JP4935299B2 - ゴルフスウィング評価方法およびゴルフスウィング評価装置 - Google Patents

ゴルフスウィング評価方法およびゴルフスウィング評価装置 Download PDF

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Description

本発明は、ゴルフクラブを把持して行なうゴルフスウィングにおけるゴルフクラブの挙動を解析して、そのゴルフスウィングの特性、特にインパクト状態におけるゴルフクラブシャフトの姿勢、ひいては、インパクト状態におけるゴルフクラブヘッドのフェース面のロフト角の大きさ等に影響する、ゴルフスウィングにおけるハンドファーストの程度を評価する方法および装置に関する。
従来から、ゴルフクラブを把持して行なうゴルフスウィングにおけるゴルフクラブの挙動を解析して、そのゴルフスウィングの特性を評価するための方法や装置が、種々提案されている。ゴルフスウィングにおけるゴルフクラブの挙動のなかでも、インパクト状態における、地面と垂直な方向とゴルフクラブシャフトの角度は、インパクトの際のゴルフクラブヘッドのロフト角に影響し、このフェース面と衝突して打ち出されるゴルフボールの打ち出し角や、打ち出されたゴルフボールにかかるスピン量、ひいては、打ち出されたゴルフボールの弾道に大きく影響する。加えて、このようなインパクト状態における、地面と垂直な方向とゴルフクラブシャフトの角度は、ゴルフスウィングにおけるハンドファーストの程度を良く表している。このような、インパクト状態における、地面と垂直な方向とゴルフクラブシャフトの角度を計測することは、ゴルフスウィングを評価するうえで重要であるといえる。
しかし、インパクト状態においては、ゴルフクラブシャフトの移動速度は著しく高いため、このようなゴルフクラブシャフトの角度を肉眼で確認したり、比較的安価なカメラなどを用いて撮影することも難しかった。このため、一般のゴルファは、自分のゴルフスウィングでは、地面と垂直な方向とゴルフクラブシャフトの角度がどれほどか、ひいては、ゴルフスウィングにおけるハンドファーストの程度がどれほどか、正確に知ることはできなかった。
従来から、このような、インパクト状態における、地面と垂直な方向とゴルフクラブシャフトの角度を計測する方法や装置が、種々提案されている。例えば、下記特許文献1には、磁気センサを用いて、ゴルフスウィングにおけるゴルフクラブグリップ部の、時系列の3次元位置情報や3次元方向情報を取得することで、ゴルフスウィングにおけるゴルフクラブシャフトの挙動を計測する方法および装置が記載されている。また、下記特許文献2には、高速度カメラを用いて、インパクト状態におけるゴルフクラブシャフトの挙動を撮影することで、インパクト状態におけるゴルフクラブシャフトの方向などの情報を取得することができる方法および装置が記載されている。
特開2001−112903号公報 特開2005−218783号公報
しかし、上記各引用文献に記載の、インパクト状態における、地面と垂直な方向とゴルフクラブシャフトの角度を計測するための装置は、非常に大掛かりな装置が必要であって、評価に必要な装置自体の価格も高く、評価にかかる費用も比較的大きかった。本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、簡単かつ客観的に、個々のゴルファのゴルフスウィングでの、インパクト状態における、地面と垂直な方向とゴルフクラブシャフトの角度を計測して、ゴルフスウィングの特徴について評価することができる、ゴルフクラブの評価方法および装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、水平面上に立つゴルファがゴルフクラブを把持して行なうゴルフスウィングについて、ゴルフボールを打撃する直前であるインパクト状態での前記ゴルフクラブの挙動を解析して、そのゴルフスウィングの特性を評価する方法であって、アドレス状態で構える前記ゴルファと対峙する側から見た投影面上で、前記ゴルフクラブのゴルフクラブシャフト軸に沿って設定された複数の測定点それぞれが、前記投影面上に予め設定された通過基準線を通過するタイミングをそれぞれ検知する通過タイミング検知ステップと、前記通過タイミング検知ステップで検知した前記測定点それぞれの前記通過するタイミングの情報と、前記インパクト状態における前記ゴルフクラブの移動速度情報とに基づいて、前記インパクト状態での前記ゴルフクラブシャフトの姿勢を表す評価値を算出して出力する評価ステップと、を有し、前記通過基準線は、前記インパクト状態で前記ゴルフクラブのゴルフクラブシャフトが通過する範囲に、前記水平面と略垂直な方向に設定されていることを特徴とするゴルフスウィング評価方法を提供する。
本発明は、また、水平面上に立つゴルファがゴルフクラブを把持して行なうゴルフスウィングについて、ゴルフボールを打撃する直前であるインパクト状態での前記ゴルフクラブの挙動を解析して、そのゴルフスウィングの特性を評価する装置であって、アドレス状態で構える前記ゴルファと対峙する側から見た投影面上で、前記ゴルフクラブのゴルフクラブシャフト軸に沿って設定された複数の測定点それぞれが、前記投影面上に予め設定された通過基準線を通過するタイミングをそれぞれ検知する通過タイミング検知手段と、前記通過タイミング検知ステップで検知した前記測定点それぞれの前記通過するタイミングの情報と、前記インパクト状態における前記ゴルフクラブの移動速度情報とに基づいて、前記インパクト状態での前記ゴルフクラブシャフトの姿勢を表す評価値を算出して出力する評価手段と、を有し、前記通過基準線は、前記インパクト状態で前記ゴルフクラブのゴルフクラブシャフトが通過する範囲に、前記水平面と略垂直な方向に設定されていることを特徴とするゴルフスウィング評価装置を、併せて提供する。
なお本明細書において、ゴルフスウィングでのインパクト状態とは、ゴルフスウィングにおけるゴルフボールの設置位置(実際にゴルフボールを設置していない場合の、仮想的な設置位置も含む)から、ゴルフクラブによるゴルフボールの打撃方向と反対の方向に、例えば200mm以内の範囲にゴルフクラブヘッドが位置している状態をいう。また、ゴルフスウィングでのインパクト状態とは、評価対象のゴルフスウィングにおける、ゴルフクラブヘッドによってゴルフボールを打撃する瞬間を含む、この打撃する瞬間を基準とした、例えば前後5.0(ms)以内の時間範囲のことであってもよい。すなわち、インパクト状態でゴルフクラブヘッドが通過する範囲とは、ゴルフスウィングにおけるゴルフボールの設置位置(実際にゴルフボールを設置していない場合の、仮想的な設置位置も含む)から、ゴルフクラブヘッドによるゴルフボールの打撃方向と反対の方向に、例えば200mm以内の範囲のことをいう。または、ゴルフクラブヘッドによってゴルフボールを打撃する瞬間を含む、この打撃する瞬間を基準とした、例えば前後5.0(ms)以内の時間範囲に、ゴルフクラブヘッドが位置している範囲のことをいう。
なお、前記評価手段は、前記通過タイミング検知手段において検知した、前記通過基準線を通過する前記複数の測定点それぞれの前記通過するタイミング同士の時間差と、前記インパクト状態における前記ゴルフクラブの移動速度の情報と、を乗算することで、前記通過基準線を通過する際の、前記複数の測定点間の、前記通過基準線と垂直方向の距離を導出し、導出した前記垂直方向の距離と、前記複数の測定点の間の前記ゴルフクラブシャフト軸に沿った距離の情報とを用いて、前記インパクト状態における前記ゴルフクラブシャフトの姿勢を表す評価値を算出して出力することが好ましい。
また、前記測定点は、前記ゴルフクラブのゴルフクラブシャフト軸に沿って2箇所設定されており、前記垂直方向の距離の大きさをF、2箇所の前記測定点の間の前記ゴルフクラブシャフト軸に沿った距離の大きさをLとしたとき、前記評価手段は、前記評価値として、前記通過基準線を通過する際の、前記ゴルフクラブシャフトの長さ方向と前記通過基準線とのなす角度αを、下記式(1)を用いて導出することが好ましい。
α=sin−1(F/L)・・・(1)
また、前記通過基準線は、前記インパクト状態で前記ゴルフクラブが通過する範囲に複数設定されており、前記通過タイミング検知手段は、複数の前記通過基準線それぞれにおける、複数の前記測定点それぞれが通過するタイミングを検知し、前記評価手段は、前記通過タイミング検知手段において検知された、複数の前記測定点のうちいずれか1つの、複数の前記通過基準線それぞれの前記通過するタイミング同士の時間差と、複数の前記通過基準線間の前記水平面と平行方向の距離とに基き、前記1つの測定点の移動速度を導出し、導出した前記1つの測定点の前記移動速度を、前記インパクト状態における前記ゴルフクラブの移動速度情報として用い、前記評価値を算出することが好ましい。
