JP4931416B2 - 自動マニュアルトランスミッションのインターロック防止装置 - Google Patents
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Description
ある変速段の選択時に、前記複数のアクチュエータのうち一つのアクチュエータ動作に伴い、同じ変速段グループに属する前記複数のアクチュエータのうち、残りの少なくとも一つの動きを規制するインターロック防止手段を設け、
前記インターロック防止手段は、隣接配置された一対の第1アクチュエータ部材と第2アクチュエータ部材との間の位置に設定し、両アクチュエータ部材のうち、一方のアクチュエータ部材の変速動作に伴い、他方のアクチュエータ部材の動きを規制する第1インターロック機構であることを特徴とする。
請求項4に係る発明では、前記インターロック防止手段は、隣接配置された一対の第1アクチュエータ部材と第2アクチュエータ部材との間にインターロックプレートを設定し、該インターロックプレートは、第1アクチュエータ部材と第2アクチュエータ部材との中間位置を揺動中心とし、両アクチュエータ部材のうち、一方のアクチュエータ部材の変速動作に伴い前記インターロックプレートが揺動し、この揺動により他方のアクチュエータ部材の動きを規制する第2インターロック機構であることを特徴とする。
請求項8に係る発明では、前記インターロック防止手段は、並列に隣接配置された一対の第1アクチュエータ部材と第2アクチュエータ部材との間にインターロックプレートを設定し、前記インターロックプレートは、第1アクチュエータ部材と第2アクチュエータ部材との中間位置を移動可能とし、両アクチュエータ部材のうち、一方のアクチュエータ部材の変速動作に伴い前記インターロックプレートが移動し、この移動により他方のアクチュエータ部材の動きを規制する第3インターロック機構であることを特徴とする。
図1は実施例1のインターロック防止装置が適用されたツインクラッチ式自動マニュアルトランスミッションを示す全体システム図である。
実施例1のツインクラッチ式自動マニュアルトランスミッションの変速ギアトレーンとしては、図1に示すように、変速機ケース1と、駆動入力軸2と、第1クラッチCAと、第2クラッチCBと、トーショナルダンパ3と、オイルポンプ4と、第1変速機入力軸5と、第2変速機入力軸6と、を備えている。
実施例1〜7のインターロック防止手段は、複数のアクチュエータのうち一つのアクチュエータ動作に伴い、前記複数のアクチュエータのうち、残りの少なくとも一つの動きを規制する手段である。このインターロック防止手段が適用される自動マニュアルトランスミッションは、図1に示すように、奇数変速段グループ(第1速、第3速、第5速、後退)の選択時に締結される第1クラッチCAと、偶数変速段グループ(第2速、第4速、第6速)の選択時に締結される第2クラッチCBと、を備えたツインクラッチ式自動マニュアルトランスミッションである。
このインターロック防止手段の適用に対応し、図2に示すように、アクチュエータユニット45には、奇数変速段グループの一対の3−5シフトアクチュエータ50と1−Rシフトアクチュエータ52とが隣接して配置され、また、偶数変速段グループの一対の6−Nシフトアクチュエータ53と2−4シフトアクチュエータ54とが隣接して配置されている。なお、3−5アクチュエータ部材には、3−5シフトアクチュエータ50、3−5シフトフォーク41、3−5シフトブラケット49が含まれ、1−Rアクチュエータ部材には、1−Rシフトアクチュエータ52、1−Rシフトフォーク42が含まれる。また、6−Nアクチュエータ部材には、6−Nシフトアクチュエータ53、6−Nシフトフォーク43が含まれ、2−4アクチュエータ部材には、2−4シフトアクチュエータ54、2−4シフトフォーク44が含まれる。上記インターロック防止手段の適用については、以下の実施例2〜実施例9についても同様である。
そして、前記両アクチュエータピストン50a,52aの変速中立状態で変速動作軸の直交方向に対向する位置に形成された一対のインターロック溝61,61と、該一対のインターロック溝61,61との間のアクチュエータハウジング60に形成されたインターロック穴62と、該インターロック穴62に配置されたコイルスプリング63と、該コイルスプリング63の両端部に設定され、前記インターロック溝61,61に嵌合する一対のボール64,64と、を有する。
