JP6632199B2 - ステム、及びプローブ - Google Patents

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Description

本発明は、被測定物を測定するためのプローブのステム、及び当該ステムを有するプローブに関する。
従来、三次元測定機等の被測定物に接触して形状を測定するタッチプローブが知られている。このプローブは、例えば被測定物の表面に、プローブに設けられた測定子を倣わせて、被測定物の表面性状を測定する。
ところで、近年、測定のニーズの多様化により、微細構造物の孔部等に対応して、微細なステムを有するプローブが求められている。これに対して、炭素繊維を必要な径寸法に加工して、プローブのステムを製造する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−14452号公報
ところで、上記特許文献1に記載のステムは、炭素繊維を加熱して酸化させることで、直径が5μm以下の径寸法に形成している。一般に市場に提供され、ステムに必要な高強度や高弾性を備えた炭素繊維は、通常、直径が7〜8μmであるため、上記特許文献1に記載の方法で、直径5μm以下のステムを製造することが可能となる。
しかしながら、ステムの直径が小さすぎる場合、プローブの取り扱いが困難であり、測定現場において用いられる顕微鏡によっては、数μmのステムを視認できない場合等もある。取扱いが容易で、かつ、微細な被測定物に対応したステムの径寸法としては、15〜20μm程度が好ましく、上記特許文献1の記載の方法により、当該ステムを製造する場合、市場で出回っていない例えば20μm以上の炭素繊維を準備した上でこれを加工する必要がある。この場合、別途、高価な装置を用いて直径20μm以上の炭素繊維を作成する必要がある等、製造コストが高くなり、製造工程も増えるとの課題がある。
また、金属を必要な径寸法に加工してステムを作成することも考えられるが、金属を微細加工したステムを用いた場合、剛性が不十分であり、僅かな力で弾性変形してしまう。また、被測定物によっては、例えばモーターの鉄芯等、磁性体の被測定物を対象とする場合もある。このような場合、磁性体の金属により構成されたステムを有するプローブでは、磁力によりステムが変形し、正確な測定結果が得られなかったり、渦電流が発生してしまったりする。
磁力の影響を受けない非磁性体の構造物を作成する方法として、近年炭素繊維をプラスチック等の接着剤を用いて束ねる炭素繊維強化プラスチック(CFRP:Carbon-Fiber-Reinforced Plastic)法等が知られている。しかしながら、プラスチック等の有機材料は、作成時に必要な粘性を確保するための温度制御が困難となり、0.1mm程度の厚み寸法とすることが限界であり、15〜20μm程度の径寸法のステムを実現することが困難となる。
本発明は、安価かつ作成が容易で、微細構造物に対応した微細なステム、及び当該ステムを有するプローブを提供することを目的とする。
本発明のステムは、線状の炭素繊維により構成された芯線と、前記芯線の外周の全体を覆う非磁性体の無機材料からなるコーティング層と、を備えたことを特徴とする。
本発明では、炭素繊維の芯線と、その芯線を覆うコーティング層によりステムが構成されている。炭素繊維の芯線では、金属に比べて高強度、高靱性であり、ステムの径寸法を例えば20μm程度の微細形状とした場合でも、金属のように弾性変形することがない。
また、芯線及びコーティング層として非磁性体が用いられるので、磁力を帯びた被測定物を測定する場合でも、ステムが磁力により変形しない。したがって、例えば三次元測定機等の測定装置に設けられたプローブに本発明のステムを適用した際に、磁力を帯びた被測定物を測定対象とした場合でも測定精度が低下することがなく、測定対象の幅を広げることができる。
