JP4932639B2 - コンクリート供試体採取容器 - Google Patents

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Description

この発明は、コンクリート供試体採取容器、詳しくは、コンクリートの各種検査を行うため、コンクリート構造体の一部を切り取り可能なコンクリート供試体採取容器に関する。
構造体コンクリートの圧縮強度の検査方法として、JIS A 1107に規定された「コンクリートからのコア及びはりの切り取り方法並びに強度試験方法」が知られている。これは、コンクリート構造物からコンクリート供試体を切り出し、そのコンクリート供試体に圧縮強度試験を施す方法である。従前では、コンクリート供試体の切り出しにコンクリート用ドリルが用いられていた。
しかしながら、コンクリート用ドリルを用いたコンクリート供試体の切り出しにあっては、以下の3つの欠点があった。すなわち、(1)ボウリングマシンの刃によりコンクリート構造体内の鉄筋を誤断するおそれがあった。(2)コンクリート供試体の採取作業に長時間を要し、コスト高となっていた。(3)強度が低い若材齢コンクリートでは、ボウリングマシンの使用時にコンクリート構造体内の粗骨材が移動し、コンクリート供試体の採取が困難となっていた。
そこで、これらの欠点を解消し、コンクリート構造体から簡単にコンクリート供試体を切り出せる従来技術として、例えば特許文献1の「コンクリート試験片の採取装置」が提案されている。これは、コンクリート構造体用型枠の内面に、軸線を水平にしてかつ一端が着脱自在に取り付けられる円筒形状の外型枠と、外型枠内に隙間をあけて配置される円筒形状の内型枠とを備え、内型枠の他端側の開口部を通して、コンクリート構造体用型枠内に流し込まれたコンクリートの一部を前記内型枠内へ導入し、コンクリートの硬化後、必要に応じて外型枠と内型枠との隙間にドライバなどを差し込み、コンクリート試験片(コンクリート供試体)を内型枠と一体的に切り出すものである。
特開2005−283443号公報
しかしながら、特許文献1では、コンクリート試験片がこれを採取すべき所望の材齢に達したとき、内型枠の他端側の開口部を通して、内型枠内のコンクリートと、コンクリート構造体用型枠内のコンクリートとが一体化していた。そのため、作業者にはドライバなどの工具を用いての重労働を強いることとなり、安全性にも問題があった。
また、このように内型枠内のコンクリートとコンクリート構造体用型枠内のコンクリートとを強引に分離していた。これにより、採取されたコンクリート試験片の他端側の面は歪んでいた。そこで、例えばコンクリート強度試験などを行う際には、事前にコンクリート試験片の他端面に対して研磨やキャッピングを施し、その平坦度を高めなければならなかった。
さらに、この採取後、コンクリート構造体に現出した採取孔は、その後、補修用コンクリートにより穴埋めされるが、採取孔を形成する外型枠の内周面が平滑であるため、硬化した補修用コンクリートが抜き取り孔から剥落し易かった。このことは、上述したボウリングマシンによりコンクリート供試体を切り出す際も同様であった。
そこで、この発明は、簡単かつ安全にコンクリート供試体を採取することができるコンクリート供試体採取容器を提供することを目的としている。
また、この発明は、コンクリート試験前に、コンクリート供試体の端面に対して平坦化加工を施す必要がないコンクリート供試体採取容器を提供することを目的としている。
さらに、この発明は、コンクリート構造体の採取孔を穴埋めした硬化後の補修用コンクリートの剥落を防止することができるコンクリート供試体採取容器を提供することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、コンクリート構造体用型枠の内面に着脱自在に取り付けられ、前記コンクリート構造体用型枠内に流し込まれたコンクリートの一部を採取する採取口が形成された供試体用型枠と、前記採取口に移動自在に配置され、前記流し込まれたコンクリートが完全に硬化する前に前記供試体用型枠内のコンクリートを、前記コンクリート構造体用型枠内のコンクリートから分離するスクレーパと、前記供試体用型枠に設けられ、前記スクレーパを前記採取口内で移動させる移動手段とを備えたコンクリート供試体採取容器である。
