JP4930158B2 - タイヤ金型、スリックタイヤ成形方法およびスリックタイヤ - Google Patents

タイヤ金型、スリックタイヤ成形方法およびスリックタイヤ Download PDF

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Description

本発明は、タイヤ金型、スリックタイヤ成形方法およびスリックタイヤに関し、特にトレッド面に摩耗ゲージを形成することができるタイヤ金型、スリックタイヤ成形方法およびスリックタイヤに関するものである。
サーキット走行を行う車両などには、スリックタイヤが装着されている。スリックタイヤは、トレッド面に溝が形成されていない。従って、スリックタイヤは、トレッド面を構成するトレッドゴムの摩耗状況を確認するために、摩耗ゲージが形成されている。摩耗ゲージは、トレッド面にタイヤ径方向内側に窪んで形成されている。従って、トレッドゴムの摩耗状況は、摩耗ゲージの深さを確認することで行うことができる。
スリックタイヤを成形するタイヤ金型には、特許文献1,2に示すように、タイヤ金型により成形されるスリックタイヤに摩耗ゲージを形成することができる摩耗ピンが形成されている。摩耗ピンは、スリックタイヤのトレッド面に対応したトレッド対応面に突出して形成されている。
特開2005−47215号公報 特開2000−255221号公報
ところで、スリックタイヤを形成するタイヤ金型は、金型幅方向と直交する方向に分割されて構成されている。従って、タイヤ金型を用いてグリーンタイヤを加硫成形することでスリックタイヤに成形した後、タイヤ金型からスリックタイヤを離間させる際には、スリックタイヤのタイヤ幅方向にタイヤ金型を移動させることとなる。このとき、タイヤ金型の摩耗ピンは、スリックタイヤのトレッド面から抜けることができる。しかしながら、摩耗ピンは、タイヤ金型のタイヤ幅方向への移動とともに、トレッド面に接触しながらタイヤ幅方向に移動することとなる。従って、摩耗ピンがスリックタイヤのトレッド面を擦りながら、摩耗ゲージからタイヤ幅方向に移動することとなり、トレッド面に損傷を与える虞があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、トレッド面の損傷を抑制することができるタイヤ金型、スリックタイヤ成形方法およびスリックタイヤを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明では、溝の無いスリックタイヤを成形し、かつ金型幅方向と直交する方向に分割されたタイヤ金型において、前記スリックタイヤのトレッド面に対応したトレッド対応面に突出する摩耗ピンを備え、前記摩耗ピンは、突出する部分の径が突出する方向に漸減して形成され、前記摩耗ピンは、ピン壁角度が突出方向に対して5度〜30度に形成されると共に、前記トレッド対応面との接続部がC面取りされ、且つ、前記接続部のC面取り量が0.5mm以上2.0mm以下であることを特徴とする。
また、本発明にかかるスリックタイヤ成型方法では、グリーンタイヤを成型する手順と、上記タイヤ金型にグリーンタイヤを装着する手順と、グリーンタイヤを径方向外方に拡張させタイヤ金型に当接させる手順と、グリーンタイヤを加熱し、加硫することで、グリーンタイヤをスリックタイヤに成形する手順と、タイヤ金型をスリックタイヤのタイヤ幅方向に離間させる手順と、を含むことを特徴とする。
また、本発明では、溝の無いスリックタイヤにおいて、溝の無いスリックタイヤにおいて、トレッド面にタイヤ径方向内側に窪んだ摩耗ゲージが形成され、前記摩耗ゲージは、タイヤ径方向内側に向かって径が漸減して形成され、前記摩耗ゲージは、ゲージ壁角度が突出方向に対して5度〜30度に形成されると共に、前記トレッド面と接続部がC面取りされ、且つ、前記接続部のC面取り量が0.5mm以上2.0mm以下であることを特徴とする。
本発明によれば、摩耗ピンは、突出する部分の径が突出する方向に漸減して、例えばピン壁角度が突出方向に対して5度から30度に形成されているので、タイヤ金型からスリックタイヤを離間させる際に、トレッド面と接触しながらタイヤ幅方向に移動しても、トレッド面に引っ掛かりにくくなる。従って、摩耗ピンがスリックタイヤのトレッド面を擦りにくくなるので、摩耗ピンにより、トレッド面に与える損傷を抑制することができる。これにより、トレッド面の損傷を抑制することができる。
