JP4929747B2 - 光学フィルムの製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、液晶表示装置、プラズマディスプレイ、ELディスプレイ、CRTなどに代表される各種表示装置の画面上に設けることに好適な光学フィルム、及びその製造方法に関する。
液晶表示装置、プラズマディスプレイなどの各種表示装置の大画面化、高詳細化が進められており、視認性改善や取り扱いの改善などが求められている。これらを改善するため、各種の機能を有する光学フィルムが提案されている。具体的には、反射防止フィルム、防眩フィルム、ハードコートフィルム、防汚フィルム、帯電防止フィルム、視野角改善フィルム、位相差フィルム、偏光板保護フィルム、光学補償フィルム、輝度向上フィルム、光拡散フィルムなどが挙げられ、これらのフィルムは、2種類以上の機能を同時に持たせることが求められることも多い。
一方、フラットパネルディスプレイなどの各種表示装置の大型化が進みつつあり、同時に製造コストの削減も求められている。上記光学フィルムの製造には高度な技術が必要であるが、表示装置の大型化に対応するためには、従来よりも品質の均一性が求められている。
上記光学フィルムは、溶媒に溶かした樹脂や溶融した樹脂などを流延、乾燥などの処理を行って製造されるものである。上記光学フィルムを製造する場合、流延、延伸、塗布、乾燥、表面処理、熱処理、巻取りなどの多数の工程が必要であるが、これらの工程でフィルムに付着するごみや樹脂フィルム片などの付着物を除去することが従来から求められている。
従来、光学フィルムに付着した付着物を除去するためには、製造工程全体をクリーンルーム内で行うだけでなく、粘着式ウェブクリーナー(例えば特許文献1、特許文献2)、ブラシ式クリーナー(例えば特許文献3)、エアー式ウェブクリーナー(例えば特許文献4)などの付着物を除去する手段が提案され、これらの手段により付着物を除去する試みがなされていた。
特開2002−334429号公報 特開2004−189967号公報 特開平10−309541号公報 特開平7−68226号公報
上記の粘着式クリーナーなどにより付着物を減少させることができたが、大画面の表示装置に対応した、大面積で均一な特性を有する光学フィルムを製造するためには、付着物を更に減少させる必要がある。細かい付着物や、光学フィルムに強く付着している付着物を除去するために、粘着式ウェブクリーナーを用いる場合、粘着力を上げて付着物を除去する必要がある。しかしながら、粘着力を上げると、粘着式ウェブクリーナーから光学フィルムを剥がす際に粘着力を上げた分だけ強い力で剥がす必要があるため、光学フィルムが変形してしまい、光学フィルムの平面性を低下させてしまう問題があった。また、光学フィルムの支持体となっている樹脂フィルム基材が薄膜である場合は、その樹脂フィルム基材が裂ける場合があることが判明した。
また、ブラシ式ウェブクリーナーを用いて、細かい付着物や、光学フィルムに強く付着している付着物を除去するためには、ブラシを光学フィルムに強く当てて擦る必要があるため、光学フィルムの表面が傷つきやすくなる問題があった。また、付着物に粘着性がある場合は、ブラシで光学フィルムを擦ると、その付着物が光学フィルムの表面に再付着してしまい、付着物除去について十分な効果が得られなかった。
この発明は上記の問題を解決するものであり、常温常圧下で気体又は液体となる冷却固体化したブラスト材を光学フィルムの表面に吹き付けることにより、表面の付着物が十分に除去された光学フィルムを製造することが可能な光学フィルムの製造方法を提供することを目的とする。また、光学フィルムの平面性を維持し、表面に傷を付けないで付着物を十分に除去することが可能な光学フィルムの製造方法を提供することを目的とする。これにより、大画面化した表示装置に求められる高度な品質の光学フィルムを製造することができる。
請求項1に記載の発明は、溶液流延製膜法又は溶融流延製膜法により製膜された樹脂フィルム基材上に、硬化性樹脂が塗布され硬化されることにより作製され、その後、巻取ローラにより巻き取られる光透過性フィルムに対し、前記硬化性樹脂を硬化した後、前記巻き取りの前に、常温常圧下で気体又は液体となる冷却固体化したブラスト材を、前記光透過性フィルムの少なくとも一方の面に吹き付け、前記少なくとも一方の面を洗浄する洗浄工程を含むことを特徴とする光学フィルムの製造方法である。
この発明の光透過性フィルムには、溶液流延製膜法又は溶融流延製膜法により作製された樹脂フィルム基材の他、ハードコート層が形成された樹脂フィルム基材が含まれる。また、この発明のフィルムは、シート状のものを含む意味である。ブラスト材には、例えば、二酸化炭素を冷却固体化したドライアイスを用いる。ドライアイスからなるブラスト材を、常温常圧下で光透過性フィルムの表面に吹き付けることにより、光透過性フィルムに付着している付着物を除去する。このドライアイスブラスト材を光透過フィルム表面に吹き付けると、その吹き付けの衝撃力により付着物が除去され、また、ドライアイスブラスト材により光透過フィルム表面は急激に冷却されるため、この急激な温度変化によって付着物が除去されやすくなる。さらに、ドライアイスブラスト材が昇華する際に発生する風圧によって、光透過性フィルム表面の付着物が吹き飛ばされるため、この現象によっても良好に付着物を除去することができる。吹き付けられたブラスト材は、常温常圧下で昇華するため、光透過性フィルムの表面に残存することはない。なお、この発明においては、光透過フィルムに傷が付かない程度にブラスト材を吹き付ける。
従来技術に係る粘着式ウェブクリーナーにより光透過性フィルムの付着物を除去するためには、粘着力を高める必要があるため、粘着式ウェブクリーナーから光透過性フィルムを剥がす際に光透過性フィルムに余計な力が加わり、光透過性フィルムが変形しやすくなる。これに対して、この発明では、粘着力により付着物を除去せずにブラスト材を吹き付けることにより、光透過性フィルムを変形させずに、平面性を維持しつつ付着物を除去することができる。また、例えば、光透過性フィルムの一方の面から支持体で支持した状態で、他方の面にブラスト材を吹き付けることにより、平面性を維持しつつ付着物を除去することができる。
また、従来技術に係るブラシ式ウェブクリーナーにより光透過性フィルムの付着物を掻き落とす場合、付着物を十分に除去するためには、力を加えて掻き落とす必要があり、光透過性フィルム表面に傷が付きやすかった。また、付着力が強い異物や粘着性がある異物を十分に除去しきれず、これらの異物を除去するためには、更に力を加えて掻き落とす必要があり、更に傷が付きやすくなる。この発明によると、付着力が強い異物や粘着性がある異物が光透過性フィルム表面に付着していても、それら異物を剥離させる力が強いため、付着物を十分に除去することが可能となる。また、光透過性フィルム表面に衝突した際にブラスト材自身が砕けるため、光透過性フィルム自身に傷が付き難い。さらに、ブラスト材が昇華することにより光透過性フィルム表面に空気層が形成され、その空気層の存在により光透過性フィルムが保護されることにより、光透過性フィルムの表面に傷が付き難くなる。
さらに、光透過性フィルムの表面には、フィルムに含まれている添加剤が染み出ることがある。その染み出しが光透過性フィルムの表面で均一でないと、光透過性フィルムの上に塗布により別の層を形成したときに、耐擦傷性などの物性が弱い部分ができることがあり、それが斑として現れることがある。この発明によると、光透過性フィルム表面に部分的に付着している付着物を除去して均一にすることができるため、耐擦傷性斑を低減することが可能となる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の光学フィルムの製造方法であって、前記洗浄工程では、前記光透過性フィルムを所定方向に移動させながら、前記所定方向に対向する方向から前記ブラスト材を前記光透過性フィルムに吹き付けることを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法であって、前記洗浄工程では、前記ブラスト材を複数回に分けて前記光透過性フィルムに吹き付けることを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法であって、前記洗浄工程では、前記光透過性フィルムの表面温度を20〜120℃にして前記ブラスト材を前記光透過性フィルムに吹き付けることを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法であって、前記洗浄工程では、前記ブラスト材を吹き付ける前に、前記光透過性フィルムに対して風を吹き付けて前記光透過性フィルムの表面温度を20〜120℃にすることを特徴とするものである。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法であって、前記洗浄工程では、前記ブラスト材を吹き付ける前に、前記光透過性フィルムを支持部材に支持させることで前記光透過性フィルムの表面温度を20〜120℃にすることを特徴とするものである。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法であって、前記洗浄工程では、前記光透過性フィルムの一方の面を支持部材により支持し、前記支持の反対側の面に対して前記ブラスト材を吹き付けることを特徴とするものである。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の光学フィルムの製造方法であって、前記支持部材は、前記光透過性フィルムを巻きつけるロール部材、又は、前記光透過性フィルムを載置するベルト部材からなることを特徴とするものである。
請求項9に記載の発明は、請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法であって、前記ブラスト材を吹き付けた後に、前記吹き付けにより除去された付着物を、前記吹き付けた部分の周辺より吸引することを特徴とするものである。
請求項10に記載の発明は、請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法であって、除電装置により前記光透過性フィルムを除電することを特徴とするものである。
