JP4935972B2 - 光半導体封止用組成物、その製造法および光半導体封止材 - Google Patents

光半導体封止用組成物、その製造法および光半導体封止材 Download PDF

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本発明は、光半導体封止用組成物、その製造法、光半導体の封止材、および光半導体に関する。
従来、光半導体封止用樹脂としては、ビスフェノールAグリシジルエーテルを主剤とするエポキシ化合物が一般に用いられていたが、このようなエポキシ化合物は芳香環を有するため、青色もしくは紫外光を発光する光半導体の封止を行うには、紫外線に対する耐久性(UV耐久性)が不十分であった。
そこで、光半導体封止用樹脂のUV耐久性を改良するため、脂環式エポキシ化合物を用いることが提案されているが(特許文献1参照)、依然としてUV耐久性は十分なものとはいえなかった。
一方、シロキサン骨格を有する樹脂は耐候性に優れていることが知られており、近年ではポリジメチルシロキサンを主骨格とする樹脂を光半導体封止材に用いる検討がさかんに行われている。しかしこの樹脂の場合、硬化物の硬度が不十分で、タック性を有するため埃が付着しやすかったり、配線に使用される金のワイヤーが振動により切れたり、また基板との密着性が不足して剥がれやすいなどの欠点が指摘されている。
そこで、硬化物の硬度や密着性を上げるため、硬くて密着性も高いシロキサン系材料として、シルセスキオキサン系樹脂が提案されており、特にエポキシ基を有するシルセスキオキサン系樹脂を用いた光半導体封止材が特許文献2に開示されている。しかし、特許文献2に開示されたシルセスキオキサン系樹脂をポッティング成型するために、溶剤を留去するとゲル化して、成型が困難となったり、膜厚が厚くなるとクラックや気泡を生じるなどするため、光半導体封止材としての実用に耐えうるものではなかった。また、エポキシ基を有するポリオルガノシロキサンの製造法として、Si−H結合を有するポリオルガノシロキサンにビニル基を有するエポキシ誘導体を白金、ロジウムあるいはルテニウム触媒を用いて付加させる方法が知られている(特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7および特許文献8参照)。しかし、Si−Hを有するポリオルガノシロキサンは水分に対し不安定で取扱が難しく原料が高価という問題がある。また、触媒が残存した場合に着色の原因になるという問題もある。
また、光半導体封止素子ははんだリフローや−40℃〜100℃のヒートサイクルに耐えることが必要であるが、封止樹脂の力学特性が弱いとクラックを生じて光出力が低下するという問題がある。
特開2003−82062号公報 特開昭62−106632号公報 特開平1−297421号公報 特開平2−067290号公報 特開平4−252228号公報 特開平4−352793号公報 特開平8−041168号公報 特開2000−103859号公報
本発明は上記実情に鑑みなされたもので、その課題は、ポッティング成型が可能であり、無色透明で耐久性に優れ、しかも、はんだリフローやヒートサイクルに対してクラックを生じにくい光半導体封止材を形成しうる光半導体用封止用組成物、その製造法、当該光半導体封止材および当該光半導体用封止材で封止された光半導体を提供することにある。
本発明の他の課題および利点は以下の説明から明らかとなろう。
本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、第1に、
(A)エポキシ当量が285〜420g/モルでありかつガラス転移温度が−80℃〜150℃であるポリスチレン換算重量平均分子量500〜1,000,000のエポキシ基を有するポリオルガノシロキサン(B)エポキシ当量が600g/モルを超えそして1,600g/モル以下でありかつガラス転移温度が−50℃以下であるポリスチレン換算重量平均分子量500〜1,000,000のエポキシ基を有するポリオルガノシロキサンおよび(C)メチルヘキサヒドロフタル酸無水物を含有し、ただし前記(A)成分および(B)成分のいずれもが2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランとジメチルジメトキシシランとを、有機溶媒、有機塩基および水の存在下に加熱して、加水分解・縮合させて得られるものであることを特徴とする光半導体封止用組成物よって達成される。
本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、第2に、
(A)エポキシ当量が285〜420g/モルでありかつガラス転移温度が−80℃〜150℃であるポリスチレン換算重量平均分子量500〜1,000,000のエポキシ基を有するポリオルガノシロキサン(B)エポキシ当量が600g/モルを超えそして1600g/モル以下でありかつガラス転移温度が−50℃以下であるポリスチレン換算重量平均分子量500〜1,000,000のエポキシ基を有するポリオルガノシロキサンおよび(C)メチルヘキサヒドロフタル酸無水物を混合し、ただし前記(A)成分および(B)成分のいずれもが2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランとジメチルジメトキシシランとを、有機溶媒、有機塩基および水の存在下に加熱して、加水分解・縮合させて得られるものであることを特徴とする光半導体封止用組成物の製造法によって達成される。
