以下、本発明の一実施の形態に係る食器洗い機について図面を参照しながら説明する。以下の説明においては、食器等の被洗浄物の洗浄およびすすぎに用いられる液体を洗浄水と称する。
(1)食器洗い機の構成
図1および図2は、本発明の一実施の形態に係る食器洗い機の構成を示す正面図および側面図である。図1の正面図においては、食器洗い機1の正面の一部が切り欠いて図示されている。また、図2の側面図では、食器洗い機1の内部が透過して図示されている。
図1および図2に示すように、食器洗い機1は筐体1aを備える。筐体1aの前面部には、開閉可能な扉16(図2)が設けられている。扉16の一部には窓部16a(図2)が形成されている。筐体1a内に、食器等の被洗浄物10の洗浄を行うための洗浄槽2が設けられている。
洗浄槽2の上段部には、上段食器かご8が前後方向に移動可能に設けられている。上段食器かご8は、洗浄槽2の一側面側に設けられる左収容部8a、および洗浄槽2の他側面側に設けられる右収容部8bを有する。左収容部8aは、右収容部8bよりも低い位置に設けられる。
洗浄槽2の下段部には、下段食器かご9が前後方向に移動可能に設けられている。下段食器かご9は、洗浄槽2の一側面側に設けられる左収容部9a、および洗浄槽2の他側面側に設けられる右収容部9bを有する。左収容部9aと右収容部9bとは同じ高さに設けられる。
上段食器かご8の左収容部8aおよび右収容部8b、ならびに下段食器かご9の左収容部9aおよび右収容部9bに、種々の被洗浄物10が収容される。
洗浄槽2の背面には、略十字状の固定洗浄ノズル5が配置されている。固定洗浄ノズル5は、上下方向に延びる縦ノズル部5aおよびその縦ノズル部5aの略中央部で横方向に延びる横ノズル部5bを有する。縦ノズル部5aの上端部は洗浄槽2の他側面に向かって横方向に屈曲し、屈曲部5cが形成されている。屈曲部5cに複数の液噴射口20aが形成されている。
また、縦ノズル部5aの上端部の直上に、濁度検出部60が設けられている。濁度検出部60の詳細については後述する。
洗浄槽2の一側面側において、固定洗浄ノズル5の横ノズル部5bから前方に延びるように、導水管6が取り付けられている。導水管6の先端部に、回転洗浄ノズル7が鉛直軸周りに回転可能に取り付けられている。回転洗浄ノズル7は回転中心から一方向および逆方向に延びる羽根部を有し、それらの羽根部の上面に複数の液噴射口(図示せず)が形成されている。回転洗浄ノズル7は、上段食器かご8の左収容部8aの下方に配置される。また、洗浄槽2の他側面側における横ノズル部5bには、複数の液噴射口20bが形成されている。
洗浄槽2の底部には回転洗浄ノズル3,4が鉛直軸周りに回転可能に取り付けられている。回転洗浄ノズル3,4の各々は、回転洗浄ノズル7と同様に、回転中心から一方向および逆方向に延びる羽根部を有し、それらの羽根部の上面には複数の液噴射口(図示せず)が形成されている。回転洗浄ノズル3は、下段食器かご9の左収容部9aの下方に配置され、回転洗浄ノズル4は、下段食器かご9の右収容部9bの下方に配置される。
図2に示すように、下段食器かご9の下方における洗浄槽2の前面側には、被洗浄物10の洗浄またはすすぎに用いられる洗浄水を一時的に貯留する貯留部12が形成されている。
洗浄槽2の背面の下端近傍に、給水管31の一端が接続されている。給水管31は筐体1aの外部に延びるとともに、その他端が図示しない水道配管に接続される。筐体1aの内部において、給水管31には給水弁31aが介挿されている。給水弁31aが開くことにより、洗浄槽2内に洗浄水として水道水が導入される。洗浄槽2内に導入された洗浄水は、貯留部12に貯留される。
貯留部12には、貯留された洗浄水を加熱するため、および洗浄槽2内部の雰囲気を加熱するためのヒータ14が配置されている。また、洗浄槽2の底面外壁には、温度センサ17が設けられている。温度センサ17は、洗浄槽2の底面外壁を介して貯留部12に貯留された洗浄水の温度および洗浄槽2内部の雰囲気の温度を間接的に検出する。
貯留部12の底部には、排水口12aが形成されている。排水口12aの直上には、被洗浄物10から取り除かれた残菜を収集するための残菜フィルタ13が着脱可能に取り付けられている。なお、本実施の形態において、残菜とは、洗浄またはすすぎにより被洗浄物10から取り除かれた汚れのうちの固形物をいう。
排水口12aの下部には、洗浄水導入導出部Gが形成されている。洗浄水導入導出部Gには、配管11aを介してポンプ11が接続されている。これにより、ポンプ11の内部空間と洗浄水導入導出部Gの内部空間とが連通する。ポンプ11には、筐体1aの外部に延びる排水管32、および分水機構15が取り付けられている。なお、本実施の形態では、ポンプ11として可逆回転型のポンプが用いられる。排水管32は、図示しないトラップ構造を有する。
ポンプ11の側方には、乾燥機構72が設けられている。乾燥機構72は、例えばファン等を含み、図示しない気体導入管を通して洗浄槽2の背面から洗浄槽2の内部に気体を供給する。これにより、後述する被洗浄物10の乾燥工程で洗浄槽2の内部空間に気流が発生する。
上記の分水機構15には、複数の流路が接続されている。これらの複数の流路について説明する。図3は、図2の分水機構15に接続される複数の流路を説明するための図である。
図3に太い一点鎖線で示すように、分水機構15には、第1、第2、第3および第4の流路Ra,Rb,Rc,Rdが接続されている。第1の流路Raは分水機構15と回転洗浄ノズル3とを接続する。この第1の流路Raは分水機構15内の洗浄水を回転洗浄ノズル3に供給するために用いられる。
第2の流路Rbは分水機構15と回転洗浄ノズル4とを接続する。この第2の流路Rbは分水機構15内の洗浄水を回転洗浄ノズル4に供給するために用いられる。
第3の流路Rcは固定洗浄ノズル5の内部に形成されている。具体的には、第3の流路Rcは、固定洗浄ノズル5の縦ノズル部5aを通して分水機構15と濁度検出部60とを接続する。また、第3の流路Rcは、固定洗浄ノズル5の縦ノズル部5aおよび屈曲部5cを通して分水機構15と複数の液噴射口20aとを接続する。さらに、第3の流路Rcは、固定洗浄ノズル5の縦ノズル部5a、および洗浄槽2の他側面側における横ノズル部5bを通して分水機構15と複数の液噴射口20bとを接続する。この第3の流路Rcは分水機構15内の洗浄水を濁度検出部60および固定洗浄ノズル5の複数の液噴射口20a,20bに供給するために用いられる。
第4の流路Rdも固定洗浄ノズル5の内部に形成されている。具体的には、第4の流路Rdは、固定洗浄ノズル5の縦ノズル部5a、洗浄槽2の一側面側における横ノズル部5b、および導水管6を通して分水機構15と回転洗浄ノズル7とを接続する。この第4の流路Rdは分水機構15内の洗浄水を回転洗浄ノズル7に供給するために用いられる。
食器洗い機1において、被洗浄物10の洗浄またはすすぎが行われる場合には、まず給水弁31aが開かれることにより給水管31から洗浄槽2の底面を通して貯留部12内に洗浄水(水道水)が供給される。
所定量の洗浄水が貯留部12内に貯留された後、ポンプ11のモータが正方向に回転する。これにより、貯留部12に貯留された洗浄水がポンプ11により吸引され、分水機構15を介して、第1〜第4の流路Ra〜Rdに圧送される。なお、第1〜第4の流路Ra〜Rdに順次洗浄水が供給されるように分水機構15が構成されてもよく、または第1〜第4の流路Ra〜Rdに同時に洗浄水が供給されるように分水機構15が構成されてもよい。
