JP2004060752A - 車両用変速機の変速切換機構 - Google Patents

車両用変速機の変速切換機構 Download PDF

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    • F16HGEARING
    • F16H63/00Control outputs from the control unit to change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion or to other devices than the final output mechanism
    • F16H63/02Final output mechanisms therefor; Actuating means for the final output mechanisms
    • F16H63/30Constructional features of the final output mechanisms
    • F16H63/3023Constructional features of the final output mechanisms the final output mechanisms comprising elements moved by fluid pressure

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Abstract

【課題】変速機全体の小型及び軽量化が図られて車体搭載性に優れた車両用変速機の変速切換機構を提供する。
【解決手段】軸2に固定されたシンクロハブ32、シンクロスリーブ33、シフトフォーク34とからなる切換機構31及び切換機構31を作動させるアクチュエータ35とを備え、アクチュエータ35は、各端部に第1ピストン38B及び第2ピストン38Cが形成され、かつ中間部に先端がシンクロスリーブ33の溝33aに係合するシフトフォーク34の基端が結合されるシフトロッド38と、第1ピストン38B及び第2ピストン38Cを各々摺動自在に内装する第1シリンダ36と第2シリンダ37とを有し、各油圧室に作動油を供給することにより切換機構を作動させる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に搭載される変速機の変速切換機構に関し、特に複数の変速歯車列を有する変速機の変速切換機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
運転者の手動操作によって変速操作を行う手動式変速機(MT)は、エンジンに連結されて複数の駆動歯車が配設された入力軸と、各駆動歯車と噛み合う複数の従動歯車が装着された出力軸とを有し、入力軸と出力軸との間に駆動歯車と従動歯車によって複数の変速歯車列が形成されている。このMTにあっては、変速時にクラッチを切断した後、複数の変速歯車列の中から、動力伝達を行う変速歯車列に切り換えるシンクロメッシュ機構等の切換機構を手動により切り換え、再びクラッチを接続することで変速動作が行われる。
【0003】
また、このような駆動歯車と従動歯車によって形成された複数の変速歯車列を切り換える切換機構の操作及びクラッチ操作等を油圧機構等のアクチュエータにより作動させるようにすると、MTの構成をベースとした自動変速機とすることができる。このような複数の変速歯車列を有するタイプの自動変速機(AMT)は、自動変速機構にプラネタリーギヤ等を有する通常の自動変速機に比して部品点数が少なく軽量化が図れ、しかも駆動系の伝達効率に優れる等の利点を有している。
【0004】
変速歯車列を切り換える切換機構は、各変速歯車列に対応して各々配置されている。例えば、第1速と第2速との間での変速歯車列を切り換える切換機構は、図6(a)に示すように出力軸101に回転自在に装着された第1速の変速歯車列を形成する従動歯車102と第2速の変速歯車列を形成する従動歯車103との間に配置されて出力軸101に固定されたシンクロハブ105と、このシンクロハブ105に常時噛み合うシンクロスリーブ106とを有し、かつ従動歯車102及び103に各々一体にスプライン102a、103が形成されたシンクロメッシュ機構によって構成されている。シンクロスリーブ106は、この外周に形成されたスリーブ溝106aに先端が係合するシフトフォーク107によって出力軸101の軸方向に沿って選択的に中立位置、第1速位置、第2速位置の3ポジションに移動する。
【0005】
図6(a)に示す中立位置では、シンクロスリーブ106はシンクロハブ105のみに噛み合った状態に維持され、従動歯車102、103は入力軸の回転駆動に伴って各々噛み合う駆動歯車によって常時回転駆動されるが、従動歯車102及び103は空転して出力軸101への動力伝達は行われない。
【0006】
図6(b)に示すように、シフトフォーク107によってシンクロスリーブ106を同図(a)に示す中立位置からシンクロハブ105と第1速の従動歯車102に形成されたスプライン102aとに噛み合う第1速位置に移動させると、従動歯車102と出力軸101の回転が同期して動力伝達する第1速に設定され、第1速の駆動歯車と従動歯車102の歯車諸元に従って変速して入力軸から出力軸101に動力伝達される。また、図6(c)に示すようにシフトフォーク107によってシンクロスリーブ106をシンクロハブ105と第2速の従動歯車103に形成されたスプライン103aとに噛み合う第2速位置に移動させると、従動歯車103と出力軸101の回転が同期して動力伝達する第2速に設定され、第2速の駆動歯車と従動歯車103の歯車諸元に従って変速して入力軸から出力軸101に動力伝達される。
