における放電の発生を防止し、上記絶縁基板間の距離を短縮して装置の小型化を実現したものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、別の従来の直流高電圧発生装置として、高電圧発生装置の外側或いは内側における放電から、高電圧発生装置に用いられる電気回路部品をシールドするための導電性のシールド部材を電気回路部品間に設けることにより、高電圧発生装置に用いられる電気回路部品間に放電が発生した場合でも電気回路部品への直接放電を回避し、電気回路部品の破損、焼損を回避すると共に、電気回路部品間の絶縁空間を小さくして小型化を実現したものがある(例えば、特許文献2参照)。
特開平7−312300号公報(要約の欄、図1) 特開2005−228494号公報(要約の欄、図2)
しかし、上記特許文献1に開示された直流高電圧発生装置は、各段階の絶縁基板を同一形状で構成しているため、外周容器との絶縁は最も電圧の高い高圧部の電圧を考慮する必要があり、低圧部は過剰な絶縁耐圧を有することとなって、装置の小型化にとって不利である。また、高圧回路全体と各段階に配置された電気回路部品全体を樹脂モールド材で一体成形しており、装置全体の重量が重くなるという問題もある。
また、上記特許文献2に開示された直流高電圧発生装置は、電気回路部品への直接放電を回避し、電気回路部品の破損・焼損を回避することを目的としているが、完全に放電を防止することができず、更に、CW回路全体の出力インピーダンスは一般の電源装置に比べて高いものであるから、CW回路で放電が発生すると、その電荷量が多ければ出力電圧に過大なリップル電圧が発生してしまう問題がある。一方、電気回路部品相互間や電気回路部品と外周容器の距離を大きくすると絶縁効果が高まり、放電が減少することが考えられるが、装置全体が大型化する問題が伴う。
この発明は、上記従来技術の問題点を解決するために成されたもので、絶縁耐圧を確保するとともに装置内の空間を有効利用する構造を得て、直流高電圧発生装置の装置規模の小型化を実現することを目的とするものである。
この発明に係る直流高電圧発生装置は、コンデンサとダイオードを有する昇圧回路をモールドして構成されるモールドブロックを絶縁基板上に配置するとともに、上記絶縁基板を複数段積み重ねることにより構成された多段倍電圧整流回路を備え、上記多段倍電圧整流回路が外周容器内に設置される直流高電圧発生装置において、上記モールドブロックは、上記複数段のうち高電圧となる段を、低電圧となる段より小さく構成するとともに、上記絶縁基板は、各段毎に大きさを異ならせるものである。
この発明によれば、多段倍電圧整流回路の各段階間および高電圧端子と外周容器間との絶縁耐圧が確保できることにより、装置内の空間を有効利用する構造が得られ、直流高電圧発生装置の装置規模の小型化が実現できる。
以下に添付図面を参照して、この発明に係る直流高電圧発生装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、以下に説明する各実施の形態においては、対称インバース形CW回路を例に挙げて説明するが、他の形態のCW回路であっても良く、また、一例として13倍昇圧の対称インバース形CW回路を有する直流高電圧発生装置について説明するが、これに特定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1の直流高電圧発生装置に使用される13倍昇圧の対称インバース形CW回路図、図2は、実施の形態1の直流高電圧発生装置を示す断面図で、図2(A)は正面から見た断面図、図2(B)は側面から見た断面図である。
先ず、図1により実施の形態1に使用される対称インバース形CW回路について説明する。図1において、対称インバース形CW回路1はインバータ回路101に接続された2個の昇圧トランス102a、102bに接続される。インバータ回路101は10KHz〜100KHzの高周波で駆動されるハーフブリッジ構成、又はフルブリッジ構成等のものであり、これらはいずれも広く知られているので詳細説明を省略する。