なお、この第1インターロック機構A1-1は、図示しないが、偶数変速段グループの一対の6−Nシフトアクチュエータ53と2−4シフトアクチュエータ54との間にも設定されている。
[変速作用]
中立位置(Nレンジ)や駐車位置(Pレンジ)の選択時には、クラッチCA,CBの双方を開放しておき、かつ、シフトアクチュエータ50,52,53,54は、全て図1に示す中立位置にしておく。つまり、同期噛合機構28,29,37,38のカップリングスリーブ28a,29a,37a,38aを全て中立位置に維持し、ツインクラッチ式自動マニュアルトランスミッションが動力伝達を行わないようにする。
第1速時には、1−Rシフトアクチュエータ52を図1の左方向に動作させる制御を行うことで、同期噛合機構28のカップリングスリーブ28aを図1の左方向に移動させて歯車22をカウンターシャフト15に駆動結合し、その後、第1クラッチCAを締結する。
これにより、第1クラッチCAからの駆動入力が、第1変速機入力軸5→第1速歯車組G1→カウンターシャフト15→出力歯車組19,20を介して変速機出力軸11により軸方向に出力され、第1速の動力伝達が行われる。
これにより、第2クラッチCBからの駆動入力が、第2変速機入力軸6→第2速歯車組G2→カウンターシャフト15→出力歯車組19,20を介して変速機出力軸11により軸方向に出力され、第2速の動力伝達が行われる。
これにより、第1クラッチCAからの駆動入力が、第1変速機入力軸5→第3速歯車組G3→カウンターシャフト15→出力歯車組19,20を介して変速機出力軸11により軸方向に出力され、第3速の動力伝達が行われる。
これにより、第2クラッチCBからの駆動入力が、第2変速機入力軸6→第4速歯車組G4→カウンターシャフト15→出力歯車組19,20を介して変速機出力軸11により軸方向に出力され、第4速の動力伝達が行われる。
これにより、第1クラッチCAからの駆動入力が、第1変速機入力軸5→変速機出力軸11により軸方向に出力され、第5速(変速比1)の動力伝達が行われる。
これにより、第2クラッチCBからの駆動入力が、第2変速機入力軸6→第6速歯車組G6→カウンターシャフト15→出力歯車組19,20を介して変速機出力軸11により軸方向に出力され、第6速の動力伝達が行われる。なお、第6速から順次第1速へとダウンシフトさせるに際しても、上記アップシフトとは逆の制御を行う。
これにより、第1クラッチCAからの駆動入力が、第1変速機入力軸5→後退速歯車組GR→カウンターシャフト15→出力歯車組19,20を介して変速機出力軸11により軸方向に出力され、後退速の動力伝達が行われる。
上記変速作用において、例えば、第5速の選択により、3−5シフトアクチュエータ50を図1の右方向に動作させる制御を行う場合、同時に1−Rシフトアクチュエータ52が図1の右方向に動作すると、同じ奇数変速段グループにある第5速と後退速とが同時に選択されることで、第3速歯車組G3と後退速歯車組GRとのギアが二重に噛み合うというインターロック現象を生じることになり、このインターロックを防止する必要がある。
特に、実施例1の第1インターロック機構A1-1は、1つのアクチュエータハウジング60に、3−5シフトアクチュエータ50のアクチュエータピストン50aと1−Rシフトアクチュエータ52のアクチュエータピストン52aのシリンダを一対形成し、一対のシリンダ間の隔壁部分にインターロック穴62を設け、このインターロック穴62の部分に設定した構造を採用したことで、重量増やスペース増がほとんど無く、並列配置の3−5シフトアクチュエータ50と1−Rシフトアクチュエータ52とに内蔵した状態でインターロック防止手段を設定できる。
実施例1の自動マニュアルトランスミッションのインターロック防止装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
そして、前記両ブラケット円筒部43a,44aの変速中立状態で変速動作軸の直交方向に対向する位置に形成された一対のインターロック溝61,61と、両インターロック溝61,61との間のブラケット円筒部43a及び第2シフトロッド51に形成されたインターロック穴62a,62bと、該インターロック穴62a,62bに配置されたコイルスプリング63と、該コイルスプリング63の両端部に設定され、前記インターロック溝61,61に嵌合する一対のボール64,64と、を有する。
前記ブラケット円筒部44aのインターロック穴62aとは軸方向にずれた位置には、組み付け時に前記コイルスプリング63や一対のボール64,64を挿入する挿入穴65が形成されている。なお、全体構成は実施例1の図1と同様であるので図示並び説明を省略する。