また、市場で入手できる一般的な炭素繊維として直径7〜8μmであり、この炭素繊維にコーティング層を形成することで、例えば10μm以上の微細形状のステムを容易に形成できる。すなわち、上述したように、直径10μm未満のステムでは、視認しにくく、取扱いが困難となるが、本発明では、10μm未満の炭素繊維の芯線を用いた場合でも、コーティング層により、直径を10μm以上にでき、取扱いが容易な径寸法を有するステムを安価かつ容易に作成することが可能となる。
さらに、コーティング層として、プラスチック等の有機材料を用いると、温度管理による粘性制御が困難であり、層厚が大きくなって所望の径寸法のステムを製造できない。これに対して、本発明では、温度管理によって、粘性制御が容易となる無機材料のコーティング層を用いるため、微細構造物に対応した微細なステムを容易に製造することが可能となる。
本発明のステムにおいて、前記コーティング層は、低融点ガラスであることが好ましい。
本発明では、コーティング層が低融点ガラスにより構成されている。炭素繊維の外周に均一な厚み寸法のコーティング層を形成するには、コーティング層の粘性を温度管理により制御する必要がある。上述したように、例えばCFRP法により炭素繊維の周囲にプラスチック層を形成する場合、高温下においてプラスチックの粘度は10〜10(Pa・s)となり、2〜3μm程度の厚み寸法のコーティング層を形成することが困難となる。また、例えばAu、Ag、Al等の非磁性体の金属を用いた場合では、渦電流が発生し、ステムの発熱や磁場の発生により、測定装置に異常が発生するおそれがある。
これに対して、低融点ガラスは高温下(例えば500℃)において、1〜10(Pa・s)の粘度となる。したがって、例えば2〜3μmの厚み寸法のコーティング層を、高精度かつ均一に形成することが可能となり、また、導電性を有さないため、渦電流の発生もなく、これによる不都合も発生しない。
本発明のステムにおいて、前記芯線は、複数設けられ、前記コーティング層は、複数の前記芯線を束ねた芯部の外周を覆うことが好ましい。
本発明では、複数の芯線を束ねて芯部とし、この芯部を覆ってコーティング層が設けられている。すなわち、本発明では、コーティング層により複数の芯線が接合されている。このような本発明では、ステムの目標とする径寸法に対して、芯線の径寸法が小さい場合でも、複数の芯線を束ね、かつ束ねられた芯線(芯部)をコーティング層で接合し、かつコーティングすることで、目標径寸法のステムを形成することができる。これにより、市場に出回っていない径寸法の炭素繊維を別途作成する等の必要がなく、既存の炭素繊維により所望の径寸法のステムを容易に形成することが可能となる。
本発明のステムにおいて、前記芯部は、複数の前記芯線を捩り合せて構成されることが好ましい。
本発明では、複数の芯線を捩り合せることで、ステムの剛性バランスを均一にできる。
例えば、2本の芯線を捩り合せない状態(平行に配置)で用いると、2本の芯線の並び方向(断面視において2本の芯線の中心を結ぶ直線方向)に対する剛性に対し、並び方向に直交する方向の剛性が小さくなる。この場合、ステムに応力を付与した際に、応力の付与方向に対してステムの変形量が異なり、並び方向と直交する方向に応力が付与された際により大きく変形してしまう。したがって、このようなステムを有するプローブを測定装置に取り付けて形状測定を行った場合、測定精度が低下したり、ステムの変形に対する補正量の算出が煩雑となったりする。これに対して、本発明のように、複数の芯線を捩り合せることで、軸方向に沿って略円柱状の芯部を形成でき、応力の付与方向によらず、均一な剛性のステムを提供できる。
本発明のプローブは、上述したようなステムと、前記ステムの先端に設けられる測定子と、を備えることを特徴とする。
本発明では、上記発明と同様の効果が得られる。すなわち、所望の径寸法のステムを安価、かつ容易に製造することができ、微細構造の被測定物の形状測定を高精度に実施できる。また、磁力を帯びた被測定物を測定する場合でも、ステムが磁力により変形せず、測定精度の低下を防止できる。
