JP2747168B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子の駆動方法およびこの駆動方法を用いた発光装置 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子の駆動方法およびこの駆動方法を用いた発光装置

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JP2747168B2
JP2747168B2 JP4136324A JP13632492A JP2747168B2 JP 2747168 B2 JP2747168 B2 JP 2747168B2 JP 4136324 A JP4136324 A JP 4136324A JP 13632492 A JP13632492 A JP 13632492A JP 2747168 B2 JP2747168 B2 JP 2747168B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機エレクトロルミネ
ッセンス素子の駆動方法およびこの駆動方法を用いた発
光装置に関し、特に発光を安定化できるとともに、素子
の歩留まり向上を図れるようにしたものに関する。
【0002】
【従来の技術】エレクトロルミネッセンス素子(以下、
EL素子という)は、自己発光のため視認性が高く、ま
た完全固体素子であるため耐衝撃性に優れている。した
がって、現在、無機,有機化合物を用いたさまざまなE
L素子が提案され、実用化が図られている。これらの素
子のうち、特に、有機EL素子は印加電圧を大幅に低下
できることから、各種材料を用いた素子の研究開発が進
められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、有機EL素子
の場合、発光動作が安定しないとともに、劣化が著しい
という問題点があり、実用化の障害となっていた。本発
明者は、この劣化の原因究明を続けた結果、有機EL素
子の動作が不安定となる要因の一つは、発光時に電極構
成金属が発光層を含む有機単層部又は有機多層部へ混入
して、対向する電極間に導電性のパス(導電ルート)を
形成するためであることを突き止めた。図12には、発
光が不安定となった有機EL素子について素子深さ方向
の成分比(構成原子比)を計測したグラフが示されてい
る。この測定結果から明らかなように、陰極の構成金属
であるマグネシウム原子が有機単層部又は有機多層部か
ら陽極に向けて混入しており、この混入したマグネシウ
ム原子によって対向する電極間に導電性のパスが形成さ
れてしまう。
【0004】本発明は、このような従来の技術が有する
課題を解決するために提案されたものであり、素子内に
導電性パスが形成されるのを抑制でき、輝度低下を抑え
られるるとともに、発光駆動中の素子の消光を防止で
き、さらに素子の歩留まりを簡便に向上できる有機エレ
クトロルミネッセンス素子の駆動方法およびこの駆動方
法を用いた発光装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に請求項1記載の有機EL素子の駆動方法は、陽極と陰
極の間に有機化合物からなる発光層を含む有機単層部又
は有機多層部を有する有機エレクトロルミネッセンス素
子を、陽極と陰極間に加えられる基本駆動波形によって
駆動する発光駆動方法において、上記基本駆動波形に対
して、この基本駆動波形のピーク値よりも大きなピーク
値を持つパルス波形列を重ね合わせた発光駆動波形によ
って上記有機エレクトロルミネッセンス素子を駆動する
ようにものである。
【0006】また、請求項2に記載の有機EL素子の駆
動方法は、上記パルス波形列のピーク値が上記基本駆動
波形のピーク値の2倍以上の大きさであるとともに、1
つのパルス波形のパルス印加時間が1秒以内である発光
駆動波形によって上記有機エレクトロルミネッセンス素
子を駆動するものである。
【0007】また、請求項3に記載の発光装置は、陽極
と陰極の間に有機化合物からなる発光層を含む有機単層
部又は有機多層部を有し、陽極と陰極間に基本駆動波形
が加えられて発光される有機エレクトロルミネッセンス
素子と、上記基本駆動波形に対して、この基本駆動波形
のピーク値よりも大きなピーク値を持つパルス波形列を
重ね合わせた発光駆動波形を発生し、この発光駆動波形
を上記陽極と陰極間に印加して上記有機エレクトロルミ
