JP4939704B2 - マグネシウム合金の塗装下地処理方法及び塗装方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はマグネシウム合金の塗装下地処理方法及び塗装方法に関し、より具体的には、マグネシウム合金成形品に対して塗膜の密着性及び塗膜外観に優れた塗膜を形成することができるマグネシウム合金の塗装下地処理方法及び塗装方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
マグネシウム合金は実用金属中で最も軽量で且つ比強度も大きいので、その特性を利用して、自動車、二輪車等の内外装部品、家電製品の部品、スーツケース等の収納容器類、スポーツ用品、光学機器の部品、更にはコンピュータ、音響などの電子工業部品等の多くの分野で用いられている。
【0003】
しかしながら、マグネシウム合金は一般的に電気化学的に活性な金属材であるため、耐食性の点で素材のままでの使用は困難である。マグネシウム合金の耐食性を改善するための表面処理法として、従来、化成処理や陽極酸化処理が実施されてきている。更に、塗装も実施されている。化成処理は簡便なため、塗装の下地処理としても広く利用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
マグネシウム合金成形品の塗装法において、単に洗浄した後にプライマー処理し、仕上げ塗装した場合だけでなく、洗浄した後、化成処理し、プライマー処理し、仕上げ塗装した場合でも、塗膜の密着性及び塗膜外観の点で必ずしも満足できるものではなかった。
【0005】
本発明は、上記のような欠点のない、即ちマグネシウム合金成形品に対して塗膜の密着性及び塗膜外観に優れた塗膜を形成することができるマグネシウム合金の塗装下地処理方法及び塗装方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記の課題を達成するために鋭意検討した結果、マグネシウム合金成形品を減圧雰囲気下に保持してマグネシウム合金中の微細な巣、欠陥等の中の空気を排除し、その後処理剤を該マグネシウム合金成形品の全周囲に存在させた状態で減圧を解除してマグネシウム合金中の微細な巣、欠陥等の中にも処理剤が侵入するようにし、該マグネシウム合金成形品を該処理剤で処理し、洗浄し、乾燥することにより、マグネシウム合金成形品に対して塗膜の密着性及び塗膜外観に優れた塗膜を形成することができることを見出し、本発明を完成した。
【0007】
即ち、本発明のマグネシウム合金の塗装下地処理方法は、マグネシウム合金成形品を2×103 Pa以下の減圧雰囲気下に保持し、その後処理剤を該マグネシウム合金成形品の全周囲に存在させた状態で減圧を解除し、該マグネシウム合金成形品を該処理剤で処理し、洗浄し、乾燥することを特徴とする。
【0008】
また、本発明のマグネシウム合金の塗装方法は、マグネシウム合金成形品を2×103 Pa以下の減圧雰囲気下に保持し、その後処理剤を該マグネシウム合金成形品の全周囲に存在させた状態で減圧を解除し、該マグネシウム合金成形品を該処理剤で処理し、洗浄し、乾燥し、塗装すること、即ち、上記の塗装下地処理方法によって処理したマグネシウム合金成形品を塗装することを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の塗装下地処理方法、塗装方法で用いるマグネシウム合金成形品の材質としては、種々の技術分野で実用されている全てのマグネシウム合金、例えばAZ系、AM系、AS系、ZK系等のマグネシウム合金を挙げることができる。また、マグネシウム合金成形品の形態としては、金型鋳造品、砂型鋳造品、ダイカスト、展伸材、鍛造材等を挙げることができる。
【0010】
本発明の塗装下地処理方法を実施する前に、マグネシウム合金成形品の表面を溶媒脱脂し、エッチングし、又は酸洗いし、その後水洗及び純水洗浄をし、乾燥しておくことが好ましい。溶媒脱脂は、例えばアセトン中で15分間の超音波洗浄を行うことにより実施できる。