本発明に係る第一実施形態のプローブの概略構成を示す図。 第一実施形態におけるステムの斜視図。 第一実施形態におけるステムの断面図。 第一実施形態において、ステムのコーティング層を形成するコーティング装置の概略構成を示す斜視図。 本発明に係る第二実施形態のステムの斜視図。 本発明に係る他の実施形態のステムの断面図。 本発明に係るさらに他の実施形態のステムの断面図。 本発明に係るさらに他の実施形態のステムの断面図。 本発明に係るさらに他の実施形態のステムの断面図。 本発明に係るさらに他の実施形態のステムの断面図。 本発明に係るさらに他の実施形態のステムの斜視図。
[第一実施形態]
以下、本発明に係る第一実施形態について、図面に基づいて説明する。
[プローブの構成]
図1は、本発明のステムを備えたプローブの概略構成を示す図である。
図1において、プローブ1は、被測定物に対して先端に設けられた測定子4を接触させ、例えば、内径数十μm程度の孔部や溝部等の微細構造物の形状測定を行うための微細プローブである。本実施形態では、ステム3は、外径約20μmに形成され、測定子4は、直径約30μmの球状に形成される。
プローブ1は、プローブ本体2と、ステム3と、測定子4とを有する。
プローブ本体2は、例えば三次元測定機等の測定装置に装着される。測定装置は、例えば被測定物に対してプローブ1をXYZ軸の3軸方向に相対移動させる移動機構を有し、移動機構を制御することで、プローブ1の測定子4を被測定物の表面に接触させる。また、測定装置は、プローブ1の移動量を検出する検出センサーを有し、測定子4を被測定物の表面に接触させた際の検出センサーからの出力により被測定面の表面の形状を測定する。
ステム3は、基端側が、プローブ本体2に保持された棒状部材であり、先端側に測定子4が一体に設けられている。
図2は、本実施形態のステム3の斜視図であり、図3は、ステム3を軸方向に対して直交する平面で切断した際の断面図である。
ステム3は、図2及び図3に示すように、中心軸に沿って設けられる芯部31と、芯部31を覆うコーティング層32とを備えている。
芯部31は、図2及び図3に示すように、線状の炭素繊維により構成される複数(本実施形態では3本)の芯線311が束ねられることで構成されている。ここで、各芯線311は、プローブ本体2に保持されるステム3の基端側端部から測定子4の中心点までの長さを有し、炭素繊維の繊維方向が、ステム3の中心軸と同方向となる。
なお、炭素繊維としては、ポリアクリロニトリルから形成されたPAN系炭素繊維や、石油ピッチから形成された異方性ピッチ系炭素繊維等が挙げられる。これらの炭素繊維は、一般に、直径が約7μm程度に形成され、繊維方向に対して、高弾性、高強度を有する。このため、このような炭素繊維を用いたステム3では、測定子4が被測定物に接触した際の変形等が抑制され、高性能なプローブ1を提供することが可能となる。
コーティング層32は、低融点ガラスにより形成され、芯部31の外周をコーティングする。すなわち、コーティング層32は、図3に示すように、芯線311の隙間312に入り込んで、各芯線311同士を接合する。
また、低融点ガラスにより構成されたコーティング層32は、温度管理によって粘性を低くできる。この場合、芯線311におけるステム3の中心軸Oから最も離れた点Pにおけるコーティング層32の厚み寸法Cを、十分に小さくでき、例えば2〜3μm程度の厚み寸法とすることができる。
図3に示すように、直径Aが約7μmの芯線311を3本束ねた場合、断面視において、3つの芯線311を束ねた芯部31の外接円Sの半径Bは、約7.5μmとなる。上記のように、芯線311におけるステム3の中心軸Oから最も離れた点Pにおけるコーティング層32の厚み寸法Cを2〜3μmとした場合、ステム3の半径は、約10μm程度となり、つまり、直径20μm程度のステム3となる。
測定子4は、ステム3の先端に一体に設けられ、例えばコーティング層32と同様、低融点ガラスにより形成することができる。
なお、上述のように、ステム3の芯部31は、球状の測定子4の中心点まで延出している。
[ステムの製造方法]
次に、上記のようなステム3の製造方法について、図面に基づいて説明する。
図4は、ステム3の芯部31に対してコーティング層32を形成する装置の概略を示す図である。
