JP4929743B2 - 光照射器および光照射器に取り付けられる放電ランプ - Google Patents
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Description
このような紫外線を放射するランプとして、短時間で処理を実行できることから、出力が大きい棒状の高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等の放電ランプを使用することが多い。
40は、紫外線を含む光を照射する光照射器であり、被処理物(ワーク)Wは、例えば不図示の搬送機構により、この光照射器40の同図下方を通過するよう搬送され、紫外線が光出射口41から照射される。
ランプ配置用空間44には、紫外線を含む光を放射する棒状の放電ランプ50が、長手方向がワークWの搬送方向に対して直交するように配設される。
ランプ50は、その中心(ランプの内部に設けられている一対の放電電極の中心を結ぶ直線)が、反射ミラー45の第1焦点f1と一致するように取り付けられ、ランプ50から放射された光は、直接、または反射ミラー45により反射されて、光出射口41から出射し、反射ミラー45の第2焦点f2またはその近傍に配置されたワークWに照射される。
ランプ50点灯時は、排気ファン49が動作し、ランプ配置用空間44の光出射口41から、冷却風が光照射器40内に取り込まれる。
なお、樋状の反射ミラー45として、断面がパラボラ形状のミラーを使用する場合もある。
このように、反射ミラーの断面形状を変えると、ワークWに照射される光の特性が変わるので、反射ミラーの断面形状の種類は、処理目的に応じて所望の光の特性が得られるように使い分けられる。
図12は、ランプ50の長手方向に沿った方向の断面図であり、同図では反射ミラー45を省略し、第1焦点f1の位置のみ示しており、図13は、図12の線D−D断面図である。
放電電極51A、51Bは、封体53内部に、封体53の中心軸上に配置されるよう形成されている。
54A、54Bは、封体53の封止部55に取り付けられたセラミック製のベースであり、その断面は円形をしている。
ベース挟み部材82は、板金をベース54A、54Bの外形形状(太さ)に合せて曲げ、弾性を持たせたクリップであり、ベース挟み部材82がベース54A、54Bを挟み込むことにより、ランプ50が支持される。
ランプの製造工程において、ベース54A、54Bは、その中心が封体53の中心と一致するように接着により取り付けられ、したがって、電極51A、51Bの位置とベース54A、54Bの中心位置とは一致する。
したがって、ランプ支持台81とベース挟み部材82の中心位置(即ち円形のクリップの中心位置)を、あらかじめ反射ミラー45の第1焦点f1の位置と一致するように調整しておけば、ランプ50は、その中心が反射ミラー45の第1焦点f1と一致するように支持されることとなる。
光照射装置に取り付けられるランプのベースの直径は、例えば約20mmであるが、±0.5mm程度の加工誤差があり、また外形形状も真円ではなく個体差がある。
この隙間により、ベースはベース挟み部材の中での位置がずれ、ベースの中心位置がランプにより異なることとなり、したがってランプの中心位置が反射ミラーの第1焦点の位置からずれてしまう。
ランプの中心が反射ミラーの第1焦点からずれることにより、例えば被照射面での照度の均一度に影響が生じる。
しかし、ランプをランプのベースをベース挟み部材で挟んで支持する従来の方法では、ランプの中心位置と反射ミラーの第1焦点位置とが一致せず、照度均一度は±2%〜±3%になり、要求される光の特性を満たすことができなかった。
封体内部に一対の電極を有し両端にベースが取り付けられた放電ランプと、放電ランプの両側に設けられ、放電ランプを両端のベースにおいて支持する一組のランプ支持部材と、放電ランプからの光を反射する、断面が樋状の反射ミラーとを備えた光照射器において、放電ランプのベースの端面の、一対の電極を結ぶ仮想の直線との交点位置に、円錐状の凹部または凸部を形成する。
そして、放電ランプは、支持部材に設けられたピンが両端のベースの凹部または凸部に差し込まれ、ピンがばね材により向かい合う方向に押し付けられることにより、ベースの両端側から一対のピンにより挟まれて支持される。
そこで、ランプのベースには封体のチップの方向と所定の位置関係を有する凹部または凸部を形成する。
放電ランプは、凹部または凸部を形成したベースが、それと係合するホルダに差し込まれることにより、回転方向の位置が規制され、チップが重力方向以外の方向に向けて支持される。
放電ランプのベースの端面の、一対の電極を結ぶ仮想の直線との交点位置に凹部または凸部を形成し、この凹部または凸部に支持部材のピンに形成した凸部または凹部を差し込むことにより、放電ランプをベースの両端側から一対のピンにより挟んで支持するので、個々のランプでベースの直径や外形が違っていても、ランプの中心と反射ミラーの第1焦点の位置がずれることなく支持される。