昇圧トランス102aと102bは、インバータ回路101の出力を数十倍に昇圧するトランスであり、それぞれの1次巻線t1a、t2a、2次巻線t1b、t2bを有し、2次巻線t1b、t2bは互いに直列になるように接続されている。各巻線の極性は黒点で示されており、2次巻線t1b、t2bは黒点側同士が接続されている。昇圧トランス102aの2次巻線t1bの双方の端子が対称インバース形CW回路1の入力端子T1、T2となり、昇圧トランス102bの2次巻線t2bの双方の端子が対称インバース形CW回路1の入力端子T2、T3となる。なお、入力端子T2は固定電位に接続されている。
対称インバース形CW回路1は、複数のダイオードと複数のコンデンサを絶縁基板上に配置して構成される。既に説明したように、対称インバース形CW回路1は、最初の交流コラムコンデンサとダイオードが省略されているので、初段は単純に整流回路部11を構成する。この整流回路部11を構成する直流コラムコンデンサCaとダイオードDa1、Da2に、直流コラムコンデンサCb1、交流コラムコンデンサCb2、Cb3とダイオードDb1〜Db4からなる倍電圧昇圧回路部10が段階的に複数積み重ねられ、これらが結合されて多段倍電圧整流回路が構成される。一般に、整流回路部11の直流コラムコンデンサCaの容量は、倍電圧昇圧回路部10の直流コラムコンデンサCb1の2倍の容量に設定される場合が多い。
対称インバース形CW回路1の出力電圧は、負荷の短絡保護用としての抵抗体、即ち、負荷短絡保護抵抗3を介して高電圧出力Vとして取り出され、例えば、電子ビーム発生用の高電圧として利用される。この時、高電圧出力Vは、昇圧トランス102a、102bの出力電圧波高値をvとすると、V=(2n+1)vと表される。ただし、nは倍電圧整流回路部10の直列数を示し、例えば、倍電圧整流回路部10の総直列数が6であれば、この対称インバース形CW回路は13倍昇圧回路ということになる。
また高電圧出力は、この出力電圧を検出するために並列に接続された抵抗105とコンデンサ106を多数直列接続した電圧検出回路2に接続される場合が多い。
なお、対称インバース形CW回路1の構成部品の各単体は低い耐圧の部品であるが、昇圧されて出力端子に近づくにつれて高電圧となる。このため対称インバース形CW回路1の低電圧部と高電圧部との間に大きな電位差が生じ、これらの電界の不一致により、各端子間あるいは高圧部と外周容器間で放電が発生し易くなる。このような放電の発生を防ぐために絶縁耐圧を十分に確保する必要があり、部品実装方法や絶縁技術について工夫が施される。
対称インバース形CW回路1は上記のように構成されており、次に、この対称インバース形CW回路1を用いた直流高電圧発生装置の実施の形態1について、図2(A)および図2(B)により、その構成を説明する。
図2(A)および図2(B)において、直流高電圧発生装置の対称インバース形CW回路1は円筒形状の外周容器200の中に設置され、容器底部の底板80に配置された昇圧トランス102a、102bの出力を、段階的に複数積み重ね、それらを結合した昇圧回路により昇圧する構造となっている。対称インバース形CW回路1を構成する各段階は、4本の絶縁スペーサ90a〜90dを介して略等間隔に積み重ねられ、その最上段に電圧検出回路2と負荷短絡保護抵抗3が配置される。また、外周容器200はGND電位に接地されている。
樹脂モールドブロック30a〜30dは、硬質の樹脂、例えばガラスエポキシ樹脂製等の絶縁基板20a〜20d上に配置されており、最下段の樹脂モールドブロック30aには、最初の整流回路部11と2つの倍電圧昇圧回路部10、次段の樹脂モールドブロック30bには2つの倍電圧昇圧回路部10、その上段の樹脂モールドブロック30cおよび30dには、それぞれ1つの倍電圧昇圧回路部10が構成されている。
