JP4937849B2 - ステム製造方法およびステム製造装置 - Google Patents
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Description
従来、ステムの製造装置としては、放電時の熱を利用して材料を加工する放電加工を行うものや(例えば特許文献1参照)、ケミカルプロセスを利用するものが知られている。放電加工を行う装置では、導電性の材料であれば加工することができるので、超合金やタングステン等の超硬材を加工することにより、剛性および耐久性を有するステムを製造することができる。また、ケミカルプロセスを利用する装置では、一度に複数のステムを製造することができるため、製造コストを低減させることができる。
このような構成によれば、炭素繊維の外周面を加熱手段によって熱し酸化させることで、当該外周面を二酸化酸素として空気中に飛散させていくことができる。従って、炭素繊維を所望の径(例えば直径5μm以下)になるまで細らせることができ、極細のステムを製造することができる。
しかも、炭素繊維の外周面を熱し酸化させることで炭素繊維を細くするので、放電加工とは異なり、外周面が梨地状とならない。そのため、直径が例えば5μm以下で、かつ十分な剛性を備えたステムを製造することができる。そして、当該ステムを用いて測定子を形成することで、従来には無い極細の測定子を形成することができる。
また、炭素繊維と加熱手段とを略平行に配置し、いずれか一方を、炭素繊維の中心線を中心に回転させるので、炭素繊維の外周面を均等に酸化させることができる。従って、円柱状のステムを製造することができる。これにより、テーパ状(截頭円錐状)のステムを製造することに比べ、端面の面積を大きくすることができ、測定子を形成する際に、当該端面に接触部を形成しやすくなる。
加えて、加熱手段の熱による炭素繊維の微細化は短時間のうちに進行するので、放電加工に比べ、ステムの製造時間を短縮することができる。
このような構成によれば、加熱手段の熱によって炭素繊維を酸化させて細らせていく際に、炭素繊維が所望の径となったところで炭素繊維に向けて不活性ガスを噴射するので、炭素繊維の酸化を容易に止めることができる。従って、所望の直径のステムを容易に製造することができる。
〔第1実施形態〕
図1の(A)〜(C)は、本発明の第1実施形態に係るステム製造装置1を用いたステムの製造方法を説明するための図である。
ステム製造装置1は、図1(A)に示すように、柱状の炭素繊維2を保持し当該炭素繊維2を当該炭素繊維2の延出方向に沿った中心線Cを中心に回転させる回転手段3と、炭素繊維2と平行に配置された加熱手段4と、炭素繊維2に向けて不活性ガスを噴射する噴射ノズル5とを備えて構成されている。
回転手段3は、回転主軸31と、回転主軸31に取り付けられて炭素繊維2を保持するコレクトチャック32とを備えて構成されている。回転主軸31は、回転可能(例えば50rpm以上)、かつ、加熱手段4に対して近接可能に構成されている。回転主軸31は、最初、炭素繊維2が加熱手段4から当該炭素繊維2の直径の2〜3倍程度離れる位置に設置されている。コレクトチャック32は、炭素繊維2を回転主軸31の中心線(=炭素繊維2の中心線C)Cに沿って真直ぐに保持する。すなわち、回転手段3は、炭素繊維2を、加熱手段4と平行な姿勢に保ったまま当該炭素繊維2の中心線Cを中心に回転させるとともに、加熱手段4に対して近接させることが可能に構成されている。
噴射ノズル5は、開口51を炭素繊維2に向けた状態で配置されている。噴射ノズル5は、コンプレッサを有する図示しない気体供給手段に接続されている。気体供給手段は、噴射ノズル5に二酸化炭素や窒素、アルゴン等の不活性ガスを供給する。
まず、作業員は、図1(A)に示すように、回転手段3に炭素繊維2を設置し、炭素繊維2が加熱手段4から当該炭素繊維2の直径の2〜3倍程度離れる位置に回転主軸31を設置する。そして、作業員は、回転手段3を操作し、炭素繊維2を回転させながら加熱手段4に近づけていく。