請求項1に記載の発明によれば、コンクリート構造体用型枠の内面に供試体用型枠の開口側の端を着脱自在に取り付ける。コンクリート構造体用型枠内に流し込まれたコンクリートの一部は、供試体用型枠の上部の採取口から供試体用型枠内に流れ込む。その後、流し込まれたコンクリートが完全に硬化する前に、移動手段によりスクレーパを採取口内で移動させる。仮に採取口に粗骨材の一部が挟まっても、これをスクレーパにより採取口の外に押し出すか、供試体用型枠内に押しむ。これにより、コンクリート構造体用型枠内のコンクリートから供試体用型枠内のコンクリートが分離される。その結果、供試体採取時に、コンクリート構造体から、コンクリート供試体を収納した供試体用型枠を円滑に引き抜くことができる。
コンクリート構造体としては、例えばコンクリート住宅、ビル、橋脚、擁壁、法面の吹き付けコンクリート、トンネルなどに採用することができる。
コンクリート構造体用型枠としては、鉄、ステンレス、硬質アルミニウムなどの金属製型枠、スギ、合板などの木製型枠、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂などのプラスチック製型枠などを採用することができる。
コンクリートとしては、例えば普通コンクリート、軽量コンクリート、高強度コンクリート、高流動コンクリート、遮蔽コンクリートなどを採用することができる。また、鉄筋コンクリートでもよい。
供試体用型枠としては、鉄、ステンレス、硬質アルミニウムなどの各種の金属、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂などの各種の合成樹脂や紙を採用することができる。
供試体用型枠の形状としては、例えば円筒容器状または角筒容器状(これらの先細り型を含む)を採用することができる。
供試体用型枠上での採取口の形成位置としては、例えば、コンクリート構造体用型枠に固定された状態での供試体用型枠の上部、下部、側部などが挙げられる。その他、供試体用型枠が筒容器状の場合、端面(先端の面)でもよい。
採取口の形状としては、例えば円形状、楕円形状、三角形状または四角形以上の多角形状でもよい。
スクレーパの素材としては、例えば、鉄、ステンレス、硬質アルミニウムなどの金属、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂などの各種の合成樹脂、スギ、ヒノキ、松、ラワンなどの木、各種のセラミックスなどを採用することができる。
スクレーパは、シート(布、フィルムを含む)材、板材、ブロック材の何れでもよい。
スクレーパの形状としては、例えば平面視して円形状、楕円形状、三角形状または四角形以上の多角形状などを採用することができる。
「スクレーパを採取口に移動自在に配置する」とは、スクレーパが採取口内またはその近傍上またはその近傍下において、採取口の開口面に沿って移動可能であることをいう。
「流し込まれたコンクリートが完全に硬化する前」とは、コンクリート構造体用型枠へのコンクリートの流し込み直後から、このコンクリートの硬化が進行し、移動手段によりスクレーパを移動させることで、供試体用型枠内のコンクリートをコンクリート構造体用型枠内のコンクリートから分離できなくなるまでの時期をいう。
「供試体用型枠内のコンクリートを、コンクリート構造体用型枠内のコンクリートから分離する」とは、移動手段によりスクレーパを移動させ、両コンクリートを分断することをいう。
