JP4936160B2 - 点灯装置及び照明装置 - Google Patents

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Description

本発明は、有機EL素子を点灯する点灯装置、並びにかかる点灯装置と有機EL素子を有する照明装置に関するものである。
近年、放電灯に比較して低い電圧(例えば、数V〜数十V程度)で駆動可能であるために点灯装置が安価に構成できることなどから有機EL(エレクトロルミネセンス)素子を光源とする照明装置の開発が盛んに行われている(例えば、特許文献1,2参照)。
図5は特許文献1に開示されている点灯装置(照明装置)を示す回路図である。この従来装置は、商用交流電源ACをダイオードブリッジDBで全波整流するとともに平滑コンデンサC0で平滑することによって得た直流電圧を極性反転回路INVで極性反転することで有機EL素子に順方向の電圧と逆方向の電圧とを交互に印加して点灯するものである。極性反転回路INVは、バイポーラトランジスタからなるスイッチング素子Tr1,Tr2,Tr3,Tr4を2つずつ直列接続するとともに平滑コンデンサC0の両端に互いに並列に接続したブリッジ回路からなり、スイッチング素子Tr1とTr2の接続点とスイッチング素子Tr3とTr4の接続点の間に有機EL素子1が接続される。ここで、スイッチング素子Tr3には検出抵抗Rが直列に接続されており、有機EL素子1に流れる電流を検出抵抗Rの両端電圧として検出し、低域通過フィルタLPFを介してスイッチング素子Trn(n=1,2,3,4)を駆動制御する制御手段CNTに検出電圧が入力されている。制御手段CNTは、スイッチング素子Tr1とTr3をオンすると同時にスイッチング素子Tr2とTr4をオフする期間と、スイッチング素子Tr1とTr3をオフすると同時にスイッチング素子Tr2とTr4をオンする期間とを周期的に切り換えることで有機EL素子に間欠的に順方向電圧を印加して点灯し、さらに、外部から与えられる調光信号に基づいて有機EL素子1に流れる電流の目標値を設定し、実際に有機EL素子1に流れる電流(検出電圧)を目標値に一致させるように順方向電圧の印加期間を変化させることで有機EL素子1の輝度を調整、すなわち調光している。なお、人の目に感じられる輝度のちらつき防止と有機EL素子1の長寿命化のために、上記期間を切り換える周期を商用電源ACの電源周波数(50Hzまたは60Hz)よりも高い周波数、具体的には電源周波数の2倍以上、より好適には数百Hz以上とすることが望ましい。
特開2005−78828号公報 特許第3432986号公報
ところで、有機EL素子は、発光層(有機薄膜)を厚み方向に一対の電極で挟み込んだ構造を有し、一方の電極(カソード)から注入した電子と他方の電極(アノード)から注入した正孔(ホール)が発光層で再結合することによって発光するものであるから、その構造上容量成分を有しており、回路的に見ると有機EL素子1には容量成分が並列に接続されていることになる。そのため、極性反転回路INVのスイッチング周波数を高くすると、容量成分が充電される前に電圧極性が反転して放電されてしまうために有機EL素子1が十分な発光に至らない可能性があり、極性反転回路INVのスイッチング周波数をあまり高くすることができない。例えば、数センチメートル角の有機EL素子の容量成分はおよそ0.数μF〜数μFであることが経験上判っているので、極性反転回路INVのスイッチング周波数は数kHz以下であることが望ましいと考えられる。一方、点灯装置を構成する回路部品から発生する音の問題を考慮すれば、スイッチング周波数は可聴周波数よりも高いことが望ましい。
本発明は上記事情に鑑みて為されたものであり、その目的は、発光輝度を確保しつつ有機EL素子に印加する周期的な電圧の周波数を高くすることが可能な点灯装置及び照明装置を提供することにある。