【0007】
このシンクロスリーブ106の各移動は、アクセル開度、車速、エンジン回転数等の走行状態に基づいて予め設定されたプログラムに従って油圧アクチュエータによって選択的に行われる。
【0008】
このシンクロスリーブ106を移動させるシフトフォーク107は、その基端がシフトロッドに一体的に結合され、シフトロッドに連結するアクチュエータによって作動する。
【0009】
このアクチュエータは、例えば既存のMTをベースとしたAMTにおいては、選択された変速段に対応する切換機構を選択するセレクトアクチュエータと、この選択された切換機構を移動させるシフトアクチュエータとからなり、各々制御部(ECU)によって制御される制御弁によって作動させる。
【0010】
また、特開平6−201027号公報には、各切換機構に対応して、シリンダと、一端にこのシリンダに摺動自在に内装されるピストンが設けられると共に他端にシフトフォークが一体的に結合されたシフトロッドを有し、シリンダとピストンによって形成される油圧室に制御部からの指令に基づき油圧を供給することによってシフトロッドを作動させ、またシフトロッドを介して移動するシフトフォークによって切換機構を選択させるアクチュエータが開示されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述のような既存のMTをベースとしたAMTにおいては、シフトロッドとは別にセレクトアクチュエータとシフトアクチュエータとからなるアクチュエータを変速機のケースの外部に設けるため、構造が複雑であると共に、変速機全体の大型化を招き、かつ制御部からアクチュエータへの油圧配管がケースの外部に設けられることから、油圧配管に損傷等の異常が生じた場合に高圧の油圧が外部にリークすることが懸念される。
【0012】
また、特開平6−201027号公報によるアクチュエータは、シフトロッド、シフトフォーク、ピストン及びシリンダをユニット化することで変速機のケース内に収納できるものの、シフトフォークがシリンダから出没するシフトロッドの先端に結合されることから、シフトロッドがベアリング等の支持部材によって片持ち梁状に支持され、その支持力、即ちシフトロッドの支持剛性が低下する。この支持力を確保するためにシフトロッドの先端をシフトフォークより更に延長させて、その延長されたシフトロッドの部分を支持部材で支持することによりシフトロッドを両持ち梁状に支持すると、シフトロッドの延長に伴ってシフトロッドが長大化し、ひいては、変速機全体が大型化する。変速機の大型化に伴って、変速機の車体搭載性に影響を及ぼすと共に、車体重量が増加して燃費の増大が懸念される。
【0013】
従って、かかる点に鑑みなされた本発明の目的は、変速機全体の小型化及び軽量化が図られて優れた車体搭載性が得られる車両用変速機の変速切換機構を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する請求項1に記載の車両用変速機の変速切換機構の発明は、軸に回転自在に装着された歯車と、上記軸に固定されたシンクロハブと該シンクロハブに常時噛み合うシンクロスリーブと先端が上記シンクロスリーブと係合するシフトフォークとからなり上記歯車と上記軸との回転を同期させる切換機構と、該切換機構を作動させるアクチュエータとを備えた車両用変速機の変速切換機構において、上記アクチュエータは、上記軸と平行に延在し、一方の端部に第1ピストンが形成され他方の端部に第2ピストンが形成されると共に、上記第1ピストンと第2ピストンの間に上記シフトフォークの基端が結合されるシフトロッドと、上記シフトロッドの各端側に各々配置されて上記第1ピストン及び第2ピストンを各々摺動自在に内装する第1シリンダ及び第2シリンダとを有し、上記各ピストンとシリンダで形成される各油圧室に作動油を供給することにより上記切換機構を作動させることを特徴とする。
【0015】
請求項1の発明によると、シフトロッドの両端に第1ピストン及び第2ピストンを形成し、シフトロッドの第1ピストンと第2ピストンとの間にシフトフォークを結合すると共に、シフトロッドの各端部側に各々第1ピストン及び第2ピストンを各々摺動自在に内装する第1シリンダ及び第2シリンダを配置する構造にしたので、特段にシフトロッドひいてはアクチュエータをその軸方向に延長する必要なしにシフトロッドを第1シリンダ及び第2シリンダを介して両持ち梁状に支持することができてシフトロッドの支持剛性が得られ、変速機全体の小型化及び軽量化が得られて変速機の車体搭載性が期待できる。
【0016】
請求項2に記載の発明は、請求項1の車両用変速機の変速切換機構において、上記第1シリンダには、該第1シリンダに摺動自在に内装されると共に上記シフトロッドを摺動自在に内装し、上記第1シリンダ及び上記第1ピストンと協働して油圧室を形成するスリーブが設けられ、上記シフトロッドには、上記スリーブに内装する部位よりも第2ピストン側で上記スリーブと当接するストッパ部が形成され、上記第2ピストンの受圧面積が上記第1ピストンの受圧面積より大で、かつ上記第1ピストンの受圧面積と上記スリーブとの受圧面積との和が上記第2ピストンの受圧面積より大であって、上記第1ピストン側の油圧室及び上記第2ピストン側の油圧室に作動油を供給したときは、上記シフトロッドを中立位置に保持し、上記第2ピストン側の油圧室に作動油を供給したときは第1の位置に保持し、上記第1ピストン側の油圧室に作動油を供給したときには第2の位置に保持することを特徴とする。
【0017】