また、前記ゴルフスウィングは、前記ゴルフクラブシャフトの複数の前記測定点それぞれに反射マーカが設けられたゴルフクラブを把持して行い、前記通過タイミング検知手段は、投射光を出射するための光源と、前記光源からの投射光を前記通過基準線に対応する測定領域に向けて投射する投射部と、複数の前記反射マーカからの、前記測定領域における前記投射光の反射光をそれぞれ検知することで、複数の前記測定点それぞれについて、前記通過基準線を通過するタイミングをそれぞれ検知するラインセンサと、を有して構成されていることが好ましい。
また、前記通過基準線は、前記インパクト状態で前記ゴルフクラブが通過する範囲に複数設定されており、前記通過タイミング検知手段の前記投射部が、各通過基準線に対応する測定領域それぞれに向けて前記投射光を投射し、前記通過タイミング検知手段の前記ラインセンサが、それぞれ異なる複数の前記測定領域それぞれにおける、前記投射光の反射光をそれぞれ検知することで、複数の前記測定点それぞれにおける、複数の前記測定点それぞれが通過するタイミングを検知し、前記評価手段は、前記通過タイミング検知手段において検知された、複数の前記測定点のうちいずれか1つの、複数の前記通過基準線それぞれの前記通過するタイミング同士の時間差と、複数の前記通過基準線間の地面と平行方向の距離とに基き、前記1つの測定点の移動速度を導出し、導出した前記1つの測定点の前記移動速度を、前記インパクト状態における前記ゴルフクラブの移動速度情報として用い、前記評価値を算出することが好ましい。
また。前記反射マーカは、テープ状に形成されて前記ゴルフクラブシャフトに貼付された再帰反射性の反射体であり、前記投射光を、前記光源から前記通過基準線へと至る光路の逆光路に反射することが好ましい。
本発明は、ゴルフクラブ上の複数の所定位置それぞれについて、ゴルファの立つ地面に鉛直な通過基準線の通過タイミングをそれぞれ検知し、このような複数の所定位置それぞれの通過タイミングの情報に基いて、ゴルフスウィングにおけるゴルフクラブシャフトの姿勢を導出している。本発明のゴルフスウィングの評価方法および装置では、ゴルフスウィングにおけるハンドファーストの程度といった、一般のゴルファが自ら評価することができなかった、個々のゴルファのゴルフスウィングそれぞれにおけるゴルフクラブシャフトの姿勢について、簡単かつ低コストに、客観的に評価することができる。
本発明に係るゴルフスウィング評価方法およびゴルフスウィング評価装置について、以下詳細に説明する。図1は、本発明のゴルフスウィング評価装置の一例である評価装置10の概略を示す構成図であり、評価装置10を用い、ゴルファ12が行なうゴルフスウィングを評価する状態について示している。評価装置10は、地面(水平面)上に立つゴルファ12がゴルフクラブ14を把持して行なうゴルフスウィングについて、インパクト状態におけるゴルフクラブ14の姿勢を解析し、ゴルフスウィングにおけるハンドファーストの程度を評価する。評価装置10は、スウィング測定・データ処理ユニット20(以降、単にユニット20とする)と、コンピュータ30とを有して構成されている。
ゴルファ12が把持するゴルフクラブ14は、例えば、長さ1066〜1219mm(約42〜約48インチ)、振動数3.3〜5.0Hz(200〜300cpm)、質量280〜320gの範囲内にある、標準的仕様の所定のゴルフクラブである。ゴルフクラブ14のゴルフクラブシャフト15には、ゴルフクラブ上の2箇所の測定点それぞれに、後述する反射マーカ16aおよび16bが各々設けられている。
図2(a)および(b)は、ゴルフスウィングのインパクト状態におけるゴルフクラブの挙動について説明する概略側面図であり、アドレス状態で構えるゴルファ12と対峙する方向から見た投影面に対応している。図2(a)および(b)それぞれは、インパクト状態におけるゴルフクラブの姿勢がそれぞれ異なる、2つのゴルフスウィングそれぞれでのゴルフクラブ14の挙動を示している。
評価装置10では、このような投影面おいて、地面と略垂直方向に延在した通過基準線(第1通過基準線17sおよび第2通過基準線19s)が、インパクト状態でゴルフクラブ14が通過する範囲(インパクト範囲)内に予め設定されている。具体的には、ゴルファ12が立つ地面(水平面)に垂直で、それぞれ平行な2つの平面が予め設定されている。そして、ゴルファ12は、ゴルフクラブヘッド18が、インパクト状態においてこの2つの平面を通過するように構えて、ゴルフスウィングを行なう。各通過基準線(第1通過基準線17sおよび第2通過基準線19s)は、この2つの平面と、ゴルファ12が行なうゴルフスウィングのスウィング面との交線に対応している。このような通過基準線は、ユニット20から投射される後述する投射光と、後述するラインセンサ50の受光面によって規定されている。なお、スウィング面とは、ゴルフスウィングにおけるゴルフクラブシャフトの軌跡と略一致する面のことである(すなわち、ゴルフスウィングにおいて、ゴルフクラブシャフトは、このようなスウィング面に沿って移動する)。
図2(a)に示すゴルフスウィングでは、ゴルフクラブシャフト15の長さ方向と、地面と略垂直な第1通過基準線17sとのなす角αがある程度の大きさを保っていた状態が、ゴルフボールを打撃する直前において、ゴルフクラブシャフトの長さ方向が地面と略垂直になっている(ゴルフクラブシャフトの長さ方向と第2通過基準線19sとのなす角αが比較的小さくなっている)。これに対し、図2(b)に示すゴルフスウィングでは、ゴルフボールを打撃する直前においても、ゴルフクラブシャフト15の長さ方向と、地面と略垂直な第2通過基準線19sとのなす角が、比較的大きな角度を保っている。このように、ゴルフクラブシャフトの長さ方向と、地面と略垂直な通過基準線とのなす角α(αおよびα)、およびこの角度の変化の態様は、ゴルフスウィング毎に異なっている。図2(a)と図2(b)とを比較した場合、図2(b)に示すゴルフスウィングの方が、インパクトの際、ゴルフクラブヘッドに比べて手首の部分がより先行する、ハンドファーストの程度がより高いゴルフスウィングであるといえる。ゴルフクラブシャフトの長さ方向と、地面と略垂直な通過基準線とのなす角α(αおよびα)、およびこの角度の変化の態様は、ゴルフスウィングにおけるハンドファーストの程度をよく表しているといえる。そして、このようなハンドファーストの程度は、インパクトの際の、ゴルフクラブヘッドのフェース面のロフト角に影響するものであり、ゴルフスウィングを特徴づけているといえる。ユニット20では、このような、ゴルフクラブシャフトの長さ方向と、地面と略垂直な通過基準線とのなす角α(αおよびα)を求めて出力する。
本実施形態において、第1通過基準線17sは、上記投影面上において設定された、ゴルフスウィングにおけるゴルフボールの設置位置から、ゴルフクラブによるゴルフボールの打撃方向と反対の方向に、例えば125mmだけ離間した位置を通る、地面と略垂直な方向の仮想線である。また、第2通過基準線19sは、上記設置位置から上記打撃方向と反対の方向に、例えば75mmだけ離間した位置を通る、地面と略垂直な線である。第1通過基準線17sおよび第2通過基準線19sの双方は、上記インパクト範囲内に設定されている。
図3は、ユニット20の概略構成図である。ユニット20は、透明窓42およびディスプレイ44を備えた筐体46内に、光源48、ラインセンサ50、ハーフミラー52、ミラー54、データ処理手段56、メモリ58を備えて構成されている。ユニット20は、コンピュータ30と接続されており、ユニット20によって検出・導出された情報をコンピュータ30に送信したり、メモリ58に記憶しておくための情報をコンピュータ30から送信することができる構成となっている。ユニット20では、後述する測定したタイミングの情報と、メモリに予め記憶された各種情報とを用い、インパクト状態における、ゴルフクラブ14の姿勢を表す評価値を導出する。具体的には、上記インパクト状態における、ゴルフクラブシャフト15の長さ方向と、各通過基準線(第1通過基準線17sおよび第2通過基準線19s)とのなす角度α(図2に示すα、α)を、それぞれ導出する。ユニット20において導出した角度αは、コンピュータ30に送られる。コンピュータ30では、この評価値(角度α)の値に応じて、ゴルファ12のゴルフスウィングの特徴を判定して、評価結果を出力する。