[変速時のインターロック防止作用]
実施例1で述べた上記変速作用において、例えば、第4速の選択により、2−4シフトアクチュエータ54を図1の右方向に動作させる制御を行う場合、同時に6−Nシフトアクチュエータ53が図1の左方向に動作すると、同じ偶数変速段グループにある第4速と第6速とが同時に選択されることで、第4速歯車組G4と第6速歯車組G6とのギアが二重に噛み合うというインターロック現象を生じることになり、このインターロックを防止する必要がある。
特に、実施例2の第1インターロック機構A1-2は、1つの第2ロッド51に移動可能に設けられるブラケット円筒部43a,44aを同心二重構造とし、一対のブラケット円筒部43a,44aに径方向のインターロック穴62a,62bを設け、このインターロック穴62a,62bの部分に設定した構造を採用したことで、重量増やスペース増がほとんど無く、一対のブラケット円筒部43a,44aに内蔵した状態でインターロック防止手段を設定できる。
実施例2の自動マニュアルトランスミッションのインターロック防止装置にあっては、実施例1の(1),(2),(4)の効果に加えて、下記の効果を得ることができる。
そして、前記アクチュエータピストン50aの変速動作軸L1とアクチュエータピストン52aの変速動作軸L2との中間位置を揺動中心LSとし、変速機ケース1に対しインターロックプレート固定ブラケット71を介して揺動可能に設けられたインターロックプレート70と、該インターロックプレート70の両端部に設けられた一対のインターロック突起72,72と、前記アクチュエータピストン50aの端部50a'とアクチュエータピストン52aの端部52a'とにそれぞれ形成され、前記一対のインターロック突起72,72とは変速中立位置にて係合するインターロック溝73,73と、を有する。前記インターロックプレート固定ブラケット71は、変速機ケース1のインターロック取付けボス1aに対しボルト74,74を介して固定されている。
なお、この構造は、並列配置の6−Nシフトアクチュエータ53と2−4シフトアクチュエータ54との間にも設定されている。また、全体構成は実施例1の図1と同様であるので図示並び説明を省略する。
[変速時のインターロック防止作用]
実施例1の上記変速作用において、例えば、第1速の選択により、1−Rシフトアクチュエータ52を図1の左方向に動作させる制御を行う場合、同時に3−5シフトアクチュエータ50が図1の左方向に動作すると、同じ奇数変速段グループにある第1速と第3速とが同時に選択されることで、第1速歯車組G1と第3速歯車組G3とのギアが二重に噛み合うというインターロック現象を生じることになり、このインターロックを防止する必要がある。
特に、実施例3の第2インターロック機構A2-1は、3−5シフトアクチュエータ50のアクチュエータピストン50aと1−Rシフトアクチュエータ52のアクチュエータピストン52aの端部をハウジングの外側まで延長形成し、並列配置の3−5シフトアクチュエータ50と1−Rシフトアクチュエータ52のピストン延長部分にインターロックプレート70を設定した構造を採用したことで、重量増やスペース増を最小に抑えながら、大きなインターロックプレート70の揺動量によりインターロック側のピストン動作を規制するインターロック防止手段を設定できる。
実施例3の自動マニュアルトランスミッションのインターロック防止装置にあっては、実施例1の(1),(4)の効果に加えて、下記に列挙する効果を得ることができる。
[変速時のインターロック防止作用]
実施例1で述べた上記変速作用において、例えば、第2速の選択により、2−4シフトアクチュエータ54を図1の左方向に動作させる制御を行う場合、同時に6−Nシフトアクチュエータ53が図1の左方向に動作すると、同じ偶数変速段グループにある第2速と第6速とが同時に選択されることで、第2速歯車組G2と第6速歯車組G6とのギアが二重に噛み合うというインターロック現象を生じることになり、このインターロックを防止する必要がある。
特に、実施例4の第2インターロック機構A2-2は、並列配置の6−Nシフトフォーク43と2−4シフトフォーク44のブラケット円筒部43a,44aにインターロックピン76,76を突設し、この位置にインターロックプレート70を設定した構造を採用したことで、シフトアクチュエータ側に設置スペースを求めることのない高い設定自由度と、大きなインターロックプレート70の揺動量により、インターロック側のシフトフォークの動作を規制するインターロック防止手段を設定できる。