ステム3を製造するためには、まず、直径が例えば7μmの炭素繊維の芯線311を用意する。
次に、複数(本実施形態では3本)の芯線311を図2及び図3に示すように束ねて芯部31とし、図4に示すようなコーティング装置50を用いてコーティング層32を形成する。
図4において、コーティング装置50は、加熱板51と、ブロワー52と、図示略の芯部保持手段を備えている。
加熱板51は、図示略の加熱手段(電熱線等)により例えば500℃等に加熱されており、その表面にコーティング層32を形成するための材料である低融点ガラスが設けられている。低融点ガラスは、加熱溶融されており、表面張力によって盛り上がることで、低融点ガラスの溜まり部511が形成されている。
そして、コーティング層32の形成では、芯部保持手段により保持された芯部31の一端側を、加熱板51上の低融点ガラスの溜まり部511の一部に漬け込み、芯部31を軸方向に沿って、一定速度で移動させる。これにより、芯部31の各芯線311の隙間312に低融点ガラスが入り込み、芯部31の周囲に低融点ガラスが付着する。そして、芯部31が加熱板51から離れると、低融点ガラスが固化し、各芯線311が接合され、かつ、芯部31の外周面を覆うコーティング層32が形成される。この際、芯部31に付着した低融点ガラスは、固化する前に表面張力によって表面が均一化される。このため、図2及び図3に示すように、断面略円形状のコーティング層32が形成され、表面の品質が良好なステム3を製造することが可能となる。
また、低融点ガラスは、例えば450℃〜500℃に加熱溶融されることで、粘度が1〜10(Pa・s)程度となり、流動性が高くなる。この場合、芯部31の移動速度を制御することで、コーティング層32の厚み寸法を所望寸法に制御することが可能となる。
なお、芯線311は、炭素繊維により構成されているため、空気中の酸素による酸化(燃焼)により径寸法が減少する。
これを防止するために、本実施形態のコーティング装置50では、ブロワー52により、加熱板51に対して不活性ガスを吹き付ける。不活性ガスとしては、特に限定されず、例えば、アルゴンや窒素、二酸化炭素等を例示できる。
なお、本実施形態では、ブロワー52から不活性ガスを加熱板51に吹き付ける例を示すが、例えば、加熱板51の周囲を真空にして、炭素繊維の酸化を防止してもよい。
[本実施形態の作用効果]
本実施形態のプローブ1では、ステム3は、複数の炭素繊維の芯線311により構成された芯部31と、芯部31を覆う低融点ガラスのコーティング層32とを備えて構成されている。
このような構成では、一般に市場にて入手可能な炭素繊維の芯線311を用いて、所望の径寸法のステム3を形成できる。すなわち、製造コストを安価にでき、かつ容易に所望寸法のステム3を製造できる。
また、芯線311及びコーティング層32がともに非磁性体により構成されるため、プローブ1により磁力を帯びた被測定物を測定する場合であっても、ステム3が磁力により湾曲等することなく、高精度な形状測定を実施できる。
また、コーティング層32として、温度管理により低粘性を実現できる低融点ガラスを用いている。このため、コーティング層32の厚み寸法を例えば2〜3μmに形成することが可能となる。したがって、芯線311を束ねた芯部31の径寸法が、目標とするステム3の径寸法に対して僅かに小さい場合でも、コーティング層32の形成により、寸法を不足寸法分に合わせて大きくできる。また、粘性が低いため、各芯線311間の隙間312に入り込みやすく、芯線311同士の接合強度を強くできる。さらに、低融点ガラスのコーティング層32を用いることで、渦電流の発生がなく、これによる磁場発生等の不都合も防止できる。
さらに、コーティング層32により互いに隣り合う芯線311の隙間312に入り込んで、芯部31をコーティングしている。これにより、芯線311同士が確実に接合されることになり、例えば芯線311のずれや脱落を防止でき、プローブ1の品質向上を図れる。
[第二実施形態]
次に、本発明に係る第二実施形態について説明する。
