JP4933308B2 - 電子写真感光体、画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真感光体、画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジ Download PDF

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Description

本発明は、複写機やレーザープリンター、普通ファクシミリ等の画像形成に使用される電子写真感光体、及びそれを用いた画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジに関する。
近年、オフィスの省スペース化やビジネスオポチュニティの拡大などの観点から、電子写真装置に対して、益々、高速化、小型化、カラー化、さらに高画質化、易メンテナンス化などが望まれている。これらは電子写真感光体の特性向上、耐久性向上などに関係しており、電子写真感光体の解決すべき問題と位置づけられている。
上記したような易メンテナンス性の向上の観点から、電子写真感光体の交換頻度の低減があげられる。これは電子写真感光体由来の出力画像の欠陥を、長期に亘って可能な限り少なくすることであり、電子写真感光体の長寿命化に他ならない。また、長期に亘っての出力画像の高画質化にも関連するため、近年、電子写真感光体の長寿命化に関する開発が多く報告されている。
電子写真感光体の長寿命化のためには、電子写真感光体が受ける各種ハザード(障害)からの耐久性向上が必須となる。たとえば、感光体上に残留するトナーをクリーニングする手段として、弾性部材を当接する方式(所謂ブレードクリーニング方式)が主流となっている。本方式は少ないスペースで大きなトナー除去能力を有するため、電子写真装置の小型化には非常に有効である。その反面、電子写真感光体に直接弾性部材を当接し、摺擦させるため、電子写真感光体への機械的なハザード(障害など)が非常に大きい。このため、本クリーニング方式を適用した電子写真装置では、電子写真感光体の摩耗が課題となることが多く、長寿命化に対して高硬度保護層を積層するなどの報告が多数なされている(特許文献1、2、3、4、5参照)。
前記機械的障害あるいは負荷以外の電子写真感光体への障害としては、感光層(電荷発生層・電荷輸送層・中間層など)を通過する電荷による障害あるいは負荷が挙げられる。現在世界に広く普及している電子写真感光体は有機材料からなるものが大部分を占めている。このため、電荷の通過により徐々に有機材料が変質し、層中での電荷トラップの発生や、帯電性の低下などの電子写真特性の低下が生じる。特に帯電性低下は出力画質への影響が大きく、画像濃度低下や地汚れ、連続出力時の均質画像が得られないなどの重大な問題を引き起こすことが知られている。
帯電性低下の原因としては、導電性基板から感光層(電荷発生層・電荷輸送層など)への電荷の注入や、中間層における電荷トラップの発生が原因と考えられている。たとえば、本発明が係わる積層型感光体の場合、帯電器によって電荷輸送層表面に負帯電を行う。その際に導電性基板から感光層へ正電荷が注入され、表面に達すると、付与された電荷がキャンセルされて、所望の帯電電位が得られなくなるといった現象がある。この現象がミクロな領域で発生する場合には、出力画像において地汚れ等の問題を引き起こす。また、感光体全域で発生する場合には、出力画像における画像濃度低下を引き起こす。また、中間層において電荷トラップがある場合には、電荷発生層において生じた負電荷が中間層でトラップされて、帯電性低下や、露光部電位の上昇などを引き起こすと考えられる。
帯電性低下に対する改善策として、たとえば導電性支持体と感光層(本願発明に於いては電荷発生層)との間の中間層を絶縁層とする方法が提案されている(特許文献6、7参照)。この手法を適用することによって、導電性支持体から感光層への不要な電荷注入を抑制することができる。一方、感光層中で発生した電荷を導電性支持体へ流すことが困難であるため、露光部電位を上昇させる原因となることが指摘されている。
これとは別に、バインダー樹脂と無機微粒子からなる中間層にアクセプター材料またはドナー材料を含有させることにより、所望極性の電荷を輸送させる方法が提案されている(特許文献8参照)。この手法を適用することによって、中間層における電荷トラップの発生を抑制することが可能であり、中間層中の電荷トラップ由来の帯電性低下を改善することができるものとされている。しかしながら、中間層の電荷通過による劣化現象は解決されていないと言える。また、世界に広く普及しているOPC(有機感光体)はそのほとんどが積層感光体であり、負帯電により用いられている。そのため中間層にアクセプター材料を含有させる必要があるが、アクセプター材料の使用に当たっては、優れた電子移動特性を示す材料が少ないこと、また取り扱い時に酸素による特性低下などがあることから、実用化には多くの検討を有する。
このように電子写真感光体の長寿命化を目的とした場合、帯電性保持が重要な課題であり、その検討はあまり多くなされておらず、また十分な改善がなされていないのが現状である。
特開平5−181299号公報 特開2002−6526号公報 特開2002−82465号公報 特開2000−284514号公報 特開2001−194813号公報 特開平03−045962号公報 特開平07−281463号公報 特開2006−259141号公報
本発明は上記従来技術の有する問題点に鑑みて成されたものであり、導電性支持体からの電荷注入を抑制することができるとともに、長期にわたる使用によってもその特性低下が極めて少なく、欠陥の少ない画像を継続的に得ることができる電子写真感光体を提供すること、さらにその感光体を用いた画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジを提供することを目的とする。
本発明者らは上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、導電性支持体上に、導電性支持体上に接して形成された中間層と、電荷発生層、電荷輸送層及び架橋性表面層とを順に有する電子写真感光体において、該中間層に構成成分として電子親和力の小さい窒化物半導体を含有させ、該窒化物半導体の電子親和力を電荷発生層中に含まれる電荷発生材料のイオン化ポテンシャルよりも小さくする。これによって、導電性支持体から電荷発生層、電荷輸送層への不要な電荷の注入を抑制することが可能であるとともに、中間層中への電荷トラップが発生しにくく、長期に亘って電子写真感光体の帯電性低下が生じず、また、出力画像の欠陥を極めて少なくすることができる電子写真感光体が得られることを見いだし、本発明に至った。
すなわち、請求項1に記載の電子写真感光体の発明は、導電性支持体上に、少なくとも導電性支持体に接して形成された中間層、電荷発生層、電荷輸送層及び表面層が順次積層されている電子写真感光体であって、該中間層の構成成分として、窒化物半導体を含むことを特徴とする。
請求項2に記載の電子写真感光体の発明は、請求項1に記載の電子写真感光体において、前記表面層は架橋性表面層であることを特徴とする。
請求項3に記載の電子写真感光体の発明は、請求項1または2において、前記窒化物半導体が、窒化ガリウムであることを特徴とする。
請求項4に記載の電子写真感光体の発明は、請求項1ないし3のいずれかにおいて、前記中間層が、窒化ガリウムからなる膜により形成されていることを特徴とする。
請求項5に記載の電子写真感光体の発明は、請求項1ないし3のいずれかにおいて、前記中間層が、窒化ガリウムからなる微粒子とバインダー樹脂からなることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項5において、前記中間層の窒化ガリウムの含有率が、70重量%以上95重量%以下であることを特徴とする。
請求項7に記載の電子写真感光体の発明は、請求項2乃至6のいずれかにおいて、前記架橋性表面層は、少なくとも電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性化合物と電荷輸送性構造を有する化合物とを含む組成物を、熱又は光もしくは電離性放射線の少なくとも1つによって架橋させて得られたことを特徴とする。
請求項8に記載の電子写真感光体の発明は、請求項7において、前記電荷輸送性構造を有する化合物が、ラジカル重合性官能基を有することを特徴とする。
請求項9に記載の電子写真感光体の発明は、請求項8において、前記電荷輸送性構造を有する化合物のラジカル重合性官能基が、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基の少なくとも1つの基であることを特徴とする。
請求項10に記載の電子写真感光体の発明は、請求項8または9において、前記電荷輸送性構造を有する化合物のラジカル重合性官能基数が、1であることを特徴とする。
請求項11に記載の電子写真感光体の発明は、請求項7乃至10において、前記電荷輸送性構造を有する化合物の電荷輸送性構造が、トリアリールアミン構造であることを特徴とする。
請求項12に記載の電子写真感光体の発明は、請求項7乃至11において、前記電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性化合物の官能基が、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基の少なくともいずれかの基であることを特徴とする。
請求項13に記載の電子写真感光体の発明は、請求項7乃至12において、前記電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性化合物の官能基数が、少なくとも3であることを特徴とする。
請求項14に記載の画像形成方法の発明は、請求項1乃至13のいずれかに記載の電子写真感光体を用いて、少なくとも該電子写真感光体を帯電させる帯電プロセスと、該帯電プロセスによって帯電させられた電子写真感光体表面に静電潜像を形成する潜像形成プロセスと、該潜像形成プロセスによって形成された静電潜像にトナーを付着させる現像プロセスと、該現像プロセスによって形成されたトナー像を被転写体に転写させる転写プロセスと、転写後に電子写真感光体表面に残留したトナーを電子写真感光体表面から除去するクリーニングプロセスとを繰り返し行うことを特徴とする。
請求項15に記載の画像形成装置の発明は、請求項1乃至13のいずれかに記載の電子写真感光体と、少なくとも該電子写真感光体表面を帯電させる帯電手段と、該帯電手段によって帯電させた電子写真感光体表面に静電潜像を形成させる潜像形成手段と、該潜像形成手段によって形成された静電潜像にトナーを付着させる現像手段と、該現像手段よって形成されたトナー像を被転写体に転写させる転写手段と、該転写後に電子写真感光体表面に残留するトナーを電子写真感光体表面から除去するクリーニング手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
請求項16に記載の画像形成装置用のプロセスカートリッジの発明は、請求項1乃至13のいずれかに記載の電子写真感光体を、該電子写真感光体表面を帯電させる帯電手段、該帯電手段によって帯電させた電子写真感光体表面に静電潜像を形成させる潜像形成手段、該潜像形成手段によって形成された静電潜像にトナーを付着させる現像手段、該現像手段よって形成されたトナー像を被転写体に転写させる転写手段、及び該転写後に電子写真感光体表面に残留するトナーを電子写真感光体表面から除去するクリーニング手段からなる群から選ばれた少なくとも一つの手段と共に一体に支持し、画像形成装置本体に着脱可能であることを特徴とする画像形成装置用プロセスカートリッジ。前記窒化物半導体が窒化ガリウムであることを特徴とする。
本発明によれば、導電性支持体上に、少なくとも導電性支持体に接して形成された中間層、電荷発生層、電荷輸送層及び架橋性表面層が順次積層されている電子写真感光体であって、該中間層が構成成分として窒化物半導体を含むことから、優れたホールブロッキング性に起因する帯電性を有し、導電性支持体からの電荷注入を抑制することができるとともに、長期にわたる使用によってもその特性低下が極めて少なく、欠陥の少ない画像を継続的に得ることができる感光体を提供することができる。また、本発明の感光体を用いた、高性能、高信頼性を有する画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジを提供することができる。
以下に本発明を詳細に説明する。
《帯電性低下の原因の推定》
電子写真作像プロセスにおける帯電プロセスは感光体表面を一定電位に帯電させるものであり、その均一性が画像濃度ムラに関わり、帯電能力が高速性に関わることから高画質化・高速化に対しては重要な技術である。電子写真感光体の表面を均一に帯電させるために必要な特性として、導電性支持体からの不要な電荷注入がないこと、また電子写真感光体中に電荷トラップが少ないことがあげられる。これらの特性を有しない電子写真感光体であれば、帯電プロセスにおける電子写真感光体帯電時に導電性支持体から逆極性の電荷注入が生じ、表面に付与された電荷をキャンセルしたり、蓄積された電子写真感光体内の電荷が表面に付与された電荷をキャンセルすることによって、所望の帯電性が得られないといった現象が発生する。