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の光学フィルムの製造方法であって、前記除電装置により前記光透過性フィルムを除電することにより、前記ブラスト材を吹き付けた直後の前記光透過性フィルムの帯電量を1[kV]以下にすることを特徴とするものである。
請求項12に記載の発明は、請求項1乃至請求項11のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法であって、前記ブラスト材は二酸化炭素を含むことを特徴とするものである。
請求項13に記載の発明は、請求項1乃至請求項11のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法であって、前記ブラスト材はドライアイスからなることを特徴とするものである。
請求項14に記載の発明は、請求項1乃至請求項13に記載の光学フィルムの製造方法であって、前記洗浄工程では、前記ブラスト材を減圧下で前記光透過性フィルムに吹き付けることを特徴とするものである。
請求項15に記載の発明は、請求項1乃至請求項14のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法であって、前記ブラスト材を前記光透過性フィルムに吹き付けた後に、エアー式ウェブクリーナー、粘着式ウェブクリーナー又はブラシ式ウェブクリーナーのうち、少なくとも1つのクリーナーにより、前記光透過性フィルム上の付着物を除去することを特徴とするものである。
この発明によると、常温常圧下で気体又は液体となる冷却固体化したブラスト材を光透過性フィルムに吹き付けることにより、吹き付けの衝撃力、急激な温度変化及び昇華による風圧により、光透過性フィルム表面に付着した付着物を十分に除去することが可能となる。また、光透過性フィルム表面に吹き付けられたブラスト材は、常温常圧下で昇華するため、光透過性フィルム表面に残存することがない。
さらに、この発明によると、粘着式ウェブクリーナーのように粘着力により付着物を除去する必要がないため、光透過性フィルムを変形せずに付着物を除去することが可能となる。つまり、光透過性フィルムの平面性を維持しつつ付着物を除去することが可能となる。また、ブラシ式ウェブクリーナーのように力を加えて付着物を掻き落とす必要がないため、光透過性フィルムの表面に傷を付けずに付着物を除去することが可能となる。また、付着物を均一に除去することができるため、耐擦傷性斑を低減することが可能となる。以上のようにこの発明によると、平面性を維持し、傷を付けずに光透過性フィルムの付着物を十分に除去することができるため、大画面化した表示装置に求められる高度な品質のフィルムを製造することが可能となる。
以下、この発明の実施形態に係る光学フィルムの製造方法について説明する。まず、光学フィルムの構成材料について説明する。この実施形態に係る光学フィルムには樹脂フィルム基材が用いられ、この樹脂フィルム基材は、製造が容易であること、活性線硬化型樹脂層との接着性が良好である、光学的に等方性である、光学的に透明であることが好ましい。ここで、「透明」とは、可視光の透過率が60%以上であることを意味し、好ましくは80%以上であり、特に好ましくは90%以上である。
上記の性質を有していれば特に限定はないが、例えば、セルロースエステル系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリアリレート系フィルム、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンも含む)系フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、セルロースジアセテートフィルム、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレートフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、シンジオタクティックポリスチレン系フィルム,ポリカーボネートフィルム、シクロオレフィンポリマーフィルム(アートン(JSR社製)、ゼオネックス、ゼオネア(以上、日本ゼオン社製))、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリエーテルケトンイミドフィルム、ポリアミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、アクリルフィルムまたはガラス板等を挙げることができる。
なかでも、セルローストリアセテートフィルム(TACフィルム)や、セルロースアセテートプロピオネートフィルム等のセルロースエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム(PCフィルム)、シンジオタクティックポリスチレン系フィルム、ポリアリレート系フィルム、ノルボルネン樹脂系フィルム及びポリスルホン系フィルムが透明性、機械的性質、光学的異方性がない点など好ましい。特にセルロースエステルフィルム(TACフィルム)及びPCフィルムが、それらのなかでも、製膜性が容易で加工性に優れているため好ましく用いられ、特にTACフィルムを使用するのが好ましい。セルロースエステルフィルム(例えば、コニカミノルタタック 製品名KC8UX2MW、KC4UX2MW、KC8UY、KC4UY、KC5UN、KC12UR、KC8UCR3(コニカミノルタオプト(株)製))は、製造上、コスト面、透明性、等方性、接着性等の観点から好ましく用いられる。これらのフィルムは、溶液流延製膜法で作製されたフィルムであっても、溶融流延製膜法で作製されたフィルムであってもよい。基材フィルムの膜厚は、特に制限はなく、10μm〜10mmのシート状のものであれば更に良い。
この実施形態に係る樹脂フィルム基材として、セルロースエステルを用いる場合、セルロースエステルの原料のセルロースとしては、特に限定はないが、綿花リンター、木材パルプ(針葉樹由来、広葉樹由来)、ケナフ等を挙げることができる。またそれらから得られたセルロースエステルはそれぞれ任意の割合で混合使用することができる。これらのセルロースエステルは、アシル化剤が酸無水物(無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸)である場合には、酢酸のような有機酸やメチレンクロライド等の有機溶媒を用い、硫酸のようなプロトン性触媒を用いてセルロース原料と反応させて得ることができる。
セルロースエステルの数平均分子量は70,000〜250,000とすることが、成型した場合の機械的強度が強く、且つ、適度なドープ粘度となり好ましく、更に好ましくは、80,000〜150,000である。
ここで、溶液流延製膜法によりセルロースエステルからなる樹脂フィルム基材を製造する方法について簡単に説明する。セルロースエステルは、セルロースエステル溶解液(ドープ)を、例えば、無限に移送する無端の金属ベルトまたは回転する金属ドラムの流延用支持体上に加圧ダイからドープを流延(キャスティング)し製膜する方法で製造される。
図1を参照しつつ溶液流延製膜法について更に詳しく説明する。図1に示すように、一般的に、回転金属製エンドレスベルトからなる支持体1上にダイ2によりセルロールエステルフィルムの原料溶液であるドープを流延させ、ウェブW(ドープ膜)を形成する。そして、剥離ローラ3により支持体1からウェブWを剥離し、その剥離されたフィルムFとする。フィルムFは、テンター(フィルム幅手方向延伸装置)4により、延伸され、更に乾燥させられる。そして、フィルムFは、複数の搬送ローラ6を経由させて搬送しながら乾燥装置5により乾燥させられる。乾燥により得られたセルロースエステルフィルムFは、巻取ローラ7に巻き取られる。
これらドープの調製に用いられる有機溶媒としては、セルロースエステルを溶解でき、かつ、適度な沸点であることが好ましく、例えば、メチレンクロライド、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミル、アセト酢酸メチル、アセトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、シクロヘキサノン、ギ酸エチル、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール、1,3−ジフルオロ−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メチル−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール、ニトロエタン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等を挙げることができるが、メチレンクロライド等の有機ハロゲン化合物、ジオキソラン誘導体、酢酸メチル、酢酸エチル、アセトン、アセト酢酸メチル等が好ましい有機溶媒(即ち、良溶媒)として挙げられる。
また、溶媒蒸発工程において流延用支持体上に形成されたウェブ(ドープ膜)から溶媒を乾燥させるときに、ウェブ中の発泡を防止する観点から、用いられる有機溶媒の沸点としては、30〜80℃が好ましく、例えば、上記記載の良溶媒の沸点は、メチレンクロライド(沸点40.4℃)、酢酸メチル(沸点56.32℃)、アセトン(沸点56.3℃)、酢酸エチル(沸点76.82℃)等である。
上記記載の良溶媒の中でも溶解性に優れるメチレンクロライドあるいは酢酸メチルが好ましく用いられる。
上記有機溶媒の他に、0.1質量%〜40質量%の炭素原子数1〜4のアルコールを含有させることが好ましい。特に好ましくは5〜30質量%で前記アルコールが含まれることが好ましい。これらは上記記載のドープを流延用支持体に流延後、溶媒が蒸発を始めアルコールの比率が多くなるとウェブ(ドープ膜)がゲル化し、ウェブを丈夫にし、流延用支持体から剥離することを容易にするゲル化溶媒として用いられたり、これらの割合が少ない時は非塩素系有機溶媒のセルロースエステルの溶解を促進する役割もある。
炭素原子数1〜4のアルコールとしては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール等を挙げることができる。