移動手段は、手動によりスクレーパを移動させるものでも、アクチュエータ(電動モータ、エアシリンダ、油圧シリンダなど)により、スクレーパを移動自在にするものでもよい。手動式の移動手段のとしては、例えば線状部材、紐状部材、帯状部材などを採用することができる。
請求項2に記載の発明は、前記供試体用型枠は、軸線を水平にして使用され、かつ円筒板の両端側の開口が平板からなる蓋板によりそれぞれ閉止された円筒容器で、前記採取口は、前記円筒板の上部に形成された請求項1に記載のコンクリート供試体採取容器である。
請求項2に記載の発明によれば、採取口が供試体用型枠の上部に形成されているので、コンクリート構造体用型枠内に流し込まれたコンクリートの一部は、自重により、供試体用型枠の上部の採取口から供試体用型枠内に流れ込む。これにより、コンクリートの採取口から供試体用型枠内への流入が円滑になる。しかも、供試体用型枠のコンクリートは、開口する両端が平板製の蓋板によりそれぞれ閉止されている。そのため、コンクリート供試体の両端面は平坦である。その結果、例えば強度試験などのコンクリート検査装置にコンクリート供試体をセットする際、試験に先駆けてコンクリート供試体の端面を平坦化する必要がない。
円筒板は、全長にわたって断面積が一定のものでも、先細りのものでもよい。その素材および大きさは任意である。例えば、建築用のもので直径が70〜100mm、長さが14〜20cmである。土木用のものは直径が125〜150mm、長さが25〜30cmである。モルタル用のもは直径が50mmで、長さが10cmである。
蓋板は円筒板と分離不能に一体形成されても、分離可能に別体で形成されてもよい。蓋体の少なくとも裏面(円筒板の内部空間側の面)は、円筒板の軸線に直交した平坦面でなければならない。一方、使用時、円筒板はその他端側の開口がコンクリート構造体用型枠の平坦な内面により塞がれる。これにより、採取されたコンクリート供試体の両端面が互いに平行な平坦面となる。
供試体用型枠は、使用時に軸線を水平とし、コンクリート構造体に取り付けられる。
請求項3に記載の発明は、前記円筒板は、空間保持部材により外方から着脱自在に被われ、該空間保持部材および前記蓋板は、外周面に多数の凹凸が形成された凹凸緩衝部材により外方から着脱自在に被われた請求項2に記載のコンクリート供試体採取容器である。
請求項3に記載の発明によれば、供試体採取時、空間保持部材を円筒板の外周面と凹凸緩衝部材との間から抜き取ることで、供試体用型枠と凹凸緩衝部材とが分離する。これにより、コンクリート供試体入りの供試体用型枠をコンクリート構造体から容易に引き出すことができる。
供試体の採取後、コンクリート構造体の採取孔から凹凸緩衝部材を剥ぎ取り、採取孔の内面に多数の凹凸を現出させる。次に、採取孔に補修用コンクリートを流し込み、その後、これを養生、固化する。これにより、採取孔に充填された補修用コンクリートの外面は、採取孔内の凹凸に対応した形状に付形され、互いに嵌合状態となる。その結果、硬化後の補修用コンクリートの採取孔からの剥落が防止される。
空間保持部材としては、例えば、供試体用型枠の軸線方向に長さ方向を揃えた多数のストローを環状に並べて設けられたストロー環群などを採用することができる。その他、プラスチック製の筒などを採用することができる。
凹凸緩衝部材としては、例えば、貼り合わされた2枚の合成樹脂フィルムの間に多数の気泡が所定ピッチで存在する気泡緩衝材を採用することができる。
請求項1に記載のこの発明によれば、コンクリート構造体用型枠の内面に供試体用型枠の開口側の端を着脱自在に取り付ける。コンクリート構造体用型枠内に流し込まれたコンクリートの一部は、供試体用型枠の上部の採取口から供試体用型枠内に流れ込む。その後、流し込まれたコンクリートが完全に硬化する前に、移動手段によりスクレーパを採取口内で移動させる。仮に採取口に粗骨材の一部が挟まっても、これをスクレーパにより採取口の外に押し出すか、供試体用型枠内に押しむ。これにより、コンクリート構造体用型枠内のコンクリートから供試体用型枠内のコンクリートが分離される。その結果、供試体採取時に、コンクリート構造体から、コンクリート供試体を収納した供試体用型枠を円滑に引き抜くことができる。
