JP5205087B2 - 電子写真感光体製造用の温度制御装置、それを用いた電子写真感光体の製造方法、及び、その電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体製造用の温度制御装置、それを用いた電子写真感光体の製造方法、及び、その電子写真感光体 Download PDF

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Description

本発明は、円筒状基体用の温度制御装置、それを用いた電子写真感光体の製造方法、およびその電子写真感光体に関する。
近年、有機感光体(OPC)は良好な性能、様々な利点から、無機感光体に代わり複写機、ファクシミリ、レーザープリンタ及びこれらの複合機に多く用いられている。この理由としては、例えば(I)光吸収波長域の広さ及び吸収量の大きさ等の光学特性、(II)高感度、安定な帯電特性等の電気的特性、(III)材料の選択範囲の広さ、(IV)製造の容易さ、(V)低コスト、(VI)無毒性、等が挙げられる。
一方、最近画像形成装置の小型化から感光体の小径化が進み、機械の高速化やメンテナンスフリーの動きも加わり感光体の高耐久化が切望されるようになってきた。この観点からみると、有機感光体は、表面層が低分子電荷輸送材料と不活性高分子を主成分としているため一般に柔らかく、電子写真プロセスにおいて繰り返し使用された場合、現像システムやクリーニングシステムによる機械的な負荷により摩耗が発生しやすいという欠点を有している。加えて高画質化の要求からトナー粒子の小粒径化に伴いクリーニング性を挙げる目的でクリーニングブレードのゴム硬度の上昇と当接圧力の上昇が余儀なくされ、このことも感光体の摩耗を促進する要因となっている。この様な感光体の摩耗は、感度の劣化、帯電性の低下などの電気的特性を劣化させ、画像濃度低下、地肌汚れ等の異常画像の原因となる。また摩耗が局所的に発生した傷は、クリーニング不良によるスジ状汚れ画像をもたらす。現状では感光体の寿命はこの摩耗や傷が律速となり、交換に至っている。
したがって、有機感光体の高耐久化においては前述の摩耗量を低減することが不可欠であり、これが当分野でもっとも解決が迫られている課題である。
感光層の耐摩耗性を改良する技術としては、(1)表面層に硬化性バインダーを用いたもの(例えば、特許文献1参照)、(2)高分子型電荷輸送物質を用いたもの(例えば、特許文献2参照)、(3)表面層に無機フィラーを分散させたもの(例えば、特許文献3参照)等が挙げられる。これらの技術のうち、(1)の硬化性バインダーを用いたものは、電荷輸送物質との相溶性が悪いためや重合開始剤、未反応残基などの不純物により残留電位が上昇し画像濃度低下が発生し易い傾向がある。また、(2)の高分子型電荷輸送物質を用いたもの、及び(3)の無機フィラーを分散させたものは、ある程度の耐摩耗性向上が可能であるものの、有機感光体に求められている耐久性を十二分に満足させるまでには至っていない。さらに(3)の無機フィラーを分散させたものは、無機フィラー表面に存在するトラップにより残留電位が上昇し、画像濃度低下が発生し易い傾向にある。これら(1)、(2)、(3)の技術では、有機感光体に求められる電気的な耐久性、機械的な耐久性をも含めた総合的な耐久性を十二分に満足するには至っていない。
これらに代わる感光層の耐摩耗技術として、炭素−炭素二重結合を有するモノマーと、炭素−炭素二重結合を有する電荷輸送材及びバインダー樹脂からなる塗工液を用いて形成した電荷輸送層を設けることが知られている(例えば、特許文献4参照)。特に、表面層を少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を紫外線照射により硬化した架橋樹脂層とすることにより、耐摩耗性及び電気特性が格段に向上する(例えば特許文献5、特許文献6、特許文献7参照)。このように形成された表面層は3次元架橋構造を有し、高い耐摩耗性と良好な電気特性を両立することができる。
このような架橋性の保護層形成には、紫外線や放射線などのエネルギーを硬化反応の駆動力とする場合が多いが、紫外線や放射線照射による硬化反応では、照射時の温度により硬化の進行が大きく影響することが知られている(例えば特許文献8、特許文献9、特許文献10、特許文献11参照)。また紫外線や放射線が照射されると、輻射熱により感光体表面が高温になり、電荷輸送性物質の劣化を引き起こし、電気特性が低下する場合ある。このような経緯から、紫外線や放射線照射による硬化では、感光体温度を制御する必要があるが、温度制御の均一性が低い場合、感光体面内での硬化反応が不均一になり、感光体上下で電位ムラや摩耗ムラを引き起こし、画像濃度ムラを引き起こす。
特開昭56−48637号公報 特開昭64−1728号公報 特開平4−281461号公報 特許第3194392号公報 特開2004−302450号公報 特開2004−302451号公報 特開2004−302452号公報 特開2001−125297号公報 特開2004−240305号公報 特開2005−091741号公報 特開2007−322867号公報
本発明は、外部の発熱体から熱を受けながら回転している円筒状基体の温度上昇を軸方向で均一に制御できる円筒状基体の温度制御装置を提供することを目的とする。また、本発明のもう1つの目的は、その温度制御装置を用いた電子写真感光体の製造方法およびこの製造方法により製造された長寿命、高性能の電子写真感光体を提供することを目的としている。
本発明者らは、外部の発熱体から熱を受けながら回転している円筒状基体の内部に、前記円筒状基体の内面部全体に接触する円筒状弾性体を有し、前記円筒状弾性体の内部に冷媒として液体を供給し、前記円筒状基体の温度上昇を抑制して、温度制御する円筒状基体の温度制御装置であって、該円筒状弾性体の厚みが、前記温度制御装置の内部に流れる冷媒の供給口で厚く、排出口側で薄いことを特徴とすることで、円筒状基体を狙いの温度に制御できるとともに、軸方向での温度分布を均一にできることを見出し、本発明に至った。
本発明の第一は、外部からの光照射を受けながら回転している円筒状基体の内部に、前記円筒状基体の内面部全体に接触する円筒状弾性体を有し、前記円筒状弾性体の内部に冷媒として液体を供給し、前記円筒状基体の温度上昇を抑制して、温度制御する円筒状基体の温度制御装置であって、前記温度制御装置の、円筒状基体の内面部全体に接触する円筒状弾性体が、冷媒として使用する液体の圧力により膨らみ、該冷媒の圧力が0.01Mpaから0.2Mpaであり、前記円筒状弾性体の厚みが、前記温度制御装置の内部に流れる冷媒の供給口で厚く、排出口側で薄いことを特徴とする円筒状基体の温度制御装置に関する。
本発明の第二は、前記円筒状弾性体の最も厚い部分と最も薄い部分の厚みの差が、0.1mm以上1.0mm以下であることを特徴とする本発明の第一に記載の円筒状基体の温度制御装置に関する。
本発明の第三は、前記円筒状弾性体の最も厚い部分と最も薄い部分の厚みの差が、0.2mm以上0.5mm以下であることを特徴とする本発明の第一から第二のいずれか記載の円筒状基体の温度制御装置に関する。
本発明の第四は、前記円筒状弾性体の厚みが0.5mmを越え3.0mm以下であることを特徴とする本発明の第一から第三のいずれか記載の円筒状基体の温度制御装置に関する。
本発明の第五は、前記円筒状弾性体の厚みが軸方向で連続的に変化し、傾きが一定であることを特徴とする本発明の第一から第四のいずれか記載の円筒状基体の温度制御装置に関する。
本発明の第六は、前記冷媒の流量が2L/分から10L/分であることを特徴とする本発明の第一から第五のいずれか記載の円筒状基体の温度制御装置に関する。
本発明の第七は、導電性の円筒状基体上に少なくとも感光層を設ける際の電子写真感光体の温度制御装置であって、該感光層の表面層が電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を光エネルギーによって共重合させてなる架橋表面層であって、該光エネルギー照射時に円筒状基体の温度を制御することを特徴とする本発明の第一から第六のいずれか記載の円筒状基体の温度制御装置に関する。
本発明の第八は、本発明の第一から第七のいずれか記載の円筒状基体の温度制御装置を用いることを特徴とする電子写真感光体の製造方法に関する。
本発明の第九は、本発明の第八に記載の電子写真感光体の製造方法により製造されたことを特徴とする電子写真感光体に関する。
本発明の、外部の発熱体から熱を受けながら回転している円筒状基体の内部に、前記円筒状基体の内面部全体に接触する円筒状弾性体を有し、前記円筒状弾性体の内部に冷媒として液体を供給(供給、供給排出、循環供給を含む)し、前記円筒状基体の温度上昇を抑制して、温度制御する円筒状基体の温度制御装置であって、該円筒状弾性体の厚みが、前記温度制御装置の内部に流れる冷媒の供給口で厚く、排出口側で薄いことを特徴とする円筒状基体の温度制御装置により、円筒状基体を狙いの温度に制御できるとともに、円筒状基体軸方向での温度分布を均一にすることが可能となる。また、本発明の温度制御装置を用いた電子写真感光体の製造方法により製造された電子写真感光体は、高い耐摩耗性と安定した電気特性を有すると同時に、感光体軸方向においても均一な耐摩耗性および電気特性を有し、安定した画像出力が可能となる。
本発明は、以下の基本的思想に基づくものである。
本発明の円筒状基体の温度制御装置は、外部の発熱体から熱を受けながら回転している円筒状基体の温度上昇を軸方向で均一に制御できる温度制御装置であり、特に導電性の円筒状基体上に少なくとも感光層を有する電子写真感光体において、該感光層の表面層が光エネルギーによって共重合させてなる架橋性表面層であって、光エネルギーを照射し架橋表面層を形成させる際の温度上昇を軸方向で均一に制御するのに使用される温度制御装置である。
光エネルギーにより形成される架橋性表面層は3次元化した架橋構造の形成が可能となり、電子写真感光体の耐摩耗性を飛躍的に向上させることが可能である。