本発明によれば、摩耗ピンは、タイヤ金型からスリックタイヤを離間させる際に、トレッド対応面と接続する部分が面取りされていることで、摩耗ゲージのトレッド面と接続する部分が面取りされるので、摩耗ゲージから抜けやすくなる。また、摩耗ピンがトレッド面と接触しながらタイヤ幅方向に移動しても、摩耗ゲージとトレッド面とが面取りされているので、摩耗ゲージとトレッド面との角部に引っ掛かりにくくなる。従って、摩耗ピンが摩耗ゲージとトレッド面との角部を擦りにくくなるので、摩耗ピンにより摩耗ゲージとトレッド面との角部が欠けることを抑制することができる。これにより、トレッド面の損傷をさらに抑制することができる。
また、本発明では、上記スリックタイヤにおいて、トレッド面を構成するトレッドゴムは、100℃におけるJIS硬度が40以下であることを特徴とする。
本発明によれば、トレッド面を構成するトレッドゴムが柔らかく損傷を受けやすいが、摩耗ピンがトレッド面と接触しながらタイヤ幅方向に移動しても、トレッド面に引っ掛かりにくいので、摩耗ピンによりトレッド面に与える損傷を抑制することができる。これにより、トレッド面の損傷を抑制することができる。
本発明にかかるタイヤ金型、スリックタイヤ成形方法およびスリックタイヤは、トレッド面の損傷を抑制することができるという効果を奏する。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、以下の実施の形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの或いは実質的に同一のものが含まれる。
[実施の形態]
まず、実施の形態にかかるタイヤ金型について説明する。図1は、実施の形態にかかるタイヤ金型の構成例を示す図である。図2は、摩耗ピンの構成例を示す図である。図1に示すように、実施の形態にかかるタイヤ金型1は、金型幅方向と直交する方向に分割に分割されている。実施の形態では、第1タイヤ金型11と第2タイヤ金型12との2つ分割されている。第1タイヤ金型11および第2タイヤ金型12の内壁面は、成形するスリックタイヤ5(図5参照)の外周面の液状に対応して形成されている。ここで、各内壁面は、成形するスリックタイヤ5のトレッド面51(図5参照)に対応したトレッド対応面11a,12aと、サイドウォール部に対応したサイドウォール対応面11b,12bと、タイヤビード部に対応したタイヤビード対応面11c,12cとにより構成されている。第1タイヤ金型11のトレッド対応面11aおよび第2タイヤ金型12のトレッド対応面12aには、摩耗ピン2が設けられている。なお、摩耗ピン2は、実施の形態では、各トレッド対応面11a,12aにそれぞれ金型周方向に等間隔に複数設けられている。
摩耗ピン2は、スリックタイヤ5のトレッド面51に摩耗ゲージを形成するものである。摩耗ピン2は、図2に示すように、挿入固定部21と突出部22とにより構成されている。挿入固定部21は、円柱形状であり、第1タイヤ金型11のトレッド対応面11aおよび第2タイヤ金型12のトレッド対応面12aに形成された凹部に挿入された際に、完全に埋没するように設定されている。従って、摩耗ピン2は、挿入固定部21が第1タイヤ金型11のトレッド対応面11aおよび第2タイヤ金型12のトレッド対応面12aに形成された凹部に挿入されると、挿入固定部21と一体である突出部21のみがトレッド対応面11a,12aから突出することとなる。
突出部22は、摩耗ピン2のトレッド対応面11a,12aから突出する部分である。突出部22は、実施の形態では、摩耗ピン2の中心軸Aと直交する方向における断面形状が円形に形成されている。突出部22は、外周面であるピン壁面23と、先端面である先端面24とにより構成されている。ここで、ピン壁面23は、トレッド対応面11a,12aに対して垂直に形成されているものではなく、摩耗ピン2の中心軸Aと平行な線とのなす角であるピン壁角度が中心軸Aに向かって傾斜して形成されている。つまり、摩耗ピン2は、突出する部分の径、すなわち突出部22の直径が突出する方向(同図矢印B方向)に漸減して形成されている。