また、前述の通り、最近の電子写真感光体に関連した開発動向として、環境対応、易メンテナンス性などを指向して長寿命化が進められており、ここに示した導電性支持体からの不要な電荷注入や、電荷トラップのないことが長期に亘って維持されることが求められている。すなわち、ここに示した帯電性に関わる特性は、初期的には非常に優れた特性を有していたとしても、使用によって用いられている有機材料が劣化し、不要電荷の注入サイトが発生したり、層中に新たな電荷トラップを発生させるなどによる、帯電性低下を引き起こさないような、電気的耐久性が求められている。
本発明はこの問題点を改善するためになされたものである。すなわち、中間層を構成する無機半導体材料として電気化学的に電荷発生層への不要電荷が注入しにくい材料を用いることにより、長期に亘ってその帯電性低下が生じにくい優れた電子写真感光体を得ることができる。
このような本発明によれば、中間層から電荷発生層への不要な電荷(特に本発明に於いては正電荷)の注入を、相互に特有の電気的特性を利用することで抑制することが可能であり、これによって、長期に亘って帯電性の低下が生じない、出力画像品質に関わる欠陥の発生の少ない優れた電子写真感光体を提供することができる。
以下に本発明の詳細について記述する。
《中間層に求められる特性》
(ホールブロッキング性)
本発明に記載の特性を発現させるために、中間層の特性としては、中間層を構成する無機半導体材料の電子親和力が電荷発生層に含有される電荷発生材料のイオン化ポテンシャルよりも小さいことが必要であることを見いだした。この理由については現時点で明らではないが、本発明者は次のように推測している。すなわち、本発明に記載の積層型電子写真感光体は通常は表面を負帯電することで用いられる。このとき、もし電荷発生材料のイオン化ポテンシャルが中間層の電子親和力を下回る場合、中間層によって電荷発生材料のHOMO(分子軌道法による最高占有電子準位)における電子が引き抜かれる現象が生じると考えられる。また、これによって電荷発生層に生じた正孔を補償するように電荷輸送層から電子の注入と正孔の輸送が生じるため、電子写真感光体表面に付与された電子が輸送された正孔によってキャンセルされる現象が生じると考えられる。この現象を発生させないために、中間層の電子親和力が電荷発生層に含有される電荷発生材料のイオン化ポテンシャルよりも小さいことが必要要件であるという結論に至った。
(エレクトロン輸送性)
また、電荷発生材料の電子親和力(所謂LUMO(分子軌道法による最低非占有電子準位)における真空準位)が中間層の電子親和力よりも大きい場合、光照射によってLUMOにあげられた励起子が中間層を経由して導電性支持体に移動しやすい。このため、電子写真感光体の露光部電位を低く維持するために電荷発生材料の電子親和力が中間層の電子親和力よりも大きいことが好ましい。
さらに、導電性支持体から中間層への正孔の注入を極力抑えるためには、中間層に用いる無機半導体材料のバンドギャップを大きくすることが必要となる。これにより、導電性支持体のフェルミ準位から中間層の価電子帯への正孔の流入を少なくすることが可能となる。
本発明に於いて、ここに示した電気化学的特性をすべて満たした無機半導体材料を中間層として用いることが好ましいが、導電性支持体からの正孔の注入を抑制するためには、中間層を構成する無機半導体材料の電子親和力と電荷発生材料のイオン化ポテンシャルとの前記した関係を満たす必要がある。
《無機材料》
<無機半導体材料を用いることのメリット>
有機半導体材料は種類が多く、吸収スペクトルの制御が容易であること、デバイス形成の容易さから電子写真感光体分野に於いて広く取り扱われている。その反面、結合エネルギーが小さく、光や熱、電気的障害あるいは負荷などによって容易に構造変化による特性変化を起こしやすい。一方、無機半導体材料は用いることができる材料が少なく、デバイス設計が困難であることや、成膜に要するコスト・時間が大きくなる傾向があり、電子写真感光体分野においては唯一アモルファスシリコンが商業化されているのみである。しかしながら、無機半導体材料はアモルファスシリコンも含め、共有結合性の材料であることからその結合力が極めて強く、光や熱・電気的障害等によってもその構造の変化はほとんど生じないことから、長期に亘って安定した特性を維持することができる。そのため、本発明においてもその安定性によって、長期に亘って安定した特性を維持することができるため、非常に有効な材料群といえる。本発明に記載の有機樹脂/無機微粒子複合膜は、電気的安定性や電荷輸送性が、耐久性と電荷輸送性とに極めて優れた中間層を形成することが可能である。
<好ましい窒化物半導体>
前述のホールブロッキング性及びエレクトロン輸送性を満たすためには電子親和力が小さく、バンドギャップが大きい無機半導体を中間層に用いることが好ましい。本発明で説明する窒化物半導体は電子親和力が比較的小さい。また本発明で説明する窒化ガリウムはバンドギャップが3.4eV程度と比較的大きく、導電性支持体から窒化ガリウムの価電子帯へのホールの流入が生じにくいので、ホールブロッキング性を有する中間層を形成するのに適した無機半導体材料である。また、その他窒化物半導体として、シリコンナイトライドやシリコンオキシナイトライドなどの窒化シリコン系材料、さらに窒化インジウムなどを挙げることができ、これに限定されない。また、ガリウム・インジウム・アルミニウム・ホウ素などの配合比を変化することによりバンドギャップを大きく変化させることができ、所望のホールブロッキング性を得ることができる。これら窒化ガリウム、窒化シリコン系材料、窒化インジウムなどの窒化物半導体は単独であるいは2以上併用することもできる。
このような本発明によれば、窒化物半導体の特徴である低電子親和力に加えて、バンドギャップが3.3eV程度と比較的大きく、価電子帯の仕事関数が大きいため、前記記載の効果、すなわち中間層から電荷発生層への不要な電荷の注入抑制を得やすい。これによって、長期に亘って帯電性の低下が生じない、出力画像品質に関わる欠陥の発生の少ない優れた電子写真感光体を提供することができる。
《積層形態(微粒子・緻密膜)》
本発明に於いては、構成成分として窒化物半導体を含有する中間層を導電性支持体上に積層するものであればよく、たとえば窒化物半導体を導電性支持体上に直接成膜しても、あるいは有機材料をバインダーとし、粒子状の窒化物半導体を分散させた塗工液(中間層形成用塗工液)をキャストコーティング、ディップコーティング等の塗工法を用いて成膜しても良い。
《微粒子の場合》
<フィラーにした場合の必要要件>
有機材料をバインダーとして用い、その中に粉末の窒化物半導体を分散させた塗工液(中間層形成用塗工液)を用いて中間層を積層する場合について説明する。この構成により中間層を形成する場合は、前述の中間層に求められる特性を発現させるために、窒化物半導体同士の電気的あるいは電子的接触(以下コンタクトという)、窒化物半導体と導電性支持体とのコンタクト、窒化物半導体と感光層とのコンタクトが十分にとれていることが重要となる。また、本発明の中間層においては、中間層上に感光層を溶剤を用いた塗工液を塗工して作製する観点から、架橋性樹脂などを用いて、感光層塗工時の溶出を抑制できる材料を用いることが望ましい。
<粒子の作製方法>
窒化物半導体を粒子状の粉体として用いる場合、その粉体作製方法としては、液相成長法や気相成長法、レーザアブレーション法などを用いて直接所望の粒径を有する粉体を得ても良い。また、フラックス法、アモノサーマル法、高圧溶液法等の溶液成長方法や融液成長方法等のバルク結晶成長技術を用いて作製した結晶塊を粉砕することによって粉体を得ても良い。
<粒子の粒径>
用いる窒化物半導体の粒径については、本発明の電子輸送性及び正孔ブロッキング性を発現することができれば特に限定されない。通常、バインダー樹脂中に粒子を分散して中間層を形成する場合には導電性支持体と感光層との間に十分な電荷の授受が必要であることから、中間層に用いる粒子の粒径は小さいことが好ましい。しかしながら、現在の電子写真作像技術における露光プロセスでは主可干渉性の高いLDが一般的に使われており、導電性支持体表面の反射率が高い場合はLD入射光と反射光との干渉によるモアレが発生しないようにするために、中間層で入射光を散乱することができる粒径を選択することができる。散乱理論の一般式は非常に複雑であるが、散乱粒子を球形と見なした場合、光散乱が最高になる粒径Dについては下記Mittonの経験式を参考にして求めることができる。
Figure 0004933308
たとえば、窒化ガリウムの屈折率(n2)を2.5とし、バインダー樹脂の屈折率(n1)を1.5とし、電子写真プロセスに用いられるLD波長を650nmとした場合、上式にこれらの値を代入すれば(上記式のmはm=n2/n1である)、262nmの粒径において最大散乱が生じると求まる。そのため、平均粒径260nm程度の粒子と併用することで、正孔ブロッキング性、電子輸送性とモアレ防止機能とを併せ持った中間層を形成することが可能となる。
上記記載のモアレ防止のための粒子と電子輸送性及び正孔ブロッキング性発現のための粒子とは別に準備しても良い。すなわち、モアレ防止のために比較的屈折率が高い素材を用いて入射光が散乱しやすい粒径を有する粒子を用いるとともに、電子輸送性と正孔ブロッキング性を発現するために本発明に記載の窒化物半導体を併用することで、モアレ防止機能と併せて本発明に記載の電荷輸送性を有する中間層を得ることが可能となる。この場合にモアレ防止のために使用する粒子は窒化物半導体であってもその他の無機微粒子であっても良い。窒化物半導体を用いない場合は比較的屈折率の高い材料が好ましい。モアレ防止のために層中に添加する粒子はモアレ防止効果を発現する必要量であれば良く、正孔ブロッキング性、電子輸送性を阻害しない量であることが好ましい。
<粒径の測定方法>
粒径の測定方法には、篩い分けや顕微鏡観察などで得られる粒子の幾何学的な情報の他、光の回折や散乱などの物理現象、沈降速度をはじめとした粒子の動力学的性質など、粒子径に依存する物理量を利用する方法が挙げられる。本発明においては数百nmオーダーの粒径の測定が可能であればよく、測定方法は特に限定されない。このような粒径の測定方法としては、たとえばゼータ電位を用いた粒径測定方法や光子相関法(動的光散乱法)を用いた粒径測定方法があげられる。前者の方式を用いた測定器としては、たとえばゼータ電位・粒径測定システムとして大塚電子社のELS−Zシリーズがあげられる。また、後者の方式を用いた測定器としては、ナノトラック粒度分布測定装置として日機装社のUPAシリーズや、動的光散乱式粒径分布測定装置としてHORIBA社のLB―550などが挙げられる。
<粒子の含有量>
粒子の含有量としては、小粒径粒子を用いる場合は粒子濃度が高いことが好ましい。すべての粒子が同一粒径を持ち、その形状が真球であると仮定した場合は最密充填となった場合にその含有率が最大となる。その場合、層にしめる粒子の体積比率は74%であり、粒子比重を4.0g/cm3とした場合、樹脂1に対する重量比は8.75が最大となる。実際には粒子は不定形であり、粒径自体も分布を持っているので、この計算値は実際的な数値ではないが粒子配合比率を決定する際に参考とすることができる。粒子含有量としては、好ましくは70重量%以上95重量%以下の量で、より好ましくは75重量%以上90重量%以下である。70重量%未満の場合、粒子間距離が大きくなり十分な電子伝導性を示さなくなるため好ましくない。また重量比が95重量%を超える場合、粒子濃度が高すぎて塗布性の低下するとともに、バインダー含有量が不十分であることから層中に空隙が生じ、電気特性ムラが発生するため好ましくない。
このような本発明によれば、十分な電子伝導性と塗布性の低下がなく電気的特性ムラを発生させない電子写真感光体を提供することができる。
<バインダー>
中間層に用いるバインダーとしては、中間層上に感光層を溶剤を有する塗工液を用いて形成する場合、この有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂をバインダーとすることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。
<積層方法>
次に微粒子を有機樹脂中に分散させる塗工液を用いる場合についてその成膜方法を説明する。前述した窒化物半導体とバインダーとを適切な溶剤を用いて塗工液を作製し、導電性支持体上に塗布することにより形成される。塗工液に用いられる溶剤としては一般に市販されている溶剤を用いて良く、たとえばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール系、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系、テトラヒドロフラン、ジオキサン、プロピルエーテルなどのエーテル系、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼンなどのハロゲン系、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族系、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、セロソルブアセテートなどのセロソルブ系などが挙げられる。これらの溶媒は単独または2種以上を混合して用いてもよい。
