JP5430324B2 - スラブ式軌道における補修方法 - Google Patents

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この発明は、コンクリート構造物の路盤上にセメントアスファルトモルタルを挟んで軌道スラブを固定し、この軌道スラブに軌道レールを保持したスラブ式軌道において、セメントアスファルトモルタルが劣化によって割れ、剥離、脱落するのを補修するスラブ式軌道における補修方法に関するものである。
コンクリートで構築した高架建造物とか、地下構造物や橋梁などを路盤とし、このコンクリート路盤上にセメントアスファルトモルタルを挟んでコンクリート製の軌道スラブを固定し、この軌道スラブに軌道レールを直結した構造のスラブ式軌道が広く採用されている。
図9はスラブ式軌道の構造を一部断面して示す斜視図である。この図9において符号10はコンクリート路盤であり、この路盤10の上面には、レール敷設方向に沿って所定間隔(例えば5m間隔)ごとに円柱形の突起12が突出している。符号14は軌道スラブであり、これら軌道スラブ14の端部に形成した半円形の切欠き部16を前記突起12に位置合わせしながら順次並べられる。そしてこの軌道スラブ14を専用の器具で持ち上げ位置調整した後、路盤10と軌道スラブ14との間にセメントアスファルトモルタル(以下CAモルタルともいう)を注入充填し充填層18とするものである。
CAモルタルは、セメントとアスファルト乳剤と、細骨材とを混合したものである。このCAモルタルは、路盤10の突起12と軌道スラブ14の切欠き部16との間にも充填されている。軌道スラブ14の上面には軌道レール20が締結具22により固定される。左右の軌道レール20は1つの軌道スラブ14に対しそれぞれ8個ずつの締結具22で固定される。
充填層18には、軌道レール20の温度変化による伸縮応力が軌道スラブ14を介して加わり、列車の通過や遠心力による外力が軌道スラブ14を介して加わる。このため充填層18の劣化・疲労が進む。また寒冷地では充填層18にしみ込んだ水が凍結・融解するため、その繰り返しにより充填層18は劣化が進み、その周辺の露出部分から割れや剥離や脱落が発生する。このため比較的短期間のうちに充填層18の補修が必要になる。
特開2002−129503 特開2008−57318
特許文献1には、軌道スラブの側面から斜め下方に、軌道スラブと填充層を貫通し路盤コンクリートに至る孔(モルタル注入口、空気抜き口)を形成し、この孔から二液室温硬化型ラジカル重合性樹脂を注入する補修方法が示されている。この方法は軌道スラブ下方の填充層の全面に渡って補修材を流入させるものであり、硬化した補修材は孔に係合しているので軌道スラブの外側へ飛び出すのは防止できると思われる。
特許文献2には、劣化した充填材を削り取った後、軌道スラブの側面(外周面)を木製あるいはアルミ製の型枠で囲み、この型枠と軌道スラブとの間に剥離シート(ポリエチレンシートなど)を介在させる方法が示されている。この場合に型枠の一部に設けた上方に向かって開く切欠きに剥離シートを押し広げ、剥離シートと軌道スラブ側面との間に補修用充填材を注入するものである。
しかし引用文献1に示された方法では軌道スラブ下にできる隙間と孔の位置とが必ずしも対応していないから、充填材を隙間に正確に注入できるわけではない。また軌道スラブに側面から斜め下方に孔を形成するため、軌道スラブの強度低下を招くおそれがあり、孔の加工作業が面倒でもある。
特許文献2に示された方法では、型枠は1枚の軌道スラブの全長(5m)を一度に仕上げるため、1本の通し型枠とする必要がある。このため型枠が長く、重くなり、移動や設置に非常に大きな労力を必要とする。またこの型枠は新しく製作する頻度は少なく、通常使い回ししているため、経時的に反りや変形が発生し、樹脂等の硬化物が付着していることが多い。このため仕上がり精度が悪くなり、見栄えも悪くなる。