光エネルギー照射では、重合反応に必要なエネルギーの他に熱も放出される。このような熱は、硬化反応を補助する役割もあるが、基体温度が適正でない場合、硬化不良、変色、電荷輸送物質の破壊を招き、感光体の耐摩耗性や電気特性を低下させる。そのため、感光体製造における光エネルギー照射では、適正な温度に制御する必要がある。また、温度により硬化反応の進行具合が変化するため、硬化反応時の感光体温度が不均一である場合、硬化ムラを引き起こし、電子写真プロセスにおいて電気特性や摩耗量に偏差が生じ、画像濃度ムラを発生させる。このため、光エネルギー照射による硬化反応では、感光体の均一な温度制御が必要となる。
本発明者らが悦意検討した結果、外部の発熱体から熱を受けながら回転している円筒状基体の内部に、前記円筒状基体の内面部全体に接触する円筒状弾性体を有し、前記円筒状弾性体の内部に冷媒として液体を供給し、前記円筒状基体の温度上昇を抑制し、狙いの温度に制御する円筒状基体の温度制御装置であって、該円筒状弾性体の厚みが、前記温度制御装置の内部に流れる冷媒の供給口で厚く、排出口側で薄くすることで、狙いの温度に制御可能であるとともに円筒状基体の軸方向でも均一な温度制御が可能であることを見出し、本発明に至った。
本発明は、外部の発熱体から熱を受けながら回転している円筒状基体の内部に、前記円筒状基体の内面部全体に接触する円筒状弾性体を有し、前記円筒状弾性体の内部に冷媒として液体を供給し、前記円筒状基体の温度上昇を抑制し、狙いの温度に制御する円筒状基体の温度制御装置であって、該円筒状弾性体の厚みが、前記温度制御装置の内部に流れる冷媒の供給口で厚く、排出口側で薄いことを特徴とする円筒状基体の温度制御装置である。
図1には本発明の温度制御装置の一例を示した。この例の装置においては、円筒状基体(1)の近傍に発熱体(2)が配置されており、発熱体(2)から熱を受けながら回転している円筒状基体(1)の内部に、前記円筒状基体(1)の内面部全体に接触する円筒状弾性体(4)を有している。前記円筒状弾性体(4)の内部には円筒状基体(1)の軸方向と平行且つ、前記円筒状基体(1)の中心軸と同軸に立設された冷媒供給パイプ(9)と冷媒排出用の貫通穴(7)が設置されており、回転軸(6)の下端はロータリージョイント(8)に接続されている。本発明における冷媒の供給は、この例に限らないが、この例では、ロータリージョイント(8)を通して冷媒供給パイプ(9)から冷媒を、冷媒供給パイプ(9)の上端開口部から溢出させて円筒状基体(1)内部に供給し、底部(下端)の貫通穴(7)から冷媒を排出することで冷媒の循環が可能となる。また、貫通穴(7)から冷媒を供給し、冷媒供給パイプ(9)の上端部から排出することで冷媒を循環させることも可能である。冷媒として使用する液体と円筒状基体(1)を間接的に接触させ、発熱体(2)からの熱(及び正確には架橋硬化反応に伴う発熱をも)を熱交換し、円筒状基体(1)の温度上昇を抑制し、且つ、狙いの温度にする事が可能となる。
図2には円筒状弾性体(4)と円筒状基体(1)が接触している部分の断面図を示した。本発明の温度制御装置は円筒状弾性体(4)の厚みに傾斜を持たせ、冷媒の供給側で厚く、排出側で薄いことを特徴とする。図2は前記例のように冷媒供給パイプから冷媒が供給されたときの図であるので、円筒状弾性体(4)の上部が厚くなっているが、貫通穴(7)から冷媒が供給される場合は円筒状弾性体(4)の下部が厚くなる。円筒弾性体(4)の厚みに傾斜がない場合、冷媒の供給口では温まっていない冷媒が供給されるため、供給側では基体の温度は低くなるが、冷媒が円筒状基体(1)の内部を流れるに従って外部発熱体により冷媒は温まるため、排出側では冷媒の温度は高くなり、そのために基体(1)の温度も高くなる。そのため、感光体軸方向での温度が不均一となり、硬化ムラを引き起こす。そこで冷媒供給側での円筒状弾性体(4)の厚みを厚くすることで熱伝導を悪くし、排出側では弾性体を薄くすることで熱伝導を良くし、感光体軸方向での温度を均一にすることが可能となった。
円筒状弾性体(4)の厚みの傾斜は、最も厚い部分と最も薄い部分の差が0.1mm以上1.0mm以下であることが好ましく、0.2mm以上0.5mm以下がより好ましい。また、円筒状弾性体(4)の厚みは軸方向で連続的に変化することが好ましく、その傾きは一定であることが好ましい。
円筒状弾性体の厚みに傾斜を持たせる手段はいかなる方法でもよい。例えば、円筒状弾性体は表面を研磨することで厚みを制御する方法、傾斜を持った鋳型を用いて円筒状弾性体を製造する方法などがある。本発明ではマルヨシポリマー社製の、表面を研磨することで厚みの傾斜を持たせた円筒状弾性体を用いている。
また、円筒状弾性体(4)の厚みは、0.5mmを越え3.0mm以下が好ましく、厚み傾斜の最薄部、最厚部もこの範囲内であることが好ましい。厚みが0.5mm以下の場合、弾性体の破損する可能性が高く、また厚みが3.0mmより厚い場合には感光体に適正な温度に制御するのが困難である。
図1では冷媒供給パイプ(9)から冷媒である液体が供給される図を示したが、本発明はこれに限るものではない。図1において冷媒が貫通穴(7)から供給され、冷媒供給パイプ(9)から排出される場合、円筒弾性体(4)は軸方向の上端側が薄くなるように傾斜を持たせる。また、冷媒供給口が中央にあり、上端部と下端部で排出される場合、円筒弾性体の中央部を厚くし、上方向と下方向が薄くなるように傾斜を持たせる。さらには冷媒供給口と排出口が一緒である場合は、供給側で円筒状弾性体を厚くし、供給側から最も遠い部分を薄くする。
また、前記温度制御装置の円筒状基体(1)の内面部全体に接触する円筒状弾性体(4)は、冷媒として使用する液体の圧力により膨らみ、円筒状基体(1)に接触し、円筒状基体(1)の保持および温度制御が行なわれる。このとき円筒状弾性体(4)に供給する冷媒の圧力は0.01Mpaから0.2Mpaであることが好ましく、さらには0.02Mpaから0.05Mpaであることが好ましい。冷媒圧力を0.01Mpaから0.2Mpa好ましくは、0.02Mpaから0.05Mpaとすることで、円筒状基体(1)の内面と円筒状弾性体(4)の外面が密着でき、円筒状基体(1)の温度バラツキを小さくできる。冷媒の圧力が0.01Mpaよりも小さいと円筒状弾性体(4)の膨らみ量が少なくなり、円筒状基体(1)の内面とに部分的な隙間が生じ、円筒状基体の温度バラツキが発生する。 冷媒の圧力が0.2Mpa以上の場合は、円筒状基体の真円度低下や円筒状基体(1)の上下からはみ出している円筒状弾性体(4)の上下端部(10)の膨らみ量が増大し、円筒状弾性体(4)が破裂する。
前記冷媒の流量(循環させる場合の循環量、及び、繰り返し再循環させず、ワンパスだけさせる場合の供給−排出量を含む)は2L/分から10L/分であることが好ましい。流量が2L/分よりも少ないと円筒状弾性体内部の冷媒に温度差が生じ、円筒状弾性体に傾斜を持たせた場合でも均一な温度制御は困難となる。また、流量が10L/分よりも多くなると冷媒供給・排出用の配管径を太くし、又、ポンプ能力も高くする必要があり、設備コストが増加する。
また、本発明の温度制御装置は、円筒状基体を円筒状弾性体に把持する位置の位置決めが、円筒状基体の上下に備えられた金属又は樹脂製の円筒状押さえツールにより行なわれることが好ましい。
前記温度制御装置の円筒状基体の内面部全体に接触する円筒状弾性体に供給する冷媒の温度は、10℃から40℃、好ましくは、15℃から30℃である。
冷媒温度が10℃未満の場合は、温度制御装置自体が結露してしまい、円筒状基体を濡らすという不具合が発生する。
冷媒温度が40℃を超える場合は、円筒状基体を狙いの温度に制御することが困難である。
また、本発明の温度制御装置は、前記冷媒を温度管理する恒温水槽を有することが好ましい。恒温水槽を有することで、冷媒温度を常に一定に保つことができ、安定した温度制御が可能となる。
恒温水槽でない水槽を冷媒の貯蔵水槽として使用すると、熱交換されて温度が高くなった冷媒が貯蔵水槽に戻ってくるため、経時で冷媒の温度が上昇し、安定した温度制御ができない。
さらには、円筒状弾性体(4)の内部を冷媒として循環している液体が、冷媒貯留タンクからポンプにより冷媒供給パイプ(9)を介して供給されており、円筒形弾性体(4)の内部を循環した冷媒が液体貯留タンクに排出される配管において、冷媒の圧力を監視する圧力検出手段と流量調整手段を備えていることが好ましい。
また、円筒状弾性体4の材質は、耐水性、耐摩耗性に優れた材質を用いることが望ましい。例えば、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)などがよい。
<電子写真感光体の層構造について>
本発明の円筒状基体の温度制御装置は、導電性の円筒状基体上に少なくとも感光層を有し、該感光層の表面層がラジカル重合性化合物を光エネルギー照射によって共重合させてなる架橋表面層であって、該光エネルギー照射時に円筒状基体の温度を制御する温度制御装置である。ここでは本発明に用いられる電子写真感光体を図面に基づいて説明する。
図3は、本発明の電子写真感光体を表わす断面図であり、導電性支持体上に、電荷発生機能と電荷輸送機能を同時に有する感光層が設けられた単層構造の感光体である。架橋表面層が感光層全体の場合を示したのが図3−Aであり、架橋表面層が感光層の表面部分である場合を示したのが図3−Bである。
図4は、導電性支持体上に、電荷発生機能を有する電荷発生層と、電荷輸送物機能を有する電荷輸送層とが積層された積層構造の感光体である。架橋表面層が電荷輸送層全体の場合を示すのが図4−Aであり、架橋表面層が電荷輸送層の表面部分である場合を示すのが図4−Bである。
<導電性支持体について>
導電性支持体としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理を施した管などを使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体として用いることができる。
この他、上記支持体上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したものについても、本発明の導電性支持体として用いることができる。