中間層形成の際に用いる塗工方法としては、一般に用いられている塗工方法であれば特に限定されない。例えば、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコート法などが例示される。塗工液の粘度、所望とする表面層の膜厚などによって適宜塗工方法を選択すると良い。また塗工後に塗工液に用いた溶剤の層中濃度低減やバインダーとして架橋性材料を用いた場合にはその硬化を目的として必要に応じて加熱(乾燥)処理を施して良い。加熱条件としては用いるバインダー種、窒化物半導体種によって適宜選択されるが、300℃を超える高温雰囲気下に、酸素などを含む大気など酸化性雰囲気下に加熱を行うと、導電性支持体等が酸化され、それと共に電気特性が変化する惧れがあるため、好ましくは300℃以下で乾燥すると良い。
中間層の膜厚としては0.1μm〜15μmが好ましく、より好ましくは0.5μm〜10μmである。中間層が0.1μmより薄すぎると、強電界印可状態ではホールブロッキング性が十分に発現しにくくなるため好ましくない。また、中間層が15μmより厚すぎると、電子輸送性が低下したり、電子トラップが層中に形成されたりするため好ましくない。
このような本発明によれば、比較的抵抗の高い高分子材料をバインダーとして用いることにより、導電性支持体から感光層への不要な電荷注入抑制の効果が得やすく、出力画像品質に関わる欠陥の発生の少ない優れた電子写真感光体を提供することができる。
《緻密膜》
<緻密膜にした場合の必要要件>
次に無機緻密膜を中間層とする場合について説明する。この構成により中間層を形成する場合は、前述の窒化物半導体を適切な手法を用いて導電性支持体上に成膜して正孔ブロッキング性と電子輸送性を両立させた層を得ることができる。ここで、所望の電気特性を再現性良く得るためには粒界が比較的少なく、特異な結晶粒がないことが好ましい。そのため多結晶膜で比較的結晶粒のそろった膜やアモルファスの膜が好ましい。
このような本発明によれば、緻密な窒化物半導体の膜により中間層を形成することで、導電性支持体から感光層への不要な電荷注入が生じにくく、加えて電気的耐久性に優れた中間層を得ることができるため、長期に亘って帯電性の低下が生じない、出力画像品質に関わる欠陥の発生の少ない優れた電子写真感光体を提供することができる。
<電子親和力>
次に本発明に記載の正孔ブロッキング性と電子輸送性を得るために好ましい中間層の電子親和力に関して記載する。ここで窒化物半導体における電子親和力とは、真空準位から伝導帯までのエネルギーを指す。
前述の通り、窒化物半導体の電子親和力は電荷発生層中の電荷発生材料のイオン化ポテンシャルよりも大きいことが好ましいが、そのエネルギー差としては、1.0eVより大きいことが好ましく、さらに好ましくは1.2eV以上である。無機半導体材料の電子親和力と電荷発生材料のイオン化ポテンシャルの差が1.0eV以下においても、ホールブロッキング性が示されるが、用いる窒化物半導体によってはその機能が十分に発現されない場合がある。また、ホールブロッキング性の発現においてはそのエネルギー差の上限値は特に規定されないが、あまりにエネルギー差が大きくなる場合、後述するように、窒化物半導体の電子親和力が電荷発生材料の電子親和力を上回り、電子写真プロセスにおける書き込みプロセスで電荷発生材料で形成される電子が窒化物半導体に注入しにくくなるため、不要な電子が電荷発生層と中間層界面に残留する原因となるため好ましくない。
ここで、窒化物半導体の電子親和力と有機材料の電子親和力及びイオン化ポテンシャルについて簡単に説明する。
(窒化物半導体の電子親和力)
無機半導体材料における電子親和力はケルビン法や光電子分光法(X線・紫外線)で得られた価電子帯から真空準位までのエネルギー値に、バンドギャップ値を差し引くことで得ることができる。
ケルビン法は仕事関数が既知の物質と所望の物質との接触電位差を利用した測定方法である。すなわち、二つの仕事関数の異なる物質を接触させようとした時、フェルミ準位が同じになるように、電流が流れ、平衡状態では電位差が生じる。この差は二つの物質の仕事関数の差に相当する。従って、仕事関数が未知の測定サンプルAと仕事関数が既知の標準サンプルB(本発明では白金を使用)の、二つの平板電極を用意して、互いに対向して近づけたり離す(これを振動プローブ法や振動容量法(ケルビン法)という)と、交流電流が流れ、その時の電圧Vを測定してA=V+Bにより、仕事関数が測定できる。測定装置としてはテックサイエンス社製『UHVケルビンプローブ』等を用いることができる。
(有機材料のイオン化ポテンシャル及び電子親和力)
有機材料における電子親和力は、LUMO(最低非占有電子軌道準位)から真空準位までのエネルギーを指し、またイオン化ポテンシャルは、HOMO(最高占有電子軌道準位)から真空準位までのエネルギーを指す。一般には下記に示す光電子分光測定法を用いてイオン化ポテンシャルを得ることができ、また電子親和力に関しては光化学的測定手法の一つとして知られるTaucプロットから得られるバンドギャップをイオン化ポテンシャルから差し引くことによって得ることができる。
光電子分光測定法の基本原理は、試料表面に紫外線を照射した場合、放出される光電子の数は紫外線のエネルギー(hν)に依存して変化する。これから光エネルギー値を連続的に変化させた際の光電子放出量の変化をトレースすることにより、光電子放出開始エネルギーを得る。具体的には、表面を平滑にしたAl板上に当該フィルム(本発明で使用される電荷発生層と同一組成の樹脂膜)をイオン化ポテンシャル測定用のサンプルとし、理研計器株式会社製『大気中光電子分光装置 AC−2』を用いて、当該フィルムのイオン化ポテンシャルを得ることができる。
次にバンドギャップ測定方法について説明する。本発明においてバンドギャップ測定には光化学的測定手法の一つとして知られるTaucプロットを利用する。ただし本発明では物理的に同義な特性値が得られるのであれば本手法に限定されない。Taucプロットを用いたバンドギャップエネルギー(E0)の測定原理を以下に示す。
半導体材料の長波長側の光学吸収端近傍の比較的吸収の大きい領域に於いて光吸収係数αと光エネルギーhν(ただし、hはプランク常数、νは振動数)、及びバンドキャップエネルギーE0の間には次式、が成り立つと考えられている
Figure 0004933308
従って、吸収スペクトルを測定し、そこから(αhν)の0.5乗に対してhνをプロット(所謂Taucプロット)し、直線区間を外挿したα=0におけるhνの値が求めようとするバンドギャップエネルギーE0となる。
<バンドギャップ>
中間層に用いる窒化物半導体のバンドギャップも導電性支持体からのホールブロッキング性注入抑制に対しては関連があると考えられる。前述の通り、バンドギャップが大きい窒化物半導体を中間層に用いることで価電子帯から真空準位までのエネルギー(所謂価電子帯の仕事関数)の絶対値が大きくなり、導電性支持体に用いる金属のフェルミ準位からのホール注入を抑制することができる。ここで中間層を構成する窒化物半導体のバンドギャップとしては2.0eVよりも大きいことが好ましく、より好ましくは2.5eV以上(たとえば2.5eV)である。バンドギャップが2.0eV以下である場合は、後述する導電性支持体に用いられる金属(アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム等)のフェルミ準位を無機半導体材料の価電子帯における仕事関数が上回ることがあり、フェルミ準位と価電子帯における仕事関数との差が小さくなり、十分なホールブロッキング性を補償できなくなるため、導電性支持体を構成する金属材料から中間層へのホール注入が生じやすく好ましくない。
バンドギャップの測定は前述の方法に従って測定しても良く、また電気化学的な方法と同義の特性値が得られる他の測定方法を用いても良い。
<緻密膜の作製方法>
窒化物半導体の導電性支持体上への成膜方法は一般に用いられている成膜方法であれば特に限定されない。成膜方法は、大別して気相成長法、液相成長法、固相成長法に分けられる。気相成長法はさらに物理的気相成長法(PVD)と化学的気相成長法(CVD)とに分類され、物理的気相成長法としては、たとえば真空蒸着、電子ビーム蒸着、レーザーアブレーションMBE(分子線エピタキシ)、MOMBE(有機金属MBE)、反応性蒸着、イオンプレーティング、クラスタイオンビーム法、グロー放電スパッタリング、イオンビームスパッタリング、反応性スパッタリングなどがあげられる。液相成長法としては、たとえば熱CVD法、MOCVD、RFプラズマCVD、ECRプラズマCVD(電子サイクロトロン共鳴プラズマCVD)、光CVD、レーザーCVDなどがあげられる。液相法としては、たとえばLPE法(液相エピタキシ)、電気メッキ法、無電界メッキ法やコーティング法などがあげ荒れる。固相法としては、たとえばSPE(固相エピタキシ)、再結晶法、グラフォエピタキシ、LB法、ゾルゲル法などがあげられる。
<窒化物半導体の膜質>
中間層の膜厚としては、前述のホールブロッキング性およびエレクトロン輸送性などの整流機能を示せば特に限定はされないが、膜厚が0.1μmより薄すぎる場合には導電性支持体が均一に被覆されなかったり、部分的な電荷リーク点が形成される可能性があり、十分なホールブロッキング性を示さないことが懸念されるため好ましくない。また膜厚が10μmを超える厚すぎる場合には導電性支持体との熱膨張率の差により中間層にクラックが入ったり、導電性支持体との接触が不十分になることによる整流機能が欠如するおそれがある。これらの観点から、中間層の膜厚は0.1μm以上10μm以下が良く、より好ましくは0.5μm以上7μm以下である。
中間層の膜質としては、前述の通り整流機能を有していればよく、多結晶体・単結晶帯であっても、アモルファス形態であっても良い。一般に膜中に粒界(グレイン)を有する場合には粒界面における電荷輸送の制御が困難となると言われており、できるだけ粒界を少なくすることが好ましい。この観点においてアモルファス形態、粒界の少ない多結晶膜などが好適に用いられる。
本発明では表面層として、感光層の表面に使用される公知の表面層(たとえば非架橋性の表面層)を用いることができる。また本発明では、以下に説明する架橋性表面層を用いることができる。
《架橋性表面層の構成》
次に本発明の電子写真感光体の架橋性表面層について述べる。
本発明で用いられる架橋性表面層は、少なくとも電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性化合物と電荷輸送性構造を有する化合物とを含む物を、熱又は光もしくは電離性放射線の少なくとも1つによって架橋させて得られる。この物は、後述するように、好ましくは溶剤等をさらに含む塗工液であり、この塗工液を塗工し乾燥後、熱等で架橋することにより、層状の架橋性表面層が形成される。
<電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性化合物>
本発明に用いられる電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性化合物は、例えばトリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾールなどの正孔輸送性構造、例えば縮合多環キノン、ジフェノキノン、シアノ基やニトロ基を有する電子吸引性芳香族環などの電子輸送構造を有しておらず、且つラジカル重合性官能基を有する化合物を指す。このラジカル重合性官能基は、たとえば炭素−炭素2重結合を有し、ラジカル重合可能な基であれば特に限定されない。
ラジカル重合性官能基としては、例えば、下記に示す1−置換エチレン官能基、1,1−置換エチレン官能基が挙げられる。
(1)1−置換エチレン官能基としては、例えば下記一般式(1)で表わされる官能基が挙げられる。
Figure 0004933308
〔ただし、式中、X1は、置換基を有していてもよいフェニレン基、ナフチレン基等のアリーレン基、置換基を有していてもよいアルケニレン基、−CO−基、−COO−基、−CON(R10)−基(R10は、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、エチル基等のアルキル基、置換基を有していてもよいベンジル、フェネチル基等のアラルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基等のアリール基を表す。)、または−S−基を表わす。〕
これらの置換基を具体的に例示すると、ビニル基、スチリル基、2−メチル−1,3−ブタジエニル基、ビニルカルボニル基、アクリロイルオキシ基、アクリロイルアミド基、ビニルチオエーテル基等が挙げられる。
(2)1,1−置換エチレン官能基としては、例えば下記一般式(2)で表わされる官能基が挙げられる。