樹脂モールドブロック30a〜30dは、絶縁基板、例えばプリント基板上に配置されたコンデンサとダイオードで構成される。例えば、樹脂モールドブロック30dを詳細に示すと、図3に示すようにプリント基板110上に配置されたダイオードDb1〜Db4と、直流コラムコンデンサCb1、交流コラムコンデンサCb2およびCb3とから構成される。対称インバース形CW回路1を構成するそれぞれのコンデンサには大型で大容量のものを1個用いても良いが、小型のコンデンサを複数個並列に接続して用いれば、比較的コンデンサの配置が自由になるため、より樹脂モールドブロック30dを小型化できるメリットがある。
特に図3では直線状に小型コンデンサを配列しているが、多数に分散される小型コンデンサは必ずしも直線状である必要は無く、プリント基板110のスペースに応じて適宜形状を変化させて配置してもよい。例えばプリント基板110が円形である場合は、プリント基板110の形状に合わせて円形状(交流コラムコンデンサCb2、Cb3のうち中央部に配列されているコンデンサを外側寄り、端部に近いコンデンサは内側寄り)に配置してもよい。この場合、円筒形状で設置されている外周容器200に対しておよそ等距離まで部品を配置することができるため、プリント基板110の面積を最大限に広げた設計が可能となる。
一方、図3において、例えば交流コラムコンデンサCb2の端子部付近とダイオードDb1のカソード部分、あるいはダイオードDb3のアノード部分との絶縁破壊が懸念される場合、交流コラムコンデンサCb2の端部をダイオードDb1、Db3から離すように、例えば、弓なり形状に配置してもよい。勿論、交流コラムコンデンサCb3とダイオード部Db2、Db4との関係も同様である。これにより端子部分(あるいはコンデンサ部の端部とダイオード部の端部)の絶縁距離を十分取ることができる。
勿論、図3に示すような直線状の配置には、部品実装などが容易に行えるという利点がある。尚、外側容器200に対して絶縁距離を確保するため、並列接続されたコンデンサの高電圧側の端子が、プリント基板110の中央部に向かって配置されるのがより好ましい。例えば出力端子70aは出力端子70dよりも低電圧であることが望ましい。
コンデンサCb1、Cb2およびCb3の端子間、及び各コンデンサと各ダイオードとの間には絶縁距離が空間的に確保されるように、プリント基板110上に間隙を設けている。これら部品をプリント基板110上にハンダ付けにて固定し、部品間は銅パターンで電気的に接続する。樹脂モールドブロック30dの出力端子70a〜70fは高耐圧配線ケーブル、若しくは端子台を介した高耐圧配線ケーブルとしており、換言すれば高耐圧配線ケーブルの端部ごと樹脂モールドした構造としている。
モールド化は、例えばアクリルなどの容器内に部品、高耐圧配線ケーブルが接続されたプリント基板110を挿入し、樹脂モールド材を流し込んで行う。この時、容器からは配線ケーブルの一端が突出した状態でのモールドとなる。モールド液が固まった後、容器から樹脂モールドブロック30dとして取り外して使用する。あるいは容器ごと樹脂モールドブロック30dとして使用してもよい。容器にアクリルなどの半透明な材質を利用すれば、モールドの充填状況および気泡の有無を確認できるなどのメリットがある。
図4は樹脂モールドブロック30dと30cの上下段階の接続図を示す。配線ケーブルを用いればモールド後の各樹脂モールドブロック30d、30cの接続が容易である。上下段階の樹脂モールドブロック30d、30cは、上記樹脂モールドブロック30d、30cより突出した高耐圧配線ケーブル70a、70fを上下段階で接続端子75によって接続することにより接続される。上記高耐圧配線ケーブル70a、70fは高耐圧の接続端子75を用いて接続しても良いが、絶縁を持たせることができれば、高耐圧配線ケーブル70a、70fを直接接続して接続部の外周に高耐圧絶縁テープを巻いたり、あるいは接続部を高耐圧の熱収縮チューブ等で覆う、といった簡易的な方法でもよい。