さらに剥離シートは充填材型枠に付着するのを防ぐために使うものであるが、シート状であるためにシワが発生し易く、充填材の仕上がり表面にこのシワの模様が付いてしまい見栄えが悪いという問題がある。またこの剥離シートは使い回しができず、一度使うと廃棄しなければならないので資源の有効利用の点でも問題があった。
この発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、軌道スラブに孔を加工することによる軌道スラブの強度低下を招くおそれがなく、型枠を軽量化して移動、設置作業を容易にでき、型枠の変形や剥離シートのシワなどによる仕上がりの悪化を防ぐことができ、さらに剥離シートのような使い捨てにする資材もなくなる補修方法を提供することを目的とする。
この発明によればこの目的は、コンクリート路盤にセメントアスファルトモルタルを挟んで軌道スラブを固定し、前記軌道スラブに軌道レールを保持したスラブ式軌道における補修方法において、(a)劣化した前記セメントアスファルトモルタルを前記軌道スラブの周囲から水平方向の適宜深さまで除去することにより空隙を形成する:(b)前記軌道スラブの外周から前記空隙を塞ぐようにプラスチック段ボールを対向配置し、(c)前記プラスチック段ボールを外側から押え部材で保持すると共に、この押え部材の上縁から下方に切り開いた窓部に前記プラスチック段ボールの一部を臨ませ、(d)前記プラスチック段ボールの前記窓部に臨む部分を上縁から入れた切込みによって外側へ押し広げることにより、軌道スラブ側面との間に上方に向かって開く注入口を形成し、(e)前記注入口から前記空隙に、補修用充填材を注入し、注入後に前記注入口を閉じて養生硬化し、(f)前記補修用充填材の硬化後に前記押え部材およびプラスチック段ボールを取外す、以上の工程a〜fの工程を順に行うことを特徴とするスラブ式軌道における補修方法、により達成される。
型枠はプラスチック段ボール(プラスチックファイバー板箱、プラダン、プラ段、ダンプラ、段プラなどとも言う。)の外側を押え部材で保持するものとしたので、プラスチック段ボールが極めて軽量でかつ適度な強度、剛性を有する特性を利用して押え部材はベニヤ板などの軽量な材料とすることができる。このため型枠全体の大幅な軽量化が可能である。
プラスチック段ボールは樹脂に対して離型性が良いので剥離シートを併用する必要がない。このため仕上がりをきれいにすることができると共に剥離シートのような廃棄物が発生せず資源の無駄がなくなる。
空隙の深さおよび型枠の設置状態を示す平面図 劣化充填層の削り取り状況を示す平面図 劣化した充填層の削り取り作業例を示す図 型枠の分解斜視図 型枠の配置を示す断面図(A)と補修用充填材の注入口の断面図(B) 作業工程図 実施例2の作業工程図 実施例3の型枠を示す分解斜視図 スラブ式軌道の構造を示す一部断面斜視図
プラスチック段ボールはプラスチック(主にポリプロピレン)製の段ボールに似た中空構造のシートであり、中芯の波型と平行方向を水平にして、すなわち軌道スラブ、コンクリート路盤と平行にして軌道スラブの外周に配置するのがよい(請求項2)。
このようにするとプラスチック段ボールの下部を中芯の波型に沿って外側へ水平に折曲し易く、この折曲部の下面を弾性材(ウレタンスポンジなど)を介してコンクリート路盤に押圧するのに押え部材の押圧力が効率良く加わり都合が良い(請求項3)。
押え部材にはベニヤ板、例えば厚さ10mmのものが使用できる。プラスチック段ボール自身に十分な強度があるため、押え部材の強度を下げることができるから、その軽量化が図れる(請求項4)。
プラスチック段ボールは通常半透明であるから、外側から充填材の注入量を確認し易い(請求項5)。例えば注入口となる押え部材に形成した窓部から注入液の液面を目視できる。押え部材に上下方向に長いスリット状の開口、あるいは上下に分布する複数の開口、上縁から切り込んだスリット状の開口などを形成しておけば、液量の確認位置を自由に設定できる(請求項6)。
補修用の充填材としてラジカル硬化性を有する合成樹脂を基材として用いれば、この基材は流動性に富み、路盤と軌道スラブと、これらの間に挟まれたセメントアスファルトモルタルの充填層との接着力が非常に強く湿潤時の接着力も十分大きい。このため充填層(CAモルタル)の劣化した部分を周囲から削り取る(除去する)場合に、削り取り深さを浅くして削り取り量を少なくしても補修した充填材が外側へ飛び出すことがない(請求項7)。