ここで、ピン壁角度は、5度以上30度以下であることが好ましい。なお、ピン壁角度を5度以上とするのは、5度未満であるとピン壁面23がスリックタイヤ5のトレッド面51に引っ掛かりやすくなり、スリックタイヤ5のトレッド面51を擦りやすくなるためである。また、ピン壁角度を30度とするのは、スリックタイヤ5のトレッド面51に摩耗ピン2により形成される摩耗ゲージ6(図6参照)の深さを十分にとることができない。従って、摩耗ゲージ6(図6参照)の深さを十分にとるためには、突出部22の直径が大きくなり、摩耗ゲージ6のトレッド51における開口面が広くなり、スリックタイヤ5の性能に影響を与える虞があるためである。
また、突出部22は、ピン壁面23のうち、挿入固定部21との境界部分のピン壁角度が摩耗ピン2の中心軸Aに向かってさらに傾斜して形成されている。つまり、摩耗ピン2は、挿入固定部21が第1タイヤ金型11のトレッド対応面11aおよび第2タイヤ金型12のトレッド対応面12aに形成された凹部に挿入された際に、トレッド対応面11a,12aと接続する部分である接続部25が面取りされている。実施の形態では、接続部25がC面取りされている。なお、接続部25のC面取り量は、0.5mm以上2.0mm以下であることが好ましい。
また、突出部22は、ピン壁面23と先端面24との境界部分が面取りされている。実施の形態では、ピン壁面23と先端面24との境界部分がR面取りされている。なお、ピン壁面23と先端面24との境界部分のR面取り量は、2.0mm程度が好ましい。
次に、実施の形態にかかるタイヤ金型1を用いてスリックタイヤを成形するスリックタイヤ成型方法について説明する。図3は、実施の形態にかかるスリックタイヤ成形方法のフローを示す図である。図4は、タイヤ金型とグリーンタイヤとの関係を示す図である。図5は、タイヤ金型により成形されたスリックタイヤの構成例を示す図である。図6は、摩耗ゲージを示す図である。
まず、図3に示すように、グリーンタイヤを成型する(ステップST1)。ここでは、前工程で製造された図示しないベルト、カーカス、トレッドゴム(キャップトレッドゴム、アンダトレッドゴム、サイドトレッドゴム)、ビードワイヤなどのスリックタイヤ5(図5参照)を構成する各部材を用いて図示しない成型機によりグリーンタイヤ(生タイヤ)4(図4参照)を成形する。
次に、成型されたグリーンタイヤ4をタイヤ金型1に装着する(ステップST2)。ここでは、トレッド対応面11aの凹部に摩耗ピンが挿入固定された第1タイヤ金型11と、トレッド対応面12aの凹部に摩耗ピンが挿入固定された第2タイヤ金型12とが離間した状態で、成型されたグリーンタイヤ4を第1タイヤ金型11と第2タイヤ金型12との間に配置し、第1タイヤ金型11と第2タイヤ金型12とを図示しない固定手段により一体に固定する。このとき、ブラダ装置3(図4参照)のブラダ本体31をグリーンタイヤ4の内部に配置する。
次に、ブラダ装置3によりグリーンタイヤ4を拡張する(ステップST3)。ここでは、ブラダ装置3は、図4に示すように、グリーンタイヤ4の内部に配置されたブラダ本体31を膨張させ、ブラダ本体31により、グリーンタイヤ4を加圧し、グリーンタイヤ4を径方向外側に向かって拡張させる。これにより、グリーンタイヤ4の外周面をタイヤ金型1の内壁面であるトレッド対応面11a,12a、サイドウォール対応面11b,12bおよびタイヤビード対応面11c,12cに接触させる。
次に、図3に示すように、ブラダ装置3により、グリーンタイヤを加熱する(ステップST4)。ここでは、ブラダ装置3は、タイヤ金型1の内壁面であるトレッド対応面11a,12a、サイドウォール対応面11b,12bおよびタイヤビード対応面11c,12cにグリーンタイヤ4が接触した状態、すなわちグリーンタイヤ4が加圧された状態で、例えばブラダ本体31内部に加熱されたスチームなどを導入することで、グリーンタイヤ4を加熱する。これにより、グリーンタイヤ4が加硫成形され、図5に示すように、スリックタイヤ5が成形される。摩耗ピン2は、図4に示すように、グリーンタイヤ4をスリックタイヤ5に成形する際に、グリーンタイヤ4のトレッドに入り込む。従って、成形されたスリックタイヤ5には、図6に示すように、摩耗ピン2の外形を転写した摩耗ゲージ6が形成される。