実施例4の自動マニュアルトランスミッションのインターロック防止装置にあっては、実施例1の(1),(4)と実施例3の(6)の効果に加えて、下記の効果を得ることができる。
そして、6−Nシフトフォーク43の中立位置と2−4シフトフォーク44の中立位置との中間位置を揺動中心とし、軸方向固定の第2シフトロッド51に対しインターロックプレート固定ブラケット71を介して揺動可能に設けられたインターロックプレート70と、該インターロックプレート70の両端部に形成された一対のインターロック凹部75,75と、前記6−Nシフトフォーク43と2−4シフトフォーク44のプレート対向位置にそれぞれ設けられ、前記一対のインターロック凹部75,75とは変速中立位置にて係合するインターロックピン76,76と、を有する。なお、全体構成は実施例1の図1と同様であるので図示並びに説明を省略する。
実施例5の自動マニュアルトランスミッションのインターロック防止装置にあっては、実施例1の(1),(4)と実施例3の(6)の効果に加えて、下記の効果を得ることができる。
そして、変速機ケース1に固定され、両側にプレートガイド81aを形成したインターロックプレートホルダー81と、前記3−5シフトブラケット49の変速動作軸と1−Rシフトフォーク42のブラケット腕部42bの変速動作軸との中間位置の軸直交方向を移動方向とし、前記プレートガイド81aを介して移動可能に設けられたインターロックプレート80と、該インターロックプレート80の両ブラケット側端部に形成された一対のインターロック傾斜凹部82,82と、前記3−5シフトブラケット49とブラケット腕部42bのプレート対向位置にそれぞれ設けられ、前記一対のインターロック傾斜凹部82,82とは変速中立位置にて係合するブラケット爪部83,83と、を有する。前記インターロックプレートホルダー81は、変速機ケース1のインターロック取付けボス1aに対しボルト84,84を介して固定されている。
なお、この第3インターロック機構A3-1は、図示しないが、偶数変速段グループの一対の6−Nシフトフォーク43のブラケット腕部43bと2−4シフトフォーク44のブラケット腕部44bとの間にも設定されている。また、全体構成は実施例1の図1と同様であるので図示並びに説明を省略する。
[変速時のインターロック防止作用]
実施例1の上記変速作用において、例えば、後退速の選択により、1−Rシフトアクチュエータ52を図1の右方向に動作させる制御を行う場合、同時に3−5シフトアクチュエータ50が図1の右方向に動作すると、同じ奇数変速段グループにある後退速と第5速とが同時に選択されることで、後退速歯車組GRと第5速歯車組とのギアが二重に噛み合うというインターロック現象を生じることになり、このインターロックを防止する必要がある。
特に、実施例6の第3インターロック機構A3-1は、並列配置の3−5アクチュエータ50と1−Rアクチュエータ52との隙間の部分にインターロックプレート80を設定した構造を採用したことで、重量増やスペース増を最小に抑えながら、大きなインターロックプレート80のスライド移動量によりインターロック側の変速動作を規制するインターロック防止手段を設定できる。
実施例6の自動マニュアルトランスミッションのインターロック防止装置にあっては、実施例1の(1),(4)の効果に加えて、下記に列挙する効果を得ることができる。
そして、変速機ケース1に固定され、プレートガイドピン85,85を設定したインターロックプレートホルダー81と、前記3−5シフトブラケット49の変速動作軸と1−Rシフトフォーク42のブラケット腕部42bの変速動作軸との中間位置の軸直交方向にガイド穴80aを形成し、該ガイド穴80aに挿着される前記プレートガイドピン85,85を介して移動可能に設けられたインターロックプレート80と、該インターロックプレート80の両ブラケット側端部に形成された一対のインターロック傾斜凹部82,82と、前記3−5シフトブラケット49とブラケット腕部42bのプレート対向位置にそれぞれ設けられ、前記一対のインターロック傾斜凹部82,82とは変速中立位置にて係合するブラケット爪部83,83と、を有する。前記インターロックプレートホルダー81は、変速機ケース1のインターロック取付けボス1aに対しボルト84,84を介して固定されている。
なお、この第3インターロック機構A3-1は、図示しないが、偶数変速段グループの一対の6−Nシフトフォーク43のブラケット腕部43bと2−4シフトフォーク44のブラケット腕部44bとの間にも設定されている。また、全体構成は実施例1の図1と同様であるので図示並びに説明を省略する。