Figure 0004933308
〔ただし、式中、Yは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、メトキシ基あるいはエトキシ基等のアルコキシ基、−COOR11基(R11は、一般式(1)のR10基と同じ意味である。)、または−CONR1213(R12及びR13は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基(たとえばメチル基、エチル基等)、置換基を有していてもよいベンジル基、ナフチルメチル基、あるいはフェネチル基等のアラルキル基、または置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基を表わし、互いに同一または異なっていてもよい)。
また、X2は上記式(1)のX1と同一の置換基及び単結合、アルキレン基を表わす。ただし、Y,X2の少なくとも何れか一方がオキシカルボニル基、シアノ基、アルケニレン基、または芳香族環である〕。
これらの置換基を具体的に例示すると、α−塩化アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、α−シアノエチレン基、α−シアノアクリロイルオキシ基、α−シアノフェニレン基、メタクリロイルアミノ基等が挙げられる。
これら一般式(1)中のX1、X2およびYについての置換基に有していてもよい置換基としては、例えばハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等が挙げられる。
これらのラジカル重合性官能基の中では、特にアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基が有用である。
本発明において、ラジカル重合性モノマーの官能基数は特に限定されないが、表面層に摩耗耐久性を持たせるためには少なくとも3個のラジカル重合性官能基を有するラジカル重合性化合物を1種、用いることが好ましい。1官能及び2官能のラジカル重合性化合物のみを用いた場合は、架橋表面層中の架橋密度が希薄となり飛躍的な耐摩耗性向上が達成されにくいことがある。しかしながら、3官能以上のラジカル重合性化合物のみを用いる場合は、塗工液の粘度上昇による表面平滑性の低下や、硬化反応時の体積収縮によるクラックの発生などの欠陥が発生する場合があるために、塗工液の粘度調整、表面層の表面平滑性維持、架橋収縮によるクラック防止、表面自由エネルギーの低減を目的として1〜2官能のラジカル重合性モノマー及びラジカル重合性オリゴマーを1種類以上併用しても良い。このようなアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基などのラジカル重合性基を有し、特にその基の数が少なくとも3であるような本発明によれば、優れた摩耗耐久性を有する架橋性表面層を得ることができ、長期に亘って摩耗による画像欠陥の少ない優れた電子写真感光体を得ることができる。
これらのラジカル重合性モノマーとしては、例えば、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、ベンジルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソアミルアクリレート、イソブチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、フェノキシテトラエチレングリコールアクリレート、セチルアクリレート、イソステアリルアクリレート、ステアリルアクリレート、スチレンモノマー、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、EO変性ビスフェノールAジアクリレート、EO変性ビスフェノールFジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパンアルキレン変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキシ変性(以後EO変性)トリアクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキシ変性(以後PO変性)トリアクリレート、トリメチロールプロパンカプロラクトン変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンアルキレン変性トリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)、グリセロールトリアクリレート、グリセロールエピクロロヒドリン変性(ECH変性)トリアクリレート、グリセロールEO変性トリアクリレート、グリセロールPO変性トリアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、ジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジメチロールプロパンテトラアクリレート(DTMPTA)、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、リン酸EO変性トリアクリレート、2,2,5,5,−テトラヒドロキシメチルシクロペンタノンテトラアクリレートなどが例示されるが、本発明においてはこれらの化合物に限定されるものではない。
<電荷輸送性構造を有する化合物>
また架橋性表面層を形成するために、前記した電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性化合物の他に、少なくとも電荷輸送性構造を有する化合物を含んでいる。
このような電荷輸送性構造を有する化合物は、例えばトリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾールなどの正孔輸送性構造、例えば縮合多環キノン、ジフェノキノン、シアノ基やニトロ基を有する電子吸引性芳香族環などの電子輸送性構造を有する化合物を指す。これらは公知の化合物を用いることもできる。本発明では、電子輸送性構造を有する化合物として、ラジカル重合性基を有している化合物を用いることもできる。さらに本発明では、電子輸送性構造を有する化合物として、ラジカル重合性基を有していない化合物と、有している化合物を併用することもできる。また本発明では電荷輸送性構造を有する化合物として、前記した電荷輸送性構造を有しており、且つ、ラジカル重合性官能基を有する化合物であることが好ましい。このラジカル重合性官能基とは、炭素−炭素2重結合を有し、ラジカル重合可能な基であれば何れでもよい。
このような本発明によれば、電荷輸送性構造に前記構造を有するものを用いることによって正孔輸送性に優れた架橋性表面層を形成することができ、長期に亘って摩耗による画像欠陥の少ない、優れた電子写真感光体を得ることができる。
これらラジカル重合性官能基としては、前記した架橋表面層に用いた化合物における一般式(1)〜(2)と同一の基等が挙げられる。
前記1−置換エチレン官能基としては、例えば以下の式で表わされる官能基が挙げられる。
これらのラジカル重合性官能基の中では、特にアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基が有用である。また、長期に亘って良好な電気特性を有するためにはラジカル重合性官能基数が1であることが好ましい。2官能以上の電荷輸送性化合物を主成分として用いた場合は、電荷輸送性構造を有する部位が複数の結合で架橋構造中に固定されるため、電荷輸送時の中間体構造(カチオンラジカル)が安定して保てず、電荷のトラップによる感度の低下、残留電位の上昇が起こりやすい。これらの電気特性の劣化は画像濃度低下、文字の細り等の現象として現れることがある。上記したような本発明によれば、電荷輸送性構造を有する化合物に架橋反応基を有することで、摩耗耐久性をより向上させることができ、長期に亘って感光体の摩耗や静電劣化等の少ない、出力画像品質に関わる欠陥の発生の少ない優れた電子写真感光体を提供することができる。
電荷輸送性構造を有する化合物としてはトリアリールアミン構造を有する化合物が効果が高い。さらに、下記一般式(3)又は(4)の化学構造式で示される化合物を用いた場合、感度、残留電位等の電気的特性が良好に持続される。
Figure 0004933308
Figure 0004933308
〔式中、R4は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアリール基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、−COOR5(R5は水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基又は置換基を有してもよいアリール基を表す。)、ハロゲン化カルボニル基若しくはCONR67(R6及びR7は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基又は置換基を有してもよいアリール基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい。)を表わし、Ar2、Ar3は置換もしくは無置換のアリーレン基を表わし、同一であっても異なってもよい。Ar4、Ar5は置換もしくは無置換のアリール基を表わし、同一であっても異なってもよい。Xは単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わす。Zは置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、置換もしくは無置換のアルキレンオキシカルボニル基を表わす。m、nは0〜3の整数を表わす。〕
以下に、一般式(3)、(4)における置換基の具体例を示す。
前記一般式(3)、(4)において、R4基が、アルキル基の場合、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられ、アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基が挙げられ、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等が挙げられる。これらは、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等の置換基を有していても良い。
4基の置換基のうち、特に好ましいものは水素原子、メチル基である。
Ar4、Ar5は同一であっても異なっていてもよく、それぞれ独立して、置換もしくは無置換のアリール基であり、アリール基としては縮合多環式炭化水素基、非縮合環式炭化水素基及び複素環基が挙げられる。
該縮合多環式炭化水素基としては、好ましくは環を形成する炭素数が18個以下のもの、例えば、ペンタニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、as−インダセニル基、s−インダセニル基、フルオレニル基、アセナフチレニル基、プレイアデニル基、アセナフテニル基、フェナレニル基、フェナントリル基、アントリル基、フルオランテニル基、アセフェナントリレニル基、アセアントリレニル基、トリフェニレル基、ピレニル基、クリセニル基、及びナフタセニル基等が挙げられる。
該非縮合環式炭化水素基としては、ベンゼン、ジフェニルエーテル、ポリエチレンジフェニルエーテル、ジフェニルチオエーテル及びジフェニルスルホン等の単環式炭化水素化合物の1価基、あるいはビフェニル、ポリフェニル、ジフェニルアルカン、ジフェニルアルケン、ジフェニルアルキン、トリフェニルメタン、ジスチリルベンゼン、1,1−ジフェニルシクロアルカン、ポリフェニルアルカン、及びポリフェニルアルケン等の非縮合多環式炭化水素化合物の1価基、あるいは9,9−ジフェニルフルオレン等の環集合炭化水素化合物の1価基が挙げられる。
複素環基としては、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、オキサジアゾール、及びチアジアゾール等の1価基が挙げられる。
また、前記Ar4、Ar5で表わされるアリール基は例えば以下に示すような置換基を有してもよい。
(1)ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基等。
(2)アルキル基;
好ましくは、C1〜C12とりわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基にはさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基もしくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を有していてもよい。
具体的にはメチル基、エチル基、n−ブチル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−プロピル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキエチル基、2−エトキシエチル基、2−シアノエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