この導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、また、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などが挙げられる。また、同時に用いられる結着樹脂には、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂が挙げられる。
このような導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
さらに、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン(登録商標)などの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、本発明の導電性支持体として良好に用いることができる。
<感光層について>
次に感光層について説明する。感光層は積層構造でも単層構造でもよい。
積層構造の場合には、感光層は電荷発生機能を有する電荷発生層と電荷輸送機能を有する電荷輸送層とから構成される。また、単層構造の場合には、感光層は電荷発生機能と電荷輸送機能を同時に有する層である。
以下、積層構造の感光層及び単層構造の感光層のそれぞれについて述べる。
<感光層が積層構成のもの>
(電荷発生層)
電荷発生層は、電荷発生機能を有する電荷発生物質を主成分とする層で、必要に応じてバインダー樹脂を併用することもできる。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。
無機系材料には、結晶セレン、アモルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物や、アモルファス・シリコン等が挙げられる。アモルファス・シリコンにおいては、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子でターミネートしたものや、ホウ素原子、リン原子等をドープしたものが良好に用いられる。
一方、有機系材料としては、公知の材料を用いることができる。例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。これらの電荷発生物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
電荷発生層に必要に応じて用いられるバインダー樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミドなどが挙げられる。これらのバインダー樹脂は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。また、電荷発生層のバインダー樹脂として上述のバインダー樹脂の他に、電荷輸送機能を有する高分子電荷輸送物質、例えば、アリールアミン骨格やベンジジン骨格やヒドラゾン骨格やカルバゾール骨格やスチルベン骨格やピラゾリン骨格等を有するポリカーボネート、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリシロキサン、アクリル樹脂等の高分子材料やポリシラン骨格を有する高分子材料等を用いることができる。
前者の具体的な例としては、特開平01−001728号公報、特開平01−009964号公報、特開平01−013061号公報、特開平01−019049号公報、特開平01−241559号公報、特開平04−011627号公報、特開平04−175337号公報、特開平04−183719号公報、特開平04−225014号公報、特開平04−230767号公報、特開平04−320420号公報、特開平05−232727号公報、特開平05−310904号公報、特開平06−234836号公報、特開平06−234837号公報、特開平06−234838号公報、特開平06−234839号公報、特開平06−234840号公報、特開平06−234841号公報、特開平06−239049号公報、特開平06−236050号公報、特開平06−236051号公報、特開平06−295077号公報、特開平07−056374号公報、特開平08−176293号公報、特開平08−208820号公報、特開平08−211640号公報、特開平08−253568号公報、特開平08−269183号公報、特開平09−062019号公報、特開平09−043883号公報、特開平09−71642号公報、特開平09−87376号公報、特開平09−104746号公報、特開平09−110974号公報、特開平09−110976号公報、特開平09−157378号公報、特開平09−221544号公報、特開平09−227669号公報、特開平09−235367号公報、特開平09−241369号公報、特開平09−268226号公報、特開平09−272735号公報、特開平09−302084号公報、特開平09−302085号公報、特開平09−328539号公報等に記載の電荷輸送性高分子材料が挙げられる。
また、後者の具体例としては、例えば特開昭63−285552号公報、特開平05−19497号公報、特開平05−70595号公報、特開平10−73944号公報等に記載のポリシリレン重合体が例示される。
また、電荷発生層には低分子電荷輸送物質を含有させることができる。
電荷発生層に併用できる低分子電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。
電子輸送物質としては、たとえばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ジフェノキノン誘導体などの電子受容性物質が挙げられる。これらの電子輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
正孔輸送物質としては、以下に表わされる電子供与性物質が挙げられ、良好に用いられる。正孔輸送物質としては、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等、その他公知の材料が挙げられる。これらの正孔輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
電荷発生層を形成する方法には、真空薄膜作製法と溶液分散系からのキャスティング法とが大きく挙げられる。
前者の方法には、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法等が用いられ、上述した無機系材料、有機系材料が良好に形成できる。
また、後述のキャスティング法によって電荷発生層を設けるには、上述した無機系もしくは有機系電荷発生物質を必要ならばバインダー樹脂と共にテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、アニソール、キシレン、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等の溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミル、ビーズミル等により分散し、分散液を適度に希釈して塗布することにより、形成できる。また、必要に応じて、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のレベリング剤を添加することができる。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコート法などを用いて行なうことができる。
以上のようにして設けられる電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.05〜2μmである。
(電荷輸送層について)
電荷輸送層は電荷輸送機能を有する層で、本発明の電荷輸送性構造を有する架橋表面層は電荷輸送層として有用に用いられる。架橋表面層が電荷輸送層の全体である場合、前述の架橋表面層作製方法に記載したように電荷発生層上に本発明のラジカル重合性組成物(電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマー及び電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物;以下同じ)とフィラーを含有する塗工液を塗布、必要に応じて乾燥後、外部エネルギーにより硬化反応を開始させ、架橋表面層が形成される。このとき、架橋表面層の膜厚は、10〜30μm、好ましくは10〜25μmである。10μmより薄いと充分な帯電電位が維持できず、30μmより厚いと硬化時の体積収縮により下層との剥離が生じやすくなる。
また、架橋表面層が電荷輸送層の表面部分に形成され、電荷輸送層が積層構造である場合、電荷輸送層の下層部分は電荷輸送機能を有する電荷輸送物質および結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層上に塗布、乾燥することにより形成し、この上に上記本発明のラジカル重合性組成物とフィラーを含有する塗工液を塗布し、外部エネルギーにより架橋硬化させる。
電荷輸送物質としては、前記電荷発生層で記載した電子輸送物質、正孔輸送物質及び高分子電荷輸送物質を用いることができる。前述したように高分子電荷輸送物質を用いることにより、表面層塗工時の下層の溶解性を低減でき、とりわけ有用である。
結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。
電荷輸送物質の量は結着樹脂100重量部に対し、20〜300重量部、好ましくは40〜150重量部が適当である。但し、高分子電荷輸送物質を用いる場合は、単独でも結着樹脂との併用も可能である。
電荷輸送層の下層部分の塗工に用いられる溶媒としては前記電荷発生層と同様なものが使用できるが、電荷輸送物質及び結着樹脂を良好に溶解するものが適している。これらの溶剤は単独で使用しても2種以上混合して使用しても良い。また、電荷輸送層の下層部分の形成には電荷発生層と同様な塗工法が可能である。