これらの溶媒のうち、ドープの安定性がよく、沸点も比較的低く、乾燥性もよく、且つ毒性がないこと等からエタノールが好ましい。好ましくは、メチレンクロライド70質量%〜95質量%に対してエタノール5質量%〜30質量%を含む溶媒を用いることが好ましい。メチレンクロライドの代わりに酢酸メチルを用いることもできる。このとき、冷却溶解法によりドープを調製してもよい。
なお、残留溶媒量は下記の式により表される。
残留溶媒量(質量%)={(M−N)/N}×100
ここで、Mはウェブ(溶媒を含有したセルロースエステルフィルム)の任意時点における質量、NはMのウェブを110℃で3時間乾燥させた場合の質量である。
また、溶融流延製膜法によりセルロールエステルからなる樹脂フィルム基材を製造する方法について簡単に説明する。溶融流延製膜法は、溶媒を用いずにセルロースエステルを、流動性を示す温度まで加熱溶融し、その後、流動性のセルロースエステルを金属ベルト又はドラム上に押し出して成膜する方法である。
この実施形態においては、セルロースエステルフィルムは、光透過率が90%以上、より好ましくは93%以上の透明支持体であることが好ましい。
また、後述するハードコート層の支持体としてセルロースエステルフィルムを用いる場合には、可塑剤や紫外線吸収剤などを含有させることが好ましい。セルロースエステルと溶剤の他に必要な可塑剤や紫外線吸収剤等の添加剤は、予め溶剤と混合し、溶解または分散してからセルロースエステル溶解前の溶剤に投入しても、セルロースエステル溶解後のドープへ投入しても良い。
この実施形態で用いることができる可塑剤としては特に限定しないが、リン酸エステル系では、トリフェニルホスフェート(TPP)、ビフェニルジフェニルホスフェート(BDP)、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェート等、フタル酸エステル系では、ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート等、グリコール酸エステル系では、トリアセチン、トリブチリン、ブチルフタリルブチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート(EPEG)、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート等、あるいは、クエン酸エステル系可塑剤、多価アルコールエステル可塑剤を単独あるいは併用するのが好ましい。上記の可塑剤は必要に応じて、2種類以上を併用して用いてもよい。これらの可塑剤を含有することにより、寸法安定性、耐水性に優れたフィルムが得られるため、特に好ましい。
これらの可塑剤の使用量は、フィルム性能、加工性などの観点から、セルロースエステルに対して1重量%〜20重量%が好ましく、3重量%〜15重量%が特に好ましい。
また、支持体としての樹脂フィルム基材には紫外線吸収剤を用いることが好ましく、紫外線吸収剤としては、液晶の劣化防止の点より波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れ、かつ良好な液晶表示性の点より波長400nm以上の可視光の吸収が可及的に少ないものが好ましく用いられる。一般に用いられるものとしては、例えばオキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等が挙げられるが、これらに限定されない。
また、上記の樹脂フィルム基材上には活性線硬化樹脂層が塗設される。この活性線硬化樹脂層は、ハードコート層として用いられる。ハードコート層は、画像表示装置の画面に物が接触することで生じる傷を防止するための層である。
活性線硬化樹脂層とは紫外線や電子線のような活性線照射により架橋反応などを経て硬化する樹脂を主たる成分とする層をいう。活性線硬化樹脂としては紫外線硬化型樹脂や電子線硬化型樹脂などが代表的なものとして挙げられるが、紫外線や電子線以外の活性線照射によって硬化する樹脂でも良い。紫外線硬化型樹脂としては、例えば、紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂、紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂、又は紫外線硬化型エポキシ樹脂等を挙げることができる。
紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂は、一般にポリエステルポリオールにイソシアネートモノマー、もしくはプレポリマーを反応させて得られた生成物に更に2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(以下アクリレートにはメタクリレートを包含するものとしてアクリレートのみを表示する)、2−ヒドロキシプロピルアクリレート等の水酸基を有するアクリレート系のモノマーを反応させることによって容易に得ることができる(例えば特開昭59−151110号公報参照)。
紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂は、一般にポリエステルポリオールに2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシアクリレート系のモノマーを反応させることによって容易に得ることができる(例えば、特開昭59−151112号公報参照)。
紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂の具体例としては、エポキシアクリレートをオリゴマーとし、これに反応性希釈剤、光反応開始剤を添加し、反応させたものを挙げることができる(例えば、特開平1−105738号公報参照)。この光反応開始剤としては、ベンゾイン誘導体、オキシムケトン誘導体、ベンゾフェノン誘導体、チオキサントン誘導体等のうちから、1種もしくは2種以上を選択して使用することができる。
また、紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂の具体例としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等を挙げることができる。
上記に挙げた樹脂は通常公知の光増感剤と共に使用される。また上記光反応開始剤も光増感剤としても使用できる。具体的には、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、α−アミロキシムエステル、チオキサントン等及びこれらの誘導体を挙げることができる。また、エポキシアクリレート系の光反応剤の使用の際、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等の増感剤を用いることができる。
樹脂モノマーとしては、例えば、不飽和二重結合が一つのモノマーとして、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、酢酸ビニル、ベンジルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、スチレン等の一般的なモノマーを挙げることができる。また不飽和二重結合を二つ以上持つモノマーとして、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ジビニルベンゼン、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジメチルジアクリレート、前出のトリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリルエステルなどを挙げることができる。
紫外線硬化型樹脂の具体例としては、例えば、アデカオプトマーKR・BYシリーズ;KR−400、KR−410、KR−550、KR−566、KR−567、BY−320B、(以上、旭電化工業社製)あるいはコーエイハードA−101−KK、A−101−WS、C−302、C−401−N、C−501、M−101、M−102、T−102、D−102、NS−101、FT−102Q8、MAG−1−P20、AG−106、M−101−C(以上、広栄化学工業社製)、あるいはセイカビーム PHC2210(S)、PHC X−9(K−3)、PHC2213、DP−10、DP−20、DP−30、P1000、P1100、P1200、P1300、P1400、P1500、P1600、SCR900(以上、大日精化工業社製)、あるいはKRM7033、KRM7039、KRM7130、KRM7131、UVECRYL29201、UVECRYL29202(以上、ダイセル・ユーシービー社製)、あるいはRC−5015、RC−5016、RC−5020、RC−5031、RC−5100、RC−5102、RC−5120、RC−5122、RC−5152、RC−5171、RC−5180、RC−5181(以上、大日本インキ化学工業社製)、あるいはオーレックスNo.340クリヤ(中国塗料社製)、あるいはサンラッド H−601(三洋化成工業社製)、あるいはSP−1509、SP−1507(昭和高分子社製)、あるいはRCC−15C(グレース・ジャパン社製)、アロニックスM−6100、M−8030、M−8060(以上、東亞合成社製)あるいはこの他の市販のものから適宜選択して利用することもできる。
活性線硬化樹脂層の塗布組成物は、固形分濃度が10〜95質量%であることが好ましく、塗布方法により適当な濃度が選ばれる。
活性線硬化型樹脂を光硬化反応により硬化皮膜層を形成するための光源としては、紫外線、電子線、γ線等で、防眩性付与組成物である活性光線硬化型樹脂を活性化させる光源であれば制限なく使用できるが、紫外線、電子線が好ましく、特に取り扱いが簡便で高エネルギーが容易に得られるという点で紫外線が好ましい。紫外線反応性化合物を光重合させる紫外線の光源としては、紫外線を発生する光源であれば何れも使用できる。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることができる。また、ArFエキシマレーザ、KrFエキシマレーザ、エキシマランプまたはシンクロトロン放射光等も用いることができる。照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、照射光量は1mJ/cm以上が好ましく、更に好ましくは、20mJ/cm〜10000mJ/cmであり、特に好ましくは、50mJ/cm〜2000mJ/cmである。近紫外線領域から可視光線領域にかけてはその領域に吸収極大のある増感剤を用いることも出来る。