ラジカル硬化性を有する合成樹脂は、ポリエステルアクリレートを主成分とする合成樹脂が適する(請求項8)。このポリエステルアクリレートは、より具体的には、無溶剤型ビニルエステル樹脂や変性MMA(メチルメタアクリレート)が最適である。接着力が強く耐久性も向上するからである。ポリエステルアクリレートを主成分とする合成樹脂としてポリエステルアクリレートのみを用いてもよい。
図1は本発明に係る補修方法の概念を示す平面図、図2は劣化した充填層の削り取り(除去)例を示す平面図、図3は削り取り作業例を示す図、図4は型枠の分解斜視図、図5は型枠の配置を示す断面図(A)と補修用充填材の注入口の断面図(B)、図6は作業工程図である。
図1においては前記図9と同一部分に同一符号を付した。硬化したCAモルタルからなる充填層18は外周から劣化が進むので、軌道スラブ14の外側から劣化した充填材を削り取る。図1で斜線部分32がこの劣化した充填材の除去範囲である。充填材の劣化は軌道スラブ14の四隅付近で特に進み易い。そこで図1ではこの四隅付近の充填材だけを除去するものとしている。なお劣化の進み具合を見て、四隅だけでなく両側面も十分深く除去したり、両側面は表面付近だけを浅く除去してもよい。
図2(A)の斜線部分は左右両側面も十分深く除去する場合の除去範囲32Aを示し、図2(B)の斜線部分は左右両側面を浅く除去する場合の除去範囲32Bを示す。除去範囲32(32A、32B)は軌道スラブ14の4隅付近で深く、隅以外で浅い。劣化充填材の削り取り(除去)作業は、図3に示すように行うことができる(図6のステップS100)。この図3は、作業者が先端に切削ビットを取付けた振動式削り機(ハツリ機)を用いて先端を充填層18を外側から削り取る(ハツリ)様子を示すものである。
削り量(ハツリ量)は、現場の劣化状況にあわせて決める。図2(A)は側面に沿って通常の深さ(100mm)に削り、隅付近をさらに深く削るものである。図2(B)は、4隅付近を通常より浅い深さ約50mmに削り、劣化の少ない側面を約10〜50mmの深さに削る。劣化した充填材(劣化CAモルタル)を削り取り除去した後にできる空隙34(図5参照)は補修用充填材の注入部となる。
次にこの空隙(注入部)34を清掃し、ガスバーナーを用いて乾燥させる(ステップS102)。そして軌道スラブ14の側面に型枠36を当てて固定する(ステップS104)。この型枠36の設置に先立って、軌道スラブ14の側面に養生ガムテープ38を貼り付け、後記する補修用充填材が付着するのを防ぐ。
型枠36はプラスチック段ボール40と押え部材42で形成される。プラスチック段ボール40は全体がポリプロピレン製であり、波型の中芯をライナーで挟み接着したものである。厚さは3〜6mm程度で極めて軽量である。また表面(両面)は充填材が付着しにくく離型性が良い。さらに適度の強度、剛性を有する一方、ナイフなどで容易にカットしたり切れ目を入れたりでき加工性も良い。
このプラスチック段ボール40は補修用充填材を注入する空隙34の外側を囲むものであり、図4に示すように中芯の波型に沿って(すなわち波型の山、谷と平行な)長板状に切って使う。ここにプラスチック段ボール38の下部は外側に水平に折曲され、この折曲部44の下面には弾性材となるウレタンスポンジ46の薄板が接着されている。
押え部材42は約10mm厚のベニヤ板の長板であり、プラスチック段ボール40の外側および折曲部42の上面に密着している。この押え部材42は適宜の押圧治具(図示せず)により所定位置に保持される。例えば軌道スラブ14の上面に固定されるレール20やその締結具22(図9参照)に固定した押圧治具や、軌道スラブ14の側面に通常形成されているインサートボルト穴に固定した押圧治具を用いる。この結果プラスチック段ボール40は上部が養生ガムテープ38に密着する。また下部の折曲部44がウレタンスポンジ46を介してコンクリート路盤10に押圧され、後記する充填材54の漏出が防止される。