【0011】
本発明の塗装下地処理方法、塗装方法においては、マグネシウム合金成形品を減圧雰囲気下に保持してマグネシウム合金中の微細な巣、欠陥等の中の空気を排除する必要がある。マグネシウム合金成形品を密閉容器内に入れ、脱気することにより、マグネシウム合金成形品を減圧雰囲気下に保持することができる。この減圧の程度については2×103 Pa以下であることが好ましく、2×10Pa以下であることがより好ましい。この減圧の程度が2×103 Paより悪い場合には、減圧雰囲気下に保持し、その後処理剤をマグネシウム合金成形品の全周囲に存在させた状態で減圧を解除し、マグネシウム合金成形品を処理剤で処理し、洗浄し、乾燥し、塗装したとしても、塗装後の塗膜に膨れが生じたり、凹みが生じたりする傾向があるか、あるいはそのような欠陥が生じないようにするにはかなり長時間減圧雰囲気下に保持する必要があり、実用的でない。また、マグネシウム合金成形品を減圧雰囲気下に保持する時間については、減圧の程度にも依存するが、30秒以上であることが好ましく、1分以上であることがより好ましい。しかし、その保持時間が長くしても、それに見合った効果が得られないので、10分以内で十分である。
【0012】
マグネシウム合金成形品を上記のように減圧雰囲気下に保持した後、減圧を維持したままで処理剤を該減圧容器内に注入し、該マグネシウム合金成形品の全周囲に処理剤を存在させた状態で減圧を解除する。この状態で減圧を解除することにより処理剤がマグネシウム合金の表面に存在するだけでなく、マグネシウム合金中の微細な巣、欠陥等の中にも侵入する。なお、減圧を解除する際及び/又は減圧を解除した後で処理剤がマグネシウム合金成形品の全周囲に存在している状態で超音波を照射するか、又は/更に,減圧を解除した後で処理剤がマグネシウム合金成形品の全周囲に存在している状態で加圧処理を実施することにより、マグネシウム合金中の微細な巣、欠陥等の中に容易に侵入することができるようになる。
【0013】
この処理剤はマグネシウム合金と反応してマグネシウム合金表面を活性化し、プライマー又は塗料との密着性を改善するものであればいかなる物質でもよく、有機又は無機の液体であっても気体であってもよい。処理剤として、例えば、公知の種々の化成処理浴を用いることができ、酢酸やその塩、ピロリン酸やその塩、リン酸やその塩、珪酸やその塩、アルカリ金属の水酸化物、アンモニア等、又はそれらの混合物を含有する水溶液を用いることができ、水単体でも用いることができる。また、樹脂形成性組成物、例えば、アクリル系モノマー、架橋剤等からなる組成物も用いることができる。更には、これらの液体の蒸気や、酸素等の酸化性ガスや、水素等の還元性ガスを用いることもできる。
【0014】
処理剤の具体例を示すと次の通りである。
・CH3 COOH:0.01〜100mL/L+CH3 COONa:0.01〜100g/L水溶液、
・H4 P2 O7 :0.01〜200g/L+Na3 PO4 :0.01〜100g/L水溶液、
・H3 PO4 :0.01〜100mL/L+Na3 PO4 :0.01〜100g/L水溶液、
・K4 P2 O7 :0.01〜200g/L水溶液、
・Na3 PO4 :0.01〜250g/L水溶液、
・NaH2 PO4 :0.01〜100g/L水溶液、
・珪酸Na(濃度35%):0.01〜200mL/L水溶液、
・NH3 (濃度28%):0.01〜100mL/L水溶液、
・NaOH:0.01〜100g/L水溶液、
・メタクリル酸アルキル65〜75質量%、架橋剤15〜30質量%、改質剤0.5〜1.5質量%、硬化剤0.5〜1.5質量%及び重合抑制剤100〜1000ppmからなる樹脂形成性組成物。
【0015】
処理剤を液体として用いる場合には、減圧容器内のマグネシウム合金成形品が処理剤液中に完全に浸漬するように処理剤液を減圧容器内に注入し、減圧を解除し、また、処理剤を気体として用いる場合には、減圧容器内に比較的少量の、例えば、減圧容器の内容積の0.01〜5%に相当する量の揮発性の上記処理剤液を注入し、気化によって減圧を解除するか、又は上記のガスを注入して減圧を解除する。