実施例7の自動マニュアルトランスミッションのインターロック防止装置にあっては、実施例1の(1),(4)と実施例6の(10)の効果に加えて、下記の効果を得ることができる。
図16は、実施例8のインターロック防止装置を示す横断平面図である。
実施例8の第1インターロック機構A1-3は、図16に示すように、並列に隣接配置された一対の3−5シフトアクチュエータ50のアクチュエータピストン50a(第1アクチュエータピストン)と1−Rシフトアクチュエータ52のアクチュエータピストン52a(第2アクチュエータピストン)との間に設定した機構である。
そして、前記一対のアクチュエータピストン50aとアクチュエータピストン52aのうち、一方のアクチュエータピストン50aの変速動作に伴い、前記インターロックピン66がインターロック溝61へ嵌合することにより他方のアクチュエータピストン52aの動きを規制する(図16)。また、前記一対のアクチュエータピストン50aとアクチュエータピストン52aのうち、一方のアクチュエータピストン52aの変速動作に伴い、前記インターロックピン66がインターロック溝61へ嵌合することにより他方のアクチュエータピストン50aの動きを規制する。
なお、この第1インターロック機構A1-3は、図示しないが、偶数変速段グループの一対の6−Nシフトアクチュエータ53と2−4シフトアクチュエータ54との間にも設定されている。なお、全体構成は実施例1の図1と同様であるので図示並び説明を省略する。
実施例1で述べた上記変速作用において、例えば、第5速の選択により、3−5シフトアクチュエータ50を図1の右方向に動作させる制御を行う場合、同時に1−Rシフトアクチュエータ52が図1の右方向に動作すると、同じ奇数変速段グループにある第5速と後退速とが同時に選択されることで、第3速歯車組G3と後退速歯車組GRとのギアが二重に噛み合うというインターロック現象を生じることになり、このインターロックを防止する必要がある。
特に、実施例8の第1インターロック機構A1-3は、1つのアクチュエータハウジング60に、3−5シフトアクチュエータ50のアクチュエータピストン50aと1−Rシフトアクチュエータ52のアクチュエータピストン52aのシリンダを一対形成し、一対のシリンダ間の隔壁部分にインターロック穴62を設け、このインターロック穴62の部分にインターロックピン66を設定した構造を採用したことで、重量増やスペース増がほとんど無く、並列配置の3−5シフトアクチュエータ50と1−Rシフトアクチュエータ52とに内蔵した状態でインターロック防止手段を設定できる。
実施例8の自動マニュアルトランスミッションのインターロック防止装置にあっては、実施例1の(1),(2),(4)の効果に加えて、下記の効果を得ることができる。
図17は、実施例9のインターロック防止装置を示す横断平面図である。
実施例9の第1インターロック機構A1-4は、図17に示すように、第2シフトロッド51上に同心状態で径方向に隣接配置された一対の6−Nシフトフォーク43のブラケット円筒部43a(第1アクチュエータブラケット円筒部)と2−4シフトフォーク44のブラケット円筒部44a(第2アクチュエータブラケット円筒部)との間に設定した機構である。
そして、前記一対のブラケット円筒部43aとブラケット円筒部44aのうち、一方のブラケット円筒部44aの変速動作に伴い、前記インターロックピン66がインターロック溝61へ嵌合することにより他方のブラケット円筒部43aの動きを規制する(図17)。また、前記一対のブラケット円筒部43aとブラケット円筒部44aのうち、一方のブラケット円筒部43aの変速動作に伴い、前記インターロックピン66がインターロック溝61へ嵌合することにより他方のブラケット円筒部44aの動きを規制する。
前記ブラケット円筒部44aのインターロック穴62aとは軸方向にずれた位置には、組み付け時に前記インターロックピン66を挿入する挿入穴65が形成されている。なお、全体構成は実施例1の図1と同様であるので図示並び説明を省略する。
実施例1で述べた上記変速作用において、例えば、第4速の選択により、2−4シフトアクチュエータ54を図1の右方向に動作させる制御を行う場合、同時に6−Nシフトアクチュエータ53が図1の左方向に動作すると、同じ偶数変速段グループにある第4速と第6速とが同時に選択されることで、第4速歯車組G4と第6速歯車組G6とのギアが二重に噛み合うというインターロック現象を生じることになり、このインターロックを防止する必要がある。