押え部材42は、図1に示す軌道スラブ14の四隅だけを補修する場合には、この四隅付近を囲む2辺の長さで足りる。なお隣接する軌道スラブ14との間隙にも同様にプラスチック段ボール40Aと押え部材42Aが挿入される(図1参照)。この押え部材42Aは省くことも可能であるが、これらは隣りの軌道スラブ14との間隙にくさびなど挿入することにより空隙34側に押圧する。なおプラスチック段ボール40,40Aの一端(空隙34の端側)と軌道スラブ14の側面(外周面)との間には、空隙34から充填材54が流出するのを防ぐためのシール材(ウレタンスポンジなど)46(図1)を挟んでおくのがよい。
次に注入口48(図5の(B)参照)を説明する。押え部材42には図4,図5(B)に示すように、上縁から下方に切り開いた窓部50が形成されている。この窓部50にはプラスチック段ボール40が現れている(臨んでいる)。この窓部50に臨むプラスチック段ボール40には上縁からカッタナイフ(図示せず)などで縦に2本の切込み52が加工される(図4)。そして切込んだ部分40Aを窓部50側へ押し広げることにより注入口48が形成される(図6,ステップS106)。この切込み52は型枠36の組立て前に予め加工しておいてもよい。
このようにして型枠36の設置を行う一方、補修用の充填材54とするためにビニルエステル樹脂とその硬化剤と骨材とを混練し攪拌しておく(ステップS108)。ビニルエステル樹脂は、例えば出願人が販売する「アレンロックS」(商品名)が適する。この場合硬化剤としては、出願人が販売する「パーカドックスCH−50L」(商品名)が適する。骨材としては硅砂8号が適する。これらは重量比で、ビニルエステル樹脂と硬化剤と骨材の混合比が約100:3:100となるようにするのがよい。この場合には混練物である補修用充填材50は20℃で10〜15分で硬化する。この硬化時間(可使時間)を考慮して樹脂の準備と型枠36の設置とを併行して行う。
一方型枠36には、プラスチック段ボール40の切込み部40Aを窓部50から外側へ押し広げ保持することによって、軌道スラブ14との間に上方に向かって開く注入口48を形成する(図5の(B)参照)。このように上方に開いた注入口48に前記のように予めまたは併行して混練しておいた補修用充填材54を注入する(ステップS110)。この時注入口48付近で流れ方向を案内しながら、補修用充填材54を空隙34に導く。また注入口48から、補修用充填材54が空隙34内の全体に亘って注入されていることを確認する。この時プラスチック段ボール40は半透明なのでこれを通して注入量を確認できる。
補修用充填材54が空隙34内の全体に流入したことを確認してから、切込み部40Aを元の直立位置に戻し、ガムテープなどで固定することによって注入口48を閉じる(ステップS112)。この状態で補修用充填材54が硬化するのを待つ(ステップS114)。この硬化した補修用充填材54は、図1に斜線で示した空隙32、32A、32Bを埋める。補修用充填材54の硬化を待って、型枠36を取外し(ステップS116)、周囲を清掃する(ステップS118)。
なお図2の(A)、(B)のように、軌道スラブ14の左右両側面の全長に亘る除去範囲32A、32Bとした場合には、型枠36はこれらの除去範囲32A、32Bを覆うように軌道スラブ14の全長の長さにするのは勿論である。
図7は本発明の他の実施例の作業工程図である。この実施例は、前記実施例1における工程S102とS104の間に次の工程、すなわち空隙(注入部)34の内面にプライマーを刷毛などで塗布する工程(S103)を加えたものである。
ここに用いるプライマーとしてはウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ラジカル硬化性を有する合成樹脂のいずれか、またはこれにセメント粉を混合したものが適する。なおこの場合補修用充填材は前記実施例1で用いたもの、すなわちビニルエステル樹脂とその硬化剤と骨材とを混練し攪拌したものである。以下の工程S104〜S118は前記実施例1と同じである。