【0016】
上記のようにして減圧を解除した後、マグネシウム合金成形品と処理剤との接触を維持してマグネシウム合金成形品を処理剤で処理する。この処理の際の温度については特には限定されないが、一般的には室温〜450℃(マグネシウム合金成形品が熱変形しない程度の温度)程度であることが好ましい。また、その処理時間は、処理温度にも依存するが、10秒〜30分間程度であることが好ましい。更に、超音波を照射する場合には35〜45kHz程度の超音波を用いることが好ましく、38〜42kHz程度の超音波を用いることがより好ましく、加圧処理を実施する場合には1.5×105 〜1×106 Pa程度の圧力を用いることが好ましく、3×105 〜8×105 Pa程度の圧力を用いることがより好ましい。
【0017】
上記のようにして処理した後、マグネシウム合金成形品を慣用の方法によって洗浄し、乾燥する。
上記のようにして処理し、乾燥したマグネシウム合金成形品を直ちに、又は塗装すべき場所に移送した後に、或いは保管した後に塗装する。塗装は従来技術に従って実施する。
【0018】
【実施例】
以下に、実施例及び比較例に基づいて本発明を具体的に説明する。
実施例1〜8
ダイカスト鋳造によって作製したマグネシウム合金(AZ91D)製の多数の試験片(100mm×100mm×1mm)について室温のアセトン中で15分間超音波洗浄を実施し、室温で5分間乾燥した。
【0019】
上記のように処理したそれぞれの試験片を減圧容器に入れ、1.33Paの減圧雰囲気下に5分間保持した。その後その減圧を維持したままで第1表に示す処理剤水溶液(50℃に加熱したもの)を該減圧容器内に、試験片が完全に浸漬する量で注入し、注入後に減圧を解除した。減圧を解除した後、試験片と処理剤水溶液とを50℃で1分間接触したままにしておいた。その後、試験片を容器から取り出し、水洗した。水洗後、80℃で乾燥させた。
【0020】
乾燥させた後、その試験片にアクリル系焼付け塗料を浸漬塗装法によって塗布し、10分間静置し、その後150℃で20分間加熱乾燥させた。塗装後の試験片にカッターナイフでクロスカットを入れ、塩水噴霧試験を24時間実施した。塩水噴霧試験後に塗装表面全体の膨れ、凹みの個数を確認し、また、そのクロスカット部分についてテープ引き剥がし試験を実施し、剥離部分について最大剥離幅(クロスカット部分からの最大距離)を測定した。それらの結果は第1表に示すとおりであった。
【0021】
【表1】
【0022】
実施例9〜16
ダイカスト鋳造によって作製したマグネシウム合金(AZ91D)製の多数の試験片(100mm×100mm×1mm)について室温のアセトン中で15分間超音波洗浄を実施し、室温で5分間乾燥した。
【0023】
上記のように処理したそれぞれの試験片を減圧容器に入れ、1.33Paの減圧雰囲気下に5分間保持した。その後その減圧を維持したままで第2表に示す処理剤水溶液(50℃に加熱したもの)を該減圧容器内に、試験片が完全に浸漬する量で注入し、注入後に減圧を解除した。減圧を解除した後、試験片と処理剤水溶液とを150℃で5分間接触したままにしておいた。その後、試験片を容器から取り出し、水洗した。水洗後、80℃で乾燥させた。
【0024】
乾燥させた後、その試験片にアクリル系焼付け塗料を浸漬塗装法によって塗布し、10分間静置し、その後150℃で20分間加熱乾燥させた。塗装後の試験片にカッターナイフでクロスカットを入れ、塩水噴霧試験を24時間実施した。塩水噴霧試験後に塗装表面全体の膨れ、凹みの個数を確認し、また、そのクロスカット部分についてテープ引き剥がし試験を実施し、剥離部分について最大剥離幅を測定した。それらの結果は第2表に示すとおりであった。
【0025】
【表2】
【0026】
実施例17〜20及び比較例1〜4