ネッセンス素子を発光させる発光駆動源とを備える構成
としてある。
【0008】また、請求項4に記載の発光装置は、陽極
と陰極の間に有機化合物からなる発光層を含む有機単層
部又は有機多層部を有し、陽極と陰極間に基本駆動波形
が加えられて発光される有機エレクトロルミネッセンス
素子と、上記基本駆動波形に対して、この基本駆動波形
のピーク値よりも2倍以上の大きなピーク値を持つパル
ス波形列が重ね合わされるとともに、1つのパルス波形
のパルス印加時間が1秒以内である発光駆動波形を発生
し、この発光駆動波形を上記陽極と陰極間に印加して有
機エレクトロルミネッセンス素子を発光させる発光駆動
源とを備える構成としてある。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明
は、陽極と陰極の間に有機化合物からなる発光層を含む
有機単層部又は有機多層部を有する有機EL素子を特定
の駆動波形によって発光駆動させるものである。ここ
で、有機EL素子は、例えばガラス板、透明プラスチッ
ク板、石英板などからなる基板上に形成される。
【0010】また、陽極または陰極を構成する電極材料
としては、金、アルミニウム、インジウム、マグネシウ
ム、銅などの金属、これらの金属の合金または混合物、
特開昭63−295695号の公報に記載された合金、
混合物電極、あるいはITO(インジウムチンオキサイ
ド;酸化インジウムと酸化スズの混合酸化物)、SnO
2 (酸化第2スズ)、ZnO(酸化亜鉛)などの透明電
極材料などが用いられる。この場合、陽極には仕事関数
の大きな金属または電気導電性化合物を用いるのが好ま
しく、陰極には仕事関数の小さな金属または電気導電性
化合物を用いるのが好ましい。これらの電極の少なくと
も一方は、透光性を得るために透明または半透明電極と
する。また、電極の厚さは10nm〜1μmとし、特に
光透過率を高める観点から200nm以下の厚さとする
のがよい。電極は、蒸着法やスパッタリング法などの公
知の方法によって形成できる。
【0011】有機単層部又は有機多層部は、少なくとも
有機化合物からなる発光層を有し、構成態様としては、
発光層のみからなるもの(この場合、有機単層部)、発
光層と正孔注入層とからなるもの、電子輸送層と発光層
とからなるもの、電子輸送層と発光層と正孔注入層とか
らなるもの、改善層と発光層と正孔注入層とからなるも
の(特願平3−104284号公報に記載)、これらの
機能を有する材料を混合したもの、あるいは高分子に分
散したものなどを挙げることができる。なお、積層構成
の場合、この有機多層部の構成順序は電極の極性により
逆となってもよい。また、輸送層、注入層は無機半導体
であってもよい。
【0012】発光層は、注入機能、輸送機能および発光
機能を有している。ここで、注入機能とは電界印加時に
陽極または正孔注入層から正孔を注入可能とする機能で
あり、陰極または電子注入層から電子を注入可能とする
機能である。また、輸送機能とは正孔および電子を電界
の力で輸送(移動)させる機能である。さらに、発光機
能とは正孔と電子の再結合の場を提供して、発光させる
機能である。
【0013】この場合、正孔注入性と電子注入性の能力
に違いがあってもよい。発光層の厚さは、5nm〜5μ
mの範囲とするのが好ましい。正孔注入層と電子注入層
は必ずしも設ける必要はないが、発光性能の向上のため
には設けるのが望ましい。この正孔注入層は、より低い
電界で正孔を発光層中に輸送する材料で形成される。こ
こで、正孔の移動度は、104 〜106 v/cmの電界の
もとで、少なくとも10-6cm2 /v・secの値を有するの
が望ましい。また、電子注入層は、より低い電界で電子
を発光層に輸送する材料で形成される。
【0014】なお、このような構成からなる有機EL素
子の作製方法は特に制限されるものではなく、蒸着法を
用いれば、この蒸着法だけによって有機EL素子を作製
することができ、設備を簡単化できる点や生産時間を短
縮できる点で有利である。
【0015】また、この有機EL素子は陽極と陰極間に
電圧を印加して、エージングを行なったものであっても
よい。ここで、エージングとは、電圧を印加すること
で、リーク電流を発生する領域を除去するとともに、素
子内に溜まった正孔や電子を除去する処理をいう(特開
平4−14794号公報を参照)。これにより有機EL
素子の安定動作が図れる。本発明に用いられる有機EL