本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、第3に、
本発明の上記光半導体封止用組成物を加熱硬化させた硬化物からなる光半導体封止材によって達成される。
また、本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、第4に、
本発明の上記光半導体封止材により封止された光半導体によって達成される。
本発明の光半導体封止用組成物は、はんだリフローやヒートサイクル試験で生じるクラックや剥離を改善することができ、しかも無色透明でUV耐久性に優れた光半導体封止材を与えることができ、例えば500nm以下の領域に発光ピーク波長を有する青色LEDや白色LED等の封止に極めて好適に使用することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
ポリオルガノシロキサンおよびその製造方法
本発明のポリオルガノシロキサン(A)および(B)は、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(以下、「シラン化合物(1)」という。)とジメチルジメトキシシラン(以下、「シラン化合物(2)」という。)とを、有機溶媒、有機塩基および水の存在下に加熱して、加水分解・縮合させて得られるポリオルガノシロキサンである。
ポリオルガノシロキサン(A)および(B)は、シラン化合物(1)とシラン化合物(2)とを、有機溶媒、有機塩基および水の存在下に加熱して、加水分解・縮合させることにより製造することが好ましい。
前記有機溶媒としては、例えば、炭化水素、ケトン、エステル、エーテル、アルコール等を使用することができる。
前記炭化水素としては、例えば、トルエン、キシレン等;前記ケトンとしては、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルn−アミルケトン、ジエチルケトン、シクロヘキサノン等;前記エステルとしては、例えば、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−アミル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、乳酸エチル等;前記エーテルとしては、例えば、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等;前記アルコールとしては、例えば、1−ヘキサノール、4−メチル−2−ペンタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル等をそれぞれ挙げることができる。これらのうち、非水溶性のものが好ましい。 これらの有機溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
有機溶媒の使用量は、全シラン化合物100重量部に対して、好ましくは50〜10,000重量部、より好ましくは100〜5,000重量部である。
前記有機塩基としては、例えばエチルアミン、ジエチルアミンの如き1〜2級有機アミン;トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジンの如き3級の有機アミン;テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの如き4級の有機アミン等を挙げることができる。
これらの有機塩基のうち、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジンの如き3級の有機アミン;テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの如き4級の有機アミンが好ましい。
ポリオルガノシロキサン(A)、(B)を製造する際に、有機塩基を触媒として用いることにより、エポキシ基の開環などの副反応を生じることなく、高い加水分解・縮合速度で目的とするポリオルガノシロキサンを得ることができるため、生産安定性がよく、また良好な硬化性を示す組成物を得ることができる。
有機アミンの使用量は、有機アミンの種類、温度などの反応条件等により異なり、特に限定されないが、全シラン化合物に対して、好ましくは0.01〜3倍モル、より好ましくは0.05〜1倍モルである。なお、有機アミン以外の有機塩基を用いる場合の使用量も、ほぼ有機アミンに準じる量で十分である。
ポリオルガノシロキサンを製造する際の水の使用量は、全シラン化合物に対して、好ましくは0.5〜100倍モル、より好ましくは1〜30倍モルである。
ポリオルガノシロキサンを製造する際の加水分解・縮合反応は、シラン化合物(1)とシラン化合物(2)とを有機溶媒に溶解し、この溶液を有機塩基および水と混合して、例えば油浴などにより加熱することにより実施することができる。
加水分解・縮合反応時には、加熱温度を130℃以下、好ましくは40〜120℃として、0.5〜12時間程度、好ましくは1〜8時間程度加熱するのが望ましい。なお、加熱操作中は、混合液を撹拌してもよいし、還流下に放置してもよい。
反応終了後、反応液から有機溶媒層を分取して、通常、水で洗浄する。この洗浄に際しては、少量の塩を含む水、例えば0.2重量%程度の硝酸アンモニウム水溶液などで洗浄することにより、洗浄操作が容易になる。洗浄は洗浄後の水が中性になるまで行い、その後有機溶媒層を、必要に応じて無水硫酸カルシウム、モレキュラーシーブス等の乾燥剤で乾燥したのち、濃縮することにより、目的とするポリオルガノシロキサンを得ることができる。
