JP4935066B2 - 接着性に優れたエアーバッグ用コート布帛およびその製造方法 - Google Patents
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1. シリコーン系コート布のコート面を蛍光X線で測定した際に、視野1cmで測定された任意の12箇所中に存在するAlのX線強度の次式で示されるCV(%)が25%以下であることを特徴とするエアーバッグ用コート布帛。
CV(%)={12箇所のAlの吸収強度の標準偏差(σ)/12箇所のAlの吸収強度の平均値(X)}×100 ・・・・・ 式(1)
2. シリコーン系コート布のコート面を蛍光X線で測定した際に、同一箇所を12回測定したときのAlのX線強度の式(1)で示されるCV%(R)の値(式(1)の12箇所は12回と読み替える)と、任意の場所を12箇所測定したときのAlのX線強度の式(1)で示されるCV%(F)の値から、式(2)で示される比Aが8以下であることを特徴とするエアーバッグ用コート布帛。
CV%(F) / CV%(R) = A ・・・・・ 式(2)
3. コートされた布帛のJIS L 1096に規定されるテーバー摩耗試験前後での重量変化が25 mg以下であり、コートされた布帛のJIS L 1096に規定されるスコット型揉み試験の結果が500回以上でも剥がれが確認されないことを特徴とする上記第1または第2に記載のエアーバッグ用コート布帛。
4. コートされた布帛中のコーティング層に含まれるAlの量が、300ppm〜1000ppmであることを特徴とする上記第1〜第3のいずれかに記載のエアーバッグ用コート布帛。
5. コーティング層の塗布量が5〜50g/m2であることを特徴とする上記第1〜第4いずれかに記載のエアーバッグ用コート布帛。
6. 固体のAl系化合物の平均粒径を20μm以下にしてコート剤へ添加して使用することを特徴とする上記第1から第5のいずれかに記載のエアーバッグ用コート布帛の製造方法。
本発明のエアーバッグ用コート布帛にはアルミニウム化合物を含有するシリコーン系コート剤が塗布されていることが剥離強度を高めることが出来るため好ましい。理由は必ずしも明確ではないが、繊維に含まれている酸化防止効果を有する沃化第一銅カリウムとコート剤に含まれているアルミニウム化合物が繊維とコート剤の界面で化学的な反応や化学的結合などのなんらかの相互作用を発生し、剥離強度の改善に繋がっているものと思われる。ここでいうアルミニウム系化合物とはアルミからなる錯体および/またはアルミ水酸化物の微粒子である。錯体としては、アセチルアセトナト錯体、ビピペリジン錯体、ビピラジン錯体、テトラアザシクロテトラデカン錯体、エチレンビス(グアニド)錯体、テトラエチレングリコール錯体、グリシン錯体、トリグリシン錯体、ナフチリジン錯体、フェナントロリン錯体、ピリジン錯体、サリチルアルデヒド錯体、ポルフィリン錯体、チオ尿酸錯体などを好ましく使用することができ、特に好ましくはアセチルアセトナト錯体であり、およびこの前駆体である。より詳しくはアルミニウムエチルアセトアセテートジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)およびアルミニウムビスエチルアセトアセテートモノアセチルアセトネートを例示することができる。
CV%={(12箇所のAlの吸収強度の標準偏差)/(12箇所のAlの吸収強度の平均値)}×100・・・・・ 式(1)
CV%(F) / CV%(R) = A ・・・・・式(2)
コーティング前の基布の重量を測定し(以下(a)とする)、その基布の上にコーティングし、硬化させた後の基布の重量を測定した(以下(b)とする)。付着量(以下(c))は次式のようにして求めた。(a)と(b)は同一の反物で長さ方向 1m以内からサンプリングを行った。尚、(a)、(b)、及び(c)は1m2当たりの重量(g/m2)で表す。
(c) = (b)−(a)
JIS K 5101-6-2に記載のB型粘度計を用いて測定した。
JIS L 1096 8.17.3 C法のa)質量の減少を評価として用いた。
JIS L 1096 8.17.2 B法を使用し、100回ごとのコーティング面の状態を確認した。コート面の剥がれが生じるまでの回数を揉み強さの回数とした。
Al化合物単体、あるいはAl化合物とシリコーン混合物をフィルム上に薄く伸ばし、そのフィルムごと実体顕微鏡を用いて1000倍に拡大した写真を任意の場所3箇所撮影した。写真内に含まれる固形物から、最大の長さの部分を測定し、最大粒径とした。平均粒径は写真内の固形物をランダムに10ヶ/1枚に付き選び出し、その固形物の長辺の平均値を平均粒径とした。
ナイロン66で製織された基布の上にシリコーンコートが所定量塗布されている基布に対し、蛍光X線を用いて測定を行った。なおこの際、蛍光X線の視野として1cmとし布帛上の1箇所を12回測定した後、布帛上の任意の12点箇所の測定を行った。ICPで定量を行った既知のAl化合物を用いて作成した検量線を用いて、蛍光X線で得られたデータの換算を行った。得られたデータの平均値、並びに標準偏差から、CV%を計算した。