素子は、必ずしもこのエージングを行なったものである
必要はないが、素子の動作安定性の観点からはエージン
グを行なうのが望ましい。
【0016】本発明による駆動方法および発光装置は、
上述した構成からなる有機EL素子を以下に述べるよう
な駆動波形によって発光させるものである。有機EL素
子の駆動方法には、これまで直流定電圧駆動または直流
定電流駆動(以下、直流駆動という)、交流電圧駆動ま
たは交流電流駆動(以下、交流駆動という)、パルス電
圧駆動またはパルス電流駆動(以下、パルス駆動とい
う)、またはその他の駆動法(例えば、特願平2−25
8695号公報に記載)などが知られている。以下、こ
れらの従来の駆動法に基づく駆動波形を「基本駆動波
形」という。
【0017】本発明では、図1ないし図8に示すように
それぞれの基本駆動波形W1に対して、この基本駆動波
形W1のピーク値(直流駆動の場合はその一定値)L1
よりも大きいピーク値を持ち、かつパルス印加時間(パ
ルス幅t1)が1秒以内のパルス波形W2を重ね合わせ
た駆動波形によって有機EL素子を発光駆動させる。こ
の駆動波形として好ましくは、基本駆動波形W1のピー
ク値L1の2倍以上のピーク値(L2で示す)を持ち、
印加時間が1秒以内のパルス波形W2を重ね合わせた波
形とするのがよい。なお、素子の劣化を防ぐためには、
パルス波形W2の最大印加レベルを基本駆動波形W1の
ピーク値L1の10倍以下とするのがよい。図中、L3
はL1の10倍に相当するレベルを示す。
【0018】ここで、図1は直流駆動の基本駆動波形W
1に上記パルス波形W2を重畳した駆動波形を示し、図
2はパルス駆動の基本駆動波形W1に上記パルス波形W
2を重畳した駆動波形を示す。なお、図中矢印P方向は
発光に対して正方向の印加電圧または電流の向きを示
す。また、図3は矩形波による交流駆動の基本駆動波形
W1に上記パルス波形W2を重畳した駆動波形を示し、
図4はサイン波によるパルス駆動の基本駆動波形W1に
上記パルス波形W2を重畳した駆動波形を示す。また、
図5はサイン波による交流駆動の基本駆動波形W1に上
記パルス波形W2を重畳した駆動波形を示す。また、図
6乃至図8は直流駆動の基本駆動波形W1に対して一定
のパルス波形ではなく、レベルまたは/およびパルス幅
t1の異なるパルス波形W2を重畳した駆動波形を示
し、図8では基本駆動波形W1に対してさらに反転した
パルス波形W2が重畳されている。
【0019】これらの図に示すように、本発明による駆
動波形では、基本駆動波形W1のピーク値L1の2倍以
上10倍以下のピーク値(L2からL3の範囲)を持
ち、かつ印加時間(t1)が1秒以下のパルス波形W2
が、基本駆動波形W1を印加してから印加終了までの間
に、少なくとも1回重畳されている。なお、基本駆動波
形W1に重畳されるパルス波形W2は矩形波やサイン波
ばかりでなく、三角波などであってもよい。
【0020】ここで、基本駆動波形W1に重ね合わされ
るパルス波形W2を上述したような条件に限定したの
は、基本駆動波形W1だけによる印加では切断できない
電極間の導通性領域(リークパス)がL1の2倍以上の
パルスの印加により切断できることが、オージェ電子分
光法により測定した膜厚方向での成分比率を解析するこ
とで判明したことによる。図9には、この成分比率の測
定結果が示されており、従来存在していた電極金属(こ
の例ではマグネシウム原子)の混入による導電性パス
が、パルス波形W2を重畳することで切断され消失して
いることがわかる。また、パルス波形W2の最大印加レ
ベルをL1の10倍以下としたのは、通常の基本発光条
件は電圧が数vであり、電流密度が数mA・cm-2であ
って、この10倍を超えるパルス波形を印加すること
は、素子の劣化を促進することになるからである。さら
に、パルス波形W2の印加時間幅t1を1秒以内とした
のは、長時間の印加によって素子本体を劣化させ、輝度
低下を招くとともに、発光を不安定化させる要因となる
からである。また高輝度発光させることは使用者に対し
て不快感を与えることになり、この悪影響をできるだけ
小さくでき、しかも動作の不安定化を回復可能な印加時
間の条件として、パルス幅t1を1秒以内に設定した。
【0021】次に、上述した本発明による駆動方法を用
いた発光装置の構成を図10および図11に基づいて説
明する。有機EL素子1は、陽極1aと陰極1cとの間
に有機単層部又は有機多層部1bを挟み込んだ構成とな