また、必要により可塑剤、レベリング剤を添加することもできる。
電荷輸送層の下層部分に併用できる可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般の樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は、結着樹脂100重量部に対して0〜30重量部程度が適当である。
電荷輸送層の下層部分に併用できるレベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが使用され、その使用量は、結着樹脂100重量部に対して0〜1重量部程度が適当である。
電荷輸送層の下層部分の膜厚は、5〜40μm程度が適当であり、好ましくは10〜30μm程度が適当である。
架橋表面層が電荷輸送層の表面部分である場合、前述の架橋表面層作製方法に記載したように、かかる電荷輸送層の下層部分上に本発明のラジカル重合性組成物を含有する塗工液を塗布、必要に応じて乾燥後、外部エネルギーにより硬化反応を開始させ、架橋表面層が形成される。このとき、架橋表面層の膜厚は、1〜20μm、好ましくは2〜10μmである。1μmより薄いと膜厚ムラによって耐久性がバラツキ、20μmより厚いと電荷輸送層全体の膜厚が厚くなり電荷の拡散から画像の再現性が低下する。
<感光層が単層のもの>
単層構造の感光層は電荷発生機能と電荷輸送機能を同時に有する層で、本発明の電荷輸送性構造を有する架橋表面層は電荷発生機能を有する電荷発生物質を含有させることにより、単層構造の感光層として有用に用いられる。上記の電荷発生層のキャスティング形成方法に記載したように、電荷発生物質をラジカル重合性組成物を含有する塗工液と共に分散し、電荷発生層(35)上に塗布、必要に応じて乾燥後、外部エネルギーにより硬化反応を開始させ、架橋表面層が形成される。なお、電荷発生物質はあらかじめ溶媒と共に分散した液を本架橋表面層用塗工液に加えてもよい。このとき、架橋表面層の膜厚は、10〜30μm、好ましくは10〜25μmである。10μmより薄いと充分な帯電電位が維持できず、30μmより厚いと硬化時の体積収縮により導電性基体または下引き層との剥離が生じやすくなる。
また、架橋表面層が単層構造の感光層の表面部分である場合、感光層の下層部分は電荷発生機能を有する電荷発生物質と電荷輸送機能を有する電荷輸送物質と結着樹脂を適当な溶媒に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することによって形成できる。また、必要により可塑剤やレベリング剤等を添加することもできる。電荷発生物質の分散方法、それぞれ電荷発生物質、電荷輸送物質、可塑剤、レベリング剤は前記電荷発生層、電荷輸送層において既に述べたものと同様なものが使用できる。結着樹脂としては、先に電荷輸送層の項で挙げた結着樹脂のほかに、電荷発生層で挙げたバインダー樹脂を混合して用いてもよい。また、先に挙げた高分子電荷輸送物質も使用可能で、架橋表面層への下層感光層組成物の混入を低減できる点で有用である。かかる感光層の下層部分の膜厚は、5〜30μm程度が適当であり、好ましくは10〜25μm程度が適当である。
架橋表面層が単層構造の感光層の表面部分である場合、前述のようにかかる感光層の下層部分上に本発明のラジカル重合性組成物と電荷発生物質を含有する塗工液を塗布、必要に応じて乾燥後、熱や光の外部エネルギーにより硬化し、架橋表面層を形成する。このとき、架橋表面層の膜厚は、1〜20μm、好ましくは2〜10μmである。1μmより薄いと膜厚ムラによって耐久性のバラツキが生じる。
単層構造の感光層中に含有される電荷発生物質は感光層全量に対し1〜30重量%が好ましく、感光層の下層部分に含有される結着樹脂は全量の20〜80重量%、電荷輸送物質は10〜70重量部が良好に用いられる。
<中間層について>
本発明の感光体においては、架橋表面層が感光層の表面部分となる場合、架橋表面層への下層成分混入を抑える又は下層との接着性を改善する目的で中間層を設けることが可能である。この中間層はラジカル重合性組成物を含有する最表面層中に下部感光層組成物の混入により生ずる、硬化反応の阻害や架橋表面層の凹凸を防止する。また、下層の感光層と表面架橋層の接着性を向上させることも可能である。
中間層には、一般にバインダー樹脂を主成分として用いる。これら樹脂としては、ポリアミド、アルコール可溶性ナイロン、水溶性ポリビニルブチラール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。中間層の形成法としては、前述のごとく一般に用いられる塗工法が採用される。なお、中間層の厚さは0.05〜2μm程度が適当である。
<下引き層について>
本発明の感光体においては、導電性支持体と感光層との間に下引き層を設けることができる。下引き層は一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。また、下引き層にはモアレ防止、残留電位の低減等のために酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。
これらの下引き層は、前述の感光層の如く適当な溶媒及び塗工法を用いて形成することができる。更に本発明の下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。この他、本発明の下引き層には、Alを陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物やSiO、SnO、TiO、ITO、CeO等の無機物を真空薄膜作成法にて設けたものも良好に使用できる。このほかにも公知のものを用いることができる。下引き層の膜厚は0〜5μmが適当である。
<各層への酸化防止剤の添加について>
また、本発明においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、架橋表面層、電荷発生層、電荷輸送層、下引き層、中間層等の各層に酸化防止剤を添加することができる。
本発明に用いることができる酸化防止剤として、下記のものが挙げられる。
(フェノール系化合物)
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]クリコ−ルエステル、トコフェロール類など。
(パラフェニレンジアミン類)
N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
(ハイドロキノン類)
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
(有機硫黄化合物類)
ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネートなど。
(有機燐化合物類)
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
これら化合物は、ゴム、プラスチック、油脂類などの酸化防止剤として知られており、市販品を容易に入手できる。
本発明における酸化防止剤の添加量は、添加する層の総重量に対して0.01〜10重量%である。
(架橋表面層)
本発明に用いられる電荷輸送性を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーとは、例えばトリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾールなどの正孔輸送性構造、例えば縮合多環キノン、ジフェノキノン、シアノ基やニトロ基を有する電子吸引性芳香族環などの電子輸送構造を有しておらず、且つラジカル重合性官能基を3個以上有するモノマーを指す。このラジカル重合性官能基とは、炭素−炭素2重結合を有し、ラジカル重合可能な基であれば何れでもよい。これらラジカル重合性官能基としては、例えば、下記に示す1−置換エチレン官能基、1,1−置換エチレン官能基等が挙げられる。
(1).1−置換エチレン官能基としては、例えば以下の式で表わされる官能基が挙げられる。
CH=CH−X
(ただし、式中、Xは、置換基を有していてもよいフェニレン基、ナフチレン基等のアリーレン基、置換基を有していてもよいアルケニレン基、−CO−基、−COO−基、−CON(R36)−基(R36は、水素、メチル基、エチル基等のアルキル基、ベンジル基、ナフチルメチル基、フェネチル基等のアラルキル基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基を表わす。)、または−S−基を表わす。)
これらの置換基を具体的に例示すると、ビニル基、スチリル基、2−メチル−1,3−ブタジエニル基、ビニルカルボニル基、アクリロイルオキシ基、アクリロイルアミド基、ビニルチオエーテル基等が挙げられる。
(2).1,1−置換エチレン官能基としては、例えば以下の式で表わされる官能基が挙げられる。
CH=C(Y)−X
(ただし、式中、Yは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、メトキシ基あるいはエトキシ基等のアルコキシ基、−COOR37基(R37は、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、エチル基等のアルキル基、置換基を有していてもよいベンジル、フェネチル基等のアラルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基、または−CONR3839(R38およびR39は、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、エチル基等のアルキル基、置換基を有していてもよいベンジル基、ナフチルメチル基、あるいはフェネチル基等のアラルキル基、または置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基を表し、互いに同一または異なっていてもよい。)、また、Xは上記式10のXと同一の置換基及び単結合、アルキレン基を表わす。ただし、Y,Xの少なくとも何れか一方がオキシカルボニル基、シアノ基、アルケニレン基、及び芳香族環である。)