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、有機EL(エレクトロルミネセンス)素子を点灯する点灯装置であって、有機EL素子の駆動電圧に略等しい第1レベルの電圧と第1レベルよりも低く且つ有機EL素子の障壁電圧よりも高い第2レベルの電圧とを交互に有機EL素子に出力する直流電源手段と、直流電源手段を制御して第1レベルの電圧の出力期間と第2レベルの電圧の出力期間との比率を変えて有機EL素子を調光する調光手段とを備えたことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、調光手段は、第1レベルの電圧の出力期間と第2レベルの電圧の出力期間の合計期間の周期が一定となるように直流電源手段を制御することを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1の発明において、調光手段は、第2レベルの電圧の出力期間が一定となるように直流電源手段を制御することを特徴とする。
請求項4の発明は、上記目的を達成するために、有機EL素子と、請求項1〜3の何れかに記載の点灯装置とを有することを特徴とする。
本発明によれば、調光手段が直流電源手段を制御して第1レベルの電圧の出力期間と第2レベルの電圧の出力期間との比率を変えて有機EL素子を調光するので、発光輝度を確保しつつ有機EL素子に印加する周期的な電圧の周波数を高くすることが可能な点灯装置及び照明装置を提供することができる。
本実施形態の照明装置は、図2に示すように有機EL素子1と点灯装置2とで構成される。点灯装置2は、有機EL素子1の駆動電圧に略等しい第1レベルの電圧Vdと第1レベルよりも低く且つ有機EL素子1の障壁電圧よりも高い第2レベルの電圧Vbとを交互に有機EL素子1に出力する直流電源手段3と、直流電源手段3を制御して第1レベルの電圧Vdの出力期間Tdと第2レベルの電圧Vbの出力期間Tbとの比率を変えて有機EL素子1を調光する調光手段4とを備える。
直流電源手段3は、第1レベルの電圧Vdを発生する直流電源Eと、直流電源Eの正極にドレインが接続されたMOSFETからなるスイッチング素子Q1と、スイッチング素子Q1のソースにカソードが接続された整流用のダイオードD1と、スイッチング素子Q1のドレインとダイオードD1のアノードの間に接続された抵抗R1と、直流電源Eの負極とダイオードD1のアノードの間に接続されたコンデンサC1と、ダイオードD1のアノードにカソードが接続されるとともにアノードが直流電源Eの負極に接続されたツェナーダイオードZDとで構成され、スイッチング素子Q1のソースに有機EL素子1のアノードが接続されるとともに直流電源Eの負極に有機EL素子1のカソードが接続される。なお、ツェナーダイオードZDは、ツェナー電圧が第1レベルよりも低く且つ有機EL素子1の障壁電圧よりも高い第2レベルの電圧Vbとなるものである。
一方、調光手段4は、スイッチング素子Q1のゲートに駆動信号を与えて周期的にオン・オフさせるものであって、周期を一定としたままでスイッチング素子Q1のオン期間とオフ期間の比率を変えた駆動信号が出力できるように構成されている。但し、このような調光手段4は従来周知の技術を用いて実現可能であるから、詳細な回路構成についての図示並びに説明は省略する。
次に本実施形態の動作を説明する。調光手段4からHレベルの駆動信号が出力されている期間(以下、「オン期間Ton」と呼ぶ。)にはスイッチング素子Q1がオンとなって直流電源Eの発生する第1レベルの直流電圧Vdが有機EL素子1に印加され、同時にコンデンサC1がツェナー電圧(=第2レベルの電圧Vb)まで充電される。一方、調光手段4からLレベルの駆動信号が出力されている期間(以下、「オフ期間Toff」と呼ぶ。)にはスイッチング素子Q1がオフとなってコンデンサC1の両端電圧(=第2レベルの電圧Vb)がダイオードD1を通して有機EL素子1に印加される。すなわち、図1に示すように第1レベルの直流電圧Vdが印加されて有機EL素子1が発光するオン期間Tonと、第2レベルの直流電圧Vbが印加されるが有機EL素子1は発光しないオフ期間Toffとが一定の周期Tで交互に繰り返され、オフ期間Toffに対するオン期間Tonの比率を低くするにつれて有機EL素子1の輝度(発光量)を減少させることができる。しかも、有機EL素子1を発光しないオフ期間Toffにおいても、第1レベルVdよりも低く且つ有機EL素子1の障壁電圧よりも高い第2レベルの電圧Vbを印加しているため、オフ期間Toffに続くオン期間Tonにおいて有機EL素子1の応答性が向上し、駆動信号の周期Tを短く(周波数を高く)することができ、例えば、駆動信号の周波数を可聴周波数以上とすることで点灯装置2を構成する回路部品から発生する音を実用上問題とならないレベルまで低減することが可能となる。