(3)アルコキシ基(−OR8);
(式中、R8は(2)で定義したアルキル基を表わす。)
具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、ベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
(4)アリールオキシ基;
アリール基としてはフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基等が挙げられる。
(5)アルキルメルカプト基またはアリールメルカプト基;
具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
(6)以下の式で表される置換基;
Figure 0004933308
(式中、Rd及びReは各々独立に水素原子、前記(2)で定義したアルキル基、またはアリール基を表わす。アリール基としては、例えばフェニル基、ビフェニル基又はナフチル基が挙げられ、これらはC1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有してもよい。またRd及びReは共同で環を形成してもよい。)
具体的には、アミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジ(トリール)アミノ基、ジベンジルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ピロリジノ基等が挙げられる。
(7)メチレンジオキシ基、又はメチレンジチオ基等のアルキレンジオキシ基又はアルキレンジチオ基等。
(8)置換又は無置換のスチリル基、置換又は無置換のβ−フェニルスチリル基、ジフェニルアミノフェニル基、ジトリルアミノフェニル基等。
前記一般式(3)、(4)中、Ar2、Ar3で表わされるアリーレン基としては、前記Ar4、Ar5で表わされるアリール基から誘導される2価基が挙げられる。
前記一般式(3)中、Xは単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わす。
置換もしくは無置換のアルキレン基としては、C1〜C12、好ましくはC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖または分岐鎖のアルキレン基であり、これらのアルキレン基にはさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基もしくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を置換基として有していてもよい。具体的にはメチレン基、エチレン基、n−ブチレン基、i−プロピレン基、t−ブチレン基、s−ブチレン基、n−プロピレン基、トリフルオロメチレン基、2−ヒドロキシエチレン基、2−エトキシエチレン基、2−シアノエチレン基、2−メトキシエチレン基、ベンジリデン基、フェニルエチレン基、4−クロロフェニルエチレン基、4−メチルフェニルエチレン基、4−ビフェニルエチレン基等が挙げられる。
置換もしくは無置換のシクロアルキレン基としては、C5〜C7の環状アルキレン基であり、これらの環状アルキレン基にはフッ素原子、水酸基、C1〜C4のアルキル基、C1〜C4のアルコキシ基を有していても良い。具体的にはシクロヘキシリデン基、シクロへキシレン基、3,3−ジメチルシクロヘキシリデン基等が挙げられる。
置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基としては、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基等のアルキレンオキシ基、エチレングリコール、プロピレングリコール等から誘導されるアルキレンジオキシ基、ジエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリプロピレングリコール等から誘導されるジまたはポリ(オキシアルキレン)オキシ基等が挙げられ、アルキレンエーテル基のアルキレン基はヒドロキシル基、メチル基、エチル基等の置換基を有してもよい。
ビニレン基としては、以下の一般式で表される置換基が挙げられる。
Figure 0004933308
〔式中、Rfは水素、アルキル基(前記(2)で定義されるアルキル基と同じ)、アリール基(前記Ar4、Ar5で表わされるアリール基と同じ)、aは1または2、bは1〜3を表わす。〕
前記一般式(3)、(4)中、Zは置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、アルキレンオキシカルボニル基を表わす。
置換もしくは無置換のアルキレン基としては、前記Xのアルキレン基と同様のものが挙げられる。
置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基としては、前記Xのアルキレンエーテル基が挙げられる。
アルキレンオキシカルボニル基としては、カプロラクトン変性基が挙げられる。
また、1官能の電荷輸送構造を有する化合物として下記一般式(5)で表されるラジカル重合性化合物が好ましい。
Figure 0004933308
前記一般式(5)中、qはそれぞれ0又は1の整数であり、s、tは0〜3の整数を表わす。Raは水素原子、メチル基を表わし、Rb、Rcはそれぞれ独立して、炭素数1〜6のアルキル基を表わし、s、tが0である場合には置換基が存在しない水素基であることを意味し、s、tが複数の場合はそれぞれのRbまたはRcは同一でも異なっていても良い。Zaは単結合、メチレン基、エチレン基、または、
Figure 0004933308
上記一般式(5)で表わされる化合物のRb、Rcの置換基として、特にメチル基、エチル基である化合物が好ましい。
本発明で用いる上記一般式(3)及び(4)、特に(5)の1官能性の電荷輸送構造を有するラジカル重合性化合物は、炭素−炭素間の二重結合が両側に開放されて重合するため、末端構造とはならず、連鎖重合体中に組み込まれる。電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマーとの重合で架橋形成された重合体中では、高分子の主鎖中に存在し、かつ主鎖−主鎖間の架橋鎖中に存在する。この架橋鎖には1つの高分子と他の高分子間の分子間架橋鎖と、1つの高分子内で折り畳まれた状態の主鎖のある部位と主鎖中でこれから離れた位置に重合したモノマー由来の他の部位とが架橋される分子内架橋鎖とがある。主鎖中に存在する場合であっても、また架橋鎖中に存在する場合であっても、鎖部分から懸下するトリアリールアミン構造は、窒素原子から放射状方向に配置する少なくとも3つのアリール基を有する。この基はバルキーであるが、鎖部分に直接結合しておらず鎖部分からカルボニル基等を介して懸下しているため立体的位置取りに融通性ある状態で固定されている。これらトリアリールアミン構造は重合体中で相互に程よく隣接する空間配置が可能であるため、分子内の構造的歪みが少なく、また、電子写真感光体の表面層とされた場合に、電荷輸送経路の断絶を比較的免れた分子内構造を採りうるものと推測される。
1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物の具体例を表1に示すが、これらの構造の化合物に限定されるものではない。
Figure 0004933308
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また、本発明に好ましく用いられる電荷輸送性構造を有する1官能のラジカル重合性化合物は、架橋表面層の電荷輸送性能を付与するために重要で、この成分は架橋表面層全量に対し20〜80重量%、好ましくは30〜70重量%である。この成分が20重量%未満では架橋表面層の電荷輸送性能が充分に保てず、繰り返しの使用で感度低下、残留電位上昇などの電気特性の劣化が現れる。また、80重量%を超えると一般式(1)で表わされる電荷輸送構造を有しないラジカル重合性モノマーの含有量が低下し、架橋結合密度の低下を招き高い耐摩耗性が発揮されない。使用されるプロセスによって要求される電気特性や耐摩耗性が異なるため一概には言えないが、両特性のバランスを考慮すると30〜70重量%の範囲が最も好ましい。
<開始剤の説明>
また、本発明で用いられる表面層は、少なくとも一般式(1)で示される電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマー及び電荷輸送性構造を有する化合物(好ましくは電荷輸送性構造を有する1官能のラジカル重合性化合物)を同時に硬化させた架橋表面層であるが、必要に応じてこの架橋反応を効率よく進行させるために架橋表面層中に重合開始剤を使用してもよい。
熱重合開始剤としては、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(パーオキシベンゾイル)ヘキシン−3、ジ−t−ブチルベルオキサイド、t−ブチルヒドロベルオキサイド、クメンヒドロベルオキサイド、ラウロイルパーオキサイドなどの過酸化物系開始剤、アゾビスイソブチルニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビスイソ酪酸メチル、アゾビスイソブチルアミジン塩酸塩、4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸などのアゾ系開始剤が挙げられる。
光重合開始剤としては、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−2−モルフォリノ(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、などのアセトフェノン系またはケタール系光重合開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、などのベンゾインエーテル系光重合開始剤、ベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、2−ベンゾイルナフタレン、4−ベンゾイルビフェニル、4−ベンゾイルフェニールエーテル、アクリル化ベンゾフェノン、1,4−ベンゾイルベンゼン、などのベンゾフェノン系光重合開始剤、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、などのチオキサントン系光重合開始剤、ビス(シクロペンタジエニル)−ジ−クロロ−チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)−ジ−フェニル−チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,3,4,5,6ペンタフルオロフェニル)チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(ピロール−1−イル)フェニル)チタニウムなどのチタノセン系光重合開始剤、その他の光重合開始剤としては、エチルアントラキノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシエステル、9,10−フェナントレン、アクリジン系化合物、トリアジン系化合物、イミダゾール系化合物、が挙げられる。また、光重合促進効果を有するものを単独または上記光重合開始剤と併用して用いることもできる。例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、などが挙げられる。
これらの重合開始剤は単独で用いても良いし、2種以上を混合して用いてもよい。すなわち前記熱重合開始剤の中の1種または2種以上、前記光重合開始剤の中の1種または2種以上、前記熱重合開始剤と前記光重合開始剤の両方の1種または2種以上を用いることができる。前記重合開始剤の含有量は、ラジカル重合性を有する総含有物100重量部に対し、0.5〜40重量部、好ましくは1〜20重量部である。
<フィラーの添加>
本発明で用いられる表面層は、少なくとも一般式(1)で示される電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマー及び電荷輸送性構造を有する化合物(好ましくは電荷輸送性構造を有する1官能のラジカル重合性化合物)を同時に硬化させた架橋表面層である。この架橋表面層には前記したもの以外に耐摩耗性の向上を目的としてフィラー微粒子を含有させることができる。
フィラーの平均一次粒径は、0.01〜0.5μmであることが表面層の光透過率や耐摩耗性の点から好ましい。フィラーの平均一次粒径が0.01μm未満の場合、分散性の低下等を引き起こし、耐摩耗性の向上効果が充分に発揮されず、0.5μmを超える場合には、分散液中においてフィラーの沈降性が促進されたり、トナーのフィルミングが発生したりする可能性がある。