特に、請求項2に記載の発明によれば、採取口が供試体用型枠の上部に形成されているので、コンクリート構造体用型枠内に流し込まれたコンクリートの一部は、自重により、供試体用型枠の上部の採取口から供試体用型枠内に流れ込む。これにより、コンクリートの採取口から供試体用型枠内への流れ込みが円滑化する。しかも、供試体用型枠のコンクリートは、一端がコンクリート構造体用型枠により閉止され、他端が蓋板により閉止されている。そのため、コンクリート供試体の両端面は平坦である。その結果、例えば強度試験などのコンクリート検査装置にコンクリート供試体をセットする際、試験に先駆けてコンクリート供試体の端面を平坦化する必要がない。
請求項3に記載の発明によれば、供試体採取時、空間保持部材を円筒板の外周面と凹凸緩衝部材との間から抜き取ることで、供試体用型枠と凹凸緩衝部材とが分離する。これにより、コンクリート供試体を収納した供試体用型枠をコンクリート構造体から容易に引き出すことができる。
供試体の採取後、コンクリート構造体の採取孔から凹凸緩衝部材を剥ぎ取り、採取孔の内面に多数の凹凸を現出させる。次に、採取孔に補修用コンクリートを流し込み、その後、これを養生、固化する。これにより、採取孔に充填された補修用コンクリートの外面は、採取孔内の凹凸に対応した形状に付形され、互いに嵌合状態となる。その結果、硬化後の補修用コンクリートの採取孔からの剥落が防止される。
以下、この発明の実施例を説明する。
図1において、10はコンクリート供試体採取容器で、このコンクリート供試体採取容器10は、コンクリート構造体用型枠11の内面に着脱自在に取り付けられ、コンクリート構造体用型枠11内に流し込まれたコンクリートの一部を採取する採取口12が形成された供試体用型枠13と、採取口12に移動自在に配置され、流し込まれたコンクリートが完全に硬化する前に供試体用型枠13内のコンクリートを、コンクリート構造体用型枠11内のコンクリートから分離するスクレーパ14と、供試体用型枠13に設けられ、スクレーパ14を採取口12内で移動させるワイヤ(移動手段)15とを備えている。
以下、これらの構成体を具体的に説明する。
図1〜図3に示すように、コンクリート構造体用型枠11は、ビル(コンクリート構造体)用の表裏両面が平坦な合板製の型枠である。コンクリート構造体用型枠11に流し込まれるコンクリートとしては、普通ポルトランドセメントと粗骨材と細骨材と水とを所定の配合量で混練した普通コンクリートが採用されている。
供試体用型枠13は、軸線を水平にして使用され、かつ内径70mm×長さ14cmの紙製の円筒板(ボイド)16と、円筒板16の先側の開口および円筒板16の元側の開口を塞ぐ2枚の蓋板(円板)17とを有している。両蓋板17は、直径75mmの円形の鉄製の薄板で、各表裏面はそれぞれ平坦に仕上げられている。
採取口12は、平面視して矩形状の開口(長さ10cm×幅30mm)で、円筒板16の上部の長さ方向の両端部を除く部分に形成されている。
円筒板16の元部には、一方の蓋板17を被うように薄い金属板からなる固定キャップ18が外方から装着されている。
固定キャップ18は、前記蓋板17の直径より大判な略台形状のベース板19と、ベース板19の内側に突設され、かつ内径が円筒板16の外径と略同じ短尺なスリーブ20とを有している。
ベース板19の外周部は、円筒板16の外周面から外に環状に突出してフランジ19aを構成している。フランジ19aの幅狭な上辺部の両端と、フランジ19aの幅長な下辺部の両端とには、供試体用型枠13をコンクリート構造体用型枠11に固定する合計4つのビス孔19bがそれぞれ形成されている。また、フランジ19aの上辺部の中間部と、フランジ19aの下辺部の中間部とには、上下一対のワイヤ孔19cが配設されている。