洗浄水が第1の流路Raに供給されることにより、回転洗浄ノズル3の液噴射口から下段食器かご9の左収容部9aに収容された被洗浄物10に向けて洗浄水が噴射される。
洗浄水が第2の流路Rbに供給されることにより、回転洗浄ノズル4の液噴射口から下段食器かご9の右収容部9bに収容された被洗浄物10に向けて洗浄水が噴射される。
洗浄水が第4の流路Rdに供給されることにより、回転洗浄ノズル7の液噴射口から上段食器かご8の左収容部8aに収容された被洗浄物10に向けて洗浄水が噴射される。
回転洗浄ノズル3,4,7から洗浄水が噴射される際には、洗浄水の噴射に伴って羽根部に作用する反力により回転洗浄ノズル3,4,7が鉛直軸周りに回転する。それにより、回転洗浄ノズル4から被洗浄物10への洗浄水の噴射方向が連続的に変化する。
洗浄水が第3の流路Rcに供給されることにより、固定洗浄ノズル5の液噴射口20a,20bから上段食器かご8の右収容部8bに収容された被洗浄物10に向けて洗浄水が噴射される。また、濁度検出部60に洗浄水が供給され、洗浄水の濁度が検出される。詳細は後述する。
上記の食器洗い機1において、被洗浄物10の洗浄またはすすぎが終了すると、ポンプ11のモータが逆方向に回転する。これにより、貯留部12に貯留された洗浄水および分水機構15に残留する洗浄水が、排水口12aおよび洗浄水導入導出部Gを通してポンプ11により吸引され、排水管32を通して洗浄槽2の外部に排出される。
(2)食器洗い機の動作概要
食器洗い機1の動作概要について説明する。図4は、食器洗い機1の動作概要を示すフローチャートである。
図4に示すように、まず、洗浄槽2内に残留する洗浄水が排出され、給水弁31aが開かれることにより給水管31から貯留部12内に水道水が供給される(ステップS1:排水/給水工程)。
次に、洗浄槽2内に供給された水道水に洗剤が加えられることにより洗浄水が得られ、その洗浄水がポンプ11により第1〜第4の流路Ra〜Rdに圧送される。これにより、回転洗浄ノズル3,4,7および固定洗浄ノズル5から被洗浄物10に洗浄水が噴射され、被洗浄物10の洗浄が行われる(ステップS2:洗浄工程)。
この場合、被洗浄物10に噴射された洗浄水は、洗浄槽2の壁面等を伝って貯留部12に流入し、再び貯留部12に貯留される。貯留部12に貯留された洗浄水は、再びポンプ11により第1〜第4の流路Ra〜Rdに圧送され、各ノズル3,4,5,7から被洗浄物10に噴射される。このように、被洗浄物10の洗浄時には、洗浄槽2の内部で洗浄水が循環する。
被洗浄物10の洗浄が終了すると、被洗浄物10の洗浄に用いられた洗浄水がポンプ11により排水管32を通して排出される。そして、給水弁31aが開かれることにより、洗浄槽2の貯留部12に再び水道水が供給される(ステップS3:排水/給水工程)。
次に、洗浄槽2内に供給された水道水が、洗浄水としてポンプ11により第1〜第4の流路Ra〜Rdに圧送される。これにより、各ノズル3,4,5,7から被洗浄物10に洗浄水が噴射され、被洗浄物10のすすぎが行われる(ステップS4:すすぎ工程)。
本実施の形態では、濁度検出部60(図1)により検出される洗浄水の濁度に応じて、ステップS4のすすぎ工程の回数が異なる。洗浄水の濁度とすすぎ工程の回数との関係については後述する。
被洗浄物10のすすぎが終了すると、すすぎに用いられた洗浄水がポンプ11により排水管32を通して排出される。そして、給水弁31aが開かれることにより、洗浄槽2の貯留部12に再び水道水が供給される(ステップS5:排水/給水工程)。
次に、ヒータ14が動作することにより、貯留部12内に貯留された水道水が所定の温度に加熱される。そして、加熱された水道水が、洗浄水としてポンプ11により第1〜第4の流路Ra〜Rdに圧送される。これにより、各ノズル3,4,5,7から被洗浄物10に所定温度に加熱された洗浄水が噴射され、被洗浄物10の加熱すすぎが行われる(ステップS6:すすぎ工程)。
この場合、熱によって被洗浄物10の除菌を行うことができるとともに、後の乾燥工程における被洗浄物10の乾燥効率を高めることができる。
被洗浄物10の加熱すすぎが終了すると、加熱すすぎに用いられた洗浄水がポンプ11により排水管32を通して排出される(ステップS7:排水工程)。
最後に、ポンプ11の動作が停止され、図2の乾燥機構72が動作する。乾燥機構72は、洗浄槽2の内部空間に気流を発生させる。これにより、ヒータ14により所定温度に加熱された雰囲気が洗浄槽2の内部を循環する。それにより、被洗浄物10が乾燥される(ステップS8:乾燥工程)。被洗浄物10の乾燥が完了することにより、食器洗い機1における一連の動作が終了する。
なお、上記では言及していないが、実際には、ステップS2の洗浄工程においても洗浄水がヒータ14により所定の温度に加熱される。
(3)濁度検出部の詳細
濁度検出部60の詳細を説明する。図5は図1の濁度検出部60の組み立て斜視図であり、図6は図1の濁度検出部60の縦断面図である。
図5および図6に示すように、濁度検出部60は、主として下カバー610、パッキン620、センサ収容カバー630、センサ支持ケース640、上カバー650、光センサ64および濁度検出ノズル5xから構成されている。
下カバー610は、図1の洗浄槽2における天井面の一部を構成する。すなわち、洗浄槽2の天井面は、その一部が下方に突出するように形成されている。下カバー610の中央部には開口部611が形成されている。また、下カバー610には、開口部611に近接して2つのネジ孔612が形成されている。
洗浄槽2(図1)の背面、側面、底面、および天井面の材料としては、例えば遮光性を有するポリプロピレン(PP)樹脂が用いられる。また、洗浄槽2(図1)の前面を構成する扉16の窓部16a(図2)を除く部分の材料としてもポリプロピレン(PP)樹脂が用いられる。これに対して、扉16の窓部16a(図2)の材料としては、透光性を有するポリメチルペンテン(PMP)樹脂が用いられる。これにより、食器洗い機1の使用者は、扉16の窓部16aから洗浄槽2の内部を視認することができる。
濁度検出部60の組み立て時には、下カバー610の開口部611の内縁に沿うようにパッキン620が取り付けられる。この状態で、略船形状を有するセンサ収容カバー630がパッキン620を介して下カバー610の開口部611に嵌め込まれる。センサ収容カバー630の材料としては、例えばポリメチルペンテン(PMP)樹脂が用いられる。この場合、センサ収容カバー630は、透光性を有する。
センサ収容カバー630の中央部にはセンサ支持ケース640を収容するための収容空間630Sが形成されている。また、センサ収容カバー630には、収容空間630Sに近接して2つの貫通孔639が形成されている。
センサ収容カバー630が下カバー610に嵌め込まれた状態で、センサ収容カバー630の2つの貫通孔639を通して、下カバー610の2つのネジ孔612にネジNが取り付けられる。これにより、センサ収容カバー630が下カバー610に確実に固定される。また、パッキン620によりセンサ収容カバー630と下カバー610との間の水密性が確保される。図6に示すように、収容空間630Sを形成するセンサ収容カバー630の底面中央には、上方に窪んだ断面矩形の凹状部631が形成されている。