表面層中のフィラーの含有量は、高いほど耐摩耗性が高いので良好であるが、高すぎる場合には残留電位の上昇、表面層の書き込み光透過率が低下し、副作用を生じる場合がある。従って、概ね全固形分に対して、50重量%以下、好ましくは30重量%以下程度である。
また、これらのフィラーは少なくとも一種の表面処理剤で表面処理させたものを用いることがフィラーの分散性の面から好ましい。フィラーの分散性の低下は残留電位の上昇だけでなく、塗膜の透明性の低下や塗膜欠陥の発生、さらには耐摩耗性の低下をも引き起こすため、高耐久化あるいは高画質化を妨げる大きな問題に発展する可能性がある。このような表面処理剤としては、従来用いられている表面処理剤を使用することができる。特にフィラーの絶縁性を維持できる表面処理剤が好ましい。
表面処理量は、用いるフィラーの平均一次粒径によって異なるが、フィラー重量に対して3〜30wt%が適しており、5〜20wt%がより好ましい。表面処理量がこれよりも少ないとフィラーの分散効果が得られず、また多すぎると残留電位の著しい上昇を引き起こす。これらフィラー材料は単独もしくは2種類以上混合して用いられる。
<その他の添加剤>
さらに、本発明では前記した架橋性表面層を形成するため、塗工液を用いることができる。このような塗工液は必要に応じて各種可塑剤(応力緩和や接着性向上の目的)、レベリング剤、ラジカル反応性を有しない低分子電荷輸送物質などの添加剤が含有できる。これらの添加剤は公知のものが使用可能であり、可塑剤としてはジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般の樹脂に使用されているものが利用可能で、その使用量は塗工液の総固形分に対し20重量部以下、好ましくは10重量部以下に抑えられる。また、レベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが利用でき、その使用量は塗工液の総固形分に対し3重量部以下が適当である。
<膜作製方法>
本発明における表面層は、少なくとも電荷輸送性構造を有しない一般式(1)で示されるラジカル重合性モノマーと電荷輸送性構造を有する化合物(好ましくは電荷輸送性構造を有する1官能のラジカル重合性化合物)とを含有する塗工液を、後述する感光層上に塗布、硬化することにより形成される。塗布に用いられる塗工液はラジカル重合性モノマーが液体である場合、これに他の成分を溶解して塗布することも可能であるが、必要に応じて溶媒により希釈して塗布される。ここで用いられる溶剤としては、通常用いられるものであれば特に限定されない。例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール系、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系、テトラヒドロフラン、ジオキサン、プロピルエーテルなどのエーテル系、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼンなどのハロゲン系、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族系、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、セロソルブアセテートなどのセロソルブ系などが挙げられる。これらの溶媒は単独または2種以上を混合して用いてもよい。
表面層形成の際に用いる塗工方法としては、一般に用いられている塗工方法であれば特に限定されない。塗工液の粘性、所望とする表面層の膜厚などによって適宜塗工方法を選択すると良い。例えば、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコート法などが例示される。
本発明においては、かかる塗工液を塗布後、外部からエネルギーを与えることにより、表面層を硬化させる。このとき用いられる外部エネルギーとしては、光印加による光エネルギー、熱印加による熱エネルギー、電離性放射線、たとえば電子線照射による電子線によるエネルギーの少なくとも1つのエネルギーによる。その中でも本発明においては好ましくは光エネルギーが主に用いられるが、熱エネルギーを併用しても良い。
熱エネルギーとしては、空気、窒素などの気体、蒸気、あるいは各種熱媒体、赤外線、電磁波を用いることができ、塗工面側あるいは支持体側から加熱することによって行われる。加熱温度は100℃以上、170℃以下が好ましい。100℃未満の場合、反応速度が遅いために生産性が低下するとともに、未反応の材料が膜中に残留する原因となる。一方、170℃より高い温度で処理した場合、架橋による膜の収縮が大きくなり、表面にゆず肌状の凸凹状の欠陥や亀裂が生じたり、隣接層との界面で剥離が生じることがある。また、感光層中の揮発性成分が外部に霧散するなどした場合には、所望の電気特性を得られなくなるなどのことがあるため好ましくない。架橋による収縮が大きい樹脂を使用する際には、100℃未満の低温で予備架橋した後に100℃以上の高温で架橋を完結させる方法も有効である。
光エネルギーとしては、主に超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアークメタルハライドランプ等の光源を利用してもよく、好ましくは使用する電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマーや電荷輸送性構造を有する化合物(好ましくは電荷輸送性構造を有する1官能のラジカル重合性化合物)、さらには併用する光重合開始剤の吸収特性を考慮して選定することが良い。使用光源の発光照度としては、一般に365nmの波長を基準として50mW/cm2〜2000mW/cm2の照度で露光されるのがよい。また、最大発光波長近傍における照度測定が可能である場合は、上記照度域で露光することがさらに好ましい。照度が小さい場合には硬化に要する時間が多くなるため、生産性の観点から好ましくない。一方、照度が大きい場合には硬化収縮が起こりやすく、表面にゆず肌状の欠陥や亀裂が生じたり、隣接層との界面で剥離が生じることがある。
UV照射時には光源からの生じる熱線などの影響により、感光体表面層の温度が上昇する。感光体表面温度が上昇しすぎると、表面層の硬化収縮が起こりやすいこと、隣接層中に含まれる低分子成分が表面層に移行するために、硬化阻害などが生じたり、電子写真感光体としての電気特性が低下するなど好ましくない。そのためUV照射時の感光体表面温度は100℃以下、好ましくは80℃以下にするとよい。冷却方法としては感光体内部への助冷剤封入、感光体内部の気体や液体による冷却などを使用することができる。
硬化後の表面層に対して、必要に応じて後加熱をしても良い。例えば、膜中に残留溶媒が多く残留している場合などは、電気的特性の低下や経時劣化の原因となりうるため、後加熱により残留溶媒を揮発させることが好ましい。
表面層の膜厚としては、感光層の保護の観点から1〜15μm以下が良く、好ましくは3〜10μmがよい。表面層が薄い場合には感光体への当接部材による機械的摩耗や帯電器などによる近接放電などから感光層を保護できなくなるだけでなく、膜形成時にレベリングされにくくなるために、膜表面がゆず肌状になることがある。一方、表面層が厚い場合には感光体全層が厚くなり、電荷の拡散による画像の再現性が低下するため好ましくない。
このような本発明によれば、前述の優れた電荷注入抑制効果を有する中間層と摩耗耐久性の高い架橋性表面層とを併用することで、長期に亘って感光体の摩耗や静電劣化等の少ない、出力画像品質に関わる欠陥の発生の少ない優れた電子写真感光体を提供することができる。
<接着層>
表面層と感光層との間での接着性不良による層間剥離を防ぐことを目的として、必要に応じて両層間に接着層を設けても良い。
接着層としては前記ラジカル重合性化合物(電荷輸送性構造を有する化合物または有さない化合物)を用いても良いし、非架橋系の高分子化合物を用いても良い。非架橋系の高分子化合物としてはポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられるがこれに限定されない。また、ラジカル重合性モノマーと非架橋系高分子化合物はいずれを用いる場合についても単独で用いても良いし、2種以上の混合物として用いても良い。さらには、十分な接着性が得られるならばラジカル重合性化合物と非架橋系高分子化合物を併用しても良い。もちろん、本明細書に記載の電荷輸送材料を用いても、併用しても良い。また、接着性を向上することを目的とすれば、適宜添加剤を用いても良い。
接着層は所定の配合に処方された化合物をテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘキサン等の溶媒に溶解・分散した塗工液を浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコートなどで塗工して形成できる。接着層の膜厚は、0.1〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.1〜3μmが最も適当である。
《感光層》
次に感光層について説明する。
<積層構成の場合>
電荷発生機能及び電荷輸送機能をそれぞれ独立した層が担うため、感光層層構成としては少なくとも導電性支持体上に電荷発生層、電荷輸送層が積層された構成を取る。積層順については特に限定されないが、多くの電荷発生材料は化学的安定性に乏しく、電子写真作像プロセスにおける帯電器周辺での放電生成物のような酸性ガスにさらされると電荷発生効率の低下などを引き起こす。このため、電荷発生層の上に電荷輸送層を積層することが好ましい。
<電荷発生層>
電荷発生層は、電荷発生機能を有する電荷発生物質を主成分とする層で、必要に応じてバインダー樹脂を併用することもできる。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。
無機系材料には、結晶セレン、アモルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物や、アモルファス・シリコン等が挙げられる。アモルファス・シリコンにおいては、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子でターミネートしたものや、ホウ素原子、リン原子等をドープしたものが良好に用いられる。
一方、有機系材料としては、公知の材料を用いることができる。例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリアリールアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。これらの電荷発生物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
電荷発生層に必要に応じて用いられるバインダー樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。これらのバインダー樹脂は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。バインダー樹脂の量は、電荷発生物質100重量部に対し0〜500重量部、好ましくは10〜300重量部が適当である。バインダー樹脂の添加は、分散前あるいは分散後どちらでも構わない。
電荷発生層を形成する方法には、真空薄膜作製法と溶液分散系からのキャスティング法とが大きく挙げられる。前者の方法には、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法等が用いられ、上述した無機系材料、有機系材料が良好に形成できる。また、後者のキャスティング法によって電荷発生層を設けるには、上述した無機系もしくは有機系電荷発生物質を必要ならばバインダー樹脂と共にテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、アニソール、キシレン、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等の溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミル、ビーズミル等により分散し、分散液を適度に希釈して塗布することにより形成できる。また、必要に応じて、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のレベリング剤を添加することができる。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコート法などを用いて行うことができる。
以上のようにして設けられる電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.05〜2μmである。
<電荷輸送層>
電荷輸送層は、電荷輸送機能を有する層で、電荷輸送物質及びバインダー樹脂を主成分とする層である。
電荷輸送物質としては、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。