このようにして得られるポリオルガノシロキサンは、残存する加水分解性基例えば、アルコキシル基等、やシラノール基が少ないため、溶剤で希釈しなくても室温で1ヶ月以上ゲル化することなく保存できる。また所望により、反応終了後に、残存するシラノール基をヘキサメチルジシラザン、トリメチルクロロシラン、t−ブチルジメチルクロロシラン、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド、N−(トリメチルシリル)アセトアミド、(N,N−ジメチルアミノ)トリメチルシラン、(ジエチルアミノ)トリメチルシラン、N−(トリメチルシリル)イミダゾール、トリメチルシリルジフェニル尿素、ビス(トリメチルシリル)尿素等によりトリメチルシリル化することによって、さらにシラノール基を減らすことができる。中でもヘキサメチルジシラザン、トリメチルクロロシラン、ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミドが好ましい。また、残存シラノールはオルトギ酸エチルによってエステル化してもよい。
シラノール基がトリメチルシリル化されているとリードフレームへの耐剥離性が向上する。シラノール同士の硬化収縮が抑えられることや吸水率の低下が起こるためと考えられる。
また、有機塩基および水の存在下における加水分解・縮合反応には、シラン化合物(1)等中のエポキシ基の開環反応や重合反応などの副反応を生起することがない利点がある。
ポリオルガノシロキサンのポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「Mw」という。)は、500〜1,000,000であり、好ましくは1,000〜100,000である。
(A)成分のポリオルガノシロキサンのエポキシ当量は285420g/モルでありかつガラス転移温度が−80℃〜150℃であることが好ましい。(B)成分のポリオルガノシロキサンはエポキシ量が600g/モルを超え1,600g/モル以下でありかつガラス転移温度が−50℃以下であることが好ましい。
ガラス転移温度はDSCで昇温速度20℃/分で測定することができる。
(A)成分と(B)成分の比率は、(A)成分100重量部に対して、好ましくは(B)成分が5〜120重量部、より好ましくは10〜100重量部である。(B)成分が5重量部未満でははんだリフローやヒートサイクル試験でクラックや剥離を生じやすくなり、120重量部を超えると硬化後の樹脂が柔らかすぎてタックを生じることがある。
ポリオルガノシロキサン(A)、(B)は、後述する各光半導体封止用組成物における主体成分として極めて好適に使用することができるほか、ダイボンド接着剤、単独でまたは一般のポリオルガノシロキサンと混合して、例えば、成型品、フィルム、ラミネート材、塗料等としても有用である。
−(C))メチルヘキサヒドロフタル酸無水物
光半導体封止用組成物は(C)メチルヘキサヒドロフタル酸無水物を含有する。この(C)成分は(A)ポリオルガノシロキサンと硬化反応を生起する成分(硬化剤)である
前記メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、下記式(3)で表される化合物である。
Figure 0004935972
光半導体封止用組成物において、(C)メチルヘキサヒドロフタル酸無水物の使用量は、(A)および(B)成分のポリオルガノシロキサン中のエポキシ基1モルに対するカルボン酸無水物基の当量比として、好ましくは0.3〜1.5、さらに好ましくは0.5〜1.3である。この場合、該当量比が0.3未満でも1.5を超えても、得られる硬化物のガラス転移点(Tg)の低下や着色等の不都合を生じるおそれがある。
さらに、光半導体封止用組成物においては、(C)メチルヘキサヒドロフタル酸無水物以外に、本発明の所期の効果を損なわない範囲で、エポキシ化合物やエポキシ樹脂に対する硬化剤として公知の成分(以下、「他の硬化剤」という。)、例えば、フェノール類、ジシアンジアミド類や、アジピン酸ヒドラジッド、フタル酸ヒドラジッド等の有機ヒドラジッド類等を1種以上併用することもできる。
他の硬化剤の使用割合は、(C)メチルヘキサヒドロフタル酸無水物に対して、好ましくは50重量%以下、より好ましくは30重量%以下である。
本発明の光半導体組成物は硬化速度を上げる目的で硬化促進剤を含んでいてもよい。このような硬化促進剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、
ベンジルジメチルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、シクロヘキシルジメチルアミン、トリエタノールアミンの如き3級アミン;