っている。図10に示す発光装置では、基本駆動波形発
生回路2で上記基本駆動波形W1が作られ、パルス波発
生回路3で上記パルス波形W2が作られる。これら基本
駆動波形W1とパルス波形W2は、波形合成回路をなす
演算増幅器4に送られて、基本駆動波形W1にパルス波
形W2が重ね合わされ、駆動波形が作られる。この駆動
波形が有機EL素子1の陽極1aと陰極1c間に印加さ
れ、有機EL素子1が発光駆動される。ここで、基本駆
動波形発生回路2、パルス波発生回路3および演算増幅
器4は、発光駆動源を構成している。
【0022】また、図11に示す発光装置では、フォト
ダイオードなどからなる受光素子5が有機EL素子1の
一部に取り付けられており、この受光素子5の検出出力
がトリガ回路6を介してパルス波発生回路3にフィード
バックされる。この発光装置では、基本駆動波形W1で
有機EL素子1を駆動したときの発光輝度が、あるしき
い値以下となったことが、受光素子5からの出力によっ
て検出されると、トリガ回路6からパルス波発生回路3
に上記パルス波形W2を発生させるためのトリガ信号が
出力される。これにより演算増幅器4では、基本駆動波
形発生回路2からの基本駆動波形W1に、パルス波発生
回路3からのパルス波形W2が重ね合わされ、重畳後の
駆動波形によって有機EL素子1が駆動される。このよ
うに有機EL素子1の発光輝度を検出して受光系出力を
フィードバックすることで、輝度が低下した有機EL素
子2の動作を回復させることができ、安定に発光動作を
継続できる。
【0023】
【実施例】以下、本発明による実施例を説明する。実施例1 25mm×75mm×1.1mmのガラス基板上にIT
Oを蒸着法により100nmの厚さで製膜したものを透
明支持基板とした。この透明支持基板をイソプロピルア
ルコール中にて5分間洗浄後に、純水中で5分間超音波
洗浄を行ない、さらにUVオゾン洗浄を5分間行なっ
た。このUVオゾン洗浄には、(株)サムコインターナ
ショナル研究所製の装置を用いた。この透明支持基板を
市販の蒸着装置(日本真空技術(株)製)の基板ホルダ
に固定して、モリブデン製の抵抗加熱ボートにN,N´
−ビス(3−メチルフェニル)−N,N´−ジフェニル
〔1,1´−ビフェニル〕−4,4´−ジアミン(TP
D)を200mg入れ、また違うモリブデン製ボートに
4,4´−ビス(2,2´−ジフェニルビニル)ビフェ
ニル(DPVBi)を200mg入れて真空槽を1×1
-4Paまで減圧した。その後、TPD入りの上記ボー
トを215〜220℃まで加熱し、TPDを蒸着速度
0.1〜0.3nm/sで透明支持基板上に蒸着して、
膜厚60nmの正孔注入層を製膜した。このときの基板
温度は室温であった。これを真空槽から取り出すことな
く、正孔注入層の上に、もう一つのボートよりDPVB
iを発光層として40nm積層蒸着した。蒸着条件はボ
ート温度が240℃であり、蒸着速度は0.1〜0.3
nm/s、基板温度は室温であった。これを真空槽から
取り出して、上記発光層の上にステンレススチール製の
マスクを設置し、再び基板ホルダに固定した。次に、モ
リブデン製ボートにトリス(8−キノリノール)アリミ
ニウム(Alq3 )を200mg入れて真空槽に装着し
た。さらに、モリブデン製の抵抗加熱ボートにマグネシ
ウムリボンを1g入れ、また違うタングステン製のバス
ケットに銀ワイヤを500mg入れ蒸着した。その後、
真空槽を1×10-4Paまで減圧してから、Alq3
入ったボートを230℃まで加熱し、Alq3 を0.0
1〜0.03nm/sの蒸着速度で20nm蒸着した。
さらに、銀を0.01nm/sの蒸着速度で同時に抵抗
加熱法により、もう一方のモリブデンボートからマグネ
シウムを1.4nm/sの蒸着速度で蒸着し始めた。上
記条件でマグネシウムと銀の混合金属電極を発光層の上
に150nmの厚さで積層蒸着し、対向電極とした。こ
の素子を乾燥窒素中にて、0vから10v、0vから−
10vへ0.5v間隔で5秒ずつで印加し、エージング
を行なった。
【0024】この素子を10個作製し、乾燥窒素中にて
初期輝度を100cd・m-2、定電流値(L1)を7m
A・cm-2に設定した基本駆動波形W1により発光駆動
した。そして10秒ごとにパルス幅t1が0.5秒、電
流ピーク値が20mA・cm-2のパルス電流(パルス波
形W2)を重畳印加した(図1参照)。この駆動により
20日間10個の素子は全て発光を維持し、全ての素子