スリーブ20の採取口12と対峙する平面視して矩形状の部分には、この対峙部分のスリーブ周方向の中間位置に、スリーブ軸線と平行に縦スリットが形成されている。また、縦スリットのベース板19側の端と連続し、かつスリーブ20の元側の周縁上には、前記対峙部分のスリーブ周方向の全長にわたって、横スリットが形成されている。これにより、スリーブ20の採取口12との対峙部分は、スリーブ周方向において平面視して矩形状の2枚の短い突片に分断される。両突片は外側に円弧状に湾曲され、ワイヤ15が挿通される一対のワイヤガイド22となる。両ガイドワイヤ22の形成により、円筒板の上部のうちで採取口12が形成されない部分の全域が露出する。
円筒板16の先端部には、他方の蓋板17を被うように薄い金属製の環状の板からなる断面横L字形状の先端キャップ18Aが外方から装着されている。先端キャップ18Aの構成は、蓋板17の外周部の表側に当てがわれる板状リング19Aと、板状リング19Aの外周縁に一体形成されたスリーブ20Aとを有している。このスリーブ20Aの採取口12と対峙する部分にも、前記スリーブ20と同様に縦スリットと横スリットが入れられて2枚の短い突片に分断され、両突片から2枚のワイヤガイド22が形成されている。
円筒板16および両スリーブ20,20Aは、その外周面の全域が、両面テープ(接着剤でもよい)を介して多数本のストロー(空間保持部材)23により着脱自在に被われている。各ストロー23はプラスチック製で、円筒板16の軸線方向に長さ方向を揃えて配置されている。
また、各ストロー23の外周面と、板状リング19Aの外面および先側の蓋板17の露出した外面とは、両面テープ(低粘着性の接着剤でもよい)を介して、気泡緩衝材(凹凸緩衝部材)24により着脱自在に被われている。気泡緩衝材24は、貼り合わされた2枚の合成樹脂フィルムの間に、多数の気泡(直径10mm×高さ4mm)が所定ピッチで形成された梱包材である。
前記採取口12の形成部の両長辺側の外面には、採取口12からの前記スクレーパ14の飛び出しを防止し、かつスクレーパ14を採取口12に沿って円滑に移動(往復移動)させる2枚の細長いスライドガイド25が、それぞれの長さ方向を円筒板16の軸線方向に揃えて配設されている。両スライドガイド25は、それぞれ断面略V字形状の部材で、外方に向かうほど除々に間隔が広がるラッパ状に配置されている。
スクレーパ14は、両スライドガイド25間上に配置され、かつスライド方向に直交する方向へ長い矩形状の金属板片である。スクレーパ14の四隅には、合計4本の細長いワイヤ15の一端部がそれぞれ連結されている。スクレーパ14のベース板19側の両ワイヤ15は、円筒板16の元側に配置された対応するワイヤガイド22からベース板19の上部に配置されたワイヤ孔19cを通して、供試体用型枠13の元側の面より外方へ配置される。一方、スクレーパ14のベース板19とは反対側に連結された2本のワイヤ15は、円筒板16の先側に配置されたワイヤガイド22から、蓋板17の外面両端部と、円筒板16の下部に離間された2本ストロー23と、ベース板19の下部に配置されたワイヤ孔19cとを通して、供試体用型枠13の元側の面より外方へ配置される。
図1〜図4において、符号30は各ワイヤ15に固定されたアルミニウム製の短スリーブである。また、符号31は、プラスチック製で、かつ厚肉な円板部を本体とした引き抜きキャップである。引き抜きキャップ31の元部の外周面には、前記円筒板16の元部に外方から装着可能な厚さ3mm程度の嵌入スリーブ31aが一体形成されている。また、引き抜きキャップ31の外面の両端部には、門形のグリップ32が一体形成されている。
次に、この発明の実施例1に係るコンクリート供試体採取容器10を説明する。