2−メチルイミダゾール、2−n−ヘプチルイミダゾール、2−n−ウンデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−メチルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−n−ウンデシルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジ(ヒドロキシメチル)イミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−フェニル−4,5−ジ〔(2’−シアノエトキシ)メチル〕イミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−n−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテート、1−(2−シアノエチル)−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテート、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾリウムトリメリテート、2,4−ジアミノ−6−〔2’−メチルイミダゾリル−(1’)〕エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−(2’−n−ウンデシルイミダゾリル)エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−〔2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1')〕エチル−s−トリアジン、2−メチルイミダゾールのイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾールのイソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−〔2’−メチルイミダゾリル−(1')〕エチル−s−トリアジンのイソシアヌル酸付加物の如きイミダゾール類;
ジフェニルフォスフィン、トリフェニルフォスフィン、亜リン酸トリフェニルの如き有機リン化合物;
ベンジルトリフェニルフォスフォニウムクロライド、テトラ−n−ブチルフォスフォニウムブロマイド、メチルトリフェニルフォスフォニウムブロマイド、エチルトリフェニルフォスフォニウムブロマイド、n−ブチルトリフェニルフォスフォニウムブロマイド、テトラフェニルフォスフォニウムブロマイド、エチルトリフェニルフォスフォニウムヨーダイド、エチルトリフェニルフォスフォニウムアセテート、テトラブチルホスフォニウムアセテート、テトラ−n−ブチルフォスフォニウムo,o−ジエチルフォスフォロジチオネート、メチルトリブチルホスフォニウムジメチルホシフェート、テトラ−n−ブチルフォスフォニウムベンゾトリアゾレート、テトラ−n−ブチルフォスフォニウムテトラフルオロボレート、テトラ−n−ブチルフォスフォニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルフォスフォニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルベンジルホスフォニウムテトラフェニルボレート、テトラ−n−ブチルホスフォニウムテトラフルオロボレートの如き4級フォスフォニウム塩;
1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7やその有機酸塩の如きジアザビシクロアルケン;
オクチル酸亜鉛、オクチル酸錫、アルミニウムアセチルアセトン錯体の如き有機金属化合物;
テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド、下記式(20)
Figure 0004935972
の如き4級アンモニウム塩;
三フッ化ホウ素、ホウ酸トリフェニルの如きホウ素化合物;塩化亜鉛、塩化第二錫の如き金属ハロゲン化合物、
ジシアンジアミドやアミンとエポキシ樹脂との付加物等のアミン付加型促進剤等の高融点分散型潜在性硬化促進剤;前記イミダゾール類、有機リン化合物や4級フォスフォニウム塩等の硬化促進剤の表面をポリマーで被覆したマイクロカプセル型潜在性硬化促進剤;アミン塩型潜在性硬化剤促進剤;ルイス酸塩、ブレンステッド酸塩等の高温解離型の熱カチオン重合型潜在性硬化促進剤等の潜在性硬化促進剤
等を挙げることができる。
これらの硬化促進剤のうち、イミダゾール類、4級フォスフォニウム塩、ジアザビシクロアルケン、有機金属化合物および4級アンモニウム塩が、無色透明で長時間加熱しても変色し難い硬化物が得られる点で好ましい。
前記硬化促進剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
光半導体封止用組成物において、硬化促進剤の使用量は、(A)および(B)成分のポリオルガノシロキサン100重量部に対して、好ましくは0〜6重量部、さらに好ましくは0〜4重量部である。硬化促進剤の使用量が6重量部を超えると、得られる硬化物に着色などの不都合を生じるおそれがある。
−他の添加剤−
本発明の光半導体封止用組成物には、UV耐久性の改善、粘度の調整等の目的で、必要に応じて、無機酸化物粒子を配合することもできる。
前記無機酸化物粒子としては、特に限定されるものではないが、例えば、Si、Al、Zr、Ti、Zn、Ge、In、Sn、SbおよびCeの群から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する酸化物からなる粒子を挙げることができ、より具体的には、シリカ、アルミナ、ジルコニア、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ゲルマニウム、酸化インジウム、酸化スズ、インジウム−スズ酸化物(ITO)、酸化アンチモン、アンチモン−スズ酸化物(ATO)、酸化セリウム等の粒子を挙げることができる。