で輝度10cd・m-2以上の発光を確認した。
【0025】比較例1 実施例1と同じ素子構成であり、エージングを行なった
素子10個を実施例1と同様に乾燥窒素中にて、初期輝
度100cd・m-2、定電流値7mA・cm-2に設定し
た基本駆動波形W1だけで発光駆動した。この駆動で、
20日後に4個の素子は完全に消光した(輝度0cd・
-2)。
【0026】実施例2 実施例1と同じ素子構成であり、エージングを行なった
素子10個を実施例1と同様に乾燥窒素中にて、駆動周
波数が50Hzでデューティ比50%、ピーク電圧値
(L1)が10v、初期輝度を100cd・m-2に設定
した基本駆動波形W1により発光駆動した。そして、1
00秒ごとにパルス幅t1が0.01秒、ピーク電圧値
が25vのパルス電圧(パルス波形W2)を重畳印加し
た(図4参照)。この駆動により、20日間10個の素
子は全て発光を維持した(輝度10cd・m-2以上)。
【0027】比較例2 実施例1と同じ素子構成であり、エージングを行なった
素子10個を実施例1と同様に乾燥窒素中にて、駆動周
波数が50Hzでデューティ比50%、ピーク電圧値が
10v、初期輝度を100cd・m-2に設定した基本駆
動波形W1だけで発光駆動した。この駆動で、20日後
に3個の素子は完全に消光した。
【0028】実施例3 実施例1と同じ素子構成であり、エージングを行なった
素子10個を実施例1と同様に乾燥窒素中にて、初期輝
度が100cd・m-2、駆動周波数が50Hzで振幅値
(L1)を10vに設定した基本駆動波形W1により交
流発光駆動した。そして1分ごとにパルス幅(t1)が
0.1秒で、ピーク電圧値が25vのパルス電圧(パル
ス波形W2)を重畳印加した。この駆動により、20日
間10個の素子は全て発光を維持した(輝度10cd・
-2以上)。
【0029】比較例3 実施例1と同じ素子構成であり、エージングを行なった
素子10個を実施例1と同様に乾燥窒素中にて、初期輝
度が100cd・m-2、駆動周波数が50Hzで振幅値
を10vに設定した基本駆動波形W1だけで交流発光駆
動した。この駆動で、20日後に3個の素子は完全に消
光した。
【0030】実施例4 実施例1と同じ素子構成であり、エージングを行なった
素子10個を実施例1と同様に乾燥窒素中にて、初期輝
度が100cd・m-2、定電流値(L1)を7mA・c
-2に設定した基本駆動波形W1により発光駆動した。
そして、10秒から10分の任意の時間間隔で、パルス
幅t1が0.01秒から1秒の任意の時間パルス幅であ
って電流ピーク値が15mA・cm-2のパルス電流(パ
ルス波形W2)を重畳印加した(図7参照)。この駆動
により、20日間10個の素子は全て発光を維持した
(輝度10cd・m-2以上)。
【0031】比較例4 実施例1と同じ素子構成であり、エージングを行なった
素子10個を実施例1と同様に乾燥窒素中にて、初期輝
度100cd・m-2、定電流値7mA・cm-2に設定し
た基本駆動波形W1だけで発光駆動した。この駆動で、
20日後に4個の素子は完全に消光した。
【0032】実施例5 実施例1と同じ素子構成であり、エージングを行なった
素子10個を実施例1と同様に乾燥窒素中にて、初期輝
度が100cd・m-2、定電圧値(L1)を8.5vに
設定した基本駆動波形W1により発光駆動した。そし
て、10秒から10分の任意の時間間隔で、パルス幅t
1が0.01秒から1秒の任意の時間パルス幅であって
電圧ピーク値が20vのパルス電圧(パルス波形W2)
を重畳印加した(図7参照)。この駆動により、20日
間10個の素子は全て発光を維持した(輝度10cd・
-2以上)。
【0033】比較例5 実施例1と同じ素子構成であり、エージングを行なった
素子10個を実施例1と同様に乾燥窒素中にて、初期輝
度100cd・m-2、定電圧値8.5vの基本駆動波形
W1だけで発光駆動した。この駆動で、20日後に4個
の素子は完全に消光した。
【0034】なお、初期輝度および20日間発光駆動後
の輝度の測定は、市販の輝度計(ミノルタ(株)製CS
−100)により行なった。
【0035】本発明は上述した実施例に限定されず、要
旨の範囲内で種々の変更実施が可能である。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、基
本駆動波形に対してこの基本波形のピーク値を超えるパ
ルス波形を重畳して有機EL素子を発光駆動するように