ユニット20の光源48は、発光ダイオード(LED;Light emitting diode)であり、円錐状に広がる投射光を出射する。光源48から出射された投射光は、ハーフミラー52によって分割され、ハーフミラー52を透過した投射光成分は、透明窓42を透過して、第1投射光22として第1測定対象領域17を含む空間に照射される。また、ハーフミラー52によって反射された投射光成分は、ミラー54において反射されて、透明窓42を透過して、第2投射光24として第2測定対象領域19を含む空間に照射される。第1測定対象領域17は、上記投影面上の第1通過基準線17sに対応する線を中心線とした、所定の空間範囲である。第2測定対象領域19は、上記投影面上の第2通過基準線19sに対応する線を中心線とした、所定の空間範囲である。なお、本発明における光源は、第1測定対象領域17および第2測定対象領域19に、十分な輝度で光を照射する発光体であれば支障なく、ハロゲンランプやレーザーダイオードなど、任意の光源とすればよい。
ゴルフスウィングのインパクト状態において、ゴルフクラブ14の反射マーカ16aおよび16bそれぞれは、第1測定対象領域17を通過した後、第2測定対象領域19を通過する。ゴルフクラブ14の各反射マーカ16aおよび16bそれぞれは、第1測定対象領域17を通過する際、上記第1投射光22を受けて、この第1投射光22を、第1投射光22の光路の逆経路に向けて反射する。第1測定対象領域17において反射された、第1投射光22の反射光26(反射マーカ16aからの反射光、および反射マーカ16bからの反射光)は、透明窓42を透過して、ハーフミラー52において反射されてラインセンサ50に入射する。また、ゴルフクラブ14の各反射マーカ16aおよび16bそれぞれは、第2測定対象領域19を通過する際、上記第2投射光24を受けて、この第2投射光24の逆経路に向けて反射する。第2測定対象領域19において反射された、第2投射光24の反射光28(反射マーカ16aからの反射光、および反射マーカ16bからの反射光)は、透明窓42を透過して、ミラー54において反射されてラインセンサ50に入射する。
ここで、反射マーカ16aおよび16bについて説明しておく。図4(a)および(b)は、反射マーカ16aおよび16bについて説明する図であり、図4(a)と図4(b)は、それぞれ異なる形態の反射マーカの概略側面図である。図4(a)に示す反射マーカ16aおよび16b(以下、2つを代表して、単に反射マーカ16として表す)は、平面状の底面61aと対向する側の面に、略正四面体形状のプリズムブロック部61bが配列された形状のプリズム層61と、このプリズム層61のプリズムブロック部61bに対向して配置された裏材層63とからなる。プリズム層61と裏材層63との間隙は、空気層62となっている。図4(a)に示す再帰反射性の反射体は、平面状の底面61aから入射角θで入射した光Iが、底面61aにおける屈折、プリズムブロック部61bと空気層62との界面における反射によって、底面61aから反射角θで反射される機能を有している。すなわち、入射した光を反射して、入射した光の逆光路を通過して戻る反射光とする。図4(b)に示す反射マーカ16aおよび16b(以下、2つを代表して、単に反射マーカ16として表す)は、バインダ層62、反射層64、表面フィルム層66、及び複数のガラスビーズの列からなるガラスビーズ層68を有する、再帰反射性の反射体である。このような再帰反射性の反射体は、入射角θで入射した光Iが、表面フィルム層66、ガラスビーズ層68、および反射層64における屈折および反射によって、表面フィルム層66から反射角θで反射される機能を有している。すなわち、再帰反射性の反射体は、入射した光を反射して、入射した光の逆光路を通過して戻る反射光とするものである。
このような再帰反射性の反射体は、例えば、図4(a)および(b)に示すように、裏面に接着剤70を塗布して貼付け容易に構成されている。再帰反射性の反射体としては、シート状やテープ状に形成したものなど各種の形状のものが市販されているので、この市販されているシート状やテープ状に形成された再帰反射性の反射体を必要な大きさに切り取り、接着剤70でゴルフクラブ14の所定の位置に貼付して使用する。本発明では、再帰反射性の反射体は特に限定されない、例えば図4(a)に示すような形態でも、また、図4(b)に示すような形態でも構わない。照射された光量を、なるべく多くの割合で反射したい場合など、例えば図4(b)のような、マイクロプリズム方式の再帰反射体であることが好ましい。
ラインセンサ50は、n個のフォトセンサ51a、51b、・・・51nが一方向に並んでライン状に配置されている。ラインセンサ50の受光面は、図5に示すように、各フォトセンサ51a、51b、・・・51nの受光面が、一方向に配置されて構成されている。ラインセンサ50は、各フォトセンサ51から出力される、各フォトセンサの受光面に入射する反射光に応じた電気信号を、時系列で順番に出力する(スキャンする)。ラインセンサ50は、データ処理手段56と接続されており、データ処理手段56が、一方向に並んでライン状に配置された各フォトセンサから出力される時系列の電気信号を取得する。第1測定対象領域17および第2測定対象領域19は、ラインセンサ50の受光面に対応する形状であって、ユニット20の配置位置や配置角度に応じて定まっている。逆にいえば、ラインセンサ50の受光面に対応して、第1測定対象領域17および第2測定対象領域19、ひいては、上記投影面上における、第1通過基準線17sおよび第2通過基準線19sが定まっている。
ユニット20は、このライン状の測定対象領域から到来する光(反射光)をラインセンサ50が受光可能となるよう、方向および位置が調整されて配置されている。ユニット20は、このラインセンサ50によって定まるライン状の測定対象領域(第1測定対象領域17および第2測定対象領域19それぞれ)を通過するゴルフクラブ14の、各反射マーカ16(反射マーカ16aおよび16b)の測定対象領域の通過タイミング、ひいては各測定対象領域の中心線である通過基準線(第1通過基準線17sおよび第2通過基準線19s)の通過タイミングを検知する。
本発明は、このようなラインセンサを用いるので、限定されたライン状の空間(測定対象領域)を通過するゴルフククラブを検知するに際し、このライン状の測定対象領域に限定して投射光を照射する必要がない。本発明によれば、限定した空間範囲を照射するための、レーザ光照射手段など大型かつ高価な装置を用いることなく、空間的に限定されたライン状の測定対象領域を通過する移動物体を検知することができる。
本実施形態では、図2に示すように、ゴルフスウィングにおける、反射マーカ16aが第1通過基準線17sを通過するタイミングをTa(P1)、反射マーカ16aが第2通過基準線19sを通過するタイミングをTa(P2)、反射マーカ16bが第1通過基準線17sを通過するタイミングをTb(P1)、反射マーカ16bが第2通過基準線19sを通過するタイミングをTb(P2)とする。
図6(a)および(b)は、ラインセンサ50による、各反射マーカ16(反射マーカ16aおよび16b)の測定対象領域の通過タイミングの検知の一例について説明するである。図6(a)は、ゴルフスウィングのインパクトの状態での、第1測定対象領域17および第2測定対象領域19におけるゴルフクラブ14の通過の状態の一例について示す概略側面図であり、図6(b)は、図6(a)に示すインパクト状態で、ラインセンサ50から出力されてデータ処理手段56が取得する時系列の電気信号のグラフである。なお、図6(b)のグラフでは、縦軸を、電気信号に応じた反射光の光量として示している。ゴルフクラブ14が第1測定対象領域17を通過する際、ラインセンサ50を構成する各フォトセンサ51a〜51nそれぞれは、第1測定対象領域17をn個に分割した、それぞれ異なる分割領域17a、17b、17c、・・・17nから到来する光(反射光)をそれぞれ受光する。同様に、ゴルフクラブ14が第2測定対象領域19を通過する際、ラインセンサ50を構成する各フォトセンサ51a〜51nそれぞれは、第2測定対象領域19をn個に分割した、それぞれ異なる分割領域19a、19b、19c、・・・19nから到来する光(反射光)をそれぞれ受光する。