センサ支持ケース640には、プリント基板64P、発光ダイオードからなる発光素子64aおよびフォトダイオードからなる受光素子64bが取り付けられる。プリント基板64P、発光素子64aおよび受光素子64bにより光センサ64が構成される。本実施の形態において、光センサ64としては、透過型の光センサが用いられる。発光素子64aおよび受光素子64bの端子は、プリント基板64Pに接続される。
光センサ64が取り付けられたセンサ支持ケース640がセンサ収容カバー630の収容空間630Sに収容される。この状態で、センサ支持ケース640により支持された発光素子64aおよび受光素子64bが、センサ収容カバー630の凹状部631を挟んで互いに対向する。
センサ支持ケース640の上端を押さえ込むように、上カバー650が取り付けられる。これにより、センサ支持ケース640が位置決めされるとともに、センサ支持ケース640がセンサ収容カバー630に固定される。それにより、発光素子64aおよび受光素子64bも位置決めされる。
上カバー650の上面は、洗浄槽2を覆う筐体1aの天井面に当接する。これにより、濁度検出部60の各構成部材が確実に固定される。
図1〜図3の固定洗浄ノズル5の上端部には、図6に示すように、濁度検出部60に向かって鉛直方向に延びる濁度検出ノズル5xが取り付けられている。濁度検出ノズル5xの内部空間は、図3の第3の流路Rcの一部を構成する。
濁度検出ノズル5xの先端部は、センサ収容カバー630の凹状部631に対向するように位置決めされる。これにより、洗浄水が第3の流路Rcに供給される場合には、洗浄水が濁度検出ノズル5xから上方に向かって連続的に吐出されることにより凹状部631の内部に洗浄水が充填される。なお、凹状部631の内部に充填される洗浄水は、濁度検出ノズル5xから吐出される洗浄水により順次置換される。
この状態で、光センサ64が駆動される。上述のように、センサ収容カバー630は透光性を有する。したがって、発光素子64aにより発生された光は、センサ収容カバー630の凹状部631の側壁およびその凹状部631に充填された洗浄水を通して受光素子64bにより受光される。
これにより、発光素子64aの発光量が一定である場合には、受光素子64bの受光量は凹状部631に充填された洗浄水の汚れ(濁り)に応じて変化する。それにより、受光素子64bから出力される検出信号の電圧値に基づいて洗浄水の濁度が検出される。この場合、洗浄水の濁度が高いほど受光素子64bの受光量が小さくなり、受光素子64bから出力される検出信号の電圧値が低くなる。
第3の流路Rcへの洗浄水の供給が停止されると、凹状部631に充填された洗浄水がその内周面等を伝って下方に流れ落ちる。
(4)濁度検出部の特徴
(4−a)本実施の形態に係る食器洗い機1においては、濁度検出部60が貯留部12に貯留される洗浄水の最高水位よりも高い位置に設けられている。
これにより、洗浄水が第3の流路Rc以外の流路Ra,Rb,Rdに供給される際には、濁度検出部60における洗浄水の濁度の検出部分(凹状部631)に洗浄水が接触しない。また、洗浄槽2から洗浄水を排出する際には、濁度検出部60における洗浄水の濁度の検出部分(凹状部631)に洗浄水が残留しない。
したがって、センサ収容カバー630の凹状部631に水垢および油等が付着することが防止される。その結果、洗浄水の濁度の検出誤差が低減され、長期に渡って正確に洗浄水の濁度を検出することが可能となる。
また、濁度検出部60は洗浄槽2の内部に設けられており、メンテナンスが容易である。したがって、仮に凹状部631が汚れた場合でも、使用者は容易にその汚れを取り除くことができる。
(4−b)上述のように、濁度検出部60においては、センサ収容カバー630の凹状部631に濁度検出ノズル5xから洗浄水が吐出される。そして、凹状部631の内部に洗浄水が充填されることにより、光センサ64で洗浄水の濁度が検出される。
ここで、濁度検出ノズル5xが鉛直方向に配置されかつ濁度検出ノズル5xの先端部に対向するように凹状部631が配置されている。それにより、凹状部631の底部632は、水平面に沿って広がりかつ下方を向いている。このような状態で、凹状部631に濁度検出ノズル5xから鉛直方向に洗浄水が吐出されると、凹状部631の底面632にほぼ均一な水圧が加わる。それにより、凹状部631に導入された洗浄水に気泡が混入している場合、その気泡は、水圧により凹状部631から下方に均一に押し出される。そのため、凹状部631に継続して洗浄水が吐出される場合、凹状部631には気泡等の気相がほとんど残留しない。
この場合、発光素子64aと受光素子64bとの間に導入される洗浄水に気相が存在しないので、洗浄水の濁度の検出誤差が低減される。
濁度検出ノズル5xを水平方向に配置しかつセンサ収容カバー630を凹状部631が濁度検出ノズル5xの先端部に対向するように配置した場合、凹状部631に濁度検出ノズル5xから洗浄水が吐出されると、重力の影響により、凹状部631の鉛直方向に沿った底面632に加わる水圧が均一になりにくい。そのため、凹状部631に導入された洗浄水に気泡が混入している場合には、その気泡は凹状部631の内部で上側に移動して滞留する可能性がある。
したがって、濁度検出ノズル5xおよびセンサ収容カバー630は、濁度検出ノズル5xが鉛直方向に配置されかつ凹状部631が濁度検出ノズル5xの先端部に対向するようにセンサ収容カバー630が配置されることが好ましい。これにより、上述のように濁度の検出誤差が低減される。
なお、洗浄水に混入する気泡が濁度の検出誤差にほとんど影響を与えない場合には、濁度検出ノズル5xを水平方向に配置しかつセンサ収容カバー630を凹状部631が濁度検出ノズル5xの先端部に対向するように配置してもよい。また、濁度検出ノズル5xを鉛直方向に対して傾斜するように配置しかつセンサ収容カバー630を凹状部631が濁度検出ノズル5xの先端部に対向するように配置してもよい。
この場合においても、濁度検出部60が貯留部12に貯留される洗浄水の最高水位よりも高い位置に設けられることにより、洗浄水が第3の流路Rc以外の流路Ra,Rb,Rdに供給される際には凹状部631に洗浄水が接触しない。また、洗浄槽2から洗浄水が排出される際にも凹状部631に洗浄水が残留しない。したがって、センサ収容カバー630の凹状部631に水垢および油等が付着することが防止される。
(4−c)上述のように、洗浄槽2(図1)の前面を構成する扉16(図2)の窓部16aは透光性を有する。これにより、図2の扉16が閉じられた状態で窓部16aから洗浄槽2内に外部の光が入射する。この場合、洗浄水の濁度の検出時に外乱光により光センサ64の検出精度が低下する可能性がある。
これに対して、濁度検出部60においては、洗浄水の濁度が検出される凹状部631が、下カバー610により取り囲まれている。上述のように、下カバー610は、洗浄槽2の天井面の一部を構成し、その天井面は遮光性を有する。
これにより、扉16が閉じられた状態で洗浄槽2の内部に外部の光が入射する場合でも、その光が下カバー610の内側の凹状部631に入り込むことが防止される。その結果、洗浄水の濁度の検出時に外乱光による光センサ64の検出精度の低下が防止される。