減圧容器内の減圧雰囲気を第3表に示す圧力に変更した以外は実施例1と同様にして試験片を処理し、塗膜を形成し、塩水噴霧試験後の塗装表面全体の膨れ、凹みの個数を確認し、また、そのクロスカット部分についてテープ引き剥がし試験での最大剥離幅を測定した。それらの結果は第3表に示す通りであった。
【0027】
【表3】
【0028】
比較例5
ダイカスト鋳造によって作製したマグネシウム合金(AZ91D)製の多数の試験片(100mm×100mm×1mm)について室温のアセトン中で15分間超音波洗浄を実施し、室温で5分間乾燥した。
【0029】
上記のように処理したそれぞれの試験片を減圧雰囲気下に保持することなしでCH3 COOH:10mL/L+CH3 COONa:170g/Lの水溶液(50℃に加熱したもの)中に浸漬し、試験片と水溶液とを150℃で5分間接触したままにしておいた。その後、試験片を水溶液から取り出し、水洗した。水洗後、80℃で乾燥させた。
【0030】
乾燥させた後、その試験片にアクリル系焼付け塗料を浸漬塗装法によって塗布し、10分間静置し、その後150℃で20分間加熱乾燥させた。塗装後の試験片にカッターナイフでクロスカットを入れ、塩水噴霧試験を24時間実施した。塩水噴霧試験後に塗装表面全体の膨れ、凹みの個数を確認し、また、そのクロスカット部分についてテープ引き剥がし試験を実施し、剥離部分について最大剥離幅を測定した。それらの結果は、膨れは35個、凹みは19個、最大剥離幅は5mmであった。
【0031】
実施例21
ダイカスト鋳造によって作製したマグネシウム合金(AZ91D)製の多数の試験片(100mm×100mm×1mm)について室温のアセトン中で15分間超音波洗浄を実施し、室温で5分間乾燥した。
【0032】
上記のように処理したそれぞれの試験片を減圧容器に入れ、1.33Paの減圧雰囲気下に5分間保持した。その後その減圧を維持したままでCH3 COOH:10mL/L+CH3 COONa:4g/Lの水溶液(50℃に加熱したもの)を該減圧容器内に、試験片が完全に浸漬する量で注入し、注入後に減圧を解除した。減圧を解除した後、試験片と処理剤水溶液とを50℃で1分間接触したままにしておき、次いで圧縮空気を注入して容器内を6×106 Paに加圧し、15分間保持した。その後、試験片を容器から取り出し、水洗した。水洗後、80℃で乾燥させた。
【0033】
乾燥させた後、その試験片にアクリル系焼付け塗料を浸漬塗装法によって塗布し、10分間静置し、その後150℃で20分間加熱乾燥させた。塗装後の試験片にカッターナイフでクロスカットを入れ、塩水噴霧試験を24時間実施した。塩水噴霧試験後に塗装表面全体の膨れ、凹みの個数を確認し、また、そのクロスカット部分についてテープ引き剥がし試験を実施し、剥離部分について最大剥離幅を測定した。それらの結果は、膨れは0個、凹みは0個、最大剥離幅は0.0mmであった。
【0034】
実施例22
ダイカスト鋳造によって作製したマグネシウム合金(AZ91D)製の多数の試験片(100mm×100mm×1mm)について室温のアセトン中で15分間超音波洗浄を実施し、室温で5分間乾燥した。
【0035】
上記のように処理したそれぞれの試験片を減圧容器に入れ、1.33Paの減圧雰囲気下に5分間保持した。その後その減圧を維持したままでCH3 COOH:10mL/L+CH3 COONa:4g/Lの水溶液(50℃に加熱したもの)を該減圧容器内に、試験片が完全に浸漬する量で注入し、注入後に減圧を解除した。減圧を解除した後、試験片と処理剤水溶液とを50℃で1分間接触したままにしておき、その間40kHzの超音波を照射した。その後、試験片を容器から取り出し、水洗した。水洗後、80℃で乾燥させた。
【0036】
乾燥させた後、その試験片にアクリル系焼付け塗料を浸漬塗装法によって塗布し、10分間静置し、その後150℃で20分間加熱乾燥させた。塗装後の試験片にカッターナイフでクロスカットを入れ、塩水噴霧試験を24時間実施した。塩水噴霧試験後に塗装表面全体の膨れ、凹みの個数を確認し、また、そのクロスカット部分についてテープ引き剥がし試験を実施し、剥離部分について最大剥離幅を測定した。それらの結果は、膨れは0個、凹みは0個、最大剥離幅は0.0mmであった。