特に、実施例9の第1インターロック機構A1-4は、1つの第2ロッド51に移動可能に設けられるブラケット円筒部43a,44aを同心二重構造とし、一対のブラケット円筒部43a,44aに径方向のインターロック穴62a,62bを設け、このインターロック穴62a,62bの部分にインターロックピン66を設定した構造を採用したことで、重量増やスペース増がほとんど無く、一対のブラケット円筒部43a,44aに内蔵した状態でインターロック防止手段を設定できる。
実施例9の自動マニュアルトランスミッションのインターロック防止装置にあっては、実施例1の(1),(2),(4)の効果に加えて、下記の効果を得ることができる。
CB 第2クラッチ
G1 第1速歯車組
G2 第2速歯車組
G3 第3速歯車組
G4 第4速歯車組
G6 第6速歯車組
GR 後退歯車組
28 1−R同期噛合機構
29 3−5同期噛合機構
37 6−N同期噛合機構
38 2−4同期噛合機構
41 3−5シフトフォーク
42 1−Rシフトフォーク
43 6−Nシフトフォーク
44 2−4シフトフォーク
45 アクチュエータユニット
46 クラッチ油圧モジュール
48 第1シフトロッド
49 3−5シフトブラケット
50 3−5シフトアクチュエータ
51 第2シフトロッド
52 1−Rシフトアクチュエータ
53 6−Nシフトアクチュエータ
54 2−4シフトアクチュエータ
55 3−5シフト位置センサ
56 1−Rシフト位置センサ
57 6−Nシフト位置センサ
58 2−4シフト位置センサ
59 アクチュエータ油圧モジュール
A1-1,A1-2,A1-3,A1-4 第1インターロック機構
A2-1,A2-2,A2-3 第2インターロック機構
A3-1,A3-2 第3インターロック機構
Claims (12)
- 奇数変速段グループの選択時に締結される第1クラッチと、偶数変速段グループの選択時に締結される第2クラッチと、複数のシフトフォークに対して個別に設けられ、前記複数のシフトフォークをそれぞれ個別に操作可能な複数のアクチュエータと、を備えたツインクラッチ式の自動マニュアルトランスミッションにおいて、
ある変速段の選択時に、前記複数のアクチュエータのうち一つのアクチュエータ動作に伴い、同じ変速段グループに属する複数のアクチュエータのうち、残りの少なくとも一つの動きを規制するインターロック防止手段を設け、
前記インターロック防止手段は、隣接配置された一対の第1アクチュエータ部材と第2アクチュエータ部材との間の位置に設定し、両アクチュエータ部材のうち、一方のアクチュエータ部材の変速動作に伴い、他方のアクチュエータ部材の動きを規制する第1インターロック機構であることを特徴とする自動マニュアルトランスミッションのインターロック防止装置。 - 請求項1に記載された自動マニュアルトランスミッションのインターロック防止装置において、
前記第1インターロック機構は、並列に隣接配置された一対の第1アクチュエータピストンと第2アクチュエータピストンとの間に設定した機構であって、前記両アクチュエータピストンの変速中立状態で変速動作軸の直交方向に対向する位置に形成された一対のインターロック溝と、該一対のインターロック溝との間のアクチュエータハウジングに形成されたインターロック穴と、該インターロック穴に配置されたコイルスプリングと、該コイルスプリングの両端部に設定され、前記インターロック溝に嵌合する一対のボールと、を有することを特徴とする自動マニュアルトランスミッションのインターロック防止装置。 - 請求項1に記載された自動マニュアルトランスミッションのインターロック防止装置において、
前記第1インターロック機構は、シフトロッド上に同心状態で径方向に隣接配置された一対の第1アクチュエータブラケット円筒部と第2アクチュエータブラケット円筒部との間に設定した機構であって、前記両アクチュエータブラケット円筒部の変速中立状態で変速動作軸の直交方向に対向する位置に形成された一対のインターロック溝と、両インターロック溝との間のアクチュエータブラケット円筒部及びシフトロッドに形成されたインターロック穴と、該インターロック穴に配置されたコイルスプリングと、該コイルスプリングの両端部に設定され、前記インターロック溝に嵌合する一対のボールと、を有することを特徴とする自動マニュアルトランスミッションのインターロック防止装置。 - 奇数変速段グループの選択時に締結される第1クラッチと、偶数変速段グループの選択時に締結される第2クラッチと、複数のシフトフォークに対して個別に設けられ、前記複数のシフトフォークをそれぞれ個別に操作可能な複数のアクチュエータと、を備えたツインクラッチ式の自動マニュアルトランスミッションにおいて、