(4−d)洗浄水を受けるセンサ収容カバー630の凹状部631の内表面が撥水性を有する場合、濁度検出ノズル5xから凹状部631への洗浄水の吐出が終了すると、凹状部631の内表面に洗浄水が液滴として付着しやすい。凹状部631の内表面に付着した液滴が乾燥すると、液滴に含まれる汚れが凹状部631の内表面で不均一に付着する。この場合、凹状部631の内表面が不均一に汚れることにより、光センサ64による濁度の検出が不安定となる。
したがって、洗浄水を受けるセンサ収容カバー630の凹状部631の表面は、親水性を有することが好ましい。例えば、凹状部631の内表面に親水性樹脂を被覆する。
この場合、濁度検出ノズル5xから凹状部631への洗浄水の吐出が終了した場合に、凹状部631の内表面に洗浄水が液滴として付着することが防止される。これにより、凹状部631の内表面に不均一に汚れが付着することが防止される。その結果、洗浄水の濁度の検出が行われるごとに凹状部631に付着した液滴により濁度の検出精度が低下することが防止される。
(5)検出信号の変化
本実施の形態では、上記の洗浄工程およびすすぎ工程において、濁度検出部60の光センサ64により、洗浄槽2内の洗浄水の濁度が検出される。次に、光センサ64により検出される洗浄水の濁度の変化について説明する。
図7は、光センサ64から出力される検出信号の電圧値(以下、検出電圧と呼ぶ)の変化を示すタイミングチャートである。図7においては、検出電圧の変化の他に、温度センサ17により検出される洗浄水の温度の変化、およびヒータ14のオフオフが示される。また、図7においては、検出電圧の基準値Vtが設定されている。基準値Vtの設定については後述する。
図7の例では、時点t0〜t1の期間に、図4のステップS1の排水/給水工程が行われる。すなわち、洗浄槽2に残留する洗浄水が排出されるとともに水道水が洗浄槽2に供給される。本例では、50℃より低い温度の水道水が洗浄槽2に供給される。
次に、時点t1〜t2の期間に、図4のステップS2の洗浄工程が行われる。上記のように、洗浄工程では、被洗浄物10に噴射された洗浄水が洗浄槽2の内部で循環する。この場合、被洗浄物10から除去された汚れが洗浄水に混入するため、洗浄水の濁度が徐々に上昇する。その結果、検出電圧が徐々に低下する。また、被洗浄物10の汚れの度合いが大きいほど、洗浄水の濁度がより上昇し、検出電圧がより低下する。
また、時点t1において、ヒータ14がオンされる。洗浄工程においては、洗浄水の温度が規定値T3に達するとヒータ14がオフされ、洗浄水の温度が規定値T2に低下するとヒータ14がオンされる。それにより、洗浄水の温度が規定値T2以上規定値T3以下の範囲に維持される。規定値T2は例えば50℃であり、規定値T3は例えば53℃である。時点t2において、ヒータ14がオフされる。
また、洗浄水の温度が規定値T3よりも高い規定値T1に達すると、光センサ64がオフされる。その後、光センサ64がオフされた状態で、洗浄工程およびすすぎ工程が行われる。規定値T1は例えば60℃である。光センサ64と温度との関係については後述する。
続いて、時点t2〜t3の期間に、図4のステップS3の排水/給水工程が行われる。すなわち、洗浄に用いられた洗浄水が洗浄槽2から排出されるとともに新たな水道水が洗浄槽2に供給される。
続いて、時点t3〜t4の期間に、図4のステップS4のすすぎ工程が行われる。この場合、洗浄工程と同様に、被洗浄物10に噴射された洗浄水が洗浄槽2の内部で循環する。ただし、被洗浄物10の汚れの大部分が洗浄工程で除去されているので、洗浄水の濁度は低くなっている。そのため、洗浄工程に比べて検出電圧が高くなる。
なお、すすぎ工程では、ヒータ14がオフに維持されるが、洗浄工程における洗浄槽2内および洗浄水の循環経路の余熱によって洗浄水の温度が徐々に上昇する。また、すすぎ工程において、洗浄水がヒータ14により所定の温度に加熱されてもよい。
ここで、洗浄工程において最も低い検出電圧を洗浄最低電圧V1とし、1回目のすすぎ工程において最も低い検出電圧をすすぎ最低電圧V2とする。本実施の形態では、洗浄最低電圧V1、および洗浄最低電圧V1と洗浄最低電圧V2との差分値Voに基づいて、2回目のすすぎを行うか否かが決定される。
具体的には、洗浄最低電圧V1が予め定められた規定値A1よりも高く、かつ洗浄最低電圧V1と洗浄最低電圧V2との差分値Voが予め定められた規定値A2よりも小さい場合、2回目のすすぎが行われない。この場合、時点t4から図4のステップS5の排水/給水工程が開始される。
一方、洗浄最低電圧V1が予め定められた規定値A1よりも低い場合、および洗浄最低電圧V1と洗浄最低電圧V2との差分値Voが予め定められた規定値A2よりも大きい場合には、2回目のすすぎが行われる。この場合、時点t4から図4のステップS3の排水/給水工程およびステップS4のすすぎ工程が再度行われる。
(6)制御系
次に、本実施の形態に係る食器洗い機1の制御系について説明する。図8は、食器洗い機1の制御系の構成を示すブロック図である。
図8に示すように、食器洗い機1は、制御部70を備える。制御部70は、CPU(中央演算処理装置)70a、メモリ770bおよびタイマ70cを含む。
制御部70には、光センサ64、温度センサ17、ポンプ11、ヒータ14、給水弁31aおよび乾燥機構72が接続される。
制御部70は、光センサ64にパルス信号PSを与える。パルス信号PSの詳細については後述する。光センサ64により検出された洗浄水の濁度が、検出信号TSとして制御部70に与えられる。温度センサ17により検出された洗浄水の温度が、温度信号HLとして制御部70に与えられる。
制御部70は、ポンプ11の動作、ヒータ14のオンオフ、給水弁31aの開閉、および乾燥機構72の動作を制御する。
(7)光センサおよび電力供給回路
図9は、光センサ64の詳細な構成を示す回路図である。図9に示すように、光センサ64は、電力供給回路71および素子駆動回路73を含む。
電力供給回路71は、D/A(デジタル/アナログ)変換回路85、NPNバイポーラトランジスタ(以下、トランジスタと略記する)86、PNPバイポーラトランジスタ(以下、トランジスタと略記する)87および抵抗88を備える。
素子駆動回路73は、発光素子64a、受光素子64b、D/A変換回路81、NPNバイポーラトランジスタ(以下、トランジスタと略記する)82,83、および抵抗84a,84b,84cを備える。
電力供給回路71および素子駆動回路73は、図5のプリント基板64Pに設けられる。素子駆動回路73の発光素子64aおよび受光素子64bは、図6に示したように、凹状部631の両側に配置される。
D/A変換回路85の入力端子は、ノードN1を介して制御部70の出力端子に接続される。D/A変換回路85の出力端子は、トランジスタ86のベースに接続される。トランジスタ86のエミッタは接地端子に接続され、トランジスタ86のコレクタは抵抗88を介してトランジスタ87のベースに接続される。
トランジスタ87のエミッタは電源電圧VDDを受ける電源端子Vdに接続され、コレクタはノードN2に接続される。
D/A変換回路81の入力端子は、ノードN1を介して制御部70の出力端子に接続される。D/A変換回路81の出力端子は、トランジスタ82のベースに接続される。トランジスタ82のコレクタはノードN2に接続され、エミッタは抵抗84aを介してトランジスタ83のベースに接続される。
ノードN2とトランジスタ83のコレクタとの間に発光素子64aが接続される。トランジスタ83のエミッタは、抵抗84bを介して接地電位GNDを有する接地端子に接続される。