これらの置換基を具体的に例示すると、α−塩化アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、α−シアノエチレン基、α−シアノアクリロイルオキシ基、α−シアノフェニレン基、メタクリロイルアミノ基等が挙げられる。
なお、これらX、X、Yについての置換基にさらに置換される置換基としては、例えばハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等が挙げられる。
これらのラジカル重合性官能基の中では、特にアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基が有用であり、3個以上のアクリロイルオキシ基を有する化合物は、例えば水酸基がその分子中に3個以上ある化合物とアクリル酸(塩)、アクリル酸ハライド、アクリル酸エステルを用い、エステル反応あるいはエステル交換反応させることにより得ることができる。また、3個以上のメタクリロイルオキシ基を有する化合物も同様にして得ることができる。また、ラジカル重合性官能基を3個以上有する単量体中のラジカル重合性官能基は、同一でも異なっても良い。
電荷輸送性構造を有しない3官能以上の具体的なラジカル重合性モノマーとしては、以下のものが例示されるが、これらの化合物に限定されるものではない。
すなわち、本発明において使用する上記ラジカル重合性モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート、HPA変性トリメチロールプロパントリアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、HPA変性トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)、グリセロールトリアクリレート、ECH変性グリセロールトリアクリレート、EO変性グリセロールトリアクリレート、PO変性グリセロールトリアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジメチロールプロパンテトラアクリレート(DTMPTA)、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、EO変性リン酸トリアクリレート、2,2,5,5,−テトラヒドロキシメチルシクロペンタノンテトラアクリレートなどが挙げられ、これらは、単独又は2種類以上を併用しても差し支えない。
また、本発明に用いられる電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーの成分割合は、架橋表面層全量に対し20〜80重量%、好ましくは30〜70重量%である。モノマー成分が20重量%未満では架橋表面層の3次元架橋結合密度が少なく、従来の熱可塑性バインダー樹脂を用いた場合に比べ飛躍的な耐摩耗性向上が達成されない。また、80重量%を超えると電荷輸送性化合物の含有量が低下し、電気的特性の劣化が生じる。使用されるプロセスによって要求される耐摩耗性や電気特性が異なるため一概には言えないが、両特性のバランスを考慮すると30〜70重量%の範囲が最も好ましい。
本発明に用いられる電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物とは、例えばトリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾールなどの正孔輸送性構造、例えば縮合多環キノン、ジフェノキノン、シアノ基やニトロ基を有する電子吸引性芳香族環などの電子輸送構造を有しており、且つラジカル重合性官能基を有する化合物を指す。このラジカル重合性官能基としては、先のラジカル重合性モノマーで示したものが挙げられ、特にアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基が有用である。
また、電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物は、官能基が、2官能以上の多官能のものを使用することができるが、膜質及び静電特性的に、1官能であるものが好ましい。これは、2官能以上の電荷輸送性化合物を用いた場合は複数の結合で架橋構造中に固定されるが、電荷輸送性構造が非常に嵩高いため硬化樹脂中に歪みが発生し架橋表面層の内部応力が高くなり、キャリア付着等でクラックや傷の発生を引き起こしやすくなる。5μm以下の膜厚の場合、特に問題とはならないが、5μmを越える膜を形成した場合、前記架橋表面層の内部応力が非常に高くなり、架橋直後にクラックが発生しやすくなる。
また静電的特性においても、2官能以上の電荷輸送性化合物を用いた場合は複数の結合で架橋構造中に固定されるため、電荷輸送時の中間体構造(カチオンラジカル)が安定して保てず、電荷のトラップによる感度の低下、残留電位の上昇が起こしやすくなる。これらの電気的特性の劣化は、画像濃度低下、文字の細り等の画像として現れる。このようなことから、電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物は、1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を用い、架橋結合間にペンダント状に固定化することにより、クラックや傷の発生、及び静電的特性の安定化しやすくなる。
また、電荷輸送性構造としてはトリアリールアミン構造の効果が高い。また官能基数が1つであるものが好ましく、さらには下記一般式1又は2の構造で示される化合物を用いた場合、感度、残留電位等の電気的特性が良好に持続される。
Figure 0005205087
Figure 0005205087
(式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアリール基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、−COOR(Rは水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基又は置換基を有してもよいアリール基)、ハロゲン化カルボニル基若しくはCONR(R及びRは水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基又は置換基を有してもよいアリール基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい)を表わし、Ar、Arは置換もしくは未置換のアリーレン基を表わし、同一であっても異なってもよい。Ar、Arは置換もしくは未置換のアリール基を表わし、同一であっても異なってもよい。Xは単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わす。Zは置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、アルキレンオキシカルボニル基を表わす。m、nは0〜3の整数を表わす。)
以下に、一般式(1)、一般式(2)の具体例を示す。
前記一般式(1)、(2)において、Rの置換基中、アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が、アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基が、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等がそれぞれ挙げられ、これらは、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等により置換されていても良い。
の置換基のうち、特に好ましいものは水素原子、メチル基である。
置換もしくは未置換のAr、Arはアリール基であり、アリール基としては縮合多環式炭化水素基、非縮合環式炭化水素基及び複素環基が挙げられる。
該縮合多環式炭化水素基としては、好ましくは環を形成する炭素数が18個以下のもの、例えば、ペンタニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、as−インダセニル基、s−インダセニル基、フルオレニル基、アセナフチレニル基、プレイアデニル基、アセナフテニル基、フェナレニル基、フェナントリル基、アントリル基、フルオランテニル基、アセフェナントリレニル基、アセアントリレニル基、トリフェニレル基、ピレニル基、クリセニル基、及びナフタセニル基等が挙げられる。
該非縮合環式炭化水素基としては、ベンゼン、ジフェニルエーテル、ポリエチレンジフェニルエーテル、ジフェニルチオエーテル及びジフェニルスルホン等の単環式炭化水素化合物の1価基、あるいはビフェニル、ポリフェニル、ジフェニルアルカン、ジフェニルアルケン、ジフェニルアルキン、トリフェニルメタン、ジスチリルベンゼン、1,1−ジフェニルシクロアルカン、ポリフェニルアルカン、及びポリフェニルアルケン等の非縮合多環式炭化水素化合物の1価基、あるいは9,9−ジフェニルフルオレン等の環集合炭化水素化合物の1価基が挙げられる。
複素環基としては、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、オキサジアゾール、及びチアジアゾール等の1価基が挙げられる。
また、前記Ar、Arで表わされるアリール基は例えば以下に示すような置換基を有してもよい。
(i)ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基等。