図1および図3に示すように、まず垂直に組まれたコンクリート構造体用型枠11の内面に、4本のビス36と各ビス孔19bとを介して、採取口12を上に向けて固定キャップ18を固定する。これにより、固定キャップ18に連結された供試体用型枠13が、その軸線を水平にしてコンクリート構造体用型枠11の内側に突設される。このとき、スクレーパ14のベース板19側の束ねられた両ワイヤ15の先部は、コンクリート構造体用型枠11に形成されたワイヤ導出孔11aを通して、供試体用型枠13の元側の面より外方へ引き出される。また、スクレーパ14のベース板19とは反対側の束ねられた両ワイヤ15の先部は、コンクリート構造体用型枠11に形成された別のワイヤ導出孔11bを通して、供試体用型枠13の元側の面より外方へ引き出される。このとき、例えば上下のワイヤ15を、コンクリート構造体用型枠11の外方で、供試体用型枠13をコンクリート構造体用型枠11に固定するように結び止めれば、コンクリート打設時におけるコンクリート供試体用型枠13のコンクリート構造体用型枠11からの脱落の防止効果が高まる。
次に、コンクリート構造体用型枠11内にコンクリートを流し込む。このとき、コンクリートが気泡緩衝材24を介して供試体用型枠13を包み込むとともに、コンクリートの一部が、供試体用型枠13の上部の採取口12から供試体用型枠13内に自重も伴って流れ込む。
その後、流し込まれたコンクリートが完全に硬化する前に、作業者が、両ワイヤ導出孔11a,11bから外方へ導出された上下のワイヤ15をそれぞれ握り、これらを供試体用型枠13の上部(円筒板16の上部)と、先側の端面(先側の蓋板17の外面)と、下部(円筒板16の下部)とに沿って、交互に引き戻しする。これにより、スクレーパ14が両スライドガイド25に沿って採取口12上で往復移動し、仮に採取口12に粗骨材の一部が挟まっても、これをスクレーパ14により採取口12の外に押し出すか、供試体用型枠13内に押し込むことができる。その結果、コンクリート構造体用型枠11内のコンクリートから供試体用型枠13内のコンクリートが分離される。よって、供試体採取時、打設されたコンクリート構造体から、コンクリート供試体35とともに供試体用型枠13を円滑に引き抜くことができる。コンクリートの完全硬化後、コンクリート構造体用型枠11は、コンクリート供試体入りの供試体用型枠13を残し、打設されたコンクリートの壁面から引き剥がされる。このとき、固定キャップ18がコンクリート構造体用型枠13とともに引き抜かれる。
次に、具体的なコンクリート供試体35の採取作業を説明する。
まず、各ストロー23を、円筒板16の外周面と気泡緩衝材24との間から細長いペンチなどで引き抜く。これにより、円筒板16の外周面と気泡緩衝材24の内周面との間に、例えば幅4mm程度の隙間が形成される。これにより、コンクリート供試体35を収納した供試体用型枠13を、打設後のコンクリート構造体から容易に引き抜くことができる。その後、引き抜きキャップ31の嵌入スリーブ31aを、円筒板16の元部と気泡緩衝材24の元部との隙間に嵌入し、引き抜きキャップ31を供試体用型枠13に装着する(図4)。
続いて、束ねられた上下のワイヤ15の先部をグリップ32に架け渡し、両ワイヤ15の先部を万力構造のクリップCによって連結する。その後、グリップ32を握って、円筒板16ごとコンクリート供試体35を硬化後のコンクリート構造体から引き抜く。これにより、コンクリート構造体の壁面には、採取孔50が形成される。
これらの採取孔50の全域には、気泡緩衝材24がそれぞれ付着している。そこで、前記ペンチなどを利用し、採取孔50の内周面から気泡緩衝材24を剥ぎ取る。これにより、採取孔50の内面には多数の凹凸が現出される。次に、補修用コンクリートの注入孔が形成された仮蓋により採取孔50を塞ぎ、この注入孔から補修用コンクリートを孔内へ流し込む。その後、これを養生、固化する。その結果、採取孔50に充填された補修用コンクリートの外面は、採取孔50内の凹凸に対応した形状に付形され、互いに嵌合状態となる。よって、硬化後の補修用コンクリートの採取孔50から、硬化した補修用コンクリートの剥落が防止される。