摩耗ゲージ6は、スリックタイヤ5のトレッド面51にタイヤ径方向内側に向かって、すなわち同図矢印E方向に窪んで形成されている。摩耗ゲージ6は、実施の形態では、摩耗ゲージ6の中心軸Cと直交する方向における断面形状が円形に形成されている。摩耗ゲージ6は、底面61と、ゲージ壁面62と、接続面63とにより構成されている。なお、底面61は、摩耗ピン2の先端面24が転写して形成されたものである。また、ゲージ壁面62は、摩耗ピン2のピン壁面23が転写して形成されたものである。また、接続面63は、摩耗ピン2の接続部25の面取り面が転写して形成されたものである。従って、ゲージ壁面62は、トレッド面51に対して垂直に形成されているものではなく、摩耗ゲージ6の中心軸Cと平行な線とのなす角であるゲージ壁角度が中心軸Cに向かって傾斜して形成される。つまり、摩耗ゲージ6は、その径がタイヤ径方向内側に向かって(同図矢印E方向)に漸減して形成されている。ゲージ壁角度は、摩耗ピン2のピン壁角度と同一となり、5度以上30度以下となる。
また、摩耗ゲージ6は、摩耗ピン2の接続部25により、ゲージ壁面61のうち、トレッド面51との境界部分のゲージ壁角度が摩耗ゲージ6の中心軸Cに向かってさらに傾斜して形成される。つまり、摩耗ゲージ6は、ゲージ壁面61とトレッド面51と接続する部分が面取りされる。実施の形態では、C面取りされ、接続面63が形成される。なお、ゲージ壁面61とトレッド面51と接続する部分のC面取り量は、摩耗ピン2の接続部25のC面取り量と同一となり、0.5mm以上2.0mm以下となる。また、摩耗ゲージ6は、ゲージ壁面61と底面62との境界部分が面取りされる。実施の形態では、摩耗ピン2のピン壁面23と先端面24との境界部分がR面取りされているので、ゲージ壁面61と底面62との境界部分がR面取りされる。なお、ゲージ壁面61と底面62との境界部分のR面取り量は、摩耗ピン2のピン壁面23と先端面24との境界部分がR面取り量と同一となり、2.0mm程度となる。
次に、第1タイヤ金型11および第2タイヤ金型12を離間させる(ステップST5)。ここでは、加硫成型時に、固定手段による固定を解除することで、一体となっていた第1タイヤ金型11および第2タイヤ金型12をそれぞれ金型幅方向、すなわち成形されたスリックタイヤ5のタイヤ幅方向に離間させる。このとき、摩耗ピン2がスリックタイヤ5に形成された摩耗ゲージ6から抜け、トレッド面51に接触しながらタイヤ幅方向に移動する。ここで、摩耗ピン2は、突出する部分の径、すなわち突出部22の直径が突出する方向に漸減して形成されているので、タイヤ金型1からスリックタイヤ5を離間させる際に、トレッド面51と接触しながらタイヤ幅方向に移動しても、トレッド面51に引っ掛かりにくくなる。従って、摩耗ピン2がスリックタイヤ5のトレッド面51を擦りにくくなるので、摩耗ピン2により、トレッド面51に与える損傷を抑制することができる。また、摩耗ピン2は、タイヤ金型1からスリックタイヤ5を離間させる際に、接続部25がC面取りされていることで、摩耗ゲージ6のトレッド面51を接続する部分が面取りされるので、摩耗ゲージ6から抜けやすくなる。また、摩耗ピン2がトレッド面51と接触しながらタイヤ幅方向に移動しても、摩耗ゲージ6とトレッド面51とが面取りされているので、摩耗ゲージ6とトレッド面51との角部に引っ掛かりにくくなる。従って、摩耗ピン2が、摩耗ゲージ6とトレッド面51との角部を擦りにくくなるので、摩耗ピン2により、摩耗ゲージ6とトレッド面51との角部が欠けることを抑制することができる。これらにより、トレッド面51の損傷を抑制することができる。
なお、上記実施の形態では、スリックタイヤ5に用いられるトレッドゴムの硬度を、100℃におけるJIS硬度(JIS K6253)で40以下であることが好ましい。つまり、スリックタイヤ5のトレッド面51を構成するトレッドゴムを柔らかくすることが好ましい。この場合、トレッド面5を構成するトレッドゴム51が柔らかく損傷を受けやすいが、摩耗ピン2がトレッド面51と接触しながらタイヤ幅方向に移動しても、トレッド面51に引っ掛かりにくいので、摩耗ピン2によりトレッド面51に与える損傷を抑制することができる。これにより、100℃におけるJIS硬度(JIS K6253)で40以下のゴムをトレッドゴムとしてスリックタイヤ5に用いる場合に、トレッド面51の損傷を著しく抑制することができる。