この例では、ラインセンサ50は、複数のフォトセンサそれぞれが受光した光の光量を、スキャン時間Aで上から下にスキャンして(第1測定対象領域17および第2測定対象領域19を上から下に向けてスキャンして)、データ取得手段56が、各センサが受光した時系列の光量の変化に応じた時系列の電気信号出力を受け取り、ラインセンサ50に入射する光量がピーク値を有するタイミングを検知する。図6(a)に示す例では、ゴルフクラブ14は、第1測定対象領域17を通過する際、第1測定対象領域17に対して傾斜して移動し、反射マーカ16a、16bは第1測定対象領域17を順番に通過する。そして、第1測定対象領域17を通過して、第2測定対象領域19を通過する際は、ゴルフクラブ14は、第2測定対象領域19の延在方向に対してほぼ平行な状態となり、反射マーカ16a、16bは第2測定対象領域19を、ほぼ同時に通過している。
この実施例では、ラインセンサ20によるスキャンは、上から下に向かって行われるので、よりグリップ側に設けられている反射マーカ16aは、図6(b)に示すグラフに示すように、スキャン時間Aのうち比較的早いタイミング(前半時間)で検知され、反射マーカ16bは、常にスキャン時間Aのうち比較的遅いタイミング(後半時間)で検知されることになる。ラインセンサ50から出力されたこのような信号を受信したデータ処理手段56(より詳しくは、後述するタイミング情報取得部82)は、スキャン時間Aにおける、光量(電気信号)のピークの位置をチェックすることによって、反射マーカ16aによる反射光と反射マーカ16bによる反射光とを識別することができる。各測定対象領域それぞれについて、スキャン時間Aにおける光量(電気信号)のピークの位置をチェックすることによって、各反射マーカが各通過基準線を通過したタイミングを、それぞれ検知することができる。
なお、ラインセンサ50について、複数のフォトセンサ全体をスキャンするのに要する時間を著しく短くした場合、下記のようにして、各反射マーカが各測定対象領域の中心部分、すなわち第1通過基準線17sおよび第2通過基準線19sを通過するタイミングを導出すればよい。図7(a)および(b)は、ラインセンサ50による、各反射マーカ16(反射マーカ16aおよび16b)の測定対象領域の通過タイミングの検知の他の例(第2の例)について説明するである。図7(a)は、ゴルフスウィングのインパクトの状態での、第1測定対象領域17および第2測定対象領域19におけるゴルフクラブ14の通過の状態の他の例について示す概略側面図であり、図7(b)は、図7(a)に示すインパクト状態で、ラインセンサ50から出力されてデータ処理手段56が取得する、時系列の出力値のグラフである。この第2の例では、ラインセンサ50は、各フォトセンサ51a、51b、・・・51nそれぞれについて、スキャン時間B(図7(b)参照)毎に、反射光を受光したか否かが検知され、反射光の受光の有無を示すデジタル信号が出力される。そして、スキャン時間B毎に、光を検知した各フォトセンサの、ラインセンサ50における配置位置に応じた出力値が出力される。データ処理手段50では、このような出力値に基いて、各反射マーカが各通過基準線を通過したタイミングをそれぞれ検知する。上述の例では、反射マーカ16aおよび反射マーカ16bが、スキャン時間Aが経過する間に、各測定対象領域を通過してしまう場合について示した。第2の例では、このスキャン時間B(例えば、51.2(μs))がスキャン時間Aに比べて著しく短く、スキャン時間Bでは、反射マーカ16aおよび反射マーカ16bは、各測定対象領域を通過してしまわない。
第2の例では、スキャン時間B(例えば、51.2μs)毎に、ラインセンサ50の複数のフォトセンサのうち、測定対象領域からの反射光を受光したフォトセンサから、光を検知したことを知らせるデジタル信号が出力される。ラインセンサ50では、ラインセンサ50の複数のフォトセンサのうち、上側部分のm個のフォトセンサそれぞれで反射光を検出した場合、すなわち、分割領域17a〜17mのいずれかから到来する光(反射光)を受光した場合は、出力値「2」を出力する。また、ラインセンサ50の複数のフォトセンサのうち、下側部分のn−m個のフォトセンサで反射光を検出した場合、すなわち、分割領域17m+1〜17nのいずれかから到来する光(反射光)を受光した場合、出力値「1」を出力する。この分割領域17a〜17mは分割領域の上側領域であり、この領域は、反射マーカ16aおよび16bのうち、よりグリップ側の反射マーカ16aのみしか通過しないように設定されている。そして、分割領域17m+1〜17nは分割領域の下側領域であり、この領域は、反射マーカ16aおよび16bのうち、よりヘッド側の反射マーカ16bのみしか通過しないように設定されている。
図7(a)に示す例では、ゴルフクラブ14は、第1測定対象領域17を通過する際、第1測定対象領域17に対して傾斜して移動し、反射マーカ16a、16bは第1測定対象領域17を順番に通過する。そして、第1測定対象領域17を通過して、第2測定対象領域19を通過する際は、ゴルフクラブ14は、第2測定対象領域19の延在方向となす角度が緩和されている(小さくなっている)。この状態では、反射マーカ16a、16bは第2測定対象領域19を、一時的に同時に通過している。
図7に示す例では、反射マーカ16aが第1測定対象領域17を通過するのに、スキャン時間B×9(出力値「2」が連続して出力されている数)だけの時間がかかっている。反射マーカ16aが第1測定対象領域17の中心線(すなわち第1通過基準線17s)を通過するタイミングTa(P1)、反射マーカ16bが第1通過基準線17sを通過するタイミングTb(P1)は、それぞれ図7(b)に示されているとおりである。
また、反射マーカ16aおよび16bは、第2測定対象領域19を一時的に同時に通過している。一時的に同時に通過している最中は、出力値は「3」(出力値「2」+「1」)となる。反射マーカ16aが第2測定対象領域19を通過するのに、スキャン時間B×11(出力値「2」および「3」が連続して出力されている数)だけの時間がかかっている。反射マーカ16aが第2測定対象領域19の中心線(すなわち第2通過基準線19s)を通過するタイミングTa(P2)、反射マーカ16bが第2第2通過基準線19sを通過するタイミングTb(P2)は、それぞれ図7(b)に示されているとおりである。複数のフォトセンサ全体をスキャンするのに要する時間を著しく短くした場合、ラインセンサ50から出力される出力値に基き、このようにして各タイミングを導出することができる。
図8は、データ処理手段56の構成について説明する概略構成図である。以下、図8および図2を参照し、データ処理手段56について説明する。データ処理手段56は、タイミング情報取得部82、基準位置通過タイミング差導出部(タイミング差導出部)84、基準位置間移動所要時間導出部(移動所要時間導出部)86、ゴルフクラブ移動速度導出部(移動速度導出部)88、水平遅れ距離導出部90、およびゴルフクラブ角度導出部92を備えて構成されている。データ処理手段56の、タイミング情報取得部82は、ラインセンサ50から出力される信号を受け取り、反射マーカ16aおよび16bの各々について、第1測定対象領域17の第1通過基準線17sを通過するタイミングをそれぞれ求める。同様に、反射マーカ16aおよび16bの各々について、第2測定対象領域19の第2通過基準線19sを通過するタイミングをそれぞれ求める。
そして、タイミング差導出部84が、反射マーカ16aが第1通過基準線17sを通過するタイミングTa(P1)と、反射マーカ16bが第1通過基準線17sを通過するタイミングTb(P1)と、のタイミング差Td1を求める。また、同様に、反射マーカ16aが第2通過基準線19sを通過するタイミングTa(P2)と、反射マーカ16bが第2通過基準線19sを通過するタイミングTb(P2)と、のタイミング差Td2も併せて求め、メモリに記憶しておく。
移動所要時間導出部86は、反射マーカ16aが第1通過基準線17sを通過するタイミングTa(P1)と、反射マーカ16aが第2通過基準線19sを通過するタイミングTa(P2)と、のタイミング差Tpaを求める。また、同様に、反射マーカ16bが第1通過基準線17sを通過するタイミングTb(P1)と、反射マーカ16bが第2通過基準線19sを通過するタイミングTb(P2)と、のタイミング差Tpbも併せて求め、メモリ58に記憶しておく。