(1)炭素繊維2の外周面21を加熱手段4によって熱し酸化させることで炭素繊維2を細らせるので、例えば直径5μm以下の極細のステムを製造することができる。そして、当該ステムを用いて測定子を形成することで、従来には無い極細の測定子を形成することができる。
しかも、炭素繊維2の外周面21を熱し酸化させることで炭素繊維2を細らせるので、外周面21が梨地状とならない。そのため、直径が5μm以下で、かつ十分な剛性を備えたステムを製造することができる。
加えて、加熱手段4の熱による炭素繊維2の微細化は、短時間のうちに進行するので、放電加工を行う装置等と比べ、ステムの製造時間を短縮することができる。
また、炭素繊維2の外周面21を均等に酸化させることができるので、真直ぐなステムを製造することができる。
図2の(A),(B)は、本発明の第2実施形態に係るステム製造装置1Aを用いたステムの製造方法を説明するための図である。なお、本実施形態以降、前記第1実施形態と同一機能部位には同一符号を付し、それらの説明を省略若しくは簡略化する。
本実施形態は、前記第1実施形態と略同様の構成を備えるが、前記第1実施形態とは炭素繊維2の保持の仕方が異なる。
例えば、前記第1,2実施形態では、加熱手段4は、セラミックヒータによって構成されていたが、ニクロムヒータによって構成されていてもよく、炭素繊維2を加熱することのできるものであればよい。
また、前記第1,2実施形態では、回転手段3は、炭素繊維2を加熱手段4に対して回転させることができるように構成されていたが、加熱手段4を炭素繊維2に対して回転させることができるように構成されていてもよい。
Claims (8)
- 柱状の炭素繊維を加工して測定機に用いられる測定子のステムを製造するステム製造方法であって、
前記炭素繊維と、加熱手段とを略平行に配置し、
前記炭素繊維および前記加熱手段のいずれか一方を、前記炭素繊維の中心線を中心に回転させて前記炭素繊維を所望の径にまで微細化することを特徴とするステム製造方法。 - 請求項1に記載のステム製造方法において、
前記炭素繊維および前記加熱手段のいずれか一方を回転させながら、前記炭素繊維と前記加熱手段とを近接させることを特徴とするステム製造方法。 - 柱状の炭素繊維を加工して測定機に用いられる測定子のステムを製造するステム製造方法であって、
前記炭素繊維の先端から若干離れた位置に、前記炭素繊維の中心線に対して略直交するように加熱手段を配置し、
前記炭素繊維と前記加熱手段とを近接させ、前記炭素繊維をテーパ状に微細化することを特徴とするステム製造方法。 - 請求項3に記載のステム製造方法において、
前記炭素繊維および前記加熱手段のいずれか一方を、前記炭素繊維の中心線を中心に回転させながら、前記炭素繊維と前記加熱手段とを近接させることを特徴とするステム製造方法。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載のステム製造方法において、
前記炭素繊維を所望の径にまで微細化したら、前記炭素繊維に対して不活性ガスを吹きかけることを特徴とするステム製造方法。 - 柱状の炭素繊維を加工して測定機に用いられる測定子のステムを製造するステム製造装置であって、
前記炭素繊維と略平行に配置された加熱手段と、
前記炭素繊維または前記加熱手段のいずれか一方を、前記炭素繊維の中心線を中心に回転させる回転手段とを備えていることを特徴とするステム製造装置。 - 柱状の炭素繊維を加工して測定機に用いられる測定子のステムを製造するステム製造装置であって、
前記炭素繊維の先端から若干離れた位置に、前記炭素繊維の中心線に対して略直交するように配置された加熱手段と、
前記炭素繊維および前記加熱手段のいずれか一方を、前記炭素繊維の中心線を中心に回転させる回転手段とを備えていることを特徴とするステム製造装置。 - 請求項6または請求項7に記載のステム製造装置において、
前記炭素繊維に対して不活性ガスを噴射する噴射ノズルを備えていることを特徴とするステム製造装置。
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