(ii)アルキル基、好ましくは、C〜C12とりわけC〜C、さらに好ましくはC〜Cの直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基にはさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C〜Cのアルコキシ基、フェニル基又はハロゲン原子、C〜Cのアルキル基もしくはC〜Cのアルコキシ基で置換されたフェニル基を有していてもよい。具体的にはメチル基、エチル基、n−ブチル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−プロピル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキエチル基、2−エトキシエチル基、2−シアノエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
(iii)アルコキシ基(−OR)であり、Rは(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、ベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
(iv)アリールオキシ基であり、アリール基としてはフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C〜Cのアルコキシ基、C〜Cのアルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基等が挙げられる。
(v)アルキルメルカプト基またはアリールメルカプト基であり、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
(vi)
Figure 0005205087

(式中、R及びRは各々独立に水素原子、前記(2)で定義したアルキル基、またはアリール基を表わす。アリール基としては、例えばフェニル基、ビフェニル基又はナフチル基が挙げられ、これらはC〜Cのアルコキシ基、C〜Cのアルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有してもよい。R及びRは共同で環を形成してもよい)
具体的には、アミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジ(トリール)アミノ基、ジベンジルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ピロリジノ基等が挙げられる。
(vii)メチレンジオキシ基、又はメチレンジチオ基等のアルキレンジオキシ基又はアルキレンジチオ基等が挙げられる。
(viii)置換又は無置換のスチリル基、置換又は無置換のβ−フェニルスチリル基、ジフェニルアミノフェニル基、ジトリルアミノフェニル基等。
前記Ar、Arで表わされるアリーレン基としては、前記Ar、Arで表わされるアリール基から誘導される2価基である。
前記Xは単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わす。
置換もしくは無置換のアルキレン基としては、C〜C12、好ましくはC〜C、さらに好ましくはC〜Cの直鎖または分岐鎖のアルキレン基であり、これらのアルキレン基にはさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C〜Cのアルコキシ基、フェニル基又はハロゲン原子、C〜Cのアルキル基もしくはC〜Cのアルコキシ基で置換されたフェニル基を有していてもよい。具体的にはメチレン基、エチレン基、n−ブチレン基、i−プロピレン基、t−ブチレン基、s−ブチレン基、n−プロピレン基、トリフルオロメチレン基、2−ヒドロキエチレン基、2−エトキシエチレン基、2−シアノエチレン基、2−メトキシエチレン基、ベンジリデン基、フェニルエチレン基、4−クロロフェニルエチレン基、4−メチルフェニルエチレン基、4−ビフェニルエチレン基等が挙げられる。
置換もしくは無置換のシクロアルキレン基としては、C〜Cの環状アルキレン基であり、これらの環状アルキレン基にはフッ素原子、水酸基、C〜Cのアルキル基、C〜Cのアルコキシ基を有していても良い。具体的にはシクロヘキシリデン基、シクロへキシレン基、3,3−ジメチルシクロヘキシリデン基等が挙げられる。
置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基としては、エチレンオキシ、プロピレンオキシ、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリプロピレングリコールを表わし、アルキレンエーテル基アルキレン基はヒドロキシル基、メチル基、エチル基等の置換基を有してもよい。
ビニレン基は、つぎの一般式で表わされる。
Figure 0005205087
は水素、アルキル基(前記(2)で定義されるアルキル基と同じ)、アリール基(前記Ar、Arで表わされるアリール基と同じ)、aは1または2、bは1〜3を表わす。
前記Zは置換もしくは未置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、アルキレンオキシカルボニル基を表わす。
置換もしくは未置換のアルキレン基としは、前記Xのアルキレン基と同様なものが挙げられる。
置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基としては、前記Xのアルキレンエーテル基が挙げられる。
アルキレンオキシカルボニル基としては、カプロラクトン変性基が挙げられる。
また、本発明の1官能の電荷輸送構造を有するラジカル重合性化合物として更に好ましくは、下記一般式(3)の構造の化合物が挙げられる。
Figure 0005205087
(式中、o、p、qはそれぞれ0又は1の整数、Raは水素原子、メチル基を表わし、Rb、Rcは水素原子以外の置換基で炭素数1〜6のアルキル基を表わし、複数の場合は異なっても良い。s、tは0〜3の整数を表わす。Zaは単結合、メチレン基、エチレン基、
Figure 0005205087

を表わす。)
上記一般式で表わされる化合物としては、Rb、Rcの置換基として、特にメチル基、エチル基である化合物が好ましい。
本発明で用いる上記一般式(1)及び一般式(2)、特に一般式(3)の1官能性の電荷輸送構造を有するラジカル重合性化合物は、炭素−炭素間の二重結合が両側に開放されて重合するため、末端構造とはならず、連鎖重合体中に組み込まれ、3官能以上のラジカル重合性モノマーとの重合で架橋形成された重合体中では、高分子の主鎖中に存在し、かつ主鎖−主鎖間の架橋鎖中に存在(この架橋鎖には1つの高分子と他の高分子間の分子間架橋鎖と、1つの高分子内で折り畳まれた状態の主鎖のある部位と主鎖中でこれから離れた位置に重合したモノマー由来の他の部位とが架橋される分子内架橋鎖とがある)するが、主鎖中に存在する場合であってもまた架橋鎖中に存在する場合であっても、鎖部分から懸下するトリアリールアミン構造は、窒素原子から放射状方向に配置する少なくとも3つのアリール基を有し、バルキーであるが、鎖部分に直接結合しておらず鎖部分からカルボニル基等を介して懸下しているため立体的位置取りに融通性ある状態で固定されているので、これらトリアリールアミン構造は重合体中で相互に程よく隣接する空間配置が可能であるため、分子内の構造的歪みが少なく、また、電子写真感光体の表面層とされた場合に、電荷輸送経路の断絶を比較的免れた分子内構造を採りうるものと推測される。
また、本発明に用いられる電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物は、架橋表面層の電荷輸送性能を付与するために重要で、この成分は架橋表面層全量に対し20〜80重量%、好ましくは30〜70重量%である。この成分が20重量%未満では架橋表面層の電荷輸送性能が充分に保てず、繰り返しの使用で感度低下、残留電位上昇などの電気特性の劣化が現れる。また、80重量%以上では電荷輸送構造を有しない3官能モノマーの含有量が低下し、架橋結合密度の低下を招き高い耐摩耗性が発揮されない。使用されるプロセスによって要求される電気特性や耐摩耗性が異なるため一概には言えないが、両特性のバランスを考慮すると30〜70重量%の範囲が最も好ましい。
光本発明の表面層は、少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を硬化したものであるが、これ以外に塗工時の粘度調整、架橋表面層の応力緩和、低表面エネルギー化や摩擦係数低減などの機能付与の目的で1官能及び2官能のラジカル重合性モノマー及びラジカル重合性オリゴマーを併用することができる。これらのラジカル重合性モノマー、オリゴマーとしては、公知のものが利用できる。
1官能のラジカルモノマーとしては、例えば、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、ベンジルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソアミルアクリレート、イソブチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、フェノキシテトラエチレングリコールアクリレート、セチルアクリレート、イソステアリルアクリレート、ステアリルアクリレート、スチレンモノマーなどが挙げられる。
2官能のラジカル重合性モノマーとしては、例えば、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、EO変性ビスフェノールAジアクリレート、EO変性ビスフェノールFジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレートなどが挙げられる。
機能性モノマーとしては、例えば、オクタフルオロペンチルアクリレート、2−パーフルオロオクチルエチルアクリレート、2−パーフルオロオクチルエチルメタクリレート、2−パーフルオロイソノニルエチルアクリレートなどのフッ素原子を置換したもの、特公平5−60503号公報、特公平6−45770号公報記載のシロキサン繰り返し単位:20〜70のアクリロイルポリジメチルシロキサンエチル、メタクリロイルポリジメチルシロキサンエチル、アクリロイルポリジメチルシロキサンプロピル、アクリロイルポリジメチルシロキサンブチル、ジアクリロイルポリジメチルシロキサンジエチルなどのポリシロキサン基を有するビニルモノマー、アクリレート及びメタクリレートが挙げられる。