なお、本実施形態では周期Tを一定としてオフ期間Toffに対するオン期間Tonの比率を変えているが、図3に示すようにオフ期間Toffを一定としてオン期間Tonを変えるように調光手段4が駆動信号を調整しても同様の効果を奏する。
図4は点灯装置2’の別の構成を示す回路であって、第1レベルの電圧Vdと第2レベルの電圧Vbを発生する直流電源手段3’を備えている。この直流電源手段3’は、商用交流電源ACの交流電圧を全波整流するダイオードブリッジDBと、ダイオードブリッジDBで全波整流された脈流電圧を平滑する平滑コンデンサC0と、平滑コンデンサC0の低電位側にソースが接続された第1のスイッチング素子Q2と、平滑コンデンサC0の低電位側と第1のスイッチング素子Q2のドレインの間に1次巻線が接続されたトランスT1と、トランスT1の2次巻線の一端にアノードが接続された整流用のダイオードD2と、ダイオードD2のカソードと2次巻線の他端の間に接続された平滑コンデンサC2と、トランスT1の中間タップにアノードが接続された整流用のダイオードD3と、ダイオードD3のカソードと2次巻線の他端の間に接続された平滑コンデンサC3と、ダイオードD2のカソードにドレインが接続された第2のスイッチング素子Q3と、第2のスイッチング素子Q3のソースにカソードが接続されるとともにアノードがダイオードD3のカソードと接続された整流用のダイオードD4とを備え、第2のスイッチング素子Q3のソースとトランスT1の2次巻線の間に有機EL素子1が接続されて構成されている。但し、第1のスイッチング素子Q2のソースとトランスT1の2次巻線の他端とが接続されている。つまり、第1のスイッチング素子Q2、トランスT1、ダイオードD3,D3、平滑コンデンサC2,C3でフォワード形の降圧コンバータを構成しており、一方の平滑コンデンサC2に第1レベルの電圧Vdが出力され、他方の平滑コンデンサC3に第2レベルの電圧Vbが出力されるように調光手段4’が第1のスイッチング素子Q2をPWM制御している。但し、このようなフォワード形の降圧コンバータは従来周知であるから、詳細な動作説明については省略する。
2つの平滑コンデンサC2,C3に発生する第1レベル及び第2レベルの電圧Vd,Vbは、調光手段4により第2のスイッチング素子Q3をオン・オフすることで有機EL素子1に交互に印加され、第1レベルの電圧Vdが印加されるオン期間Tonに有機EL素子1が発光し、第2レベルの電圧Vbが印加されるオフ期間Toffには有機EL素子1は発光しない。なお、調光手段4’においては、周期Tを一定としてオフ期間Toffに対するオン期間Tonの比率を変えるか、あるいはオフ期間Toffを一定としてオン期間Tonを変えるように駆動信号を調整する。かかる回路構成においては、直流電源手段3’にインダクタンス素子(トランスT1)が含まれているため、駆動信号の周波数を高くすることでインダクタンス素子が小型化でき、その結果、点灯装置2’の小型化及び薄型化が図れるという利点がある。但し、点灯装置の構成は本実施形態に限定されるものではない。
本発明の実施形態の動作を説明する動作説明図である。 本発明の実施形態を示す回路図である。 同上の動作を説明する動作説明図である。 本発明の別の実施形態を示す回路図である。 従来例を示す回路図である。
符号の説明
1 有機EL素子
2 点灯装置
3 直流電源手段
4 調光手段
Vd 第1レベルの電圧
Vb 第2レベルの電圧

Claims (4)

  1. 有機EL(エレクトロルミネセンス)素子を点灯する点灯装置であって、有機EL素子の駆動電圧に略等しい第1レベルの電圧と第1レベルよりも低く且つ有機EL素子の障壁電圧よりも高い第2レベルの電圧とを交互に有機EL素子に出力する直流電源手段と、直流電源手段を制御して第1レベルの電圧の出力期間と第2レベルの電圧の出力期間との比率を変えて有機EL素子を調光する調光手段とを備えたことを特徴とする点灯装置。
  2. 調光手段は、第1レベルの電圧の出力期間と第2レベルの電圧の出力期間の合計期間の周期が一定となるように直流電源手段を制御することを特徴とする請求項1記載の点灯装置。
  3. 調光手段は、第2レベルの電圧の出力期間が一定となるように直流電源手段を制御することを特徴とする請求項1記載の点灯装置。
  4. 有機EL素子と、請求項1〜3の何れかに記載の点灯装置とを有することを特徴とする照明装置。
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