移動速度導出部88は、これらTpaおよびTpbの少なくともいずれか一方と、第1通過基準線17sと第2通過基準線19sとの、地面と水平方向の距離Dを用いて、インパクト状態におけるゴルフクラブの移動速度Vとして、測定位置16aおよび測定位置16bのいずれか一方の、第1通過基準線17sと第2通過基準線19sとの間の移動速度を求める。メモリ58には、第1通過基準線17sと第2通過基準線19sとの間の距離Dが記憶されている。移動速度導出部88は、移動所要時間導出部82が導出したタイミング差Tpaとタイミング差Tpb、およびこの距離Dを用い、ゴルフクラブシャフト15に設けられた反射マーカ16aのインパクト状態における移動速度V(=D/Tpa)、または、反射マーカ16bのインパクト状態における移動速度V(=D/Tpb)、の少なくともいずれか一方を求める。なお、この距離Dは、ゴルファが立つ地面に平行な方向(第1通過基準線17sと第2通過基準線19s双方と垂直な方向)の、第1通過基準線17sと第2通過基準線19sとの間の距離であり、これら移動速度VおよびVは、ゴルファが立つ地面と略平行な方向の速度である。ゴルフスウィングのインパクト状態では、ゴルフクラブシャフトは、長さ方向を地面と垂直(投影面において垂直)に保ちつつ移動していると仮定できる。移動速度Vは、インパクト状態における反射マーカ16aの移動速度を表し、移動速度Vbは、インパクト状態における反射マーカ16bの移動速度を表しているといえる。移動速度導出部88では、このようにして導出した、反射マーカ16aの移動速度Vaおよび反射マーカ16bの移動速度Vbのいずれか一方を、ゴルフスウィングでのインパクトの状態における、ゴルフクラブの移動速度Vとしてメモリ58に記憶しておく。
なお、本発明では、TpaおよびTpbの少なくともいずれか一方と、第1通過基準線17sと第2通過基準線19sとの、地面と水平方向の距離Dを用いて、インパクト状態におけるゴルフクラブの移動速度Vとして、測定位置16aおよび測定位置16bのいずれか一方の、第1通過基準線17sと第2通過基準線19sとの間の移動速度を求めることに限定されない。例えば、ゴルフクラブにおける所定位置の移動速度を検出可能な、図示しない速度検出手段によって、ゴルフクラブにおける所定位置の移動速度を検出し、この所定位置の移動速度を、ゴルフクラブの移動速度Vとして用いてもよい。ゴルフクラブの移動速度Vとして用いるための、ゴルフクラブにおける所定位置は特に限定されない。
水平遅れ距離導出部90は、この求めた移動速度Vと上記タイミング差Td1とを乗算することで、ゴルフクラブが第1通過基準線17sを通過する際の、ゴルフクラブシャフトに設けられた2つの測定位置16aおよび16bの間の、第1通過基準線17sと垂直方向(すなわち、地面と水平な方向)の距離(水平遅れ量情報)Fを導出する。同様に、この求めた移動速度Vとタイミング差Td2とを乗算することで、ゴルフクラブが第2通過基準線19sを通過する際の、ゴルフクラブシャフトに設けられた2つの測定位置16aおよび16bの間の、第2通過基準線19sと垂直方向(すなわち、地面と水平な方向)の距離(水平遅れ量情報)Fを導出する。
ゴルフクラブ角度導出部92は、求めた遅れ量情報Fと、ゴルフクラブシャフトにおける測定位置16aおよび16bの間の、ゴルフクラブシャフトの長さ方向に沿った間隔Lの情報と、を用いて、第1通過基準線17sを通過する際の、ゴルフクラブシャフトの長さ方向と、第1通過基準線17s(地面に鉛直な方向)とのなす角αを、下記式(2)を用いて求める。また、同様に、求めた遅れ量情報Fと、ゴルフクラブシャフトにおける測定位置16aおよび16bの間の距離Lの情報と、を用いて、第2通過基準線19sを通過する際の、ゴルフクラブシャフトの長さ方向と第2通過基準線19sとのなす角αを、下記式(3)を用いて求める。メモリ58には、このような、ゴルフクラブシャフトにおける、反射マーカ16aと反射マーカ16bとの間の長さLの情報が記憶されている。ゴルフクラブ角度導出部92は、メモリ58から、このような長さLの情報を読み出し、第1通過基準線17sおよび第2通過基準線19sを通過する際それぞれの、ゴルフクラブシャフトの長さ方向と、地面と鉛直な方向とのなす角(αおよびα)を、それぞれ求める。
α=sin−1(F/L)・・・(2)
α=sin−1(F/L)・・・(3)
上述のように、ゴルフクラブシャフトの長さ方向と、地面と略垂直な通過基準線とのなす角(αやα)、およびこの角度の変化の態様(αとαの大きさの差など)は、ゴルフスウィングにおけるハンドファーストの程度をよく表しており、このようなハンドファーストの程度は、インパクトの際の、ゴルフクラブヘッドのフェース面のロフト角に影響するものであり、ゴルフスウィングを特徴づける評価値といえる。
なお、データ処理手段56では、移動速度導出部88で求めた移動速度VおよびVを用いて、ゴルフスウィングでの、インパクト状態におけるヘッドスピードVおよびグリップ端速度Vを求めてもよい。図9は、ゴルフスウィングでの、インパクト状態におけるヘッドスピードVおよびグリップ端速度Vと、ゴルフクラブシャフト15に設けられた反射マーカ16aのインパクト状態における移動速度Vと、反射マーカ16bのインパクト状態における移動速度Vとの関係について説明する図であり、ゴルフスウィング中のインパクト状態における、ゴルフクラブ14の挙動を示す概略側面図である。
ゴルフスウィングにおける、ゴルフクラブシャフト上の任意の位置(グリップ位置18a、ヘッド位置18b、反射マーカ16aの貼付位置、反射マーカ16bの貼付位置など)の運動は、上述したように、一般的に、ゴルフクラブシャフトの中心軸の延長線上の特定位置(仮想回転中心位置)を中心とした、略円軌道の運動で近似することができる。そして、幾何学的な相似関係から、ゴルファが立つ地面と略平行方向の、ヘッドスピードベクトルVの大きさ(ヘッドスピードV)とグリップ速度ベクトルVの大きさ(グリップ速度V)それぞれは、上述した、反射マーカ16aおよび反射マーカ16bそれぞれの移動速度VおよびV(図7に、速度ベクトルVおよび速度ベクトルVで示す)を用いて表すことができる。より詳しくは、ヘッドスピードVおよびグリップ速度Vそれぞれは、ゴルフスウィングの仮想回転中心位置とゴルフクラブのグリップ位置までの距離R、上記2箇所の測定位置(反射マーカ16aおよび16b)のうちの、よりグリップ側の測定位置(速度ベクトルVに対応する位置)から、上記設定したクリップ位置までの距離l、上記2箇所の測定位置(反射マーカ16aおよび16b)のゴルフクラブシャフトに沿った方向の間隔L、ゴルフクラブのグリップ位置からゴルフクラブヘッド部のヘッド位置までの距離H、および、速度ベクトルVの大きさ(移動速度V)、および速度ベクトルVの大きさ(移動速度V)で表すことができる。
具体的には、上記仮想回転中心位置とゴルフクラブのグリップ位置までの距離Rは、下記式(4)によって表すことができ、グリップ速度VおよびヘッドスピードVを、それぞれ下記式(5)および下記式(6)によって表すことができる。
R={(V−V)×l+L×V}/(V−V) ・・・(4)
=(V×R)/(R+l) ・・・(5)
={V×(R+H)}/(R+l) ・・・(6)
上記式(4)〜(6)より、ヘッドスピードVおよびグリップ速度Vそれぞれは、式(7)および式(8)によって算出される。
={(L+l)×V−l×V}/L ・・・(7)
={(L+l−H)×V+(H−l)×V}/L ・・・(8)
データ処理手段56では、このように、移動速度導出部88で導出した移動速度VおよびVを用い、インパクト時のヘッドスピードVやグリップ速度Vを算出してもよい。
このような、ヘッドスピードVやグリップスピードVなどがそれぞれ同一のゴルフスウィングであっても、インパクト状態におけるゴルフクラブの姿勢が異なれば、例えば、インパクトの際のフェース面の向き(ロフト角)がそれぞれ異なる。このように、インパクトの際のフェース面の向き(ロフト角)がそれぞれ異なれば、ゴルフスウィングによって打ち出されるゴルフボールの弾道も異なってくる。ゴルフクラブシャフトの長さ方向と、地面と略垂直な通過基準線とのなす角α(αおよびα)は、ゴルフクラブヘッドのフェース面のロフト角に影響する、ハンドファーストの程度をよく表している。このようなハンドファーストの程度(上記なす角α(αおよびα))は、ヘッドスピードVやグリップスピードVとともに、ゴルフスウィングを特徴づける重要な指標であるといえる。
求められた評価値、すなわち、ゴルフクラブシャフトの長さ方向と、地面に鉛直な方向とのなす角α(αおよびα)や、これらなす角の変化の度合い(α−αなど)は、筐体46に設けられたディスプレイ44に表示出力される。ディスプレイ44は、液晶ディスプレイなどの公知の表示装置であり、評価値αの他、ユニット20で求められるグリップ速度Vやヘッド速度VやV/Vなど、各種情報を表示することができる構成となっている。