ある変速段の選択時に、前記複数のアクチュエータのうち一つのアクチュエータ動作に伴い、同じ変速段グループに属する複数のアクチュエータのうち、残りの少なくとも一つの動きを規制するインターロック防止手段を設け、
前記インターロック防止手段は、隣接配置された一対の第1アクチュエータ部材と第2アクチュエータ部材との間にインターロックプレートを設定し、該インターロックプレートは、第1アクチュエータ部材と第2アクチュエータ部材との中間位置を揺動中心とし、両アクチュエータ部材のうち、一方のアクチュエータ部材の変速動作に伴い前記インターロックプレートが揺動し、この揺動により他方のアクチュエータ部材の動きを規制する第2インターロック機構であることを特徴とする自動マニュアルトランスミッションのインターロック防止装置。 - 請求項4に記載された自動マニュアルトランスミッションのインターロック防止装置において、
前記第2インターロック機構は、並列に隣接配置された一対の第1アクチュエータピストンと第2アクチュエータピストンとの間にインターロックプレートを変速動作軸の直交方向に設定した機構であって、前記第1アクチュエータピストンの変速動作軸と第2アクチュエータピストンの変速動作軸との中間位置を揺動中心とし、変速機ケースに対しインターロックプレート固定ブラケットを介して揺動可能に設けられたインターロックプレートと、該インターロックプレートの両端部に設けられた一対のインターロック突起と、前記第1アクチュエータピストンの端部と第2アクチュエータピストンの端部とにそれぞれ形成され、前記一対のインターロック突起とは変速中立位置にて係合するインターロック溝と、を有することを特徴とする自動マニュアルトランスミッションのインターロック防止装置。 - 請求項4に記載された自動マニュアルトランスミッションのインターロック防止装置において、
前記第2インターロック機構は、シフトロッド上に隣接配置された一対の第1シフトフォークと第2シフトフォークとの間にインターロックプレートを変速動作軸方向に設定した機構であって、前記第1シフトフォークの中立位置と第2シフトフォークの中立位置との中間位置を揺動中心とし、変速機ケースに対しインターロックプレート固定ブラケットを介して揺動可能に設けられたインターロックプレートと、該インターロックプレートの両端部に形成された一対のインターロック凹部と、前記第1シフトフォークと第2シフトフォークのプレート対向位置にそれぞれ設けられ、前記一対のインターロック凹部とは変速中立位置にて係合するインターロックピンと、を有することを特徴とする自動マニュアルトランスミッションのインターロック防止装置。 - 請求項4に記載された自動マニュアルトランスミッションのインターロック防止装置において、
前記第2インターロック機構は、シフトロッド上に隣接配置された一対の第1シフトフォークと第2シフトフォークとの間にインターロックプレートを変速動作軸方向に設定した機構であって、前記第1シフトフォークの中立位置と第2シフトフォークの中立位置との中間位置を揺動中心とし、軸方向固定のシフトロッドに対しインターロックプレート固定ブラケットを介して揺動可能に設けられたインターロックプレートと、該インターロックプレートの両端部に形成された一対のインターロック凹部と、前記第1シフトフォークと第2シフトフォークのプレート対向位置にそれぞれ設けられ、前記一対のインターロック凹部とは変速中立位置にて係合するインターロックピンと、を有することを特徴とする自動マニュアルトランスミッションのインターロック防止装置。 - 奇数変速段グループの選択時に締結される第1クラッチと、偶数変速段グループの選択時に締結される第2クラッチと、複数のシフトフォークに対して個別に設けられ、前記複数のシフトフォークをそれぞれ個別に操作可能な複数のアクチュエータと、を備えたツインクラッチ式の自動マニュアルトランスミッションにおいて、
ある変速段の選択時に、前記複数のアクチュエータのうち一つのアクチュエータ動作に伴い、同じ変速段グループに属する複数のアクチュエータのうち、残りの少なくとも一つの動きを規制するインターロック防止手段を設け、