ラジカル重合性オリゴマーとしては、例えば、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリエステルアクリレート系オリゴマーが挙げられる。但し、1官能及び2官能のラジカル重合性モノマーやラジカル重合性オリゴマーを多量に含有させると架橋表面層の3次元架橋結合密度が実質的に低下し、耐摩耗性の低下を招く。このためこれらのモノマーやオリゴマーの含有量は、3官能以上のラジカル重合性モノマー100重量部に対し50重量部以下、好ましくは30重量部以下に制限される。
また、本発明の表面層は少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を光エネルギー照射により硬化したものであるが、必要に応じてこの架橋反応を効率よく進行させるために架橋表面層中に重合開始剤を使用してもよい。
重合開始剤としては、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−2−モルフォリノ(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、などのアセトフェノン系またはケタール系光重合開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、などのベンゾインエーテル系光重合開始剤、ベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、2−ベンゾイルナフタレン、4−ベンゾイルビフェニル、4−ベンゾイルフェニールエーテル、アクリル化ベンゾフェノン、1,4−ベンゾイルベンゼン、などのベンゾフェノン系光重合開始剤、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、などのチオキサントン系光重合開始剤、その他の光重合開始剤としては、エチルアントラキノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシエステル、9,10−フェナントレン、アクリジン系化合物、トリアジン系化合物、イミダゾール系化合物、が挙げられる。また、光重合促進効果を有するものを単独または上記光重合開始剤と併用して用いることもできる。例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、などが挙げられる。
これらの重合開始剤は1種又は2種以上を混合して用いてもよい。重合開始剤の含有量は、ラジカル重合性を有する総含有物100重量部に対し、0.5〜40重量部、好ましくは1〜20重量部である。
更に、本発明の塗工液は必要に応じて各種可塑剤(応力緩和や接着性向上の目的)、レベリング剤、ラジカル反応性を有しない低分子電荷輸送物質などの添加剤が含有できる。これらの添加剤は公知のものが使用可能であり、可塑剤としてはジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般の樹脂に使用されているものが利用可能で、その使用量は塗工液の総固形分に対し20重量%以下、好ましくは10%以下に抑えられる。また、レベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが利用でき、その使用量は塗工液の総固形分に対し3重量%以下が適当である。
本発明の架橋表面層は、少なくとも電荷輸送構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を含有する塗工液を塗布、硬化することにより形成される。かかる塗工液はラジカル重合性モノマーが液体である場合、これに他の成分を溶解して塗布することも可能であるが、必要に応じて溶媒により希釈して塗布される。このとき用いられる溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール系、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系、テトラヒドロフラン、ジオキサン、プロピルエーテルなどのエーテル系、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼンなどのハロゲン系、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族系、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、セロソルブアセテートなどのセロソルブ系などが挙げられる。これらの溶媒は単独または2種以上を混合して用いてもよい。溶媒による希釈率は組成物の溶解性、塗工法、目的とする膜厚により変わり、任意である。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコート法などを用いて行なうことができる。
本発明においては、かかる塗工液を塗布後、外部から光エネルギーを与え硬化させる。光のエネルギーとしては主に紫外光に発光波長をもつ高圧水銀灯やメタルハライドランプなどの紫外線照射光源が利用できるが、ラジカル重合性含有物や光重合開始剤の吸収波長に合わせ可視光光源の選択も可能である。照射光量は300mW/cm以上、1000mW/cm以下が好ましく、300mW/cm未満では硬化反応に時間を要する。1000mW/cmより強いと反応の進行が不均一となり、架橋表面層の荒れが激しくなる。
また光エネルギーにより硬化するときには、酸素による架橋阻害を防止するために、酸素濃度を低減することが好ましい。
架橋表面層塗工液に含有される組成物においては、バインダー樹脂を含有させることも感光体表面の平滑性、電気特性、あるいは耐久性を損なわない範囲であれば可能である。しかし塗工液にバインダー樹脂などの高分子材料を含有させると、ラジカル重合性組成物(ラジカル重合性モノマー及び電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物)の硬化反応より生成した高分子との相溶性の悪さから相分離が生じ、架橋表面層表面の凹凸が激しくなる。したがって、バインダー樹脂は使用しない方が好ましい。
本発明の架橋表面層においては、電気的特性を維持するため嵩高い電荷輸送性構造を含有させ、且つ高強度化のため架橋結合密度を高める必要がある。この様な架橋表面層塗工後の硬化にあたっては、非常に高いエネルギーを外部から加え急激に反応を進めると、硬化が不均一に進行し架橋膜表面の凹凸が激しくなる。このため光の照射強度、重合開始剤量により反応速度制御が可能な光の外部エネルギーを用いたものが好ましい。
本発明の架橋表面層形成材料を用いた場合において、塗工方法について例示すると、例えば、塗工液として、3つのアクリロイルオキシ基を有するアクリレートモノマーと、一つのアクリロイルオキシ基を有するトリアリールアミン化合物を使用する場合、これらの使用割合は7:3から3:7であり、また、重合開始剤をこれらアクリレート化合物全量に対し3〜20重量%添加し、さらに溶媒を加えて塗工液を調製する。例えば、架橋表面層の下層となる電荷輸送層において、電荷輸送物質としてトリアリールアミン系ドナー、及びバインダー樹脂として、ポリカーボネートを使用し、架橋表面層をスプレー塗工により形成する場合、上記塗工液の溶媒としては、テトラヒドロフラン、2−ブタノン、酢酸エチル等が好ましく、その使用割合は、アクリレート化合物全量に対し3倍量〜10倍量である。
次いで、例えば、アルミシリンダー等の支持体上に、下引き層、電荷発生層、上記電荷輸送層を順次積層した感光体上に、上記調製した塗工液をスプレー等により塗布する。その後、比較的低温で短時間乾燥し(25〜80℃、1〜10分間)、紫外線照射あるいは加熱して硬化させる。
紫外線照射の場合、メタルハライドランプ等を用いるが、照度(365nm)は300mW/cm以上、1000mW/cm以下が好ましく、例えば600mW/cmの紫外線光を照射する場合、例えば硬化に際し、ドラムを回転して全ての面を均一に45〜360秒程度照射すればよい。このときドラム温度は100℃を越えないように制御する。
硬化終了後は、残留溶媒除去のため100〜150℃で10分〜30分加熱して、本発明の感光体を得る。
以下に本発明を実施例と比較例によって説明するが、本発明は以下に示す実施例に限定されるものではない。
図1に実施例に用いた装置を示す。円筒状弾性体はマルヨシポリマー社製のものを使用した。
効果の確認方法は、電荷輸送層を塗布、乾燥後の外径φ100mm、全長380mmのAl製の円筒状導電性基体の近傍に紫外線照射装置(フュージョン社製)を設置し、紫外線を照射し、照射終了時点での円筒状基体表面の温度を、UV光照射位置から丁度180°回転した裏側位置で、熱電対及びデータロガーにて測定し、円筒状基体上部50mm、中央部190mm、下部330mmの3箇所での温度バラツキを評価する。
また、実施例1〜8及び比較例1〜7にて共通する条件を下記に記す。
紫外線ランプ:バルブ種Hバルブ800mW/cm
紫外線ランプ円筒状基体表面の距離:53mm
紫外線ランプ照射時間:2分間
紫外線ランプ照射時の円筒状基体回転数:50rpm
冷媒:水
冷媒温度:20℃
恒温水槽:20℃設定(冷却能力1500W)
冷媒供給パイプ長さ:400mm
冷媒供給パイプと円筒状弾性体の保持部との隙間:2mm
円筒状弾性体の材質:エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)
<実施例1>
円筒状弾性体の厚さ:最厚部1.2mm、最薄部0.8mm
冷媒の循環方法:冷媒供給パイプから供給、貫通穴から排出
冷媒供給圧力:0.05MPa
冷媒循環流量:5L/分
<実施例2>
円筒状弾性体の厚さ:最厚部1.3mm、最薄部0.7mm
冷媒の循環方法:冷媒供給パイプから供給、貫通穴から排出
冷媒供給圧力:0.02MPa