この実施例2によれば、補修用充填材54Aの接触面に予めプライマーが塗布されているので、充填材の注入後に雨が降ったり結露により空隙(注入部)34内面に水が付着していても、コンクリート路盤10および軌道スラブ14に塗布されたプライマーについた水は、比重の重い補修用充填材54Aで押しのけられてプライマーと一体化するため、補修用充填材54Aと空隙34の内面すなわちコンクリート路盤10および軌道スラブ14との結合強度が低下しない。このため補修した充填材が外側へ飛び出すおそれがない。
図8に示す実施例は、型枠36の押え部材42A、42Bを通して充填液54の注入量を外から目視により確認し易くしたものである。図8の(A)に示す実施例では、押え部材42Aの上縁から下向きに切り込んだ適宜数のスリット状の開口56を形成した。また図8の(B)に示す実施例では、押え部材42Bに上下方向に広がる縦長のスリット状開口56Aや、上下に分割して上下に分布する複数の開口56Bを設けた。図8(A)の開口54は加工性が良く、また図8(B)の開口54A、54Bによれば押え部材42Bの強度低下を防止できる。
10 路盤
14 軌道スラブ
18 充填層(セメントアスファルトモルタル)
20 軌道レール
22 締結具
32(32A、32B) 劣化した充填材の除去範囲
34 空隙
36 型枠
40 プラスチック段ボール
40A 切込み部
42、42A、42B 押え部材(ベニヤ板)
48 注入口
50 窓部
52 切込み
56、56A、56B スリット状開口(注入量確認用の開口)

Claims (8)

  1. コンクリート路盤にセメントアスファルトモルタルを挟んで軌道スラブを固定し、前記軌道スラブに軌道レールを保持したスラブ式軌道における補修方法において、
    (a)劣化した前記セメントアスファルトモルタルを前記軌道スラブの周囲から水平方向の適宜深さまで除去することにより空隙を形成する:
    (b)前記軌道スラブの外周から前記空隙を塞ぐようにプラスチック段ボールを対向配置し、
    (c)前記プラスチック段ボールを外側から押え部材で保持すると共に、この押え部材の上縁から下方に切り開いた窓部に前記プラスチック段ボールの一部を臨ませ、
    (d)前記プラスチック段ボールの前記窓部に臨む部分を上縁から入れた切込みによって外側へ押し広げることにより、軌道スラブ側面との間に上方に向かって開く注入口を形成し、
    (e)前記注入口から前記空隙に、補修用充填材を注入し、注入後に前記注入口を閉じて養生硬化し、
    (f)前記補修用充填材の硬化後に前記押え部材およびプラスチック段ボールを取外す、
    以上の工程a〜fの工程を順に行うことを特徴とするスラブ式軌道における補修方法。
  2. プラスチック段ボールは、波型に加工した中芯を表と裏のライナーで挟んで接着したものであり、中芯の波型と平行方向をコンクリート路盤の上面と平行にして軌道スラブの外周に配置する請求項1のスラブ式軌道における補修方法。
  3. プラスチック段ボールの下部は中芯の波型に沿って外側へ水平に折曲しておき、この折曲部の下面を弾性材を介してコンクリート路盤に押圧する請求項2のスラブ式軌道における補修方法。
  4. 押え部材はベニヤ板である請求項1のスラブ式軌道における補修方法。
  5. プラスチック段ボールは半透明であり、工程(e)で注入した補修用充填材の注入量を外側から目視可能とした請求項1のスラブ式軌道における補修方法。
  6. 押え部材に上下方向に広がる注入量確認用の開口が形成されている請求項5のスラブ式軌道における補修方法。
  7. 請求項1において、工程(e)の補修用充填材はラジカル硬化性を有する合成樹脂を基材とし、この基材はポリエステルアクリレートを主成分とする合成樹脂であるスラブ式軌道における補修方法。
  8. 請求項1の工程(e)で用いる補修用充填材は、ポリエステルアクリレートと、その硬化剤と、無機系骨材とを混練したものであるスラブ式軌道における補修方法。
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