また、電子線も同様に使用できる。電子線としては、コックロフトワルトン型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器から放出される50〜1000keV、好ましくは100〜300keVのエネルギーを有する電子線を挙げることができる。
活性線硬化樹脂層を塗設する際の溶媒として前述の樹脂層を塗設する溶媒、例えば、炭化水素類、アルコール類、ケトン類、エステル類、グリコールエーテル類、その他の溶媒の中から適宜選択し、あるいは混合されて利用できる。好ましくは、プロピレングリコールモノ(C1〜C4)アルキルエーテル又はプロピレングリコールモノ(C1〜C4)アルキルエーテルエステルを5質量%以上、さらに好ましくは5〜80質量%以上含有する溶媒が用いられる。
紫外線硬化型樹脂組成物塗布液の樹脂フィルム基板上への塗布方法としては、公知の方法を用いることが出来る。塗布量はウェット膜厚で0.1〜30μmが適当で、好ましくは、0.5〜15μmである。塗布速度は好ましくは10〜60m/minで行われる。例えば、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ロールーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法やエクストルージョンコート法(米国特許第2,681,294号)により形成することができる。2以上の層を同時に塗布してもよい。同時塗布の方法については、米国特許第2,761,791号、同第2,941,898号、同第3,508,947号、同第3,526,528号及び原崎勇次著、コーティング工学、253頁、朝倉書店(1973)に記載がある。
紫外線硬化型樹脂組成物は塗布後、速やかに乾燥された後、紫外線を光源より照射するが、照射時間は0.5秒〜5分がよく、紫外線硬化型樹脂の硬化効率、作業効率とから3秒〜2分がより好ましい。
また、活性線硬化樹脂層の代わりに樹脂フィルム基材上に熱硬化性樹脂を設けても良い。熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂、熱硬化性ポリアミドイミド等を挙げることができる。
不飽和ポリエステル樹脂としては、例えば、オルソフタル酸系樹脂、イソフタル酸系樹脂、テレフタル酸系樹脂、ビスフェノール系樹脂、プロピレングリコール−マレイン酸系樹脂、ジシクロペンタジエンないしその誘導体を不飽和ポリエステル組成に導入して低分子量化した、或いは被膜形成性のワックスコンパウンドを添加した低スチレン揮発性樹脂、熱可塑性樹脂(ポリ酢酸ビニル樹脂、スチレン・ブタジエン共重合体、ポリスチレン、飽和ポリエステルなど)を添加した低収縮性樹脂、不飽和ポリエステルを直接Brでブロム化する、或いはヘット酸、ジブロムネオペンチルグリコールを共重合する等した反応性タイプ、塩素化パラフィン、テトラブロムビスフェノール等のハロゲン化物と三酸化アンチモン、燐化合物の組み合わせや水酸化アルミニウム等を添加剤として用いる添加タイプの難燃性樹脂、ポリウレタンやシリコーンとハイブリッド化、またはIPN化した強靭性(高強度、高弾性率、高伸び率)の強靭性樹脂などがある。
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型、ノボラックフェノール型、ビスフェノールF型、臭素化ビスフェノールA型を含むグリシジルエーテル系エポキシ樹脂、グリシジルアミン系、グリシジルエステル系、環式脂肪系、複素環式エポキシ系を含む特殊エポキシ樹脂等を挙げることができる。
ビニルエステル樹脂としては、例えば、普通エポキシ樹脂とメタクリル酸等の不飽和一塩基酸とを開環付加反応して得られるオリゴマーをスチレンなどのモノマーに溶解した物である。また、分子末端や側鎖にビニル基を持ちビニルモノマーを含有する等の特殊タイプもある。グリシジルエーテル系エポキシ樹脂のビニルエステル樹脂としては、例えば、ビスフェノール系、ノボラック系、臭素化ビスフェノール系等があり、特殊ビニルエステル樹脂としてはビニルエステルウレタン系、イソシアヌル酸ビニル系、側鎖ビニルエステル系等がある。
フェノール樹脂は、フェノール類とフォルムアルデヒド類を原料として重縮合して得られ、レゾール型とノボラック型がある。
熱硬化性ポリイミド樹脂としては、例えば、マレイン酸系ポリイミド、例えばポリマレイミドアミン、ポリアミノビスマレイミド、ビスマレイミド・O,O′−ジアリルビスフェノール−A樹脂、ビスマレイミド・トリアジン樹脂など、またナジック酸変性ポリイミド、及びアセチレン末端ポリイミドなどがある。
また、上述した活性光線硬化型樹脂の一部も、熱硬化性樹脂として用いることができる。
加熱方法としては、特に制限はないが、ヒートプレート、ヒートロール、サーマルヘッド、熱風を吹き付けるなどの方法を使用するのが好ましい。加熱温度としては、使用する熱硬化性樹脂の種類により一概には規定できないが、透明基材への熱変形等の影響を与えない温度範囲であることが好ましく、30〜200℃が好ましく、更に50〜120℃が好ましく、特に好ましくは70〜100℃である。
次に、この発明の実施形態に係る光学フィルムの製造方法に含まれる洗浄工程について説明する。この洗浄工程は、上記樹脂フィルム基材に対して適用される他、ハードコート層が形成された後の光学フィルムに対しても適用される。
[第1の実施の形態]
まず、この発明の第1の実施形態に係る光学フィルムの製造方法について説明する。第1の実施形態に係る光学フィルムの製造方法に含まれる洗浄工程では、樹脂フィルム基材に対してドライスブラスト材を吹き付け、樹脂フィルム基材表面の付着物を除去する。
この実施形態に係る洗浄工程では、上記の溶液流延製膜法又は溶融流延製膜法で製膜された樹脂フィルム基材の少なくとも1つの面に対してブラスト材を吹き付けて、樹脂フィルム基材の表面に付着している付着物を除去する。ブラスト材は、常温常圧下で気体又は液体となる物質を冷却固体化することにより作製される。例えば、二酸化炭素を冷却固体化することによりドライアイスを作製し、そのドライアイスをクラッシャーにより砕いたり、一旦、ペレタイザーでペレット状にしたものを砕いたりしてドライアイス粒を作製し、そのドライアイス粒をブラスト材とする。そして、そのブラスト材をコンプレッサーエアーにより、ガン又はブラストノズルから樹脂フィルム基材の表面に吹き付ける。このドライアイスからなるブラスト材は、公知のドライアイスブラスト装置により作製することができる。また、コンプレッサーエアーは、露点−50℃程度にしておくと良い。ドライアイスの温度は−78℃程度であるため、樹脂フィルム基材表面の結露を防止するためである。
例えば、膜厚が30μm〜150μmになるように樹脂フィルム基材を製造する。ブラスト材としてドライアイス粒子を用いる場合は、粒子の平均粒径をφ1μm〜φ15mmとする。ブラスト材としてペレット状のものを用いる場合は、径をφ3mm程度のものとし、長さを1mm〜10mmとする。また、樹脂フィルム基材の表面に傷が付かない速度(圧力)で、ドライアイスブラスト材を樹脂フィルム基材の表面に吹き付ける。ブラスト材の吹き付ける速度を、例えば100m/sec未満として樹脂フィルム基材表面に吹き付ける。また、吹き付けのエアー圧を、例えば3.5kg/cmとして樹脂フィルム基材表面に吹き付ける。この吹き付けの速度や圧力は、樹脂フィルム基材の材料によって適宜変える。硬い樹脂フィルム基材の場合は、吹き付けの速度を速くしても(圧力を高くしても)表面に傷が付き難いが、軟らかい樹脂フィルム基材ほど表面に傷が付きやすいため、吹き付けの速度を遅くする(圧力を低くする)必要がある。
また、樹脂フィルム基材にドライアイスブラスト材を吹き付けた後に、ドライアイスブラスト材が昇華するような温度及び圧力下でブラスト材を吹き付ける。例えば、常温常圧下でブラスト材を樹脂フィルム基材に吹き付けることにより、樹脂フィルム基材に吹き付けられた後のブラスト材は昇華して気体となるため、樹脂フィルム基材の表面にブラスト材が残存することはない。
なお、樹脂フィルム基材の膜厚、ブラスト材の寸法及び形状は上記の値及び形状に限定されるものではない。付着物の大きさや粘着力の強さに応じて、ドライアイスブラスト材の大きさ、吹き付ける速度又は吹き付ける圧力等を、樹脂フィルム基材の表面に傷が付かない範囲で変えることにより、付着物を十分に除去することが可能となる。
また、ガン又はブラストノズルからドライアイスブラスト材を噴出させて樹脂フィルム基材に吹き付けるまでの間の空気中で、そのドライアイスブラスト材の大きさを制御しても良い。常温常圧下ではドライアイスブラスト材は昇華するため、固体化されたブラスト材は小さくなる。従って、ガン又はブラストノズルから樹脂フィルム基材まので距離を長くするほど、樹脂フィルム基材に到達するブラスト材の大きさは小さくなる。このように、ガン又はブラストノズルから樹脂フィルム基材までの距離を変えることにより、光学フィルムに到達するブラスト材の大きさを変えることができるため、距離を変えることでブラスト材の大きさを制御して、付着物の大きさや粘着力の強さに合わせて除去(洗浄)を行うことが可能となる。
例えば、溶液流延製膜法により樹脂フィルム基材を作製する場合において、ドライアイスブラスト材を吹き付けるタイミングは、図1に示す、乾燥装置5と巻取りローラ7との間にドライアイスブラスト装置を設け、乾燥装置5により溶媒が蒸発され、巻取りローラ7により巻き取られる前にドライアイスブラスト材を樹脂フィルム基材に吹き付け、付着物を除去する。
上記ドライアイスブラスト材を樹脂フィルム基材表面に吹き付けると、その吹き付けの衝撃力により表面に付着している付着物が除去される。また、ドライアイスブラスト材により樹脂フィルム基材表面は急激に冷却されるため、この急激な温度変化によって付着物が除去されやすくなる。このように、ドライアイスブラスト材を吹き付けることにより、その衝撃力と急激な温度変化により表面の付着物を十分に除去することが可能となる。