コンピュータ30は、ユニット20によって算出された評価値を受け取り、これら評価値(α、α、およびα−α)に応じて、ゴルファ12のゴルフスウィングの特徴を判定する。コンピュータ30では、例えば、評価値αと予め定められた閾値とを比較し、求めた評価値αが予め定められた閾値以上の場合、コンピュータ30のディスプレイ34に、『あなたのゴルフスウィングは、ハンドファーストの程度が大きいスウィングです』といった内容の文字を表示する。また、求めた評価値αが、予め定められた閾値よりも小さい場合、ディスプレイ34に『あなたのゴルフスウィングは、ハンドファーストの程度が小さいスウィングです』といった内容の文字を表示する。なお、求めた評価値αが負の値の場合は、ゴルフスウィングにおいて、ゴルフクラブのグリップ部よりもゴルフクラブヘッドの方が先行していることを意味する。この場合(評価値αが負の値の場合)、『あなたのゴルフスウィングは、ハンドファーストと逆傾向のスウィングです』といった内容の文字を表示すればよい。
また、コンピュータ30では、ユニット20から受け取った評価値αや評価値α、第1通過基準線17sと第2通過基準線19sとの、地面と水平方向の距離D、測定位置16aおよび16bの間の距離Lなどの情報に基づき、インパクト状態におけるゴルフクラブの挙動を表す図を作成し、ディスプレイ34に表示出力してもよい。図10(a)および(b)は、コンピュータ30で作成されて、ディスプレイ34に表示出力されるこのような図の一例を示しており、それぞれ異なるゴルフスウィングそれぞれでの、インパクト状態におけるゴルフクラブの挙動をそれぞれ表している。このような図を表示することで、オペレータやゴルファ12自身が、インパクト状態におけるゴルフクラブの挙動(各通過基準線それぞれを通過する際の、ゴルフクラブシャフトと通過基準線とのなす角それぞれや、各通過基準線の間を通過する間における、上記なす角の変化の態様など)、ひいてはゴルフスウィングにおけるハンドファーストの程度を、直感的に把握することができる。
例えば、図10に示す例では、図10(b)に示す図に比べて、図10(a)に示す図の方が、インパクト直前(第2通過基準線を通過する際)でも、ゴルフクラブシャフトのグリップ側が先行していることがわかる。また、図10(a)に示す図で表されるゴルフスウィングの方が、インパクトに近づくにつれての、上記なす角の変化も少ないことがわかる。図10(a)に示す図で表されるゴルフスウィングの方が、インパクトの際にグリップ部が先行し、ゴルファの手首の返しも少ない、ハンドファースト度合いがより大きいゴルフスウィングであるといえる。
図11は、このような装置10を用いて実施される、本発明のゴルフスウィング評価方法の一例のフローチャート図である。本発明のゴルフスウィング評価方法では、まず、ゴルファ12が、反射マーカ16aおよび反射マーカ16bが設けられたゴルフクラブ14を把持して、ゴルフスウィングを行なう(ステップS102)。装置10では、ゴルファ12が行なうゴルフスウィングについて、ユニット20を用いて、ゴルフクラブ14に設けられた反射マーカ16aおよび反射マーカ16bに対応する位置それぞれについて、第1通過基準線17sおよび第2通過基準線19aの通過タイミングをそれぞれ求める。
具体的には、タイミング情報取得部82が、ラインセンサ50から出力される信号を受け取り、反射マーカ16aおよび16bの各々について、第1測定対象領域17の第1通過基準線17sを通過するタイミングをそれぞれ求める。同様に、反射マーカ16aおよび16bの各々について、第2測定対象領域19の第2通過基準線19sを通過するタイミングをそれぞれ求める(ステップS104)。
そして、タイミング差導出部84が、反射マーカ16aが第1通過基準線17sを通過するタイミングTa(P1)と、反射マーカ16bが第1通過基準線17sを通過するタイミングTb(P1)と、のタイミング差Td1を求める。また、同様に、反射マーカ16aが第2通過基準線19sを通過するタイミングTa(P2)と、反射マーカ16bが第2通過基準線19sを通過するタイミングTb(P2)と、のタイミング差Td2も併せて求め、メモリに記憶しておく(ステップS106)。
これとともに、移動所要時間導出部86が、反射マーカ16aが第1通過基準線17sを通過するタイミングTb(P1)と、反射マーカ16aが第2通過基準線19sを通過するタイミングTa(P2)と、のタイミング差Tpaを求める。また、同様に、反射マーカ16bが第1通過基準線17sを通過するタイミングTb(P1)と、反射マーカ16bが第2通過基準線19sを通過するタイミングTb(P2)と、のタイミング差Tpbも併せて求め、メモリに記憶しておく(ステップS108)。
そして、移動速度導出部88が、これらTpaおよびTpbの少なくともいずれか一方と、第1通過基準線17sと第2通過基準線19sとの、地面と水平方向の距離Dを用いて、インパクト状態におけるゴルフクラブの移動速度Vを求める(ステップS110)。移動速度Vは、測定位置16aおよび測定位置16bのいずれか一方の、第1通過基準線17sと第2通過基準線19sとの間の移動速度である。上述のように、メモリ58には、第1通過基準線17sと第2通過基準線19sとの間の距離Dが記憶されている。移動速度導出部88は、移動所要時間導出部82が導出したタイミング差Tpaとタイミング差Tpb、およびこの距離Dを用い、ゴルフクラブシャフト15に設けられた反射マーカ16aのインパクト状態における移動速度V(=D/T)、または、反射マーカ16bのインパクト状態における移動速度V(=D/T)、の少なくともいずれか一方を求める。移動速度導出部88では、このようにして導出した、反射マーカ16aの移動速度Vaおよび反射マーカ16bの移動速度Vbのいずれか一方を、ゴルフスウィングでのインパクトの状態における、ゴルフクラブの移動速度Vとしてメモリ58に記憶しておく。
そして、水平遅れ距離導出部90が、この求めた移動速度Vとタイミング差Td1とから、ゴルフクラブが第1通過基準線17sを通過する際の、ゴルフクラブシャフトに設けられた2つの測定位置16aおよび16bの間の、地面と水平な方向の遅れ量情報Fを導出する。同様に、この求めた移動速度Vとタイミング差Td2とから、ゴルフクラブが第2測定対象領域を通過する際の、ゴルフクラブシャフトに設けられた2つの測定位置16aおよび16bの間の、地面と水平な方向の遅れ量情報Fを導出する(ステップS112)。
そして、ゴルフクラブ角度導出部92が、求めた遅れ量情報Fと、ゴルフクラブシャフトにおける測定位置16aおよび16bの間の、ゴルフクラブシャフトの長さ方向に沿った間隔Lの情報と、を用いて、第1通過基準線17sを通過する際の、ゴルフクラブシャフトの長さ方向と地面とのなす角αを求める。また、同様に、求めた遅れ量情報F2と、ゴルフクラブシャフトにおける測定位置16aおよび16bの間の距離Lの情報と、を用いて、第2通過基準線19sを通過する際の、ゴルフクラブシャフトの長さ方向と地面とのなす角αを求める(ステップS114)。メモリ58には、このような、ゴルフクラブシャフトにおける、測定位置aと測定位置bとの間の長さLの情報が記憶されている。ゴルフクラブ角度導出部92は、メモリ58から、このような長さLの情報を読み出し、第1通過基準線17sおよび第2通過基準線19sを通過する際それぞれの、ゴルフクラブシャフトの長さ方向と、地面と鉛直な方向のなす角を求める。
そして、コンピュータ30は、ユニット20によって算出された評価値を受け取り、これら評価値(α、α、およびα−α)に応じて、ゴルファ12のゴルフスウィングの特徴を判定する。そして、コンピュータ30において、評価値と閾値とが比較され、上述のように、比較結果に応じた評価結果を、ディスプレイ34に表示出力する(ステップS116)。本発明のゴルフスウィング評価方法は、以上のようにして実施される。
なお、上記実施形態では、タイミングを表すデジタル情報を受け取って評価値を算出するデータ処理手段56が、スウィング測定・データ処理ユニット20に備えられている。本願発明のゴルフスウィング評価装置では、このようなデータ処理手段が、スウィング測定・データ処理ユニットと接続されたコンピュータに備えられていてもよい。すなわち、スウィング測定・データ処理ユニットが、タイミングを表すデジタル情報のみを取得して出力し、この情報を取得したコンピュータ(のCPU)がソフトウェアを実行することで評価値を求めてもよい。