請求項2の発明によると、第1シリンダ及び第1ピストンと協働して油圧室を形成するスリーブを設け、第2ピストンの受圧面積を第1ピストンの受圧面積より大でかつ第1ピストンの受圧面積とスリーブとの受圧面積との和が第2ピストンの受圧面積より大に設定することで、2個のシリンダ、即ち各シリンダに油圧を供給する2つ油圧通路を介しての油圧供給による簡単な構成によってシフトロッドを第1の位置、第2の位置、中立位置の3つポジションに保持することができ、アクチュエータへ油圧を切換供給するための制御弁数の削減が期待できる。
【0018】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2の車両用変速機の変速切換機構において、上記アクチュエータを作動する作動油の制御弁は、上記変速機のケースに一体的に設けられ、該制御弁から上記アクチュエータの油圧室への油圧通路が上記ケース内に形成されていることを特徴とする。
【0019】
請求項3の発明によると、制御弁を変速機のケースと一体的に設けることで、油圧通路を変速機のケース内に設けることができ、従来のようにケースの外部に設けられていた制御弁とアクチュエータとを連通する油圧配管を廃止することが可能になり、油圧の外部へのリークを防止することができると共に、部品点数の削減が図れる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による車両用変速機の変速切換機構の実施の形態を図1乃至図5を参照して説明する。
【0021】
図1は、切換機構が配設される自動変速機の概要を示すスケルトン図である。
【0022】
この自動変速機は、図示しない変速機のケースであるトランスミッションケース内に収容され、エンジンのクランク軸にトルクコンバータ等を介して連結された入力軸1と、この入力軸1に対して平行に配置された出力軸2を有している。入力軸1にはエンジン側から順に第6速の駆動歯車16が回転自在に装着され、第1速及び第2速の駆動歯車11、12が一体に設けられ、第4速及び第5速の駆動歯車14、15が回転自在に装着され、更に第3速の駆動歯車13が一体に設けられている。
【0023】
一方、出力軸2には、駆動歯車16と常時噛み合う従動歯車26が一体に設けられ、駆動歯車11、12と噛み合う従動歯車21、22が回転自在に装着され、駆動歯車14、15と噛み合う従動歯車24、25が一体に設けられ、更に駆動歯車13に噛み合う従動歯車23が回転自在に装着されている。互いに噛み合う各々の駆動歯車と従動歯車とにより前進段の変速歯車列が形成される。複数の変速歯車列のうち動力伝達を行う変速歯車列が選択されると、その変速歯車列により第1速から第6速の変速段が形成される。
【0024】
更に、入力軸1には、後退用の駆動歯車17が一体に設けられ、出力軸2には後退用の従動歯車27が回転自在に装着され、駆動歯車17と従動歯車27は図示しないアイドラ軸に設けられたアイドラ歯車を介して常時噛み合うようになっている。
【0025】
入力軸1には、第6速の駆動歯車16、従動歯車26を介して入力軸1の動力を出力軸2に伝達するための第1のバイパスクラッチ18が設けられ、出力軸2には、第3速の駆動歯車13、従動歯車23を介して入力軸1からの動力を出力軸2に伝達するための第2のバイパスクラッチ28が設けられている。
【0026】
第1のバイパスクラッチ18は、入力軸1に固定されるクラッチハブ18aと、第6速の駆動歯車16に固定されたクラッチドラム18bとを有し、これらの間に複数のクラッチディスク19a、19bが交互に配置されて組み込まれ、図示しない油圧室に作動油を供給することによって互いのクラッチディスク19a、19bが圧接して締結し、油圧室の作動油をドレンすることによって締結が解かれる油圧式多板クラッチによって形成されている。この第1のバイパスクラッチ18が締結すると入力軸1と第6速の駆動歯車16とが連結され、締結を解除すると入力軸1と駆動歯車16との連結が解かれる。
【0027】
第2のバイパスクラッチ28は、出力軸2に固定されるクラッチハブ28aと、第3速の従動歯車23に固定されたクラッチドラム28bとを有し、これらの間に複数のクラッチディスク29a、29bが交互に配置されて組み込まれ、図示しない油圧室に作動油を供給することによって互いのクラッチディスク29a、29bが圧接して締結し、油圧室の作動油をドレンすることによって締結が解かれる油圧式多板クラッチによって形成されている。この出力クラッチ28が締結すると出力軸2と第3速の従動歯車23とが連結され、締結を解除すると出力軸2と従動歯車23との連結が解かれる。
【0028】
出力軸2には動力伝達する変速歯車列を第1速と第2速の変速歯車列の間で選択的に切り換える第1の切換機構31が設けられ、入力軸1には動力伝達を行う変速歯車列を第4速と第5速と変速歯車列の間で選択的に切り換える第2の切換機構41が設けられ、更に出力軸2には動力伝達する変速歯車列を後退段に選択的に切り換える第3の切換機構51が設けられている。
【0029】
第1の切換機構31は、第1速と第2速の従動歯車21と22の間に配置されて出力軸2に固定されたシンクロハブ32と、これに常時噛み合うシンクロスリーブ33と、シンクロスリーブ33の外周に形成された溝に先端が係合するシフトフォーク34を有し、シフトフォーク34によってシンクロスリーブ33をシンクロハブ32と従動歯車21に一体形成されたスプライン21aとに噛み合わせると従動歯車21と出力軸2の回転を同期して互いに動力伝達する第1速に設定され、シンクロハブ32と従動歯車22に一体形成されたスプライン22aとに噛み合わせると従動歯車22と出力軸2の回転が同期して互いに動力伝達する第2速に設定され、シンクロスリーブ33をシンクロハブ32にのみ噛み合わせた状態が中立位置である。
【0030】
第2の切換機構41は、第4速と第5速の駆動歯車14と15の間に配置されて入力軸1に固定されたシンクロハブ42と、これに常時噛み合うシンクロスリーブ43と、シンクロスリーブ43の外周に形成された溝に係合するシフトフォーク44を有し、シフトフォーク44によってシンクロスリーブ43をシンクロハブ42と駆動歯車14に一体形成されたスプライン14aとに噛み合わせると駆動歯車14と入力軸1の回転が同期して互いに動力伝達する第4速に設定され、シンクロハブ42と駆動歯車15に一体形成されたスプライン15aとに噛み合わせると駆動歯車15と入力軸1の回転が同期して互いに動力伝達する第5速に設定され、シンクロスリーブ43をシンクロハブ42にのみ噛み合わせた状態が中立位置である。
【0031】
第3の切換機構51は、後退段の従動歯車27の近傍に配置されて出力軸2に固定されたシンクロハブ52と、これに常時噛み合うシンクロスリーブ53とを有し、シフトフォーク54によってシンクロスリーブ53をシンクロハブ52と従動歯車27に一体形成されたスプライン27aとに噛み合わせると従動歯車27と出力軸2が動力伝達する後退段に設定され、シンクロスリーブ52をシンクロハブ52にのみ噛み合わせた状態が中立位置となる。
【0032】
図2は第1の切換機構31を作動するためのアクチュエータ35を模式的に示す説明図、図3及び図4はその作動を示す説明図である。
【0033】
アクチュエータ35は、出力軸2の延在方向と平行に対向してトランスミッションケース内に設けられた第1シリンダ36と、第2シリンダ37と、シフトロッド38及びスリーブ39を主要部としており、アクチュエータ35の両端部である第1シリンダ36と第2シリンダ37をベアリング等の支持部材によりトランスミッションケースに取り付け支持することにとって、アクチュエータ35を両持ち梁状に支持している。
【0034】
シフトロッド38は、その一端がスリーブ39に摺動自在に内装され、スリーブ39が第1シリンダ36に摺動自在に内装されて支持され、他端は第2シリンダ37に摺動可能に嵌合支持されている。また、シフトロッド38の中央部に先端がシフトスリーブ33の外周に凹設された環状の溝33aに係合するシフトフォーク34の基端が一体的に結合されている。このシフトロッド38をその軸線方向に移動することによって、シフトフォーク34を介してシンクロスリーブ33が図2に示すようにシンクロハブ32にのみ噛み合う中立位置と、図3に示すシンクロハブ32と第1速の従動歯車21に形成されたスプライン21aとに噛み合う第1の位置及び図4に示すシンクロハブ32と第2速の従動歯車22に形成されたスプライン22aとに噛み合う第2の位置に切り換えられる。
【0035】
シフトロッド38の第1シリンダ36側の端部には、第1ストッパ部38Aが設けられ、このストッパ部38Aから円柱状の第1ピストン38Bが同軸上に突設されている。一方、シフトロッド38の第2シリンダ37側には、この第2シリンダ37に摺動自在に内装される円柱状の第2ピストン38Cが形成されている。
【0036】
スリーブ39は、シフトロッド38に形成された第1ピストン38Bを摺動可能に内装する内孔39a及びシフトロッド38の端部に形成されて第1ストッパ部38Aが当接可能な係止部39bを有して第1シリンダ36に摺動自在に内装されている。
【0037】
第1シリンダ36は、該シリンダ36内に内装されたスリーブ39の移動端を規制する第1規制部36aと第2規制部36bが設けられている。スリーブ39の端部がこの第2規制部36bに当接して移動が規制された状態でかつ、シフトロッド38の第1ストッパ部38Aが係止部39bに当接することによって、図3に示すようにシンクロスリーブ33がシンクロハブ32と第1速の従動歯車21に形成されたスプライン21aとに噛み合う第1の位置である第1速の位置となる。また、スリーブ39が第1規制部36aに当接して移動が規制された状態でかつ、シフトロッド38の第1ストッパ部38Aが係止部39bに当接することによって、図2に示すようにシンクロスリーブ33がシンクロハブ32にのみ噛み合う中立位置となる。
【0038】
第2シリンダ37は、シフトロッド38に形成された第2ピストン38Cが摺動可能に内装されると共に、第2シリンダ37に第2ピストン38Cの第2ストッパ部となる頂端面38cの当接によってシフトロッド38の移動端を規制する第3規制部37aが形成されている。この第3規制部37aに当接して移動が規制された状態では、図4に示すようにシンクロスリーブ33がシンクロハブ32と第2速の従動歯車22に形成されたスプライン22aとに噛み合う第2の位置である第2速の位置となる。
【0039】
ここで、シフトロッド38の第1ピストン38Bの頂端面38bによって形成される受圧面積S1と、第2ピストン38Cの頂端面38cによって形成される受圧面積S2と、スリーブ39の端面39cによって形成される受圧面積S3とは、S1<S2<S1+S3に設定されている。
【0040】
なお、第2の切換機構41及び第3切換機構51に設けられるアクチュエータ45及び55は、第1の切換機構31のアクチュエータ35と同一構成によって構成されることから図5に示す油圧回路を示すブロック図の対応する部分に同一符号を付することで詳細な説明を省略する。ただし、第3切換機構51を作動するためのアクチュエータ55については、後退段のみを選択的に切り換える2ポジションアクチュエータでよいので、スリーブ39を設ける必要はなく、シフトロッド38の両端にピストンを形成すると共に、両端にこれらピストンを摺動自在に内装するシリンダを設ける簡単な構造でよい。
【0041】
図5は、自動変速機の作動制御手段を構成する油圧回路を示すブロック図である。図5に示すように第1のバイパスクラッチ18、第2のバイパスクラッチ28及び切換機構31、41、51のアクチュエータ35、45、55を駆動する作動油は、エンジン等によって駆動されるオイルポンプ61によって供給される。即ち第1のバイパスクラッチ18の油圧室には油圧通路62を介して供給され、第2のバイパスクラッチ28の油圧室には油圧通路63を介して供給される。また、アクチュエータ35の第1シリンダ36及び第2シリンダ37には各々油圧通路64及び65を介して、アクチュエータ45の第1シリンダ36及び第2シリンダ37には各々油圧通路66及び67を介して、アクチュエータ55の第1シリンダ36及び第2シリンダ37には各々油圧通路68及び69を介して供給される。各油圧通路62〜69には各々電磁弁等によって構成された制御弁V1〜V8が配設されている。また、各制御弁V1〜V8はトランスミッションケースと一体的にトランスミッションケース内部に設けられ、オイルポンプ61もトランスミッションケース内部に設けられている。各油圧通路62〜69はトランスミッションケースを穿設することによってトランスミッションケース内に形成されている。
【0042】
各制御弁V1〜V8は、予め設定されたプログラムに基づく制御ユニット70からの制御信号によって制御される。即ち、制御ユニット70は各種のセンサにより検出されたエンジン回転数、車速、アクセル開度等の検出データから車両の運転状況を検出し、各制御弁V1〜V8に制御信号を送り、第1のバイパスクラッチ18、第2のバイパスクラッチ28、第1の切換機構31、第2の切換機構41、第3の切換機構51を作動制御する。
【0043】
制御弁V1を開くと、第1のバイパスクラッチ18の油圧室に油圧通路62から作動油が供給されて第1のバイパスクラッチ18が締結して入力軸1と第6速の駆動歯車16が連結され、制御弁V1を閉じると油圧室の作動油がドレンして第1のバイパスクラッチ18の締結が解除されて入力軸1と駆動歯車16との連結が解かれる。
【0044】
制御弁V2を開くと、第2のバイパスクラッチ28の油圧室に油圧通路63から作動油が供給されて第2のバイパスクラッチ28が締結して出力軸2と第3速の従動歯車23が連結され、制御弁V2を閉じると油圧室の作動油がドレンして第2のバイパスクラッチ28の締結が解除されて出力軸2と従動歯車26との連結が解かれる。
【0045】
制御弁V3と制御弁V4を共に開いて第1の切換機構31のアクチュエータ35の第1シリンダ36及び第2シリンダ37に各々油圧通路64、65から油圧Pの作動油を供給すると、第1シリンダ36に供給された油圧Pによりスリーブ39の端面39cには受圧面積S3×Pの押圧力が第1シリンダ36側から第2シリンダ37方向に作用し、第1ピストン38Bの頂端面38bには受圧面積S1×Pの押圧力が第1シリンダ36側から第2シリンダ37方向に作用する。一方、第2シリンダ37に供給される油圧Pにより第2ピストン38Cの頂端面38cには受圧面積S2×Pの押圧力が作用する。
【0046】
ここで、各受圧面積は、S1<S2<(S1+S3)であることから、図2に示すようにスリーブ39は第1規制部36aに圧接した状態に維持されると共に、シフトロッド38が中立位置に保持される。この状態ではシフトロッド38に設けられたシフトフォーク34によってシンクロスリーブ33が図2に示すようにシンクロハブ32にのみ噛み合った中立位置に保持される。
【0047】
一方、制御弁V3を閉じて第1シリンダ36内の作動油をドレンさせ、かつ制御弁V4を開いて第2シリンダ37側のみに給油ポート65から作動油を供給すると、シフトロッド38の第2ピストン38Cの頂端面38cに第2シリンダ37側から第1シリンダ36側にS2×Pの押圧力が作用する。この押圧力によってシフトロッド38が第2シリンダ37側から第1シリンダ36方向に押動されて、スリーブ39が第2規制部36bに当接し、かつシフトロッド38の第1ストッパ部38Aがスリーブ39の係止部39bに圧接するまで移動し、図3に示すようにシフトロッド38が第1速の位置に保持される。この状態ではシフトロッド38に設けられたシフトフォーク34によってシンクロスリーブ33がシンクロハブ32と第1速の従動歯車21に形成されたスプライン21aとに噛み合う第1速に維持される。
【0048】
また、制御弁V4を閉じて第2シリンダ37内の作動油をドレンさせ、かつ制御弁V3を開いて第1シリンダ36側にのみ油圧通路64から供給すると、スリーブ39の端面39cにS3×Pの押圧力が作用し、かつ第1ピストン38Bの頂端面38bにS2×Pの押圧力が作用して、この押圧力によってスリーブ39が第1規制部36aに当接し、かつシフトロッド38の第2ピストン38Cの頂端面38cが第2シリンダ37に形成された第3規制部37aに当接するまで移動し、図4に示すようにシフトロッド38が第2速の位置に保持される。この状態ではシフトロッド38の設けられたシフトフォーク34によってシンクロスリーブ33が、シンクロハブ32と第2速の従動歯車22に形成されたスプライン22aとに噛み合う第2速に維持される。
【0049】
即ち、制御弁V3と制御弁V4を共に開いてアクチュエータ35の第1シリンダ36及び第2シリンダ37に各々油圧通路64、65から作動油を供給すると、アクチュエータ35によってシンクロスリーブ33がシンクロハブ32にのみ噛み合った中立位置に保持される。制御弁V3を閉じて第1シリンダ36の作動油をドレンさせ、かつ制御弁V4を開いて第2シリンダ37に油圧通路65から作動油を供給すると、アクチュエータ35によってシンクロスリーブ33がシンクロハブ32と第1速の従動歯車21に形成されたスプライン21aとに噛み合う第1速の位置に移動して該位置に維持される。制御弁V4を閉じて第2シリンダ37の作動油をドレンさせ、かつ制御弁V3を開いて第1シリンダ36に油圧通路64から作動油を供給すると、アクチュエータ35によってシンクロスリーブ33がシンクロハブ32と第2速の従動歯車22のスプライン22aとに噛み合う第2速の位置に移動して該位置に維持される。
【0050】
従って、走行状態等に応じて制御ユニット70からの作動信号により制御弁V3と制御弁V4を適宜制御することによって、シンクロスリーブ33がシンクロハブ32にのみ噛み合った中立位置と、シンクロスリーブ33がシンクロハブ32とスプライン21aとに噛み合った第1速の位置と、シンクロスリーブ33がシンクロハブ32とスプライン22aとに噛み合った第2速の位置に切り換えられる。
【0051】
詳細な説明を省略するが、同様に第2の切換機構41においても、制御弁V5と制御弁V6を共に開くと、アクチュエータ45の第1シリンダ36及び第2シリンダ37に各々油圧通路66、67から作動油を供給されてアクチュエータ45によってシンクロスリーブ43がシンクロハブ42にのみ噛み合った中立位置に保持される。制御弁V5を閉じ、かつ制御弁V6を開いて油圧通路67から作動油を供給することによって、アクチュエータ45によってシンクロスリーブ43がシンクロハブ42と駆動歯車14のスプライン14aとに噛み合う第4速に移動して保持される。また、制御弁V6を閉じ、かつ制御弁V5を開いて油圧通路66から供給することによって、アクチュエータ45によってシンクロスリーブ43がシンクロハブ42と駆動歯車15のスプライン15aとに噛み合う第5速に移動して保持される。
【0052】
また、第3の切換機構51においては、制御弁V7と制御弁V8を共に開くと、アクチュエータ55の第1シリンダ36及び第2シリンダ37に各々油圧通路68、69から作動油を供給されてアクチュエータ55によってシンクロスリーブ53がシンクロハブ52にのみ噛み合った中立位置に保持される。制御弁V7を開き、制御弁V8を閉じて油圧通路68から作動油を供給することによって、アクチュエータ55によってシンクロスリーブ53がシンクロハブ52と従動歯車27のスプライン27aとに噛み合う後退段に移動して保持される。
【0053】
次に、このように構成された自動変速機の作用について説明する。ニュートラル時には、制御弁V1、V2が閉じられて第1のバイパスクラッチ18及び第2のバイパスクラッチ28は共に締結解除状態で、かつ各制御弁V3〜V8が開いて各切換機構31、41、51の各シンクロスリーブ33、43、53が中立位置に維持されている。従って、入力軸1から出力軸2へ動力伝達することなく、これ以降の動力伝動は行われない。
【0054】
ニュートラルから第1速への変速時には、アクセル開度、エンジン回転数等の状態を検知し、予め設定されたプログラムに基づいて、制御弁V3を閉じて油圧通路65からのみアクチュエータ35に作動油を供給して第1の切換機構31のシンクロスリーブ33をシンクロハブ32とスプライン21aと噛み合う第1速の位置に移動して、駆動歯車11と従動歯車21の歯車諸元に従って減速して出力軸2に伝動される。
【0055】
第1速から第2速へのアップシフトは、予め設定されたプログラムに基づいて、制御弁V3を開きかつ制御弁V4を閉じて油圧通路64からアクチュエータ35に作動油を供給して、第1の切換機構31のシンクロスリーブ33をスプライン21aに噛み合う第1速の位置から中立位置を経てシンクロハブ32と第2速の従動歯車22に形成されたスプライン22aとに噛み合う第2速の位置に移動させることによって行われる。
【0056】
この第1速から第2速へのアップシフト時には、制御弁V1を所定時間開き油圧通路63から第2のバイパスクラッチ28の油圧室に作動油を供給して第2のバイパスクラッチ28を所定時間締結し、第3速の変速歯車列によって所定時間動力伝達する。この第3速の変速歯車列による動力伝達状態では、第1の切換機構31のシンクロスリーブ33はスプライン21aから容易に移動でき、かつシンクロスリーブ33がスプライン22aと噛み合うことになるのでシンクロスリーブ33に過大な負荷が付与されることなく円滑にアップシフトが行われる。しかも、シンクロスリーブ33が中立位置になるときは、入力軸1から第3速の変速歯車列及び第2のバイパスクラッチ28を経て出力軸2に動力伝達されるので、第1速から第2速へのアップシフト時の動力伝達の落ち込みの発生が低減されて変速ショックが抑制することができる。
【0057】
第2速から第3速へのアップシフトは、制御弁V2を開き、油圧通路63から油圧室に作動油を供給して第2のバイパスクラッチ28を締結し、かつ制御弁V4を開いてアクチュエータ35に油圧通路64及び65から共に供給して第1の切換機構31のシンクロスリーブ33をスプライン22aに噛み合う第2速の位置から中立位置に移動することによって行われる。
【0058】
このアップシフトは、第3速の変速歯車列及び第2バイパスクラッチ28の締結による入力軸1から出力軸2への伝動状態でシンクロスリーブ33を第2速の位置から中立位置に移動させることにより、シンクロスリーブ33に過大な負荷が付与されることなく円滑にアップシフトが行われ、かつ第2速から第3速へのアップシフト時の動力伝達の落ち込みの発生を低減することができる。
【0059】
第3速から第4速へのアップシフトは、制御弁V5を閉じて油圧通路67からのみアクチュエータ45に作動油を供給して第2の切換機構41のシンクロスリーブ43の中立位置からスプライン14aに噛み合う第4速の位置に移動し、制御弁V2を閉じて第2のバイパスクラッチ18の締結を解除することによって行われる。
【0060】
第4速から第5速へのアップシフトは、制御弁V5を開き、かつ制御弁V6を閉じてアクチュエータ45に油圧通路66からのみ作動油を供給して第2の切換機構41のシンクロスリーブ43を第4速の位置から中立位置を経て第5速の駆動歯車15に形成されたスプライン15aに噛み合う第5速の位置に移動する。
【0061】
この第4速から第5速へのアップシフト時には、制御弁V1を所定時間開いて第1のバイパスクラッチ18を所定時間締結し、第6速の変速歯車列によって所定時間動力伝達する。この第6速の変速歯車列による動力伝達状態では、第2の切換機構41のシンクロスリーブ43はスプライン14aから容易に移動でき、かつシンクロスリーブ43がスプライン15aと噛み合うことになるのでシンクロスリーブ43に過大な負荷が付与されることなく円滑にアップシフトが行われ、かつ動力伝達の落ち込みの発生が低減されて変速ショックを抑制することができる。
【0062】
第5速から第6速へのアップシフトは、制御弁V1を開いて油圧通路62から油圧室に作動油を供給して第1のバイパスクラッチ18を締結し、制御弁V6を開きアクチュエータ45に油圧通路66と67から作動油を供給して第2の切換機構41のシンクロスリーブ43をスプライン15aに噛み合う第5速の位置から中立位置に移動することによって行われる。このアップシフトは、第1のバイパスクラッチ18の締結により第6速の変速歯車列による入力軸1から出力軸2への伝動状態でシンクロスリーブ43を第5速の位置から中立位置に移動させることにより、シンクロスリーブ43に過大な負荷が付与されることなく円滑にアップシフトが行われる。
【0063】
また、ダウンシフトは、走行状態を各種のセンサで検出し、予め設定されたプログラムに従って制御弁V1〜V6の開閉によって、第1のバイパスクラッチ18及び第2のバイパスクラッチ28を所定時間だけ締結或いは解放すると共に第1の切換機構31、第2の切換機構41を適宜作動することにより行われる。
【0064】
更に、ニュートラルから後退段へは、制御弁V8を閉じてアクチュエータ55に油圧通路68からのみ作動油を供給して第3の切換機構51のシンクロスリーブ53をシンクロハブ52と従動歯車27に形成されたスプライン27aと噛み合う後退位置に移動することによって、また制御弁V8を開いて油圧通路68及び69からアクチュエータ55に作動油を供給することによって、シンクロスリーブ53を中立位置に移動することによってニュートラルとなる。
【0065】
従って、本実施の形態によると、各切換機構31、41、51の各アクチュエータ35、45、55は、入力軸1及び出力軸2と平行に配置されたシフトロッド38の両端に、トランスミッションケースに支持された第1シリンダ36及び第2シリンダ37に摺動自在に内装される第1ピストン38B及び第2ピストン38Cを形成し、第1ピストン38Bと第2ピストン38Cとの間においてシフトロッド38にシフトフォーク34、44、54の基端を結合する構造にしたので、シフトロッド38が両持ち梁状に支持されてシフトロッド38の支持力が確保されると共にシフトロッド38の長大化が抑制されてアクチュエータ31、41、51の全長の増大が回避でき、トランスミッションケースを大型化する必要がなく、変速機全体を小型化及び軽量化することができる。
【0066】
即ち、従来のアクチュエータはシフトロッドの一端にシフトフォークを結合し、他端側にピストン及びこのピストンを摺動自在に内装するシリンダが配置していたので、アクチュエータは支持部材により片持ち梁状にトランスミッションケースに支持されることになり、従ってシフトロッドの支持力が低下してしまう。また、シフトロッドの先端をシフトフォークより更に延長し、その延長した部位を支持部材によって支持することによってアクチュエータを両持ち梁状に支持することで支持力を確保することはできるが、シフトロッドを延長した分だけアクチュエータの全長が増大して変速機全体が大型化してしまう。これに対し本実施の形態の各アクチュエータ35、45、55は、ピストン及びシリンダをシフトロッドの一端側にのみ配置するのではなく、シフトロッド38の各端に各々第1ピストン38B及び第2ピストン38Cを形成し、トランスミッションケースに支持部材を介して第1ピストン38B、第2ピストン38Cを摺動自在に内装する第1シリンダ36及び第2シリンダ37を配置することにより、換言すると従来のシリンダを2分割してシフトロッドの両側に配置し、シフトフォーク34、44、54をその間に結合したので、アクチュエータ35、45、55を支持部材で両持ち梁状にトランスミッションケースに支持することができるにもかかわらず、シフトロッド38を延長する必要がなくアクチュエータ35、45、55の全長が抑制されてトランスミッションケースの長大化が回避でき、変速機全体を小型及び軽量化することができる。
【0067】
また、アクチュエータの第1シリンダ36には、この第1シリンダ36に摺動自在に内装されると共にシフトロッド38を摺動自在に内装し、第1シリンダ36と第1ピストン38Bと協働して油圧室を形成するスリーブ39を設け、シフトロッド39には、スリーブ39に内装する部位よりも第2ピストン38C側でスリーブ39と当接するストッパ部が形成され、第2ピストン38Cの受圧面積が第1ピストン38Bの受圧面積より大で、かつ第1ピストン38Bの受圧面積とスリーブ39との受圧面積との和が第2ピストン38Cの受圧面積より大であって、第1ピストン38B側の油圧室及び第2ピストン38C側の油圧室に作動油を供給したときは、シフトロッド38を中立位置に保持し、第2ピストン38C側の油圧室に作動油を供給したときは第1の位置に保持し、第1ピストン38B側の油圧室に作動油を供給したときには第2の位置に保持するようにしたので、シフトロッド38を第1の位置、第2の位置、中立位置の3つポジションに保持することが2つの油圧通路で実現でき、油圧制御弁の数を削減することが可能になり、構造の簡素化が得られる。
【0068】
更に、制御弁を変速機のケースと一体的に設けることで、油圧通路を変速機のケース内に設けることができ、従来のケースの外部に設けられていた制御弁とアクチュエータとを連通する油圧配管を廃止することが可能になり、油圧のリークを防止することができると共に、部品点数の削減が図れる。
【0069】
【発明の効果】
以上説明した本発明の車両用変速機の変速切換機構によると、シフトロッドの両端に第1ピストン及び第2ピストンを形成し、第1ピストン及び第2ピストンを各々摺動自在に内装する第1シリンダ及び第2シリンダを配設すると共に、シフトロッドの第1ピストンと第2ピストンとの間にシフトフォークを結合する構造にしたので、アクチュエータの小型化が可能になり変速機のケースを大型化することなく、変速機全体の小型化及び軽量化が図られて優れた車体搭載性が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による変速切換機構が配設される自動変速機の概要を示すスケルトン図である。
【図2】アクチュエータを模式的に示す説明図である。
【図3】アクチュエータの作動を示す説明図である。
【図4】アクチュエータの作動を示す説明図である。
【図5】油圧回路を示すブロック図である
【図6】従来の変速切換機構の概要を示す説明図であり、(a)は中立位置、(b)は第1速位置、(c)は第2速位置の状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1    入力軸(軸)
2    出力軸(軸)
11、12、13、14、15、16、17   駆動歯車(歯車)
11a、12a、14a、15a、17a    スプライン
18    第1のバイパスクラッチ
21、22、23、24、25、26、27   従動歯車(歯車)
21a、22a、24a、25a、27a    スプライン
28    第2のバイパスクラッチ
31    第1の切換機構
32    シンクロハブ
33    シンクロスリーブ
34    シフトフォーク
35    アクチュエータ
36    第1シリンダ
37    第2シリンダ
38    シフトロッド
38A   第1ストッパ部
38B   第1ピストン
38b   頂端面
38C   第2ピストン
38c   頂端面(第2ストッパ部)
39    スリーブ
39b   係止部
36a   第1規制部
36ba  第2規制部
41    第2の切換機構
42    シンクロハブ
43    シンクロスリーブ
44    シフトフォーク
45    アクチュエータ
51    第3の切換機構
52    シンクロハブ
53    シンクロスリーブ
54    シフトフォーク
55    アクチュエータ
61    オイルポンプ
62、63、64、65、66、67、68、69  油圧通路
70    制御ユニット
71    表示装置
V1、V2、V3、V4、V5、V6、V7、V8  制御弁

Claims (3)

  1. 軸に回転自在に装着された歯車と、上記軸に固定されたシンクロハブと該シンクロハブに常時噛み合うシンクロスリーブと先端が上記シンクロスリーブと係合するシフトフォークとからなり上記歯車と上記軸との回転を同期させる切換機構と、該切換機構を作動させるアクチュエータとを備えた車両用変速機の変速切換機構において、
    上記アクチュエータは、
    上記軸と平行に延在し、一方の端部に第1ピストンが形成され他方の端部に第2ピストンが形成されると共に、上記第1ピストンと第2ピストンの間に上記シフトフォークの基端が結合されるシフトロッドと、
    上記シフトロッドの各端側に各々配置されて上記第1ピストン及び第2ピストンを各々摺動自在に内装する第1シリンダ及び第2シリンダとを有し、
    上記各ピストンとシリンダで形成される各油圧室に作動油を供給することにより上記切換機構を作動させることを特徴とする車両用変速機の変速切換機構。
  2. 上記第1シリンダには、該第1シリンダに摺動自在に内装されると共に上記シフトロッドを摺動自在に内装し、上記第1シリンダ及び上記第1ピストンと協働して油圧室を形成するスリーブが設けられ、
    上記シフトロッドには、上記スリーブに内装する部位よりも第2ピストン側で上記スリーブと当接するストッパ部が形成され、
    上記第2ピストンの受圧面積が上記第1ピストンの受圧面積より大で、かつ上記第1ピストンの受圧面積と上記スリーブとの受圧面積との和が上記第2ピストンの受圧面積より大であって、
    上記第1ピストン側の油圧室及び上記第2ピストン側の油圧室に作動油を供給したときは、上記シフトロッドを中立位置に保持し、上記第2ピストン側の油圧室に作動油を供給したときは第1の位置に保持し、上記第1ピストン側の油圧室に作動油を供給したときには第2の位置に保持することを特徴とする請求項1に記載の車両用変速機の変速切換機構。
  3. 上記アクチュエータを作動する作動油の制御弁は、上記変速機のケースに一体的に設けられ、該制御弁から上記アクチュエータの油圧室への油圧通路が上記ケース内に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用変速機の変速切換機構。
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