また、従来技術に係る粘着式ウェブクリーナーにより樹脂フィルム基材の付着物を除去するためには、粘着力を高める必要があるため、粘着式ウェブクリーナーから樹脂フィルム基材を剥がす際に樹脂フィルム基材に余計な力が加わり、樹脂フィルム基材を変形しやすくなる。これに対して、この実施形態に係る洗浄方法によると、ドライアイスブラスト材を吹き付けることにより付着物を除去するため、粘着力により付着物を除去する必要がなく、樹脂フィルム基材を変形させずに付着物を除去することが可能となる。これにより、樹脂フィルム基材の平面性を維持しつつ付着物を除去することが可能となる。
また、従来技術に係るブラシ式ウェブクリーナーにより樹脂フィルム基材の付着物を掻き落とす場合、付着物を十分に除去するためには、力を加えて掻き落とす必要があり、樹脂フィルム基材の表面に傷が付きやすい。また、付着力が強い異物や粘着性がある異物を十分に除去しきれず、これらの異物を除去するためには、更に力を加えて掻き落とす必要があり、更に傷が付きやすい。これに対して、この実施形態に係る洗浄方法によると、ドライアイスブラスト材を吹き付けることにより、付着力が強い異物や粘着性がある付着物を十分に除去することができ、更に、樹脂フィルム基材にブラスト材が衝突したときにブラスト材が砕けるため、樹脂フィルム基材表面に傷が付き難い。このように、この実施形態に係る洗浄方法によると、従来技術と比べて、樹脂フィルム基材の表面に傷を付けずに付着物を除去することが可能となる。
また、樹脂フィルム基材の表面には、フィルムに含まれている添加剤が染み出ることがある。その染み出しが樹脂フィルム基材表面で均一でないと、樹脂フィルム基材に塗布によりハードコート層や反射防止層などを形成したときに、耐擦傷性が弱い部分ができることがあり、それが斑として現れることがある。この実施形態に係る洗浄方法によると、樹脂フィルム基材表面に部分的に付着している付着物を除去して均一にすることができるため、耐擦傷性斑を低減することが可能となる。
以上のように、この実施形態に係る光学フィルムの製造方法によると、平面性を維持しつつ、表面に傷を付けずに、耐擦傷性斑を低減して樹脂フィルム基材の付着物を十分に除去することができるため、大画面化した表示装置に求められる高品質の光学フィルムを製造することが可能となる。
[第2の実施の形態]
次に、この発明の第2の実施形態に係る光学フィルムの製造方法について、図2を参照しつつ説明する。図2は、この発明の第2の実施形態に係る光学フィルムの製造及び除去(洗浄)工程を説明するために図である。この第2の実施形態においては、溶液流延製膜法又は溶融流延製膜法により製膜された樹脂フィルム基材上にハードコート層を形成し、そのハードコート層に対してドライアイスブラスト材を吹き付け、ハードコート層表面の付着物を除去する。
例えば、紫外線硬化樹樹脂によりハードコート層を形成する場合は、図2に示すように、まず、第1のブラスト部11にてドライアイスブラスト材を樹脂フィルム基材Fに吹き付け、表面に付着している付着物を除去する。この樹脂フィルム基材Fは、上記の溶液流延製膜法又は溶融流延製膜法で製膜されたフィルムである。このように、塗布部12にて紫外線硬化樹脂層を塗布する前に、樹脂フィルム基材F表面に付着している付着物を除去する。第1のブラスト部11による吹き付けの後、塗布部12にて、紫外線硬化樹脂組成物塗布液を樹脂フィルム基材F上に塗布する。その後、ドライヤー13にて乾燥して溶媒を蒸発させ、照射部14にてハードコート層に紫外線を照射することにおりハードコート層を硬化し、ローラ10に光学フィルムを巻き付ける。ドライアイスブラスト材の吹き付けの条件は、第1の実施形態における吹き付けの条件と同じである。
このように、紫外線硬化樹脂を塗布する前にドライアイスブラスト材により樹脂フィルム基材表面の付着物を除去することにより、良好にハードコート層を形成することが可能となる。
また、ハードコート層を硬化した後に、第2のブラスト部15にてドライアイスブラスト材をハードコート層に吹き付け、表面に付着している付着物を除去し、その後、ローラ10に光学フィルムを巻き付けても良い。ドライアイスブラスト材の吹き付けの条件は、第1の実施形態における吹き付けの条件と同じである。なお、ハードコート層として熱硬化性樹脂を用いる場合は、加熱処理することにより硬化させて樹脂フィルム基材F上にハードコート層を形成し、その後、第2のブラスト部15によりドライアイスブラスト材を吹き付けて付着物を除去する。
このように、ハードコート層を形成した後に、第2のブラスト部15によりドライアイスブラスト材を吹き付けても、第1の実施形態とほぼ同じ効果が得られる。また、第1のブラスト部11での吹き付けと組み合わせることにより、更に効果がある。つまり、ドライアイスブラスト材をハードコート表面に吹き付けると、その吹き付けの衝撃力により表面に付着している付着物が除去される。また、ドライアイスブラスト材によりハードコート表面は急激に冷却されるため、この急激な温度変化によって付着物が除去されやすくなる。このように、ドライアイスブラスト材を吹き付けることにより、その衝撃力と急激な温度変化により表面の付着物を十分に除去することが可能となる。
また、ドライアイスは常温常圧下で昇華するため、ブラスト材がハードコート層表面に残存することがない。さらに、ドライアイスブラスト材を用いているため、ハードコート層が形成された光学フィルムを変形させずに付着物を除去することができるため、光学フィルムの平面性を維持することが可能となる。さらに、この実施形態に係る洗浄方法によると、従来技術に係るブラシ式ウェブクリーナーのように付着物を掻き落とす必要がないため、ハードコート層に傷を付けずに付着物を除去することが可能となる。また、この実施形態に係る洗浄方法によると、樹脂フィルム基材表面に部分的に付着している付着物を除去して均一にすることができるため、従来技術に係る洗浄方法と比べて、耐擦傷性斑を低減することが可能となる。
以上のように、この実施形態に係る光学フィルムの製造方法によると、平面性を維持しつつ、表面に傷を付けずに、耐擦傷性斑を低減して樹脂フィルム基材の付着物を十分に除去することができるため、大画面化した表示装置に求められる高品質の光学フィルムを製造することが可能となる。
また、上述した第1及び第2の実施形態において、光学フィルムを一方の面から支持部材により支持し、支持されている反対側の面に対してブラスト材を吹き付けても良い。例えば、ロール部材に光学フィルムを接触させ、その状態で、接触している面の反対側の面にブラスト材を吹き付ける。また、ベルト部材の上に光学フィルムを載置し、ベルト部材の反対側の面に対してブラスト材を吹き付ける。光学フィルムは支持部材により支えられているため、ブラスト材による力が効率良く光学フィルム表面に伝わる。そのことにより、光学フィルム表面に付着している付着物を効率良く除去することができる。さらに、光学フィルムを支持部材で支持することで、光学フィルムを平面に保つことができる。
また、光学フィルムの進行方向に対向する方向からドライアイスブラスト材を吹き付けると、光学フィルム表面に効率良くブラスト材の力が伝わるため、付着物を更に容易に除去することが可能となる。例えば、図1において、樹脂フィルム基材が矢印Aの方向に移動させられている状態において、その移動方向(矢印Aの方向)に対向する方向(矢印Aの反対方向)からドライアイスブラスト材を樹脂フィルム基材に吹き付ける。また、図2において、ハードコート層が形成された樹脂フィルム基材が矢印Bの方向に移動させられている状態において、その移動方向(矢印Bの方向)に対向する方向(矢印Bの反対方向)からドライアイスブラスト材をハードコート層表面に吹き付ける。このように光学フィルムに対して斜めの方向からドライアイスブラスト材を吹き付けることにより、光学フィルム表面から付着物が剥がれやすくなり、容易に付着物を除去することが可能となる。特に、光学フィルムの進行方向に対向する方向からドライアイスブラスト材を吹き付けると、効率良く付着物を除去することができる。
また、光学フィルムの表面が結露することを防止するために、光学フィルムの温度を室温以上にする。例えば、雰囲気の露点を10℃以下、より好ましくは0℃未満とし、光学フィルムの表面温度を20℃〜120℃にする。なお、溶融流延製膜法により作製された樹脂フィルムについては、溶融しない温度に維持する必要がある。このように、光学フィルムの表面温度を20℃〜120℃にすることにより、ドライアイスブラスト材が吹き付けられた際に、光学フィルムの温度低下を防止することができ、結露を防止することが可能となる。
具体的には、ドライアイスブラスト材を光学フィルムに吹き付ける前に、ドライヤー等により光学フィルムに風を吹き付け、光学フィルムの表面温度を20℃〜120℃に維持する。
また、別の手段として、ドライアイスブラスト材を光学フィルムに吹き付ける前に、光学フィルムを搬送するロール部材やベルト部材などの支持部材を加熱することにより、その支持部材に接している光学フィルムを加熱しても良い。例えば、光学フィルムの表面温度よりも高い温度の支持部材により光学フィルムを加熱し、光学フィルムの表面温度が20℃〜120℃になるように支持部材の温度を調整する。これにより、光学フィルムが冷却され過ぎることを防止することができ、ドライアイスブラスト材を吹き付ける工程及びその後の工程において、光学フィルムへの結露を防止することが可能となる。支持部材を加熱する方法として、ロール部材内に温水などを流しても良く、電気製のジャケットロールをロール部材として用いても良い。
また、ドライアイスにより冷却されて結露が生じるおそれがあるため、ドライアイスブラスト材を吹き付ける前、吹き付け中、吹き付けた後などにおいて、雰囲気の露点を下げておくことが好ましい。例えば、10℃以下に露点を下げることが望ましく、0℃未満とすることがより好ましい。具体的には、吹き付け処理をチャンバー内などで行い、そのチャンバー内に昇華した二酸化炭素ガスや窒素ガス等を充満させて、露点を下げる。また、例えば露点が−60℃のドライエアーをチャンバー内に充満させて、その環境下でドライアイスブラスト材を光学フィルムに吹き付けても良い。