同図は、ランプの長手方向に平行な方向の断面図であり、背景技術で説明した図11、図12に示したものと同じものには同一の符号が付されている。
また、ランプ配置用空間44には、ランプ50からの光を反射する、断面が楕円形状の反射面を有する樋状の反射ミラー45が、ランプの伸びる方向に沿って設けられている。
被処理物の処理目的により、必要とされる光の特性は異なるので、所望の光の特性が得られるように、反射ミラーの断面形状は適宜使い分けられる。
ランプ50は、一組の支持部材56A、56Bにより、その中心、即ちランプの封体53内に設けられている一対の放電電極51A、51Bの中心を結ぶ直線が、反射ミラー45の第1焦点f1と一致するように支持され、ランプ50から放射された光は、直接、または反射ミラー45により反射されて、光出射口から出射し、反射ミラー45の第2焦点またはその近傍に配置された被処理物(不図示)に照射される。
ランプ50点灯時は、排気ファン49が動作し、ランプ配置用空間44の光出射口41から、冷却風が光照射器40内に取り込まれる。
放電ランプ50は、断面が円形の封体53であるガラス管内には、水銀を始めとした一種または複数種の金属(鉄、タリウムなど)を含むガスが封入され、両端に封止部55が形成され封止(シール)されており、また封体53にはガス排気管の残留部であるチップ52が存在する。
したがって、電極51A、51Bの先端どうしを結ぶ直線は、円形の封体53の外径の中心軸と一致する。
さらに、ランプ50の両端には、封止部55を覆うように、セラミック製または金属製のベース54A、54Bが取り付けられる。
ベース54A、54Bには、封止部55が差し込まれる挿入部62、リード線が通過する貫通孔63、および封止部55が挿入される側とは反対側の端面64A、64Bの、外径rの中心には円錐状の凹部65が形成されている。
なお、ベース54A、54Bの端面64A、64Bの形状は、同図に示すような円形以外の形状、例えば六角形のような多角形状であってもよい。
したがって、ベース54A、54Bの端面64A、64Bの外径rの中心に形成された凹部65は、電極51A、51Bの先端を結ぶ直線とベースの端面との交点位置に設けられることになる。
同図は、ランプ50の長手方向に沿った方向の断面図であり、反射ミラー45を省略し、第1焦点f1の位置のみ示している。
ピン71A、71Bは、双方の先端が向かい合うように支持体70に取り付けられ、2本のピン71A、71Bを結ぶ直線は、反射ミラー45の第1焦点f1の直線と一致するように、上下左右方向の位置が支持台70の位置により調整される。
一方、他方の支持体56Aに取り付けられたピン71Aは、支持台70に形成された貫通孔73に挿入され、ランプ50の方向に移動自在に保持されている。
図5は、支持部材の、ばね材が取り付けられたピンの部分を拡大して示した図である。
なお、ピン71Aと貫通孔73内に隙間があると、ピン71Aにがたつきが生じ、ランプを所定の位置に支持できなくなる。
また、ランプ50は点灯中に熱膨張により伸びるが、その際は、ばね材74が縮むことにより、ピン71Aがランプ50から離れる方向に移動して、ランプ50の伸びが吸収される。
ピン71Aはばね材74に押されて、ランプ50をピン71Bの方向に押し付ける。
ランプ50は、ばね材74押し付ける力により、両端をピン71A、71Bに挟まれて支持される。
したがって、ランプ50の中心(即ち電極51A、51Bの中心)と反射ミラー45の第1焦点f1とを確実に一致させて取り付けることができる。
ランプ50は、両ベース54A、54Bの端面64A、64Bに形成された凹部65において、ランプ支持部材56A、56Bのピン71A、71Bにより支持されるのであるから、両ベース54A、54Bの凹部65(または凸部)を結ぶ直線とランプ50の中心(即ち電極51A、51Bの中心)とが一致していれば、ランプ50の中心(電極51A、51Bの中心)は反射ミラー45の第1焦点f1と一致する。
本実施例で、ベース54A、54Bの外径rの中心に凹部65を設けたのは、ランプ50の中心とベース54A、54Bの凹部65との位置合せが、ランプ50の外径Rの中心と、ベース54A、54Bの外径rの中心を合わせることにより達成でき、作業が容易になるためである。
図6に、ベースとピンに形成する凸部と凹部の形状と組み合わせの変形例を示す。同図の左側は凸部と凹部の断面形状を示し、右側は凸部が凹部に挿入された状態を示す。
図6(b)は、図6(a)の凹部と凸部の組み合わせを反対にしたものであり、ベース側に円錐状の凸部を、ピン側に円錐状の凹部を形成した場合である。
この場合も同様に、ランプは、ベースの凸部の頂点とピンの凹部の頂点の1点により支持される。