これらの無機酸化物粒子のうち、シリカ、アルミナ、ジルコニア、酸化アンチモン等の微粒子が好ましい。
また、前記無機酸化物粒子は、アルキル化、ポリシロキシル化、(メタ)アクリロキシアルキル化、グリコキシアルキル化、アミノアルキル化等の適宜の表面処理して使用することもできる。
前記無機酸化物粒子は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
さらに必要に応じて、無機酸化物粒子と共に、例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、高分子分散剤等の分散剤を1種以上併用することができる。
無機酸化物粒子の一次平均粒径は、好ましくは100nm以下、より好ましくは1〜80nmである。この場合、無機酸化物粒子の一次平均粒径が100nmを超えると、得られる硬化物の透明性が損なわれるおそれがある。
無機酸化物粒子の使用量は、(A)および(B)成分のポリオルガノシロキサン100重量部に対して、好ましくは90重量部以下、さらに好ましくは80重量部以下である。無機酸化物粒子の使用量が90重量部を超えると、組成物が増粘して、加工が困難になるおそれがある。
前記無機酸化物粒子は、場合により、適当な溶媒に分散した分散液として使用することもできる。
前記溶媒としては、本発明の光半導体封止用組成物を構成する各成分および硬化反応に対して不活性で、適度の揮発性を有する限り特に限定されるものではないが、例えば、
メタノール、エタノール、i−プロパノール、n−ブタノール、n−オクタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピルグリコールモノメチルエーテル、プロピルグリコールモノエチルエーテルの如きアルコール;
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンの如きケトン;
酢酸エチル、酢酸n−ブチル、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトンの如きエステルまたはラクトン;
ベンゼン、トルエン、キシレンの如き芳香族炭化水素;
ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンの如きアミドまたはラクタム
等を挙げることができる。
これらの溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
無機酸化物粒子の分散液の固形分濃度は、好ましくは1〜60重量%、より好ましくは5〜50重量%である。
無機酸化物粒子やその分散液は市販されており、これらの市販品を使用することもできる。
無機酸化物粒子やその分散液の市販品(商品名)としては、例えば、シリカ粒子の分散液として、メタノールシリカゾル、IPA−ST、MEK−ST、NBA−ST、XBA−ST、DMAC−ST、ST−UP、ST−OUP、ST−C、ST−N、ST−O、ST−OL、ST−20、ST−40、ST−50(以上、日産化学工業(株)製);オルガノゾルPL−2PGME(プロピレングリコールモノメチルエーテル分散液、扶桑化学工業(株)製)等を、シリカ粒子として、アエロジル130、アエロジル300、アエロジル380、アエロジルTT600、アエロジルOX50(以上、日本アエロジル(株)製);シルデックスH31、シルデックスH32、シルデックスH51、シルデックスH52、シルデックスH121、シルデックスH122(以上、旭硝子(株)製);E220A、E220(以上、日本シリカ工業(株)製);SYLYSIA470(富士シリシア(株)製)、SGフレーク(日本板硝子(株)製)等を、アルミナ粒子の分散液として、アルミナゾル−100、アルミナゾル−200、アルミナゾル−520(以上、いずれも水分散液、日産化学工業(株)製);AS−1501(i−プロパノール分散液、住友大阪セメント(株)製);AS−150T(トルエン分散液、住友大阪セメント(株)製)等を、ジルコニア粒子の分散液として、HXU−110JC(トルエン分散液、住友大阪セメント(株)製)等を、アンチモン酸亜鉛粒子の分散液として、セルナックス(水分散液、日産化学工業(株)製)等を、酸化セリウム粒子の分散液として、ニードラール(水分散液、多木化学(株)製)等を、それぞれ挙げることができる。
また、本発明の光半導体封止用組成物には、着色を抑えるために、必要に応じて、酸化防止剤、光安定剤や紫外線吸収剤を配合することもできる。
前記酸化防止剤としては、商品名で、例えば、SumilizerBHT、SumilizerGM、SumilizerGS、SumilizerMDP−S、SumilizerBBM−S、SumilizerWX−R、SumilizerGA−80、SumilizerTPL−R、SumilizerTPM、SumilizerTPS、SumilizerTP−D(以上、住友化学工業(株)製);Irganox1076、Irganox565、Irganox1520、Irganox245、Irganox1010、Irganox1098、Irganox1330、Irganox1425、Irganox3114、IrganoxMD−1024(以上、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製);Cyanox1790(Cytec社製);TNP(四日市合成(株)製);Weston618(Vorg Warner社製);Irgafos168(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製);AdekastabPEP−36、AdekastabHP−10(以上、旭電化工業(株)製)や、SandstabP−EPQ、Ultranox626等を挙げることができる。