上述した第一実施形態では、複数の芯線311を平行に配置した芯部31を例示した。これに対して、第二実施形態では、複数の芯線311を捩り合せて芯部31を構成する点で、上記第一実施形態と相違する。
図5は、第二実施形態のステム3Aの概略構成を示す斜視図である。なお、以降の説明にあたり、既に説明した構成については、同符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
本実施形態のステム3Aは、芯部31と、コーティング層32とにより構成されている。
芯部31は、図5に示すように、複数(本実施形態では、3本)の炭素繊維からなる芯線311を螺旋状に捩り合せて構成されている。
また、コーティング層32は、第一実施形態と同様、低融点ガラスにより構成されており、各芯線311の隙間312に入りこみ、芯線311同士を接合した上で、芯部31をコーティングしている。
上記第一実施形態では、芯線311が平行に配置されるので、芯部31は、略三角柱状となる。これに対して、本実施形態では、各芯線311が螺旋状となって捩り合されることで、芯部31は略円柱状となる。この場合、ステム3Aの軸方向(Z方向)に対して交差する方向(X,Y方向)に対する強度が均一となる。
特に、芯部31を構成する芯線311が2本である場合、上記第一実施形態のように、2本の芯線311を平行に配置すると、芯部31は、略楕円柱状となり、楕円の短径方向に対する剛性が、楕円の長径方向に対する剛性よりも弱くなる。この場合、ステム3の軸方向をZ方向、楕円短径方向をX方向、楕円長径方向をY方向として、プローブ1をX方向から被測定物に押し付けた際に、プローブ1をY方向から被測定物に押し付けた際よりもステム3の変形量が大きくなる可能性があり、測定精度に影響が出る。
これに対して、本実施形態のように、芯線311を捩り合せることで、図5の一点鎖線にて示すように、芯部31を略円柱状にでき、上記のように、XY方向に対して剛性が均一となり、ステム3が一方向にのみ大きく変形する等の不都合を防止できる。
[他の実施形態]
本発明は、前述した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲内の変形等は本発明に含まれるものである。
上記各実施形態では、複数の芯線311を束ねた芯部31を例示したが、これに限定されない。
図6は、本発明の他の実施形態のステム3Bの断面図である。
図6に示すように、単一の炭素繊維の芯線311により芯部31を構成し、その外周に低融点ガラスによりコーティング層32を形成したステム3Bであってもよい。
この場合、コーティング層32の厚み寸法を制御することで、ステム3の径寸法を所望値に設定できる。
また、図7に示すように、4つ以上の芯線311を組み合わせて芯部31を構成してもよい。図7は、本発明におけるさらに他の実施形態のステム3Cの断面図である。
図7に示すステム3Cは、ステム3Cの中心軸に沿って配置される芯線311Aと、芯線311Aの外周に当接する6つの芯線311Bとにより構成されている。この場合、芯線311A,311Bの径寸法を約7μmとして、直径約25μmのステム3Cとすることができる。また、例えば3つの芯線311を用いたステム3に比べて、芯部31の断面形状をより円形に近付けることができる。
なお、芯線311Bを、芯線311Aの外周に螺旋状に巻き付け、第二実施形態に示す様に、芯線311Bが捩り合された構成としてもよい。
また、芯線311として、図8に示すような線材を用いてもよい。図8は、さらに他の実施形態におけるステム3Dの断面図である。
図8に示すステム3Dは、炭素繊維からなる中空状の芯線311Cの外周にコーティング層32を形成することで構成されている。このような構成では、芯線311Cの強度をより高めることができる。なお、図8では、単一の中空状の芯線311Cの外周にコーティング層32を形成したが、第一実施形態のように、複数の中空状の芯線311Cを束ねて芯部31としてもよい。また、第二実施形態のように、芯線311Cを捩り合せて芯部31としてもよい。