ノードN2とノードN3との間に光センサ64の受光素子64bが接続される。ノードN3と接地端子との間には、抵抗84cが接続される。ノードN3の電圧が検出信号TSとして制御部70に与えられる。制御部70はA/D変換回路を内蔵し、与えられた検出信号TSをA/D(アナログ/デジタル)変換し、濁度に対応する検出値(電圧値)を得る。
制御部70は、可変のデューティ比を有するパルス信号PSをノードN1を介して電力供給回路71のD/A変換回路85および素子駆動回路73のD/A変換回路81に与える。
電力供給回路71のD/A変換回路85は、制御部70から与えられたパルス信号PSのデューティ比に応じた電圧をトランジスタ86のベースに出力する。トランジスタ86には、D/A変換回路85から出力される電圧に応じた電流が流れる。トランジスタ87のベースには、トランジスタ86に流れる電流に応じた電圧が与えられる。トランジスタ87には、そのベース電圧に応じた電流が流れる。
また、素子駆動回路73のD/A変換回路81は、制御部70から与えられたパルス信号PSのデューティ比に応じた電圧をトランジスタ82のベースに出力する。トランジスタ82には、D/A変換回路81から出力される電圧に応じた電流が流れる。トランジスタ83のベースには、トランジスタ82に流れる電流に応じた電圧が与えられる。トランジスタ83には、そのベース電圧に応じた電流が流れる。
制御部70からのパルス信号PSのデューティ比が変化すると、D/A変換回路85から出力される電圧およびD/A変換回路81から出力される電圧が変化し、トランジスタ86に流れる電流およびトランジスタ82に流れる電流が変化する。それにより、トランジスタ87、発光素子64aおよびトランジスタ83に流れる電流が変化する。したがって、発光素子64aの発光強度が変化し、受光素子64bの受光量が変化する。その結果、受光素子64bおよび抵抗84cに流れる電流が変化し、ノードN3の電圧(検出信号TSの電圧値)が変化する。
上記のように、図3の第3の流路Rcに供給された洗浄水は、発光素子64aと受光素子64bとの間に導かれる。発光素子64aの発光量が一定である場合、その洗浄水の濁度に応じて、受光素子64bの受光量が変化する。それにより、ノードN3に流れる電流が変化し、ノードN3の電圧が変化する。
また、制御部70からのパルス信号PSのデューティ比が0である場合、すなわち制御部70からのパルス信号PSのオン時間がゼロである場合、D/A変換回路85から出力される電圧が0になり、電力供給回路71のトランジスタ86がオフし、トランジスタ87がオフする。それにより、発光素子64aがオフする。
本実施の形態では、図4のステップS1の排水/給水工程の前、すなわち、センサ収容カバー630(図5)の凹状部631に洗浄水が存在しない状態で、パルス信号PSのデューティ比を調整するための出力調整処理が制御部70により行われる。
図10は、制御部70による出力調整処理を示すフローチャートである。制御部70のメモリ70bには、パルス信号PSのデューティ比の初期値または前回の出力調整処理により更新されたデューティ比が記憶されている。
図10に示すように、制御部70は、メモリ70bに記憶されるデューティ比を有するパルス信号PSを出力する(ステップS101)。
次に、制御部70は、検出信号TSの電圧値(検出電圧)が、予め定められた基準値Vtと一致するか否かを判定する(ステップS102)。基準値Vtは、例えば3V以上4V以下の範囲に定められる。
検出信号TSの電圧値が、予め定められた基準値Vtと一致しない場合、制御部70は、検出信号TSの電圧値が基準値Vtと一致するようにパルス信号PSのデューティ比を調整し(ステップS103)、ステップS102の処理に戻る。この場合、制御部70は、検出信号TSの電圧値が基準値Vtと一致するまで、ステップS102,S103の処理を繰り返す。
検出信号TSの電圧値が基準値Vtと一致すると、制御部70は、メモリ70bに記憶されたディーティ比を、調整後のデューティ比に更新する(ステップS104)。これにより、出力調整処理が終了する。
洗浄工程およびすすぎ工程においては、出力調整処理で調整されたデューティ比を有するパルス信号PSが制御部70から出力される。
ここで、発光素子64aおよび受光素子64bの特性にばらつきがある場合、パルス信号PSのデューティ比が一定であると、洗浄水の汚れの度合いが同じであっても検出信号TSの電圧値にばらつきが生じる。そのため、洗浄水の汚れの度合いを正確に検出することができない。
そこで、食器洗い機1を使用する毎に、予め出力調整処理によって検出信号TSの電圧値が基準値Vtと一致するようにパルス信号PSのデューティ比を調整することにより、発光素子64aおよび受光素子64bの特性に起因する検出信号TSの電圧値のばらつきを補償することができる。
また、発光素子64aおよび受光素子64bの特性が経時的に劣化した場合、パルス信号PSのデューティ比が一定であると、洗浄水の汚れの度合いが同じであっても検出信号TSの電圧値が異なることになる。そのため、洗浄水の汚れの度合いを正確に検出することができない。このような場合にも、発光素子64aおよび受光素子64bの経時的な劣化に起因する検出信号TSの電圧値のばらつきを補償することができる。
さらに、食器洗い機1の使用により、センサ収容カバー630(図5)の凹状部631が汚れることがある。凹状部631の汚れとしては、食材に含まれる油による汚れ、カレー等の色の濃い食材による色素汚れ、および洗浄水中に含まれるカルシウム等の硬水成分による汚れ(水垢)等が挙げられる。これらにより凹状部631が汚れている場合、検出信号TSの電圧値が凹状部631が清浄な状態である場合に比べて変化する。
そこで、センサ収容カバー630(図6)の凹状部631に洗浄水が存在しない状態で出力調整処理を行うことにより、凹状部631の汚れに起因する検出信号TSの電圧値の変化が補償される。それにより、センサ収容カバー630の凹状部631が汚れている場合でも、洗浄水の汚れの度合いを正確に認識することができる。
(8)制御動作
次に、制御部70の制御動作について説明する。図11〜図15は、制御部70の制御動作を示すフローチャートである。
図11に示すように、まず、制御部70は、上記の出力調整処理を行う(ステップS11)。これにより、検出信号TSの電圧値が基準値Vtとなるように、パルス信号PSのデューティ比が調整される。メモリ70bに記憶されたデューティ比が調整後のデューティ比に更新される。
その後、制御部70は、パルス信号PSのデューティ比を0にすることにより、光センサ64をオフする(ステップS12)。
次に、制御部70は、ポンプ11のモータを逆方向に回転させることにより、洗浄槽2内に残留する洗浄水を排出する(ステップS13)。次に、制御部70は、給水弁31aの開閉を制御することにより、洗浄槽2の貯留部12に所定量の洗浄水を供給する(ステップS14)。
次に、制御部70は、温度センサ17からの温度信号HLに基づいて、貯留部12内の洗浄水の温度が規定値T1よりも低いか否かを判定する(ステップS15)。上記のように、規定値T1は、例えば60℃である。
貯留部12内の洗浄水の温度が規定値T1よりも低い場合、制御部70は、光センサ64をオンする(ステップS16)。具体的には、制御部70は、ステップS11の出力調整処理により調整したデューティ比を有するパルス信号PSを出力する。これにより、発光素子64aが発光する。