さらに、ブラスト材を吹き付けるブラストノズルに吸引ノズルを設け、除去された付着物をその吸引ノズルで吸い込んで光学フィルム表面から付着物を除去しても良い。ブラスト材により光学フィルムから付着物を除去すると、その付着物は光学フィルム周辺を漂うことになる。この状態を放置すると、付着物が光学フィルムに再付着するおそれがあり、光学フィルムが汚染されるおそれがある。このようにブラスト材により除去された付着物を、吸引して速やかに排出することにより、光学フィルム周辺に舞っている付着物を確実に除去することができる。これにより、ブラスト材により除去された付着物が光学フィルムに再付着することを防止することが可能となる。
例えば、図3(a)に示すように、搬送ローラ22上の光学フィルムFに対して斜めにブラストノズル20を設置し、斜め方向からブラスト材を光学フィルムFに吹き付けて付着物を除去する場合、その吹き付けの反対側に吸引ノズル21を設置し、ブラスト材の吹き付けにより光学フィルムFから剥がされた付着物を、吸引ノズル21により吸引して速やかに排出する。
また、図3(b)に示すように、ブラストノズル20の周囲を囲んで吸引ノズル21を設置することにより、光学フィルムFにおいてブラスト材が吹き付けられる部分の周囲を囲むように吸引ノズル21を設置し、剥がされた付着物を吸引して速やかに排出しても良い。ブラスト材が昇華する際に生じる風圧は、ブラスト材が吹き付けられた部分の全方向に対して発生するため、吹き付けられる部分を吸引ノズル21で囲むことにより、周辺の雰囲気に舞い上がる付着物を吸引して速やかに排出することができる。
また、ドライアイスブラスト材を吹き付けることにより除去された付着物が、再び光学フィルム表面に付着するのを防止するために、除電装置を用いて光学フィルムの表面を除電しながら表面にドライアイスブラスト材を吹き付けても良い。また、ドライアイスブラスト材を吹き付ける前に、除電を行っても良い。例えば、ドライアイスブラスト材を吹き付けた後の光学フィルムの帯電量が1[kV]以下になるように除電の条件を決めて除電を行う。帯電量が1[kV]以下になるまで除電することにより、除去された付着物が光学フィルムに再び付着するのを防止でき、更に、雰囲気中のごみ等が光学フィルムに付着するのを防止することができる。具体的な手段として、ドライアイスブラスト材を吹き付けるブラストノズル内にイオン発生用の電極を設け、ブラスト材を吹き付けるとともに光学フィルム表面を除電する。
また、ドライアイスブラスト材を吹き付けて光学フィルムの表面から付着物を除去した後に、公知のクリーニング方法により更に光学フィルムを洗浄しても良い。公知のクリーニング方法として、例えば、エアー式ウェブクリーナー、粘着式ウェブクリーナー、又はブラシ式ウェブクリーナーなどが挙げられる。
また、光学フィルム表面にドライアイスブラスト材を吹き付ける際に、光学フィルムを密封されたチャンバー内に格納し、そのチャンバー内を外部よりも減圧してドライアイスブラスト材を吹き付けても良い。例えば、チャンバー外部の圧力よりも10Pa程度、減圧する。このような減圧下でドライアイスブラスト材の吹き付けを行うことにより、吹き付けにより除去された付着物が光学フィルム表面に再び付着することを防止することができる。なお、10Pa程度減圧しても、ドライアイスブラス材は昇華して気体となるため、ドライアイスブラスト法の効果が損なわれることはない。
また、ドライアイスブラスト材により付着物を除去した後、更に、光学フィルムを洗浄することが好ましい。例えば、水を入れた水槽中にドライアイスブラスト材による洗浄後の光学フィルムを浸漬し、光学フィルム表面に残存する付着物を除去する。さらに、洗浄剤を用いて光学フィルムを洗浄すると、より効果的に残存する付着物を除去することができる。洗浄液を光学フィルムに高速で吹き付けて残存する付着物を除去しても良い。また、超音波洗浄器又は超音波発信器を用いて光学フィルムに超音波を照射することより、効果的に残存する付着物を除去することができる。また、洗浄の代わりに、鹸化しても良い。また、ベルト部材に載置して搬送している状態の光学フィルムや、ロール部材に巻き付けられている状態の光学フィルムに洗浄剤を吹き付けて残存する付着物を除去しても良い。この洗浄剤には、例えば、水、又は水に活性剤等を添加したものを用いる。洗浄剤を使用して光学フィルムに残存する付着物を除去した後は、光学フィルムを水洗いし、その後、乾燥する。なお、洗浄液はフィルターを通すことにより異物がない状態で用い、洗浄後、光学フィルム上の洗浄液を乾燥する。
また、ドライアイスブラスト材を複数回に分けて光学フィルムに吹き付けても良い。例えば、複数のドライアイスブラスト装置を設け、各ドライアイスブラスト装置から同じ粒径又は異なった大きさの粒径のドライアイスブラスト材を光学フィルムに吹き付ける。ドライアイスブラスト装置は、ドライアイスブラスト材を生成する量に限度があるため、使用すべきドライアイスブラスト材の量が多い場合は、複数のドライアイスブラスト装置を設けて処理を行った方が良い。つまり、1つだけドライアイスブラスト装置を設けて処理を行おうとすると、ドライアイスブラスト材の生成量が足りず、良好に付着物を除去することができないおそれがある。従って、複数のドライアイスブラスト装置を設け、複数回に分けてドライアイスブラスト材を吹き付けることで、付着物を十分に除去することが可能となる。
[実施例]
次に、この発明の実施形態に係る光学フィルムの製造方法の具体的な実施例について説明する。
[実施例1]
まず、実施例1について図4に示す表を参照しつつ説明する。この実施例1では、上記の溶液流延製膜法又は溶融流延製膜法により製膜された樹脂フィルム基材の表面に、下記に示す条件でドライアイスブラスト材を吹き付け、樹脂フィルム基材表面の付着物を除去した。その吹き付け後、樹脂フィルム基材にハードコート層を塗設し、ドライヤーで乾燥した後、硬化してハードコート層を形成した。そして、ハードコート層を形成した後、平面性、点欠陥(付着物故障)及び傷故障について評価を行った。
<ドライアイスブラスト条件>
ドライアイスの形状及び大きさ:平均粒子径φ3×2mmのペレット状のブラスト材
供給エアー圧:3.5kg/cm
この条件で樹脂フィルム基材表面にドライアイスブラスト材を吹き付けて付着物を除去した後、下記に示すハードコート層を形成した。そして、ハードコート層を形成した後、平面性、点欠陥(付着物故障)及び傷故障について評価を行った。
[ハードコート層の作製]
幅1.3m、厚さ80μm、長さ2000mの長尺の樹脂フィルム基材の表面に上記に示すドライアイスブラスト条件で、ドライアイスブラスト材を吹き付けて、樹脂フィルム基材表面の付着物を除去した。その後、下記のハードコート層(紫外線硬化樹脂層)用塗布液を孔径0.4μmのポリプロピレン製フィルターで濾過してハードコート層用塗布液を調整し、これをマイクログラビアコーターにより塗布し、90℃で乾燥の後、紫外線ランプを用い照射部の照度が100mW/cmで、照射量を0.1J/cmとして塗布層を硬化させ、厚さ10μmのハードコート層を形成した。
<ハードコート層用塗布液>
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート:100重量部
光反応開始剤(イルガキュア184(チバスペシャルティケミカルズ(株)製):5重量部
酢酸エチル:120重量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル:120重量部
シリコン系界面活性剤(BYK−307(ビックケミージャパン社製):0.4重量部
[比較例]
この実施例1に対する比較例(従来技術)を以下に挙げる。
比較例1:粘着式ウェブクリーナーにより樹脂フィルム基材表面の付着物を除去し、その後、ハードコート層を形成した。
比較例2:ブラシ式ウェブクリーナーにより樹脂フィルム基材表面の付着物を除去し、その後、ハードコート層を形成した。
比較例3:樹脂フィルム基材表面の付着物を除去しないで、ハードコート層を形成した。
図4において、例1〜例9がこの実施例における付着物除去の結果を表している。例1〜例9では、上記の溶液流延製膜法又は溶融流延製膜法により製膜されたセルローストリアセテートフィルム(TACフィルム)からなる樹脂フィルム基材の表面に、ドライアイスブラスト材を吹き付け、樹脂フィルム基材表面の付着物を除去した。なお、樹脂フィルム基材には、コニカミノルタオプト(株)製のTACフィルム KC8UXを用いた。また、比較例1〜比較例3(従来技術)においても、セルローストリアセテートフィルム(TACフィルム)からなる樹脂フィルム基材を用いた。
図4(a)の条件A〜条件Iの詳細については、図4(b)に示している。例えば、例1は条件Aに従って除去された結果であり、図4(b)に示すように、雰囲気温度を20℃にし、樹脂フィルム基材(支持体)の温度を20℃にし、雰囲気の露点を0℃未満とし、ドライアイスブラスト材を樹脂フィルム基材に吹き付け、その後、ハードコート層を形成し、評価を行った結果である。また、例えば、例5は条件Eに従って除去された結果であり、図4(b)に示すように、温度が30℃で径がφ500mmのロール部材(支持部材)により支持された状態で、雰囲気温度を30℃にし、樹脂フィルム基材(支持体)の温度を30℃にし、雰囲気の露点を0℃未満とし、除電装置により除電を行い、吸引ノズルを設けて吸引を行い、ドライアイスブラスト材を樹脂フィルム基材表面に吹き付け、その後、ハードコート層を形成し、評価を行った結果である。他の例についても図4(a)、(b)に示された条件に従って除去(洗浄)を行った。
<平面性の評価>
平面性の評価に、レーザ変位計(キーエンス(株)製、型式:LT−8100、分解能:0.2μm)を用いた。上記ハードコート層を形成した光学フィルムの幅手方向にレーザ変位計で走査して、ハードコート層表面の細かい突起を測定し、光学フィルムの平面性を評価した。平面性を評価するため、光学フィルムを平坦で水平な台の上に載せ、光学フィルムの幅手の両端をテープにより台に固定した。そして、台と平行に設置した移動レール(シグマ光機社製)に、カメラレンズと光学フィルムとの間隔が25mmとなるように測定カメラを設置し、移動速度を5cm/minで走査して突起を測定した。フィルム自身のうねり等の変形を観察するため、ハードコート層を設けた面の反対側の面から、測定を行った。
◎:光学フィルムの変形による凹凸の大きさが0.5μm未満
○:光学フィルムの変形による凹凸の大きさが0.5μm以上、1.0μm未満
△:光学フィルムの変形による凹凸の大きさが1.0μm以上、3.0μm未満