図6(c)は、ベース側に円柱状の孔の凹部を、ピン側に円錐状の凸部を形成した場合であり、ピンの凸部がベースの凹部に挿入されると、ピンの凸部とベースの凹部は、円錐の斜面の表面と円柱状の孔の円周のエッジ部分とで線接触することにより、ランプが支持される。
この場合も、図6(c)と同様に、ランプは、凹部と凸部が、円錐の斜面の表面と、円柱状の孔の円周のエッジ部分とで線接触することにより支持される。
図7に、上記実施例に、ランプの回転方向の位置を規制してチップを重力方向下方以外の方向に向けて支持するホルダを追加した構造を示す。
図8は、ランプ50のベース54Bを端部から見た斜視図であり、同図に示すように、ランプのベース54Bには、端面64Bの中心に円錐状の凹部65が形成されるとともに、切り欠き76が、封体53のチップ52の位置と同じ方向に形成されている。
なお、ベース54A側にも同様の切り欠き76が形成されている。
一方、ランプ50の支持部材56A、56Bのピン71A、71Bにはホルダ75が取り付けられている。
同図に示すように、ホルダ75はピン71Aと一体として設けられ、同図(a)(b)に示すように、ピン71Aは支持台70に形成された貫通孔73内に隙間のない状態で挿入され、ばね材74が伸び縮みすることで、ホルダ75とピン71Aは一体で、反射ミラー45の第1焦点f1の直線上を移動する。
そして、ホルダ75がランプ50のベース54A、54Bに挿入されれば、ベース54A、54Bの凹部に、ホルダ75の内部に飛び出しているピン71A、71Bの凸部72が挿入され、ランプ50の中心(即ち電極51A、51Bの中心)と反射ミラー45の第1焦点f1とが一致する。
なお、図7においては、ランプの両方のベースに切り欠きを設け、両方の支持部材切り欠きを設けたベースと係合するホルダを設けた例を示したが、切り欠きを設けたベースとそれに係合するホルダは、一方の支持部材のみに設けるようにしても良く、一方の支持部材に設けるだけでも、ランプの回転方向の移動は規制され、チップを重力方向下方以外の方向に向けて支持できる。
ベースに設ける切り欠きの位置は、チップの方向に対して、常に所定の位置関係を有するように形成されていればよく、切り欠きに対応する凸部を形成したホルダを、チップが重力方向を向かないように配置すればよい。
また、ベースに設ける切り欠きや突起である凹部または凸部は、1個に限るものではなく、複数設けてもよいし、凹部と凸部の組み合わせでも良い。
41 光出射口
42 隔壁
43 風洞
44 ランプ配置用空間
45 反射ミラー
46 通風口
48 ダクト
49 排気ファン
50 ランプ
51A、51B 電極
52 チップ
53 封体
54A、54B ベース
55 封止部
56A、56B ランプ支持部材
60 モリブデン箔
61 リード線
62 ベースの挿入部
63 ベースの貫通孔
64A、64B ベースの端面
65 ベースの凹部
66 接着剤
70 支持台
71A、71B ピン
72 ピンの凸部
73 支持台の貫通孔
74 ばね材
75 ホルダ
76 ベースの切り欠き
77 抜け止め
78 ホルダの凸部
81 ランプ支持台
82 ベース挟み部材
f1 反射ミラーの第1焦点
Claims (2)
- 封体内部に一対の電極を有し両端にベースが取り付けられた放電ランプと、該放電ランプの両側に設けられ、放電ランプを上記ベースにおいて支持する一組のランプ支持部材と、上記放電ランプからの光を反射する、断面が樋状の反射ミラーとを備えた光照射器において、
上記ベースの端面の、上記一対の電極を結ぶ仮想の直線との交点位置には、凹部または凸部が形成されるとともに、
上記ベースには、上記放電ランプの封体のチップの方向と所定の位置関係を有する凹部または凸部が形成されており、
上記一組のランプ支持部材には、上記ベースの端面に形成された凹部または凸部に係合する凸部または凹部を先端に形成した一対のピンが向かい合うとともに、上記一対のピンの先端を結ぶ仮想の直線が上記反射ミラーの第1焦点と一致するように設けられ、
上記ピンの少なくとも一方は、該ピンと該ピンを支持する支持台との間に取り付けたばね材により、上記仮想の直線に沿って、向かい合う他方のピンの方向に付勢されて設けられているとともに、
上記ベースに形成されている上記チップの方向と所定の位置関係を有する凹部または凸部と係合する形状の凸部または凹部が形成され、上記チップを重力方向下方以外の方向に向かせるように配置されたホルダが上記ピンと一体として設けられていることを特徴とすることを特徴とする光照射器。 - 請求項1に記載の光照射器に取り付けられる、封体内部に一対の電極を有し両端にベースが取り付けられた放電ランプであって、
上記ベースの端面の、上記一対の電極を結ぶ仮想の直線との交点位置には、凹部または凸部が形成されているとともに、
上記ベースには、上記放電ランプの封体のチップの方向と所定の位置関係を有する凹部または凸部が形成されていることを特徴とする放電ランプ。
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