電荷輸送物質としては、前記表面層の項で記載した様に正孔輸送物質と電子輸送物質とが挙げられる。表面層に用いられる電荷輸送物質としては、前記の電荷輸送性構造を有する化合物であって、重合性官能基を有しないものを主に用いることができる。また、表面層と感光層間の接着性を向上させるなどのために重合性官能基を有する電荷輸送物質を併用しても良い。電荷輸送層に用いる電荷輸送物質は上記重合性官能基を有しない化合物を単独で用いても良いし、重合性官能基を有しない化合物又は有する化合物の少なくとも1つの化合物を併用しても良い。
バインダー樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。また、バインダー樹脂として、電荷輸送機能を有する高分子電荷輸送物質、例えば、アリールアミン骨格やベンジジン骨格やヒドラゾン骨格やカルバゾール骨格やスチルベン骨格やピラゾリン骨格等を有するポリカーボネート、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリシロキサン、アクリル樹脂等の高分子材料やポリシラン骨格を有する高分子材料等を用いることも可能であり、有用である。
電荷輸送物質の量はバインダー樹脂100重量部に対し、20〜300重量部、好ましくは40〜150重量部が適当である。ただし、高分子電荷輸送物質を用いる場合は、単独で使用しても良いし、バインダー樹脂と併用してもよい。
ここで用いられる溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトンなどが用いられる。これらは単独で使用しても2種以上混合して使用しても良い。
また、必要により可塑剤、レベリング剤を添加することもできる。電荷輸送層に用いられる可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般の樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は、バインダー樹脂100重量部に対して0〜30重量部程度が適当である。電荷輸送層に併用できるレベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが使用され、その使用量は、バインダー樹脂100重量部に対して0〜1重量部程度が適当である。
電荷輸送層の膜厚は解像度・応答性の点から、30μm以下とすることが好ましく、25μm以下がより好ましい。下限値に関しては、使用するシステム(特に帯電電位等)に異なるが、5μm以上が好ましい。
<その他の添加剤>
また、本発明においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、表面層、接着層、感光層(積層光性の場合は少なくとも電荷発生層、電荷輸送層)、中間層、中間層等の各層に酸化防止剤を添加することができる。
本発明に用いることができる酸化防止剤として、下記のものが挙げられる。
<フェノール系化合物>
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2′−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3′−ビス(4′−ヒドロキシ−3′−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]クリコ−ルエステル、トコフェロール類など。
<パラフェニレンジアミン類>
N−フェニル−N′−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジメチル−N,N′−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
<ハイドロキノン類>
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
<有機硫黄化合物類>
ジラウリル−3,3′−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3′−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3′−チオジプロピオネートなど。
<有機燐化合物類>
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
これら化合物は、ゴム、プラスチック、油脂類などの酸化防止剤として知られており、市販品を容易に入手できる。
本発明における酸化防止剤の添加量は、添加する層の総重量に対して0.01〜10重量部である。
《導電性支持体》
導電性支持体としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板及びそれらを押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理を施した管などを使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体として用いることができる。
この他、上記支持体上に導電性粉体を適当なバインダー樹脂に分散して塗工したものについても、本発明の導電性支持体として用いることができる。この導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、また、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などが挙げられる。また、同時に用いられるバインダー樹脂には、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性、熱架橋性樹脂または光架橋性樹脂が挙げられる。このような導電性層は、これらの導電性粉体とバインダー樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
さらに、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、ポリテトラフロロエチレン系フッ素樹脂などの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、本発明の導電性支持体として良好に用いることができる。
後述するように、電子写真プロセスにおける潜像形成には可干渉性の高いレーザーを用いることがある。前記の通り、導電性支持体には金属材料からなることが多く、その多くは表面反射率が高いと考えられる。この導電性支持体上に本願発明に記載の無機半導体材料を適用して電子写真感光体を作製した場合、書き込み光と、導電性支持体からの反射光とで干渉が生じ、画像欠陥が発生することが懸念される。このため、導電性支持体の反射率が高い場合には、導電性支持体の表面に凹凸を施して反射率を低下させることが好ましい。また、素管上に潜在的に存在する突起等も感光層を積層する際に、画像欠陥の原因となってしまう場合があった。これを適切な表面粗さに粗面化することによって突起のない平滑な支持体表面を提供することができる。表面凹凸としてはJIS B0601−1982に示される手法で測定した算術十点平均表面粗さ(Rz)を代表特性値として用いた。測定方法は、サーフコム1400D(東京精密製)を用い、表面粗さRzを評価長さ2.5mm、基準長さ0.5mmに対し測定した。測定箇所は軸方向のドラムの両端から80mmとドラム中央の3点、周方向90度の4通り、合計12点を測定しその平均値をドラムの表面粗さRzとした。Rz値としては0.6μm以上であることが好ましい。これよりもRzが小さい場合には書き込み光によるモアレが発生しやすいため好ましくない。また、Rzが大きい場合であっても、使用上大きな問題とはならないが、Rzが大きすぎる場合には中間層を均一に形成することが困難となるため注意が必要である。この観点からは導電性支持体のRzは3.0μm以下であることが好ましい。
粗面化の方法としては、ホーニング加工等やセンタレス研磨があげられる。ホーニング加工は安価で表面粗さ調製が容易であることから好ましく使用される。ホーニング加工には乾式及び湿式での処理方法があるがいずれを用いてもよい。湿式(液体)ホーニング加工は、水等の液体に粉末状の研磨剤(砥粒)を懸濁させ、高速度で導電性支持体の表面に吹き付けて粗面化する方法であり、表面粗さは吹き付け圧力、速度、研磨剤の量、種類、形状、大きさ、硬度、比重または懸濁濃度等により制御することができる。同様に、乾式ホーニング加工は、研磨剤をエアにより、高速度で導電性支持体表面に吹き付けて粗面化する方法であり、湿式ホーニング加工と同じように表面粗さを制御することができる。これら湿式または乾式ホーニング加工に用いる研磨剤としては、炭化ケイ素、アルミナ、ジルコニア、ステンレス、鉄、ガラスビーズ及びプラスチックショット等の粒子が挙げられる。
しかし、乾式サンドブラストや不定形アルミナ砥粒を用いた液体ホーニングでは、砥粒が支持体表面に突き刺さることがあり、電子写真感光体を作製した時に反転現像系における白画像上の黒ポチ、正転現像系における黒画像上の白抜けとして現れてしまう。ガラスビーズを用いた液体ホーニングでは、ガラスがすぐに割れて支持体表面に突き刺さったり、粗さのコントロールが難しい。そのため、研磨剤として球状アルミナ砥粒やステンレス砥粒等を用いた液体ホーニング加工にて、支持体を粗面化した後、中間層及び感光層を形成して、電子写真感光体を作製するのが一般的である。また、支持体の粗面化処理においては、処理時間、砥粒使用量、エネルギー使用量、及び、粗面化後の支持体における残留砥粒除去の簡便性等の観点から、干渉縞防止機能を満たす範囲内において極力処理条件をマイルドにし、Rzを小さく抑えることが望ましい。
《画像形成装置》
次に図面に基づいて本発明による画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジを詳しく説明する。
本発明による画像形成装置とは、前記した中間層及び架橋表面層を有した感光体を用い、例えば少なくとも感光体に帯電、画像露光、現像の過程を経た後、画像保持体(転写紙)へのトナー画像の転写、定着及び感光体表面のクリーニングというプロセスよりなるものである。
場合により、静電潜像を直接転写体に転写し現像する画像形成装置では、感光体に配した上記プロセスを必ずしも有するものではない。
図1は、画像形成装置の一例を示す概略図である。感光体を平均的に帯電させる手段として、帯電チャージャ(3)が用いられる。この帯電手段としては、コロトロンデバイス、スコロトロンデバイス、固体放電素子、針電極デバイス、ローラー帯電デバイス、導電性ブラシデバイス等が用いられ、公知の方式が使用可能である。
次に、均一に帯電された感光体(1)上に静電潜像を形成するために画像露光部(5)が用いられる。この光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
次に、感光体(1)上に形成された静電潜像を可視化するために現像ユニット(6)が用いられる。現像方式としては、乾式トナーを用いた一成分現像法、二成分現像法、湿式トナーを用いた湿式現像法がある。感光体に正(負)帯電を施し、画像露光を行うと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成される。これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。
次に、感光体上で可視化されたトナー像を転写体(9)上に転写するために転写チャージャ(10)が用いられる。また、転写をより良好に行うために転写前チャージャ(7)を用いてもよい。これらの転写手段としては、転写チャージャ、バイアスローラーを用いる静電転写方式、粘着転写法、圧力転写法等の機械転写方式、磁気転写方式が利用可能である。静電転写方式としては、前記帯電手段が利用可能である。
次に、転写体(9)を感光体(1)より分離する手段として分離チャージャ(11)、分離爪(12)が用いられる。その他分離手段としては、静電吸着誘導分離、側端ベルト分離、先端グリップ搬送、曲率分離等が用いられる。分離チャージャ(11)としては、前記帯電手段が利用可能である。
次に、転写後感光体上に残されたトナーをクリーニングするためにファーブラシ(14)、クリーニングブレード(15)が用いられる。また、クリーニングをより効率的に行うためにクリーニング前チャージャ(13)を用いてもよい。その他クリーニング手段としては、ウェブ方式、マグネットブラシ方式等があるが、それぞれ単独又は複数の方式を一緒に用いてもよい。
次に、必要に応じて感光体上の潜像を取り除く目的で除電手段が用いられる。除電手段としては除電ランプ(2)、除電チャージャが用いられ、それぞれ前記露光光源、帯電手段が利用できる。
その他、感光体に近接していない原稿読み取り、給紙、定着、排紙等のプロセスは公知のものが使用できる。
本発明による画像形成方法及び画像形成装置は、このような画像形成手段に本発明に係る電子写真感光体を用いるものである。
この画像形成手段は、複写装置、ファクシミリ、プリンタ内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形態でそれら装置内に組み込まれ、着脱自在としたものであってもよい。プロセスカートリッジの一例を図2に示す。