×:光学フィルムの変形による凹凸の大きさが3.0μm以上
図4(a)の表に示すように、例1〜例9(実施例)では、「○」又は「◎」となった。一方、比較例1では「×」、比較例2では「△」、比較例3では「◎」となった。この結果から、比較例1、2のように粘着式ウェブクリーナー又はブラシ式ウェブクリーナーにより付着物除去を行うと、平面性が損なわれることが分かった。それに対して、この発明の実施例では、ドライアイスブラスト材を吹き付けて付着物除去を行っても平面性が損なわれず、良好な光学フィルムが製造されること分かった。
<点欠陥 付着物故障検査>
上記ハードコート層を形成した光学フィルムから、幅100cm、長さ100cmの大きさの試料(光学フィルム)を切り出し、その試料を台の上に置いた。そして、50W蛍光灯を5本並べ、台に対して45°の角度から光が照射されるように、台から1.5mの高さに蛍光灯を固定した。そして、その蛍光灯で試料(光学フィルム)のハードコート層を照らし、目視で確認できる100μm以上の点欠陥(付着物故障)をカウントした。
図4(a)の表に示すように、例5〜例9(実施例)では0〜1個/cmとなった。また、例1〜例4(実施例)においても、比較例1〜比較例3と比べて、付着物が減少していることが分かった。この結果から、比較例1、2では、十分に付着物を除去しきれないが、この発明の実施例によると、付着物を十分に除去することができることが分かった。
<傷故障検査>
上記ハードコート層を形成した光学フィルムから、幅100cm、長さ10cmの大きさの試料(光学フィルム)を切り出し、その試料を台の上に置いた。そして、50W蛍光灯を5本並べ、台に対して45°の角度から光を照射させるように、台から1.5mの高さに蛍光灯を固定した。そして、その蛍光灯で試料(光学フィルム)のハードコート層を照らし、目視で確認できる傷故障(樹脂フィルム基材の傷)をカウントした。
◎:傷の数が0〜1箇所/m
○:傷の数が2〜4箇所/m
△:傷の数が5〜10箇所/m
×:傷の数が10箇所/m以上
図4(a)の表に示すように、例1〜例9(実施例)では、全て「◎」となった。一方、比較例1では「○」、比較例2では「×」となった。この結果から、比較例1、2では、光学フィルム表面に傷が付く可能性があり、良好な光学フィルムを製造できないおそれがあるが、この発明の実施例によると、光学フィルム表面に傷を付けずに付着物を十分に除去することができることが分かった。
上記の平面性の評価、点欠陥(付着物故障)検査及び傷故障検査の結果をまとめると、比較例1〜比較例3では、平面性を維持できなかったり、表面に傷が付いたりし、また、十分に付着物を除去することができなかったが、この発明の実施例では、光学フィルムの平面性を維持しつつ、表面に傷を付けずに、表面の付着物を十分に除去することができることが分かった。このように、この発明の実施例に係る洗浄方法では、良好な光学フィルムを製造することができるため、大画面化した表示装置に求められる高品質の光学フィルムを製造することが可能となる。
[実施例2]
次に、実施例2について図5を参照しつつ説明する。この実施例2では、実施例1にてハードコート層が形成された後、そのハードコート層の表面にドライアイスブラスト材を吹き付け、ハードコート層表面の付着物を除去した。その後、ハードコート層上に下記に示す反射防止層を形成した。そして、反射防止層を形成した後、平面性、点欠陥(付着物故障)及び耐擦傷性斑について評価を行った。ドライアイスブラストの条件は実施例1における条件と同じである。
[反射防止層の作製]
硬化したハードコート層の上に、下記中屈折率層用塗布液をバーコーターにより塗布し、70℃で乾燥の後、紫外線を照射して塗布層を硬化させ、中屈折率層(屈折率1.72、膜厚85nm)を形成した。その上に、下記高屈折率層用塗布液をバーコーターにより塗布し、70℃で乾燥の後、紫外線を照射して塗布層を硬化させ、高屈折率層(屈折率1.9、膜厚68nm)を形成した。更にその上に、下記低屈折率層用塗布液をバーコーターにより塗布し、70℃で乾燥させ、熱処理により硬化して低屈折率層(屈折率1.42、膜厚100nm)を形成し、可視光の反射率が0.5%以下の反射防止フィルムを作製した。
〈中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層の作製〉
(二酸化チタン分散物の調製)
二酸化チタン(一次粒子質量平均粒径:50nm、屈折率:2.70)30質量部、アニオン性ジアクリレートモノマー(PM21、日本化薬(株)製)4.5質量部、カチオン性メタクリレートモノマー(DMAEA、興人(株)製)0.3質量部及びメチルエチルケトン65.2質量部を、サンドグラインダーにより分散し、二酸化チタン分散物を調製した。
(中屈折率層用塗布液の調製)
シクロヘキサノン151.9g及びメチルエチルケトン37.0gに、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)0.14g及び光増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)0.04gを溶解した。さらに、上記の二酸化チタン分散物6.1g及びジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)2.4gを加え、室温で30分間攪拌した後、孔径0.4μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して、中屈折率層用塗布液を調製した。この塗布液をハードコート層が形成された光学フィルム上に塗布、乾燥し、紫外線硬化後の屈折率を測定したところ、屈折率1.72の中屈折率層が得られた。
(高屈折率層用塗布液の調製)
シクロヘキサノン1152.8g及びメチルエチルケトン37.2gに、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)0.06g及び光増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)0.02gを溶解した。さらに、上記の二酸化チタン分散物及びジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)の二酸化チタン分散物の比率を増加させ、高屈折率層の屈折率となるように量を調節して、室温で30分間攪拌した後、孔径0.4μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して、高屈折率層用塗布液を調製した。この塗布液を、ハードコート層が形成された光学フィルム上に塗布、乾燥し、紫外線硬化後の屈折率を測定したところ、屈折率1.9の高屈折率層が得られた。
(低屈折率層用塗布液の調製)
下記の混合物を20分間室温で攪拌し、孔径0.4μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して、低屈折率層用塗布液を調製した。これを、バーコーターを用いて乾燥膜厚が0.1μm(屈折率n=1.42)になるように塗工し、120℃の熱風式乾燥機中で30分間加熱処理を行い屈折率1.42の低屈折率層を形成した。
<低屈折率層用塗布液>
含フッ素系共重合体(ポリジメチルシロキサンユニットを有するフルオロオレフィン/ビニルエーテル共重合体)を含む塗料(固形分3%)(JSR(株)製、JN−7215):30重量部
コロイダルシリカ分散液(平均一次粒径50nm、固形分15%、イソプロピルアルコール分散液):1.5重量部
1−メトキシ−2−プロパノール:6重量部
ここで、図5の表における除去方式、条件、及び除去の実施タイミングについて説明する。例1(実施例)では、ドライアイスブラスト材のみを用いて付着物の除去を行った。この除去の実施タイミングは、樹脂フィルム基材にハードコート層が塗布され、硬化されて形成された後に、ドライアイスブラスト材をハードコート層に吹き付けて付着物の除去を行った。付着物除去後、ハードコート層の上に上記反射防止層を形成した。
例2(実施例)では、ドライアイスブラスト材をハードコート層に吹き付けた後、エアー式ウェブクリーナーによりハードコート層を更に洗浄した。この除去の実施タイミングは、例1と同じである。付着物除去後、ハードコート層の上に上記反射防止層を形成した。
例3(実施例)では例2と同様に、ドライアイスブラスト材とエアー式ウェブクリーナーを用いた。除去の実施タイミングは、ハードコート層が形成される前の樹脂フィルム基材に対してドライアイスブラスト材を吹き付け、更に、ハードコート層が形成された後、そのハードコート層に対してもドライアイスブラスト材を吹き付けた。付着物除去後、ハードコート層の上に上記反射防止層を形成した。
例4(実施例)では、ドライアイスブラスト材をハードコート層に吹き付けた後、粘着式ウェブクリーナーによりハードコート層を更に洗浄した。この除去の実施タイミングは、例1、2と同じである。付着物除去後、ハードコート層の上に上記反射防止層を形成した。
例5(実施例)では、ドライアイスブラスト材をハードコート層に吹き付けた後、ブラシ式ウェブクリーナーによりハードコート層を更に洗浄した。この除去の実施タイミングは、例1、2、4と同じである。付着物除去後、ハードコート層の上に上記反射防止層を形成した。
また、例1〜例5(実施例)における温度等の環境の条件は、図4(b)に示す条件Eに従った。つまり、温度が30℃で径がφ500mmのロール部材にて光学フィルムを支持し、雰囲気温度を30℃にし、樹脂フィルム基材(支持体)の温度を30℃にし、雰囲気露点を0℃未満とし、除電装置を設けて除電し、減圧下で、ドライアイスブラスト材をハードコート層に吹き付けて付着物を除去した。
[比較例]
この実施例2に対する比較例を以下に挙げる
比較例1:粘着式ウェブクリーナーによりハードコート層表面の付着物を除去し、その後、反射防止層を形成した。除去の実施タイミングは、ハードコート層が形成された後に実施した。
比較例2:ブラシ式ウェブクリーナーによりハードコート層表面の付着物を除去し、その後、反射防止層を形成した。除去の実施タイミングは、ハードコート層が形成された後に実施した。
比較例3:ハードコート層表面の付着物を除去せずに、反射防止層を形成した。
<点欠陥 付着物故障検査>