また、上記実施の形態では、摩耗ピン2の接続部25がC面取りされているが、本発明はこれに限定されるものではなく。R面取りされていても良い。この場合、摩耗ゲージ6の接続面63は、軸方向における断面が曲線で構成されることとなる。
また、上記実施の形態では、摩耗ピン2の中心軸Aと直交する方向における断面形状を円形としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、楕円形状などであっても良い。
以下に、従来の摩耗ピンを用いたスリックタイヤ成形方法により生成されたスリックタイヤと、本発明にかかる摩耗ピンを用いたスリックタイヤ成形方法により生成されたスリックタイヤとの比較を行った。従来のスリックタイヤおよび本発明のスリックタイヤは、そのタイヤサイズが250(接地幅(mm))/515(外径(mm))−13(リム径(インチ))で共通である。また、従来のスリックタイヤおよび本発明のスリックタイヤは、20本の摩耗ピンにより20個の摩耗ゲージが形成される。
ここで、直径D(mm)とは、摩耗ピンのピン壁面(接続部を有する場合は接続部を除く)と、トレッド対応面とが交差する箇所での突出部の直径である(図2参照)。つまり、直径D(mm)とは、摩耗ゲージのゲージ壁面(接続面を有する場合は接続面を除く)と、トレッド面とが交差する箇所での直径である(図6参照)。また、高さH(mm)とは、トレッド対応面から摩耗ピンの先端面までの高さである(図2参照)。つまり、高さD(mm)とは、トレッド面から摩耗ゲージの底面まで深さである(図6参照)。また、トップ半径R(mm)とは、摩耗ピンのピン壁面と先端面との境界部分のR面取り量である(図2参照)。つまり、トップ半径R(mm)とは、摩耗ゲージのゲージ壁面と底面との境界部分のR面取り量である(図6参照)。また、ピン壁角度θ(°)とは、摩耗ピンのピン壁角度である(図2参照)。つまり、ピン壁角度θ(°)とは、摩耗ゲージのゲージ壁角度である(図6参照)。また、面取り有無とは、摩耗ピンのピン壁面とトレッド対応面との境界部分にC面取りが行われているか否かである。つまり、面取り有無とは、摩耗ゲージのゲージ壁面とトレッド面との境界部分にC面取りが行われ、接続面が形成されているか否かである。また、ゴム硬度とは、トレッドゴムのゴム硬度であり、100℃におけるJIS硬度である。損傷度合い(%)とは、タイヤ金型からスリックタイヤを離間させる際に、全ての摩耗ピンの個数に対して、損傷があった箇所の数の比率を%で表したものである。つまり、損傷度合い(%)は、値が低いほど、トレッド面の損傷が少ないこととなる。
また、「従来例」は、直径D(mm)=6、高さH(mm)=4、トップ半径R(mm)=2、ピン壁角度θ(°)=0、面取り無しの摩耗ピンを用いたスリックタイヤ成形方法により、トレッドゴムのゴム硬度が31のグリーンタイヤから成形されたスリックタイヤである。
また、「実施例1」は、直径D(mm)=6、高さH(mm)=4、トップ半径R(mm)=2、ピン壁角度θ(°)=3、面取り無しの摩耗ピンを用いたスリックタイヤ成形方法により、トレッドゴムのゴム硬度が31のグリーンタイヤから成形されたスリックタイヤである。
また、「実施例2」は、直径D(mm)=6、高さH(mm)=4、トップ半径R(mm)=2、ピン壁角度θ(°)=5、面取り無しの摩耗ピンを用いたスリックタイヤ成形方法により、トレッドゴムのゴム硬度が31のグリーンタイヤから成形されたスリックタイヤである。
また、「実施例3」は、直径D(mm)=6、高さH(mm)=4、トップ半径R(mm)=2、ピン壁角度θ(°)=30、面取り無しの摩耗ピンを用いたスリックタイヤ成形方法により、トレッドゴムのゴム硬度が31のグリーンタイヤから成形されたスリックタイヤである。
また、「実施例4」は、直径D(mm)=6、高さH(mm)=4、トップ半径R(mm)=2、ピン壁角度θ(°)=5、面取り有り(C面取り量1mm)の摩耗ピンを用いたスリックタイヤ成形方法により、トレッドゴムのゴム硬度が31のグリーンタイヤから成形されたスリックタイヤである。
Figure 0004930158