また、上下段階の接続には、必ずしも高耐圧配線ケーブル70a、70fを用いる必要は無い。本実施の形態の特徴の1つは出力端子の一端をモールド樹脂で硬化し、他端をモールド樹脂から突出させることにある。これを満たすものであればステンレス、銅などの材質でパイプ状のものを形成し、出力端子としてもよい。図5に金属パイプ76を出力端子とした場合の接続図を示す。特にステンレスは、銅に比べて導電率が低いので、発熱等の問題から一般的に大電流を流すことはできないが、銅に比べ仕事関数が高いので絶縁破壊しにくい。よって高電圧、小電流で、なおかつ上下段階間の距離が短い構造となる本実施の形態においては、ステンレスの使用は非常に有効である。
対称インバース形CW回路1によって昇圧された高電圧は、最上段の絶縁基板40上に配置される負荷短絡保護抵抗3を介して取り出され、例えば、電子ビーム発生用の高電圧として利用される。またこの高電圧出力は、負荷短絡保護抵抗3と同様に、最上段の絶縁基板40上に設置された電圧検出回路2に接続される。この構成により、絶縁空間を小さくすることができるので、直流高電圧発生装置を小型化できることになる。また、電圧検出回路2には対称インバース形CW回路1の出力に相当する耐圧が必要であるので、並列接続された抵抗105とコンデンサ106を複数個直列に接続して構成され、最も低電位にある抵抗両端から検出電圧が引き出される。この構成により、電圧検出回路2は、対称インバース形CW回路1の出力に相当する耐圧が得られる。なお、これらの負荷短絡保護抵抗3と電圧検出回路2は、樹脂モールドブロック30d、30cと同様に、別々に、あるいは一括してモールドされる。
また、これらの負荷短絡保護抵抗3と電圧検出回路2は、例えば図6に示すように高電圧となる負荷短絡保護抵抗3を中央部に配置し、電圧検出回路2の高電圧側の一部の抵抗105とコンデンサ106を、絶縁基板の中央部に配置した略円形に配置される。このように高電圧となる部品を絶縁基板の中央部に配置することにより、外周容器200に対して絶縁が確保されるので、モールド厚を薄くできるとともに、空間を有効利用できる。また外周部に配置された抵抗とコンデンサでは、隣り合う部品間の電圧降下が小さいため、高密度に部品を配置することができる。よって装置を小型・軽量化できるというメリットがある。
また、外周部に配置された電圧検出回路2の抵抗105は、図7に示されるように、外周容器200の中心に向かって円形に並べられ、それぞれの抵抗を接続する際に、外側端子−内側端子−外側端子・・・・となるように接続されるのが好ましい。このような接続にすると隣りあう部品端子間の電位差を最小限にできるので、より高密度に部品を配置することができる。
さらにまた、これらの負荷短絡保護抵抗3と電圧検出回路2は、図8に示すように外周容器200に対して大きな絶縁距離を必要とする負荷短絡保護抵抗3を円形の中心に配置し、電圧降下に伴って順次電圧検出回路2の抵抗105とコンデンサ106を外側に向かって配置するような渦巻き状の構成としてもよい。このような配置にすると外周容器200に対する電界強度を下げることが可能となり、モールド厚が薄くても、外周容器200に対して絶縁が確保され、空間を有効利用できる。よって装置を小型・軽量化できるというメリットがある。
ここで、対称インバース形CW回路1の低電圧出力段は、高電圧出力段に比べて外周容器200に対して大きな絶縁耐圧を必要としない。そのため各段階の樹脂モールドブロックは、対称インバース形CW回路1の高電圧出力段になるにつれて小さくする。例えば、最下段の樹脂モールドブロック30aには、最初の整流回路部11と2つの倍電圧昇圧回路部10、次段階の樹脂モールドブロック30bには2つの倍電圧昇圧回路部10、その上段の樹脂モールドブロック30cおよび30dには、それぞれ1つの倍電圧昇圧回路部10が配置される。このように高電圧出力段になるにつれて絶縁基板を小さくし、回路部品を外周容器200の中央部に配置すれば、外周容器200に対して絶縁が確保されるのでモールド厚を小さくでき、装置を小型・軽量化できるというメリットがある。