上記反射防止層を形成した光学フィルムから、幅100cm、長さ100cmの大きさの試料(光学フィルム)を切り出し、その試料を台の上に置いた。そして、50W蛍光灯を5本並べ、台に対して45°の角度から光が照射されるように、台から1.5mの高さに蛍光灯を固定した。そして、その蛍光灯で試料(光学フィルム)の反射防止層を照らし、目視で確認できる50μm以上の点欠陥(付着物故障)をカウントした。
図5の表に示すように、比較例1〜比較例3では付着物が30〜100個/cmとなり、例1〜例5(実施例)では付着物が0〜6個/cmとなった。この結果から、この実施例によると付着物を十分に除去できたことが分かった。
<平面性の評価>
上記反射防止層が形成された光学フィルムから、幅90cm、長さ100cmの大きさの試料(光学フィルム)を切り出し、その試料を台の上に置いた。そして、40W蛍光灯(松下電器製FLR40S−EX−D/M)を5本並べ、台に対して45°の角度から光が照射されるように、台から1.5mの高さに蛍光灯を固定した。そして、その蛍光灯で試料(光学フィルム)の反射防止層を照らし、反射防止層の面を目で見て、いわゆる「つれ」及び「しわ」の評価を行った。
◎:蛍光灯が5本とも真っすぐに見えた
○:蛍光灯が少し曲がって見える部分がある
△:蛍光灯が全体的に少し曲がって見える
×:蛍光灯が大きくうねって見える
図5の表に示すように、例1〜例5(実施例)では全て「◎」となった。一方、比較例1では「×」、比較例2では「△」、比較例3では[◎]となった。この結果から、比較例1、2のように粘着式ウェブクリーナー又はブラシ式ウェブクリーナーにより付着物除去を行うと、平面性が損なわれることが分かった。それに対して、この発明の実施例では、ドライアイスブラスト材を吹き付けて付着物を除去しても平面性が損なわれず、良好な光学フィルムが作製されることが分かった。
<耐擦傷性斑の評価>
10cm×10cmの試料片(光学フィルム)を100枚作製し、それぞれの試料片(光学フィルム)について、23℃、55%RHの環境下で、♯0000のスチールウール(SW)に200g/cmの荷重を加えて、試料片(光学フィルム)の表面を10回擦った。そして、10回擦ったことにより発生した1cm幅当たりの傷の本数を目視で測定し、各試料片(光学フィルム)において100箇所の耐擦傷性の測定結果を求めた。なお、傷の本数は、荷重を加えた部分の中で最も傷の本数が多い部分で測定した。
◎:3本未満
○:3以上、5本未満
△:5以上、10本未満
×:10以上、15本未満
10本/cm未満であれば実用上問題がないが、5本/cm未満が好ましく、3本/cm未満が更に好ましい。
図5の表に示すように、例1〜例5(実施例)では、全て「◎」となった。一方、比較例1、2では「×」となり、比較例3では「△」となった。この結果から、比較例1〜3では、耐擦傷性のばらつきがあり、光学フィルム表面に傷が付きやすいことが分かった。これに対して、この発明の実施例によると、耐擦傷性のばらつきが少ないため、光学フィルム表面に傷が付き難く、良好な光学フィルムを製造することができることが分かった。
上記の点欠陥(付着物故障)、平面性及び耐擦傷性斑の評価結果をまとめると、比較例1〜比較例3では、十分に付着物を除去できず、平面性を維持できず、耐擦傷性斑のばらつきにより傷が付きやすいことが分かった。これに対して、この発明の実施例では、光学フィルムの平面性を維持しつつ、耐擦傷性斑のばらつきを減少して傷を付け難くし、十分に付着物を除去することができることが分かった。また、この発明の実施例に係る洗浄方法により付着物が除去された反射防止フィルムを、偏光板の保護フィルムとして用いると、その偏光板は故障による収率低下を抑えることができ、偏光板の歩留まりを向上させることができた。このように、この発明の実施例によると、大画面化した表示装置に求められる高品質の光学フィルムを製造することが可能となった。
[実施例3]
次に、実施例3について説明する。上記の実施例1では、樹脂フィルム基材の材料として、セルローストリアセテートフィルム(TACフィルム)を用いた例について説明した。この実施例3では、樹脂フィルム基材の材料として、上記セルローストリアセテートフィルム(TACフィルム)以外の材料を用いた例について説明する。
この実施例3では、例えば、溶液流延製膜法又は溶融流延製膜法により製膜された、ポリカーボネートフィルム(PCフィルム)、ポリエチレンテレフタレート、アートン、ゼオネア、又はセルロースアシレートフィルム等からなり、大きさが約A4サイズの樹脂フィルム基材に対してドライアイスブラスト材を吹き付けた。この吹き付けの条件として、図4に示す例1〜例9のように、条件A〜条件Iのいずれかの条件下でドライアイスブラスト材の吹き付けを行った。例えば、吸引ノズルを設けて吸引を行いながらドライアイスブラスト材を吹き付け、その後、平面性の評価、付着物故障の検査及び傷故障の検査を行った。その結果、上記の材料を用いた場合であっても、実施例1と同様の効果が得られた。つまり、図4に示す比較例1〜比較例3(従来技術)と比べて、樹脂フィルム基材の平面性を維持しつつ、表面に傷を付けずに、表面の付着物を十分に除去することができることが分かった。このように、この発明の実施例に係る洗浄方法では、樹脂フィルム基材の材料を換えた場合であっても、良好な光学フィルムを製造することができ、大画面化した表示装置に求められる高品質の光学フィルムを製造することが可能となる。
この発明の第1の実施形態に係る光学フィルムの製造及び除去(洗浄)工程を説明するための図である。 この発明の第2の実施形態に係る光学フィルムの製造及び除去(洗浄)工程を説明するための図である。 吸引ノズルの設置例を説明するための図である。 この発明の実施例1の評価結果を示す表である。 この発明の実施例2の評価結果を示す表である。
符号の説明
1 支持体
2 ダイ
3 剥離ローラ
4 テンター(フィルム幅手方向延伸装置)
5 乾燥装置
6、22 搬送ローラ
7、10 巻取ローラ
11 第1のブラスト部
12 塗布部
13 ドライヤー
14 照射部
15 第2のブラスト部
20 ブラストノズル
21 吸引ノズル

Claims (15)

  1. 溶液流延製膜法又は溶融流延製膜法により製膜された樹脂フィルム基材上に、硬化性樹脂が塗布され硬化されることにより作製され、その後、巻取ローラにより巻き取られる光透過性フィルムに対し、前記硬化性樹脂を硬化した後、前記巻き取りの前に、常温常圧下で気体又は液体となる冷却固体化したブラスト材を、前記光透過性フィルムの少なくとも一方の面に吹き付け、前記少なくとも一方の面を洗浄する洗浄工程を含むことを特徴とする光学フィルムの製造方法。
  2. 前記洗浄工程では、前記光透過性フィルムを所定方向に移動させながら、前記所定方向に対向する方向から前記ブラスト材を前記光透過性フィルムに吹き付けることを特徴とする請求項1に記載の光学フィルムの製造方法。
  3. 前記洗浄工程では、前記ブラスト材を複数回に分けて前記光透過性フィルムに吹き付けることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法。
  4. 前記洗浄工程では、前記光透過性フィルムの表面温度を20〜120℃にして前記ブラスト材を前記光透過性フィルムに吹き付けることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法。
  5. 前記洗浄工程では、前記ブラスト材を吹き付ける前に、前記光透過性フィルムに対して風を吹き付けて前記光透過性フィルムの表面温度を20〜120℃にすることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法。
  6. 前記洗浄工程では、前記ブラスト材を吹き付ける前に、前記光透過性フィルムを支持部材に支持させることで前記光透過性フィルムの表面温度を20〜120℃にすることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法。
  7. 前記洗浄工程では、前記光透過性フィルムの一方の面を支持部材により支持し、前記支持の反対側の面に対して前記ブラスト材を吹き付けることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法。
  8. 前記支持部材は、前記光透過性フィルムを巻きつけるロール部材、又は、前記光透過性フィルムを載置するベルト部材からなることを特徴とする請求項7に記載の光学フィルムの製造方法。
  9. 前記ブラスト材を吹き付けた後に、前記吹き付けにより除去された付着物を、前記吹き付けた部分の周辺より吸引することを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法。
  10. 除電装置により前記光透過性フィルムを除電することを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法。
  11. 前記除電装置により前記光透過性フィルムを除電することにより、前記ブラスト材を吹き付けた直後の前記光透過性フィルムの帯電量を1[kV]以下にすることを特徴とする請求項10に記載の光学フィルムの製造方法。
  12. 前記ブラスト材は二酸化炭素を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法。
  13. 前記ブラスト材はドライアイスからなることを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法。
  14. 前記洗浄工程では、前記ブラスト材を減圧下で前記光透過性フィルムに吹き付けることを特徴とする請求項1乃至請求項13のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法。
  15. 前記ブラスト材を前記光透過性フィルムに吹き付けた後に、エアー式ウェブクリーナー、粘着式ウェブクリーナー又はブラシ式ウェブクリーナーのうち、少なくとも1つのクリーナーにより、前記光透過性フィルム上の付着物を除去することを特徴とする請求項1乃至請求項14のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法。
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