前記インターロック防止手段は、並列に隣接配置された一対の第1アクチュエータ部材と第2アクチュエータ部材との間にインターロックプレートを設定し、前記インターロックプレートは、第1アクチュエータ部材と第2アクチュエータ部材との中間位置を移動可能とし、両アクチュエータ部材のうち、一方のアクチュエータ部材の変速動作に伴い前記インターロックプレートが移動し、この移動により他方のアクチュエータ部材の動きを規制する第3インターロック機構であることを特徴とする自動マニュアルトランスミッションのインターロック防止装置。 - 請求項8に記載された自動マニュアルトランスミッションのインターロック防止装置において、
前記第3インターロック機構は、並列に隣接配置された一対の第1シフトブラケットと第2シフトブラケットとの間にインターロックプレートを移動可能に設定した機構であって、変速機ケースに固定され、両側にプレートガイドを形成したインターロックプレートホルダーと、前記第1シフトブラケットの変速動作軸と第2シフトブラケットの変速動作軸との中間位置の軸直交方向を移動方向とし、前記プレートガイドを介して移動可能に設けられたインターロックプレートと、該インターロックプレートの両ブラケット側端部に形成された一対のインターロック傾斜凹部と、前記第1シフトブラケットと第2シフトブラケットのプレート対向位置にそれぞれ設けられ、前記一対のインターロック傾斜凹部とは変速中立位置にて係合するブラケット爪部と、を有することを特徴とする自動マニュアルトランスミッションのインターロック防止装置。 - 請求項8に記載された自動マニュアルトランスミッションのインターロック防止装置において、
前記第3インターロック機構は、並列に隣接配置された一対の第1シフトブラケットと第2シフトブラケットとの間にインターロックプレートを移動可能に設定した機構であって、変速機ケースに固定され、プレートガイドピンを設定したインターロックプレートホルダーと、前記第1シフトブラケットの変速動作軸と第2シフトブラケットの変速動作軸との中間位置の軸直交方向にガイド穴を形成し、該ガイド穴に挿着される前記プレートガイドピンを介して移動可能に設けられたインターロックプレートと、該インターロックプレートの両ブラケット側端部に形成された一対のインターロック傾斜凹部と、前記第1シフトブラケットと第2シフトブラケットのプレート対向位置にそれぞれ設けられ、前記一対のインターロック傾斜凹部とは変速中立位置にて係合するブラケット爪部と、を有することを特徴とする自動マニュアルトランスミッションのインターロック防止装置。 - 請求項1に記載された自動マニュアルトランスミッションのインターロック防止装置において、
前記第1インターロック機構は、並列に隣接配置された一対の第1アクチュエータピストンと第2アクチュエータピストンとの間に設定した機構であって、前記両アクチュエータピストンの変速中立状態で変速動作軸の直交方向に対向する位置に形成された一対のインターロック溝と、該一対のインターロック溝との間のアクチュエータハウジングに形成されたインターロック穴と、該インターロック穴に配置されたインターロックピンと、を有し、前記一対の第1アクチュエータピストンと第2アクチュエータピストンのうち、一方のアクチュエータピストンの変速動作に伴い、前記インターロックピンがインターロック溝へ嵌合することにより他方のアクチュエータピストンの動きを規制することを特徴とする自動マニュアルトランスミッションのインターロック防止装置。 - 請求項1に記載された自動マニュアルトランスミッションのインターロック防止装置において、
前記第1インターロック機構は、シフトロッド上に同心状態で径方向に隣接配置された一対の第1アクチュエータブラケット円筒部と第2アクチュエータブラケット円筒部との間に設定した機構であって、前記両アクチュエータブラケット円筒部の変速中立状態で変速動作軸の直交方向に対向する位置に形成された一対のインターロック溝と、両インターロック溝との間のアクチュエータブラケット円筒部及びシフトロッドに形成されたインターロック穴と、該インターロック穴に配置されたインターロックピンと、を有し、前記一対の第1アクチュエータブラケット円筒部と第2アクチュエータブラケット円筒部のうち、一方のアクチュエータブラケット円筒部の変速動作に伴い、前記インターロックピンがインターロック溝へ嵌合することにより他方のアクチュエータブラケット円筒部の動きを規制することを特徴とする自動マニュアルトランスミッションのインターロック防止装置。
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