また、本実施の形態では絶縁基板20a〜20dの大きさを異ならしている。絶縁破壊は上述のごとく樹脂モールドブロック30a〜30dと外周容器200との間、若しくは樹脂モールドブロック30a〜30d相互間で発生すると考えてよい。すべての絶縁基板の大きさが絶縁基板20aに揃えられている場合、樹脂モールドブロック30a〜30d相互間の絶縁はより確保されることになる。具体的には、例えば図2では樹脂モールドブロック30cと30dの間においてその端部から電界が漏れだし、絶縁破壊の生じる可能性があるが、絶縁基板20dの大きさが絶縁基板20aのように十分に広ければ電界強度は弱まり絶縁破壊は生じにくくなる。あるいは単純にすべての部材を絶縁基板20aに揃えれば生産性が向上するメリットもある。
しかし一方で、樹脂モールドブロック30dと外周容器200との絶縁破壊を考えるならば、絶縁基板20d上の縁面を経由して樹脂モールドブロック30dと外周容器200との間で放電する可能性がある。この場合、絶縁距離確保のためには樹脂モールドブロック30dと外周容器200との空間的な距離を確保することが望ましい。そのため本実施形態では生成電圧が高くなる上段での絶縁基板の面積を下段に比べて小さくすることで外周容器200との絶縁破壊を防止している。
外周容器200との絶縁破壊、モールド樹脂間の絶縁破壊のどちらが支配的であるかは、外周容器200との距離、外周容器200の材質、あるいは樹脂モールドブロック30a〜30dの距離などに変わってくる。
なお、本実施の形態では整流回路部11と6段の倍電圧昇圧回路10で構成された13倍昇圧の対称インバース形CW回路を用いて説明したが、対称インバース形CW回路の昇圧段数は制限されるものではなく、任意の選定が可能である。また本実施の形態では、最初の直流コンデンサコラムとダイオードを含む2段分の昇圧回路、次段の樹脂モールドブロック30bには2段分の昇圧回路、その上段の樹脂モールドブロック30cおよび30dには、それぞれ1段分の昇圧回路を配置したが、各々の樹脂モールドブロック30a〜30dに含まれる昇圧回路の数も制限されるものではない。
実施の形態2.
次に、実施の形態2の直流高電圧発生装置について説明する。図9は実施の形態2に係る直流高電圧発生装置を示す正面断面図である。尚、本実施の形態では基本的な構成は実施の形態1と同等であるので、同一部分を同一符号にて表記しており、各段階の絶縁基板の大きさと配置の仕方、および各段階の樹脂モールドブロックが同一形状である点を除けば、作製方法、接続方法、及び電圧検出回路2と負荷短絡保護抵抗3の構成は実施の形態1と同様である。
本実施の形態は、特に図9に示すように、絶縁基板21a〜21dの大きさをそれぞれ異ならせ、1段階ごとに大・小・大・・・と交互に配置している。絶縁破壊に際しては樹脂モールドブロック31a〜31d相互間、樹脂モールドブロック31a〜31dと外周容器200との間で生じやすいことはすでに説明したとおりである。特に絶縁基板21a〜21dを使用する場合、絶縁基板21a〜21dのエッジ(端部)に電界強度が集中してコロナ放電が発生しやすく、樹脂モールドブロック31a〜31d相互間で絶縁破壊してしまう場合がある。このとき絶縁基板同士のエッジを極力離すことで絶縁強度が確保できることが判明した。これは例えば実施の形態1で述べたように上部にいくほど絶縁基板の大きさを単調減少的に小さくするような構造でもよい。少なくとも絶縁基板面積を同一にするよりもエッジ間の距離は広げられる。しかしながらこれでは空間が有効に利用しにくいという課題がある。
そこで本実施の形態では交互に絶縁基板21a〜21dの大きさを異ならせている。このような構成とすれば絶縁基板21a〜21dのエッジ間は確保しつつ空間を有効に利用することができる。具体的には例えば最上段の絶縁基板21dの大きさを確保することができるため、最上段の部品点数を増やした回路構成が可能となる。
実施の形態3.