また、上記実施形態では、断面円形の芯線311を用いたが、これに限定されず、例えば、図9に示すステム3Eのような構成としてもよい。図9は、さらに他の実施形態におけるステム3Eの断面図である。
図9に示すように、断面多角形状の芯線311Dを用いて芯部31を構成してもよい。この場合、複数の芯線311Dを束ねる際に、芯線311Dの平面同士を接触させて配置することができる。
さらに、上記各実施形態において、各芯線311(311A,311B,311C,311D)同士を線又は面で当接させて束ねた芯部31を例示したが、これに限らない。図10は、さらに他の実施形態におけるステム3Fの断面図である。
図10に示すステム3Fでは、芯線311同士が所定寸法分離れて配置される。このようなステム3Fは、例えば、単一の芯線311に対して、図4に示すようなコーティング装置50を用いて低融点ガラスのコーティング層を形成する。そして、これらのコーティング層が形成された各芯線311を束ねて、芯部保持手段に保持させ、再度コーティング装置50を用いて、低融点ガラスにて接合及びコーティングすればよい。
上記第二実施形態において、芯線311を捩り合せて芯部31を構成する例を示したが、図11に示すような構成のステム3Gとしてもよい。図11は、さらに他の実施形態におけるステム3Gの斜視図である。すなわち、図11に示すように、芯線311を編み込んで芯部31を構成してもよい。このような構成では、芯線311同士をより強く接合させることができる。
上記各実施形態において、コーティング層32として、温度管理により、粘性の制御が容易となる低融点ガラスを例示したが、これに限定されない。例えば、コーティング層を形成する非磁性体の無機材料として、Au、Ag、Cu、Al等の金属を用いてもよい。ただし、これらの金属を用いた場合、上述したように、渦電流が発生するおそれがあり、ステムが発熱したり、測定装置に設けられたセンサー等が影響を受けたりする可能性がある。また、コーティング層を形成するためには、例えば1000℃以上に金属を高温に加熱する必要があり、製造効率性が低下し、製造コストも高くなる。このため、上記各実施形態にて示したように、低融点ガラスにより、コーティング層32を形成することが好ましい。
本発明は、被測定物に接触するプローブのステムに利用できる。
1…プローブ、2…プローブ本体、3…ステム、4…測定子、31…芯部、311,311A,311B,311C,311D…芯線、312…隙間、32…コーティング層、50…コーティング装置、51…加熱板、511…溜まり部、52…ブロワー。

Claims (4)

  1. 線状の炭素繊維により構成された芯線と、
    前記芯線の外周の全体を覆う非磁性体の無機材料からなるコーティング層と、を備え
    前記コーティング層は、450℃から500℃に加熱溶融された際の粘度が1〜10(Pa・s)である低融点ガラスである
    ことを特徴とするステム。
  2. 線状の炭素繊維により構成された複数の芯線と、
    前記芯線の外周の全体を覆う非磁性体の無機材料からなるコーティング層と、を備え、
    前記芯線は、複数設けられ、複数の前記芯線のうち1つが中心軸に配置され、当該中心軸に前記芯線の外周に当接してその他の芯線が配置されることで、複数の前記芯線を束ねた芯部が構成され、
    前記コーティング層は、前記芯部の外周を覆う
    ことを特徴とするステム。
  3. 線状の炭素繊維により構成された芯線と、
    前記芯線の外周の全体を覆う非磁性体の無機材料からなるコーティング層と、を備え、
    前記芯線は、複数設けられ、複数の前記芯線を捩り合せて芯部が構成され
    前記コーティング層は、前記芯部の外周を覆う
    ことを特徴とするステム。
  4. 請求項1から請求項のいずれか1項に記載のステムと、
    前記ステムの先端に設けられる測定子と、
    を備えたことを特徴とするプローブ。
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