次に、制御部70は、光センサ64からの検出信号TSの最低電圧値の記憶を開始する(ステップS17)。具体的には、制御部70は、最初にステップS15の時点で光センサ64から出力される検出信号TSの電圧値を洗浄最低電圧V1としてメモリ70bに記憶する。その後、制御部70は、光センサ64から出力される検出信号TSの電圧値がメモリ70bに記憶される洗浄最低電圧V1よりも低くなるごとに、洗浄最低電圧V1を低い電圧値に更新する。
続いて、制御部70は、被洗浄物10の洗浄を開始する(ステップS18)。具体的には、制御部70は、ポンプ11のモータを正方向に回転させることにより、洗浄槽2内で洗浄水を循環させ、被洗浄物10に洗浄水を連続的に噴射させる。
一方、ステップS15において、貯留部12内の洗浄水の温度が規定値T1以上である場合、制御部70は、図9の光センサ64をオフに固定する(ステップS19)。この場合、食器洗い機1の動作が終了するまで、光センサ64がオフに維持される。
また、制御部70は、洗浄最低電圧V1を0としてメモリ70bに記憶する(ステップS20)。その後、制御部70は、被洗浄物10の洗浄を開始する(ステップS18)。
次に、図12に示すように、制御部70は、温度センサ17からの温度信号HLに基づいて、洗浄槽2内で循環される洗浄水の温度が規定値T1よりも低いか否かを判定する(ステップS21)。
洗浄槽2内で循環される洗浄水の温度が規定値T1以上である場合、制御部70は、上記のステップS19,S20と同様に、光センサ64をオフに固定し、洗浄最低電圧V1を0としてメモリ70bに記憶する(ステップS22,S23)。その後、制御部70は、ステップS24の処理に進む。なお、上記のステップS19,S20の処理を行っている場合、ステップS22,S23の処理は行われない。
一方、ステップS21において、洗浄槽2内で循環される洗浄水の温度が規定値T1よりも低い場合、制御部70は、予め設定された洗浄規定時間が経過したか否かを判定する(ステップS24)。
洗浄規定時間が経過していない場合、制御部70は、温度センサ17からの温度信号HLに基づいて、洗浄槽2内で循環される洗浄水の温度が規定値T2以下である否かを判定する(ステップS25)。上記のように、規定値T2は、例えば50℃である。
洗浄槽2内で循環される洗浄水の温度が規定値T2より高い場合、制御部70は、ステップS21の処理に戻る。
洗浄槽2内で循環される洗浄水の温度が規定値T2以下である場合、制御部70は、ヒータ12をオンする(ステップS26)。これにより、洗浄槽2内で循環される洗浄水の温度が徐々に上昇する。
次に、制御部70は、上記の洗浄規定時間が経過したか否かを判定する(ステップS27)。
洗浄規定時間が経過していない場合、制御部70は、温度センサ17からの温度信号HLに基づいて、洗浄槽2内で循環される洗浄水の温度が規定値T3に達したか否かを判定する(ステップS28)。上記のように、規定値T3は、例えば52℃である。
洗浄槽2内で循環される洗浄水の温度が規定値T3より低い場合、制御部70は、ステップS27の処理に戻る。
洗浄槽2内で循環される洗浄水の温度が規定値T3に達した場合、制御部70は、ヒータ12をオフする(ステップS29)。これにより、洗浄槽2内で循環される洗浄水の温度が徐々に下降する。その後、制御部70は、ステップS21の処理に戻る。
ステップS24において、洗浄規定時間が経過した場合、制御部70は、その時点でメモリ70bに記憶される洗浄最低電圧V1を確定する(ステップS31)。なお、ステップS20,S23の処理を行った場合、洗浄最低電圧V1は0である。
その後、制御部70は、光センサ64をオフするとともに(ステップS32)、ポンプ11の動作を停止して被洗浄物10の洗浄を終了する(ステップS32)。
ステップS27において、洗浄規定時間が経過した場合、制御部70は、ヒータ12をオフし(ステップS30)、ステップS31の処理に進む。
次に、図13に示すように、制御部70は、ポンプ11のモータを逆方向に回転させることにより、洗浄槽2内の洗浄水を排出する(ステップS41)。次に、制御部70は、給水弁31aの開閉を制御することにより、洗浄槽2の貯留部12に所定量の洗浄水を供給する(ステップS42)。
次に、制御部70は、温度センサ17からの温度信号HLに基づいて、貯留部12内の洗浄水の温度が規定値T1よりも低いか否かを判定する(ステップS43)。
貯留部12内の洗浄水の温度が規定値T1よりも低い場合、制御部70は、光センサ64をオンするとともに(ステップS44)、光センサ64からの検出信号TSの最低電圧値の記憶を開始する(ステップS45)。
この場合、制御部70は、ステップS44の時点で光センサ64から出力される検出信号TSの電圧値をすすぎ最低電圧V2としてメモリ70bに記憶する。その後、制御部70は、光センサ64から出力される検出信号TSの電圧値が、メモリ70bに記憶されるすすぎ最低電圧V2よりも低くなるごとに、メモリ70bに記憶されるすすぎ最低電圧V2を低い電圧値に更新する。
次に、制御部70は、被洗浄物10の第1のすすぎを開始する(ステップS46)。具体的には、制御部70は、ポンプ11のモータを正方向に回転させることにより、洗浄槽2内で洗浄水を循環させ、被洗浄物10に洗浄水を連続的に噴射させる。
一方、ステップS43において、貯留部12内の洗浄水の温度が規定値T1以上である場合、制御部70は、光センサ64をオフに固定する(ステップS47)。なお、ステップS19,S22で既に光センサ64がオフに固定されている場合、ステップS47の処理は行われない。
次に、制御部70は、すすぎ最低電圧V2を基準値Vtとしてメモリ70bに記憶する(ステップS48)。その後、制御部70は、被洗浄物10の第1のすすぎを開始する(ステップS46)。
次に、制御部70は、予め定められた第1のすすぎ規定時間が経過したか否かを判定する(ステップS49)。
第1のすすぎ規定時間が経過していない場合、制御部70は、ステップS49の処理を繰り返す。
第1のすすぎ規定時間が経過した場合、制御部70は、その時点でメモリ70bに記憶されるすすぎ最低電圧V2を確定する(ステップS50)。なお、ステップS48の処理を行った場合、すすぎ最低電圧V2は基準値Vtである。
次に、制御部70は、光センサ64をオフする(ステップS51)。なお、ステップS19,S22,S47で既に光センサ64がオフされている場合、ステップS51の処理は行われない。
その後、制御部70は、ポンプ11の動作を停止し、被洗浄物10の第1のすすぎを終了する(ステップS52)。
次に、図14に示すように、制御部70は、図12のステップS31で確定された洗浄最低電圧V1が、予め定められた規定値A1以下であるか否かを判定する(ステップS61)。
洗浄最低電圧V1が規定値A1より高い場合、制御部70は、洗浄最低電圧V1と、図13のステップS50で確定されたすすぎ最低電圧V2との差分値Voが、予め定められた規定値A2以上であるか否かを判定する(ステップS62)。
ステップS62において、洗浄最低電圧V1と最低電圧V2との差分値Voが規定値A2よりも小さい場合、制御部70は、後述のステップS68の処理に進む。