【0037】
実施例23
ダイカスト鋳造によって作製したマグネシウム合金(AZ91D)製の多数の試験片(100mm×100mm×1mm)について室温のアセトン中で15分間超音波洗浄を実施し、室温で5分間乾燥した。
【0038】
上記のように処理したそれぞれの試験片を減圧容器に入れ、1.33Paの減圧雰囲気下に5分間保持した。その後その減圧を維持したままで、メタクリル酸メチル70質量部、架橋剤27質量部、改質剤1質量部、硬化剤1質量部及び重合抑制剤500ppmからなる組成物(20℃のもの)を該減圧容器内に、試験片が完全に浸漬する量で注入し、注入後に減圧を解除した。減圧を解除した後、試験片と処理剤水溶液とを20℃で1分間接触したままにしておき、次いで圧縮空気を注入して容器内を6×106 Paに加圧し、15分間保持した。その後、試験片を容器から取り出し、試験片表面に付着している組成物を水洗によって除去した。水洗後、90℃の水中に15分間浸漬させて、試験片中に含浸されていた組成物を重合させ、硬化させた。硬化処理後、80℃で乾燥させた。
【0039】
乾燥させた後、その試験片にアクリル系焼付け塗料を浸漬塗装法によって塗布し、10分間静置し、その後150℃で20分間加熱乾燥させた。塗装後の試験片にカッターナイフでクロスカットを入れ、塩水噴霧試験を24時間実施した。塩水噴霧試験後に塗装表面全体の膨れ、凹みの個数を確認し、また、そのクロスカット部分についてテープ引き剥がし試験を実施し、剥離部分について最大剥離幅を測定した。それらの結果は、膨れは0個、凹みは0個、最大剥離幅は0.0mmであった。
【0040】
【発明の効果】
本発明の塗装下地処理方法及び塗装方法により、マグネシウム合金成形品に対して塗膜の密着性及び塗膜外観に優れた塗膜を形成することができる。
Claims (10)
- マグネシウム合金成形品を2×103 Pa以下の減圧雰囲気下に保持し、その後処理剤を該マグネシウム合金成形品の全周囲に存在させた状態で減圧を解除し、該マグネシウム合金成形品を該処理剤で処理し、洗浄し、乾燥することを特徴とするマグネシウム合金の塗装下地処理方法。
- マグネシウム合金成形品を2×103 Pa以下の減圧雰囲気下に30秒間以上保持することを特徴とする請求項1記載のマグネシウム合金の塗装下地処理方法。
- 減圧雰囲気が2×10Pa以下であることを特徴とする請求項1又は2記載のマグネシウム合金の塗装下地処理方法。
- 処理剤が液体であることを特徴とする請求項1、2又は3記載のマグネシウム合金の塗装下地処理方法。
- 処理剤が気体であることを特徴とする請求項1、2又は3記載のマグネシウム合金の塗装下地処理方法。
- 減圧を解除する際及び/又は減圧を解除した後で処理剤がマグネシウム合金成形品の全周囲に存在している状態で超音波を照射することを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のマグネシウム合金の塗装下地処理方法。
- 減圧を解除した後で処理剤がマグネシウム合金成形品の全周囲に存在している状態で加圧処理を実施することを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載のマグネシウム合金の塗装下地処理方法。
- 処理剤での処理を室温〜450℃で10秒〜30分間実施することを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載のマグネシウム合金の塗装下地処理方法。
- 請求項1〜8の何れかに記載の塗装下地処理方法によって処理したマグネシウム合金成形品を塗装することを特徴とするマグネシウム合金の塗装方法。
- 請求項9記載の塗装方法によって得られることを特徴とする塗装マグネシウム合金成形品。
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