下記表1には、本発明のゴルフスウィング評価方法を用いて、ゴルフスウィングのインパクト状態における、複数の通過基準線を通過する際それぞれの、ゴルフクラブシャフトの長さ方向と、地面と垂直な通過基準線とのなす角を導出した結果を示している。なお、下記表1には、カメラを用いて撮影した、同一ゴルフスウィングにおけるゴルフクラブの挙動を示す画像に基いて、ゴルフクラブシャフトの長さ方向と上記通過基準線とのなす角を導出した結果も、併せて示している。この際、長さ45in(約1143mm)、振動数245cpm(約4.1Hz)、質量296gである、標準的仕様の所定のゴルフクラブを用い、それぞれ異なる2種類のゴルフスウィングを行なった。このゴルフスウィングは、公知のスウィングロボットを用いて行なった。このゴルフクラブのゴルフクラブシャフトには、2つの反射マーカが、ゴルフクラブシャフト軸に沿って、それぞれ190mmだけ離間されて設けられている。第1通過基準線は、ゴルフスウィングにおけるゴルフボールの設置位置から、ゴルフクラブによるゴルフボールの打撃方向と反対の方向に125mmだけ離間した位置を通る、地面と略垂直な方向の仮想線とした。また、第2通過基準線は、上記設置位置から上記打撃方向と反対の方向に75mmだけ離間した位置を通る、地面と略垂直な線とした。
表1における、本発明による結果は、それぞれ異なる2つのゴルフスウィングAおよびBについて、図1に示す装置10を用い、図11に示すフローチャート図にしたがって、第1通過基準線を通過する際の、ゴルフクラブシャフトの長さ方向と第1通過基準線とのなす角α、および、第2通過基準線を通過する際の、ゴルフクラブシャフトの長さ方向と第2通過基準線とのなす角αを求めた結果である。なお、ラインセンサからの出力信号に基いた、各反射マーカが第1通過基準線および第2通過基準線を通過するタイミングそれぞれの導出には、上述の第2の例(ラインセンサについて、複数のフォトセンサ全体をスキャンするのに要する時間を著しく短くした場合)で説明する方法を用いた。なお、ラインセンサ全体のスキャン時間Bは、51.2(μs)であった。表1における、画像に基く計測結果を導出する際は、同一のゴルフクラブを用いて行なった同一のゴルフスウィングにおけるゴルフクラブの状態を、高速度カメラを用いて連続して撮影した。そして、第1通過基準線を通過する際のゴルフクラブの画像から、第1通過基準線を通過する際の、ゴルフクラブシャフトの長さ方向と、第1通過基準線とのなす角α’を計測して求め、また、第2通過基準線を通過する際のゴルフクラブの画像から、第2通過基準線を通過する際の、ゴルフクラブシャフトの長さ方向と、第2通過基準線とのなす角α’を計測して求めた。なお、なす角α(スウィングBにおけるなす角α’)が負の値をもっているということは、ゴルフクラブシャフトのグリップ側よりも、ゴルフクラブヘッド側の方が先行するように、ゴルフクラブシャフトが傾斜していることを示している。
Figure 0004935299
表1に示すように、本発明のゴルフスウィング評価方法を用いて導出した、ゴルフクラブシャフトの長さ方向と各通過基準線とのなす角は、実際にゴルフスウィングを撮影した画像によって確認された、ゴルフクラブシャフトの長さ方向と各通過基準線とのなす角と、よく一致している。そして、ゴルフスウィングAの方がハンドファーストの程度がより大きく、ゴルフスウィングBの方がハンドファーストの程度がより小さいことが確認できる。さらに、ゴルフスウィングBは、ゴルフクラブシャフトのグリップ側よりも、ゴルフクラブヘッド側の方が先行するスウィングであることも確認できる。本発明のゴルフスウィング評価装置およびゴルフスウィング評価方法を用い、ゴルフクラブシャフトの長さ方向と各通過基準線とのなす角を高精度に導出することができ、ひいては、ゴルフスウィングにおけるハンドファースト度合いを、高精度に評価することができる。
従来、ゴルフスウィングにおけるゴルフクラブの姿勢の情報を取得するには、磁気センサなどを用いた大掛かりな装置が必要であった。本発明のゴルフスウィング評価方法を用いれば、簡易な構成の、比較的安価な装置を用い、簡単かつ高精度に、ゴルフスウィングにおけるハンドファースト度合いを評価することができる。
以上、本発明に係るゴルフクラスウィングの評価装置、および方法について詳細に説明したが、本発明は、以上の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよい。
本発明のゴルフスウィング評価装置の一例の構成を示す概略側面図である。 (a)および(b)は、それぞれ、ゴルフスウィングのインパクト状態におけるゴルフクラブの挙動について説明する概略側面図である。 図1に示すゴルフスウィング評価装置が備える、スウィング測定・データ処理ユニットの構成を示す概略構成図である。 本発明のゴルフスウィング評価方法で用いる、ゴルフクラブに設置する反射マーカの概略断面図である。 図3に示すスウィング測定・データ処理ユニットが備える、ラインセンサについて説明する概略構成図である。 図3に示すスウィング測定・データ処理ユニットにおける、ゴルフクラブの通過タイミングの検知の一例について説明する図であり、(a)は、ゴルフスウィングのインパクトの状態における、第1測定対象領域および第2測定対象領域におけるゴルフクラブの通過の状態の一例について示す概略側面図であり、(b)は、(a)に示すインパクト状態において、ラインセンサから出力される時系列の電気信号のグラフである。 図3に示すスウィング測定・データ処理ユニットにおける、ゴルフクラブの通過タイミングの検知の他の例について説明する図であり、(a)は、ゴルフスウィングのインパクトの状態における、第1測定対象領域および第2測定対象領域におけるゴルフクラブの通過の状態の他の例について示す概略側面図であり、(b)は、(a)に示すインパクト状態において、ラインセンサから出力される出力値を示している。 図3に示すスウィング測定・データ処理ユニットが備える、データ処理手段の構成について説明する概略構成図である。 ゴルフスウィングにおける、インパクト状態のヘッドスピードVおよびグリップ端速度Vと、ゴルフクラブシャフトに設けられた、グリップ側の反射マーカのインパクト状態における移動速度Vと、ヘッド側の反射マーカのインパクト状態における移動速度Vとの関係について説明する図であり、ゴルフスウィングでのインパクト状態における、ゴルフクラブの挙動を示す概略側面図である。 (a)および(b)は、それぞれ、図1に示すゴルフスウィング評価装置が備えるディスプレイに表示出力される、インパクト状態におけるゴルフクラブの挙動を表す図の例である。 本発明のゴルフスウィングの評価方法の一例の、フローチャート図である。
符号の説明
10 評価装置
12 ゴルファ
14 ゴルフクラブ
15 ゴルフクラブシャフト
16a、16b 反射マーカ
17 第1測定対象領域
17s 第1通過基準線
18a グリップ位置
18b ヘッド位置
19 第2測定対象領域
19s 第2通過基準線
20 スウィング測定・データ処理ユニット
22 第1投射光
24 第2投射光
26、28 反射光(投射光の反射光)
30 コンピュータ
32 本体
34 ディスプレイ
36 入力手段
42 透明窓
44 ディスプレイ
46 筐体
48 光源
50 ラインセンサ
51a、51b、・・・51n フォトセンサ
52 ハーフミラー
54 ミラー
56 データ処理手段
58 メモリ
62 バインダ層
64 反射層
66 表面フィルム層
68 ガラスビーズ層
70 接着剤
82 タイミング情報取得部
84 基準位置通過タイミング差導出部
86 基準線間移動所要時間導出部
88 ゴルフクラブ移動速度導出部
90 水平遅れ距離導出部
92 ゴルフクラブ角度導出部

Claims (13)

  1. 水平面上に立つゴルファがゴルフクラブを把持して行なうゴルフスウィングについて、ゴルフボールを打撃する直前であるインパクト状態での前記ゴルフクラブの挙動を解析して、そのゴルフスウィングの特性を評価する方法であって、
    アドレス状態で構える前記ゴルファと対峙する側から見た投影面上で、前記ゴルフクラブのゴルフクラブシャフト軸に沿って設定された2箇所の測定点それぞれが、前記投影面上に予め設定された通過基準線を通過するタイミングをそれぞれ検知する通過タイミング検知ステップと、
    前記通過タイミング検知ステップで検知した前記測定点それぞれの前記通過するタイミングの情報と、前記インパクト状態における前記ゴルフクラブの移動速度情報とに基づいて、前記インパクト状態でのハンドファーストの程度を表す評価値を算出して出力する評価ステップと、を有し、