前記光安定剤としては、商品名で、例えば、Viosorb04(共同薬品(株)製);Tinuvin622、Tinuvin765(以上、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製);CyasorbUV−3346(Cytec社製);AdekastabLA−57(旭電化工業(株)製)や、Chimassorb119、Chimassorb944等を挙げることができる。
前記紫外線吸収剤としては、商品名で、例えば、Viosorb80、Viosorb110、Viosorb130、Viosorb520、Viosorb583、Viosorb590(以上、共同薬品(株)製);TinuvinP、Tinuvin213、Tinuvin234、Tinuvin320、Tinuvin326、Tinuvin328(以上、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製);AdekastabLA−31(旭電化工業(株)製)等を挙げることができる。
さらに、本発明の光半導体封止用組成物には、必要に応じて、本発明の所期の効果を損なわない範囲で、脂環式エポキシ化合物、芳香族エポキシ化合物、エチレングリコールやプロピレングリコール等の脂肪族ポリオール、脂肪族または芳香族のカルボン酸、フェノール化合物等の炭酸ガス発生防止剤;ポリアルキレングリコール類、ポリジメチルシロキサン誘導体等の可とう性付与剤;各種のゴムや有機ポリマービーズ等の耐衝撃性改良剤のほか、可塑剤、滑剤、他のシランカップリング剤、難燃剤、帯電防止剤、レベリング剤、イオントラップ剤、摺動性改良剤、遥変性付与剤、表面張力低下剤、消泡剤、沈降防止剤、抗酸化剤、離型剤、蛍光剤、着色剤、導電性充填剤等の前記以外の添加剤を配合してもよい。
脂環式エポキシ化合物としては、例えば
Figure 0004935972
などを挙げることができる。(21)はHBE100(新日本理化(株))、YX8000(ジャパンエポキシレジン(株))、(22)はYL7040,(23)はYL6753,(24)はYED216D(以上、ジャパンエポキシレジン(株))、(25)はCE2021(ダイセル化学工業(株))、(26)はLS7970(信越化学(株))、(28)はSR−HHPA(阪本薬品工業(株))、(29)はテピック(日産化学工業(株))として入手することができる。また、CE2080,CE3000,CE2000,エポリードGT300,エポリードGT400,EHPE3150(以上、ダイセル化学工業(株))、YL7170,YL8034(以上、ジャパンエポキシレジン(株))、W−100(新日本理化(株))なども用いることができる。中でも(21)、(23)、(25)、(28)、(29)が好ましく、(28)が特に好ましい。
脂環式エポキシ化合物の添加量は、(A)成分100重量部に対し、好ましくは1〜120重量部、より好ましくは10〜50重量部である。下限未満ではリードフレームとの密着性が十分ではなく、上限を超えると耐久性が十分でなくなることがある。
また、リードフレームとの密着性を上げる目的で密着助剤を添加することもできる。β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ドデカンジチオール、式(34)、(35)の化合物。
Figure 0004935972
また、式(36)、(37)のようなチタネート系密着助剤を使用することもできる。
Figure 0004935972
これらの中でもβ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ドデカンジチオール、式(34)、(35)の化合物が好ましい。
密着助剤の添加量は好ましくは(A)および(B)成分100重量部に対し0.01〜30重量部、より好ましくは0.1〜20重量部である。
クラックやリードフレームとの剥離を防ぐ目的で応力緩和剤を添加することもできる。
エポキシ変性シリコーンとして例えばKF−105,X−22−163A,X−22−163B,X−22−163C、KF−1001、KF−101、X−22−2000、X−22−169AS、X−22−169B、KF−102(以上信越化学工業(株))、SF8421(東レダウ)、カルボキシル基変性シリコーンとしてX−22−162C、X−22−3701E、X−22−3710(以上信越化学工業(株))、メルカプト変性X−22−167B、KF−2001、KF−2004(以上信越化学工業(株))、両末端カルボキシ変性水添ポリブタジエンとしてCI1000(日本曹達(株))、両末端ヒドロキシ変性ポリブタジエンとしてGI2000、GI3000(以上、日本曹達(株)製)を挙げることができる。
また、樹脂の表面張力を調節する目的で界面活性剤を添加することもできる。
具体的にはF−474、F−479(以上、大日本インキ化学工業(株))、FC−4430、FC−4432(以上、住友スリーエム(株))、KP323、KP341(以上、信越化学工業(株))、PAINTAD32、PAINTAD54、DK8−8011(東レダウ)、エマルゲン104P、エマルゲン109P、エマルゲン123、レオドール8Pを挙げることができる。