冷媒循環流量:3L/分
<実施例3>
円筒状弾性体の厚さ:最厚部2.0mm、最薄部1.5mm
冷媒の循環方法:冷媒供給パイプから供給、貫通穴から排出
冷媒供給圧力:0.07MPa
冷媒循環流量:8L/分
<実施例4>
円筒状弾性体の厚さ:最厚部2.5mm、最薄部1.5mm
冷媒の循環方法:冷媒供給パイプから供給、貫通穴から排出
冷媒供給圧力:0.05MPa
冷媒循環流量:5L/分
<実施例5>
円筒状弾性体の厚さ:最厚部1.2mm、最薄部0.8mm
冷媒の循環方法:貫通穴から供給、冷媒供給パイプから排出
冷媒供給圧力:0.05MPa
冷媒循環流量:5L/分
<実施例6>
円筒状弾性体の厚さ:最厚部1.3mm、最薄部0.7mm
冷媒の循環方法:貫通穴から供給、冷媒供給パイプから排出
冷媒供給圧力:0.02MPa
冷媒循環流量:3L/分
<実施例7>
円筒状弾性体の厚さ:最厚部2.0mm、最薄部1.5mm
冷媒の循環方法:貫通穴から供給、冷媒供給パイプから排出
冷媒供給圧力:0.07MPa
冷媒循環流量:8L/分
<実施例8>
円筒状弾性体の厚さ:最厚部2.5mm、最薄部1.5mm
冷媒の循環方法:貫通穴から供給、冷媒供給パイプから排出
冷媒供給圧力:0.05MPa
冷媒循環流量:5L/分
<比較例1>
円筒状弾性体の厚さ:1.0mm傾斜なし
冷媒の循環方法:冷媒供給パイプから供給、貫通穴から排出
冷媒供給圧力:0.05MPa
冷媒循環流量:5L/分
<比較例2>
円筒状弾性体の厚さ:1.5mm傾斜なし
冷媒の循環方法:冷媒供給パイプから供給、貫通穴から排出
冷媒供給圧力:0.05MPa
冷媒循環流量:5L/分
<比較例3>
円筒状弾性体の厚さ:1.0mm傾斜なし
冷媒の循環方法:冷媒供給パイプから供給、貫通穴から排出
冷媒供給圧力:0.06MPa
冷媒循環流量:7L/分
<比較例4>
円筒状弾性体の厚さ:1.0mm傾斜なし
冷媒の循環方法:貫通穴から供給、冷媒供給パイプから排出
冷媒供給圧力:0.05MPa
冷媒循環流量:5L/分
<比較例5>
円筒状弾性体の厚さ:1.5mm傾斜なし
冷媒の循環方法:貫通穴から供給、冷媒供給パイプから排出
冷媒供給圧力:0.05MPa
冷媒循環流量:5L/分
<比較例6>
円筒状弾性体の厚さ:1.0mm傾斜なし
冷媒の循環方法:貫通穴から供給、冷媒供給パイプから排出
冷媒供給圧力:0.06MPa
冷媒循環流量:7L/分
<比較例7>
温度制御装置なしで円筒状基体を回転させながら紫外線を照射した。
温度測定の結果を表1に示す。
Figure 0005205087
単位:℃
<実施例9>
Al製支持体(外径φ100mm、全長380mm)に、下記下引き層用塗工液を浸漬塗工し、加熱乾燥させ、膜厚3.5μmの下引き層を形成した。
・下引き層用塗工液
アルキッド樹脂 6部
(ベッコゾール1307−60−EL、大日本インキ化学工業製)
メラミン樹脂 4部
(スーパーベッカミン G−821−60、大日本インキ化学工業製)
酸化チタン 40部
(CR−EL:石原産業)
メチルエチルケトン 50部
この下引き層上に下記電荷発生層塗工液に浸漬塗工し、加熱乾燥させ、膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
・電荷発生層用塗工液
Y型チタニルフタニルフタロシアニン 4部
ポリビニルブチラール 2部
(エスレックBM−S、積水化学工業)
メチルエチルケトン 150部
この電荷発生層上に下記構造の電荷輸送層用塗工液を用いて、浸積塗工し、加熱乾燥させ、膜厚22μmの電荷輸送層とした。
・電荷輸送層用塗工液
ビスフェーノルZ型ポリカーボネート 10部
(パンライトTS−2050、帝人化成製)
下記構造の低分子電荷輸送物質 10部
Figure 0005205087
テトラヒドロフラン 80部
1%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液 0.2部
(KF50、信越化学工業製)
電荷輸送層上に下記構成の架橋表面層塗工液を用いて、スプレー塗工した。紫外線照射は実施例5記載の条件で行った。紫外線照射後、130℃で30分乾燥を加え8.0μmの架橋表面層を設け、本発明の電子写真感光体を得た。
・架橋表面層塗工液
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 5部
KAYARAD TMPTA(日本化薬製)
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 5部
KAYARAD DPCA120(日本化薬製)
下記構造の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物 10部
Figure 0005205087
光重合開始剤 1部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
テトラヒドロフラン 80部
<比較例8>
実施例9において紫外線照射条件を比較例4とした以外は実施例9と同様に作製した。
<比較例9>
実施例9において紫外線照射条件を比較例7とした以外は実施例9と同様に作製した。
(実機通紙試験)
作製した電子写真感光体を、リコー製imagio MF1350を用いて、50万枚の実機通紙試験(A4、NBSリコー製MyPaper、スタート時帯電電位−800V)を実施し、感光体の上部、中央部、下部で摩耗特性、機内電位、画像評価を行なった。結果を表2、3、4に示す。
Figure 0005205087
単位:μm
Figure 0005205087
単位:−V
Figure 0005205087

○:良好
A:感光体上下で濃度差あり、AA:感光体上下で濃度差著しい
B:濃度低下あり、BB:濃度低下が著しい
温度測定の結果より、該円筒状弾性体の厚みが、前記温度制御装置の内部に流れる冷媒の供給口で厚く、排出口側で薄い温度制御装置を用いた実施例1〜8では、円筒状基体の温度上昇を制御できており、且つ軸方向での温度バラツキが低減されている。さらに実機通紙試験の結果より、本発明の温度制御装置により製造された感光体は軸方向でも均一な耐摩耗性を有し、また軸方向で電気特性のバラツキは生じず、安定した画像特性を有している。
従って、本発明の外部の発熱体から熱を受けながら回転している円筒状基体の内部に、前記円筒状基体の内面部全体に接触する円筒状弾性体を有し、前記円筒状弾性体の内部に冷媒として液体を供給し、前記円筒状基体の温度上昇を抑制して、温度制御する円筒状基体の温度制御装置であって、該円筒状弾性体の厚みが、前記温度制御装置の内部に流れる冷媒の供給口で厚く、排出口側で薄いことを特徴とする円筒状基体の温度制御装により、円筒状基体の温度上昇を軸方向で均一に制御できる。また、本発明の円筒状基体の温度制御装置により軸方向でも均一な摩耗特性、電気特性、画像特性を有する電子写真感光体を製造することができる。
本発明の温度制御装置の一例を示す図である。 円筒状弾性体と円筒状基体が接触している部分の断面図である。 本発明の電子写真感光体の一例を表わす断面図である。 本発明の電子写真感光体の他の例を表わす断面図である。
符号の説明
1 円筒状基体
2 発熱体
4 円筒状弾性体
6 回転軸
7 貫通穴
8 ロータリージョイント
9 冷媒供給パイプ

Claims (9)

  1. 外部からの光照射を受けながら回転している円筒状基体の内部に、前記円筒状基体の内面部全体に接触する円筒状弾性体を有し、前記円筒状弾性体の内部に冷媒として液体を供給し、前記円筒状基体の温度上昇を抑制して、温度制御する円筒状基体の温度制御装置であって、前記温度制御装置の、円筒状基体の内面部全体に接触する円筒状弾性体が、冷媒として使用する液体の圧力により膨らみ、該冷媒の圧力が0.01Mpaから0.2Mpaであり、前記円筒状弾性体の厚みが、前記温度制御装置の内部に流れる冷媒の供給口で厚く、排出口側で薄いことを特徴とする円筒状基体の温度制御装置。
  2. 前記円筒状弾性体の最も厚い部分と最も薄い部分の厚みの差が、0.1mm以上1.0mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の円筒状基体の温度制御装置。
  3. 前記円筒状弾性体の最も厚い部分と最も薄い部分の厚みの差が、0.2mm以上0.5mm以下であることを特徴とする請求項2に記載の円筒状基体の温度制御装置。
  4. 前記円筒状弾性体の厚みが0.5mmを越え3.0mm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の円筒状基体の温度制御装置。
  5. 前記円筒状弾性体の厚みが軸方向で連続的に変化し、傾きが一定であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の円筒状基体の温度制御装置。
  6. 前記冷媒の流量が2L/分から10L/分であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の円筒状基体の温度制御装置。
  7. 導電性の円筒状基体上に少なくとも感光層を設ける際の電子写真感光体の温度制御装置であって、該感光層の表面層が電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を光エネルギーによって共重合させてなる架橋表面層であって、該光エネルギー照射時に円筒状基体の温度を制御することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の円筒状基体の温度制御装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の円筒状基体の温度制御装置を用いることを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
  9. 請求項8に記載の電子写真感光体の製造方法により製造されたことを特徴とする電子写真感光体。
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