したので、電極間に導電性パスが形成されなくなり、発
光動作の安定化が図れる。これにより発光駆動中の素子
の輝度低下と消光を抑えることができ、長期間安定に素
子を発光させることができる。また、有機EL素子の歩
留まりの向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】基本駆動波形が直流の場合における本発明によ
る発光駆動波形を示す波形図である。
【図2】基本駆動波形が正方向のパルス波形の場合にお
ける本発明による発光駆動波形を示す波形図である。
【図3】基本駆動波形が矩形波の交流波形の場合におけ
る本発明による発光駆動波形を示す波形図である。
【図4】基本駆動波形が正方向のサイン波形の場合にお
ける本発明による発光駆動波形を示す波形図である。
【図5】基本駆動波形が交流波形の場合における本発明
による発光駆動波形を示す波形図である。
【図6】基本駆動波形が直流の場合における本発明によ
る発光駆動波形を示す波形図である。
【図7】基本駆動波形が直流の場合における本発明によ
る発光駆動波形の他の例を示す波形図である。
【図8】基本駆動波形が直流の場合における本発明によ
る発光駆動波形のさらに他の例を示す波形図である。
【図9】本発明を適用した有機EL素子の深さ方向の成
分比を測定した結果を示す特性図である。
【図10】本発明による発光装置の一実施例を示すブロ
ック図である。
【図11】本発明による他の実施例の発光装置を示すブ
ロック図である。
【図12】従来の有機EL素子の深さ方向の成分比を測
定した結果を示す特性図である。
【符号の説明】
1 有機エレクトロルミネッセンス素子 1a 陽極 1b 有機単層部又は有機多層部 1c 陰極 2 基本駆動波形発生回路 3 パルス波発生回路 4 演算増幅器 5 受光素子 6 トリガ回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H05B 33/08 H05B 33/14

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極と陰極の間に有機化合物からなる発
    光層を含む有機単層部又は有機多層部を有する有機エレ
    クトロルミネッセンス素子を、陽極と陰極間に加えられ
    る基本駆動波形によって駆動する発光駆動方法におい
    て、 上記基本駆動波形に対して、この基本駆動波形のピーク
    値よりも大きなピーク値を持つパルス波形列を重ね合わ
    せた発光駆動波形によって、上記有機エレクトロルミネ
    ッセンス素子を駆動することを特徴とする有機エレクト
    ロルミネッセンス素子の駆動方法。
  2. 【請求項2】 上記パルス波形列のピーク値が上記基本
    駆動波形のピーク値の2倍以上の大きさであるととも
    に、1つのパルス波形のパルス印加時間が1秒以内であ
    ることを特徴とする請求項1記載の有機エレクトロルミ
    ネッセンス素子の駆動方法。
  3. 【請求項3】 陽極と陰極の間に有機化合物からなる発
    光層を含む有機単層部又は有機多層部を有し、陽極と陰
    極間に基本駆動波形が加えられて発光される有機エレク
    トロルミネッセンス素子と、 上記基本駆動波形に対して、この基本駆動波形のピーク
    値よりも大きなピーク値を持つパルス波形列を重ね合わ
    せた発光駆動波形を発生し、この発光駆動波形を上記陽
    極と陰極間に印加して、上記有機エレクトロルミネッセ
    ンス素子を発光させる発光駆動源とを備えることを特徴
    とする発光装置。
  4. 【請求項4】 陽極と陰極の間に有機化合物からなる発
    光層を含む有機単層部又は有機多層部を有し、陽極と陰
    極間に基本駆動波形が加えられて発光される有機エレク
    トロルミネッセンス素子と、 上記基本駆動波形に対して、この基本駆動波形のピーク
    値よりも2倍以上の大きなピーク値を持つパルス波形列
    が重ね合わされるとともに、1つのパルス波形のパルス
    印加時間が1秒以内である発光駆動波形を発生し、この
    発光駆動波形を上記陽極と陰極間に印加して有機エレク
    トロルミネッセンス素子を発光させる発光駆動源とを備
    えることを特徴とする発光装置。
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