次に、実施の形態3の直流高電圧発生装置について説明する。実施の形態1では、特に樹脂モールドブロックごとに対称インバース形CW回路の段数を異ならせた直流高電圧発生装置について説明した。特に電圧検出回路2は、対称インバース形CW回路とは別に最上段の絶縁基板40に別途構成している。これは昇圧回路、電圧検出、と機能分離の観点から管理しやすい構成ではあるが、それぞれの段階ごとに構成が異なるため生産性が悪いという課題がある。特に樹脂モールドブロックはそれぞれのブロックで対称インバース形CW回路の倍電圧整流回路10の数が異なるため各ブロック用に製造する必要があった。
そこで本実施の形態では図10あるいは図11に示すように、電圧検出回路と昇圧回路を一体化し、全体を樹脂モールド化して樹脂モールドブロック32a〜32dとしている。図10は樹脂モールドブロック32a〜32dの正面断面図であり、図11は樹脂モールドブロック32a〜32dを上面から見た部品配置図であるが、図3の部品配置にさらに抵抗、コンデンサからなる分圧抵抗ブロック2a〜2dを昇圧電圧に対応して分散配置した構成としている。この時、出力端子71aは、出力端子71bよりも低圧(GND側)であり、出力端子70b、70eと同じ向きに揃えている。これにより電圧勾配が揃うため絶縁破壊は起こりにくくなる。
このような構成とすれば、すべての樹脂モールドブロック32a〜32dは等しくなるため生産性が向上する。また、実施の形態1では樹脂モールドブロック30a〜30dが、上部に行くほど高圧になるように設計されているにもかかわらず、電圧検出回路2で高圧からGNDまでの急激な電位勾配が存在していたが、本実施形態のような構成とすることで上部に行くほど一方的に高圧になるだけで急激な電位勾配は発生せず、絶縁強度が確保できる。すなわち高耐圧化を図ることができる。
尚、電圧検出回路2は高電圧出力端のモニタであるため、厳密にはこの発明で説明しているごとくGNDと高電圧出力端とを分圧するものでなければならないが、おおよそ各対称インバース形CW回路で均等に分圧されていると考えれば、各対称インバース形CW回路内で分圧抵抗を設け電圧をセンシングすることも考えられる。すなわち、出力端子70bと71a、70eと71bとを接続してしまってもよい。あるいは分圧抵抗ブロック2aを直流コラムコンデンサCb1の直近に配置し、出力端子70bを共有する構成であってもよい。
更にいえば、図12に示すように、対称インバース形CW回路の一部が分圧機能を兼ねるような構成でもよい。図12では、直流コラムコンデンサCb1は並列接続では無く、少なくとも直列接続としており、それぞれのコンデンサに分圧抵抗107を並列に接続している。例えば直流コラムコンデンサCb1はフィルムコンデンサなどの比較的大容量のコンデンサとして、出力端子70a−70d間、70b−70e間、70c−70f間の合成容量がほぼ均等となるように構成している。すべての対称インバース形CW回路が理想的に分圧しているとすれば、最下段の整流回路部11だけでも図12の構成とし、直列に接続された分圧抵抗107の一部をセンシングに利用することで、部品点数を大幅に削減することができる。
以上のように、この発明に係る直流高電圧発生装置は、多段倍電圧整流回路の各段階間および高電圧端子と外周容器間との絶縁耐圧が確保でき、装置内の空間を有効利用する構造を実現することができ、産業上の利用可能性は大なるものである。