コーティングされた基布から、2g計量したものを白金るつぼに入れ、電熱器上で加熱し炭化させた。次に電気炉で550度に加熱し灰化物を得た。得られた灰化物を1M塩酸溶液で溶解させた後に20mLに定容した。溶液中のAl高周波誘導プラズマ発光分析法(測定機器:リガク社製、CIROS-120)より求めた。得られた値(以下dとする)から、コーティング剤中のAl添加量(ppm)を次式により求めた。(b)はコーティング後の基布の重量、(c)はコーティング剤の付着量、を示す。
Al添加量 = (d) /(c) × (b)
(A)成分として、粘度約25000cPsであるビニル基含有ジメチルポリシロキサン100部、(B)成分として、粘度約100cPsであるメチルハイドロジェンシロキサン1.5部、(C)成分として粘度約200cPsのグリシドキシ基を有するエポキシアルコキシシラン1部、(D)成分として粘度約150cPsであるビニル基を有するトリメトキシビニルシラン1部、(E)成分としてアルミニウムトリス(アセチルアセトナート)所定量、(F)成分として白金1重量%含有する白金-ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体を1部添加し、所定の攪拌機で撹拌を行った。なお、(E)成分は、各実施例、比較例に記載の方法で処理を行った後に、剤の調整に用いた。
350dtex/72filの糸を用い、加工後の密度が経糸方向63本/2.54cm、緯糸方向61本/2.54cmとなるようにウォータージェットルームにより製織し、精練-乾燥処理加工を行った基布を用いた。
(E)成分を1部に対し、(A)成分を4部の割合で混合させた粘性を有するシリコーン混合物を、3本ロールミルに通した。ロールミル通過後の粒径を確認したところ、最大粒径38μm、平均粒径18μmの固形物が観測された。この粘性物を(A)成分96に対し、5部添加した。すなわち剤全体としては(A)成分100に対し(E)成分1部となる。
付着量18g/m2となるようにコーティングを行った以外は実施例1に従った。
(E)成分を予めボールミルで分散し、(A)成分100に対して、1部を添加し剤を調整し付着量45g/m2となるようにコーティングをした以外は実施例1と同様の方法でコーティングを行った。ボールミル分散後の粒径は最大41μm、平均20μmであった。
(E)成分を(A)成分100に対して、固体のまま1部を添加し剤を調整した以外は実施例1と同様の方法でコーティングを行った。固体は、最大粒径52μm、平均粒径35μmであった。
Claims (6)
- 固体のアルミニウム系化合物として、平均粒子系20μm以下であるアルミからなる錯体を含み、コーティング層の塗布量が5〜25g/m2であるシリコーン系コート布のコート面を蛍光X線で測定した際に、視野1cmで測定された任意の12箇所中に存在するAlのX線強度の次式で示されるCV(%)が25%以下であることを特徴とするエアーバッグ用コート布帛。
CV(%)={12箇所のAlの吸収強度の標準偏差(σ)/12箇所のAlの吸収強度の平均値(X)}×100 ・・・・・ 式(1) - 固体のアルミニウム系化合物として、平均粒子系20μm以下であるアルミからなる錯体を含み、コーティング層の塗布量が5〜25g/m2であるシリコーン系コート布のコート面を蛍光X線で測定した際に、同一箇所を12回測定したときのAlのX線強度の式(1)で示されるCV%(R)の値(式(1)の12箇所は12回と読み替える)と、任意の場所を12箇所測定したときのAlのX線強度の式(1)で示されるCV%(F)の値から、式(2)で示される比Aが8以下であることを特徴とするエアーバッグ用コート布帛。
- コートされた布帛のJIS L 1096に規定されるテーバー摩耗試験前後での重量変化が25 mg以下であり、コートされた布帛のJIS L 1096に規定されるスコット型揉み試験の結果が500回以上でも剥がれが確認されないことを特徴とする請求項1または2いずれか1項に記載のエアーバッグ用コート布帛。
- コートされた布帛中のコーティング層に含まれるAlの量が、300ppm〜1000ppmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のエアーバッグ用コート布帛。
- 固体のAl系化合物を分散機により平均粒径を20μm以下にしてコート剤へ添加し、使用することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のエアーバッグ用コート布帛の製造方法。
- 固体のAl系化合物を分散機により平均粒径を20μm以下にしてコート剤へ添加し、攪拌後、使用することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のエアーバッグ用コート布帛の製造方法。
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