「従来例」では損傷度合い(%)=90、「実施例1」では損傷度合い(%)=80、「実施例2」では損傷度合い(%)=50、「実施例3」では損傷度合い(%)=20、「実施例4」では損傷度合い(%)=0となった。
表1から明らかなように、ピン壁角度θ(°)<0である、すなわち突出する部分の径が突出する方向に漸減する摩耗ピンを用いたスリックタイヤ成形方法により、グリーンタイヤから成形されたスリックタイヤである「実施例1〜実施例4」は、ピン壁角度θ(°)=0である、すなわち突出する部分の径が突出する方向に一定である摩耗ピンを用いたスリックタイヤ成形方法により、グリーンタイヤから成形されたスリックタイヤである「従来例」と比較して、損傷度合い(%)が低下しており、トレッド面の損傷を抑制することができている。特に、ピン壁角度θ(°)が5≦θ≦30である摩耗ピンを用いたスリックタイヤ成形方法により、グリーンタイヤから成形されたスリックタイヤである「実施例2〜実施例4」は、「従来例」と比較して確実にトレッド面の損傷を抑制することができている。さらに、面取りが有る摩耗ピンを用いたスリックタイヤ成形方法により、グリーンタイヤから成形されたスリックタイヤである「実施例4」は、「従来例」と比較して著しくトレッド面の損傷を抑制することができている。
以上のように、本発明にかかるタイヤ金型、スリックタイヤ成形方法およびスリックタイヤは、トレッド面に摩耗ゲージが形成されるスリックタイヤに有用であり、トレッド面の損傷を抑制するのに適している。
実施の形態にかかるタイヤ金型の構成例を示す図である。 摩耗ピンの構成例を示す図である。 実施の形態にかかるスリックタイヤ成形方法のフローを示す図である。 タイヤ金型とグリーンタイヤとの関係を示す図である。 タイヤ金型により成形されたスリックタイヤの構成例を示す図である。 摩耗ゲージを示す図である。
符号の説明
1 タイヤ金型
11 第1タイヤ金型
11a トレッド対応面
11b サイドウォール対応面
11c タイヤビード対応面
12 第2タイヤ金型
12a トレッド対応面
12b サイドウォール対応面
12c タイヤビード対応面
2 摩耗ピン
21 挿入固定部
22 突出部
23 ピン壁面
24 先端面
25 接続部
3 ブラダ装置
31 ブラダ本体
4 グリーンタイヤ
5 スリックタイヤ
51 トレッド面
6 摩耗ゲージ
61 底面
62 ゲージ壁面
63 接続面

Claims (4)

  1. 溝の無いスリックタイヤを成形し、かつ金型幅方向と直交する方向に分割されたタイヤ金型において、
    前記スリックタイヤのトレッド面に対応したトレッド対応面に突出する摩耗ピンを備え、
    前記摩耗ピンは、突出する部分の径が突出する方向に漸減して形成され
    前記摩耗ピンは、ピン壁角度が突出方向に対して5度〜30度に形成されると共に、前記トレッド対応面との接続部がC面取りされ、且つ、
    前記接続部のC面取り量が0.5mm以上2.0mm以下であることを特徴とするタイヤ金型。
  2. グリーンタイヤを成型する手順と、
    前記請求項1に記載のタイヤ金型にグリーンタイヤを装着する手順と、
    前記グリーンタイヤを径方向外方に拡張させ前記タイヤ金型に当接させる手順と、
    前記グリーンタイヤを加熱し、加硫することで、当該グリーンタイヤをスリックタイヤに成形する手順と、
    前記タイヤ金型を前記スリックタイヤのタイヤ幅方向に離間させる手順と、
    を含むことを特徴とするスリックタイヤ成形方法。
  3. 溝の無いスリックタイヤにおいて、
    トレッド面にタイヤ径方向内側に窪んだ摩耗ゲージが形成され、
    前記摩耗ゲージは、タイヤ径方向内側に向かって径が漸減して形成され
    前記摩耗ゲージは、ゲージ壁角度が突出方向に対して5度〜30度に形成されると共に、前記トレッド面と接続部がC面取りされ、且つ、
    前記接続部のC面取り量が0.5mm以上2.0mm以下であることを特徴とするスリックタイヤ。
  4. 前記トレッド面を構成するトレッドゴムは、100℃におけるJIS硬度が40以下であることを特徴とする請求項3に記載のスリックタイヤ。
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