光半導体封止用組成物の調製方法は、特に限定されるものではなく、従来公知の方法により各成分を混合して調製することができるが、光半導体封止用組成物の好ましい調製方法としては、シラン化合物(1)等とシラン化合物(2)等とを、前記した要領で加水分解・縮合させることにより得られた(A)成分と(B)成分のポリオルガノシロキサンを、必要に応じ、(C)カルボン酸無水物または多価カルボン酸と混合する方法を挙げることができる。
なお、光半導体封止用組成物は、(C)成分を含有するとき、(A)成分と(B)成分を主成分とするポリオルガノシロキサン液と(C)成分を主成分とする硬化剤液とを別々に調製しておき、使用時に両者を混合して調製してもよい。
光半導体封止材
本発明の光半導体封止材は、光半導体封止用組成物を加熱硬化させた硬化物からなる。
本発明の光半導体封止材を形成する際には、光半導体層を有する基板の所定箇所に、各光半導体封止用組成物を、例えば、塗布、ポッティング、含浸等により施工したのち、加熱して硬化させる。
各光半導体封止用組成物の施工方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、ディスペンサーによる塗布またはポッティング、真空下または常圧下におけるスクリーン印刷による塗布、反応射出成型等の公知の方法を採用することができる。
また、施工後の各光半導体封止用組成物を硬化させる方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、密閉式硬化炉、連続硬化が可能なトンネル炉等の従来公知の硬化装置を用いることができる。
硬化させるための加熱方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、熱風循環式加熱、赤外線加熱、高周波加熱等の従来公知の方法を採用することができる。
硬化条件は、例えば、80〜250℃で30秒〜15時間程度が好ましい。硬化に際して、硬化物の内部応力を低減させることを目的とする場合は、例えば80〜120℃で0.5〜5時間程度の条件で予備硬化させたのち、例えば120〜180℃で0.1〜15時間程度の条件で後硬化させることが好ましく、また短時間硬化を目的とする場合は、例えば150〜250℃で30秒〜30分程度の条件で硬化させることが好ましい。
光半導体
本発明の光半導体は、本発明の光半導体封止材により封止された光半導体からなる。
本発明の光半導体における光半導体封止材の膜厚は、好ましくは0.05mm以上、より好ましくは0.1mm以上である。なお、光半導体封止材の厚さの上限値は、封止される光半導体の用途等に応じて適宜選定される。
本発明の光半導体封止用組成物は、ポッティング成型が可能であり、かつ膜厚が厚くても硬化物にクラックや気泡を生じることがなく、しかも無色透明でUV耐久性に優れた光半導体封止材を形成することができ、例えば500nm以下の領域に発光ピーク波長を有する青色LEDや白色LED等の封止に極めて好適に使用することができる。また、優れたUV耐久性を有するため光半導体のボンディング材として使用することもできる。
以下に実施例を示して、本発明の実施の形態をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
各合成例で得た(A)ポリオルガノシロキサンの粘度、Mwおよびエポキシ当量の測定方法は、下記のとおりである。
粘度の測定方法:
TV型粘度計により、25℃で測定した。
Mwの測定方法:
カラム:東ソー(株)製TSKgelGRCXLII、溶剤:テトラヒドロフラン、温度:40℃および圧力:68kgf/cmの条件で測定した。
エポキシ当量の測定方法:
−ヨウ化カリウム水溶液−
低ヨウ素酸塩含量(0.003重量%以下)のヨウ化カリウム3.0gを蒸留水5.0gに溶解して調製した。
−エポキシ基の滴定法−
還流器とビューレットを取り付けた2岐管を介してジムロート冷却管を装着した125ミリリットルの三角フラスコに、各試料(ポリオルガノシロキサン)1.0〜1.5gを入れて、熱板付マグネチックスターラー上で攪拌しながら還流させ、試料が溶解した時点で直ちに、指示薬20滴とヨウ化カリウム水溶液を加えた。その後、再び還流させたのち、1N塩酸で終点になるまで滴定した。この終点は、1N塩酸を1滴加えたとき、溶液が青色から黄色に変わり、その黄色が1分以上持続する点である。
−エポキシ当量の算出法−
試料重量をW(g)、滴下した1N塩酸の量をV(ミリリットル)としたとき、下記式により、エポキシ当量を算出した。
エポキシ当量=1000×W/V
ガラス転移温度測定法:DSC(TA Instruments社製)装置を用い、−100〜50℃まで窒素雰囲気下で10℃/分の昇温速度で測定した。
合成例1
撹拌機、温度計、滴下漏斗、還流冷却管を備えた反応容器に、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(ECETS)60.0g、ジメチルジメトキシシラン(DMDS)40.0g、メチルイソブチルケトン(MIBK)500g、トリエチルアミン10.0gを加え、室温で混合した。次いで、脱イオン水100gを滴下漏斗より30分かけて滴下したのち、還流下で混合しつつ、80℃で6時間反応させた。反応終了後、有機層を取り出し、0.2重量%硝酸アンモニウム水溶液で、洗浄後の水が中性になるまで洗浄したのち、減圧下で溶媒および水を留去して、(A)ポリオルガノシロキサンを粘調な透明液体として得た。