    前記通過基準線は、前記インパクト状態で前記ゴルフクラブのゴルフクラブシャフトが通過する範囲に、前記水平面と略垂直な方向に設定されていることを特徴とするゴルフスウィング評価方法。
  2. 前記評価ステップでは、
    前記通過タイミング検知ステップにおいて検知した、前記通過基準線を通過する前記複数の測定点それぞれの前記通過するタイミング同士の時間差と、前記インパクト状態における前記ゴルフクラブの移動速度の情報と、を乗算することで、前記通過基準線を通過する際の、前記複数の測定点間の、前記通過基準線と垂直方向の距離を導出し、
    導出した前記垂直方向の距離と、前記複数の測定点の間の前記ゴルフクラブシャフト軸に沿った距離の情報とを用いて、前記ハンドファーストの程度を表す評価値を算出して出力することを特徴とする請求項1記載のゴルフスウィング評価方法。
  3. 前記垂直方向の距離の大きさをF、前記2箇所の測定点の間の前記ゴルフクラブシャフト軸に沿った距離の大きさをLとしたとき、
    前記評価ステップでは、前記ハンドファーストの程度を表す評価値として、前記通過基準線を通過する際の、前記ゴルフクラブシャフトの長さ方向と前記通過基準線とのなす角度αを、下記式(1)を用いて導出することを特徴とする請求項2記載のゴルフスウィング評価方法。
    α=sin−1(F/L)・・・(1)
  4. 前記通過基準線は、前記インパクト状態で前記ゴルフクラブが通過する範囲に複数設定されており、前記通過タイミング検知ステップでは、複数の前記通過基準線それぞれにおける、複数の前記測定点それぞれが通過するタイミングを検知し、
    前記評価ステップでは、
    前記通過タイミング検知ステップにおいて検知された、複数の前記測定点のうちいずれか1つの、複数の前記通過基準線それぞれの前記通過するタイミング同士の時間差と、複数の前記通過基準線間の前記水平面と平行方向の距離とに基き、前記1つの測定点の移動速度を導出し、
    導出した前記1つの測定点の前記移動速度を、前記インパクト状態における前記ゴルフクラブの移動速度情報として用い、前記ハンドファーストの程度を表す評価値を算出することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のゴルフスウィング評価方法。
  5. 前記評価ステップでは、前記算出したハンドファーストの程度を表す評価値と、予め定められた閾値とを比較して、この比較結果を出力することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のゴルフスウィング評価方法。
  6. 水平面上に立つゴルファがゴルフクラブを把持して行なうゴルフスウィングについて、ゴルフボールを打撃する直前であるインパクト状態での前記ゴルフクラブの挙動を解析して、そのゴルフスウィングの特性を評価する装置であって、
    アドレス状態で構える前記ゴルファと対峙する側から見た投影面上で、前記ゴルフクラブのゴルフクラブシャフト軸に沿って設定された2箇所の測定点それぞれが、前記投影面上に予め設定された通過基準線を通過するタイミングをそれぞれ検知する通過タイミング検知手段と、
    前記通過タイミング検知ステップで検知した前記測定点それぞれの前記通過するタイミングの情報と、前記インパクト状態における前記ゴルフクラブの移動速度情報とに基づいて、前記インパクト状態でのハンドファーストの程度を表す評価値を算出して出力する評価手段と、を有し、
    前記通過基準線は、前記インパクト状態で前記ゴルフクラブのゴルフクラブシャフトが通過する範囲に、前記水平面と略垂直な方向に設定されていることを特徴とするゴルフスウィング評価装置。
  7. 前記評価手段は、
    前記通過タイミング検知手段において検知した、前記通過基準線を通過する前記複数の測定点それぞれの前記通過するタイミング同士の時間差と、前記インパクト状態における前記ゴルフクラブの移動速度の情報と、を乗算することで、前記通過基準線を通過する際の、前記複数の測定点間の、前記通過基準線と垂直方向の距離を導出し、
    導出した前記垂直方向の距離と、前記複数の測定点の間の前記ゴルフクラブシャフト軸に沿った距離の情報とを用いて、前記インパクト状態における前記ゴルフクラブシャフトの姿勢を表す評価値として、ハンドファーストの程度を表す評価値を算出して出力することを特徴とする請求項6記載のゴルフスウィング評価装置。
  8. 前記垂直方向の距離の大きさをF、前記2箇所の測定点の間の前記ゴルフクラブシャフト軸に沿った距離の大きさをLとしたとき、
    前記評価手段は、前記ハンドファーストの程度を表す評価値として、前記通過基準線を通過する際の、前記ゴルフクラブシャフトの長さ方向と前記通過基準線とのなす角度αを、下記式(1)を用いて導出することを特徴とする請求項7記載のゴルフスウィング評価装置。
    α=sin−1(F/L)・・・(1)
  9. 前記通過基準線は、前記インパクト状態で前記ゴルフクラブが通過する範囲に複数設定されており、前記通過タイミング検知手段は、複数の前記通過基準線それぞれにおける、複数の前記測定点それぞれが通過するタイミングを検知し、
    前記評価手段は、
    前記通過タイミング検知手段において検知された、複数の前記測定点のうちいずれか1つの、複数の前記通過基準線それぞれの前記通過するタイミング同士の時間差と、複数の前記通過基準線間の前記水平面と平行方向の距離とに基き、前記1つの測定点の移動速度を導出し、
    導出した前記1つの測定点の前記移動速度を、前記インパクト状態における前記ゴルフクラブの移動速度情報として用い、前記ハンドファーストの程度を表す評価値を算出することを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載のゴルフスウィング評価装置。
  10. 前記ゴルフスウィングは、前記ゴルフクラブシャフトの複数の前記測定点それぞれに反射マーカが設けられたゴルフクラブを把持して行い、
    前記通過タイミング検知手段は、
    投射光を出射するための光源と、
    前記光源からの投射光を前記通過基準線に対応する測定領域に向けて投射する投射部と、
    複数の前記反射マーカからの、前記測定領域における前記投射光の反射光をそれぞれ検知することで、複数の前記測定点それぞれについて、前記通過基準線を通過するタイミングをそれぞれ検知するラインセンサと、
    を有して構成されていることを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載のゴルフスウィング評価装置。
  11. 前記通過基準線は、前記インパクト状態で前記ゴルフクラブが通過する範囲に複数設定されており、
    前記通過タイミング検知手段の前記投射部が、各通過基準線に対応する測定領域それぞれに向けて前記投射光を投射し、前記通過タイミング検知手段の前記ラインセンサが、それぞれ異なる複数の前記測定領域それぞれにおける、前記投射光の反射光をそれぞれ検知することで、複数の前記測定点それぞれにおける、複数の前記測定点それぞれが通過するタイミングを検知し、
    前記評価手段は、
    前記通過タイミング検知手段において検知された、複数の前記測定点のうちいずれか1つの、複数の前記通過基準線それぞれの前記通過するタイミング同士の時間差と、複数の前記通過基準線間の地面と平行方向の距離とに基き、前記1つの測定点の移動速度を導出し、
    導出した前記1つの測定点の前記移動速度を、前記インパクト状態における前記ゴルフクラブの移動速度情報として用い、前記ハンドファーストの程度を表す評価値を算出することを特徴とする請求項10記載のゴルフスウィング評価装置。
  12. 前記反射マーカは、テープ状に形成されて前記ゴルフクラブシャフトに貼付された再帰反射性の反射体であり、前記投射光を、前記光源から前記通過基準線へと至る光路の逆光路に反射することを特徴とする請求項10または11記載のゴルフスウィング評価装置。
  13. 前記評価手段は、前記算出したハンドファーストの程度を表す評価値と、予め定められた閾値とを比較して、この比較結果を出力することを特徴とする請求項6〜12のいずれかに記載のゴルフスウィング評価装置。
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