このように、採取口12が供試体用型枠13の上部に形成されているので、コンクリート構造体用型枠11内に流し込まれたコンクリートの一部は、自重により、供試体用型枠13の上部の採取口12から供試体用型枠13内に流れ込む。これにより、採取口12から供試体用型枠13内へのコンクリートの流れ込みが円滑になる。しかも、供試体用型枠13のコンクリートは、開口する両端が、円筒板16の軸線に直交する表裏面を有した平坦な蓋板17によりそれぞれ閉止されている。そのため、コンクリート供試体35の両端面は、コンクリート供試体35の長さ方向に直交した平坦面である。その結果、例えば圧縮強度試験を行うにあたって、コンクリート検査装置にコンクリート供試体35をセットする際、試験に先駆けてコンクリート供試体35の端面を平坦化する必要がない。
なお、図5に示すように、コンクリート構造体の一方の梁用型枠40に供試体用型枠13を固定する場合には、供試体用型枠13の先端部の外周面に、発泡ポリエチレン製のバックアップ材41を介して、円筒板16より大径な紙製のボイド42の一端部を固定し、かつボイド42の他端部を、梁用型枠40の他方の内面にスリーブアンカ43などで固定してもよい。これにより、コンクリート供試体35の採取後、打設された梁46の一部に、その両端面を貫通したスリーブ44を形成することができる。このスリーブ44は、例えば建物に強度的な問題が生じたとき、コンクリートの強度の確認などを行うときに使用される。
(a)この発明の実施例1に係るコンクリート供試体採取容器のコンクリート構造体用型枠への取り付け作業状態を示す斜視図である。(b)スクレーパへのワイヤの連結状態を示す斜視図である。 この発明の実施例1に係るコンクリート供試体採取容器の凹凸緩衝部材を外した状態でのスクレーパの往復移動状態を示す斜視図である。 この発明の実施例1に係るコンクリート供試体採取容器におけるコンクリート構造体用型枠への固定状態を示す断面図である。 この発明の実施例1に係るコンクリート供試体採取容器におけるコンクリート供試体の引き抜き開始状態を示す縦断面図である。 この発明の実施例1に係る別のコンクリート供試体採取容器におけるコンクリート供試体の使用状態を示す斜視図である。
符号の説明
10 コンクリート供試体採取容器、
11 コンクリート構造体用型枠、
12 採取口、
13 供試体用型枠、
14 スクレーパ、
15 ワイヤ(移動手段)、
16 円筒板、
17 蓋板、
23 ストロー(空間保持部材)、
24 気泡緩衝材(凹凸緩衝部材)、
35 コンクリート供試体。

Claims (3)

  1. コンクリート構造体用型枠の内面に着脱自在に取り付けられ、前記コンクリート構造体用型枠内に流し込まれたコンクリートの一部を採取する採取口が形成された供試体用型枠と、
    前記採取口に移動自在に配置され、前記流し込まれたコンクリートが完全に硬化する前に前記供試体用型枠内のコンクリートを、前記コンクリート構造体用型枠内のコンクリートから分離するスクレーパと、
    前記供試体用型枠に設けられ、前記スクレーパを前記採取口内で移動させる移動手段とを備えたコンクリート供試体採取容器。
  2. 前記供試体用型枠は、軸線を水平にして使用され、かつ円筒板の両端側の開口が平板からなる蓋板によりそれぞれ閉止された円筒容器で、
    前記採取口は、前記円筒板の上部に形成された請求項1に記載のコンクリート供試体採取容器。
  3. 前記円筒板は、空間保持部材により外方から着脱自在に被われ、
    該空間保持部材および前記蓋板は、外周面に多数の凹凸が形成された凹凸緩衝部材により外方から着脱自在に被われた請求項2に記載のコンクリート供試体採取容器。
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