このポリオルガノシロキサンについて、H−NMR分析を行なったところ、化学シフト(δ)=3.2ppm付近にエポキシ基に基づくピークが理論強度どおりに得られ、反応中にエポキシ基の副反応が起こっていないことが確認された。
このポリオルガノシロキサンの粘度、Mwおよびエポキシ当量を表1に示す。
合成例2〜4
仕込み原料を表1に示すとおりとした以外は、合成例1と同様にして、各(A)ポリオルガノシロキサンを粘調な透明液体として得た。
各ポリオルガノシロキサンの粘度、Mwおよびエポキシ当量を表1に示す。
Figure 0004935972
光半導体封止用組成物の成型治具と硬化条件、並びに硬化物の外観、UV耐久性および硬度の評価要領は、下記のとおりである。
成型治具:
ポリエチレンテレフタレートフィルムを表面に貼り付けたガラス板2枚を対向させ、ガラス板の端部に直径2mmのシリコンゴムロッドをU字状にして挟み込んで、成型治具とした。
硬化条件:
前記成型治具に光半導体封止用組成物を注入し、120℃のオーブンで2時間、140℃のオーブンで2時間加熱して硬化させた。
UV耐久性の評価要領:
硬化物に対して、紫外線ロングライフフェードメーター(スガ試験機(株)製)を用い、紫外線(UV)を63℃で2週間連続照射して、照射前後における波長470nmでの透過率を分光光度計にて測定した。
耐熱性:
硬化物の初期および150℃のオーブンに120時間放置した後の470nmでの透過率を測定した。
クラック・剥離の評価要領:
半導体封止用組成物をリードフレームに注入し、120℃で2時間、140℃で2時間硬化させたサンプルを10個作成した。このサンプルを−50〜100℃のヒートサイクル200回繰り返した後に顕微鏡にてクラック・剥離を観察した。
クラック・剥離があるサンプルが10個中5個以下・・・○
クラック・剥離があるサンプルが10個中6個以上・・・×
実施例1
表2に示す各成分を用いた。すなわち(A)成分として、合成例1で得た(A)ポリオルガノシロキサン8.0g、(B)成分として合成例4で得たポリオルガノシロキサン2.0g、酸無水物硬化剤としてメチルヘキサヒドロフタル酸無水物(前記式(3)参照。商品名MH700、新日本理化(株)製)4.7g、硬化促進剤としてテトラ−n−ブチルフォスフォニウムO,O−ジエチルフォスフォロジチオネート0.05g(商品名ヒシコーリンPX−4ET、日本化学工業(株)製)を加えて、均一に混合し、脱泡したのち、成型冶具に注入して硬化させることにより、無着色透明な硬化物を得た。この硬化物の評価結果を表3に示す。
実施例2〜3、比較例1
表2に示す各成分を用いた以外は実施例1と同様にして、硬化物を得た。各硬化物の評価結果を表3に示す。
表2における前記以外の成分の内容は、下記のとおりである。
PX−4ET:テトラ−n−ブチルフォスフォニウムO,O−ジエチルフォスフォロジチオネート(商品名ヒシコーリンPX−4ET、日本化学工業(株)製)。
実施例に示すように(B)成分のポリシロキサンを添加したものはUV耐久性および耐熱性を維持しつつクラック・剥離を改善することができる。
Figure 0004935972
Figure 0004935972

Claims (4)

  1. (A)エポキシ当量が285〜420g/モルでありかつガラス転移温度が−80℃〜150℃であるポリスチレン換算重量平均分子量500〜1,000,000のエポキシ基を有するポリオルガノシロキサン(B)エポキシ当量が600g/モルを超えそして1600g/モル以下でありかつガラス転移温度が−50℃以下であるポリスチレン換算重量平均分子量500〜1,000,000のエポキシ基を有するポリオルガノシロキサンおよび(C)メチルヘキサヒドロフタル酸無水物を含有し、ただし前記(A)成分および(B)成分のいずれもが2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランとジメチルジメトキシシランとを、有機溶媒、有機塩基および水の存在下に加熱して、加水分解・縮合させて得られるものであることを特徴とする光半導体封止用組成物。
  2. (A)エポキシ当量が285〜420g/モルでありかつガラス転移温度が−80℃〜150℃であるポリスチレン換算重量平均分子量500〜1,000,000のエポキシ基を有するポリオルガノシロキサン(B)エポキシ当量が600g/モルを超えそして1600g/モル以下でありかつガラス転移温度が−50℃以下であるポリスチレン換算重量平均分子量500〜1,000,000のエポキシ基を有するポリオルガノシロキサンおよび(C)メチルヘキサヒドロフタル酸無水物を混合し、ただし前記(A)成分および(B)成分のいずれもが2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランとジメチルジメトキシシランとを、有機溶媒、有機塩基および水の存在下に加熱して、加水分解・縮合させて得られるものであることを特徴とする光半導体封止用組成物の製造法。
  3. 請求項1に記載の光半導体封止用組成物を加熱硬化させた硬化物からなる光半導体封止材。
  4. 請求項に記載の光半導体封止材により封止された光半導体。
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