一方、ステップS61において洗浄最低電圧V1が規定値A1以下である場合、または、ステップS62において洗浄最低電圧V1とすすぎ最低電圧V2との差分値Voが規定値A2以上である場合、制御部70は、ポンプ11のモータを逆方向に回転させることにより、洗浄槽2内の洗浄水を排出する(ステップS63)。次に、制御部70は、給水弁31aの開閉を制御することにより、洗浄槽2の貯留部12に所定量の洗浄水を供給する(ステップS64)。
次に、制御部70は、ポンプ11のモータを正方向に回転させることにより、被洗浄物10の第2のすすぎを開始する(ステップS65)。
次に、制御部70は、予め定められた第2のすすぎ規定時間が経過したか否かを判定する(ステップS66)。第2のすすぎ規定時間が経過していない場合、制御部70は、ステップS66の処理を繰り返す。第2のすすぎ規定時間が経過した場合、制御部70は、ポンプ11の動作を停止し、被洗浄物10の第2のすすぎを終了する(ステップS67)。
次に、制御部70は、ポンプ11のモータを逆方向に回転させることにより、洗浄槽2内の洗浄水を排出する(ステップS68)。次に、制御部70は、給水弁31aの開閉を制御することにより、洗浄槽2の貯留部12に所定量の洗浄水を供給する(ステップS69)。
次に、図15に示すように、制御部70は、ヒータ12をオンする(ステップS71)。これにより、貯留部12に供給された洗浄水の温度が上昇する。
次に、制御部70は、ポンプ11のモータを正方向に回転させることにより、高温の洗浄水を被洗浄物10に噴射させ、被洗浄物10の加熱すすぎを開始する(ステップS72)。
次に、制御部70は、温度センサ17からの温度信号HLに基づいて、循環される洗浄水の温度が規定値T4に達したか否かを判定する(ステップS73)。規定値T4は、例えば70℃である。
循環される洗浄水の温度が規定値T4に達していない場合、制御部70は、ステップS73の処理を繰り返す。
循環される洗浄水の温度が規定値T4に達した場合、制御部70は、ポンプ11の動作を停止し、被洗浄物10の加熱すすぎを終了する(ステップS74)。
次に、制御部70は、ヒータ12をオフする(ステップS75)。次に、制御部70は、ポンプ11のモータを逆方向に回転させることにより、洗浄槽2内の洗浄水を排出する(ステップS76)。
次に、制御部70は、ヒータ12をオンするとともに(ステップS77)、洗浄槽2の内部空間に気流が発生するように乾燥機構72を制御することにより、被洗浄物10の乾燥を開始する(ステップS78)。
次に、制御部70は、予め定められた乾燥規定時間が経過したか否かを判定する(ステップS79)。乾燥規定時間が経過していない場合、制御部70は、ステップS79の処理を繰り返す。乾燥規定時間が経過した場合、制御部70は、乾燥機構72の動作を停止することにより、被洗浄物10の乾燥を終了する(ステップS80)。これにより、食器洗い機1における一連の処理が終了する。
(9)効果
(9−a)図2の洗浄水導入導出部Gに接続される給水管31は、必ずしも水道配管に接続されるとは限らない。例えば、給水管31が給湯器に接続される場合がある。
ここで、濁度検出部60の発光素子64aは、高温環境下で駆動されることにより劣化しやすい。そのため、上記のように、給湯器から洗浄槽2に供給される洗浄水の温度が常温よりも高い場合には、濁度検出部60による洗浄水の濁度の検出が行われることにより発光素子64aの寿命が短くなる可能性がある。この理由について説明する。
図16は、温度環境に応じた発光素子64aの寿命を示すグラフである。図16において、縦軸は発光素子64aの相対発光強度を示し、横軸は時間を示す。
また、図16においては、25℃の温度環境下で発光素子64aに一定の電流を流したときの相対発光強度の経時的な変化が実線L25で示され、60℃の温度環境下で発光素子64aに一定の電流を流したときの相対発光強度の経時的な変化が一点鎖線L60で示されている。
図16に示すように、25℃の温度環境下で発光素子64aの連続駆動を行った場合には、およそ10000hで相対発光強度が90%まで低下する。一方、60℃の温度環境下で発光素子64aの連続駆動を行った場合には、およそ1000hで相対発光強度が90%まで低下する。
これにより、発光素子64aを連続駆動することにより相対発光強度が100%から90%まで低下する時点を寿命とした場合、60℃の温度環境下での発光素子64aの寿命は、25℃の温度環境下での発光素子64aの寿命に比べて10分の1になっている。これにより、発光素子64aは、60℃以上の温度環境下で駆動されることにより著しく寿命が短くなることがわかる。
上記のような高温環境下での発光素子64aの短寿命化は、発光素子64aの一部を構成する透明電極の透過率の低下、および発光素子64aを構成する半導体層の結晶劣化等に起因すると考えられる。
特許文献1の食器洗浄機では、仮に給湯器から洗浄室に高温(例えば60℃以上)の洗浄水が供給されると、その洗浄水を用いて汚れ度検出手段の初期校正が行われ、洗浄水の汚れ度の検出が行われる。この場合、汚れ度検出手段の光センサは、高温の洗浄水に接触した状態で駆動されるので寿命が短くなる。
そこで、本実施の形態では、上記のステップS15,S21,S43の処理により、温度センサ17により検出される洗浄水の温度が規定値T1、すなわち60℃以上である場合に光センサ64が駆動されない。これにより、光センサ64の短寿命化が防止される。
したがって、この食器洗い機1においては、給水管31が給湯器に接続され、給湯器から高温の洗浄水が洗浄槽2内に供給された場合でも、その洗浄水により濁度検出部60の寿命が短くなることが防止される。
また、洗浄工程では、ステップS21において水温と規定値T1とが繰り返し比較され、水温が規定T1以上になると光センサ64がオフされる。これにより、ヒータ14の故障等により洗浄工程で洗浄水の温度が高くなりすぎた場合にも、光センサ64が駆動されることが防止される。
また、上記のステップS15,S21において温度センサ17により検出される洗浄水の温度が規定値T1以上である場合、洗浄最低電圧V1が0に設定される。上記のステップS43において温度センサ17により検出される洗浄水の温度が規定値T1以上である場合、すすぎ最低電圧V2が基準値Vtに設定される。
これにより、光センサ64が駆動されない場合には、被洗浄物10の汚れの度合いが大きいと判定され、すすぎ工程が必ず2回行われる。したがって、高温領域で光センサ64が駆動されることなく、被洗浄物10の汚れを確実に除去することができる。
(9−b)このように、本実施の形態では、ステップS61において、洗浄工程における洗浄最低電圧V1が規定値A1と比較される。洗浄最低電圧V1が規定値A1よりも低い場合には、洗浄水の濁度が高いと判定される。この場合、被洗浄物10の汚れの度合いが大きいと判定される。
一方、光センサ64による検出条件が異なると、洗浄水の濁度が同じであっても、検出信号TSの電圧値に差が生じる。そのため、洗浄最低電圧V1が規定値A1より高い場合でも、実際には洗浄水の濁度が高い場合がある。
光センサ64による検出条件は、発光素子64aおよび受光素子64bの特性、光センサ64の部品組み付け性、センサ収容カバー630の凹状部631の汚れ、センサ収容カバー630の凹状部631への洗浄液の供給状態等を含む。
本実施の形態では、出力調整処理により光センサ64による検出条件を一定にすることができる。