画像形成装置用プロセスカートリッジとは、感光体(101)を内蔵し、他に帯電手段(102)、現像手段(104)、転写手段(106)、クリーニング手段(107)、除電手段(図示せず)の少なくとも一つを具備し、画像形成装置本体に着脱可能とした装置(部品)である。
図2に例示される装置による画像形成プロセスについて示すと、感光体(101)は、矢印方向に回転しながら、帯電手段(102)による帯電、露光手段(103)による露光により、その表面に露光像に対応する静電潜像が形成され、この静電潜像は、現像手段(104)でトナー現像され、該トナー現像は転写手段(106)により、転写体(105)に転写され、プリントアウトされる。次いで、像転写後の感光体表面は、クリーニング手段(107)によりクリーニングされ、さらに除電手段(図示せず)により除電されて、再び以上の操作を繰り返すものである。
次に実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
φ30mmのアルミニウムシリンダー上に、下記組成の中間層用塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液を順次、塗布、乾燥することにより、3.5μmの中間層、0.2μmの電荷発生層、18μmの電荷輸送層を形成した。ここで、中間層に用いた窒化ガリウム粒子は気相成長法により得た個数平均粒径0.1μmの粒子である。
〔中間層用塗工液〕
・アルキッド樹脂 6重量部
(ベッコゾール1307−60−EL、大日本インキ化学工業製)
・メラミン樹脂 4重量部
(スーパーベッカミン G−821−60、大日本インキ化学工業製)
・窒化ガリウム粒子(0.1μm) 60重量部
・メチルエチルケトン 50重量部
〔電荷発生層用塗工液〕
・下記構造式(1)のビスアゾ顔料 2.5重量部
・ポリビニルブチラール(XYHL、UCC製) 0.5重量部
・シクロヘキサノン 200重量部
・メチルエチルケトン 80重量部
Figure 0004933308
〔電荷輸送層用塗工液〕
・ビスフェノールZポリカーボネート 10重量部
(パンライトTS−2050、帝人化成製)
・下記構造式(2)の低分子電荷輸送物質 7重量部
・テトラヒドロフラン 100重量部
・1%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液 1重量部
(KF50−100CS、信越化学工業製)
Figure 0004933308
次いで、下記組成の表面層用塗工液を前記導電性支持体/中間層/電荷発生層/電荷輸送層からなる積層体上に塗布した後に、USHIO社製UVランプシステム(USHIO社製:メタルハライドランプ)を用いて、ドラムを回転させながら、照度:450mW/cm2、照射時間:90秒の条件で光照射を行うことで表面層を架橋させ、5μmの表面硬化膜を得た。この後、130℃30分の乾燥を行うことにより、導電性支持体/中間層/電荷発生層/電荷輸送層/表面層からなる電子写真感光体を得た。
〔表面層用塗工液〕
・下記構造式(3)の電荷輸送性構造を有する化合物 95重量部
Figure 0004933308
・下記構造式(4)の電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性化合物 95重量部
Figure 0004933308
・光重合開始剤 10重量部
2−ヒドロキシ−1−[4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]−フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オン
(イルガキュア−127,チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
・テトラヒドロフラン 1200重量部
<実施例2>
実施例1で用いた中間層用塗工液を以下に示した塗工液とした以外は実施例1と同様に電子写真感光体を得た。ここで用いた窒化ガリウム粒子は気相成長法により得た個数平均粒径0.4μmの粒子である。
〔中間層用塗工液〕
・アルキッド樹脂 6重量部
(ベッコゾール1307−60−EL、大日本インキ化学工業製)
・メラミン樹脂 4重量部
(スーパーベッカミン G−821−60、大日本インキ化学工業製)
・窒化ガリウム粒子(0.4μm) 60重量部
・メチルエチルケトン 50重量部
<実施例3>
実施例1で用いた中間層用塗工液を以下に示した塗工液とした以外は実施例1と同様に電子写真感光体を得た。ここで用いた窒化ガリウム粒子は気相成長法により得た個数平均粒径0.1μmの粒子である。また併用したチタニア微粒子は個数平均粒径が0.3μmの粒子である。
〔中間層用塗工液〕
・アルキッド樹脂 6重量部
(ベッコゾール1307−60−EL、大日本インキ化学工業製)
・メラミン樹脂 4重量部
(スーパーベッカミン G−821−60、大日本インキ化学工業製)
・窒化ガリウム粒子(0.1μm) 45重量部
・チタニア粒子(0.3μm) 15重量部
・メチルエチルケトン 50重量部
<比較例1>
実施例1で用いた中間層用塗工液を以下に示した塗工液とした以外は実施例1と同様に電子写真感光体を得た。
〔中間層用塗工液〕
・アルキッド樹脂 6重量部
(ベッコゾール1307−60−EL、大日本インキ化学工業製)
・メラミン樹脂 4重量部
(スーパーベッカミン G−821−60、大日本インキ化学工業製)
・酸化チタン(0.3μm) 60重量部
・メチルエチルケトン 50重量部
(評価)
<ランニングによる効果検証>
前記実施例1〜3、比較例1で得られた電子写真感光体を実機によるランニング試験に供した。実機としてはリコー社製IPSiO ColorCX9000改造機にセットした。トナーとしてはImagioトナータイプ27を用い、用紙としてはNBSリコー社製MyPaper(A4サイズ)を用いた。スタート時の感光体表面電位は−650Vとし、機内電位(帯電後電位及び露光後電位)をランニング5万枚、10万枚で測定を実施するとともに出力画像の評価を行った。出力画像としては全面白地出力及びハーフトーン出力を5枚連続で行い、地汚れ及び濃度ムラ発現の確認により画像評価を行った。機内電位の測定結果を表13に示す。
Figure 0004933308
実施例1〜3の帯電後電位測定結果から明らかなように、本発明に記載の中間層を用いた場合に十分な帯電性が得られるとともに、使用によってもその帯電性の変動が小さいことがわかる。また、露光後電位測定結果から、書き込み光によって表面電位を十分低下させることができることが示された。
一方、比較例1においては、初期に十分な帯電性が得られるが、使用によってその特性が低下しやすいことがわかる。また、露光後電位の測定結果から、書き込み光による表面電位低下が実施例1〜3で得られた電子写真感光体と比較して小さいことがわかる。
次に実施例1〜3及び比較例1の出力画像の評価結果を表3に示す。
Figure 0004933308
実施例1で得られた電子写真感光体を用いた場合、出力画像に若干のモアレが発生した。これは前記したように、露光プロセスにおいて可干渉性の光を用いており、中間層における入射光の散乱が不十分であるために生じたものと考えられる。実施例2〜3についてはモアレの発生は全く生じず、ランニング10万枚終了時点においても欠陥のない良好な画像出力が可能であった。
一方、比較例1で得られた電子写真感光体では白地出力画像には地汚れが、またハーフトーン出力においては濃度ムラの発生が確認された。地汚れについては中間層のホールブロッキング性の低下による部分的な帯電低下が起因しているものと考えられる。また、濃度ムラ発生に関しては前出力画像の影響(所謂残像画像)のためと考えられる。
本発明の画像形成装置を説明するための概略図である。 本発明の画像形成装置用プロセスカートリッジを説明するための概略図である。
符号の説明
1 感光体
3 帯電チャージャ
5 画像露光部
6 現像ユニット
10 転写チャージャ
11 分離チャージャ
15 クリーニングブレード
101 感光体
102 帯電手段
103 露光手段
104 現像手段
106 転写手段
107 クリーニング手段

Claims (15)

  1. 導電性支持体上に、少なくとも導電性支持体に接して形成された中間層、電荷発生層、電荷輸送層及び表面層が順次積層されている電子写真感光体であって、該中間層が構成成分として窒化物半導体である窒化ガリウムを含むことを特徴とする電子写真感光体。
  2. 前記表面層は架橋性表面層であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記中間層が、窒化ガリウムからなる膜により形成されていることを特徴とする請求項1ないし2のいずれかに記載の電子写真感光体。
  4. 前記中間層が、窒化ガリウムからなる微粒子とバインダー樹脂からなることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の電子写真感光体。
  5. 前記中間層の窒化ガリウムの含有率が、70重量%以上95重量%以下であることを特徴とする請求項4に記載の電子写真感光体。
  6. 前記表面層は、架橋性表面層であり、前記架橋性表面層は、少なくとも電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性化合物と電荷輸送性構造を有する化合物とを含む組成物を、熱又は光もしくは電離性放射線の少なくとも1つによって架橋させて得られたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の電子写真感光体。
  7. 前記電荷輸送性構造を有する化合物が、ラジカル重合性官能基を有することを特徴とする請求項6に記載の電子写真感光体。
  8. 前記電荷輸送性構造を有する化合物のラジカル重合性官能基が、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基の少なくとも1つの基であることを特徴とする請求項7に記載の電子写真感光体。
  9. 前記電荷輸送性構造を有する化合物のラジカル重合性官能基数が、1であることを特徴とする請求項7又は8に記載の電子写真感光体。
  10. 前記電荷輸送性構造を有する化合物の電荷輸送性構造が、トリアリールアミン構造であることを特徴とする請求項6乃至9のいずれかに記載の電子写真感光体。
  11. 前記電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性化合物の官能基が、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基の少なくともいずれかの基であることを特徴とする請求項6乃至10に記載の電子写真感光体。
  12. 前記電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性化合物の官能基数が、少なくとも3であることを特徴とする請求項6乃至11に記載の電子写真感光体。
  13. 請求項1乃至12のいずれかに記載の電子写真感光体を用いて、少なくとも該電子写真感光体を帯電させる帯電プロセスと、該帯電プロセスによって帯電させられた電子写真感光体表面に静電潜像を形成する潜像形成プロセスと、該潜像形成プロセスによって形成された静電潜像にトナーを付着させる現像プロセスと、該現像プロセスによって形成されたトナー像を被転写体に転写させる転写プロセスと、転写後に電子写真感光体表面に残留したトナーを電子写真感光体表面から除去するクリーニングプロセスとを繰り返し行うことを特徴とする画像形成方法。
  14. 請求項1乃至12のいずれかに記載の電子写真感光体と、少なくとも該電子写真感光体表面を帯電させる帯電手段と、該帯電手段によって帯電させた電子写真感光体表面に静電潜像を形成させる潜像形成手段と、該潜像形成手段によって形成された静電潜像にトナーを付着させる現像手段と、該現像手段よって形成されたトナー像を被転写体に転写させる転写手段と、該転写後に電子写真感光体表面に残留するトナーを電子写真感光体表面から除去するクリーニング手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
  15. 請求項1乃至12のいずれかに記載の電子写真感光体を、該電子写真感光体表面を帯電させる帯電手段、該帯電手段によって帯電させた電子写真感光体表面に静電潜像を形成させる潜像形成手段、該潜像形成手段によって形成された静電潜像にトナーを付着させる現像手段、該現像手段よって形成されたトナー像を被転写体に転写させる転写手段、及び該転写後に電子写真感光体表面に残留するトナーを電子写真感光体表面から除去するクリーニング手段からなる群から選ばれた少なくとも一つの手段と共に一体に支持し、画像形成装置本体に着脱可能であることを特徴とする画像形成装置用プロセスカートリッジ。
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