この発明の実施の形態1の直流高電圧発生装置に使用される13倍昇圧の対称インバース形CW回路図である。 この発明の実施の形態1による直流高電圧発生装置を示す断面図である。 この発明の実施の形態1による直流高電圧発生装置の樹脂モールドブロック配置例を示す図である。 この発明の実施の形態1による直流高電圧発生装置の樹脂モールドブロックの接続例を示す図である。 この発明の実施の形態1による直流高電圧発生装置の樹脂モールドブロックの他の接続例を示す図である。 この発明の実施の形態1による直流高電圧発生装の電圧検出回路の配置例を示す図である。 この発明の実施の形態1による直流高電圧発生装の電圧検出回路の他の配置例を示す図である。 この発明の実施の形態1による直流高電圧発生装の電圧検出回路の更に他の配置例を示す図である。 この発明の実施の形態2による直流高電圧発生装置を示す断面図である。 この発明の実施の形態3による直流高電圧発生装置を示す断面図である。 この発明の実施の形態3による樹脂モールドブロックの配置例を示す図である。 この発明の実施の形態3による樹脂モールドブロックの他の配置例を示す図である。
符号の説明
1 対称インバース形CW回路
2 電圧検出回路
2a〜2d 分圧抵抗ブロック
3 負荷短絡保護抵抗
10 倍電圧昇圧回路部
11 整流回路部
20a〜20d、21a〜21d、40 絶縁基板
30a〜30d、31a〜31d、32a〜32d 樹脂モールドブロック
70a〜70f、71a、71b 出力端子(高耐圧配線ケーブル)
75 接続端子
76 金属パイプ
80 底板
90a〜90d 絶縁スペーサ
101 インバータ回路
102a、102b 昇圧トランス
105、107 抵抗
106 コンデンサ
110 プリント基板
200 外周容器
T1〜T3 入力端子
Ca、Cb1 直流コラムコンデンサ
t1a、t2a 1次巻線
t1b、t2b 2次巻線
Da1、Da2、Da3、Da4 ダイオード
Cb2、Cb3 交流コラムコンデンサ

Claims (6)

  1. コンデンサとダイオードを有する昇圧回路をモールドして構成されるモールドブロックを絶縁基板上に配置するとともに、上記絶縁基板を複数段積み重ねることにより構成された多段倍電圧整流回路を備え、上記多段倍電圧整流回路が外周容器内に設置される直流高電圧発生装置において、
    上記モールドブロックは、上記複数段のうち高電圧となる段を、低電圧となる段より小さく構成するとともに、上記絶縁基板は、各段毎に大きさを異ならせることを特徴とする直流高電圧発生装置。
  2. 上記直流高電圧発生装置の出力端子を検出する電圧検出回路を上記多段倍電圧整流回路の最上段の上側に設けた絶縁基板に配置し、上記電圧検出回路が樹脂モールドされることを特徴とする請求項1に記載の直流高電圧発生装置。
  3. 上記電圧検出回路を、並列接続された抵抗とコンデンサを複数個直列接続して構成したことを特徴とする請求項2に記載の直流高電圧発生装置。
  4. 上記直流高電圧発生装置の出力電圧を、抵抗体を介して取り出すと共に、上記抵抗体を上記多段倍電圧整流回路の最上段の上側に設けた絶縁基板に配置し、上記抵抗体が樹脂モールドされることを特徴とする請求項1に記載の直流高電圧発生装置。
  5. 上記抵抗体の高電圧側を絶縁基板の中央部に配置したことを特徴とする請求項4に記載の直流高電圧発生装置。
  6. 上記直流高電圧発生装置の出力電圧を検出する電圧検出回路を、並列接続された抵抗とコンデンサを複数個直列接続して構成し、上記並列接続された抵抗とコンデンサを上記多段倍電圧整流回路の複数の絶縁基板に昇圧電圧に対応して分散配置したことを特徴とする請求項1に記載の直流高電圧発生装置。
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