しかしながら、センサ収容カバー630の凹状部631に水滴が付着する状態では、水滴によって光が乱反射または発散することにより、検出信号TSの電圧値が低くなる。この状態で、ステップS1の出力調整処理を行うと、水滴による影響がない状態で出力調整処理が行われる場合に比べて、発光素子94aの発光強度が高くなるように、パルス信号PSのデューティ比が調整される。
この場合、洗浄工程およびすすぎ工程における検出信号TSの電圧値が、水滴による影響がない状態で出力調整処理が行われる場合に比べて、相対的に高くなる。これにより、実際には洗浄水の濁度が高くても、洗浄最低電圧V1が規定値A1より高くなる可能性がある。
また、発光素子64aおよび受光素子64bの特性は、温度の影響を受ける。そのため、温度の違いによって検出信号TSの電圧値に差が生じる。それにより、出力調整処理時における洗浄槽2内の温度と洗浄工程およびすすぎ工程における洗浄槽2内の温度とが異なる場合、実際には洗浄水の濁度が高くても、洗浄最低電圧V1が規定値A1より高くなる可能性がある。
そこで、本実施の形態では、洗浄最低電圧V1が規定値A1よりも高い場合、ステップS62において、洗浄最低電圧V1と洗浄最低電圧V2との差分値Voが規定値A2と比較される。
被洗浄物10の汚れの大部分は洗浄工程において除去されるため、すすぎ工程における洗浄最低電圧V2は十分に高くなる。それにより、洗浄工程における洗浄液の濁度とすすぎ工程における洗浄液の濁度との差、すなわち、洗浄最低電圧V1と洗浄最低電圧V2との差分値Voは、被洗浄物10の汚れの度合いに相当する。
光センサ64による検出条件は、洗浄工程とすすぎ工程とでほぼ同じである。また、センサ収容カバー630の凹状部631に水滴が付着する状態で出力調整処理が行われても、洗浄最低電圧V1と洗浄最低電圧V2との差分値Voは変動しない。さらに、出力調整処理時における洗浄槽2内の温度と洗浄工程およびすすぎ工程における洗浄槽2内の温度とが異なっても、洗浄最低電圧V1と洗浄最低電圧V2との差分値Voは変動しない。それにより、洗浄最低電圧V1と洗浄最低電圧V2との差分値Voにより、被洗浄物10の汚れの度合いを正確に判定することができる。
洗浄最低電圧V1が規定値A1より高い場合でも、洗浄最低電圧V1と洗浄最低電圧V2との差分値Voが規定値A2以上である場合には、被洗浄物10の汚れの度合いが大きいと考えられる。
したがって、洗浄最低電圧V1が規定値A1以下である場合、および洗浄最低電圧V1が規定値A1より高くても洗浄最低電圧V1と洗浄最低電圧V2との差分値Voが規定値A2以上である場合には、すすぎ工程が2回行われる。これにより、被洗浄物10の汚れを十分に除去し、被洗浄物10を清浄にすることができる。
一方、洗浄最低電圧V1が規定値A1よりも高くかつ洗浄最低電圧V1と洗浄最低電圧V2との差分値Voが規定値A2より小さい場合には、被洗浄物10の汚れの度合いが小さいと考えられる。
したがって、この場合には、すすぎ工程が一回のみ行われる。それにより、洗浄水の消費および洗浄時間の長期化を抑制しつつ被洗浄物10を十分に清浄にすることができる。
このように、洗浄最低電圧V1と洗浄最低電圧V2との差分値Voに基づいて、食器洗い機1の動作を制御することにより、被洗浄物10の汚れに応じた適切な処理を行うことができる。
また、本実施の形態では、洗浄工程において、洗浄槽2内で循環される洗浄水の温度が規定値T2以上規定値T3以下の範囲で維持される。この場合、規定値T2,T3を適切に設定することにより、低温で除去しにくい被洗浄物10の汚れを十分に除去することができる。低温で除去しにくい汚れとしては、例えば、牛脂、またはラード等の油汚れが挙げられる。
また、洗浄工程においては、検出信号TSの最も低い電圧値が洗浄最低電圧V1として用いられる。それにより、被洗浄物10から低温で除去しにくい汚れ等が十分に除去されていない状態の洗浄液の濁度が被洗浄物10の汚れの度合いの判定に用いられることがない。したがって、被洗浄物10の汚れの度合いが誤って判定されることが防止される。
なお、上記のように、洗浄水の温度が所定の範囲に調整されることにより、被洗浄物10の汚れを十分に除去することができる。そのため、洗浄水の温度が所定の範囲に調整された後に光センサ64による濁度の検出が開始されてもよい。
(10)他の実施の形態
上記実施の形態では、洗浄工程における洗浄水の濁度、および洗浄工程における洗浄水の濁度と第1のすすぎ工程における洗浄水の濁度との差に基づいて、すすぎ工程の回数が制御されるが、洗浄工程における洗浄水の濁度、および洗浄工程における洗浄水の濁度と第1のすすぎ工程における洗浄水の濁度との差に基づいて、他の制御が行われてもよい。
例えば、洗浄工程における洗浄水の濁度、および洗浄工程における洗浄水の濁度と1回目のすすぎ工程における洗浄水の濁度との差に基づいて、2回目のすすぎ工程で用いる洗浄水の量を調整してもよい。この場合、被洗浄物10の汚れの度合いが大きいと判定される場合、2回目のすすぎ工程で用いる洗浄水の量を比較的多く調整され、被洗浄物10の汚れの度合いが小さいと判定される場合、2回目のすすぎ工程で用いる洗浄水の量が比較的少なく調整される。
また、洗浄工程における洗浄水の濁度および1回目のすすぎ工程における洗浄水の濁度に基づいて、2回目のすすぎ工程の時間を調整してもよい。この場合、被洗浄物10の汚れの度合いが大きいと判定される場合、2回目のすすぎ工程の時間が比較的長く調整され、被洗浄物10の汚れの度合いが小さいと判定される場合、2回目のすすぎ工程の時間が比較的短く調整される。
また、被洗浄物10の汚れの度合いを正確に判定することが可能であれば、洗浄工程における洗浄水の濁度と1回目のすすぎ工程における洗浄水の濁度との差のみに基づいて、1回目のすすぎ工程後の動作の制御を行ってもよい。
また、上記実施の形態では、洗浄工程における洗浄水の濁度、1回目のすすぎ工程における洗浄水の濁度が光センサ64により検出されるが、他のタイミングで洗浄水の濁度が検出されてもよい。
例えば、1回目のすすぎ工程における洗浄水の濁度、および2回目のすすぎ工程における洗浄水の濁度が検出され、1回目のすすぎ工程における洗浄水の濁度と2回目のすすぎ工程における洗浄水の濁度との差に基づいて、2回目のすすぎ工程の後の動作が制御されてもよい。
この場合、例えば1回目のすすぎ工程における洗浄水の濁度と2回目のすすぎ工程における洗浄水の濁度との差が大きい場合に、3回目のすすぎ工程を行うことができる。また、2回目のすすぎ工程における洗浄水の濁度が1回目のすすぎ工程における洗浄水の濁度よりも高くなることも考えられる。その場合、3回目のすすぎ工程を行うこと、または再度洗浄工程を行うことにより、確実に被洗浄物10を清浄にすることができる。
(11)請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応関係
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
上記実施の形態においては、回転洗浄ノズル3,4,7および固定洗浄ノズルが洗浄水噴射機構の例であり、温度センサ17が温度検出部の例であり、ヒータ14が加熱部の例であり、時点t1〜時点t2が洗浄期間の例である。
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることもできる。