JP4930466B2 - 非水電解質二次電池用正極活物質および非水電解質二次電池 - Google Patents

非水電解質二次電池用正極活物質および非水電解質二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、非水電解質二次電池用正極活物質およびその正極活物質を正極板に用いた非水電解質二次電池に関するものである。
近年、民生用電子機器のポータブル化、コードレス化が急速に進んでおり、これらの駆動用電源を担う小型・軽量で、高エネルギー密度を有する二次電池への要望も高まっている。このような観点から、非水系二次電池、特にリチウム二次電池は、とりわけ高電圧・高エネルギー密度を有する電池としてその期待は大きく、開発が急がれている。
これらリチウム含有複合酸化物の中で、資源が豊富でかつ安価であるという理由からマンガンを使用したLiMnが近年注目されている。LiMnは4V付近と2.8V付近の2段の放電電位を持っており、4V付近のプラトーな放電領域を使用し、4.5〜3.0Vの電圧範囲で充放電を繰り返すことで高電位、高エネルギー密度を達成することができる。このリチウム複合マンガン酸化物の主な製造方法としては、マンガン化合物とリチウム化合物を所定のモル比となるように混合した後、熱処理し合成する方法が一般的である。例えば、水酸化リチウムと酸化マンガンを混合した混合物を粉砕した後、焼成することにより両者の反応を短時間で、均一に進行させる方法(特許文献1参照)、500℃以下の温度で第1の熱処理をおこなった後に、500℃以上850℃以下の温度で第2の熱処理をおこなうことでより組成が均一なスピネル構造を得る方法(特許文献2参照)、200℃以上500℃未満で熱処理をした後、500℃以上850℃以下で再度熱処理をおこなうことで高容量なリチウムマンガン酸化物を得る方法(特許文献3参照)などがある。
特開平6−76824号公報 特開平8−217452号公報 特開平9−86933号公報
これらリチウム複合マンガン酸化物を合成する出発物質として、リチウム化合物とマンガン化合物が用いられるが、この出発物質として用いられるマンガン化合物は、多くの場合、酸性浴中に溶解しているマンガン塩を電気分解により電極表面上に析出させて得た二酸化マンガン、いわゆる電解二酸化マンガンである。この電解二酸化マンガンの特徴としては電解析出により造られるため、密度が高く緻密なものである。また、ブロック状のものを所定の粒度に粉砕するため形状はごつごつした塊状になる。このため、電解二酸化マンガンを出発物質として合成したリチウム複合マンガン酸化物も、同様の密度が高く緻密な性状となり、これを正極活物質として用いた電池は、密度が高いため初期容量は高いが、緻密であるため保液性が低く、また充放電に伴う膨張収縮に弱いという理由から、充放電サイクル特性の悪い電池となる課題を有していた。
本発明はこれらの課題を解決するものであり、初期容量が高く、かつ充放電サイクル特性も良好な非水電解質二次電池用正極活物質および非水電解質二次電池を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明の非水電解質二次電池用正極活物質は、リチウム複合マンガン酸化物粒子が電解法により合成された電解二酸化マンガンからなる高密度な中心部と、四三酸化マンガン、三二酸化マンガン、炭酸マンガンあるいはオキシ水酸化マンガンからなる群のうち少なくとも一つである化学合成法により合成されたマンガン化合物を被覆してなる、中心部より低密度な表面層により構成されたものを炭酸リチウムと焼成し、リチウム複合マンガン酸化物とするものであり、粒子の内側は緻密で高密度であるため初期容量が高く、粒子の外側は低密度で保液性が良く、充放電に伴う膨張収縮に強い非水電解質二次電池用正極活物質となる。
また、本発明の非水電解質二次電池は、上記非水電解質二次電池用正極活物質からなる正極板と、負極板と、非水電解質とを含むものである。
以上のように本発明によれば、電解法により合成された電解二酸化マンガンからなる高密度な中心部と、四三酸化マンガン、三二酸化マンガン、炭酸マンガンあるいはオキシ水酸化マンガンからなる群のうち少なくとも一つである化学合成法により合成されたマンガン化合物を被覆してなる、中心部よりも低密度な表面層からなる粒子を炭酸リチウムと焼成し、リチウム複合マンガン酸化物を形成することにより、初期容量、充放電サイクル特性ともに優れた非水電解質二次電池用正極活物質および非水電解質二次電池を得ることができる
本発明は、リチウム複合マンガン酸化物粒子が、電解法により合成された電解二酸化マンガンからなる高密度な中心部と、化学合成法により合成されたマンガン化合物を被覆してなる、中心部よりも低密度な表面層により構成されることを特徴とした非水電解質二次電池用正極活物質である。
また、本発明は、上記非水電解質二次電池用正極活物質からなる正極板と、負極板と、非水電解質とを含む非水電解質二次電池である。
電解二酸化マンガンは、酸性浴中に溶解しているマンガン塩を電気分解により電極表面上に析出させることにより合成される。この電解二酸化マンガンの特徴としては、電解析出により造られるため、密度が高く緻密なものとなる。また、ブロック状のものを所定の粒度に粉砕するため、二次粒子の形状はごつごつした塊状になる。このため、電解二酸化マンガンを出発物質として合成したリチウム複合マンガン酸化物も同様の性状となり、これを正極活物質として用いた電池は、密度が高いため体積当たりの初期容量は高いが、緻密であるため保液性が低く、また、充放電に伴う膨張収縮に弱いという理由から、充放電サイクル特性の悪い電池となる。
この電解析出によりマンガン化合物を生成する方法に対し、化学合成によりマンガン化合物を生成する方法がある。この化学合成によるマンガン化合物の合成方法は、硫酸マンガン、硝酸マンガン、酢酸マンガンをはじめとするマンガンの酸性水溶液中に、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ水溶液を添加し、沈殿物としてマンガン化合物を得るものである。この時、反応条件を調節することにより生成するマンガン化合物の物性、例えば粒径、比表面積、密度、結晶性などを制御することができる。例えば、反応槽のpH、反応時間などを調節することにより粒径が制御でき、pHを低くし、反応時間を長くするほど粒径は大きくなる。
化学合成によるマンガン化合物の典型的な合成法を以下に述べる。まず、硫酸マンガンの水溶液に炭酸アンモニウムの水溶液を添加し、炭酸マンガンを沈殿物として得る。この炭酸マンガンに酸化などの処理を行うことにより、様々なマンガン化合物を合成することができる。例えば、炭酸マンガンを300℃以上で加熱することによりMnOに、さらに高温で加熱することによりMn,Mnを生成することができる。
これらの化学合成法による化合物は液相で目的とする粒度に合成されるため、粉砕の必
要がなく、二次粒子は球状に近い形状を有し、密度が低く多孔質なものとなる。このため、化学合成法により合成されたマンガン化合物を出発物質として合成したリチウム複合マンガン酸化物も同様の性状となり、これを正極活物質として用いた電池は、密度が低く多孔質であるため保液性が高く、また、充放電に伴う膨張収縮に強いという理由から、充放電サイクル特性は良好であるが、密度が低いため体積当たりの初期容量が悪い電池となる。
この問題に対し、本発明では正極活物質であるリチウム複合マンガン酸化物粒子が、高密度な中心部と中心部よりも低密度な表面層により構成されるものであり、出発物質として高密度な中心部と中心部よりも低密度な表面層からなるマンガン化合物を用いて合成することにより、同様の性状のリチウム複合マンガン酸化物を得るものである。
高密度な中心部と中心部よりも低密度な表面層からなるマンガン化合物は以下のように合成することができる。硫酸マンガン、硝酸マンガン、酢酸マンガンをはじめとするマンガンの酸性水溶液中に、電解二酸化マンガンのように高密度なマンガン化合物を懸濁させる。この懸濁液中に、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ水溶液を添加することにより、電解二酸化マンガンの表面を化学合成によるマンガン化合物で被覆することができる。
これを原材料として、リチウム化合物と混合、加熱し合成したリチウム複合マンガン酸化物を正極活物質として用いた電池は、中心部は密度が高く緻密であるため、体積当たりの初期容量が高くなり、また、表面層は中心部より低密度であるため保液性が高く、充放電に伴う膨張収縮に強いため、充放電サイクル特性が良好になる。
中心部の高密度なマンガン化合物としては電解二酸化マンガンが好ましく、これは密度が高く緻密であり、二次粒子の形状はごつごつした塊状をしている。
また、化学合成法により合成されるマンガン化合物としては、化学合成二酸化マンガンをはじめとして、三二酸化マンガン(Mn)、四三酸化マンガン(Mn)、炭酸マンガン(MnCO)、オキシ水酸化マンガン(MnOOH)などが好ましい。これらは前記のように球状に近い二次粒子の形状を有し、密度が低く多孔質なものである。
また、高密度なマンガン化合物と化学合成法により合成されたマンガン化合物の割合が、マンガンの原子モル比で30:70〜95:5とするのが好ましい。これは電解法により得られたマンガン化合物の割合を30%以上とすることで、活物質の密度が高くなり、電池の初期容量を大きなものとすることができる。また、化学合成法により合成されたマンガン化合物の割合を5%以上とすることで活物質の保液性が高く、充放電による膨張収縮に強くなり、充放電サイクル特性を向上することができるためである。さらに、高密度なマンガン化合物と化学合成法により合成されたマンガン化合物の割合がマンガンの原子モル比で70:30から95:5の場合、初期容量と充放電サイクル特性ともにより良好な値を示す。
このような高密度な中心部と中心部よりも低密度な表面層により構成される二酸化マンガンは、高密度な中心部の密度に対し表面層の密度が0.75〜0.9であるのが電池特性の面から好ましく、例えば、中心部がタップ密度で約2.0g/ccの二酸化マンガンを用いた時、表面層の二酸化マンガンのタップ密度は1.3〜1.8g/ccであるのが好ましい。
(実施の形態1)
化学合成二酸化マンガンを表面層として被覆した電解二酸化マンガンの製造方法につい
て説明する。マンガン塩水溶液として、マンガン量が60g/L相当の硫酸マンガン水溶液を入れ、40℃に制御した10Lの反応槽に電解二酸化マンガンを混濁させる。この反応槽内を十分に撹拌しながら、炭酸アンモニウム水溶液を注入し、電解二酸化マンガン表面に炭酸マンガンを析出させる。電解二酸化マンガンに対する炭酸マンガンの比率は反応時間により制御できる。反応終了後、炭酸マンガンを表面層として被覆した電解二酸化マンガンを水中で水洗、濾過を行う。さらに空気中300℃で加熱を行うことにより表面層の炭酸マンガンを二酸化マンガンに変化させる。
このように作製した化学合成二酸化マンガンを表面層として被覆した二酸化マンガンと炭酸リチウムを混合し、電気炉中に静置し、空気雰囲気下で2時間で850℃まで昇温した後、850℃で10時間保持することによりリチウム複合マンガン酸化物(LiMn)を得る。
以下、本発明の一実施例について図面を参照しながら説明する。
本実施例のリチウム複合マンガン酸化物の合成法について説明する。
中心部の電解二酸化マンガン(MnO)の表面に化学合成二酸化マンガン(MnO)を被覆したマンガン化合物は下記の方法により得た。
マンガン塩水溶液として、マンガン量が60g/L相当の硫酸マンガン水溶液を入れ、40℃に制御した10Lの反応槽にタップ密度約2.0g/ccの電解二酸化マンガンを混濁させる。この反応槽内を十分に撹拌しながら、炭酸アンモニウム水溶液を注入し、電解二酸化マンガン表面に化学合成二酸化マンガンのタップ密度が約1.5g/ccとなるよう調整し、炭酸マンガンを析出させた。電解二酸化マンガンに対する炭酸マンガンの比率は反応時間により制御した。反応終了後、炭酸マンガンを表面層として被覆した電解二酸化マンガンを水中で水洗、濾過を行う。さらに空気中300℃で加熱を行うことにより表面層の炭酸マンガンを二酸化マンガンに変化させた。
このようにして得られた中心部の電解二酸化マンガンの表面に化学合成二酸化マンガンを被覆したマンガン化合物と炭酸リチウム(LiCO)をMnとLiとの原子モル比が1:0.5になるように混合した。この混合物をアルミナ製容器に入れ電気炉中に静置し、送風10l/minの空気雰囲気下で、2時間で850℃まで昇温した後、850℃で10時間保持することによりLiMnを合成した。この時電解二酸化マンガンと化学合成二酸化マンガンの比率はマンガンの原子モル比で(表1)に示した割合とした。得られたLiMnを粉砕、分級して電池用活物質A〜Fとした。
次に、得られた電池用活物質A〜Fを用いて電池評価を行った。図1は本実施例に用いた円筒型リチウム二次電池の縦断面図である。図1において正極板5および負極板6がセパレータ7を介して複数回渦巻状に巻回し構成された極板群4が耐有機電解液性のステンレス鋼板を加工した電池ケース1内に収納されている。正極板5からは正極アルミリード5aが引き出されて封口板2に接続され、負極板6からは負極ニッケルリード6aが引き出されて電池ケース1の底部に接続されている。極板群4の上下部にそれぞれ絶縁リング8が設けられており、電池ケース1の開口部は、安全弁を設けた封口板2および絶縁パッキング3により封口されている。負極板6は炭素材料(本実施例においてはピッチ系球状黒鉛を用いた)にスチレン−ブタジエンゴムの水性ディスパージョンを重量比で100:3.5の割合で混合し、これをカルボキシメチルセルロースの水溶液に懸濁させてペースト状にしたものを銅箔の両面に塗着し、乾燥後、圧延し所定の大きさに切り出し負極板を作製した。なお、スチレン−ブタジエンゴムの水性ディスパージョンの混合比率はその固形分で計算している。正極板5は、合成した正極活物質A〜FのLiMnにアセチレンブラックおよびポリ四フッ化エチレンの水性ディスパージョンを重量比で100:2.5:7.5の割合で混合し、これをカルボキシメチルセルロースの水溶液に懸濁させてペースト状にした。次いでこのペーストをアルミ箔の両面に塗着し、乾燥後、圧延し所定の大きさに切り出して正極板を作製した。なお、ポリ四フッ化エチレンの水性ディスパージョンの混合比率はその固形分で計算している。
上記方法により作製した正、負極板にそれぞれリードを取付け、ポリエチレン製のセパレータを介して渦巻き状に巻回し、電池ケースに収納した。電解液にはエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートを体積比で1:3で混合した溶媒に6フッ化リン酸リチウム(LiPF)を1.5mol/l溶解したものを用いた。この電解液を上記の電池ケースに減圧注液後封口し、電池A〜Fとした。
これら電池A〜Fを用いて下記の条件で試験を行った。まず、20℃で電池電圧4.2Vまで120mAの定電流で充電した後1時間休止を行い、その後120mAの定電流で電池電圧3.0Vまで放電する。この方法で充放電を3回繰り返し、3回目の放電容量を初期容量とした。さらに、20℃で充放電電流を120mAとし、充電終止電圧4.2V、放電終止電圧3.0Vの条件で定電流充放電サイクル試験を行った。初期容量に対する300サイクル時点での放電容量を%で表したものを容量維持率として算出した。この結果を(表2)に示す。
(表2)より、初期容量は電解二酸化マンガンの比率が高くなるほど大きくなっている。これは電解二酸化マンガンの密度が高いため、電解二酸化マンガンの比率が多くなるほ
ど体積当たりの充填量が多くなるからである。電解二酸化マンガンが95%の時の放電容量が最大値となっているが、これは電解二酸化マンガンの空孔に化学合成二酸化マンガンが充填され、より重質化されているためであると考えられる。
一方、容量維持率は電解二酸化マンガンの比率が少なくなるほど良好である。これは緻密な電解二酸化マンガンの表面に緻密ではない化学合成二酸化マンガンの層が形成されることにより、充放電による膨張収縮に強くなり充放電サイクルが良くなると考えられる。以上のことから、電解二酸化マンガンと化学合成二酸化マンガンの割合が、30:70から95:5の時が初期容量、サイクル容量維持率とも良好であるといえる。
本実施例のリチウム複合マンガン酸化物の合成法について説明する。
中心部である電解二酸化マンガン(MnO)の表面に四三酸化マンガン(Mn)を被覆したマンガン化合物と炭酸リチウム(LiCO)をMnとLiとの原子モル比が1:0.5になるように混合した。この混合物をアルミナ製容器に入れ電気炉中に静置し、送風10l/minの空気雰囲気下、2時間で850℃まで昇温した後、850℃で10時間保持することによりLiMnを合成した。この時電解二酸化マンガンと四三酸化マンガンの比率はマンガンの原子モル比で(表3)に示した割合とした。得られたLiMnを粉砕、分級して電池用活物質G〜Kとした。
上記、電池用活物質G〜Kを用いて電池評価を行った。電池の構成は実施例1と同様にした。
これら電池G〜Kを用いて実施例1と同様の条件で、初期容量および容量維持率を測定した。この結果を(表4)に示す。
(表4)より、初期容量は電解二酸化マンガンの比率が高くなるほど大きくなっている。これは電解二酸化マンガンの密度が高いため、電解二酸化マンガンの比率が多くなるほど体積当たりの充填量が多くなるからである。電解二酸化マンガンが95%の時最大値となっているのは電解二酸化マンガンの空孔に四三酸化マンガンが充填され重質化されているためであると考えられる。容量維持率は電解二酸化マンガンの比率が少なくなるほど良好である。これは緻密な電解二酸化マンガンの表面に緻密ではない四三酸化マンガンの層が形成されることにより、充放電による膨張収縮に強くなり充放電サイクルが良くなると考えられる。以上のことから、電解二酸化マンガンと四三酸化マンガンの割合が、30:70から95:5の時が初期容量、サイクル容量維持率とも良好であると考えられる。
本実施例のリチウム複合マンガン酸化物の合成法について説明する。
中心部である電解二酸化マンガン(MnO)の表面に三二酸化マンガン(Mn)を被覆したマンガン化合物と炭酸リチウム(LiCO)をMnとLiとの原子モル比が1:0.5になるように混合した。この混合物をアルミナ製容器に入れ電気炉中に静置し、送風10l/minの空気雰囲気下、2時間で850℃まで昇温した後、850℃で10時間保持することによりLiMnを合成した。この時電解二酸化マンガンと三二酸化マンガンの比率はマンガンの原子モル比で(表5)に示した割合とした。得られたLiMnを粉砕、分級して電池用活物質L〜Pとした。
上記、電池用活物質L〜Pを用いて電池評価を行った。電池の構成は実施例1と同様にした。
これら電池L〜Pを用いて実施例1と同様の条件で、初期容量および容量維持率を測定
した。この結果を(表6)に示す。
(表6)より、初期容量は電解二酸化マンガンの比率が高くなるほど大きくなっている。これは電解二酸化マンガンの密度が高いため、電解二酸化マンガンの比率が多くなるほど体積当たりの充填量が多くなるからである。電解二酸化マンガンが95%の時最大値となっているのは電解二酸化マンガンの空孔に三二酸化マンガンが充填され重質化されているためであると考えられる。容量維持率は電解二酸化マンガンの比率が少なくなるほど良好である。これは緻密な電解二酸化マンガンの表面に緻密ではない三二酸化マンガンの層が形成されることにより、充放電による膨張収縮に強くなり充放電サイクルが良くなると考えられる。以上のことから、電解二酸化マンガンと三二酸化マンガンの割合が、30:70から95:5の時が初期容量、サイクル容量維持率とも良好であると考えられる。
本実施例のリチウム複合マンガン酸化物の合成法について説明する。
中心部である電解二酸化マンガン(MnO)の表面に化学合成の炭酸マンガン(MnCO)を被覆したマンガン化合物と炭酸リチウム(LiCO)をMnとLiとの原子モル比が1:0.5になるように混合した。この混合物をアルミナ製容器に入れ電気炉中に静置し、送風10l/minの空気雰囲気下、2時間で850℃まで昇温した後、850℃で10時間保持することによりLiMnを合成した。この時電解二酸化マンガンと炭酸マンガンの比率はマンガンの原子モル比で(表7)に示した割合とした。得られたLiMnを粉砕、分級して電池用活物質Q〜Uとした。
上記、電池用活物質Q〜Uを用いて電池評価を行った。電池の構成は実施例1と同様に
した。
これら電池Q〜Uを用いて実施例1と同様の条件で、初期容量および容量維持率を測定した。この結果を(表8)に示す。
(表8)より、初期容量は電解二酸化マンガンの比率が高くなるほど大きくなっている。これは電解二酸化マンガンの密度が高いため、電解二酸化マンガンの比率が多くなるほど体積当たりの充填量が多くなるからである。電解二酸化マンガンが95%の時最大値となっているのは電解二酸化マンガンの空孔に炭酸マンガンが充填され重質化されているためであると考えられる。容量維持率は電解二酸化マンガンの比率が少なくなるほど良好である。これは緻密な電解二酸化マンガンの表面に緻密ではない炭酸マンガンの層が形成されることにより、充放電による膨張収縮に強くなり充放電サイクルが良くなると考えられる。以上のことから、電解二酸化マンガンと炭酸マンガンの割合が、30:70から95:5の時が初期容量、サイクル容量維持率とも良好であると考えられる。
本実施例のリチウム複合マンガン酸化物の合成法について説明する。
中心部である電解二酸化マンガン(MnO)の表面にオキシ水酸化マンガン(MnOOH)を被覆したマンガン化合物と炭酸リチウム(LiCO)をMnとLiとの原子モル比が1:0.5になるように混合した。この混合物をアルミナ製容器に入れ電気炉中に静置し、送風10l/minの空気雰囲気下、2時間で850℃まで昇温した後、850℃で10時間保持することによりLiMnを合成した。この時電解二酸化マンガンと三二酸化マンガンの比率はマンガンの原子モル比で(表9)に示した割合とした。得られたLiMnを粉砕、分級して電池用活物質V〜Zとした。
上記、電池用活物質V〜Zを用いて電池評価を行った。電池の構成は実施例1と同様にした。
これら電池V〜Zを用いて実施例1と同様の条件で、初期容量および容量維持率を測定した。この結果を(表10)に示す。
(表10)より、初期容量は電解二酸化マンガンの比率が高くなるほど大きくなっている。これは電解二酸化マンガンの密度が高いため、電解二酸化マンガンの比率が多くなるほど体積当たりの充填量が多くなるからである。電解二酸化マンガンが95%の時最大値となっているのは電解二酸化マンガンの空孔にオキシ水酸化マンガンが充填され重質化されているためであると考えられる。容量維持率は電解二酸化マンガンの比率が少なくなるほど良好である。これは緻密な電解二酸化マンガンの表面に緻密ではないオキシ水酸化マンガンの層が形成されることにより、充放電による膨張収縮に強くなり充放電サイクルが良くなると考えられる。以上のことから、電解二酸化マンガンとオキシ水酸化マンガンの割合が、30:70から95:5の時が初期容量、サイクル容量維持率とも良好であると考えられる。
なお、本実施例ではリチウム化合物として炭酸リチウムを用いたが、水酸化リチウム、硝酸リチウム、酸化リチウムなどの他のリチウム化合物を用いても同様の効果が得られる。 また、負極としてリチウムの吸蔵放出が可能な種々の炭素質材、リチウム合金、インターカレーションが可能な無機物系負極を用いた電池においても同様の効果が見られる。さらに、電解質として本実施例で用いたエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートの混合溶媒に六フッ化リン酸リチウムを溶解したもの以外の組合せの溶媒にリチウム塩を溶解した電解液、ポリマ電解質を用いた電池においても効果が見られる。
本発明にかかる非水電解質二次電池用正極活物質および非水電解質二次電池は、優れた初期容量および充放電サイクル特性を有し、二次電池に有用である。
本発明の円筒型リチウム二次電池の縦断面図
符号の説明
1 電池ケース
2 封口板
3 絶縁パッキング
4 極板群
5 正極板
5a 正極リード
6 負極板
6a 負極リード
7 セパレータ
8 絶縁リング

Claims (3)

  1. 非水電解質二次電池用正極活物質が一般式LiMnで表される組成を有するリチウム複合マンガン酸化物であり、電解法により合成された電解二酸化マンガンからなる高密度な中心部と、四三酸化マンガン、三二酸化マンガン、炭酸マンガンあるいはオキシ水酸化マンガンからなる群のうち少なくとも一つである化学合成法により合成されたマンガン化合物を被覆してなる、中心部よりも低密度な表面層により構成されたものを炭酸リチウムと焼成し、リチウム複合マンガン酸化物とする非水電解質二次電池用正極活物質。
  2. 電解二酸化マンガンからなる高密度なマンガン化合物と化学合成法により合成されたマンガン化合物の割合がマンガンの原子モル比で30:70から95:5である請求項1に記載の非水電解質二次電池用正極活物質。
  3. 請求項1〜2のいずれかに記載の非水電解質二次電池用正極活物質からなる正極板と、負極板と、非水電解質とを含む、非水電解質二次電池。
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